JP2002198747A - 高周波増幅回路およびアンテナアンプ - Google Patents

高周波増幅回路およびアンテナアンプ

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JP2002198747A
JP2002198747A JP2000394765A JP2000394765A JP2002198747A JP 2002198747 A JP2002198747 A JP 2002198747A JP 2000394765 A JP2000394765 A JP 2000394765A JP 2000394765 A JP2000394765 A JP 2000394765A JP 2002198747 A JP2002198747 A JP 2002198747A
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哲治 井元
Kazuo Takayama
一男 高山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過大なレベルの信号によって発生する歪みを
低減し、入力信号に与える妨害を抑制する。 【解決手段】 トランジスタ11のコレクタ13からの
出力信号を、トランス15を介してエミッタ14に帰還
させる。エミッタ接地形式で動作するトランジスタ11
は、ベース12への入力信号の極性を反転させた出力信
号をコレクタ13から出力する。トランス15は、1次
巻線16に入力された極性を反転させて、2次巻線17
からエミッタ14に与える。栄みった14には、ベース
12への入力信号と同極性の信号が帰還され、トランジ
スタ11内部のエミッタ抵抗の影響を低減して、過大入
力時に発生する歪みを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放送や無線通信な
どの高周波信号を増幅する高周波増幅回路およびアンテ
ナアンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、たとえば図8に示すように、
自動車に搭載される放送受信装置などでは、アンテナア
ンプ1が使用されている。自動車では、放送受信用のア
ンテナを、たとえばガラスアンテナパターン2として、
リアガラス3に、ヒータ4などと同時に形成してあるこ
とがある。車載用のアンテナアンプ1は、アンテナパタ
ーン2を同軸ケーブル5に接続するために使用される。
アンテナパターン2には、たとえば100MHz程度の
周波数帯域で、主としてFM放送の電波を受信するFM
用アンテナ6と、たとえば1MHz程度の周波数帯域
で、主としてAM放送の電波を受信するAM用アンテナ
などが含まれる。
【0003】図9は、(a)で周波数が変るときの図8
のFM用アンテナ6のインピーダンス変化のスミス図上
での軌跡を示し、(b)でインピーダンスの絶対値の周
波数変化を示す。ある程度広い周波数範囲、たとえば7
6MHz〜108MHzを1つのFM用アンテナ6でカ
バーしようとすると、図9(a)に示すように、アンテ
ナエレメントのインピーダンス8は、純抵抗にとどまる
ことなく、リアクタンス領域まで含めて変化する。これ
によって、図9(b)に波線で示すように、インピーダ
ンスは周波数に応じて変化し、たとえば50Ω程度の同
軸ケーブル5にマッチングさせることができない。アン
テナパターンをインピーダンスマッチングが不適切な状
態で同軸ケーブル5に接続すると、定在波の影響で信号
の伝送損失が増大し、受信感度が低下してしまう。アン
テナアンプ1を用いれば、図9(b)に実線で示すよう
に、インピーダンスの周波数変化が少なくなり、定イン
ピーダンスの同軸ケーブル5とのマッチング状態も良好
になる。
【0004】図8に示すようなアンテナアンプ1では、
低雑音の高周波トランジスタによる増幅回路が用いられ
る。アンテナアンプ1は、受信装置の本体から離れて設
置されるので、AGCと略称される自動利得などを行う
ことができない。このため、アンテナアンプ1の増幅回
路は、利得が最大に近い条件で動作している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図8に示すようなアン
