JP2002202406A - 位相差フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

位相差フィルムおよびその製造方法

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JP2002202406A
JP2002202406A JP2000400353A JP2000400353A JP2002202406A JP 2002202406 A JP2002202406 A JP 2002202406A JP 2000400353 A JP2000400353 A JP 2000400353A JP 2000400353 A JP2000400353 A JP 2000400353A JP 2002202406 A JP2002202406 A JP 2002202406A
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retardation film
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Takeya Sakai
丈也 酒井
Masao Uetsuki
正雄 植月
Yoshihiro Kawatsuki
喜弘 川月
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Hayashi Telempu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非偏光性の紫外線の照射による位相差フィル
ム、およびその製造方法の実現。 【構成】感光性の重合体と低分子化合物の混合体を塗布
(スピンコートないしキャスト)しフィルム化する。こ
のフィルム中で感光性の重合体の側鎖と低分子化合物は
配向していないが、非偏光性の紫外線を照射すると、特
定方向の光反応が抑制されると共に、照射後の加熱によ
ってフィルム全体に亘って配向し複屈折を発現する。更
に、紫外線の照射方向により光軸の傾きを自由に設定で
きるので、液晶表示装置の視野角を拡大する位相差フィ
ルムとして役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】感光性の重合体と低分子化合
物の混合体の膜(フィルム)に非偏光性の紫外線を照射
することによって、光軸を傾斜させて分子を配向させた
位相差フィルムおよびその製造方法に関するものであ
る。(特に、光軸がフィルム面に対し傾いた位相差フィ
ルムは液晶表示装置において視野角拡大に有効であ
る。)
【0002】
【従来の技術】位相差フィルムは、互いに垂直な主軸方
向に振動する直線偏光成分を透過させ、この二成分間に
必要な位相差を与える複屈折を有するフィルムである。
このような位相差フィルムは液晶表示分野にも活用され
てきており、特に光軸の傾いた位相差フィルムは光学補
償フィルムとして液晶表示装置の視野角拡大に役立つ。
このような位相差フィルムを製造する従来技術が幾つか
報告されている。その一つとして、ポリカーボネートな
どの高分子材料を延伸し、高分子鎖を配向させ、延伸方
向の屈折率と、延伸方向に対し直交方向の屈折率に差異
を生じさせる方法であるが、分子が延伸方向に配向する
ため光軸を傾斜させることは実質的に不可能である。上
記課題にかんがみ、光軸の傾いた位相差フィルムの製造
法として延伸フィルムやラビング、光照射により配向処
理した基材上で液晶性化合物を配列させる方法が提案ま
たは実用化されつつある。例えば、特開平7−2871
19号、特開平7−287120号公報では、ラビング
配向膜、SiO斜方蒸着配向膜上にディスコティック液晶
を配列させる方法が記載されている。また、同様な方法
として、特開平10−278123号公報では光配向膜
上に光重合開始剤を含有したディスコティック液晶を配
向させ光照射によりこの配向を固定する方法が記載され
ている。上記のような配向膜を用いる方法では、配向膜
の配向処理、液晶材料の配向など工程が煩雑になるなど
の問題がある。更に、光軸の傾いた位相差フィルムを製
造する他の方法として、無機誘電体を斜方蒸着する方法
が提案されているが、長尺状シート上に連続して蒸着膜
を形成するには、装置が大掛かりになったり、工程が煩
雑になるなどの問題がある。光照射により位相差を発現
させる方法として、特開平7−138308号にポリビ
ニルシンナメートなどの感光性重合体に直線偏光性の(U
V)光を照射する方法が記載されているが、該方法では照
射した偏光UV光の電界振動と垂直方向に異方性が発現す
るため光軸を傾けることができないため、視野角を拡大
し難い。また、本発明者も特開平10−278123号
公報では感光性を有する側鎖型液晶性高分子への直線偏
光性の紫外線照射により、光軸の傾いた位相差フィルム
を製造する方法を提案した。しかし、光照射によって位
相差を発現させる方法では、非偏光性の紫外線を直線偏
光性に変換して照射する必要がある。このような偏光変
換に用いられる一般的な2色性偏光子としては、PVA
(ポリビニルアルコール)を一軸延伸したシートにヨー
ドを含浸させたものをTAC(トリアセチルセルロース)
