JP2002216540A - 電極ペースト及びそれを用いた電子部品の製造方法 - Google Patents

電極ペースト及びそれを用いた電子部品の製造方法

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JP2002216540A
JP2002216540A JP2001050831A JP2001050831A JP2002216540A JP 2002216540 A JP2002216540 A JP 2002216540A JP 2001050831 A JP2001050831 A JP 2001050831A JP 2001050831 A JP2001050831 A JP 2001050831A JP 2002216540 A JP2002216540 A JP 2002216540A
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electrode
electrode paste
cut
butyral resin
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JP2001050831A
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Koji Kawakita
晃司 川北
Hidenori Katsumura
英則 勝村
Hiroshi Kagata
博司 加賀田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子部品の切断時の電極剥離を防止すると共に
焼成後の電極の浮きを防止し、また、電子部品の研磨時
の電極脱落を防止することができる電極ペースト及びそ
れを用いた電子部品の製造方法を提供する。 【解決手段】少なくともブチラール樹脂を含有する電極
ペーストを準備し、内部電極を有する積層体の少なくと
も表裏面のどちらかに、前記電極ペーストを用いて電極
を印刷し、次に、前記電極が印刷された積層体を個片に
切断し、前記切断された積層体を熱処理して、前記積層
体中の可塑剤を除去し、前記可塑剤を除去した積層体を
バレル研磨し、その後、前記バレル研磨された積層体を
焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層LC複合部品
等の電子部品に用いる電極ペースト及びそれを用いた電
子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話など通信分野に使用され
る電子部品の小型化、高周波化が進むに伴い、コンデン
サ、コイルを一つの部品内に集積させた積層LC複合部
品が用いられるようになっている。これらの積層LC複
合部品は、低誘電率の絶縁体層内に内部電極によって形
成したコンデンサ、コイルを互いに結線して用いてい
る。具体的に説明すると、図1に示すような回路を図
2、図3、図4のように積層LC複合部品内部に持たせ
ている。図1〜4に示したものは一段のローパスフィル
タであって、絶縁体層1に内部電極2〜5によりコンデ
ンサC1、C2とコイルLを形成して図1に示すような
回路を構築している。なお、6〜9は外部電極で、10
〜13は表層電極、14〜17は裏面電極である。
【0003】また、図6に示すような回路は、図7、図
8、図9のように、内部に接続用のビアによる層間接続
を有し、LCを積層LC複合部品内部に持たせ、且つ表
層にコンデンサ等のチップ部品を実装している。図7〜
9に示したものは2段のローパスフィルタであって、絶
縁体層1に内部電極102〜105によりコンデンサC
1、C3とコイルL1、L2を形成し、コンデンサC2
はチップ部品120を表面に実装して図6に示すような
回路を構築している。なお、106〜109は外部電
極、110〜113は表層電極、114〜117は裏面
電極、118はビア電極である。
【0004】以上のような一般的な表裏面に電極が形成
された積層LC複合部品を作製する方法は、複数枚のセ
ラミックグリーンシート上に、内部電極ペーストを用い
てそれぞれの電極パターンを印刷し、所定の位置に積層
し、個片に切断、焼成した後、表裏面に電極を形成して
