JP2002220371A - N−ビニルカルバゾール類の製造方法 - Google Patents

N−ビニルカルバゾール類の製造方法

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JP2002220371A
JP2002220371A JP2001017829A JP2001017829A JP2002220371A JP 2002220371 A JP2002220371 A JP 2002220371A JP 2001017829 A JP2001017829 A JP 2001017829A JP 2001017829 A JP2001017829 A JP 2001017829A JP 2002220371 A JP2002220371 A JP 2002220371A
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carbazoles
hydroxyethyl
mol
reaction
carbazole
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JP2001017829A
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Junichi Kayasato
潤一 萱里
Soichiro Suganuma
聰一郎 菅沼
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Fujifilm Finechemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カルバゾール類からN−ビニルカルバゾール類
を製造する場合に特殊条件や特殊設備を必要とせず、簡
便かつ安価な工業的方法を提供することができる。 【解決手段】カルバゾール類と炭酸エチレンとをジアザ
ビシクロ系塩基存在下反応させてN−(2−ヒドロキシ
エチル)カルバゾール類を得る工程、及び/又はN−
(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール類のヒドロキシ
エチル基の水酸基をスルホネート体に誘導する工程を含
むN−ビニルカルバゾール類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は染料などの合成中間
体や液晶素材の合成中間体、または熱可塑性樹脂の合成
中間体などに有用なN−ビニルカルバゾール類の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルカルバゾール類の製造方法に
ついては、現在までに多くの研究がなされている。主な
方法としては、(1)カルバゾールとアセチレンの直接
液相反応(特開昭48−68564号)、(2)カルバ
ゾールとアセチレンの直接常圧気相反応(Chem.I
nd.(London),1977,12,21、Hu
a Hsueh Tung Pao.,1977,1,
21)、(3)カルバゾールとビニルエーテルとの反応
(特公昭49−9466号、Zh.Org.Khi
m.,1979,15(1),174−177)、
(4)カルバゾールのカリウム塩とエチレンオキシドか
らN−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾールへ誘導
し、その後塩基存在下で脱水反応する方法(特公昭49
−9468号)、等が知られている。
【0003】しかし上記の(1)および(2)の場合、
アセチレンを用いるため十分な保護設備を施さなければ
ならず、操作も複雑であり、耐圧装置を必要とする場合
もある。(3)の場合は反応に高価な触媒を用いるため
工業的には不向きであり、かつ反応後の触媒処理が困難
である。(4)の方法ではカルバゾールのカリウム塩を
合成する際に金属カリウムや水素化カリウムを使用する
か、または水酸化カリウムとの溶融反応を行うため特殊
設備を使用しなければならず、毒性が高い上に爆発性の
エチレンオキシドを使用するという欠点がある。また、
反応後減圧蒸留による精製を行わなければならず、操作
が煩雑である。
【0004】一方、上記(4)に類似した方法として、
カルバゾールと炭酸エチレンとを炭酸カリウム存在下で
反応させてN−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール
を得る方法(ソ連特許第466227号)がある。しか
しこの方法は高温条件下で行うため、使用できる設備が
制限されていた。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、高温・高
圧条件や爆発性物質、また目的物の分離精製においても
減圧蒸留等の手法、更には特殊な設備および装置を用い
なくとも、目的とするN−ビニルカルバゾール類の簡便
かつ安価な工業的製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の目的を
達成すべく検討を行った結果、下記の製造方法により本
発明の上記目的が達成される。 (1)カルバゾール類と炭酸エチレンとをジアザビシク
ロ系塩基存在下反応させてN−(2−ヒドロキシエチ
ル)カルバゾール類を得る工程を含むことを特徴とする
N−ビニルカルバゾール類の製造方法。 (2)N−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール類の
ヒドロキシエチル基の水酸基をスルホネート体に誘導す
る工程と、前記工程で得られたスルホネート体からN−
ビニルカルバゾール類を得る工程を含むことを特徴とす
るN−ビニルカルバゾール類の製造方法。 (3)カルバゾール類と炭酸エチレンとをジアザビシク
ロ系塩基存在下反応させてN−(2−ヒドロキシエチ
ル)カルバゾール類を得る工程と、前記工程で得られた
N−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール類のヒドロ
