JP2002235603A - エンジンのシール構造 - Google Patents

エンジンのシール構造

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JP2002235603A
JP2002235603A JP2001029850A JP2001029850A JP2002235603A JP 2002235603 A JP2002235603 A JP 2002235603A JP 2001029850 A JP2001029850 A JP 2001029850A JP 2001029850 A JP2001029850 A JP 2001029850A JP 2002235603 A JP2002235603 A JP 2002235603A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダライナの形状変化についてもこれを好
適に抑制しつつ、シリンダブロックとシリンダヘッドと
の間をガスケットによりシールすることのできるエンジ
ンのシール構造を提供する。 【解決手段】このシール構造では、ガスケット1を介し
てシリンダヘッド3がシリンダブロック2に締結固定さ
れ、シリンダブロック2とシリンダヘッド3との間がシ
ールされる。シリンダブロック2には、シリンダライナ
21がその上面21bをシリンダブロック2に覆われる
ように鋳込まれる。ガスケット1には、ガスケット本体
11とシリンダブロック2との間に位置するようにシム
13が設けられる。シム13は、その荷重中心が、シリ
ンダライナ21の厚さ方向の中心よりもシリンダボア2
2寄りになるように配設される。シリンダライナ21
は、その上面21bと外周面との角部21aが直角に形
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダライナを
備えるシリンダブロックとシリンダヘッドとの間をガス
ケットによりシールするエンジンのシール構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のエンジンのシール構造で
は通常、図5に示すようなガスケット7が用いられる。
すなわち、シリンダボア22に対応するボア孔72が形
成された金属製のガスケット本体71と、同ガスケット
本体71においてボア孔72の外周に配設された環状の
耐熱性シム73とを備えたガスケット7が用いられる。
【0003】そして、図6に、図5のA−A線に沿った
断面構造を同図5では割愛したシリンダヘッドとともに
一部拡大して示すように、上記シム73がシリンダボア
22の周縁に位置するようにして且つ、ガスケット本体
71がシリンダブロック2及びシリンダヘッド3の両対
向面(シール面)2a,3a間に挟まれた状態で、同シ
リンダヘッド3がシリンダブロック2に締結固定され
る。その結果、シム73とシリンダブロック2との間の
面圧が増大し、燃焼室4からの燃焼ガス等の漏れが抑制
されるようになる。
【0004】なお、上記シリンダブロック2においてシ
リンダボア22の内壁のピストン5(ピストンリング5
1)が摺動する部分には、円筒形状のシリンダライナ8
1が鋳込まれており、このシリンダライナ81の内壁に
よりシリンダボア22の内壁の一部が構成されている。
【0005】また、シリンダブロック2には、シリンダ
ボア22の周囲を囲むように設けられ、シリンダヘッド
3の取付面において開口するウォータジャケット23が
形成されている。そして、このウォータジャケット23
内に冷却水を流すことによって、エンジンの稼働に伴っ
て高温になるシリンダブロック2やシリンダヘッド3が
冷却されるようになっている。
【0006】一方、ガスケット7には、上記ウォータジ
ャケット23よりもシリンダボア22側においてシム7
3を囲む形状のビード15と、同ウォータジャケット2
3の外周を囲む形状のビード16とが、それぞれシリン
ダブロック2に向けて突出形成されている。これら両ビ
ード15,16によって、ウォータジャケット23内の
冷却水がシリンダボア22内へ浸入したり、エンジン外
へ漏れたりすることが防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
シール構造では、シリンダヘッド3のシリンダブロック
