JP2002255861A - 非活性化芳香族化合物の環フッ素化 - Google Patents

非活性化芳香族化合物の環フッ素化

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた求電子フッ素化剤を用いて基質を求電
子フッ素化する方法を提供する。 【解決手段】 非置換芳香族化合物および1つ以上の電
子吸引性置換基を有する芳香族化合物が、好ましくはニ
トロメタン溶媒中で、次の式Iのトリ(ハロ−もしくは
トリフルオロメチル)置換N−フルオロトリアジニウム
塩と接触させることによりフッ素化される: 【化1】 ここで、3つのA部分は独立してCRであり、各Rは独
立してハロゲンもしくはトリフルオロメチルであり;2
つのA部分は独立してZであり、各Zは独立して窒素も
しくは4級窒素原子であり;そしてY- はフッ素による
化学的攻撃に不活性である対イオンもしくは対イオン群
である。好ましくは塩のカチオンは、2,4,6−トリ
クロロ−1,3,5−トリアジニウムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非活性芳香族化合物
(すなわち、非置換芳香族化合物、および1つ以上の電
子吸引性置換基を有する芳香族化合物)をフッ素化する
ためのトリ(ハロ−もしくはトリフルオロメチル)置換
N−フルオロトリアジニウム塩の使用に関する。
【0002】
【従来の技術】フッ素化は特に特殊化学品(speci
ality chemicals)が関係する産業の多
くの領域で重要な方法である。公知のフッ素化法は、フ
ッ素化剤が有機分子、すなわちフッ素原子(F)、フ
ッ化物イオン(F- )または、概念的にフルオロニウム
イオン(F+ )における活性部位と結合してフッ素を与
える、認められた方法により都合よく分類される。フッ
素原子を含むフッ素化は悪名高く発熱性で非選択的であ
り、したがって、有機化合物の「軽い」戦略的フッ素化
(すなわち重要な分子部位に1つもしくは2つのフッ素
置換基またはトリフルオロメチル基の導入)はフッ素の
求核および求電子源の移り気な有効性(availab
ility)に頼る。最近、N−フルオロ化合物の使用
が「求電子」メカニズムによる炭素−フッ素結合の選択
的形成のための最も広く使用される方法の1つとなっ
た。この合成法の最近の包括的なレビューはトリアジン
に由来するN−F試薬に言及していない(G.G.Fu
rinのMethods ofOrganic Che
mistry(Houben−Weyl):Volum
e 10a;Organofluorine Conp
ounds(ed.B.Baasner,H.Hage
mann、およびJ.C.Tatlow)Georg
Thieme Verlag、シュツッツガルト、19
99年、432〜499頁参照)。
【0003】1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4
−ジアゾニアビシクロ〔2,2,2〕オクタンビス(テ
トラフルオロ−ホウ酸塩)(いわゆるF−TEDA−B
4)は公知で、商業的に入手しうる(商標「Sele
ctfluor」)フッ素化剤であり、一般的な目的の
フッ素化剤として有用である。しかしこの物質は中程度
のフッ素化力を有するにすぎず、強制的な条件下、たと
えば24時間の還流下でのみベンゼンをフッ素化しう
る。F−TEDA−BF4 の化学的性質はR.E.Ba
nksにより、J.Fluorine Chemist
ry 87(1998)1〜17にレビューされてお
り、その全内容は引用によりここに組入れられる。
【0004】N−フルオロピリジニウム塩およびその環
置換類縁体、たとえばN−フルオロピリジニウムトリフ
レートはフッ素化剤としての使用が知られているが、比
較的低いフッ素化力を有する。米国特許第482876
4号明細書は、なかんずく式Rf SO2 NFRを含むあ
るN−フルオロ−N−ペルフルオロアルキルもしくはペ
ルフルオロアリールスルホンアミドは求電子フッ素化剤
であることを開示する。この式においてRf は過フッ素
化したC1 〜C30アルキル、C3 〜C30シクロアルキ
ル、C6 〜C14アリール置換C1 〜C10アルキルまたは
6 〜C14アリール基、そしてRはC1 〜C30アルキ
ル、C3 〜C30シクロアルキル、C6 〜C14アリール置
換C1 〜C10アルキル、またはなかんずくフッ素を含む
1つもしくはそれより多い不活性置換基で任意に置換し
たC6 〜C14アリール基を表わし、そしてRf がトリフ
ルオロメチルであるときRは代わりにペルフルオロメチ
ルスルホンアミドを表わしうる。好適なフッ素化剤はD
esMarteau試薬として知られるN−フルオロビ
ス−(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Rf
CF3 およびR=CF3 SO2 )、ならびにN−フルオ
ロ−メチルトリフルオロメタンスルホンアミド(Rf
CF3 およびR=CH3 )であると述べられている。D
esMarteau試薬は、室温でベンゼンをフルオロ
ベンゼンに転換しうる強力な求電子フッ素化剤である
が、製造するのに危険で、時間がかかり、そして高価で
あり、容易に利用しうる材料から8もしくは9の反応段
階を必要とする。非常に限られた数の、他の公知のフッ
素化剤のみが強制条件なしにベンゼンをフッ素化するの
に十分強力であるが、それらは比較的収率が低いか、も
しくは特殊な用心を必要とすることが多い。ベンゼンを
フッ素化することが報告されたものは、DesMart
eau試薬に加えて、CF3 OF,XeF2 ,NF+
4 -,N2+ AsF6 -、N−フルオロペンタクロロピ
リジニウムトリフレート、ペルフルオロ−〔N−フルオ