で挟んだものがある。しかし、このようにヨードを含浸
させた2色性偏光子では、紫外域の光の透過率や耐熱性
が低いため液晶光配向技術としては使用には耐えない。
このような理由から、紫外域の光を偏光させるには複屈
折型プリズムが用いられているが、複屈折型プリズムで
は方解石の自然結晶をプリズムとして用いるため、LCD
に用いるような基板全面を照射できるような大型プリズ
ムはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高分子フィルムの延伸
配向によって作製された位相差フィルムでは、分子が延
伸方向に配向するため光軸を傾斜させることが著しく困
難である。一方、配向処理した基材上で液晶性化合物を
配列させる方法や無機誘電体を斜方蒸着する方法は、光
軸を傾斜させた位相差フィルムを作製することは可能で
あるが、工程が煩雑となるため低コストで大面積の光軸
を傾斜させた位相差フィルムを得ることは容易ではな
い。また、直線偏光性の紫外線照射により位相差フィル
ムを製造する方法では偏光素子を介して照射光を直線偏
光とする必要があるが、大面積を照射する場合の実用的
な偏光素子を作製するのは困難である。
【0004】
【課題を解決する手段】本発明では、感光性の重合体と
低分子化合物の混合体の膜(フィルム)に非偏光性の紫
外線を照射することによって、光軸を傾斜させて位相差
を発現させた位相差フィルムに関する。本発明の位相差
フィルムの製造方法(による位相差フィルム)では、感
光性の重合体と低分子化合物の混合体を製膜し、該膜面
に対し特定の傾斜角をもって非偏光性の紫外線を照射す
ることによって、膜中の分子を照射した該非偏光性の紫
外線の傾斜角方向に傾けて配向させ、光軸を所望の方向
に設定した位相差フィルムを提供できる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を説明す
る。前述の感光性の重合体の例としては、液晶性高分子
のメソゲン成分として多用されているビフェニル、ター
フェニル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの
置換基と、シンナモイル基、カルコン基、シンナミリデ
ン基、β−(2−フリル)アクリロイル基(または、そ
れらの誘導体)などの感光性基を結合した構造を含む側
鎖を有し、炭化水素、アクリレート、メタクリレート、
マレイミド、N−フェニルマレイミド、シロキサンなど
の構造を主鎖に有する高分子が挙げられる。該重合体は
同一の繰り返し単位からなる単一重合体または構造の異
なる側鎖を有する単位の共重合体でもよく、あるいは感
光性基を含まない側鎖を有する単位を共重合させること
も可能である。また、混合する低分子化合物も、メソゲ
ン成分として多用されているビフェニル、ターフェニ
ル、フェニルベンゾエート、アゾベンゼンなどの置換基
を有する結晶性または、液晶性を有する化合物が挙げら
れる。混合する低分子化合物は、単一の化合物のみとは
限らず複数種の化合物を混合することも可能である。更
には、液晶性を損なわない程度に配向性を向上させるた
めの配向助剤や耐熱性を向上させるための架橋剤を添加
することや、液晶性を損なうことなく液晶性を示さない
単量体を感光性の重合体に共重合してもかまわない。但
し、感光性の重合体と低分子化合物は、上記に限定され
るものではない。
【0006】例を挙げて本発明を詳しく説明する。感光
性の重合体と低分子化合物の混合体を塗布(スピンコー
トないしキャスト)し製膜する。該膜は、製膜時には等
方性であり、感光性の重合体の側鎖部および低分子化合
物は特定方向を向いていない。この状態を、図2に基づ
いて説明する。図2は、製膜後の膜を模式的に表したも
のである。膜(20)中では、長楕円で示される感光基
を有する側鎖(2a、2b)および円柱で示される低分
子化合物(2c)が無秩序に存在(共存)している。該
膜に非偏光性の紫外線疑似平行光束(L)を照射する
と、照射紫外線の進行方向と垂直方向に向いた側鎖(2
a)は、平行方向を向いた側鎖(2b)より感光しやす
いため、選択的に光反応が進む。これは、ベンゼン環な
どを含有する感光性部分の共役系が側鎖の長軸方向に延
びているためであり、このような側鎖を光のような放射
場に置いたとき、光の電界振動方向が側鎖の長軸方向と
一致する場合に相互作用が極大となり、光の進行方向と
側鎖の長軸方向が一致した場合には相互作用が極小とな
ることによる。このことから、非偏光性の紫外線の照射
により、特定方向の光反応を抑制した膜とすることがで
きる。この光反応を進めるには、感光性基の部分が反応
し得る波長の光の照射を要する。この波長は、感光性基
の種類によっても異なるが、一般に200-500nmであり、
中でも250-400nmの有効性が高い場合が多い。
【0007】図3は、図2の膜に非偏光の紫外線を照射
した後の配向が促進された膜の模式図を示す。図3に示
すように、膜(30)中の光反応を起こさなかった側鎖
(3d)または低分子化合物(3c)は、非偏光性の紫
外線の照射後の分子運動により、特定方向の光反応が抑
制されたことにより膜中に発現した異方性の影響を受け