2への締結固定によってシム73とシリンダブロック2
との間の面圧が増大されている。しかも、エンジン稼働
時には、上記燃焼室4で発生する燃焼熱によりシリンダ
ブロック2、シリンダヘッド3、及びガスケット7が高
温となって熱膨張するために、上記面圧が更に増大する
ようになる。
【0008】一方、シリンダライナ81は、シリンダブ
ロック2に鋳込まれているために、シリンダボア22の
内壁を構成する面以外の変形が同シリンダブロック2に
よって規制されている。そして、このシリンダライナ8
1には、自身の熱膨張や上記面圧より、シリンダ軸方向
において圧縮方向に作用する内部応力が生じるようにな
る。
【0009】そして、この内部応力が大きくなると、図
7にシリンダライナ81の変形態様を模式的に拡大して
示すように、上記シリンダライナ81のシリンダヘッド
3側の端部が、シリンダブロック2との界面で剥がれる
とともに、唯一その変形が規制されていない燃焼室4側
に倒れ込むように変形することがある。なお、図7にお
いて、矢印F2は上記シリンダブロックに加わる面圧を
示している。また、同図7においては、シリンダライナ
81の変形態様の理解を容易にするため、その変形量を
誇張して図示している。こうした変形がシリンダライナ
81に生じた場合には、同シリンダライナ81の内壁、
すなわちシリンダボア22の内壁の真円度が大きく低下
して、同内壁とピストンリング51との間に無用な間隙
が生じることとなり、ひいてはオイル消費量が増大する
ようになる。
【0010】なお従来、シリンダライナ付きシリンダブ
ロックとしては、例えば特開平8−178070号公報
に示されるように、シリンダボアの内壁のシリンダ方向
全長にわたってシリンダライナが設けられるタイプのシ
リンダブロックもある。ただしこの場合も、シリンダヘ
ッドとの間に設けられるシム等を介してシリンダライナ
の上面に上記面圧が生じ、またエンジンの稼働に伴う熱
膨張が生じるようなことがあると、上述したシリンダラ
イナの倒れ込みに起因するシリンダボア内壁の真円度の
低下が無視できないものとなる。
【0011】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、シリンダライナの形状変化
についてもこれを好適に抑制しつつ、シリンダブロック
とシリンダヘッドとの間をガスケットによりシールする
ことのできるエンジンのシール構造を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。先
ず、請求項1に記載の発明は、シリンダボアの内壁にシ
リンダライナが別体として鋳込まれてなるシリンダブロ
ック上にガスケットを介してシリンダヘッドを締結して
それらシリンダブロックとシリンダヘッドとの間をシー
ルするエンジンのシール構造において、前記シリンダラ
イナのシリンダ方向についての上方と前記ガスケットと
の間に前記シリンダライナの厚さ方向の中心よりも前記
シリンダボア寄りに荷重中心が設定されて同シリンダボ
アの周縁をシールするシムを備えることをその要旨とす
る。
【0013】上記構成によれば、シリンダヘッドのシリ
ンダブロックへの締結固定を通じてシムとシリンダブロ
ックとの間の面圧が増大され、これにより、シリンダブ
ロックとシリンダヘッドとの間をシールすることができ
る。しかも、こうしたシムによる面圧の荷重中心を同シ
リンダライナの厚さ方向の中心よりもシリンダボア寄り
に設定することで、上記面圧によるシリンダライナの変
形方向をシリンダボア方向と反対方向に、すなわちシリ
ンダブロックによりその変形が規制される方向とするこ
とができる。これにより、シリンダライナの形状変化に
ついてもこれを好適に抑制することができるようにな
る。
【0014】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のエンジンのシール構造において、前記シムは前記シ
リンダライナの厚さ方向に所定の幅を有して前記シリン
ダボア周りに同心円状に設けられ、同シムの幅方向の中
心を結ぶ円の径が前記シリンダライナの厚さ方向の中心
を結ぶ円の径に比して小径に設定されてなることをその
要旨とする。
【0015】上記構成によれば、シムによる面圧の荷重
中心を、シリンダライナの厚さ方向の中心よりもシリン
