JP2002236328A - 原稿読取装置 - Google Patents

原稿読取装置

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JP2002236328A
JP2002236328A JP2001033735A JP2001033735A JP2002236328A JP 2002236328 A JP2002236328 A JP 2002236328A JP 2001033735 A JP2001033735 A JP 2001033735A JP 2001033735 A JP2001033735 A JP 2001033735A JP 2002236328 A JP2002236328 A JP 2002236328A
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Japan
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lens
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imaging lens
light
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Application number
JP2001033735A
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English (en)
Inventor
Michio Kikuchi
理夫 菊地
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 サジタルストッパーを用いることによる
組み立て工数の増加やコスト増加を回避することがで
き、しかも、読取り画質を更に改善することを可能とし
た原稿読取装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 原稿に光を照射する照射手段と、前記原
稿からの反射光像を結像させる部材であって、原稿端近
傍の画角における原稿読取波長域の副走査方向の解像度
が、前記原稿端近傍より内側の画角で原稿読取波長域の
うち最低値を示す解像度よりも低い解像度特性を有する
ように設計された結像レンズと、前記原稿端近傍からの
反射光像における副走査方向の瞳径が小さくなるように
前記反射光像の一部を遮光する遮光手段と、前記遮光手
段で一部が遮光されかつ前記レンズで結像された光を電
気信号に変換する光電変換手段とを備えた原稿読取装置
において、前記遮光手段は、前記結像レンズの外部に配
置され、かつ前記結像レンズと一定の距離を保ったまま
移動可能となるように構成して課題を解決した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、原稿の画像を光
学的に読み取る原稿読取装置に関し、特に、カラーの原
稿読取装置や当該カラーの原稿読取装置を備えたカラー
複写機等に好適な原稿読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の原稿読取装置としては、
次に示すように構成したものが一般に用いられている。
この原稿読取装置は、図23に示すように、プラテンガ
ラス101上に載置された図示しない原稿の画像を、光
源102及び反射板103によって照明し、当該原稿か
らの反射光像を、フルレートミラー104及びハーフレ
ートミラー105、106を介して、結像レンズ107
によって、CCD(Charge Coupled Device) センサ等か
らなる画像読取素子108上に縮小結像し、この画像読
取素子としてのCCDセンサ108によって原稿の画像
を読み取るように構成されている。上記原稿読取装置の
光学系は、フルレートミラー104、及びハーフレート
ミラー105,106によって折り返される光路を、光
軸に沿って直線状に表わせば、図24に示すように、物
体空間にある原稿109の画像を、結像レンズ107に
よって、像空間にあるCCDセンサ108上に結像する
縮小光学系として、表現することができる。なお、図2
3中、110は原稿を抑えるプラテンカバーを示すもの
である。
【0003】ところで、近年、かかる原稿読取装置に
は、オフィス等で扱われるドキュメントの多様化等に伴
い、高解像度化や高画質化などが要求されてきている。
また、複写機に用いられる原稿読取装置には、それらに
加えて、高速読取、広幅(A3サイズ対応)、本の綴じ
代部における原稿浮きへの対応が要求されてきている。
これらの原稿読取装置に求められる諸要求を物理的、光
学的にとらえると、高いナイキスト周波数(量子化の限
界周波数)、高いMTF(Modulation TransferFuncti
on)特性、センサの高感度、広い画角、深い焦点深度が
求められることになる。これらの諸要求を満足する原稿
読取装置を設計するためには、センサの特性、及び原稿
読取装置の共役長を決定した後、結像光学系のスペック
に関わるものとしては、MTFの高さと焦点深度が挙げ
られる。
【0004】ここで、MTFとは、当業者に良く知られ
ているように、物体(被写体)の強度分布の空間周波数
スペクトルをO(μ,ν)、像の強度分布の空間周波数
スペクトルをI(μ,ν)とすれば、I(μ,ν)=O
(μ,ν)H(μ,ν)の関係が成り立ち、H(μ,
ν)は一般に複素数で、その絶対値がMTF(Modulati
on Transfer Function)であり、位相がPTF(Phas
e Transfer Function )である(理化学辞典参
照)。したがって、MTFの値が高いということは、取
りも直さず、物体(被写体)である原稿の画像を、広い
空間周波数にわたって、高い伝達率で、像として受光す
るCCDセンサ108上に結像することができることを
意味する。
【0005】さらに、カラー複写機やカラースキャナー
等の場合は、上記の条件に加えて、結像レンズの色収差
も問題となる。色収差には、光軸方向のずれである軸上
色収差と、CCDセンサの長手方向へのずれである倍率
色収差があり、結像光学系の評価上、それぞれ異なる悪
影響を及ぼす。具体的に説明すると、単レンズの場合、
図25に示すように、結像光学系におけるB(ブル
ー),G(グリーン),R(レッド)の各色の焦点を、
G(グリーン)の光を基準とした場合、波長の短いB
(ブルー)の光は手前に、波長の長いR(レッド)の光
は遠方に、デフォーカス方向にずらす。複数枚レンズを
組み合わせて補正をしても、軸上色収差はわずかに残存
し、図26に示すように、B(ブルー),G(グリー
ン),R(レッド)の各色MTFのピークがデフォーカ
ス方向にずれるため、各色のバランスをとる必要性か
ら、結果的にMTFの値を相対的に低い色に合わせざる
を得ず、MTFを劣化させて、画質の悪化を引き起こ
す。これに対して、倍率色収差は、各色の結像位置をC
CDセンサの長手方向にずらすため、図27に示すよう
に、原稿に対応するCCDセンサの画素で受光する光
が、色によって受光量に差が生じ、結果的にCCDセン
サの出力が色によって異なり、色ずれを発生させる。
【0006】上述したMTF特性については、色収差以
外にも、単色での収差がこれを劣化させるので、そのメ
カニズムは非常に複雑である。また、MTFに関しての
評価項目としては、CCDセンサ面でのMTFの高さ、
原稿が浮いた場合の許容範囲(焦点深度)、各画角にお
けるカラーバランス(ΔMTF)がある。ここで、各画
角におけるカラーバランス(ΔMTF)とは、各画角に
おいて、BGRのうち、MTFの値が最大の色と最小の
色とのMTF値の差である。
【0007】上記MTFの評価項目のうち、ΔMTFの
増大と倍率色収差の増大は、物理的(光学的)挙動が異
なるものの、CCDセンサからの出力という観点から見
ると似通った結果をもたらす。すなわち、CCDセンサ
の長手方向に沿った同じ位置に位置する3色の画素から
出力されるべき信号値が、色によって変化してしまい、
その結果、それらを合成した色情報も本来の値から変化
してしまうという現象が起こる。色情報が変化するとい
うことは、カラー複写機の出力画像の原稿に対する色再
現性を悪化させるということである。カラー複写機の場
合には、原稿読取装置によって、B(ブルー),G(グ
リーン),R(レッド)の3色で読み込んだ原稿の情報
を、トナーの原色であるY(イエロー),M(マゼン
タ),C(サイアン),K(ブラック)に変換するとい
うステップがあるが、読み込んだ大元のBGRの画像デ
ータが不特定量だけずれていると、YMCKに変換する
際に色ずれを補正することは困難である。
【0008】また、倍率色収差固有の不具合として、同
一色領域のエッジの色付きがある。写真のように輪郭が
はっきりしない事の多いイメージ画像を複写して出力す
る場合、多少の色ずれは気にならないことが多い。しか
しながら、ビジネス文書等のように文字や図形の組み合
わせで構成された原稿の場合には、倍率色収差によって
文字や図形の主走査方向のエッジ部分だけが異なる色に
なると非常に目立ち、ユーザーに悪い印象を与えること
になる。倍率色収差がある場合には、図27に示すよう
に、例えば、K(ブラック)の画像のエッジ部分を、C
CDセンサの注目画素で読み取ると、本来、原稿の色は
K(ブラック)であるから、B(ブルー),G(グリー
ン),R(レッド)の出力値は、すべて等しく、しかも
略ゼロに近い値となるはずであるが、CCDセンサの注
目画素の出力は、倍率色収差によって、B(ブルー)の
出力値が最も高く、次にG(グリーン)の出力値が中間
的な値で、R(レッド)の出力値が最も低くなる。その
ため、上記CCDセンサの注目画素で読み取られたK
(ブラック)の画像のエッジ部分は、例えば、グリーン
が混じったブルーのような色として、読み取られてしま
うことになる。
