JP2002251850A - ディスク装置 - Google Patents

ディスク装置

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JP2002251850A
JP2002251850A JP2001050895A JP2001050895A JP2002251850A JP 2002251850 A JP2002251850 A JP 2002251850A JP 2001050895 A JP2001050895 A JP 2001050895A JP 2001050895 A JP2001050895 A JP 2001050895A JP 2002251850 A JP2002251850 A JP 2002251850A
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JP
Japan
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signal
disturbance
actuator
output
head
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Application number
JP2001050895A
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English (en)
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Toshio Inaji
稲治  利夫
Hiroshi Takaso
高祖  洋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドのトラック追従時に衝撃や振動などの
外乱の変動が大きくても安定な位置決め制御が可能なデ
ィスク装置を提供する。 【解決手段】 ディスク1に対する磁気ヘッド2の位置
決めを行うアクチュエータ7と、アクチュエータ7の駆
動手段10と、アクチュエータ7の駆動において発生す
る電圧信号Vaを出力する電圧検出手段11と、駆動信
号uと電圧信号Vaから磁気ヘッド2に加わる外乱負荷
τdの大きさを推定し外乱推定信号τdestを出力する外
乱推定手段12と、磁気ヘッド2の現在位置に対応した
位置誤差信号eを生成する位置検出手段13と位置誤差
信号eより制御信号cを生成する位置制御手段14と、
外乱推定信号τdestと制御信号cより駆動信号uを出力
する補正器15とを備え、外部からの衝撃や振動に対し
ても目標トラックへのヘッド位置決めを安定に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドなどの
記録/再生ヘッドをアクチュエータにより記録媒体であ
るディスクの目標トラックの所望の位置へ高精度に位置
決めするディスク装置に関し,さらにディスク装置に外
部から加わる衝撃や振動によりアクチュエータの受ける
慣性力などの外乱によるヘッドのトラックずれを抑制す
るように構成されているディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク装置は、小型化、大
容量化が急速に進んでいる。磁気ディスク装置の大容量
化については、磁気ディスクのトラック密度の高密度化
が進み、トラックピッチはさらに狭くなる傾向にある。
そのため、磁気ディスクにデータを記録再生するため、
狭いトラックピッチで形成された目標トラックに磁気ヘ
ッドを高い精度で位置決めすることが必要になってきて
いる。
【0003】従来の磁気ディスク装置においては、磁気
ヘッドを位置決めするために磁気ディスクにサーボ情報
を予め形成しておき、このサーボ情報に従って磁気ヘッ
ドの位置決め制御が行われている。すなわち、サーボ情
報を磁気ヘッドで読み取ることにより、目標トラックに
対する磁気ヘッドの位置誤差を示す誤差信号を生成し、
この誤差信号の大きさが最小となるように磁気ヘッドは
位置決め制御されている。
【0004】したがって、磁気ヘッドの位置決め精度を
高めるためには、磁気ヘッドの位置決め制御系の制御周
波数を高く設定して、磁気ヘッドを目標トラックに迅速
に位置決めし、必要な位置決め精度を確保していた。
【0005】しかし、位置決め機構のアクチュエータ自
体には高次の固有機械共振が存在する場合があり、位置
決め精度を高めるため制御周波数を高くすると、その固
有機械共振により位置決め制御系が不安定になってしま
うという問題がある。したがって、実際にはアクチュエ
ータ自体の固有機械共振により、制御周波数の帯域は制
限されるため、位置決め制御系の制御周波数を高めるこ
とには限界があった。
【0006】そこで、磁気ヘッドの位置決め精度を高め
るためには、位置決め精度を悪化させる要因であるアク
チュエータに作用する外乱を低減することが行われてい
る。
【0007】近年のトラック密度の高密度化とアクチュ
エータの小型軽量化により、アクチュエータに作用する
外力が位置決め制御系に与える影響は大きい。しかも、
磁気ディスク装置の小型化と高記録密度化に伴って、磁
気ヘッドの高精度位置決めの要求は厳しくなる一方で、
これら磁気ディスク装置では、フィードフォワード制御
により外力を補償することが行われている。
【0008】例えば、磁気ディスクに記録されたサーボ
情報からヘッド位置信号を得て、このヘッド位置信号と
アクチュエータの駆動信号を入力とする外力推定手段に
より外力を補償する方法が提案されている(例えば、特
開平9−231701号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、外力推定手段は、ヘッド位置信号
とアクチュエータの駆動信号とを入力とする。磁気ディ
スクに記録されたサーボ情報は、一定のサンプリング周
期をもつ離散的な状態でディスクに記録されているた
め、ヘッド位置信号は連続信号ではない。したがって、
外力推定手段の外力を推定できる制御帯域は、ディスク
装置のセクタサーボのサンプリング周波数の影響を受
け、セクタサーボのサンプリング周波数によって上限が
存在することになる。その結果、アクチュエータ手段に
加わる外力を正確に推定することができず、アクチュエ
ータ手段に加わる軸受摩擦などの外乱を良好に打ち消す
ことができないといった問題があった。その結果、ヘッ
ドを目標トラックに対して正確に追従させることができ
なかった。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑み、アクチュエ
ータ手段の軸受摩擦やアクチュエータ手段と回路基板と
を接続するフレキシブルプリント回路(FPC)の弾性
力やディスク装置に外部から加わる衝撃や振動によりア
クチュエータ手段に作用する慣性力などの外乱を補償す
ることにより、狭いトラックピッチで形成された目標ト
ラックに対してヘッドを高い精度で位置決め制御するこ
とが可能なディスク装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】アクチュエータ手段に加
わる軸受摩擦や弾性力、衝撃や振動により受ける慣性力
などによる外乱を打ち消すために、その外乱の大きさを
推定する。この外乱の大きさの推定に際して、2つの要
素を用いる。1つは、アクチュエータ手段の駆動におい
て発生する電圧を検出し、その検出結果としての電圧信
号を用いる。もう1つは、アクチュエータ手段の駆動手
段における駆動信号である。ここで、駆動手段における
駆動信号としては、駆動手段に入力するものであっても
よいし、あるいは、駆動手段から出力するものであって
もよい。また、駆動手段における駆動信号に代えて、そ
の駆動信号を生成するもとになる位置制御信号を用いて
もよい。すなわち、外乱の大きさを推定するための外乱
