JP2002242780A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

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JP2002242780A JP2001040545A JP2001040545A JP2002242780A JP 2002242780 A JP2002242780 A JP 2002242780A JP 2001040545 A JP2001040545 A JP 2001040545A JP 2001040545 A JP2001040545 A JP 2001040545A JP 2002242780 A JP2002242780 A JP 2002242780A
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fuel
passage
pressure
fuel passage
valve
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元一 村上
Atsushi Tawara
淳 田原
Soichi Matsushita
宗一 松下
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
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    • F02M63/02Fuel-injection apparatus having several injectors fed by a common pumping element, or having several pumping elements feeding a common injector; Fuel-injection apparatus having provisions for cutting-out pumps, pumping elements, or injectors; Fuel-injection apparatus having provisions for variably interconnecting pumping elements and injectors alternatively
    • F02M63/0225Fuel-injection apparatus having a common rail feeding several injectors ; Means for varying pressure in common rails; Pumps feeding common rails
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の排気系に設けられた還元触媒に、
還元剤としての燃料を添加供給する機能と、加圧された
燃料を一旦蓄圧して各気筒に噴射供給する機能とを併せ
備えた燃料供給装置において、搭載性や経済性の向上
と、機能上の信頼性確保とを両立して図ることのできる
内燃機関の燃料供給装置を提供する。 【解決手段】 エンジン100の各気筒と排気通路10
1とに、各々燃料を供給する燃料供給装置10は、フィ
ードポンプ30に汲み上げられた燃料の通路P2が、燃
料添加弁40へ向かう燃料の通路P3と、高圧ポンプ5
0へ向かう燃料の通路P4とに分岐する分岐点に、リニ
アソレノイドを内蔵する制御弁構造体(吸入遮断弁)8
0を配設する装置構成を適用する。吸入遮断弁80は、
電子制御装置(ECU)の指令信号に基づき、燃料通路
P2から燃料通路P3に向かう燃料の量と、燃料通路P
2から燃料通路P4に向かう燃料の量とを併せて制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料供
給装置に関し、特に、還元剤としての特性を併せ備えた
燃料を、ディーゼル機関の各気筒と当該機関の排気系に
設けられた還元触媒とに供給する内燃機関の燃料供給装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばディーゼル機関のように、広い運
転領域において高い空燃比(リーン雰囲気)の混合気を
燃焼に供して機関運転を行う内燃機関では、一般に、酸
素の存在下でNOxを吸収するNOx吸収剤(触媒)が
その排気系に備えられる。
【0003】NOx触媒は排気中の酸素濃度が高い状態
ではNOxを吸収し、排気中の酸素濃度が低い状態では
NOxを放出する特性を有する。ちなみに排気中に放出
されたNOxは、排気中にHCやCOといった還元成分
が存在していれば、それらと速やかに反応してN2に還
元される。また、NOx触媒は、排気中の酸素濃度が高
い状態にあるときでも所定の限界量のNOxを吸収する
と、それ以上NOxを吸収しなくなる。
【0004】そこで、このようなNOx触媒を排気系に
備えた内燃機関では、同NOx触媒のNOx吸収量が限
界量に達する前に、同触媒に還元剤を供給することで、
NOx触媒に吸収されたNOxを放出および還元浄化
し、NOx触媒のNOx吸収能力を回復させるといった
制御を所定のインターバルで繰り返すのが一般的であ
る。
【0005】上記のような態様でNOx触媒の機能を活
用する排気浄化の制御の実施にあたっては、所定の圧力
が付与された還元剤を噴射弁等を通じて排気系に供給す
る装置構成(以下、燃料添加装置という)が多く採用さ
れる。
【0006】一方、同じくディーゼルエンジンのよう
に、機関運転を行う過程で、燃焼室内に直接燃料を噴射
供給するのが一般的な内燃機関では、燃料を高圧化して
噴射する装置を備える必要がある。このような機能を有
する装置の一例として、いわゆるコモンレール式の燃料
供給装置がある。コモンレール式の燃料供給装置を採用
する内燃機関では、燃料タンク内の燃料をフィードポン
プによって汲み上げ、高圧ポンプで加圧して蓄圧室(コ
モンレール)内に一旦貯留する。コモンレールに貯留さ
れた高圧燃料は、当該コモンレールに複数取り付けられ
た電子制御式の燃料噴射弁を通じ、各々の燃料噴射弁と
対応する各気筒に適宜噴射供給される。
【0007】ところで、内燃機関の燃料は還元剤として
機能する。そこで、上記コモンレール式の燃料供給装置
において、燃料タンクから汲み上げられ高圧ポンプに移
送される燃料の一部を流用し、当該内燃機関の排気系に
設けられた還元触媒上流に添加供給することにより、燃
料添加装置の機能を併せ備えた装置構成を構築すること
も可能ではある(例えば、特開平11−280449号
公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料供給装
置や燃料添加装置は、何れも装置内部に所定の圧力に保
持された燃料を移送する機能を有するため、万一、移送
される燃料の圧力調整に不具合が生じたり、燃料漏れが
発生した場合に備えて各装置への燃料供給を遮断する機
構を具備することが望ましい。こうした遮断機構として
は、燃料供給装置或いは燃料添加装置の包含する燃料の
流路(燃料通路)を、燃料供給装置にあっては高圧ポン
プの上流部位、また燃料添加装置にあっては噴射弁の上
流部位で、必要に応じて遮断することのできる遮断弁を
採用することが考えられる。
【0009】また、両装置は、機関運転に必要な燃料の
供給、及び還元触媒への還元剤添加という本質的に異な
る機能を担うため、何れか一方の装置に不具合や異常が
生じたとしても、他の一方の装置については通常の作動
状態を維持させる方が好ましい場合も多い。
【0010】ところが、燃料供給装置及び燃料添加装置
の各々について独立に機能する遮断弁を配設するとなれ
ば、燃料通路(燃料パイプ)の配管構造が複雑化する上
に、部材点数も増加し、搭載性や製造コストの観点から
不利が否めなかった。
【0011】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、内燃機関の
排気系に設けられた還元触媒に、還元剤としての燃料を
添加供給する機能と、加圧された燃料を一旦蓄圧して各
気筒に噴射供給する機能とを併せ備えた燃料供給装置に
おいて、搭載性や経済性の向上と、機能上の信頼性確保
とを両立して図ることのできる内燃機関の燃料供給装置
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、(1)内燃機関の燃料タンクに蓄えられ
た燃料を汲み上げるフィードポンプと、前記汲み上げら
れた燃料の一部を加圧する加圧ポンプと、前記加圧され
た燃料を蓄圧し、前記内燃機関に噴射供給する蓄圧供給
手段と、前記汲み上げられた燃料の他の一部を前記内燃
機関の排気系に設けられた還元触媒に添加供給する添加
供給手段と、前記フィードポンプによって汲み上げられ
た燃料を移送する第1の燃料通路と、前記第1の燃料通
路から分岐して前記汲み上げられた燃料の一部を前記加
圧ポンプに移送する第2の燃料通路と、同じく前記第1
の燃料通路から分岐して前記汲み上げられた燃料の他の
一部を前記添加供給手段に移送する第3の燃料通路とを
有する内燃機関の燃料供給装置において、前記第1の燃
料通路、前記第2の燃料通路、及び前記第3の燃料通路
の各々を通じて移送される燃料の動態を併せて制御する
制御弁構造体を備えることを要旨とする。
【0013】ここで、燃料の動態とは、前記第1の燃料
通路、前記第2の燃料通路、及び前記第3の燃料通路内
に存在する燃料の流速や圧力、或いは前記第1の燃料通
路を通じて移送された燃料のうち、どの程度の量(若し
くは圧力)の燃料が前記第2の燃料通路に流入し、どの
程度の量(若しくは圧力)の燃料が前記第3の燃料通路
に流入するといった分配率等をも含め、各燃料通路内に
おける燃料の動的な特性に関連するパラメータを広く意
味する。
【0014】また、燃料を蓄圧するとは、所定の通路内