【0009】これに対して各画角におけるカラーバラン
ス(ΔMTF)の場合は、各画角におけるMTFの値が
最大の色と最小の色とのMTF値の差であるため、全体
的に色の違いが出るものの、エッジ部分だけが異なる色
になることはない。この点においては、ΔMTFよりも
倍率色収差の方が、原稿読取装置で読み取られる原稿の
画質に及ぼす悪影響は大きいといえる。
【0010】さらに、デジタルカラー複写機の場合に
は、原稿がテキストであるのか、写真のようなイメージ
であるのかによって、画像処理を異ならせるのが一般的
である。原稿がテキストの場合は、テキストとバックグ
ラウンドでコントラストがはっきりしていた方が読みや
すい。そのため、テキスト原稿の場合は、テキストのエ
ッジ部分を強調させるような画像処理が行なわれる。一
方、イメージ原稿の場合は、上記テキスト原稿と対照的
に、色の変化がなだらかである方が見た目の印象が良く
なる。そのため、イメージ原稿の場合は、色が徐々に変
化していくような画像処理が行なわれる。このように原
稿がテキストかイメージかによって画像処理の仕方を変
えるため、複写機の画像処理部には、T/I(テキスト
/イメージ)分離処理機能が組み込まれていることが多
い。
【0011】また、読み込んだ色が黒又は灰色であった
場合には、Y,M,Cのトナーを重ねて黒や灰色を表現
するよりも、K(ブラック)1色のトナーで表現する方
が美しい出力が得られる。そのため、カラー複写機に
は、上記T/I分離処理機能に加えて、黒色判定処理機
能を有したものも多い。その際、特に黒文字をイメージ
情報から分離させる場合に、上記収差によってCCDセ
ンサからの出力が黒からずれていると、大きな問題が発
生する。T/I分離処理エラーと黒色判定エラーが同時
に起こると、原稿の黒文字部分が色付いて、なおかつぼ
けて出力されてしまい、原稿とかけ離れた出力である印
象をユーザに与えてしまう。
【0012】そこで、従来の原稿読取装置と組み合わせ
て使用される画像処理装置では、CIE表色系におい
て、L* * * の色空間で、K(ブラック)と判定さ
れる色味c* (=√(a*2+b*2))のスレッショール
ドレベルを、比較的高い値に設定することにより、L*
* * の色空間において若干広い領域の色を黒と判定
するようにしているのが実情である。そのため、CIE
表色系において、本来黒以外の色であるにも関わらず、
本来の色として再現される領域が狭くなっており、カラ
ーの再現性が低下せざるを得なかった。
【0013】特に近年では、パーソナルコンピュータや
プレゼンテーション資料作成ツールの発達・普及によ
り、高精細な文字情報を含むフルカラー原稿が溢れはじ
めており、こうした原稿のコピーをとる頻度も高くなっ
ている。そのため、上記従来の原稿読取装置では、結像
光学系における色収差やΔMTFに起因する不具合が頻
発しているものと推測される。
【0014】そこで、上述した種々の不具合を解消する
ための対策としては、画像処理以外に、原稿読取装置の
結像レンズの設計において、収差がなるべく小さくなる
ように、レンズの材質やレンズパラメータを決定し、特
性のバランスを取るのが一般的である。本発明者らの検
討によれば、上述したT/I分離処理と黒色判定処理を
良好に行うためには、倍率色収差による画素の色ずれ
を、0.1画素以内に抑え、かつ、ΔMTFを約20%
以内におさえることが必要であるとのシミュレーション
結果が出ている。しかし、レンズ設計を行うとき、倍率
色収差を補正しようとすると、BGRの各色において結
像倍率を合わせるために、像面湾曲がかえって大きくな
り、MTFが悪化することになる。そのため、色収差対
策に有効な異常分散ガラスを使用したとしても、レンズ
単体での特性改善には、限界がある。また、異常分散ガ
ラスを使用した場合には、通常の硝材に比べて、3倍か
ら5倍のコスト高になるばかりか、複数の波長の屈折率
やアッベ数を調節するために、有害物質として削減の対
称となっている鉛や砒素を使用せざるを得ず、安全上の
点からも好ましくない。
【0015】また、一般的に、レンズの設計段階におい
て、収差を小さくしようとするときは、口径を小さくす
るか、画角を小さくするのだが、画角に関しては、原稿
サイズと、複写機のスペースからの制約条件で、あまり
変えることができない。そこで、結像レンズの口径を小
さくして(レンズを暗くして)収差を低減させるという
方法がよく採られる。しかし、CCDセンサのS/Nの
関係上、高速かつ高解像度の読み取りを維持しつつ、レ
ンズを暗くすると、必要な光量を確保するために、原稿
を照明するランプの光量を上げなくてはならず、消費電
力の増大を招く結果となる。
【0016】通常、オフィスのコンセントから取ること
ができる電力は、1.5kVAであるが、電子写真複写
機の場合には、トナー像の定着に熱を用いる関係上、こ
の熱を発生させるヒーター部分が非常に大きな電力を必
要とする。現状400dpiの読取においても、カラー
電子写真複写機の電力は1.5kVAぎりぎりの値であ
る。このため、原稿読取部分に充てられる電力は極力減
らすことが望ましい。
【0017】さらにここで、複写スピードを維持しつつ
600dpiへ高解像度化を行うと、センサ一画素の面
積が約2/3(400/600)に減り、相対的なセン
サ受光量は、半分以下(22 /32 =4/9)となる。
また、データ量が増える関係上、CCDセンサの画素出
力を転送するビデオレートも上がり、これによっても電
力は増える傾向にいくため、このうえレンズを暗くし
て、ランプの電力を増やすことは現状不可能である。む
しろ、半分以下となった受光量を補うために、レンズ
は、従来のものよりも、明るくしなくてはならない。
【0018】これに対し、近年メモリのコストが下がっ
てきたことにより、メモリを使用して、読み込んだ情報
を一時記憶し、複写出力側(いわゆるプリンター側)と
非同期にする事により、読み込みスピードを遅くする
か、あるいはフルカラーの読み込みも1回のスキャンで
行うことで、1回の読み込みスピードを遅くするなどの
手法が考えられている。
【0019】しかしながら、メモリを使用して、読み込
んだ情報を一時記憶し、複写出力側(いわゆるプリンタ
ー側)と非同期にする事により、読み込みスピードを遅
くしたりすると、カラー複写機において白黒のコピーを
取る時間も、カラーと同様のシーケンスを採用する関係
上、遅くなる傾向になるが、カラー複写機において白黒
のコピーを取る場合でも、白黒専用機と同程度のコピー
速度を達成する必要がある。そのため、あくまでも理想
としては、原稿読取装置の読み込みスピードは速くした
い。
【0020】また、レンズをなるべく明るく設計したい
理由は、他にもある。白黒複写機において、最近の傾向
では、従来、原稿照明用ランプとして採用されていたハ
ロゲンランプに代わって、消費電力の低いキセノンラン
プを、用いるようになってきている。当然、フルカラー
複写機においても、省エネルギーの観点から今後追従す
るため、キセノンランプ使用を考慮した設計にする必要
がある。ところが現状、キセノンランプが出力可能な光
量には上限があるため、暗いレンズではSN比の悪いデ
ータしか読み込めない。
【0021】また、倍率色収差対策としては、CCDセ
ンサの出力を電気的に重心補正する技術も公知である
が、これに関しては、電気信号としてのMTFの劣化を
招くことになり、文字再現に影響を与えてしまう。これ
ではせっかく解像度を上げても、画質は向上せず、カタ
ログスペックでは400dpiから600dpiに上が
って高画質になったように見えて、実は何も高画質では
ない状況が発生する可能性が十分ある。
【0022】さらに、レンズでカバーしきれない結像特
性を、電気回路や他の光学素子で補正することは、これ
らを用いることでレンズのコストが下がらない限り、確
実にコストアップにつながる。
【0023】そこで、原稿を照明するランプの光量アッ
プ等に伴う消費電力の増大を招くことなく、原稿読取装
置の光学系を改良する技術としては、結像特性が高いこ
とを特徴としたレンズの特許が数多く出願されており、
また、そのうちのいくつかは、すでに権利化されてい
る。例えば、特許第2729039号公報には、4群6
枚のダブルガウスタイプレンズで、Fナンバーが4.5
の読取レンズが開示されている。
【0024】しかしながら、通常の設計方法では、F
4.5の明るさを確保しつつ、倍率色収差による画素の
色ずれを0.1画素以内に抑え、かつ、ΔMTFを20
%以内に抑えることは、もはや設計限界に来ており、上
記特許第2729039号公報に開示された技術でも、
これを達成することはできない。
【0025】そこで、この問題を解決するために、本発
明者は、特開平11−191830号公報において、倍
率色収差を従来の半分以下に設計し、これに伴って増加
する収差については、主に原稿端の副走査方向のMTF
に影響する部分にこれを集中させ、これにより劣化した
副走査方向のMTFについては、副走査方向にレンズ瞳
を絞る遮光部材(サジタルストッパー)を用いて改善す
る、という技術を既に開示している。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の場合には、次のような問題点を有している。す
なわち、上記特開平11−191830号公報に開示さ
れた技術の場合には、副走査方向にレンズ瞳を絞る遮光
部材(サジタルストッパー)を用いているが、この遮光
部材としてのサジタルストッパーは、レンズよりも原稿
側に別部材として配設されている。そのため、上記原稿
読取装置は、組み立て時に光学系を調整する際、レンズ
とCCDセンサの位置調整以外に、別途、サジタルスト
ッパーの位置調整(明るさ調整)も必要となり、原稿読
取位置の組み立て時間が増大するという問題点を有して
いた。また、上記原稿読取装置の場合には、別部材とし
てのサジタルストッパーを設けることによるコスト増大
も無視できない。