テナアンプ1を、高周波用のトランジスタを増幅素子と
して用いて構成すると、過大入力時に歪みが発生するこ
とがある。歪みは、IMと略称される相互変調が生じや
すい。アンテナアンプ1は、通常、低レベルの信号受信
を目的として利得などが設定されている。強力な放送な
どが受信されると、トランジスタの入力や出力がリニア
な範囲から外れ、歪みが発生する。複数の周波数が異な
る強力な信号が受信されるときは、相互変調で、さらに
異なる周波数に見かけ上の受信信号が存在すると同様な
現象が生じ、受信希望波に対する妨害となる。比較的弱
い希望波を受信しているときに、異なる周波数で強力な
電波が存在すると、混変調による受信妨害も生じてしま
う。
【0006】アンテナアンプ1などの高周波増幅回路に
生じる歪みは、AGCなどを利用することができれば低
減されうる。しかしながら、アンテナアンプ1自体は信
号レベルが低く、AGC用の信号処理が困難であり、同
軸ケーブル5を介して接続される受信装置を含めてAG
Cを行わなければならない。
【0007】他に、過大入力時に発生する歪みの低減を
図る方法しては、高周波増幅回路に増幅素子として使用
するトランジスタの出力を、入力側に帰還させることが
考えられる。増幅回路に負帰還を利用する方法は、たと
えば低周波増幅回路などで広く行われている。たとえ
ば、特開平5−26944号公報や、特開昭58−20
4612号公報、特開昭58−62907号公報などに
は、トランスを利用する負帰還増幅回路の構成が開示さ
れている。しかしながら、低周波回路の考え方を用い
て、高周波で、図9(a)のように変化するアンテナエ
レメントのインピーダンス8を受けて、安定に定インピ
ーダンスの同軸ケーブル5などに接続することは困難で
ある。
【0008】本発明の目的は、過大なレベルの信号によ
って発生する歪みを低減し、入力信号に与える妨害を抑
制することができる高周波増幅回路およびアンテナアン
プを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、エミッタ接地
形式のバイポーラトランジスタを増幅素子とする高周波
増幅回路において、コレクタからの出力信号が入力され
る1次巻線、および負帰還信号を出力する2次巻線を備
えるトランスを含むことを特徴とする高周波増幅回路で
ある。
【0010】本発明に従えば、高周波増幅回路はバイポ
ーラトランジスタを増幅素子として、エミッタ接地形式
でベースに入力される高周波信号を増幅し、コレクタか
ら出力する。コレクタからの出力信号は、トランスの1
次巻線に入力され、トランスの2次巻線に伝達される。
トランスの2次巻線から負帰還信号を取出すので、トラ
ンスの1次巻線と2次巻線との巻数比に基づく安定な負
帰還増幅回路として動作し、過大入力に伴う歪みを低減
することができる。
【0011】また本発明で、前記トランスの2次巻線
は、前記バイポーラトランジスタのコレクタからの出力
信号の極性を反転させて、エミッタに帰還させることを
特徴とする。
【0012】本発明に従えば、トランスの2次巻線でコ
レクタからの出力の極性を反転させ、エミッタに負帰還
信号を与える。エミッタ接地の増幅回路では、ベースへ
の入力信号の極性が反転した出力信号がコレクタから得
られ、さらにその極性を反転するので、エミッタに与え
られる負帰還信号は、ベースへの入力信号と同極性とな
る。接地電位に対するベースへの入力信号電圧の変化
は、エミッタへの負帰還信号の変化で相殺され、過大な
入力となるのを防ぐことができる。
【0013】また本発明で、前記エミッタは、前記トラ
ンスの2次巻線の一端に接続されており、該2次巻線の
他端に接続される該エミッタへのバイアス回路をさらに
含むことを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、エミッタへのバイアス回
路とエミッタとの間にトランスの2次巻線が接続される
ので、確実に負帰還を行うことができる。
【0015】また本発明は、前記バイポーラトランジス
タのコレクタから出力信号をベースに帰還するコンデン
サをさらに含むことを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、トランスを介する負帰還
