JP2002217390A - 積層体の製造方法、半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
積層体の製造方法、半導体装置の製造方法及び半導体装置Info
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Abstract
導体装置などの積層体の製造方法は、高温処理などの過
激な条件下で行う工程を含むため、例えば、積層体が配
置される基板や積層体に含まれる部材は制限されること
がある。そこで、様々な基板や部材を含む積層体の製造
に適用できる積層体の製造方法を提供する。 【解決手段】第1の基板上に順次、第1の分離層、中間
層及び被転写体を形成し、前記被転写体と第2の基板上
に形成された第2の分離層とを第1の接着層を介して接
着する。次に前記第1の分離層に対して光照射を行うこ
とにより、前記第1の分離層における剥離を誘起して、
前記第1の基板を脱離させる。次に第3の基板と前記中
間層とを第2の接着層を介して接着する。次に前記第2
の分離層に対して光照射を行い、前記第2の分離層にお
ける剥離を誘起し、前記第2の基板を脱離させる。
Description
に好適な積層体の製造方法及び半導体装置に関する。
来の半導体装置などの積層体の製造方法は、高温処理な
どの過激な条件下で行う工程を含む。例えば、代表的な
半導体装置の一つであるMOS素子は、一つの基板上に順
次、半導体層、ゲート絶縁層、さらにゲート電極を形成
することにより製造されるが、ゲート絶縁層や半導体層
の形成工程は、通常、高温処理を必要とする。
積層体の製造方法では、積層体が配置される基板や積層
体に含まれる部材は制限されることがある。例えば、従
来の半導体装置などの積層体の製造方法は、軟化点や融
点の低い材料を基板あるいは部材とする半導体装置の製
造に適用することは困難であった。そこで、本発明の第
1の目的は、様々な基板や部材を含む積層体の製造に適
用できる積層体の製造方法を提供することである。本発
明の第2の目的は、様々な基板や部材を含む半導体装置
の製造に適用できる半導体装置の製造方法を提供するこ
とである。本発明の第3の目的は様々な用途に対応する
ことのできる半導体装置を得ることである。
製造方法は、第1の分離層を含む第1の基材上に、第2
の基材を配置する工程と、前記第2の基材と、第2の分
離層を含む第3の基材と、を第1の接着層を介して接着
する工程と、光照射を行うことにより、前記第1分離層
の層内及び前記第1の分離層と接する他の層との境界面
のうち少なくともいずれかで、剥離を生ぜしめ、前記第
2の基材及び前記第3の基材を含む第1の積層体を分離
させる工程と、前記第1の積層体と第4の基材とを第2
の接着層を介して接着し、第2の積層体を得る工程と、
光照射を行うことにより前記第2の分離層の層内及び前
記第2の分離層と接する他の層との境界面のうち少なく
ともいずれかで、剥離を生ぜしめ、前記第2の分離層を
境界として、前記第2の積層体を分割する工程と、を含
む。係る積層体の製造方法により、最終的には前記第2
の積層体が分割されることにより生ずる前記第4の基材
を含む積層体が得られることになるが、例えば、前記第
4の基材が耐熱性に劣るものであったとしても、係る積
層体の製造方法を適用することは可能である。なお、こ
こで、第1〜第4の基材は、単層から成るものばかりで
なく、複数の層あるいは領域を含んでいても良い。第1
〜第4の基材に含まれるものとしては、例えば、ガラス
やプラスティックなどの基板を始め、MOS素子、薄膜ト
ランジスタ、薄膜ダイオード、シリコンのPIN接合から
成る光電変換素子(光センサ、太陽電池)、シリコン抵
抗素子、その他の薄膜半導体デバイス、電極(例えば、
ITO、メサ膜のような透明電極)、スイッチング素子、
メモリー、圧電素子等のアクチュエータ、マイクロミラ
ー(ピエゾ薄膜セラミックス)、磁気記録薄膜ヘッド、
コイル、インダクター、薄膜高透磁材料およびそれらを
組み合わせたマイクロ磁気デバイス、フィルター、反射
膜、及びダイクロイックミラーが挙げられる。また、係
る積層体の製造方法では光照射を行うことにより第1の
分離層及び第2の分離層での剥離を誘起しているが、こ
れらの分離層などを適宜選択することで、光照射の代わ
りに加熱によっても同様な効果が得られる場合がある。
項1に記載の積層体の製造方法において、前記第2の基
材は薄膜デバイスを含むこと、を特徴とする。係る積層
体の製造方法により、プラスティック基板やガラス基板
などの耐熱性に劣る部材を含む基材の上方に薄膜デバイ
スを設けることができる。
の基板上に第1の分離層を形成し、さらに前記第1の分
