JP2002217433A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP2002217433A
JP2002217433A JP2001009670A JP2001009670A JP2002217433A JP 2002217433 A JP2002217433 A JP 2002217433A JP 2001009670 A JP2001009670 A JP 2001009670A JP 2001009670 A JP2001009670 A JP 2001009670A JP 2002217433 A JP2002217433 A JP 2002217433A
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thin film
crystal
semiconductor device
crystalline
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JP2001009670A
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English (en)
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Kenji Wada
健司 和田
Hiroshi Yamamoto
浩史 山本
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマCVD法により結晶基板上に結晶質
薄膜を形成する場合、腐食性の強いガスを用いるとエピ
タキシャル成長が実現できるが、不純物の混入や接合界
面の損傷が発生する。一方、腐食性ガスを用いないと良
好な結晶成長が起こらない。したがって、高性能な半導
体装置が作製できなかった。 【解決手段】プラズマCVD法により非晶質基板上に形
成すると、1つの結晶面が優先的に非晶質基板表面に平
行となるp型結晶質シリコン薄膜13を、n型単結晶シ
リコン基板11上に形成することで、pn接合が形成さ
れている半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶基板を用いた
半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】バイポーラトランジスタ、メモリー、太
陽電池等の半導体装置は、pn接合による整流効果を動
作の基本としているため、その装置性能の向上には優れ
たpn接合形成技術が不可欠である。
【0003】例えば、太陽電池は、光エネルギーを電力
に変換する光電変換層に半導体pn接合を用いている。
このpn接合を構成する半導体として最もよく用いられ
ているシリコンの場合、一導電型を有する単結晶あるい
は多結晶シリコン基板を用い、該基板の導電型と逆の導
電型決定不純物元素を含むガスを800℃以上で分解
し、基板表面での不純物元素の拡散反応を利用すること
で、pn接合を形成している。この手法では、800℃
以上の高温を用いる必要があることから、基板として使
用できる材料に制限がある。さらには製造歩留の向上、
あるいは製造プロセスや製造装置のコスト低減に限界が
ある。
【0004】一方、基板とは異なる導電型を有する薄膜
を堆積することでpn接合を形成することも可能であ
る。例えば、シリコンの場合、SiH4等のシリコンを
含有するガスを熱分解することで基板表面にシリコン薄
膜を堆積する熱CVD法においては、シリコン基板上の
堆積層を良質なエピタキシャル成長層とするために、プ
ロセス温度を900〜1200℃の高温に設定、保持す
る必要があり、太陽電池の製造プロセスとしては、前記
の拡散プロセスの場合と同様の問題を抱える。
【0005】他方、薄膜の堆積手段としては、原料ガス
をグロー放電によりプラズマ化することで生じた活性種
の反応により薄膜を形成するプラズマCVD法が知られ
ている。プラズマCVD法では原料ガスの分解を熱では
なく、グロー放電によるプラズマ化で行うため、プロセ
ス温度を下げることができる。従って、使用できる材料
の選択肢が広がり、より安価な材料を選択できる。さら
には製造歩留の向上、あるいは製造プロセスや製造装置
のコスト低減にも貢献する。
【0006】そのため、プラズマCVD法によるシリコ
ン薄膜形成技術の開発が盛んに行われており、例えば、
特開平2−77116号公報において、SiH4、H2
2、およびHe等の不活性ガスからなる混合ガスをグ
ロー放電により分解させることで、約100〜700℃