もう一度焼成し、外部電極を形成して積層LC複合部品
を作製するものである。
【0005】また、複数枚のセラミックグリーンシート
上に、内部電極ペーストを用いてそれぞれの電極パター
ンを印刷し、所定の位置に積層し、工程の簡略化のため
に先に表裏面に電極を電極ペーストを用いて形成して、
個片に切断、焼成した後、外部電極を形成して積層LC
複合部品を作製する方法もある。
【0006】また、内部に接続用のビアを含んだ積層L
C複合部品の場合、電極パターンの形成前に、パンチン
グやレーザを用いてセラミックグリーンシートに穴をあ
ける工程と、それに電極材料を充填する工程が追加され
る。
【0007】更に、積層LC複合部品の角のチッピング
を防止するために、外部電極形成前に、バレル研磨を行
ない、角の部分を強制的に落とす工程を行なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、表裏面に電極
を焼成後に形成する場合には、セラミックの収縮のばら
つきによる印刷精度の低下の問題と、個片に印刷するた
めに小さなチップを整列させる煩雑な工程を必要とする
という問題がある。一方、それに対し、焼成前に表裏面
に電極を印刷して電極部分を切断する方法においては、
切断時の表裏面の電極のはがれと、焼成後の電極の浮き
が問題となる。
【0009】また、積層LC複合部品はその性格上一般
的な電子部品(積層チップコンデンサやチップ抵抗等)
と比較して面積が数倍となる。このためセラミックの角
の部分が欠けるチッピングにより、セラミックの割れが
問題となる。このため、積層LC複合部品のチッピング
防止、強度改善のために、焼成後にバレル研磨を行な
い、角の部分を落とすことで、チッピングの防止と割れ
強度が改善される。しかし、長時間のバレル研磨におい
ては表裏面電極の脱落が顕著となり、半田付け性が困難
になるという問題がある。
【0010】そこで、本発明は前記従来の問題を解決す
るため、電極ペーストの組成を改善することにより電子
部品の切断時の電極剥離を防止すると共に焼成後の電極
の浮きを防止し、また、電子部品の研磨時の電極脱落を
防止することができる電極ペースト及びそれを用いた電
子部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の電極ペーストは、金属粒子、樹脂及び溶剤
を少なくとも含む電極ペーストであって、前記電極ペー
ストがブチラール樹脂を含有することを特徴とする。
【0012】また、本発明の電極ペーストは、ブチラー
ル樹脂を0.2〜1.0質量%含有することが好まし
い。ブチラール樹脂の含有量が0.2質量%を下回ると
密着性に問題があり、1.0質量%を超えると溶剤への
溶解が困難になる問題がある。
【0013】また、本発明の電極ペーストは、前記金属
粒子が金、銀、白金及びパラジウムの中から選ばれる少
なくとも1つからなることが好ましい。
【0014】また、本発明の電極ペーストは、前記金属
粒子を70〜90質量%含有することが好ましい。
【0015】また、本発明の電極ペーストは、前記金属
粒子の形状が球形で、その平均粒径が0.3〜5μmの
範囲にあることが好ましい。
【0016】更に、本発明の電極ペーストを用いた電子
部品の製造方法は、少なくともブチラール樹脂を含有す
る電極ペーストを準備し、内部電極を有する積層体の少
なくとも表裏面のどちらかに、前記電極ペーストを用い
て電極を印刷し、次に、前記電極が印刷された積層体を
個片に切断し、その後、前記切断された積層体を焼成す
ることを特徴とする。
【0017】また、本発明の電極ペーストを用いた電子
部品の製造方法は、少なくともブチラール樹脂を含有す
る電極ペーストを準備し、内部電極と内部ビアを有する
積層体の少なくとも表裏面のどちらかに、前記電極ペー
ストを用いて電極を印刷し、次に、前記電極が印刷され
た積層体を個片に切断し、その後、前記切断された積層
体を焼成することを特徴とする。
【0018】以上より、電極ペースト中にブチラール樹
脂を添加することにより、電極ペーストと積層体との密
着力が向上し、積層体を切断する工程で表裏面の電極の
剥離を防止できると共に焼成後の電極の浮きを防止でき
る。
【0019】また、本発明の電極ペーストを用いた電子
部品の製造方法は、少なくともブチラール樹脂を含有す