配向する(側鎖(3a)は非偏光照射により感光し反応
した側鎖、側鎖(3b)は照射紫外線の進行方向と平行
方向を向いていたため反応しなかった側鎖をそれぞれ表
している。)。その結果、膜全体において、非偏光性の
紫外線の進行方向に傾けて配向させることができ、複屈
折が誘起される。この照射を膜面に対して斜め方向から
行なうと、光軸を任意に傾斜させて配向させることがで
きるので、光軸を所望の方向に設定した位相差フィルム
を提供できる。光軸の傾斜の測定には、Japan J
ournal Applied Physics,Vo
l.19,2013(1980)に掲載された、測定試
料を回転させながら偏光の透過強度を測定するクリスタ
ルローテーション法を用いた。該測定法では、偏光の透
過率の角度依存性から測定試料の立体的な複屈折の測定
ができる。非偏光性の紫外線の照射後の分子運動による
配向は、膜を加熱すると促進される。膜の加熱温度は、
光反応した部分の軟化点より低く、光反応しなかった側
鎖と低分子の軟化点より高いことが望ましい。また、膜
の配向を促進するには加熱下(室温からTi+5℃ま
で)で非偏光性の紫外線を照射することも有効である。
ここで、Tiは液晶相から等方相へ変化するときの相転
移温度を指す。好ましくはTi前後で非偏光性の紫外線
を照射することが有効である。このように非偏光性の紫
外線を照射したのち加熱、または加熱下で非偏光性の紫
外線を照射したフィルムを該高分子の軟化点以下まで冷
却すると分子が凍結され、本発明の位相差フィルムが得
られる。
【0008】本発明において感光性の重合体に混合する
低分子化合物が低分子化合物同士、もしくは該重合体に
対して熱および/または光反応性を有している場合に
は、配向が強固に固定されるため耐熱性の向上が期待さ
れる。このような場合、再配向時の分子運動を妨げない
よう、露光量を抑えるか反応性を調整するなどして、光
反応点の密度を制御する必要がある。低分子化合物は、
適量ならば曇り度を抑制する効果がある反面、過剰に添
加すると曇り度の増加、配向性の低下を引き起こす。こ
のような観点から、感光性の重合体または低分子化合物
の種類にもよるが、低分子化合物を0.1wt%〜80
wt%添加しても位相差フィルムは製造可能であるが、
好ましくは5wt%〜50wt%であることが望まし
い。ここで、重合体と低分子化合物の相溶性が十分でな
い場合には、製膜した時ないしは非偏光性の紫外線を照
射した後の膜の加熱によって相分離や可視光の散乱を誘
起しうる大きさの結晶を生成し曇り度の増加の原因とな
る。
【0009】膜厚を厚くしより大きな位相差のフィルム
を得る手法として、膜を積層する方法が挙げられる。こ
の場合には、先に製膜して非偏光性の紫外線を照射した
膜上に材料溶液を塗布し積層する工程で、この先に形成
された膜の破壊を防ぐために、溶解性を下げた溶媒に重
合体および低分子化合物を溶解し用いることが有効であ
る。また、感光性化合物の膜に表裏面から非偏光性の紫
外線を照射すると、複屈折がより効率よく発現するよう
になる。感光性の化合物は支持体上に塗布するなどして
製膜され、非偏光性の紫外線の照射は化合物に直接また
は支持体を介してもよい。支持体を介する場合には、支
持体は感光性の化合物の反応しうる波長の光の透過性を
有している限りどのような材料でも良いが、光透過率が
高い程、照射量が少なくて済み、製造工程上有利とな
る。また、剥離性の支持体上で感光性の化合物を製膜
し、剥離後、膜の表裏面より非偏光性の紫外線を照射す
ることもできる。
【0010】感光性重合体の原料化合物および低分子化
合物に関する合成方法を以下に示す。 (単量体1)4,4’−ビフェニルジオールと2−クロ
ロエタノールを、アルカリ条件下で加熱することによ
り、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエトキシビフェ
ニルを合成した。この生成物に、アルカリ条件下で1,
6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6−ブロモヘ
キシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシビフェニル
を合成した。次いで、リチウムメタクリレートを反応さ
せ、4−ヒドロキシエトキシ−4’−(6−メタクリロ
イルヘキシルオキシ)ビフェニルを合成した。最後に、
塩基性の条件下において、塩化シンナモイルを加え、化
学式10に示される単量体1を合成した。
【化10】
【0011】(単量体2)4,4’−ビフェニルジオー
ルと2−クロロエタノールを、アルカリ条件下で加熱す
ることにより、4−ヒドロキシ−4’−ヒドロキシエト
キシビフェニルを合成した。この生成物に、アルカリ条
件下で1,6−ジブロモヘキサンを反応させ、4−(6
−ブロモヘキシルオキシ)−4’−ヒドロキシエトキシ
ビフェニルを合成した。次いで、リチウムメタクリレー
トを反応させ、4−ヒドロキシエトキシ−4’−(6−
メタクリロイルヘキシルオキシ)ビフェニルを合成し
た。最後に、塩基性の条件下において、2−メトキシ塩
化シンナモイルを加え、化学式11に示される単量体2
を合成した。
【化11】