推定手段を設け、この外乱推定手段をもって、電圧検出
手段が検出した電圧信号と駆動手段における駆動信号ま
たは位置制御信号とを入力として、外乱推定信号を生成
させる。2つの要素に基づいて生成した外乱推定信号
は、ヘッドに実際に加わる外乱の大きさを正確に推定し
たものとなる。この結果、アクチュエータ手段の軸受摩
擦やアクチュエータ手段と電子回路基板とを接続するF
PCの弾性力やディスク装置に外部から加わる衝撃や振
動によりアクチュエータ手段の受ける慣性力などの外乱
の大きさを正確に推定することができる。その推定にか
かわる外乱が外乱推定信号となる。
【0012】以上のようにして正確に推定した外乱推定
信号をもってアクチュエータ手段に加わる外乱を打ち消
すように、その外乱推定信号を位置制御手段が出力する
位置制御信号に合成して駆動信号を生成する。その駆動
信号を用いてヘッドのアクチュエータ手段を駆動するこ
とにより、アクチュエータ手段に加わる軸受摩擦や弾性
力や慣性力などの外乱を良好に打ち消すことができる。
すなわち、アクチュエータ手段に作用する軸受摩擦や弾
性力や慣性力などの外力に対する補償を行うことができ
るので、目標トラックに向かうフォローイング動作時に
アクチュエータ手段に作用する外乱の変動が大きくて
も、ヘッドの目標トラックへの位置決め制御を安定に行
うことができる。すなわち、位置決め精度を向上させる
ことができる。また、その副次的効果として、実質的
に、トラック密度の向上を可能となし、大容量のディス
ク装置の実現化を促すことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を総括
的に説明する。
【0014】本願第1の発明のディスク装置は、ディス
クに対してヘッドの位置決めを行うアクチュエータ手段
と、前記アクチュエータ手段の駆動手段と、前記アクチ
ュエータ手段の駆動において発生する電圧を検出し電圧
信号を出力する電圧検出手段と、前記駆動信号と前記電
圧信号から前記ヘッドに加わる外乱の大きさを推定し外
乱推定信号を出力する外乱推定手段と、前記ディスクに
予め記録され前記ヘッドにより検出されるサーボ情報か
ら前記ヘッドの現在位置に対応した誤差信号を生成し出
力する位置検出手段と、前記誤差信号に対応した位置制
御信号を生成し出力する位置制御手段とを具備し、前記
駆動信号は前記位置制御信号と前記外乱推定信号を合成
して得られるように構成されている。なお、この構成に
おいて、駆動手段における駆動信号としては、駆動手段
に入力するものであってもよいし、あるいは、駆動手段
から出力するものであってもよく、この点は以下でも同
様である。
【0015】この第1の発明による作用は次のとおりで
ある。外乱推定手段は、アクチュエータ手段を駆動する
ための駆動手段に与える駆動信号とアクチュエータ手段
から検出した電圧信号とに基づいて、アクチュエータ手
段の軸受摩擦やアクチュエータ手段と電子回路基板とを
接続するFPCの弾性力等の外乱の大きさやディスク装
置に外部から加わる衝撃や振動によりアクチュエータ手
段の受ける慣性力を正確に推定することができる。その
推定にかかわる外乱が外乱推定信号である。ここで、特
に、目標トラックにヘッドを追従させるフォローイング
動作時において駆動信号と電圧信号とからアクチュエー
タ手段に加わる軸受摩擦や弾性力や慣性力などの外乱負
荷の大きさを正確に推定できることが重要である。
【0016】以上のようにして正確に推定した外乱推定
信号をもってアクチュエータ手段に加わる外乱を打ち消
すように、その外乱推定信号を位置制御手段が出力する
位置制御信号に合成して駆動信号を生成する。その駆動
信号をもってヘッドのアクチュエータ手段を駆動すれ
ば、アクチュエータ手段に加わる外乱を良好に打ち消す
ことができる。すなわち、アクチュエータ手段に作用す
る軸受摩擦や弾性力や慣性力などの外力に対する補償を
行うことができるので、目標トラックに向かうフォロー
イング動作時に外乱の変動が大きくても、ヘッドの目標
トラックへの位置決め制御を安定に行うことができる。
すなわち、位置決め精度を向上させることができる。
【0017】本願第2の発明のディスク装置は、上記の
第1の発明において、前記外乱推定手段は、前記電圧検
出手段の検出した電圧信号が入力される比較手段と、前
記駆動信号に第1の係数を乗算する第1の乗算手段と、
前記比較手段の出力に第2の係数を乗算する第2の乗算
手段と、前記比較手段の出力を積分する第1の積分手段
と、前記第1の乗算手段の出力から前記第2の乗算手段
の出力と前記第1の積分手段の出力との加算値を減算し
た値を積分する第2の積分手段とを具備し、前記比較手
段が前記電圧信号と前記第2の積分手段の出力とを比較
し、その結果を前記第2の乗算手段と前記第1の積分手
段へ出力するように構成されている。
【0018】この第2の発明による作用は次のとおりで
ある。駆動信号を入力する第1の乗算手段の出力は、ア
クチュエータ手段に作用する駆動トルクに対応した駆動
トルク推定信号となる。第2の積分手段の出力は、電圧
検出手段から入力される電圧信号に対するフィードバッ
ク要素となる。電圧信号と第2の積分手段からのフィー
ドバック要素との差分をとる比較手段の出力は、第1の
積分手段と第2の乗算手段に与えられる。前記の差分を
積分する第1の積分手段の出力は、アクチュエータ手段
が軸受から受ける摩擦やFPCから受ける弾性力や衝撃
や振動によりアクチュエータ手段の受ける慣性力などの
外乱に対応した外乱推定信号となる。その外乱推定信号
に対して前記の差分に所定の係数を乗算した第2の乗算
手段の出力を加算する。そして、前記駆動トルク推定信
号から前記の加算値との差分をとって第2の積分手段に
与える。
【0019】以上の結果として、第1の積分手段が出力
する外乱推定信号は、アクチュエータ手段が軸受やFP
Cから受ける弾性力や衝撃や振動によりアクチュエータ
手段の受ける慣性力などの外乱を正確に推定したものに
相当している。そして、このように正確に割り出した外
乱推定信号をもってアクチュエータ手段に加わる外乱を
打ち消すようフィードフォワード制御を行うので、フォ
ローイング動作においてアクチュエータ手段に作用する
外乱に対する補償を行うことができ、フォローイング動
作時にアクチュエータ手段での外乱の変動が大きくて
も、目標トラックに対するヘッドの位置決め制御を安定
に行い、位置決め精度を向上させることができる。
【0020】本願第3の発明のディスク装置は、ディス
クに対してヘッドの位置決めを行うアクチュエータ手段
と、前記アクチュエータ手段の駆動手段と、前記アクチ
ュエータ手段の駆動において発生する電圧を検出し電圧
信号を出力する電圧検出手段と、前記ディスクに予め記
録され前記ヘッドにより検出されるサーボ情報から前記
ヘッドの現在位置に対応した誤差信号を生成し出力する
位置検出手段と、前記誤差信号に対応した位置制御信号
を生成し出力する位置制御手段と、前記電圧信号と前記
位置制御信号から前記ヘッドに加わる外乱の大きさを推
定し外乱推定信号を出力する外乱推定手段とを具備し、
前記駆動信号は前記位置制御信号と前記外乱推定信号を
合成して得られるように構成されている。
【0021】この第3の発明による作用は次のとおりで
ある。外乱推定手段は、アクチュエータ手段を駆動する
ため駆動手段に与えるように位置制御手段から出力され
た位置制御信号とアクチュエータ手段から検出した電圧
信号とに基づいて、アクチュエータ手段の軸受摩擦やア
クチュエータ手段と電子回路基板とを接続するFPCの
弾性力や外部からの衝撃や振動によりアクチュエータ手
段の受ける慣性力などの外乱の大きさを正確に推定する
ことができる。ここで、特に、目標トラックにヘッドを
追従させるフォローイング動作時において位置制御信号
と電圧信号とからアクチュエータ手段に加わる軸受摩擦
