JP2002236111A - 液体ポンプの気泡検出方法及びその装置 - Google Patents

液体ポンプの気泡検出方法及びその装置

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JP2002236111A JP2001033112A JP2001033112A JP2002236111A JP 2002236111 A JP2002236111 A JP 2002236111A JP 2001033112 A JP2001033112 A JP 2001033112A JP 2001033112 A JP2001033112 A JP 2001033112A JP 2002236111 A JP2002236111 A JP 2002236111A
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bubbles
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Masahiro Nishikawa
雅弘 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体ポンプ系の外部に配設して液体中の気泡
を検出でき、気泡発生と機械振動とを区別でき、種々の
ポンプに対応できる液体ポンプの気泡検出方法及び気泡
検出装置を開発する。 【解決手段】 本発明に係る液体ポンプの気泡検出方法
は、吸込管4から吸込んだ液体Lを吐出管6に送出し、
しかもこの液体Lを使用して回転体と主軸の間を液体潤
滑する液体ポンプ2において、吐出管6に吐出された液
体中に超音波を発信し、この液体を通過してきた超音波
を受信し、超音波の受信強度の減衰により液体中の気泡
発生を検出することを特徴とする。また、この気泡検出
方法により液体中に気泡Bが発生したことを検出し、こ
の気泡検出により液体ポンプに異常が発生したことを報
知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体を輸送する液体
ポンプの気泡検出方法に関し、更に詳細には、輸送され
る液体を利用して主軸と内部回転体との液体潤滑を行な
う液体ポンプにおいて、超音波により気泡を検出して液
体潤滑部の異常を検出し、液体ポンプの異常発生を報知
する液体ポンプの気泡検出方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液体を配管系に輸送する場合に
は液体ポンプで圧送する方式が採られている。その中で
も、塩素水、無機酸、アルカリ溶液、塩類水溶液、有機
溶媒などの一部危険な液体を輸送する液体ポンプでは、
液漏れを完全遮断するために、圧送用回転体をポンプ本
体内に密封し、回転体を非接触で外部動力によって回転
させるポンプ方式が採用されている。
【0003】このような液体ポンプの典型例はマグネッ
トポンプである。マグネットポンプの一例は、主軸がケ
ーシングの内部に固定配置され、この主軸の外周に圧送
用のインペラを有した回転体が回転自在に軸受けされて
いる。この回転体にインナーマグネットが固定され、ケ
ーシングの外側に駆動回転されるアウターマグネットを
配置して構成される。
【0004】このマグネットポンプの作動は次のようで
ある。アウターマグネットとインナーマグネットの間に
は磁気引力又は磁気斥力が作用するように磁気極性を調
整しておく。アウターマグネットを電動回転させると、
磁気力によってインナーマグネットが従動回転し、その
結果回転体とインペラがケーシング内で回転する。イン
ペラ-の回転によって液体が吐出管へと送出される。
【0005】液体は吐出管側に送出されるだけでなく、
回転体の裏側へも一部逆流し、回転体と主軸の間の微小
間隙に薄流となって流れ、再びインペラ側へと帰還す
る。回転体と主軸の間に流れる輸送液体の薄流は、この
軸受部分に自己循環型の液体潤滑作用を生じ、主軸上で
の回転体の円滑な回転とマグネットポンプの定常運転を
保証する。
【0006】液体ポンプの代表的な損傷は液体中に気泡
が発生することによって生起される。この気泡は、外部
からの空気の侵入、キャビテーション、液体の分解など
によって発生する。気泡が発生すると、気泡の多くは吐
出管へと流出するが、気泡の一部は回転体と主軸の間に
流れる薄流に紛れ込む。回転体と主軸の間隙は極めて小
さいから、気泡によって間隙が封鎖されることがよくあ
る。
【0007】気泡による間隙の封鎖は、主軸と回転体の
間が半乾燥潤滑状態又は固体潤滑状態になることを意味
する。その結果、この軸受部分に急激な摩擦発熱が生
