JP2002210902A - 熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを装着した容器 - Google Patents

熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを装着した容器

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JP2002210902A
JP2002210902A JP2001004497A JP2001004497A JP2002210902A JP 2002210902 A JP2002210902 A JP 2002210902A JP 2001004497 A JP2001004497 A JP 2001004497A JP 2001004497 A JP2001004497 A JP 2001004497A JP 2002210902 A JP2002210902 A JP 2002210902A
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JP
Japan
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heat
random copolymer
film
laminated film
shrink label
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Application number
JP2001004497A
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English (en)
Inventor
Gen Kanai
玄 金井
Tadashi Sezume
忠司 瀬詰
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Japan Polychem Corp
Original Assignee
Japan Polychem Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱収縮率、特に低温収縮性を向上させ、低
比重化によりシュリンク包装適性とリサイクル効率のバ
ランスを向上させ、かつ、透明性、アンチブロッキング
性および滑り性のバランスに優れたポリプロピレン系シ
ュリンクラベル用積層フィルム並びにそれが装着された
PETボトル、ポリオレフィン製ボトル、瓶などの容器
を提供すること。 【解決手段】 中間層として特定の物性を有する結晶性
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体50〜9
5重量%と特定の脂環式炭化水素樹脂5〜50重量%と
を含む樹脂組成物を用い、表面層として特定の物性を有
する結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合
体100重量部に対して、特定のアンチブロッキング剤
0.05〜1.0重量部を含有する樹脂組成物を用い、
少なくとも一軸方向に2倍以上延伸され、表面層の厚み
が全フィルム厚みの1〜50%である熱収縮性ポリプロ
ピレン系シュリンクラベル用積層フィルム並びに該フィ
ルムからなるシュリンクラベルを装着してなる容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱収縮性ポリプロ
ピレン系シュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを
装着した容器に関し、さらに詳しくは加熱収縮性、特に
低温収縮性の向上した熱収縮性ポリプロピレン系シュリ
ンクラベル用積層フィルムおよびそれを装着した容器に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、包装物品の、外観向上のための外
装、内容物の直接衝撃を避けるための包装、タイト包
装、ガラス瓶またはプラスチックボトルの保護と商品の
表示を兼ねたラベル包装などを目的として、シュリンク
ラベルが広汎に使用されている。これらの目的で使用さ
れるプラスチック素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ンなどが知られている。しかしながら、ポリ塩化ビニル
ラベルは、加熱収縮性には優れるものの、焼却時に塩素
ガスを発生するなどの環境汚染の問題を抱えている。ま
た、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートラベル
については、加熱収縮性は良好であるものの、ポリエチ
レンテレフタレートボトル(以下、「PETボトル」と
略す。)との比重差が小さいため、浮遊分離が困難であ
り、PETボトルのリサイクル化を妨げる。さらに、十
分な加熱収縮性を得るために、耐熱性の悪い樹脂を使用
しており、レトルト殺菌を行うと溶融樹脂による印刷イ
ンキ流れを生ずるという問題も有する。ポリプロピレン
は、PETボトルとの比重差が大きく、浮遊分離がし易
い上、耐熱性にも優れるが、加熱収縮性が不十分であ
る。特に、低温収縮性を改良する目的にて、ポリプロピ
レンにプロピレン・ブテン−1共重合体を添加する方法
および石油樹脂やテルペン樹脂を添加する方法(特開昭
62−62846号公報)などが知られているが、未だ
その効果は不十分であり、ベースとなるポリプロピレン
系樹脂の収縮性能のさらなる向上が望まれている。
【0003】また、上記石油樹脂を添加した樹脂組成物
は、フィルムの成形加工時、特に未延伸シートの押出し
時に、該未延伸シートが冷却ロールにくっつき易くな
り、成形性が悪化する。成形性を改良するために、表面
層に石油樹脂を添加しないポリプロピレン系樹脂を積層
すると、中間層が十分な加熱収縮特性を有しないため、
加熱収縮率が低下する問題を生じる。上記問題を解決す
るために、優れた加熱収縮率を発現する中間層の出現が
望まれていた。
【0004】さらに、上記低温収縮性、透明性、アンチ
ブロッキング性および滑り性をバランスよく満足するポ
リプロピレン系シュリンクラベル用フィルムは、これま
で見出されていなかった。また、従来のポリプロピレン
系シュリンクラベルは、加熱収縮率を向上させると比重
が大きくなり、リサイクル時の、水によるPETボトル
との浮遊分離の効率が悪化する。従って、でき得る限
り、低比重で、かつ加熱収縮率の向上したポリプロピレ
ン系シュリンクラベル用フィルムの出現が切望されてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、この
ような状況下において、加熱収縮率、特に低温収縮性を
向上させ、低比重化によりシュリンク包装適性とリサイ
クル効率のバランスを向上させ、かつ、透明性、アンチ
ブロッキング性および滑り性のバランスに優れたポリプ
ロピレン系シュリンクラベル用積層フィルム並びにそれ
が装着されたPETボトル、ポリオレフィン製ボトル、
瓶などの容器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために種々の研究を重ねた結果、中間層とし
て特定の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体と特定の脂環式炭化水素樹脂とを含む樹脂組成物
を用い、表面層として特定の結晶性プロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体と特定のアンチブロッキング
剤とを含有する樹脂組成物を用いた積層フィルムとする
ことにより、上記の課題を解決し得る、熱収縮性ポリプ
ロピレン系シュリンクラベル用積層フィルムが得られる
ことを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
中間層(I)の片面または両面に表面層(II)が積層
され、少なくとも一軸方向に2倍以上延伸された積層フ
ィルムであって、片面または両面に積層された表面層
(II)の厚みが、全フィルム厚みの1〜50%であ
り、かつ、中間層(I)が下記特性(a)〜(c)を満
足するプロピレンを主体とする結晶性プロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体(1)50〜95重量%
と、軟化点温度が110℃以上である脂環式炭化水素樹
脂5〜50重量%とを含む樹脂組成物からなり、表面層
(II)が下記特性(d)〜(e)を満足するプロピレ
ンを主体とする結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(2)100重量部に対して、体積平均粒
径が1.0〜10μmであるアンチブロッキング剤0.