離層の上に薄膜デバイスを含む被転写体を形成する工程
と、第2の基板の上に第2の分離層を形成する工程と、
前記被転写体と前記第2の分離層とを第1の接着層を介
して接着する工程と、光照射により前記第1の分離層の
層内及び前記第1の分離層と接する他の層との境界面の
うち少なくともいずれかで剥離を生ぜしめ、前記被転写
体を前記第1の基板の側から前記第2の基板の側に転写
する工程と、前記第2基板の側に転写された前記被転写
体と第3の基板とを第2の接着層を介して接着する工程
と、光照射により前記第2の分離層の層内及び前記第2
の分離層と接する他の層との境界面のうち少なくともい
ずれかで剥離を生ぜしめ、前記被転写体を、前記第2の
基板の側から前記第3の基板の側に転写する工程と、を
含む。係る積層体の製造方法において前記第3の基板と
して所望の基板を用いることにより、製造される積層体
は所望の基板を含むものとなり、所望の性質や機能を付
与することができる。例えば、従来の半導体装置などの
積層体の製造方法では、高温処理を伴うため用いること
が困難なプラスティック材料を前記第3の基板として利
用することができ、これにより係る積層体に可撓性ある
いは柔軟性を付与することができる。また、前記第3の
基板として種々のデバイスを含むものを用いれば、係る
積層体には種々の機能を付与することができる。
っているが、例えば、被転写体がMOS素子のような上下
が区別される構造物を含んでいる場合、当初の前記第1
の基板に対する該構造物の上下の位置関係と、前記第3
の基板に対する該構造物の上下の位置関係とを一致させ
ることができる。
ら構成されていても良く、例えば、後述の中間層30も
被転写体に含まれる場合もある。
項3に記載の積層体の製造方法において、前記第1の接
着層を取り除く工程をさらに含むこと、を特徴とする。
請求項3に記載の積層体の製造方法において、最終的に
前記被転写体上に第1の接着層が残存することになる
が、この第1の接着層を除去することにより、前記被転
写体の上に他の基材を配置することができる。前記他の
基材は、例えば、電極や配線層である。
項4に記載の積層体の製造方法において、前記第1の接
着層が溶剤に可溶であること、を特徴とする。係る積層
体の製造方法では、溶剤を塗布する方法あるいは溶剤に
浸漬する方法により、前記第1の接着層を除去すること
ができるため、研磨などの機械的除去法やプラズマエッ
チングによる除去法に比べて前記被転写体の損傷を低減
できる。
項5に記載の積層体の製造方法において、前記第1の接
着層が水溶性であること、を特徴とする。係る積層体の
製造方法では、前記第1の接着層の除去に水を用いるこ
とができるので、有機溶剤を用いる場合に比べてコスト
を低減することができる。
項1乃至6のいずれかに記載の積層体の製造方法におい
て、前記第2の分離層がアモルファスシリコンにより構
成されていること、を特徴とする。アモルファスシリコ
ンに対する光照射により発熱現象、アブレーション、気
体の放出、あるいは状態変化が誘起され、前記第2の分
離層内または前記第2の分離層を接する他の層との境界
面のうち少なくともどちらかで、剥離を生ぜしめること
ができる。
項1乃至7のいずれかに記載の積層体の製造方法におい
て、前記第1の分離層がアモルファスシリコンにより構
成されていること、を特徴とする。アモルファスシリコ
ンに対する光照射により発熱現象、アブレーション、気
体の放出、あるいは状態変化が誘起され、前記第1の分
離層内または前記第1の分離層を接する他の層との境界
面のうち少なくともどちらかで、剥離を生ぜしめること
ができる。
項7または8に記載の積層体の製造方法において、前記
アモルファスシリコンが1at%以上の水素を含有するこ
と、を特徴とする。1at%以上の水素を含有するアモル
ファスシリコンに対する光照射により、水素ガスの放出
などの現象が誘起されて、前記第1の分離層または前記
第2の分離層における剥離が生じ易くなる。
求項7乃至9のいずれかに記載の製造方法において、前
記アモルファスシリコンが10〜20at%の水素を含有
すること、を特徴とする。前記アモルファスシリコンに
は10〜20at%という高濃度で水素が含有されている
ので、光照射により容易に水素ガスが放出され、前記第
1の分離層または前記第2の分離層における剥離が生じ
易くなる。
求項1乃至10のいずれかに記載の積層体の製造方法に
おいて、100ナノ秒以下のパルス幅を有する光を前記
光照射に用いること、を特徴とする。前記第1の分離層
または前記第2の分離層に対して、100ナノ秒以下と
いう短いのパルス幅を有する光を照射することにより、
前記第1の分離層における剥離を瞬時に誘起することが
できる。 本発明の第12の積層体の製造方法は、請求