又は所定の空間内において、加圧された燃料の圧力を所
定範囲に保持することをいう。
【0015】また、制御弁構造体とは、燃料の実質的な
流路(通路)面積を変更する制御弁を1つ若しくは複数
備えて構成される機構を意味する。なお、この制御弁構
造体は、必ずしも上記各燃料通路の分岐点に配設される
ものに限られない。
【0016】同構成によれば、前記燃料タンクから汲み
上げられ前記加圧ポンプを経て前記蓄圧供給手段に向か
う燃料の流れを、必要に応じて前記加圧ポンプの上流で
制御(例えば許容及び遮断)する機能と、同じく前記燃
料タンクから汲み上げられ前記添加供給手段に向かう燃
料の流れを、必要に応じて当該添加供給手段の上流で制
御(例えば許容及び遮断)する機能とを、単一の制御弁
構造体に担わせることができる。従って、当該内燃機関
に燃料を噴射供給するとともに、同内燃機関の排気系に
設けられた還元触媒に燃料を添加供給するために必要な
装置構成が簡略化される。よって、装置の小型化、部材
点数の減少、及び製造コストの低減が容易に図られ、し
かも当該装置内における燃料の動態を制御する上でその
信頼性は十分に確保される。
【0017】(2)また、前記制御弁構造体は、何れか
の燃料通路から他の燃料通路へ向かう燃料の量を無段階
に制御するのが好ましい。
【0018】また、とくにこうした制御特性を発揮する
ように、前記制御構造体は、リニアソレノイド弁を備え
るのがよい。
【0019】ここで、燃料の量とは、例えば燃料の圧力
や流速等、燃料の動態に関連する物理量を広く意味す
る。
【0020】複数の燃料通路を相互間で連通及び遮断す
るための構成にリニアソレノイド弁を備えた制御弁構造
を採用すれば、各燃料通路を所望の組み合わせで自在に
連通させ、しかも各連通路の通路面積等を無段階に制御
することが容易となる。同構成によれば、こうしたリニ
アソレノイド弁の特性を利用することにより、前記燃料
ポンプから汲み出された燃料を緻密且つ正確に分配し、
当該内燃機関への噴射供給や前記還元触媒への添加供給
に供するといった当該燃料供給装置の機能を、その精度
や信頼性の面で好適に高めることができる。
【0021】(3)また、前記第3の燃料通路内の圧力
を検出する圧力検出手段と、前記検出される圧力に基づ
いて当該燃料供給装置の異常を検知する異常検出手段と
を備えて、且つ、前記圧力検出手段が前記第3の燃料通
路内の圧力を検出する場合、前記制御弁構造体は、前記
第3の燃料通路に向かう燃料の量を低減するのが好まし
い。
【0022】ここで、前記圧力検出手段が前記第3の燃
料通路内の圧力を検出する場合、前記制御弁構造体は、
前記第3の燃料通路に向かう燃料の量を「0」としても
よい。好ましくは、当該第3の燃料通路に向かう燃料の
量を、前記燃料添加手段がその機能を保持するために必
要最低限の量(値)まで低減するのがよい。
【0023】例えば、前記第3の燃料通路や同通路に連
通する空間には、漏れや詰まり、或いは、同通路や空間
に設けられた制御弁の動作不良等といった異常が発生す
る懸念がある。このような異常が発生している場合と、
異常が発生していない場合とでは、外部からの圧力の付
加や、前記蓄圧供給手段による燃料の噴射供給動作(若
しくは噴射供給動作にかかる制御装置等の指令信号)等
に対する当該第3の燃料通路内の圧力応答が相違する。
同構成における異常検出手段は、こうした圧力応答の相
違を含め、前記第3の燃料通路内の圧力に基づいて当該
燃料供給装置の異常を検出する。同構成によれば、この
ような異常検出にあたり、前記第3の燃料通路や、同通
路に連通する空間について、密封性が高まり、外部から
付与される物理的な力(例えば燃料の圧力)が小さくな
ることで、異常検出にかかる感度や精度が高まるように
なる。
【0024】(4)また、当該内燃機関の燃料供給装置
は、前記加圧ポンプによって加圧された燃料が過圧状態
にある場合にこれを検知する過圧状態検知手段を備え
て、且つ、該燃料の過圧状態が検知された場合、前記制
御弁構造体は前記第2の燃料通路に向かう燃料の量を低
減するのが好ましい。
【0025】ここで、前記加圧ポンプに加圧された燃料
とは、当該燃料供給装置内において、加圧ポンプの下流
に存在する如何なる燃料をも意味する。すなわち、ここ
でいう燃料の加圧状態とは、加圧ポンプの圧送機能が過
剰である状態と、たとえば蓄圧供給手段の内部に存在す
る燃料の圧力が高すぎる状態との何れをも意味する。
【0026】また、前記過圧状態検出手段が前記燃料の
過圧状態を検出した場合、前記制御弁構造体は、前記第
2の燃料通路に向かう燃料の量を「0」としてもよい。
好ましくは、前記第3の燃料通路に向かう燃料の量が、
前記燃料添加手段の機能を保持させるために必要最低限
の量(値)となるまで、前記第2の燃料通路に向かう燃
料の量を低減するのがよい。
【0027】前記加圧ポンプによって加圧された燃料が
過圧状態にある場合、その圧力を速やかに低減すること
が、当該燃料供給装置の機能に関し十分な信頼性を得る
上で要求される。同構成によれば、前記燃料が過圧状態
となった場合、前記加圧ポンプに送り込まれる燃料の圧
力が低減されることで、当該燃料の過圧状態が効率的に
解消されるようになる。よって、当該燃料供給装置の機
能に関して十分な信頼性が確保され、当該装置の耐久性
も向上するにようになる。
【0028】(5)また、当該内燃機関の燃料供給装置
は、前記第3の燃料通路に連通する第4の燃料通路と、
該第4の燃料通路を開閉する開閉手段とをさらに備える
こととしてもよい。
【0029】ここで、前記第4の燃料通路は、前記第3
の燃料通路に直接連通していなくてもよく、通路や部屋
等、何らかの閉鎖空間を介して該第3の燃料通路と間接
的に連通していても構わない。また、前記開閉手段とし
ては一般に、前記第4の燃料通路を開閉制御する制御弁
を用いるのが好ましいが、これに限らず該第4の燃料通
路内の燃料の流れを実質的に遮断および開放するもので
あれば、如何なる機構であっても構わない。
【0030】同構成によれば、前記第1の燃料通路、前
記第2の燃料通路、及び前記第3の燃料通路の各々を通
じて移送される燃料の動態を併せて制御する前記制御弁
構造体の機能、とくに、前記第2の燃料通路若しくは前
記第3の燃料通路に移送される燃料の量を低減する機能
を、前記第4の燃料通路および前記開閉手段が補助し、
高めるようになる。よって、前記燃料ポンプから汲み出
された燃料を緻密且つ正確に分配し、当該内燃機関への
噴射供給や前記還元触媒への添加供給に供するといった
当該燃料供給装置の機能についてより高い精度が確保さ
れるようになる。
【0031】なお、前記汲み出された燃料を一部回収し
て前記燃料ポンプに戻す機能を有する燃料通路を、前記
第4の燃料通路として適用してもよい。当該内燃機関に
燃料を噴射供給するとともに、同内燃機関の排気系に設
けられた還元触媒に燃料を添加供給するため装置構成に
とっては、前記燃料ポンプによって汲み出された燃料の
うち、所定量の燃料を前記燃料タンクに戻すことで、前
記加圧ポンプや前記燃料添加手段の下流における燃料の
圧力や流量を適宜の値に安定して保持する調整機能を有
する燃料通路を具備することが望ましい。このような構
成によれば、前記第4の燃料通路がそのような調整機能
と前記制御弁構造体の補助機能とを併せ担うようにな
る。従って、前記燃料ポンプから汲み出された燃料を緻
密且つ正確に分配し、当該内燃機関への噴射供給や前記
還元触媒への添加供給に供するといった当該燃料供給装
置の機能についてより高い精度が確保される上、これと
両立して装置の小型化も容易に図られるようになる。
【0032】さらに、前記汲み出された燃料を一部回収
し、潤滑用油として前記加圧ポンプに供給する燃料通路
を、前記第4の燃料通路として適用してもよい。このよ
うな構成によっても同じく、前記第4の燃料通路が、潤
滑油の供給機能と前記制御弁構造体の補助機能とを併せ
担うことで、当該燃料供給装置の機能についてより高い
精度が確保される上、これと両立して装置の小型化も容
易に図られるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明をディーゼル機関の燃料供給装置に適用した第1の実
施の形態について説明する。
【0034】図1には、本実施の形態にかかる燃料供給
装置および同装置が搭載される内燃機関の概略構成を示
す。同図に示すように、内燃機関(以下、エンジンとい
う)100は、その排気通路101にNOx触媒102
を備えた4気筒ディーゼル機関である。燃料供給装置1
0は、燃料タンク20に蓄えられている燃料を、当該エ
ンジン100の各気筒と、同じく当該エンジン100の
排気通路101(NOx触媒102上流)とに、適宜の
タイミングで供給する装置である。
【0035】燃料供給装置10は、フィードポンプ3
0、燃料添加弁40、加圧(高圧)ポンプ50、コモン
レール60、燃料噴射弁70、制御弁構造体(吸入遮断
弁)80、各種燃料通路P1〜P6および電子制御装置
(ECU)90等を主要構成要素として備える。
【0036】先ず、フィードポンプ30は、燃料タンク
20から燃料を汲み上げる。燃料添加弁40は、フィー
ドポンプ30によって汲み上げられた燃料を排気系のN
Ox触媒102上流に添加供給する。高圧ポンプ50
は、フィードポンプ30によって汲み上げられた燃料を
燃料添加弁40とは別の経路を介して導入し、加圧(高
圧化)して送り出す。コモンレール60は、高圧ポンプ
50によって送り出された高圧燃料を所定の圧力に保持
(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有する。燃料噴射弁
70は、コモンレール60内で蓄圧されている高圧燃料
をエンジン100の各気筒内に噴射供給する機能を有す
る。吸入遮断弁80は、フィードポンプ30から燃料添
