JP2002217026A - 電磁石およびそれを用いた開閉装置の操作機構 - Google Patents

電磁石およびそれを用いた開閉装置の操作機構

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JP2002217026A
JP2002217026A JP2001009658A JP2001009658A JP2002217026A JP 2002217026 A JP2002217026 A JP 2002217026A JP 2001009658 A JP2001009658 A JP 2001009658A JP 2001009658 A JP2001009658 A JP 2001009658A JP 2002217026 A JP2002217026 A JP 2002217026A
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iron core
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Ayumi Morita
歩 森田
Yasuaki Suzuki
安昭 鈴木
Masahito Yabu
雅人 薮
Toru Tanimizu
徹 谷水
Ekizo Shibata
易蔵 柴田
Takashi Kadowaki
孝志 門脇
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のプランジャ型電磁石は、長ギャップ状態
における磁気抵抗が小さく吸引力を確保できる特徴があ
るが、平板型電磁石に比べて、短ギャップ状態における
吸引力が小さいという問題があった。 【解決手段】コイル3と、前記コイル3の中心軸上を移
動する可動鉄心1と、前記コイル3の上面,下面、およ
び外周面を覆うように設けた固定鉄心2で構成される電
磁石において、前記固定鉄心2の前記可動鉄心1を挿入
する側に磁性体突出部4を設け、前記可動鉄心1をプラ
ンジャ5とその端部に固定した鋼板6で構成し、前記プ
ランジャ5の端面と前記固定鉄心2、前記鋼板6と前記
磁性体突出部4がそれぞれ同じ方向に対向するように構
成したことを特徴とする電磁石。 【効果】動作開始直後の長ギャップ状態ではプランジャ
型電磁石、動作完了直前の短ギャップ状態では平板型電
磁石と同様の特性を示すため、効率の優れる電磁石が提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁石及びそれを
用いた開閉装置の操作機構の構成に関するもので、特に
動作完了直前の吸引力を増大した高効率の電磁石とそれ
を適用した開閉装置の操作機構に関する。
【0002】
【従来の技術】開閉装置の操作機構には、電動バネ操作
機構,油圧式および空気圧式操作機構などがある。通常
これらの操作機構は、部品数が多く、リンク機構が複雑
になるために比較的高い製造コストが伴う。リンク機構
を簡素化する手法の一つに電磁石を利用した操作機構が
あり、例えば特開平5−234475号公報に記載され
た真空接触器では電磁石を投入動作に使用し、投入動作
と同時に蓄勢された遮断バネを解放して接点を開離す
る。また、特表平10−505940号に記載された操
作機構では、投入動作用および遮断動作用の2個のコイ
ルを貫通するプランジャを設けて、投入・遮断の両方の
動作を電磁石で行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電磁石は、その構造に
よって、プランジャ型と平板型の2種類に大別できる。
棒状の可動鉄心が固定鉄心を貫通するプランジャ型電磁
石は、吸引力は小さいが、磁気抵抗が小さいために長ス
トロークの場合(10mm以上)に適用される。一方、平
板型電磁石の吸引力はプランジャ型電磁石に比べて大き
いが、ストロークの増加に伴う磁気抵抗増大の度合いが
大きく、また漏れ磁束も増加するため、主に小ストロー
クの場合(5mm程度)に用いられる。開閉装置の操作機