ロ−N−(4−ピリジル)メタンスルホンアミド〕およ
びN−フルオロ−2,6−ビス(メトキシカルボニル)
ピリジニウムトリフレートを含む。これらの化合物の非
常にわずかな、N4 +BF- およびXeF2のみが、ニト
ロベンゼンのような電子吸引性置換基を有する芳香族基
質をフッ素化することが知られている。
【0005】次の式AのN−フルオロトリアジニウム塩
が知られている:
【0006】
【化8】
【0007】ここで: (i)X=H&Y- =AsF6 -(文献1−下記参照) (ii)X=F&Y- =AsF6 -(文献2−下記参照) (iii)X=F&Y- =BF4 -(文献3−下記参照)およ
び (iv)X=Cl&Y- =AsF6 -(文献2および4−下
記参照)。 式AのN−フルオロトリアジニウム塩はたとえば有機金
属化学において使用される酸化剤であると報告されてい
る。XがH,FおよびClである式Aの化合物のカチオ
ン成分は「酸化的フッ素化剤」(“oxidative
fluorinators”)、およびそれらの酸化
の強さのための品質尺度として記載されており、NF4 +
のそれは最初から計算された(文献3−下記参照)。
【0008】文献1=BroshagらのInorg.
Chim.Acta,205(1993)167〜17
3; 文献2=SchleyerらのInorg.Chem.
32(1993)1523〜1524; 文献3=SchulzおよびKlapoetkeのJ.
Organometal.Chem.480(199
4)195〜197;ならびに 文献4=BroschagらのZ.Anorg.All
g.Chem.,620(1994)1132〜113
6。
【0009】1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−
S−トリアジニウムヘキサフルオルヒ酸塩(式A:X=
Cl;およびY- =AsF6 -)は「有望なフッ素化剤」
であるとSchleyerらに記述があるが、さらなる
詳細は与えられず、またはその後も報告されなかった。
酸化剤として以外の式Aの化合物の使用は考慮されず、
研究されなかったと考えられる。特に、文献3および4
に報告された計算値にもかかわらず酸化性フッ素化剤
(非フッ素化の酸化剤とは異なる)として評価されたこ
れらの化合物について従来技術では何も開示されていな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非活性化芳
香族化合物を容易にフッ素化する、十分に強い求電子フ
ッ素化剤であるトリ(ハロ−もしくはトリフルオロメチ
ル)置換N−フッ素化トリアジニウム塩を提供する。
【0011】その最も広い態様において、本発明は非置
換芳香族化合物および1つ以上の電子吸引性置換基を有
する芳香族化合物から選ばれる基質をフッ素化する方法
を提供し、基質をトリ(ハロ−もしくはトリフルオロメ
チル)置換N−フルオロトリアジニウム塩と接触させる
ことを含む。
【0012】N−フルオロトリアジニウム塩は次の式I
からなる:
【0013】
【化9】
【0014】ここで:3つのA部分は独立してCRであ
り、各Rは独立してハロゲンもしくはトリフルオロメチ
ルであり;2つのA部分は独立してZであり、各Zは独
立して窒素もしくは4級窒素原子であり;そしてY-
フッ素による化学的攻撃に不活性である対イオンもしく
は対イオン群である。
【0015】トリアジニウム化合物は次の式IAの1,
2,4−トリアジニウム化合物、または特に次の式IB
の1,3,5−トリアジニウム化合物であるのが現在、
好適である:
【0016】
【化10】
【0017】ここで:R1 ,R2 およびR3 は独立して
ハロゲンもしくはトリフルオロメチル;Z1 およびZ2
は独立して窒素もしくは4級窒素原子;そしてY- はフ
ッ素による化学的攻撃に不活性である対イオンもしくは
対イオン群である。
【0018】前述のとおり、式IのN−フルオロトリア
ジニウム塩はベンゼンのような非置換芳香族基質および
クロロベンゼンもしくはニトロベンゼンのような1つ以
上の電子吸引性置換基を有する芳香族基質を室温フッ素
化しうる著しく強力なフッ素化剤である。
【0019】通常、式IAおよびIBについて、すべて
のR置換基、すなわちR1 ,R2 およびR3 は所与の化
合物において同一である。
【0020】式Iの化合物はトリアジニウム環に少くと
も1つのフッ素化4級窒素原子を含み、他のトリアジニ
ウム窒素原子の1つもしくは両方は4級、好適にはフッ
素化された、窒素でありうる。好適な態様において、式
IAについて、両方のZ、すなわちZ1 およびZ2 の両
方は窒素であり、そして最も好適な化合物は次の式IIの
化合物である:
【0021】
【化11】
【0022】ここでR1 ,R2 ,R3 およびY- は上で
定義されたとおりである。
【0023】本発明による好適な化合物の例は、下の式
III〜Vに示されるようなトリアジニウムカチオンを有
する化合物である。
【0024】
【化12】
【0025】1−フルオロ−2,4,6−トリス(トリ
フルオロメチル)−1,3,5−トリアジニウム
【0026】
【化13】
【0027】1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−
1,3,5−トリアジニウム
【0028】
【化14】
【0029】1−フルオロ−2,4,6−トリフルオロ
−1,3,5−トリアジニウム対イオンY- はフッ素に
よる化学的攻撃に耐性であり、望ましくは熱的に安定
で、低い環境的毒性を有する。対イオンはトリアジニウ
ムカチオンに対する対イオンでありうるいかなるアニオ
ンであってもよい。対イオンは、トリアジニウム部分の
電荷をバランスさせるように、単一の電荷、もしくは多
