JP2002228424A - 照明条件の最適化による画像測定機のオフラインティーチング方法 - Google Patents

照明条件の最適化による画像測定機のオフラインティーチング方法

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JP2002228424A
JP2002228424A JP2001024183A JP2001024183A JP2002228424A JP 2002228424 A JP2002228424 A JP 2002228424A JP 2001024183 A JP2001024183 A JP 2001024183A JP 2001024183 A JP2001024183 A JP 2001024183A JP 2002228424 A JP2002228424 A JP 2002228424A
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Toshinori Ohashi
利仙 大橋
Katsuhiko Kato
勝彦 加藤
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Tochigi Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像測定に最適の照明条件を設定し、オフラ
インティーチングを可能にし、またその条件での照明の
シミュレーションをすることにより、設定した条件を事
前に検証して、自動測定の信頼性を高められる方法を提
供する。 【解決手段】 測定物の現物の色及び材質のデータから
その測定物に向けて画像測定機に複数配設されている各
照明装置の照度の標準値を設定する第一のステップと、
その測定物についての3次元CADデータを基に、測定
する部分の特徴的な幾何形状に対応させて前記各照明装
置の照度を第一のステップで設定された標準値に対する
割合として設定する第二のステップとから成る、照明条
件の最適化による画像測定機のオフラインティーチング
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、画像測定機で測定
物を非接触で測定する技術において、最適な照明条件を
効率的に設定して行うオフラインティーチングの方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、精密機械や電子部品などの小型化
・軽量化・高密度化が進むのに伴い、測定機器の触針が
測定物に入り込めないような微細な部分の測定が増え、
検査項目も多くなっている。また、測定する時に測定物
に対して触針で力を加えると容易に測定部分が変形して
しまうほど測定物の肉厚が薄くなる傾向にある。このた
め、作業者が顕微鏡や投影機で観察して行うような測定
物に全く接触せずに行う寸法計測の需用が増加してい
る。
【0003】しかし、これまでは、測定作業者が目視に
よって確認検査をしていたために、検査の時間や作業の
工程数を削減することが困難であり、また作業者の目の
疲労や人為的な計測ミスの発生も避けられなかった。こ
のような問題を解決するために、最近急速に普及した画
像計測3次元測定機を利用することによって、測定物に
非接触状態で機械的に測定を行う技術が開発されつつあ
る。それらの中には、コンピュータを用いた画像計測や
CAD技術に関しての製品や研究報告が見られる。
【0004】そのような画像計測用の3次元測定機を利
用する場合には、個別な測定物に対して、機械が測定し
易い(エッジ、孔、穴、平面、段差面などの幾何学的な
立体要素としての各部分の特徴がモニター画面上に表現
されて、コンピュータによりその部分が認識されて測定
できるようになる)ようにコントラストを付与するため
の照明条件を設定して行わなければならない。
【0005】それらの3次元測定機の照明条件について
は、これまでは自動的に設定することができず、測定す
る時に作業者が照明装置をマニュアルに基づいて手動に
よって照明装置の照度を見やすいように決めた上で、測
定装置をコントロールして目で測定を行っている。
【0006】自動的に測定物を測定しようとすると、予
め画像測定機のオフラインティーチングをし、適した照
明条件を設定しておかなければならない。その照明条件
の設定は、画像測定機に対して、その対象となる測定物
について各個別に設定マニュアルに基づく人為的な手動
設定をすることができる。この設定においては、実際に
実物をコンピュータによりモニターに映像化してその画
像を見ながら時間と手間をかけて最適状態の条件を決め
