JP2002206123A - 亜鉛酸化物含有廃棄物の処理方法 - Google Patents

亜鉛酸化物含有廃棄物の処理方法

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JP2002206123A JP2000402238A JP2000402238A JP2002206123A JP 2002206123 A JP2002206123 A JP 2002206123A JP 2000402238 A JP2000402238 A JP 2000402238A JP 2000402238 A JP2000402238 A JP 2000402238A JP 2002206123 A JP2002206123 A JP 2002206123A
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oxide
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Toshikatsu Hara
敏勝 原
Takeshi Seki
猛 関
Hirohiko Sasamoto
博彦 笹本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で処理でき、且つ亜鉛回収率の高い亜
鉛酸化物含有廃棄物の処理方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも亜鉛を酸化物の状態で含有す
る廃棄物(製鋼ダスト等)及び粒子径が200μm以下
の還元剤を混合する混合工程と、この混合物を中心から
表面までの最短距離が25mm以下となるように造粒品
を製造する造粒工程と、この造粒品を真空下(12To
rr以下)で加熱(600〜1100℃)し、亜鉛酸化
物を還元させるとともに亜鉛を蒸発させて回収する亜鉛
回収工程と、を備える。還元剤として鉄系還元剤(銑
鉄、酸化鉄等)の粉末が好ましい。造粒品は還元反応を
効率よく進めるために廃棄物及び還元剤を予め混粉した
後、球状、楕円状、円柱状等に成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛酸化物含有廃
棄物の処理方法に関し、更に詳しくは、短時間で処理で
き、且つ亜鉛回収率の高い亜鉛酸化物含有廃棄物の処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より少なくとも亜鉛を酸化物の状態
で含有する廃棄物の処理は、ロータリーキルン方式によ
りバーナーで1200℃以上で加熱し、亜鉛を廃棄物中
から除去又は回収する方法があった。しかし、この方法
では極めて高い温度に加熱する必要があり、エネルギー
コストがかかり、また、亜鉛が回収時に再酸化され、再
利用しにくいという問題がある。また、廃棄物及び還元
剤を混合し、粉体状態で真空加熱することによって亜鉛
を除去又は回収する方法もあるが、この方法では、粉体
状態の廃棄物全体への熱伝導が悪いために還元反応が進
行せず、亜鉛回収率が上がらないという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、短時間で処理でき、且つ亜
鉛回収率の高い亜鉛酸化物含有廃棄物の処理方法を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、亜鉛回収
率の高い亜鉛酸化物含有廃棄物の処理方法について検討
した結果、本発明を完成するに至った。請求項1記載の
発明の亜鉛酸化物含有廃棄物の処理方法は、少なくとも
亜鉛を酸化物の状態で含有する廃棄物及び粒子径が20
0μm以下の還元剤を混合する混合工程と、この混合物
を中心から表面までの最短距離が25mm以下となるよ
うに造粒品を製造する造粒工程と、該造粒品を真空下で
加熱し、亜鉛酸化物を還元させるとともに亜鉛を蒸発さ
せて回収する亜鉛回収工程と、を備えることを特徴とす
る。
【0005】上記「廃棄物」としては、少なくとも亜鉛
を酸化物の状態で含有するものであれば特に限定され
ず、例えば製鋼ダスト等が挙げられる。その形状は特に
限定されないが、造粒品を成形するためには、粉末状の
ものが好ましく用いられる。上記「還元剤」としては、
