JP2002254052A - 焼却残渣の溶融処理方法及びその溶融炉 - Google Patents

焼却残渣の溶融処理方法及びその溶融炉

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JP2002254052A
JP2002254052A JP2001057814A JP2001057814A JP2002254052A JP 2002254052 A JP2002254052 A JP 2002254052A JP 2001057814 A JP2001057814 A JP 2001057814A JP 2001057814 A JP2001057814 A JP 2001057814A JP 2002254052 A JP2002254052 A JP 2002254052A
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furnace
gas
melting
melting furnace
dust
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JP2001057814A
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Keisuke Nakahara
啓介 中原
Takuya Shinagawa
拓也 品川
Hiroshi Yamamoto
浩 山本
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Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩類を含む焼却残渣を溶融しても、炉壁耐火
物の浸食が回避されると共に、溶融炉の操業を安定的に
継続することができる焼却残渣の溶融処理方法及びその
溶融炉を提供すること。 【解決手段】 溶融炉10内のガスを炉外へ抜き出して
遠心式分級機23で集塵処理し、この集塵処理されたガ
スを溶融炉内10へ戻して循環させ、炉内ガスの集塵処
理を繰り返して行いながら、溶融炉10へ焼却残渣を装
入して溶融し、溶融炉から排出される排ガスを排ガス処
理設備へ導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ焼却残渣
のような塩類を含む焼却残渣の溶融処理方法及びその焼
却残渣の溶融炉に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみや産業廃棄物などを焼却
した際に発生する焼却残渣の処分に際し、焼却残渣中の
重金属が溶出しないように安定化させるとともに焼却残
渣自体を減容化することが必要な状況になってきた。こ
のため、一部の焼却残渣については、減溶化と重金属の
安定化(不溶化)が同時に行われる溶融固化法によって
処理されている。焼却残渣の溶融処理は種々の方法によ
って行われているが、これらの方法うち、密閉構造に構
成された電気抵抗式の溶融炉や誘導加熱式の溶融炉を使
用する方法においては、炉内に焼却残渣の溶融物を滞留
させながら加熱保持し、焼却残渣を装入して順次溶融さ
せる処理が行なわれる。例えば、電気抵抗式溶融炉を使
用する方法による操業は次のように行われる。
【0003】炉内に焼却残渣の溶融物を滞留させてお
き、この溶融物中に浸漬されている電極間に通電してそ
れ自体の電気抵抗熱によって溶融物を加熱しながら、そ
の上に焼却残渣を装入する。装入された焼却残渣は溶融
物により加熱されて溶融する。この際、生成した溶融物
が炉内に滞留している間に、溶融物中の成分が比重差に
よって、メタル、スラグ、塩類に分離される。このた
め、焼却残渣がNaClやKClなどの塩類を含むもの
である場合、炉内には上部に溶融塩層が形成され、その
下に溶融スラグ層が形成される。分離された溶融塩と溶
融スラグは別々に抜き出される。
【0004】一方、溶融炉内で焼却残渣が加熱・溶融さ
れた際に発生したガスは排ガス処理設備へ送られ、浄化
される。この排ガス処理設備においては、次の2段階の
処理が行われる。まず、焼却残渣が溶融した際に発生す
るガス中にはCOやH2 などの有毒ガスや可燃性ガスが