ることになる。このように、これまでは、オフラインで
の計測に必要な適切な測定条件を設定することが大変困
難であった。さらに今までは、そのように設定した照明
条件が最適なものであるのかを検証するための手段もな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたもので、特に自動化が困難と思われる多
品種少量生産の現場や試作品開発工程において、コンピ
ュータのCAD技術を利用して画像計測3次元測定機を
フレキシブルに適応させて信頼性の高い測定が円滑にで
きるようにするために、各種の測定物についての測定手
順及び測定条件を自動生成して画像測定する場合、測定
に最適な照明条件を容易にまたは自動的に設定すること
ができるようし、複雑で検査項目が膨大な測定物に対し
ても効率的なティーチングを行えるようにする方法を提
供する。
【0008】そしてまた、CADシステムのレンダリン
グ機能を利用して、コンピュータで測定時の画像をシミ
ュレーションし、上記方法により一度設定した照明等の
測定条件の最適性を事前に検証して、その設定した照明
条件が最適でなかった場合には再度最適な照明条件に修
正して設定することができる方法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、測定物の現物の色及び材質のデータから
その測定物に向けて画像測定機に複数配設されている各
照明装置の照度の標準値を設定する第一のステップと、
その測定物についての3次元CADデータを基に、測定
する部分の特徴的な幾何形状に対応させて前記各照明装
置の照度を第一のステップで設定された標準値に対する
割合として設定する第二のステップとから成る、照明条
件の最適化による画像測定機のオフラインティーチング
方法である。
【0010】また、上記構成において、前記第二のステ
ップにおける各照明装置の照度を測定する部分の特徴的
な幾何形状への対応方法が、その幾何学的特徴に特化し
た測定機能と特定形状の境界を判別する境界判別機能を
有する画像処理ツールを備えた画像測定支援システムに
より行われることを特徴とするものである。
【0011】さらに、上記方法において、測定物の現物
を、画像測定機で測定した時と同位置になるように測定
物の3次元CADデータの座標を重ね合わせるとともに
各照明装置と同じ座標位置に仮想の光源座標を設定する
第三ステップと、設定した各照明装置の照度で前記座標
にある各光源を基にしてCADシステムのレンダリング
機能により3次元CADデータの測定物の各部に陰影を
付与した様に表現された陰影画像を出力表示させる第四
のステップと、
【0012】設定した照明条件の最適性を、検証したい
部分の陰影画像を画像測定支援システムの測定用画面で
選択してその画像測定支援システムに備わる画像処理ツ
ールの中から特定形状を選択して前記陰影画像に重ねて
表示する第五のステップと、
【0013】測定対象のエッジ部分が設定された条件の
照明により明暗のコントラストの明確性とそのエッジの
位置とサイズの的確性を前記陰影画像で目視確認し、不
適であると確認した場合には、照明条件と画像処理ツー
ルの位置及びサイズの設定変更を行い、その修正された
設定条件での陰影画像を再表示してこれを目視確認して
最適の照明条件を設定する第六のステップとから成る照
明条件の最適化による画像測定機のオフラインティーチ
ング方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の照明条件の最適化による
画像測定機のオフラインティーチング方法の実施の形態
をその実施例を基に以下説明する。
【0015】本発明は、小型電子部品などの測定物につ
いてその現物表面の色及び現物の材質について予め蓄積
されている基礎データから得られた換算値としてのそれ
ぞれのデータにより、その測定物に向けて画像測定機に
異なる位置と照射角度及び照射の種類で複数配設されて
いる各照明装置のそれぞれの照度を標準値として仮に設
定する第一のステップと、
【0016】その測定物についての設計に使用された3
次元CADデータを基にして、測定しようとする部分の
特徴的な幾何形状(例えば、穴、直線、段差、貫通孔な
どとその周辺の形状)に対応させて、前記各照明装置の
最適な照度を、第一のステップで仮に設定された標準値
に対する割合(%)として設定する第二のステップとか
ら構成される。
【0017】即ち、第一のステップでは、色及び材質の
特定により、また第二のステップでは特徴的な立体的形
状により各照明装置の最適な照度を、測定物の現物がな
くともオフラインティーチングとして事前に自動的に設