る電極ペーストを準備し、内部電極を有する積層体の少
なくとも表裏面のどちらかに、前記電極ペーストを用い
て電極を印刷し、次に、前記電極が印刷された積層体を
個片に切断し、前記切断された積層体を大気中で熱処理
して、前記積層体中の可塑剤を除去し、前記可塑剤を除
去した積層体をバレル研磨し、その後、前記バレル研磨
された積層体を焼成することを特徴とする。
【0020】また、本発明の電極ペーストを用いた電子
部品の製造方法は、少なくともブチラール樹脂を含有す
る電極ペーストを準備し、内部電極を有する積層体の少
なくとも表裏面のどちらかに、前記電極ペーストを用い
て電極を印刷し、次に、前記電極が印刷された積層体を
個片に切断し、前記切断された積層体を窒素中で熱処理
して、前記積層体中の可塑剤を除去し、前記可塑剤を除
去した積層体をバレル研磨し、その後、前記バレル研磨
された積層体を焼成することを特徴とする。
【0021】また、本発明の電極ペーストを用いた電子
部品の製造方法は、少なくともブチラール樹脂を含有す
る電極ペーストを準備し、内部電極及び内部ビアを有す
る積層体の少なくとも表裏面のどちらかに、前記電極ペ
ーストを用いて電極を印刷し、次に、前記電極が印刷さ
れた積層体を個片に切断し、前記切断された積層体を大
気中で熱処理して、前記積層体中の可塑剤を除去し、前
記可塑剤を除去した積層体をバレル研磨し、その後、前
記バレル研磨された積層体を焼成することを特徴とす
る。
【0022】また、本発明の電極ペーストを用いた電子
部品の製造方法は、少なくともブチラール樹脂を含有す
る電極ペーストを準備し、内部電極及び内部ビアを有す
る積層体の少なくとも表裏面のどちらかに、前記電極ペ
ーストを用いて電極を印刷し、次に、前記電極が印刷さ
れた積層体を個片に切断し、前記切断された積層体を窒
素中で熱処理して、前記積層体中の可塑剤を除去し、前
記可塑剤を除去した積層体をバレル研磨し、その後、前
記バレル研磨された積層体を焼成することを特徴とす
る。
【0023】以上より、電極ペースト中にブチラール樹
脂を添加することにより、電極ペーストと積層体との密
着力が向上し、積層体をバレル研磨する工程で表裏面の
電極の剥離を防止できる。
【0024】また、バレル研磨時における研磨剤と電極
との衝突をブチラール樹脂が緩和する効果もあり、これ
により更に積層体の電極の剥離を防止できる。なお、積
層体を焼成後にバレル研磨を行なうと、焼成によりブチ
ラール樹脂が消失してしまうため、前記ブチラール樹脂
によるバレル研磨時の衝突緩和効果が期待できない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0026】本発明は、金属粒子、樹脂及び溶剤を少な
くとも含む電極ペーストであって、前記電極ペーストが
ブチラール樹脂を含有することを特徴とする電極ペース
トである。
【0027】前記金属粒子としては、金、銀、白金及び
パラジウムの中から選ばれる少なくとも1つを使用で
き、その量としては電極ペースト中に70〜90質量%
含有させることが好ましい。また、前記金属粒子の形状
は球形で、その平均粒径が0.3〜5μmの範囲にある
ことが好ましい。
【0028】前記樹脂としては、電極ペースト中に少な
くとも0.2〜1.0質量%のブチラール樹脂を使用
し、通常ブチラール樹脂以外の樹脂も用いる。ブチラー
ル樹脂以外の樹脂としては、エチルセルロース、セルロ
ース誘導体、ニトロセルロース、ヒトロキシプロピルセ
ルロース等が使用できる。
【0029】また、前記溶剤としては、αターピネオー
ル、DBP(フタル酸ジブチル)、BBP(フタル酸ブ
チルベンジル)、MIBE(メチルイソブチルエーテ
ル)、γブチルラクトン、ブチルカルビトール等が使用
できる。
【0030】以下、具体的な本発明の実施例について、
図面を参照しながら説明する。
【0031】(実施例1)先ず、本発明の電極ペースト
について説明する。
【0032】金属粒子として各種粒径の銀粉を、樹脂と
してBMS積水化学社製のブチラール樹脂及び日新化成
社製のエチルセルロース(STD−45)を、溶剤とし
てαターピネオールをそれぞれ準備した。次に、所定量
のエチルセルロースとブチラール樹脂をαターピネオー
ルに溶解させ、ビヒクルとした。続いて、前記各粒径の