の低温で(100)シリコン単結晶基板上に高品質な単
結晶シリコン薄膜を成長させる方法が開示されている。
【0007】また、文献(1999年秋季応用物理学会
学術講演会 講演予稿集1p−ZS−2、p.787)
では、B26、SiH4、H2を混合したガスを使用した
プラズマCVD法により、200℃程度の非晶質ガラス
基板上に形成したシリコン薄膜は、(110)面に配向
することが報告されている。さらに、文献(1999年
秋季応用物理学会学術講演会 講演予稿集2p−ZM−
9、p.32)には、200〜300℃の基板温度であ
るプラズマCVD法において、原料ガスであるフッ化ケ
イ素(SiF4)と希釈ガスである水素の比率を変える
ことで、非晶質ガラス基板上に形成したシリコン薄膜の
結晶優先配向方向を〈110〉あるいは〈100〉方向
へと制御できることが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−7
7116号公報に開示されているような、腐食性の強い
フッ素系ガスを含む混合ガスを用いる方法では、フッ
素、あるいはガス配管や反応室内壁材料がフッ素により
エッチングされることで発生する不純物のシリコン系薄
膜への混入、pn接合界面の損傷、さらには製膜装置の
保守頻度、費用の増大といった種々の問題が発生する。
【0009】一方、これらの問題を回避すべくフッ素系
ガスを用いない方法では、高温プロセスを用いた拡散処
理、あるいはエピタキシャル成長の場合のような良好な
pn接合を形成する技術が見出されていない。それはプ
ラズマCVD法のように反応温度が低い系において、結
晶シリコン表面上でのシリコン薄膜の形成機構について
明らかではなく、有効なプロセス設計の指針が得られて
いないためである。
【0010】本発明は上述の課題に鑑みなされたもので
あり、低温プロセスであるプラズマCVD法により、フ
ッ素系ガスを用いなくとも、高性能な半導体装置、特に
高効率な光起電力素子を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、非晶質
基板上に形成すると、1つの結晶面が優先的に該非晶質
基板表面に平行となる結晶質薄膜が、該結晶質薄膜と同
種の結晶基板上に形成されてなる半導体装置が提供され
る。なお、本明細書において「結晶質薄膜」と「結晶基
板」が同種であるということは、ドーパントやキャリヤ
ガスを除いて互いの主成分となる元素が同じであるとい
う意味である。
【0012】本発明の1つの態様は、前記結晶基板は実
質的に平坦な表面を有する単結晶基板であり、該単結晶
基板上に形成される結晶質薄膜の1つの結晶面が優先的
に、該単結晶基板表面に平行となる半導体装置である。
【0013】本発明の別の態様は、前記結晶基板は凹凸
表面を有する単結晶基板であり、該単結晶基板上に形成
される結晶質薄膜の1つの結晶面が優先的に、該単結晶
基板の凹凸表面に平行となる半導体装置である。
【0014】本発明のさらに別の態様は、前記結晶基板
は実質的に平坦な表面を有する多結晶基板であり、該多
結晶基板のある結晶粒において、該結晶粒上に形成され
る結晶質薄膜の1つの結晶面が優先的に、該結晶粒表面
に平行となる半導体装置である。
【0015】本発明のさらに別の態様は、前記結晶基板
は凹凸表面を有する多結晶基板であり、該多結晶基板の
ある結晶粒において、該結晶粒上に形成される結晶質薄
膜の1つの結晶面が優先的に、該多結晶基板の凹凸表面
に平行となる半導体装置である。
【0016】本発明のさらに別の態様は、前記優先的な
結晶面が(110)である半導体装置である。前記各実施
の態様において互いに平行となる結晶質薄膜の結晶面と
結晶基板の凹凸表面とが同じ面方位である場合は、さら
に好ましい。
【0017】また、前記各実施の態様において、非晶質
基板上に形成したときに該非晶質基板表面に平行となる
結晶質薄膜の結晶面と、前記結晶基板上に形成したとき
に該結晶基板のある結晶粒の凹凸表面に平行となる結晶
質薄膜の結晶面とが異なる方位であってよい。
【0018】また、前記半導体装置は光起電力素子であ
ってよい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の半導体装置は、結晶半導
体材料からなる基板(以下では単に結晶基板とする)上
に、基板と同種の材料からなる結晶質半導体薄膜(以下
では単に結晶質薄膜とする)が形成されてなる。結晶基
板に用いられる結晶半導体材料として代表的にはシリコ
ン、ゲルマニウム等の第IVB族元素単体、SiC、S
iGe等の複数の第IVB族元素からなる合金、あるい