とともに、コンデンサを介してコレクタから出力信号を
ベースに帰還する。コレクタには、ベースへの入力信号
と極性が反転した出力信号が得られているので、コンデ
ンサを介してベースに帰還させることによって、トラン
スとは異なる負帰還経路を形成することができる。コン
デンサを介する負帰還経路では、コンデンサの容量値な
どを調整し、高周波増幅回路としての利得調整を容易に
行うことができる。
【0017】また本発明は、前記増幅素子として、前記
エミッタ接地形式のバイポーラトランジスタに代えて、
ソース接地形式の電界効果トランジスタが用いられるこ
とを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、ソース接地形式の電界効
果トランジスタを増幅素子として用いても、エミッタ接
地形式のバイポーラトランジスタと同様に、歪みの低減
を図ることができる。
【0019】さらに本発明は、無線電波を検知するアン
テナと、アンテナで検知された信号を受信する受信装置
との間で使用され、アンテナからの信号を増幅し、定イ
ンピーダンスの信号ケーブルを介して該受信装置に入力
させるアンテナアンプにおいて、エミッタ接地形式のバ
イポーラトランジスタであり、コレクタからの出力信号
が該信号ケーブルに入力され、アンテナからの信号がベ
ースに入力される増幅素子と、コレクタからの出力信号
が入力される1次巻線、および負帰還信号を出力する2
次巻線を備えるトランスとを含むことを特徴とするアン
テナアンプである。
【0020】本発明に従えば、無線電波を検知するアン
テナと、アンテナで検知された信号を受信する受信装置
との間で使用されるアンテナアンプは、バイポーラトラ
ンジスタを増幅素子として、エミッタ接地形式でベース
に入力されるアンテナからの高周波信号を増幅し、コレ
クタから信号ケーブルに出力する。コレクタからの出力
信号は、トランスの1次巻線に入力され、トランスの2
次巻線に伝達される。トランスの2次巻線から負帰還信
号を取出すので、トランスの1次巻線と2次巻線との巻
数比に基づく安定な負帰還増幅回路として動作し、過大
入力に伴う歪みを低減することができる。
【0021】また本発明で、前記トランスの2次巻線
は、前記バイポーラトランジスタのコレクタからの出力
信号の極性を反転させて、エミッタに帰還させることを
特徴とする。
【0022】本発明に従えば、トランスの2次巻線でコ
レクタから信号ケーブルに与える出力信号の極性を反転
させ、エミッタに負帰還信号を与える。エミッタ接地の
増幅回路では、アンテナからベースへの入力信号の極性
が反転した出力信号がコレクタから得られ、さらにその
極性を反転するので、エミッタに与えられる負帰還信号
は、ベースへの入力信号と同極性となる。接地電位に対
するベースへの入力信号電圧の変化は、エミッタへの負
帰還信号の変化で相殺され、過大な入力となるのを防ぐ
ことができる。
【0023】また本発明は、前記バイポーラトランジス
タのコレクタから出力信号をベースに帰還するコンデン
サをさらに含むことを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、バイポーラトランジスタ
のコレクタには、アンテナからベースへの入力信号と極
性が反転した出力信号が得られているので、コンデンサ
を介してベースに帰還させることによって、トランスと
は異なる負帰還経路を形成することができる。コンデン
サを介する負帰還経路では、コンデンサの容量値などを
調整し、アンテナアンプとしての利得調整を容易に行う
ことができる。
【0025】また本発明は、前記増幅素子として、前記
エミッタ接地形式のバイポーラトランジスタに代えて、
ソース接地形式の電界効果トランジスタが用いられるこ
とを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、ソース接地形式の電界効
果トランジスタを用いても、エミッタ接地形式のバイポ
ーラトランジスタを用いる場合と同様に、過大入力で歪
みの発生を低減し、希望波の受信に対する妨害を抑制す
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態と