数の電荷を有するか、または対イオン群であってもよ
い。さらに対イオンは、たとえばカチオンが単一電荷を
有し、そして対イオンが多数の電荷を有する、1モルよ
り多いトリアジニウムカチオンに対する対イオンであっ
てもよい。
【0030】適切には対イオンは弱い求核性である。適
切なアニオンは、フッ化物、フルオロ硫酸塩(SO3
- );アルカンスルホン酸塩、特にメタンスルホン酸塩
(CH3 SO3 -);アルキル硫酸塩、特にメチル硫酸塩
(CH3 SO4 -);ペルフルオロアルカンスルホン酸
塩、特にトリフレート(CF3 SO3 -)およびノナフレ
ート(C49 SO3 -);アレーンスルホン酸塩、特に
トシレート(すなわちp−トルエンスルホン酸塩;p−
CH364 SO3 -);アルカンカルボン酸塩;ペル
フルオロアルカンカルボン酸塩;テトラフルオロホウ酸
塩(BF4 -);テトラフェニルホウ酸塩(Ph4
- );ヘキサフルオロリン酸塩(PF6 -);ヘキサフル
オロアンチモン酸塩(SbF6 -);ヘキサフルオロヒ酸
塩(AsF6 -);塩素酸塩(ClO3 -);硫酸塩(SO
4 2- =2Y- );硫酸水素塩(HSO4 -)およびF(H
F)x -(xは少くとも1)を含む。現在、好適な対イオ
ンは、フッ化物、テトラフルオロホウ酸塩、トリフレー
ト、トシレート、ヘキサフルオロヒ酸塩およびヘキサフ
ルオロリン酸塩を含む。
【0031】好適には、式Iの化合物は溶媒にもとづく
方法を用いて製造され、トリアジン化合物を、方法条件
下で不活性である溶媒中で酸性条件下でフッ素源と接触
させることからなる。
【0032】適切には、フッ素源は、たとえばフッ素ガ
ス、もしくはフッ素ガスと少くとも1つのフッ化物イオ
ンをY- から取り除くことによりフッ素含有対イオンY
- から由来しうる中性化合物、たとえば三フッ化ホウ
素、の混合物のような求電子フッ素源である。好適には
フッ素源はフッ素ガスである。フッ素ガスは希釈しない
で使用されうるが、一般的に不活性ガスで希釈されたフ
ッ素ガスを用いるのが好ましく、不活性ガスの量は猛裂
な反応を調節するために99.9%〜5%である。適切
な不活性ガスは窒素、ヘリウムおよびアルゴンを含む。
【0033】フッ素化されるべきトリアジン化合物は、
適切には式VIの化合物であり、化合物もしくは式RCN
の化合物の混合物を、式(RCN)3 のトリアジン化合
物を製造するために公知の方法に供することにより得ら
れることができ、ここでRは独立して、ここで述べられ
るようなR1 ,R2 もしくはR3 である:
【0034】
【化15】
【0035】フッ素化工程は、ブレンステッド酸(有機
もしくは鉱酸)またはルイス酸でありうる酸の存在下で
実施される。酸の程度はトリアジン化合物の二重プロト
ン化を減少および望ましくは避けるように、さらにF−
+ の収率(19F NMRで測定して)少くとも20
%、そして望ましくは少くとも50%を与えるように適
切に調節される。望ましくはトリアジン基質に対する酸
のモル比は0.5〜2.5、好ましくは1〜2.2であ
る。
【0036】ブレンステッド酸の好適な例は約12.4
〜約4.6の範囲のpKaを有し、ハロゲン化アルコー
ル、たとえば、クロロジフルオロエタノール、ジクロロ
フルオロエタノール、クロロオクタフルオロ−t−ブタ
ノール、トリフルオロエタノール、テトラフルオロプロ
パノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオ
ロイソプロパノール、オクタフルオロペンタノール、お
よびノナフルオロ−t−ブタノールを含む。フッ素化ア
ルコール、特に塩素のないアルコールは特に好適であ
る。
【0037】特に好適な他の酸は、上述の対イオンY-
の酸、たとえば無水フッ化水素酸、ヘキサフルオロアン
チモン酸、テトラフルオロホウ酸、およびトリフル酸
(triflic acid)硫酸、メタンスルホン
酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸を含む。
【0038】ブレンステッド酸はエーテル、水、アルコ
ール、ニトリル、カルボン酸等との複合体の形態で使用
され得、水性溶液の形態で使用されうる。
【0039】好適には、溶媒は非水性であり、溶媒はア
セトニトリル、ハロゲン化、とくにフッ素化アルコー
ル、もしくは特にニトロメタンであるのが特に好適であ
る。この点について、いかなるN−Fもしくは +N−F
試薬とともに溶媒として、もしくは他の目的で、ニトロ
メタンを使用する提案は従来なされていなかったと考え
る。
【0040】所望ならば、同一の材料が酸および溶媒の
両方として使用されうる。
【0041】式Iの化合物を製造する反応は、溶媒が液
相で、フリーラジカルによる反応が減少し、適切に回避
されるのに十分に低温での温度で実施される。選択され
た特定の温度は溶媒および反応物にも依存する。例とし
てのみ、反応は適切に−40〜10℃の温度で実施され
うる。−40〜20℃の温度がアセトニトリルに対して
好適であり、そして−10〜5℃の温度がヘキサフルオ
ロイソプロピルアルコールに対して好適である。反応
は、上昇圧力で実施されうるが、これは本質的ではな
い。
【0042】トリアジン化合物のフッ素化は撹拌タンク
バッチ反応器を用いて実施されうる。フッ素源がガス状
である場合には、フッ素源は大気圧以下の純ガスとし
て、または大気圧付近で窒素もしくは他の不活性希釈剤
と混合されたフッ素の連結流として、のいずれも適切で
ある。有利には、式Iの化合物の製造法は連続法として
操業されうる。
【0043】式Iの化合物はSelectfluor
(商標)に類似した方法で、そしてこの分野で公知の方
法(たとえば、R.E.BanksらのJ.Chem.