含まれており、又、ガス中のダイオキシン類を分解する
必要があるので、溶融炉から排出される排ガスを燃焼室
へ導入して燃焼させると共に所定温度で所定時間滞留さ
せる処理を行う。次いで、バグフィルタなどの集塵機で
除塵処理を行った後、放散する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術によ
り、NaClやKClなどの塩類を含む焼却残渣を溶融
する処理を行うと、その塩類の存在により、次に述べる
ような種々のトラブルが引き起こされる。
【0006】その一つとして、塩類を含む焼却残渣を溶
融すると、溶融された焼却残渣中の塩類が比重差によっ
て他の成分と分離され、炉内に溶融塩の層が形成される
が、この溶融塩と接する部位の炉壁の耐火物が著しく浸
食され、炉体の補修費が嵩むという問題がある。
【0007】又、炉内へ装入された焼却残渣中の塩類は
溶融されて液状化し、排出されるが、塩類のすべてが溶
融状態で排出される訳ではなく、炉内においては、塩類
の気化が絶え間なく起こっているので、この気化した塩
類によっても、溶融炉の操業に支障を来す問題が発生す
る。
【0008】すなわち、都市ごみ焼却残渣のような塩類
を含む焼却残渣は、主として、融点が1300℃〜15
00℃の酸化物や、融点が700℃〜800℃のNaC
lやKClなどの塩類よりなる混合物であるが、焼却残
渣の溶融処理は焼却残渣に含まれているすべての成分を
溶融してしまう処理であるので、その溶融炉の操業にお
いては、すべての成分が溶融する高温、すなわち酸化物
の融点以上の温度になるまで加熱される。このため、融
点が低い塩類は成り行きのままに加熱されて気化する。
【0009】しかし、気化した塩類のうち、そのまま炉
外へ排出される塩類の量は意外に少なく、気化した塩類
の多くは浮遊しながら炉内に滞留する。これは、焼却残
渣を溶融した際に発生するガスは焼却残渣中に残留して
いた炭素分や有機成分などが熱分解したものだけであっ
て、その量が非常に少なく、従って、排気量が非常に少
ないためである。そして、塩類の蒸気が炉内で滞留して
いる間に、冷却されて凝縮し、さらに凝集して大きな粒
子になって、溶融塩層上へ落下し、再び溶融塩になって
しまう。このため、炉内に形成されている溶融塩層は消
失せず、再び塩類の気化が起こる。
【0010】このようにして、塩類の気化が繰り返して
行われている間に、気化した塩類の一部が炉蓋や炉壁に
付着して凝縮・固化し、その固化物が次第に増加して排
ガスの排出流路が狭められてしまう。このため、排ガス
の排出に支障が生ずるようになり、溶融炉の操業を継続
することができなくなる。
【0011】又、塩類を含む焼却残渣を溶融する処理を
行うと、排ガス処理設備においても、問題が発生する。
前述のように、溶融炉から排出された排ガスは燃焼室へ
導入されて燃焼処理されるが、燃焼室は、ダイオキシン
類を分解するために、850℃付近に保持されているの
で、NaClやKClなどの融点の低い塩類を含む排ガ
スを導入した場合には、塩類が溶融して液状化し、燃焼
室の壁面やダクトに付着する。そして、ダクトなどに付
着した塩類の量が次第に増加して、ついには閉塞状態に
なり、溶融炉の操業を継続することができなくなる。
又、上記の塩類は消炎作用を有しており、燃焼室におけ
る燃焼状態が不安定になると言う問題が発生する。
【0012】本発明は、塩類を含む焼却残渣を溶融して
も、炉壁耐火物の浸食が回避されると共に、溶融炉の操
業を安定的に継続することができる焼却残渣の溶融処理
方法及びその溶融炉を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明に係る焼却残渣の溶融処理
方法は、密閉型の溶融炉へ焼却残渣を装入して溶融する
溶融処理方法において、溶融炉内のガスを炉外へ抜き出
して集塵処理し、この集塵処理されたガスを溶融炉内へ
戻して循環させ、炉内ガスの集塵処理を繰り返して行い
ながら、溶融炉へ焼却残渣を装入して溶融し、溶融炉か
ら排出される排ガスを排ガス処理設備へ導入することを
特徴としている。
【0014】請求項2に記載の発明に係る焼却残渣の溶
融処理方法は、請求項1に記載の発明において、炉内ガ
