JP2002241926A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

成膜方法及び成膜装置

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JP2002241926A
JP2002241926A JP2001033727A JP2001033727A JP2002241926A JP 2002241926 A JP2002241926 A JP 2002241926A JP 2001033727 A JP2001033727 A JP 2001033727A JP 2001033727 A JP2001033727 A JP 2001033727A JP 2002241926 A JP2002241926 A JP 2002241926A
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film forming
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transparent conductive
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JP2001033727A
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Toshiyuki Sakami
俊之 酒見
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲に制御可能な比抵抗を有する酸化亜鉛
系の透明導電膜を大面積の基板上に均一に形成するこ
と。 【解決手段】 ZnOを主成分としAl等の3族
元素を含有する膜材料粒子が高効率でイオン化し、膜中
に最適な運動エネルギーで打ち込まれるので、Al等の
3族不純物元素の表面マイグレーションが促進され、他
の方法に比べてより均一に不純物元素を分散させること
できる。この結果、適切な不純物制御が行ないやすくな
り、理論的な予測に基づく物質合成ができ、低比抵抗の
酸化亜鉛系の透明導電幕が合成できる。さらにこの時、
酸素ガスと窒素ガスの雰囲気圧を適切に制御しながら成
膜することで、比抵抗で2μΩmから無限大まで幅広く
膜質を調整することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大面積の基板上
に、低比抵抗の透明導電膜や様々な比抵抗の透明導電膜
を形成することができる成膜方法、成膜装置等に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶などの表示素子の透明導電膜とし
て、ITO(インジウムと錫の酸化物)膜が広く使用さ
れているが、インジウムは高価かつ資源的にも希少金属
であり、最近における液晶表示素子の使用量の伸びを考
えると、やがて膜材料が逼迫することは明らかである。
【0003】一方、酸化亜鉛膜も透明導電性を有するこ
とが古くから知られている。亜鉛資源はインジウムと比
較して遥かに豊富であり、ITO膜を酸化亜鉛系の透明
導電膜で代替できると資源的にもコスト的にもメリット
が大きい。
【0004】上記のような酸化亜鉛系の透明導電膜は、
従来、ゾルゲル法、スプレー法、MOCVD法、RFス
パッタリング法、パルスレーザ蒸着法など様々な方法に
よって成膜されているが、ITO膜ほどの低比抵抗は得
られないか、低比抵抗が得られても非常に小さい基板サ
イズの場合のみに限られている。
【0005】最近、酸化亜鉛系の透明導電膜に対し、様
々な不純物を添加して比抵抗を下げる試みが活発に行な
われ、ITOと肩を並べるような特性が得られることも
実証されるようになってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、不純物を添加
する上記方法によっても、大面積の基板上に均一で低い
比抵抗を有する酸化亜鉛系の透明導電膜を形成するまで
に至っていない。
【0007】そこで、本発明は、低い比抵抗を有する酸