キシエチル基の水酸基をスルホネート体に誘導する工程
と、前記工程で得られたスルホネート体からN−ビニル
カルバゾール類を得る工程とを含むことを特徴とするN
−ビニルカルバゾール類の製造方法。
【0007】本発明は、カルバゾール類と炭酸エチレン
とをジアザビシクロ系塩基存在下で反応させることによ
り、工業的に特殊な設備を必要とせずにN−(2−ヒド
ロキシエチル)カルバゾール類を効率良く得ることがで
き、更にこれを経由してN−ビニルカルバゾール類を効
率良く得ることができる。また、N−(2−ヒドロキシ
エチル)カルバゾール類をスルホニル化反応によりヒド
ロキシエチル基の水酸基をスルホネート体へ誘導し、そ
の後スルホン酸誘導体を脱離させることにより、N−ビ
ニルカルバゾール類を効率良く得ることができる。これ
らの方法によれば、何ら特殊な条件や装置を使用するこ
となく、N−ビニルカルバゾール類を高収率で得ること
ができ、工業的に著しく有利である。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳細に説明す
る。本発明において原料として使用するカルバゾール類
は、下記一般式(I)で表される。
【0009】
【化1】
【0010】式中、YおよびZは同一でも異なっても良
く、4〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群を表
す。
【0011】上記一般式(I)におけるYおよびZの好
ましい非金属原子群としては、炭素、窒素、酸素および
硫黄が挙げられる。YおよびZで形成される環は飽和環
でも不飽和環でもよく、例えばベンゼン等の芳香環、シ
クロヘキサン、シクロペンタン、シクロブタン、シクロ
ヘプタン、シクロオクタン等の飽和環、シクロヘキセ
ン、シクロペンテン等の不飽和環、ピリジン、ピラジ
ン、ピリミジン、チアゾール、チオフェン、フラン、イ
ソキサゾール等の非プロトン性ヘテロ環が挙げられ、特
にYおよびZは炭素原子が好ましく、ベンゼン環であるの
が特に好ましい。またこれらの環は反応に不活性な置換
基を有していてもよく、例えば水素原子、ハロゲン、ア
ルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等が挙げられる。ハ
ロゲンとは、ここではフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を
意味する。アルキルとは、炭素数1〜6個の低級アルキ
ルで、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、
シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチ
ル、イソペンチル、n−ヘキシル及びイソヘキシル等が
挙げられる。アルコキシとは、メトキシ、エトキシおよ
びプロポキシ等が挙げられる。好ましい置換基として
は、水素、臭素、塩素、メチル、エチル、イソプロピ
ル、メトキシ、エトキシおよびニトロ基で、更に好まし
い置換基としては、水素、メチル及びエチルが挙げられ
る。
【0012】以下に一般式(I)で表される化合物の具
体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0013】
【化2】
【0014】次に製法について詳しく説明する。一般式
(I)で表されるカルバゾール類は、市販されているも
のがあり容易に入手可能である。また、市販されていな
い化合物の場合、カルバゾールを原料として公知の方法
で合成可能であり、その合成方法は大有機化学第14巻
(朝倉書店)等に詳しく記載されている。
【0015】本発明のN−ビニルカルバゾール類の製造
方法の1つの態様は、ジアザビシクロ系塩基存在下、カ
ルバゾール類と炭酸エチレンとを反応させてN−(2−
ヒドロキシエチル)カルバゾール類を得る工程(以下、
第1工程ともいう)を含む方法である。用いるジアザビ
シクロ系塩基としては、1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ
[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン等が挙げられ、好ましくは1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンであ
る。塩基の使用量は0.2〜3.0当量が適当であり、
好ましくは0.8〜1.5当量であり、更に好ましくは
1.0〜1.3当量である。
【0016】第1工程で用いる炭酸エチレンの使用量は
カルバゾール類に対し1.0〜10.0当量が適当であ
り、好ましくは2.0〜7.0当量であり、更に好まし
くは3.0〜5.0当量である。
【0017】第1工程で反応溶媒は使用しなくてもよい
が、必要に応じて溶媒を使用しても良い。溶媒は反応原
料や試薬と反応しないものなら何でも良いが、好ましく
は極性溶媒であり、更に好ましくはN,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−
ジメチルイミダゾリジノンである。溶媒の使用量はカル
バゾール類1molに対し通常50〜1000mlが適
当であり、好ましくは100〜200mlである。
【0018】本発明において、第1工程における反応の
際の温度は通常30〜180℃であり、好ましくは50
〜120℃であり、更に好ましくは80〜100℃であ
る。反応時間は通常10分〜5時間であり、好ましくは
30分〜2時間である。なお、反応終了は原料のカルバ
ゾール類の消失で確認でき、この確認は薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)または高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)で行うことができる。
【0019】本発明のN−ビニルカルバゾール類の製造