スの集塵処理が、溶融炉内で焼却残渣の成分が気化して
生成した微細ダストをも除去可能な集塵処理であること
を特徴としている。
【0015】請求項3に記載の発明に係る焼却残渣の溶
融炉は、焼却残渣を溶融する密閉型の溶融炉において、
溶融炉内のガスを炉外へ抜き出した後、再び溶融炉内へ
戻す炉内ガスの循環流路が形成され、この循環流路中に
集塵機が設けられていることを特徴としている。
【0016】請求項4に記載の発明に係る焼却残渣の溶
融炉は、請求項3に記載の発明において、集塵機が遠心
式分級機であることを特徴としている。
【0017】請求項5に記載の発明に係る焼却残渣の溶
融炉は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、
集塵装置へ導入する炉内ガスに低温のガスを混入させる
ための低温ガス供給装置を有することを特徴としてい
る。
【0018】請求項6に記載の発明に係る焼却残渣の溶
融炉は、請求項3〜請求項5の何れかに記載の発明にお
いて、焼却残渣を溶融する密閉型の溶融炉が電気抵抗式
溶融炉であることを特徴としている。
【0019】本発明では、溶融炉内へ装入した焼却残渣
中の塩類が、溶融塩層を形成して炉内に滞留したり、気
化して炉内に滞留したり、或いは排ガスと共に燃焼室へ
送り込まれたりすることによって起こる種々の問題を回
避するために、気化して生成した塩類のダストを炉内か
ら除去する処理を行い、炉内ガスのダスト濃度を低下さ
せる。
【0020】このダスト除去のために、溶融炉内のガス
を一旦炉外へ抜き出して集塵処理し、この集塵処理され
たガスを溶融炉内へ戻した後、新たに発生したガスと共
に再び炉内ガスを抜き出して集塵処理し、炉内ガスを循
環させる。このようにして、炉内ガスを繰り返して集塵
することにより、炉内ガスのダスト濃度が希薄になる。
そして、凝集して落下するダストも殆どなくなり、溶融
物上部に溶融塩は溜まらなくなる。
【0021】この結果、炉内の溶融物に溶融塩層が形成
されなくなると共に、繰り返して気化する塩類の量が減
少し、炉内ガスのダスト濃度、すなわち溶融炉から排出
される排ガスのダスト濃度が著しく低下する。このた
め、炉壁の耐火物が浸食されたり、気化した塩類が炉蓋
や炉壁に付着して溶融炉の操業に支障を来したり、燃焼
室のガス流路が閉塞されたり、或いは燃焼状態が不安定
になったりする問題は発生しなくなる。
【0022】ところで、密閉型の溶融炉の一つである電
気抵抗式溶融炉により、都市ごみ焼却残渣を溶融した際
に排出される排ガスには200g/Nm3 〜500g/
Nm 3 にも及ぶダストが含まれている。このダストの大
部分は炉内で塩類が気化して生成した数μm以下の微細
なダストである。
【0023】本発明者らは、高温下で、上記のような微
細なダストをも捕集することができる集塵装置の一つと
して、遠心式分級機を適用することにした。溶融炉ガス
中のダストは数μm以下の微粒子が大部分であるが、高
速の渦流が形成される遠心式分級機を用いれば、ガス中
のダストの多くを捕集することができる。なお、本発明
におけるダストの除去処理は、必ずしも、ガス中のダス
トを完全に除去してしまうことを意味するものではな
く、溶融炉内や燃焼室にトラブルが発生しなくなる程度
に、ガス中のダスト量を大幅に減少させる処理を含む。
【0024】上記の集塵機によりダストを捕集する処理
を行う場合、溶融炉から抜き出される炉内ガスの温度が
ある限度以上の高温である場合には、炉内ガスを冷却し
て所定温度以下にしなければならない。都市ごみ焼却残
渣などに含まれている塩類はNaClやKClなどから
なる多種類の混合物であるので、一般に、その融点は5
50℃付近である。又、密閉型の溶融炉内におけるガス
温度は、通常、400℃〜700℃の高温になっている
ので、炉内で気化した塩類の一部が溶融状態で存在して
いる。このため、通常、集塵装置へ導入する排ガスの温
度は500℃以下に冷却することが必要である。もし
も、温度が塩類の融点以上の排ガスを集塵装置へ導入す
ると、溶融状態のダストが装置に付着してしまい、短時
間の間に運転が不能になる。
【0025】溶融炉から抜き出された炉内ガスを冷却す