しての高周波増幅回路10の基本的構成を簡略化して示
す。本実施形態の高周波増幅回路10は、たとえば図8
に示すようなアンテナアンプ1として好適に用いること
ができる。高周波増幅回路10には、増幅素子として、
NPNバイポーラ型のトランジスタ11を備えている。
PNP型のトランジスタでも、同様に使用可能であるこ
とはもちろんである。トランジスタ11は、ベース12
に入力信号が与えられ、コレクタ13から出力信号が導
出されるエミッタ接地形式で動作する。トランジスタ1
1のエミッタ14には、トランス15から負帰還信号が
与えられる。トランス15は、1次巻線16にコレクタ
13からの出力信号が与えられ、2次巻線17からは、
極性が反転した信号をエミッタ14に与える。トランス
15の1次巻線16および2次巻線17では、黒点が付
されている側が同極性となる。
【0028】トランジスタ11のベース12に入力され
る信号は、極性が反転してコレクタ13から出力され
る。トランス15の1次巻線16と2次巻線17との間
でコレクタ13からの出力の極性を反転させ、エミッタ
14に負帰還信号を与える。エミッタ接地の増幅回路で
は、ベース12への入力信号の極性が反転した出力信号
がコレクタ13から得られ、さらにトランス15でその
極性を反転するので、エミッタ14に与えられる負帰還
信号は、ベース12への入力信号と同極性となる。接地
電位に対するベース12への入力信号電圧の変化は、エ
ミッタ14への負帰還信号の変化で相殺され、過大な入
力となるのを防ぐことができる。
【0029】図2は、図1の高周波増幅回路10を用い
る車載用のアンテナアンプ21の概略的な構成を簡略化
して示す。図8に示すガラスアンテナパターン2などと
同様なアンテナ22に検知される無線電波に応じて、電
気信号が発生され、フィルタ23および直流分カット用
のコンデンサ24を経てトランジスタ11のベース12
に入力される。トランジスタ11のコレクタ13からの
出力は、たとえば50Ωの定インピーダンスである同軸
ケーブル25を介して、受信装置26に伝送される。ト
ランス15による負帰還が施される高周波増幅回路10
は、図9(a)に示すように変動するアンテナ22のイ
ンピーダンスを受けて、定インピーダンスの同軸ケーブ
ル25を駆動する。
【0030】図3は、図2のアンテナアンプ21の等価
回路を示す。図3(a)はアンテナアンプ21の簡略化
された等価回路を示し、図3(b)はトランジスタ11
自体の等価回路を含めた等価回路を示す。
【0031】図3(a)に示すように、トランジスタ1
1内部のエミッタ抵抗27の抵抗値をre、入力電圧を
Ei、出力電圧をEo、トランスの1次巻線16と2次巻
線17との巻線比をn、とし、負荷抵抗28の抵抗値を
Ro、エミッタ電流をiとすると、次の(1)式および
(2)式が得られる。
【0032】
【数1】
【0033】(2)式から、次のように、(3)式が得
られる。
【0034】
【数2】
【0035】よって、(1)式と(3)式とから次のよ
うに、(4)式が得られる。
【0036】
【数3】
【0037】(4)式は、トランジスタ11のエミッタ
抵抗re が負荷抵抗Ro の1+n倍に比較して充分に小
さいときに成立する 。
【0038】図3(b)に示すように、トランジスタ1
1のエミッタ抵抗27を流れる電流をIe とし、コイル
15の1次巻線16のインダクタンスをLo とし、1次
巻線16と2次巻線17との巻数比をnとすると、角周
波数をωとして、1次巻線17のリアクタンスはj×ω
×Lo となるので、その絶対値ωLoが負荷抵抗Roより
も充分に大きく、ωLo≫Ro であるとき、
【0039】
【数4】
【0040】と表現することができる。この式を変形し
て、次の(5)式が得られる。
【0041】
【数5】
【0042】(5)式からも、re /Ro ≪ nとなる
と、出力信号におけるエミッタ抵抗27の抵抗値re の
寄与度が小さくなることが判る。エミッタ抵抗27の抵
抗値reは、エミッタ電流Ieの大きさ、すなわち入力電
圧Eiのレベル変化に伴って変化し、直線性がないこと
が、次の(6)式で示される。
【0043】
【数6】
【0044】なお、(6)式で、kはボルツマン定数で