加弁40へ向かう燃料の流れと、同じくフィードポンプ
30から高圧ポンプ50へ向かう燃料の流れとを調整す
るとともに、これら燃料の流れを必要に応じて遮断す
る。汲上燃料通路P1は、燃料タンク20とフィードポ
ンプ30とを連絡する。フィード圧燃料通路P2は、フ
ィードポンプ30と吸入遮断弁80とを連絡する。添加
燃料通路P3は、吸入遮断弁80と燃料添加弁40とを
連絡する。加圧用燃料通路P4は、吸入遮断弁80と高
圧ポンプ50とを連絡する。リターン燃料通路P5は、
フィードポンプ30の上流側(汲上燃料通路P1)と下
流側(フィード圧燃料通路P2)とをバイパスする。潤
滑用燃料通路P6は、フィード圧燃料通路P2と燃料タ
ンク20とを高圧ポンプ50を介して連絡する。
【0037】また、添加燃料通路P3の通路途中には、
燃圧センサ41が取り付けられている。燃圧センサ41
は、当該通路P3内の燃料の圧力(燃圧)に応じた検出
信号を出力する。さらに、コモンレール60には、レー
ル圧センサ61が取り付けられている。レール圧センサ
61は、コモンレール60内に蓄えられている燃料の圧
力(燃圧)に応じた検出信号を出力する。燃圧センサ4
1及びレール圧センサ61は、ECU90と電気的に接
続されている。
【0038】ECU90は、周知のマイクロコンピュー
タである。ECU90の内部では、中央処理装置(CP
U)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセ
スメモリ(RAM)、バックアップRAM、タイマーカ
ウンタ、A/D変換器を含む外部入力回路、外部出力回
路等が相互に接続され、論理演算回路を構成している。
【0039】このように構成されたECU90は、上記
燃圧センサ41及びレール圧センサ61の他、エンジン
100の各部位に取り付けらた各種センサの出力する検
出信号を外部入力回路を介して入力し、添加燃料通路P
3内の燃圧やコモンレール60内の燃圧を含め、エンジ
ン100の運転状態に関連する各種情報を把握する。そ
して、これら各種情報に基づいて、燃料添加弁40、燃
料噴射弁70、及び吸入遮断弁80等、燃料供給装置1
0の各構成部材を駆動することにより、エンジン100
の各気筒への燃料噴射や、排気通路101への燃料添加
についての制御を、エンジン100の運転に関するその
他の制御と併せて実行する。
【0040】なお、エンジン100の排気通路101に
設けられたNOx触媒(吸蔵還元型NOx触媒)102
は、排気中に多量の酸素が存在している状態においては
NOxを吸収し、運転空燃比が理論空燃比より小さく、
排気中に酸素が低く、且つ還元成分(例えば燃料の未燃
成分(HC))が存在している状態においてはNOxを
NO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNOと
して放出されたNOxは排気中のHCやCOと速やかに
反応することによってさらに還元され、N2となる。ち
なみにHCやCOは、NO2やNOを還元することで、
自身は酸化されてH2OやCO2となる。すなわち、NO
x触媒に導入される排気中の酸素濃度やHC成分を適宜
調整すれば、排気中のHC、CO、NOxを浄化するこ
とができることになる。
【0041】エンジン100では、排気中の適切な還元
成分量および空燃比を安定して得ることができるよう
に、排気通路101(NOx触媒102上流)への定量
的な燃料添加を、燃料添加弁40を通じて適宜のタイミ
ングで実施する。
【0042】次に、ECU90の指令信号に基づく燃料
噴射制御や燃料添加制御の実施に伴い、燃料供給装置1
0を構成する各種部材がどのように動作するのか、その
動作態様について詳しく説明する。
【0043】フィードポンプ30は、エンジン100の
運転中常時駆動し、汲上燃料通路P1を通じて燃料タン
ク20内の燃料を汲み上げる。またこのとき、汲上燃料
通路P1の通路途中に設けられた燃料フィルタ31が燃
料に含まれる微細粒子等の不純物を濾過(除去)する。
フィードポンプ30の作用によって汲み上げられた燃料
は、フィード圧燃料通路P2を通じ吸入遮断弁80に向
かって移送される。また、フィードポンプ30の上流側
(汲上燃料通路P1)と下流側(フィード圧燃料通路P
2)とをバイパスするリターン燃料通路P5の通路途中
には調圧弁32が設けられている。調圧弁32は、フィ
ード圧燃料通路P2から流入する燃料の圧力が所定値
(例えば1MPa)を上回っている場合にのみ開弁し
て、同通路内の燃料の流れを許容する。すなわち、フィ
ードポンプ30による燃料の汲み出し作用と調圧弁32
による燃圧の制限作用とが協働することで、フィード圧
燃料通路P2内の燃圧は一定に保持される。また、吸入
遮断弁80や調圧弁32に向かう燃料の他、フィード圧
燃料通路P2内を移送される燃料の一部は、潤滑用燃料
通路P6を通じて高圧ポンプ50に送られ、当該高圧ポ
ンプ50を構成する各種部材の潤滑油として活用され
る。なお、潤滑用燃料通路P6内には、当該潤滑用燃料
通路P6とフィード圧燃料通路P2との接続部位の近傍
にオリフィス33が形成されている。このため、フィー
ド圧燃料通路P2から潤滑用燃料通路P6への燃料の流
れは、フィード圧燃料通路P2内の圧力にほとんど影響
を与えない。
【0044】フィード圧燃料通路P2を通じて移送され
る燃料のうち、リターン燃料通路P5や潤滑用燃料通路
P6へ配されない燃料の流れは、吸入遮断弁80を分岐
点として、添加燃料通路P3(燃料添加弁40)へ向か
う流れと、加圧用燃料通路P4(高圧ポンプ50)へ向
かう流れとに分流される。吸入遮断弁80は、電磁ソレ
ノイド(ソレノイドコイル)によって開閉弁動作を行う
リニアソレノイド弁を内蔵する。吸入遮断弁80は、E
CU90からの指令信号に基づいて、フィード圧燃料通
路P2から各通路P3,P4へ向かう燃料の流量(流路
の開度)を独立に調整する一方、場合によってはフィー
ド圧燃料通路P2から各通路P3,P4へ向かう燃料の
流れ(流路)を完全に遮断する。
【0045】吸入遮断弁80を通過して添加燃料通路P
3に送り出される燃料は、燃料添加弁40を介して適宜
排気通路101(NOx触媒102上流)に添加供給さ
れる。燃料添加弁40は、その内部に電磁ソレノイドを
備えた電磁駆動式の噴射弁であり、ECU90からの指
令信号に基づいて所定時間開弁し、所望量の燃料を排気
通路101内に添加する。燃料添加弁40の開弁動作に
応じて添加される燃料の量に関する時間軸上のパターン
(波形)や総量は、燃料添加弁40の開弁タイミング及
び開弁時間、並びに添加燃料通路P3内の燃圧によって
概ね決定づけられる。なお、燃料添加を実施するにあた
って、ECU90は、目標量の燃料を添加するために要
求される燃料添加弁40の適切な開弁タイミングや開弁
時間を、燃圧センサ41の出力信号(添加燃料通路P3
内の燃圧)に基づいて決定する。
【0046】他方、吸入遮断弁80を通過して加圧用燃
料通路P4に送り出された燃料は、高圧ポンプ50に導
入され、ここで所定の圧力(例えば30MPa)まで加
圧されてコモンレール60に圧送される。高圧ポンプ5
0は、例えばエンジン100のカムシャフト(図示略)
にギア連結された回転軸51と、回転軸51の回転動作
に同期してシリンダ52A,52B内を往復運動するプ
ランジャ53A,53Bと、シリンダ52A,52Bの
端部に形成された圧力室54A,54Bと備え、シリン
ダの往復運動に応じて圧力室への燃料の吸入、加圧、吐
出を繰り返す周知の燃料圧送用ポンプである。なお、高
圧ポンプ50に吸入される燃料の通路に設けられた吸入
チェック弁55A,55Bと、同じく高圧ポンプ50か
ら吐出される燃料の通路に設けられた吐出チェック弁5
6A,56Bとは、上流側の燃圧が下流側の燃圧よりも
所定値以上高くなった場合にのみ開弁する逆止弁であ
る。
【0047】すなわち、圧力室54A内の燃圧が所定値
より低くなると、吸入チェック弁55Aが開弁して当該
圧力室54A内に燃料が引き込まれる。また、当該圧力
室54A内の燃圧が所定値より高くなると、吐出チェッ
ク弁56Aが開弁して加圧された高圧燃料を当該圧力室
54A外に吐出する。同じく、圧力室54B内の燃圧が
所定値より低くなると、吸入チェック弁55Bが開弁し
て当該圧力室54B内に燃料が引き込まれる。また、当
該圧力室54B内の燃圧が所定値より高くなると、吐出
チェック弁56Bが開弁して加圧された高圧燃料を当該
圧力室54B外に吐出する。
【0048】高圧ポンプ50のこのような作用によって
供給される高圧燃料は、所定の圧力を保持した状態でコ
モンレール60に蓄えられる。コモンレール60に蓄え
られた高圧燃料は、当該コモンレール60に接続された
燃料噴射弁70を介し、エンジン100の各気筒内に適
宜のタイミングで直接噴射供給される。燃料噴射弁70
は、その内部に電磁ソレノイドを備えた電磁駆動式の噴
射弁であり、エンジン100の各気筒内に燃料の噴射孔
を備える。基本的には、圧縮行程にある気筒内に燃料噴
射弁70を通じて噴射供給された燃料が、当該気筒内で
自然着火して燃焼することにより、エンジン100は機
関出力を得る。
【0049】ここで、吸入遮断弁80の構造および機能
について詳しく説明する。
【0050】図2は、吸入遮断弁80の内部構造を概略
的に示す側断面図である。同図2に示すように、吸入遮
断弁80は、フィード圧燃料通路P2、添加燃料通路P
3および加圧用燃料通路P4と直接連結され、各燃料通
路を相互に連通および遮断する通路構造P2,P3,P
4を内部に備えた弁構造部81と、電磁ソレノイド82
を内蔵する磁力発生部83とに大別される。円柱形状を
有する弁構造部81と、弁構造部81よりもやや大きな
外径の円柱形状を有する磁力発生部83とは、同一軸心
Xに沿って連なるかたちで吸入遮断弁80の外郭を形成
する。
【0051】弁構造部81から磁力発生部83に亘り、
