JP2002213097A - 立体駐車設備における車受渡し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】駐車室の部材を削減して設備コストを低減する
とともに、駐車室の高さを低くできて建屋における収納
台数を増大する。 【解決手段】昇降通路３に沿って昇降移動される搬器２
ａと駐車室４との間で車を出し入れする車受渡し装置６
に、互いに接近離間移動自在に配置された前後一対のフ
ォーク部材７を、車体Ｂの中心側から前後方向に離間移
動して前後の車輪Ｗの斜め下部にそれぞれ当接させるフ
ォーク開閉機構１７と、フォーク部材７を搬器２ａと駐
車室４との間で出退自在なフォーク出退機構９とを設
け、前記駐車室４の駐車床面４ａを平板状に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、昇降装置の搬器や
搬送台車から車を駐車室に入出庫する立体駐車設備にお
ける車受渡し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の立体駐車設備において、昇降装置
の搬器と駐車室の間または搬送台車と駐車室の間で車を
受け渡しする受渡し装置は、たとえば各駐車室に遊転式
コンベヤを設け、搬器または搬送台車の駆動式コンベヤ
から動力伝達装置により遊転式コンベヤを駆動するコン
ベヤ式がある。またパレット式立体駐車設備では、たと
えば各駐車室にパレットのガイド装置を設け、搬器また
は搬送台車に設けた押し引き装置によりパレットを駐車
室から押し引き移動させるものがある。

【０００３】いずれも、多くが設置される駐車室の設備
部材が多数必要なことから、櫛歯式立体駐車設備が提案
されている。この櫛歯式立体駐車設備は、搬器や搬送台
車に、駐車室側に出退自在で車を支持する櫛歯フォーク
を設け、駐車室に前記櫛歯フォークが上下方向に通過可
能な櫛歯受け部材を設置したものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、櫛歯式立体駐
車設備も、各駐車室にそれぞれ櫛歯受け部材を設置する
必要があり、所定の設備コストを要し、また櫛歯フォー
クが櫛歯受け部材を上下に通過可能な高さを確保するた
め、駐車室の高さが高くなり、建屋の空間の有効利用が
図りにくいという問題があった。

【０００５】本発明は上記問題点を解決して、駐車室の
部材を削減して設備コストを低減できるとともに、駐車
室の高さを低くできて建屋における収納台数を増大でき
る立体駐車設備における車受渡し装置を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１記載の発明は、複数の駐車階にわたって形成
された昇降通路と、各駐車階にそれぞれ前記昇降通路に
隣接して形成された駐車室と、前記昇降通路に沿って搬
器を昇降駆動する昇降装置とを具備し、前記駐車室と搬
器との間で車を出し入れする立体駐車設備における車受
渡し装置であって、前記車受渡し装置に、互いに接近離
間移動自在でかつ伸縮自在に配置された前後一対のフォ
ーク部材と、これらフォーク部材を車体中心側から前後
方向に離間移動して前後の車輪の斜め下部にそれぞれ当
接させることにより、車輪を介して車体を保持可能なフ
ォーク開閉機構と、前記フォーク部材を搬器から駐車室
に伸縮可能なフォーク伸縮機構と設け、前記駐車室の床
面を平板状に形成したものである。

【０００７】上記構成によれば、フォーク伸縮機構によ
りフォーク部材を駐車室側に伸展させて、車体の中央下
部に挿入する。そしてフォーク開閉機構によりフォーク
部材をそれぞれ前後方向に離間移動させて車輪の中央側
下部に当接させることにより車輪を保持させ、ついで搬
器を昇降させてフォーク部材により車輪を駐車室の床面
から浮上させることにより車体を保持させる。さらに、
フォーク伸縮機構によりフォーク部材を収縮させて、駐
車室から搬器に車を移載する。また逆の手順で搬器から
駐車室に車を移載する。したがって、前後一対のフォー
ク部材により中央部側から車輪の下部に押し付けて支持
するので、駐車室の床面は平坦に形成するだけで車を受
渡しすることができ、駐車室の部材を大幅に削減できて
設備コストを低減できる。また、フォーク部材を床面上
で昇降させて車を受渡しするので、従来の櫛歯式立体駐
車設備のように下段の天井部に及ぶことがなく、駐車室
の高さを低くできて建屋区間の有効利用が図れ、収納台
数を増大することができる。さらに前後一対のフォーク
部材を使用するので、軽量に構成できる。

