JP2002222772A - 窒化物半導体基板の製造方法 - Google Patents

窒化物半導体基板の製造方法

Info

Publication number
JP2002222772A
JP2002222772A JP2001019550A JP2001019550A JP2002222772A JP 2002222772 A JP2002222772 A JP 2002222772A JP 2001019550 A JP2001019550 A JP 2001019550A JP 2001019550 A JP2001019550 A JP 2001019550A JP 2002222772 A JP2002222772 A JP 2002222772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
substrate
nitride semiconductor
irradiation
sapphire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001019550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4595207B2 (ja
Inventor
Masahiro Ishida
昌宏 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001019550A priority Critical patent/JP4595207B2/ja
Publication of JP2002222772A publication Critical patent/JP2002222772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4595207B2 publication Critical patent/JP4595207B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lasers (AREA)
  • Led Devices (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 母材基板上に窒化物半導体を成長し、レーザ
照射により母材基板と窒化物半導体を分離する際に、ク
ラックや割れの発生を防止する。 【解決手段】 母材基板の原子結合をイオン注入などに
より弱め、その上に窒化物半導体を成長させ、レーザ照
射により母材基板と窒化物半導体を分離することで窒化
物半導体基板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視発光ダイオー
ド装置や青紫色レーザ装置に用いる窒化物半導体基板の
製造方法および窒化物半導体基板の製造用母材基板に関
する。
【0002】
【従来の技術】GaN、InN、AlN等の窒化物半導
体は、青色や緑色のLEDや、青色半導体レーザ、高温
動作可能な高速トランジスタなどに用いる材料として好
適である。窒化物半導体を成長させるための基板として
は、従来よりサファイア基板(例えば、特許第3091
593に開示)などが知られているが、サファイアなど
異種基板上へ窒化物半導体の成長では、窒化物半導体と
異種材料基板との熱膨張係数の差によって、基板の反
り、クラックの発生、それらに伴う結晶性の悪化が発生
することが知られている。
【0003】そこで近年、窒化物半導体基板上にデバイ
スを作製することで、上記諸問題を解決させる試みがな
されている。窒化物半導体基板の作製方法の一つとし
て、母材基板上に窒化物半導体層を厚く形成し、レーザ
光によって窒化物半導体層を母材基板界面で局所的に加
熱し、昇華させ、母材基板から窒化物半導体層を剥離さ
せることが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、レーザ光に
よって剥離を行う場合、レーザ光の照射サイズは基板の
面積より小さく、レーザ光を走査する必要がある。この
際、下記の課題が存在した。
【0005】それは、レーザ光の走査の途中では、窒化
物半導体層と母材基板の一部が剥離され、他の部分で接
触したままであるという状態になり、その際、窒化物半
導体層と母材基板の接触が残っている部分に応力が集中
して、窒化物半導体層中にクラックが発生する課題が存
在した。そのため、室温付近でレーザ光照射で歩留よく
窒化物半導体基板を製造することが困難であった。それ
を回避するため基板温度を上昇させる技術が知られてい
るが、それでは、基板の昇温、降温に時間がかかり、非
常に量産性に課題があった。
【0006】さらには、レーザ光は小さく集光されてい
るため、基板全体を剥離するためには効率よいレーザ照
射を行う方法を提供する必要があった。具体的に、レー
ザ光は窒化物半導体の昇華を起こすために光密度を1平
方センチメートルあたり約0.1J以上とする必要があ
り、それを達成するためレーザ光のビーム径が小さく集
光されている。そのため、ビーム径は基板面積より小さ
く、レーザ光を走査する必要がある。窒化物半導体層全
体を剥離するには、時間をかけて基板を細かく走査しな
がら窒化物半導体層全体にビームを照射する必要があ
り、しかも、一度に多数枚処理を行う、いわゆるバッチ
処理ができない。したがって、クラックの発生を防ぎつ
つも、照射工程では従来より効率よくレーザ照射を行う
方法を提供する必要があった。
【0007】上記に鑑み、本発明は、レーザ光照射によ
る窒化物半導体基板の製造において、レーザ光照射に要
する時間を著しく低減させ、かつ窒化物半導体層中にク
ラックなどを発生させることなく窒化物半導体基板を得
る手段を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の窒化物半導体基板の製造方法は、以下に示
す構成よりなるものである。
【0009】本発明の窒化物半導体基板の製造方法は、
母材基板主面に原子結合が切断された領域を設ける第1
の工程と、前記母材基板上に窒化物半導体層を形成する
第2の工程と、前記母材基板と前記窒化物半導体層界面
にレーザ光を照射する第3の工程とを有することを特徴
とする。
【0010】このようにすることで、レーザ照射途中で
窒化物半導体層中に発生する応力は原子結合が切断され
た領域が剥離することで開放されるので、窒化物半導体
層中にクラックや割れが発生することがない。さらに
は、前述の応力による窒化物半導体層の剥離によって、
窒化物半導体層全面をレーザ走査することなく窒化物半
導体層の剥離を行うことが可能になるので窒化物半導体
基板の量産性を向上させることができる。
【0011】本発明の窒化物半導体基板の製造方法にお
いて、前記原子結合が切断された領域はイオン注入によ
り形成することができる。
【0012】本発明の窒化物半導体基板の製造方法にお
いて、前記第1の工程は、母材基板主面にイオン注入さ
れた第1の領域と、前記第1の領域よりイオン注入量が
少ないないしはイオン注入されない第2の領域とを設け
る工程とし、前記第3の工程は、少なくとも前記第2の
領域に前記レーザ光を照射する工程とすることが好まし
い。このようにすることで、窒化物半導体層全面を照射
することなくより確実に窒化物半導体層の剥離を行うこ
とが可能になるので窒化物半導体基板の量産性を向上さ
せることができる。
【0013】かかる構成につき、前述のイオン注入量が
少ない第2の領域は線状に連なっており、前記第3の工
程は前記レーザ光を前記第2の領域に沿って走査する工
程とすることが好ましい。このようにすることで効率的
な光軸の走査で窒化物半導体層の剥離を行うことが可能
になる。
【0014】かかる構成につき、前述のイオン注入量が
少ない第2の領域は複数に分散して設置されており、前
記第3の工程は前記レーザ光の光軸を前記第2の領域に
同期して走査しつつ前記レーザ光をパルス照射する工程
とすることが好ましい。このようにすることでパルスレ
ーザを用いて効率的な光軸の走査で窒化物半導体層の剥
離を行うことが可能になる。
【0015】かかる構成につき、前述のイオン注入量が
少ない第2の領域は複数に分散して設置されており、前
記第3の工程は前記レーザ光の一照射により複数の前記
の第2の領域に照射する工程とすることが好ましい。こ
のようにすることで、より短い照射時間で窒化物半導体
層の剥離を行うことが可能になる。
【0016】本発明の窒化物半導体基板の製造方法にお
いて、母材基板はサファイアとし、注入されるイオンは
水素ないしはシリコンであることが好ましい。このよう
にすることで、窒化物半導体層の特性を劣化させるよう
な汚染を生じずに、サファイアの原子結合を切断し、原
子結合が弱い領域を形成することができる。
【0017】本発明の窒化物半導体基板の製造方法にお
いて、前記原子結合が切断された領域はプラズマ照射に
より形成することができる。
【0018】本発明の窒化物半導体基板の製造方法にお
いて、前記第1の工程は、母材基板主面にプラズマ照射
された第1の領域と、前記第1の領域よりプラズマ照射
量が少ないないしはプラズマ照射されない第2の領域と
を設ける工程とし、前記第3の工程は、少なくとも前記
第2の領域に前記レーザ光を照射する工程とすることが
好ましい。このようにすることで、窒化物半導体層全面
をレーザ照射することなくより確実に窒化物半導体層の
剥離を行うことが可能になるので窒化物半導体基板の量
産性を向上させることができる。
【0019】かかる構成につき、前述のプラズマ照射量
が少ない第2の領域は線状に連なっており、前記第3の
工程は前記レーザ光を前記第2の領域に沿って走査する
