JP2002237384A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2002237384A
JP2002237384A JP2001031256A JP2001031256A JP2002237384A JP 2002237384 A JP2002237384 A JP 2002237384A JP 2001031256 A JP2001031256 A JP 2001031256A JP 2001031256 A JP2001031256 A JP 2001031256A JP 2002237384 A JP2002237384 A JP 2002237384A
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JP2001031256A
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English (en)
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Tomohiko Mori
朋彦 森
Hisayoshi Fujikawa
久喜 藤川
Masahiko Ishii
昌彦 石井
Hisato Takeuchi
久人 竹内
Yasunori Taga
康訓 多賀
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定性にすぐれた赤色発光有機EL素子を実
現すること。 【解決手段】 第1及び第2電極12、14の間に有機
化合物層200を備える有機EL素子において、発光層
24を以下のような材料を用いて形成する。即ち、ゲス
ト材料(色素)として、一般式(1) で示されるキノリン誘導体化合物であって、該式(1)
中の置換基X1〜X7の1以上が化学式(2)で置換さ
れ、その内、少なくとも1つにおいて二重結合数nが2
以上の置換基を有する構造の化合物を用いた場合に、ホ
スト材料として、ナフタレン以上の縮合多環芳香族を有
するトリフェニルアミン誘導体を用いる。ホスト材料の
分子中の上記縮合多環芳香族の部分がゲスト材料の分子
中の2重結合部分の平面構造にねじれが発生することを
抑制するので、ゲスト材料の本来示す長波長(赤系)の
発光が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、有機電界発光素
子(以下、有機EL素子という)、特に黄色〜赤色系の
長波長発光機能を備えた素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、透明ガラス基板上に、
透明第1電極(例えばITO)と、強い蛍光をもつ有機
化合物を含む有機化合物層と、金属(例えばMg)の第
2電極とが順に積層されて構成されている。
【0003】有機化合物層は例えば正孔輸送層と発光層
と電子輸送層とが順に積層された3層構造を備え、対の
電極へ電界を印加することにより発光する。すなわち、
第1電極から正孔を、第2電極から電子を注入すると、
注入された正孔と電子は上記有機化合物層の正孔輸送層
と発光層および電子輸送層内を移動して衝突、再結合を
起こして消滅する。この再結合により発生したエネルギ
は発光性分子が励起状態を生成するのに使われ、これに
より有機EL素子が蛍光を発する。
【0004】このような有機EL素子において、キノリ
ン環を備える発光材料としては、アルミニウムキノリノ
ール錯体(Alq3)が良く知られている。この化合物
は、キノリン環に水酸基を置換してアルミニウムとの錯
体を形成して得られ、緑色の発光を示す。
【0005】また、有機EL素子の赤色発光材料として
は、特開平7−288184号公報に示されるようなフ
タロシアニン誘導体や、特開平9−296166号公報
に示されるようなポルフィリン誘導体などが知られてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記Alq3に代表さ
れる現在知られているキノリン環を含んだ発光材料は、
いずれも分子内の共役系が短く、青色〜緑色の発光機能
しか得られていない。フルカラー有機EL素子を実現す
るには、他の黄色〜赤色についても特性良く発光する化
合物を得ることが必要となる。