方法の別の態様は、N−(2−ヒドロキシエチル)カル
バゾール類を、一般的に公知なスルホニル化剤を用いて
ヒドロキシエチル基の水酸基をスルホネート体に誘導す
る工程(以下、第2工程ともいう)と、該スルホネート
体からスルホン酸誘導体を脱離させることにより、目的
のN−ビニルカルバゾール類を得る工程(以下、第3工
程ともいう)を含む。ここで、N−(2−ヒドロキシエ
チル)カルバゾール類は、上記第1工程で得られたもの
でもよいし、市販されているものも用いることができ
る。また、市販されていない化合物の場合は公知の方法
(例えばソ連特許466227号に記載の方法)で合成
可能であるが、好ましくは、N−(2−ヒドロキシエチ
ル)カルバゾール類は、上記第1工程で得られたもので
ある。第2工程としては、N−(2−ヒドロキシエチ
ル)カルバゾール類を、一般的に公知なスルホニル化剤
を用いてヒドロキシエチル基の水酸基をスルホネート体
に誘導する。第1工程を用いた場合、中間体であるN−
(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール類は単離せず
に、そのまま一浴法でスルホネート体へ誘導することも
可能であり、工業的に有用である。
【0020】第2工程で用いるスルホニル化剤は一般的
なものでよいが、好ましくは工業的に有用なメタンスル
ホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリドであ
る。スルホニル化剤の使用量はN−(2−ヒドロキシエ
チル)カルバゾール類に対し1.0〜2.0当量が適当
であり、好ましくは1.05〜1.2当量である。
【0021】第2工程で反応溶媒は使用しなくてもよい
が、必要に応じて使用しても良い。溶媒は反応原料や試
薬と反応しないものなら何でも良いが、好ましくはアセ
トニトリル、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチル
イミダゾリジノン、N,N−ジメチルスルホキシド等が
挙げられ、さらに好ましくはアセトニトリル、アセトン
である。溶媒の使用量はN−(2−ヒドロキシエチル)
カルバゾール類1molに対し通常50〜2000ml
が適当であり、好ましくは300〜1500mlであ
る。
【0022】第2工程では、通常塩基を添加する。用い
られる塩基は通常使用されるもの、例えばピリジン、ト
リエチルアミン、アニリン、水酸化ナトリウム等の無機
塩基、等が挙げられるが、好ましくはピリジンである。
塩基の使用量は、N−(2−ヒドロキシエチル)カルバ
ゾール類1molに対し通常0.5〜5.0molが適
当であり、好ましくは1.0〜2.0molである。第
2工程における反応の際の温度は通常0〜80℃であ
り、好ましくは10〜40℃である。反応時間は通常1
0分〜5時間であり、好ましくは30分〜2時間であ
る。
【0023】次に、第3工程としては、前述のスルホネ
ート体からスルホン酸誘導体を脱離させることにより、
目的のN−ビニルカルバゾール類を得る工程である。こ
の第3工程としては、好ましくは、前述のスルホネート
体から塩基を用いてスルホン酸誘導体を脱離させること
により、目的のN−ビニルカルバゾール類を得る工程で
ある。用いられる塩基としては、通常用いられるもの、
例えば金属アルコキシド、トリエチルアミン、ピリジ
ン、水酸化ナトリウム等が挙げられ、好ましくは金属ア
ルコキシドである。金属アルコキシドとしては、具体的
にはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウムt-ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシドなど
の金属アルコキシドが挙げられ、好ましくはナトリウム
エトキシド、カリウムt-ブトキシドである。塩基の使
用量はスルホネート体に対して0.2〜1.5当量が適
当であり、好ましくは1.1〜1.2当量である。
【0024】この第3工程における反応では溶媒を用い
ることが好ましい。用いる溶媒は極性溶媒が好ましく、
更に好ましくはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジメチルイミダゾリジノンである。溶媒の使用量は
スルホネート体1molに対して通常50〜5000m
lが適当であり、好ましくは500〜2000mlであ
る。
【0025】第3工程における反応温度は通常−5〜1
20℃であり、好ましくは0〜30℃であり、更に好ま
しくは10〜15℃である。また、反応系にはハイドロ
キノンやメタジニトロベンゼン等の公知の重合禁止剤を
加えるのが好ましい。重合禁止剤の使用量はスルホネー
ト体1molに対して0.1〜5gであり、好ましくは
1〜3gであリ、更に好ましくは、1.5〜2gであ
る。
【0026】目的物であるN−ビニルカルバゾール類は
反応終了後に水を加えることにより簡単に結晶として取
り出すことができ、高純度のものが得られるが、必要に
応じて再結晶等の精製を行う。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、純度の評価は高速液体クロマトグラフィー(以下
「HPLC」と略記する)によった。 実施例1 9−ビニルカルバゾール(IV−1)の合成
【0028】
【化3】
【0029】カルバゾール(I−1)100.3g
(0.6mol)と炭酸エチレン(A)264.2g
(3.0mol)をN,N−ジメチルホルムアミド12
0mlに懸濁し、攪拌した。これに1,8−ジアザビシ
クロ[5.4.0]−7−ウンデセン(B)109.6
g(0.72mol)を加え、この溶液の内温を100
℃に保ちながら2時間攪拌した。その後冷却し、酢酸エ
チルおよび水を加え有機層へ抽出した。分液操作後、有
機層中の酢酸エチルを濃縮しアセトニトリル750ml
を加え攪拌した。これに、ピリジン94.9g(1.2
mol)を加え、この溶液の内温を20℃〜25℃に保
ちながらメタンスルホニルクロリド116.8g(1.