工程とすることが好ましい。このようにすることで効率
的な光軸の走査で窒化物半導体層の剥離を行うことが可
能になる。
【0020】かかる構成につき、前述のプラズマ照射量
が少ない第2の領域は複数に分散して設置されており、
前記第3の工程は前記レーザ光の光軸を前記第2の領域
に同期して走査しつつ前記レーザ光をパルス照射する工
程とすることが好ましい。このようにすることでパルス
レーザを用いて効率的な光軸の走査で窒化物半導体層の
剥離を行うことが可能になる。
【0021】かかる構成につき、前述のプラズマ照射量
が少ない第2の領域は複数に分散して設置されており、
前記第3の工程は前記レーザ光の一照射により複数の前
記の第2の領域に照射する工程とすることが好ましい。
このようにすることで、より短い照射時間で窒化物半導
体層の剥離を行うことが可能になる。
【0022】本発明の窒化物半導体基板の製造方法にお
いて、前記母材基板をサファイアとし、照射されるプラ
ズマを水素ないしは酸素ないしは希ガスとすることが好
ましい。このようにすることで、窒化物半導体層の特性
を劣化させるような汚染を生じずに、サファイアの原子
結合を切断し、原子結合が弱い領域を形成することがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0024】(実施の形態1)図1を参照しながら、本
発明の第1の実施の形態におけるGaN基板の製造方法
を説明する。
【0025】図1(a)の基板1は直径2インチ、厚さ
700ミクロンのサファイア(酸化アルミニウムの単結
晶)であり、表面、裏面ともに鏡面仕上げとなってい
る。表面の面方位は(0001)面である。
【0026】基板1はサファイアより構成されており、
サファイアのバンドギャップは8.7eVであるため、
バンドギャップに相当するエネルギーの142.5nm
より大きな波長の光は透過する。そのため、波長248
nmのKrFエキシマレーザ光や波長355nmのN
d:YAGレーザの3次高調波光を透過することができ
る。
【0027】まず、第1の工程であるイオン注入工程を
行う。
【0028】このサファイア基板1に水素イオンを注入
する(図1(b))。イオン注入によって、原子結合が
切断された領域1a(以下実施の形態5までは、イオン
注入した領域1aないしは単に領域1aと呼ぶ)が形成
された。注入量は1x1016ion/cm2とし、注入
は基板を5°傾けて実施した。加速電圧は200keV
とした。サファイア基板に水素をイオン注入することに
よって、サファイアの構成元素であるAlとOの結合が
切断される。切断された原子間に水素が導入されたりす
ることもある。それらの結果、イオンが注入されていな
い領域に比べ、イオン注入した領域の平均的な原子結合
力を相対的に弱くすることができる。
【0029】なお、注入量が少ない場合は、基板表面付
近で原子間の結合が切れて原子結合が弱くなる量が少な
くなり、後述のレーザ照射時に窒化物半導体層2と母材
基板1との剥離を効率的に行うことが困難となる。一
方、注入量が多い場合は、基板表面が窒化物半導体層を
成長させる前から母材基板の一部が剥がれ、剥がれた微
細な粒子が表面に再付着して窒化物半導体層の成長に悪
影響を及ぼすことがある。このような事情から、好まし
い注入量の範囲を検討すると1x1014ion/cm2
から1x1018ion/cm2である。
【0030】なお、イオン注入時の注入角度は、チャネ
リング効果により注入した水素が奥深く注入されること
を防ぐため、サファイアの(0001)面から2°以上
傾けた面からイオンを入射することが好ましい。
【0031】なお、イオン注入時の加速電圧は特に限定
するものではないが、加速電圧が低いとサファイア表面
付近のダメージが大きくなるため、20keV以上とす
ることが好ましい。
【0032】次に第2の工程である、窒化物半導体層の
成長工程を行う。アンモニアと、Ga金属とHClを約
900℃程度の高温で反応させて生じるGaClとを原
料とするハイドライド気相成長法(以下、HVPE法と
称する)によりGaNの成長を行った。圧力は大気圧下
で成長を行った。
【0033】サファイア上へGaNの核形成密度を増加
させるため、GaNの成長に先立って基板温度を100
0℃に保ち、GaClのみを15分間供給する(以下、
このプロセスをGaCl処理と呼ぶ)。なお、核形成密
度を増加させる目的では、GaCl処理に替えて低温バ
ッファ層やアンモニアでサファイアを窒化する処理を行
っても良いし、これらを組み合わせても良い。
【0034】GaCl処理後、アンモニアを導入してG
aN層2の成長を開始する。GaN層2の厚さが200
μmとなるまで成長を行い、室温まで基板温度を降下さ
せ、基板を取り出した(図1(c))。
【0035】サファイア基板1の上にGaN層2を高温
で成長し、室温まで降温した結果、サファイアとGaN
の熱膨張係数差による反りが生じる。GaNよりサファ
イアの方が熱膨張係数が大きいので、GaN層2側を凸
として反りを生じる。本実施の形態では、曲率半径は6
0cm程度であった。本実施の形態では母材基板1がG
aN層2に比べて厚いため、曲率半径が大きく、割れが
生じるほどの反りではない。
【0036】なお、サファイア基板1はイオン注入され
ているため、AlやOの結合が切断され、成長時の10
00℃という高温で、これらの元素がGaN層2へ拡散
しやすい。GaN中のAlは等電子トラップを形成し、
またOはドナーとして働く。そのため、GaN基板上に
デバイスを形成したとき、デバイスの能動領域にはこれ
らの元素が拡散しないようにすることが好ましい。好ま
しくは、GaN層2の厚さを30μm以上とすること
で、デバイス能動領域に拡散されるAlやOを充分少な
くすることができる。
【0037】つぎに、第3の工程であるレーザ光照射に
よる基板分離の工程を行う。レーザの照射は、図2に示
す光学系とステージを用いて行った。レーザ装置3より
出射されたレーザ光10を、GaN層2に照射するにあ
たって、回転機構4により回転させるとともに、スキャ
ンレンズ5で光軸を走査することにより、基板全体に渡
ってレーザ光を照射することを可能とする構成となって
いる。また、集光手段6によって、GaN層2でのレー
ザ光のスポット径を制御することができる。
【0038】なお、ステージには、母材基板1の反りを
調整するための抵抗加熱ヒータなどの加熱手段を設けて
も良い。また、熱膨張係数差による剥離を促進させるた
めのペルチェ素子などの冷却手段を設けてもよい。
【0039】レーザ装置3は、Nd:YAGレーザ光の
3次高調波レーザ光を発生する装置である。パルス周波
数は10Hz、1パルスのパルス幅は5nsとした。集
光手段6を用いて、レーザ光のビームは、GaN層2上
で円形で直径は1mmに集光されている。1パルスあた
りのエネルギーをサファイア基板1において0.1Jと
した。
【0040】なお、GaN層2に到達するレーザのエネ
ルギーは、基板1の表面や、基板1とGaN層2の界面
における反射や、基板1中の欠陥による吸収を受けて、
減衰する。そのため、基板厚さや、基板裏面の仕上げ、
基板特性などによって、1パルスあたりのエネルギーな
いしはビーム径を、GaNが分解するように調整する必
要がある。GaN昇華に必要なビームエネルギー密度
は、基板温度が高ければ少なくなる。また、パルス幅が
小さくなればピークエネルギーが高くなるため、GaN
昇華に必要な1パルスあたりのエネルギー密度により変
化する。室温付近で数nsから数十ns程度のパルスで
は、おおよそ0.1J/cm2以上である。本実施の形
態では散乱や減衰を考慮しても充分なパルスエネルギー
を有していた。
【0041】なお、GaN層2は反っている為、集光手
段6を制御するなどして、照射位置によって焦点位置を
制御し、レーザ光10のGaN層2の位置におけるサイ
ズを一定とすることが好ましい。
【0042】なお、照射位置によって焦点位置を制御し
ない場合は、集光手段6の焦点距離をGaN層の曲率半
径に近づけることが好ましい。このようにすることで、
特殊なレンズを用いずに、レーザ光10のGaN層2の
位置におけるサイズを一定とすることができる。
【0043】レーザ光10は、サファイア基板1側から
GaN層2を照射するようにした。レーザ照射は、特に
基板加熱や冷却を行わず室温の雰囲気(約20℃)で行
った。周辺部から中央部に向かってレーザ照射を行っ
た。このとき、GaN層2全体を隙間なく照射するので
はなく、図1(d)の上面の概略図に示すように、照射
位置8の回転方向の中心間隔および半径方向の中心間隔
を2mm離して照射されるように、回転機構4の回転速
度やスキャンレンズ5の走査速度を調整した。調整の方
法であるが、基板の回転速度ないしはレーザ装置3のパ
ルスの周波数を変化させることでスポットの回転方向の
間隔を変更できる。また、回転速度に応じて、光軸の走
査速度を変化させることで半径方向の間隔を変更でき
る。
【0044】レーザ光10を照射されたGaN層2はサ
ファイア基板1との界面付近でレーザ光10を吸収し加
熱される。パルス幅が5nsと短いため、加熱される部
分はサファイア基板1とのごく界面付近に集中され、サ
ファイア基板1との界面のGaNのみが昇華してGaと
窒素に分解される。
【0045】図1(e)は照射工程途中における断面図
である。図を明瞭に示すため、図1(e)には、ハッチ
ングを施していない。
【0046】GaN層2のうちレーザ光10を照射され
た部分には金属のGa11を生じている。金属Gaは、
25℃以上では液体であり、25℃以下でも非常にやわ
らかいためサファイア基板1とGa11とGaN層2と