構では、例えば特表平10−505940号に記載され
る電磁石のように、動作開始時の長ギャップ状態におけ
る吸引力を確保するために、プランジャ型電磁石を用い
るのが一般的である。しかし、開閉装置の投入動作にプ
ランジャ型電磁石を用いる場合、次の欠点がある。投入
動作では、先ず引き外し用の遮断バネを蓄勢する。その
後、接点が接触した瞬間から、接点の接触圧力を与える
ための接圧バネを蓄勢し始めるため、急激に負荷が増大
する。例えば、定格遮断電流20kAの三相遮断器で
は、接点が接触した瞬間に1000Nから6000N程
度に負荷が跳ね上がる。電磁石のサイズは接圧バネによ
って決定され、吸引力の小さいプランジャ電磁石ではど
うしてもサイズが大きくなってしまう。
【0004】本発明は上記課題を解決する手段として考
案したもので、その目的とするところは、電磁石のサイ
ズを大型化することなく、動作開始時の長ギャップ状態
における吸引力を確保し、かつ動作完了直前の吸引力を
増大させた高効率な電磁石およびこの電磁石を用いた開
閉装置の操作機構を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、コイ
ル3と、前記コイル3の中心軸上を移動する可動鉄心1
と、前記コイル3の上面,下面、および外周面を覆うよ
うに設けた固定鉄心2で構成される電磁石において、前
記固定鉄心2の前記可動鉄心1を挿入する側に磁性体突
出部4を設け、前記可動鉄心1をプランジャ5とその端
部に固定した鋼板6で構成し、前記プランジャ5の端面
と前記固定鉄心2、前記鋼板6と前記磁性体突出部4が
それぞれ同じ方向に対向するように構成した電磁石10
である。
【0006】また、本発明は、上記の電磁石において、
前記プランジャ5の側面と前記固定鉄心2とのギャップ
gが、前記可動鉄心1の可動範囲長さよりも短くしたも
のである。さらに、前記プランジャ5の側面と前記固定
鉄心2とのギャップgが、5mm以上としたものである。
また、前記可動鉄心1と前記固定鉄心2を互いに電気的
に絶縁された積層鋼板で構成したものである。
【0007】さらに本発明は、コイル3と、前記コイル
3の中心軸上を移動する可動鉄心1と、前記コイル3の
上面,下面、および外周面を覆うように設けた固定鉄心
2で構成される電磁石において、前記固定鉄心2の可動
鉄心1を挿入する側に磁性体突出部4を設け、前記可動
鉄心1はプランジャ5とその端部に固定した鋼板6で構
成し、前記鋼板6の側面と磁性体突出部4を対向させ、
さらに前記プランジャ5の端面と前記固定鉄心2、前記
鋼板6と前記固定鉄心2がそれぞれ同じ方向に対向する
ように構成した電磁石10である。
【0008】また、上記の電磁石において、前記鋼板6
の側面と前記磁性体突出部4間の距離g2が、前記プラ
ンジャ5の側面と前記固定鉄心2間の距離gよりも短
く、かつ前記距離g2が可動鉄心1の移動範囲長さより
も短くなるように構成したものである。また、前記鋼板
6の側面と前記磁性体突出部4間の距離g2を5mm以上
としたものである。
【0009】さらに、本発明は、前述の電磁石を投入動
作に用いた開閉装置の操作機構である。
【0010】すなわち、このように構成された電磁石で
あると、動作開始時の長ギャップ状態でも吸引力を確保
でき、かつ動作完了直前の小ギャップ状態では吸引力が
増加するため、高効率な電磁石となる。さらにこの電磁
石を適用することによって小型で安価な開閉装置の操作
機構を実現できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施例に関し、図1ない
し図13を用いて説明する。 (実施例1)本発明の第1の実施例について図1ないし
図6を用いて説明する。
【0012】図1は、本発明の実施例である電磁石10
の断面図である。可動鉄心1は、コイル3の中心軸上を
貫通するプランジャ5と、その端部に固定した円盤状の
鋼板6で構成し、接続部材7によって負荷に接続され
る。固定鉄心2は、いずれも磁性体である鋼管2a,凸
型鋼材2b、およびリング状の鋼板2cで構成する。凸