あり、Tは絶対温度であり、qは基本電荷である。トラ
ンス15を用いることによって、巻数比nを大きくすれ
ば、歪みレベルが小さくなることが判る。実際の高周波
増幅回路10においては、巻数比nによって増幅回路と
しての利得も変化するので、入力信号のSN比と、出力
信号のSN比との比であるノイズ・フィギュアNF等、
他の特性も考慮しながら巻数比nの値を決定する。
【0045】図4は、(a)で図2のアンテナアンプ2
1での相互変調特性の改善結果と、(b)で相互変調を
生じる信号間の周波数関係とを示す。トランス15を用
いる負帰還を施す本発明のアンテナアンプ21では、相
互変調を生じる信号の強度が40dB程度上昇し、相互
変調が生じにくくなっていることが判る。
【0046】図5は、トランジスタ11およびトランス
15を用いる高周波増幅器を、(a)では本実施形態の
ようなエミッタ接地形式、(b)ではベース接地形式で
構成する状態を比較して示す。(a)に示すエミッタ接
地形式で、トランジスタ11の出力端短絡電流増幅率を
feをβで表すと、入力インピーダンスは、Ro ×(1
+n)×n×βとなる。これを(b)に示すベース接地
形式に適用すると、入力インピーダンスは、Ro ×(1
+n)×nとなる。つまり、ベース接地形式の方が、出
力側の負荷抵抗Ro が入力側に反映される倍率が小さ
く、負荷抵抗Roなど出力側のインピーダンスが入力イ
ンピーダンスに影響を与えやすいことが判る。
【0047】図6は、図1のエミッタ接地形式で、エミ
ッタへのバイアスの与え方の異なる構成を比較して示
す。図6(a)に示すように、本実施形態でバイアス用
の抵抗29とトランジスタ11のエミッタとの間に、2
次巻線17を接続し、抵抗29と並列に、高周波バイパ
ス用のコンデンサ30を接続している。このような構成
によって、トランジスタ11のエミッタ側に確実に負帰
還信号を与えることができる。エミッタへの負帰還は、
図6(b)のような構成でも可能であるけれども、バイ
アス用の抵抗29にはコンデンサ31を介して負帰還信
号が与えられるので、抵抗29は高周波特性が良好でな
ければならない。
【0048】図7は、本発明の実施の他の形態としての
高周波増幅回路40およびアンテナアンプ41の概略的
な構成を示す。本実施形態の高周波増幅回路40は、図
1の高周波増幅回路10と同様に、トランス15を用い
る負帰還経路とともに、コンデンサ42を介する負帰還
経路を有する。コンデンサ42は、トランジスタ11の
コレクタ13から出力信号をベース12に導く。コレク
タ13には、ベース12への入力信号の極性が反転した
出力信号が得られるので、エミッタ14側と併せて、二
重に負帰還をかけることができる。
【0049】アンテナアンプ41としての入力信号は、
フィルタ43および直流カット用のコンデンサ44を介
してトランジスタ11のベース12に与えられる。フィ
ルタ43の入力側にも、コンデンサ45が接続される。
また、トランジスタ11のコレクタ13からの出力側に
も、コンデンサ46が接続される。
【0050】コンデンサ42を介する負帰還量は、抵抗
47で調整される。アンテナアンプ41としての入力イ
ンピーダンスは、入力側の抵抗48で定める。他の部分
の入力インピーダンスは、抵抗48の抵抗値に比較して
充分に大きくしておく。高周波増幅回路40としての入
力インピーダンスも、トランジスタ11のベース12に
接続される抵抗49の抵抗値で定める。出力の調整に
は、抵抗50を接続している。トランジスタ11のベー
ス12には、バイアス回路51から抵抗49を介してバ
イアス電圧を与える。フィルタ回路43は、コイル5
2,53およびコンデンサ54,55で不要周波数帯域
の信号を阻止する。
【0051】以上説明した実施形態では、増幅素子とし
てエミッタ接地形式のバイポーラ型のトランジスタ11
を用いているけれども、ソース接地形式の電界効果トラ
ンジスタを用いることもできる。電界効果トランジスタ
を用いる場合は、ゲート、ドレインおよびソースを、ト
ランジスタ11のベース12、コレクタ13およびエミ
ッタ14に、それぞれ対応させればよい。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、エミッタ