の結合は表面張力程度であって、極めて弱い。そのた
め、熱膨張係数差による応力は、レーザ照射されていな
い部分に集中する。
【0047】さらに、GaN層2の分解によって、金属
Ga11とともに窒素ガスが発生する。発生した窒素に
よる圧力は、サファイア基板1とGaN層2を剥がす方
向に加わる。レーザ照射されていない領域は、イオン注
入によってサファイア中の原子同士の結合が弱まってい
るので、熱膨張係数差による応力の集中と窒素の圧力に
耐えられず、イオン注入領域1a内でクラック12を生
じる。この際、GaN層2の分解で発生した窒素はクラ
ック12を通して発散する。
【0048】なお、前述の事情より、イオン注入量を1
x1014ion/cm2から1x1018ion/cm2
しているため、クラックは原子結合の弱いイオン注入領
域1a中のみに発生し、サファイア基板1やGaN層2
にはクラックや割れは発生していない。
【0049】さらにレーザ光の照射工程を続けていく
と、中央までレーザ照射しなくても、周囲から1cmぐ
らい内側までレーザ照射した段階で、基板中央付近に応
力が集中して、クラック12がイオン注入領域1a全体
に伸展した。その結果、サファイア基板1からGaN層
2が剥離された(図1(f))。剥離によって、サファ
イア基板1、GaN層2ともに、反りが解消された。
【0050】このように、レーザ光照射などを行わなく
とも、内部応力によっていわば自動的に剥離すること
を、自動剥離と呼ぶこととする。GaN層2の裏側の主
面には、Ga11やサファイア片13が付着している。
【0051】なお、どの時点でGaN層2が剥離するか
はイオン注入量や、照射スポット中心間隔やピッチなど
により変化する。イオン注入量が大きいほど、また、レ
ーザを密に照射するほど、レーザ照射の早い段階で自動
剥離が起こった。また、ペルチェ素子や液体窒素などで
基板を室温より冷却すると自動剥離が早い段階で起こ
る。
【0052】従来のレーザ照射によるGaN剥離のよう
に、基板全体をくまなく照射する場合は、1mm径の円
形ビームでは、ピッチやスポット間隔を0.8mm程度
以下にする必要があり、1枚のウェハの照射で約5分必
要である。しかも、この時間に基板温度を上昇、下降さ
せる時間を加える必要があった。
【0053】これに対して、本実施の形態のように、ス
ポット間隔やピッチを離した照射では、基板中央までレ
ーザ照射しても、レーザ照射スポット数をおおよそ1/
6とすることができ、1枚のウェハを照射する時間は約
50秒と著しく低減することができる。しかも、本実施
の形態では、周囲から1cmぐらい内側まで照射した段
階でGaN層2が自動剥離を開始し、スキャン時間はわ
ずか20秒程度であった。
【0054】最後に、GaN層2を35%HCl溶液に
30分浸すことにより、Ga11を溶解した。また、研
磨によってサファイア片13と、Ga11が存在してで
きた凹凸を除去して、完全に単体からなるGaN基板2
が得られた(図1(g))。
【0055】なお、本実施の形態1において、Nd:Y
AGレーザ光に替えて、GaNに光を吸収され、サファ
イアを透過し、かつGaNを昇華するのに十分なパワー
を有する光を用いても良いことはいうまでもない。この
ような光源の例として、KrFエキシマレーザ(248
nm)やArFエキシマレーザ(193nm)、XeC
lエキシマレーザ(308nm)、XeFエキシマレー
ザ(351nm)、窒素レーザ(337nm)などがあ
る。
【0056】なお、本実施の形態ではレーザ光を重ねず
に照射したが、レーザ光を重ねて照射しても、同様に、
クラックやわれの発生なくGaN基板2が得られること
はいうまでもない。
【0057】(実施の形態2)以下、図3を用いて実施
の形態2について説明する。実施の形態2は、注入イオ
ンを水素に替えてシリコンとする以外は、実施の形態1
と全く同様である。
【0058】図3(a)の基板1は直径2インチ、厚さ
700ミクロンの(0001)面サファイアであり、表
面、裏面ともに鏡面仕上げとなっている。
【0059】このサファイア基板1にシリコンイオンを
注入する(図3(b))。領域1aがシリコンの注入領
域である。注入量は1x1016ion/cm2とし、注
入は基板を5°傾けて実施した。加速電圧は200ke
Vとした。サファイア基板にシリコンをイオン注入する
ことによって、水素と同様、サファイアの構成元素であ
るAlとOの結合が切断されたり、原子間にシリコンが
導入されたりする。その結果、イオンが注入されていな
い領域に比べ、イオン注入した領域の平均的な原子結合
力を相対的に弱くした領域を形成することができる。
【0060】水素イオンと同様、好ましいシリコンイオ
ンの注入量の範囲を検討すると、1x1014ion/c
2から1x1018ion/cm2である。
【0061】イオン注入時の注入角度は、チャネリング
効果により注入したシリコンが奥深く注入されることを
防ぐため、好ましくは、サファイアの(0001)面か
ら2°以上傾ける。
【0062】イオン注入時の加速電圧は特に限定するも
のではないが、加速電圧が低いとサファイア表面付近の
ダメージが大きくなる。ただし、シリコンは水素より原
子量が大きいため、表面付近にダメージが集中しやすく
好ましくは50keV以上とする。
【0063】次に第2の工程である、窒化物半導体層の
成長工程を行う。アンモニアと、Ga金属とHClとを
原料とするHVPE法によりGaNの成長を行った。1
5分間のGaCl処理の後、アンモニアを導入してGa
N層2の成長を実施する。GaN層2の厚さが200μ
mとなるまで成長を行い、室温まで基板温度を降下さ
せ、基板を取り出した(図3(c))。
【0064】つぎに、第3の工程であるレーザ照射によ
る基板分離の工程を行う。レーザの照射は、実施の形態
1と同じ装置、照射方法を用いた。その結果、サファイ
ア基板1から、GaN層2が剥離された(図3
(d))。GaN層2の裏面には、Ga11およびサフ
ァイア片13が付着していた。
【0065】最後に、HClによりGa11を溶解し、
サファイア片13およびGaN層2の凹凸を研磨で除去
して、単体のGaN基板2を得た(図3(e))。
【0066】以上により、シリコンイオン注入でも水素
イオン注入と同様の効果が得られることが確認された。
なお、金や銀などの重金属等を注入すると、窒化物半導
体デバイスを形成したとき、金や銀がデバイス中に侵入
し深い準位を形成して特性の劣化を招くことが知られて
いるが、シリコンや水素ではこのような問題は発生しな
いことはいうまでもない。
【0067】(実施の形態3)以下、図4を参照しなが
ら実施の形態3について説明する。実施の形態3は、イ
オン注入時に線状に連なったパタニングを行う例につい
て示している。
【0068】図4(a)の基板1は直径2インチ、厚さ
700ミクロンの(0001)面サファイアであり、表
面、裏面ともに鏡面仕上げとなっている。
【0069】このサファイア基板1に水素イオンを注入
する工程を実施する(図4(b、c、d))。
【0070】まず、図4(b−1)に示すようにレジス
トによるマスク7を設ける。マスク7の形状は、図4
(b−2)の概略図に示すように渦巻き螺旋状である。
渦巻き螺旋のピッチは2mm、幅は0.5mmとした。
【0071】なお、イオン注入後、マスク7を除去後の
イオン注入領域の判別を容易にするため、渦巻き螺旋の
出発点はオリフラ位置などで確認できるようにマスクあ
わせを行うことが好ましい。
【0072】次に、図4(c)に示すように水素イオン
を注入した。水素イオンの注入量は1x1016ion/
cm2とし、注入は基板を5°傾けて実施した。加速電
圧は200keVとした。サファイア基板1の主面でマ
スク7が存在しない部分はイオンが注入された領域1a
が形成される。マスク7が存在する部分には、水素イオ
ンが阻止されることで水素イオンの注入量が低減され、
より好ましくは、ほとんど注入が行われず、原子結合が
ほぼ保存されている領域1b(以下実施の形態5まで
は、イオン注入されていない領域1bないしは単に領域
1bと呼ぶ)が形成される。
【0073】マスク7を除去することで、母材基板が完
成する(図4(d))。
【0074】次に第2の工程である、窒化物半導体層の
成長工程を行う。実施の形態1と同じ方法で、HVPE
法によりGaN層2を200μm成長し、室温まで基板
温度を降下させ、基板を取り出した(図4(e))。
【0075】つぎに、第3の工程であるレーザ照射によ
る基板分離の工程を行う。レーザの照射は、実施の形態
1と同じ装置を用い、室温で行った。レーザ照射位置
は、イオン注入なされていない領域1bが隙間なく照射
されるよう、照射開始位置と回転速度、光軸の走査速度
を調整しながら、周囲から中央に向かってレーザ照射を
行った。具体的に、レーザスポットサイズが1mmであ
るため、螺旋渦巻き状の領域1bを隙間なく照射するに
は、スポット間隔がおおよそ0.8mmとなるよう回転
速度を調整する。より好ましくは、線速度一定となるよ
う回転させる。また、基板一周で2mmピッチとなるよ
う、光軸の走査速度も調整する。
【0076】なお、イオン注入を行った領域1aには外
観上大きな変化はないが、イオン注入位置は若干屈折率
や吸収係数が異なるため、可視光でも光の当て方などを
調整することで確認することは可能である。イオン注入
位置の吸収係数は、200nm程度の紫外域で顕著とな
るため、紫外線を検知するカメラなどで確認すればより
判断が容易となる。
【0077】図4(f)は、照射工程途中の断面図であ
る。図を明瞭に示すため、ハッチングを施していない。
レーザ光照射を行った領域には、GaN層2の分解によ
り生じた、Ga11が形成される。また、GaN層2の