項1乃至11のいずれかに記載の積層体の製造方法にお
いて、レーザーを光源とする光を前記光照射に用いるこ
と、を特徴とする。レーザーを光源とする光は指向性に
優れているため、微少な面積でも選択的に光照射をする
ことができる。
求項12に記載の積層体の製造方法において、エキシマ
ーレーザーを光源とする光を前記光照射に用いること、
を特徴とする。エキシマーレーザーは光源とする光は紫
外領域の波長を有しているため、前記第1の分離層また
は前記第2の分離層を効率良く光励起するのに適してい
る。
求項3乃至6のいずれかに記載の積層体の製造方法にお
いて、光硬化性材料を光硬化させることにより前記第1
の接着層を形成すること、を特徴とする。係る積層体の
製造方法は、光硬化性材料を光硬化させることにより前
記第1の接着層を形成するため、接着を短時間で完了さ
せることができる。
求項14に記載の積層体の製造方法において、前記第2
の分離層がアモルファスシリコンから構成されており、
前記第2の分離層の膜厚が10nm以下であること、を特
徴とする。前記第1の接着層を形成する際の光硬化に用
いる光は、前記第2の分離層を透過する必要があるが、
前記第2の分離層の膜厚を10nm以下という十分薄い膜
厚とすることにより、前記光硬化に用いる光が前記第2
の分離層を透過することができる。
求項14に記載の積層体の製造方法において、前記光硬
化材料を光硬化させる際に用いる光の前記第2の分離層
に対する透過量が、前記第2の分離層の層内または前記
第2の分離層と接する他の層との境界面の少なくともい
ずれかにおいて剥離を生ぜしめる際に用いる光の前記第
2の分離層に対する透過量より大であること、を特徴と
する。係る積層体の製造方法により前記第2の分離層を
透過した光により光硬化させることができる。
1乃至16のいずれかに記載の積層体の製造方法を用い
ること、を特徴とする。上述のように請求項1乃至16
に記載の積層体の製造方法は、様々な部材や基板を含む
積層体に対しても適用できるので、本発明の半導体装置
の製造方法は、様々な部材や基板を含む半導体装置の製
造に有効である。この特徴を生かすことにより、半導体
装置の組み込まれた、例えば、液晶表示装置、電気泳動
表示装置、電界発光表示装置、ICカード及びメモリカー
ドを製造することもできる。
の半導体装置の製造方法により製造されること、を特徴
とする。上述のように、請求項17に記載の半導体装置
の製造方法は、製造方法としての自由度が高いので、例
えば、ガラス基板やプラスティック基板などの上にも半
導体装置を設けることができる。
の半導体装置において、前記半導体装置が薄膜トランジ
スタを含むこと、を特徴とする。係る半導体装置は、液
晶表示装置、電気泳動表示装置、電界発光装置などの種
々のフラットパネルディスプレイや、例えば、ICカー
ド、メモリカード及び電子ペーパーの駆動用半導体装置
として好適である。
いて説明する。まず、実施の形態の概略を図1〜図10
に沿って説明する。
1の分離層20を形成し(図1)、さらに第1の分離層
20の上に中間層30及び被転写層40を形成する(図
2)。第2工程として、第2の基板50の上に、第2の
分離層60を形成する(図3)。第3工程として、第2
の分離層60と前記被転写層40とを第1の接着層70
を介して接着する(図4)。第4工程として第1の基板
10を通して第1の分離層20に対して照射光200を
用いて(図5)、第1の分離層20に剥離を生ぜしめ、
被転写層40を第1の基板10の側から第2の基板50
の側に転写する(図6)。第5工程として、中間層30
と第3の基板80とを接着層90を介して接着する(図
7)。第6工程として、第2の基板50を通して第2の
分離層60に対して光210を用いて光照射を行い(図
8)、第2の分離層60に剥離を生ぜしめ、被転写層4
0を第2基板50の側から第3の基板80の側に移動さ
せる(図9)。なお、図10に示したように、以上の工
程が終了後、前記被転写層40の表面上に残存する第1
の接着層70を除去しても良い。
の基板10の側から第1の分離層20に対して光200
を照射するので、第1の基板10は光200を十分に透
過するものであることが望ましい。具体的には、第1の
基板10は光200を10%以上透過するものが好まし
く、50%以上透過するものがより好ましい。後述する
第1の分離層20がアモルファスシリコンから構成され
ている場合は、エキシマーレーザーなどを光源とする紫
外光を光200として用いることができるが、そのよう
な場合は、第1の基板10を構成する材料として、紫外
光を十分に透過する材料、例えば、ガラスあるいは石英
ガラスを用いることが好ましい。第1の基板10の厚さ