【0007】一方で、上述のフタロシアニン誘導体、ポ
ルフィリン誘導体は、赤色の発光機能を備えるが、輝度
及び耐久性いずれの点でも不十分であり有機EL素子な
どの用途において、要求される性能を全て満たしていな
い。
【0008】また、特開平7−65958号公報、特開
平8−231951号公報には、トリフェニルアミン誘
導体に色素をドープした有機電界発光素子において、素
子駆動時に発生する電荷の蓄積や熱による素子の劣化が
少なくなり、耐久性が向上したことが報告されている。
しかしながら、これらの構成において得られる素子は、
十分な長波長の発光機能を備えず、黄色〜赤色の発光が
得られていない。
【0009】さらに、特開2000−86595号公報
には、縮合多環芳香族を有するトリフェニルアミン誘導
体をホール輸送材料として使用することで素子耐熱性が
向上すること、また上記トリフェニルアミン誘導体に色
素としてルブレンやクマリンを添加し、黄色、緑色の発
光を得たことが報告されている。しかしながら、この構
成においても、赤色発光が得られていない。
【0010】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れ、優れた安定性や発光輝度特性などを備え、かつ、長
波長の発光機能を備えた有機EL素子の提供を目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、有機電界発光素子において、下記化学式
(i)
【化3】 で表され、式中のnが2以上の構造の色素を、ナフタレ
ン以上の縮合多環芳香族を有するトリフェニルアミン誘
導体に添加した有機化合物層を有する。
【0012】また本発明の他の特徴は、有機電界発光素
子において、下記一般式(1)
【化4】 で示されるキノリン誘導体化合物でありかつ該式(1)
中の置換基X1〜X7のうちの1以上が化学式(2)で表
される色素が、ナフタレン以上の縮合多環芳香族を有す
るトリフェニルアミン誘導体中に添加された有機化合物
層を有することである。
【0013】また、本発明において、上記キノリン誘導
体化合物として、その置換基X1〜X7のうち、少なくと
も1つが式(2)においてその2重結合数nが2以上の
化合物が採用可能である。
【0014】本発明の他の特徴は、上記有機電界発光素
子において、該素子は、第1及び第2電極の間に、少な
くとも有機発光層を備え、該有機発光層が、前記色素の
添加されたトリフェニルアミン誘導体を含有することで
ある。
【0015】上記式(i)に示すような二重結合構造が
長くつながった分子構造を備える化合物は、長波長の発
光機能を発揮することができるものがある。例えば、上
記化学式(1)で示されるキノリン誘導体において、2
重結合を含んだ化学式(2)の置換基が導入されている
化合物、とりわけ、式(2)の置換基を複数備え、二重
結合数nが2以上であるキノリン誘導体は、分子全体と
して共役系が長くつながった構造であるため、化合物の
励起状態と規定状態とのエネルギ差が小さく黄色〜赤色
の発光機能を得ることができる。また、式(i)のよう
な構成や、式(2)の置換基を複数備えた式(1)のキ
ノリン誘導体は、平面構造の安定性にも優れているた
め、有機膜を構成した場合の安定性が高く、素子の耐久
性向上を可能としている。
【0016】ところが、発明者のさらなる研究の結果、
このような優れた黄色〜赤色発光機能の化合物であって
も、有機電界発光素子などの用途において、この化合物
を色素(ゲスト材料)として他のホスト材料に添加して
使用する場合に、その発光波長が短波長側にシフトする
ことが判明した。また、その原因は、安定した平面構造
を備える上述のような化合物であっても、ドープして用
いる場合のホスト材料によっては、色素の平面構造に捻
れが生じることがあり、分子構造が捻れると共役系がそ
こで途切れるため、色素の発光色が短波長化するためと
考えられる。
【0017】しかし、本発明のようにホスト材料にナフ
タレン以上の縮合多環芳香族が含まれると、その部位が
ジビニル構造などの隣で添え木の役割を果たし、構造の
捻れを抑制することができる。このため、分子のねじれ
により共役系の分断を防ぐことができ、色素本来の長波
長の発光色を得ることが可能となる。よって、このよう
な構成を採用することで、黄色〜赤色の発光、とりわけ
赤色系の発光が可能な安定かつ長寿命の有機EL素子を
