JP2002260721A - ニッケル・水素二次電池 - Google Patents

ニッケル・水素二次電池

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JP2002260721A
JP2002260721A JP2001061712A JP2001061712A JP2002260721A JP 2002260721 A JP2002260721 A JP 2002260721A JP 2001061712 A JP2001061712 A JP 2001061712A JP 2001061712 A JP2001061712 A JP 2001061712A JP 2002260721 A JP2002260721 A JP 2002260721A
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nickel
secondary battery
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hydrogen secondary
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JP2001061712A
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Masahiko Tsukiashi
雅彦 月脚
Makoto Morita
誠 森田
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Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温保管時における自己放電特性が優れてい
るニッケル・水素二次電池を提供する。 【解決手段】 水酸化ニッケル粉末を主成分として担持
する正極2と、水素吸蔵合金粉末を主成分として担持す
る負極4との間に、親水化処理が施されたポリオレフィ
ン系繊維製不織布から成るセパレータ3を介装して成る
電極群5が、アルカリ電解液とともに電池缶1の中に封
入されているニッケル・水素二次電池において、電池缶
1の中には、アルカリ電解液に溶出した不純物の捕捉体
が配置されているニッケル・水素二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル・水素二次
電池に関し、更に詳しくは、高温保管時における自己放
電特性が優れているニッケル・水素二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話や携帯型のノートパソコンのよ
うな各種電子機器の電源には、従来の主流電源であった
ニッケル・カドミウム二次電池の電圧との互換性があ
り、しかもニッケル・カドミウム二次電池よりも高容量
であるということからニッケル・水素二次電池が広く使
用されている。
【0003】このニッケル・水素二次電池は、一般に、
水酸化ニッケルのようなニッケル化合物を担持する正極
と、水素吸蔵合金粉末を担持する負極との間に、電気絶
縁性でかつ保液性を有するセパレータを介装して電極群
を形成し、この電極群を電池缶の中に所定のアルカリ電
解液と一緒に封入して組み立てられる。そして、セパレ
ータとしては、アルカリ電解液との濡れ性を確保するた
めに、親水性が良好なポリアミド系繊維から成る不織布
が広く用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ニッケ
ル・水素二次電池は、充電状態で保管していると、とり
わけ高温環境下で保管していると、自己放電が加速され
るという問題がある。ニッケル・水素二次電池における
保管時の自己放電は、次のような要因に基づいて生起す
るものと考えられている。
【0005】第1の要因は、セパレータの酸化分解によ
り、また正極からも溶出してくる例えば硝酸イオン,亜
硝酸イオン,アンモニアのような窒素化合物系の不純物
がいわゆるシャトル反応を起こして、充電時に正極に生
成している充電生成物であるオキシ水酸化ニッケルに対
する還元反応が誘発されることや、オキシ水酸化ニッケ