少なくとも亜鉛酸化物を還元して亜鉛とすることができ
るものであれば特に限定されないが、例えば、切削屑や
研磨屑中の鉄、銑鉄、鋼、酸化鉄(FeO等)等の鉄系
還元剤、タイヤ屑粉等のカーボンを含む還元剤等を用い
ることができる。これらのうち、請求項2に示すように
鉄系還元剤が好ましく用いられる。
【0006】上記還元剤は上記廃棄物と造粒品を成形す
ることができれば、その形状は特に限定されないが、粉
末状、粒状、小片等のものを用いることができる。これ
らのうち、廃棄物に含まれる亜鉛酸化物の還元効率を考
慮して、接触率の高い粉末状のものが好ましく用いられ
る。また、その大きさは、粒子径が200μm以下であ
り、より好ましくは190μm以下、更に好ましくは1
80μm以下のものを用いることができる。
【0007】上記鉄系還元剤を用いた場合に起こる還元
反応は次の通りである。 ZnO + Fe → Zn + FeO ZnO + 3FeO → Zn + Fe34 これらの反応は真空中においても進行する。そして、生
成した亜鉛は600℃以上、通常10Torrより高真
空の条件で蒸発するため、金属状態で回収することがで
きる。
【0008】上記「造粒品」は、上記廃棄物及び上記還
元剤を含むものであるが、還元反応を効率的に進行させ
るため、あるいは細かいダストや上記還元剤が真空ポン
プやシール部へ入り込まないようにするために、予めこ
れらを混粉した後に造粒品とすることが好ましい。ま
た、これらの配合比は、上記廃棄物を100重量部とし
た場合、上記還元剤が好ましくは100重量部以下、よ
り好ましくは90重量部以下重量部、更に好ましくは8
0重量部以下である。尚、下限は通常30重量部であ
る。100重量部を超えると廃棄物の処理効率が低下
し、一方、30重量部未満では亜鉛酸化物の還元が不完
全となり好ましくない。
【0009】上記造粒品は、通常、上記廃棄物及び上記
還元剤にバインダーを混ぜて成形される。バインダーと
しては、特に限定されないが、例えば、アルミナセメン
ト、水ガラス、デンプン、ベントナイト、フェノール樹
脂、フラン樹脂、等が挙げられる。これらのうち、処理
中に揮発しても煙や臭気等が問題にならないアルミナセ
メント、デンプン、ベントナイトが好ましく用いられ
る。上記バインダーの使用量は、上記廃棄物を100重
量部とした場合、好ましく3〜20重量部、より好まし
くは3〜15重量部、更に好ましくは3〜12重量部で
ある。3重量部未満では、バインダーが少なすぎて成形
が難しく、20重量部を超えると、造粒品の強度が低く
なりすぎて好ましくない。
【0010】上記造粒品の形状は特に限定されず、球
状、楕円球状、半球状、立方体、直方体、円柱状、ブリ
ケット状等いずれでもよい。また、密に成形されていな
くてもよい。還元反応を進行させるために、上記造粒品
を構成する上記廃棄物及び上記還元剤が下記還元温度に
保たれる必要があり、加熱が始まってから還元温度に達
するまでの熱伝導を考慮し、上記造粒品の中心から表面
までの最短距離を25mm以下、より好ましくは10m
m以下、更に好ましくは8mm以下とすることができ
る。但し、通常、下限は3mmである。3mm未満とし
ても効果はあるものの、その度合いは小さい。25mm
を超えると造粒品の内部が還元温度に達しないため好ま
しくない。尚、上記造粒品の例として、球状の場合、直
径の最大が50mmの球状の造粒品を用いることがで
き、立方体の場合、1辺の長さの最大が50mmの立方
体の造粒品を用いることができる。造粒品の熱伝導は、
造粒品が密になっているよりはある程度の空隙を有して
いるほうが、輻射熱による効果が発揮されてよくなる。
【0011】上記「真空度」は、亜鉛酸化物が還元され
て亜鉛となり、更に蒸発することができれば特に限定さ
れないが、本発明の処理方法において、上記還元反応を
効率よく進めるために、加熱の際の圧力(真空度)を1
2Torr以下とすることができ、より効率を上げるた
めに、これより高真空としてもよい。12Torrを超
えると還元反応が進みにくくなり好ましくない。また、
還元温度は600〜1100℃、より好ましくは800
〜950℃、更に好ましくは850〜950℃とするこ
とができる。600℃未満では還元反応が進みにくくな
り、一方、1100℃を超えると高価な処理炉を必要と
し、いずれも好ましくない。尚、鉄系還元剤を用いる場
合は、還元温度を好ましくは800℃以上、より好まし
くは850℃以上、圧力を好ましくは10Torr以下
で処理するのがよい。
【0012】上記還元温度における加熱時間は上記造粒
品がほぼ均一な温度に加熱され、且つ亜鉛がほぼ完全に
蒸発されればよく、特に限定されない。好ましくは5分
以上、より好ましくは30分以上、更に好ましくは60
分以上とすることができる。但し、通常、上限は120
分である。更に、上記還元温度と加熱時間の好ましい組
み合わせは、800℃では好ましくは60分以上、より
好ましくは90分以上、更に好ましくは120分以上、
850℃では好ましくは60〜90分、より好ましくは
90〜120分、更に好ましくは120分以上、900
℃では好ましくは5〜30分、より好ましくは30〜6
0分、更に好ましくは60〜90分、950℃では好ま
しくは5〜30分、より好ましくは30〜60分、更に
好ましくは60〜90分である。尚、加熱方法は特に限
定されず、上記のように所定の温度で一定時間行っても
よいし、所定の還元温度より低い温度で予備加熱してか
ら昇温させて行ってもよい。
【0013】上記亜鉛酸化物含有廃棄物の処理は、通
常、熱処理炉を用いて行われる。この熱処理炉は、少な
くともヒーターを備え、投入される上記造粒品を均一に
加熱できるものであれば、特に限定されない。この熱処
理炉の例としては、真空式ロータリーハース型加熱炉等
が挙げられる。上記廃棄物の処理の際には、熱処理炉に
上記造粒品を投入して行われるが、熱伝導を考慮し、上
記造粒品の積み高さは80mm以下、より好ましくは5
0mm以下、更に好ましくは30mm以下とすることが
できる。本発明の亜鉛酸化物含有廃棄物の処理方法によ
れば、一回の操業で、毎時1トンの廃棄物を処理する場
合、含有亜鉛の回収率を65%以上、より好ましくは7
0%以上、更に好ましくは75%以上とすることができ
る。
【0014】本発明の処理方法により回収された亜鉛
は、通常、ほぼ真空とされた回収器の中で溶融され、そ
の後固化されてインゴットにされる。インゴットにする
と、その後の回収金属の利用に便利であるからである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 試験例 [1]鉄系還元剤の平均粒子径と亜鉛回収率との関係に
ついての試験 平均粒子径の異なる鉄系還元剤を用いて造粒品を作製し
た場合の亜鉛回収率を調べるため、廃棄物として表1に
示す組成を有し、粒子径が5〜15μmの製鋼ダストを
用いた。この製鋼ダストと、表2に示す組成を有し、平
均粒子径50,100,180,300,420及び5
00μmの銑鉄粉末(T−60)とを重量比2:1で混
合した。この混合粉から1gをサンプリングし、耐熱石
英管にボードを用いて挿入後、耐熱石英管に真空ポンプ
をつないで内圧を10Torrとした後、耐熱石英管を
800℃に加熱した石英管加熱炉(内径20mmφ、長
さ350mm)に投入し、30分保持して、還元処理
し、回収した亜鉛重量を測定し、その回収率を測定し
た。尚、この場合は、積み高さは低いので熱伝導の影響
は少ない。尚、表2において、「T−Fe」は酸化鉄の
鉄を含む全Fe量を示し、「M−Fe」は金属状態のF
e量を示す。また、鉄系還元剤として、FeO粉末試薬
を用い、廃棄物と重量比1:1で混合した混合粉末から
得た造粒品1gについても同様の測定を行った。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】[2]加熱時の廃棄物への熱伝導を調べる
ための試験 上記製鋼ダストと上記銑鉄粉末を重量比2:1で混合し
た粉末全重量に対し、5%重量のアルミナセメントをバ
インダーとして添加し、十分に混合した後、直径3〜5
mmφ、長さ40mm及び直径5〜10mmφ、長さ4
0mmの円柱状造粒品をそれぞれ3kg作製した。初め
に、直径3〜5mmφ、長さ40mmの造粒品を、図2
に示すマッフル炉に投入し、積み高さを70mmとし
て、真空ポンプを用いて内圧を10Torrとした後、
昇温速度10℃/分で炉温を850℃まで昇温した。マ
ッフル炉に投入された造粒品の中に表面から深さ10m
mの位置(図2の3a)及び底から10mm上の位置
(図2の3b)に熱電対をセットし、加熱を始めてから
の熱応答を測定した。得られた結果から昇温曲線を作成
し、図3に示した。尚、図3において、凡例の「3−5
mm上部」は図2の3aに位置する直径3〜5mmφの
造粒品を意味する。直径5〜10mmφの造粒品も同じ
ようにして、昇温曲線を作成し図3に示した。次に、上
記製鋼ダストと上記銑鉄粉末を重量比2:1で混合し、
このままマッフル炉に投入し、積み高さ70mmとし
て、上記と同様に加熱し、昇温曲線を作成し、図3に示
した。
【0019】実施例1 上記製鋼ダストと、表2に示す組成を有し、平均粒子径
180μmの銑鉄粉末とを重量比2:1で混合し、混合
粉末全量に対し、5%重量のアルミナセメントをバイン
ダーとして添加し、直径5〜10mmφの球状造粒品を
1kg作製した。この造粒品を積み高さが70mmとな
るように、上記マッフル炉に投入し、真空ポンプを用い
て内圧を10Torrとした後、800℃で1時間保持
した後、更に950℃まで上げて1時間保持して還元処
理し、回収した亜鉛重量を測定し、その回収率を測定し
た。この結果を図4及び表3に示した。また、上記と同
様にして温度を850℃まで上げて1時間保持したとき
の亜鉛回収率も測定し、図4に示した。
【0020】
【表3】
【0021】実施例2 造粒品の直径を3〜5mmφとした以外は、実施例1と
同様にして亜鉛の回収率を測定した。その結果を図4及
び表3に示した。 実施例3 造粒品を直径1〜3mmの球状とした以外は、実施例1
と同様にして亜鉛の回収率を測定した。その結果を図4
及び表3に示した。
【0022】比較例1 銑鉄粉末の平均粒子径を300μmとした以外は、実施
例1と同様にして亜鉛の回収率を測定した。その結果を
図4及び表3に示した。 比較例2 銑鉄粉末の平均粒子径を300μmとし、造粒品の直径
を3〜5mmφとした以外は、実施例1と同様にして亜
鉛の回収率を測定した。その結果を図4及び表3に示し
た。
【0023】比較例3 銑鉄粉末の平均粒子径を300μmとし、造粒品の直径
を1〜3mmφとした以外は、実施例1と同様にして亜
鉛の回収率を測定した。その結果を図4及び表3に示し
た。 比較例4 廃棄物と平均粒子径300μmの銑鉄粉末を単に混合
し、そのまま処理した以外は実施例1と同様にして亜鉛
の回収率を測定した。その結果を図4及び表3に示し
た。
【0024】比較例5 銑鉄粉末の平均粒子径を180μm、造粒品の直径を5
2mmφ、積み高さを70mmとした以外は、実施例1
と同様にして亜鉛の回収率を測定した。その結果を図4
及び表3に示した。 比較例6 銑鉄粉末の平均粒子径を300μm、造粒品の直径を5
2mmφ、積み高さを70mmとした以外は、実施例1
と同様にして亜鉛の回収率を測定した。その結果を図4
及び表3に示した。
【0025】実施例の効果 図1より、還元剤の平均粒子径が小さいほど亜鉛の回収
率が高いことが分かる。銑鉄の場合、平均粒子径が40
0μmのものでは亜鉛の回収率が60%程度であるのに
対し、平均粒子径が100μmのものでは回収率が87
%と高くなった。FeO系還元剤の場合、平均粒子径が
500μmのものでは回収率が40%であるのに対し、
平均粒子径が95μmのものでは回収率が83%と高く
なった。また、図3より、廃棄物と還元剤を粉体のまま
混合したものを処理するよりは3〜5mmφあるいは5
〜10mmφの円柱状造粒品として処理するほうが、よ
り短時間で目的の還元温度に達することが分かる。即
ち、試料を850℃まで上げようとした場合、粉体を加
熱すると100分で700℃に達した後、それ以降、1
時間経過しても850℃には達しないが、造粒品を加熱
すると40分以内に700℃に達し、90分で850℃
に達した。図4から明らかなように、還元温度が850
℃と950℃とでは、950℃のほうが還元反応が効率
よく進行し、亜鉛の回収率も高かった。表3より、比較
例1〜3では、造粒品に含まれる還元剤である銑鉄粉末
の平均粒子径が300μmと大きいために廃棄物と還元
剤の接触率が小さくなり、還元反応が進行しにくくな
り、亜鉛の回収率が上がらなかった。比較例4は、廃棄
物と還元剤の混合粉末を処理したものであるが、真空加
熱還元炉内に密な状態で置かれたために、輻射熱による
熱伝導が期待できない等により自らが断熱的性質を有
し、熱伝導が悪く、温度上昇が著しく遅くなり、還元反
応が進行せず、亜鉛の回収率が上がらなかった。また、
比較例5及び6は、造粒品の大きさが52mmφと大き
いものであるが、加熱しても表面部のみしか設定温度に
達せず、造粒品の中心部まで熱が伝わらなかったため、
亜鉛の回収率が上がらなかった。一方、実施例1〜3で
は、造粒品に含まれる還元剤の平均粒子径が180μm
と小さいために廃棄物と還元剤の接触率が大きく、また
造粒品全体への熱伝導も良好であったために亜鉛の回収
率が高かった。特に造粒品が5〜10mmφの大きさの
場合は、隣り合う造粒品の間にわずかな空隙ができ、輻
射熱の効果によって高い回収率を得た。
【0026】尚、本発明においては、上記実施例に限定
されるものではなく、目的、用途に応じて本発明の範囲
内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、
上記製鋼ダストの代わりに溶解スラグ、あるいは亜鉛以
外の重金属を含んだ産業廃棄物や一般廃棄物、セメント
原料等の処理にも適用することができる。また、1回の
操業で用いられる造粒品は大きさ及び形状が一定でなく
てもよく、これらが本発明の範囲内にあれば、大きさ及
び形状はどんな組み合わせであってもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明の亜鉛酸化物含有廃棄物の処理方
法によれば、廃棄物を還元剤とともに造粒品の状態で処
理するので、還元反応が起こる温度に達する時間を短く
でき、操業時間を短縮することができる。また、廃棄物
を還元剤とともに混粉することによりこれらの接触率が
上がり、還元反応が効率的に進行する。更に、真空加熱
による還元を行うことから、蒸発した亜鉛が再酸化する
ことなく金属状態で回収することができ、これを再利用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】還元剤の平均粒子径と亜鉛回収率の関係を示す
グラフである。
【図2】マッフル炉を用いて処理したときの造粒品と熱
電対の位置を示す説明断面図である。
【図3】廃棄物の処理時間と温度の昇温の関係を示すグ
ラフである。
【図4】廃棄物の還元温度と亜鉛回収率の関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1;マッフル炉、2;造粒品、3;熱電対、3a;上部
熱電対、3b;下部熱電対、4;ヒーター、4a;上部
ヒーター、4b;下部ヒーター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 7/02 C22B 9/02 7/04 B09B 3/00 304G 9/02 5/00 ZABN (72)発明者 笹本 博彦 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA36 AA43 AC05 BA05 CA14 CA22 CA37 CB04 CB31 CC11 DA03 DA06 DA20 4K001 AA30 BA12 BA13 BA14 CA25 CA28 DA06 EA02 HA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも亜鉛を酸化物の状態で含有す
    る廃棄物及び粒子径が200μm以下の還元剤を混合す
    る混合工程と、この混合物を中心から表面までの最短距
    離が25mm以下となるように造粒品を製造する造粒工
    程と、該造粒品を真空下で加熱し、亜鉛酸化物を還元さ
    せるとともに亜鉛を蒸発させて回収する亜鉛回収工程
    と、を備えることを特徴とする亜鉛酸化物含有廃棄物の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 上記還元剤が鉄系還元剤である請求項1
    記載の亜鉛酸化物含有廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 上記亜鉛回収工程における加熱の際の真
    空度が12Torr以下であり、且つ還元温度が600
    〜1100℃である請求項1又は2に記載の亜鉛酸化物
    含有廃棄物の処理方法。
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