【０００８】また請求項２記載の発明は、上記構成にお
いて、搬器フレーム上に、下方から車輪を支持可能でか
つ前後方向に移動自在なステージコンベヤと、フォーク
部材を有して前後方向に接近離間移動自在なフォーク台
車とを配置して、車を直接乗り込み可能に構成し、前記
フォーク台車とステージコンベヤとを連結するととも
に、ステージコンベヤのコンベヤベルトの所定部位を前
記搬器フレームに連結固定し、前記ステージコンベヤの
コンベヤベルトを所定範囲で昇降させる受渡し用昇降機
構を設け、前記フォーク開閉機構によりステージコンベ
ヤとフォーク台車とを離間移動させて、フォーク部材を
中央側から車輪の下部に当接させた後、前記受渡し用昇
降機構によりステージコンベヤを下降させて車輪をフォ
ーク部材支持させるように構成したものである。

【０００９】上記構成によれば、車を直接搬器上に乗り
込ませて車輪をステージコンベヤ上に停止し、運転者の
降車後に、フォーク開閉機構を駆動してフォーク台車を
前後に離間移動させることにより、コンベヤベルトの上
面を停止して車輪を一定位置に保持した状態で、フォー
ク部材を車輪の下部に当接させて保持し、受渡し用昇降
機構によりステージコンベヤを下降させて車輪をフォー
ク部材に支持させることができる。したがって、搬器に
直接乗り込ませた車を、フォーク部材に容易に支持させ
ることができるとともに、ステージコンベヤと一体に設
けたフォーク部材の支持構造を容易かつ強固に構成する
ことができる。

【００１０】また請求項３記載の発明は、複数の駐車階
で搬送通路に沿って配置された駐車室と、前記搬送通路
に沿って移動自在に配置された搬送台車と、前記搬送通
路に隣接して配置されるとともに各駐車階にわたって形
成された昇降通路と、前記昇降通路に沿って搬器を昇降
駆動する昇降装置とを具備し、駐車室と搬送台車との間
で車を受渡しする立体駐車設備における車受渡し装置で
あって、互いに接近離間移動自在でかつ伸縮自在に配置
された前後一対のフォーク部材と、これらフォーク部材
を車体中心側から前後方向に離間移動して前後の車輪の
斜め下部にそれぞれ当接させることにより、車輪を介し
て車体を保持可能なフォーク開閉機構と、前記フォーク
部材を搬器から駐車室に伸縮可能なフォーク伸縮機構
と、フォーク部材を所定範囲で昇降させるリフト装置と
を具備し、駐車室の床面を平板状に形成したものであ
る。

【００１１】上記構成によれば、フォーク伸縮機構によ
りフォーク部材を搬送台車から駐車室に伸展させ、フォ
ーク開閉機構によりフォーク部材を車体中央部からそれ
ぞれ前後方向に離間移動させて車輪の中央側下部に当接
させ、さらにリフト装置によりフォーク部材を上昇させ
ることにより、フォーク部材に車輪を介して車体を保持
させる。そして、フォーク部材を後退させることによ
り、駐車室から搬送台車に車を移載することができ、さ
らに逆の手順で搬送台車から駐車室に車を移載すること
ができる。したがって、前後一対のフォーク部材を車輪
の中央側下部に当接させて保持するので、駐車室は床面
を平坦に形成するだけでよく、駐車室の部材を大幅に削
減できて設備コストを低減できる。また、フォーク部材
を床面上で昇降させて車を受渡しするので、従来の櫛歯
式立体駐車設備のように下段の天井部に及ぶことがな
く、駐車室の高さを低くできて建屋区間の有効利用がは
かれ収納台数を増大することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】ここで、本発明に係る立体駐車設
備の車の受渡し装置の実施の形態を図１〜図８に基づい
て説明する。