化亜鉛系の透明導電膜を大面積の基板上に均一に形成す
ることを目的とする。
【0008】また、本発明は、任意の比抵抗を有する酸
化亜鉛系の透明導電膜を基板上に形成することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の成膜方法は、成膜室中に陽極として配置さ
れた材料蒸発源に向けてプラズマビームを供給すること
によって前記材料蒸発源の膜材料を蒸発させて成膜室中
に配置された基板の表面に付着させる成膜方法であっ
て、前記膜材料は、酸化亜鉛を主成分とし、3族元素な
いしは3族元素の酸化物を添加したものであることを特
徴とする。
【0010】上記成膜方法では、膜材料が酸化亜鉛を主
成分とし3族元素ないしは3族元素の酸化物を添加した
ものであるので、需要増加に対応できる豊富な資源から
なり安価な酸化亜鉛系の透明導電膜を提供することがで
き、3族元素ないしは3族元素の酸化物によって過剰な
酸素空孔発生による膜質低下が抑えられ、透明導電膜の
比抵抗を適宜下げることができる。さらに、上記成膜方
法では、材料蒸発源から蒸発した膜材料をプラズマビー
ムで活性化することができ、適当なエネルギーを有する
膜材料粒子を基板上に入射させることができるので、優
れた電気的特性を有し、良好な付着力や強度を有する透
明導電膜を大面積の基板上に均一に形成することができ
る。
【0011】また、上記方法の具体的な態様では、成膜
中に、前記基板の周囲に雰囲気ガスとして酸素ガス、又
は酸素と5族元素を含むガスを供給する。この場合、透
明導電膜中における酸素欠損量や、3族の不純物元素の
添加効率を制御することができるようになるので、透明
導電膜の比抵抗を目標値に調節することができる。
【0012】また、本発明の電子デバイスは、上記成膜
方法によって形成された透明導電膜を備えるので、高い
集積度で優れた光学特性を発揮することができるだけで
なく、希少資源を浪費することがない。
【0013】また、本発明の成膜装置は、プラズマビー
ムを成膜室中に供給するプラズマ源と、前記成膜室中に
配置され前記プラズマビームを導くハースと、前記成膜
室中に前記ハースに対向して基板を保持する基板保持手
段とを備える成膜装置であって、前記膜材料は、酸化亜
鉛を主成分とし、3族元素ないしは3族元素の酸化物を
添加したものである。
【0014】上記成膜装置では、膜材料が酸化亜鉛を主
成分とし3族元素ないしは3族元素の酸化物を添加した
ものであるので、需要増加に対応できる豊富な資源から
なる酸化亜鉛系の透明導電膜を提供することができ、3
族元素ないしは3族元素の酸化物によって透明導電膜の
比抵抗を下げることができる。さらに、上記成膜装置で
は、材料蒸発源から蒸発した膜材料をプラズマビームで
活性化することができるので、優れた電気的特性を有
し、良好な付着力や強度を有する透明導電膜を大面積の
基板上に均一に形成することができる。
【0015】また、上記装置の具体的な態様では、前記
成膜室中に酸素ガス、又は酸素と5族元素を含むガスを
含む雰囲気ガスを供給するガス供給手段をさらに備え
る。この場合、透明導電膜中における酸素の組成比を制
御することができるようになるので、透明導電膜の比抵
抗を目標値に調節することができ、成膜された透明導電
膜に残存する膜応力を制御することができる。
【0016】また、上記装置の具体的な態様では、前記
ハースの周囲に環状に配置された磁石、又は磁石及びコ
イルからなり前記ハースの近接した上方の磁界を制御す
る磁場制御部材をさらに備え、前記プラズマ源は、アー
ク放電を利用した圧力勾配型のプラズマガンである。こ
の場合、磁場制御部材によってハースに入射するプラズ
マビームをカスプ状磁場で修正してより均一な厚みの膜
を形成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
る成膜装置の全体構造を概略的に説明する図である。こ
の成膜装置は、成膜室である真空容器10と、真空容器
10中にプラズマビームPBを供給するプラズマ源であ
るプラズマガン30と、真空容器10内の底部に配置さ
れてプラズマビームPBが入射する陽極部材50と、成