る方法としては、常温あるいは常温に近い温度の低いガ
スを混入するのが、最も効果的である。混入するガスの
種類は溶融炉の型式により異なる。例えば、電気抵抗式
溶融炉のような炉内が還元雰囲気に保持され、可燃性ガ
スが発生する炉を使用する場合には、非酸化性ガスを混
入することを要する。非酸化性ガスとしては、窒素ガ
ス、一酸化炭素などを含む還元性ガス、メタンガス、都
市ガスなどを使用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の溶融炉に係る実施
の形態の一例を示す図である。図1において、10は電
気抵抗式の溶融炉、11は溶融スラグ中に浸漬して電気
抵抗熱を発生させる電極、12は焼却残渣の装入口、1
3は溶融スラグの排出口、14は排ガスの排出口であ
る。そして、40は燃焼室、41は排ガスを放出可能な
状態に集塵処理をするためのバグフィルタ、42はブロ
ワーである。なお、50は溶融スラグ層、51は気相部
を示す。
【0027】溶融炉10には、炉内ガスに含まれている
ダストを除去するための集塵装置20が設けられてい
る。この集塵装置20には、溶融炉10内のガスを炉外
へ抜き出すための抜き出し配管22と、抜き出した炉内
ガスを集塵処理するための遠心式分級機23と、遠心式
分級機23で集塵処理された炉内ガスを溶融炉10内へ
戻すための戻し配管25が配設されており、炉内ガスの
循環流路が形成されている。図中、21は炉内ガスの抜
き出し口、24は炉内ガス集塵装置のブロワー、26は
炉内ガスの戻しノズルである。
【0028】炉内ガスの循環流路の中に設けられている
遠心式分級機23は高速の渦流が形成されるように構成
された強制うず型のものであって、溶融炉10内で焼却
残渣中の塩類が気化することによって生成した微細なダ
ストをも捕集可能な性能を有する。
【0029】遠心式分級機23へ導入される炉内ガスの
温度を低下させることができるようにするために、炉内
ガス抜き出し配管22に窒素ガス配管27が接続されて
いる。そして、遠心式分級機23へ導入される炉内ガス
の温度が所定値になるように、窒素ガスの流量が調節さ
れるようになっている。28は窒素ガスの流量調節弁、
29は遠心式分級機23へ導入される炉内ガスの温度を
測定する温度計、30は温度計29の測定値に基づいて
流量調節弁28を作動させる制御ユニットである。
【0030】上記の構成による溶融炉において、炉内ガ
ス集塵装置のブロワー24を起動させると、炉内ガスの
抜き出し口21から溶融炉10内のガスが抜き出され、
この炉内ガスは、抜き出し配管22,遠心式分級機2
3、ブロワー24、戻し配管25、戻しノズル26から
なる循環流路を経由して溶融炉10内へ戻される。そし
て、引き続いて炉内ガスを抜き出して循環させ、遠心式
分級機23により集塵処理を行いながら、焼却残渣の装
入口12から焼却残渣を装入する。装入された焼却残渣
が溶融物になり、焼却残渣に含まれていた塩類が気化す
るが、気化して生成した塩類のダストは炉内ガスに含ま
れて抜き出し口21から抜き出され、その多くが循環流
路中に設けられている遠心式分級機23により捕集され
る。このように、炉内ガスが循環して集塵処理されるの
で、遠心式分級機23で集塵処理された炉内ガスのダス
ト濃度は希薄になる。
【0031】炉内ガスを抜き出して循環させる際には、
窒素ガス配管27から炉内ガス抜き出し配管22中へ温
度の低い窒素ガスを吹き込み、遠心式分級機23へ導入
される炉内ガスの温度を500℃以下に冷却する。
【0032】そして、炉内で発生したガス及び抜き出し
配管22中へ吹き込んだ窒素ガスの量に相当するガス
が、排ガスとして排出口14から排出され、燃焼室40
へ導入される。燃焼室40では、燃焼用空気が混合され
て燃焼処理され、850℃に保持される。燃焼排ガスは
建家集塵ガスなどが混合されて冷却され、バグフィルタ
41で集塵処理された後、大気放散される。
【0033】なお、溶融炉10に設けられた炉内ガスの
戻しノズル26は、電極11の配置領域を挟んで、炉内
ガスの抜き出し口21と対向する位置に配置されてい
る。又、炉内ガスの戻しノズル26の噴出口は気相部5
1の上部に位置しており、その噴出方向が略水平の方向