型鋼材2bおよびリング状の鋼板2cは、図示するよう
に鋼管2aの両端からねじ込む要領で取り付けてもよい
し、あるいは溶接にて固定してもよい。ここで、鋼材2
bは凸型形状としたが、勿論単純な平板でも構わない。
ただし、プランジャ5の端面と固定鉄心2のギャップX
をコイル3の中央付近に設けると、漏れ磁束が低減され
ることが分かっており、凸型鋼材を用いた方が効率は優
れる。また、凸型鋼材2bは、一体物で製作してもよい
し、あるいは2枚の鋼板を接続して構成してもよい。コ
イル3は、絶縁物あるいは非磁性体金属(アルミ,銅な
ど)で製作されたボビン3aと、巻線3bで構成する。
【0013】リング状の鋼板2cは、比較的深めに鋼管
2aにねじ込んであり、磁性体の突出部4を設けた状態
とする。本実施例の電磁石10では、プランジャ5の端
面と凸型鋼材2b、円盤状の鋼板6と突出部4がそれぞ
れ同じ方向に対向する構造となっている。なお、プラン
ジャ5とリング状の鋼板2cのギャップgは5mm以上と
し、かつギャップgは電磁石10のストローク長に比べ
て短くしてある。
【0014】本発明の電磁石10の動作について、図2
および図3を用いて説明する。図2は動作開始直後の状
態、図3は動作完了直前の状態を表す。
【0015】先ず、図2により動作開始直後の状態につ
いて説明する。外部の電源回路(図示せず)にてコイル
3を通電すると、電磁石10の鉄心内には磁束Φが発生
する。磁束Φは鎖線で示すO1およびO2の2つの経路
を流れる。動作開始直後の状態では、円盤状の鋼板6と
磁性体突出部4間のギャップLは、プランジャ5とリン
グ状の鋼板2c間のギャップgに比べて長いため(g<
L)、磁束Φは主に経路O1を流れる。この磁束Φによ
ってプランジャ5の端面に吸引力F0が発生し、可動鉄
心1は図中下向きに駆動される。
【0016】吸引力F0によって可動鉄心1が駆動され
ると、やがて図3に示す状態になる。可動鉄心1の移動
に伴って、円盤状の鋼板6と磁性体突出部4間のギャッ
プLが減少し、プランジャ5とリング状の鋼板2c間の
ギャップgよりも短くなる(g>L)。それゆえ、磁束
Φは経路O2に分流し始め、動作完了時(L=0)には
そのほとんどが経路O2を流れる。すなわち、可動鉄心
1の移動が進むにつれて、プランジャ5と凸型鋼板2b
間に働く吸引力F0に加えて、円盤状の鋼板6と突出部
4間にも吸引力F1が働くようになる。
【0017】次に、本実施例の効果について説明する。
【0018】従来型の電磁石は、その構造からプランジ
ャ型と平板型の2種類に大別できる。図4,図5は、そ
れぞれプランジャ型電磁石,平板型電磁石の典型的な構
造を示したものである。プランジャ型電磁石は、コイル
3の上面,下面、および周囲を取り囲むように固定鉄心
2を設けてあり、コイル3の中心軸上をプランジャ5が
移動する。プランジャ5の端面と固定鉄心2の対向部に
吸引力F0が働く。プランジャ型電磁石の特徴は、プラ
ンジャ5の移動に伴って変化するギャップがプランジャ
5の端面と固定鉄心2が対向する部分だけであり、磁気
抵抗が後述する平板型電磁石に比べて小さいことであ
る。それゆえ、長ストロークが要求される負荷に対して
有効である。一方、平板型電磁石は図5に示すように、
可動鉄心1と固定鉄心2の中央脚2d間だけでなく、可
動鉄心1と側脚2e間にも吸引力F1が働く。それゆ
え、プランジャ型電磁石に比べて吸引力が大きい。しか
し、ストロークに伴って、可動鉄心1−中央脚2d間、
および可動鉄心1−側脚2e間の2箇所のギャップが変
化するため、長ストローク負荷に対しては、磁気抵抗が
大きくなり効率が悪い。また、長ギャップ状態では、中
央脚2d−側脚2e間を直接短絡する漏れ磁束Φlが発
生し、吸引力はますます低下する。図6は、ストローク
に対する吸引力特性を示すグラフである。プランジャ型
電磁石,平板型電磁石の特性は図中の鎖線のようにな
る。
【0019】本実施例の電磁石10は、動作状態によっ
て磁束分布が変化する。動作開始直後はプランジャ型電
磁石(図4)と同様な磁束分布を示すが、動作完了直前