はガリウムヒ素、窒化ガリウム、インジウム燐等のII
I−V族元素の化合物等が挙げられる。
【0020】結晶基板は単結晶基板が用いられる。例え
ば、シリコンの場合では、種結晶成長法(CZ法)、溶
融浮遊帯法(FZ法)といった公知の技術により得られ
る単結晶のインゴットを、基板面が所望の方位となるよ
うにブレードソーまたはワイヤーソーで切り出して、厚
さ200〜500μm程度の板状の基板としている。単
結晶シリコン基板の基板面は、(100)あるいは(1
11)が代表的であるが、目的に応じて数度程度のオフ
セットを付けることもある。
【0021】また、結晶基板として多結晶基板も用いら
れる。例えば、シリコンの場合では、上述のように作製
した単結晶のインゴットの端材を再度溶解し、その融液
を代表的には直方体である鋳型に流し入れ凝固させるこ
とで、多結晶のインゴットが得られる。そうして得られ
た多結晶のインゴットをブレードソーまたはワイヤーソ
ーで切り出して、厚さ200〜500μm程度の板状の
基板としている。このようにして得られたインゴットで
は、個々の結晶粒の方位が様々であるため、切り出され
た板状の基板表面に現れる方位も個々の結晶粒ごとに様
々である。また、例えば、非晶質膜を結晶化させて作成
した多結晶基板を用いてもよい。
【0022】上述のようにして得られた結晶基板は切断
時に基板表面に導入される歪や汚れを除去するために、
エッチングされる。エッチングは酸、アルカリ溶液によ
る湿式処理、あるいはプラズマを使用した乾式処理等の
公知技術により行われる。
【0023】なお、太陽電池等の光起電力素子の場合、
基板表面に凹凸を設けると表面反射が低減されるので、
光電変換効率が向上することが知られている。(10
0)単結晶シリコン基板の場合は、(111)面を選択
的にエッチングできるヒドラジンや水酸化ナトリウム溶
液を用いることで、基板表面にピラミッド状の凹凸(テ
クスチャー)を設けることができる。その他の方位の単
結晶シリコン基板、あるいは多結晶シリコン基板の場合
は、V型状あるいは矩形状の溝や半球状の凹みといった
種々の形状を有する凹凸を、ホトリソ技術や機械的処理
により基板表面に設けることが可能である。これらの凹
凸の高さや間隔等は光の波長と同程度であることが望ま
しく、代表的には0.01〜10μmの範囲である。
【0024】本発明の半導体装置は、結晶基板上にプラ
ズマCVD法により結晶質薄膜が形成されてなる。プラ
ズマCVD法としては、放電電力として高周波電力を用
い、平行平板型電極間にプラズマを発生させる方法が一
般的であるが、ECRプラズマCVD法等、その他の公
知の技術が用いられ得る。結晶質薄膜がシリコン系薄膜
である場合は、SiH4、Si26等の珪化水素ガスが
原料ガスとして代表的に用いられ、導電型をp型とする
場合はB26、n型とする場合はPH3が代表的にドー
ピングガスとして原料ガスと混合されて用いられる。原
料ガスとドーパントガスとの混合比は、代表的には容量
比で1:0.001〜1:1の範囲である。これらのガ
スは通常、水素ガス、あるいは希ガスにより希釈されて
使用される。原料ガスと希釈ガスとの混合比は、代表的
には容量比で1:1〜1:200の範囲である。プラズ
マCVD法における他の条件としては、例えば、投入電
力は数W〜数kW程度、チャンバー内圧力は13〜27
00Pa程度、基板温度は室温〜600℃程度に設定さ
れる。
【0025】(発明の原理)本発明者らは、鋭意研究の結
果、プラズマCVD法により形成される結晶質薄膜があ
る特定の性質を有する場合、同種の結晶基板上に形成す
ると、異なる面方位においても、結晶基板の面方位を引
き継いで成長し得ることを見出した。以下で、本発明を
創出するにあたり行った検討実験について説明する。
【0026】面方位が(100)、(110)及び(1
11)となる単結晶シリコン基板上に、RFプラズマC
VD法により、結晶質シリコン薄膜を製膜した。条件A
として、反応ガスの流量はSiH4が1.4sccm、
26が0.01sccm、H2が100sccmであ
り、圧力は33Paに設定した。また、基板温度200
℃、投入電力は100mW/cm2とした。この条件で
ガラス基板上に厚さ約300nmとなるように製膜した
薄膜をX線回折法による評価を行ったところ、この薄膜
は(110)優先配向であった。一方、条件Bとして、
基板温度、投入電力および圧力は条件Aと同じとし、S
iH4が1.4sccm、B26が0.1sccm、H2
が500sccmとした。この条件でガラス基板上に厚
さ約300nmとなるように製膜した薄膜をX線回折法