【００１３】この立体駐車設備は、図８に示すように、
複数の駐車階２Ｓ〜ｎＳを有する建屋１の中央部には、
昇降装置２の搬器２ａが昇降自在に配置される昇降通路
３が形成され、駐車階２Ｓ〜ｎＳの昇降通路３の両側に
はそれぞれ駐車室４が形成されている。１階１Ｓは入出
庫階に構成されており、車が直接搬器２a上に乗り込ん
で出し入れする昇降通路３と、運転者などが乗り降りす
る入出庫室５が形成され、図示しない開閉扉が設けられ
ている。

【００１４】昇降装置２の搬器２ａには、図１〜図４に
示すように、駐車室４および入出庫室５と搬器２ａとの
間で車を出し入れする車受渡し装置６が設けられてい
る。この車受渡し装置６は、左右の前輪および左右の後
輪をそれぞれ保持して移載する前側および後側の受渡し
部６ｆ，６ｒからなり、これら受渡し部６ｆ，６ｒは対
称構造であるため、一方のみを説明し、他方は同一符号
を付して説明を省略する。

【００１５】前側の受渡し部６ｆは、フォーク部材７を
車体Ｂの下部中央から前方に移動して車輪Ｗに中央側か
ら斜め下部に当接し、後側の受渡し部６ｒのフォーク部
材７と共動して、車輪Ｗを介して車体Ｂを保持するよう
に構成されている。そして搬器フレーム１０上には、乗
り込み時に車輪Ｗを下方から支持して案内するととも
に、前後方向に移動自在に配置されたステージコンベヤ
１１と、フォーク部材７を搬器２ａと駐車室４との間で
伸縮するフォーク伸縮機構９およびフォーク部材７とを
有するフォーク台車１２と、これらフォーク台車１２を
ガイド車輪１３を含むガイド装置を介して相対方向に移
動させるフォーク開閉機構１７と、フォーク部材７に対
向して立設部材１４を介して配置された車輪止めとなる
固定ステージ１５が設けられている。さらに、固定ステ
ージ１５は、ステージコンベヤ１１のコンベヤベルト１
１ａの搬送面上に配置されるとともに、ステージコンベ
ヤ１１のコンベヤベルト１１ａの所定部位が固定ステー
ジ１５に所定範囲で昇降自在な連結手段(たとえば係合
ピンとスライド孔)１５ａに連結固定されている。また
フォーク台車１２とステージコンベヤ１１のフレームと
は連結固定されて一体化されている。

【００１６】前記フォーク開閉機構１７は、図５に示す
ように、前後方向に配置された左右一対の移動用ねじ軸
１７ａがフォーク台車１２に設けられた雌ねじ部材（図
示せず）に螺合され、搬器フレーム１０に配置されたフ
ォーク開閉モータ１７ｂに減速機１７ｃを介してチェー
ンとスプロケットからなる伝動機構１７ｄにより移動用
ねじ軸１７ａそれぞれが回転駆動される。したがって、
このフォーク開閉機構１７により、フォーク台車１２が
前後に移動されると、ステージコンベヤ１１も同時に移
動されるが、コンベヤベルト１１ａの上面に停止された
車輪Ｗは、コンベヤベルト１１ａが固定ステージ１５に
固定されていることから、一定位置に保持されて移動す
ることがない。

【００１７】さらにステージコンベヤ１１のフレームに
は、コンベヤベルト１１ａを所定範囲Δｄで昇降させる
受渡し用昇降機構１６が具備されており、フォーク開閉
機構１７によりフォーク部材７が車輪Ｗに当接された
後、この受渡し用昇降機構１６によりコンベヤベルト１
１ａを下降させることにより、車輪Ｗをステージコンベ
ヤ１１からフォーク部材７に受け渡して車体Ｂをフォー
ク部材７に支持させることができる。