や弾性力や慣性力などの外乱の大きさを正確に推定でき
ることが重要である。
【0022】以上のようにして正確に推定した外乱推定
信号をもってアクチュエータ手段に加わる外乱を打ち消
すように、その外乱推定信号を位置制御手段が出力する
位置制御信号に合成して駆動信号を生成する。その駆動
信号をもってヘッドのアクチュエータ手段を駆動すれ
ば、アクチュエータ手段に加わる軸受摩擦や弾性力や慣
性力などの外乱を良好に打ち消すことができる。すなわ
ち、アクチュエータ手段に作用する軸受摩擦や弾性力や
慣性力などの外乱に対する補償を行うことができるの
で、目標トラックに向かうフォローイング動作時に外乱
の変動が大きくても、ヘッドの目標トラックへの位置決
め制御を安定に行うことができる。すなわち、位置決め
精度を向上させることができる。
【0023】本願第4の発明のディスク装置は、上記の
第3の発明において、前記外乱推定手段は、前記電圧検
出手段の検出した電圧信号が入力される比較手段と、前
記位置制御信号に第1の係数を乗算する第1の乗算手段
と、前記比較手段の出力に第2の係数を乗算する第2の
乗算手段と、前記比較手段の出力を積分する第1の積分
手段と、前記第1の乗算手段の出力から前記第2の乗算
手段の出力を減算した値を積分する第2の積分手段とを
具備し、前記比較手段が前記電圧信号と前記第2の積分
手段の出力とを比較し、その結果を前記第2の乗算手段
と前記第1の積分手段へ出力するように構成されてい
る。
【0024】この第4の発明による作用は次のとおりで
ある。位置制御手段からの位置制御信号を入力する第1
の乗算手段の出力は、アクチュエータ手段に作用する駆
動トルクに対応した駆動トルク推定信号となる。第2の
積分手段の出力は、電圧検出手段から入力される電圧信
号に対するフィードバック要素となる。電圧信号と第2
の積分手段からのフィードバック要素との差分をとる比
較手段の出力は、第1の積分手段と第2の乗算手段に与
えられる。前記の差分を積分する第1の積分手段の出力
は、アクチュエータ手段が軸受から受ける摩擦やFPC
から受ける弾性力や衝撃や振動によりアクチュエータ手
段の受ける慣性力などの外乱に対応した外乱推定信号と
なる。前記駆動トルク推定信号から前記の差分に所定の
係数を乗算した第2の乗算手段の出力との差分をとって
第2の積分手段に与える。
【0025】以上の結果として、第1の積分手段が出力
する外乱推定信号は、アクチュエータ手段が軸受やFP
Cから受ける外乱と衝撃や振動によりアクチュエータ手
段の受ける慣性力を正確に推定したものに相当してい
る。そして、このように正確に推定した外乱推定信号を
もってアクチュエータ手段に加わる外乱を打ち消すよう
にフィードフォワード制御を行うので、フォローイング
動作においてアクチュエータ手段に作用する外乱に対す
る補償を行うことができ、フォローイング動作時にアク
チュエータ手段での外乱の変動が大きくても、目標トラ
ックに対するヘッドの位置決め制御を安定に行い、位置
決め精度を向上させることができる。さらに、上記の第
2の発明で必要とした第1の積分手段と第2の乗算手段
との加算を行う必要がなく、その加算のための手段を省
略することが可能で、構成の簡素化をもたらすことがで
きる。
【0026】本願第5の発明のディスク装置は、上記の
第1〜第4の発明において、前記外乱推定手段の制御帯
域が、前記位置制御手段の制御帯域よりも大きく設定さ
れている。
【0027】この第5の発明による作用は次のとおりで
ある。位置決め制御系の制御帯域を広げることは比例の
ゲインを大きくすることであるが、ディスク装置のセク
タサーボのサンプリング周波数やアクチュエータ手段が
もつ固有機械共振周波数によって上限が存在することに
なる。これに対して、外乱推定手段ではディスク装置の
セクタサーボのサンプリング周波数の影響を受けない。
したがって、外乱推定手段においては、その制御帯域を
位置決め制御系の制御帯域よりも高く設定することがで
きる。その結果として、より高い制御帯域にわたって、
ヘッドを目標トラックに対して正確に追従させることが
できる。
【0028】本願第6の発明のディスク装置は、上記の
第1〜第5の発明において、前記アクチュエータ手段
は,空隙を介して対向する一対のヨークの前記空隙内で
その少なくとも一方のヨーク側に固着された永久磁石
と、前記永久磁石と前記ヨークから形成される磁気空隙
内に配設される駆動コイルより構成され、前記駆動コイ
ルと並列にコンデンサと抵抗を直列接続してなる回路が
接続されている。
【0029】この第6の発明による作用は次のとおりで
ある。一般にアクチュエータ手段を構成する駆動コイル
は抵抗成分だけでなくインダクタンス成分も有する。そ
の結果、外乱推定手段の制御帯域を高くすると、このイ
ンダクタンスの影響により制御系が不安定になり、外乱
推定手段の制御帯域を高くすることには限界がある。そ
こで、駆動コイルと並列にコンデンサと抵抗を直列接続
してなる回路を接続することにより駆動コイルのインダ
クタンスの影響を除去し、その制御帯域を位置決め制御
系の制御帯域よりも高く設定することができる。その結
果として、より高い制御帯域にわたって、ヘッドを目標
トラックに対して正確に追従させることができる。
【0030】なお、本発明は、磁気ディスク装置に適用
する場合に最も有利に作用するが、必ずしも磁気ディス
ク装置にのみ限定されるものではない。
【0031】(具体的な実施の形態)以下、本発明にか
かわるディスク装置の具体的な実施の形態を図面に基づ
いて詳細に説明する。なお、同様の機能を有するものに
は同一の符号を付けて説明する。
【0032】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1にかかわる磁気ディスク装置の構成を示すブロック
図である。
【0033】図1において、符号の1は磁気ディスク
で、スピンドルモータ(図示せず)により回転される。
2は磁気ディスク1に対してデータを記録再生する磁気
ヘッド、3はアームで、一端に搭載された磁気ヘッド2
を軸受4の周りに回動させることにより、磁気ヘッド2
を磁気ディスク1における目標トラックへ移動させる。
5はアーム3の後端に設けられた駆動コイル、6は固定
子(ヨーク)で、駆動コイル5に対向する面にはマグネ
ット(永久磁石;図示せず)が配置されている。固定子
6は、空隙を介して対向する一対のヨークからなり、そ
の空隙内でその少なくとも一方のヨーク側に前記マグネ
ットが固着されている。固定子6に配置されたマグネッ
トが発生する磁束と駆動コイル5に通電される電流が作
る磁界との相互作用によりアーム3は回転力を受ける。
磁気ヘッド2、アーム3、軸受4、駆動コイル5、固定
子6によりアクチュエータ7を構成している。
【0034】10は駆動器、11は駆動器10に含まれ
る電圧検出器で、駆動コイル5の両端に発生する電圧を
検出し、電圧信号Vaを出力する。12は外乱推定器
で、電圧検出器11の出力する電圧信号Vaと駆動器1
0の入力である駆動信号uとからアーム3に作用する外
乱トルクを推定し、外乱推定信号τdestを出力する。
【0035】磁気ディスク1の各セクタには予めサーボ
情報としてトラックの位置信号が記録されており、この
位置信号は磁気ヘッド2により読み込まれる。位置検出
器13は、磁気ヘッド2により読み込まれた位置信号に
より磁気ヘッド2の現在位置を検出し、目標トラックの
目標位置rとの差を示す位置誤差信号eを生成する。位
置制御器14は、位置検出器14で生成された位置誤差
信号eが入力されて、増幅および位相補償が行われ、位
置制御信号cを生成する。15は補正器で、位置制御器
14の位置制御信号cと外乱推定器12の外乱推定信号
τdestとが入力され、補正器15で補正演算を施した
後、駆動信号uを駆動器10へ入力する。駆動器10
は、入力された駆動信号uに応じて駆動コイル5に駆動