による評価を行ったところ、この薄膜はランダム配向で
あった。これら条件AおよびBで製膜した結晶質シリコ
ン薄膜の最表面構造の変化を反射高速電子線回折法(R
HEED)を用いて評価を行った結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1より、ガラス基板上で製膜したときに
(110)優先配向を示す条件Aで製膜した場合は、い
ずれの面方位の単結晶基板においても、同一の製膜条件
であるにもかかわらず、結晶質シリコン薄膜の膜厚が1
00nmとなるまでは、基板表面と同じ面方位の結晶面
が基板表面に平行となるように形成されることが分かっ
た。この結晶質シリコン薄膜はガラス基板上に形成した
ときに(110)優先配向を示すので、単結晶シリコン
基板の面方位が(110)である場合に基板面方位を引
き継ぐことは想像に難くないが、単結晶シリコン基板の
面方位が(100)や(111)である場合でも、基板
面方位を引き継ぐように形成されることが明らかとなっ
た。逆に、ガラス基板上で製膜したときにランダム配向
を示す条件Bで製膜した場合は、いずれの単結晶基板に
おいても、製膜直後から多結晶となり、基板面方位を引
き継がれることはなかった。これらの結果に基づき、本
発明者らは本発明の半導体装置を創出するに至った。
【0029】本発明の半導体装置で作製される結晶質薄
膜は、結晶基板と同種の材料からなり、非晶質基板上に
形成すると、1つの結晶面が優先的に該非晶質基板表面
に平行となるものである。例えば、プラズマCVD法に
よりシリコン系薄膜からなる結晶質薄膜を非晶質基板上
に形成する場合、上述の製膜条件を適切に設定すること
で(111)、(110)、(100)といった結晶面
に配向させることができる。シリコン系薄膜の場合は、
非晶質基板上に形成されたときの配向面が(110)で
あることが好ましい。なぜなら、配向面を(111)や
(100)とするためには、水素希釈率を非常に高くす
る、もしくは腐食性の強いフッ素系ガスを用いる必要が
あるため、界面の損傷や不純物の混入といった問題が懸
念されるが、そうした問題が発生するような極端な条件
を用いなくとも配向面を(110)とすることが可能で
あるからである。
【0030】このような結晶質薄膜を結晶基板上に形成
すると、結晶基板表面が実質的に平滑ならば基板表面、
結晶基板表面が凹凸を有しているならば個々の凹凸表面
に対し、結晶質薄膜の1つの結晶面が優先的に平行とな
る。このような状態を模式的に表した略断面図を図3に
示す。Aは結晶基板表面が実質的に平坦である場合、B
は結晶基板表面が凹凸を有している場合である。いずれ
の場合も、結晶基板31の表面もしくは個々の凹凸表面
に対して垂直な方向に粒界33が存在しない、高品質な
結晶質薄膜32が形成されており、高性能な半導体装置
を得ることができる。なお、結晶質薄膜は基板表面もし
くは個々の凹凸表面の面方位を完全に引き継ぐようにエ
ピタキシャル成長している(この場合、結晶質薄膜32
には粒界33は存在しない)ことが理想ではあるが、必
ずしもエピタキシャル成長していなくともよく、ある1
つの結晶面が優先的に平行であればよい。それは、1つ
の結晶面が優先的に平行であるということは、少なくと
も優先的に平行となる結晶面に垂直な方向には、結晶粒
界やバンドの揺らぎといったキャリア輸送に対する障壁
が減少するためである。
【0031】基板表面もしくは個々の凹凸表面に対して
優先的に平行となる結晶質薄膜の結晶面と、基板表面も
しくは個々の凹凸表面とが同じ面方位であることは、さ
らに好ましい。結晶質薄膜と基板との界面が欠陥の少な
い良好な状態となるからである。このとき、非晶質基板
上に形成したときに非晶質基板表面に対して優先的に平
行となる結晶質薄膜の結晶面と、結晶基板上に形成した
ときに基板表面もしくは個々の凹凸表面に対して優先的
に平行となる結晶質薄膜の結晶面とが異なる方位であり
得る。結晶質薄膜を非晶質基板上に形成したときの優先
配向面と単結晶基板面方位とが異なる場合であっても、
単結晶基板面方位を引き継ぐ形で結晶質薄膜が形成され
得ることが、先述した検討実験の結果より明らかであ
る。
【0032】本発明の半導体装置に用いる結晶基板とし
て、多結晶基板も単結晶基板と同様に使用できる。多結
晶基板の個々の結晶粒1つに限定して議論する場合は、
単結晶と全く同様に扱えると考えられるからである。
【0033】本発明の半導体装置がシリコン系薄膜なら
びに結晶シリコン基板からなる場合、シリコン系薄膜が
p型であることが好ましい。非晶質基板上でシリコン系