ルそれ自体の還元反応である。その場合、後者の還元反
応は前者の還元反応に遅れて発生するので、自己放電は
前者の還元反応を律速因子として生起するものと思われ
る。
【0006】とくに、セパレータとして、前記した親水
性のポリアミド系繊維を用いた場合には、その酸化分解
が促進されて上記した窒素化合物系の不純物が発生しや
すいので自己放電が助長される。他の要因は、ニッケル
・水素二次電池に特有なものであるが、負極に用いてい
る水素吸蔵合金の吸蔵する水素が脱離し、その脱離水素
によって正極のオキシ水酸化ニッケルの還元反応が助長
されることである。
【0007】すなわち、例えば高温環境下でニッケル・
水素二次電池を充電状態で保管しておくと、水素吸蔵合
金の組成によっても異なるが、一般に温度上昇に伴って
負極の水素吸蔵合金の平衡圧が上昇して負極に吸蔵可能
な水素量は減少し、吸蔵水素の一部は水素吸蔵合金から
脱離する。その結果、電池内の水素分圧が上昇するとと
もに、水素吸蔵合金から脱離した水素は、アルカリ電解
液内を拡散し、セパレータを透過して正極表面に到達
し、そこで正極に生成しているオキシ水酸化ニッケルの
還元反応を助長する。
【0008】したがって、ニッケル・水素二次電池の高
温環境下における自己放電を抑制するためには、上記し
た2つの要因を取り除いて、正極の充電生成物であるオ
キシ水酸化ニッケルの還元反応を抑制することが必要に
なる。具体的には、酸化分解を起こさないセパレータを
用い、かつ、窒素化合物などの不純物が存在していると
しても、それらを捕捉して正極表面でのシャトル反応を
起こさせないようなセパレータを用いること(第1の要
因の解消)や、負極からの脱離水素を正極表面へ到達さ
せないようにすること(第2の要因の解消)などの対策
が考えられる。
【0009】このようなことから、従来、酸化分解を起
こしづらいポリオレフィン系繊維の例えば不織布に界面
活性剤を用いた表面処理を行って親水性を付与し、それ
をセパレータとして用いることが試みられている。しか
しながら、このセパレータの場合、電池の充放電を反復
すると、その過程で前記した界面活性剤が徐々に溶出し
ていくので、セパレータはその親水性を消失していくと
いう問題がある。
【0010】また、ポリオレフィン系繊維から成る不織
布に、発煙硫酸や濃硫酸中でスルホン基を導入するスル
ホン化処理や、カルボキシル基を有するビニルモノマを
グラフト重合させる処理などを行って親水性を付与し、
それをセパレータとして用いている。しかしながら、そ
のセパレータの場合、上記した親水化処理に伴って繊維
が脆化するという問題があり、また処理に用いた薬液の
廃棄のためにその無害化処理が必要になるという問題を
伴う。
【0011】本発明は、上記したような問題を引き起こ
すことのない親水性セパレータが組み込まれ、また電池
内の上記した不純物を捕捉する不純物捕捉体が配置され
ていて、高温保管時における自己放電特性が優れている
ニッケル・水素二次電池の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、水酸化ニッケル粉末を主成
分として担持する正極と、水素吸蔵合金粉末を主成分と
して担持する負極との間に、親水化処理が施されたポリ
オレフィン系繊維製不織布から成るセパレータを介装し
て成る電極群が、アルカリ電解液とともに電池缶の中に
封入されているニッケル・水素二次電池において、前記
電池缶の中には、前記アルカリ電解液に溶出した不純物
の捕捉体が配置されていることを特徴とするニッケル・
水素二次電池が提供される。
【0013】具体的には、前記不純物捕捉体が前記セパ
レータであり、そのセパレータは、親水化処理が施され
たポリオレフィン系繊維製不織布から成り、かつアンモ
ニア捕捉能を有し、また、前記不純物捕捉体は、電池内
の硝酸根の量に対し、5倍値以上のアンモニア捕捉能を
示し、そして、前記親水化処理が低温プラズマ照射処理
であるニッケル・水素二次電池が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、本発明のニッケル・水素二
次電池を、円筒形ニッケル・水素二次電池を例にして図