ダボア寄りに確実に設定することができるようになる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のエンジン
のシール構造において、前記シムは前記シリンダライナ
の厚さ方向に所定の幅を有するものが同シリンダライナ
の厚さ方向に複数に分割されて前記シリンダボア周りに
同心円状に設けられることで、前記シリンダライナの厚
さ方向の中心よりも前記シリンダボア寄りに荷重中心が
設定されてなることをその要旨とする。
【0016】上記構成によれば、複数に分割されたシム
が設けられるシール構造であっても、それらシムによる
面圧の荷重中心をシリンダライナの厚さ方向の中心より
もシリンダボア寄りに設定することで、シリンダライナ
の形状変化を好適に抑制しつつ、シリンダブロックとシ
リンダヘッドとの間をガスケットによりシールすること
ができるようになる。
【0017】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載のエンジンのシール構造において、前記分割された複
数のシムとして熱膨張係数の異なるものが用いられ、熱
膨張係数の大きいものほど前記シリンダボア寄りに配さ
れることをその要旨とする。
【0018】上記構成によれば、複数のシムによる面圧
の荷重中心を設定するにあたり、その設定パラメータと
してそれらシムについての個々の熱膨張係数を用いるこ
とができるようになる。このため、複数のシムについ
て、その配設態様の自由度が高められる。
【0019】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜
4のいずれかに記載のエンジンのシール構造において、
前記シリンダライナは、少なくともそのシリンダ方向上
面の前記ガスケットと対向する側が前記シリンダブロッ
クによって覆われるかたちで同シリンダブロックに鋳込
まれてなり、そのシリンダブロックによって覆われる同
シリンダ方向上面とシリンダブロックに接する周面との
角部が直角に形成されてなることをその要旨とする。
【0020】また、請求項6記載の発明は、シリンダボ
アの内壁にシリンダライナが別体として鋳込まれてなる
シリンダブロック上にガスケットを介してシリンダヘッ
ドを締結してそれらシリンダブロックとシリンダヘッド
との間をシールするエンジンのシール構造において、前
記シリンダライナは、少なくともそのシリンダ方向上面
の前記ガスケットと対向する側が前記シリンダブロック
によって覆われるかたちで同シリンダブロックに鋳込ま
れてなり、そのシリンダブロックによって覆われる同シ
リンダ方向上面とシリンダブロックに接する周面との角
部が直角に形成されてなることをその要旨とする。
【0021】シリンダブロックによっては、図8にその
一例として先の図6の一部を模式的に拡大して示すよう
に、シリンダライナ81が、そのガスケット7に対向す
る面81bをシリンダブロック2によって覆われるよう
なかたちで鋳込まれたものがある。また、同図8に示さ
れるように、こうしたシリンダブロック2にあって、上
記シリンダライナ81の対向面81bとシリンダブロッ
ク2に接する周面との角部81aに丸みが形成されたも
のもある。
【0022】こうしたシリンダブロック2では、上記角
部81aにおいて加わる力の一例を矢印F3,F4とし
て同図8に併せ示すように、シリンダブロック2がシリ
ンダライナ81の角部81aに加えるシリンダ方向の力
F3が、その方向を同角部81aに形成された丸みによ
って変更され、シリンダライナ81をシリンダボア22
側に押し出す方向の力F4として作用するようになる。
なお、同図8において、矢印F3,F4の向きがこれら
力F3,F4の方向を示している。すなわち、上記角部
81aに丸みを形成すると、シリンダライナ81のシリ
ンダボア22側への変形が助長されることとなる。この
点、上記請求項5又は6に記載した発明の構成によれ
ば、こうした角部を直角に形成することで、この角部の
形状に起因するシリンダライナの形状変化を好適に抑制
することができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるエンジンの
シール構造の一実施の形態を説明する。なお、この実施
の形態のエンジンのシール構造にあって、シム及びシリ