05〜1.0重量部を含有する樹脂組成物からなる熱収
縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用積層フィルム
が提供される。 中間層(I) 特性(a):メルトフローレート(230℃、2.16
kg荷重)が0.5〜10g/10分であること。 特性(b):示差走査型熱量計(DSC)で求めた主た
る融解ピーク温度(T )が100〜140℃の範囲に
あること。 特性(c):T50≦125℃ (ただし、T50は、DSCで求めた結晶性プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体(1)の総融解熱量
をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔ
Hmの50%となるときの温度(℃)である。) 表面層(II) 特性(d):メルトフローレート(230℃、2.16
kg荷重)が0.5〜50g/10分であること。 特性(e):示差走査型熱量計(DSC)で求めた主た
る融解ピーク温度(T )が100〜150℃の範囲に
あること。
【0008】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、上記結晶性プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体(1)および結晶性プロピレン・α
−オレフィンランダム共重合体(2)が、プロピレン・
エチレンランダム共重合体である熱収縮性ポリプロピレ
ン系シュリンクラベル用積層フィルムが提供される。
【0009】また、本発明の第3の発明によれば、第1
または2の発明において、上記結晶性プロピレン・α−
オレフィンランダム共重合体(1)がメタロセン触媒に
より重合された共重合体である熱収縮性ポリプロピレン
系シュリンクラベル用積層フィルムが提供される。
【0010】また、本発明の第4の発明によれば、第1
ないし3のいずれかの発明において、主収縮方向の収縮
率が、下記式〜を満足し、かつ比重が0.94以下
であり、40℃、7日間における主収縮方向の収縮率が
3%未満である熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラ
ベル用積層フィルムが提供される。 式:S80>251d−215 式:S90>531d−462 式:S100>627d−541 (ただし、S80、S90、S100は、各々80℃、
90℃、100℃にて10秒間、温水浴させたときの主
収縮方向の収縮率(%)であり、dはシュリンクラベル
用積層フィルムの比重である。)
【0011】また、本発明の第5の発明によれば、第1
ないし4のいずれかの発明における熱収縮性ポリプロピ
レン系シュリンクラベル用積層フィルムからなる比重
1.0未満の熱収縮性ラベルが提供される。
【0012】さらに、本発明の第6の発明によれば、第
5の発明における熱収縮性ラベルを装着してなる容器が
提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の熱収縮性ポリプロ
ピレン系シュリンクラベル用積層フィルムおよびそれを
装着した容器について詳細に説明する。
【0014】[I]中間層(I) 1.結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合
体(1) (1)特性(a):メルトフローレート 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(1)のMFR(230℃、2.16kg
荷重、以下、「MFR」と略す。)は、0.5〜10g
/10分、好ましくは1.0〜10g/10分である。
MFRが0.5g/10分未満では、押出し特性が悪化
し、生産性が低下する場合があり、一方、10g/10
分を超えると収縮特性が悪化したり、厚みムラが生じた
りする。
【0015】(2)特性(b):DSCで求めた主たる
融解ピーク温度(T) 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(1)のDSCで求めた主たる融解ピーク
温度(T)は、100〜140℃、好ましくは100
〜130℃、さらに好ましくは100〜125℃であ
る。融解ピーク温度(T)が100℃未満では、未延
伸シートが冷却固化しにくく、フィルム成形が困難とな
り、一方、140℃を超えると収縮特性が不十分とな
る。
【0016】(3)特性(c):融解熱量と温度の関係 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(1)は、下記の式を満足することが必要
である。 T50≦125℃ (ただし、T50は、DSCで求めた結晶性プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体(1)の総融解熱量
をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔ
Hmの50%となるときの温度(℃)である。) T50は、125℃以下、好ましくは120℃以下、
さらに好ましくは115℃以下である。T50が125
℃を超えると収縮特性が悪化する。
【0017】(4)結晶性プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体(1)の構成成分 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(1)のプロピレンとランダム共重合され
るα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素数4〜
20のα−オレフィンが挙げられ、エチレン、ブテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1などを用いることが好
ましく、特にエチレンが好ましい。
【0018】本発明の結晶性プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体(1)は、上記特性(a)〜(c)
を満たすものであれば、限定されないが、通常、ランダ
ム共重合体中のα−オレフィン含有量は、2.0〜30
重量%程度であり、特にα−オレフィンがエチレンであ
る場合は、2.0〜10重量%程度、好ましくは2.0
〜6.0重量%程度である。また、上記特性(a)〜
(c)を満たせば、結晶性プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体(1)は、2種類以上の混合物であっ
てもよい。
【0019】(5)結晶性プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体(1)の製造方法 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(1)は、メタロセン触媒を用いて重合す
るのが好ましく、特に、下記の触媒成分(A)、成分
(B)、並びに、必要に応じて成分(C)からなるメタ
ロセン触媒の存在下でプロピレンとエチレンまたは炭素
数4〜20のα−オレフィンとをランダム共重合するこ
とにより製造したものが好ましい。
【0020】(i)メタロセン触媒 成分(A) Q(C4−a )(C4−b )Me
XY (ここで、C4−a およびC4−b
は、それぞれ共役五員環配位子を示し、Qは二つの共
役五員環配位子を架橋する結合性基であって、炭素数1
〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の炭化水素
基を有するシリレン基または炭素数1〜20の炭化水素
基を有するゲルミレン基を示し、Meはジルコニウムま
たはハフニウムを示し、XおよびYは、それぞれ独立し
て、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭
素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキ
ルアミド基、トリフルオロメタンスルホン酸基、炭素数
1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20の
ケイ素含有炭化水素基を示す。RおよびRは、共役
五員環配位子上の置換基であって、それぞれ独立して、
炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン、アルコキシ
基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素
含有炭化水素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。隣
接する2個のRまたは2個のRがそれぞれ結合して
環を形成していてもよい。aおよびbは0≦a≦4、0
≦b≦4を満足する整数である。ただし、RおよびR
を有する2個の五員環配位子は、基Qを介しての相対
位置の観点において、Meを含む平面に関して非対称で
ある。)
【0021】Qは、上記したように、二つの共役五員環
配位子C4−a およびC 4−b
架橋する結合性基であって、具体的には、例えば(イ)
炭素数1〜20、好ましくは1〜6の2価の炭化水素
基、具体的には、例えばアルキレン基、シクロアルキレ
ン基、アリーレンなど、(ロ)炭素数1〜20、好まし
くは1〜12の炭化水素基を有するシリレン基、(ハ)
炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基を有
するゲルミレン基がある。なお、2価であるQ基の両結
合手間の距離は、その炭素数のいかんに関わらず、Qが
鎖状の場合には4原子程度以下、なかでも3原子以下で
あることが、Qが環状基を有するものである場合は当該
環状基+2原子程度以下、なかでも当該環状基のみであ
ることが、それぞれ好ましい。従って、アルキレンの場
合はエチレンおよびイソプロピリデン(結合手間の距離
は2原子および1原子)が、シクロアルキレン基の場合
はシクロヘキシレン(結合手間の距離がシクロヘキシレ
ン基のみ)が、アルキルシリレンの場合は、ジメチルシ
リレン(結合手間の距離が1原子)が、それぞれ好まし
い。
【0022】Meは、ジルコニウムまたはハフニウムで
ある。
【0023】XおよびYは、それぞれ独立に、すなわち
同一でも異なってもよくて、(イ)水素、(ロ)ハロゲ
ン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩
素)、(ハ)炭素数1〜20の炭化水素基、(ニ)炭素
数1〜20のアルコキシ基、(ホ)炭素数1〜20のア
ルキルアミド基、(ヘ)炭素数1〜20のリン含有炭化
水素基、(ト)炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基
または(チ)トリフルオロメタンスルホン酸基を示す。
【0024】RおよびRは、共役五員環配位子上の
置換基であって、それぞれ独立して、炭素数1〜20の
炭化水素基、ハロゲン、炭素数1〜20のアルコキシ
基、炭素数3〜20のケイ素含有炭化水素基、炭素数2
〜20のリン含有炭化水素基、炭素数2〜20の窒素含
有炭化水素基または炭素数2〜20のホウ素含有炭化水
素基を示す。また、隣接する2個のR同士または2個
のR同士がそれぞれω−端で結合してシクロペンタジ
エニル基の一部と共に環を形成していてもよい。そのよ
うな場合の代表例としてはシクロペンタジエニル基上の
隣接する2つのR (あるいはR)が当該シクロペン
タジエニル基の二重結合を共有して縮合六員環を形成し
ているもの(すなわちインデニル基およびフルオレニル
基)および縮合七員環を形成しているもの(すなわちア
ズレニル基)がある。
【0025】aおよびbは、0≦a≦4、0≦b≦4を
満足する整数である。
【0026】上記メタロセン化合物の非限定的な例とし
て、下記のものを挙げることができる。なお、これらの
化合物は、単に化学的名称のみで示称されているが、そ
の立体構造が本発明で言う非対称性を持つものであるこ
とはいうまでもない。
【0027】(A1)シリレン架橋五員環配位子を2個
有する遷移金属化合物、例えば(1)ジメチルシリレン
ビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
(2)ジメチルシリレンビス{1−(4,5,6,7−
テトラヒドロインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
(3)ジメチルシリレンビス{1−(2,4−ジメチル
インデニル)}ジルコニウムジクロリド、(4)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(6)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4
H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル)}ジル
コニウムジクロリド、(7)ジメチルシリレンビス{1
−(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(8)ジメチ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−(4−クロロ
フェニル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズ
レニル)}ジルコニウムジクロリド、(9)ジメチルシ
リレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデ
ニル)}ジルコニウムジクロリド、(10)ジメチルシ
リレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)
インデニル}〕ジルコニウムジクロリド、(11)ジメ
チルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフ
チル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ド、(12)ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル
−4−(1−ナフチル)−4H−5,6,7,8−テト
ラヒドロアズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、(1
3)メチルフェニルシリレンビス(1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、(14)メチルフェニルシリレ
ンビス{1−(4,5,6,7−テトラヒドロインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(15)メチルフェニ
ルシリレンビス{1−(2,4−ジメチルインデニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(16)メチルフェニ
ルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルイン
デニル)}ジルコニウムジクロリド、(17)メチルフ
ェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル
−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(1
8)メチルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−
4−フェニル−4H−5,6,7,8,−テトラヒドロ
アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(19)メチ
ルフェニルシリレンビス{1−(2−メチル−4,5−
ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(2
0)メチルフェニルシリレンビス〔1−{2−メチル−
4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニウムジク
ロリド、(21)メチルフェニルシリレンビス〔1−
{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(22)メチルフェニ
ルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチ
ル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(23)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムジメチル、(24)ジメチルシリレ
ンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニ
ル)}ジルコニウムメチルクロリド、(25)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムジメチル、(26)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジメチル、(27)ジメチル
シリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデ
ニル)}ジルコニウムクロロジメチルアミド、(28)
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4,5−ベ
ンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(29)
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニ
ルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、(30)ジ
メチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル
−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(3
1)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フ
ェニル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(32)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−エチル−4−(クロロフェニル)
−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(3
3)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−5,6,7,8−テト
ラヒドロアズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(3
4)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニ
ルインデニル)}{1−(2,3,5−トリメチルシク
ロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、(3
5)ジメチルシリレン{1−(2−エチル−4−フェニ
ル−4,5,6,7,8−ペンタヒドロアズレニル)}
{1−(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)}ジルコニウムジクロリド、(36)ジメチルシリ
レンビス{1−(2−メチル−4,4−ジメチル−シラ
−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジルコ
ニウムジクロリド、(37)ジメチルシリレンビス{1
−(2−エチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニ
ウムビス(トリフルオロメタンスルホン酸)、(38)
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニ
ルアズレニル)}ジルコニウムビス(トリフルオロメタ
ンスルホン酸)、(39)ジメチルシリレンビス{1−
(2−エチル−4−フェニル−4,5,6,7,8−ペ
ンタヒドロアズレニル)}ジルコニウムビス(トリフル
オロメタンスルホン酸)、(40)ジメチルシリレンビ
ス{1−(2−エチル−4−(ペンタフルオロフェニ
ル)インデニル)}ジルコニウムジクロリド、(41)
ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニ
ル−7−フルオロインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(42)ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル
−4−インドリルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(43)ジメチルシリレンビス{1−(2−ジメチ
ルボラノ−4−インドリルインデニル)}ジルコニウム
ジクロリドなどが挙げられる。
【0028】(A2)アルキレン基で架橋した五員環配
位子を2個有する遷移金属化合物、例えば(1)エチレ
ン−1,2−ビス(1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、(2)エチレン−1,2−ビス{1−(4,
5,6,7−テトラヒドロインデニル)}ジルコニウム
ジクロリド、(3)エチレン−1,2−ビス{1−
(2,4−ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロ
リド、(4)エチレン−1,2−ビス{1−(2,4−
ジメチル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(5)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル
−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリ
ド、(6)エチレン−1,2−ビス{1−(2−メチル
−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(7)エチレン−1,2−ビス{1−(2−
メチル−4,5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(8)エチレン−1,2−ビス〔1−{2−
メチル−4−(1−ナフチル)インデニル}〕ジルコニ
ウムジクロリド、(9)エチレン−1,2−ビス〔1−
{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニ
ル}〕ジルコニウムジクロリド、(10)エチレン−
1,2−ビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフ
ェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリ
ドなどが挙げられる。
【0029】(A3)ゲルマニウム、アルミニウム、ホ
ウ素、リンあるいは窒素を含む炭化水素残基で架橋した
五員環配位子を有する遷移金属化合物、例えば(1)ジ
メチルゲルミレンビス(1−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、(2)ジメチルゲルミレンビス{1−(2
−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジ
クロリド、(3)ジメチルゲルミレンビス{1−(2−
メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニ
ウムジクロリド、(4)ジメチルゲルミレンビス{1−
(2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−ア
ズレニル)}ジルコニウムジクロリド、(5)ジメチル
ゲルミレンビス{1−(2−メチル−4,5−ベンゾイ
ンデニル)}ジルコニウムジクロリド、(6)メチルア
ルミニウムビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロ
リド、(7)フェニルホスフィノビス(1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(8)エチルホラノビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、(9)フ
ェニルアミノビス(1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリドなどが挙げられる。
【0030】これらの錯体のなかで特に好ましいもの
は、アズレン骨格を有する錯体である。
【0031】成分(B) 成分(B)としては、イオン交換性層状珪酸塩が用いら
れる。イオン交換性層状珪酸塩は、イオン結合などによ
って構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重な
った結晶構造をとる珪酸塩化合物であり、含有するイオ
ン交換可能なものを示称する。大部分のイオン交換性層
状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出
するが、これら、イオン交換性層状珪酸塩は特に、天然
産のものに限らず、人工合成物であってもよい。イオン
交換性層状珪酸塩の具体例としては、例えば、白水晴雄
著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)、などに記載
される公知の層状珪酸塩であって、ディッカイト、ナク
ライト、カオリナイト、アノーキサイト、メタハロイサ
イト、ハロイサイトなどのカオリン族、クリソタイル、
リザルダイト、アンチゴライトなどの蛇紋石族、モンモ
リロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナ
イト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトな
どのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキ
ュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石など
の雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴル
スカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、
緑泥石群が挙げられる。これらは混合層を形成していて
もよい。
【0032】これらの中では、モンモリナイト、ザウコ
ナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、
ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニ
オライトなどのスメクタイト族、バーミキュライト族、
雲母族が好ましい。なお、成分(B)として、水銀圧入
法を測定した半径が20オングストローム以上の細孔容
積が0.1cc/g未満の化合物を用いた場合には、高
い重合活性が得難い傾向があるので、0.1cc/g以
上、特に0.3〜5cc/gのものが好ましい。また、
成分(B)は特に処理を行うことなくそのまま用いるこ