電流Iaを通電し、アーム3を軸受4を中心に回動さ
せ、アーム3の先端に取り付けられた磁気ヘッド2を回
転移動させ、磁気ディスク1にデータを記録再生するた
めに、磁気ヘッド2を狭いトラックピッチで形成された
目標トラックに高い精度で位置決めさせるように構成さ
れている。
【0036】ここで、特許請求の範囲の記載との対照を
行うと、駆動器10が駆動手段に相当し、電圧検出器1
1が電圧検出手段に相当し、外乱推定器12が外乱推定
手段に相当し、位置検出器13が位置検出手段に相当
し、位置制御器14が位置制御手段に相当している。
【0037】次に、実施の形態1の磁気ディスク装置の
位置決め制御系の動作について図2を用いて説明する。
図2は、実施の形態1の磁気ディスク装置における位置
制御系の全体構成を示すブロック線図である。
【0038】図中の一点鎖線で囲んだ部分30が外乱推
定器12のブロックである。同じく一点鎖線で囲んだ部
分47が補正器15のブロックである。なお、図2にお
いて、sはラプラス演算子を表すものである。また、図
2において、セクタサーボのサンプリングによるホール
ド要素については、説明を簡単にするため、これを省略
してある。
【0039】図2において、磁気ヘッド2の検出した現
在トラック位置をxとすれば、目標トラック位置rに対
する位置誤差信号eは、(数1)で表され、この位置誤
差信号eは比較器20で得られる。
【0040】
【数1】 図2のブロック21で表される位置制御器14は、比較
器20から出力される位置誤差信号eに伝達関数Gx
(z)のディジタルフィルタ処理を施し、位置制御信号
cを生成して、ブロック47で表される補正器15へ出
力される。位置決め制御系は、通常のPID制御が施さ
れ、位置制御器14の伝達関数は、(数2)で表現でき
る。
【0041】
【数2】 ここで、z-1は1サンプル遅延を示し、Kxは位置決め
制御系の比例ゲインを示す。係数ad,iは周波数特性
を表す定数を示し、係数adは微分係数、係数a iは積分
係数である。位置制御信号cは加算器46を経由して駆
動信号uとなる。駆動信号uは、ブロック22(伝達関
数はgm)の駆動器10において、電圧信号からgm倍の
電流信号に変換され、駆動電流Iaを出力する。ブロッ
ク23で表されるアクチュエータ7において、駆動コイ
ル5に通電される駆動電流Iaは、それが作る磁界と前
述した固定子6のマグネットの磁束との相互作用により
伝達関数Ktで駆動トルクτに変換される。ここで、伝
達関数Ktはアクチュエータ7のトルク定数である。ブ
ロック24の伝達関数(Lb/J・s)は、アーム3に
作用する駆動トルクτから磁気ヘッド2の移動速度vへ
の伝達特性を表わす。ここで、Jはアーム3の慣性モー
メントを示し、Lbはアーム3の軸受4から磁気ヘッド
2までの距離を示している。ブロック25は積分器で、
伝達関数は1/sで表され、磁気ヘッド2の移動速度v
は現在トラック位置xに変換される。
【0042】ブロック26とブロック27で表される電
圧検出器11において、ブロック26はアクチュエータ
7が回動することにより駆動コイル5の両端に発生する
誘起電圧Eaを出力し、ブロック27は駆動コイル5に
駆動電流Iaが通電されることにより発生する電圧降下
分(Ra+La・s)・Iaを出力し、加算器28でそれ
ぞれを加算することによりアクチュエータ7の端子電圧
を電圧信号Vaとして出力する。すなわち、
【0043】
【数3】 の関係がある。ここで、Raは、駆動コイル5のコイル
抵抗、Laは駆動コイル5のインダクタンスを示す。
【0044】アクチュエータ7の軸受摩擦やアクチュエ
ータ7と電子回路基板とを接続するFPCの弾性力や磁
気ディスク装置に外部から加わる衝撃や振動によりアク
チュエータ7の受ける慣性力などのアーム3に作用する
外乱τdは、加算器29でブロック24の前段に入力さ
れる形に表現できる。
【0045】図2の一点鎖線で囲んだ部分のブロック3
0は、外乱推定器12のブロック線図を示すもので、こ
のブロック30は、駆動器10であるブロック22の伝
達関数と同じ伝達関数をもつブロック32と、アクチュ
エータ7であるブロック23の伝達関数と同じ伝達関数
をもつブロック33と、ブロック24の伝達関数と同じ
伝達関数をもつブロック34と、電圧検出器11である
ブロック26の伝達関数と同じ伝達関数をもつブロック
35と、ブロック27の伝達関数と同じ伝達関数をもつ
ブロック39を含んでいる。ブロック32とブロック3
3を合わせたものが第1の乗算器、ブロック44が第2
の乗算器、ブロック43が第1の積分器、ブロック34
とブロック35を合わせたものが第2の積分器をそれぞ
れ構成している。ここで、ブロック30の各定数のサフ
ィックス“n”は公称値を示し、“est”を付した変
数は推定値を示す。ここで、特許請求の範囲の記載との
対照を行うと、第1の乗算器が第1の乗算手段に相当
し、第2の乗算器が第2の乗算手段に相当し、第1の積
分器が第1の積分手段に相当し、第2の積分器が第2の
積分手段に相当し、比較器37が比較手段に相当してい
る。
【0046】ブロック22に入力される駆動信号uは、
外乱推定器12を構成するブロック32にも入力され、
ブロック32とブロック33とで(gmn・Ktn)倍する
ことによりアーム3に作用する駆動トルクτと同一の駆
動トルク推定信号τestが得られる。
【0047】図2において、ブロック34からは速度推
定信号vestが出力される。ブロック35で、速度推定
信号vestをKvn倍することにより得られた誘起電圧推
定信号Eaestと、アクチュエータ7に推定電流Iaest
通電されることにより発生する電圧降下分(Ran+Lan
・s)・Iaestとが加算器36で加算され、加算器36
からは、電圧推定信号Vaestが出力される。電圧推定信
号Vaestは、比較器37に入力され、実際に検出された
電圧信号Vaと比較され、その結果の誤差信号α(=Va
−Vaest)がブロック43で表される第1の積分器とブ
ロック44で表される第2の乗算器とに入力される。第
1の積分器43は、誤差信号αを積分し、外乱について
の外乱推定信号τdestを出力する。ブロック44で表さ
れる第2の乗算器には誤差信号αが入力され、g1倍さ
れて加算器38に加えられる。加算器38の出力は減算
器31に入力され、ブロック33の出力する駆動トルク
推定信号τestから加算器38の出力を減算した結果γ
をブロック34に出力する。
【0048】なお、ブロック44の係数g1とブロック
43の係数g2は、外乱推定器12の動作を安定化する
ための定数であり、その詳細については後述する。
【0049】図2において、一点鎖線で囲んで示したブ
ロック47は、補正器15のブロック線図である。この
補正器15に含まれるブロック45は、外乱推定信号τ
destを1/(gmn・Ktn)倍することにより、アーム3
に外乱推定信号τdestに相当する大きさの駆動力を発生
させるのに必要な駆動器10への補正信号βを生成す
る。補正信号βは加算器46において位置制御信号cに
加算される。
【0050】次に、ブロック30の外乱推定器12の動
作について図3を参照して詳細に説明する。
【0051】図3(a)は、図2のブロック30を書き
直したブロック線図で、駆動信号uの入力から外乱推定
信号τdestの出力までの伝達を示す。図3(b)は、図
3(a)のブロック線図において、(数3)をもとに電
圧信号Vaの入力位置(比較器37)を等価的に変換移
動することにより、図3(a)のブロック線図を変形し
たブロック線図である。ここで、説明を簡単にするた
め、図2のブロック22のgmとブロック32のgmnの
値とが等しく、
【0052】
【数4】 と仮定し、駆動電流Ia(=gm・u)と推定電流Iaest
(=gmn・u)とが等しいものとした。
【0053】(数3)の第1項と第2項に着目して、第