定することが可能となる。
【0018】そして、前記第二のステップにおける各照
明装置の照度を測定する部分の特徴的な幾何形状への対
応方法としては、その特徴的部分に特化した測定機能を
有し且つ特定形状の境界を判別するための境界判別機能
を有する特定形状別専用の画像処理ツールを備えた画像
測定支援システムにより効率良く行うことができる。そ
の画像処理ツールとしては、例えば、穴や筒形状などに
対応させる円ツール、穴や筒形状などの一部である円弧
に対応させる円弧ツール、直線などに対応させるボック
スツールなどが使用される。
【0019】また、上記第二のステップにより設定した
照明条件は全体的には一応最適と考えていいが、実際の
物は形状の構成は複雑であり、照度の重なり合いや影に
なって届かない部分が生じることがある。これは設定さ
れた照明条件をシミュレーション(検証)することによ
りその不適部分が把握され、さらに修正されより最適な
条件が得られる。
【0020】設定した照明条件の最適性を検証し、また
不適部分を修正して最適にする方法は、測定物の現物
を、画像測定機で測定した時と同位置になるように測定
物の3次元CADデータの座標を重ね合わせるとともに
各照明装置と同じ座標位置に仮想の光源座標を設定する
第三ステップと、設定した各照明装置の照度で前記座標
にある各光源を基にしてCADシステムのレンダリング
機能により3次元CADデータの測定物の各部に陰影を
付与した様に表現された陰影画像をモニターに出力表示
させる第四のステップと、
【0021】設定した照明条件の最適性を、検証したい
部分の陰影画像を画像測定支援システムの測定用画面で
選択してその画像測定支援システムに備わる画像処理ツ
ールの中から特定形状を選択して前記陰影画像に重ねて
モニターに表示する第五のステップと、
【0022】測定対象のエッジ部分が設定された条件の
照明により明暗のコントラストの明確性とそのエッジの
位置とサイズの的確性をモニターに表示された前記陰影
画像で目視確認し、不適であると確認した場合には、照
明条件と画像処理ツールの位置及びサイズの設定変更を
行い、その修正された設定条件での陰影画像を再表示し
てこれを目視確認して最適の照明条件を設定する第六の
ステップの、以上の各ステップを経て可能となる。
【0023】
【実施例】使用される画像測定機の装置部分も、また使
用される各種コンピュータプログラムのソフト部分につ
いても含めて、本発明をさらに具体的に説明する。
【0024】本発明においては、使用可能が画像測定機
は各種あり、例えば株式会社ミツトヨの(型式SQV2
02PRO)の画像測定機の使用も可能である。またコ
ンピュータはヒューレットパッカー社の(型式KAYA
KXU6/400)のパソコンなどの機器と、Soli
dWorks社のCADシステムのアプリケーション開
発用インターフェースのSolidWorks99(S
olidWorks社の商標名)を利用し、Windo
wsNT4.0(MicroSoft社の商標名)の動
作環境で使用することができる。
【0025】その画像測定機で、自動測定を行う場合、
測定位置のほか、画像処理対象の範囲を表すツールの配
置や画像処理条件、照明条件、計算値との比較方法など
の情報が記録されたパートプログラムが利用可能であ
る。そこで、3次元CADデータを利用して自動測定用
パートプログラムを自動生成する。
【0026】画像測定においては、測定するエッジを際
立たせる照明の照射方法が重要である。特に自動計測で
はエッジの判定の可不可を左右する。使用した測定機の
照明装置は、貫通の孔を測定する場合に使用するテーブ
ル下面からの透過照明と、対物レンズからの垂直落斜照
明、リング状の凹面鏡を2個組み合わせて制御し、照射
角度が30°〜80°で調節可能な傾斜照明が利用でき
る。各照明は、それぞれ0%(消灯)〜100%の照明
調節が可能である。さらに傾斜照明は、テーブル面上の
左右及び前後の4方向で照度の調節が可能である。
【0027】次に、図1に示す携帯電話のケース(精密
樹脂成型品)の微細な部分の自動測定を行った場合を具
体的に詳しく説明する。そして直線エッジや円弧エッジ
の測定機能及び段差の測定機能を検証した。先ず、開発
したシステムに、異機種のCADから3次元ソリッドモ
デルを入力するデータ交換実験を行った。使用したデー
タのフォーマットはParaSolid(Ver10)
である。
【0028】次に、そのモデルを利用してオフラインテ
ィーチングを行い、自動測定のためのパートプログラム
を自動生成して、画像測定機を制御した。実験に使用し
た測定物は携帯電話の樹脂ケースの内側であり、色は黒