薄膜を形成する場合、先述したように、B26のような
p型不純物元素含有ガスを添加すると極端な条件を用い
ることなく(110)配向が得られることが知られてい
る。この場合、結晶シリコン基板がn型であれば、p型
シリコン系薄膜を形成することで良好なpn接合が形成
される。
【0034】本発明の半導体装置は先述したバイポーラ
トランジスタ、メモリー、太陽電池等のpn接合を動作
原理とする半導体装置であり得る。しかしながら、面積
の大きな半導体装置製造に適用できるプラズマCVD法
を用いることができ、さらに基板表面が凹凸であっても
よいことから、本発明の半導体装置が太陽電池等の光起
電力素子であることは、特に好ましい。
【0035】以下で、本発明の一実施例を説明する。
【0036】(実施例1)図1により、本発明の1つの
態様である太陽電池の作製手順を説明する。1〜3Ω・
cm程度で面方位が(100)であるn型単結晶シリコ
ン基板11をRCA法により洗浄した後、800℃で熱
処理を行うことで、基板表面側に拡散防止膜として酸化
シリコン膜を形成した。このn型単結晶シリコン基板1
1を基板温度850℃でPOCl3によるリンの熱拡散
処理を行うことで、裏面側に1020cm-3程度の高濃度
リンを含有してなるBSF層(図示せず)を形成した。
基板11をフッ酸で洗浄した後、蒸着法によりTi、P
d、Agの順に積層してなる下部電極12を形成した。
その後、フッ酸処理により表面側の拡散防止膜を除去し
た。そして、実質的に平坦な表面を有するn型単結晶シ
リコン基板11の表面側に、RFプラズマCVD法によ
り、p型結晶質シリコン薄膜13を厚さ15nmとなる
ように製膜した。反応ガスの流量はSiH4が1.4s
ccm、B26が0.01sccm、H2が100sc
cmであり、圧力は33Paに設定した。また、基板温
度200℃、投入電力は100mW/cm2とした。な
お、同一条件でガラス基板上に厚さ約300nmとなる
ように製膜した薄膜についてX線回折法による評価を行
ったところ、(111)回折ピークに対する(220)
回折ピークの積分強度比は5であり、この薄膜は(11
0)優先配向であった。
【0037】上部の透明電極14として、スパッタリン
グ法で厚さ70nmのITOを形成し、さらに蒸着法で
Agを櫛形に形成することで集電極15として、太陽電
池を作製した。
【0038】この太陽電池に、入射光としてAM1.5
の擬似太陽光を100mW/cm2の光量で照射したと
きの太陽電池出力特性を表2に示す。
【0039】(実施例2〜6及び比較例1〜3)実施例
2〜6及び比較例1〜3では実施例1と同様に、実質的
に平坦な表面を有するn型単結晶シリコン基板上にプラ
ズマCVD法によりp型結晶質シリコン薄膜を形成する
ことで太陽電池を作製した。実施例3、5では、単結晶
基板の面方位をそれぞれ(111)、(110)に変更
している。実施例2、4、6及び比較例1〜3では、プ
ラズマCVD法におけるB26、H2の流量を変更して
いる。実施例2、4、6に用いた条件で、ガラス基板上
に形成されたp型結晶質シリコン薄膜についてX線回折
法による評価を行ったところ、(111)回折ピークに
対する(220)回折ピークの積分強度比は5であり、
この薄膜は(110)優先配向であった。一方、比較例
1〜3に用いた条件で、ガラス基板上に形成されたp型
結晶質シリコン薄膜についてX線回折法による評価を行
ったところ、(111)回折ピークに対する(220)
回折ピークの積分強度比は0.4であり、この薄膜はラ
ンダム配向であった。
【0040】これらの太陽電池に、入射光としてAM
1.5の擬似太陽光を100mW/cm2の光量で照射
したときの太陽電池出力特性を表2に示す。
【0041】(従来例1)従来の接合形成プロセスを用
いた例として、BBr3雰囲気による熱拡散処理により
基板表面側にp層を形成した太陽電池を作製した。作製
手順を順に説明する。使用した結晶基板は実施例1と同
様であり、RCA洗浄を行った後、N2バブリング法を
用い、基板温度970℃でBBr3によるホウ素の熱拡
散処理を行うことで、基板表面に高濃度ホウ素を含有し
てなるp+層を形成した。この基板のシート抵抗は50
Ω/□程度であり、拡がり抵抗測定によると、接合深さ
は0.32μmであった。基板の裏面、側面のp+層を
フッ硝酸でエッチングした後、BSF層、下部電極、透
明電極、集電極の順に、それぞれ実施例1と同様にして
形成することで、太陽電池を作製した。
【0042】この太陽電池に、入射光としてAM1.5
の擬似太陽光を100mW/cm2の光量で照射したと