1に基づいて説明する。図1において、有底円筒形の電
池缶1の中には、正極2とセパレータ3と水素吸蔵合金
電極(負極)4とを重ね合わせたシートを渦巻状に巻回
して成る電極群5がアルカリ電解液と一緒に収容されて
いる。そして、負極4は電極群5の最外側に配置される
ことにより電池缶1と電気的に接触し、また、電極群5
の底部は、電池缶1の底部に配置された絶縁板6の上に
配置される。
【0015】上記した電極群5は、通常、巻芯を中心に
して上記シートを巻回したのち、最後はその巻芯を除去
して形成される。したがって、この電極群5の中心部は
巻芯の直径を有する円柱状空隙15になっている。そし
て、電池缶1の上部開口部の内側にはリング状の絶縁ガ
スケット7が配置され、この絶縁ガスケット7に周縁部
が噛み込んだ状態で中央に孔8を有する円盤形状の封口
板9が配置され、前記電池缶1の上部開口部を内側に縮
径する加締加工を行うことにより、前記封口板9が絶縁
ガスケット7を介して電池缶1の上部開口部を気密に封
口している。
【0016】また、電極群5の上部にはリード端子10
が付設され、このリード端子10は前記した封口板9の
下面に溶接されている。そして、ゴム製の安全弁11が
封口板9の中央孔8を塞ぐようにして配置され、更にそ
れを覆うようにして帽子形状の正極端子12が封口板9
に溶接されて電極群が封入されている。また、上記した
構造の電池缶の上部には、中央孔を有する絶縁材料の押
え板13が当該中央孔から前記正極端子12のみを突出
させた状態で配置され、そして押え板13の周縁部、電
池缶1の側面部と底面部を被覆して外装チューブ14が
配置されている。
【0017】なお、本発明の電池は上記したような円筒
形に限定されるものではなく、例えば、正極とセパレー
タと水素吸蔵合金電極(負極)とを交互に積層して直方
体形状の電極群とし、これを角形の電池缶に収容して封
入した構造の角形電池であってもよい。本発明の電池に
おける正極2は概ね次のようにして製造される。すなわ
ちまず、水酸化ニッケルを主体とする活物質粉末と、例
えばカルボキシルメチルセルロース、メチルセルロー
ス、ポリテトラフルオロエチレンまたはそのディスパー
ジョン、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースのような結着剤とを水で混練して粘
稠なペーストを調製し、このペーストを、例えばニッケ
ルやステンレス鋼や、ニッケルめっきが施された樹脂か
ら成り、スポンジ状、網状、フェルト状の3次元網状構
造をした集電体に充填・塗着したのち乾燥し、更に加圧
成形して正極シートにする。
【0018】なお、用いる活物質粉末としては、単一の
水酸化ニッケル粒子であってもよく、また水酸化ニッケ
ルに例えば亜鉛やコバルトが固溶しているものであって
もよい。更に、上記したペーストの調製時に、金属コバ
ルト、一酸化コバルト、水酸化コバルト、三酸化コバル
トなどを添加しておくと、電池組み立て後の初充電時に
正極の水酸化ニッケル粒子の表面に導電性のコバルトの
高次酸化物が形成されることにより、活物質の利用率は
高まり、充放電サイクル寿命特性も向上した電池を得る
ことができる。
【0019】次に、負極4は、水素吸蔵合金粉末と結着
剤と、必要に応じては例えば黒鉛やカーボンブラックの
ような導電材との所定量を水で混練して成るペーストを
集電体に充填・塗布したのち、乾燥、成形して製造され
る。用いる水素吸蔵合金としては、格別限定されるもの
ではなく、電気化学的に水素を吸蔵・放出できるもので
あれば何であってもよく、例えば、LaNi5,MmN
5(Mmはミッシュメタル),LmNi5(Lmはラン
タン富化のミッシュメタル)、またはNiの一部をA
l,Mn,Co,Ti,Cu,Zn,Zr,Cr,Bな
どで置換した多元素系のもの;TiNi系,TiFe
系,MgNi系またはそれらの混合系;をあげることが
できる。とくに、次式;LmNiwCo×MnyAl
z(w,x,y,zは5.00≦w+x+y+z≦5.5
0を満足する原子比を表す)で示される水素吸蔵合金
は、充放電サイクル時における微粉化が抑制され、電池
のサイクル寿命特性を向上せしめることができるという
点で好適である。