【００１８】前記フォーク台車１２のフォーク伸縮機構
９は、図５〜図７に示すように、ラックピニオン式のテ
レスコピックタイプで、フォーク台車１２の固定ガイド
フレーム２１に中間フォーク２２が出退自在に案内され
るとともに、この中間フォーク部材２２にフォーク部材
７が出退自在に案内されている。また搬器フレーム１０
には、フォーク伸縮用モータ２９に減速機３０を介して
回転駆動されるスプライン軸２３が前後方向に配設さ
れ、このスプライン軸２３に軸心方向にのみ移動自在に
嵌合された駆動ピニオン２４が、中間フォーク２２に取
り付けられた中間受動ラック２５に噛合されて、中間フ
ォーク２２が出退駆動される。また固定ガイドフレーム
２１に取り付けられた中間駆動ラック２６とフォーク部
材７に取り付けられた終段受動ラック２７とが、中間フ
ォーク２２に取り付けられた中間ピニオン２８に噛合さ
れて互いに連結連動され、倍速機構が構成されている。
またフォーク部材７は、下方前方に傾斜して車輪Ｗを保
持可能な傾斜支持面７ａが左右位置にそれぞれ形成され
ている。

【００１９】前記駐車室４は、その床面４ａが余分な部
材が突出しない平坦な平板状に形成されており、フォー
ク部材７と駐車室４の床面４ａとの間での車輪Ｗの受渡
しは、昇降装置２により搬器２ａを介してフォーク部材
７を昇降させることにより行われる。

【００２０】次に上記車受渡し装置の動作を説明する。
入出庫室５に車が入り、直接搬器２a上に移動してステ
ージコンベヤ１１上に停止されると、サイドブレーキが
引かれて運転者が車から降車し入出庫室５から出る。

【００２１】すると、昇降装置２が駆動されて搬器２ａ
が目的の駐車階Ｓまで移動されると同時に、図３に示す
ように、フォーク開閉装置１７によりフォーク台車１２
が離間方向に開動されてフォーク部材７の傾斜支持面７
ａが車輪Ｗの中央部側下部に当接されて押し付けられ
る。そして、搬器２ａが停止されると、図４に示すよう
に、受渡し昇降機構１６によりステージコンベヤ１１が
Δｄだけ下降されて車輪Ｗから離れ、車輪Ｗが前後のフ
ォーク部材７に完全に支持される。そして、フォーク伸
縮機構９が駆動されてフォーク部材７が駐車室４側に伸
展されることにより車が駐車室４側に移送され、さらに
昇降装置２により搬器２ａが下降されて車輪Ｗが床面４
ａに着地された後、フォーク開閉機構１７によりフォー
ク台車１２が閉動されてフォーク部材７が車輪Ｗから離
間される。ついで、フォーク伸縮機構９によりフォーク
部材７が駐車室４から収縮されて駐車室４への入庫が完
了する。

【００２２】駐車室４からの出庫は、上記と逆の手順で
車を駐車室から搬器２ａに移載し、搬器２ａを入出庫室
５に下降させて出庫すればよい。上記実施の形態によれ
ば、搬器２ａに配設された受渡し装置６により、フォー
ク部材７を車体Ｂの中央下部から互いに離間移動させ
て、フォーク部材７の傾斜支持面７ａをステージコンベ
ヤ１１上の車輪Ｗの中央側下方に押し付け、ステージコ
ンベヤを下降させて車輪Ｗを保持するとともに、フォー
ク部材７を駐車室４側に伸展させ、さらに昇降装置２に
よりフォーク部材７を昇降可能に構成したので、前後一
対のフォーク部材７により、搬器２ａと駐車室４との間
で車を出し入れすることができる。したがって、駐車室
４の床面４ａを平坦な平面状に構成することができ、駐
車室４の部材を削減して設備コストを低減できる。ま
た、フォーク部材７を床面４ａ上で昇降させて車を受渡
しするので、従来の櫛歯式立体駐車設備のように下段の
天井部に及ぶことがなく、また駐車室４の高さを低くで
きるので、建屋１の内部空間を有効利用することがで
き、収納台数を増大することができる。