Soc.Perkin Trans.I、1996年、
2069頁を参照)で求電子フッ素化剤として用いられ
うる。そのフッ素化剤は適切な基質と任意に上昇した温
度で接触されうる。所望ならば、フッ素化方法は、溶
媒、たとえばアセトニトリル、または特にニトロメタン
中で実施されうる。上述のとおり、いかなるN−Fもし
くは +N−F試薬とともに、溶媒として、もしくは他の
目的でニトロメタンを使用することの提案は従来何らな
されていなかったと考える。
【0044】式Iの化合物がフッ素化反応に使用され、
そしてフッ素を消耗すると、さらなるフッ素化反応にお
ける再使用のためにフッ素源を導入することにより回収
され、再発生されうる。
【0045】式Iの化合物は単離され得、または反応混
合物から分離しないで使用されうる。所望ならば、反応
混合物は分離されたフッ素化反応器に導入され得、また
は式Iの化合物は精製され得、またはそうでないと使用
の前に処理される。
【0046】したがって、本発明は、フッ素化基質を製
造する方法も提供し、好ましくは酸性条件下で、トリ
(ハロ−もしくはトリフルオロメチル)トリアジン化合
物を、処理条件下で不活性な溶媒中でフッ素源と接触さ
せることを含み、その結果、トリアジン化合物における
窒素原子の少くとも1つがフッ素化され、式Iの化合物
を生成し、そしてその場でもしくはその後に、その化合
物をフッ素されるべき基質と接触させることを含む。
【0047】本発明は次の非制限的な実施例により例示
される。実施例1 1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−
トリアジニウムトリフレートの製造 塩化シアヌリル(0.1g、0.5mmol)、トリフリッ
ク酸(0.08g、0.53mmol)およびアセトニトリ
ル(80cm3 )が、フッ素化反応器に入れられ、−35
℃に冷却され、強く撹拌され、そして出口ガスがフッ素
の強い陽性試験(KI)を与えるまで、1:9(v/
v)フッ素−窒素混合物(流速130cm3/分)で処理
された。得られる無色反応溶液の少量の試料(20cm
3 )が水性KIで酸化特性を試験され、強い陽性の結果
を与えた。低温(−35℃)反応溶液の試料(20cm
3 )は乾燥ベンゼン(2.0cm3 )で処理され、そして
均一混合物は外部錠としてD2 Oを用いて19F NMR
により分析される前に、室温に暖められた。スペクトル
はδF −36.2(m)ppm (TFA(トリフルオロ酢
酸)対照)でフルオロベンゼンに対する特徴的な吸収を
示した。残留する反応溶液は減圧下で蒸発され、空気中
で発煙(fume)する白色固体を生成した。この発煙
固体(CD3 CN)に溶解)の19F NMRスペクトル
は5.4(s)ppm(TFA対照)における期待された
OTf- 吸収、ならびに1−フルオロ−2,4,6−ト
リクロロ−1,3,5−トリアジニウムトリフレートの
+NF基に帰属しうる39.3(br.s)ppm におけ
る吸収を含むことがわかった。この白色固体が高度に吸
湿性であることによって、十分な元素分析は得ることが
不可能であった;この生成物の試料のヨウ素滴定は、F
+ 含量が62%(すなわち、試薬モル当り存在する酸化
+ の割合)であることを明らかにした。反応はフッ素
化溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いて
くり返されるが、得られる物質はわずか86%の純度(
19F NMRによる評価)であった。実施例2 CD3 CN中の1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ
−1,3,5−トリアジニウムテトラフルオロホウ酸塩
を用いるフッ素化 必要な量の1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−
1,3,5−トリアジニウムテトラフルオロホウ酸塩
は、CD3 CN中の基質の冷たい溶液(0℃)に添加さ
れる前に、効率的な乾燥箱(アルゴン雰囲気)中でガラ
スびんに秤量された。反応混合物は室温に暖められ、標
準NMRチューブに移され、スペクトルが測定された。1)メトキシベンゼンとの反応 反応は1:1および2:1モル比の両方にもとづいて実
施された(メトキシベンゼン: +NF)。2つの実験に
おいて、反応は即時で、発熱性であり、溶液は黄色(0
℃で)から暗紫色(室温で)に変化した。8時間後、反
応溶液の19FNMRスペクトル(188.8MHz;2
7℃;CFCl3 )はδF (1:1反応)−126.6
(m,4−F)および−137.8(m,2−F)およ
び(1:2反応)−126.6(m,4−F)および−
137.9(m,2−F)ppm(生成物比:4−F:2
−F,2:1)で吸収を示した;他(未同定)の吸収が
δF −123.2,−123.3,−132.0、およ
び−132.9ppm で観察された。2)ベンゼンとの反応 反応は1:1モル比の反応物を用いて実施された。反応
溶液の進行する色変化が観察され〔無色(0℃〜室温、
1.0時間)、薄い黄色(室温、2.0〜4.0時
間)、黄色〜薄い茶色(室温、4.0〜8.0時
間)〕、そして8時間後、 19F NMR(CFCl3