接地形式のバイポーラトランジスタを増幅素子とする高
周波増幅回路で、ベースに入力される高周波信号を増幅
し、コレクタから出力する。コレクタからの負帰還経路
にはトランスが用いられるので、1次巻線と2次巻線と
の巻数比に基づく安定な負帰還増幅回路として動作し、
過大入力に伴う歪みを低減することができる。
【0053】また本発明によれば、トランスの2次巻線
でコレクタからの出力の極性を反転させて、エミッタに
負帰還信号を与えるので、エミッタに与えられる負帰還
信号は、ベースへの入力信号と同極性となり、過大な信
号がベースへ入力されても、エミッタへの負帰還信号で
相殺し、歪みの発生を防ぐことができる。
【0054】また本発明によれば、エミッタへのバイア
ス回路とエミッタとの間にトランスの2次巻線が接続さ
れるので、エミッタには確実に負帰還信号を入力し、過
大な入力に対する歪み発生の低減を図ることができる。
【0055】また本発明によれば、バイポーラトランジ
スタのコレクタから出力信号をベースに帰還するコンデ
ンサによって、トランスを介する負帰還とともに、2系
統の負帰還を行うことができる。コンデンサを介する負
帰還経路では、コンデンサの容量値などを調整し、高周
波増幅回路としての利得調整を容易に行うことができ
る。
【0056】また本発明によれば、エミッタ接地形式の
バイポーラトランジスタの代りに、ソース接地形式の電
界効果トランジスタを増幅素子として用いても、過大な
信号入力時の歪みの低減を図ることができる。
【0057】さらに本発明によれば、無線電波を検知す
るアンテナと、アンテナで検知された信号を受信する受
信装置との間で使用されるアンテナアンプで、バイポー
ラトランジスタを増幅素子とし、エミッタ接地形式でベ
ースに入力されるアンテナからの高周波信号を増幅し、
コレクタから信号ケーブルに出力する。コレクタからの
出力信号は、トランスを介して負帰還させるので、トラ
ンスの1次巻線と2次巻線との巻数比に基づく安定な負
帰還増幅回路として動作し、過大入力に伴う歪みを低減
することができる。
【0058】また本発明によれば、トランスの2次巻線
でコレクタから信号ケーブルに与える出力信号の極性を
反転させ、エミッタに負帰還信号を与えるので、エミッ
タに与えられる負帰還信号は、ベースへの入力信号と同
極性となり、ベースへの入力信号電圧の変化をエミッタ
への負帰還信号の変化で相殺し、過大な入力となるのを
防ぐことができる。
【0059】また本発明によれば、バイポーラトランジ
スタのコレクタに得られる極性が反転した出力信号を、
コンデンサを介してベースに帰還させることによって、
トランスとは異なる負帰還経路を形成することができ
る。コンデンサを介する負帰還経路では、コンデンサの
容量値などを調整し、アンテナアンプとしての利得調整
を容易に行うことができる。
【0060】また本発明によれば、エミッタ接地形式の
バイポーラトランジスタの代わりに、ソース接地形式の
電界効果トランジスタを用いても、過大な入力に対する
歪みの発生を低減することができ、希望波の受信に対す
る妨害を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての高周波増幅回路
10の基本的構成を示す簡略化した電気回路図である。
【図2】図1の高周波増幅回路10を用いるアンテナア
ンプ21の概略的な構成を示す簡略化した電気回路図で
ある。
【図3】図2のアンテナアンプ21の等価回路図であ
る。
【図4】図2のアンテナアンプ21での相互変調特性の
改善結果と、相互変調を生じる信号間の周波数関係とを
示すグラフである。
【図5】図1のエミッタ接地形式を、ベース接地形式と
比較して示す簡略化した電気回路図である。
【図6】図1のエミッタ接地形式で、エミッタへのバイ
アスの与え方の異なる構成を比較して示す簡略化した電
気回路図である。
【図7】本発明の実施の他の形態としてのアンテナアン
プ41の概略的な構成を示す電気回路図である。
【図8】車載用のアンテナアンプ1の概略的な配置を示
す図である。
【図9】アンテナのインピーダンス変化の概要を示すス
ミス図およびグラフである。
【符号の説明】