実現できる。また、色素の添加量やホスト材料などによ
って発光色調を調整することもでき、色純度の向上など
を図ることも可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明の好
適な実施の形態(以下実施形態という)について説明す
る。
【0019】図1は、この発明の実施形態に係る有機E
L素子の概略断面構成を示している。本実施形態に係る
有機EL素子は、透明基板10上に第1電極12、有機
化合物層200、第2電極14が順に積層されて構成さ
れている。
【0020】透明基板10としては、ガラス基板、透明
セラミックス基板、ダイヤモンド基板等を用いることが
できる。第1電極12としては、高い光透過性および導
電性を有する透明電極が用いられ、例えば、ITO(In
dium Tin Oxide)、SnO2、In23 、ポリアニリン
等の薄膜材料を用いることができる。
【0021】有機化合物層200は、電界の印加により
発光する部位であり、例えば発光層の単層構造、正孔輸
送層と発光層の2層構造、正孔輸送層と発光層と電子輸
送層の3層構造などから構成される。なお、単層、多層
どちらで構成されてもよく、この有機化合物層200の
厚みは、例えば数十から数百nmである。本実施形態で
は、第1電極12側から正孔輸送層22、発光層24、
電子輸送層26の積層構造を採用している。
【0022】有機化合物層200の上に形成されている
第2電極14としては、例えばMg、Ag、Mg−Ag
合金、Al−Li合金、LiF/Al等の金属電極が用
いられている。
【0023】本実施形態の有機EL素子において、上記
有機化合物層200の発光層24は、ゲスト材料を所定
量ホスト材料中にドーピングして形成されている。
【0024】ゲスト材料としては、下記化学式(i)
【化5】 のように分子内に二重結合が2以上結合してねじれを生
じうる構造を備えた色素を用いる。なお、式(i)中、
Arは、例えば、芳香族環(アリール基)及びその一部
置換体、一部に脂肪族環を備えたもの、これらの環に炭
素以外のN,O、S等のヘテロ原子を含む置換体等を示
す。
【0025】具体的には、この色素は、下式(1)
【化6】 で示されるキノリン誘導体化合物であり、式(1)中の
1〜X7の内少なくとも2以上が、化学式(2)で表さ
れ、かつ、その内の少なくとも1つの二重結合数nが2
以上の置換基よりなる構造を備える。このように化学式
(1)のキノリン環の置換基として化学式(2)の構造
の置換基が2以上導入されていることで、分子全体とし
て共役系が長く、励起状態と基底状態のエネルギ差が縮
小する。よってこの化合物を例えば有機EL素子の発光
層にホスト材料中へのドーピング材料として用いること
で、キノリン環を備える公知のAlq3(緑色発光)等
と比較して、より長波長の黄色〜赤色の発光機能を示
す。
【0026】本実施形態では、特に、ホスト材料とし
て、後述するようなナフタレン以上の縮合多環芳香族を
有するトリフェニルアミン誘導体を用い、この誘導体中
に上記キノリン誘導体をドーピングすることで赤色を実
現している。
【0027】ここで化学式(i)及び(2)の末端基Q
は、特に、芳香族基(芳香族炭化水素基又は芳香族複素
環基)とすることが好適である。一例としては下式
(3)
【化7】 に示すようなフェニル基が採用可能である。式(3)に
おいて、置換基XQは特別に限定されるものではない
が、電子供与性の置換基を採用することで、有機化合物
の蛍光量子収率を向上し、優れた発光材料(本実施形態
ではゲスト材料)とすることができる。電子供与性の置
換基としては、例えば、アミノ基、アルコキシ基、アル
キルチオ基、アルキル基、又はアルキル基で置換された
アミノ基等が挙げられる。また、隣接する置換基RQ
士(上述の式(3)のX8とX9、X9とX10、X10とX
11、X11とX12)が互いに結合して芳香族環又は脂肪族
環を形成する場合には、これら芳香族環や脂肪族環に対
し、列挙した電子供与性の置換基が導入されている構造
を採用することで、同様に蛍光量子収率を向上させるこ
とが可能となる。
【0028】化学式(1)において、上記化学式(2)
で置換されていないX1〜X7の残りの置換基は、互いに
独立していて、水素原子又は水素原子以外の任意の置換
基を採用可能である。例えば、水素原子、水酸基、ハロ