スペクトルが測定され、δF −115.2(m)ppm お
よびβF4 -ピークでフルオロベンゼンに対する特徴的吸
収のみを含むことがわかった。3)クロロベンゼンとの反応 反応は1:1モル比にもとづいて実施された。8時間後
(室温:無色から薄い茶色の溶液に変化)、19F NM
R(CFCl3 )スペクトルが測定され、δF−11
6.0(m,4−F)ppm で4−クロロフルオロベンゼ
ンに帰属しうる吸収を示した。4)ニトロベンゼンとの反応 反応は1:1モル比にもとづいて実施された。8時間後
(室温;無色溶液は薄い茶色に変化した)、生成物の19
F NMR(CFCl3 )スペクトルが測定され、δF
−109.4(m,3−F)で吸収を示し、1−フルオ
ロ−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジニ
ウムテトラフルオロホウ酸塩の分解に関連する吸収より
も強く、したがって3−フルオロニトロベンゼンが生成
されたことを示した。5)CD3 CN中の1−フルオロ−2,4,6−トリク
ロロ−1,3,5−トリアジニウムテトラフルオロホウ
酸塩の19F NMR試験 1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−
トリアジニウムテトラフルオロホウ酸塩のCD3 CN溶
液は室温で製造され(無色)、そしてその19FNMR
(対照CFCl3 )スペクトルがただちに測定された;
これは+15.3(br.s., +NF)ppm および−
146.7(br.s.,BF4 -)ppmで吸収を示し
た。多数の小さなピークがδF −1.0および−110
ppm の間の領域で観察され、 +NF塩の分解が生じたこ
とを示唆した。試料は、スペクトルが再び測定される前
に、2.0時間、放置された(溶液の色は薄い茶色に変
化した);これは、塩の分解に関連する吸収ピークの強
度は著しく増加したのに、δ F +15.3における +
F吸収の強度は著しく減少したことを明らかにした。こ
れらの小さな吸収は上の反応からのすべての生成物のス
ペクトル中に存在した。実施例3 溶媒なしに1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−
1,3,5−トリアジニウムテトラフルオロホウ酸塩を
用いるフッ素化 1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−
トリアジニウムテトラフルオロホウ酸塩(0.1g、
3.4mmol)および過剰の基質の懸濁液が室温で密封チ
ューブ中に調製された(アルゴン充填乾燥箱を用い
て)。混合物は数分間約60℃に加熱され、ついで室温
に冷却された。その前に少量の試料が注射器で採取さ
れ、その19F NMR(CFCl3 )スペクトルが外部
錠としてD2 Oを用いて測定される前に、不溶性物質
(すなわち、1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−
1,3,5−トリアジニウムテトラフルオロホウ酸塩)
を除去するために濾過された。1)ベンゼンとの反応 生成物の19F NMRスペクトルがすぐに測定され、δ
F −113.3(m)ppm でモノフルオロベンゼン、そ
してδF −119.9ppm で1,4−ジフルオロベンゼ
ンの特徴的な吸収を約2:1の比で示した。反応混合物
のKI試験は強い陽性の結果を与え、反応がこの段階で
終了していなかったことを示し、反応混合物は14日間
室温に放置された(過度の期間、この段階で陰性のKI
試験)。ついで、試料の19F NMRスペクトルが再び
測定され、もう1つのジフルオロ異性体、すなわち1,
2−ジフルオロベンゼンの存在を明らかにした〔δF
138.7(m)ppm ;1,2−C642 に対する
1,4−の比は約2:1であった〕。2)クロロベンゼンとの反応 生成物の19F NMRスペクトルは、反応が実施された
すぐ後に測定され、δ F −111.0(m,3−F);
−115.7(m,2−F)および−116.1(m,
4−F)での吸収を含むことがわかった(2−:3−:
4−異性体の比は約1:0.3:2であった)。14日
後(陰性KI試験)、19F NMRスペクトルは他のい
かなる生成物の存在の形跡も示さなかった。3)ニトロベンゼンとの反応 反応溶液の19F NMRスペクトルは約25分後に、δ
F −110.27(m)で3−フルオロニトロベンゼン
に帰属しうる1つの弱い吸収を含んでいた。しかし、1
4日後に(なお陽性のKI試験)、19F NMRスペク
トルはδF −110.3(m)で3−フルオロニトロベ
ンゼン、そしてδF −119.1(m)で2−フルオロ
ニトロベンゼン(約2:1の比)、に相当する吸収を示
した;さらにKI試験の結果を保持して、試薬の +NF
吸収はなお存在した。
【0048】ベンゼンおよびクロロベンゼンの前述のフ
ッ素化において、反応混合物は懸濁した〔(ClCN)
3 F〕+ BF4 -を含んでいたが、均一な反応混合物がこ
の実験で得られた。ニトロベンゼンのフッ素化を完結さ
せるために、反応混合物は、90℃で2時間加熱され、
ついでKI溶液で試験され、陰性の結果を与えた。G.