軸心Xに沿って円筒形の内部通路84が形成されてい
る。内部通路84内には、弁構造部81から磁力発生部
83に向かって、コイルスプリング85、スプール8
6、及び鉄芯87が順次配列された状態で収容されてい
る。コイルスプリング85は、内部通路84の弁構造部
81側の底面84aと、スプール86の一方の頂面86
aと、内部通路84の内周面84bとによって囲まれた
空間(以下、コイルスプリング室という)84cに収容
された状態で、弁構造部81側から磁力発生部83側に
向かってスプール86を付勢する。スプール86は、内
部通路84内において往復摺動可能に配設され、その内
部には二本の孔86b,86cが形成されている。孔
(横孔)86bはスプール86をその径方向に沿って貫
通する。また、孔(縦孔)86cは、スプール86の頂
面86aから軸心Xに沿って形成され、横孔86bまで
達する。すなわち、当該横孔86bと縦孔86cとは相
互に連通し、スプール86内にT字型の空間を形成す
る。フィード圧燃料通路P2に連通する連通孔80a
は、弁構造部81の側面及び内部通路84間を貫通する
ように形成されている。また、同じく、添加燃料通路P
3に連通する連通孔80bも、弁構造部81の側面及び
内部通路84間を貫通するように形成されている。一
方、加圧用燃料通路P4に連通する連通孔80cは、弁
構造部81の頂面81aおよび内部通路84間を貫通す
るように形成されている。内部通路84内におけるスプ
ール86の配置が変更されると、連通孔80a(フィー
ド圧燃料通路P2)及び横孔86b相互間の連通量(両
孔80a,86bを連通させる通路の断面積)が変更さ
れる。また、同じく内部通路84内におけるスプール8
6の配置が変更されると、連通孔80b(添加燃料通路
P3)及び横孔86b間の連通量が変更される。連通孔
80c(加圧用燃料通路P4)及び縦孔86cは、コイ
ルスプリング室84cを介して常に連通した状態にあ
る。
【0052】また、磁力発生部83内には、内部通路8
4の外周を取り巻くようにソレノイドコイル82が周設
されている。ソレノイドコイル82へ電流を印加して鉄
芯87を弁構造部81側へ吸引する電磁力を発生させる
と、当該鉄芯87はコイルスプリング85の付勢力に抗
して弁構造部81側にスプール86を押し返すようにな
る。ECU90は、ソレノイドコイル82に印加する電
流をデューティ制御することにより鉄芯87への吸引力
を調整し、連通孔80a及び横孔86b相互間の連通量
と、連通孔80b及び横孔86b間の連通量とを無段階
に変更する。このように、連通孔80a及び横孔86b
相互間の連通量と、連通孔80b及び横孔86b間の連
通量とを無段階に変更することで、フィード圧燃料通路
P2から添加燃料通路P3へ向かう燃料の流量と、同じ
くフィード圧燃料通路P2から加圧用燃料通路P4へ向
かう燃料の流量とを制御することができる。
【0053】図3(a)〜(e)には、内部通路84に
おけるスプール86の配置が相互に異なる吸入遮断弁8
0各々について、弁構造部81の内部を模式的に示す。
【0054】先ず、図3(a)に示す配置は、ソレノイ
ドコイル82(図2を参照)に電流が印加されていない
状態に対応する。スプール86が同図3(a)に示す配
置にある場合、フィード圧燃料通路P2から添加燃料通
路P3に向かう燃料の流れは遮断され、フィード圧燃料
通路P2から加圧用燃料通路P4に向かう燃料の流れの
みが許容されることになる。このようなスプール86の
配置にあっては、横孔86bの一方の開口端(開口面)
が連通孔80aに対し完全に開放された状態となる一
方、横孔86bの他の開口端(開口面)は連通孔80b
に対して完全に閉塞された状態となる。言い換えると、
吸入遮断弁80を介してフィード圧燃料通路P2から加
圧用燃料通路P4に向かう燃料の流路が全開になる。ス
プール86がこのような配置にあるときの吸入遮断弁8
0の状態を、以下、モードA1という。
【0055】次に、図3(b)に示す配置は、ソレノイ
ドコイル82に比較的小さな電流が印加されている状態
に対応する。スプール86が同図3(b)に示す配置に
ある場合、フィード圧燃料通路P2から添加燃料通路P
3に向かう燃料の流れは一部許容され、フィード圧燃料
通路P2から添加燃料通路P3に向かう燃料の流れは完
全に許容されることになる。このようなスプール86の
配置にあっては、横孔86bの開口端が連通孔80aに
対して完全に開放された状態となる一方、横孔86bの
他の開口端は連通孔80bに対して部分的に開放された
状態(絞られた状態)となる。言い換えると、吸入遮断
弁80を介してフィード圧燃料通路P2から添加燃料通
路P3に向かう燃料の流路が半開きになる一方、フィー
ド圧燃料通路P2から加圧用燃料通路P4に向かう燃料
の流路は全開になる。スプール86がこのような配置に
あるときの吸入遮断弁80の状態を、以下、モードB1
という。
【0056】また、図3(c)に示すスプール86の配
置は、図3(b)の配置に対応する印加電流に比し、よ
り大きな電流がソレノイドコイル82に印加されている
状態に対応する。スプール86が同図3(c)に示す配
置にある場合、フィード圧燃料通路P2から添加燃料通
路P3に向かう燃料の流れと、フィード圧燃料通路P2
から添加燃料通路P3に向かう燃料の流れとが、何れも
完全に許容されることになる。このようなスプール86
の配置にあっては、横孔86bの各開口端が連通孔80
a,80bに対して完全に開放された状態となる。言い
換えると、吸入遮断弁80を介してフィード圧燃料通路
P2から添加燃料通路P3に向かう燃料の流路と、フィ
ード圧燃料通路P2から加圧用燃料通路P4に向かう燃
料の流路とが、何れも全開になる。スプール86がこの
ような配置にあるときの吸入遮断弁80の状態を、以
下、モードC1という。
【0057】図3(d)に示すスプール86の配置は、
図3(c)の配置に対応する印加電流に比し、さらに大
きな電流がソレノイドコイル82に印加されている状態
に対応する。スプール86が同図3(d)に示す配置に
ある場合、フィード圧燃料通路P2から添加燃料通路P
3に向かう燃料の流れと、フィード圧燃料通路P2から
添加燃料通路P3に向かう燃料の流れとが、何れも一部
許容されることになる。このようなスプール86の配置
にあっては、横孔86bの一方の開口端が連通孔80b
に対して完全に開放される一方、横孔86bの他方の開
口端が連通孔80aに対して部分的に開放された状態
(絞られた状態)となる。言い換えると、吸入遮断弁8
0を介してフィード圧燃料通路P2から添加燃料通路P
3に向かう燃料の流路と、フィード圧燃料通路P2から
加圧用燃料通路P4に向かう燃料の流路とは、何れも半
開きとなる。また、両燃料流路についての実質的な流路
面積は、横孔86bの開口端と連通孔80aとの間の連
通量によって決定づけられる。スプール86がこのよう
な配置にあるときの吸入遮断弁80の状態を、以下、モ
ードD1という。
【0058】図3(e)に示す配置は、図3(d)の配
置に対応する印加電流に比し、さらに大きな電流がソレ
ノイドコイル82に印加されている状態に対応する。ス
プール86が同図3(e)に示す配置にある場合、フィ
ード圧燃料通路P2から添加燃料通路P3に向かう燃料
の流れと、フィード圧燃料通路P2から加圧用燃料通路
P4に向かう燃料の流れとが何れも遮断されることにな
る。このようなスプール86の配置にあっては、横孔8
6bの開口端(開口面)が連通孔80a,80bに対し
完全に閉塞された状態となる。言い換えると、吸入遮断
弁80を介してフィード圧燃料通路P2から加圧用燃料
通路P4に向かう燃料の流路が全閉になる。スプール8
6がこのような配置にあるときの吸入遮断弁80の状態
を、以下、モードE1という。
【0059】ECU90は、吸入遮断弁80の状態とし
て上記各モードA1〜E1の何れかを適宜選択し、フィ
ード圧燃料通路P2から添加燃料通路P3に向かう燃料
の流れと、フィード圧燃料通路P2から加圧用燃料通路
P4に向かう燃料の流れとを基本的には独立に制御す
る。
【0060】以下、ECU90が実施する吸入遮断弁8
0の制御に関し、その具体的な制御手順を説明する。
【0061】図4に示すフローチャートは、吸入遮断弁
80の開閉弁動作を制御するための処理手順(ルーチ
ン)に相当する。このルーチンは、ECU80を通じて
エンジン1の始動と同時にその実行が開始され、所定時
間毎に繰り返される。
【0062】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
80は先ずステップS101において、高圧ポンプ50
下流の燃料が過圧状態にあるか否かを、レール圧センサ
61の検出信号(コモンレール60内の燃圧)に基づい
て判断する。そして、その判断が肯定である場合には、
吸入遮断弁80の状態がモードD1(図3を参照)とな
るようにソレノイドコイル82に印加する電流(印加電
流のデューティ比)を制御する(ステップS201)。
この結果、フィード圧燃料通路P2から添加燃料通路P
3および加圧用燃料通路P4に向かう燃料の流路が何れ
も絞られることになる。すなわち、高圧ポンプ50に移
送される燃料の量が低減され、エンジン100の運転状
態が速やかに退避走行状態に移行する。すなわち、エン
ジン100は所定期間を経て停止することになる。
【0063】一方、上記ステップS101において高圧
ポンプ50下流の燃料は過圧状態にないと判断した場
合、ECU90はその処理をステップS102に移行
し、添加燃料通路P3、燃料添加弁40および燃圧セン
サ41等から構成される燃料添加系に燃料漏れが発生し
ているか否かを、燃圧センサ41の出力信号に基づいて
判断する。そして、その判断が肯定である場合には、吸
入遮断弁80の状態がモードA1(図3を参照)となる
ようにソレノイドコイル82に印加する電流(印加電流