【0027】更には、上記特開平11−191830号
公報に開示された技術の場合には、請求項6及び請求項
7に記載されているように、レンズパラメータを特定の
値に設定することにより、非常に読取画質を向上させて
いるが、高解像度化を実現するために、解像度を400
dpiから600dpiに向上させると、レンズとして
は、若干諸収差が補正しきれておらず、この点からも光
学調整に時間がかかるという問題点も有していた。
【0028】そこで、この発明は、上記従来技術の問題
点を解決するためになされたものであり、その目的とす
るところは、サジタルストッパーを用いることによる組
み立て工数の増加やコスト増加を回避することができ、
しかも、読取り画質を更に改善することを可能とした原
稿読取装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載の発明は、原稿に光を照射する照射手段と、前記原稿
からの反射光像を結像させる部材であって、原稿端近傍
の画角における原稿読取波長域の副走査方向の解像度
が、前記原稿端近傍より内側の画角で原稿読取波長域の
うち最低値を示す解像度よりも低い解像度特性を有する
ように設計された結像レンズと、前記原稿端近傍からの
反射光像における副走査方向の瞳径が小さくなるように
前記反射光像の一部を遮光する遮光手段と、前記遮光手
段で一部が遮光されかつ前記レンズで結像された光を電
気信号に変換する光電変換手段とを備えた原稿読取装置
において、前記遮光手段は、前記結像レンズの外部に配
置され、かつ前記結像レンズと一定の距離を保ったまま
移動可能となるように構成したことを特徴とする原稿読
取装置である。
【0030】また、請求項2に記載の発明は、原稿に光
を照射する照射手段と、前記原稿からの反射光像を結像
させる部材であって、原稿端近傍の画角における原稿読
取波長域の副走査方向の解像度が、前記原稿端近傍より
内側の画角で原稿読取波長域のうち最低値を示す解像度
よりも低い解像度特性を有するように設計された結像レ
ンズと、前記原稿端近傍からの反射光像における副走査
方向の瞳径が小さくなるように前記反射光像の一部を遮
光する遮光部材と、前記遮光手段で一部が遮光されかつ
前記レンズで結像された光を電気信号に変換する光電変
換手段とを備えた原稿読取装置において、前記結像レン
ズを保持する保持部材を備え、前記遮光部材は、当該保
持部材と一体的に構成されたことを特徴とする原稿読取
装置である。
【0031】さらに、請求項3に記載の発明は、前記遮
光部材が、結像レンズの射出側の外部に設けられている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の原稿読取
装置である。
【0032】また更に、請求項4に記載の発明は、前記
遮光部材と結像レンズとの距離が、可能な限り短く設定
されていることを特徴とする請求項1又は請求項3記載
の原稿読取装置である。
【0033】さらに、請求項5に記載された発明は、前
記結像レンズが、光軸に対して回転対称系を構成するこ
とを特徴とする請求項乃至請求項4のいずれかに記載の
原稿読取装置である。
【0034】また更に、請求項6に記載された発明は、
原稿に光を照射する照射手段と、前記原稿からの反射光
像を結像させる部材であって、原稿端近傍の画角におけ
る原稿読取波長域の副走査方向の解像度が、前記原稿端
近傍より内側の画角で原稿読取波長域のうち最低値を示
す解像度よりも低い解像度特性を有するように設計され
た結像レンズと、前記原稿端近傍からの反射光像におけ
る副走査方向の瞳径が小さくなるように前記反射光像の
一部を遮光する遮光部材と、前記遮光手段で一部が遮光
されかつ前記レンズで結像された光を電気信号に変換す
る光電変換手段とを備えた原稿読取装置において、前記
結像レンズは、4群以上のレンズを組合せたガウスタイ
プのレンズからなり、d線における屈折率及び分散が、
以下の3種類の特性を有する材料を含むことを特徴とす
る原稿読取装置である。 1.屈折率 1.658 分散 50.9 2.屈折率 1.639 分散 55.5 3.屈折率 1.648 分散 33.8
【0035】さらに、請求項7に記載された発明は、前
記結像レンズが、4群6枚のレンズを組合せたガウスタ
イプのレンズからなり、物体側から順にレンズに番号を
付した場合に、第1の特性である屈折率 1.658 分散
50.9なる特性を有するレンズを、第1レンズ及び第6
レンズとし、第2の特性である屈折率 1.639 分散5
5.5なる特性を有するレンズを、第2レンズ及び第5レ
ンズとし、第3の特性である屈折率1.648 分散 33.8
なる特性を有するレンズを、第3レンズとして用いたこ
とを特徴とする請求項6記載の原稿読取装置である。
【0036】また、請求項8に記載された発明は、前記
結像レンズが、riを第i面の曲率半径、diを第i面
と(i+1)面の間隔、niを第iレンズのd線におけ
る屈折率、νiを第iレンズのd線におけるアッベ数と
して、 r1 32.40 d1 5.82 n1 1.658 ν1 50.9 r2 80.80 d2 0.15 r3 25.11 d3 5.55 n2 1.639 ν2 55.5 r4 70.70 d4 2.85 n3 1.648 ν3 33.8 r5 16.96 d5 21.77 r6 -16.27 d6 0.90 n4 1.603 ν4 38.0 r7 -220.00 d7 6.72 n5 1.639 ν5 55.5 r8 -22.87 d8 0.51 r9 -172.4 d9 4.92 n6 1.658 ν6 50.9 r10 -38.80 を満足することを特徴とする請求項6又は7記載の原稿
読取装置である。
【0037】
【作用】サジタルストッパー(遮光部材)は、基本的に
は主走査方向のMTF特性と、倍率色収差にはほとんど
影響を与えることなく、副走査方向のMTF特性を改善
する効果がある。また、サジタルストッパーは、副走査
方向のみ光束の広がりを制限するので、通常の円形の絞
りと比較して光量のロスが少ないというメリットもあ
る。
【0038】また、レンズ単体の特性値でスペックを満
足できる場合でも、この手法を用いるとレンズに使用す
る硝材のコストダウンができ、トータルコストを下げる
ことができる。
【0039】さらに、サジタルストッパー(遮光部材)
を、結像レンズの射出側の外部に設けることにより、当
該結像レンズによって縮小結像される光束を、サジタル
ストッパーによって副走査方向に絞るため、サジタルス
トッパー自体も小型化することが可能となる。
【0040】また更に、サジタルストッパーと結像レン
ズとの距離を、可能な限り短く設定する、できればサジ
タルストッパーと結像レンズを支持するレンズ鏡筒との
間に隙間を設けないように構成することにより、結像レ
ンズとサジタルストッパーとの隙間から入射した迷光
が、結像レンズの射出側の表面で反射され、光学系に悪
影響を及ぼすのを確実に防止することができる。
【0041】さらに、レンズを光軸に対して回転させ
て、偏心や面倒れ等の公差の影響がMTF他の性能に出
難い状態でアセンブリすることを可能とする。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。
【0043】実施の形態1 図1はこの発明の実施の形態1に係る原稿読取装置を示
す概略図である。
【0044】この原稿読取装置は、図1に示すように、
上面が開口した原稿読取装置本体1を備えており、当該
原稿読取装置本体1の上面開口部には、図示しない原稿
を載置するためのプラテンガラス2が取り付けられてい
る。このプラテンガラス2上には、読み取るべき画像を
下向きにした状態で、所定の位置に原稿(図示せず)が
載置される。上記原稿読取装置本体1の上部には、原稿
をプラテンガラス2上に押圧するためのプラテンカバー
3が、開閉自在に設けられている。
【0045】また、上記原稿読取装置本体1の内部に
は、プラテンガラス2上に載置された図示しない原稿の
画像を、照明する照射手段としてのランプ4と、ランプ
4から照射された光を効率よく原稿面に集光するリフレ
クタ5と、原稿からの反射光像を水平方向に反射するフ
ルレートミラー6と、このフルレートミラー6からの反
射光像を折り返すように反射する2枚のハーフレートミ
ラー7、8と、これら2枚のハーフレートミラー7、8
からの反射光像を縮小結像する結像レンズ9と、遮光手
段としてのサジタルストッパー11と、結像レンズ9に
よって結像された光像を電気信号に変換するCCD(Cha
rge Coupled Device) イメージセンサ等からなる光電変
換手段としてのラインイメージセンサ12とが設けられ
ている。上記結像レンズ9としては、例えば、ダブルガ
ウスタイプのレンズが用いられる。また、上記CCDイ
メージセンサ12として、カラー画像を読み取るために
は、カラー画像をB(ブルー),G(グリーン),R
(レッド)の3色で読み取るカラーCCDイメージセン
サが用いられる。
【0046】上記ランプ4及びリフレクタ5と、フルレ
ートミラー6とは、図示しないフルレートキャリッジに
搭載されており、このフルレートキャリッジは、副走査
方向に沿って所定の速度Vで移動するように構成されて
いる。また、上記2枚のハーフレートミラー7、8は、
図示しないハーフレートキャリッジに搭載されており、
このハーフレートキャリッジは、同じく副走査方向に沿
って、フルレートキャリッジの半分の速度1/2・Vで
移動するように構成されている。その結果、上記プラテ
ンガラス2上に載置された原稿は、所定の速度で移動す
るランプ4、リフレクタ5及びフルレートミラー6と、
2枚のハーフレートミラー7、8によって、光路長を変
化させずに、結像レンズ9を介してCCDイメージセン
サ12上に、その全面の画像が走査露光されるようにな
っている。
【0047】そして、上記原稿読取装置では、図1に示
すように、プラテンガラス2上に載置された原稿の画像