ンダライナ以外の構造は、先の図5及び図6に例示した
構造と同等の構造を想定しており、それら要素について
の重複する説明は割愛する。
【0024】はじめに、図1に、この実施の形態にかか
るエンジンの先の図6に対応する断面構造を示し、同図
1を参照しつつ上記シムの配設態様及びシリンダライナ
の形状を説明する。
【0025】同図1に示されるように、ガスケット1に
設けられるシム13は、シリンダボア22と同心円状に
配設されている。また、このシム13の幅方向の中心を
結ぶ円の半径R1がシリンダライナ21の厚さ方向の中
心を結ぶ円の半径R2よりも小さく設定されている。す
なわち、こうしたシム13が設けられたガスケット1が
シリンダブロック2及びシリンダヘッド3間に配設され
ることで、シリンダブロック2のシール面2aに対する
シム13の面圧の荷重中心が、上記シリンダライナ21
の幅方向の中心よりもシリンダボア22寄りに設定され
るようになる。
【0026】また、上記シリンダライナ21は、そのガ
スケット1に対向する対向面(上面)21bとシリンダ
ブロック2に接する外周面との角部21aが直角に形成
されている。
【0027】次に、本実施の形態のエンジンのシール構
造による作用を説明する。このシール構造では、シリン
ダヘッド3のシリンダブロック2への締結固定を通じ
て、シム13とシリンダブロック2のシール面2aとの
間の面圧が増大している。これにより、シリンダブロッ
ク2とシリンダヘッド3との間がシールされる。しか
も、エンジンの稼働に伴って、ガスケット1、シリンダ
ブロック2、及びシリンダヘッド3が温度上昇し、これ
らが熱膨張すると、上記面圧もそれに伴い増大する。
【0028】ここで、このシール構造では、上記面圧の
荷重中心が、シリンダライナ21の幅方向の中心よりも
シリンダボア22寄りの位置に設定されている。これに
より、図2に、シリンダライナ21の変形態様の一例を
模式的に拡大して示すように、上記面圧F1によってシ
リンダブロック2がシリンダライナ21の上面21bに
加えるようになる面圧F1’の荷重中心も同シリンダラ
イナ21の幅方向の中心よりもシリンダボア22寄りに
なる。
【0029】こうした面圧F1’は、シリンダライナ2
1をその外周方向に弓形に撓ませるように作用するため
に、この面圧F1’によるシリンダライナ21の変形方
向が同シリンダライナ21の外周方向となり、シリンダ
ライナ21がシリンダボア22側に倒れ込むように変形
することが抑制される。なお、このシリンダライナ21
は、シリンダブロック2に鋳込まれているために、その
外周面がシリンダブロック2と接している。すなわち、
シリンダライナ21の外周方向における形状変化につい
てもシリンダブロック2によって抑制されている。
【0030】また、上記シリンダライナ21の上面21
bと外周面との角部21aが直角に形成されている。こ
れにより、先の図8に例示したように、すなわち角部に
丸みを形成する場合のように、シリンダ方向に作用する
力が、角部の形状によりシリンダライナをシリンダボア
側に押出す方向に変更されることがなくなる。このた
め、こうした角部の形状に起因するシリンダライナの形
状変化についても好適に抑制されるようになる。また、
角部に丸みや面取り等の加工を施す手間を省くこともで
きる。
【0031】なお、上記角部21aを直角に形成したこ
とで、シリンダブロック2において同角部21aが接す
る部位(隅部)についてもこれが直角に形成されるよう
になる。一般に、こうした部分が直角に形成されると応
力が集中し易くなるため、この隅部において亀裂が生じ
る懸念がある。
【0032】図3は、シリンダブロック2の隅部に形成
される丸みの半径と同隅部に生じる応力との関係を計算
により求めた結果を示したものである。なお、この計算
に際し、丸みの半径及びシリンダライナの角部以外の構
成については本実施の形態のシール構造と同様の構造を
前提としている。また、丸みの半径を「0」に設定した
構成が、上記隅部が直角に形成される構成、すなわち本
実施の形態のシール構造にあたる。
【0033】同図3から明らかなように、上記隅部が直
角に形成される本実施の形態のシール構造では、同隅部
に丸みが形成されるものと比較して、同隅部に生じる応
力が小さく抑えられるようになる。すなわち、シリンダ