のデューティ比)を制御する(ステップS202)。
【0064】この結果、フィード圧燃料通路P2から加
圧用燃料通路P4に向かう燃料の流路は全開に保持さ
れ、フィード圧燃料通路P2から添加燃料通路P3に向
かう燃料の流路のみが閉塞されることになる。すなわ
ち、燃料添加系(添加燃料通路P3)に向かう燃料の流
れのみが遮断され、エンジン100の機関運転は正常に
維持する一方、燃料添加弁を通じて行う排気通路101
(NOx触媒102上流)への燃料添加の実施を中止す
ることになる。このとき、ECU90は、燃料添加系に
異常(燃料漏れ)が発生した為に燃料添加の実施を停止
する旨を、警告ランプ(図示略)の点灯等を通じてエン
ジン100の運転者に通知し、エンジン100をできる
だけ速やかに停止するように促すのが好ましい。
【0065】一方、上記ステップS102において燃料
添加系に燃料漏れは発生していないと判断した場合、E
CU90はその処理をステップS103に移行し、現時
点が燃料添加の実施タイミングに相当するか否かを判断
する。なお、燃料添加の実施にあたり、その実施タイミ
ングを決定するための制御や、燃料添加弁40を開弁動
作させるための制御等は、ECU90が別途の制御ルー
チンに従って行う。
【0066】上記ステップS103での判断が否定であ
る場合、ステップS202で行う処理と同じく、ECU
90は、吸入遮断弁80の状態がモードA1(図3を参
照)となるようにソレノイドコイル82に印加する電流
(印加電流のデューティ比)を制御する(ステップS2
03)。吸入遮断弁80の状態がモードA1に設定され
ると、フィード圧燃料通路P2から加圧用燃料通路P4
に向かう燃料の流路は全開に保持され、フィード圧燃料
通路P2から添加燃料通路P3に向かう燃料の流路のみ
が閉塞されることは、上述した通りである。つまり、本
実施の形態にかかるエンジン100では、燃料添加が実
施されない期間中、添加燃料通路P3への燃料供給が遮
断されることになる。
【0067】燃料添加の実施は、添加燃料通路P3内に
所定値を上回る燃圧が確保された状態で燃料添加弁40
を開弁動作させて行うため、添加燃料通路P3に常時同
等の燃圧が付与されていても差し支えはない。しかしな
がら、同ステップS203での処理によるように、燃料
添加を実施しない期間中、添加燃料通路P3への燃料の
供給(燃圧の付与)を遮断しておけば、燃料添加系に燃
料の漏れが発生している場合、この期間中、燃料添加系
の燃圧が顕著に低下することになる。したがって、燃料
添加系に燃料の漏れが発生した場合、そのような漏れの
発生を、例えば燃圧センサ41の検出信号に基づいて容
易に把握できるようになる。
【0068】他方、上記ステップS103での判断が肯
定である場合、すなわち現時点が燃料添加の実施タイミ
ングに相当する場合、ECU90は、燃料添加の実施に
併せて燃料添加系の異常診断を行うか否かを判断する
(ステップS104)。異常診断は、例えば、「燃圧セ
ンサ41の出力信号に基づいて検出される燃圧が所定値
を下回っている」等、異常診断の実施に際してある程度
以上の異常検出感度が得られる条件を設定しておき、そ
うした条件が成立した場合に行えばよい。あるいは、単
に、所定回数の燃料添加を実施に対し、異常診断を1回
に行うといったように、定期的に行うようにしてもよ
い。
【0069】上記ステップS104での判断が肯定であ
る場合、ECU90はその処理をステップS204に移
行し、燃料添加系の異常診断を実施する。
【0070】ここで、燃料添加の実施に併せて行う燃料
添加系の異常診断について、その原理を説明する。燃料
添加を実施すると、燃料添加弁40を介して所定量の燃
料が排気通路101に放出することになるため、燃圧セ
ンサ41の出力信号に基づいて検出される添加燃料通路
P3(燃料添加系)内の燃圧が、減圧される。このとき
に観測される燃圧の推移態様は、燃料添加系を構成する
各部位の機能が正常であれば、概ね以下の条件(i)〜
(iii)によって決定づけられる。 (i)燃料添加弁40が開弁動作を開始する前に検出さ
れる添加燃料通路P3(燃料添加系)内の燃圧、すなわ
ち添加燃料通路P3内の燃圧の初期値。 (ii)フィード圧燃料通路P2から添加燃料通路P3へ
向かう燃料の実質的な流路面積、すなわち吸入遮断弁8
0によって制御される燃料流路の絞り。 (iii)燃料添加弁40の開閉弁動作の態様(例えば開
弁時間)。
【0071】ECU90は、燃料添加の実施期間中に
(或いは実施の前後に亘り)観測される燃圧の推移態様
を、上記条件(1)〜(3)に照らして予測し、これを
基に、燃料添加系の異常診断を行う。例えば、燃料添加
系に燃料の漏れが発生していれば、観測され燃圧の推移
(例えば減圧速度)が、予測される推移に比べて速くな
る傾向を示すようになる。一方、例えば燃料添加弁40
の噴孔が詰まっている場合や、当該燃料添加弁40の開
弁動作に不具合が生じている場合、観測され燃圧の推移
が、予測される推移に比べて緩慢になる。
【0072】なお、この燃料添加系の異常診断の実施に
先立ち、ECU90は、吸入遮断弁80の状態がモード
B1(図3を参照)となるようにソレノイドコイル82
に印加する電流(印加電流のデューティ比)を制御する
(ステップS203)。吸入遮断弁80の状態がモード
B1に設定されると、フィード圧燃料通路P2から加圧
用燃料通路P4に向かう燃料の流路は全開に保持され、
フィード圧燃料通路P2から添加燃料通路P3に向かう
燃料の流路は半開き状態(絞られた状態)になること
は、上述した通りである。つまり、本実施の形態にかか
るエンジン100では、上記燃料添加系の異常診断の実
施に際し、添加燃料通路P3への燃料の流路を絞り、燃
料添加系内の密閉性を高める。このような操作により、
燃料添加の実施に際して燃料添加系が正常である場合に
観測される燃圧の推移態様と、異常である場合(燃料漏
れや噴孔詰まり等が生じている場合)に観測される燃圧
の推移態様との間にみられる差異を拡大させる。すなわ
ち、異常検出の感度を高める。
【0073】同ステップS204において燃料添加系の
異常診断を行った結果、燃料添加系に燃料漏れが発生し
てと判断した場合、ECU90は、先のステップS20
2での処理と同様に吸入遮断弁の状態をモードA1(図
3を参照)に設定する。そして、燃料添加系に異常(燃
料漏れ)が発生した為に燃料添加の実施を停止する旨
を、警告ランプ(図示略)の点灯等を通じてエンジン1
00の運転者に通知し、エンジン100をできるだけ速
やかに停止するように促す。
【0074】また、燃料添加弁40の噴孔が詰まってい
ると判断した場合や、当該燃料添加弁40の開弁動作に
不具合(動作不良)が生じていると判断した場合、その
詰まりや開弁動作の不具合の度合いに応じ、燃料添加の
実施にかかる燃料添加弁40の開弁時間を長くするとい
った処置を施す。また、そのような噴孔詰まりや動作不
良の度合いが所定の限度を超えていると判断した場合に
は、先のステップS202での処理と同様に吸入遮断弁
の状態をモードA1(図3を参照)に設定する。そし
て、燃料添加系に異常(噴孔詰まり、若しくは燃料添加
弁40の動作不良)が発生した為に燃料添加の実施を停
止する旨を、警告ランプ(図示略)の点灯等を通じてエ
ンジン100の運転者に通知し、エンジン100をでき
るだけ速やかに停止するように促す。ちなみに、同ステ
ップS204の異常診断では、先のステップS102で
は検出され得ないわずかな燃料漏れも検出されることに
なる。
【0075】一方、先のステップS104における判断
が否定であった場合、ECU90は、吸入遮断弁80の
状態がモードC1(図3を参照)となるようにソレノイ
ドコイル82に印加する電流(印加電流のデューティ
比)を制御する(ステップS203)。吸入遮断弁80
の状態がモードA1に設定されると、フィード圧燃料通
路P2から添加燃料通路P3に向かう燃料の流路と、フ
ィード圧燃料通路P2から加圧用燃料通路P4に向かう
燃料の流路とが、何れも全開になることは上述した通り
である。つまり、燃料添加弁40の開弁動作を通じて行
う排気通路101への燃料の添加にあたり、添加燃料通
路P3への十分な燃料の流路が開放されるようになる。
【0076】なお、ステップS201、S202、S2
03、S204又はS205での処理を終えると、EC
U90は本ルーチンにおけるその後の処理を一旦終了す
る。そして、とくにステップS201又はS202での
処理を終えた後、或いはステップS204における異常
診断で燃料添加系の異常を認識した後は、次回エンジン
100を始動するまで本ルーチンの処理を行わない。
【0077】なお、上吸入遮断弁80の開閉弁動作を制
御するためのルーチンで、高圧ポンプ50下流の燃料が
過圧状態にあると判断された場合(ステップ101)、
ステップS201においてECU90は、吸入遮断弁8
0の状態がモードE1となるように制御を行うことによ
り、高圧ポンプに移送される燃料を完全に遮断し、より
短期間でエンジン100を停止させてもよい。さらに
は、高圧ポンプ50下流の燃料が過圧状態にあると判断
したところで、先ず吸入遮断弁80の状態をモードD1
に設定し、徐々にモードE1に移行させるといった制御
を行ってもよい。また、高圧ポンプ50下流の燃圧を、
より急速に(効果的に)低下させる必要がある場合に
は、吸入遮断弁80の状態をモードC1に設定するとと
もに、燃料添加弁40を開弁させるといった制御を一時
的に行い、高圧ポンプ50下流の燃圧を、吸入遮断弁8
0を通じて添加燃料通路P3、さらには排気通路101
内へ逃がすこともできる。
【0078】また、燃料添加系について異常診断を実施
すると判断した場合(ステップS104)、ステップS
204においてECU90は、吸入遮断弁80の状態が
モードA1となるように制御を行うことにより、添加燃
料通路P3に移送される燃料を完全に遮断し、燃料添加