は特に限定されないが、基板の機械的強度と光の透過量
との兼ね合いから、0.1〜5.0 mm程度であるこ
とが好ましく、0.5〜1.5 mmであることがより
好ましい場合がある。なお、第1の基板10の光の透過
率が十分高い場合には、その厚さは、前記上限値を超え
るものであっても良い。また、光を均一に第1の分離層
20に照射するためには、第1の基板10の厚さは、均
一であることが好ましい。第1の基板10の上に形成さ
れる第1の分離層20、中間層30、及び被転写層40
のうちいずれかを形成する際に、高温処理を必要とする
場合は、第1の基板10が十分な耐熱性を有することが
好ましい。
いる材料としては、例えば、以下のA〜Fに記載された材
料を用いることができる。
て良い。この場合、水素の含有量は、1at%以上程度で
あるのが好ましく、2〜20 at%程度であるのがより好ま
しい。このように、水素が所定量含有されていると、光
の照射によって水素が放出され、第1の分離層20に内圧
が発生し、それが剥離を促す力となる。アモルフアスシ
リコン中の水素の含有量は、成膜条件、例えばCVDにお
けるガス圧、ガス雰囲気、ガス流量、温度、基板温度、
あるいはプラズマ生成の際の投入パワー等の条件を適宜
設定することにより調整することができる。
タンまたはチタン酸化合物、酸化ランタンまたははラン
タン酸化合物等の各種酸化物セラミックス、誘電体、強
誘電体あるいは半導体 酸化ケイ素としては、SiO、SiO2、Si302が挙げられ、ケ
イ酸化合物としては、例えばK2SiO3、Li2SiO3、CaSi
O3、ZrSiO4、Na2SiO3が挙げられる。酸化チタンとして
は、TiO、Ti203、TiO2が挙げられ、チタン酸化合物とし
ては、例えば、BaTiO4、BaTiO3、Ba2Ti9020、BaTi
5011、CaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、MgTiO3、ZrTiO2、SnTi
O4、A12TiO5、FeTiO3が挙げられる。酸化ジルコニウム
としては、ZrO2が挙げられ、ジルコン酸化合物として
は、例えばBaZrO3、ZrSiO4、PbZrO3、MgZrO3、K2ZrO3が
挙げられる。
(Zr,Ti)O3]]、PLLZT、PBT等のセラミックスあるいは
誘電体(強誘電体) D.窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒化
物セラミックス E.有機高分子材料 有機高分子材料としては、高分子の主鎖上に、一CH−、
−CO−(ケトン)、−CONH−(アミド)、−NH一(アミ
ノ)、−COO−(エステル)、−N=N−(アゾ)、−CH
=N−(イミド)を有するものが挙げられる。また、光
吸収量を向上させるためにベンゼンやナフタレンなどの
芳香族炭化水素が組み込まれた有機高分子も利用するこ
とができる。
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポ
リオレフイン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレ
ンサルフアイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PE
S)、ポリエステルテレフタレート(PET)、エポキシ樹
脂がある。
a、Ce、Nd、Pr、Gd、Smまたはこれらのうち少なくとも1
種を含む合金が挙げられる。
成や材質、積層構造、形成方法等の諸条件により異なる
が、通常は、1nm〜20μm程度であることが好まし
く、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、4
0nm〜1μm程度であることがさらに好ましい。
厚等の諸条件に応じて適宜選択することができる。例え
ば、CVD(MOCVD、減圧CVD、ECR−CV
D、プラズマCVDを含む)、蒸着、分子線蒸着(M
B)、スパッタリング、イオンプレーティング、PVD
等の各種気相成長法、電気メッキ、浸漬メッキ、ディッ
ピング、無電解メッキ等の各種メッキ法、ラングミュア
・ブロジェット(LB)法、スピンコート、スプレーコ
ート、ロールコート等の塗布法、各種印刷法、転写法、
インクジェット法、粉末ジェット法、及び、上記の方法
うちから選択された2つ以上の方法を組み合わせて形成
することもできる。
アスシリコン(a−Si)の場合には、CVD法、特に減
圧CVD法やプラズマCVD法により成膜するのが好ま
しい。また、第1の分離層20をゾルーゲル法によるセ
ラミックスで構成する場合や、有機高分子材料で構成す
る場合には、塗布法、特にスピンコート法により成膜す