C.分析は、3−フルオロニトロベンゼンおよび2−フ
ルオロニトロベンゼンのみの存在を明らかにし、比(約
2:1の比)の著しい変化はなかった。2−フルオロ誘
導体の存在にもかかわらず、4−フルオロニトロベンゼ
ンの存在については形跡が得られなかった。4−フルオ
ロニトロベンゼンの不存在は、非常に動きやすい(mo
bil)フッ素の求核性置換により反応もしくは次の取
扱い操作の間に異性体が減少することに起因しえた。こ
の点について反応容器は反応の間にエッチングされた。実施例4 (i)1−フルオロ−2,4,6−トリス(トリフルオ
ロメチル)−1,3,5−トリアジニウムトリフレート
の製造 2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,
5−トリアジン(0.2g、0.7mmol)、トリフル酸
(0.11g、0.73mmol)およびヘキサフルオロイ
ソプロパノール(80cm3 )が流動フッ素化反応器に入
れられ、冷却され(−5℃)、強く撹拌され、そして出
口ガスがフッ素に対する強い陽性試験(KI)を与える
まで、1:9( vol/vol )フッ素−窒素混合物(流速
130cm 3 /分)で処理された。得られる無色反応溶液
の少量の試料(10cm3 )が水性KIで酸化特性を試験
され、強い陽性の結果を与えた。残留する反応溶液は減
圧下で蒸発され、空気にさらされるとき発煙する無色の
油状物質を生成した。この物質(CD3 CN中)の19
NMRスペクトルはδF +0.5−6.0(s;TF
A対照)ppm に期待されたOTf- およびCF3 、なら
びに+28.3(br.s)に1−フルオロ−2,4,
6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリ
アジニウムトリフレートの +NF基に帰属しうる弱い吸
収を含んでいた。反応は多数回くりかえされたが、純粋
+NF塩は単離されず、それは +NF塩の吸湿性とそ
の水への反応性によると考えられた。 (ii)1−フルオロ−2,4,6−トリス(トリフルオ
ロメチル)−1,3,5−トリアジニウムトリフレート
を用いるベンゼンのフッ素化 上の(i)からの冷たい(−5℃)反応溶液の試料(3
0cm3 )が乾燥ベンゼン(2.0cm3 )で処理され、均
一な混合物が一夜室温に暖められ、ついで外部錠として
2 Oを用いて、19F NMRにより分析された。スペ
クトルはδF −36.4(m;TFA対照)ppm でフル
オロベンゼンの特徴的な吸収を示した。実施例5 ニトロメタン中の1−フルオロ−2,4,6−トリクロ
ロ−1,3,5−トリアジニウムテトラフルオロホウ酸
塩を用いるフッ素化 1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−
トリアジニウムテトラフルオロホウ酸塩(0.1g、
3.4mmol)および基質の等モル溶液がアルゴン充填乾
燥箱を用いて密封チューブ中で室温で(メトキシベンゼ
ンを含む反応を除く)ニトロメタン(20cm3 )中で調
製された。反応の進行はシリンジにより少量の試料を採
取すること、ならびにそれらを19F NMR分析(CF
Cl3 対照;D2 O外部錠)に供することにより測定さ
れた。 1)メトキシベンゼンとの反応 反応は1:1および2:1モル比の両方にもとづいて実
施された(メトキシベンゼン: +NF)。両方の実験に
おいて、反応は即時で発熱性であり、溶液は無色(約−
20℃で)から暗紫色(室温で)に色を変えた。2時間
後、反応溶液の 19F NMRスペクトル(188.8M
Hz;27℃、CFCl3 )はδF (1:1反応)−1
26.6(m,4−F)および−137.8(m,2−
F)、ならびに(1:2反応)−126.6(m,4−
F)および−137.9(m,2−F)ppm (生成物
比:4−F:2−F=2:1)で吸収を示した。 2)ベンゼンとの反応 生成物の19F NMRスペクトルがすぐに測定され、δ
F −113.3(m)ppm でモノフルオロベンゼン、な
らびにδF −119.9ppm で1,4−ジフルオロベン
ゼン、の特徴的な吸収を約2:1の比で示した。反応混
合物についてのKI試験は、強い陽性の結果を示した
が、これは反応がこの段階で完了しておらず、したがっ
て反応混合物は70℃に加熱され、その19F NMRス
ペクトルが反応の進行を測定するために間隔測定され
た。2時間後に、スペクトルはフルオロベンゼンおよび
1,4−ジフルオロベンゼンのみの吸収を示し、反応混
合物はなお陽性のKI試験を与えた。しかし、6時間
後、陰性のKI試験が得られ、NF試薬の消費が十分で
あることを示し、そして19F NMR分析はもう1つの
ジフッ素化異性体、すなわち1,2−ジフルオロベンゼ
ン〔δF −138.7(m)ppm ;1,2−C64
2 に対する1,4−の比は約2:1であった。〕の存在
を明らかにした。 3)クロロベンゼンとの反応 反応溶液の19F NMRスペクトルは、溶液が調製され
たすぐ後に測定されδ F −111.0(m,3−F);
−115.7(m,2−F)および−116.1(m,
4−F)で吸収を含むことがわかった(2−:3−:4
−異性体の比は約1:0.3:2であった。)。70℃
で6.0時間、その溶液を加熱した後には(陰性のKI
試験)、その19F NMRスペクトルは他のいかなる生
成物の存在の形跡も示さなかった。 4)ニトロベンゼンとの反応 反応溶液の19F NMRスペクトルは約25分後にδF