きの太陽電池出力特性を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2から、プラズマCVD法で非晶質基板
上に形成したときに(110)優先配向を示すp型結晶
質シリコン薄膜によりpn接合を形成することにより、
(100)基板では従来例よりも高く、(111)また
は(110)基板でも従来例と同等の開放電圧を示して
いることが分かる。さらに短絡電流の値は、いずれの基
板においても従来例よりも高い。これらの結果は、プラ
ズマCVD法で非晶質基板上に形成したときに(11
0)優先配向を示すp型結晶質シリコン薄膜によりpn
接合を形成することにより、熱拡散で接合を形成した太
陽電池と同等の良好なpn接合が形成され、かつ接合深
さを浅くできるので、優れた光電変換効率を有する太陽
電池が作製できることを示している。
【0045】一方、プラズマCVD法で非晶質基板上に
形成したときにランダム配向を示すp型結晶質シリコン
薄膜によりpn接合を形成して作製した太陽電池の光電
変換効率は、従来例より劣っている。特に開放電圧、曲
線因子が大きく低下しており、良好なpn接合が形成さ
れていないことが示唆される。
【0046】(実施例9)本実施例では、下部電極12
形成前に、公知のアルカリエッチング技術により(10
0)単結晶基板11表面にテクスチャー構造を設けた。
テクスチャー構造を設ける以外は、実施例1と同様にし
て太陽電池を作製した。
【0047】この太陽電池に、入射光としてAM1.5
の擬似太陽光を100mW/cm2の光量で照射したと
きの太陽電池出力特性は、光電変換効率は15.4%、
開放電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ0.58
2V、37.3mA/cm2、71.0%であった。開
放電圧、曲線因子は実施例1とほぼ同等であり、光閉込
効果により短絡電流密度が増大した結果、光電変換効率
がより向上した。
【0048】(実施例10及び従来例2)本実施例で
は、結晶基板として、キャスト法により作製されたn型
多結晶基板を用いた。基板以外は、実施例1及び従来例
1と同様にして太陽電池を作製した。
【0049】プラズマCVD法によりp型結晶質シリコ
ン薄膜を形成することで、pn接合を形成してなる太陽
電池(実施例10)に、入射光としてAM1.5の擬似
太陽光を100mW/cm2の光量で照射したときの太
陽電池出力特性は、変換効率は12.1%、開放電圧、
短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ0.560V、3
1.8mA/cm2、68.0%であった。
【0050】熱拡散法によりpn接合を形成してなる太
陽電池(従来例2)に、入射光としてAM1.5の擬似
太陽光を100mW/cm2の光量で照射したときの太
陽電池出力特性は、変換効率は10.5%、開放電圧、
短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ0.562V、2
6.3mA/cm2、71.0%であった。
【0051】実施例10と従来例2を比較すると、単結
晶基板の場合と同様に、開放電圧はほぼ同等であるのに
対し、短絡電流密度が実施例10の方が大きく、その結
果、光電変換効率が優れていることが分かる。
【0052】他の実施例としてn型多結晶基板の表面に
機械的処理によって溝や凹みを形成することで凹凸を形
成し、この上にプラズマCVD法でp型結晶質シリコン薄
膜を形成して太陽電池を構成することができる。
【0053】(実施例11)図2により、本発明の別の
態様であるタンデム型太陽電池の作製手順を説明する。
実施例10と同様にして、裏面に下部電極22が形成さ
れたn型多結晶シリコン基板21上に、プラズマCVD
法によりp型結晶質シリコン薄膜23を形成してなる光
電変換ユニットを作製し、さらにプラズマCVD法によ
り、厚さ20nmのn型非晶質シリコン薄膜26、厚さ
0.35μmのi型非晶質シリコン薄膜27、厚さ10
nmのp型非晶質シリコン薄膜28の順に積層すること
で、2つの光電変換ユニットが直列に接続されるように
形成した。その後、上部電極24、集電極25を形成す
ることによりタンデム型太陽電池を作製した。
【0054】この太陽電池に、入射光としてAM1.5
の擬似太陽光を100mW/cm2の光量で照射したと
きの太陽電池出力特性は、変換効率は13.3%、開放
電圧、短絡電流密度、曲線因子はそれぞれ1.45V、
13.5mA/cm2、68.0%であった。
【0055】以上、結晶基板としてn型の単結晶、もし