では平板型電磁石(図5)の磁束分布と同様になる。つ
まり、動作開始直後の長ギャップ状態ではプランジャ型
電磁石、動作完了直前の小ギャップ状態では平板型電磁
石の特性を示すようになる。本実施例の電磁石10にお
ける吸引力特性を、図6中の実線で示した。すなわち、
本実施例の電磁石10は、プランジャ型電磁石および平
板型電磁石の両者の利点を併せ持つ高効率の電磁石であ
ることがわかる。なお、プランジャ型電磁石と平板型電
磁石は、一般にストローク5mmを基準に使い分ける。そ
れゆえ、プランジャ5側面とリング状の鋼板2c間のギ
ャップgを5mm以上に設定すると効果的である。 (実施例2)本発明の第2の実施例について図7および
図8を用いて説明する。
【0020】図7,図8は、それぞれ電磁石10の正面
図および側面図を示す。可動鉄心1は、T字型の鋼板1
aを積層して構成する。固定鉄心2は、実施例1の電磁
石におけるリング状の鋼板2cと同じ役割をする部分8
と、突出部4を同時に備えた鋼板2fを積層して構成し
た鉄心を左右に配置し、これらの鉄心で鉄ブロック2g
を挟持した構造とした。勿論、左右の鋼板2fと鉄ブロ
ック2gの部分を一枚の薄い鋼板で製作し、それを積層
して固定鉄心2を構成してもよい。鋼板1aおよび鋼板
2fは、その表面にメッキ、あるいは塗装を施してあ
り、鋼板間の電気抵抗を増加させる。コイル3は角型の
コイルである。可動鉄心1と部分8間のギャップgは5
mm以上とし、かつ可動鉄心1のストローク長よりも短く
した。
【0021】電磁石10の動作は、実施例1の電磁石と
同様である。動作開始時の長ギャップ状態では磁束Φは
経路O1を流れ、吸引力F0によって可動鉄心1が駆動
される。可動鉄心1の移動に伴って距離Lが距離gより
短くなると、磁束は経路O2に分流し始める。動作完了
直前の状態では、磁束Φの大部分が経路O2を流れるよ
うになり、F0,F1およびF2の3個所で吸引力が働
く。
【0022】本実施例の効果について説明する。実施例
1の電磁石と同様に、動作開始時の長ギャップ状態にお
ける吸引力を確保でき、動作完了直前の小ギャップ状態
における吸引力が増加する。さらに、本実施例の電磁石
10では、鉄心を互いに絶縁された積層鋼板で構成した
ため、磁束Φの経路変化(経路O1から経路O2)によ
って生じる渦電流jを抑制でき、更に効率が向上する。
なお、磁束Φの経路が変化する部分の渦電流jを抑制す
ればよいので、その大部分を占める可動鉄心1だけを積
層鋼板で構成し、固定鉄心2をすべてブロック材で構成
しても、充分な効果を得ることができる。 (実施例3)本発明の第3の実施例について図9および
図10を用いて説明する。
【0023】図9および図10は本発明の実施例である
電磁石10の断面図であり、それぞれ動作開始直後、動
作完了直前の状態を表している。可動鉄心1は、コイル
3の中心軸上を貫通するプランジャ5と、その端部に固
定した円盤状の鋼板6で構成する。可動鉄心1の両端に
は、接続部材7および9を取り付ける。動作方向に応じ
て負荷を接続部材7あるいは9に接続する。固定鉄心2
は、いずれも磁性体である鋼管2a,凸型鋼材2b、お
よびリング状の鋼板2cで構成する。凸型鋼材2bおよ
びリング状の鋼板2cは、図9に示すように鋼管2aの
両端からねじ込む要領で取り付けてもよいし、あるいは
溶接などで固定してもよい。コイル3は、絶縁物あるい
は非磁性体金属(アルミ,銅など)で製作されたボビン
3aと、巻線3bで構成されている。
【0024】リング状の鋼板2cは、深めに鋼管2aに
ねじ込んであり、磁性体の突出部4を設けた状態とす
る。本実施例の電磁石10では、プランジャ5の端面と
凸型鋼材2b,円盤状の鋼板6とリング状の鋼板2cが
それぞれ同じ方向に対向する構造となっている。プラン
ジャ5側面とリング状の鋼板2c間のギャップgは、円
盤状の鋼板6の側面と突出部4間のギャップg2よりも
大きくしてあり(g>g2)、さらにギャップg2は可
動鉄心1のストローク長より短くしてある。また、ギャ
ップg2は5mm以上に設定した。