とができるが、成分(B)に化学処理を施すことも好ま
しい。ここで化学処理とは、表面に付着している不純物
を除去する表面処理と粘土の構造に影響を与える処理の
いずれをも用いることができる。
【0033】具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類
処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は表面の不
純物を取り除く他、結晶構造中のAl、Fe、Mgなど
の陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させ
る。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土
の構造の変化をもたらす。また塩類処理、有機物処理で
は、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成
し、表面積や層間距離を変えることができる。イオン交
換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高い
イオンと置換することにより、層間が拡大した状態の層
状物質を得ることもできる。すなわち、嵩高いイオンが
層状構造を支える支柱的な役割を担っており、ピラーと
呼ばれる。また層状物質層間に別の物質を導入すること
をインターカレーションという。
【0034】インターカレーションするゲスト化合物と
しては、TiCl、ZrClなどの陽イオン性無機
化合物、Ti(OR)、Zr(OR)、PO(O
R)、B(OR)(Rはアルキル、アリール等)等
の金属アルコラート、[Al (OH)24
7+、[Zr(OH)142+、[FeO(OC
OCHなどの金属水酸化物イオンなどが挙げ
られる。これらの化合物は、単一で用いても、また2種
類以上共存させて用いてもよい。これらの化合物をイン
ターカレーションする際に、Si(OR)、Al(O
R)、Ge(OR)などの金属アルコラートを加水
分解して得た重合物、SiOなどのコロイド状無機化
合物などを共存させることもできる。また、ピラーの例
としては、上記水酸化物イオンを層間にインターカレー
ションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物
などが挙げられる。成分(B)はそのまま用いてもよい
し、加熱脱水処理した後用いてもよい。また、単独で用
いても、上記固体の2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】本発明において使用されるイオン交換性層
状珪酸塩としては、塩類で処理される前の、イオン交換
性層状珪酸塩の含有する交換可能な1族金属陽イオンの
40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類
より解離した陽イオンと、イオン交換することが好まし
い。このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用い
られる塩類は、2〜14族原子からなる群より選ばれた
少なくとも一種の原子を含む陽イオンを含有する化合物
であり、好ましくは、2〜14族原子からなる群より選
ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲ
ン原子、無機酸および有機酸からなる群より選ばれた少
なくとも一種の陰イオンとからなる化合物であり、さら
に好ましくは、2〜14族原子からなる群より選ばれた
少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、
I、F、PO、SO、NO、CO、C
OCOCH、CHCOCHCOCH、OCl
O(NO、O(ClO、O(SO)、O
H、OCl、OCl、OCOH、OCOCH
、CおよびCからなる群より
選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる化合物で
ある。
【0036】具体的には、CaCl、CaSO、C
aC、Ca(NO、Ca(C
、MgCl、MgBr、MgSO、M
g(PO、Mg(ClO、MgC
Mg(NO、Mg(OCOCH、MgC
、Sc(OCOCH、Sc(CO
、Sc(C、Sc(NO、Sc
(SO、ScF、ScCl、ScBr、S
cI、Y(OCOCH、Y(CHCOCHC
OCH、Y(CO、Y(C
、Y(NO、Y(ClO、YP
、Y(SO、YF、YCl、La(O
OCH、La(CHCOCHCOCH
La(CO、La(NO、La(ClO
、La(C、LaPO、La
(SO、LaF、LaCl、LaBr
、LaI、Sm(OCOCH、Sm(CH
COCHCOCH、Sm(CO、Sm
(NO、Sm(ClCO、Sm(C
、SmPO、Sm(SO、SmF
SmCl、SmBr、SmI、Yb(OCOCH
、Yb(NO、Yb(ClO、Yb
(C、Yb(SO、YbF、YbC
、Ti(OCOCH、Ti(CO、T
i(NO、Ti(SO、TiF、TiC
、TiBr、TiI、Zr(OCOC
、Zr(CO、Zr(NO 、Zr
(SO、ZrF、ZrCl、ZrBr、Z
rI、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO
(ClO、ZrO(SO)、Hf(OCOCH
、Hf(CO、Hf(NO、Hf
(SO、HfOCl、HfF、HfCl
HfBr、HfI、V(CH COCHCOC
、VOSO、VOCl、VCl、VCl
、VBr、Nb(CHCOCHCOCH
Nb(CO、Nb(NO、Nb(SO
、ZrF、ZrCl、NbBr、Nb
、Ta(OCOCH、Ta(CO3)
Ta(NO)、Ta(SO、TaF、Ta
Cl、TaBr、TaI、Cr(OOCH
OH、Cr(CHCOCHCOCH、Cr(N
、Cr(ClO、CrPO、Cr
(SO、CrOCl、CrF、CrCl
、CrBr、CrI、MoOCl、MoC
、MoCl、MoCl、MoF、MoI
WCl、WCl、WF、WBr、Mn(OOC
、Mn(CHCOCHCOCH、Mn
CO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO
、MnF、MnCl、MnBr、MnI、F
e(OCOCH、Fe(CHCOCHCOCH
、FeCO、Fe(NO、Fe(ClO
、FePO、FeSO、Fe(S
、FeF、FeCl、FeBr、FeI
、FeC、Co(OCOCH、Co
(CHCOCHCOCH、CoCO、Co
(NO、CoC、Co(ClO、C
(PO、CoSO、CoF、CoC
、CoBr、CoI、NiCO、Ni(NO
、NiC、Ni(ClO、NiSO
、NiCl、NiBr、Pb(OCOC
、Pb(OOCH、PbCO、Pb
(NO、PbSO、PbHPO、Pb(Cl
、PbF、PbCl、PbBr、PbI
、CuI、CuBr、Cu(NO、CuC
、Cu(ClO、CuSO、Cu(OC
OCH、Zn(OOCH、Zn(CH
OCHCOCH、ZnCO、Zn(N
、Zn(ClO、Zn(PO
ZnSO、ZnF、ZnCl、ZnBr、Zn
、Cd(OCOCH、Cd(CHCOCH
COCH、Cd(OCOCHCH、Cd
(NO、Cd(ClO、CdSO、Cd
、CdCl、CdBr、CdI、AlF
AlCl、AlBr、AlI、Al(SO
、Al(C、Al(CHCOCHCO
CH、Al(NO、AlPO、GeCl
、GeBr、GeI、Sn(OCOCH
Sn(SO、SnF、SnCl、SnB
、SnIなどが挙げられる。酸処理は表面の不純
物を除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mgなどの陽イ
オンの一部または全部を溶出させることができる。
【0037】酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩
酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、酢酸から選択され
る。処理に用いる塩類および酸は、2種以上であっても
よい。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合において
は、塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を
行った後、塩類処理を行う方法、および塩類処理と酸処
理を同時に行う方法がある。
【0038】塩類および酸による処理条件は、特には制
限されないが、通常、塩類および酸濃度は、0.1〜3
0重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は、5分〜
24時間の条件を選択して、イオン交換性層状珪酸塩に
含有される少なくとも一種の化合物の少なくとも一部を
溶出する条件で行うことが好ましい。また、塩類および
酸は、一般的には水溶液で用いられる。
【0039】本発明では、好ましくは上記塩類処理およ
び/または酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に
粉砕や造粒等で形状制御を行ってもよい。また、アルカ
リ処理や有機物処理などの化学処理を併用してもよい。
これらイオン交換性層状珪酸塩には、通常吸着水および
層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水
および層間水を除去して成分(B)として使用するのが
好ましい。
【0040】ここで吸着水とは、イオン交換性層状珪酸
塩化合物粒子の表面あるいは結晶破面に吸着された水
で、層間水は結晶の層間に存在する水である。本発明で
は、加熱処理によりこれらの吸着水および/または層間
水を除去して使用することができる。イオン交換性層状
珪酸塩の吸着水および層間水の加熱処理方法は特に制限
されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下
の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水などの方法が用
いられる。加熱の際の温度は、イオン交換性層状珪酸塩
および層間イオンの種類によるために一概に規定できな
いが、層間水が残存しないように、100℃以上、好ま
しくは150℃以上であるが、構造破壊を生じるような
高温条件(加熱時間にもよるが例えば800℃以上)
は、好ましくない。また、空気流通下での加熱などの架
橋構造を形成させるような加熱脱水方法は、触媒の重合
活性が低下し、好ましくない。加熱時間は0.5時間以
上、好ましくは1時間以上である。その際、除去した後
の成分(B)の水分含有率が、温度200℃、圧力1m
mHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を0
重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%以
下であることが好ましい。
【0041】以上のように、本発明において、成分
(B)として、特に好ましいものは、塩類処理および/
または酸処理を行って得られた、水分含有率が1重量%
以下の、イオン交換性層状珪酸塩である。また成分
(B)は、平均粒径が5μm以上の球状粒子を用いるの
が好ましい。より好ましくは、平均粒径が10μm以上
の球状粒子を用いる。さらに好ましくは平均粒径が10
μm以上100μm以下の球状粒子を用いる。ここでい
う平均粒径は、粒子の光学顕微鏡写真(倍率100倍)
を画像処理して算出した数平均の粒径で表す。また
(B)成分は、粒子の形状が球状であれば天然物あるい
は市販品をそのまま使用してもよいし、粒径、分径、分
別などにより粒子の形状および粒径を制御したものを用
いてもよい。
【0042】ここで用いる造粒法は、例えば攪拌造粒
法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブリケッティング、コン
パクティング、押出造粒法、流動層造粒法、乳化造粒
法、液中造粒法、圧縮成型造粒法などが挙げられるが成
分(B)を造粒することが可能な方法であれば特に限定
されない。造粒法として好ましくは、攪拌造粒法、噴霧
造粒法、転動造粒法、流動層造粒法が挙げられ、特に好
ましくは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。なお、
噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として水あ
るいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩化メ
チレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キ
シレンなどの有機溶媒を用いる。好ましくは水を分散媒
として用いる。球状粒子が得られる噴霧造粒の、原料ス
ラリー液成分(B)の濃度は0.1〜70%、好ましく
は1〜50%、特に好ましくは5〜30%である。球状
粒子が得られる噴霧造粒の、熱風の入り口温度は、分散
媒により異なるが、水を例にとると80〜260℃、好
ましくは100〜220℃である。
【0043】また造粒の際に有機物、無機溶媒、無機
塩、各種バインダーを用いてもよい。用いられるバイン
ダーとしては例えば砂糖、デキストローズ、コーンシロ
ップ、ゼラチン、グルー、カルボキシメチルセルロース
類、ポリビニルアルコール、水ガラス、塩化マグネシウ
ム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネ
シウム、アルコール類、グリコール、澱粉、カゼイン、
ラテックス、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオ
キシド、タール、ピッチ、アルミナゾル、シリカゲル、
アラビアゴム、アルギン酸ソーダなどが挙げられる。