1項のEaは、大きさを(Jn・s)/(Lbn・Kvn)倍
すれば、図3(a)の比較器37の入力位置を図3
(b)に示す減算器48の入力位置に等価的に移動する
ことができる。また、(数2)の第2項の(Ra+La・
s)・Iaは、図3(a)のブロック39に含めて、図
3(b)のブロック49のように表現することができ
る。
【0054】図3(b)の減算器48に着目すると、減
算器48の出力であるδは(数5)のように表される。
【0055】
【数5】 次に、図2の比較器25、ブロック24,26に着目す
ると、(数6)の関係がある。
【0056】
【数6】 ここで、簡単のために、
【0057】
【数7】
【0058】
【数8】 と仮定し、(数6)を(数5)に代入すると、(数5)
は、(数9)のように変形される。
【0059】
【数9】 すなわち、減算器48の出力であるδは、アーム3に加
わる外乱τdに等しい。
【0060】したがって、図3(b)のブロック線図よ
り、アーム3に加わる外乱τdから外乱推定信号τdest
までの伝達関数を求めると、(数10)に示すようにな
る。
【0061】
【数10】 (数10)から、外乱推定器12は、図2の一点鎖線で
囲んだブロック30内のループによって、駆動信号uと
電圧信号Vaとから実際の外乱τdを2次遅れ系で推定で
きることが分かる。
【0062】ここで、2次遅れ系の自然角周波数(推定
角周波数)をωo、ダンピングファクタをζoとすれば、
外乱推定器12の動作を安定化する定数g1およびg2は
それぞれ下記の(数11)および(数12)で表され
る。
【0063】
【数11】
【0064】
【数12】 ここで、推定角周波数ωoを位置制御帯域fcより十分高
く設定し、ダンピングファクタζoを0.7〜1に選べ
ば、外乱推定器12により軸受摩擦や弾性力や慣性力な
どの外乱τdを正確に推定することができる。
【0065】(数10)を(数11),(数12)を用
いて変形すると、
【0066】
【数13】 となる。すなわち、図3(a)の外乱推定器12のブロ
ック線図は、図3(c)のブロック52に示すように簡
略化することができる。
【0067】次に、ブロック47で示す補正器15の動
作について図4を参照して詳細に説明する。
【0068】図2の一点鎖線で囲んだ部分のブロック4
7は、補正器15のブロック線図を示す。ブロック45
は、外乱推定信号τdestを1/(gmn・Ktn)倍した補
正信号βを加算器46へ出力する。すなわち、外乱推定
信号τdestを1/(gmn・Ktn)倍することにより、ア
クチュエータ7に外乱推定信号τdestに相当する大きさ
の駆動力を発生させるに必要な補正信号βを加算器46
へ出力させる。さらに補正信号βは、ブロック22とブ
ロック23とによりgmn・Ktn倍されることから、大き
さを合わせるために前もって、外乱推定信号τdestを1
/(gmn・Ktn)倍している。
【0069】以上をまとめると、実施の形態1の磁気デ
ィスク装置は、アクチュエータ7の軸受摩擦やアクチュ
エータ7と電子回路基板とを接続するフレキシブルプリ
ント基板の弾性力や磁気ディスク装置に外部から加わる
衝撃や振動によりアクチュエータ7の受ける慣性力など
による外乱τdを打ち消すように、外乱推定信号τdes t
をアクチュエータ7に作用させるように構成されている
ということができる。
【0070】図4(a)は、図2のブロック線図におい
て、補正器15の動作に関連する加算器46から比較器
25、ブロック24までの部分を抜き出したブロック線
図である。図4(b)は、比較器25に加わる外乱τd
とブロック52に加わる外乱τdとを、1つのτdにまと
めたブロック線図である。なお、図2のブロック線図と
同一の機能を有するものについては同一の符号を付して
重複した説明は省略する。
【0071】図4(a)のブロック線図において、ブロ
ック52は図3(c)のブロック52に相当し、(数1
0)で表わされる伝達関数を有する。
【0072】したがって、図4(b)よりアーム3に外
部から加わる外乱τdは、(数14)の伝達関数で表さ
れるフィルタを通してヘッド位置制御系に加わるものと
考えることができる。
【0073】
【数14】 図5は、(数14)で表される伝達関数Gd(s)の周波数
特性を折れ線近似で示したものである。図5に示す伝達
関数Gd(s)の周波数特性から角周波数ωoより低い角周
波数では、ゲインは0dB以下であり、角周波数ωの下
降に伴って、−20dB/dec(ディケード)の減衰
比で減衰している。decは10倍を意味する。すなわ
ち、伝達関数Gd(s)は、図5より、角周波数ωoより低
い周波数を抑制することができる低域遮断フィルタ特性
を有している。
【0074】すなわち、本発明の実施の形態1の磁気デ
ィスク装置は、アーム3に軸受摩擦や弾性力や慣性力な
どによる外乱τdが作用しても、この外乱τdを外乱推定
器12により推定し、外乱推定信号τdestでもって外部
から加わった外乱τdを打ち消すように制御するように
構成されている。したがって、外部から加わった外乱τ
dが、あたかも(数14)および図5の遮断周波数特性
を有するフィルタを通してヘッド位置決め制御系に加わ
ったように作用する。
【0075】したがって、本発明の実施の形態1の磁気
ディスク装置では角周波数ωo以下の周波数において
は、1次の低域遮断特性でアクチュエータ7の軸受摩擦
やアクチュエータ7と電子回路基板とを接続するFPC
の弾性力や磁気ディスク装置に外部から加わる衝撃や振
動によりアクチュエータ7の受ける慣性力などによる外
乱を抑制することができる。
【0076】すなわち、本発明の実施の形態1の磁気デ
ィスク装置は、外部から振動や衝撃が加わりアクチュエ
ータ7に外乱τdが作用しても、この外乱τdを外乱推定
器12により推定し、外部から加わった外乱τdを打ち
消すように制御するように構成されているので、あたか
も磁気ディスク装置に機械的な防振機構を施したような
効果がある。
【0077】図6は、本発明の実施の形態1の磁気ディ
スク装置の外乱推定器12の外乱抑制効果について、さ
らに詳しく説明するための時間応答波形図である。
【0078】図6(a)は、外部から最大角加速度(d
ωo/dt)が1000rad/s2(ラジアン/秒2
の半正弦波状の回転衝撃が磁気ディスク装置に加わった
ときに、アクチュエータ7が受ける慣性力の外乱τdの
波形61(破線で示す)と、外乱推定器12が出力する
外乱推定信号τdestの波形62を示す。アクチュエータ
7の軸受4の回りの慣性モーメントJを1g・cm2
すれば、外乱τdの最大値は、
【0079】
【数15】 となる。
【0080】ここで、(数11)および(数12)の制
御パラメータを決定する推定周波数fo(ωo=2πf
o)とダンピングファクタζoの値をそれぞれ、3kHz
および1に選び、位置制御系の制御帯域を400Hzに
設定してシミュレーションを行った。
【0081】外乱推定器12は、駆動器10の入力であ
る駆動信号uと電圧検出器11の出力する電圧信号Va
からアクチュエータ7に作用する外乱トルクτdを推定
し、わずかの時間遅れは存在するが、実際の外乱τdと
ほぼ相似の外乱推定信号τdestを出力する。
【0082】図6(b)は、外乱推定器12の出力する
外乱推定信号τdestを補正器15に入力して外乱τdに
よる変動を打ち消すように外乱推定信号τdestをアクチ
ュエータ7に作用させた場合の駆動電流Iaの波形64
と、外乱推定信号τdestを補正器15に入力しない場合
の駆動電流Iaの波形63のシミュレーション結果を示
す。なお、アクチュエータ7のトルク定数Ktは、23d
yn・cm/mAである。
【0083】磁気ディスクに記録されたサーボ情報は、
一定のサンプリング周期をもつ離散的な状態でディスク
に記録されているため、ヘッド位置信号は連続信号では
ない。したがって、ディジタル処理の行われる位置制御