【0025】鋼管2aの端部には、非磁性体(SUS,
Alなどの金属、あるいは絶縁物)で製作したふた11
を取り付け、ふた11には接続部材7が貫通している。
凸型鋼材2bには接続部材9が貫通している。ふた1
1,接続部材7,9、および凸型鋼材2bによって、可
動鉄心1の軸ずれを防止する。また、ふた11には、電
磁石10内部への異物混入(ごみなど)を防止する役割
もある。
【0026】本実施例の電磁石10の動作について説明
する。
【0027】先ず、図9を用いて動作開始直後の状態に
ついて説明する。外部の電源回路(図示せず)にてコイ
ル3を励磁すると、電磁石10の鉄心内には磁束Φが発
生する。動作開始直後の状態では、円盤状の鋼板6と突
出部4間のギャップg2は、プランジャ5側面とリング
状の鋼板2c間のギャップg、および円盤状の鋼板6と
リング状のギャップLに比べて短いため、磁束Φは経路
O3を流れる。この磁束Φによってプランジャ5に吸引
力F0が発生し、可動鉄心1は図中下向きに駆動され
る。
【0028】吸引力F0によって可動鉄心1が駆動され
ると、やがて図10に示す状態になる。可動鉄心1の移
動に伴って、円盤状の鋼板6とリング状の鋼板2c間の
ギャップLが減少し、円盤状の鋼板6と突出部4間のギ
ャップg2よりも短くなる(g2>L)。このとき、磁
束は経路O4に分流し始め、動作完了時(L=0)には
そのほとんどが経路O4を流れる。すなわち、可動鉄心
1の移動が進むにつれて、プランジャ5と凸型鋼板2b
間に働く吸引力F0に加えて、円盤状の鋼板6とリング
状の鋼板2c間にも吸引力F1が働くようになる。
【0029】次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例の電磁石10は、長ギャップ状態ではプランジ
ャ型電磁石、小ギャップ状態では平板型電磁石と同様な
磁束分布を示す。実施例1および2と同様に、長ギャッ
プ状態では磁気抵抗が小さく吸引力を確保でき、さらに
小ギャップ状態では吸引力が増大する。さらに、本実施
例の電磁石10では、磁束の経路が変化する部分、すな
わち渦電流の影響が大きい部分は突出部4だけである。
実施例1の電磁石と異なり、経路の変化に伴う渦電流は
可動鉄心1には流れない。それゆえ、すべてブロック材
で製作しても充分な吸引力を得ることができ、安価で効
率の優れる電磁石を提供できる。 (実施例4)本発明の第4の実施例について図11ない
し図13を用いて説明する。
【0030】本実施例は、実施例1ないし実施例3記載
の電磁石10を開閉装置の操作機構に適用したものであ
る。図11は、実施例3記載の電磁石10を適用した三
相真空遮断器20の側断面図である。ここでは真空遮断
器を例に説明するが、ガス遮断器などの他の開閉装置に
本発明の電磁石を適用することも可能である。
【0031】真空遮断器20は、真空バルブ30,操作
機構部40,絶縁架台31、および制御回路51・電磁
石10を収納する操作スペース50で構成される。真空
バルブ30は紙面奥行き方向に3相分並んだ状態で設置
してある。3つの真空バルブ30は、操作機構部40内
のシャフト41で連結してあり、単一の電磁石10で駆
動する。
【0032】真空バルブ30は、上下の端板32および
絶縁筒33からなる真空容器によって、その内部を真空
状態に保つ。真空バルブ30内に固定接点37と可動接
点38を配置し、その接離によって投入および遮断を実
現する。固定接点37は、固定導体35に固定してあ
り、固定側フィーダ39と電気的に接続する。一方、可
動接点38は、可動導体36に固定し、フレキシブル導
体61を介して可動側フィーダ62に接続する。ベロー
ズ34は、その両端を可動導体36および端板32に接
続する。ベローズ34によって真空状態を維持したま
ま、固定接点37と可動接点38の接離が可能になる。
【0033】真空バルブ30と電磁石10はともにシャ
フト41に連結しており、電磁石10の発生する駆動力
を可動導体36に作用させる。可動導体36は、絶縁ロ