【0020】また、結着剤としては、正極2の製造時に
用いる前記した高分子材料をあげることができ、集電体
としては、例えばパンチドメタル、エキスパンドメタ
ル、穿孔鋼板、ニッケルネットなどの2次元基板をあげ
ることができる。本発明の電池において、セパレータ3
としては、親水化処理が施されたポリオレフィン系繊維
製不織布が用いられる。
【0021】このポリオレフィン系繊維としては、具体
的には、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの
ポリオレフィン繊維それ自体;あるポリオレフィン繊維
の表面が異種類のポリオレフィン繊維で被覆されている
芯鞘構造の複合繊維;互いに異種類であるポリオレフィ
ン繊維の分割構造になっている複合繊維などをあげるこ
とができ、またポリオレフィンとしては例えばポリエチ
レン,ポリプロピレンが好適である。
【0022】不織布としては、その目付量が30〜70
g/m2であるものが好ましい。目付量が30g/m2
り小さい場合は、セパレータとして強度不足となり、他
方、70g/m2より大きい場合は、電池容量の低下を
招くことがあるからである。そして、上記したような不
織布に対して、その表面に親水化処理を施すことにより
セパレータとして使用される。
【0023】その場合の親水化処理としては、例えば、
スルホン化処理,アクリル酸のグラフト重合処理,フッ
素化処理,低温プラズマ照射処理などをあげることがで
きる。これらのうち、低温プラズマ照射処理はが好適で
ある。この低温プラズマ照射処理の場合、減圧容器(プ
ラズマ処理装置)の中で処理対象の不織布を挟んで設置
された一対の電極間に高周波電場を形成して実施され
る。例えば、容器内を一旦減圧したのち、そこにO2
2,Arのような処理ガスを導入して容器内を0.05
〜1Torrに保持し、更に、電極間に高周波(例えばラジ
オ周波数13.56MHz)またはマイクロ波(例えば2.
54GHz)で放電を行い、その出力を5〜100W,処
理時間を0.1〜30分に設定して実施される。上記し
た処理条件から外れている条件下で処理を行うと、処理
後の不織布は親水性が不充分であるため、電池反応に必
要なイオンや水の移動が困難になったり、また不織布繊
維の切断や不織布の熱収縮などが起こり、電極群の形成
が困難になるなどの問題が生じてくる。
【0024】なお、上記した条件下におけるプラズマパ
ラメータの1例は、電子温度20000〜40000°
K,電子密度109〜1013/cm3,イオン温度200〜
400°K,イオン密度109〜1013/cm3,プラズマ
空間電位10〜90Vである。アルカリ電解液として
は、例えば水酸化ナトリウム水溶液と水酸化リチウム水
溶液の混合水溶液,水酸化カリウム水溶液と水酸化リチ
ウム水溶液の混合水溶液,水酸化ナトリウムと水酸化カ
リウム水溶液と水酸化リチウム水溶液の混合水溶液が用
いられる。
【0025】本発明の電池は、上記した構造において、
後述する不純物捕捉体が内蔵・配置されていることを特
徴とする。なお、ここでいう不純物とは、例えば正極2
からアルカリ電解液に溶出して前記したシャトル反応を
誘発する硝酸イオン,亜硝酸イオンやアンモニアなどの
硝酸根を主として指し、したがって、その捕捉体とはこ
れら硝酸根を捕捉してアルカリ電解液中への拡散を防止
する機能を有するもののことを指す。
【0026】本発明において、上記した捕捉体の硝酸根
に対する捕捉能は、特開平10−116600号公報で
開示されているキエルダール法で測定されたアンモニア
捕捉容量(単位:mmol/g)で示される。この捕捉体と
しては、例えば次のような態様のものを使用することが
できる。第1の態様は、上記したセパレータ3それ自体
であり、それは電極群5の中に配置される。
【0027】その場合、不織布の親水化処理時に、不織
布の表面にアクリル酸をグラフト重合させる処理または
スルホン化処理を行うことにより、処理後の不織布に
は、親水性と同時にアンモニア捕捉能が付与される。第
2の態様は、保護セパレータである。すなわち、前記し
たセパレータ3を用いて電極群5を形成するときに、そ
のエッジ部分やクラックによって正負極間で短絡が起こ
ることを抑制するために、セパレータ3と重ね合わせて