10,40 高周波増幅回路 11 トランジスタ 12 ベース 13 コレクタ 14 エミッタ 15 トランス 16 1次巻線 17 2次巻線 21,41 アンテナアンプ 22 アンテナ 23,43 フィルタ 24,30,31,42,44,45,46,54,5
5 コンデンサ 25 同軸ケーブル 26 受信装置 27 エミッタ抵抗 28 負荷抵抗 29,48,49,50 抵抗 51 バイアス回路 52,53 コイル
フロントページの続き Fターム(参考) 5J046 AA03 AB17 LA20 5J090 AA01 CA27 CA81 CA98 CA99 DN01 FA10 FA17 GN06 HA02 HA25 HA29 HA32 HA35 HN16 KA12 KA44 KA45 KA47 KA68 MA13 MA20 MA21 MN03 MN04 NN02 NN07 QA04 SA01 SA07 TA01 TA02 TA03 5K052 BB02 DD05 EE32 FF00 GG11 GG32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エミッタ接地形式のバイポーラトランジ
    スタを増幅素子とする高周波増幅回路において、 コレクタからの出力信号が入力される1次巻線、および
    負帰還信号を出力する2次巻線を備えるトランスを含む
    ことを特徴とする高周波増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記トランスの2次巻線は、前記バイポ
    ーラトランジスタのコレクタからの出力信号の極性を反
    転させて、エミッタに帰還させることを特徴とする請求
    項1記載の高周波増幅回路。
  3. 【請求項3】 前記エミッタは、前記トランスの2次巻
    線の一端に接続されており、 該2次巻線の他端に接続される該エミッタへのバイアス
    回路をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の高周
    波増幅回路。
  4. 【請求項4】 前記バイポーラトランジスタのコレクタ
    から出力信号をベースに帰還するコンデンサをさらに含
    むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高
    周波増幅回路。
  5. 【請求項5】 前記増幅素子として、前記エミッタ接地
    形式のバイポーラトランジスタに代えて、ソース接地形
    式の電界効果トランジスタが用いられることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の高周波増幅回路。
  6. 【請求項6】 無線電波を検知するアンテナと、アンテ
    ナで検知された信号を受信する受信装置との間で使用さ
    れ、アンテナからの信号を増幅し、定インピーダンスの
    信号ケーブルを介して該受信装置に入力させるアンテナ
    アンプにおいて、 エミッタ接地形式のバイポーラトランジスタであり、コ
    レクタからの出力信号が該信号ケーブルに入力され、ア
    ンテナからの信号がベースに入力される増幅素子と、 コレクタからの出力信号が入力される1次巻線、および
    負帰還信号を出力する2次巻線を備えるトランスとを含
    むことを特徴とするアンテナアンプ。
  7. 【請求項7】 前記トランスの2次巻線は、前記バイポ
    ーラトランジスタのコレクタからの出力信号の極性を反
    転させて、エミッタに帰還させることを特徴とする請求
    項6記載のアンテナアンプ。
  8. 【請求項8】 前記バイポーラトランジスタのコレクタ
    から出力信号をベースに帰還するコンデンサをさらに含
    むことを特徴とする請求項6または7記載のアンテナア
    ンプ。
  9. 【請求項9】 前記増幅素子として、前記エミッタ接地
    形式のバイポーラトランジスタに代えて、ソース接地形
    式の電界効果トランジスタが用いられることを特徴とす
    る請求項6〜8のいずれかに記載のアンテナアンプ。
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