ッド63によって操作機構と電気的に絶縁しており、シ
ャフト41に固定したレバー42に連結される。電磁石
10の可動鉄心1は、接続部材9によってレバー44と
連結する。コイル3を励磁すると、可動鉄心1は下方向
に駆動され、すなわち可動導体34が上方向に移動し、
投入動作が行われる。
【0034】投入動作では、接圧バネ43と遮断バネ4
5の蓄勢を同時に行わなければならない。接圧バネ43
は投入時の接点に接触圧力を与えるためのバネであり、
遮断バネ45は遮断動作を行うためのバネである。
【0035】接圧バネ43は絶縁ロッド63内に収納さ
れている。接圧バネ43周辺の構造を図12に示す。接
圧バネ43は、絶縁ロッド63にモールドした接圧バネ
ホルダ43a内に収納してある。可動導体36は連結部
材43bに固定し、連結部材43bはピン43cによっ
て接圧バネホルダ43aと連結する。連結部材43bに
はピン43cの外径よりやや大きめの穴が、接圧バネホ
ルダ43aには楕円穴43dを設ける。投入動作におい
て、固定接点37と可動接点38が接触すると、ピン4
3cが楕円穴43d内を移動し始め(図中下向き)、投
入動作が完了するまで接圧バネ43を圧縮しつづける。
【0036】一方、遮断バネ45は、操作機構部40の
天板46と接続部材9に固定された板47とで挟持す
る。遮断バネ45は、投入動作中、常に圧縮されつづけ
る。なお、投入動作完了時には、シャフト41が別途設
けたラッチ機構(図示せず)によって回転しない状態と
する。投入状態では接圧バネ43および遮断バネ45は
ともに圧縮された状態のままとなり、ラッチ機構との係
合を外すと、両バネの蓄勢エネルギーによって遮断動作
が行われる。
【0037】次に、本実施例の効果について説明する。
【0038】図13は、真空遮断器20の投入動作にお
ける負荷特性と本発明の電磁石10の吸引力特性を示
す。上述のように、真空遮断器20の投入動作では、接
圧バネ43と遮断バネ45の蓄勢を同時に行い、固定接
点37と可動接点38が接触する時点で急激に負荷が増
大する。本発明の電磁石10は、長ギャップ状態におけ
る磁気抵抗が小さく吸引力を確保でき、かつ短ギャップ
状態にて吸引力が増大する特徴を有する。すなわち、真
空遮断器20の負荷特性に適し、本発明の電磁石10を
適用することによって、小型・低コストな操作機構を提
供できる。
【0039】
【発明の効果】本発明の電磁石によれば、長ギャップ状
態における磁気抵抗が小さく吸引力を確保でき、かつ動
作完了直前の小ギャップ状態では吸引力が増大するた
め、効率の優れる電磁石を提供できる。また、本発明の
電磁石は、その吸引力特性が開閉装置の負荷特性に適し
ており、開閉装置の操作機構に適用することによって、
操作機構の小型・低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である電磁石の断面図である。
【図2】本発明の実施例である電磁石の動作開始直後の
状態を示す。
【図3】本発明の実施例である電磁石の動作完了直前の
状態を示す。
【図4】従来のプランジャ型電磁石の構造を示す。
【図5】従来の平板型電磁石の構造を示す。
【図6】本発明の実施例である電磁石の吸引力特性を示
すグラフである。
【図7】本発明の第2の実施例である電磁石の断面図で
ある。
【図8】本発明の第2の実施例である電磁石の側面図で
ある。
【図9】本発明の第3の実施例である電磁石の動作開始
直後の状態を示す。
【図10】本発明の第3の実施例である電磁石の動作完
了直前の状態を示す。
【図11】本発明の電磁石を用いた真空遮断器の構造を
示す。
【図12】本発明の真空遮断器における接圧バネ43周
辺部の構造を表す。
【図13】本発明の真空遮断器の負荷特性と電磁石の吸
引力特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…可動鉄心、2…固定鉄心、2a…鋼管、2b…凸型
鋼材、2c…リング状の鋼板、3…コイル、4…突出
部、5…プランジャ、6…円盤状の鋼板、7…接続部
材、10…電磁石、20…真空遮断器、30…真空バル