【0044】上記のように得られた球状粒子は、重合工
程での破砕や微粉の抑制をするためには0.2MPa以
上の圧縮破壊強度を有することが好ましい。このような
粒子強度の場合には、特に予備重合を行う場合に、粒子
性状改良効果が有効に発揮される。
【0045】成分(C) 成分(C)は、有機アルミニウム化合物である。本発明
で成分(C)として用いられる有機アルミニウム化合物
は、一般式(AlR 3−nで示される化合物
が適当である。本発明ではこの式で表される化合物を単
独で、複数種混合してあるいは併用して使用することが
できることはいうまでもない。また、この使用は触媒調
製時だけでなく、予備重合あるいは重合時にも可能であ
る。この式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を示
し、Xは、ハロゲン、水素、アルコキシ基、アミノ基を
示す。nは1〜3の、mは1〜2の整数である。R
してはアルキル基が好ましく、またXは、それがハロゲ
ンの場合には塩素が、アルコキシ基の場合には炭素数1
〜8のアルコキシ基が、アミノ基の場合には炭素数1〜
8のアミノ基が、好ましい。したがって、好ましい化合
物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリノルマルプロピルアルミニウ
ム、トリノルマルブチルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム、トリノルマルヘキシルアルミニウム、ト
リノルマルオクチルアルミニウム、トリノルマルデシル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエ
チルアルミニウムセスキクロライド、ジエチルアルミニ
ウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエ
チルアルミニウムジメチルアミド、ジイソブチルアルミ
ニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムクロライド
などが挙げられる。これらの中、好ましい化合物は、m
=1、n=3のトリアルキルアルミニウムおよびジアル
キルアルミニウムヒドリドである。さらに好ましい化合
物は、Rが炭素数1〜8であるトリアルキルアルミニ
ウムである。
【0046】触媒の形成 本発明の結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体(1)を製造する際に用いる触媒としては、上記
の成分(A)、成分(B)並びに、必要に応じて用いら
れる成分(C)からなる触媒を、重合槽内であるいは重
合槽外で、重合させるべきモノマーの存在下あるいは不
存在下に接触させることにより調製することができる。
また、上記触媒は、オレフィンの存在下で予備重合を行
ったものであってもよい。予備重合に用いられるオレフ
ィンとしては、プロピレン、エチレン、1−ブテン、3
−メチルブテン−1、スチレン、ジビニルベンゼンなど
が用いられるが、これらと他のオレフィンとの混合物で
あってもよい。上記触媒の調製において使用される成分
(A)、成分(B)、成分(C)の量は任意の比で使用
することができる。
【0047】(ii)重合 本発明に用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(1)の重合は、成分(A)、成分
(B)、並びに、必要に応じて成分(C)からなる触媒
とプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜20のα−オ
レフィンとを混合接触させることにより行われる。反応
系中の各モノマーの量比は経時的に一定である必要はな
く、各モノマーを一定の混合比で供給することも便利で
あるし、供給するモノマーの混合比を経時的に変化させ
ることも可能である。また、共重合反応比を考慮してモ
ノマーのいずれかを分割添加することもできる。
【0048】重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率
よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用するこ
とができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー
法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒とし
て用いるバルク法、溶液法あるいは実質的に液体溶媒を
用いず各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法を採用
することができる。また、連続重合、回分式重合のいず
れを用いてもよい。スラリー重合の場合には、重合溶媒
としてヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族または芳香族
炭化水素の単独あるいは混合物を用いることができる。
【0049】重合条件としては重合温度が−78℃〜1
60℃、好ましくは0℃〜150℃であり、そのときの
分子量調節剤として補助的に水素を用いることができ
る。また、重合圧力は0〜90kg/cm・G、好ま
しくは0〜60kg/cm・G、特に好ましくは1〜
50kg/cm・Gである。
【0050】2.脂環式炭化水素樹脂 本発明で用いる脂環式炭化水素樹脂としては、例えば、
石油樹脂、テルペン樹脂、ロジン系樹脂、クマロンイン
デン樹脂、並びにそれらの水素添加誘導体などが挙げら
れる。これらの中で、極性基を有さないものや、あるい
は、水素を添加して95%以上の水添率とした樹脂が好
ましい。さらに好ましい樹脂は、石油樹脂または石油樹
脂の水素添加誘導体であり、該石油樹脂としては、例え
ば、荒川化学工業(株)製のアルコンまたはトーネック
ス(株)製のエスコレッツなどの市販品が挙げられる。
【0051】該脂環式炭化水素樹脂の軟化点は、110
℃以上であることが必要であり、好ましくは、115℃
以上、さらに好ましくは、125℃以上である。脂環式
炭化水素樹脂の軟化点が、110℃未満であるとフィル
ムがべたついたり、経時変化により白濁する。
【0052】3.その他の成分 本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、帯電防
止剤、中和剤、造核剤、スリップ剤などを添加すること
ができるが、透明性確保の観点よりアンチブロッキング
剤は、使用しない方が好ましい。また、本発明の効果を
阻害しない範囲で、より一層の収縮特性向上を目的とし
て、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリブテン−
1、線状低密度ポリエチレンなど、公知の収縮特性向上
成分を添加してもよい。
【0053】4.樹脂組成物 本発明で中間層(I)として用いる樹脂組成物中の結晶
性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)
と脂環式炭化水素樹脂の配合割合は、結晶性プロピレン
・α−オレフィンランダム共重合体(1)が50〜95
重量%、好ましくは60〜90重量%、さらに好ましく
は70〜85重量%、脂環式炭化水素樹脂が5〜50重
量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは
15〜30重量%である。該樹脂組成物中の結晶性プロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体(1)が95
重量%を超えると(脂環式炭化水素樹脂が5重量%未満
であると)、収縮特性が悪化する。一方、結晶性プロピ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(1)が50重
量%未満であると(脂環式炭化水素樹脂が50重量%を
超えると)、比重が0.94を超える場合が多く、さら
にフィルムの成形性が悪化するとともに、得られるラベ
ル用フィルムがべたつく。
【0054】[II]表面層(II) 1.結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合
体(2) (1)特性(d):MFR 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(2)のMFR(230℃、2.16kg
荷重)は、0.5〜50g/10分、好ましくは1.0
〜20g/10分、さらに好ましくは1.0〜10g/
10分、特に好ましくは1.0〜5.0g/10分であ
る。MFRが0.5g/10分未満では、押出し特性が
悪化し、生産性が低下する場合があり、一方、50g/
10分を超えると成形性が悪化したり、厚みムラが生じ
たりする。
【0055】(2)特性(e):DSCで求めた主たる
融解ピーク温度(T) 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(2)のDSCで求めた主たる融解ピーク
温度(T)は、100〜150℃、好ましくは100
〜130℃、さらに好ましくは100〜125℃であ
る。融解ピーク温度(T)が100℃未満では、未延
伸シートが冷却固化しにくく、フィルム成形が困難とな
り、一方、150℃を超えると、外観が悪化したり収縮
特性が不十分となる。
【0056】(3)結晶性プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体(2)の構成成分 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(2)のプロピレンとランダム共重合され
るα−オレフィンとしては、エチレンまたは炭素数4〜
20のα−オレフィンが挙げられ、エチレン、ブテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1などを用いることが好
ましく、特にエチレンが好ましい本発明の結晶性プロピ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(2)は、上記
特性(d)〜(e)を満たすものであれば、限定されな
いが、通常、ランダム共重合体中のα−オレフィン含有
量は、2.0〜30重量%程度であり、特にα−オレフ
ィンがエチレンである場合は、2.0〜10重量%程
度、好ましくは2.0〜6.0重量%程度である。ま
た、上記特性(d)〜(e)を満たせば、結晶性プロピ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(2)は、2種
類以上の混合物であってもよい。また、中間層(I)の
両面に表面層(II)を積層する場合、同一の結晶性プ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を積層して
も、異なった結晶性プロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体を積層してもよい。
【0057】(4)結晶性プロピレン・α−オレフィン
ランダム共重合体(2)の製造方法 本発明で用いる結晶性プロピレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体(2)は、上記特性(d)〜(e)を満た
せば、どのような方法で製造された結晶性プロピレン・
α−オレフィンランダム共重合体であってもよい。好ま
しくは、上記結晶性プロピレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体(1)と同様に、メタロセン触媒を使用して
重合した結晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共
重合を用いる。
【0058】2.アンチブロッキング剤 本発明で用いるアンチブロッキング剤は、特に限定され
ず、例えば、シリカ、架橋ポリメチルメタクリレート、
シリコーン粒子および炭酸カルシウムなどの公知のもの
を用いることができる。
【0059】該アンチブロッキング剤の体積平均粒径
は、1.0〜10μmであることが必要であり、好まし
くは1.5〜5.0μmである。アンチブロッキング剤
の体積平均粒径が1.0μm未満であると、フィルムの
透明性は良好であるが、ブロッキング性および滑り性が
悪化する。一方、体積平均粒径が10μmを超えると、
フィルムの透明性が悪化するとともに、ラベルの印刷時
に印刷抜けが起こり易くなったり、アンチブロッキング
剤の脱落による白粉発生などの問題が起こり易くなる。
【0060】3.その他の成分 本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化防止剤、帯電防
止剤、中和剤、造核剤、スリップ剤などを添加すること
ができる。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、よ
り一層の収縮特性向上を目的として、プロピレン・ブテ
ン−1共重合体、ポリブテン−1、線状低密度ポリエチ
レンなど、脂環式炭化水素樹脂を除く公知の収縮特性向
上成分を添加することができる。さらに、無水マレイン
酸変性ポリプロピレン、例えば、三洋化成(株)製ユー
メックス1001など1〜10重量部の、結晶性プロピ
レン・α−オレフィンランダム共重合体(2)100重
量部への添加は、延伸時にアンチブロッキング剤に起因
するボイドの発生を防止し、透明性およびアンチブロッ
キング剤の耐脱落性がより一層向上するので好ましい。
【0061】4.樹脂組成物 本発明で表面層(II)として用いる樹脂組成物中の結
晶性プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体
(2)とアンチブロッキング剤の配合割合は結晶性プロ
ピレン・α−オレフィンランダム共重合体(2)100
重量部に対して、アンチブロッキング剤0.05〜1.