じ、薄流による熱伝導が機能しないため発熱損傷が発生
し、この損傷は軸受寿命を短縮化させると同時に、結果
的にポンプ全体の破損を生起させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この損傷を検出するた
めに、従来から吐出圧力を検出したり、ポンプ内の液体
温度を検出したり、回転駆動用の電動機所要電流を検知
したり、液体ポンプの振動を検出する方法が採られてき
た。
【0009】液体の圧力や温度を検出する方法は、セン
サーを液体中に浸漬しなければならないから、防食設計
や液密設計が必要になる。特に、反応性の高い液体では
センサーを液体から保護することが困難になり、また液
体の漏出という最悪の事態がすることもあった。
【0010】電動機所要電流の変化から異常発生を検出
する方法は汎用性の高い方法である。しかし、実際には
気泡発生に対して所要電流の顕著な変化は確認できず、
実用的ではない。振動検出方式は最も開発が進められて
いる方式である。この方式は、気泡が侵入すると通常と
は異なる振動が発生する特性を利用し、ポンプの筐体に
取り付けられた振動センサーで特殊振動を検出するもの
である。しかし、通常の機械振動と異常振動を区別する
ことは難しく、周囲環境によっても振動が異なるため、
汎用化することは当面期待できない。
【0011】つまり、液体ポンプの異常検出に要求され
る性能は、異常と正常を区別できること、種々の液
体ポンプに同一のセンサーで対応できること、液体に
接触することなく容易に取り付けられること、耐久性
が高くメンテナンスが容易であること、等である。
【0012】従って、本発明に係る液体ポンプの異常検
出方法及びその装置は、液体を通過する超音波が気泡に
より減衰する性質を利用して、前述した4種の性能を満
足させながら、超音波の受信強度の変化から気泡発生を
検出することを目的とする。
【0013】即ち、使用する周波数帯は機械振動よりも
高い領域であるから、異常振動と超音波を区別できる。
配管外部に超音波送受信器を取り付ければよいから、種
々のポンプに対応でき、液体と非接触である。しかも、
外部設置であるから耐久性があり、取り付けが簡単で且
つメンテナンスが容易である。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、吸込
管から吸込んだ液体を吐出管に送出し、しかもこの液体
を使用して回転体と主軸の間を液体潤滑する液体ポンプ
において、吐出管に吐出された液体中に超音波を発信
し、この液体を通過してきた超音波を受信し、超音波の
受信強度の減衰により液体中の気泡発生を検出すること
を特徴とする液体ポンプの気泡検出方法である。
【0015】請求項2の発明は、請求項1に記載の気泡
検出方法により液体中に気泡が発生したことを検出し、
この気泡検出により液体ポンプに異常が発生したことを
報知する液体ポンプの異常検出方法である。
【0016】請求項3の発明は、吸込管から吸込んだ液
体を吐出管に送出し、しかもこの液体を使用して回転体
と主軸の間を液体潤滑する液体ポンプにおいて、液体ポ
ンプの吐出口近傍又は吐出管に配設される超音波発信器
及び超音波受信器と、超音波発信器から発射されて液体
中を通過してきた超音波を超音波受信器で受信して受信
強度を検出する検出制御回路から構成され、受信強度が
減衰したときに液体中の気泡発生を検出することを特徴
とする液体ポンプの気泡検出装置である。
【0017】請求項4の発明は、前記超音波発信器と超
音波受信器を流動する液体を挟んで対向配置する請求項
3に記載の液体ポンプの気泡検出装置である。
【0018】請求項5の発明は、前記超音波発信器と超
音波受信器を流動する液体に対し同じ側に配置する請求
項3に記載の液体ポンプの気泡検出装置。
【0019】請求項6の発明は、請求項3、4又は5に
記載の気泡検出装置において、気泡検出を通して液体ポ
ンプの異常発生を報知するアラーム回路を前記検出制御
回路に組み込んだことを特徴とする液体ポンプの異常検
出装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る液体ポンプ
の異常検出方法及びその装置の実施形態を添付する図面
に従って詳細に説明する。
【0021】図1は本発明に係る液体ポンプの異常検出
装置を取り付けたポンプ系の構成図である。液体ポンプ
2は吸込管4と吐出管6の間に介装され、液体Lを矢印
a方向から吸込み、矢印b方向に送出している。吐出管
6には液体ポンプ異常検出装置8が取り付けられてい
る。
【0022】この異常検出装置8は、吐出管6にアダプ