ブ、43…接圧バネ、45…遮断バネ、F…吸引力、g
…ギャップ、L…ギャップ、O…磁束の経路、Φ…磁
束。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 安昭 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所電機システム事業部内 (72)発明者 薮 雅人 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所電機システム事業部内 (72)発明者 谷水 徹 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所電機システム事業部内 (72)発明者 柴田 易蔵 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所電機システム事業部内 (72)発明者 門脇 孝志 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内 Fターム(参考) 5E048 AA08 AB04 AD02 CA01 5G028 AA08 DB06 DB07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイルと、前記コイルの中心軸上を移動す
    る可動鉄心と、前記コイルの上面,下面、および外周面
    を覆うように設けた固定鉄心で構成される電磁石におい
    て、前記固定鉄心の前記可動鉄心を挿入する側に磁性体
    突出部を設け、前記可動鉄心をプランジャとその端部に
    固定した鋼板で構成し、前記プランジャの端面と前記固
    定鉄心、前記鋼板と前記磁性体突出部がそれぞれ同じ方
    向に対向するように構成したことを特徴とする電磁石。
  2. 【請求項2】前記プランジャの側面と前記固定鉄心間と
    の距離Gが、前記可動鉄心の可動範囲長さよりも短いこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電磁石。
  3. 【請求項3】前記プランジャの端面と前記固定鉄心間と
    の距離Gを5mm以上としたことを特徴とする請求項1な
    いし請求項2に記載の電磁石。
  4. 【請求項4】前記可動鉄心と前記固定鉄心を互いに電気
    的に絶縁された積層鋼板で構成することを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電磁石。
  5. 【請求項5】コイルと、前記コイルの中心軸上を移動す
    る可動鉄心と、前記コイルの上面,下面、および外周面
    を覆うように設けた固定鉄心で構成される電磁石におい
    て、前記固定鉄心の前記可動鉄心を挿入する側に磁性体
    突出部を設け、前記可動鉄心をプランジャとその端部に
    固定した鋼板で構成し、前記鋼板の端面と前記磁性流体
    突出部を対向させ、さらに前記のプランジャの側面と前
    記固定鉄心、前記鋼板と前記固定鉄心がそれぞれ同じ方
    向に対向するように構成したことを特徴とする電磁石。
  6. 【請求項6】前記鋼板の側面と前記磁性流体突出部間の
    距離G2が、前記プランジャの側面と前記固定鉄心間の
    距離Gよりも短く、且つ前記距離G2が可動鉄心の移動
    範囲長さよりも短くなるように構成したことを特徴とす
    る請求項5記載の電磁石。
  7. 【請求項7】前記鋼板の側面と前記磁性流体突出部間の
    距離G2を5mm以上としたことを特徴とする請求項6記
    載の電磁石。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項7のいずれかに記載
    の電磁石を投入動作に用いたことを特徴とする開閉装置
    の操作機構。
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