が、ランプ4から照射されかつリフレクタ5によって集
光された光によって照明され、当該原稿からの反射光像
は、フルレートミラー6とハーフレートミラー7、8を
介して、結像レンズ9によって、CCDイメージセンサ
12上に縮小結像される。その際、上記結像レンズ9に
よってCCDイメージセンサ12上に縮小結像される原
稿からの反射光像は、その一部がサジタルストッパー1
1で遮光される。このとき、CCDイメージセンサ12
は、各々の画素ごとに入射光の強さに応じて光電変換を
行い、これによって原稿画像に対応した画像信号(RG
B信号)が得られる。
【0048】上記原稿読取装置の光学系は、フルレート
ミラー6、及びハーフレートミラー7、8によって折り
返される光路を、光軸axに沿って直線状に表わせば、
図2に示すように、物体空間にある原稿13の画像を、
結像レンズ9によって、像空間にあるCCDイメージセ
ンサ12上に結像する縮小光学系として、表現すること
ができる。
【0049】ところで、上記の如く構成される原稿読取
装置には、高解像度化や高画質化などの要求に加えて、
高速読取、広幅(A3サイズ対応)、本の綴じ代部にお
ける原稿浮きへの対応が要求されているが、これらの要
求を物理的、光学的にとらえると、高いナイキスト周波
数(量子化の限界周波数)、高いMTF(ModulationTr
ansfer Function)特性、センサの高感度、広い画角、
深い焦点深度が求められることになる。そこで、これら
の諸要求を満足する原稿読取装置を設計するためには、
CCDイメージセンサ12の特性、及び原稿読取装置の
共役長を決定した後、結像光学系のスペックに関わるも
のとしては、MTFの高さと焦点深度が挙げられる。
【0050】次に、上記結像光学系のMTFと焦点深度
とを決定する主たる構成要素である結像レンズ9の基本
的な特性について、図3を参照しつつ説明する。
【0051】先ず、結像レンズ9では、光軸axから離
れた位置、つまり原稿端近傍の画像を結像する際に、光
軸axを中心とする同心円の接線方向(タンジェンシャ
ル方向)のラインペア情報と、同心円の動径方向(ラジ
アル方向)のラインペア情報とでは、レンズの解像度を
表すMTF(Modulation Transfer Function)特性が異な
ったものとなる。ラインイメージセンサ12を使用した
原稿読取装置に、このようなレンズ9を用いる場合、接
線方向の解像度(MTF)がラインイメージセンサ12
の主走査方向(センサ長手方向)の解像度に対応し、動
径方向の解像度がラインイメージセンサ12の副走査方
向(センサ短手方向)の解像度に対応する。結像レンズ
9の特性上、動径方向の解像度は、接線方向の解像度に
比べて低くなりがちである。したがって、ラインイメー
ジセンサ12においては、光軸axから離れた位置の画
像の、副走査方向の解像度が低くなることが多い。
【0052】光軸外の物点から発した光が結像レンズ9
に入射する場合、その入射瞳のメリジオナル面を通過し
た光線は、結像レンズ9の軸対称性により、レンズ9を
出射した後もメリジオナル面から外れることはない。そ
のため、メリジオナル面を通過する光線に関しては、副
走査方向の解像度を低下させることはない。
【0053】このことから、結像レンズ9から出射され
る光線を、メリジオナル面に直交するサジタル方向に絞
っていくと、それにつれて幾何学的な収差は減少し結像
状態が良くなる。また、それとともにサジタル方向の結
像光束の広がりを制限することで、像空間における光束
が細くなるので、理想像面から外れた位置での点像の広
がりが小さくなり、ラジアル方向の結像状態の焦点深度
を増すことができる。
【0054】そこで、この実施の形態1では、図1に示
すように、原稿端近傍からの反射光が結像レンズ9を出
射した後の副走査方向の射出瞳径が小さくなるように反
射光の一部を遮光するものとして、副走査方向に対応す
る結像レンズ9のサジタル方向に光束を絞るサジタルス
トッパー11が設けられている。
【0055】しかも、この実施の形態1に係る原稿読取
装置では、遮光手段としてのサジタルストッパー11
が、前記結像レンズ9の外部に配置され、かつ当該結像
レンズ9と一定の距離を保ったまま移動可能であるよう
に構成されている。なお、図1においては、原稿からの
反射光の光路中において、結像レンズ9とセンサ(光電
変換手段)12との間にサジタルストッパー11を配置
しているが、これ以外にも、結像レンズ9の手前にサジ
タルストッパー11を配置するように構成してもよい。
【0056】更に説明すると、この実施の形態1に係る
原稿読取装置では、図1に示すように、結像レンズ9の
射出側の外部、つまり、当該結像レンズ9とCCDイメ
ージセンサ12との間に、遮光手段としてのサジタルス
トッパー11が配設されている。上記サジタルストッパ
ー11は、図4乃至図6に示すように、金属等からなる
黒色の矩形状の薄板であって、その中央には、やはり矩
形状の開口部11aが形成されている。このサジタルス
トッパー11は、開口部11aの中心が原稿からの反射
光の光軸axに合致し、開口部11aの長辺が主走査方
向、短辺が副走査方向に合致するように配置されてい
る。即ち、上記開口部11aの長辺は、結像レンズ9に
対する原稿からの反射光のメリジオナル面と平行に配置
され、短辺は、サジタル面と平行に配置されている。メ
リジオナル面は、光学系において、軸外の物点と光軸と
を結ぶ平面であり、サジタル面はメリジオナル面に垂直
な平面である。なお、図7は、従来の遮光板を採用した
場合に、レンズ正面からセンサを覗き込んだ時のレンズ
瞳の形状を示したものである。
【0057】また、上記サジタルストッパー11は、図
8に示すように、結像レンズ9が取り付けられたレンズ
プレート10に、当該結像レンズ9と一定の距離を隔て
て、ネジ止め等の手段によって取り付けられている。上
記レンズプレート10は、原稿読取装置本体1の図示し
ないガイドレール等に、複数のネジ穴15a〜15cを
介して、光軸方向及び光軸方向と直交する方向、並びに
光軸方向に対する傾斜角度が調整可能に取り付けられて
いる。したがって、上記サジタルストッパー11は、結
像レンズ9が取り付けられたレンズプレート10に取り
付けられているため、原稿読取装置の調整時に、当該結
像レンズ9の位置を調整するため、レンズプレート10
を移動させると、前記結像レンズ9と一定の距離を保っ
たまま移動可能となるように構成されている。
【0058】サジタルストッパー11の開口部11aの
短辺は、図6に示すように、結像レンズ9自体の射出瞳
で制限される出射光束Eの範囲よりも小さく設定され、
これによって結像レンズ9における原稿端近傍の副走査
方向の射出瞳径がサジタルストッパー11で小さくされ
る構成となっている。即ち、ある物点OP1 から結像レ
ンズ9を介して開口部11aよりも上または下に向かっ
た光線は、サジタルストッパ−11で遮られ、CCDイ
メージセンサ12には入射しない。これにより、結像レ
ンズ9の射出瞳径は、サジタル方向においてのみサジタ
ルストッパ−11で絞られる。このサジタルストッパー
11による遮光作用は、開口部11aが矩形をなしてい
ることから、その長手方向(主走査方向)の全体にわた
って一様である。つまり、光軸ax上の物点OP2 から
の光はサジタルストッパー11により部分的に遮られ、
開口部11aを通過した光だけが像点IP2 に結像し、
光軸axから離れた物点OP1 からの光もサジタルスト
ッパー11で部分的に遮られ、開口部11aを通過した
光だけが像点IP1 に結像する。なお、図6(a)にお
いて、斜線を付した部分は、サジタルストッパー11の
上下の部分によりカットされる光束の部分を示してい
る。
【0059】このようにサジタルストッパー11は、副
走査方向の解像度に影響を与える、メリジオナル面から
離れた光線をカットするので、主走査方向端部(原稿端
近傍)での副走査方向の解像度を良好にしてレンズ9の
結像性能を改善する。しかも、光量のカットが一方向
(サジタル方向)のみであるため、レンズ9の結像性能
を改善するための光量ロスが少なくて済む。
【0060】ちなみに、この場合は、主走査方向の全域
で副走査方向の光束が一様に絞られるため、光量も一定
の比率で減少する。その際、端の画角のMTFを改善す
るにあたり、サジタルストッパー11が最も効果を発揮
するのは、副走査方向の光量を20〜25%程度、特に
25%程度カットするときであり、これに対応してサジ
タルストッパー11の開口部11aの開口幅も設定され
ている。つまり、サジタルストッパー11は、メリジオ
ナル面から離れたサジタル方向の光線をカットすること
により、副走査方向の解像度を向上させるものである
が、このサジタルストッパー11によってあまりサジタ
ル方向の光線をカットし過ぎると、光学系が暗くなり、
CCDイメージセンサ12に入射する光量が減少するこ
とになる。このCCDイメージセンサ12の入射光量の
減少を抑えるためには、レンズ内の絞り径を、その分広
く設定することも考えられるが、レンズ内の絞り径を広
く設定すると、主走査方向の収差の影響が大きくなり、
好ましくない。そこで、サジタルストッパ−11を用い
ることによる副走査方向の解像度の向上と、主走査方向
の収差の低下との両者を考慮すると、サジタルストッパ
−11が最も効果を発揮するのは、経験的に、副走査方
向の光量を20〜25%程度、特に25%程度カットす
る場合であることがわかっている。
【0061】そのため、サジタルストッパ−11を用い
ることによって、副走査方向の光量が25%程度減少す
ることを考慮して、F4.5程度の明るさを、照明電力
をアップさせずに結像光学系全体で確保するためには、
レンズ単体としてF4程度で設計する必要がある。これ
は、必要光量がF値の比の二乗に比例することによるも
ので、現状の照明電力を仮に100WとしてF4程度の
明るさのレンズを採用すると、100W×(4/4.