【００２３】また、ステージコンベヤ１１上に車輪Ｗを
保持した状態で、フォーク開閉機構１７によりフォーク
台車１２を移動してフォーク部材７を車輪Ｗに押し付け
て保持するように構成したので、フォーク部材７とコン
ベヤベルト１１ａとの位置関係は変化せず、コンベヤベ
ルト１１ａの端部で搬送面上にわずかに突出してフォー
ク部材７を配置するだけでよい。このため、たとえば単
なる平板上に車輪Ｗを支持した場合、フォーク部材７を
平板の表面に沿って移動させることになり、この場合に
比較して、フォーク部材７を高強度で支持することがで
き、またフォーク部材７の下部の空間部にフォーク伸縮
機構９を配置することもできる。

【００２４】なお、入出庫室５の搬器２ａに直接車を乗
り込ませるのではなく、搬器２ａの側部に停止スペース
を設け、この停止スペースに、左右の前輪を載せる前輪
用スラットコンベヤと左右の後輪を載せる後輪用スラッ
トコンベヤとを別々に駆動可能に設置し、レーザーセン
サなどの非接触式検出器を配置して、搬器２ａのフォー
ク部材７が左右の車輪にそれぞれ適正に当接するよう
に、前後輪スラットコンベヤを駆動して車の方向や位置
を修正可能に構成することもできる。

【００２５】また、前記停止スペースにセンタリング用
のターンテーブル装置を設置してもよい。たとえばター
ンテーブル装置を、受渡し時にのみ、旋回テーブルを所
定角度範囲で回転自在でかつばねなどの付勢手段により
一定位置に保持されるように構成することにより、搬器
２ａから停止スペースに突出されたフォーク部材７が車
輪Ｗに片当たりした場合に、フォーク部材７が両当たり
するまで旋回テーブルが回転されて、フォーク部材７に
より４つの車輪Ｗを均等に保持することができる。

【００２６】また、駐車室４への車の移載を、昇降装置
２により搬器２ａの全体を昇降させたが、搬器２ａにリ
フト装置を設けて搬器フレーム１０全体を昇降するよう
に構成してもよい。

【００２７】さらに、上記構成では、フォーク開閉機構
１７によりフォーク台車１２を移動させたが、ステージ
コンベヤ１１に駆動装置を設けてフォーク台車１２を移
動させることもできる。

【００２８】次に立体駐車設備における車の受渡し装置
の他の実施の形態を図９〜図１０に基づいて説明する。
この立体駐車設備は、入出庫階１Ｓを除く各駐車階２Ｓ
〜ｎＳには、搬送通路５１に沿って両側に駐車室５２が
配置され、前記各駐車階２Ｓ〜ｎＳの搬送通路５１に沿
って搬送台車５３が移動自在に配置されている。また前
記駐車室５２の一部に、入出庫階１Ｓと各駐車階２Ｓ〜
ｎＳとにわたって昇降通路５５が搬送通路５１に面して
形成され、昇降通路５５には昇降装置５４により昇降駆
動される搬器５４ａが配置されている。さらに前記搬送
台車５３には、駐車室５２および搬器５４ａとの間で車
を出し入れする車受渡し装置５６が設けられ、一階に設
けられた入出庫階１Ｓには入出庫室５０が形成されてい
る。