銀粉を前記ビヒクルと混合して3本ロールミルにて混錬
し、サンプル1〜10の本発明の電極ペーストを作製し
た。比較のため、ブチラール樹脂を含まない電極ペース
トも同様に作製し、サンプル11とした。表1に使用し
た銀粉の粒径及び電極ペーストの各成分の量を示した。
【0033】
【表1】
【0034】なお、ブチラール樹脂の含有量が、1.0
質量%を超えるとブチラール樹脂のαターピネオールへ
の溶解が困難となった。
【0035】(実施例2)次に、実施例1で作製した電
極ペーストを用いた電子部品の製造方法を説明する。
【0036】縦100mm、横100mmの大きさの厚
み100μmの日本電気硝子社製のグリーンシート(M
LS1000)を2枚積層し、その表面に先ず図5
(d)のグランドパターン5を京都エレックス社製の銀
ペースト(DD1411A−35)を用いて周知のスク
リーン印刷法により印刷して乾燥させた。その上面にグ
リーンシート1枚を積層して図5(c)のコンデンサパ
ターン3、4をスクリーン印刷した。更に、その上面に
グリーンシートを14枚積層して図5(b)のつづら折
れ状コイルパターン2をスクリーン印刷した。
【0037】最後に、グリーンシートを更に2枚積層し
て、その最上層に表層電極として図5(a)の表層電極
パターン10〜13を実施例1で作製した電極ペースト
を用いてスクリーン印刷した。更に、反対側の表面に裏
面電極として図5(e)の裏面電極パターン14〜17
をスクリーン印刷し、表裏面電極と内部電極が形成され
た積層体を作製した。
【0038】その後、この積層体を80℃、300kg
/cm2の圧力で1分間熱圧着した。これにより断面が
図3、4に示すような積層LC複合部品が作製できた。
なお、図1は本発明の実施例2の積層LC複合部品の回
路図であり、図2は本発明の実施例2の積層LC複合部
品の斜視図である。
【0039】次に、この積層体をブレード刃を用いて縦
5mm、横7mmの個片に切断した。切断した積層体の
表裏面の電極部分を観察したところ、ブチラール樹脂を
添加していないサンプル11の電極ペーストを用いたも
のでは、電極の一部がブレード刃との摩擦で剥離した。
それに対して、ブチラール樹脂を添加したサンプル1〜
10の電極ペーストを用いたものでは、少し弾性特性を
持ったブチラール樹脂とグリーンシートの密着力によ
り、切断部分の電極の剥離は見られなかった。
【0040】その後、上記積層体を大気中で400℃の
温度で熱処理してグリーンシート中のバインダーを除去
した後、875℃で30分間保持して焼成した。外部電
極として市販のガラスフリット入り銀電極を側面に所望
の形状に塗布し、750℃で10分間保持して焼き付け
た。ブチラール樹脂を添加しないサンプル11の電極ペ
ーストを用いたものでは、焼成前の電極の剥離の形状が
焼成後も残り、外部電極と一部の表層電極の間で導通が
とれなかった。一方、ブチラール樹脂を添加したサンプ
ル1〜10の電極ペーストを用いたものでは、表層電極
の切断面での剥離はなく、焼成後の外部電極の剥離もな
く、本発明のブチラール樹脂を添加した電極ペーストで
は安定した導通が可能であった。
【0041】また、電極ペーストに用いた銀粉に換え
て、同様に金、白金及びパラジウムの粉末をそれぞれペ
ースト化し、ブチラール樹脂を添加して用いたが、銀粉
と同様の効果が得られた。
【0042】(実施例3)実施例1と同様にして内部電
極、表裏面電極を形成した積層体を作製した。この積層
体を縦7mm、横5mmの個片のサイズにブレード刃を
用いて切断した。これを乾燥機を用いて大気中で温度2
00℃、3時間熱処理し、グリーンシート中の可塑剤を
除去した。なお、この条件では、若干の可塑剤が残留
し、また若干のバインダーが焼失するが、実用上問題は
ない。
【0043】次に、この切断した積層体を600cm3
の容量の直径100mmのポリポットに入れ、直径2m
mのアルミナボール及び水を加えてバレル回転数500
回/分で1時間バレル研磨を行なった。バレル研磨を焼
結前に行なうことで、角が丸くなり、安定した形状を得
ることができた。一方、熱処理前にバレル研磨した場合
には、グリーンシート中の可塑剤の弾性のために角は丸
くならなかった。
【0044】また、ブチラール樹脂を添加しないサンプ