分解により生じた窒素ガスの圧力と、熱膨張係数差によ
る応力集中とによって、イオン注入された領域1aには
クラック12を生じる。
【0078】一方、イオン注入されていない領域1b
は、サファイアが強固なためクラック12が伸展しな
い。そのため、基板のレーザ光を照射して、クラック1
2を生じても、クラック12は領域1bで停止して、G
aN層2全体に渡る自動剥離には至らない。
【0079】本実施の形態では、中央までレーザ照射を
完了した段階ではじめて完全に剥離が起こり、サファイ
ア基板1からGaN層2が分離された(図4(g))。
【0080】最後にHClによりGa11を溶解し、サ
ファイア片13とGaN層2の裏面の凹凸を研磨によっ
て除去して、GaN基板2を得た(図4(h))。
【0081】なお、実施の形態1のように、レーザ照射
の途中でGaN層2が自動的に剥離される場合、剥離が
起こる段階が一定でないため、GaN層2の裏面に付着
するサファイア片13の形状が毎回異なってしまう。G
aN層2の裏面のサファイア片13を除去するための裏
面の研磨工程において、自動剥離したGaN層2では、
個々のGaN層2とサファイア片13に合わせた条件
で、一枚ずつ裏面の研磨仕上げを行う必要がある。一
方、本実施の形態では、裏面の形状がほぼ一定のものが
得られるため、同一バッチ処理で複数枚のGaN基板2
の裏面の研磨仕上げを行うことが可能であった。したが
って、量産においては本実施の形態の工法が適する。
【0082】なお、イオン注入が行われていない領域1
bは、連なった形状とすることで、レーザ光の走査が容
易となり、好ましい。例えば、放射状、ストライプ状、
等のパターンとするのが好ましい。さらには、本実施の
形態の渦巻き螺旋のような一筆書きが可能なパターンと
するのが最も好ましい。
【0083】なお、イオン注入が行われている領域1a
とイオン注入が行われていない領域1bには、好ましい
面積の関係がある。具体的には領域1aに比して領域1
bが狭すぎる場合には、剥離が起こりにくくなり、窒化
物半導体ウェハを得ることが困難となる。逆に、領域1
aに比して領域1bが広すぎる場合には、自動剥離可能
な部分、すなわち領域1aの面積が小さいため、応力が
自動剥離によって開放されず、照射の途中でGaN層2
にクラックや割れを生じてしまうことがある。このよう
な事情から、室温照射において、好ましい面積の関係
は、領域1aの面積が領域1bの面積の1/5倍から5
0倍の間である。
【0084】(実施の形態4)以下、図5を参照しなが
ら実施の形態4について説明する。実施の形態4は、イ
オン注入時に複数に分散した形状のパタニングを行う例
について示している。
【0085】図5(a)の基板1は実施の形態1と同様
のサファイアである。
【0086】このサファイア基板1に水素イオンを注入
する工程を実施する(図5(b、c、d))。
【0087】まず、図5(b−1)に示すようにマスク
7によるパターンを設ける。マスク7の形状は、図5
(b−2)の概略図に示すように円形のドット状であ
る。平面を敷き詰める一辺2mmの正三角形の各頂点に
マスク7によるドットが位置するようになっている。隣
り合うマスク7の中心間隔は2mm、一つのマスク7の
径は0.5mmである。
【0088】なお、イオン注入後、マスク7を除去する
とイオン注入領域の判別を容易にするため、マスク7の
位置や方向がオリフラ位置などで確認できるようにマス
クあわせを行うことが好ましい。
【0089】なお、個々のマスク7の形状は、後のレー
ザのスポットサイズに収まる形状であれば、多角形や不
定形などでも良い。
【0090】なお、マスク7を基板端に設けると、基板
端においては後述のレーザ光照射工程でレーザ光が均一
に照射されないので、マスク7は基板端に設けないこと
が好ましい。好ましくは50μm以上基板端より内側に
マスク7を設けるのが良い。
【0091】次に、図5(c)に示すように水素イオン
を注入した。水素イオンの注入量や注入条件は実施の形
態1と同じである。
【0092】マスク7を除去することで、母材基板が完
成する(図5(d))。
【0093】次に実施の形態1と同様、GaN層2を2
00μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を
取り出した(図5(e))。
【0094】つぎに、第3の工程であるレーザ光照射に
よる基板分離の工程を行う。レーザ光の照射は、2次元
の光軸走査が可能な装置を用いて、室温で行った。レー
ザ照射位置は、イオン注入なされていない領域が照射さ
れるよう光軸走査を行った。
【0095】例えば、以下のような方法で照射を行うこ
とが可能である。
【0096】イオンが注入されていない領域1bは、図
5(b−2)のマスク7と同じ並び方をしている。そこ
で、10Hzのレーザを用いた場合、初回照射位置を基
板端のイオンが注入されていない領域1bにあわせ、基
板回転は行わずに、最近接の領域1bが並んでいる方向
に線速度毎秒2cmで光軸を走査すれば、レーザ照射が
領域1bに同期して行われる。以下、同様の照射を繰り
返せば基板全面を照射することができる。
【0097】本実施の形態では、照射は、基板の外から
内にかけて行った。領域1bは6回対称に並んでいるた
め、最も外の領域1bを含む正六角形を考え、この正六
角形に沿って光軸走査とレーザ光照射を行い、次第に内
側の六角形へと照射を行えばよい。
【0098】なお、マスク7の大きさや間隔によって
は、外周の領域1bが必ずしも六角形に並んでいないこ
とがあるが、マスク7のパターンを仮に外挿し、六角形
を想定して走査すればよい。
【0099】なお、領域1bは3回対称とも見なせるの
で、正三角形に光軸を走査してもよい。
【0100】なお、領域1bは2回対称とも見なせるの
で、前述の六角形の一対の対辺を、互い違いに外側から
内側に向けて走査しても良い。
【0101】図5(f)は、レーザ照射工程途中の断面
図である。図を明瞭に示すため、ハッチングは施してい
ない。実施の形態3と同様、GaN層2の分解により生
じたGa11が形成されるとともに、窒素ガスの発生
と、熱膨張係数差による応力集中とによって、イオン注
入された領域1aにはクラック12を生じる。
【0102】一方、イオン注入されていない領域1bで
はクラック12が伸展せず、領域1bで停止して、Ga
N層2全体に渡る自動剥離には至らない。
【0103】本実施の形態では、中央までレーザ照射を
完了した段階ではじめて完全に剥離が起こり、サファイ
ア基板1からGaN層2が分離された(図5(g))。
【0104】最後にHClによりGa11を溶解し、研
磨を行ってサファイア片13を除去することで、単体の
GaN基板2を得た(図5(h))。
【0105】なお、本実施の形態のイオン注入領域の形
状とレーザ照射方法に限らず、イオン注入領域を複数に
分散配置して、レーザ照射を複数配置したイオン注入領
域に同期して照射することで、効率よくレーザ照射を行
えることはいうまでもない。より好ましくは本実施の形
態のように、イオン注入されていない領域1bを周期的
に配置することによって、より効率的に光軸を走査し
て、領域1bへのレーザ光の照射を行うことができる。
【0106】本実施の形態においても、裏面の形状がほ
ぼ一定のものが得られるため、同一バッチ処理で複数枚
のGaN基板2の裏面の研磨仕上げを行うことが可能で
ある。
【0107】(実施の形態5)以下、図6を参照しなが
ら実施の形態5について説明する。実施の形態5は、レ
ーザ照射方法を変更した実施の形態4の変形について示
している。
【0108】図6(a)の基板1は実施の形態4と同様
のサファイアである。
【0109】このサファイア基板1に水素イオンを注入
する工程を実施する(図6(b、c、d))。
【0110】まず、図6(b)に示すようにマスク7に
よるパターンを設ける。マスク7の形状は、実施の形態
4と同様で、隣り合うマスク7の中心間隔は2mm、各
マスク7の径は0.5mmとした。
【0111】次に、図6(c)に示すように水素イオン
を注入した。水素イオンの注入量や注入条件は実施の形
態4と同じである。イオン注入された領域1aと、イオ
ン注入されない領域1bが形成された。
【0112】マスク7を除去することで、母材基板が完
成する(図6(d))。
【0113】次に実施の形態4と同様、GaN層2を2
00μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を
取り出した(図6(e))。
【0114】つぎに、第3の工程であるレーザ照射によ
る基板分離の工程を行う。光学系、回転機構は、図2の
装置を用いた。ただし、レーザパワーの大きなKrFエ
キシマレーザ装置を用い、ビーム径は5mm、ビームパ
ワーは3Jとした。パルス幅は30nsである。KrF
エキシマレーザ装置においても、GaNを昇華させるの
に必要なパワーはNd:YAGレーザとほぼ同じ傾向で
ある。本実施の形態では、ビーム径が5倍となっている
が、ビームパワーも30倍となっており、5の2乗であ
る25倍以上大きくなっている。そのため光密度として
は実施の形態1より低下しておらず、GaNを昇華させ
るのに充分である。
【0115】本実施の形態では、照射スポットが互いに
重なるように、回転方向の照射スポット間隔、半径方向
の照射スポットのピッチを4mmとした。この方法によ
れば、一度の照射で複数の注入されていない領域1bを
照射することとなる。照射は外側から内側に向けて行っ
た。
【0116】図6(f)は、レーザ照射工程途中の断面
図である。レーザ光の照射によりGaN層2は、サファ
イア基板1との界面付近でGa11と窒素ガスに分解さ