ゲン原子、アルキル基、アルキルチオ基、アリール基、
アリールチオ基、アリールオキシ基、アルコキシ基、ア
ミノ基、シアノ基、ニトロ基、エステル基、カルボキシ
ル基、複素環基、及びそれらの誘導体を採用することが
でき、各置換基が更に置換基で置換されていてもよい。
また、上記化学式(2)で示される置換基以外の基にお
いて、X1とX2、X2とX3、X3とX4、X4とX5、X5
とX6、X6とX7のいずれかは、互いに結合して芳香族
環あるいは脂肪族環を形成する構造でもよく、また該芳
香族環あるいは脂肪族環は他の置換基で置換されていて
もよい。この芳香族環または脂肪族環の置換基として採
用可能な置換基は上記に列挙した特性基と同様である。
更に、結合した芳香族環あるいは脂肪族環は、ベンゼン
環、ナフタレン環のような炭素と水素からなるものだけ
でなく、環にヘテロ原子を含むものでもよい。ヘテロ原
子としては、窒素、酸素、硫黄、ケイ素等があげられ
る。
【0029】化学式(2)の置換基Rn及びR’nは任意
の特性基が採用可能であり、互いに独立していて、例え
ば、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルキルチオ基、アリール基、アリールチオ基、アリール
オキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ
基、エステル基、カルボキシル基、複素環基や、その他
これらの誘導体基、例えば列挙した置換基で一部が更に
置換された置換基など採用可能である。化学式(2)の
nの数が2以上の基において、二重結合の置換基Rn
R’nは、全て同じ又は全て相違、或いは一部同一のい
ずれでもよい。また、このRn及びR’nを環化した構造
を採用してもよい。
【0030】以上に説明したような特徴を備える化合物
としては、例えば下記化学式(4)〜式(8)
【化8】 に示す化合物等が挙げられる。
【0031】次に、発光層24のホスト材料について説
明する。本実施形態において、このホスト材料には、ト
リフェニルアミン誘導体であって、分子内にナフタレン
以上の縮合多環芳香族を有する化合物を用いる。特に以
下の化合物には限られないが、例えば上記条件を満たす
化合物として
【化9】 などが挙げられる。式(9)は、ナフタレン環を備えた
トリフェニルアミン二量体(α−NPD)、式(10)
は、ナフタレン環を備えたトリフェニルアミン四量体
(α−NPTE)を表している。また、式(11)の化
合物(DBC1)は、4つのトリフェニルアミンが、そ
れぞれ他のトリフェニルアミンのフェニル基と芳香族環
及び脂肪族環を介して縮合した構成を備えている。
【0032】上記キノリン誘導体(ジビニルキノリン誘
導体)は、赤色系の優れた発光色素となりうるが、ホス
ト材料との関係では、ドーピングされて発光層を構成す
る場合に、発光波長が短波長側にシフトすることが観察
される場合がある。しかし、上記のようなナフタレン以
上の縮合多環芳香族基を含むトリフェニルアミン誘導体
をホスト材料として用いると、平面構造の安定した縮合
多環芳香族基の部分がキノリン誘導体のジビニル基、特
にn>2のポリビニル基の付近でその平面構造のねじれ
を抑制、つまり添え木の役割を果たす。上記キノリン誘
導体の二重結合部分にねじれが発生すると分子中の共役
系がとぎれ短波長の発光となる。これに対し本実施形態
では上記トリフェニルアミン誘導体により、キノリン誘
導体のねじれを防止でき、このキノリン誘導体が本来発
することのできる長波長の赤色発光性能が損なわれな
い。よって、発光層24のホスト材料として上記ナフタ
レン以上の縮合多環芳香族基を備えたトリフェニルアミ
ン誘導体を用い、ドーピング材料として上記のキノリン
誘導体を用いることにより、赤色発光が実現できる。
【0033】正孔輸送層、電子輸送層等には、現在知ら
れている電子輸送機能分子、正孔輸送機能分子を用いる
ことができる。例えば正孔輸送機能分子としては正孔輸
送機能を備える銅−フタロシアニン、トリフェニルアミ
ン4量体(TPTE)等があげられる。ここで、上記ナ
フタレン以上の縮合多環化合物を含むトリフェニルアミ
ン誘導体は優れた正孔輸送性も備えており、その上、一
段と高い耐熱性を有するので、発光層のホスト材料だけ
でなく、正孔輸送層にも用いることができる。そして電