器14の制御信号cは、階段状に変化する。その結果、
外乱推定信号τdestを補正器15に入力しない場合のア
クチュエータ7の駆動電流Iaの波形は、制御信号cの
波形と同じになり、図6(b)の波形63に示すように
階段状に変化する(Ia=gm・c=gm・u)。外乱推
定信号τdestを補正器15に入力した場合のアクチュエ
ータ7の駆動電流Iaの波形64は、位置制御器14の
制御信号cに外乱推定器12の外乱推定信号τdestを補
正器15により加算されて生成されるため、磁気ディス
ク装置に回転衝撃が加わった時点(t=0)からの時間
遅れが、図6(b)の波形63に比べて少ない。
【0084】図6(c)は、外乱推定器12の出力する
外乱推定信号τdestを補正器15に入力して外乱の変動
を打ち消すように外乱推定信号τdestをアクチュエータ
7に作用させた場合の位置誤差信号eの波形66と、外
乱推定器12を適用しない場合の位置誤差信号eの波形
65のシミュレーション結果を示す。外部から半正弦波
状の回転衝撃が磁気ディスク装置に加わっても、外乱推
定器12を適用すれば、波形66のように位置誤差信号
eは大きく変動せず、外乱推定器12を適用しない場合
の波形65と比較して外乱抑制効果が改善されている。
【0085】その結果、本発明の実施の形態1の磁気デ
ィスク装置は、外乱推定器12により、外部から加わる
衝撃や振動によりアクチュエータ7の受ける慣性力など
による外乱を正確に検出することができ、外乱によるト
ラックずれを抑制することができ、磁気ヘッド2は目標
トラックに高精度に位置決め制御される。したがって、
本発明の実施の形態1の磁気ディスク装置は、衝撃や振
動に対して安定なトラッキング制御が可能で、磁気ディ
スク装置の信頼性を向上させることができる。
【0086】図7は、図2の実施の形態1の磁気ディス
ク装置における位置決め制御系のブロック線図におい
て、トラック誤差(位置誤差信号)eからヘッド位置x
までの伝達を示すオープンループ周波数特性図である。
図7のゲイン特性図よりオープンループゲインが零にな
るゲイン交点周波数fcは400Hzである。また、図
7の位相特性図よりゲイン交点周波数fcにおいて、そ
のときの位相余裕θmは60度あり、安定なヘッド位置
決め制御系が構成されている。これは、図2の一点鎖線
で囲んだ外乱推定器12のブロック30において、駆動
電流Iaestが駆動コイルに流れることにより発生するコ
イル抵抗RanとコイルインダクタンスLanの電圧降下分
を求めるために(Ran+Lan・s)のブロック39を忠
実に表現したからである。実際には、コイルインダクタ
ンスLanは、コイル抵抗Ranに比べて小さいため、精度
良く回路で構成するのが難しい。また、Lan・sは微分
要素であるため、特にノイズの影響を受けやすく、回路
を構成するときには特に注意が必要である。
【0087】図8は、図2の位置決め制御系のブロック
線図において、外乱推定器12に含まれるブロック30
で、駆動電流Iaestが駆動コイルに流れることにより発
生する電圧降下分のうち、コイル抵抗Ranの電圧降下分
だけを考慮しコイルインダクタンスLanの電圧降下分を
無視したときのトラック誤差(位置誤差信号)eからヘ
ッド位置xまでの伝達を示すオープンループ周波数特性
図である。図8のゲイン特性図および位相特性図より明
らかなように、外乱推定器12に含まれるブロック30
で駆動コイルのコイルインダクタンスLanを簡単化のた
めに省略すると、外乱推定器12を含めたヘッドの位置
決め制御系は不安定となる。すなわち、図8のゲイン特
性図よりオープンループゲインが零になるゲイン交点周
波数fcは200Hzで、そのときの位相は−180度
よりさらに遅れ位相となっているので制御系は不安定で
ある。駆動コイルに含まれるコイルインダクタンスLan
による電圧降下分は、コイル抵抗Ranによる電圧降下分
に比べると小さいが、ブロック30に含まれる(Lan・
s)の項は、図2に示す位置決め制御系の安定化のため
には重要な要素である。
【0088】ブロック30に含まれる(Lan・s)の項
を省略すると、図2に示す位置決め制御系が不安定にな
るのは、実際の駆動コイル5がコイル抵抗Raとコイル
インダクタンスLaの成分を有するにもかかわらず、外
乱推定器12にコイルインダクタンスLanの成分を含め
なかったためである。したがって、位置決め制御系を安
定化するために、駆動コイル5の有するコイルインダク
タンス分を等価的に零にすることを考える。
【0089】図9は、位置決め制御系を安定化するため
の回路構成図で、コンデンサCと抵抗rを直列接続した
回路を駆動コイル5に並列接続してある。図9におい
て、駆動コイル5に、コンデンサCおよび抵抗rを直列
接続した回路を並列接続したときの合成インピーダンス
Zaは、(数16)で表される。
【0090】
【数16】 (数16)において、抵抗rとコンデンサCの値をそれ
ぞれ、
【0091】
【数17】
【0092】
【数18】 に選ぶと、(数16)のZaは、(数19)のように表
現できる。
【0093】
【数19】 すなわち、図9に示す回路を構成する抵抗rとコンデン
サCの値をそれぞれ(数17)、(数18)のように設
定すると、駆動コイル5の両端の合成インピーダンスZ
aは、(数19)より抵抗Raと等しくなり、駆動コイル
5は等価的にコイルインダクタンスLaを含まなくな
る。したがって、図9に示すように、抵抗rとコンデン
サCを直列接続してなる回路を駆動コイル5に並列接続
すれば、図2の位置決め制御系のブロック線図におい
て、外乱推定器12に含まれるブロック30で、駆動電
流Iaestが駆動コイルに流れることにより発生するコイ
ル抵抗Ranの電圧降下分だけを考慮すればよく、図2の
外乱推定器12に含まれるブロック39の代わりに図1
0のブロック49を使用すればよい。その結果、外乱推
定器12をより簡単に構成することができる。
【0094】図8の点線で示した波形は、図2の実施の
形態1の磁気ディスク装置における位置決め制御系のブ
ロック線図において、ブロック39を図10のブロック
49に置き換えアクチュエータ7の駆動コイル5の両端
に(数17)と(数18)で表される抵抗rとコンデン
サCを直列接続してなる回路を並列接続したときのトラ
ック誤差(位置誤差信号)eからヘッド位置xまでの伝
達を示すオープンループ周波数特性である。図7のオー
プンループ周波数特性とほぼ同じの特性が得られること
が分かる。
【0095】なお、上述した本発明の実施の形態1の磁
気ディスク装置では、外乱推定器12に対する一方の入
力信号としてブロック47から出力される駆動信号uを
入力するように構成したが、駆動信号uの代わりにブロ
ック22から出力される駆動器10の出力する駆動電流
Iaを用いても同様の効果を得ることができることは言
うまでもない。
【0096】(実施の形態2)図11は本発明の実施の
形態2にかかわる磁気ディスク装置の構成を示すブロッ
ク図である。図12は、実施の形態2の磁気ディスク装
置におけるヘッド位置決め制御系の全体構成を示すブロ
ック線図である。なお、前述の実施の形態1と同一の機
能を有するものについては同一の参照符号を付して重複
した説明は省略する。
【0097】図11に示す実施の形態2の磁気ディスク
装置において、図1の実施の形態1と異なるところは、
外乱推定器に入力される信号である。すなわち、図1の
実施の形態1では、電圧検出器11の生成する電圧信号
Vaと駆動信号uとが外乱推定器12へ入力される構成
であったが、図11の実施の形態2では、電圧検出器1
1の生成する電圧信号Vaと位置制御器14の生成する
位置制御信号cとが外乱推定器16に入力されるように
構成されている。
【0098】図11の外乱推定器16で生成された外乱
推定信号τdestは、補正器15に入力されている。補正
器15は、位置制御器14の出力する位置制御信号cと