れる。そのため、レーザスポット周辺のイオン注入され
た領域には、応力が集中しクラック12を生じる。Ga
11とサファイア基板1およびGaN11とGaN層2
とは結合が弱く、特にサファイア基板1との結合が弱い
ため、GaN層2は、サファイア基板1から分離され
る。その際、窒素は外へと開放される。しかし、イオン
注入されていないサファイアは強固なため、基板全体に
渡る自動剥離には至らない。
【0117】そのため、本実施の形態では、イオン注入
されていない領域1bの全てを照射した段階ではじめて
サファイア基板1から完全にGaN層2が剥離された
(図6(g))。
【0118】最後にGa11をHClによって除去して
単体のGaN基板2を得た(図6(h))。
【0119】本実施の形態では、基板全体が照射されて
いるが、レーザのビーム径が4倍と大きく、ビーム面積
は16倍も大きい。したがって、一度に複数の領域1b
を照射している。一照射で複数の領域1bを照射するこ
とによって、実施の形態5では、実施の形態4に比べて
照射数を約1/4とすることができた。本実施の形態で
は基板全体を照射しているため、特別な位置合わせなど
の必要がなく、レーザ以外は比較的安価な設備で実施す
ることが可能である。なお、一照射で複数のドットを照
射させる場合でも、ドットに同期させてレーザを照射す
ることで、より少ない照射数で剥離が可能であることは
いうまでもない。
【0120】(実施の形態6)図7を参照しながら、本
発明の第6の実施の形態におけるGaN基板の製造方法
を説明する。本実施の形態は、イオン注入に変えてプラ
ズマ照射を用いる以外は実施の形態1と全く同じであ
る。
【0121】図7(a)の基板1は実施の形態1と同じ
サファイア基板1である。
【0122】まず、第1の工程であるプラズマ照射工程
を行う。
【0123】このサファイア基板1に酸素プラズマを1
0分間照射し、プラズマ照射によって原子結合が切断さ
れた領域1a(以下、プラズマ照射領域1aないしは単
に領域1aと呼ぶ)を得る(図7(b))。プラズマの
密度や圧力等の条件により、プラズマ照射に必要な照射
時間が異なる。プラズマ照射の場合は、プラズマの状態
がプラズマの発生方法や装置に大きく依存し、イオン注
入と違って一義的な定義はできない。
【0124】例えば、本実施の形態では、電極面積10
00cm2の円形電極による平行平板RFプラズマで、
RFパワーを200W、酸素流量を10sccm、圧力
を5Paとして検討を行っている。このとき、プラズマ
照射に必要な時間は30秒から2時間であった。30秒
未満では、プラズマ照射した領域の原子結合力を弱くす
る量が不十分であり、2時間より長い時間では表面にダ
メージが発生して、上に単結晶のGaN層を成長させる
ことが困難となる。
【0125】次に第2の工程である、窒化物半導体層の
成長工程を行う。実施の形態1と同じHVPE法により
200μmの厚さGaN層2の成長を行い、室温まで基
板温度を降下させ、基板を取り出した(図7(c))。
【0126】つぎに、第3の工程であるレーザ照射によ
る基板分離の工程を行う。レーザの照射に関して、その
方法、装置、条件は実施の形態1と全く同じであり、図
7(d)の概略図に示すように照射スポットの回転方向
の中心間隔および半径方向の中心間隔を2mm放して照
射されるように回転速度や光軸の走査速度を調整した。
【0127】実施の形態1と同様、レーザ光の照射を続
けていくと、中央までレーザ照射しなくても、周囲から
1cmぐらい内側までレーザ照射した段階で、基板中央
付近に応力が集中して、サファイア基板1からGaN層
2が剥離され、Ga11とサファイア片13が付着した
GaN基板2が得られた(図7(e))。
【0128】最後にHClによってGa11を溶解し、
サファイア片13とGaN層2の凹凸を研磨によって除
去して、単体のGaN基板2を得た(図7(f))。
【0129】以上により、プラズマ照射によりサファイ
アの結合を弱めても、イオン注入と全く同じ効果が得ら
れることが示された。
【0130】(実施の形態7)図8を用いて本実施の形
態7について説明する。実施の形態7は、照射プラズマ
を水素ないしはヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプ
トンとする以外は、実施の形態6と全く同様である。
【0131】図8(a)の基板1は実施の形態6と全く
同様の、直径2インチ、厚さ700ミクロンの(000
1)面サファイア基板である。
【0132】このサファイア基板1を5枚準備し、それ
ぞれ、水素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、クリプト
ンのプラズマを10分間照射し、プラズマ照射領域1a
を得た(図8(b))。
【0133】次に第2の工程である、窒化物半導体層の
成長工程を行う。それぞれのサファイア基板1に、実施
の形態6と同じくGaN層2の厚さが200μmとなる
まで成長を行い、室温まで基板温度を降下させ、基板を
取り出した(図8(c))。
【0134】つぎに、第3の工程であるレーザ照射によ
る基板分離の工程を行う。レーザの照射は、実施の形態
6と同じ装置、照射方法を用いた。その結果、いずれの
プラズマを照射した場合も、サファイア基板1から、G
aN層2が剥離され、Ga11とサファイア片13が付
着したGaN基板2が得られた(図8(d))。
【0135】最後にHClによりGa11を溶解し、研
磨によりサファイア片13とGaN層2の凹凸を除去し
て、GaN基板2が得られた(図8(e))。
【0136】以上により、水素、ヘリウム、アルゴン、
キセノン、クリプトンのプラズマでも酸素プラズマと同
様の効果が得られることが確認された。また、得られた
GaN基板2にデバイスを形成しても、窒化物半導体デ
バイスに重金属等が導入されたときのような、特性の劣
化などの問題は発生しない。また、水素、ヘリウム、ア
ルゴン、キセノン、クリプトンのプラズマでも好ましい
照射時間は実施の形態6と同じ事情で30秒から2時間
である。
【0137】(実施の形態8)以下、図9を参照しなが
ら実施の形態8について説明する。実施の形態8は、実
施の形態3でイオン注入に変えてプラズマ照射を行うこ
とと、マスクとしてSiO2を用いる以外は、実施の形
態3と同じである。
【0138】図9(a)の基板1は直径2インチ、厚さ
700ミクロンの(0001)面サファイアであり、表
面、裏面ともに鏡面仕上げとなっている。
【0139】このサファイア基板1に酸素プラズマを照
射する工程を実施する(図9(b、c、d))。
【0140】まず、図9(b)に示すように100nm
のSiO2マスク7を設ける。SiO2マスク7の形状
は、実施の形態3におけるレジストマスク7と同じ渦巻
き螺旋である。また、SiO2層のパタニングは、フォ
トリソグラフィーとフッ酸などによるエッチングにより
行った。SiO2層の形成はRFスパッタで行ってい
る。なお、SiO2層の形成は、熱CVD法や蒸着など
他の方法でも良いし、後述のプラズマ照射に耐えうる材
料や製法であれば、例えばSiN等でも良い。
【0141】次に、図9(c)に示すように酸素プラズ
マを10分間照射した。プラズマの条件は実施の形態6
と同じである。サファイア基板1の主面でマスク7が存
在しない部分はプラズマ照射領域1aが形成される。マ
スク7が存在する部分には、酸素プラズマが阻止される
ことでほとんど酸素プラズマが照射されず、原子結合が
ほぼ保存された領域1b(以下プラズマ非照射領域1b
ないしは単に領域1bと呼ぶ)が形成される。なお、酸
素プラズマはレジストをエッチングするのでSiO2
マスクとしたが、水素や希ガスのプラズマであれば、レ
ジストをマスクとしても良いことは言うまでもない。
【0142】マスク7を除去することで、母材基板が完
成する(図9(d))。
【0143】次に第2の工程である、窒化物半導体層の
成長工程を行う。実施の形態3と同じ方法で、HVPE
法によりGaN層2を200μm成長し、室温まで基板
温度を降下させ、基板を取り出した(図9(e))。
【0144】つぎに、第3の工程であるレーザ照射によ
る基板分離の工程を行う。レーザの照射は、実施の形態
3と同じ装置、方法を用い、プラズマ非照射領域1bへ
の照射を行った。中央までレーザ照射を完了した段階で
はじめて完全に自動剥離が起こり、サファイア基板1か
ら完全にGa11およびサファイア片13が付着したG
aN層2が剥離された(図9(f))。
【0145】最後に、Ga11をHClで溶解し、サフ
ァイア片13と凹凸を研磨で除去して単体のGaN基板
2を得た(図9(g))。
【0146】以上のように、イオン注入に替えてプラズ
マ照射でも、同様の効果が得られることが確認できた。
なお、プラズマ非照射領域1bの最も好ましい形状は、
本実施の形態の渦巻き螺旋のような一筆書きが可能なパ
ターンであるが、放射状、ストライプ状、他のパターン
でもよいことは言うまでもない。
【0147】なお、プラズマ照射領域1aとプラズマ非
照射領域1bには、イオン注入と同様の好ましい面積の
関係がある。室温でレーザ光照射をする場合は、好まし
い面積の関係として、領域1aの面積を領域1bの面積
の1/5倍から50倍の間とするのがよい。
【0148】(実施の形態9)以下、図10を参照しな
がら実施の形態9について説明する。実施の形態9は、
実施の形態4のイオン注入に替えてプラズマ照射を行っ
た場合について示している。
【0149】図10(a)の基板1は実施の形態4と同
様のサファイアである。
【0150】このサファイア基板1に酸素プラズマを照
射する。
【0151】まず、図10(b)に示すように、SiO