02mol)を20分かけて滴下し、続いて、この温度
範囲で2時間攪拌した。反応後水を750ml加え、生
じた沈殿物を吸引濾過し、2−(9−カルバゾリル)エ
チルメタンスルホネート(III−1)151.1g
(収率87%、HPLC含量98.5%)を得た。次
に、この2−(9−カルバゾリル)エチル メタンスル
ホネート92.6g(0.32mol)とハイドロキノ
ン0.64gをN,N−ジメチルホルムアミド320m
lに懸濁し、攪拌した。これにナトリウムエトキシド2
6.1g(0.384mol)を加え、この溶液の内温
を10℃に保ちながら30分攪拌した。その後水320
mlを加え、生じた沈殿物を吸引濾過して目的物58.
7g(収率95%、HPLC含量99.5%)を得た。
【0030】実施例2 3,6−ジブロモ−9−ビニル
カルバゾール(IV−2)の合成
【0031】
【化4】
【0032】3,6−ジブロモカルバゾール(I−2)
65.0g(0.2mol)と炭酸エチレン(A)8
8.1g(1.0mol)をN,N−ジメチルホルムア
ミド40mlに懸濁し、攪拌した。これに1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(B)3
3.1g(0.25mol)を加え、この溶液の内温を
100℃に保ちながら3時間攪拌した。その後冷却し、
酢酸エチルおよび水を加え有機層へ抽出した。分液操作
後、有機層中の酢酸エチルを濃縮しメタノール200m
lを加え10℃〜20℃の温度範囲で1時間攪拌した。
生じた沈殿物を吸引濾過し、2−(3,6−ジブロモ−
9−カルバゾリル)−1−エタノール(II−2)5
9.6g(収率80.7%、HPLC含量98.9%)
を得た。次に、この2−(3,6−ジブロモ−9−カル
バゾリル)−1−エタノール36.9g(0.1mo
l)をアセトニトリル50mlに懸濁し、攪拌した。こ
れにピリジン9.5g(0.12mol)を加え、この
溶液の内温を10℃〜20℃に保ちながら、メタンスル
ホニルクロリド12.6g(0.11mol)を15分
かけて滴下し、続いてこの温度範囲で2時間攪拌した。
反応後水を50ml加え、生じた沈殿物を吸引濾過して
2−(3,6−ジブロモ−9−カルバゾリル)エチル
メタンスルホネート(III-2)42.0g(収率94
%、HPLC含量98.2%)を得た。2−(3,6−
ジブロモ−9−カルバゾリル)エチル メタンスルホネ
ート44.7g(0.1mol)とハイドロキノン
(0.2g)をジメチルスルホキシド100mlに懸濁
し、この溶液の内温を5〜10℃に保ちながら、攪拌し
た。これにt−ブトキシカリウム13.5g(0.12
mol)を加え、この温度範囲で30分攪拌した。その
後水150mlを加え、生じた沈殿を吸引濾過して目的
物33.7g(収率96%、HPLC含量99.3%)
を得た。
【0033】実施例3 5,6,7,8−テトラヒドロ
−9−ビニルカルバゾール(IV−3)の合成
【0034】
【化5】
【0035】5,6,7,8−テトラヒドロカルバゾー
ル(I―3)85.6g(0.5mol)と炭酸エチレ
ン(A)132.1g(1.5mol)をN,N−ジメ
チルホルムアミド40mlに懸濁し、攪拌した。これに
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
(C)68.3g(0.55mol)を加え、この溶液
の内温を80℃に保ちながら30分攪拌した。その後冷
却し、酢酸エチルおよび水を加え有機層へ抽出した。分
液操作後、有機層中の酢酸エチルを濃縮しメタノール2
00mlを加え攪拌した。これに、水150mlを滴下
し、続いて10℃〜20℃の温度範囲で1時間攪拌し
た。生じた沈殿物を吸引濾過し、2−(5,6,7,8
−テトラヒドロ−9−カルバゾリル)−1−エタノール
(II−3)65.7g(収率61.0%、HPLC含量
97.7%)を得た。次に、この2−(5,6,7,8
−テトラヒドロ−9−カルバゾリル)−1−エタノール
21.7g(0.1mol)をアセトニトリル50ml
に懸濁し、攪拌した。これにピリジン9.5g(0.1
2mol)を加え、この溶液の内温を20℃〜30℃に
保ちながら、p−トルエンスルホニルクロリド21.0
g(0.11mol)を15分かけて滴下し、続いてこ
の温度範囲で1時間攪拌した。反応後水を50ml加
え、生じた沈殿を吸引濾過し、2−(5,6,7,8−
テトラヒドロ−9−カルバゾリル)エチル 4−メチル
ベンゼンスルホネート(III-3)を33.8g(収率9
1%、HPLC含量99.0%)を得た。得られた2−