外乱推定器16の外乱推定信号τdestとが入力され、補
正器15で補正演算を施した後、駆動信号uを駆動器1
0へ出力する。
【0099】図12の一点鎖線で囲んだ部分のブロック
60が外乱推定器16のブロック線図である。外乱推定
器16には、加算器28の出力である電圧検出器11の
生成する電圧信号Vaとブロック21で表される位置制
御器14の生成する位置制御信号cとが入力される。
【0100】前述の実施の形態1の外乱推定器12で
は、次のようにしていた。第1の積分器のブロック43
の係数(g2/s)を乗算して得られた信号と第2の乗
算器のブロック44の係数(g1)を乗算して得られた
信号とを加算器38で加算する。その加算結果で得られ
た信号と、第1の乗算器のブロック41の係数(gmn・
Ktn)を乗算して得られた駆動トルク推定信号τest
が減算器31に入力される。減算器31で減算して得ら
れた信号γを第2の積分器のブロック42に入力してい
た。すなわち、補正信号βが加算された駆動信号uを外
乱推定器12に入力しているために、図2の加算器38
を必要としていた。
【0101】しかし、実施の形態2の外乱推定器16で
は、補正信号βが加算される前の位置制御信号cを入力
する構成であるため、図2に示すような加算器38は不
要である。
【0102】なお、図12において、ブロック32とブ
ロック33を合わせたブロック41が第1の乗算器、ブ
ロック44が第2の乗算器を構成し、ブロック43が第
1の積分器、ブロック34とブロック35を合わせたブ
ロック42が第2の積分器を構成している。
【0103】このように構成された実施の形態2の磁気
ディスク装置における外乱推定器16の動作について、
前述の実施の形態1の外乱推定器12の動作と比較して
図2および図12を参照しつつ説明する。
【0104】まず、図2において、実施の形態1の外乱
推定器12を構成する第2の積分器42の入力をγとす
れば、信号γは、減算器31に着目して、
【0105】
【数20】 ところが、駆動信号uは、図2の加算器46に着目して
(数21)で表わされる。
【0106】
【数21】 したがって、(数20)および(数21)より、信号γ
は、(数22)で表わすことができる。
【0107】
【数22】 (数22)をもとにして、図2に示す実施の形態1の外
乱推定器12のブロック線図30を書き換えると、図1
2に示す外乱推定器16のブロック線図60のようにな
る。図12に示すように、位置制御器14(ブロック2
1)の生成する位置制御信号cがブロック32の乗算器
に入力され、ブロック32の出力はブロック33の乗算
器に入力されている。このため、位置制御信号cに係数
(gmn・Ktn)を乗算することにより駆動トルク推定信
号τestを求めることができる。
【0108】一方、外乱推定信号τdestは、ブロック4
7で表される補正器15に入力される。したがって、前
述の実施の形態1と同様に実施の形態2の磁気ディスク
装置は、外乱推定器16の働きにより、電圧検出器11
の生成する電圧信号Vaと位置制御器14の生成する位
置制御信号cとからアーム3に作用する外乱トルクを推
定し、外乱推定信号τdestを出力する。外乱推定信号τ
destは、軸受摩擦や弾性力や慣性力などのアーム3に作
用する外乱τdを打ち消すように補正器15に入力され
る。
【0109】その結果、本発明の実施の形態2の磁気デ
ィスク装置は、外乱推定器16により、外部から加わる
衝撃や振動によりアクチュエータ7の受ける慣性力など
による外乱を正確に検出することができる。アクチュエ
ータ7に加わる軸受摩擦やFPCの弾性力や外部から加
わる衝撃や振動によりアクチュエータ7の受ける慣性力
などによる外乱τdが作用しても、この外乱τdを外乱推
定器16により推定し、推定された外乱推定信号τdest
をもって外部から加わった外乱τdを打ち消すように制
御するように構成されている。したがって、実施の形態
1と同様、外部から加わった外乱τdが、あたかも(数
14)および図5の遮断周波数特性を有するフィルタを
通して位置決め制御系に加わったように作用する。した
がって、本発明の実施の形態2の磁気ディスク装置では
角周波数ωo以下の周波数においては、1次の低域遮断
特性で外乱を抑制することができる。外乱によるトラッ
クずれを抑制することができ、磁気ヘッド2は目標トラ
ックに高精度に位置決め制御される。したがって、衝撃
や振動に対して安定なトラッキング制御が可能で、磁気
ディスク装置の信頼性を向上させることができる。
【0110】このように、実施の形態2の磁気ディスク
装置によれば、外乱推定器16と補正器15の構成に必
要な加算器の数を実施の形態1の磁気ディスク装置に比
べて削減することができる。したがって、実施の形態2
の磁気ディスク装置は、実施の形態1と比べて、より簡
単な構成でヘッド位置決め制御系に外乱として作用する
軸受摩擦や弾性力や慣性力などのアーム3に作用する外
乱τdとを推定することが可能となり、ヘッドの位置決
め制御を安定に行うことができ、磁気ヘッド2を狭いト
ラックピッチで形成された目標トラックに高い精度で位
置決めさせることができる。
【0111】さらに、実施の形態2の磁気ディスク装置
においては、加算器の数を削減したことにより、位置制
御系をアナログ回路などのハードウェアで実現する場合
には、回路の調整を簡単化できる。また、位置制御系を
ソフトウェアで実現する場合には、演算処理による演算
時間遅れを短縮することが可能である。
【0112】図2のブロック30と同じように構成され
た外乱推定器12においては磁気ディスク装置のセクタ
サーボのサンプリング周波数の影響を受けない。したが
って、外乱推定器12の制御帯域は、位置決め制御系の
制御帯域よりも高く設定することができる。
【0113】さらに、実施の形態2の磁気ディスク装置
においては、外乱推定器16と補正器15を構成する加
算器の数を削減できるので、制御系をアナログ回路など
のハードウェアで実現する場合には、回路の調整を簡単
化できる。また、制御系をソフトウェアで実現する場合
には、演算処理による演算時間遅れを短縮することが可
能となり、より制御帯域を高めることが可能となる。
【0114】なお、上述してきた各実施の形態では、乗
算器や積分器はアナログ・フィルタで構成するもので説
明したが、ディジタル・フィルタで構成することも可能
である。さらに、各実施の形態の位置制御系を構成する
各部についてはマイクロコンピュータによるソフトウェ
アにより実現するようにしてもよい。
【0115】なお、以上説明した各実施の形態では磁気
ディスク装置で説明したが、本発明は、これに限定され
るものではない。
【0116】
【発明の効果】以上のように本発明のディスク装置によ
れば、外乱推定手段によりアクチュエータ手段の軸受摩
擦やアクチュエータ手段と回路基板とを接続するFPC
の弾性力やディスク装置に外部から加わる衝撃や振動に
よりアクチュエータ手段に作用する慣性力などの外乱を
正確に検出することができ、目標トラックに向かうフォ
ローイング動作時にアクチュエータ手段に作用する外乱
の変動が大きくても、外乱の変動を補償できるので、目
標トラックに対するヘッドの位置決め精度を向上させる
ことできる。併せて、ディスク装置に外部から加わる衝
撃や振動によりアクチュエータ手段の受ける慣性力を打
ち消すことで、ディスク装置の耐衝撃特性を向上させる
ことができ、ヘッドの位置決め制御を安定に行うことが
できる。
【0117】したがって、アクチュエータ手段の小型軽
量化によりアクチュエータ手段に作用する外乱が位置決
め制御系に与える影響が大きくなったときに、本発明の
ディスク装置によればヘッドの位置決め精度を向上させ
て対応することが可能であり、トラック密度を従来より