【0012】(重合体1)この単量体1をテトラヒドロ
フラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBN(アゾビスイ
ソブチロニトリル)を添加して重合することにより感光
性の重合体1を得た。この重合体1は、47−75℃の
温度領域において、液晶性を呈した。
【0013】(重合体2)この単量体2をテトラヒドロ
フラン中に溶解し、反応開始剤としてAIBNを添加して重
合することにより感光性の重合体2を得た。この重合体
2も液晶性を呈した。
【0014】(低分子化合物1)4,4’−ビフェニル
ジオールと6−ブロモヘキサノールを、アルカリ条件下
で反応させ、4,4’− ビス(6−ブロモヘキシルオ
キシ)ビフェニルを合成した。次いで、塩基性の条件下
において、塩化シンナモイルを加え反応させ、生成物を
カラム精製することにより化学式12に示される低分子
化合物1を合成した。
【化12】
【0015】図1には、本発明の位相差フィルムの製造
方法(装置)を、例を挙げて示す。電源(12)によっ
て励起された紫外線ランプ(11)で発生した非偏光性
の紫外線(16)を、支持体(15)上に塗布(コー
ト)された感光性の重合体と低分子化合物の混合体の膜
(14)に照射する。実施例1から3は、本発明の製造
法により光軸の傾いた位相差フィルムを作製した実施例
である。
【0016】(実施例1)3.75重量%の重合体1お
よび1.25重量%の液晶材料E7(メルクジャパン)
をジクロロエタンに溶解し、石英基板(支持体)上に約
3μmの厚さで塗布した。該基板を水平面に対して45
度傾け、塗布面が照射面となるように配置し、非偏光性
の紫外線を、水平面に対し垂直方向から室温で120m
J/cm2照射し、続いて、基板を裏返し同様に非偏光
性の紫外線を120mJ/cm2照射した。次に、10
0℃に加熱した後、室温まで冷却した。このようにして
得られた基板は、光軸が基板の法線方向から20°傾
き、基板面内の位相差は14nmであった。
【0017】(実施例2)3.75重量%の重合体2お
よび1.25重量%の液晶材料E7(メルクジャパン)
をジクロロエタンに溶解し、石英基板(支持体)上に約
3μmの厚さで塗布した。該基板を水平面に対して45
度傾け、塗布面が照射面となるように配置し、非偏光性
の紫外線を、水平面に対し垂直方向から室温で120m
J/cm2照射し、続いて、基板を裏返し同様に非偏光
性の紫外線を120mJ/cm2照射した。次に、10
0℃に加熱した後、室温まで冷却した。このようにして
得られた基板は、光軸が基板の法線方向から25°傾
き、基板面内の位相差は20nmであった。
【0018】(実施例3)3.75重量%の重合体1お
よび1.25重量%の低分子化合物1をジクロロエタン
に溶解し、石英基板(支持体)上に約3μmの厚さで塗
布した。該基板を水平面に対して45度傾け、塗布面が
照射面となるように配置し、非偏光性の紫外線を、水平
面に対し垂直方向から室温で120mJ/cm2照射
し、続いて、基板を裏返し同様に非偏光性の紫外線を1
20mJ/cm2照射した。次に、100℃に加熱した
後、室温まで冷却した。このようにして得られた基板
は、光軸が基板の法線方向から7°傾き、基板面内の位
相差は1nmであった。
【0019】これら実施例により作製された光軸の傾い
た位相差フィルムに、更に紫外線を照射することにより
未反応の感光性基の光反応を促進させ、フィルム中の配
向を強固に固定することができる。このような位相差フ
ィルムは、耐熱性、光安定性に優れ実用に充分であっ
た。これらの実施例から、非偏光性の紫外線を照射する
ことにより光軸を制御したフィルムを作製でき、従来技
術のように実用的な偏光素子を用いなくとも液晶表示装
置の視野角拡大に有効な光軸方向を制御した位相差フィ
ルムの製造が可能であることが立証された。
【0020】
【発明の効果】非偏光性の紫外線の照射という簡便な操
作により、従来技術のような延伸工程を用いなくても位
相差フィルムを得ることができる。更に、非偏光性の紫
外線の照射方向を変えることにより同一基板内におい
て、光軸の異なる領域の作製も可能であり、様々な光学
素子への活用が期待される。また、光軸の傾斜した位相
差フィルムは、旋光モード、複屈折モードを利用したね
じれネマチック液晶を使った液晶表示装置において視野
角拡大用の光学補償フィルムとして活用できる。従来こ
のような、光軸の傾斜した大面積の位相差フィルムを低
コストで作製できなかったが、本発明によって、斜め方
向から非偏光性の紫外線を照射するという簡便な操作で
大面積化が可能となった。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相差フィルムの製造方法を示す概念
【図2】非偏光性の紫外線の照射により感光した側鎖を
示す模式図
【図3】非偏光性の紫外線を照射した後の分子運動によ
り配向したフィルムを示す模式図
【符号の説明】