ル11の電極ペーストを用いたものでは、バレル研磨後
に表面の電極が研磨されて消失した。それに対し、本発
明のブチラール樹脂を添加したサンプル1〜10の電極
ペーストを用いたものでは、ブチラール樹脂の弾性のた
めにバレル研磨後においても表面の電極が消失しなかっ
た。
【0045】その後、バレル研磨した個片を乾燥した
後、大気中で温度400℃で熱処理してバインダーを除
去した後、875℃で30分間保持して焼成した。次
に、外部電極として市販のガラスフリット入り銀電極を
側面に所望の形状に塗布し、750℃で10分間保持し
て焼き付けた。実施例1と同様に、表裏面の電極に剥が
れがなく、本発明のブチラール樹脂を添加した電極ペー
ストでは安定した導通が可能である。
【0046】焼成後にバレル研磨を行なった場合に比べ
て、本発明の製造方法である可塑剤を乾燥後にバレル研
磨を行ない、その後焼成することで、表面荒さが1/5
に減少し、抗折強度が30%向上して極めて良好な特性
が得られた。
【0047】また、電極ペーストに用いた銀粉に換え
て、同様に金、白金及びパラジウムの粉末をそれぞれペ
ースト化し、ブチラール樹脂を添加して用いたが、銀粉
と同様の効果が得られた。
【0048】(実施例4)実施例1と同様にして内部電
極、表裏面電極を形成した積層体を作製した。この積層
体を縦7mm、横5mmの個片のサイズにブレード刃を
用いて切断した。これを、乾燥機を用いて大気を窒素に
置換し、窒素中で温度200℃、3時間熱処理し、グリ
ーンシート中の可塑剤を除去させた。
【0049】この様に、窒素中で熱処理することで、グ
リーンシート中の可塑剤を乾燥させると共に、エチルセ
ルロース、ブチラール樹脂の燃焼を抑制することが可能
となり、試料を多量に投入しても安定した乾燥が可能と
なる。
【0050】次に、この切断した積層体を600cm3
の容量の直径100mmのポリポットに入れ、直径2m
mのアルミナボール及び水を加えてバレル回転数500
回/分で1時間バレル研磨を行なった。バレル研磨を焼
結前に行なうことで、角が丸くなり、安定した形状を得
ることができた。一方、熱処理前にバレル研磨した場合
には、グリーンシート中の可塑剤の弾性のために角は丸
くならなかった。
【0051】また、ブチラール樹脂を添加しないサンプ
ル11の電極ペーストを用いたものでは、バレル研磨後
に表面の電極が研磨されて消失した。それに対し、本発
明のブチラール樹脂を添加したサンプル1〜10の電極
ペーストを用いたものでは、ブチラール樹脂の弾性のた
めにバレル研磨後においても表面の電極が消失しなかっ
た。
【0052】その後、バレル研磨した個片を乾燥した
後、大気中で温度400℃で熱処理してバインダーを除
去した後、875℃で30分間保持して焼成した。次
に、外部電極として市販のガラスフリット入り銀電極を
側面に所望の形状に塗布し、750℃で10分間保持し
て焼き付けた。ブチラール樹脂を添加しないサンプル1
1の電極ペーストを用いたものでは、焼成前の電極の剥
離の形状が焼成後も残り、外部電極と一部の表層電極の
間で導通がとれなかった。一方、ブチラール樹脂を添加
したサンプル1〜10の電極ペーストを用いたもので
は、表層電極の切断面での剥離はなく、焼成後の外部電
極の剥離もなく、本発明のブチラール樹脂を添加した電
極ペーストでは安定した導通が可能であった。
【0053】焼成後にバレル研磨を行なった場合に比べ
て、本発明の製造方法である可塑剤を乾燥後にバレル研
磨を行ない、その後焼成することで、表面荒さが1/5
に減少し、抗折強度が30%向上して極めて良好な特性
が得られた。
【0054】また、電極ペーストに用いた銀粉に換え
て、同様に金、白金及びパラジウムの粉末をそれぞれペ
ースト化し、ブチラール樹脂を添加して用いたが、銀粉
と同様の効果が得られた。
【0055】(実施例5)次に、内部電極の接続に内部
ビアホールを用いた電子部品の製造方法を説明する。
【0056】縦100mm、横100mmの大きさの厚
み100μmの日本電気硝子社製のグリーンシート(M
LS1000)を2枚積層し、その表面に先ず図10
(d)のグランドパターン105を京都エレックス社製
の銀ペースト(DD1411A−35)を用いて周知の
スクリーン印刷法により印刷して乾燥させた。その上面