0重量部、好ましくは0.2〜1.0重量部、さらに好
ましくは0.2〜0.5重量部である。該組成物中のア
ンチブロッキング剤が0.05重量部未満であると、フ
ィルムの透明性は、良好であるが、ブロッキングおよび
スリップ性が悪化する。一方、アンチブロッキング剤が
1.0重量部を超えると、透明性が悪化する。
【0062】[III]シュリンクラベル用積層フィル
ムの成形方法 本発明の熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用
積層フィルムは、上記の中間層(I)および表面層(I
I)を積層して用いるが、積層フィルムの成形方法とし
ては、溶融共押出し法などの公知の方法を使用する。ま
た、フィルムの延伸は、インフレ―ション法、フラット
状延伸法などの公知の方法を用いて延伸することができ
るが、本発明においては、フラット状延伸法、特にテン
ター式一軸延伸法を用いることが好ましい。上記の成形
方法により溶融共押出し後、公知の方法により少なくと
も一軸方向以上に2倍以上、好ましくは4倍以上延伸し
て、本発明のシュリンクラベル用積層フィルムを製造す
る。延伸方向は、一軸方向以上であればよいが、フィル
ムの流れ方向に対して直角である方向へのみ一軸延伸す
ることが好ましい。また、延伸倍率が2倍未満である
と、十分な収縮率が得られない。さらに、収縮率を向上
させる目的より、でき得る限り低温で延伸することが好
ましく、特に未延伸シートに予熱をかける工程がある場
合は、予熱温度を成形可能な範囲内で、でき得る限り低
くすることが好ましい。
【0063】[IV]シュリンクラベル用積層フィルム 本発明のシュリンクラベル用積層フィルムの厚みは、特
に限定されないが、100μm以下であり、好ましくは
30〜80μmである。本発明のシュリンクラベル用積
層フィルムは、表面層(II)の厚みの和が全フィルム
厚みの1〜50%、好ましくは3〜30%、さらに好ま
しくは5〜10%である。表面層(II)の厚みの和が
全フィルム厚みの50%を超えると、収縮特性、特に低
温収縮特性が悪化する。一方、表面層(II)の厚みの
和が全フィルム厚みの1%未満では、未延伸シートの押
出し時に、未延伸シートが冷却ロールにくっつき易くな
り、成形性が悪化する。
【0064】また、本発明のシュリンクラベル用積層フ
ィルムの比重は、0.94以下であって、比重が0.9
4を超えると、フィルムに印刷など二次加工を施す際に
生じる比重増加によって、水によるPETボトルなどと
の浮遊分離の効率が悪化する。
【0065】さらに、本発明のシュリンクラベル用積層
フィルムの40℃、7日間における主収縮方向の収縮率
は、3%未満、好ましくは2%未満、さらに好ましくは
1%未満である。該主収縮方向の収縮率が3%以上であ
ると、フィルムの輸送、保管中に収縮を起こし易くな
り、巻き締り、タルミなどが発生し商品価値が著しく低
下する。
【0066】また、本発明のシュリンクラベル用積層フ
ィルムの収縮率と比重は、以下の関係式〜を満た
す。 式:S80>251d−215 式:S90>531d−462 式:S100>627d−541 (ただし、S80、S90、S100は、各々80℃、
90℃、100℃にて10秒間、温水浴させたときの主
収縮方向の収縮率(%)であり、dはシュリンクラベル
用積層フィルムの比重である。) 上記式〜を満たさないものは、収縮率と比重のバラ
ンスが悪く、包装適性、リサイクル適性のいずれかが悪
化する。
【0067】[V]熱収縮性シュリンクラベル 本発明の熱収縮性シュリンクラベルは、上記のシュリン
クラベル用積層フィルムを筒状に加工することにより得
られる。加工方法は、特に限定されず公知の方法を用い
ることができる。例えば、フラット状のシュリンクラベ
ル用積層フィルムを、フィルムの主収縮方向が円周方向
となるようにセンターシールを施すことによりシュリン
クラベルを得ることができる。該センターシールの方法
としては、有機溶剤塗布によるシール、接着剤塗布によ
るシール、ヒートシールなどが挙げられるが、これらに
限定されない。また、シュリンクラベル用積層フィルム
を筒状に加工する前に、印刷を施してもよい。
【0068】本発明のシュリンクラベル用積層フィルム
から得られる熱収縮性シュリンクラベルは、印刷などの
二次加工を施した後も比重が1.0未満であるので、種
々の容器の軽量化に寄与し、かつPETボトルとの水に
よる浮遊分離が可能である。さらに、従来のポリプロピ
レン系シュリンクラベルと比べて、収縮特性、特に低温
収縮性に優れるのでシュリンク包装適性に優れ、かつ外
観の美しい容器包装が可能となる。
【0069】[VI]熱収縮性シュリンクラベルを装着
した容器 本発明の熱収縮性シュリンクラベルを種々の容器に装着
し、加熱収縮させることにより熱収縮性シュリンクラベ
ルを装着した容器を得ることができる。装着される容器
は、特に限定されないが、例えば、PETボトル、ポリ
プロピレン製ボトル、瓶容器、弁当容器などが挙げられ
る。
【0070】
【実施例】本発明を以下に実施例を示して具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例で用いた評価方法、
並びにラベル用積層フィルムの成形方法は、以下に示す
通りである。
【0071】(1)包装適性:シュリンクラベル用積層
フィルムを主収縮方向に長さ22.5cm、主収縮方向
の直角方向に長さ20cmに切り出した。主収縮方向が
円周方向となるよう、円周長21.5cmの筒状に丸
め、重なり合う部分をヒートシールすることにより、筒
状のシュリンクラベルを得た。得られたラベルの一端
と、市販のPETボトル(500ml、キリンビバレッ
ジ Supli用)の下端が揃うように被せた。ラベル
を装着したPETボトルに500mlの水(25℃)を
入れ、キャップをした後、90℃に調整した水槽に5秒
間浸けた。5秒後、直ちに90℃の水槽から取り出し、
別途用意した25℃の水槽に1分以上浸けることによ
り、ラベル包装を行った。ラベル包装後のPETボトル
の下端から15.7cmの部分(市販PETボトルのラ
ベル上端位置。周長18.0cm、収縮率16.3%)
のラベルの密着状態を調べ、完全に密着しているものを
良好、密着が不十分なものを不良とした。
【0072】(2)比重:JIS K−7112に準拠
して、PETボトルへラベル包装した後のサンプルを用
いて、密度勾配管法により測定した。
【0073】(3)分離性:PETボトルにラベル包装
した後のフィルムを、一辺10cmの正方形に切り出
し、さらに一辺1cmに裁断してフィルム片を得た。該
フィルム片を、予め25℃の蒸留水800mlが入った
1lビーカーに入れた。ビーカーに長さ3cmの回転子
を入れ、マグネチックスターラーにてフィルム片がビー
カー内全体に分散するように回転数を設定した。なお、
分離性評価は、全サンプルを同じ回転数にして行った。
20秒間マグネチックスターラーを回転させた後、回転
を停止させ、全てのフィルム片が水面近傍まで、浮き上
がるまでの時間を測定した。この操作を1サンプルにつ
き10回繰り返し、最大値、最小値を除いた平均値をも
って分離性の尺度とした。フィルム片が水面近傍まで、
浮き上がるまでの時間が短いほど分離性に優れる。
【0074】(4)成形性:フィルム成形時に、Tダイ
から溶融押出しにより成形された未延伸シートの冷却ロ
ール(鏡面仕上げ)からの、剥がれ易さを下記の基準で
評価した。 ○:容易に剥がれ、成形に支障がない。 △:剥がれにくいが、成形には支障がない。 ×:剥がれにくく、成形が困難である。
【0075】(5)外観:成形したフィルムの外観を下
記の基準で評価した。 ○:均一に延伸されている。 ×:部分的に不均一に延伸されており、表面割れが見ら
れる。
【0076】(6)MFR:JIS K−6758(条
件230℃、荷重2.16kg)に準拠して測定した。
【0077】(7)TおよびT50:セイコー社製示
差走査型熱量計(DSC)を用い、サンプル(結晶性プ
ロピレン・α−オレフィンランダム共重合体)5.0m
gを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで1
0℃/分の降温スピードで冷却し、さらに10℃/分の
昇温スピードで融解させて融解熱量曲線を得、得られた
融解熱量曲線によりTおよびT50を求めた。
【0078】(8)軟化点温度:JIS K−2207
に準拠して測定した。
【0079】(9)加熱収縮率:延伸したフィルムを4
0℃にて24時間エージングした後、10cm×10c
mの正方形状に、その一辺がフィルム流れ方向と平行に
なるように切り出し、これを所定の温度に加熱した水槽
に10秒間浸漬した。10秒経過後、直ちに別途用意し
た25℃の水槽に20秒間浸漬した後、フィルムの流れ
方向、直交方向各々の長さを測定し、加熱収縮率を求め
た。主収縮方向の値をもって加熱収縮率とした。
【0080】(10)ブロッキング性(単位:g/10
cm):幅2cm、長さ15cmのフィルムのコロナ
処理面同士を、長さ5cmにわたり重ね、100g/c
の荷重下にて40℃の雰囲気下で24時間放置し、
荷重を除き23℃の温度に十分調整した後、引張試験機
を用いて200mm/分の速度でサンプルの剪断剥離に
要する力を測定した。数値が小さい方が良好である。
【0081】(11)ヘイズ:JIS K−7105に
準拠して測定し、透明性の尺度として用いた。数値が小
さい方が良好である。
【0082】(12)滑り性:ASTM−D1894に
準拠して、静摩擦係数(μs)および動摩擦係数(μ
d)を測定した。数値が小さい方が良好である。
【0083】(13)自然収縮率:延伸したフィルムを
40℃にて24時間エージングした後、10cm×10
cmの正方形状に、その一辺がフィルム流れ方向と平行
になるように切り出し、これを40℃のギヤオーブンに
入れ7日間放置した。7日間放置後のフィルムの流れ方
向、直交方向各々の長さを測定し、自然収縮率を求め
た。主収縮方向の値をもって自然収縮率とした。
【0084】(14)フィルムの成形 (i)未延伸シートの成形 75ミリ単軸押出機から、中間層(I)用樹脂組成物
を、30ミリ単軸押出機および20ミリ単軸押出機から
各々、両表面層(II)用樹脂組成物を、240℃に
て、Tダイ法により各々所定の厚みになるように溶融共
押出しし、15℃の冷却ロールにて冷却固化させ、厚さ
300μmの未延伸シートを得た。
【0085】(ii)延伸フィルムの成形 上記で得た、未延伸シートをテンター炉に導入し、6.