−110.27(m)で3−フルオロニトロベンゼンに
帰属しうる1つの弱いピークを含んでいた。しかし、7
0℃での6.0時間の加熱後に(なお陽性のKI試
験)、19F NMRスペクトルはδF −110.3
(m)で3−フルオロニトロベンゼン、ならびにδF
119.1(m)で2−フルオロニトロベンゼン(約
2:1の比)、に相当する吸収を示した;さらにKI試
験の結果(弱い陽性)を保持して、試薬の +NF吸収は
なお存在した。実施例6 ニトロメタン中の1−フルオロ−2,4,6−トリクロ
ロ−1,3,5−トリアジニウムトリフレートの製造 塩化シアヌリル(0.1g、0.54mmol)、トリフル
酸(0.08g、0.53mmol)およびニトロメタン
(80cm3 )がフッ素化反応器に入れられ、冷却され
(−30℃)、強く撹拌され、そして出口ガスがフッ素
の強い陽性試験(KI)を与えるまで、1:9(v/
v)フッ素−窒素混合物(流速130cm3 /分)で処理
された。得られる無色反応溶液の少量の試料(20cm
3 )が水性KIで酸化特性を試験され、強い陽性の結果
を与えた。低温(約−30℃)反応溶液の試料(20cm
3 )は乾燥ベンゼン(2.0cm3 )で処理され、均一混
合物は外部錠としてD2 Oを用いて19F NMRにより
分析される前に、室温に暖められた。スペクトルは、δ
F −36.2(m)ppm (TFA対照)でフルオロベン
ゼンに特徴的な吸収を示した。残留する反応溶液は室温
に暖められ(透明で無色のままであった)、ついで減圧
下で蒸発され、空気中で発煙する、わずかに灰色がかっ
た白色固体を生成した。この発煙固体(CH3 NO2
溶解され、外部錠としてD2 Oを使用する)の19F N
MRスペクトルは、5.4(s)ppm (TFA対照)に
期待されたOTf- 吸収、ならびに39.3(br.
s)ppm に1−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−
1,3,5−トリアジニウムトリフレートに帰属しうる
吸収を含むことがわかった。この白色固体の高吸湿性の
ために、さらなる分析は得られなかった。
【0049】上述の反応は溶媒として、CHCl3 で希
釈されたCH3 NO2 (CH3 NO 2 を10%、50%
および80%含む混合物が検討された)を用いてくり返
された。ニトロメタンの割合が増加するにつれて、フッ
素化はもっとみごとに進行した;このようにCH3 NO
2 だけの、もしくは80%CH3 NO2 の使用は透明
で、無色の反応溶液を室温で製造するが、CH3 NO2
の比較的低い濃度での使用は反応溶液が大気温度に暖め
られた後に、再び着色した溶液(10%でこげ茶色;5
0%で薄い黄色)を与えた。
【0050】本発明は好適な態様について上述された詳
細に限定されるのではなく、数多くの修飾および変更が
請求項に規定された本発明の範囲を逸脱しないでなされ
うることが理解されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 201/12 C07C 201/12 205/12 205/12 C07D 251/24 C07D 251/24 251/28 251/28 B D (72)発明者 ロナルド エリック バンクス イギリス国,エスケー7 4エスエル,チ ェーシャー,ストックポート,ヘイゼル グローブ,リングフィールド アベニュ, 9 (72)発明者 モハメド カーリファ ベシェーシュ イギリス国,エスケー23 7エーキュー, ダービーシャー,ハイ ピーク,ホェイリ ー ブリッジ,オーチャード ロード,18 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC30 BB18 EA21 GP03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非置換芳香族化合物および1つ以上の電
    子吸引性置換基を有する芳香族化合物から選ばれる基質
    をフッ素化する方法であり、基質を次の式Iのトリ(ハ
    ロ−もしくはトリフルオロメチル)置換N−フルオロト
    リアジニウム塩と接触させることを含む方法: 【化1】 ここで:3つのA部分は独立してCRであり、各Rは独
    立してハロゲンもしくはトリフルオロメチルであり;2
    つのA部分は独立してZであり、各Zは独立して窒素も
    しくは4級窒素原子であり;そしてY- はフッ素による
    化学的攻撃に不活性である対イオンもしくは対イオン群
    である。
  2. 【請求項2】 N−フルオロトリアジニウム塩が次の式
    IAのN−フルオロ−1,2,4−トリアジニウム化合
    物である請求項1記載の方法: 【化2】 ここで:R1 ,R2 およびR3 は独立してハロゲンもし
    くはトリフルオロメチル;Z1 およびZ2 は独立して窒
    素もしくは4級窒素原子;そしてY- はフッ素による化
    学的攻撃に不活性である対イオンもしくは対イオン群で
    ある。
  3. 【請求項3】 N−フルオロトリアジニウム塩が次の式
    IBのN−フルオロ−1,3,5−トリアジニウム化合
    物である請求項1記載の方法: 【化3】 ここで:R1 ,R2 およびR3 は独立してハロゲンもし
    くはトリフルオロメチル;Z1 およびZ2 は独立して窒
    素もしくは4級窒素原子;そしてY- はフッ素による化