5)2 ÷0.75≒105Wとなり、照明電力の増加は
極わずかで済むためである。
【0062】こうしたサジタルストッパー11による副
走査方向の解像度(MTF)の改善に関しては、主走査
方向での画角が大きくなればなるほど、その効果も大き
くなることが分かっている。これは、一般に結像レンズ
9の入射瞳が原稿端近傍の画角ではレンズの端寄りにな
ることで、特にサジタル方向に広がった光束が副走査方
向の収差を増大させることに起因する。一方、結像レン
ズ9の設計段階において従来では、原稿端近傍より内側
の画角での解像度(MTF)を犠牲にして、原稿端近傍
の画角での解像度を持ち上げることにより、全体のバラ
ンスをとるようにしている。
【0063】これに対して、この実施の形態の場合は、
従来のように結像レンズ単体でバランス良く解像度をコ
ントロールするのではなく、結像レンズ9の特性を決め
るパラメータ設計の段階で、端の画角での副走査方向の
解像度を意図的に低くなるように設計する。レンズ設計
に関しては、関連メーカー各社から光学シミュレーショ
ンソフトが市販されているので、その光学シミュレーシ
ョンソフトの自動設計プログラムで、ラジアル方向の端
の画角での重み、つまり原稿端近傍の画角における原稿
読取波長域の解像度を故意に低く設定することにより、
原稿端近傍の画角における原稿読取波長域の副走査方向
の解像度が、原稿端近傍より内側の画角における原稿読
取波長域の最低解像度よりも低い解像度特性を有する結
像レンズ9を採用する。
【0064】さらに詳述すると、一般に可視光域にあた
る青、緑、赤の各波長域では、空間周波数(本/mm)
に対するMTFの特性が、それぞれの波長域で異なった
ものとなる。特に、文字認識を良好に行ううえでは、5
本/mm付近の空間周波数でのMTFの良否が重要なフ
ァクターとなる。これに対して、この実施の形態では、
原稿端近傍の画角における5本/mm付近の空間周波数
での原稿読取波長域の副走査方向MTFが、最良像面に
おいて原稿端近傍より内側の画角における原稿読取波長
域の最低MTFよりも低い解像度特性をもつ結像レンズ
9をあえて採用している。これにより、レンズパラメー
タ設計の自由度が高まるため、軸上色収差や倍率色収
差、さらには像面湾曲や非点収差、歪曲収差等を従来よ
りも低く抑えることができる。
【0065】ただし、このような結像レンズ9を用いて
原稿読取装置の光学系を構成すると、当然のことなが
ら、主走査方向の原稿端近傍において副走査方向のMT
Fが悪化する。しかしながら、上述したサジタルストッ
パー11による解像度(副走査方向のMTF)のアップ
分を予め見込んだうえで、原稿端近傍の画角における原
稿読取波長域の副走査方向解像度を意図的に低く設定し
ておけば、上述のようなパラメータ設計による解像度の
低下を相殺することができる。つまり、この発明に係る
原稿読取装置は、従来のように結像レンズ9を出来るだ
けバランス良く設計したうえで、遮光板(サジタルスト
ッパー)を補助的に利用するのではなく、原稿読取装置
の光学系を構成するうえでサジタルストッパー11を必
須な要素と位置づけ、これを利用することを前提に結像
レンズ9の特性を決めることにより、結像光学系全体の
特性を最適化するものである。
【0066】これにより、従来のように結像レンズ単体
でMTFバランスをとる場合に比較して、レンズ設計の
自由度が増加する分、端の画角以外、つまり原稿端近傍
よりも内側の画角におけるMTFの特性を向上させるこ
とができる。ここで、可視光域での副走査方向のMTF
周波数特性の一例を図9(a)、(b)のグラフに示
す。なお、グラフの実線カーブは端の画角でのMTF特
性、破線カーブはそれよりも内側の画角でのMTF特性
を示し、今回行ったシミュレーションでは、青、緑、赤
の各波長域について、いずれも図示のような特性カーブ
を示した。
【0067】即ち、図9(a)に示すサジタルストッパ
ー無しでのレンズのMTF周波数特性では、概ね5〜1
5本/mmの空間周波数で端の画角でのMTFが、それ
よりも内側の画角でのMTFよりも低い特性を示してい
る。これに対して、図9(b)に示すサジタルストッパ
ー有りでのレンズのMTF周波数特性では、上述した5
〜15本/mmの空間周波数でのMTFがサジタルスト
ッパー11の遮光効果により持ち上げられ、双方の画角
で一様に良好なMTF特性が得られている。
【0068】この場合、原稿端近傍よりも内側の画角に
おけるMTFの特性は、レンズ設計段階でこれを犠牲に
することなく、従来よりも高いレベルに設定されてい
る。そして、原稿端近傍の画角におけるMTFについて
は、サジタルストッパー11の遮光作用により、内側の
画角におけるMTFと同等レベルまで持ち上げている。
したがって、結像光学系全体の特性としては、従来より
も収差が低減されてベストの状態が達成される。
【0069】また、結像レンズ9の特性を設定するにあ
たり、原稿端近傍の画角における副走査方向の解像度と
それよりも内側の画角における最低解像度との差分を、
サジタルストッパー11による解像度のアップ分相当に
設定しておけば、図9(a)に示すサジタルストッパー
無し状態での所定周波数のMTFの差、例えば文字情報
を読み取る際の解像度に大きく影響を与える5本/mm
付近のMTFの差(ΔMTF)が、図9(b)に示すサ
ジタルストッパー有り状態でほぼ0(ゼロ)になる。こ
れにより、原稿に記された文字情報を好適に読み取るこ
とができるとともに、結像光学系全体のMTFのバラツ
キも抑えられるため、これに起因した読取画質の低下を
未然に防止することができる。
【0070】なお、画像読取波長域としては、青、緑、
赤の可視光波長域だけに限らず、それよりも広い紫外、
赤外光を加えた5つの波長域を含むものであってもよ
い。そして、原稿端近傍の画角における画像読取波長域
の副走査方向の解像度が、原稿端近傍より内側の画角に
おける画像読取波長域の最低解像度よりも低い、という
条件を満たす結像レンズ9の特性としては、紫外、赤、
緑、青、赤外の各波長域のうち、少なくともいずれか2
つ以上の波長域で上記条件を満たすものであればよい。
【0071】以上の構成において、この実施の形態に係
る原稿読取装置では、次のようにして、サジタルストッ
パーを用いることによる組み立て工数の増加やコスト増
加を回避することができ、しかも、読取り画質を更に改
善することが可能となっている。
【0072】すなわち、この実施の形態に係る原稿読取
装置では、図1に示すように、プラテンガラス2上に載
置された原稿の画像を、ランプ4及びリフレクタ5によ
って照明しつつ、当該原稿からの反射光像を、フルレー
トミラー6及びハーフレートミラー7、8を介して、結
像レンズ9によってCCDイメージセンサ12上に縮小
結像しつつ、当該フルレートミラー6及びハーフレート
ミラー7、8を副走査方向に移動させることにより、原
稿の全面の画像をCCDイメージセンサ12上に走査露
光し、当該CCDイメージセンサ12で原稿の画像を電
気信号に変換して、読み取るようになっている。
【0073】その際、上記原稿の画像は、図2に示すよ
うに、結像レンズ9によってCCDイメージセンサ12
上に縮小結像されるのであるが、結像レンズ9のCCD
イメージセンサ12側には、サジタルストッパー11が
配設されているので、当該CCDイメージセンサ12上
への結像特性は、結像レンズ9の種々の収差及びサジタ
ルストッパーの遮光特性によって決定される。
【0074】ところで、この実施の形態では、原稿端近
傍の画角における原稿読取波長域の副走査方向MTF
が、最良像面において原稿端近傍より内側の画角におけ
る原稿読取波長域の最低MTFよりも低い解像度特性を
もつ結像レンズ9をあえて採用するように構成されてい
る。これにより、レンズパラメータ設計の自由度が高ま
るため、軸上色収差や倍率色収差、さらには像面湾曲や
非点収差、歪曲収差等を従来よりも低く抑えることがで
きる。その結果、原稿端近傍よりも内側の画角における
MTFの特性は、レンズ設計段階でこれを犠牲にするこ
となく、従来よりも高いレベルに設定することができ
る。
【0075】そして、原稿端近傍の画角におけるMTF
については、サジタルストッパー11の遮光作用によ
り、内側の画角におけるMTFと同等レベルまで持ち上
げることができる。したがって、結像光学系全体の特性
としては、従来よりも収差が低減されてベストの状態が
達成でき、読取り画質を大幅に向上させることが可能と
なる。
【0076】また、この実施の形態では、サジタルスト
ッパー11が、図8に示すように、結像レンズ9が取り
付けられたレンズプレート10に、当該結像レンズ9と
一定の距離を隔てて、ネジ止め等の手段によって取り付
けられている。そのため、原稿読取装置の調整時に、結
像レンズ9の位置を調整してピント等を合わせる際、レ
ンズプレート10を移動させると、サジタルストッパー
11を前記結像レンズ9と一定の距離を保ったまま移動
することができる。したがって、原稿読取装置の調整時
に、結像レンズ9とサジタルストッパー11を別個に移
動させ、位置を調整する必要がないので、サジタルスト
ッパーを用いることによる組み立て工数の増加や、組み
立て工数の増加に伴う製造コストの増加を回避すること
ができる。
【0077】さらに、この実施の形態では、サジタルス
トッパー11が、結像レンズ9の射出側の外部に設ける
ことにより、当該結像レンズ9によって縮小結像される
光束を、サジタルストッパー11によって副走査方向に
絞るため、サジタルストッパー11自体も小型化するこ
とが可能となる。