で一般公差±0.1mmである。微細な突起物や穴が高
密度に配置されている。
【0029】ティーチングの方法は、取り込んだCAD
データは、グラフィックウインドウに表示させ、測定手
順のティーチング時に、測定したい直線エッジ又は円
弧、円エッジ、平面を1つづつ選択するために使用す
る。また、計算値は、選択したCAD要素の形状から自
動的に計算させる。計算値との比較や公差等の指示方法
は、上記と同様である。距離交角等は測定手順の編集ウ
インドウで、測定済み要素を呼び出して計算により求め
るための新たな手順を追加することで測定可能とする。
この操作を繰り返して行くだけで測定手順が作成され
る。
【0030】上記操作に関しては、専門知識を必要とし
ない。測定条件等は、CADデータや初期設定された標
準値から自動的に決定されるためである。しかし、手順
の編集で測定条件等を変更する場合は、画像測定機の特
徴を知っている必要があり、画像測定の専門知識が必要
になると思われる。
【0031】照明条件は、先ず、測定物の色や材質及び
レンズ倍率から判断して、各照明装置の最適な光度を標
準値として入力しておく。次にCAD上で選択した測定
要素ごとに、その要素の形状及び周囲の形状から判定
し、光度の標準値に対する割合として適した条件を自動
的に設定する。
【0032】図2は、各照明装置の光度の標準値を入力
するタイアログボックスであり、黒い樹脂成型品に対す
る最適な光度を設定した例である。この標準値は、製品
形状が変更されても色や材質が同じであれば再利用でき
るため、ライブラリー化することが可能となる。
【0033】エッジ判定の場合に参照する周囲の形状
を、図3に示す。測定エッジを挟む2面のうち、方向ベ
クトルが水平に近い面を壁面とし、他方を上面と判定す
る。また、エッジをピックした点からエッジに直交する
水平ベクトルの延長線上にある最初の面を対面とし、水
平ベクトルと対面との交点までの距離を幅とする。ピッ
ク点から壁面に沿って下に向かうベクトルの延長線上に
ある最初の面を底面とし、交点とピック点のZ座標差を
深さとする。下向きのベクトルは、壁面の法線ベクトル
とエッジの接ベクトルの外積から求められる。測定物の
形状によっては、対面及び底面が存在せずに求められな
い可能性もある。
【0034】エッジが円弧の場合や、直線であっても壁
面と対面が平行でない場合は幅の値が正確には求まらな
いことが想定される。同様に底面が平面ではない場合や
平面であっても傾いている場合は、深さの値が正確には
求められない。しかし、幅や深さの値は計算値として利
用せずに、測定条件決定の参考値とするために問題はな
いと思われる。
【0035】照明条件の決定の方法を、図4のフロー図
に示す。傾斜照明の角度は約45°固定で、照度のみ設
定値を求めた。測定個所の底面がない場合は、透過照明
の標準値を使用する。この場合がエッジ測定の最も良い
条件になる。小さな丸い深穴の場合は、垂直落斜照明が
標準値の70(%)、傾斜照明は全方向とも70%とす
る。
【0036】また、深穴の判定は、45°の傾斜照明が
底面に達しない、深さ>幅である。狭い深溝は垂直落斜
照明が標準値で、エッジと直角方向の傾斜照明を左右又
は前後の2方向から70%で照射する。溝内の影とエッ
ジの光沢で、コントラストが強調される条件である。そ
の他の場合は、垂直落斜の標準値及びエッジ壁面の向き
とは反対方向から傾斜照明の標準値で照射する。
【0037】測定画面上に配置する画像処理ツールは、
測定要素の形状から自動的に標準の位置及び標準の幅・
長さが設定される。しかし、ツール形状が上面の範囲や
影の範囲からはみ出る場合は、それらを修正する必要が
生じる。したがって、モデル形状や照明によりできる影
を参照して、適した位置及び形状に再設定する。これに
より、隣接する他のエッジを測定してしまうミスを避け
ることが可能となる。
【0038】画像処理の条件は、ゴミや傷の影響による
エッジの誤認を避けるため、影となる側から処理を開始
し、エッジを探すように設定する。また異常点を除去す
る機能を有効に設定することでバリ等を測定したデータ
を取り除くことも可能となる。
【0039】次に、測定画像のシミュレーションについ
て説明する。CADのレンダリング機能で、3次元モデ
ルに測定時の照明条件と同じ照明を与えて陰影のシミュ
レーションを行う。モデルの表示範囲も測定時の視野と
同様にするとともに、ツール形状を重ね合わせて表示す
る。このシミュレーションにより、設定した照明条件や
ツールの配置を事前に検証することが可能となる。
【0040】図5は、シミュレーションの結果であり、