2層マスク7によるパターンを設ける。マスク7の形状
は、実施の形態4と同じである。
【0152】次に、図10(c)に示すように酸素プラ
ズマを照射した。酸素プラズマの照射量や注入条件は実
施の形態6と同じである。
【0153】マスク7を除去することで、母材基板が完
成する(図10(d))。
【0154】次に実施の形態4と同様、GaN層2を2
00μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を
取り出した(図10(e))。
【0155】つぎに、第3の工程であるレーザ照射によ
る基板分離の工程を行う。レーザの照射方法などは、実
施の形態4と全く同様である。
【0156】本実施の形態では、全てのドットの照射を
完了した段階ではじめてサファイア基板1から、Ga1
1とサファイア片13が付着したGaN層2が剥離され
た(図10(f))。
【0157】最後に、HClを用いてGa11を溶解
し、研磨でサファイア片13と凹凸を除去して、単体の
GaN基板2を得た(図10(g))。
【0158】以上のように、周期的なプラズマ非照射領
域を用いても、イオン注入と同様の効果が得られた。
【0159】(実施の形態10)以下、図11を参照し
ながら実施の形態10について説明する。実施の形態1
0は、実施の形態5のイオン注入に替えてプラズマ照射
を行った場合について示している。
【0160】図11(a)の基板1は実施の形態5と同
様のサファイアである。
【0161】このサファイア基板1に酸素プラズマを照
射する工程を実施する(図11(b、c、d))。
【0162】まず、図11(b)に示すようにSiO2
マスク7によるパターンを設ける。マスク7の形状は、
実施の形態5と同様で、隣り合うドットの中心間隔は2
mm、ドットの径は0.5mmとした。
【0163】次に、図11(c)に示すように酸素プラ
ズマを10分照射した。酸素プラズマの照射条件は実施
の形態6と同じである。プラズマ照射領域1aと、プラ
ズマ非照射領域1bとが形成された。
【0164】マスク7を除去することで、母材基板が完
成する(図11(d))。
【0165】次に実施の形態5と同様、GaN層2を2
00μm成長し、室温まで基板温度を降下させ、基板を
取り出した(図11(e))。
【0166】つぎに、第3の工程であるレーザ照射によ
る基板分離の工程を行う。実施の形態5と全く同様、K
rFエキシマレーザを用い、サファイア基板1からGa
11が付着したGaN層2が剥離できた(図11
(f))。
【0167】最後に裏面のGa11をHClによって溶
解して単体のGaN基板2を得た(図11(g))。
【0168】以上実施の形態6から実施の形態10で示
したように、プラズマ照射でも、イオン注入とほとんど
同様の効果が得られる。プラズマ照射の場合、プラズマ
発生源の装置依存性などがあり、装置により好ましい照
射時間などの条件が若干変化するという課題があるもの
の、イオン注入より比較的簡易な装置で、サファイアの
原子結合を弱めることができるというメリットがある。
【0169】なお、以上の実施の形態において、GaN
層2に替えて、AlGaN層やInGaN層やAlIn
GaN層を成長させることによって、AlGaNやIn
GaNやAlInGaN基板を得ることができることは
言うまでもない。
【0170】なお、以上の実施の形態においてはサファ
イアなどの母材基板にイオンを注入しているが、予めサ
ファイアなどの上にGaN層などを設けた基板を母材基
板として、イオン注入を行っても良いことは言うまでも
ない。すなわち、サファイア上にGaN層を成長し、G
aN/サファイア基板にイオン注入を行い、その上にG
aN層を厚く成長させた後、レーザ照射を行っても同様
の効果が得られることは、言うまでもない。
【0171】
【発明の効果】以上のように、本発明の窒化物半導体基
板の製造方法によれば、レーザ照射による母材基板から
窒化物半導体層の剥離を用いて、クラックや割れのない
窒化物半導体基板を量産性よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)、(e)〜(g)本発明の実施
の形態1における窒化物半導体基板の製造方法を示す断
面図 (d)本発明の実施の形態1における窒化物半導体基板
の製造方法を示す上面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるレーザ照射機構
を示す断面図
【図3】本発明の実施の形態2における窒化物半導体基
板の製造方法を示す断面図
【図4】(a)、(b−1)、(c)〜(h)本発明の
実施の形態3における窒化物半導体基板の製造方法を示
す断面図 (b−2)本発明の実施の形態3における窒化物半導体
基板の製造方法を示す上面図
【図5】(a)、(b−1)、(c)〜(h)本発明の
実施の形態4における窒化物半導体基板の製造方法を示
す断面図 (b−2)本発明の実施の形態4における窒化物半導体
基板の製造方法を示す上面図
【図6】本発明の実施の形態5における窒化物半導体基
板の製造方法を示す断面図
【図7】(a)〜(c)、(e)、(f)本発明の実施
の形態6における窒化物半導体基板の製造方法を示す断
面図 (d)本発明の実施の形態6における窒化物半導体基板
の製造方法を示す上面図
【図8】本発明の実施の形態7における窒化物半導体基
板の製造方法を示す断面図
【図9】本発明の実施の形態8における窒化物半導体基
板の製造方法を示す断面図
【図10】本発明の実施の形態9における窒化物半導体
基板の製造方法を示す断面図
【図11】本発明の実施の形態10における窒化物半導
体基板の製造方法を示す断面図
【符号の説明】
1 母材基板 1a 原子結合が切断された領域 1b 原子結合が保存された領域 2 窒化物半導体層 3 レーザ装置 4 回転機構 5 スキャンレンズ 6 集光手段 7 マスク 8 レーザ照射位置 10 レーザ光 11 Ga 12 クラック 13 サファイア片
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 26/00 B23K 26/00 H Fターム(参考) 4E068 CA03 CE03 DA09 4K029 AA04 CA10 5F041 AA41 AA43 CA64 CA71 CA74 CA77 5F045 AB14 AC12 AC13 AD13 AD14 AF09 BB13 CA09 CA11 HA05 HA18 5F072 AA06 AB02 HH07 MM17 QQ02 YY06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材基板主面に前記母材基板を構成する材
    料の原子結合が切断された領域を設ける第1の工程と、
    前記母材基板上に窒化物半導体層を形成する第2の工程
    と、前記母材基板と前記窒化物半導体層との界面にレー
    ザ光を照射する第3の工程とを有する、窒化物半導体基
    板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記原子結合が切断された領域はイオン注
    入された領域であることを特徴とする請求項1に記載の
    窒化物半導体基板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第1の工程は、母材基板主面にイオン
    注入された第1の領域と、前記第1の領域よりイオン注
    入量が少ないないしはイオン注入されない第2の領域と
    を設ける工程であり、前記第3の工程は、少なくとも前
    記第2の領域に前記レーザ光を照射する工程であること
    を特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記第2の領域は線状に連なっており、前
    記第3の工程は前記レーザ光を前記第2の領域に沿って
    走査する工程であることを特徴とする請求項3に記載の
    窒化物半導体基板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第2の領域は複数に分散して設置され
    ており、前記第3の工程は前記レーザ光の光軸を前記第
    2の領域に同期して走査しつつ前記レーザ光をパルス照
    射する工程であることを特徴とする請求項3に記載の窒
    化物半導体基板の製造方法。
  6. 【請求項6】前記第2の領域は複数に分散して設置され
    ており、前記第3の工程は前記レーザ光の一照射により
    複数の前記第2の領域に照射する工程であることを特徴
    とする請求項3に記載の窒化物半導体基板の製造方法。
  7. 【請求項7】前記母材基板はサファイアであって、注入
    されるイオンは水素ないしはシリコンであることを特徴
    とする請求項2ないしは請求項3に記載の窒化物半導体
    基板の製造方法。
  8. 【請求項8】前記原子結合が切断された領域はプラズマ
    照射領域であることを特徴とする請求項1に記載の窒化
    物半導体基板の製造方法。
  9. 【請求項9】前記第1の工程は、母材基板主面にプラズ
    マ照射された第1の領域と、前記第1の領域よりプラズ
    マ照射量が少ないないしはプラズマ照射されない第2の
    領域とを設ける工程であり、前記第3の工程は、少なく
    とも前記第2の領域に前記レーザ光を照射する工程であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体基板
    の製造方法。
  10. 【請求項10】前記第2の領域は線状に連なっており、