(横方向)に向けられ、且つ炉内ガスの抜き出し口21
の方向を指向して設けられている。
【0034】炉内ガスの戻しノズル26が上記のように
設けられていると、戻しノズル26から吹き込まれたガ
スは、気相部51の上部を、炉内ガスの抜き出し口21
の方向へ向かって炉蓋と平行に流れる。このため、炉内
の溶融物から発生して上昇してきた塩類のダストを含む
ガスは気相部51の上部に達した時点で水平の方向に方
向転換し、戻しノズル26から吹き込まれたガスと一緒
に炉内ガスの抜き出し口21から排出し、遠心式分級機
23へ導入される。そして、炉内で発生した塩類のダス
トが順次排出されて、集塵処理されるので、炉内ガスの
ダスト濃度は非常に低く抑えられる。
【0035】又、溶融物から発生して上昇してきた塩類
のダストの多くが、炉蓋や炉壁に触れることなく水平の
方向に方向転換して排出されるので、炉蓋や炉壁への塩
類の付着が起こらなくなる。
【0036】又、戻しノズル26から吹き込まれるガス
が、気相部51の上部を炉蓋と平行に流れて抜き出し口
21から排出されるので、炉内のガス攪拌は気相部51
の上部だけで行われ、気相部51内全体の攪拌は行われ
ない。このため、炉内の冷却が抑えられ、加熱エネルギ
ーの増加が抑制される。
【0037】(比較例)溶融炉用の集塵装置を備えてい
ない従来の電気抵抗式溶融炉により、都市ごみ焼却残渣
を溶融処理した。この電気抵抗式溶融炉の排ガス処理設
備は溶融炉から排出される排ガスを燃焼させるための燃
焼室と、その燃焼室から排出される排ガスの集塵処理を
するためのバクフィルタを備えたものであった。
【0038】この溶融炉の操業においては、飛灰と焼却
灰の混合物(組成は表1に示す)を1t/時の割合で溶
融炉へ投入して溶融させた。この際、溶融炉から排出さ
れた排ガスの温度は平均600℃であった。又、排ガス
の排出量は約200Nm3 /時で、ダスト濃度は480
g/Nm3 であった。この排ガスを燃焼室へ導入して燃
焼させた後、バクフィルタで集塵処理した。この操業中
に、溶融炉内の溶融物の上部に溶融塩が溜まり、その溶
融塩を断続的に抜き出す必要があった。又、燃焼室にお
いては、燃焼状態が不安定になることがあった。
【0039】この操業を20日間継続した後、溶融炉内
を調べたところ、気化した塩類が凝縮・固化したものと
思われる固化物が炉蓋と炉壁に多量に付着していた。
【0040】又、燃焼室の内部を調べたところ、燃焼室
の壁面には多量の融着物が認められた。又、操業中に
は、壁面から崩落したり、壁面を伝わって流れ落ちてき
た後に固化した固形物が燃焼室の底部に溜まるので、こ
の固形物を断続的に抜き出した。抜き出された固形物の
量から算定すると、燃焼室の底部に溜まる固形部の量は
平均60kg/時の割合であった。そして、壁面に付着
していたダストの成分を調べたところ、表2に示すよう
に、このダストはNa、K、Zn及びClを主成分と
し、大部分が塩化物であった。
【0041】(実施例)図1に示す方法により、都市ご
み焼却残渣を溶融する実験を行った。溶融炉は、比較例
で使用した電気抵抗式溶融炉に図1と同様の構成による
溶融炉用の集塵装置を備えたものを使用した。
【0042】この実験においては、比較例の場合と同様
に、飛灰と焼却灰の混合物(組成は表1に示す)を1t
/時の割合で電気抵抗式溶融炉へ投入して溶融させた。
この際、溶融炉用集塵機のブロワーを起動して溶融炉内
のガスを抜き出し、炉内ガスを循環させながら遠心式分
級機で集塵処理した。遠心式分級機へ導入する炉内ガス
に、20℃の窒素ガスを100Nm3 /時の流量で吹き
込んで冷却した。
【0043】そして、集塵されてダスト濃度が低下した
炉内のガスを排ガス排出口から排出させ、燃焼室へ導入
して燃焼させた後、バクフィルタで集塵処理した。この
とき、溶融炉から排出された排ガスは、排出量が約30
0Nm3 /時、ダスト濃度が約120g/Nm3 であっ
た。
【0044】この操業中に、溶融炉内に溶融塩は溜まら
なかった。又、燃焼室における排ガスの燃焼処理に際し
ては、燃焼状態の変動は起こらなかった。
【0045】この操業を20日間継続した後、溶融炉内
を調べたところ、炉蓋と炉壁に対する固形物の付着は僅
かであった。