【００２９】この搬送台車５３には、図９に示すよう
に、台車フレーム６０の四隅位置に、搬送通路５１の両
側に沿って敷設されたガイドレール５７に案内される走
行車輪６１Ａ，６１Ｂが配設され、駆動側の走行車輪６
１Ａを回転駆動して搬送台車５３を走行させる走行装置
６２が設けられている。また、台車フレーム６０には、
四隅に配置されたリフトジャッキ６３ａをシャフト６３
ｂを介してリフト用ギャードモータ６３ｃによりそれぞ
れ同期駆動するリフト装置６３が配置され、このリフト
ジャッキ６３ａによりリフトフレーム６４が所定範囲で
昇降駆動される。

【００３０】前記リフトフレーム６４上には、先の実施
の形態の受渡し装置６からステージコンベヤ１１と固定
ステージを削除した受渡し装置５６が配置されており、
フォーク部材７やフォーク台車１２、フォーク伸縮機構
９、フォーク開閉機構１７は同一符号を付して説明を省
略する。

【００３１】上記構成において、車を目的の駐車室５２
に入庫する場合、まず車が搬器５４ａの一定位置に入庫
された搬器５４ａが、昇降通路５４を昇降されて目的の
駐車階まで昇降搬送され停止される。駐車階では、搬器
５４ａに対応して搬送台車５３が停止され、フォーク伸
縮機構９により前後のフォーク部材７が搬器５４ａ上で
車体Ｂの中央下部の車輪Ｗ間にそれぞれ挿入される。そ
してフォーク開閉機構１７によりフォーク台車１２が離
間方向に開動されて、フォーク部材７のそれぞれの傾斜
支持面７ａが車輪Ｗの中央部側下部に当接され、次いで
リフト装置６３が駆動されてフォーク部材７が上昇さ
れ、車輪Ｗが保持されて車体Ｂが搬器５４ａから持ち上
げられる。さらにフォーク伸縮機構９によりフォーク部
材７が収縮されて車が搬送台車５３に移送される。

【００３２】搬送台車５３が走行されて目的の駐車室４
に対向して停止されると、フォーク伸縮機構９によりフ
ォーク部材７が駐車室５２側に伸展されて車が搬送台車
５３から駐車室５２に移送され、さらにリフト装置６３
によリフトフレーム６４を介してフォーク部材７が下降
されて車輪Ｗが駐車室５２の床面５２ａに着地される。
さらにフォーク開閉機構１７によりフォーク台車１２が
接近方向に閉動された後、フォーク伸縮機構９によりフ
ォーク部材７が搬送台車５３側に収縮される。

【００３３】駐車室５４からの出庫は、上記と逆の手順
で行うことができる。上記実施の形態によれば、フォー
ク伸縮機構９によりフォーク部材７を搬器５４ａ上また
は駐車室５２の床面５２ａに伸長させ、フォーク開閉装
置１７により、フォーク部材７を離間移動させてフォー
ク部材７を中央側から前後の車輪Ｗに下部に接近させて
傾斜支持面７ａをそれぞれ押し付け、車輪Ｗを保持させ
た後、リフト装置６３によりフォーク部材７を上昇させ
るので、前後一対のフォーク部材７により、車を保持し
て搬送台車５３と駐車室５２との間で車を受渡しするこ
とができる。

【００３４】したがって、駐車室５２の床面５２ａを平
坦な平面状に構成することができ、駐車室５２の部材を
削減して設備コストを低減できる。また、フォーク部材
７を床面５２ａ上で昇降させて車を受渡しするので、従
来の櫛歯式立体駐車設備のように下段の天井部に及ぶこ
とがなく、駐車室５２の高さを低くできて建屋空間の有
効利用が図れ収納台数を増大することができる。

【００３５】図１１は他の形式の立体駐車設備を示すも
ので、先の実施の形態では昇降装置５３と搬送台車５３
とを使用したが、この実施の形態では搬送通路５１に昇
降と側方移動とを一体行えるクレーン台車７１を配置
し、このクレーン台車７１の昇降台７２に、上記実施の
形態と同一構造のフォーク部材７を有する受渡し装置５
６を配置したものである。この実施の形態によれば、先
の実施の形態と同様の作用効果を奏することができると
ともに、入庫時間および出庫時間をさらに短縮すること
ができる。