系内の密閉性をより高めた上で、燃料添加および燃料添
加に伴う異常診断を実施することとしてもよい。
【0079】以上説明したように、本実施の形態にかか
るエンジン100の燃料供給装置10では、フィードポ
ンプ30に汲み上げられた燃料の通路P2が、燃料添加
弁40へ向かう燃料の通路P3と、高圧ポンプ50へ向
かう燃料の通路P4とに分岐する分岐点に、制御弁構造
体(吸入遮断弁)80を配設する構成を適用する。そし
て、燃料通路P2から燃料通路P3に向かう燃料の流れ
(圧力)と、燃料通路P2から燃料通路P4に向かう燃
料の流れ(圧力)を併せて制御させる(図1を参照)。
また、ソレノイドコイルの発生する電磁力でスプールを
直線的に動作させることにより、燃料通路P2及び燃料
通路P3間、また燃料通路P2及び燃料通路P4間を連
通する一方、各連通路の実質的な面積を独立して無段階
に変更することができるリニアソレノイド弁を制御弁構
造体(吸入遮断弁)80に採用する。
【0080】このような装置構成を適用することで、燃
料タンク20から汲み上げられ高圧ポンプ50に向かう
燃料の流量(圧力)を、高圧ポンプ50の上流で制御
(例えば許容及び遮断)する機能と、同じく燃料タンク
20から汲み上げられ燃料添加系に向かう燃料の流量
(圧力)を、燃料添加系の上流で制御(例えば許容及び
遮断)する機能とを、単一の制御弁構造体に担わせるこ
とができる。
【0081】よって、エンジン100の各気筒に燃料を
噴射供給するとともに、排気通路101に設けられたN
Ox触媒102に燃料を添加供給するために必要な装置
構成が簡略化される。
【0082】従って、装置の小型化、部材点数の減少、
及び製造コストの低減が容易に図られ、しかも当該装置
内における燃料の動態を制御する上でその信頼性は十分
に確保される。 (第2の実施の形態)次に、本発明をディーゼル機関の
燃料供給装置に適用した第2の実施の形態について、上
記第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。な
お、当該第2の実施の形態において、第1の実施の形態
にかかる燃料供給装置10やエンジン100(図1)を
構成する各種部材と同等の機能を有するものには、当該
第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号を付し、こ
こでの重複する説明は割愛する。
【0083】図5には、本実施の形態にかかる燃料供給
装置および同装置が搭載されるエンジンの概略構成を示
す。
【0084】同図5に示すように、当該第2の実施の形
態にかかるエンジン100’の燃料供給装置10’で
は、フィードポンプ30に汲み上げられた燃料の通路P
2を、燃料添加弁40へ向かう燃料の通路(以下、上流
側添加燃料通路という)P3aと、高圧ポンプ50へ向
かう燃料の通路P4とに分岐させる構成を適用する。た
だし、その分岐点には吸入遮断弁80(図1)のような
制御弁構造体を配設しない。また、上流側添加燃料通路
P3aをさらに分岐させ、一方の分岐通路(以下、下流
側添加燃料通路という)P3bを燃料添加弁に燃料を導
くための通路として機能させ、他方の分岐通路(以下、
インレットという)P8をリターン燃料通路P5の調圧
弁32下流に燃料を戻すための通路として機能させる。
さらに、上流側添加燃料通路P3aが、下流側添加燃料
通路P3bと、インレットP7とに分岐する分岐点に
は、上流側添加燃料通路P3aから下流側添加燃料通路
P3bへ向かう燃料の流量と、上流側添加燃料通路P3
aからインレットP7へ向かう燃料の流量とを併せ制御
する制御弁構造体(以下、フィード圧減圧弁という)8
0’を配設する。
【0085】以下、本実施の形態にかかる燃料供給装置
10’の機能について、フィード圧減圧弁80’の動作
態様を中心に説明する。なお、当該第2の実施の形態で
適用するフィード圧減圧弁80’と、先の第1の実施の
形態で適用することとした吸入遮断弁80とは、内部通
路84に対する連通孔80a及び連通孔80bの配置、
両連通孔80a,80bの内径、並びに連通孔80a,
80b,80cと連通する燃料通路が異なるものの、そ
の他の点においては基本的に同等である。このため、フ
ィード圧減圧弁80’の内部構造の詳細については、図
2を参照することとして、ここでの重複する説明は割愛
する。
【0086】図6(a)〜(e)には、内部通路84に
おけるスプール86の配置が相互に異なるフィード圧減
圧弁80’各々について、弁構造部81の内部を模式的
に示す。
【0087】先ず、図6(a)に示す配置は、ソレノイ
ドコイル82(図2を参照)に電流が印加されていない
状態に対応する。スプール86が同図6(a)に示す配
置にある場合、上流側添加燃料通路P3aから下流側添
加燃料通路P3bに向かう燃料の流れと、上流側添加燃
料通路P3aからインレットP7に向かう燃料の流れと
が何れも遮断されることになる。スプール86がこのよ
うな配置にあるときのフィード圧減圧弁80’の状態
を、以下、モードA2という。
【0088】フィード圧減圧弁80’の状態をモードA
2に設定すると、下流側添加燃料通路P3bへの燃料の
流れが遮断される。その一方、上流側添加燃料通路P3
aからフィード圧減圧弁80’及びインレットP7へ向
かう燃料の流れが完全に遮断され、フィード圧燃料通路
P2及び加圧用燃料通路P4が、フィードポンプ30及
び高圧ポンプ50の間でほぼ密閉状態となる。従って、
フィードポンプ30から高圧ポンプ50へ移送される燃
料に十分な燃圧が確保される。
【0089】モードA2は、エンジン100’の機関運
転に必要な燃料を供給を継続する一方、排気通路101
(NOx触媒102上流)への燃料添加は停止する場合
等に適用する。
【0090】次に、図6(b)に示す配置は、ソレノイ
ドコイル82に比較的小さな電流が印加されている状態
に対応する。スプール86が同図6(b)に示す配置に
ある場合、上流側添加燃料通路P3aから下流側添加燃
料通路P3bに向かう燃料の流れが一部許容され、上流
側添加燃料通路P3aからインレットP7に向かう燃料
の流れは遮断されることになる。スプール86がこのよ
うな配置にあるときのフィード圧減圧弁80’の状態
を、以下、モードB2という。
【0091】フィード圧減圧弁80’の状態をモードB
2に設定すると、フィード圧減圧弁80’の状態をモー
ドA2に設定すると、下流側添加燃料通路P3bへの燃
料の流れが部分的に遮断される。すなわち、燃料の流路
が絞られる。フィード圧減圧弁80’の状態をモードB
2に設定すると当該燃料添加系内の密閉性が高まるた
め、この条件下で異常診断を実施すれば、高い診断精度
が保証される。一方、モードA2と同様、上流側添加燃
料通路P3aからフィード圧減圧弁80’及びインレッ
トP7へ向かう燃料の流れは完全に遮断され、フィード
ポンプ30から高圧ポンプ50へ移送される燃料に十分
な燃圧が確保される。
【0092】モードB2は、エンジン100’の機関運
転に必要な燃料の供給を継続しており、且つ、燃料添加
系についての異常診断を実施する場合等に適用する。
【0093】また、図6(c)に示すスプール86の配
置は、図6(b)の配置に対応する印加電流に比し、よ
り大きな電流がソレノイドコイル82に印加されている
状態に対応する。スプール86が同図6(c)に示す配
置にある場合、上流側添加燃料通路P3aから下流側添
加燃料通路P3bに向かう燃料の流れは完全に許容され
る一方、上流側添加燃料通路P3aからインレットP7
に向かう燃料の流れは遮断される。スプール86がこの
ような配置にあるときのフィード圧減圧弁80’の状態
を、以下、モードC2という。
【0094】フィード圧減圧弁80’の状態をモードC
2に設定すると、下流側添加燃料通路P3bへの燃料の
流れが完全に許容され、フィードポンプ30から燃料添
加弁40に至る燃料の流路が完全に開放される。また、
モードA2と同様、上流側添加燃料通路P3aからフィ
ード圧減圧弁80’及びインレットP7へ向かう燃料の
流れは完全に遮断され、フィードポンプ30から高圧ポ
ンプ50へ移送される燃料に十分な燃圧が確保される。
【0095】モードC2は、エンジン100’の機関運
転に必要な燃料の供給を継続しており、且つ、排気通路
101(NOx触媒102上流)への燃料添加を実施す
る場合等に適用する。
【0096】図6(d)に示すスプール86の配置は、
図6(c)の配置に対応する印加電流に比し、さらに大
きな電流がソレノイドコイル82に印加されている状態
に対応する。スプール86が同図6(d)に示す配置に
ある場合、上流側添加燃料通路P3aから下流側添加燃
料通路P3bに向かう燃料の流れは完全に許容され、上
流側添加燃料通路P3aからインレットP7に向かう燃
料の流れは部分的に許容されることになる。スプール8
6がこのような配置にあるときのフィード圧減圧弁8
0’の状態を、以下、モードD2という。
【0097】フィード圧減圧弁80’の状態をモードD
2に設定すると、下流側添加燃料通路P3bへの燃料の
流れが完全に許容され、フィードポンプ30から燃料添
加弁40に至る燃料の流路が完全に開放される。また、
上流側添加燃料通路P3aからインレットP7へ向かう
燃料の流れが部分的に許容され、高圧ポンプ50に移送
される燃料が低減される。
【0098】モードD2は、例えば高圧ポンプ50下流
の燃料が過圧状態にあり、エンジン100’を搭載した
車両を所定時間退避走行させた後、エンジン100’を
停止させる場合等に適用する。
【0099】図6(e)に示す配置は、図6(d)の配
置に対応する印加電流に比し、さらに大きな電流がソレ
ノイドコイル82に印加されている状態に対応する。ス
プール86が同図6(e)に示す配置にある場合、上流
側添加燃料通路P3aから下流側添加燃料通路P3bに