にグリーンシート1枚を積層して図10(c)のコンデ
ンサパターン103、104をスクリーン印刷した。更
に、その上面にグリーンシートを14枚積層して図10
(b)のつづら折れ状コイルパターン102をスクリー
ン印刷した。
【0057】次に、内部ビアの接続が必要なグリーンシ
ートの所定の位置に、直径0.2mmのパンチングによ
る穴加工を行ない、位置合わせをしながら各パターンを
形成したグリーンシートを積層後、その最上層の内部ビ
アの部分のみが露出するようにメタルマスクを通して銀
ペーストを印刷して乾燥させた。
【0058】最後に、グリーンシートを更に2枚積層し
て、その最上層に表層電極として図10(a)の表層電
極パターン110〜113を実施例1で作製した電極ペ
ーストを用いてスクリーン印刷した。更に、反対側の表
面に裏面電極として図10(e)の裏面電極パターン1
14〜117をスクリーン印刷し、表裏面電極、内部電
極及び内部ビアが形成された積層体を作製した。
【0059】その後、この積層体を80℃、300kg
/cm2の圧力で1分間熱圧着した。これにより断面が
図8、9に示すような積層LC複合部品が作製できた。
なお、図6は本発明の実施例5の積層LC複合部品の回
路図であり、図7は本発明の実施例5の積層LC複合部
品の斜視図である。
【0060】以下、実施例2、3、4と同様の方法で試
料を作製した。実施例2、3、4と同様に、本発明のブ
チラール樹脂を添加した電極ペーストを用いたものは安
定した導通が可能であった。
【0061】焼成後にバレル研磨を行なった場合に比べ
て、本発明の製造方法である可塑剤を乾燥後にバレル研
磨を行ない、その後焼成することで、表面荒さが1/5
に減少し、抗折強度が30%向上して極めて良好な特性
が得られた。
【0062】また、電極ペーストに用いた銀粉に換え
て、同様に金、白金及びパラジウムの粉末をそれぞれペ
ースト化し、ブチラール樹脂を添加して用いたが、銀粉
と同様の効果が得られた。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明においては、電極ペ
ーストの組成を改善することにより電子部品の切断時の
電極剥離を防止しすると共に、電子部品の研磨時の電極
脱落を防止することができ、また可塑剤を除いた後、焼
成前にバレル研磨を行なうことにより高強度の電子部品
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2の積層LC複合部品の回路図
である。
【図2】本発明の実施例2の積層LC複合部品の斜視図
である。
【図3】図2のI−I線断面図である。
【図4】図2のII−II線断面図である。
【図5】本発明の実施例2の積層LC複合部品の印刷パ
ターン図である。
【図6】本発明の実施例5の積層LC複合部品の回路図
である。
【図7】本発明の実施例5の積層LC複合部品の斜視図
である。
【図8】図7のI−I線断面図である。
【図9】図7のII−II線断面図である。
【図10】本発明の実施例5の積層LC複合部品の印刷
パターン図である。
【符号の説明】
1 絶縁体層 2 内部電極(コイルパターン) 3、4 内部電極(コンデンサパターン) 5 内部電極(グランドパターン) 6〜9 外部電極 10〜13 表層電極(表層電極パターン) 14〜17 裏面電極(裏面電極パターン) 102 内部電極(コイルパターン) 103、104 内部電極(コンデンサパターン) 105 内部電極(グランドパターン) 106〜109 外部電極 110〜113 表層電極 114〜117 裏面電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加賀田 博司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E062 DD04 5E070 AA05 AB02 CB02 CB13 CB17 5E082 AB03 BC32 DD08 EE04 EE23 EE35 JJ09 JJ15 LL03 MM24 PP03 PP09 5G301 DA03 DA05 DA11 DA12 DA42 DD01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粒子、樹脂及び溶剤を少なくとも含