ター10を取り付け、このアダプター10に超音波発信
器12と超音波受信器14を対向配置して構成されてい
る。また、超音波発信器12と超音波受信器14を一体
化した超音波発受信器をアダプター10に取り付けても
よい。この場合には、超音波発信器と超音波受信器が液
体流に対し同じ側に配置されたことになる。超音波信号
は検出制御回路Cにより発信受信制御される。
【0023】次に、液体ポンプ系に気泡Bが発生する場
合を説明する。液体ポンプ2の始動時には空気が供給口
から液体中に混入しやすく、空気の気泡Bが液体Lと共
に吸込管4から液体ポンプ2に吸込まれてゆく。この気
泡Bは一時的なもので、液体ポンプ2の異常によるもの
ではないから、吐出管6から圧送される流れが定常流に
なると自然に無くなり、軸受に対する害悪作用は比較的
少ない。
【0024】問題となる気泡は、供給口や吸込管4の異
常による継続的な気泡発生や、液体ポンプ2の内部で継
続的に発生する気泡である。このような気泡は前述した
回転体と主軸の間の微小間隙部(軸受部)に継続的に吸
込まれ、そこに滞留して軸受部を流れる薄流を遮断する
確率が急激に高くなる。液体ポンプ2の内部における気
泡発生原因には、キャビテーションや液体の自己分解に
よる気泡発生が考えられる。
【0025】気泡が主軸と回転体の間にある軸受部に滞
留し、軸受部を流れる薄流を遮断すると、軸受部の液体
潤滑が壊れ、半固体潤滑や固体潤滑となって摩擦発熱に
より過加熱状態となる。この過加熱状態は定温で輸送す
べき液体を過剰に加熱したり、液体ポンプの故障を誘発
し、液体ポンプを損傷させることが多い。
【0026】図2は超音波発受信器の対向配置における
超音波の減衰原因の説明図である。容器16の底に発泡
板18を配置し、液体Lの中に気泡Bを発生させる。こ
の気泡Bに対し超音波発信器12から超音波20を発射
する。超音波20は気泡Bにより散乱22及び反射24
を起こして減衰し、残余の超音波が透過する。この透過
超音波26は超音波受信器14により検出される。
【0027】超音波発信器12と超音波受信器14の対
向距離をDとし、液体の超音波速度をVとすると、発射
後に透過超音波26が受信される時間tはt=D/Vで
与えられる。従って、超音波受信器14の信号を検出制
御回路Cで検出すると、t=D/Vの時刻から透過超音
波26の受信が始まる。この受信超音波を計測すると、
発泡時の受信強度は無発泡時の受信強度より相当程度減
衰しているはずである。この受信強度の減衰を計測し
て、気泡Bを検出することになる。
【0028】図3は液体ポンプの拡大概略断面図であ
る。液体ポンプ2は閉鎖板44で一体化されたフロント
ケーシング30とリアーケーシング46の中に構成され
ている。吸込口34を有する吸込受フランジ32は吸込
管フランジ4aと連結されて吸込管4に接続される。吐
出口38を有する吐出受フランジ36は吐出管フランジ
6aと連結されて吐出管6に接続される。
【0029】フロントケーシング30の中には、支持板
40、40によりフロントブラケット42が支持されて
おり、リアーケーシング46にはリアーブラケット48
が形成されている。主軸50はフロントブラケット42
とリアーブラケット48により両端を支持されている。
この主軸50は主軸頭部50、主軸中間部50b及び主
軸本体50aから構成され、両ブラケット42、48間
に固定状態に配置される。
【0030】主軸50の外周には前述した回転体を構成
するマグネットライニング54が回転自在に嵌合され、
このマグネットライニング54には圧送用のインペラ5
2が一体に構成されている。マグネットライニング54
の中にはインナーマグネット56が固定され、またその
内周部62にはフロントベアリング64が内嵌されてい
る。つまり、フロントベアリング64が主軸本体50a
の外周に外嵌されて構成される。
【0031】フロントベアリング64と主軸本体50a
の間には微小間隙部63が形成され、この微小間隙部6
3に輸送液体の薄流が流れて液体潤滑され、フロントベ
アリング64が主軸本体50aの外周を円滑に継続回転
できる。
【0032】リアーケーシング46の外周にはアウター
マグネット58が配置され、駆動回転機構60によって
駆動回転されるように構成されている。このアウターマ
グネット58と前記インナーマグネット56とは対向
し、両マグネット56、58は反対極性に設定される。
従って、両者には磁気引力が作用する。磁気引力により
インナーマグネット56はアウターマグネット58と同
方向に回転するように構成されている。
【0033】次に、この液体ポンプ2の作動について説
明する。駆動回転機構60によりアウターマグネット5