11・・・紫外線ランプ 12・・・電源 14・・・膜(フィルム) 15・・・基材(支持体) 16・・・紫外線(非偏光性の光)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/04 G02B 1/04 4J027 G02F 1/13363 G02F 1/13363 G03F 7/004 521 G03F 7/004 521 7/038 501 7/038 501 // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 2H025 AB14 AC01 BC31 BC81 BD21 BD43 BD54 2H049 BA06 BA42 BB42 BB46 BB50 BC05 BC22 2H091 FA11X FA11Z FB02 FC23 LA19 LA30 4F071 AA14 AA33 AA36 AA67 AC10 AF29 AF35 AG15 AH19 BA02 BB02 BC01 4J011 AA05 QA12 QB01 QB02 QB03 QB25 UA01 WA10 4J027 AA01 AA08 AF01 AF04 AF05 BA19 BA30 CC02 CC05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性の重合体と低分子化合物の混合体
    フィルムに非偏光性の光を照射する操作を含む工程で作
    製されることを特徴とする、位相差フィルムおよびその
    製造方法。
  2. 【請求項2】 感光性の重合体と低分子化合物の混合体
    フィルムに表裏面両方から非偏光性の光を照射する操作
    を含む工程で作製されることを特徴とする、位相差フィ
    ルムおよびその製造方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に形成された感光性の重合体と
    低分子化合物の混合体フィルムに表面および支持体を介
    して裏面の両方向から非偏光性の光を照射する操作を含
    む工程で作製されることを特徴とする、位相差フィルム
    およびその製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3にお
    いて、感光性の重合体と低分子化合物の混合体フィルム
    への非偏光性の光の照射がフィルム面に対し斜め方向よ
    り照射する操作を含む工程で作製されることを特徴とす
    る、位相差フィルムおよびその製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請
    求項4において、感光性の重合体が液晶性を有する位相
    差フィルムおよびその製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4または請求項5において、低分子化合物が結晶性また
    は液晶性を有する位相差フィルムおよびその製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5または請求項6において、低分子化合物が
    光および/または熱により架橋または重合する反応性基
    を有する位相差フィルムおよびその製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6または請求項7に記載の位相差
    フィルムおよびその製造方法において、加熱ならびに冷
    却する工程を含んで、作製されることを特徴とする位相
    差フィルムおよびその製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5、請求項6、請求項7または請求項8に記
    載の位相差フィルムおよびその製造方法において、架橋
    する工程を含むことを特徴とする位相差フィルムおよび
    その製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1および請求項9において感光
    性の重合体が少なくとも化学式1から化学式8で表され
    る構造を有する共に、化学式9で表される主鎖が炭化水
    素、アクリレート、メタクリレート、マレイミド、N−
    フェニルマレイミド、シロキサンなどである感光性の単
    独重合体または共重合体で表される構造を有することを
    特徴とする位相差フィルムおよびその製造方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 但し、−R1〜−R11=−H、ハロゲン基、−CN、ア
    ルキル基またはメトキシ基などのアルキルオキシ基、ま
    たはそれらを弗化した基、−R12=メチル基、エチル基
    などのアルキル基、またはそれらを弗化した基であり、
    x:y=100〜0:0〜100、n=1〜12、m=
    1〜12、h=1〜12、X,Y=none、−COO、−
    OCO−、−N=N−、−C=C−or−C64−、W1
    2=化学式1または化学式2または化学式3または化
    学式4または化学式5または化学式6または化学式7ま
    たは化学式8で表される構造である。
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