【0078】実施の形態2 図10はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前
記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説
明すると、この実施の形態2では、結像レンズを保持す
る保持部材を備え、遮光部材は、当該保持部材と一体的
に構成されたものである。
【0079】また、この実施の形態2では、前記遮光部
材と結像レンズとの距離が、可能な限り短く設定されて
いる。
【0080】図10(a)は、この実施の形態2のレン
ズアッセイ20(レンズ9とレンズ保持部材10)を上
から見た状態を示し、図10(b)は横から見た状態を
示す。さらに、レンズ保持部材10を上から見た状態を
図11(a)に示し、レンズ保持部材10を光軸方向に
見た状態を図11(b)に示す。
【0081】レンズ保持部材としてのレンズプレート1
0をL字型に形成して、当該レンズプレート10の垂直
板部10aがサジタルストッパー11としての機能を果
たし、この垂直板部10aに開口部11aを設け、サジ
タルストッパー11に押し当てた状態で結像レンズ9を
固定する方が望ましい。その結果、上記サジタルストッ
パー11と結像レンズ9との距離が、可能な限り短く設
定されている。
【0082】このように、サジタルストッパー11と結
像レンズ9との距離を、可能な限り短く設定する、でき
ればサジタルストッパーと結像レンズを支持するレンズ
鏡筒との間に隙間を設けないように構成することによ
り、結像レンズとサジタルストッパーとの隙間から入射
した迷光が、結像レンズの射出側の表面で反射され、光
学系に悪影響を及ぼすのを確実に防止することができ
る。
【0083】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同様であるので、その説明を省略する。
【0084】実施の形態3 図12はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前
記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説
明すると、この実施の形態3では、結像レンズが、4群
以上のレンズを組合せたガウスタイプのレンズからな
り、d線における屈折率及び分散が、以下の3種類の特
性を有する材料を含むように構成したものである。 1.屈折率 1.658 分散 50.9 2.屈折率 1.639 分散 55.5 3.屈折率 1.648 分散 33.8
【0085】また、この実施の形態3では、前記結像レ
ンズが、riを第i面の曲率半径、diを第i面と(i
+1)面の間隔、niを第iレンズのd線における屈折
率、νiを第iレンズのd線におけるアッベ数として、 r1 32.40 d1 5.82 n1 1.658 ν1 50.9 r2 80.80 d2 0.15 r3 25.11 d3 5.55 n2 1.639 ν2 55.5 r4 70.70 d4 2.85 n3 1.648 ν3 33.8 r5 16.96 d5 21.77 r6 -16.27 d6 0.90 n4 1.603 ν4 38.0 r7 -220.00 d7 6.72 n5 1.639 ν5 55.5 r8 -22.87 d8 0.51 r9 -172.4 d9 4.92 n6 1.658 ν6 50.9 r10 -38.80 を満足するように構成したものである。
【0086】ところで、図1に示す原稿読取装置におい
て、光学系の構成部材の中で最も重要な構成要素は、結
像レンズ9である。この結像レンズ9を設計する際に
は、前記実施の形態1で述べたように、原稿端近傍の画
角における原稿読取波長域の副走査方向MTFが、最良
像面において原稿端近傍より内側の画角における原稿読
取波長域の最低MTFよりも低い解像度特性をもつ結像
レンズ9をあえて採用するように構成することにより、
レンズパラメータ設計の自由度が高まるため、軸上色収
差や倍率色収差、さらには像面湾曲や非点収差、歪曲収
差等を従来よりも低く抑えることができる。
【0087】しかし、これに加えて、上記結像レンズ9
を設計する際に、当該結像レンズ9の直径をあまり大き
くせずに、明るさを確保することも重要な要素となる。
【0088】この点、従来技術のなかには、複写機、ス
キャナー等に用いられる様々な特性のレンズが提示され
ている。また、特に結像特性の高いことを特徴としたレ
ンズとして、例えば特開平9−113802号公報に
は、4群6枚構成のガウスタイプで、F値(No.) が4.
5の読取レンズが開示されている。しかしながら、この
公報に開示された読取レンズは、耐水性、耐青ヤケ性、
耐潜傷性等の点で非常に扱いにくく、レンズ単体として
のコストも高いという難点がある。
【0089】これに対して、上記実施の形態1で述べた
サジタルストッパーの有効活用により、倍率色収差とM
TF特性を同時に改善するものについて、例えばF4.
5程度の明るさを確保しようとすると、サジタルストッ
パーによる遮光分を補うために、レンズ径を大きくして
レンズ単体でのF値を小さく(明るく)する必要があ
る。そうすると、レンズ径が大きくなることでのサイズ
アップやコストアップが懸念される。ただし、サジタル
ストッパーとの組み合わせでレンズ構成を考えた場合、
光学系としての明るさをF4.5相当に確保したうえ
で、上述のレンズ取り扱い上の難点や、レンズ径の拡大
に伴うサイズアップ、コストアップを回避できるケース
がある。以下に、具体的な例を挙げて説明する。
【0090】先ず、この実施の形態3に係る結像レンズ
の全体的な構成を図12に示す。図示のように、レンズ
全体では、物体側から像側(図12において左側から右
側)に向かって順に、第1群、第2群、第3群、第4群
のレンズ群が配置されている。第1群を構成する第1レ
ンズ31は、物体側(図の左側)に凸面を向けた正メニ
スカスレンズである。第2群は、第2レンズ32と第3
レンズ33を貼り合わせた接合レンズで構成されてい
る。このうち、第2レンズ32は、物体側に凸面を向け
た正メニスカスレンズであり、第3レンズ33は、物体
側に凸面を向けた負メニスカスレンズである。
【0091】第3群は、第4レンズ34と第5レンズ3
5を貼り合わせた接合レンズで構成されている。このう
ち、第4レンズ34は物体側に凹面を向けた負メニスカ
スレンズであり、第5レンズ35は、物体側に凹面を向
けた正メニスカスレンズである。第4群を構成する第6
レンズ36は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレン
ズである。また、第3レンズ33(第2群)と第4レン
ズ34(第3群)との間には絞り37が配置され、この
絞り37を挟んで、第1,第2群が前段のレンズ群、第
3,第4群が後段のレンズ群を構成している。これによ
り、レンズ全体としては、4群6枚構成のガウスタイプ
レンズとなっている。
【0092】ここで、この実施の形態3で採用したレン
ズ(4群6枚構成のガウスタイプ)の具体的な特性値に
ついて述べる。先ず、riを第i面の曲率半径、diを
第i面と(i+1)面の間隔、niを第iレンズのd線
における屈折率、νiを第iレンズのd線におけるアッ
ベ数とすると、以下に示す数値条件を満足するレンズを
採用している。
【0093】 r1 32.40 d1 5.82 n1 1.658 ν1 50.9 r2 80.80 d2 0.15 r3 25.11 d3 5.55 n2 1.639 ν2 55.5 r4 70.70 d4 2.85 n3 1.648 ν3 33.8 r5 16.96 d5 21.77 r6 -16.27 d6 0.90 n4 1.603 ν4 38.0 r7 -220.00 d7 6.72 n5 1.639 ν5 55.5 r8 -22.87 d8 0.51 r9 -172.4 d9 4.92 n6 1.658 ν6 50.9 r10 -38.80
【0094】また、この結像レンズ9と組み合わせるサ
ジタルストッパー11としては、第6レンズ36の第1
0面上に、例えば副走査方向に9.6mmの開口部11
aを持つ矩形型のものを採用している。このサジタルス
トッパ−11は、原稿とラインセンサ12間のどこに配
置しても良いが、サジタルストッパ−11の開口幅は、
レンズ瞳に対する遮光の比から適宜再計算する必要があ
る。
【0095】ちなみに、ここで採用したサジタルストッ
パー11の形状とレンズ瞳に対する遮光状態は図6
(b)のようになる。ここで、どの程度光量が減るかに
ついては、瞳の中の光量分布が均一であると仮定して、
サジタルストッパー11で遮光される面積と瞳全体の面
積の比から求め、その求めた結果から、光学系全体とし
ての明るさをF4.5相当に確保している。例えば、レ
ンズのF値を4.0とするならば、サジタルストッパー
11の遮光による光量減少分がF0.5相当となるよう
に開口幅を設定することで、光学系全体の明るさをF
4.5相当とする。
【0096】次に、レンズ径について図13を用いて説
明する。図13において、光軸と被写体面の交点を原点
(0,0)とし、被写体像高をYob、レンズ第1面の曲
率半径をr、被写体とレンズ第1面の距離をZ1、被写
体からレンズに入射する最大光線高さでの、レンズ第1
面との交点座標をp(z2,h)、レンズ鏡筒の肉厚を
x、レンズ鏡筒がレンズ第1面よりも被写体側に突出
する長さをm、レンズ径をφとすると、z2=r−√
(r2 −h2 )+Z1tanθ=(Yob−h)/z2x
=φ/2−h−(z2−Z1+m)tanθで表される