8を矢印c方向に回転させると、インナーマグネット5
6を有するマグネットライニング54がインペラ52と
共に矢印d方向に磁気引力により回転する。
【0034】インペラ52の回転によって液体は矢印a
方向から矢印e方向に吸引され、インペラ52から矢印
f方向に送出された液体は吐出管6を矢印b方向に圧送
されてゆく。しかし、液体の一部はインペラ52から矢
印j方向にも流出し、矢印k方向にフィードバックされ
る。
【0035】特に、矢印g方向に流出した液体はマグネ
ットライニング54の後方を迂回し、微小間隙部63を
矢印h方向に流動した後、矢印i方向にインペラ52へ
とフィードバックされる。矢印h方向の流れは前述した
軸受部の薄流である。この薄流が適切に流れていると、
微小間隙部63は適正に液体潤滑され、マグネットライ
ニング54は主軸本体50aの外周を異常発熱すること
なく安定に回転を続けることができる。
【0036】ところが気泡Bが矢印g方向に流れ込むと
種々の問題が生じる。前述したように、気泡Bは吸込管
4から導入される場合もあるが、液体ポンプの中でもキ
ャビテーションや液体の分解反応によって気泡Bが発生
する。この気泡Bはフィードバック流に乗り、矢印g方
向から流入し、微小間隙部63を流通する。
【0037】気泡Bは狭い管路を封鎖する性質を有す
る。この気泡Bが微小間隙部63に滞留して薄流を遮断
すると、微小間隙部63の液体潤滑が破れ、固体潤滑又
は半固体潤滑の状態が出現する。微小間隙部63では急
激に摩擦熱が発生し、しかもこの発生熱は局部的に作用
するからその部分を融解破断して液体ポンプ2を損傷・
破壊に到らしめる。
【0038】このような損傷を未然に防止するために、
吐出管6に気泡検出装置8を取り付け、透過超音波の受
信強度の減衰により気泡発生を検出し、アラームを発生
して、液体ポンプの異常を報知するものである。
【0039】図4は超音波発信器と超音波受信器を一体
化した超音波発受信器による気泡検出の説明図である。
容器16の一端には超音波発受信器13が配置されてい
る。超音波発受信器13は超音波発信器12と超音波受
信器14を一体化したセンサーで、超音波を発信すると
同時に超音波を受信することができる。使用する超音波
の振動数は1MHzであるが、この振動数は自在に設定
することができる。
【0040】この超音波発受信器13を用いると、超音
波発信器12と超音波受信器14は液体流に対して同じ
側に配置されることになる。超音波発信器12により発
射された超音波は容器の直径距離Dを往復して超音波受
信器14により受信される。この場合には、超音波は往
復の過程で気泡Bにより減衰を受けるから、図2の片道
受信強度より減衰が大きく、気泡検出の精度は高くな
る。
【0041】図5は気泡がある場合と無い場合の受信強
度の比較図である。容器の直径距離Dは30.7cm、
超音波速度Vは1500m/sであるから、受信時間t
はt=2D/V=2×0.307/1500=410
(μs)で与えられる。従って、超音波発射から410
μs後の受信強度を比較して気泡を存否を検出する。
【0042】(a)は気泡が無い場合の受信強度を示
し、Vp-p=0.3〜0.4(V)とかなり大きいこと
が分かる。他方、(b)は気泡がある場合の受信強度を
示し、Vp-p=0.2〜0.1(V)とかなり小さくな
る。気泡が存在すると、受信強度は1/2に減衰するこ
とが分かる。この減衰によって気泡の発生を検出し、液
体ポンプ2に異常が発生したことを報知する。
【0043】図6は反射超音波を利用した気泡検出の説
明図である。発泡器18は容器16の中央に設置されて
いるから、気泡までの距離dはd=D/2で与えられ
る。従って、d=15cmであるから、受信時間tはt
=2d/Vで与えられ、計算すると、t=400(μ
s)となる。超音波振動数は1MHzである。
【0044】図7は気泡がある場合と無い場合の反射超
音波による受信強度の比較図である。(a)は気泡が無
い場合を示し、(b)は気泡がある場合を示している。
受信強度の単位はmVであり、図4の透過超音波と比較
すると、受信強度が全体に小さくなる傾向にある。図7
で判断する限り、(a)と(b)の受信強度にそれほど
目立った差異は見られない。
【0045】図8は気泡がある場合と気泡が無い場合の
差信号の検出波形図である。差信号であるため信号強度
は更に小さくなるが、気泡による反射波がmV単位で明
らかに検出されていることが分かる。従って、反射超音
波を利用しても、透過超音波と同様に気泡を検出するこ
とが可能になる。
【0046】図9は超音波の受信強度に与える機械振動