使用される保護セパレータとして使用する場合である。
この保護セパレータもその表面にアクリル酸のグラフト
重合処理やスルホン化処理が施されている。
【0028】第3の態様は、アクリル酸のグラフト重合
処理やスルホン化処理が施された不織布を、そのままで
もよいし、適当な大きさに裁断した状態であってもよい
が、図1で示した電池の空隙15の中や、電極群5の上
部の間隙に配置する場合である。いずれも態様の場合で
あっても、これら捕捉体は、アルカリ電解液に溶出して
いる硝酸根(不純物)を捕捉することができるので、シ
ャトル反応が抑制されることになる。
【0029】このような不純物捕捉能としては、電池内
に存在する硝酸根の量に対して、5倍値以上のアンモニ
ア捕捉能になっていることが好ましい。そのとき、シャ
トル反応を誘発する硝酸根を確実に捕捉・固定して、電
池の自己放電特性を高めることができるからである。
【0030】
【実施例】実施例1〜4,比較例 1.セパレータ スパンボンド法で平均繊維径10μmのポリプロピレン
繊維から成る不織布(目付量50g/m2,厚み0.16
mm)を用意した。この不織布をプラズマ処理装置の平行
電極と平行にセットし、1時間減圧したのち、酸素ガス
を30sccmの流量で供給して装置を0.1Torrに調整
し、ラジオ周波数13.56kHz,50Wの高周波電力で
5分間の低温プラズマ処理を行った。
【0031】得られた不織布を不織布aとする。なお、
この不織布aのアンモニア捕捉容量をキエルダール法で
測定したところ、0mmol/gであった。すなわち、これ
はアンモニア捕捉能を備えていない。一方、上記と同じ
不織布に対してアクリル酸グラフト処理を行った。すな
わち、前記不織布をアクリル酸水溶液に浸漬したのち取
り出し、それに紫外線を照射してアクリル酸モノマをグ
ラフト重合させ、ついで洗浄して未反応のアクリル酸を
除去し、更に乾燥して、キエルダール法で測定したとき
のアンモニア捕捉容量が0.5mmol/gである不織布に
した。この不織布を不織布bとする。
【0032】2.電池の組立 まず、組成式がLmNi4.0Co0.4Mn0.3Al0.3(L
mはランタン富化ミッシュメタル)であり、200メッ
シュ通過の水素吸蔵合金粉末100質量部に対し、ポリ
アクリル酸ナトリウム0.3質量部,カルボキシメチル
セルロース0.05質量部,カーボンブラック1.0質量
部,PTFEディスパージョン(比重1.5,固形分含
量60質量%)を固形分換算で1.0質量部混合し、全
体を44質量部の水で混練して負極合剤のペーストを調
製した。
【0033】このペーストを、ニッケルパンチングメタ
ルに塗布したのち、乾燥,加圧成形を順次行って水素吸
蔵合金電極(負極)を得た。一方、水酸化ニッケル粉末
100重量部に対し、一酸化コバルト粉末6.1質量
部,カルボキシメチルセルロース0.12質量部,ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース0.06質量部,ポリ
アクリル酸ナトリウム0.16質量部,PTFEディス
パージョン(比重1.5,固形分60質量%)を固形分
換算で0.67質量部、更に水30質量部を添加して全
体を混練し、正極合剤のペーストを調製した。
【0034】このペーストをニッケル発泡体シートに充
填したのち乾燥し、更に加圧成形して正極を得た。この
負極と正極の間に不織布aを配置して渦巻状に巻回して
電極群5を形成し、それを、7NのKOH水溶液と1N
のLiOH水溶液とから成る電解液とともに電池缶1の
中に封入して図1で示した円筒形ニッケル・水素二次電
池を組み立てた。したがって、この電池はアンモニア捕
獲能を備えていない。これを比較例電池とする。
【0035】なお、この電池内の硝酸根の量は、上記し
た正極および負極のそれぞれにつき、キエルダール法で
予め測定しておいた。その値をcとする。次に、不織布
bを不織布aに張り付け、不織布bを巻回時における正
負極間の耐ショート用の保護セパレータとして用いて電
極群を形成し、それを電池缶の中に封入して円筒形ニッ
ケル・水素二次電池を組み立てた。したがって、この電
池の場合は、不織布bも併用されているのでアンモニア