【００３６】なお、上記各実施の形態では、１階を入出
庫階１Ｓとしたが、中層階や最上階を入出庫階とするこ
ともできる。

【００３７】

【発明の効果】以上に述べたごとく請求項１記載の発明
によれば、フォーク伸縮機構によりフォーク部材を駐車
室側に伸展させて、車体の中央下部に挿入する。そして
フォーク開閉機構によりフォーク部材をそれぞれ前後方
向に離間移動させて車輪の中央側下部に当接させること
により車輪を保持させ、ついで搬器を昇降させてフォー
ク部材により車輪を駐車室の床面から浮上させることに
より車体を保持させる。さらに、フォーク伸縮機構によ
りフォーク部材を収縮させて、駐車室から搬器に車を移
載する。また逆の手順で搬器から駐車室に車を移載す
る。したがって、前後一対のフォーク部材により中央部
側から車輪の下部に押し付けて支持するので、駐車室の
床面は平坦に形成するだけで車を受渡しすることがで
き、駐車室の部材を大幅に削減できて設備コストを低減
できる。また、フォーク部材を床面上で昇降させて車を
受渡しするので、従来の櫛歯式立体駐車設備のように下
段の天井部に及ぶことがなく、駐車室の高さを低くでき
て建屋区間の有効利用が図れ、収納台数を増大すること
ができる。さらに前後一対のフォーク部材を使用するの
で、軽量に構成できる。

【００３８】また請求項２記載の発明によれば、車を直
接搬器上に乗り込ませて車輪をステージコンベヤ上に停
止し、運転者の降車後に、フォーク開閉機構を駆動して
フォーク台車を前後に離間移動させることにより、コン
ベヤベルトの上面を停止して車輪を一定位置に保持した
状態で、フォーク部材を車輪の下部に当接させて保持
し、受渡し用昇降機構によりステージコンベヤを下降さ
せて車輪をフォーク部材に支持させることができる。し
たがって、搬器に直接乗り込ませた車を、フォーク部材
に容易に支持させることができるとともに、ステージコ
ンベヤと一体に設けたフォーク部材の支持構造を容易か
つ強固に構成することができる。

【００３９】また請求項３記載の発明によれば、フォー
ク伸縮機構によりフォーク部材を搬送台車から駐車室に
伸展させ、フォーク開閉機構によりフォーク部材を車体
中央部からそれぞれ前後方向に離間移動させて車輪の中
央側下部に当接させ、さらにリフト装置によりフォーク
部材を上昇させることにより、フォーク部材に車輪を介
して車体を保持させる。そして、フォーク部材を後退さ
せることにより、駐車室から搬送台車に車を移載するこ
とができ、さらに逆の手順で搬送台車から駐車室に車を
移載することができる。したがって、前後一対のフォー
ク部材を車輪の中央側下部に当接させて保持するので、
駐車室は床面を平坦に形成するだけでよく、駐車室の部
材を大幅に削減できて設備コストを低減できる。また、
フォーク部材を床面上で昇降させて車を受渡しするの
で、従来の櫛歯式立体駐車設備のように下段の天井部に
及ぶことがなく、駐車室の高さを低くできて建屋区間の
有効利用がはかれ収納台数を増大することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る車受渡し装置の実施の形態を示す
搬器と駐車室の概略斜視図である。