くは多結晶シリコン基板を用い、プラズマCVD法によ
りp型結晶質シリコン薄膜を形成することでpn接合を
形成した太陽電池により、本発明の実施の形態について
説明したが、本発明の適用されるところは、本実施例に
限定されるものではなく、pn接合を利用した半導体装
置全般に適用され得ることは明らかである。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、非晶質基板上に形成す
ると、1つの結晶面が優先的に非晶質基板表面に平行と
なる結晶質薄膜を、同種の半導体材料からなる結晶基板
上に形成することで、接合界面が良好な高性能な半導体
装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜太陽電池の一実施例を示す要部の
概略断面図である。
【図2】本発明の薄膜太陽電池の他の実施例を示す要部
の概略断面図である。
【図3】ある1つの結晶面が結晶基板表面に平行となっ
ている結晶質薄膜の概略断面図である。
【符号の説明】
11、21 n型単結晶シリコン基板 12、22 下部電極 13、23 p型結晶質シリコン薄膜 14、24 上部電極 15、25 集電極 26 n型非晶質シリコン薄膜 27 i型非晶質シリコン薄膜 28 p型非晶質シリコン薄膜 31 結晶基板 32 結晶質薄膜 33 粒界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F045 AA08 AB02 AC01 AC19 AD06 AE19 AF03 AF13 BB16 CA13 DA65 5F051 AA02 AA03 AA05 CA16 CA17 DA15 GA04 GA14 GA15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質基板上に形成すると、1つの結晶
    面が優先的に該非晶質基板表面に平行となる結晶質薄膜
    が、該結晶質薄膜と同種の結晶基板上に形成されてなる
    半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記結晶基板は実質的に平坦な表面を有
    する単結晶基板であり、該単結晶基板上に形成される結
    晶質薄膜の1つの結晶面が優先的に、該単結晶基板表面
    に平行となる請求項1に記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記結晶基板は凹凸表面を有する単結晶
    基板であり、該単結晶基板上に形成される結晶質薄膜の
    1つの結晶面が優先的に、該単結晶基板の凹凸表面に平
    行となる請求項1に記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記結晶基板は実質的に平坦な表面を有
    する多結晶基板であり、該多結晶基板のある結晶粒にお
    いて、該結晶粒上に形成される結晶質薄膜の1つの結晶
    面が優先的に、該結晶粒表面に平行となる請求項1に記
    載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記結晶基板は凹凸表面を有する多結晶
    基板であり、該多結晶基板のある結晶粒において、該多
    結晶基板上に形成される結晶質薄膜の1つの結晶面が優
    先的に、該多結晶基板の凹凸表面に平行となる請求項1
    に記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記優先的な結晶面が(110)である
    請求項1に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記互いに平行となる結晶質薄膜の結晶
    面と結晶基板表面とが同じ面方位である請求項2〜5の
    いずれかに記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記非晶質基板上に形成したときに該非
    晶質基板表面に平行となる結晶質薄膜の結晶面と、前記
    結晶基板上に形成したときに該結晶基板表面に平行とな
    る結晶質薄膜の結晶面とが異なる方位である請求項2〜
    5のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記半導体装置は光起電力素子である請
    求項1〜8のいずれかに記載の半導体装置。
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