子輸送機能分子としては、例えばAlq3等を用いるこ
とができる。
【0034】以上のような構成の有機EL素子におい
て、第1電極12を陽極として、第2電極14を陰極と
して用い、これらの電極から正孔及び電子を発光層24
に供給することで、発光層24及びその近辺で正孔と電
子が再結合し、上記キノリン誘導体化合物が励起され、
この化合物に起因した赤色の蛍光が得られる。
【0035】
【実施例】次に、実施例について説明する。
【0036】(素子の作製)実施例に係る素子として4
種類(実施例1〜4)を作製した。各素子の構成は、上
述の図1と同じである。基板10として、ITO12が
パターンニングされているガラス基板を用いた。基板1
0を有機アルカリ洗浄剤セミコクリーン56(フルウチ
化学)、純水、アセトン、エタノールの順で超音波洗浄
後、ITO表面の有機汚染物質を除去するために、UV
オゾン処理を行い、すばやく蒸着装置にセットした。次
に、真空中で有機膜用のマスクを装着後、カーボンるつ
ぼ加熱により、有機化合物層200として正孔輸送層2
2、発光層24及び電子輸送層26を連続形成した。具
体的には、正孔輸送層22は、上記化学式(9)〜(1
1)のいずれかのトリフェニルアミン誘導体を40nm
形成した。発光層24は、上記化学式(9)〜(11)
のいずれかのトリフェニルアミン誘導体に対し、化学式
(4)に示す化合物K又は化学式(5)に示す化合物L
のいずれかを1%添加し、これを厚さ20nm形成し
た。また、電子輸送層26としては、キノリノールアル
ミ錯体(Alq3 )を用い60nmの厚さに形成した。
有機化合物層200の各成膜レートは、2〜6nm/m
inとした。
【0037】次に、真空中でマスクを陰極電極用に換
え、LiFをTaボートから3nm/min、AlをP
BNルツボから10nm/minの堆積速度で、それぞ
れ0.5nmと150nm成膜した。各膜の成膜は、真
空度は、5×10-7Torr(1Torr≒133P
a)以下で行った。
【0038】上述の方法で作製した有機EL素子(実施
例1〜4)について、十分に窒素置換したチャンバー内
において、発光スペクトルを測定した。
【0039】比較例としては、発光層24のホスト材料
として上記実施例1〜4の素子のホスト材料(化合物
M,N,O)に代え、下記式(12)及び(13)
【化10】 に示すトリフェニルアミン二量体(化合物P)、トリフ
ェニルアミン四量体(化合物Q)を用い、ゲスト材料に
は実施例1〜3及び4と同じキノリン誘導体化合物K及
びLを用い、他の構成及び作製条件は実施例1〜4と同
一として素子(比較例1〜3)をそれぞれ作製した。な
お、正孔輸送層22の材料としては、発光層ホスト材料
と同じ化合物P、化合物Qをそれぞれ用いた。
【0040】(結果)得られた素子特性を表1に示す。
【0041】
【表1】 また、図2〜図4には、ゲスト材料(色素)として全て
化合物Kを用い、ホスト材料を変えたときの素子発光ス
ペクトルを示した。
【0042】ホスト材料にTPDを用いた比較例1の素
子のピーク波長は589nmであったが、ホスト材料に
α−NPDを用いた実施例1の素子のピーク波長は61
8nmと長波長発光が実現されている(図2参照)。
【0043】また、ホスト材料にα−NPTEを用いた
実施例2の素子では611nmの光が得られており、こ
れはホスト材料にナフタレン環の有無のみが上記α−N
PTEと異なるTPTEを用いた比較例2に対し、長波
長化していることがわかる(図3参照)。
【0044】さらに、ホスト材料にDBC1を用いた実
施例3の素子では、発光ピーク波長は601nmであ
り、ホスト材料TPDを用いた比較例1の素子と比較し
てやはり長波長化していた(図4参照)。
【0045】また、ゲスト材料として化合物Lを用いた
場合についても、ホスト材料にTPTEを用いた比較例
3の素子のピーク波長は550nmであったが、ホスト
材料にα−NPDを用いた実施例4の素子のピーク波長
が600nmであり、やはり長波長化していることがわ
かる。
【0046】以上の結果からも、化合物Kや化合物L等
のジビニルキノリン誘導体化合物をゲスト材料として用
いた場合に、ホスト材料としては、ナフタレン以上の縮
合多環芳香族を有するトリフェニルアミン誘導体を用い
ることで、有機電界発光素子の発光色が長波長化するこ
とがわかる。
【0047】各素子の耐久性について評価した結果は以