    学的攻撃に不活性である対イオンもしくは対イオン群で
    ある。
  4. 【請求項4】 R置換基、すなわちR1 ,R2 およびR
    3 が塩素、フッ素およびトリフルオロメチルから選ばれ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 芳香族基質がクロロベンゼンおよびニト
    ロベンゼンから選ばれる請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 R置換基、すなわちR1 ,R2 およびR
    3 が同一である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 各R、すなわちR1 ,R2 およびR3
    それぞれが塩素である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 各R、すなわちR1 ,R2 およびR3
    それぞれがフッ素である請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 各R、すなわちR1 ,R2 およびR3
    トリフルオロメチル基である請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 両方のZ、すなわちZ1 およびZ2
    両方が窒素もしくはフッ素化した4級窒素である請求項
    1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 両方のZ、すなわちZ1 およびZ2
    両方が窒素である請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 N−フルオロトリアジニウム塩が次の
    式IIのN−フルオロ−1,3,5−トリアジニウム化合
    物である請求項11記載の方法: 【化4】 ここでR1 ,R2 ,R3 およびY- は関連する請求項に
    規定されたとおりである。
  13. 【請求項13】 N−フルオロトリアジニウム塩が次の
    式IIAのN−フルオロ−2,4,6−トリクロロ−1,
    3,5−トリアジニウム化合物である請求項12記載の
    方法: 【化5】 ここでY- はフッ素による化学的攻撃に不活性である対
    イオンもしくは対イオン群である。
  14. 【請求項14】 N−フルオロトリアジニウム塩が次の
    式IIBのN−フルオロ−2,4,6−トリフルオロ−
    1,3,5−トリアジニウム化合物である請求項12記
    載の方法: 【化6】 ここでY- はフッ素による化学的攻撃に不活性である対
    イオンもしくは対イオン群である。
  15. 【請求項15】 N−フルオロトリアジニウム塩が次の
    式IICのN−フルオロ−2,4,6−トリス(トリフル
    オロメチル)−1,3,5−トリアジニウム化合物であ
    る請求項12記載の方法: 【化7】 ここで、Y- はフッ素による化学的攻撃に不活性である
    対イオンもしくは対イオン群である。
  16. 【請求項16】 Y- が、フッ化物、フルオロ硫酸塩、
    アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ペルフルオロ
    アルカンスルホン酸塩、アレーンスルホン酸塩、アルカ
    ンカルボン酸塩;ペルフルオロアルカンカルボン酸塩、
    テトラフルオロホウ酸塩、テトラフェニルホウ酸塩、ヘ
    キサフルオロリン酸塩;ヘキサフルオロアンチモン酸
    塩;ヘキサフルオロヒ酸塩;塩素酸塩;硫酸塩(=2Y
    - )、硫酸水素塩およびF(HF)x -(xは少くとも
    1)から選ばれる請求項1〜15のいずれかに記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 Y- がフッ化物、テトラフルオロホウ
    酸塩、トリフレート、トシレート、ヘキサフルオロヒ酸
    塩およびヘキサフルオロリン酸塩から選ばれる請求項1
    6記載の方法。
  18. 【請求項18】 Y- がトリフレートである請求項17
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 不活性溶媒がニトロメタンを含む請求
    項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 【請求項20】 トリアジン化合物を、トリアジン化合
    物の少くとも1つの窒素原子をフッ素化するためにニト
    ロメタンを含む不活性溶媒中で酸性条件下でフッ素源と
    接触させることを含む請求項1〜4,6〜17のいずれ
    かに記載の式Iの化合物の製造方法。
  21. 【請求項21】 フッ素源がフッ素ガス、またはフッ素
    ガスと、フッ素含有対イオンY- から少くとも1つのフ
    ッ素イオンをY- から除去することにより得られる中性
    化合物との混合物とから選ばれる請求項20記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 フッ素源が不活性ガスで任意に希釈さ
    れたフッ素ガスである請求項20記載の方法。
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