膜の対象である基板Wを保持する基板保持部材WHを陽
極部材50の上方で適宜移動させる搬送機構60とを備
える。
【0018】プラズマガン30は、特開平9−1942
32号公報等に開示の圧力勾配型のプラズマガンであ
り、その本体部分は、真空容器10の側壁に設けられた
筒状部12に装着されている。この本体部分は、陰極3
1によって一端が閉塞されたガラス管32からなる。ガ
ラス管32内には、モリブデンMoで形成された円筒3
3が陰極31に固定されて同心に配置されており、この
円筒33内には、LaB で形成された円盤34とタン
タルTaで形成されたパイプ35とが内蔵されている。
ガラス管32の両端部のうち陰極31とは反対側の端部
と、真空容器10に設けた筒状部12の端部との間に
は、第1及び第2中間電極41、42が同心で直列に配
置されている。一方の第1中間電極41内には、プラズ
マビームPBを収束するための環状永久磁石44が内蔵
されている。第2中間電極42内にも、プラズマビーム
PBを収束するための電磁石コイル45が内蔵されてい
る。なお、筒状部12の周囲には、陰極31側で発生し
て第1及び第2中間電極41、42まで引き出されたプ
ラズマビームPBを真空容器10内に導くステアリング
コイル47が設けられている。
【0019】プラズマガン30の動作は、図示を省略す
るガン駆動装置によって制御されている。これにより、
陰極31への給電をオン・オフしたりこれへの供給電圧
等を調整することができ、さらに第1及び第2中間電極
41、42、電磁石コイル45、及びステアリングコイ
ル47への給電を調整することができる。つまり、真空
容器10中に供給されるプラズマビームPBの強度や分
布状態を制御することができるようになる。
【0020】なお、プラズマガン30の最も内心側に配
置されるパイプ35は、プラズマビームPBのもととな
る、Ar等の不活性ガスからなるキャリアガスをプラズ
マガン30ひいては真空容器10中に導入するためもの
であり、流量計93及び流量調節弁94を介して不活性
ガス源90に接続されている。
【0021】真空容器10中の下部に配置された陽極部
材50は、プラズマビームPBを下方に導く主陽極であ
るハース51と、その周囲に配置された環状の補助陽極
52とからなる。
【0022】前者のハース51は、導電材料で形成され
るとともに、接地された真空容器10に図示を省略する
絶縁物を介して支持されている。このハース51は、陽
極電源装置80によって適当な正電位に制御されてお
り、プラズマガン30から出射したプラズマビームPB
を下方に吸引する。なお、ハース51は、プラズマガン
30からのプラズマビームPBが入射する中央部に、材
料蒸発源である棒状の材料ロッド53が装填される貫通
孔51aを有している。この材料ロッド53は、膜材料
として、主成分であるZnOの粉末と3族元素の酸化物
Alとを混合した粉末を焼結して固めたものであ
り、プラズマビームPBからの電流によって加熱されて
昇華し、基板上に亜鉛酸化物を主成分とする透明導電膜
を形成するための材料蒸気を発生する。真空容器10下
部に設けた材料供給装置58は、材料ロッド53を次々
にハース51の貫通孔51aに装填するとともに、装填
した材料ロッド53を徐々に上昇させる構造を有してお
り、材料ロッド53の上端が蒸発して消耗しても、この
上端をハース51の凹部から常に一定量だけ突出させる
ことができる。
【0023】後者の補助陽極52は、ハース51の周囲
にこれと同心に配置された環状の容器により構成されて
いる。この環状容器内には、フェライト等で形成された
環状の永久磁石55と、これと同心に積層されたコイル
56とが収納されている。これら永久磁石55及びコイ
ル56は、磁場制御部材であり、ハース51の直上方に
カスプ状磁場を形成する。これにより、ハース51に入
射するプラズマビームPBの向き等を修正することがで
きる。
【0024】補助陽極52内のコイル56は電磁石を構
成し、陽極電源装置80から給電されて、永久磁石55
により発生する中心側の磁界と同じ向きになるような付
加的磁界を形成する。つまり、コイル56に供給する電
流を変化させることで、ハース51に入射するプラズマ