5倍延伸が可能であって、かつ最低である温度にて30
秒間予熱をかけ、該予熱温度と同等の温度下にて幅方向
に30秒かけて6.5倍延伸した。引き続き同テンター
炉内にて幅方向に7.5%弛緩させつつ、87℃にて3
0秒間アニールし、延伸倍率6倍で、厚さが50μmの
熱収縮性シュリンクラベル用フィルムを得た。
【0086】(15)結晶性プロピレン・α−オレフィ
ンランダム共重合体の製造 (i)ジメチルシリレンビス[1−{2−メチル−4−
(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}]ジルコ
ニウムジクロリドのラセミ体の合成 (a)ラセミ・メソ混合物の合成 1−ブロモ−4−クロロベンゼン1.84g(9.6m
mol)のn−ヘキサン(10ml)とジエチルエーテ
ル(10ml)との溶液に−78℃でt−ブチルリチウ
ムのペンタン溶液(1.64M)11.7ml(19.
2mmol)を滴下した。得られた溶液を−5℃で1.
5時間攪拌後、この溶液に2−メチルアズレン1.2g
(8.6mmol)を添加して反応を行った。この反応
溶液を徐々に室温まで戻しながら1.5時間攪拌した。
その後、反応溶液を0℃に冷却し、1−メチルイミダゾ
ール15μl(0.19mmol)を添加し、さらに、
ジクロロジメチルシラン0.52ml(4.3mmo
l)を添加した。反応溶液を室温で1.5時間攪拌後、
希塩酸を添加して反応を停止し、分液した有機相を減圧
下に濃縮し、ジクロロメタンを添加した後、硫酸マグネ
シウムで乾燥した。減圧下に溶媒を留去した後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、アモルファス
状の固体2.1gを得た。
【0087】次に、上記の反応生成物1.27gをジエ
チルエーテル15mlに溶解し、これに−78℃でn−
ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(1.66M)2.
8ml(4.5mmol)を滴下した。滴下終了後、反
応溶液を徐々に室温まで戻しながら12時間攪拌した。
減圧下に溶媒を留去した後、トルエンとジエチルエーテ
ルの混合溶媒(40:1)5mlを添加して−78℃に
冷却し、これに四塩化ジルコニウム0.53g(2.3
mmol)を添加した。その後、直ちに室温まで戻し、
室温で4時間攪拌して反応を行った。得られた反応液を
セライト上で濾過し、濾別された固体をトルエン3ml
で洗浄して回収した。回収した固体をジクロロメタンで
抽出し、抽出液から溶媒を留去し、ジメチルシリレンビ
ス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−
4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリドのラセミ
・メソ混合物906mg(収率56%)を得た。
【0088】(b)ラセミ体の精製 さらに、ジクロロメタン20mlに上記のラセミ・メソ
混合物900mgを溶解し、100Wの高圧水銀灯を4
0分照射することによりラセミ体の比率を高め、その
後、不溶分を濾別し、回収した濾液を濃縮乾固した。次
いで、得られた固体成分をトルエン22mlと共に攪拌
し、静置後に上澄み液を除去した、かかる精製操作を4
回繰り返し、残った固体成分を乾燥し、ジメチルシリレ
ンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニ
ル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリドの
ラセミ体275mgを得た。
【0089】(ii)粘土鉱物の化学処理 硫酸(96%)218.1gと硫酸マグネシウム13
0.4gを脱塩水909mlと混合した水溶液に市販の
モンモリロナイト(クニミネ工業製、クニピアF)20
0.03gを分散させ、100℃で2時間攪拌した。こ
のモンモリロナイトの水スラリー液を固形分濃度12%
に調製し、スプレードライヤーにより噴霧造粒を行っ
て、粒子を得た。その後、この粒子を200℃で2時間
減圧乾燥した。
【0090】(iii)触媒成分の調製 内容積1lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレンで充
分に置換した後、脱水・脱酸素したヘプタン230ml
を導入し、系内温度を40℃に維持した。ここに、トル
エンにてスラリー化した化学処理粘土10gを添加し
た。さらに別容器にてトルエン下で混合したジメチルシ
リレンビス[1−{2−メチル−4−(4−クロロフェ
ニル)−4H−アズレニル}]ジルコニウムジクロリド
のラセミ体0.15mmolとトリイソブチルアルミニ
ウム1.5mmolを添加した。ここでプロピレンを1
0g/hの速度で120分導入し、その後120分重合
を継続した。さらに、窒素下で溶媒を除去・乾燥し、固
体触媒成分を得た。この固体触媒成分は、固体成分1g
あたり1.9gのポリプロピレンを含有していた。
【0091】(iv)重合 内容積200lの攪拌式オートクレーブ内をプロピレン
で十分に置換した後、十分に脱水した液化プロピレン4
5kgを導入した。これにトリイソブチルアルミニウム
・n−ヘプタン溶液500ml(0.12mol)、エ
チレン2.0kg、水素3.5l(標準状態の体積とし
て)を加え、内温を30℃に維持した。次いで、上記固
体触媒成分1.45gをアルゴンで圧入して重合を開始
させ、30分かけて70℃に昇温し、1時間その温度を
維持した。ここでエタノール100mlを添加して反応
を停止させた。残ガスをパージし、下記の物性を有する
プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)1
3.7kgを得た。上記重合を繰り返し、必要量を得て
試料とした。 MFR:2.58g/10分、エチレン含量:3.42
重量%、T:122.7℃、T50:113℃。
【0092】通常のチーグラー・ナッタ触媒を用いて、
プロピレン・エチレンランダム共重合体(PP)を製
造した。得られたプロピレン・エチレンランダム共重合
体は、下記の物性を有するものであった。 MFR:2.30g/10分、エチレン含量:3.60
重量%、T:138.3℃、T50:130℃。
【0093】また、PPとして、MFR:2.4g/
10分およびT:160.3℃のプロピレン単独重合
体(日本ポリケム社製、FL6CK)を使用した。
【0094】実施例1 上記で得たPPパウダー75重量%、トーネックス
(株)製エスコレッツE5320(軟化点温度:125
℃)25重量%よりなる樹脂組成物100重量部に対し
て、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、イルガノ
ックス10100.1重量部、イルガフォス168
0.1重量部をヘンシェルミキサーで混合した後、50
mm単軸押出機で造粒して中間層(I)用樹脂組成物ペ
レットを得た。また、PPパウダー100重量部に対
して、ステアリン酸カルシウム0.05重量部、イルガ
ノックス1010 0.1重量部、イルガフォス168
0.1重量部およびアンチブロッキング剤として、体
積平均粒径2.5μmの合成シリカ0.2重量部をヘン
シェルミキサーで混合した後、50mm単軸押出機で造
粒して表面層(II)用樹脂組成物ペレットを得た。上
記の樹脂組成物ペレットを用い、前記の方法にてシュリ
ンクラベル用積層フィルムを成形した。得られたフィル
ムの全厚みは50μm、中間層(I)の厚みは44μ
m、表面層(II)の厚みは、両面それぞれ3μmであ
った。該フィルム成形時の成形可能最低予熱温度は60
℃であった。得られたフィルムの評価結果を表1に示
す。
【0095】実施例2 表面層(II)用樹脂組成物のベースPPとしてPP
を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてシュリンク
ラベル用積層フィルムを成形した。該フィルム成形時の
成形可能最低予熱温度は60℃であった。得られたフィ
ルムの評価結果を表1に示す。
【0096】比較例1 表面層(II)用樹脂組成物を中間層(I)用樹脂組成
物と同一のものとしたこと以外は、実施例1と同様にし