    前記第3の工程は前記レーザ光を前記第2の領域に沿っ
    て走査する工程であることを特徴とする請求項9に記載
    の窒化物半導体基板の製造方法。
  11. 【請求項11】前記第2の領域は複数に分散して設置さ
    れており、前記第3の工程は前記レーザ光の光軸を前記
    第2の領域に同期して走査しつつ前記レーザ光をパルス
    照射する工程であることを特徴とする請求項9に記載の
    窒化物半導体基板の製造方法。
  12. 【請求項12】前記第2の領域は複数に分散して設置さ
    れており、前記第3の工程は前記レーザ光の一照射によ
    り複数の前記第2の領域に照射する工程であることを特
    徴とする請求項9に記載の窒化物半導体基板の製造方
    法。
  13. 【請求項13】前記母材基板はサファイアであって、照
    射されるプラズマは水素ないしは酸素ないしは希ガスで
    あることを特徴とする請求項8ないしは請求項9に記載
    の窒化物半導体基板の製造方法。
JP2001019550A 2001-01-29 2001-01-29 窒化物半導体基板の製造方法 Expired - Fee Related JP4595207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001019550A JP4595207B2 (ja) 2001-01-29 2001-01-29 窒化物半導体基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001019550A JP4595207B2 (ja) 2001-01-29 2001-01-29 窒化物半導体基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002222772A true JP2002222772A (ja) 2002-08-09
JP4595207B2 JP4595207B2 (ja) 2010-12-08

Family

ID=18885410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001019550A Expired - Fee Related JP4595207B2 (ja) 2001-01-29 2001-01-29 窒化物半導体基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4595207B2 (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006086388A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Sony Corp 半導体薄膜の表面処理方法、及び半導体素子の分離方法
WO2009113455A1 (ja) * 2008-03-11 2009-09-17 住友電気工業株式会社 化合物半導体単結晶の製造装置および製造方法
KR100969812B1 (ko) 2007-12-12 2010-07-13 주식회사 실트론 자가 분리를 이용한 질화갈륨 단결정 기판의 제조 방법
JP2010238834A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Ube Ind Ltd 発光ダイオード用基板の製造方法
JP2011091264A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Japan Atomic Energy Agency 基板加工方法および半導体装置の製造方法
JP2011187596A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Stanley Electric Co Ltd 半導体発光素子の製造方法
JP2011216543A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Ube Industries Ltd 発光ダイオード、それに用いられる発光ダイオード用基板及びその製造方法
US8491353B2 (en) 2003-09-30 2013-07-23 Panasonic Corporation Mold for optical components
WO2014002575A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 株式会社豊田自動織機 半導体装置の製造方法
JP2014161908A (ja) * 2013-02-28 2014-09-08 Saitama Univ 内部加工層形成方法、内部加工層形成部材、および、表面3次元構造部材
JP2014526801A (ja) * 2011-09-19 2014-10-06 オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング オプトエレクトロニクス部品の製造方法
JP2016069722A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 国立大学法人北見工業大学 薄膜製造装置
WO2017175860A1 (ja) * 2016-04-08 2017-10-12 スタンレー電気株式会社 半導体ウェハ
JP2018035044A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 株式会社Flosfia 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
KR101850556B1 (ko) 2011-11-24 2018-04-19 가부시기가이샤 디스코 광디바이스 웨이퍼의 가공 방법
CN108698171A (zh) * 2016-02-25 2018-10-23 株式会社岛津制作所 激光加工装置
JP2018188363A (ja) * 2018-09-10 2018-11-29 日本碍子株式会社 13族元素窒化物層の分離方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08222812A (ja) * 1995-02-17 1996-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法
JP2000101139A (ja) * 1998-09-25 2000-04-07 Toshiba Corp 半導体発光素子及びその製造方法並びに半導体発光装置
JP2001501778A (ja) * 1996-10-01 2001-02-06 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 2つの材料層を相互に分離する方法及びこの方法により製造された電子部品

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08222812A (ja) * 1995-02-17 1996-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化ガリウム系化合物半導体の結晶成長方法
JP2001501778A (ja) * 1996-10-01 2001-02-06 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト 2つの材料層を相互に分離する方法及びこの方法により製造された電子部品
JP2000101139A (ja) * 1998-09-25 2000-04-07 Toshiba Corp 半導体発光素子及びその製造方法並びに半導体発光装置

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8491353B2 (en) 2003-09-30 2013-07-23 Panasonic Corporation Mold for optical components
JP2006086388A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Sony Corp 半導体薄膜の表面処理方法、及び半導体素子の分離方法
JP4729896B2 (ja) * 2004-09-17 2011-07-20 ソニー株式会社 半導体薄膜の表面処理方法
KR100969812B1 (ko) 2007-12-12 2010-07-13 주식회사 실트론 자가 분리를 이용한 질화갈륨 단결정 기판의 제조 방법
WO2009113455A1 (ja) * 2008-03-11 2009-09-17 住友電気工業株式会社 化合物半導体単結晶の製造装置および製造方法
US8591653B2 (en) 2008-03-11 2013-11-26 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Compound semiconductor single-crystal manufacturing device and manufacturing method
JP2010238834A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Ube Ind Ltd 発光ダイオード用基板の製造方法