の影響を調べる装置図である。超音波発信器12と超音
波受信器14を容器16に対向配置する。容器16の底
板下面には振動板70が配設されている。超音波受信器
14は透過超音波と共に振動板による機械振動波を受信
する。超音波振動数fは1MHzである。
【0047】図10は振動板の振動数が数十kHz以下
のときの検出波形図である。超音波の片道透過波を検出
する構成であるから、受信時間tはt=D/Vで与えら
れ、t=205(μs)になる。約200μsを越えた
領域に受信波形が観察されるが、この波形は超音波の受
信波形である。振動板70による機械振動波は観察され
ないから、機械振動の周波数が数十kHz以下では、機
械振動は気泡検出に全く影響を与えないことが分かる。
【0048】図11は振動板の振動数が800kHzの
ときの検出波形図である。振動板の振動数が800kH
zであるから、1MHzの超音波振動数にかなり接近し
ている。その結果、全時間領域を通してノイズが観察さ
れ、特に200μs以下でノイズ波形が明確に理解でき
る。しかい、このノイズ波形は超音波の受信波形に影響
を与えるには到っていない。
【0049】前述したように、従来でも液体ポンプの筐
体に振動センサーを取り付けて振動異常を検出する方法
が存在していた。この従来方法では気泡振動と環境機械
振動を区別することができなかった。しかし、本発明方
法は高振動数の超音波を使用しているため、環境に起因
する機械振動と超音波振動とを明確に分離することに成
功している。
【0050】環境に起因する機械振動の振動数も広範囲
に分布するのが実情である。機械振動数が超音波振動数
にかなり接近したときには、超音波の受信強度に相当の
影響を与える。このような場合には、本発明では超音波
の振動数を変更することによって対応できる。超音波の
振動数は自在に設定することができるから、環境振動数
に応じた超音波振動数の帯域を使用して気泡検出を確実
に行うことができる。
【0051】図12は検出制御回路のフローチャートの
一例である。ステップn1で超音波信号Vを受信する。
この受信信号Vがゼロであればn1に戻り、Vが正であ
れば信号があったものと判断してn3に進む(n2)。
信号Vに限界強度V0を設定し、ΔV=V−V0を計算す
る。この限界強度V0より大きければ気泡はなく、限界
強度以下であれば気泡があるものとする。ΔVがゼロ以
上であれば気泡がなかったものと判断しn1に帰還する
(n4)。ΔVが負であれば気泡があると判断し、アラ
ームを報知し(n5)、液体ポンプを停止させる(n
6)。
【0052】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種
々の変形例、設計変更等をその技術的範囲内に包含する
ものであることは云うまでも無い。
【0053】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、超音波の受信
強度の減衰から気泡を確実に検出することができる。し
かも超音波振動数を適切に設定することにより、異常振
動と気泡発生とを明確に区別できる。
【0054】請求項2の発明によれば、気泡を検出する
ことにより液体ポンプに異常が発生したことを報知でき
る。気泡の発生は液体ポンプの液体潤滑を破壊するか
ら、気泡発生を検出して液体ポンプの損傷を未然に防止
し、液体ポンプの長寿命化を達成できる。
【0055】請求項3の発明によれば、液体ポンプや吐
出管の外部に超音波発受信器を配設するだけで気泡を検
出できるから、種々の液体ポンプに同一のセンサーで対
応でき、しかも液体に接触させることなく容易に取り付
けることができる。その結果、気泡検出装置の耐久性が
高く、メンテナンスも容易にできる。
【0056】請求項4の発明によれば、超音波発信器と
超音波受信器を対向配置して気泡検出装置を構成するか
ら、超音波受信器には反射波や散乱波などの雑信号が入
りにくく、気泡の検出を高精度に行うことができる。
【0057】請求項5の発明によれば、超音波発信器と
超音波受信器を一体化した超音波発受信器を使用するか
ら、装置の構成が簡単になり、液体ポンプ配管系への取
付や取り外し、並びにメンテナンスが容易になる。
【0058】請求項6の発明によれば、アラーム回路を
検出制御回路に組み込んだから、気泡を検出すると、液
体ポンプに異常が発生したこと、又は異常が発生する可
能性が高いことを報知でき、液体ポンプのメンテナンス
を容易にして液体ポンプの長寿命化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体ポンプの異常検出装置を取り
付けたポンプ系の構成図である。