捕捉能を備えた電池になっている。
【0036】そして、上記した電池の組立時に不織布b
の使用量を変えることにより、アンモニア捕捉能が異な
る電池にした。アンモニア捕捉容量が、上記した硝酸根
の量cの10倍値となるように組み立てた電池を実施例
電池1,cの5倍値となるように組み立てた電池を実施
例電池2,cの4倍値となるように組み立てた電池を実
施例電池3とした。
【0037】また、比較例電池の組立時に、不織布bの
裁断片を、上記した硝酸根の量の10倍値に相当する量
だけ空隙15と電極群5の上面に配置して電池を組み立
てた。この電池を実施例電池4とする。 4.電池の特性 以上5種類の電池につき、温度20°において0.2C
の電流値で150%の満充電を行い、ついで1Cの電流
値で電池電圧が1.0Vになるまでの放電を行うことを
1サイクルとする充放電を3サイクル行った。
【0038】その後、0.2Cの電流値で150%の満
充電を行い、その状態で、温度45℃の恒温槽に14日
間保管した。そして、1Cの電流値で電池電圧が1.0
Vになるまでの放電を行い、そのときの放電容量を測定
し定格容量に対する容量残存率(%)を求め、比較例電
池の容量残存率を100%としたときの相対値(%表
示)を求めた。以上の結果を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、アンモニア捕捉
能を有する不織布bを保護セパレータとして用いている
実施例電池は、いずれも、アンモニア捕捉能がない比較
例電池に比べて容量残存率が大きく、高温保管時におけ
る自己放電特性が優れている。しかし、アンモニア捕捉
容量が硝酸根の量の4倍値である実施例電池3の容量残
存率は、他の実施例電池の容量残存率に比べて小さい。
このようなことから、電池の組立時にアンモニア捕捉容
量が電池内の硝酸根の量の5倍値以上となるようにする
ことが好ましい。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
ニッケル・水素二次電池は、高温保管時における自己放
電特性が優れている。これは、電池の中に、シャトル反
応を引き起こす不純物を捕捉することができる捕捉体、
具体的には不織布にアクリル酸のプラズマ重合処理やス
ルホン化処理を施したものを配置したことによって得ら
れる効果である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニッケル・水素二次電池の1例を示す
一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
1 電池缶 2 正極 3 セパレータ 4 負極 5 電極群 6 絶縁板 7 ガスケット 8 孔 9 封口板 10 正極リード 11 安全弁 12 正極端子 13 押さえ板 14 外装シール 15 空隙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケル粉末を主成分として担持
    する正極と、水素吸蔵合金粉末を主成分として担持する
    負極との間に、親水化処理が施されたポリオレフィン系
    繊維製不織布から成るセパレータを介装して成る電極群
    が、アルカリ電解液とともに電池缶の中に封入されてい
    るニッケル・水素二次電池において、前記電池缶の中に
    は、前記アルカリ電解液に溶出した不純物の捕捉体が配
    置されていることを特徴とするニッケル・水素二次電
    池。
  2. 【請求項2】 前記不純物捕捉体が前記セパレータであ
    り、そのセパレータは、親水化処理が施されたポリオレ
    フィン系繊維製不織布から成り、かつアンモニア捕捉能
    を有する請求項1のニッケル・水素二次電池。
  3. 【請求項3】 前記不純物捕捉体は、電池内の硝酸根の
    量に対し、5倍値以上のアンモニア捕捉能を示す請求項
    2のニッケル・水素二次電池。
  4. 【請求項4】 前記親水化処理が低温プラズマ照射処理
    である請求項2または3のニッケル・水素二次電池。
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