ることが好ましい。
する光照射を行った後、第1分離層20の一部または全
部が中間層30に付着することがある。この場合、例え
ば、洗浄、エッチング、アッシング、研磨等の方法また
はこれらを組み合わせた処理を施すことにより中間層3
0上の付着物を除去することができる。
第1の基板10に付着する場合もある。この場合も同様
な処理を行うことにより、第1基板10から付着物を除
去することができるが、これにより、第1の基板10と
して、石英ガラスのような高価な材料、希少な材料が用
いられている場合は、第1の基板10を再利用すること
ができ、コスト面でも有利である。
置される中間層30は、種々の目的で形成され、例え
ば、被転写層40を物理的または化学的に保護する保護
層、絶縁層、導電層、レーザー光の遮光層、不純物のマ
イグレーションを防止するバリヤ層、反射層としての機
能するものが挙げられる。中間層30が絶縁膜である場
合、例えば、SiO2、SiO、及びSiNを使用することができ
る。中間層30の厚さは、所望の機能に応じて適宜選択
することができるが、通常は、10nm〜5μmである
のが好ましく、40nm〜1μm程度であるのがより好
ましい。なお、場合によっては、中間層30を形成せ
ず、第1の分離層20の上に直接、被転写層40を形成
しても良い。
されているように、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)
を含んでいても良い(被転写層40のK部分)。このTFT
は、例えば、ポリシリコン層にn型不純物を導入して形
成されたソース領域102、ドレイン領域104、チャ
ネル領域100、ゲート絶縁膜106、ゲート電極10
8、層間絶縁膜110、ソース電極112、及びドレイ
ン電極114を具備することができる。TFT以外の、被
転写層40に含まれるデバイスとしては、例えば、薄膜
ダイオード、シリコンのPIN接合から成る光電変換素子
(光センサ、太陽電池)、シリコン抵抗素子、その他の
薄膜半導体デバイス、電極(例えば、ITO、メサ膜のよ
うな透明電極)、スイッチング素子、メモリー、圧電素
子等のアクチュエータ、マイクロミラー(ピエゾ薄膜セ
ラミックス)、磁気記録薄膜ヘッド、コイル、インダク
ター、薄膜高透磁材料およびそれらを組み合わせたマイ
クロ磁気デバイス、フィルター、反射膜、及びダイクロ
イックミラーが挙げられる。もちろん、被転写層40は
上記の例以外の種々のデバイスを含んでいても、本発明
の積層体の製造方法の適用は可能である。
基板50は、被転写層40を一時的に固定するに足る強
度、あるいは後で詳述する第2の分離層60を形成する
に足る耐熱性を備えていれば良い。光硬化材料を光硬化
させて、後で詳述する第1接着層70を形成する場合
は、基板50は、光硬化材料を硬化させる光を十分に透
過することが好ましい。従って、第2の基板50として
は、例えば、ガラス材料や、樹脂材料等の安価な材料を
用いることができる。
(石英ガラス)、ケイ酸アルカリガラス、ソーダ石灰ガ
ラス、カリ石灰ガラス、鉛(アルカリ)ガラス、バリウ
ムガラス、ホウケイ酸ガラスが挙げられる。このうち、
ケイ酸ガラス以外のものは、ケイ酸ガラスに比べて、成
型や加工も比較的容易であり、なおかつ安価であるた
め、好ましい。
性樹脂のいずれでもよく、例えば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレンープロピレン共重合体、エチレン
ー酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフイン、環
状ポリオレフイン、変性ポリオレフイン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、
ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポ
リー(4−メチルペンテンー1)、アイオノマー、アクリ
ル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリルースチ
レン共重合体(AS樹脂)、ブタジエンースチレン共重合
体、ポリオ共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポ
リシクロへキサンテレフタレート(PCT)等のポリエス
テル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポ
リエーテルイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオ
キシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアリレー
ト、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ
素系樹脂、スチレン系、ポリオレフイン系、ポリ塩化ビ
ニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエ
チレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不蝕
和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、ま
たはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマー
アロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上
を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用い
ることができる。
は、基本的に、前述の第1の分離層20の説明で述べたA
〜Fの材料と同様の材料を用いることができる。ただ
し、後で詳述する第1の接着層70が光硬化性樹脂材料
の光硬化により形成する場合は、第2の分離層60は、
第1の接着層70の形成に用いる光を十分に透過するこ
とが好ましい。このような条件を満たす材料としては、
例えば、プラズマCVD法で形成された水素化アモルフア
スシリコン(a−Si:H)が挙げられる。a−Si:H、プラ
ズマCVD法により100℃以下という比較的低温での成膜が
可能であるため、前述の第2の基板50を構成する材料
の選択肢を広げることができる。
シリコンは約320nm以下の波長域の光に対して強い吸収
を示すが、320nm以上の光に対しては透光性を示す。従
って、光硬化性材料を硬化させて第1の接着層70を形
成する光として320nm以上の波長を有する光、例えば、
水銀ランプの346nmの波長の光、及び、第2の分離層6
0における剥離に使用する光として320nm以下の波長を
有する光、例えば、XeClエキシマレーザー(308nm)を
光源とする光を、それぞれ使用すれば、第2の分離層6
0における剥離を抑制したまま、第1の接着層70を形
成すること、及び第2分離層における剥離を誘起するこ
とができる。さらに、第2分離層の膜厚を10nm以下とす
れば、さらに効果的である。プラズマCVD法によりアモ
ルファスシリコン(a−Si:H)を第2分離層として形成
した場合、通常、アモルファスシリコンは10〜20at%の
水素を含むが、このアモルファスシリコンに対して光照
射を行うことにより、アブレーションあるいは水素ガス
放出現象が生起し、第2基板50と第1接着層70の間
の接着力が失われ、第2基板50を容易に脱離すること
ができる。
用いられる材料としては、例えば、反応硬化型接着剤、
熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着
剤、嫌気硬化型接着剤等の各種硬化型接着剤を用いるこ
とができる。特に、工程のタクトタイム低減の観点から
は光硬化性接着剤を用いることが好ましい。上記の光硬
化性材料としては、例えば、エポキシ系、アクリレート
系、シリコーン系の光硬化性材料を用いることができ
る。第1の接着層70を最終的の除去する必要がある場
合は、第1の接着層70は溶媒に可溶であることが好ま
しく、特に水溶性であることが好ましい。以上のような
条件を満たす材料として、例えば、スリーボンド304
6(商品名)を用いることができる。また、第1の接着
層70の厚さを、1μm〜1mm程度、さらに好ましくは10
〜100μm程度とすることにより、図8に示したように、
照射光210を第2分離層60に照射された際に発生す
る熱または圧力から被転写層40を保護する機能を、第
1の接着層70に付与することができる。
剥離を誘起する照射光200としては、第1の分離層20
の性質に応じて、X線、紫外線、可視光、赤外線(熱
線)、ミリ波、マイクロ波、電子線、放射線(α波、β
波、γ波)など、種々の波長の光あるいは電磁波を用い
ることができる。照射面積あるいは照射領域を制御する
必要がある場合は、指向性に優れた、これらの波長の光
あるいは電磁波を発振するレーザーを用いることが好ま
しい。レーザーとしては、例えば、各種気体レーザー、
ガラスレーザー、半導体レーザーが挙げられるが、より
具体的には、例えば、エキシマレーザー、Nd−YAGレー
ザー、Arレーザー、Krレーザー、CO2レーザー、COレー
ザー、及びHe−Neレーザーが挙げられる。
外光を第1の分離層20に対する照射に用いた場合、極
めて短時間で第1の分離層20における剥離現象を誘起