下の通りである。素子の初期輝度が300cd/m2
なるように、電極12及び14から素子の発光層に電流
を注入した時の輝度半減寿命は、実施例1において20
00時間、実施例2において3000時間、実施例3に
おいて3500時間、実施例4において600時間、比
較例1において2500時間、比較例2において750
0時間、比較例3において450時間であった。いずれ
の素子においても良好な寿命が得られており、特に、実
施例1〜4の素子は、比較例の素子と同等、またはそれ
以上の耐久性が実現されていることがわかる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、この発明において
は、有機EL素子において、二重結合を有する置換基を
備えるキノリン等の誘導体をゲスト材料(色素)として
用いる場合に、ホスト材料としてナフタレン以上の縮合
多環芳香族を備えるトリフェニルアミン誘導体を用いる
ことで、色素の本来有する赤色の発光機能を失うことな
く発揮させることができる。またこれらホスト材料とゲ
スト材料を用いて発光層を構成すると発光層の耐久性が
向上するため、安定で長寿命の長波長発光の有機EL素
子を実現できる。
【0049】また、ゲスト材料のドープ量などの調整に
より、発光色の色調を変更が可能であることから、赤色
発光色の色純度の向上、あるいは、赤色と補色関係にあ
る青色系の発光層とともに白色発光有機EL素子を作製
する場合に白色の色純度の向上を図ることも可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態及び実施例に係る有機EL素子の
概略断面構成の一例を示す図である。
【図2】 実施例1及び比較例1の有機EL素子の発光
スペクトルを示す図である。
【図3】 実施例2及び比較例2の有機EL素子の発光
スペクトルを示す図である。
【図4】 実施例3及び比較例1の有機EL素子の発光
スペクトルを示す図である。
【符号の説明】
10 ガラス基板、12 第1電極(陽極)、14 第
2電極(陰極)、22正孔輸送層、24 発光層、26
電子輸送層、200 有機化合物層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 昌彦 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 竹内 久人 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 多賀 康訓 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB04 AB11 EB00 FA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式(i) 【化1】 で表され、式中のnが2以上の構造の色素を、ナフタレ
    ン以上の縮合多環芳香族を有するトリフェニルアミン誘
    導体に添加した有機化合物層を有する有機電界発光素
    子。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1) 【化2】 で示されるキノリン誘導体化合物であって、該式(1)
    中の置換基X1〜X7のうちの1以上が化学式(2)で表
    される色素が、ナフタレン以上の縮合多環芳香族を有す
    るトリフェニルアミン誘導体中に添加された有機化合物
    層を有する有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の有機電界発光素子にお
    いて、 前記キノリン誘導体化合物の置換基X1〜X7のうち、少
    なくとも1つは化学式(2)においてその2重結合数n
    が2以上である有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    有機電界発光素子において、 該素子は、第1及び第2電極の間に、少なくとも有機発
    光層を備え、 該有機発光層が、前記色素の添加されたトリフェニルア
    ミン誘導体を含有することを特徴とする有機電界発光素
    子。
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