向かう燃料の流れと、上流側添加燃料通路P3aからイ
ンレットP7に向かう燃料の流れとが、何れも完全に許
容されることになる。スプール86がこのような配置に
あるときのフィード圧減圧弁80’の状態を、以下、モ
ードE2という。
【0100】フィード圧減圧弁80’の状態をモードD
2に設定すると、下流側添加燃料通路P3bへの燃料の
流れが完全に許容され、フィードポンプ30から燃料添
加弁40に至る燃料の流路が完全に解放される。また、
上流側添加燃料通路P3aからインレットP7へ向かう
燃料の流れが完全に許容され、高圧ポンプ50に移送さ
れる燃料が急速に低減される。
【0101】モードE2は、例えば高圧ポンプ50下流
の燃料が過圧状態にあり、モードD2を適用する場合よ
り、一層速やかにエンジン100’を停止させる場合等
に適用する。
【0102】ECU90は、フィード圧減圧弁80’の
状態として上記各モードA2〜E2の何れかを適宜選択
し、上流側添加燃料通路P3aから下流側添加燃料通路
P3bに向かう燃料の流れと、上流側添加燃料通路P3
aからインレットP7に向かう燃料の流れとを基本的に
は独立に制御する。
【0103】なお、エンジン100''の運転中、フィー
ド圧減圧弁80’の状態について各モードA2〜E2を
選択する処理手順としては、第1の実施の形態で説明し
たルーチン(図4を参照)と、ほぼ同等の制御ロジック
を適用すればよい。
【0104】以上説明したように、本実施の形態にかか
るエンジン100'の燃料供給装置10'によっても、エ
ンジン100'の各気筒に燃料を噴射供給するととも
に、排気通路101に設けられたNOx触媒102に燃
料を添加供給するために必要な装置構成を容易に簡略化
することができるようになる。
【0105】従って、装置の小型化、部材点数の減少、
及び製造コストの低減が容易に図られ、しかも当該装置
内における燃料の動態を制御する上でその信頼性は十分
に確保される。 (第3の実施の形態)次に、本発明をディーゼル機関の
燃料供給装置に適用した第3の実施の形態について、先
の第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。な
お、当該第3の実施の形態においても、第1の実施の形
態にかかる燃料供給装置10やエンジン100(図1)
を構成する各種部材と同等の機能を有するものには、当
該第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号を付し、
ここでの重複する説明は割愛する。
【0106】図7には、本実施の形態にかかる燃料供給
装置および同装置が搭載されるエンジンの概略構成を示
す。
【0107】同図7に示すように、当該第3の実施の形
態にかかるエンジン100''の燃料供給装置10''は、
第1の実施の形態にかかる燃料供給装置10(図1及び
図2を参照)に対し、燃料通路P8を付加したハードウ
エア構成を適用する。
【0108】燃料通路P8は、一方の開口端をリターン
燃料通路P5の調圧弁32上流に接続され、他方の開口
端を汲上燃料通路P1の通路途中に接続される。また、
当該燃料通路P8の通路途中には、ECU90の指令信
号に基づいて当該通路P5を開閉する電磁駆動式の制御
弁34が設けられている。
【0109】本実施の形態にかかる燃料供給装置10''
では、例えば、高圧ポンプ50下流の燃料が過圧状態に
なっているにもかかわらず、吸入遮断弁80に不具合が
生じて、フィード圧燃料通路P2及び加圧用燃料通路P
4間の燃料の流路を遮断すること、若しくは絞ることが
できなくなった場合等に制御弁34を開弁させる。制御
弁34が開弁すると、フィード圧燃料通路P2及び加圧
用燃料通路P4内の燃料が減圧されるため、高圧ポンプ
50下流の燃料の過圧状態が速やかに解消する。
【0110】図8には、燃料供給装置10''の高圧ポン
プ50下流に過圧状態が生じているときに、フィード圧
燃料通路P2及び加圧用燃料通路P4間の燃料の流路を
開放したままで制御弁34を開弁した場合、フィード圧
燃料通路P2内の燃圧がどのように推移するのか、その
推移態様を示す。
【0111】同図8に示すように、フィード圧燃料通路
P2内の燃圧が、調圧弁32の開弁圧(一点鎖線)より
高い値にある場合、すなわち当該通路P2内において通
常保持されている燃圧よりも高い値にある場合に制御弁
34を開弁すると(時刻t1)、リーターン燃料通路P
5(調圧弁32下流)の燃料が汲上燃料通路P1に戻さ
れることとなるため、フィード圧燃料通路P2内の燃圧
(加圧用燃料通路P4内の燃圧とほぼ同等)は速やかに
降下して調圧弁32の開弁圧を下回るようになる(時刻
t2)。ここで、第1の実施の形態において説明したよ
うに、高圧ポンプ50に吸入される燃料の通路に設けら
れた吸入チェック弁55A,55Bは、各弁55A,5
5Bの上流側の燃圧がその下流側の燃圧を所定値以上に
なった場合にのみ開弁する。このため、同図8に示すよ
うに、フィード圧燃料通路P2内の燃圧(加圧用燃料通
路P4内の燃圧)が降下し、燃料が吸入される圧力室5
4A,54B内の燃圧(最小値)との差圧が、所定値を
下回るようになると、吸入チェック弁55A,55Bが
開弁しなくなる。従って、高圧ポンプ50による燃料の
圧送機能が実質的に停止されるようになる。
【0112】なお、吸入遮断弁80に不具合が生じてい
る場合に限らず、当該吸入遮断弁80が正常に機能して
いる場合に、吸入遮断弁80の機能と制御弁34の機能
とを併せて採用すれば、添加燃料通路P3及び加圧用燃
料通路P4へ向かう燃料の流量調整や遮断操作に関する
制御について、その応答性や緻密性を高めることができ
る。例えば、高圧ポンプ50下流の燃料が過圧状態にな
ったことを認識したECU90が、吸入遮断弁80の下
流に移送される燃料の圧力を降下させる制御を実施する
場合、最も短時間で吸入遮断弁80の下流に移送される
燃料の圧力を降下させるには、吸入遮断弁80を介しフ
ィード圧燃料通路P2から加圧用燃料通路P4へ向かう
燃料の流路を全開にするとともに、制御弁34も全開に
する。また、吸入遮断弁80の下流に移送される燃料の
圧力を比較的緩やかに降下させる場合には、吸入遮断弁
80を介しフィード圧燃料通路P2から加圧用燃料通路
P4へ向かう燃料の流路を絞った状態にして、制御弁3
4は全開にするといった制御を行えばよい。
【0113】すなわち、本実施の形態にかかる燃料供給
装置10''によれば、上記第1若しくは第2の実施の形
態によって得ることのできる効果に加え、燃料通路P8
および当該通路P8の途中に設けられた制御弁34の機
能により、フィード圧燃料通路P2、添加燃料通路P3
及び加圧用燃料通路P4の各々を通じて移送される燃料
の動態を併せて制御する吸入遮断弁80の機能、とく
に、加圧用燃料通路P4内の燃圧を低減する機能を補助
し、高効率化させるようになる。
【0114】よって、燃料ポンプ30から汲み出された
燃料を緻密且つ正確に分配し、エンジン100''への噴
射供給やNOx触媒102への添加供給に供するといっ
た燃料供給装置10''の機能について、より高い性能が
確保されるようになる。
【0115】なお、本実施の形態にかかる燃料供給装置
10''において、燃料通路P8は、リターン燃料通路P
5の調圧弁33上流と調圧弁33下流とをバイパスする
通路であってもよい。
【0116】また、制御弁34と同様の機能を有する制
御弁を、調圧弁33に替えてリターン通路P5に設ける
構成を適用しても、燃料通路P8及びその通路途中に設
けられる制御34を付加する本実施の形態の装置構成
と、ほぼ同等の効果を奏することはできる。 (第4の実施の形態)次に、本発明をディーゼル機関の
燃料供給装置に適用した第4の実施の形態について、先
の第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。な
お、当該第3の実施の形態においても、第1の実施の形
態にかかる燃料供給装置10やエンジン100(図1)
を構成する各種部材と同等の機能を有するものには、当
該第1の実施の形態で用いた符号と同一の符号を付し、
ここでの重複する説明は割愛する。
【0117】図9には、本実施の形態にかかる燃料供給
装置および同装置が搭載されるエンジンの概略構成を示
す。
【0118】同図9に示すように、当該第4の実施の形
態にかかるエンジン100'''の燃料供給装置10'''
は、第1の実施の形態にかかる燃料供給装置10(図1
及び図2を参照)に対し、燃料通路P9を付加したハー
ドウエア構成を適用する。
【0119】燃料通路P9は、潤滑用燃料通路P6にお
いて、オリフィスの上流及び下流をバイパスする燃料通
路である。燃料通路P9の通路途中には、ECU90の
指令信号に基づいて当該通路P5を開閉する電磁駆動式
の制御弁35が設けられている。
【0120】本実施の形態にかかる燃料供給装置1
0'''では、例えば、高圧ポンプ50下流の燃料が過圧
状態になっているにもかかわらず、吸入遮断弁80に不
具合が生じて、フィード圧燃料通路P2及び加圧用燃料
通路P4間の燃料の流路を遮断若しくは絞ることができ
なくなった場合等に制御弁35を開弁させる。制御弁3
5が開弁すると、オリフィス33によって通常は絞られ
た状態にある潤滑用燃料通路の通路面積が、実質的に拡
大されることとなる。このため、フィード圧燃料通路P
2及び加圧用燃料通路P4内の燃料が潤滑用燃料通路P
6を通じて放出され、両通路P2,P4内の燃圧が急速
に降下して高圧ポンプ50下流の燃料の過圧状態が速や
かに解消する。
【0121】すなわち、本実施の形態にかかる燃料供給
装置10'''によれば、燃料通路P9および当該通路P
9の途中に設けられた制御弁35の機能により、フィー
ド圧燃料通路P2、添加燃料通路P3及び加圧用燃料通
路P4の各々を通じて移送される燃料の動態を併せて制
御する吸入遮断弁80の機能、とくに、加圧用燃料通路