直線要素に自動配置されたボックスツールと測定時のカ
メラ視野を四角形で表している。この画面で画像処理ツ
ールの編集も可能である。ボックスツールは、四角形の
3辺のみを表示することによって、画像処理の方向がわ
かるようにしてある。非表示の1辺から対辺に向かって
画像処理を行い、エッジ上の点座標を求める。ダイアロ
グボックスのスクロールバーをスライドさせるか又は数
値を入力することにより、ツールの位置や幅、長さを編
集する。位置を変更すると測定視野も変更される。この
図からエッジの明暗や他の要素のエッジに干渉しないこ
とを確認しながら、幅や長さを編集することができる。
【0041】<段差の測定>段差測定のティーチングを
行い、測定を行った。そして自動測定が可能なことを確
認できた。照明の条件は、全ての測定箇所について、垂
直照射で照度は標準値を使用した。今回の測定物は、全
体が同一色であるため、照明を変更する必要性はなかっ
た。部分的に色や材質が異なる測定物の場合は、シミュ
レーションの結果等を参考に設定変更することが想定さ
れる。
【0042】図6は、シミュレーション画像(イ)と実
測定画像(ロ)の比較を示す。両者の大きな違いとし
て、実測定画像は焦点深度の関係で測定対象となる高さ
の面のみ焦点が合っているのに対して、シミュレーショ
ンでは全ての面がはっきりと見える点が上げられる。ま
た、加工面の粗さもシミュレーションされない。中央部
に画像処理のためのサーフェスツールが配置されてお
り、その位置や形状は良い精度でシミュレーションされ
ているのがわかる。陰影の計算をして、画面に表示され
るまでの時間は10数秒であった。高性能なコンピュー
タを使用すればより高速な表示も可能である。
【0043】<エッジの測定>エッジ測定のティーチン
グを行い、測定を行った。そして一部を除き自動測定が
可能なことを確認できた。照明条件は、全ての測定個所
の形状から自動的に設定される値をそのまま使用した。
【0044】図7は、小径の深穴を円ツールで測定した
例である。この図7は、シミュレーション画像(イ)と
実測定画像(ロ)を示している。傾斜照明によって上面
が明るくなるとともに光の到達しない底面は暗くなるた
めエッジのコントラストが強調され、精度良く画像処理
されることがわかる。実測定画像(ロ)の図中に+マー
クで示されていのはエッジ部分の実測された測定点を示
している。また、図8は、狭い深溝の直線エッジをボッ
クスツールで測定した例である。この図8も、シミュレ
ーション画像(イ)と実測定画像(ロ)を示している。
左右からの傾斜照明でエッジが強調されているのがわか
る。この場合でも測定点は5ピクセル間隔に画像処理し
て求められ、測定画像において小さな+マークで示され
ている。異常点として判定されて、データが除去された
個所も確認できる。
【0045】図9は、ピンのエッジを円弧ツールで測定
した例である。この図8も、シミュレーション画像
(イ)と実測定画像(ロ)を示している。片側から傾斜
照明を照射して反対側にできる影の部分から画像処理を
開始する。この測定条件の場合に、安定したエッジの自
動判定が困難な部分もあった。測定点が得られないため
に自動運転が途中で停止してしまう。この状態で作業者
が目視でエッジを判定し、マニュアル操作で測定点を入
力するとその後に自動測定が開始される。
【0046】特に、金型の加工時に放電加工された面で
エッヅがダレている場合は、自動判定が難しい。スパー
クの跡が輝いてしまいエッジと誤認されることもある。
逆に、安定した判定ができたのは、切削や研削加工面で
ある。ただしCADデータからは加工方法が特定できな
いため、測定条件の変更は作業者の判断にならざるを得
ない。
【0047】
【操作手順1】本発明における具体的な操作の例の手順
を以下に説明する。画像測定支援システムでティーチン
グを行った例を示す。まず、準備として3次元CADを
起動し、測定物のデータを読み込む。本発明の画像測定
支援システムを起動する。このときの表示される画像は
図10の(イ)の画面図の通りである。また(ロ)には
特定幾何形状の選択を示す端画像測定支援システムのフ
オームが示してある。
【0048】そして、初期設定として、6つの照明装置
の光度を0%(消灯)〜100%で指定する。理想の指
定値は測定物の材質や色で変わる。理想値が未知数の場
合には適当な値を仮に設定しておく。図11は、その設
定画面を表している、画面の対応する左のフォームに数
値を適当に入れていく。
【0049】次に、その他の初期設定として、画像処理
の条件やレンズの倍率、標準公差を指定する。図12の
(イ)、(ロ)はそれらの条件を指定したことを示して