することができるので、被転写層40などの隣接する層
の温度上昇、劣化あるいは損傷などの第1の分離層20
に対する光照射により誘起される副次的な効果を低減す
ることができる。なお、照射光のエネルギー密度は、10
〜5000mJ/cm2程度とするのが好ましく、100〜500mJ/c
m2程度とするのがより好ましい。また、照射時間は、1
〜1000ナノ秒程度とするのが好ましく、10〜100ナノ秒
程度とするのがより好ましい。
て垂直な方向から照射する必要は必ずしもなく、第1の
分離層20に対して所定の角度をなす方向から行うこと
もできる。また、第1の分離層20の面積が照射光200の
1回の照射面積より大きい場合には、第1の分離層20の
全領域に対し、複数回に分けて照射光200を照射する
こともできる。また、同一箇所に2回以上照射しても良
い。また、異なる種類、異なる波長域の照射光を同一領
域または異なる領域に2回以上照射しても良い。
ては、基本的に第1の接着層70と同様な材料を用いる
ことができる。
用いることのできる材料は、第2の基板50の説明で述
べた種々の材料と同様のものを使用することができる。
特に、軽量性、可撓性、弾性などに優れた樹脂材料を用
いることにより、製造される積層体にこれらの機械的性
質を付与することができ、材料コスト、製造コストも低
減できるという利点を有する。なお、第3の基板80
は、例えば、液晶セルのように、それ自体独立したデバ
イスを構成するものや、例えば、カラーフィルター、電
極層、誘電体層、絶縁層、半導体素子のように、デバイ
スの一部を構成するものであっても良い。また、第3の
基板80は、例えば、金属、セラミックス、石材、木
材、紙材等の物質であっても良いし、さらには、時計の
文字盤、自動車のフロントガラス、エアコンの表面、プ
リント基板、柱、天井、窓ガラス等の構造物の表面であ
っても良い。
照射に用いる、第2基板50を透過する照射光210と
しては、照射光200の説明で述べたものと同様の各種
光を用いることができる。第2の分離層60が水素化ア
モルフアスシリコンから成る場合には、照射光210と
してエキシマレーザーを用いることが好ましい。
術を用いれば、基板に形成した積層順序を維持したま
ま、薄膜デバイスを、その使用時に適した他の基板上へ
転写することが可能となる。例えば、薄膜を直接形成す
ることができないか、または形成するのに適さない材
料、成型が容易な材料、安価な材料等で横成されたもの
や、移動しにくい大型の物体等に対しても、転写により
それを形成することができる。
0)は、各種合成樹脂や融点の低いガラス材のような、
製造元基板(第1基板)材料に比べて耐熱性、耐食性等
の特性が劣るものを用いることができる。そのため、例
えば、透明基板上に薄膜トランジスタをすくむ薄膜デバ
イスを製造するに際しては、製造元基板として耐熱性に
優れる石英ガラス基板を用い、転写先基板として、各種
合成樹脂や融点の低いガラス材のような、安価で且つ加
工のし易い材料を用いることにより、安価な薄膜デバイ
スを安定して製造することが容易となる。また、軽量で
柔軟性に富む、新規な薄膜デバイスの製造も可能であ
る。
たように、第2基板の離脱を速やかに行うことができ
る。これにより、大面積の薄膜デバイスを短時間で効率
よく転写することが可能となり、製造コストの低減に効
果的である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
の形態を示す図である。
示す図である。
Claims (19)
- 【請求項1】第1の分離層を含む第1の基材上に、第2
の基材を配置する工程と、 前記第2の基材と、第2の分離層を含む第3の基材と、
を接着する工程と、 光照射を行うことにより、前記第1分離層の層内及び前
記第1の分離層と接する他の層との境界面のうち少なく
ともいずれかで、剥離を生ぜしめ、前記第2の基材及び
前記第3の基材を含む第1の積層体を分離させる工程
と、 前記第1の積層体と第4の基材とを接着し、第2の積層
体を得る工程と、 光照射を行うことにより、前記第2の分離層の層内及び
前記第2の分離層と接する他の層との境界面のうち少な
くともどちらかで、剥離を生ぜしめ、前記第2の分離層
を境界として、前記第2の積層体を分割する工程と、 を含む積層体の製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の積層体の製造方法におい
て、 前記第2の基材は薄膜デバイスを含んでいること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項3】第1の基板上に第1の分離層を形成し、さ
らに前記第1の分離層の上に薄膜デバイスを含む被転写