US8236674B2 (en) 2009-10-23 2012-08-07 Japan Atomic Energy Agency Substrate processing method and semiconductor device manufacturing method including a proton injection step and a laser irradiation step
JP2011091264A (ja) * 2009-10-23 2011-05-06 Japan Atomic Energy Agency 基板加工方法および半導体装置の製造方法
JP2011187596A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Stanley Electric Co Ltd 半導体発光素子の製造方法
JP2011216543A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Ube Industries Ltd 発光ダイオード、それに用いられる発光ダイオード用基板及びその製造方法
JP2014526801A (ja) * 2011-09-19 2014-10-06 オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング オプトエレクトロニクス部品の製造方法
US9373747B2 (en) 2011-09-19 2016-06-21 Osram Opto Semiconductors Gmbh Method for producing an optoelectronic component
KR101850556B1 (ko) 2011-11-24 2018-04-19 가부시기가이샤 디스코 광디바이스 웨이퍼의 가공 방법
JP2014011300A (ja) * 2012-06-29 2014-01-20 Toyota Industries Corp 半導体装置の製造方法
WO2014002575A1 (ja) * 2012-06-29 2014-01-03 株式会社豊田自動織機 半導体装置の製造方法
JP2014161908A (ja) * 2013-02-28 2014-09-08 Saitama Univ 内部加工層形成方法、内部加工層形成部材、および、表面3次元構造部材
JP2016069722A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 国立大学法人北見工業大学 薄膜製造装置
CN108698171A (zh) * 2016-02-25 2018-10-23 株式会社岛津制作所 激光加工装置
WO2017175860A1 (ja) * 2016-04-08 2017-10-12 スタンレー電気株式会社 半導体ウェハ
JPWO2017175860A1 (ja) * 2016-04-08 2019-02-14 スタンレー電気株式会社 半導体ウェハ
US10770621B2 (en) 2016-04-08 2020-09-08 Stanley Electric Co., Ltd. Semiconductor wafer
JP2018035044A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 株式会社Flosfia 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
JP7126082B2 (ja) 2016-08-31 2022-08-26 株式会社Flosfia 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
JP2022172066A (ja) * 2016-08-31 2022-11-15 株式会社Flosfia 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
JP7358718B2 (ja) 2016-08-31 2023-10-11 株式会社Flosfia 結晶性酸化物半導体膜および半導体装置
JP2018188363A (ja) * 2018-09-10 2018-11-29 日本碍子株式会社 13族元素窒化物層の分離方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4595207B2 (ja) 2010-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4595207B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
US6723165B2 (en) Method for fabricating Group III nitride semiconductor substrate
US10304739B2 (en) Method for manufacturing semiconductor substrate, semiconductor substrate, method for manufacturing combined semiconductor substrate, combined semiconductor substrate, and semiconductor-joined substrate
US7442644B2 (en) Method for manufacturing nitride semiconductor wafer or nitride semiconductor device; nitride semiconductor wafer or nitride semiconductor device made by the same; and laser irradiating apparatus used for the same
JP4286527B2 (ja) 窒化ガリウム基板の製造方法
TWI424588B (zh) Semiconductor light emitting device manufacturing method
US6562701B2 (en) Method of manufacturing nitride semiconductor substrate
JP5732684B2 (ja) 単結晶基板、単結晶基板の製造方法、多層膜付き単結晶基板の製造方法および素子製造方法
US6864158B2 (en) Method of manufacturing nitride semiconductor substrate
KR101454821B1 (ko) 결정성막, 디바이스, 및, 결정성막 또는 디바이스의 제조방법
KR20040045431A (ko) 프리스탠딩 (알루미늄, 갈륨, 인듐)질화물 및 이를제조하기 위한 분리방법
JP4031648B2 (ja) 化合物半導体ウエハの製造方法
US6652648B2 (en) Method for fabricating GaN single crystal substrate
JP3803606B2 (ja) Iii族窒化物半導体基板の製造方法
JP4242599B2 (ja) 窒化物半導体装置の製造方法及び窒化物半導体基板の製造方法
JP2002338398A (ja) 窒化物半導体基板の製造方法および窒化物半導体装置の製造方法
JP3805673B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
JP4015849B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
US6902989B2 (en) Method for manufacturing gallium nitride (GaN) based single crystalline substrate that include separating from a growth substrate
JP3598075B2 (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
JP2002222773A (ja) 窒化物半導体ウェハの製造方法
JP2006298752A (ja) 窒化物半導体基板の製造方法
JP2003332237A (ja) 半導体薄膜の製造方法
US20160265140A1 (en) Single crystal substrate, manufacturing method for single crystal substrate, manufacturing method for single crystal substrate with multilayer film, and element manufacturing method
JP2002033465A (ja) 半導体薄膜の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070129

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20070214

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100630

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100906

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131001

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees