JP2002208151A - 光学式ヘッド装置、および、光学式記録・再生装置 - Google Patents

光学式ヘッド装置、および、光学式記録・再生装置

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JP2002208151A
JP2002208151A JP2001001863A JP2001001863A JP2002208151A JP 2002208151 A JP2002208151 A JP 2002208151A JP 2001001863 A JP2001001863 A JP 2001001863A JP 2001001863 A JP2001001863 A JP 2001001863A JP 2002208151 A JP2002208151 A JP 2002208151A
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liquid crystal
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head device
actuator
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Satoru Watanabe
渡辺  哲
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フライングヘッドにおける光学系の波面収差
を補正し、さらに好ましくは、ヘッドの浮上量の変動を
抑制する。 【解決手段】 フライングヘッド型の光磁気ヘッド装置
1において、スライダ13に対物レンズ15が搭載され
ている。波面収差を補正するため、印加電圧に応じて屈
折率が変化する液晶パネル21を、対物レンズ15と、
レーザダイオード、ビームスプリッタ、フォトデテクタ
173を有する光学部17との間に設ける。液晶パネル
21は、正確な波面収差を補正するため、放射状に環状
に分割されていることが好ましい。さらに好ましくは、
アーム11Aにピエゾ素子16を装着し、その上に光学
部17を固定する。スライダ13の浮上量の変動に応じ
てピエゾ素子16に印加する電圧を変化させてピエゾ素
子16を変位させて、光学部17の位置を変化させる。
その結果、光路長が変化し、実質的に、スライダ13の
浮上量の変動を調整できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク記録再
生装置、光磁気ディスク記録再生装置などの光学式記録
・再生装置、および、光学式記録・再生装置に使用する
光学式ヘッド装置に関するものであり、特に、フライン
グヘッド型の光学式ヘッド装置と、それを用いた光学式
記録・再生装置に関する。特定的には、本発明は、液晶
デバイスなどを用いて波面収差を補正する光学式ヘッド
装置と光学式記録・再生装置に関する。また本発明は、
波面収差に加えて、さらにフライングヘッドの浮上量を
補正してより正確なフォーカス制御を行う光学式ヘッド
装置とそれを用いた光学式記録・再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学式ヘッド装置を固定部と可動部に分
離し、可動部を光磁気ディスクなどの光学式回転記録媒
体から所定距離だけ浮上させた、「ライングヘッド型の
光学式ディスクヘッドが実用化されている。
【0003】図18はフライングヘッド型の光磁気ヘッ
ドの第1の従来技術として、光磁気ディスク210の回
転に起因する風圧を利用してヘッド部分を浮上させてフ
ォーカス方向に所定の距離を確保する、「フライングヘ
ッド型の光磁気ヘッド」220を図解する図である。
【0004】光磁気ヘッド220は、スピンドルモータ
215で回転されるMDなどの光磁気ディスク210へ
のデータの書き込み、および、光磁気ディスク210か
らのデータの読み出しを行うため、光学ブロック221
と、1軸アクチュエータ222と、ボイスコイルモータ
223と、ガルバノミラー224と、1軸アクチュエー
タ222に搭載されたオーバーライト磁気ヘッド225
を有する。
【0005】光学ブロック221には、レーザダイオー
ド、ビームスプリッタ、フォトデテクタなどが一体的に
構成されている。ただし、対物レンズは、オーバーライ
ト磁気ヘッド225の近傍のヘッドの先端部に設けられ
ていて、光学ブロック221とは分離されている。
【0006】1軸アクチュエータ222はボイスコイル
モータ223によって1方向に移動される。ボイスコイ
ルモータ223とガルバノミラー224とにより光磁気
ピックアップ220のトラッキング制御が行われる。フ
ォーカス制御は1軸アクチュエータ222により行われ
る。光磁気ディスク210の回転に伴う風圧によってオ
ーバーライト磁気ヘッド225が光磁気ディスク210
の面から所定の間隙だけ浮上することによりフォーカス
距離が保たれる。
【0007】光学ブロック221内のレーザダイオード
から出射されたビーム光は、ビームスプリッタを通過
し、ガルバノミラー224で偏向されてヘッドの先端に
位置する対物レンズに導かれる。対物レンズはビーム光
を収束して光磁気ディスク210の記録面に照射する。
光磁気ディスク210からの反射光が対物レンズを通し
てガルバノミラー224に向かい、ガルバノミラー22
4で偏向された戻り光がビームスプリッタに入射し、ビ
ームスプリッタで偏向されてフォトデテクタに入射す
る。フォトデテクタは、たとえば、4分割デテクタであ
る。
【0008】光磁気ピックアップ220においては、光
学ブロック221の光学系と対物レンズとはガルバノミ
ラー224を介して光学的に接続される。このように、
1軸アクチュエータを含む対物レンズと、45度ミラー
と、フライングヘッドのみを可動部にしているので、可
動部が小型になるという利点がある。
【0009】しかしながら、ボイスコイルモータ223
で1軸アクチュエータ222を駆動する光磁気ピックア
ップ220の構造が複雑であり、光磁気ピックアップ2
20の寸法が依然として大きい。さらに、光学ブロック
221から対物レンズに至る光路が長すぎるので光学的
な信頼性が低いし、さらなる小型化が困難であり、低価
格にすることが困難である。そこで、大容量化を図るた
め、このような複雑な構造の光磁気ディスク210を複
数枚同一回転軸に沿って積み重ねた「多層化した(マル
チプレート)」光学式記録・再生装置が試みられている
が、上述した光磁気ピックアップをそのような装置に適
用することは事実上困難である。
【0010】図19はフライングヘッド型の光磁気ヘッ
ドの第2の従来技術としての光磁気ヘッド装置の構成図
である。図19に図解した光磁気ヘッド装置320は、
TeraStor社が提案しているフライングヘッド型
の光磁気ヘッド装置である。この光磁気ヘッド装置は、
スピンドルモータ(図示せず)で回転されるMDなどの
光磁気ディスク310にデータの書き込み、データの読
み出しを行う。そのため、光磁気ヘッド装置320は、
スウィングアーム321と、アーム321の一方の端部
に装着されたフライングヘッド型の光磁気ヘッド322
と、光磁気ヘッド322に搭載された対物レンズ327
と、磁界変調コイル(図示せず)と、光磁気ヘッド32
2の上部に設けられた第1のミラー323と、アーム3
21に設けられた第2のミラー324と、アーム321
を水平方向に回転移動させてトラッキング制御を行うボ
イスコイルモータ325と、光源モジュール326とを
有する。
【0011】光源モジュール326は、レーザダイオー
ド、ビームスプリッタ、フォトデテクタなどを有する。
フォトデテクタは、たとえば、4分割デテクタである。
対物レンズ327は光磁気ヘッド322に搭載されてお
り、光源モジュール326とは分離されている。
【0012】第2のミラー324と第1のミラー323
とは、光源モジュール326内のレーザダイオードから
の光ビームを光磁気ヘッド322に搭載された対物レン
ズ327に導く。すなわち、光源モジュール326内の
レーザダイオードから射出したビーム光は、ビームスプ
リッタを通り、第2のミラー324で第1のミラー32
3に向けて偏向される。第1のミラー323は入射した
光を対物レンズ327に向けて偏向する。対物レンズ3
27は入射された光を収束させて光磁気ディスク310
の記録面に照射させる。光磁気ディスク310からの反
射光は、光磁気ヘッド322に搭載された対物レンズ3
27を通り、上記とは逆の経路で、第1のミラー323
から第2のミラー324を通過して光源モジュール32
6内のビームスプリッタに入り、フォトデテクタに至
る。
【0013】光磁気ヘッド322のトラッキング制御
は、ボイスコイルモータ325を駆動してアーム321
を水平方向に(光磁気ディスクの面と平行な面を)所定
の角度範囲で振らせて行う。光磁気ヘッド322は、光
磁気ディスク310の回転に伴う風圧でアクセスするに
必要な距離だけ光磁気ディスク310の面から浮上す
る。したがって、フォーカス制御は不要である。
【0014】第1のミラー323または第2のミラー3
24がマイクロアクチュエータで駆動されるので、スウ
ィングアーム321とともに粗動と微動との2段階トラ
ッキング制御が容易になるという利点がある。
【0015】しかしながら、下記に列挙する問題があ
る。 (1)光磁気ヘッド320は、近接場(ニアフィール
ド)記録動作時に、アーム321と光源モジュール32
6とが一体になって動くので、アーム321を動かすと
きの慣性質量が大きくなり、シーク時間が長くなるとい
う不利益がある。加えて、かなり大きなパワーを出力す
るボイスコイルモータ325を使用することになる。こ
れらの結果、装置の寸法が大きくなり、低価格化が困難
であり、小型化には限界がある。 (2)対物レンズ327および磁界変調コイルに加え
て、第1のミラー323が光磁気ディスク310の回転
に応じて浮上する光磁気ヘッド322に搭載されている
ので、光磁気ヘッド322の質量が大きくなり、十分な
浮上量が得られないこともある。 (3)この光磁気ヘッド320は、第1のミラー323
と第2のミラー324との間の光路が開放しているの
で、外乱光が進入する可能性がありこの光路を伝搬する
光の信頼性が保証されない。第1のミラー323と第2
のミラー324に代えて、偏波面保存型光ファイバを使
用する方法も考えられるが、その場合は信号品質の低下
が問題となる。 この光磁気ヘッド320は装置の寸法が大きいので、光
磁気ディスクを複数枚同一回転軸に沿って積み重ねた
「多層化した」マルチプレート化光磁気記録・再生装置
には適さない。
【0016】図20はフライングヘッド型の光磁気ヘッ
ドの第3の従来技術としての光磁気ヘッド装置の構成図
である。図20に図解した光磁気ヘッド装置420は、
QUINTA社が提案しているフライングヘッド型の光
磁気ヘッド装置である。
【0017】この光磁気ヘッド装置は、アーム421
と、アーム421の先端に固定された可撓性のある弾性
部材で形成されたジンバル422と、ジンバル422の
先端に固定され光磁気ディスク410から所定距離浮上
するスライダ423と、スライダ423に搭載された対
物レンズ424と、静電ミラー425と、静電ミラー4
25と対物レンズ424との間に配設された光学系42
6と、光学ブロック427と、光学ブロック427と静
電ミラー425との間に配設された光ファイバ428と
を有する。光学ブロック427は、レーザダイオード、
ビームスプリッタ、フォトデテクタなどを有する。フォ
トデテクタは、たとえば、4分割デテクタである。
【0018】光学ブロック427内のレーザダイオード
から出射されたビーム光は、ビームスプリッタを通過し
て光ファイバ428に入射され、光ファイバ428内を
伝搬して静電ミラー425に照射され、静電ミラー42
5で偏向され、光学系426を通り、対物レンズ424
に入射し、対物レンズ424で収束されて光磁気ディス
ク410の記録面に照射される。光磁気ディスク410
からの反射光は、上記とは逆の光路を通って、光学ブロ
ック427内のビームスプリッタに入射し、ビームスプ
リッタで偏向されてフォトデテクタに入射する。
【0019】光磁気ヘッド420のトラッキング制御に
おいて、アーム421は図示しないボイスコイルモータ
などのアクチュエータによって、光磁気ディスクの面と
平行する面で(紙面に垂直方向に)所定角度範囲で移動
するとともに、静電ミラー425も用いて光磁気ディス
ク410の所定のトラックに位置決めされる。なお、光
磁気ディスク410の回転に伴う風圧でスライダ423
は光磁気ディスク410から所定の距離だけ浮上するの
で、対物レンズ424は光磁気ディスク410から所定
の距離だけ離れる。したがって、フォーカス制御は不要
である。
【0020】しかしながら、図20に図解した光磁気ヘ
ッド420は、光ファイバ428を使用しているので、
光ファイバ428がアーム421の回動動作に対して負
荷になりアーム421の回動動作特性を低下させるとい
う問題がある。さらに、光ファイバ428と静電ミラー
425とで光学的結合を行っているので、光学的結合効
率(カップリング効率)が低くなるという不利益があ
る。加えて、光磁気ヘッド420では、プッシュプル信
号が取れないので、トラッキング制御をサンプルサーボ
にせざるを得ない。
【0021】光学式記録・再生装置においては、短波長
化、高い開口数(NA)化が進んでいる。たとえば、従
来のNAは0.5程度があったが、最近は、ファーフィ
ールド場(FFR)においてNA=0.9、ニアフィー
ルド場(NFR)においてNA=1.4程度のものがあ
る。このような状況におけるフォーカスマージンは、た
とえば、FFRにおいては±0.158μm、NFRに
おいては±10nm〜±20nm程度にする必要があ
り、従来のとフォーカスマージン±1μmに対してフォ
ーカスマージンが少ない。しかしながら、フライングヘ
ッド型の光磁気ヘッド構造にすれば、原理的にはそのよ
うなフォーカスマージンも確保できる。しかしながら、
実際は、たとえば、NFRにおける±10nm〜±20
nm程度精度を保ってフライングヘッド型の光磁気ヘッ
ドに対物レンズを取り付けることは難しく、取り付け精
度の問題に遭遇する。さらに、温度変化、湿度の変化に
より対物レンズの取り付け位置がずれることがある。そ
のような位置ずれを接着で確保することも難しい。
【0022】このような問題を克服する方法として、た
とえば、特開平7−65383号公報に提案されている
ように、フライングヘッド型の光磁気ヘッドとして、電
磁アクチュエータをつけた対物レンズを設けた構造にし
て、主として、電磁アクチュエータで位置調整してDC
フォーカス分を排除する方法が知られている。
【0023】また他の方法としては、たとえば、特開平
7−57284号公報に提案されているように、光学固
定部にリレーレンズを配置して、主として、リレーレン
ズによってDCフォーカス分を排除する方法が知られて
いる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−65383
号公報に提案されているフライングヘッドは、フライン
グヘッドの寸法が大きくなるという問題がある。フライ
ングヘッドの寸法が大きくなると良好なフライング(浮
上)特性が達成できず、価格も高くなる。
【0025】特開平7−57284号公報に提案されて
いるフライングヘッドも、寸法が大きくなるという問題
がある。上記同様、フライングヘッドの寸法が大きくな
ると良好なフライング(浮上)特性が達成できず、価格
が高くなる。
【0026】最近の光磁気記録媒体の小型化、近接場
(ニアフィールド)記録などに適用可能な小型の光学式
ヘッド、および、その光学式ヘッドを用いた光学式記録
・再生装置が要望されている。さらに記録容量の増大が
望まれている。その1方法として、光磁気ディスクなど
を複数枚同一回転軸に沿って積み重ねた「多層化した
(マルチプレート化)」光磁気記録・再生装置が要望さ
れているが、そのようなマルチプレート化光磁気記録・
再生装置に適合する光磁気ヘッドおよび光磁気ピックア
ップなどの光学式ヘッドが要望されている。特開平7−
57284号公報に提案されているフライングヘッドは
しかしながら、光磁気ディスクを回転させるモータの回
転軸に沿って複数枚の光軸ディスクを積み重ねて小型で
記憶容量の増大を図った、いわゆる、「多層化(または
マルチプレート化)光学式記録・再生装置を実現するこ
とが難しい。
【0027】フライングヘッドにおいてより正確なフォ
ーカス制御を行う観点から、波面収差の影響を排除する
必要がある。なお、波面収差はほぼDC成分と考えるこ
とができる。
【0028】フライングヘッドにおいても、スライダの
浮上量が変動することが知られており、より正確なフォ
ーカス制御を行うためには、そのような浮上量の変動を
補正することが好ましい。このような浮上量の変動は周
波数が高いのでAC成分と考えることができる。
【0029】以上、従来技術として光磁気ディスクに使
用する光磁気ヘッドまたは光磁気ピックアップについて
述べたが、光信号のみで信号読み出しを行うた光ピック
アップなどにおいても上記同様の問題に遭遇している。
【0030】本発明の目的は、波面収差を補正できる小
型、軽量のフライングヘッド型の光磁気ヘッドを提供す
ることにある。
【0031】本発明の他の目的は、波面収差の補正に加
えて、ヘッドの浮上量を適切に補正して浮上量を一定に
維持できる小型、軽量のフライングヘッド型の光磁気ヘ
ッドを提供することにある。
【0032】本発明の他の目的は、ファーフィールド記
録、または、ニアフィールド記録などにも好適に使用で
きる、上記、波面収差補正、および/または、浮上量補
正を行う、信頼性の高い、小型の光学式ヘッド装置を提
供することにある。
【0033】本発明のさらに他の目的は、マルチプレー
ト化光学式記録・再生装置に適合する光学式ヘッド装置
を提供することにある。
【0034】本発明のさらに他の目的は、上述した光学
式ヘッド装置を用いた光学式記録・再生装置を提供する
ことにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点によ
れば、光学式回転記録媒体へのデータの書き込み、およ
び/または、読み出しを光学的に行う光学式ヘッド装置
であって、回転自在に軸支されたアームと、一端が上記
アームの下面に固定された弾性のあるサスペンション
と、上記サスペンションの自由端に固定されたスライダ
と、上記光学式回転記録媒体に対向するように、上記ス
ライダに搭載された対物レンズと、少なくとも、発光手
段、ビームスプリッタ手段および受光手段を有する上記
アームに装着された光学部と、上記光学部と上記対物レ
ンズとの間に設けられた波面収差補正手段とを具備し、
上記スライダは前記光学式回転記録媒体の回転に伴う気
圧に応じて前記光学式回転記録媒体の面から所定の距離
だけ浮上する、光学式ヘッド装置が提供される。
【0036】波面収差補正手段で波面収差を補正するこ
とにより、より正確なフィールド制御が実現できる。
【0037】上記波面収差手段は、屈折率が変化する光
学的装置を有する。屈折率の変化によって実質的に波面
収差を補正する。
【0038】好ましくは、上記屈折率が変化する光学的
装置は、印加電圧に応じて屈折率が変化する液晶パネル
を有する。液晶パネルは、各種の分野において適用され
ている透過性表示デバイスであり、印加電圧の変化に応
じて容易に屈折率を変化させることができる。
【0039】さらに好ましくは、上記波面収差補正手段
は、それぞれ上記光学部に搭載された、液晶制御手段
と、上記液晶パネルに駆動電圧を印加する液晶駆動手段
とをさらに有し、上記液晶制御手段は、上記光学部の受
光手段で検出した信号から算出したサーボ信号に基づい
て波面収差を補正する信号を算出して上記液晶駆動手段
に送出する。この構成によれば光学式ヘッド装置自体で
波面収差の補正が可能となる。
【0040】また好ましくは、上記液晶パネルは同心円
状に複数の環状領域に分割されて構成されている。好ま
しくは、上記波面収差補正手段はそれぞれ上記光学部に
搭載された、液晶制御手段と、上記液晶パネルの各領域
に独立して駆動電圧を印加する液晶駆動手段とをさらに
有し、上記液晶制御手段は、上記光学部の受光手段で検
出した信号から算出したサーボ信号に基づいて、上記液
晶パネルの各領域ごとの波面収差を補正する信号を算出
して上記液晶駆動手段に送出する。液晶パネルを環状に
複数の領域に分割して構成し、その領域ごとに波面収差
を補正すれば、全体として正確に波面収差を補正でき
る。
【0041】さらに好ましくは、上記アームに装着さ
れ、当該光学式ヘッド装置の上記光学部から上記対物レ
ンズまでの光路の光路長を実質的に調整する光路長調整
アクチュエータをさらに有する。光路長調整アクチュエ
ータを用いると、スライダの浮上量の変動を微調整でき
るので、フィールド制御をさらに正確にすることができ
る。
【0042】前記光学部は光軸が前記光学式回転記録媒
体の面と直交する方向を指向するように、前記アームに
装着され、前記光路長調整アクチュエータは、上記光学
部を、前記光学式回転記録媒体の面と直交する方向に移
動させるように変位させるアクチュエータである。ある
いは、前記光学部は光軸が前記光学式回転記録媒体の面
と平行する方向を指向するように、前記アームに装着さ
れ、上記光路長調整アクチュエータは、上記光学部を前
記光学式回転記録媒体の面と平行する方向に移動させる
ように変位させるアクチュエータである。
【0043】上記アクチュエータとして、ピエゾ素子、
または、電磁アクチュエータを用いることができる。
【0044】前記光学式回転記録媒体は、磁界印加状態
または磁界変調状態においてデータの書き込みが行われ
る方式の光学式回転記録媒体であり、前記対物レンズお
よび磁気印加手段または磁界変調手段が前記スライダに
搭載されている。あるいは、前記光学式回転記録媒体
は、無磁界状態でデータの読み取りが行われる方式の光
学式回転記録媒体であり、前記スライダに前記対物レン
ズのみが搭載されている。
【0045】本発明の第2の観点によれば、光学式回転
記録媒体と、前記光学式回転記録媒体へのデータの書き
込み、および/または、読み出しを光学的に行う光学式
ヘッド装置と、前記光学式ヘッド装置を駆動して、前記
光学式回転記録媒体へのデータの書き込み、および/ま
たは、データの読み出しを行う制御装置とを有する光学
式記録・再生装置が提供される。光学式ヘッド装置は、
上記本発明の第1の観点の構成を有する。上記制御装置
は、前記アーム駆動アクチュエータを駆動してトラック
位置制御を行うトラッキングサーボ制御手段を有する。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の光学式ヘッド装置および
光学式ヘッド装置を用いた光学式記録・再生装置の実施
の形態について述べる。以下、本発明の光学式ヘッド装
置の例示的な実施の形態として光磁気ヘッドについて述
べるが、本明細書における光学式ヘッドは、光磁気ヘッ
ド、光ヘッドなどを含む広い意味の用語である。同様
に、以下、本発明の光学式記録・再生装置の実施の形態
として光磁気記録・再生装置について述べるが、本発明
の光学式記録・再生装置は光磁気記録・再生装置、光記
録・再生装置などを含む。本明細書において、光学式記
録・再生装置を、光学式記録装置、光学式再生装置、お
よび、光学式記録および再生装置のいずれかを意味する
広い意味で用いている。
【0047】第1実施の形態 図1〜図7を参照して本発明の光学式ヘッド装置および
それを用いた光学式記録・再生装置の第1実施の形態に
ついて述べる。図1は本発明の光学式ヘッド装置の第1
実施の形態としての光磁気ヘッド装置の断面構成図であ
る。図1は光学式記録媒体の実施の形態としての光磁気
(MO)ディスクの断面構成をも示す。図2は図1に図
解した光磁気ヘッド装置に搭載された光学部の1例を示
す拡大図である。図3は図1に図解した光学式ヘッド装
置における光学系の構成を示す概念図である。図4は図
1に図解した液晶パネルを用いて波面収差を補正する前
と補正後との波面収差の相違を示すグラフである。図5
(A)は液晶パネルの基本構成図であり、図5(B)は
図5(A)に図解した液晶パネルに電圧を印加したとき
の屈折率の変化を示すグラフである。図6(A)は図1
に図解した液晶パネルの概略構成図であり、図6(B)
は図6(A)に図解した液晶パネルの屈折率の変化方法
を例示したグラフであり、図6(C)は波面収差量を示
すグラフであり、図6(D)は図7(A)に図解した液
晶パネルを図7(B)に例示したように屈折率を変化さ
せたときの波面収差の補正結果を示すグラフである。図
7は図1に図解した光磁気ヘッド装置を駆動制御する制
御装置の構成図である。
【0048】図1に図解した光磁気ヘッド装置と、MO
ディスクと、図2に図解した光学部と、図8に図解した
制御装置とを組み合わせると、本発明の光学式記録・再
生装置の第1実施の形態の光磁気記録・再生装置とな
る。
【0049】MOディスク 本発明の光学式回転記録媒体として、本実施の形態にお
いては図1に断面を図解したMOディスク3を用いた例
を示す。図1のMOディスク3は、2枚のMOディスク
3A、3Bを張り合わせた張り合わせMOディスクであ
り、それぞれのMOディスク3A,3Bにおいてトップ
コート31の下部に記録膜32が形成されている。
【0050】光磁気ヘッド装置 図1を参照して光磁気ヘッド装置1について述べる。光
磁気ヘッド装置1は、軸18を中心にボイスコイルモー
タ19で水平方向に回転されるアーム11を有する。光
磁気ヘッド装置1はさらに、アーム11の下面に一端が
固定され、他端が自由端になっているサスペンション
(吊下部材)12と、サスペンション12の自由端の先
端に固定されたスライダ13と、スライダ13に搭載さ
れた磁界変調コイル14と、磁界変調コイル14の近傍
のスライダ13に搭載された対物レンズ15とを有す
る。光磁気ヘッド装置1はさらに、アーム11の上面に
固定された光学部17と、アーム11の端部にアーム1
1の面に45度傾斜して設けられた45度ミラー20と
を有する。光磁気ヘッド装置1はさらに、アーム11の
下面に、45度ミラー20と対向する位置に設けられた
波面収差を補正する液晶パネル21を有する。アーム1
1に取り付けられた、45度ミラー20と液晶パネル2
1とが対向する部分には透光孔11hが形成されてい
る。
【0051】スライダ13は、図示しないスピンドルモ
ータによって回転するMOディスク3の風圧(または気
圧、これをエアベアリングともいう)によりMOディス
ク3の上面から所定距離dだけ浮上する。すなわち、光
磁気ヘッド装置1はフライングヘッド型(ヘッド浮上
型)の光磁気ヘッド装置である。
【0052】このように、MOディスク3の回転に伴う
風圧でスライダ13を浮上させるので、スライダ13は
極力軽量にする必要がある。そのため、光学部17、4
5度ミラー20および液晶パネル21はアーム11に搭
載してスライダ13に搭載しない。対物レンズ15およ
び磁界変調コイル14はMOディスク3に近接させる必
要があるので、対物レンズ15および磁界変調コイル1
4をMOディスク3に近接するスライダ13に搭載して
いる。スライダ13、磁界変調コイル14および対物レ
ンズ15の質量は極力小さく、かつ、寸法も小さくする
必要があり、サスペンション12は柔らかな弾力性のあ
る材料で製造するか、または、弾力性を示す形状に製造
する。
【0053】なお本明細書において、光磁気ヘッド装置
1の光学系全体とは、MOディスク3の表面のガラス層
を含み、対物レンズ15、光学部17、および、図1に
は図解しない種々の光学素子を総称したものである。し
たがって、本明細書において、光学系は光学部17のみ
を意味するものではない。
【0054】図2および図3を参照して図1に図解した
光磁気ヘッド装置における光学系の構成について述べ
る。図2は図1に図解した光学部17の概略構成を図解
する図である。図2および図3において、光学部17
は、ビームスプリッタとして機能するマイクロプリズム
171、レーザダイオード(LD)172、フォトデテ
クタ173、集光レンズ174を一体化したフォトデテ
クタ(PD)IC17Aを、図解しない1/4波長板な
どを内蔵した光学ユニット(パッケージ)17Bに収容
したものである。
【0055】図2および図3を参照して光磁気ヘッド装
置1における光学系の光線軌跡の概要を述べる。レーザ
ダイオード172から射出された光はビームスプリッタ
として機能するマイクロプリズム171の傾斜面で反射
されて45度ミラー20に入射する。45度ミラー20
は光偏向手段として機能し、図1に図解したように、入
射したレーザ光を45度偏向して下方に射出する。45
度ミラー20で下方に偏向されたレーザ光は、アーム1
1の透光孔11hを通過して液晶パネル21に入射す
る。液晶パネル21に入射したレーザ光はスライダ13
に搭載されている対物レンズ15に入射し、対物レンズ
15で収束されてMOディスク3の記録膜32に到達す
る。レーザダイオード172、ビームスプリッタとして
機能するマイクロプリズム171、45度ミラー20、
液晶パネル21、および、対物レンズ15の光軸中心が
一致しているものとする。上記とは逆に、記録膜32か
らの反射光は対物レンズ15、液晶パネル21、45度
ミラー20を経由してビームスプリッタとして機能する
マイクロプリズム171の傾斜面に入射し、集光レンズ
174で集光されてフォトデテクタ173に入射する。
対物レンズ15、液晶パネル21、45度ミラー20、
マイクロプリズム171、集光レンズ174およびフォ
トデテクタ173の光軸中心は一致しているものとす
る。
【0056】フォトデテクタ173は、たとえば、公知
の4分割フォトデテクタであり、図8を参照して詳細を
述べる制御装置4に入力されて、トラッキングエラー信
号、フォーカスエラー信号、RF信号などサーボ信号の
生成に使用され、これらの信号は詳細を後述する液晶パ
ネル21の制御にも使用する。
【0057】なお、図2に図解した光学部17を用い
て、ビームスプリッタとして機能するマイクロプリズム
171の傾斜面を図1および図3に図解した45度ミラ
ー20に該当する位置に位置づけるように、光学部17
を配設すれば、45度ミラー20を削除できる。すなわ
ち、光偏向手段としての45度ミラー20は、本実施の
形態にとって必須の構成要件ではない。ただし、下記の
記述においては、図解のごとく、45度ミラー20を設
けた場合について述べる。
【0058】本実施の形態における光学部17は有限光
を用いる場合について例示している。しかしながら、L
D172の後段にコリメータを挿入して平行光を生成す
ることもできる。ただし、下記の記述においては有限光
を使用する場合について例示する。
【0059】液晶パネル21による波面収差の補正につ
いて述べる。上記光磁気ヘッド装置1の光学系は各種の
波面収差の影響を受ける。そのような波面収差の種類を
下記に述べる。まず、製造時の調整誤差に起因して対物
レンズ15の高さずれ、光軸中心からの対物レンズ15
の光軸中心のずれなどから、波面収差が起こる(以下、
このような波面収差を第1の波面収差という)。次い
で、対物レンズ15の球面収差などから対物レンズ15
の光軸中心から周縁部に向かって収差が大きくなる(以
下、このような波面収差を第2の波面収差という)。さ
らに、MOディスク3をチャッキングした時の位置ずれ
による波面収差も起こる可能性がある(以下、このよう
な波面収差を第3の波面収差という)。また、温度およ
び/または湿度変化に起因して対物レンズ15の高さず
れ、光軸中心からの対物レンズ15の光軸中心のずれな
どから、波面収差が起こる(以下、このような波面収差
を第4の波面収差という)。本明細書で波面収差と呼ぶ
とき、上述した波面収差を総称したものを意味する。
【0060】これらの波面収差のうち、第1〜第3の波
面収差は、たとえば、MOディスク3を装荷してチャッ
キングしたときに、たとえば、基本となるピットを走査
して、フォトデテクタ173で検出したフォーカスエラ
ー信号、トラッキングエラー信号などのサーボ信号を、
基準のサーボ信号と対比させて、算出することができ
る。したがって、交換可能なMOディスク3を用いる場
合は、MOディスク3を装荷してチャッキングするた
び、たとえば、基本となるピットを走査して、第1およ
び第2の波面収差を算出して、図7を参照して後述する
制御装置4の液晶制御部61のメモリ部に記憶しておく
ことができる。
【0061】同じMOディスク3を同じ条件で使用して
いる場合は、第1〜第3の波面収差は、一定値として扱
うことができる。ただし、図4の実線で図解したよう
に、デフォーカス量によって波面収差の値が異なるの
で、本実施の形態においては、液晶制御部61におい
て、フォーカスエラー信号など、サーボ信号を用いてそ
の時々の波面収差を算出する。
【0062】図4の横軸はデフォーカス量を示し、縦軸
に波面収差量実効値(rms)を示す。図4において、
実線は液晶パネル21を使用せずに波面収差を補正しな
い場合の二次曲線で示される特性曲線を示し、破線は液
晶パネル21を用いて波面収差を補正した場合の同じく
二次曲線で示される特性曲線を示す。
【0063】温度変化、湿度変化などに起因する第4の
波面収差は、温度および/または湿度の変化に応じて、
比較的緩やかに変動する。したがって、第3の波面収差
は温度、湿度の関数として表すことができる。その波面
収差の算出補正方法としては、たとえば、図7に図解し
たように、温度センサ63および湿度センサ(図示せ
ず)を光磁気ヘッド装置1内に配設してこれらセンサの
読みを液晶制御部61において入力して、これらの読み
を関数として液晶制御部61内で演算して図4の波面収
差を算出することができる。ただし、図4の波面収差の
補正は温度センサ63、湿度センサを必要として構成が
複雑になるし、温度変化、湿度変化が少ない条件では、
これらに起因する波面収差の算出と、その補正を省略す
ることもできる。
【0064】波面収差が上述した方法で光学式記録・再
生装置の動作の前に算出された場合、液晶パネル21を
用いてその波面収差を補正することができる。液晶パネ
ル21は印加される電圧に応じて液晶の方向が変化し、
その結果、液晶パネル21を通過する光の屈折率が変化
する。
【0065】このような液晶パネル21の波面収差補正
手段としての機能についてさらに考察する。
【0066】図5(A)は液晶パネル21の基本断面構
成図であり、図5(B)はその特性を示す図である。図
5(A)に図解した、たとえば、ネマチック型の液晶パ
ネル5は、液晶の分子方向を特定するための配向膜5
2、56と、これら配向膜52、56の間に封入された
液晶51と、透明電極53、57と、基板54、58と
を有する。液晶パネル5の透明電極膜53、57に電圧
を印加すると、液晶51の分子の方向が変化するから、
結果として屈折率の変化が起こる。すなわち、液晶パネ
ル5は印加する電圧に応じて、図5(B)に図解したよ
うに、液晶51の屈折率が変化する。特に、A部のよう
に直線的に変化する部分を用いると、印加電圧に応じて
直線的に屈折率を変化させることができる。屈折率の変
化の制御を容易かつ正確に行うためには、A部の傾きが
なだらかな特性を示す液晶パネル5が好ましい。したが
って、本実施の形態においてもA部の屈折率変化の大き
な部分を活用する。
【0067】図6(A)〜(D)を参照して液晶パネル
21について述べる。図6(A)は図4(A)、(B)
を参照して述べた液晶パネル5の特性を考慮して、図1
に図解した光磁気ヘッド装置1の液晶パネル21として
構成した液晶パネルの概略構成図である。図6(B)は
液晶パネル21の領域ごとに屈折率を変化させたことを
示すグラフである。本実施の形態における液晶パネル2
1は、同心円状に分割された4領域から構成されてい
る。すなわち、液晶パネル21は、中心円領域211、
内側環状領域212、中央環状領域213、外側環状領
域214に分割されている。中心円領域211の中心が
図3を参照して述べた光軸中心に一致する。
【0068】これらの領域の基本構造は、図5(A)に
図解した構造をしており、それぞれの領域の2つの対向
する透明電極に独立に電圧を印加して、図6(B)に図
解したように、印加する電圧に応じてそれぞれの領域ご
とに屈折率が変化するように液晶パネル21が構成され
ている。液晶パネル21をこのような領域に分割して動
作させるためには、たとえば、図5(A)に例示した液
晶パネル5の片側の透明電極、たとえば、透明電極57
を図6(A)に図解のごとく分割して製造して、一方の
透明電極53と、同心円状に分割した透明電極57の各
領域との間に、それぞれ異なる電圧が印加できるように
構成する。
【0069】対物レンズ15の瞳半径rを横軸として、
波面収差量(位相差)を縦軸に示した図6(C)に図解
したような波面収差量が存在したとき、図6(B)に例
示したように、この波面収差量を相殺するように半径方
向に応じて液晶パネル21の屈折率差を変化させると、
液晶パネル21を通過して対物レンズ15を通るレーザ
光は、図6(D)に図解したように、波面収差量は減少
する。ただし、図6(D)に図解した例示は、波面収差
量が完全には相殺されずに若干の波面収差量の残り(残
存波面収差量)が存在していることを示している。
【0070】液晶パネル21を用いて波面収差を補正す
ると、たとえば、図4の破線で示したような屈折率の補
正特性結果が得られる。このように液晶パネル21を用
いて波面収差を適切に補正すると、同じ二次曲線でも、
その値が著しく小さくなり、フォーカス制御の精度が向
上する。波面収差は、フォーカスの変動に比較すると、
ほぼDC成分と言えるほど低周波で変動する。すなわ
ち、波面収差は比較的緩やかに変動するから、その実効
値を算出し、液晶パネル21で実効値として示した波面
収差を補正する。
【0071】このように液晶パネル21は同心円状に屈
折率を変化させて位相分布を変化させ得る。すなわち、
液晶パネル21は、光磁気ヘッド装置1の光学系におけ
る波面収差量を空間的に(同心円状空間で)補正する、
または、位相差を空間的に(同心円状空間で)補償する
波面収差補正手段として使用される。液晶パネル21の
領域の分割の仕方、数、および領域の大きさは、対物レ
ンズ15の瞳半径方向(デフォーカス量)の位相差の大
きさとその形状に応じて決定する。
【0072】液晶パネル21の各領域、すなわち、中心
円領域211、内側環状領域212、中央環状領域21
3、外側環状領域214に対する印加電圧の制御は、図
7を参照して述べる制御装置4で行う。
【0073】制御装置 図7に図解した制御装置4は、マグネット駆動部41
と、レーザ駆動部42と、検出信号処理部43と、トラ
ッキングサーボコントローラ44と、復調前処理部46
と、復調部47と、システムコントローラ48と、変調
部49と、メモリコントローラ50と、RAM51と、
図示しない上位のホストコンピュータとの信号転送を行
うインタフェース52、53とを有する。制御装置4は
さらに、液晶制御部61と、液晶駆動部62とを有す
る。
【0074】マグネット駆動部41はMOディスク3へ
のデータの書き込みのとき、変調部49からの信号に応
じて磁界変調コイル14を駆動する。レーザ駆動部42
は光学部17内のレーザダイオード(LD)172をデ
ータ書き込み、または、データ読み出しに応じて、駆動
する。検出信号処理部43は、たとえば、4分割デテク
タであるフォトデテクタ173からの検出信号を受信し
て、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号、
RF信号などを演算する。トラッキングサーボコントロ
ーラ44は、検出信号処理部43で検出したトラッキン
グエラー信号を参照してボイスコイルモータ19を駆動
して光磁気ヘッド1のトラッキング制御を行う。
【0075】フォーカス制御について述べる。図1に図
解したように、光磁気ヘッド装置1のスライダ13はM
Oディスク3の回転による風圧で浮上するので、通常、
MOディスク3の表面に対する対物レンズ15の距離は
所定値dに維持されている。すなわち、本実施の形態
は、原理的に、フォーカス制御はフライングヘッドによ
り達成されており、制御装置4においてフォーカス制御
は必要ない場合を想定している。したがって、第1実施
の形態の制御装置4にはフォーカス制御に関係する要素
は含まれていない。ただし、下記に述べる波面収差補正
は行う。
【0076】トラッキング制御について述べる。トラッ
キングサーボコントローラ44は、検出信号処理部43
で算出したトラッキングエラー信号を入力して、トラッ
キングエラーが0になるように、トラッキングアクチュ
エータであるボイスコイルモータ19を駆動する。それ
によって、軸18に回転自在に取り付けられているアー
ム11がMOディスク3の面と平行な面に(または、紙
面に垂直な方向に)回動される。このようなアーム11
の回転によりMOディスク3のトラックへのトラッキン
グ制御を行うことができる。アーム11に搭載された光
学部17、45度ミラー20および液晶パネル21と、
サスペンション12に搭載されたスライダ13と、スラ
イダ13に搭載された磁界変調コイル14および対物レ
ンズ15とが一体的に移動する。本実施の形態において
は、上述した先行技術とは異なり、対物レンズ15と光
学部17との距離が短く、光ファイバなどが不要なの
で、光学的結合効率が高く、信頼性も高い。
【0077】システムコントローラ48は、インタフェ
ース53を介してホストコンピュータなどの外部装置か
ら読み出しまたは書き込み指令を受信したとき、読み出
しまたは書き込みに応じて、メモリコントローラ50、
変調部49、復調前処理部46および復調部47、トラ
ッキングサーボコントローラ44、液晶制御部61など
を制御する。データの書き込み時は、MOディスク3に
書き込むべきデータがインタフェース52を経由してメ
モリコントローラ50に記録され、一旦、RAM51に
保存される。逆にデータの読み出し時は、フォトデテク
タ173、検出信号処理部43、復調前処理部46およ
び復調部47でMOディスク3から読み出して再生した
データがメモリコントローラ50を介してRAM51に
一時的に保存され、インタフェース52を介して上位の
ホストコンピュータに送出される。
【0078】変調部49は、データ書き込み時、システ
ムコントローラ48から駆動され、RAM51から読み
出されたデータについて、エラー訂正コード(ECC)
の付加、ランレングス制限(RLL)、NRZIまたは
NRZなどの変調処理(符号化処理)を行う。
【0079】復調前処理部46は、A/D変換回路、イ
コライザ回路、位相同期回路(PLL)、ビタビ復号回
路などを有している。復調前処理部46はデータ読み出
し時に動作する。A/D変換回路は検出信号処理部43
で演算したアナログ信号をディジタル信号に変換する。
イコライザ回路はディジタル信号に変換された信号を等
化する。PLLはクロック信号を再生する。ビタビ復号
回路は再生されたクロックを用いてRF信号からMOデ
ィスク3に記録されていた信号を復号する。復調前処理
部46はまた、アドレスデコーダを有しており、検出信
号処理部43からの信号から光磁気ヘッド1のアドレス
を算出する。
【0080】復調部47は、データ読み出し時に動作
し、復調部47で復調したデータに対して、変調部49
で変調した処理と逆の処理をして、元のデータを再生し
て、メモリコントローラ50に送出する。
【0081】液晶制御部61は、たとえば、マイクロコ
ンピュータとメモリを内蔵している演算処理機能と記憶
機能を有する部分であり、上述した、(1)製造時の調
整誤差に起因する対物レンズ15の高さずれ、(2)M
Oディスク3のチャッキング状態のバラツキ、(3)対
物レンズ15の球面収差などから対物レンズ15の光軸
中心から周縁部に向かって収差が大きくなる第3の波面
収差、(4)温度および/または湿度変化に起因して対
物レンズ15の高さずれ、光軸中心からの対物レンズ1
5の光軸中心のずれなどから起こる第2の波面収差を液
晶パネル21を用いて補正する。
【0082】液晶駆動部62は、図5(A)に図解した
液晶パネル21の中心円領域211、内側環状領域21
2、中央環状領域213、外側環状領域214の透明電
極間に独立に電圧を印加可能に構成されている。
【0083】液晶制御部61は、液晶パネル21のこれ
らの領域ごとに、図6(B)に例示したような波面収差
を補正する信号を生成して液晶駆動部62に送出する。
そのため、液晶制御部61は、上述したように、たとえ
ば、MOディスク3をチャッキングしたとき、基準のピ
ットを走査して第1〜第3の波面収差を測定して、液晶
制御部61内のメモリに記憶する。本例示においては、
構成を簡単にするため、上述した温度センサ63および
湿度センサは設けず、これらによる第4の波面収差の補
正は行わない。
【0084】液晶制御部61は、実際の動作タイミング
において、フォトデテクタ173から算出したサーボ信
号を用いて、たとえば、フォーカスエラー信号を用い
て、デフォーカス量に応じて、メモリに記憶されている
波面収差を補正する補正量を液晶パネル21の各領域ご
と算出する。液晶駆動部62は液晶制御部61からの補
正量に応じた電圧を液晶パネル21の各領域の透明電極
間に印加する。その結果、液晶パネル21の各領域の液
晶の屈折率が印加された電圧に応じて変化して、図6
(D)に例示したように、波面収差を補正する。
【0085】上述した波面収差は、上述したように急激
な変化はせず比較的緩慢に変動する。したがって、液晶
制御部61による上記処理は、比較的長い周期、たとえ
ば、1分周期程度で行えばよい。
【0086】光磁気ヘッド装置1の電子回路の構成 図1、図2および図7において、光磁気ヘッド装置1の
アーム11に搭載されている光学部17の内部に、レー
ザダイオード(LD)172、フォトデテクタ173が
搭載されており、検出信号処理部43も光学部17に内
蔵して、光学部17において、フォーカスエラー信号、
トラッキングエラー信号、RF信号などのサーボ信号を
生成することができる。光学部17の内部に液晶制御部
61および液晶駆動部62を組み込んで、液晶制御部6
1が検出信号処理部43からのサーボ信号、たとえば、
フォーカスエラー信号を入力して液晶パネル21を光磁
気ヘッド装置1において駆動することができる。この場
合、光磁気ヘッド装置1は、波面収差補正手段を有する
ものとなる。逆に、液晶制御部61、液晶駆動部62を
復調前処理部46、システムコントローラ48などと一
緒の光磁気ヘッド装置1とは離れた固定部に設けること
もできる。同様に、トラッキングサーボコントローラ4
4を光学部17の内部に組み込むこともできるし、復調
前処理部46、システムコントローラ48などと一緒の
光磁気ヘッド装置1とは離れた固定部に設けることもで
きる。液晶制御部61、液晶駆動部62、および、トラ
ッキングサーボコントローラ44を光学部17に組み込
んだ場合、光磁気ヘッド装置1において、波面収差補
正、トラッキング制御が実現できる。
【0087】光磁気記録・再生装置の動作 本実施の形態の光磁気記録・再生装置の動作を述べる。
MOディスク3は図示しないスピンドルモータによって
所定の回転数で回転されている。MOディスク3の回転
により、光磁気ヘッド装置1のスライダ13がMOディ
スク3の表面から所定の距離だけ浮上する。
【0088】インタフェース53を介してシステムコン
トローラ48にデータ書き込み要求がホストコンピュー
タから発せられた場合、システムコントローラ48は、
メモリコントローラ50を動作させ、インタフェース5
2を介して転送されてくる書き込むべきデータRAM5
1に記録させる。この動作と並行して、復調部47はト
ラッキングサーボコントローラ44、変調部49を制御
する。その詳細を下記に述べる。
【0089】システムコントローラ48は、トラッキン
グサーボコントローラ44を駆動して光磁気ヘッド1を
MOディスク3の指定されたアドレスに位置決めする
(トラッキング制御する)。このトラッキング動作時に
は、ボイスコイルモータ19で駆動されるアーム11に
搭載された(装着された)全ての部品、すなわち、光学
部17、45度ミラー20、液晶パネル21、サスペン
ション12、スライダ13、磁界変調コイル14および
対物レンズ15が一体的にMOディスク3の表面と平行
する方向に移動する。
【0090】オントラック状態になると、システムコン
トローラ48はRAM51に記録された書き込むべきデ
ータをメモリコントローラ50を介して変調部49に送
出させる。変調部49は、入力した書き込むべきデータ
に対して上述した種々の変調処理を行う。マグネット駆
動部41は変調部49における変調結果に基づいて磁界
変調コイル14を駆動する。その結果、MOディスク3
から所定距離dだけ浮上しているスライダ13に搭載さ
れている磁界変調コイル14が下部のMOディスク3の
記録膜32の磁界を変調する。レーザ駆動部42は変調
部49における変調結果に基づいて光学部17における
レーザダイオード172を駆動する。
【0091】図2および図3に図解したレーザダイオー
ド172からマイクロプリズム171に向かって射出さ
れたレーザビーム光は、マイクロプリズム171、45
度ミラー20、液晶パネル21を通って対物レンズ15
に入射し、そこで収束されてMOディスク3の記録膜3
2に照射されてデータの書き込みが行われる。
【0092】システムコントローラ48にインタフェー
ス53を介してホストコンピュータからデータの読み出
し要求が送出された場合、システムコントローラ48は
トラッキングサーボコントローラ44を駆動して、光磁
気ヘッド1がMOディスク3の指定されたアドレスに位
置決めさせる。オントラック状態において、システムコ
ントローラ48は復調部47を駆動して、復調前処理部
46は復号したMOディスク3に記録されていたデータ
から、変調または符号化されない元のデータに復調させ
る。復調されたデータはメモリコントローラ50を経由
して一旦RAM51に記録され、所定量のデータが蓄積
されたら、インタフェース52を介してホストコンピュ
ータに送出する。
【0093】以上の動作において、液晶制御部61およ
び液晶駆動部62、液晶パネル21によって波面収差が
補正される。
【0094】上述したように、本実施の形態の光磁気ヘ
ッド装置1を用いると、スライダ13に搭載された対物
レンズ15および磁界変調コイル14をMOディスク3
から適切に浮上しているので基本的にフォーカス制御が
不要となる。したがって、フォーカス制御に費やす時間
が不要であり、応答性が高い。
【0095】特に本発明の第1実施の形態によれば、波
面収差が適切に補正されて、正確なフォーカス制御が可
能となる。
【0096】本実施の形態のマイクロプリズム171、
レーザダイオード(LD)172、フォトデテクタ17
3を収容している光学部17はスライダ13に搭載され
ている対物レンズ15の直上に位置しているので、光学
系の長さも短くてすみ、光学結合効率が高く、光磁気ヘ
ッド装置1を小型に製造できる。
【0097】さらに本実施の形態は、トラッキング制御
時において、これらが一体的に動くので、上述した従来
技術における光学部と対物レンズ、磁界変調コイルとの
離間に伴う問題を克服している。
【0098】光学部17が浮上するスライダ13ではな
くアーム11に装着されているので、光学部17はフォ
ーカス制御には影響を与えない。すなわち、本実施の形
態の光磁気ヘッド装置1において、光学部17の重量、
制約、寸法などに対する制約は少ない。そのため、光学
部17の構成を任意にすることができる。
【0099】光磁気ヘッド1は非常に小型にできるの
で、最近の5インチ以下のMOディスクなどの小型の光
磁気ディスクなどの光磁気ヘッドとして適用できる。
【0100】第1実施の形態の変形形態 さらに第1実施の形態の光磁気ヘッド装置1、制御装置
4などの変形態様を述べる。
【0101】第1実施の形態の第1の変形態様 上述した光学部17は有限光を用いる場合について例示
したが、本実施の形態としては、コリメータレンズを、
たとえば、レーザダイオード(LD)172の後段に位
置させて平行光にして、平行光を用いる光学部17にす
ることもできる。
【0102】第1実施の形態の第2の変形態様 上述した実施の形態においては、ボイスコイルモータ1
9でアーム11を回動させてトラッキング制御を行う場
合を述べたが、ボイスコイルモータまたはその他のアク
チュエータを用いてアーム11を軸方向に前進または後
退させる直進運動を行ってトラッキング制御を行うよう
な構成にすることもできる。したがって、本発明はアー
ム11の駆動方法は回動方法には限定されない。そのよ
うな直進運動を行う構成として、1軸で行う構成、2軸
で行う構成など種々の公知技術を適用できる。
【0103】第1実施の形態の第3の変形態様 上述した実施の形態においては、光学部17に磁界変調
コイル14を搭載した例を示しているが、回転記録媒
体、および、記録方式に応じて、適宜、他の磁界印加手
段を搭載することができる。
【0104】上述した実施の形態において、波面収差補
正手段の好適実施の形態として、液晶パネル21を用い
た場合について述べたが、液晶パネル21と同様、たと
えば、印加電圧に応じて屈折率を変化可能な光学装置で
あれば、液晶パネル21に限らず、その他の光学装置を
適用することができる。
【0105】第2実施の形態 本発明の第2実施の形態として、図8および図9を参照
して、上述した第1実施の形態において述べた波面収差
補正に加えて、フライングヘッドの浮上量の変動を微調
整してフォーカス制御を精密に行う、光学式ヘッド装置
と光学式記録・再生装置について述べる。
【0106】図8は本発明の光学式ヘッド装置の第2実
施の形態としての光磁気ヘッド装置の断面構成図であ
る。図8は光学式記録媒体の実施の形態としての光磁気
(MO)ディスクの断面構成をも示す。図9は図8に図
解した光磁気ヘッド装置を駆動制御する制御装置の構成
図である。図8に図解した光磁気ヘッド装置と、MOデ
ィスクと、図9に図解した制御装置とを組み合わせる
と、本発明の光学式記録・再生装置の第2実施の形態の
光磁気記録・再生装置となる。
【0107】図8に図解した光磁気ヘッド装置1Aと、
図1に図解した光磁気ヘッド装置1との構造の相違を述
べる。図8の光磁気ヘッド装置1Aは、図1に図解した
アーム11に代えて、肉厚部11aと肉薄部11bとか
らなるアーム11Aを用いている。肉薄部11bの先端
下部に圧電アクチュエータとしてのピエゾ素子16を取
り付け、ピエゾ素子16に光学部17を装着している。
光学部17は図2に図解した構造をしており、ビームス
プリッタとして機能するマイクロプリズム171の傾斜
面が対物レンズ15に向かうようにピエゾ素子16に装
着されている。サスペンション(吊下部材)12の先端
には、スライダ13がMOディスク3から所定距離dだ
け浮上可能に取り付けられていることは図1の構造と同
じであるが、第1実施の形態では、対物レンズ15の上
部に液晶パネル21がスライダ13に取り付けられてい
る。液晶パネル21は第1実施の形態において述べた原
理から、光学部17と対物レンズ15との間に位置して
いればよい。その他の構成は、基本的に図1を参照して
述べた光磁気ヘッド装置1と同様である。
【0108】スライダ13は、図示しないスピンドルモ
ータによって回転するMOディスク3の風圧(または、
気圧、あるいは、エアベアリングともいう)によりMO
ディスク3の上面から所定距離dだけ浮上するから、こ
の光磁気ヘッド装置1Aもフライングヘッド型(ヘッド
浮上型)の光磁気ヘッド装置である。
【0109】光磁気ヘッド装置1Aにおける光線軌跡の
概要を述べる。光学部17のレーザダイオード172か
ら射出された光はビームスプリッタとして機能するマイ
クロプリズム171の傾斜面で偏向されて下方に向か
い、スライダ13に搭載されている液晶パネル21に入
射する。液晶パネル21に入射した光はスライダ13に
搭載されている対物レンズ15に入射し、収束されてM
Oディスク3の記録膜32に到達する。上記とは逆に、
記録膜32からの反射光は対物レンズ15、液晶パネル
21、光学部17のマイクロプリズム171の傾斜面に
入射し、マイクロプリズム171内を反射してフォトデ
テクタ173に入射する。フォトデテクタ173は、た
とえば、公知の4分割フォトデテクタであり、図9を参
照して詳細を述べる制御装置4Aに入力されて、トラッ
キングエラー信号、フォーカスエラー信号、RF信号な
どサーボ信号の生成に使用される。
【0110】液晶パネル21は第1実施の形態において
述べたと同様、波面収差の補正に使用する。第2実施の
形態においては、液晶パネル21による波面収差の補正
に加えて、ピエゾ素子16によるフォーカス方向の位置
の微調整、すなわち、光路長の調整を行う。
【0111】ピエゾ素子16について述べる。ピエゾ素
子16は電圧を印加すると微小な変位を起こす素子であ
る。また、ピエゾ素子16は、その結晶構造と印加電圧
の向きによって変位の大きさと方向が規定される。図8
に図解した第2実施の形態においては、ピエゾ素子16
に電圧を印加することによりピエゾ素子16をMOディ
スク3と直交する方向、図解の垂直方向V−Vに変位さ
せて、ピエゾ素子16に搭載されている光学部17の対
物レンズ15に対する距離を変化させることができる。
光学部17の変位により光学部17と対物レンズ15と
の間の距離が変化する。したがって、ピエゾ素子16を
用いて、光学部17、対物レンズ15を含む光磁気ヘッ
ド装置1の光学系の光路長を変化させることができる。
このようにピエゾ素子16は、印加される電圧に応じ
て、直接的には光学部17と対物レンズ15との間の距
離(光路長)を変化させ、最終的には光磁気ヘッド装置
1の光学系の光路長を調整する、光路長調整アクチュエ
ータとして使用する。
【0112】制御装置 図9に図解した制御装置4Aは、図7に図解した制御装
置4に対して、光路長調整部45が付加されている。そ
の他の部分は、第1実施の形態の制御装置4と同じであ
る。
【0113】トラッキング制御 第2実施の形態において、トラッキング制御は第1実施
の形態とほぼ同様、ボイスコイルモータ19によってア
ーム11を駆動する。トラッキング制御においては、ア
ーム11Aの肉薄部11bに搭載されたピエゾ素子16
および光学部17と、肉厚部11aに固定されたサスペ
ンション12に搭載されたスライダ13と、スライダ1
3に搭載された磁界変調コイル14、対物レンズ15お
よび液晶パネル21とが一体的に移動する。アーム11
Aを、MOディスク3の面と平行な面に(または、紙面
に垂直な方向に)回動させてトラッキング制御を行う場
合、アーム11Aの肉厚部11aの右側は軸18に回転
自在に固定されており、アーム11はその軸18を中心
として回転アクチュエータ、たとえば、ボイスコイルモ
ータ19によって、紙面に垂直方向に所定角度の範囲で
回転する。このようなアーム11の回転によりMOディ
スク3のトラックへのトラッキング制御を行うことがで
きる。
【0114】フォーカス制御 光磁気ヘッド装置1のスライダ13はMOディスク3の
回転による風圧で浮上するので、通常、MOディスク3
の表面に対する対物レンズ15の距離は所定値に維持さ
れるので、制御装置4にはフォーカス制御部は設けられ
ていない。しかしながら、MOディスク3の表面に対す
るスライダ13の距離は気圧の変化の関係で微小ではあ
るが、かなり高速で微小変動する。そのような変動量
は、許容範囲ではあるが、最近の光磁気ディスクドライ
ブ装置などの超小型化において、より高密度なディスク
の記録再生処理を確実化するためには、そのような変動
を受けない光磁気ヘッド装置1Aにすることが望まし
い。そこで、スライダ13の浮上量の変動をピエゾ素子
16を用いて対物レンズ15と光学部17との間の光路
長を微調整して実質的に変動を受けない状態にする。制
御装置4Aの光路長調整部45はその制御を行う。
【0115】スライダ13はMOディスク3の回転に伴
う風圧でMOディスク3の表面から距離dだけ浮上して
いる。光路長調整部45は、トラッキングサーボコント
ローラ44で算出したフォーカスエラー信号が所定以上
大きくなったとき、ピエゾ素子16を駆動して対物レン
ズ15と光学部17との間の距離(光路長)を調整す
る。
【0116】1例としてのスライダ13の浮上距離d
と、ピエゾ素子16に印加する電圧Vと、電圧を印加し
たときの変位量(すなわち、光路長調整量)δとを下記
に示す。
【0117】
【表1】 表1 d:ニアフィールド(NFR)の場合:20nm〜60nm 高いNA(0.85〜0.95)の場合、0.1μm〜0.4μm V:数V〜数十V δ:数μm〜100μm程度(DC調整など)
【0118】光路長調整と波面収差補正との関係 液晶制御部61を用いた液晶パネル21の屈折率の変化
による波面収差の制御は長い周期で行う。波面収差の補
正は、ほとんどDCフォーカス微調整として考えてよ
い。これに対して、スライダ13の浮上量は高周波で変
動するから、光路長調整部45を用いてピエゾ素子16
を変位させ光学部17のフォーカス位置の微調整を行う
制御は短い周期で行う。したがって、光路長調整はAC
フォーカス微調整と考えてよい。フォーカス微調整と呼
ぶ理由を述べる。基本的なフォーカス制御は、フライン
グヘッドの浮上量で規定されている。この基本的なフォ
ーカス制御に対して、フォーカス微調整とは、液晶制御
部61および光路長調整部45によりフォーカス方向の
光路長を微調整するに過ぎないことを意味している。し
たがって、ある周期で液晶制御部61による液晶パネル
21の制御を行い、次の液晶制御部61による液晶パネ
ル21の制御のタイミングが到達するまで、光路長調整
部45によるピエゾ素子16の制御を高速に行う。
【0119】以上のように、第1実施の形態の液晶パネ
ル21を用いた波面収差補正に加えてピエゾ素子16を
用いたフォーカス微調整を行うと、さらに高精度のフォ
ーカス制御が可能となる。特に、ニアフィールド、ファ
ーフィールドなどを用いる超小型光学式ヘッド装置など
におけるフォーカス制御が高精度になる。
【0120】その他、第1実施の形態において述べた特
徴および効果は、第2実施の形態においても同様であ
る。
【0121】光磁気ヘッド装置1Aの構成 第1実施の形態において、光学部17に、レーザダイオ
ード(LD)172、フォトデテクタ173、検出信号
処理部43に加えて、液晶制御部61および液晶駆動部
62を搭載可能なことを述べたが、さらに、光路長調整
部45を搭載することもできる。このような構成にする
と、光磁気ヘッド装置1A部分において、フォーカス微
調整を行い、波面収差を補正する。
【0122】第2実施の形態の第1の変形態様 上述した実施の形態においては、光路長調整アクチュエ
ータとしてピエゾ素子16を用いた場合について述べた
が、光路長調整アクチュエータとしては、ピエゾ素子1
6に代えて、たとえば、公知のマイクロアクチュエー
タ、電磁アクチュエータなどを用いることができる。
【0123】図10は光路長調整アクチュエータとし
て、電磁アクチュエータ25をアーム11Aの肉薄部1
1bに搭載した光磁気ヘッド装置1Bの断面構成を示す
図である。光学部17が電磁アクチュエータ25で囲ま
れた位置に配設されており、電磁アクチュエータ25の
動作により、光学部17がMOディスク3の面に直交し
て上下する。その他の部分は図8を参照して述べた上記
内容と同等である。
【0124】図11は、図10に図解した実施の形態の
より特定的な例示として、電磁アクチュエータ25と、
光学部17と、液晶パネル21と、磁界変調コイル14
と、対物レンズ15との位置関係を拡大して図解した図
である。光学部17の両側に電磁石17a、17bを取
り付け、これらの電磁石に電流を流すことにより、アー
ム11Aの肉薄部11bに固定された永久磁石25a,
25bとの吸引力、排斥力とによって、光学部17を垂
直方向V−Vに上下させる。その結果として、スライダ
13に搭載された下部に位置する対物レンズ15との距
離を調整できる。この例示においては磁界変調コイル1
4として薄膜コイルを用いている。上述した第2の変形
態様においても、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0125】第3実施の形態 本発明の第3実施の形態を図12〜図13を参照して述
べる。図12は本発明の光学式ヘッド装置の第3実施の
形態としての光磁気ヘッド装置の断面構成図である。図
13は本発明の第3実施の形態の制御装置4Bの構成を
示す図である。図12に図解した光磁気ヘッド装置と、
MOディスクと、図13に図解した制御装置とを組み合
わせると、本発明の光学式記録・再生装置の第3実施の
形態の光磁気記録・再生装置となる。
【0126】図12の光磁気ヘッド装置は、図8の光磁
気ヘッド装置1Aに対応している。しかしながら、図1
2に図解した光磁気ヘッド装置1Cにおいては、アーム
11Aの肉薄部11bの先端に搭載したピエゾ素子16
Aを、MOディスク3の表面と平行する水平方向H−
H、すなわち、MOディスク3の径方向に変位させる。
その結果、ピエゾ素子16Aに装着された光学部17を
MOディスク3のトラッキング方向に移動させる。
【0127】上述したように、ピエゾ素子16Aは電圧
を印加すると微小な変位を起こす素子である。またピエ
ゾ素子16Aはその結晶構造と印加電圧の向きによっ
て、変位の大きさと方向が規定される。図12に図解し
た本実施の形態においては、ピエゾ素子16Aに電圧を
印加することによりピエゾ素子16Aを、MOディスク
3の面と平行する方向、すなわち、MOディスク3の径
方向に変位させる。変位量はピエゾ素子16Aに印加す
る電圧の値に応じて変化する。
【0128】ピエゾ素子16Aの変位に応じて、光学部
17がMOディスク3のトラッキング方向に移動する。
光学部17の水平方向の変位により、光学部17と対物
レンズ15との光軸中心がずれて、「トラッキング方向
の光路」が変化する。このように、光学部17をMOデ
ィスク3の面に沿って変位させて対物レンズ15と光学
部17との間の「トラッキング方向の光路」を調整でき
る。本明細書において、フォーカス方向の光路長を調整
するだけでなく、このようにトラッキング方向の光路を
調整することも、広い意味で光路長調整と呼ぶ。
【0129】ピエゾ素子16Aは、印加される電圧に応
じて、直接的には光学部17と対物レンズ15との間の
「トラッキング方向の光路」を変化させ、最終的には、
光磁気ヘッド装置1の光学系の光路長を調整するので、
広い意味で、光路長調整アクチュエータと呼ぶ。
【0130】光学部17の構成は、図2に図解したもの
と同様であるが、ピエゾ素子16による変位の方向が異
なるので、図8の光磁気ヘッド装置1Aとは光路の変更
に伴い、光学部17の向きも変更している。ただし、動
作原理は第2実施の形態と同様である。
【0131】図13の制御装置4Bは、図9に図解した
制御装置4Aとほぼ同じである。ただし、ピエゾ素子1
6Aの変位の方向が異なることに対応させて、光路長調
整部45Aも、光路長調整部45とは若干異なる。ただ
し、光路長を調整する方法の原理は、第2実施の形態と
同様である。光路長調整部45Aは、「トラッキング方
向の光路」を調整するが、本明細書においては、広い意
味で、フォーカス方向の光路長を調整する光路長調整部
45と同様、光路長調整部と呼ぶ。
【0132】上述したように第3実施の形態によって
も、波面収差の補正に加えてフライングヘッド型の光磁
気ヘッド装置1の光路長を調整できる。図8に図解した
光磁気ヘッド装置1Aと、図12に図解した光磁気ヘッ
ド装置1Cとを比較すると、図12に図解した光磁気ヘ
ッド装置1Cは、垂直方向V−Vに変位しないので、垂
直方向の寸法に制約がある場合に有利である。
【0133】第3実施の形態の変形態様 図14は本発明の第3実施の形態の変形態様としての光
磁気ヘッド装置1Dの構成図である。図14に図解した
光磁気ヘッド装置1Dは、図11に図解し光磁気ヘッド
装置1Bと類似する構成をしている。ただし、図15に
図解した光磁気ヘッド装置1Dはアーム11Aの肉薄部
11bに搭載された、光路長調整アクチュエータとして
の電磁アクチュエータ25Aが、光学部17をMOディ
スク3の面と平行する方向、すなわち、トラッキング方
向に変位させて、光磁気ヘッド装置1Dの光学系の光路
長を調整する。その他は、図10に図解した光磁気ヘッ
ド装置1Bと同様である。光学部17をトラッキング方
向に変位させて光磁気ヘッド装置1Dの光学系の光路長
を調整することは、図10に図解した光磁気ヘッド装置
1Cと実質的に同じである。
【0134】第4実施の形態 図15を参照した本発明の第4実施の形態について述べ
る。図15は本発明の光学式ヘッド装置の第4実施の形
態としての光磁気ヘッド装置の断面構成図である。図1
5に図解した光磁気ヘッド装置1Eは、図1に図解した
アーム11と同様、均一の厚さのアーム11を用い、ア
ーム11の自由端の近傍の上面に45度ミラー20をア
ーム11の上面と45度の角度を保って固定し、さら
に、アーム11の上面にピエゾ素子16Eを固定し、こ
のピエゾ素子16Eの上に光学部17を固定している。
液晶パネル21はスライダ13に、対物レンズ15の上
に搭載されている。その他の構成は、基本的に図1を参
照して述べた第1実施の形態と同様である。この光磁気
ヘッド装置1Eも上記実施の形態の光磁気ヘッド装置1
〜1Dと同様、スライダ13部分がMOディスク3の風
圧により浮上するフライングヘッド型の光磁気ヘッド装
置である。
【0135】第4実施の形態における液晶パネル21の
目的は第1実施の形態と同様である。
【0136】ピエゾ素子16Eは電圧印加に応じて、光
学部17をアーム11の上面に沿って、アーム11の軸
方向(紙面と平行な方向)に移動させることができる。
光学部17は、図2を参照して述べた配置とは異なり、
レーザダイオード(LD)172から射出したビーム光
がマイクロプリズム171の斜面で偏向したとき、ミラ
ー20に入射するように配置してある。ミラー20は入
射されたビーム光を真下の液晶パネル21および対物レ
ンズ15に偏向させる。そのため、アーム11のミラー
20の下部にはビーム光が通過する孔11hが形成され
ている。
【0137】記録膜32で反射した光は、対物レンズ1
5を通り、液晶パネル21を通過し、ミラー20に入射
し、ミラー20で光学部17に向けて偏向されて、光学
部17内のフォトデテクタ173に入射する。
【0138】図15に図解した光磁気ヘッド装置1Eに
おいて、ピエゾ素子16Eによって光学部17がミラー
20に向かって前進または後進する。それによって対物
レンズ15と光学部17との「トラッキング方向の光
路」が変化して光磁気ヘッド装置1Eの光路長が変化す
る。すなわち、第4実施の形態においても、第3実施の
形態と同様、対物レンズ15と光学部17との距離
(「トラッキング方向の光路」)を調整して、フライン
グヘッド型の光磁気ヘッド装置におけるフォーカス制御
を補完する。
【0139】図15に図解した第4実施の形態の光磁気
ヘッド装置1Eと第2実施の形態の光磁気ヘッド装置1
Aとを比較すると、図15に図解した光磁気ヘッド装置
1Eは、光磁気ヘッド装置の上方に空間的な余裕がある
場合に適用する場合に好適である。すなわち光磁気ヘッ
ド装置1Eにおいては、光学部17がアーム11の上で
水平方向に移動するだけであるから、上下方向に移動す
る第2実施の形態の光磁気ヘッド装置1Aと比較する
と、取り付け方などが有利である。
【0140】第4実施の形態の光磁気ヘッド装置1Eを
用いた場合も図9の制御装置4Aを用いることができ
る。したがって、光磁気記録・再生装置としての動作は
第2実施の形態と同様である。
【0141】第4実施の形態の第1の変形態様 第4実施の形態の変形態様として、光路長調整アクチュ
エータを上述したピエゾ素子16Eに代えて、図7に図
解した水平方向H−Hに光学部17を変位させる電磁ア
クチュエータ25Aに相当する電磁アクチュエータを用
いることができる。
【0142】第4実施の形態の第2の変形態様 図15を参照して述べた上記実施の形態においては、ピ
エゾ素子16Eを用いて光学部17をトラッキング方向
に移動させたが、その変形態様として、ピエゾ素子16
Eを用いて45度ミラー20の角度を変化させて、実質
的に光学部17を移動させてと同様の効果を奏すること
もできる。その場合、ピエゾ素子16Eの変位で45度
ミラー20が回転するように、45度ミラー20をピエ
ゾ素子16Eに取り付ける。
【0143】第5実施の形態 図16を参照して本発明の第5実施の形態を述べる。図
16は本発明の光学式ヘッド装置の第5実施の形態とし
ての光磁気ヘッド装置の断面構成図である。図16に図
解した光磁気ヘッド装置1Fは、図15に図解した光磁
気ヘッド装置1Dに類似する構成をしているが、ピエゾ
素子16Fは垂直方向V−Vに変位する。
【0144】ピエゾ素子16Fの垂直方向V−Vの変位
により、光学部17の垂直方向の位置が変化するので、
ミラー20、対物レンズ15による光学系の光路長が変
化する。したがって、図16の光磁気ヘッド装置1Fに
おいてもピエゾ素子16Fを用いて光磁気ヘッド装置1
Fの光学系の光路長を調整できる。
【0145】第5実施の形態の変形態様 第5実施の形態の変形態様として、光路長調整アクチュ
エータを、上述したピエゾ素子16Fに変えて、図11
に図解した垂直方向V−Vに光学部17を変位させる電
磁アクチュエータ25に相当する電磁アクチュエータを
用いることができる。
【0146】第6実施の形態 図17を参照して本発明の第6実施の形態を述べる。図
17は本発明の第6実施の形態として、光磁気ディスク
を複数枚、回転軸に沿った積み重ねて多層化し、複数の
光磁気ディスクへのデータの書き込み、読み込みを同時
的に行う光磁気記録・再生装置の部分斜視図である。1
枚の光磁気ディスクに使用する光磁気ヘッドは、上述し
た実施の形態のものを使用する。上述した光磁気ヘッド
は小型で、軽量であるから、図17に図解した多層化し
た複数の光磁気ディスクのデータ書き込み、読み出しに
複数の光磁気ヘッドを使用しても、光磁気記録・再生装
置全体の装置構成が小型にすることができる。その結
果、そのような光磁気記録・再生装置を低価格化、軽量
に製造することができ、各種の用途に適用できる。
【0147】第7実施の形態 上述した実施の形態は、光学式回転記録媒体として、M
Oディスク3を用いた場合について例示したが、本発明
はMOディスクへの適用に制限されず、磁気作用を伴わ
ない光ディスク、CDなどの種々の光学式回転記録媒体
にも適用できる。光ディスクからのデータ読み出しの場
合は、スライダ13に磁界変調コイル14などの磁界印
加手段を搭載する必要はない。
【0148】本発明の光学式ヘッド装置、制御装置、こ
れらを組み合わせた光学式記録・再生装置は、上述した
実施の形態およびその変形態様に限定されず、上述した
フライングヘッド型の光学ヘッド装置の技術思想を適用
してさらに種々の形態をとることができる。
【0149】
【発明の効果】本発明によれば、小型、軽量のフライン
グヘッド型の光学式ヘッド装置であって、波面収差を補
正可能な光学式ヘッド装置が提供できる。
【0150】さらに本発明によれば、フライングヘッド
型の光学ヘッド装置でありながら、上記波面収差の補正
に加えて、対物レンズと光学部との光路長を調整可能な
軽量、小型の光学式ヘッド装置を提供できる。
【0151】上述した光学式ヘッド装置を用いた本発明
の光学式記録・再生装置は、正確なフォーカス制御が可
能で、迅速な応答性を示し、高い信頼性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の光学式ヘッド装置の第1実施の
形態としての光磁気ヘッド装置および光磁気(MO)デ
ィスクの断面構成図である。
【図2】図2は図1に図解した光磁気ヘッド装置に搭載
された光学部の1例を示す拡大図である。
【図3】図3は図1に図解した光学式ヘッド装置におけ
る光学系の構成を示す概念図である。
【図4】図4は図1に図解した液晶パネルを用いて波面
収差を補正する前と補正後との波面収差の相違を示すグ
ラフである。
【図5】図5(A)は液晶パネルの基本構成図であり、
図5(B)は図5(A)に図解した液晶パネルに電圧を
印加したとの屈折率の変化を示すグラフである。
【図6】図6(A)は図1に図解した液晶パネルの概略
構成図であり、図6(B)は図6(A)に図解した液晶
パネルの屈折率の変化方法を例示したグラフであり、図
6(C)は波面収差量を示すグラフであり、図6(D)
は図6(A)に図解した液晶パネルを図6(B)に例示
したように屈折率を変化させたときの波面収差の補正結
果を示すグラフである。
【図7】図7は図1に図解した光磁気ヘッド装置を駆動
制御する第1実施の形態の制御装置の構成図である。
【図8】図8は本発明の光学式ヘッド装置の第2実施の
形態としての光磁気ヘッド装置および光磁気(MO)デ
ィスクの断面構成図である。
【図9】図9は図8に図解した光磁気ヘッド装置を駆動
制御する第2実施の形態の制御装置の構成図である。
【図10】図10は本発明の光学式ヘッド装置の第2実
施の形態の変形態様としての光磁気ヘッド装置の断面構
成図である。
【図11】図11は図10に図解した実施の形態のより
特定的な例示として、電磁アクチュエータと、光学部
と、磁界変調コイルと、対物レンズとの位置関係を拡大
して図解した図である。
【図12】図12は本発明の光学式ヘッド装置の第3実
施の形態としての光磁気ヘッド装置および光磁気(M
O)ディスクの断面構成図である。
【図13】図13は図12に図解した光磁気ヘッド装置
を駆動制御する第3実施の形態の制御装置の構成図であ
る。
【図14】図14は本発明の光学式ヘッド装置の第3実
施の形態の変形態様としての光磁気ヘッド装置の断面構
成図である。
【図15】図15は本発明の光学式ヘッド装置の第4実
施の形態としての光磁気ヘッド装置の断面構成図であ
る。
【図16】図16は本発明の光学式ヘッド装置の第5実
施の形態としての光磁気ヘッド装置の断面構成図であ
る。
【図17】図17は本発明の光学式記録・再生装置の第
6実施の形態として、光学式回転記録媒体を多層化し、
複数の光学式回転記録媒体へのデータの書き込み、読み
込みを同時的に行う光学式記録・再生装置の部分斜視図
である。
【図18】図18は第1の従来例としての光磁気記録・
再生装置の構成図である。
【図19】図19は第2の従来技術としての光磁気ヘッ
ドの構成図である。
【図20】図20は第3の従来技術としての光磁気ヘッ
ドの構成図である。
【符号の説明】
1,1A〜1F・・光磁気ヘッド装置 11,11A・・アーム 11a・・肉厚部 11b・・肉薄部 12・・サスペンション(吊下部材) 13・・スライダ 14・・磁界変調コイル 15・・対物レンズ 16・・ピエゾ素子 17・・光学部 17A・・フォトデテクタ(PD)IC 171・・マイクロプリズム 172・・レーザダイオード(LD) 173・・フォトデテクタ 17B・・光学ユニット(パッケージ) 18・・軸 19・・ボイスコイルモータ 20・・45度ミラー 21・・液晶パネル 25・・電磁アクチュエータ 3・・光磁気(MO)ディスク 4・・制御装置 41・・マグネット駆動部 42・・レーザ駆動部 43・・検出信号処理部 44・・トラッキングサーボコントローラ 45・・光路長調整部 46・・復調前処理部 47・・復調部 48・・システムコントローラ 49・・変調部 50・・メモリコントローラ 51・・RAM 52,52・・インタフェース 61・・液晶制御部 62・・液晶駆動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/105 566 G11B 11/105 566B Fターム(参考) 5D075 CC04 CD01 CD10 CE03 CE04 5D118 AA06 AA15 AA16 BA01 BB05 BB06 CA05 CA11 CA13 CD02 CD03 CD06 DC03 DC16 DC20 EA01 EA08 EA11 5D119 AA17 AA36 AA38 BA01 BB03 BB05 CA06 EC01 EC14 JA09 JA43 JA53 JB03 JC04 MA06

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学式回転記録媒体へのデータの書き込
    み、および/または、読み出しを光学的に行う光学式ヘ
    ッド装置であって、 回転自在に軸支されたアームと、 一端が上記アームの下面に固定された、弾性のあるサス
    ペンションと、 一端が上記サスペンションの自由端に固定されて前記ア
    ームから離れ、前記光学式回転記録媒体の回転に伴う気
    圧に応じて前記光学式回転記録媒体の面から所定の距離
    だけ浮上するスライダと、 上記光学式回転記録媒体に対向するように、上記スライ
    ダに搭載された対物レンズと、 少なくとも、発光手段、ビームスプリッタ手段および受
    光手段を有する、上記アームに装着された光学部と、 上記光学部と上記対物レンズとの間に設けられた波面収
    差補正手段とを具備する、光学式ヘッド装置。
  2. 【請求項2】上記波面収差手段は、屈折率が変化する光
    学的装置を有する、 請求項1記載の光学式ヘッド装置。
  3. 【請求項3】上記屈折率が変化する光学的装置は、印加
    電圧に応じて屈折率が変化する液晶パネルを有する、 請求項2記載の光学式ヘッド装置。
  4. 【請求項4】上記波面収差補正手段は、それぞれ上記光
    学部に搭載された、 液晶制御手段と、 上記液晶パネルに駆動電圧を印加する液晶駆動手段とを
    さらに有し、 上記液晶制御手段は、上記光学部の受光手段で検出した
    信号から算出したサーボ信号に基づいて波面収差を補正
    する信号を算出して上記液晶駆動手段に送出する、 請求項3記載の光学式ヘッド装置。
  5. 【請求項5】上記液晶パネルは、同心円状に複数の環状
    領域に分割されて構成されており、各環状領域ごと印加
    する電圧に応じて屈折率を異ならせることができるよう
    に構成されている、 請求項3記載の光学式ヘッド装置。
  6. 【請求項6】上記波面収差補正手段は、それぞれ上記光
    学部に搭載された、 液晶制御手段と、 上記液晶パネルの各領域に独立して駆動電圧を印加する
    液晶駆動手段とをさらに有し、 上記液晶制御手段は、上記光学部の受光手段で検出した
    信号から算出したサーボ信号に基づいて上記液晶パネル
    の各領域ごとの波面収差を補正する信号を算出して上記
    液晶駆動手段に送出する、 請求項5記載の光学式ヘッド装置。
  7. 【請求項7】上記アームに装着され、当該光学式ヘッド
    装置の上記光学部から上記対物レンズまでの光路の光路
    長を実質的に調整する光路長調整アクチュエータをさら
    に有する、 請求項1記載の光学式ヘッド装置。
  8. 【請求項8】前記光学部は光軸が前記光学式回転記録媒
    体の面と直交する方向を指向するように前記アームに装
    着され、 前記光路長調整アクチュエータは、上記光学部を前記光
    学式回転記録媒体の面と直交する方向に移動させるよう
    に変位させるアクチュエータである、 請求項7記載の光学式ヘッド装置。
  9. 【請求項9】前記光学部は光軸が前記光学式回転記録媒
    体の面と平行する方向を指向するように前記アームに装
    着され、 上記光路長調整アクチュエータは上記光学部を前記光学
    式回転記録媒体の面と平行する方向に移動させるように
    変位させるアクチュエータである、 請求項7記載の光学式ヘッド装置。
  10. 【請求項10】上記アクチュエータはピエゾ素子である
    請求項8記載の光学式ヘッド装置。
  11. 【請求項11】上記アクチュエータは電磁アクチュエー
    タである請求項8記載の光学式ヘッド装置。
  12. 【請求項12】上記アクチュエータはピエゾ素子である
    請求項9記載の光学式ヘッド装置。
  13. 【請求項13】上記アクチュエータは電磁アクチュエー
    タである請求項9記載の光学式ヘッド装置。
  14. 【請求項14】前記光学式回転記録媒体は磁界印加状態
    または磁界変調状態においてデータの書き込みが行われ
    る方式の光学式回転記録媒体であり、 前記対物レンズおよび磁気印加手段または磁界変調手段
    が前記スライダに搭載されている、 請求項1記載の光学式ヘッド装置。
  15. 【請求項15】前記光学式回転記録媒体は無磁界状態で
    データの読み取りが行われる方式の光学式回転記録媒体
    であり、 前記スライダに前記対物レンズのみが搭載されている、 請求項1記載の光学式ヘッド装置。
  16. 【請求項16】光学式回転記録媒体と、 前記光学式回転記録媒体へのデータの書き込み、および
    /または、読み出しを光学的に行う光学式ヘッド装置
    と、 前記光学式ヘッド装置を駆動して前記光学式回転記録媒
    体へのデータの書き込み、および/または、データの読
    み出しを行う制御装置とを有する光学式記録・再生装置
    であって、 上記光学式ヘッド装置は、 回転自在に軸支されたアームと、 一端が上記アームの下面に固定された弾性のある吊下部
    材と、 一端が上記吊下部材の自由端に固定されて上記アームか
    ら垂下し、上記光学式回転記録媒体の回転に伴う気圧の
    変化に応じて上記光学式回転記録媒体の面から所定の距
    離が浮上するたスライダと、 上記スライダに搭載された対物レンズと、 少なくとも、発光手段、ビームスプリッタ手段および受
    光手段を有し、これらの光学手段の光軸が上記スライダ
    に搭載された上記対物レンズの光軸に一致するように、
    上記アームに装着された光学部と、 上記光学部と上記対物レンズとの間に設けられた波面収
    差補正手段とを具備し、 前記制御装置は、前記アーム駆動アクチュエータを駆動
    してトラック位置制御を行うトラッキングサーボ制御手
    段を有する光学式記録・再生装置。
  17. 【請求項17】上記波面収差手段は屈折率が変化する光
    学的装置を有する、 請求項16記載の光学式記録・再生装置。
  18. 【請求項18】上記屈折率が変化する光学的装置は印加
    電圧に応じて屈折率が変化する液晶パネルを有する、 請求項17記載の光学式記録・再生装置。
  19. 【請求項19】上記波面収差補正手段はそれぞれ上記光
    学部に搭載された、 液晶制御手段と、 上記液晶パネルに駆動電圧を印加する液晶駆動手段とを
    さらに有し、 上記液晶制御手段は上記光学部の受光手段で検出した信
    号から算出したサーボ信号に基づいて波面収差を補正す
    る信号を算出して上記液晶駆動手段に送出する、 請求項18記載の光学式記録・再生装置。
  20. 【請求項20】上記液晶パネルは同心円状に複数の環状
    領域に分割されて構成されており、各環状領域ごと印加
    する電圧に応じて屈折率を異ならせることができるよう
    に構成されている、 請求項18記載の光学式記録・再生装置。
  21. 【請求項21】上記波面収差補正手段はそれぞれ上記光
    学部に搭載された、 液晶制御手段と、 上記液晶パネルの各領域に独立して駆動電圧を印加する
    液晶駆動手段とをさらに有し、 上記液晶制御手段は上記光学部の受光手段で検出した信
    号から算出したサーボ信号に基づいて上記液晶パネルの
    各領域ごとの波面収差を補正する信号を算出して上記液
    晶駆動手段に送出する、 請求項20記載の光学式記録・再生装置。
  22. 【請求項22】上記光学式ヘッド装置は上記アームに装
    着され、当該光学式ヘッド装置の光路長を実質的に調整
    する光路長調整アクチュエータをさらに有し、 上記制御装置は前記光路長調整アクチュエータを駆動し
    て前記光学式ヘッド装置における光学系の光路長を調整
    する光路長調整手段とさらにを有する、 請求項16記載の光学式記録・再生装置。
  23. 【請求項23】前記光学部は光軸が前記光学式回転記録
    媒体の面と直交する方向を指向するように前記アームに
    装着され、 前記光路長調整アクチュエータは上記光学部を前記光学
    式回転記録媒体の面と直交する方向に移動させるように
    変位させるアクチュエータである、 請求項22記載の光学式記録・再生装置。
  24. 【請求項24】前記光学部は光軸が前記光学式回転記録
    媒体の面と平行する方向を指向するように前記アームに
    装着され、 上記光路長調整アクチュエータは上記光学部を前記光学
    式回転記録媒体の面と平行する方向に移動させるように
    変位させるアクチュエータである、 請求項22記載の光学式記録・再生装置。
  25. 【請求項25】上記アクチュエータはピエゾ素子である
    請求項23記載の光学式記録・再生装置。
  26. 【請求項26】上記アクチュエータは電磁アクチュエー
    タである請求項23記載の光学式記録・再生装置。
  27. 【請求項27】上記アクチュエータはピエゾ素子である
    請求項24記載の光学式記録・再生装置。
  28. 【請求項28】上記アクチュエータは電磁アクチュエー
    タである請求項24記載の光学式記録・再生装置。
  29. 【請求項29】前記光学式回転記録媒体は磁界印加状態
    または磁界変調状態においてデータの書き込みが行われ
    る方式の光学式回転記録媒体であり、 前記対物レンズおよび磁気印加手段または磁界変調手段
    が前記スライダに搭載されている、 請求項16記載の光学式記録・再生装置。
  30. 【請求項30】前記光学式回転記録媒体は無磁界状態で
    データの読み取りが行われる方式の光学式回転記録媒体
    であり、 前記スライダに前記対物レンズのみが搭載されている、 請求項16記載の光学式記録・再生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7027248B2 (en) * 2002-08-09 2006-04-11 Hitachi, Ltd. Magnetic disk apparatus having an adjustable mechanism to compensate write or heat element for off-tracking position with yaw angle

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7027248B2 (en) * 2002-08-09 2006-04-11 Hitachi, Ltd. Magnetic disk apparatus having an adjustable mechanism to compensate write or heat element for off-tracking position with yaw angle
US7545595B2 (en) 2002-08-09 2009-06-09 Hitachi Global Storage Technologies Japan, Ltd. Magnetic disk apparatus having an adjustable mechanism to compensate write or heat element for off-tracking position with yaw angle

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