いる。また次に、測定のための基準座標系(原点やX
軸、Y軸の方向)をCAD上で指定する、後に、測定機
上で同じ座標系を指定する。図13はその指定した座標
線が示された画像である。
【0050】次に、測定手順としては、CAD上で測定
したい部分を拡大表示し、直線又は円弧のエッジをマウ
スでクリックすることにより選択する。段差測定の場合
は、その高さの平面を選択する。図14はその指定部分
を拡大した画像である。そして、次に画像測定支援シス
テムのメニューから、測定の中のエッジ測定又は段差測
定を選択する。また、画像測定支援システムの内部処理
として、選択したエッジの形状データを取込むとともに
その周囲の形状を自動的に判断して、下図の底面と対面
の有無及びその面までの距離を求める。図15は形状の
特徴的な部分を示す図(イ)と、その下に示すフォーム
(ロ)がその図(イ)中の距離のデータである。
【0051】次に、測定対象及びその周囲から、前記図
4に示したフローにより各照明の初期値に対する割合を
求め、各照明の強度を自動的に決定する。
【0052】この図4に示されているフローを説明する
と、まず平面段差は、照明の種類を垂直落斜照明の割合
100(%)で選択する。次に、底面がない場合は、透
過照明100%とする。そして、小径の深い丸い穴につ
いては、垂直落斜照明の割合70(%)とし傾斜照明を
全方向から70%と設定する。
【0053】また、深く狭い溝については、垂直落斜照
明の割合100(%)とし傾斜照明を両側から70%と
設定する。その他のエッジについては、垂直落斜照明の
割合100(%)とし傾斜照明を壁面の反対側から10
0%と設定する。
【0054】そして次に、測定結果として必要な項目を
選択するとともに、公差との比較を指定する。標準公差
以外の場合は公差値を直接入力する。図16はその入力
画面である。
【0055】測定したい各部分について、以上の手順を
繰り返す。最後に以上の測定手順をファイルに保存す
る。
【0056】
【操作手順2】次に、本発明の検証方法の具体的な説明
をする
【0057】画像測定支援システムの測定手順編集画面
で検証したい部分を選択した後、画像処理ツールを選択
すると、測定時の画像のシミュレーションが表示され
る。照明により測定物にできた明暗画像に、取り込む画
像の範囲及び画像処理ツールの形状を重ねて表示する。
図17はその取り込む画像の範囲及び画像処理ツールの
形状を重ねて表示した画像である。
【0058】ここで、測定対象のエッジが照明により明
暗のコントラストがはっきりしていることを目視で確認
する。またそのエッジに対し、画像処理ツールが適当な
位置とサイズであることも確認する。適当でない場合
は、照明やツールの位置とサイズの変更を行い、再度表
示して適した条件を求める。
【0059】保存した測定手順ファイルを画像測定支援
システムへ読み込む。照明の初期値を変更する場合は、
測定物に実際に照明を照射して各照明の適値を実験的に
求め、ダイアログボックスで再設定する。初期値から再
設定に変更した場合は、教示済みの測定手順全てに反映
する。作成した測定手順のデータを画像測定機用のパー
トプログラムに変換し、出力する。図18はパートプロ
グラムに変換するための表示画像である。
【0060】そして、パートプログラムをフロッピー
(登録商標)ディスクやLAN等により、測定機の制御
用パソコンに転送する。
【0061】また、測定機に測定物を固定して、測定の
ための基準面や基準軸方向の座標系を手動で設定する。
そして、パートプログラムを実行し、測定機で自動測定
する制御用パソコン測定結果が順次表示されていく。自
動測定終了後に、測定結果をファイルに保存しておき、
作業者が結果を確認する。
【0062】
【発明の効果】本発明は以上のようであり、オフライン
でのティーチング作業の工数削減や測定機の稼働率向上
に有効である。特に樹脂成型や精密プレスのトライ品検
査では、金型の加工工程と平行して測定の準備が可能と
なり、トライ品が出来上がり次第自動測定が開始できる
ようになる。
【0063】シミュレーションすることにより、決定し
た条件を事前に検証して、自動測定の信頼性を高めるこ
とができる手段を提供するものである。画像測定に適し
た照明条件を自動決定し、オフラインティーチングを可
能にする。また照明のシミュレーションをすることによ
り、決定した条件を事前に検証して、自動測定の信頼性
を高めることができる手段を提供するものである。そし
て、トライ品が出来上がり次第に、自動的に測定開始が
できるようになる。また自動化ラインの中で測定してい
る場合では、ラインを止めずにティーチングが行えるよ
うになる。