ライナ21の角部21aを直角に形成することにより、
シリンダブロック2の隅部に生じる応力が抑制され、シ
リンダブロック2の耐亀裂性が向上されることがわか
る。
【0034】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、以下に記載する効果が得られるようになる。 (1)シリンダヘッド3のシリンダブロック2への締結
固定を通じてシム13とシリンダブロック2のシール面
2aとの間の面圧を増大させるようにしたために、この
面圧によってシリンダヘッド3とシリンダブロック2と
の間をシールすることができる。しかも、シム13によ
る面圧の荷重中心をシリンダライナ21の厚さ方向の中
心よりもシリンダボア22寄りに設定したために、上記
面圧によるシリンダライナ21の変形方向をその外周方
向とすることができる。このため、シリンダライナ21
がシリンダボア22側に倒れ込むように変形することを
好適に抑制することができる。また、シリンダライナ2
1の外周方向における形状変化についても、同シリンダ
ライナ21の外周面が接しているシリンダブロック2に
より抑制することができる。
【0035】(2)シム13を、シリンダボア22と同
心円状に配設するとともに、同シム13の幅方向の中心
を結ぶ円の半径R1をシリンダライナ21の厚さ方向の
中心を結ぶ円の半径R2よりも小さく設定するようにし
た。このため、これにより、シム13による面圧の荷重
中心を、シリンダライナ21の厚さ方向の中心よりもシ
リンダボア22寄りに確実に設定することができる。
【0036】(3)シリンダライナ21の上面21bと
外周面との角部21aを直角に形成するようにしたため
に、こうした角部の形状に起因するシリンダライナの形
状変化についてもこれを好適に抑制することができる。
【0037】(4)また、シリンダライナ21の上面2
1bと外周面との角部21aを直角に形成することで、
シリンダブロック2において角部21aが接する部位に
おける応力の集中を抑制することもでき、シリンダブロ
ック2の耐亀裂性を向上させることができる。
【0038】なお、上記実施の形態は、以下のように変
更して実施してもよい。 ・上記実施の形態では、1つのシム13を配設するよう
にしたが、これに代えて、図4にその変形例として先の
図1に対応した断面構造を示すように、シリンダライナ
21の厚さ方向において2つに分割されたシム67,6
8を配設するようにしてもよい。こうした構成によって
も、これらシム67,68の面圧による荷重中心がシリ
ンダライナ21の幅方向の中心よりもシリンダボア22
寄りの位置になるようにこれらシム67,68を配設す
れば、シリンダライナ21の形状変化を好適に抑制しつ
つ、シリンダブロック2とシリンダヘッド3との間をガ
スケット6によりシールすることができるようになる。
また特に、このようにシムを複数に分割することで、こ
れらシム67,68のうち、より燃焼室4に近いシム6
8の温度上昇が大きくなってその熱膨張量も大きくな
り、これらシム67,68による面圧の荷重中心が自ず
とシリンダライナ22寄りの位置になる。すなわち、シ
ムの配設態様の自由度を高めることができるようにな
る。
【0039】・また、分割されるシムの数は2つに限ら
れない。要は、それら複数のシムによる面圧の荷重中心
がシリンダライナ21の幅方向の中心よりもシリンダボ
ア22寄りの位置になるように配設される構造であれば
よい。
【0040】・また更に、これら複数のシムとして熱膨
張係数の異なるものを用いるとともに、熱膨張係数の大
きいものほどシリンダボア寄りに配設するようにしても
よい。こうした構成によれば、複数のシムによる面圧の
荷重中心を設定するにあたり、その設定パラメータとし
てこれらシムについての個々の熱膨張係数を用いること
ができるようになるために、その配設態様の自由度をよ
り高めることができるようになる。
【0041】・上記実施の形態では、シリンダライナ2
1がその上面21bをシリンダブロック2によって覆わ
れるようなかたちで鋳込まれたエンジンについて言及し
たが、シリンダライナの内壁がシリンダ方向全長にわた
ってシリンダボアの内壁を形成するように、すなわちシ
リンダライナの上面がシムと接するようにシリンダライ
ナが鋳込まれたエンジンに本発明にかかるシール構造を