【0046】又、燃焼室の内部を調べたところ、壁面の
融着物は僅かに認められる程度であった。
【0047】このように、図1に示す構成の溶融炉を使
用すれば、都市ごみ焼却残渣のような塩類を含むものを
溶融しても、従来の溶融炉における問題点として挙げら
れる下記の問題が起こらなくなる。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、溶融炉内のガスを炉外
へ抜き出して集塵処理し、この集塵処理されたガスを溶
融炉内へ戻して循環させ、炉内ガスの集塵処理を繰り返
して行いながら、溶融炉へ焼却残渣を装入して溶融する
ので、炉内で発生した塩類のダストが順次除去され、炉
内ガスのダスト濃度が非常に低くなる。
【0051】このため、塩類を含む焼却残渣を溶融して
も、溶融炉内に溶融塩が溜まったり、溶融炉内の炉蓋や
炉壁に塩類の固化物が付着したり、燃焼室の壁面やダク
トに塩化物が付着たり、或いは燃焼室において燃焼状態
が不安定になったりする問題が起こらなくなり、炉壁耐
火物の浸食が軽減されると共に、溶融炉の操業を安定的
に継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス処理設備に係る実施の形態の一
例を示す図である。
【符号の説明】
10 電気抵抗式溶融炉 11 電極 12 焼却残渣の装入口 13 溶融スラグの排出口 14 排ガスの排出口 20 集塵装置 21 炉内ガスの抜き出し口 22 炉内ガスの抜き出し配管 23 遠心式分級機 24 炉内ガス集塵装置のブロワー 25 炉内ガスの戻し配管 26 炉内ガスの戻しノズル 27 窒素ガス配管 28 流量調節弁 29 温度計 30 制御ユニット 40 燃焼室 41 バグフィルタ 42 ブロワー 50 溶融スラグ層 51 気相部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 17/00 104 B09B 3/00 303L ZAB 105 F23J 15/00 Z (72)発明者 山本 浩 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K061 NB01 NB10 3K070 DA07 DA27 4D004 AA36 AB03 CA29 CB04 4K045 AA04 BA10 RB04 4K056 AA05 BA02 BB06 CA20 DB05 DB12 DB13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉型の溶融炉へ焼却残渣を装入して溶
    融する溶融処理方法において、溶融炉内のガスを炉外へ
    抜き出して集塵処理し、この集塵処理されたガスを溶融
    炉内へ戻して循環させ、炉内ガスの集塵処理を繰り返し
    て行いながら、溶融炉へ焼却残渣を装入して溶融し、溶
    融炉から排出される排ガスを排ガス処理設備へ導入する
    ことを特徴とする焼却残渣の溶融処理方法。
  2. 【請求項2】 炉内ガスの集塵処理が、溶融炉内で焼却
    残渣の成分が気化して生成した微細ダストをも除去可能
    な集塵処理であることを特徴とする請求項1に記載の焼
    却残渣の溶融処理方法。
  3. 【請求項3】 焼却残渣を溶融する密閉型の溶融炉にお
    いて、溶融炉内のガスを炉外へ抜き出した後、再び溶融
    炉内へ戻す炉内ガスの循環流路が形成され、この循環流
    路中に集塵機が設けられていることを特徴とする焼却残
    渣の溶融炉。
  4. 【請求項4】 集塵機が遠心式分級機であることを特徴
    とする請求項3に記載の焼却残渣の溶融炉。
  5. 【請求項5】 集塵装置へ導入する炉内ガスに低温のガ
    スを混入させるための低温ガス供給装置を有することを
    特徴とする請求項3又は請求項4に記載の焼却残渣の溶
    融炉。
  6. 【請求項6】 焼却残渣を溶融する密閉型の溶融炉が電
    気抵抗式溶融炉であることを特徴とする請求項3〜請求
    項5の何れかに記載の焼却残渣の溶融炉。
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