【図2】超音波発受信器の対向配置における超音波の減
衰原因の説明図である。
【図3】液体ポンプの拡大概略断面図である。
【図4】超音波発信器と超音波受信器を一体化した超音
波発受信器による気泡検出の説明図である。
【図5】気泡がある場合と無い場合の受信強度の比較図
である。
【図6】反射超音波を利用した気泡検出の説明図であ
る。
【図7】気泡がある場合と無い場合の反射超音波による
受信強度の比較図である。
【図8】気泡がある場合と気泡が無い場合の差信号の検
出波形図である。
【図9】超音波の受信強度に与える機械振動の影響を調
べる装置図である。
【図10】振動板の振動数が数十kHz以下のときの検
出波形図である。
【図11】振動板の振動数が800kHzのときの検出
波形図である。
【図12】検出制御回路のフローチャートの一例であ
る。
【符号の説明】
2は液体ポンプ、4は吸込管、4aは吸込管フランジ、
6は吐出管、6aは吐出管フランジ、8は異常検出装
置、10はアダプター、12は超音波発信器、13は超
音波発受信器、14は超音波受信器、16は容器、18
は発泡板、20は超音波、22は散乱超音波、24は反
射超音波、26は透過超音波、30はフロントケーシン
グ、32は吸込受フランジ、34は吸込口、36は吐出
受フランジ、38は吐出口、40は支持板、42はフロ
ントブラケット、44は閉鎖板、46はリアーケーシン
グ、48はリアーブラケット、50は主軸、50aは主
軸本体、50bは主軸中間部、50cは主軸頭部、52
はインペラ、54はマグネットライニング、56はイン
ナーマグネット、58はアウターマグネット、60は回
転駆動機構、62は内周部、63は微小間隙部、64は
フロントベアリング、66はリアベアリング、68はリ
アスラスト、70は振動板、Bは気泡、Dは距離、Lは
液体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G047 AA03 AC08 BA01 BA02 BC03 EA08 EA21 GG28 GH05 3H020 AA01 BA22 CA00 DA02 EA01 3H022 AA01 BA06 BA07 CA16 CA46 CA50 DA09 DA18 3H045 AA06 AA08 AA12 AA22 BA43 CA23 EA12 EA26 3H071 AA01 BB03 CC44 DD31 DD84

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸込管から吸込んだ液体を吐出管に送出
    し、しかもこの液体を使用して回転体と主軸の間を液体
    潤滑する液体ポンプにおいて、吐出管に吐出された液体
    中に超音波を発信し、この液体を通過してきた超音波を
    受信し、超音波の受信強度の減衰により液体中の気泡発
    生を検出することを特徴とする液体ポンプの気泡検出方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の気泡検出方法により液
    体中に気泡が発生したことを検出し、この気泡検出によ
    り液体ポンプに異常が発生したことを報知する液体ポン
    プの異常検出方法。
  3. 【請求項3】 吸込管から吸込んだ液体を吐出管に送出
    し、しかもこの液体を使用して回転体と主軸の間を液体
    潤滑する液体ポンプにおいて、液体ポンプの吐出口近傍
    又は吐出管に配設される超音波発信器及び超音波受信器
    と、超音波発信器から発射されて液体中を通過してきた
    超音波を超音波受信器で受信して受信強度を検出する検
    出制御回路から構成され、受信強度が減衰したときに液
    体中の気泡発生を検出することを特徴とする液体ポンプ
    の気泡検出装置。
  4. 【請求項4】 前記超音波発信器と超音波受信器を流動
    する液体を挟んで対向配置する請求項3に記載の液体ポ
    ンプの気泡検出装置。
  5. 【請求項5】 前記超音波発信器と超音波受信器を流動
    する液体に対し同じ側に配置する請求項3に記載の液体
    ポンプの気泡検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項3、4又は5に記載の気泡検出装
    置において、気泡検出を通して液体ポンプの異常発生を
    報知するアラーム回路を前記検出制御回路に組み込んだ
    ことを特徴とする液体ポンプの異常検出装置。
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