ため、φ/2=x+h+(z2−Z1+m)tanθ=
x+Yob−(Z1−m)(Yob−h)/z2となる。
【0097】ここで、Yobはxに対して十分に大きく、
Z1もmに対して十分大きいので、x=m=0,Z1/
z2=kとすると、φ/2=Yob(1−k)+k・hと
なり、簡単な比の計算になる。このことから、φを小さ
くするためには、k→1で、かつh→0、つまりレンズ
第1面の曲率半径を大きくし、レンズ長を短くすればよ
いことになる。
【0098】この点を考慮すると、前群の焦点距離が長
い、即ち第1面の曲率を緩くしやすい4群以上の構成の
ガウスタイプレンズを用いてレンズの小径化を行うこと
が、本発明の効果をより一層高めることにつながる。そ
して、サジタルストッパー11との組み合わせで特性と
コストのバランスが最良のものとして、4群6枚構成の
ガウスタイプレンズが挙げられる。
【0099】通常、4群6枚構成のガウスタイプレンズ
は、絞りを挟んで両側に小さい曲率半径の凹面が存在
し、これによってペッツバール(Petzval) 和を補正(小
さく)している。ここで、ペッツバール(Petzval) 和と
は、共軸球面光学系で、像面のまがりを補正するための
必要条件を与えるパラメータの和をいい、この和の値が
0(ゼロ)に等しければ、像面のまがりを補正すること
が可能となるものである。そのため、これまでは大きな
画角でのサジタル方向の収差補正が困難とされ、高屈折
率の硝材を使用することで収差補正がしやすくなると言
われてきた。実際、レンズ自動設計において、レンズ素
材となる光学ガラスの屈折率範囲を高いところまで許容
し、変数として使用すると、特に第1、第5、第6レン
ズの屈折率は高い方に変化していく傾向にある。
【0100】しかしながら、この傾向は、レンズ単体で
主走査方向(メリジオナル方向)、副走査方向(サジタ
ル方向)の収差を同時に改善して、いわゆるエラーファ
ンクションを下げていくというレンズ自動設計のアルゴ
リズムに起因するもので、エリア画像を同時に読み込む
必要のあるカメラレンズに適した設計手法である。これ
に対して、カラー画像読取装置のようにラインセンサで
RGBの情報を別々にかつ1次元で読み取る構成のもの
に上記設計手段を適用しても、結像光学系の性能向上が
必ずしも実現されない。
【0101】即ち、ラインセンサを用いたカラー画像読
取装置では、白色光を結像させたときのエラーファンク
ションの低さ、あるいはMTFの高さよりはむしろ、同
強度のRGBの光を別々に結像させたときのMTFの均
一性や倍率色収差、そして各画角に対する均一性の方
が、後工程で色情報を合成する必要性から重要となる。
また、あまりナイキスト周波数でのMTFが高すぎる
と、モアレの要因にもなる。
【0102】そこで、この実施の形態3では、サジタル
ストッパー11を導入することにより、レンズ単体での
サジタルフレア補正の負担を軽減している。このサジタ
ルストッパー11は、ガウスタイプレンズの設計におい
て、その短所を補うと同時に、その長所を最大限に引き
出し得る最適な手段となる。
【0103】また一般的に、硝材の屈折率が高くなると
分散も大きくなるため、結像系の色補正を考慮すると、
第1、第2、第5、第6レンズには、それぞれd線にお
ける屈折率が1.603〜1.658、アッベ数が50
以上である光学ガラスを用いることが、この実施の形態
3に係る結像光学系において、色補正とMTF特性のバ
ランス、さらにはコスト的にも好適であると言える。つ
まり、この実施の形態3に係る結像光学系においては、
レンズの屈折率が最も高いものでも、1.658程度で
あり、アッベ数も50以上であるので、レンズを構成す
る光学ガラスのコストを下げることができる。
【0104】図14はこの実施の形態3に係る結像レン
ズとサジタルストッパーを組み合わせたときの各種収差
図を示すものである。
【0105】この図14(a)は球面収差を、図14
(b)は非点収差を、図14(c)は歪曲収差を、それ
ぞれ示しているが、これらの図から明らかように、各種
収差が大変小さな値に抑えられており、主走査方向及び
副走査方向ともに、倍率色収差や軸上色収差等が小さ
く、読取り画質が大幅に向上していることがわかる。
【0106】また、図15乃至図17に、上述した数値
構成のレンズ単体(サジタルストッパー無し)のR(レ
ッド),G(グリーン),B(ブルー)のMTF対周波
数特性シミュレーション結果を示す。なお、図15はR
のMTF対周波数特性、図16はGのMTF対周波数特
性、図17はBのMTF対周波数特性をそれぞれ示して
いる。また、各々の特性図において、のラインは光軸
上での主走査方向の特性カーブ、のラインは同副走査
方向の特性カーブ、のラインは画角−13.67°で
の主走査方向の特性カーブ、のラインは同副走査方向
の特性カーブ、のラインは画角−19.07°での主
走査方向の特性カーブ、のラインは同副走査方向の特
性カーブをそれぞれ示している。
【0107】図15乃至図17においては、特にR,B
のMTF対周波数特性で、原稿端近傍の画角(−19.
07°)における副走査方向のMTFが低くなっている
ことが分かる。この部分の特性を意図的に低く抑えるこ
とで、レンズ設計におけるパラメータの自由度を増大さ
せ、主走査方向のMTFと倍率色収差の特性向上に注力
している。ここで、本実施形態のCCDセンサは、長手
方向の一辺が9.33μmの画素を使用している。
【0108】次に、図18乃至図20に、上述した数値
構成のレンズとサジタルストッパーを組み合わせた状態
(サジタルストッパー有り)での、MTF対周波数特性
シミュレーション結果を示す。図から明らかなように、
先の図15乃至図17で見られた、レンズ単体での副走
査方向のMTFの低さは、サジタルストッパーによる解
像度の改善効果によって完全に補正されていることが分
かる。
【0109】次に、原稿面上での空間周波数7.87ラ
インペア/mmにおけるMTFの対画角特性を図21に
示す。なお、図21においては、画角の決定因子となる
物体高を横軸にとり、縦軸にMTFをとっている。図示
のように、B,G,Rの3色に関しては、物体高の変化
(画角の大小)にかかわらず、それぞれのMTFが非常
に良く揃っていることが分かる。この場合、反射光の副
走査方向における最高解像度と最低解像度との差、すな
わちΔMTFが20%以内に収まっている。これによ
り、読取解像度のムラが減少し、高画質化が達成でき
る。このΔMTFは、20%以内に収めれば十分な高画
質化が達成できる。
【0110】さらに、倍率色収差の対画角特性を図22
に示す。この図22では、本実施形態3に係るレンズの
対画角特性を実線で示し、従来レンズの対画角特性を破
線で示している。図示のように、従来レンズでは倍率色
収差が0.933μmを超えているが、本実施形態3に
係るレンズでは倍率色収差が0.933μm以内に収ま
っていることが分かる。すなわちこれは、G色の波長に
おける結像の重心と、他の読取色の波長における結像の
重心とのずれが画素の10%以下となるようレンズが設
計されていることを示している。これにより、CCDセ
ンサで読み取った画像データから無彩色判定を行うとき
のエラーが低減する。
【0111】以上のことから、本実施形態に係る特性の
レンズとサジタルストッパーとの組み合わせにより、倍
率色収差を1μm以内で、なおかつMTFの差(ΔMT
F)が少ない結像光学系が実現されたことになる。これ
により、CCDセンサ出力を用いた画像処理において、
黒文字判定スレッシュレベル(CIEL* * * 色空
間でのc* )を従来の2/3以下の値にし、色再現可能
範囲を広げて、なおかつ、黒文字誤判定の発生率を低減
することが可能となる。また、カラー複写機の読取光学
系に省エネタイプのキセノンランプを用いる場合でも、
メモリを使用することにより、ハロゲンランプを用いる
場合と同等のプロセススピードを維持することが可能と
なる。
【0112】また上記レンズ構成において、第1、第
2、第5、第6レンズに、それぞれd線における屈折率
が1.603〜1.658で、アッベ数が50以上の光
学ガラスを用いることにより、コストにも、取り扱い上
もきわめて有利になる。
【0113】さらに、第1、第6レンズの曲率半径(r
1,r10)を±30mm以上としてその曲率を緩く
し、これに伴う収差の悪化分をサジタルストッパーで改
善して光学系全体の結像性能を高めているため、特性の
向上とレンズ径の縮小を同時に実現することができる。
したがって、このレンズ径の縮小分と、レンズ単体での
F値を小さくする(F4.5→F4.0)ときのレンズ
径の拡大分との相殺により、実質的にサイズアップを回
避することができる。
【0114】これに加えて、第1、第2、第5、第6レ
ンズに、それぞれ同一の素材(硝材)の光学ガラスを用
いることにより、硝材の共通化によるコストダウンも期
待できる。
【0115】その他の構成及び作用は、前記実施の形態
1と同様であるので、その説明を省略する。
【0116】このように、上記実施の形態1乃至3によ
れば、カラー原稿読取光学系において、F4.5相当の
明るさを確保し、倍率色収差を補正し、各色での画素ず
れを10%(0.93μm)以内に抑え、また、それに
加えて、サジタルストッパー導入とそれにあったパラメ
ータ設計を行うことにより、原稿面上で7.81lp/
mm周波数でのΔMTFを20%以内に抑えることがで
きた。
【0117】これにより、CCDセンサ後段の画像処理
における、黒文字判定スレッシュレベル(CIEL*
* * 色空間でのc* )を従来の2/3以下の値にし、
色再現可能領域を広げて、なおかつ、黒文字誤判定が発