(5,6,7,8−テトラヒドロ−9−カルバゾリル)
エチル4−メチルベンゼンスルホネート(III-3)3
7.2g(0.1mol)とハイドロキノン(0.2
g)をジメチルスルホキシド100mlに懸濁し、この
溶液の内温を10℃に保ちながら、攪拌した。これにナ
トリウムエトキシド8.2g(0.12mol)を加
え、この温度範囲で30分攪拌した。その後水150m
lを加え、生じた沈殿を吸引濾過して目的物18.1g
(収率91%、HPLC含量99.6%)を得た。
【0036】比較例 出発原料にカルバゾール(I−1)を用い、特公昭49
−9468号に記載の方法でN−ビニルカルバゾール
(IV−1)を合成した。これは、カルバゾールをカル
バゾールカリウム塩に導いた後、エチレンオキシドを反
応させて更にN−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾー
ルへ誘導し、その後塩基存在下で脱水反応する方法であ
る。この比較例と本発明の方法(実施例1)の結果を表
1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示された結果より以下のことが明ら
かである。本発明の方法は2つの工程共に低温かつ短時
間で目的物を得ることができ、精製方法も簡便である。
これに対し、比較例1ではN−(2−ヒドロキシエチ
ル)カルバゾール工程で出発原料のカルバゾールを一旦
カリウム塩へ誘導しなければならず、反応も高温で行わ
なければならない。また、毒性の強いエチレンオキシド
を用いる必要がある。N−ビニルカルバゾール工程も高
温反応であり、更に減圧蒸留による精製を行わなければ
ならない。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、カルバゾール類からN
−ビニルカルバゾール類を製造する場合に特殊条件や特
殊設備を必要とせず、簡便かつ安価な工業的方法を提供
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルバゾール類と炭酸エチレンとをジアザ
    ビシクロ系塩基存在下反応させてN−(2−ヒドロキシ
    エチル)カルバゾール類を得る工程を含むことを特徴と
    するN−ビニルカルバゾール類の製造方法。
  2. 【請求項2】N−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾー
    ル類のヒドロキシエチル基の水酸基をスルホネート体に
    誘導する工程と、前記工程で得られたスルホネート体か
    らN−ビニルカルバゾール類を得る工程を含むことを特
    徴とするN−ビニルカルバゾール類の製造方法。
  3. 【請求項3】カルバゾール類と炭酸エチレンとをジアザ
    ビシクロ系塩基存在下反応させてN−(2−ヒドロキシ
    エチル)カルバゾール類を得る工程と、前記工程で得ら
    れたN−(2−ヒドロキシエチル)カルバゾール類のヒ
    ドロキシエチル基の水酸基をスルホネート体に誘導する
    工程と、前記工程で得られたスルホネート体からN−ビ
    ニルカルバゾール類を得る工程とを含むことを特徴とす
    るN−ビニルカルバゾール類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006347916A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Nippon Shokubai Co Ltd N−ヒドロキシエチルカルバゾール化合物の製造方法
JP2007119362A (ja) * 2005-10-25 2007-05-17 Nippon Shokubai Co Ltd N−ビニルカルバゾール類の製造方法およびn−ビニルカルバゾール類
JP2010276874A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Nippon Shokubai Co Ltd 逆波長分散型位相差フィルムの製造方法と逆波長分散型位相差フィルム
JP2011042751A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Nippon Shokubai Co Ltd N−ビニルカルバゾール重合体およびn−ビニルカルバゾール重合体の製造方法

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