ビームPBの向きの微調整が可能になる。
【0025】補助陽極52の容器も、ハース51と同様
に導電性材料で形成される。この補助陽極52は、ハー
ス51に対して図示を省略する絶縁物を介して取り付け
られている。陽極電源装置80から補助陽極52に印加
する電圧変化させることによってハース51の上方の電
界を補的に制御できる。すなわち、補助陽極52の電位
をハース51と同じにすると、プラズマビームPBもこ
れに引き寄せられてハース51へのプラズマビームPB
の供給が減少する。一方、補助陽極52の電位を真空容
器10と同じ程度に下げると、プラズマビームPBがハ
ース51に引き寄せられて材料ロッド53が加熱され
る。
【0026】搬送機構60は、基板保持手段として機能
し、搬送路61内に水平方向に等間隔で配列されて基板
保持部材WHの縁部を支持する複数のコロ62と、これ
らのコロ62を適当な速度で回転させて基板保持部材W
Hを一定速度で水平方向に移動させる駆動装置(図示を
省略)とを備える。
【0027】酸素ガス供給装置71は、真空容器10に
適当なタイミングで適当な量の酸素ガスを雰囲気ガスと
して供給するためのガス供給手段である。酸素ガスを収
容する酸素ガス源71aからの供給ラインは、流量調節
弁71b及び流量計71cを介して真空容器10に接続
されている。
【0028】窒素ガス供給装置72は、真空容器10に
適当なタイミングで適当な量の窒素ガスを雰囲気ガスと
して供給するためのガス供給手段である。窒素ガスを収
容する窒素ガス源72aからの供給ラインは、流量調節
弁72b及び流量計72cを介して真空容器10に接続
されている。
【0029】不活性ガス供給装置73は、Ar等の不活
性ガスからなる雰囲気ガスを真空容器10に適当なタイ
ミングで適当量供給するためのものである。不活性ガス
源90から分岐された雰囲気ガスは、ガス供給装置73
の流量調節弁73b及び流量計73cを介して真空容器
10に直接導入される。
【0030】なお、排気装置76は、排気ポンプ76b
により、真空ゲート76aを介して真空容器10内のガ
スを適宜排気する。また、真空圧測定器77は、真空容
器10内の酸素ガス、Arガス等の分圧を計測すること
ができ、この計測結果は、圧制御装置78によって監視
されている。圧制御装置78は、真空圧測定器77の計
測結果に基づいて、酸素ガス供給装置71、窒素ガス供
給装置72、不活性ガス供給装置73、及び排気装置7
6の動作を制御して、真空容器10内の酸素ガス、窒素
ガス、Arガス等の分圧を目標値に制御する。
【0031】以下、図1に示す成膜装置の動作について
説明する。この成膜装置による成膜時には、プラズマガ
ン30の陰極31と真空容器10内のハース51との間
で放電を生じさせ、これによりプラズマビームPBを生
成する。このプラズマビームPBは、ステアリングコイ
ル47と補助陽極52内の永久磁石55等とにより決定
される磁界に案内されてハース51に到達する。ハース
51の材料ロッド53は、プラズマビームPBからの電
流により加熱され、材料ロッド53が昇華してここから
膜材料の蒸気が出射する。この蒸気は、プラズマビーム
PBによりイオン化され、ハース51の電位に相当する
エネルギーを持って基板Wの表面に付着して被膜を形成
する。
【0032】上記成膜方法によれば、ZnOを主成分と
しAl等の3族元素酸化物を含有する膜材料粒子
が高効率でイオン化し、膜中に最適な運動エネルギーで
打ち込まれるので、Al等の3族不純物元素の表面マイ
グレーションが促進され、他の方法に比べてより均一に
不純物元素を分散させることできる。この結果、適切な
不純物制御が行ない易くなり、理論的な予測に基づく物
質合成ができ、低比抵抗の酸化亜鉛系の透明導電膜が合
成できる。さらにこの時、酸素ガスと窒素ガスの雰囲気
圧を適切に制御しながら成膜することで、比抵抗に関し
て2μΩmから無限大までの範囲で幅広く膜質を調整す
ることが可能となった。
【0033】比抵抗の調整について具体的に説明する
と、酸素ガスの雰囲気圧を調整することによって透明導
電膜中の酸素欠陥の量を調整することができ、窒素ガス
の雰囲気圧を調整することによってAl等の不純物元素
の添加効率を調整することができる。これらの結果、酸
化亜鉛系の透明導電膜の易動度やキャリア密度を幅広く
調整することが可能となり、成膜条件を適当に選択する
ことで、低比抵抗の膜から高比抵抗の膜まで幅広く生成
できる。
【0034】また上記方法によれば、ビーム修正用の磁
場制御部材である永久磁石55やコイル56によってハ
ース51上方の磁場を調整することができるので、材料
ロッド53から蒸発した蒸発粒子の飛行方向を制御する
ことができ、ハース51上方におけるプラズマの活性度
分布や基板W上の反応性分布に合せて基板W上の成膜速
度分布を調整でき、広い面積にわたって均一な膜質の薄
膜を得ることができる。この点についてより具体的に説
明すると、上述した基板W上の反応性とは、金属蒸気が
基板に到達後、酸素元素と反応して酸化物膜を生成する
際の基板上での酸化反応の進行し易さを意味する。この
反応性は、基板温度などの他に、酸素や金属元素の活性
状態を左右するプラズマの活性度にも影響されると考え
られる。例えばプラズマの活性度が低く反応性が低くな
りがちな基板Wの端部分などで成膜成長速度が遅くなる
ような成膜速度分布を採用すると、基板Wの端部分では
反応性の低さを補うように時間をかけて酸素を十分に取
り込んだ成膜が可能になる。つまり、基板Wの全体に亘
って酸素の含有量がバランスしての膜質分布を均一にさ
せることができる。
【0035】図2は、図1の装置によって作成した電子
デバイス、具体的にはLCD(liquid crystal display)
の構造を概念的に説明する拡大断面図である。図2
(a)は、LCDを構成する一方の基板部材を示し、図
2(b)は、LCDを構成する他方の基板部材を示し、
図2(c)は、図2(a)及び(b)に示す一対の基板
部材を接合して形成したLCD本体の構造を示す。
【0036】図2(a)において、透明なガラスからな
る基板W上には、複数のカラーフィルタ層CFが遮光領
域MAを介して適当な配列で形成されている。このカラ
ーフィルタ層CF上や遮光領域MA上には、図1の装置
によって成膜した酸化亜鉛系の低比抵抗の透明導電膜T
Fが一様に形成されている。
【0037】図2(b)において、透明なガラスからな
る基板W上には、図1の装置によって成膜した酸化亜鉛
系の低比抵抗の透明導電膜TFが形成されている。この
透明導電膜TFは、図2(a)の遮光領域MAに対応す
る部分がエッチングによって除去されており、この部分
には、トランジスタ等の回路素子を形成した集積回路領
域DAが形成されている。
【0038】図2(c)において、図2(a)及び
(b)に示す一対の基板部材で液晶材料層LFを挟んで
これらを固定する。この際、それぞれの基板部材に設け
た低比抵抗の透明導電膜TFが対向配置されるので、両
透明導電膜TF間に印加される電界の作用を受けて液晶
材料層LFの光学特性が変化する。
【0039】以上のLCDでは、大面積の基板W上に比
較的低温で比抵抗の小さい透明導電膜TFを均一に形成
することができるので、集積度が高く、コントラストの
差が大きく、高速動作する表示装置を提供することがで
きる。
【0040】以上、実施形態に即して本発明を説明した
が、本発明は、上記実施形態に限定されるものではな
い。例えばZnOに添加する3族元素ないしは3族元素
の酸化物として、Alの代わりに、B、G
、lu等を用いることができる。また、
雰囲気ガスとする5族元素のNガスの代わりに、N
O、NO、NO、P等を用いることができる。
【0041】また、上記実施形態の透明導電膜は、FP
Dのみならず、各種電子デバイスの透明電極として用い
ることができる。例えば上記成膜装置により、太陽電池
の透明電極として、低比抵抗の透明導電膜を形成するこ
とができる。また、上記成膜装置により、表面弾性波素
子を構成する高抵抗ZnO膜を形成することができる。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の成膜方法によれば、膜材料が酸化亜鉛を主成分とし3
族元素ないしは3族元素の酸化物を添加したものである
ので、需要増加に対応できる豊富な資源からなる酸化亜