生しなくなった。
【0118】また、カラー複写機の読取光学系にキセノ
ンランプを用いてもメモリを使用すれば、プロセススピ
ードを従来と同じレベルにすることが可能になる。
【0119】さらに、収差の改善作用をレンズ、サジタ
ルストッパーに分散させることにより、結像光学系全体
としての設計が楽になる。このため、使用できる硝材の
選択幅も広がり、有害物質として削減の対称となってい
る鉛・砒素を含有せず、かつ低コストで扱いやすい硝材
を使用することが可能になるとともに、新規光学系の設
計に要する工数も削減することができた。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、サジタルストッパーを用いることによる組み立て工
数の増加やコスト増加を回避することができ、しかも、
読取り画質を更に改善することを可能とした原稿読取装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る原稿読
取装置を示す概略構成図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る原稿読
取装置の光学系を示す展開説明図である。
【図3】 図3はこの発明の実施の形態1に係る原稿読
取装置の結像光学系を示す斜視説明図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態1に係る原稿読
取装置の結像光学系の要部を示す斜視説明図である。
【図5】 図5は結像レンズとサジタルストッパーとの
関係を示す正面図である。
【図6】 図6はこの発明の実施の形態1に係る原稿読
取装置の結像光学系を示す斜視説明図である。
【図7】 図7は従来の結像レンズとサジタルストッパ
ーとの関係を示す正面図である。
【図8】 図8(a)(b)は結像レンズとサジタルス
トッパーとの関係を示す平面図及び側面図である。
【図9】 図9(a)(b)はサジタルストッパーを用
いない場合と、サジタルストッパーを用いた場合におけ
る空間周波数とMTFとの関係をそれぞれ示すグラフで
ある。
【図10】 図10(a)(b)はこの発明の実施の形
態2に係る原稿読取装置における結像レンズとサジタル
ストッパーとの関係を示す平面図及び側面図である。
【図11】 図11(a)(b)はこの発明の実施の形
態2に係る原稿読取装置におけるレンズ保持部材を示す
平面図及び側面図である。
【図12】 図12はこの発明の実施の形態3に係る原
稿読取装置における結像レンズを示す断面構成図であ
る。
【図13】 図13は結像レンズの口径を示す説明図で
ある。
【図14】 図14はこの発明の実施の形態3に係る原
稿読取装置の光学系の諸収差を示すグラフである。
【図15】 図15はレンズ単体でのR(レッド)のM
TF対周波数特性を示す図である。
【図16】 図16はレンズ単体でのG(グリーン)の
MTF対周波数特性を示す図である。
【図17】 図17はレンズ単体でのB(ブルー)のM
TF対周波数特性を示す図である。
【図18】 図18はレンズとサジタルストッパーを組
み合わせた状態での、R(レッド)のMTF対周波数特
性を示す図である。
【図19】 図19はレンズとサジタルストッパーを組
み合わせた状態での、G(グリーン)のMTF対周波数
特性を示す図である。
【図20】 図20はレンズとサジタルストッパーを組
み合わせた状態での、B(ブルー)のMTF対周波数特
性を示す図である。
【図21】 図21は原稿面上の周波数が7.87ライ
ンペア/mmにおける、MTFの対画角特性を示す図で
ある。
【図22】 図22は倍率色収差の対画角特性を示す図
である。
【図23】 図23は従来の原稿読取装置を示す概略構
成図である。
【図24】 図24は従来の原稿読取装置の光学系を示
す展開説明図である。
【図25】 図25は軸上色収差を示す説明図である。
【図26】 図26は軸上色収差を示す説明図である。
【図27】 図27は倍率色収差を示す説明図である。
【符号の説明】
1:原稿読取装置本体、2:プラテンガラス、3:プラ
テンカバー、4:ランプ(照射手段)、5:リフレク
タ、6:フルレートミラー、7、8:ハーフレートミラ
ー、9:結像レンズ、10:レンズ保持部材、11:サ
ジタルストッパー(遮光部材)、12:CCDイメージ
センサ(光電変換手段)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿に光を照射する照射手段と、 前記原稿からの反射光像を結像させる部材であって、原
    稿端近傍の画角における原稿読取波長域の副走査方向の
    解像度が、前記原稿端近傍より内側の画角で原稿読取波
    長域のうち最低値を示す解像度よりも低い解像度特性を
    有するように設計された結像レンズと、 前記原稿端近傍からの反射光像における副走査方向の瞳
    径が小さくなるように前記反射光像の一部を遮光する遮
    光手段と、 前記遮光手段で一部が遮光されかつ前記レンズで結像さ
    れた光を電気信号に変換する光電変換手段とを備えた原
    稿読取装置において、 前記遮光手段は、前記結像レンズの外部に配置され、か
    つ前記結像レンズと一定の距離を保ったまま移動可能と
    なるように構成したことを特徴とする原稿読取装置。
  2. 【請求項2】 原稿に光を照射する照射手段と、 前記原稿からの反射光像を結像させる部材であって、原
    稿端近傍の画角における原稿読取波長域の副走査方向の
    解像度が、前記原稿端近傍より内側の画角で原稿読取波
    長域のうち最低値を示す解像度よりも低い解像度特性を
    有するように設計された結像レンズと、 前記原稿端近傍からの反射光像における副走査方向の瞳
    径が小さくなるように前記反射光像の一部を遮光する遮
    光部材と、 前記遮光手段で一部が遮光されかつ前記レンズで結像さ
    れた光を電気信号に変換する光電変換手段とを備えた原
    稿読取装置において、 前記結像レンズを保持する保持部材を備え、前記遮光部
    材は、当該保持部材と一体的に構成されたことを特徴と
    する原稿読取装置。
  3. 【請求項3】 前記遮光部材は、結像レンズの射出側の
    外部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の原稿読取装置。
  4. 【請求項4】 前記遮光部材と結像レンズとの距離は、
    可能な限り短く設定されていることを特徴とする請求項
    1又は請求項3記載の原稿読取装置。
  5. 【請求項5】 前記結像レンズは、光軸に対して回転対
    称系を構成することを特徴とする請求項1乃至請求項4
    のいずれかに記載の原稿読取装置。
  6. 【請求項6】 原稿に光を照射する照射手段と、 前記原稿からの反射光像を結像させる部材であって、原
    稿端近傍の画角における原稿読取波長域の副走査方向の
    解像度が、前記原稿端近傍より内側の画角で原稿読取波
    長域のうち最低値を示す解像度よりも低い解像度特性を
    有するように設計された結像レンズと、 前記原稿端近傍からの反射光像における副走査方向の瞳
    径が小さくなるように前記反射光像の一部を遮光する遮
    光部材と、 前記遮光手段で一部が遮光されかつ前記レンズで結像さ
    れた光を電気信号に変換する光電変換手段とを備えた原
    稿読取装置において、 前記結像レンズは、4群以上のレンズを組合せたガウス
    タイプのレンズからなり、d線における屈折率及び分散
    が、以下の3種類の特性を有する材料を含むことを特徴
    とする原稿読取装置。 1.屈折率 1.658 分散 50.9 2.屈折率 1.639 分散 55.5 3.屈折率 1.648 分散 33.8
  7. 【請求項7】 前記結像レンズは、4群6枚のレンズを
    組合せたガウスタイプのレンズからなり、物体側から順
    にレンズに番号を付した場合に、第1の特性である屈折
    率 1.658 分散 50.9なる特性を有するレンズを、第
    1レンズ及び第6レンズとし、第2の特性である屈折率
    1.639 分散 55.5なる特性を有するレンズを、第2
    レンズ及び第5レンズとし、第3の特性である屈折率1.
    648分散 33.8なる特性を有するレンズを、第3レンズ
    として用いたことを特徴とする請求項6記載の原稿読取
    装置。
  8. 【請求項8】 前記結像レンズは、riを第i面の曲率
    半径、diを第i面と(i+1)面の間隔、niを第i
    レンズのd線における屈折率、νiを第iレンズのd線
    におけるアッベ数として、 r1 32.40 d1 5.82 n1 1.658 ν1 50.9 r2 80.80 d2 0.15 r3 25.11 d3 5.55 n2 1.639 ν2 55.5 r4 70.70 d4 2.85 n3 1.648 ν3 33.8 r5 16.96 d5 21.77 r6 -16.27 d6 0.90 n4 1.603 ν4 38.0 r7 -220.00 d7 6.72 n5 1.639 ν5 55.5 r8 -22.87 d8 0.51 r9 -172.4 d9 4.92 n6 1.658 ν6 50.9 r10 -38.80 を満足することを特徴とする請求項6又は7記載の原稿
    読取装置。
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