体を形成する工程と、 第2の基板上に第2の分離層を形成する工程と、 前記被転写体と前記第2の分離層とを第1の接着層を介
して接着する工程と、 光照射により前記第1の分離層の層内及び前記第1の分
離層と接する他の層との境界面のうち少なくともいずれ
かで剥離を生ぜしめ、前記被転写体を前記第1の基板の
側から前記第2の基板の側に転写する工程と、 前記第2基板の側に転写された前記被転写体と第3の基
板とを第2の接着層を介して接着する工程と、 光照射により前記第2の分離層の層内及び前記第2の分
離層と接する他の層との境界面のうち少なくともいずれ
かで剥離を生ぜしめ、前記被転写体を、前記第2の基板
の側から前記第3の基板の側に転写する工程と、 を含む積層体の製造方法。 - 【請求項4】請求項3に記載の積層体の製造方法におい
て、前記第1の接着層を取り除く工程をさらに含むこ
と、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項5】請求項4に記載の積層体の製造方法におい
て、前記第1の接着層が溶媒に可溶であることを特徴と
する積層体の製造方法。 - 【請求項6】請求項5に記載の積層体の製造方法おい
て、前記第1の接着層が水溶性であること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載の積層体
の製造方法において、前記第2の分離層がアモルファス
シリコンにより構成されていること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の積層体
の製造方法において、前記第1分離層がアモルファスシ
リコンにより構成されていること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項9】請求項7または8に記載の積層体の製造方
法において、前記アモルファスシリコンが1 at%以上の
水素を含有すること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項10】請求項7乃至9のいずれかに記載の積層
体の製造方法おいて、前記アモルファスシリコンが10
〜20at%の水素を含有すること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項11】請求項1乃至10のいずれかに記載の積
層体の製造方法において、100ナノ秒以下のパルス幅を
有する光を前記光照射に用いること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項12】請求項1乃至11のいずれかに記載の積
層体の製造方法おいて、レーザーを光源とする光を前記
光照射に用いること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項13】請求項12に記載の積層体の製造方法に
おいて、エキシマレーザーを光源とする光を前記光照射
に用いること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項14】請求項3乃至6のいずれかに記載の積層
体の製造方法において、光硬化性材料を光硬化させるこ
とにより前記第1の接着層を形成すること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項15】請求項14に記載の積層体の製造方法に
おいて、前記第2分離層がアモルファスシリコンから構
成されており、前記第2分離層の膜厚が10nm以下であ
ること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項16】請求項14に記載の積層体の製造方法に
おいて、前記光硬化性材料を光硬化させる際に用いる光
の前記第2の分離層に対する透過量が、前記第2の分離
層の層内または前記第2の分離層と接する他の層との境
界面の少なくともいずれかにおいて剥離を生ぜしめる際
に用いる光の前記第2の分離層に対する透過量より大で
あること、 を特徴とする積層体の製造方法。 - 【請求項17】請求項1乃至16のいずれかに記載の積
層体の製造方法を用いること、 を特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項18】請求項17に記載の半導体装置の製造方
法を用いて製造された半導体装置。 - 【請求項19】請求項18記載の半導体装置において、 前記半導体装置が薄膜トランジスタを含むこと、 を特徴とする半導体装置。
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