【0064】そして実際の測定物の測定では、検査員は
自動測定後に不合格のデータのみ考察すればよく、大幅
な効率化が実現する。また事前に真円度や真直度の値を
出力するようにしておけば、自動測定後データの信頼性
を確認するとき、バリやゴミの付着による測定ミスも容
易に発見できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯電話のCADデータの画像を示す画面図。
【図2】モニター画面に表示される、照明条件の標準値
設定ダイアログボックスの画面図。
【図3】測定物の特定部分の周囲形状データの模式図。
【図4】照明条件の決定手順を示すフロー図。
【図5】測定画像のシミュレーションの画面図。
【図6】段差測定の測定の(イ)がシミュレーション画
像、(ロ)が実測定画像の各画面図。
【図7】小径深穴のエッジ測定の(イ)がシミュレーシ
ョン画像、(ロ)が実測定画像の各画面図。
【図8】狭い深溝のエッジ測定の(イ)がシミュレーシ
ョン画像、(ロ)が実測定画像の各画面図。
【図9】ピンのエッジ測定の(イ)がシミュレーション
画像、(ロ)が実測定画像の各画面図。
【図10】(イ)がCADデータの立体画像を示し、
(ロ)が画像測定支援システムの選択フオームを示す各
画面図。
【図11】指定値の書込みフォームを示す画面図。
【図12】(イ)が照明光度の、(ロ)が普通公差の書
込みフォームを示す画面図。
【図13】基準座標系設定のシミュレーション画像の画
面図。
【図14】測定部分を拡大表示した状態を示すシミュレ
ーション画像の画面図。
【図15】(イ)が測定物の特定部分の周囲形状データ
の模式図、(ロ)が測定距離データを示す測定画像の画
面図。
【図16】要素測定の公差値の書込みフォームを示す画
面図。
【図17】測定部分のシミュレーション画像の画面図。
【図18】ファイル読み込みの書込みフォームを示す画
面図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定物の現物の色及び材質のデータから
    その測定物に向けて画像測定機に複数配設されている各
    照明装置の照度の標準値を設定する第一のステップと、
    その測定物についての3次元CADデータを基に、測定
    する部分の特徴的な幾何形状に対応させて前記各照明装
    置の照度を第一のステップで設定された標準値に対する
    割合として設定する第二のステップとから成る、照明条
    件の最適化による画像測定機のオフラインティーチング
    方法。
  2. 【請求項2】 第二のステップにおける各照明装置の照
    度を測定する部分の特徴的な幾何形状への対応方法が、
    その幾何学的特徴に特化した測定機能と特定形状の境界
    を判別する境界判別機能を有する画像処理ツールを備え
    た画像測定支援システムにより行われることを特徴とす
    る請求項1記載の照明条件の最適化による画像測定機の
    オフラインティーチング方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の方法において、測定物の現物
    を、画像測定機で測定した時と同位置になるように測定
    物の3次元CADデータの座標を重ね合わせるとともに
    各照明装置と同じ座標位置に仮想の光源座標を設定する
    第三ステップと、設定した各照明装置の照度で前記座標
    にある各光源を基にしてCADシステムのレンダリング
    機能により3次元CADデータの測定物の各部に陰影を
    付与した様に表現された陰影画像を出力表示させる第四
    のステップと、設定した照明条件の最適性を、検証した
    い部分の陰影画像を画像測定支援システムの測定用画面
    で選択してその画像測定支援システムに備わる画像処理
    ツールの中から特定形状を選択して前記陰影画像に重ね
    て表示する第五のステップと、測定対象のエッジ部分が
    設定された条件の照明により明暗のコントラストの明確
    性とそのエッジの位置とサイズの的確性を前記陰影画像
    で目視確認し、不適であると確認した場合には、照明条
    件と画像処理ツールの位置及びサイズの設定変更を行
    い、その修正された設定条件での陰影画像を再表示して
    これを目視確認して最適の照明条件を設定する第六のス
    テップとから成る、照明条件の最適化による画像測定機
    のオフラインティーチング方法。
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