鉛系の透明導電膜を提供することができ、3族元素ない
しは3族元素の酸化物によって過剰な酸素空孔発生によ
る膜質低下が抑えられ、透明導電膜の比抵抗を下げるこ
とができる。さらに、上記成膜方法では、材料蒸発源か
ら蒸発した膜材料をプラズマビームで活性化することが
でき、適当なエネルギーを有する膜材料粒子を基板上に
入射させることができるので、優れた電気的特性を有
し、良好な付着力や強度を有する透明導電膜を大面積の
基板上に均一に形成することができる。
【0043】また、本発明の電子デバイスによれば、高
い集積度で優れた光学特性を発揮することができるだけ
でなく、希少資源を浪費することがない。
【0044】また、本発明の成膜装置によれば、膜材料
が酸化亜鉛を主成分とし3族元素ないしは3族元素の酸
化物を添加したものであるので、需要増加に対応できる
豊富な資源からなる酸化亜鉛系の透明導電膜を提供する
ことができ、3族元素ないしは3族元素の酸化物によっ
て透明導電膜の比抵抗を下げることができる。さらに、
上記成膜装置では、材料蒸発源から蒸発した膜材料をプ
ラズマビームで活性化することができるので、優れた電
気的特性を有し、良好な付着力や強度を有する透明導電
膜を大面積の基板上に均一に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の成膜装置の全体構造を説明する
図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は、図1の成膜装置に
よって形成したLCDの構造を説明する図である。
【符号の説明】
10 真空容器 30 プラズマガン 50 陽極部材 51 ハース 53 材料ロッド 58 材料供給装置 60 搬送機構 71 酸素ガス供給装置 72 窒素ガス供給装置 73 不活性ガス供給装置 76 排気装置 77 真空圧測定器 78 圧制御装置 80 陽極電源装置 PB プラズマビーム W 基板

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜室中に陽極として配置された材料蒸
    発源に向けてプラズマビームを供給することによって前
    記材料蒸発源の膜材料を蒸発させて成膜室中に配置され
    た基板の表面に付着させる成膜方法であって、 前記膜材料は、酸化亜鉛を主成分とし、3族元素ないし
    は3族元素の酸化物を添加したものであることを特徴と
    する成膜方法。
  2. 【請求項2】 成膜中に、前記基板の周囲に雰囲気ガス
    として酸素ガス、又は酸素と5族元素を含むガスを供給
    することを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2のいずれか記載の
    成膜方法によって形成された透明導電膜を備える電子デ
    バイス。
  4. 【請求項4】 プラズマビームを成膜室中に供給するプ
    ラズマ源と、前記成膜室中に配置され前記プラズマビー
    ムを導くハースと、前記成膜室中に前記ハースに対向し
    て基板を保持する基板保持手段とを備える成膜装置であ
    って、 前記膜材料は、酸化亜鉛を主成分とし、3族元素ないし
    は3族元素の酸化物を添加したものであることを特徴と
    する成膜装置。
  5. 【請求項5】 前記成膜室中に酸素ガス、又は酸素と5
    族元素を含むガスを含む雰囲気ガスを供給するガス供給
    手段をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の成
    膜装置。
  6. 【請求項6】 前記ハースの周囲に環状に配置された磁
    石、又は磁石及びコイルからなり前記ハースの近接した
    上方の磁界を制御する磁場制御部材をさらに備え、前記
    プラズマ源は、アーク放電を利用した圧力勾配型のプラ
    ズマガンであることを特徴とする請求項4及び請求項5
    のいずれか記載の成膜装置。
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