適用するようにしてもよい。こうした構成によっても、
上記(1)及び(2)に記載した効果を奏することはで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンジンのシール構造の一実施
の形態についてその断面構造を示す断面図。
【図2】同実施の形態のシリンダライナの変形態様の一
例を模式的に示す断面図。
【図3】シリンダブロックの隅部に形成される丸みの半
径と同隅部に生じる応力との関係を示すグラフ。
【図4】同実施の形態の変形例についてその断面構造を
示す断面図。
【図5】従来のエンジンのシール構造に採用されるガス
ケットの平面図。
【図6】図5のA−A線に沿った断面構造を示す断面
図。
【図7】従来のシリンダライナの変形態様の一例を模式
的に示す断面図。
【図8】従来のシリンダブロックの一部の断面構造を模
式的に示す断面図。
【符号の説明】
1,6,7…ガスケット、2…シリンダブロック、3…
シリンダヘッド、4…燃焼室、5…ピストン、11,7
1…ガスケット本体、13,67,68,73…シム、
15,16…ビード、21,81…シリンダライナ、2
1a,81a…角部、21b,81b…上面、22…シ
リンダボア、23…ウォータジャケット、51…ピスト
ンリング。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダボアの内壁にシリンダライナが別
    体として鋳込まれてなるシリンダブロック上にガスケッ
    トを介してシリンダヘッドを締結してそれらシリンダブ
    ロックとシリンダヘッドとの間をシールするエンジンの
    シール構造において、 前記シリンダライナのシリンダ方向についての上方と前
    記ガスケットとの間に前記シリンダライナの厚さ方向の
    中心よりも前記シリンダボア寄りに荷重中心が設定され
    て同シリンダボアの周縁をシールするシムを備えること
    を特徴とするエンジンのシール構造。
  2. 【請求項2】前記シムは前記シリンダライナの厚さ方向
    に所定の幅を有して前記シリンダボア周りに同心円状に
    設けられ、同シムの幅方向の中心を結ぶ円の径が前記シ
    リンダライナの厚さ方向の中心を結ぶ円の径に比して小
    径に設定されてなる請求項1記載のエンジンのシール構
    造。
  3. 【請求項3】前記シムは前記シリンダライナの厚さ方向
    に所定の幅を有するものが同シリンダライナの厚さ方向
    に複数に分割されて前記シリンダボア周りに同心円状に
    設けられることで、前記シリンダライナの厚さ方向の中
    心よりも前記シリンダボア寄りに荷重中心が設定されて
    なる請求項1記載のエンジンのシール構造。
  4. 【請求項4】前記分割された複数のシムとして熱膨張係
    数の異なるものが用いられ、熱膨張係数の大きいものほ
    ど前記シリンダボア寄りに配される請求項3記載のエン
    ジンのシール構造。
  5. 【請求項5】前記シリンダライナは、少なくともそのシ
    リンダ方向上面の前記ガスケットと対向する側が前記シ
    リンダブロックによって覆われるかたちで同シリンダブ
    ロックに鋳込まれてなり、そのシリンダブロックによっ
    て覆われる同シリンダ方向上面とシリンダブロックに接
    する周面との角部が直角に形成されてなる請求項1〜4
    のいずれかに記載のエンジンのシール構造。
  6. 【請求項6】シリンダボアの内壁にシリンダライナが別
    体として鋳込まれてなるシリンダブロック上にガスケッ
    トを介してシリンダヘッドを締結してそれらシリンダブ
    ロックとシリンダヘッドとの間をシールするエンジンの
    シール構造において、 前記シリンダライナは、少なくともそのシリンダ方向上
    面の前記ガスケットと対向する側が前記シリンダブロッ
    クによって覆われるかたちで同シリンダブロックに鋳込
    まれてなり、そのシリンダブロックによって覆われる同
    シリンダ方向上面とシリンダブロックに接する周面との
    角部が直角に形成されてなることを特徴とするエンジン
    のシール構造。
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