てシュリンクラベル用積層フィルムを成形した。該フィ
ルム成形時の成形可能最低予熱温度は60℃であった。
得られたフィルムの評価結果を表1に示すが、実施例に
比べ成形性が悪化し、またアンチブロッキング性、滑り
性も悪化した。
【0097】比較例2 中間層(I)用樹脂組成物のベースPPをPPに、表
面層(II)用樹脂組成物のベースPPをPPに変え
たこと以外は、実施例1と同様にしてシュリンクラベル
用積層フィルムを成形した。該フィルム成形時の成形可
能最低予熱温度は80℃であった。得られたフィルムの
評価結果を表1に示すが、実施例に比べ包装適性が悪化
した。
【0098】比較例3 表面層(II)用樹脂組成物にアンチブロッキング剤を
配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてシュ
リンクラベル用積層フィルムを成形した。該フィルム成
形時の成形可能最低予熱温度は60℃であった。得られ
たフィルムの評価結果を表1に示すが、実施例に比べア
ンチブロッキング性、滑り性が悪化した。
【0099】比較例4 PPパウダー50重量%、トーネックス(株)製エス
コレッツE5320(軟化点温度:125℃)50重量
%よりなる樹脂組成物100重量部に対して、ステアリ
ン酸カルシウム0.05重量部、イルガノックス101
0 0.1重量部、イルガフォス168 0.1重量部
をヘンシェルミキサーで混合した後、50mm単軸押出
機で造粒して中間層(I)用樹脂組成物ペレットを得
た。また、PPパウダー100重量部に対して、ステ
アリン酸カルシウム0.05重量部、イルガノックス1
010 0.1重量部、イルガフォス168 0.1重
量部およびアンチブロッキング剤として、体積平均粒径
2.5μmの合成シリカ0.2重量部をヘンシェルミキ
サーで混合した後、50mm単軸押出機で造粒して表面
層(II)用樹脂組成物ペレットを得た。上記の樹脂組
成物ペレットを用い、前記の方法にてシュリンクラベル
用積層フィルムを成形した。得られたフィルムの全厚み
は50μm、中間層(I)の厚みは44μm、表面層
(II)の厚みは、両面それぞれ3μmであった。該フ
ィルム成形時の成形可能最低予熱温度は60℃であっ
た。得られたフィルムの評価結果を表1に示すが、実施
例に比べ比重が増大し、成形性が若干悪化し、分離性が
悪化した。
【0100】比較例5 中間層(I)の厚みを20μm、表面層(II)の厚み
を、両面各々15μmに変えたこと以外は、実施例1と
同様にしてシュリンクラベル用積層フィルムを成形し
た。該フィルム成形時の成形可能最低予熱温度は70℃
であった。得られたフィルムの評価結果を表1に示す
が、実施例に比べ外観が悪化し、また包装適性も悪化し
た。
【0101】
【表1】
【0102】
【発明の効果】本発明の熱収縮性ポリプロピレン系シュ
リンクラベル用積層フィルムは、加熱収縮率、特に低温
収縮性が向上し、また、低比重化により包装適性とリサ
イクル効率のバランスが向上し、成形性および透明性と
アンチブロッキング性、滑り性のバランスに優れるた
め、容器用のシュリンクラベルとしての使用に好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 BSM B65D 65/40 BSMD BSQ BSQD C08L 23/16 C08L 23/16 G09F 3/04 G09F 3/04 C //(C08L 23/16 (C08L 23/16 45:00) 45:00) Fターム(参考) 3E086 AB01 AC34 AD04 AD16 BA04 BA15 BA33 BB55 BB67 BB87 BB90 4F100 AK02A AK07 AK66A AK66B AK66C AL04A AL04B AL05A AL05B AL05C BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C BA25 CA19 DE01B DE01C EH20 EH202 GB90 JA04A JA05A JA06A JA11A JA11B JA11C JK08 JK16 JN01 YY00A YY00B YY00C 4J002 AF022 BA002 BA012 BB141 BB151 BK002 CE002 GF00 GG01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間層(I)の片面または両面に表面層
    (II)が積層され、少なくとも一軸方向に2倍以上延
    伸された積層フィルムであって、片面または両面に積層
    された表面層(II)の厚みが、全フィルム厚みの1〜
    50%であり、かつ、中間層(I)が下記特性(a)〜
    (c)を満足するプロピレンを主体とする結晶性プロピ
    レン・α−オレフィンランダム共重合体(1)50〜9
    5重量%と、軟化点温度が110℃以上である脂環式炭
    化水素樹脂5〜50重量%とを含む樹脂組成物からな
    り、表面層(II)が下記特性(d)〜(e)を満足す
    るプロピレンを主体とする結晶性プロピレン・α−オレ
    フィンランダム共重合体(2)100重量部に対して、
    体積平均粒径が1.0〜10μmであるアンチブロッキ
    ング剤0.05〜1.0重量部を含有する樹脂組成物か
    らなることを特徴とする熱収縮性ポリプロピレン系シュ
    リンクラベル用積層フィルム。 中間層(I) 特性(a):メルトフローレート(230℃、2.16
    kg荷重)が0.5〜10g/10分であること。 特性(b):示差走査型熱量計(DSC)で求めた主た
    る融解ピーク温度(T )が100〜140℃の範囲に
    あること。 特性(c):T50≦125℃ (ただし、T50は、DSCで求めた結晶性プロピレン
    ・α−オレフィンランダム共重合体(1)の総融解熱量
    をΔHmとしたとき、低温側から起算した融解熱量がΔ
    Hmの50%となるときの温度(℃)である。) 表面層(II) 特性(d):メルトフローレート(230℃、2.16
    kg荷重)が0.5〜50g/10分であること。 特性(e):示差走査型熱量計(DSC)で求めた主た
    る融解ピーク温度(T )が100〜150℃の範囲に
    あること。
  2. 【請求項2】 上記結晶性プロピレン・α−オレフィン
    ランダム共重合体(1)および結晶性プロピレン・α−
    オレフィンランダム共重合体(2)が、プロピレン・エ
    チレンランダム共重合体である請求項1に記載の熱収縮
    性ポリプロピレン系シュリンクラベル用積層フィルム。
  3. 【請求項3】 上記結晶性プロピレン・α−オレフィン
    ランダム共重合体(1)がメタロセン触媒により重合さ
    れた共重合体である請求項1または2に記載の熱収縮性
    ポリプロピレン系シュリンクラベル用積層フィルム。
  4. 【請求項4】 主収縮方向の収縮率が、下記式〜を
    満足し、かつ比重が0.94以下であり、40℃、7日
    間における主収縮方向の収縮率が3%未満である請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載の熱収縮性ポリプロピ
    レン系シュリンクラベル用積層フィルム。 式:S80>251d−215 式:S90>531d−462 式:S100>627d−541 (ただし、S80、S90、S100は、各々80℃、
    90℃、100℃にて10秒間、温水浴させたときの主
    収縮方向の収縮率(%)であり、dはシュリンクラベル
    用積層フィルムの比重である。)
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の熱収縮性ポリプロピレン系シュリンクラベル用積層フ
    ィルムからなる比重1.0未満の熱収縮性ラベル。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の熱収縮性ラベルを装着
    してなる容器。
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