【図２】同車受渡し装置に車を載せた状態の側面図であ
る。

【図３】同車受渡し装置の動作を説明する側面図であ
る。

【図４】同車受渡し装置の動作を説明する側面図であ
る。

【図５】同車受渡し装置のフォーク伸縮機構およびフォ
ーク開閉機構を説明する斜視図である。

【図６】同フォーク伸縮機構を説明する一部切欠き斜視
図である。

【図７】同フォーク伸縮機構を説明する横断面図であ
る。

【図８】同立体駐車設備を示す全体構成図である。

【図９】本発明に係る車受渡し装置の他の実施の形態を
示す車を載せた状態の側面図である。

【図１０】同立体駐車設備を示す全体構成図である。

【図１１】同本発明に係る車受渡し装置のさらに他の実
施の形態を示し、立体駐車設備の全体を示す構成図であ
る。

【符号の説明】

Ｂ 車体 Ｗ 車輪 ２ 昇降装置 ２ａ 搬器 ３ 昇降通路 ４ 駐車室 ４ａ 床面 ５ 入出庫室 ６ 受渡し装置 ６ｆ，６ｒ 受渡し部 ７ フォーク部材 ９ フォーク伸縮機構 １１ ステージコンベヤ １２ フォーク台車 １５ 固定ステージ １６ 受渡し用昇降機構 １７ フォーク開閉機構 ５０ 入出庫階 ５１ 搬送通路 ５２ 駐車室 ５３ 搬送台車 ５６ 車受渡し装置 ６１Ａ，６１Ｂ 走行車輪 ６３ リフト装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の駐車階にわたって形成された昇降通
   路と、各駐車階にそれぞれ前記昇降通路に隣接して形成
   された駐車室と、前記昇降通路に沿って搬器を昇降駆動
   する昇降装置とを具備し、前記駐車室と搬器との間で車
   を出し入れする立体駐車設備における車受渡し装置であ
   って、 互いに接近離間移動自在でかつ伸縮自在に配置された前
   後一対のフォーク部材と、これらフォーク部材を車体中
   心側から前後方向に離間移動して前後の車輪の斜め下部
   にそれぞれ当接させることにより、車輪を介して車体を
   保持可能なフォーク開閉機構と、前記フォーク部材を搬
   器から駐車室に伸縮可能なフォーク伸縮機構とを具備
   し、 前記駐車室の床面を平板状に形成したことを特徴とする
   立体駐車設備における車受渡し装置。
2. 【請求項２】搬器フレーム上に、下方から車輪を支持可
   能でかつ前後方向に移動自在なステージコンベヤと、フ
   ォーク部材を有して前後方向に接近離間移動自在なフォ
   ーク台車とを配置して、車を直接乗り込み可能に構成
   し、 前記フォーク台車とステージコンベヤとを連結するとと
   もに、ステージコンベヤのコンベヤベルトの所定部位を
   前記搬器フレームに連結固定し、 前記ステージコンベヤのコンベヤベルトを所定範囲で昇
   降させる受渡し用昇降機構を設け、 前記フォーク開閉機構によりステージコンベヤとフォー
   ク台車とを離間移動させて、フォーク部材を中央側から
   車輪の下部に当接させた後、前記受渡し用昇降機構によ
   りステージコンベヤを下降させて車輪をフォーク部材支
   持させるように構成したことを特徴とする請求項１記載
   の立体駐車設備における車受渡し装置。
3. 【請求項３】複数の駐車階で搬送通路に沿って配置され
   た駐車室と、前記搬送通路に沿って移動自在に配置され
   た搬送台車と、前記搬送通路に隣接して配置されるとと
   もに各駐車階にわたって形成された昇降通路と、前記昇
   降通路に沿って搬器を昇降駆動する昇降装置とを具備
   し、駐車室と搬送台車との間で車を受渡しする立体駐車
   設備における車受渡し装置であって、 互いに接近離間移動自在でかつ伸縮自在に配置された前
   後一対のフォーク部材と、これらフォーク部材を車体中
   心側から前後方向に離間移動して前後の車輪の斜め下部
   にそれぞれ当接させることにより、車輪を介して車体を
   保持可能なフォーク開閉機構と、前記フォーク部材を搬
   器から駐車室に伸縮可能なフォーク伸縮機構と、フォー
   ク部材を所定範囲で昇降させるリフト装置とを具備し、 駐車室の床面を平板状に形成したことを特徴とする立体
   駐車設備における車受渡し装置。