    む電極ペーストであって、前記電極ペーストがブチラー
    ル樹脂を含有することを特徴とする電極ペースト。
  2. 【請求項2】 前記電極ペーストが、ブチラール樹脂を
    0.2〜1.0質量%含有する請求項1に記載の電極ペ
    ースト。
  3. 【請求項3】 前記金属粒子が、金、銀、白金及びパラ
    ジウムの中から選ばれる少なくとも1つからなる請求項
    1又は2に記載の電極ペースト。
  4. 【請求項4】 前記金属粒子が、70〜90質量%含有
    されている請求項1〜3のいずれかに記載の電極ペース
    ト。
  5. 【請求項5】 前記金属粒子の形状が球形で、その平均
    粒径が0.3〜5μmの範囲にある請求項1〜4のいず
    れかに記載の電極ペースト。
  6. 【請求項6】 少なくともブチラール樹脂を含有する電
    極ペーストを準備し、 内部電極を有する積層体の少なくとも表裏面のどちらか
    に、前記電極ペーストを用いて電極を印刷し、 次に、前記電極が印刷された積層体を個片に切断し、 その後、前記切断された積層体を焼成することを特徴と
    する電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 少なくともブチラール樹脂を含有する電
    極ペーストを準備し、内部電極と内部ビアを有する積層
    体の少なくとも表裏面のどちらかに、前記電極ペースト
    を用いて電極を印刷し、 次に、前記電極が印刷された積層体を個片に切断し、 その後、前記切断された積層体を焼成することを特徴と
    する電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 少なくともブチラール樹脂を含有する電
    極ペーストを準備し、 内部電極を有する積層体の少なくとも表裏面のどちらか
    に、前記電極ペーストを用いて電極を印刷し、 次に、前記電極が印刷された積層体を個片に切断し、 前記切断された積層体を大気中で熱処理して、前記積層
    体中の可塑剤を除去し、 前記可塑剤を除去した積層体をバレル研磨し、 その後、前記バレル研磨された積層体を焼成することを
    特徴とする電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくともブチラール樹脂を含有する電
    極ペーストを準備し、 内部電極を有する積層体の少なくとも表裏面のどちらか
    に、前記電極ペーストを用いて電極を印刷し、 次に、前記電極が印刷された積層体を個片に切断し、 前記切断された積層体を窒素中で熱処理して、前記積層
    体中の可塑剤を除去し、 前記可塑剤を除去した積層体をバレル研磨し、 その後、前記バレル研磨された積層体を焼成することを
    特徴とする電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 少なくともブチラール樹脂を含有する
    電極ペーストを準備し、 内部電極及び内部ビアを有する積層体の少なくとも表裏
    面のどちらかに、前記電極ペーストを用いて電極を印刷
    し、 次に、前記電極が印刷された積層体を個片に切断し、 前記切断された積層体を大気中で熱処理して、前記積層
    体中の可塑剤を除去し、 前記可塑剤を除去した積層体をバレル研磨し、 その後、前記バレル研磨された積層体を焼成することを
    特徴とする電子部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 少なくともブチラール樹脂を含有する
    電極ペーストを準備し、 内部電極及び内部ビアを有する積層体の少なくとも表裏
    面のどちらかに、前記電極ペーストを用いて電極を印刷
    し、 次に、前記電極が印刷された積層体を個片に切断し、 前記切断された積層体を窒素中で熱処理して、前記積層
    体中の可塑剤を除去し、 前記可塑剤を除去した積層体をバレル研磨し、 その後、前記バレル研磨された積層体を焼成することを
    特徴とする電子部品の製造方法。
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