P4内の燃圧を低減する機能を補助し、高効率化させる
ようになる。
【0122】よって、上記第3の実施の形態とほぼ同
様、燃料ポンプ30から汲み出された燃料を緻密且つ正
確に分配し、エンジン100'''への噴射供給やNOx
触媒102への添加供給に供するといった燃料供給装置
10'''の機能について、より高い性能が確保されるよ
うになる。
【0123】なお、上記各実施の形態において適用する
こととした電磁駆動式の燃料添加弁40に替えて、添加
燃料通路P3の燃圧が所定値を上回ると機械的に開弁し
て燃料を噴射する燃料噴射ノズルを適用してもよい。こ
の場合、ECU90の指令信号等に基づいて適宜のタイ
ミングで自在に開閉させることのできる制御弁を添加燃
料通路P3の途中に設けるとともに、この制御弁を開閉
動作させることにより燃料添加を実施することとすれば
よい。
【0124】また、上記各実施の形態では、高圧ポンプ
50と、コモンレール60と、電磁駆動式の燃料噴射弁
70とを組み合わせた装置構成により、高圧ポンプ50
によって高圧化された燃料をコモンレール60内で蓄圧
し、燃料噴射弁70を介してエンジンの各気筒に分配供
給することとした。このような装置構成に替え、所定の
燃圧が付与されることにより機械的に開弁して燃料を噴
射する燃料噴射ノズルと、燃料を高圧化するとともに、
これを蓄圧した状態で適宜各燃料噴射ノズルに分配供給
するいわゆる分配型や列型の高圧ポンプを適用すること
としても、上記各実施の形態に準ずる効果を得ることは
できる。
【0125】また、上記各実施の形態において制御弁構
造体に適用するものとしたリニアソレノイド弁に替え、
ロータリソレノイド弁等、複数の燃料通路を相互に連通
及び遮断する他のタイプ制御弁を適用しても、上記各実
施の形態に準ずる効果を奏することはできる。
【0126】また、上記各実施の形態においては、本発
明をディーゼルエンジンに適用することとしたが、希薄
燃焼を行うガソリンエンジンに適用することもできる。
要は、機関出力を得るための燃料の供給と、排気系に設
けられた還元触媒を機能させるための燃料(還元剤)の
供給とを併せ行う必要のある如何なる内燃機関に対して
も、本発明を適用して上記各実施の形態と同等若しくは
これに準ずる効果を得ることができる。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
内燃機関に燃料を噴射供給するとともに、同内燃機関の
排気系に設けられた還元触媒に燃料を添加供給するため
に必要な装置構成が簡略化される。よって、装置の小型
化、部材点数の減少、及び製造コストの低減が容易に図
られ、しかも当該装置内における燃料の動態を制御する
上でその信頼性は十分に確保される。
【0128】また、リニアソレノイドの特性を利用する
ことにより、燃料ポンプから汲み出された燃料を緻密且
つ正確に分配し、当該内燃機関への噴射供給や前記還元
触媒への添加供給に供するといった当該燃料供給装置の
機能を、その精度や信頼性の面で好適に高めることがで
きる。
【0129】また、還元触媒へ燃料を添加供給する燃料
供給系についての異常検出について、その検出感度や精
度が高まるようになる。
【0130】また、加圧ポンプによって加圧された燃料
が過圧状態になった場合、当該加圧ポンプに送り込まれ
る燃料の圧力が低減されることで、当該燃料の過圧状態
が効率的に解消されるようになる。よって、燃料供給装
置の機能に関して十分な信頼性が確保され、当該燃料供
給装置の耐久性も向上するにようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる燃料供給装
置および内燃機関を併せ示す概略構成図。
【図2】同実施の形態にかかる吸入遮断弁の内部構造を
概略的に示す側断面図。
【図3】同実施の形態に関し、内部通路におけるスプー
ルの配置が相互に異なる吸入遮断弁各々について、その
内部を模式的に示す略図。
【図4】同実施の形態において吸入遮断弁の開閉弁動作
を制御するための処理手順。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる燃料供給装
置および内燃機関を併せ示す概略構成図。
【図6】同実施の形態に関し、内部通路におけるスプー
ルの配置が相互に異なるフィード圧減圧弁各々につい
て、その内部を模式的に示す略図。
【図7】本発明の第3の実施の形態にかかる燃料供給装
置および内燃機関を併せ示す概略構成図。
【図8】同実施の形態にかかる燃料供給装置の制御弁の
作用に基づくフィード圧燃料通路内の燃圧の推移態様を
示すタイムチャート。
【図9】本発明の第4の実施の形態にかかる燃料供給装
置および内燃機関を併せ示す概略構成図。
【符号の説明】
10 燃料供給装置 20 燃料タンク 30 フィードポンプ 31 燃料フィルタ 32 調圧弁 33 オリフィス 34,35 制御弁 40 燃料添加弁 41 燃圧センサ 50 高圧ポンプ 51 回転軸 52A,52B シリンダ 53A,53B プランジャ 54A,54B 圧力室 55A,55B 吸入チェック弁 56A,56B 吐出チェック弁 60 コモンレール 61 レール圧センサ 70 燃料噴射弁 80 吸入遮断弁 80’ フィード圧減圧弁 80a,80b,80c 連通孔 81 弁構造部 81a 頂面 82 ソレノイドコイル 82 電磁ソレノイド 83 磁力発生部 84 内部通路 84a 底面 84b 内周面 84c コイルスプリング室 85 コイルスプリング 86 スプール 86a 頂面 86b 横孔 86c 縦孔 87 鉄芯 100 エンジン(内燃機関) 101 排気通路 102 NOx触媒 90 電子制御装置(ECU) P1 汲上燃料通路 P2 フィード圧燃料通路 P3 添加燃料通路 P3a 上流側添加燃料通路 P3b 下流側添加燃料通路 P4 加圧用燃料通路 P5 リターン燃料通路 P6 潤滑用燃料通路 P7 インレット P8 燃料通路 P9 燃料通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/22 375 F02D 41/22 375 (72)発明者 松下 宗一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G091 AA02 AA12 AA17 AA18 AA28 AB06 BA14 BA15 BA19 BA21 BA31 CA18 CB02 CB03 CB08 DA01 DA02 DA08 DB10 DC05 EA30 FA05 FA06 FB10 FC04 3G301 HA02 JA00 JB00 JB10 LB00 LC02 MA00 PB08A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃料タンクに蓄えられた燃料
    を汲み上げるフィードポンプと、前記汲み上げられた燃
    料の一部を加圧する加圧ポンプと、前記加圧された燃料
    を蓄圧し、前記内燃機関に噴射供給する蓄圧供給手段
    と、前記汲み上げられた燃料の他の一部を前記内燃機関
    の排気系に設けられた還元触媒に添加供給する添加供給
    手段と、前記フィードポンプによって汲み上げられた燃
    料を移送する第1の燃料通路と、前記第1の燃料通路か
    ら分岐して前記汲み上げられた燃料の一部を前記加圧ポ
    ンプに移送する第2の燃料通路と、同じく前記第1の燃
    料通路から分岐して前記汲み上げられた燃料の他の一部
    を前記添加供給手段に移送する第3の燃料通路とを有す
    る内燃機関の燃料供給装置において、 前記第1の燃料通路、前記第2の燃料通路、及び前記第
    3の燃料通路の各々を通じて移送される燃料の動態を併
    せて制御する制御弁構造体を備えることを特徴とする内
    燃機関の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 前記制御弁構造体は、何れかの燃料通路
    から他の燃料通路へ向かう燃料の量を無段階に制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料供給装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第3の燃料通路内の圧力を検出する
    圧力検出手段と、前記検出される圧力に基づいて当該燃
    料供給装置の異常を検知する異常検出手段とを備えて、
    且つ、前記圧力検出手段が前記第3の燃料通路内の圧力
    を検出する場合、前記制御弁構造体は前記第3の燃料通
    路に向かう燃料の量を低減することを特徴とする請求項
    1又は2記載の内燃機関の燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 前記加圧ポンプによって加圧された燃料
    が過圧状態にある場合にこれを検知する過圧状態検知手
    段を備えて、且つ、該燃料の過圧状態が検知された場
    合、前記制御弁構造体は前記第2の燃料通路に向かう燃
    料の量を低減することを特徴とする請求項1〜3の何れ
    かに記載の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 【請求項5】 前記第3の燃料通路に連通する第4の燃
    料通路と、 該第4の燃料通路を開閉する開閉手段と、 をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか
    に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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