高めることができるので大容量のディスク装置を実現す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかわる磁気ディス
ク装置の構成を示すブロック図
【図2】 本発明の実施の形態1の位置決め制御系の全
体構成を示すブロック線図
【図3】 本発明の実施の形態1の外乱推定器の外乱推
定動作を説明するためのブロック線図(a)と、(a)
のブロック線図を等価変換したブロック線図(b)と、
(a)のブロック線図をまとめて表現したブロック線図
【図4】 本発明の実施の形態1の磁気ディスク装置に
加わる外乱を抑制する動作を説明するためのブロック線
図(a)と、(a)のブロック線図を等価変換したブロ
ック線図(b)
【図5】 本発明の実施の形態1の磁気ディスク装置に
加わる外乱に対する遮断周波数特性図
【図6】 本発明の実施の形態1の磁気ディスク装置に
加わる外乱の変動と外乱推定器が出力する外乱推定信号
の時間波形図(a)と、外乱推定器の出力する外乱推定
信号を補正器に入力しない場合の駆動電流時間波形図
(b)と、外乱推定器の出力する外乱推定信号を補正器
に入力して外乱の変動を打ち消した場合のトラック誤差
の時間波形図(c)
【図7】 本発明の実施の形態1の外乱推定器で駆動コ
イルのインダクタンスを考慮したときの位置決め制御系
のオープンループ周波数特性図
【図8】 本発明の実施の形態1の外乱推定器で駆動コ
イルのインダクタンスを考慮しなかったときの位置決め
制御系のオープンループ周波数特性図
【図9】 本発明の実施の形態1の駆動コイルに並列接
続するコンデンサと抵抗の回路構成図
【図10】 本発明の実施の形態1の外乱推定器の変更
箇所のブロック線図
【図11】 本発明の実施の形態2にかかわる磁気ディ
スク装置の構成を示すブロック図
【図12】 本発明の実施の形態2の位置決め制御系の
全体構成を示すブロック線図
【符号の説明】
1 磁気ディスク 2 磁気ヘッド 3 アーム 4 軸受 5 駆動コイル 6 固定子(ヨーク) 7 アクチュエータ(アクチュエータ手段) 10 駆動器(駆動手段) 11 電圧検出器(電圧検出手段) 12,16 外乱推定器(外乱推定手段) 13 位置検出器(位置検出手段) 14 位置制御器(位置制御手段) 15 補正器(補正手段) 32,33 第1の乗算器(第1の乗算手段) 43 第1の積分器(第1の積分手段) 44 第2の乗算器(第2の乗算手段) 34,35 第2の積分器(第2の積分手段) 37 比較器(比較手段) u 駆動信号 e 位置誤差信号 c 位置制御信号 v ヘッド移動速度 vest 速度推定信号 τ 駆動トルク τd 外乱 τdest 外乱推定信号 Ia 駆動電流 Iaest 推定電流 Ea 誘起電圧 Eaest 誘起電圧推定信号 Vaest 電圧推定信号 β 補正信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクに対してヘッドの位置決めを行
    うアクチュエータ手段と、前記アクチュエータ手段の駆
    動手段と、前記アクチュエータ手段の駆動において発生
    する電圧を検出し電圧信号を出力する電圧検出手段と、
    前記駆動信号と前記電圧信号から前記ヘッドに加わる外
    乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外乱推定手
    段と、前記ディスクに予め記録され前記ヘッドにより検
    出されるサーボ情報から前記ヘッドの現在位置に対応し
    た誤差信号を生成し出力する位置検出手段と、前記誤差
    信号に対応した位置制御信号を生成し出力する位置制御
    手段とを具備し、前記駆動信号は前記位置制御信号と前
    記外乱推定信号を合成して得られるように構成されてい
    ることを特徴とするディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記外乱推定手段は、前記電圧検出手段
    の検出した電圧信号が入力される比較手段と、前記駆動
    信号に第1の係数を乗算する第1の乗算手段と、前記比
    較手段の出力に第2の係数を乗算する第2の乗算手段
    と、前記比較手段の出力を積分する第1の積分手段と、
    前記第1の乗算手段の出力から前記第2の乗算手段の出
    力と前記第1の積分手段の出力との加算値を減算した値
    を積分する第2の積分手段とを具備し、前記比較手段が
    前記電圧信号と前記第2の積分手段の出力とを比較し、
    その結果を前記第2の乗算手段と前記第1の積分手段へ
    出力するように構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のディスク装置。
  3. 【請求項3】 ディスクに対してヘッドの位置決めを行
    うアクチュエータ手段と、前記アクチュエータ手段の駆
    動手段と、前記アクチュエータ手段の駆動において発生
    する電圧を検出し電圧信号を出力する電圧検出手段と、
    前記ディスクに予め記録され前記ヘッドにより検出され
    るサーボ情報から前記ヘッドの現在位置に対応した誤差
    信号を生成し出力する位置検出手段と、前記誤差信号に
    対応した位置制御信号を生成し出力する位置制御手段
    と、前記電圧信号と前記位置制御信号から前記ヘッドに
    加わる外乱の大きさを推定し外乱推定信号を出力する外
    乱推定手段とを具備し、前記駆動信号は前記位置制御信
    号と前記外乱推定信号を合成して得られるように構成さ
    れていることを特徴とするディスク装置。
  4. 【請求項4】 前記外乱推定手段は、前記電圧検出手段
    の検出した電圧信号が入力される比較手段と、前記位置
    制御信号に第1の係数を乗算する第1の乗算手段と、前
    記比較手段の出力に第2の係数を乗算する第2の乗算手
    段と、前記比較手段の出力を積分する第1の積分手段
    と、前記第1の乗算手段の出力から前記第2の乗算手段
    の出力を減算した値を積分する第2の積分手段とを具備
    し、前記比較手段が前記電圧信号と前記第2の積分手段
    の出力とを比較し、その結果を前記第2の乗算手段と前
    記第1の積分手段へ出力するように構成されていること
    を特徴とする請求項3に記載のディスク装置。
  5. 【請求項5】 前記外乱推定手段の制御帯域が、前記位
    置制御手段の制御帯域よりも大きく設定されていること
    を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記
    載のディスク装置。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータ手段は,空隙を介し
    て対向する一対のヨークの前記空隙内でその少なくとも
    一方のヨーク側に固着された永久磁石と、前記永久磁石
    と前記ヨークから形成される磁気空隙内に配設される駆
    動コイルより構成され、前記駆動コイルと並列にコンデ
    ンサと抵抗を直列接続してなる回路が接続されているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに
    記載のディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US6903896B2 (en) 2002-06-26 2005-06-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Head positioning method, and disk apparatus using the same

Cited By (3)

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