JP2002196140A - 偏光板およびその製造方法 - Google Patents

偏光板およびその製造方法

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JP2002196140A
JP2002196140A JP2000393037A JP2000393037A JP2002196140A JP 2002196140 A JP2002196140 A JP 2002196140A JP 2000393037 A JP2000393037 A JP 2000393037A JP 2000393037 A JP2000393037 A JP 2000393037A JP 2002196140 A JP2002196140 A JP 2002196140A
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triacetyl cellulose
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polarizing
layer
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JP2000393037A
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English (en)
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Hidetoshi Watabe
英俊 渡部
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温・高湿条件下でもコントラストが維持され
る等の光学耐久性と物理性能耐久性に優れ、しかも偏光
フィルムとセルロース系フィルムとの積層体から偏光板
を打抜く工程において、積層したこれらのフィルムが剥
がれることがなく取得され得る偏光板およびその製造方
法を提供すること。 【解決手段】偏光フィルムの少なくとも片面に引張強度
が13kgf/mm2以上のトリアセチルセルロースフ
ィルムを積層してなり、該トリアセチルセルロースフィ
ルムが、トリアセチルセルロースを溶剤(単層流延法の
場合は、シクロロメタンを実質的に含まない溶剤)に溶
解することで調製されたトリアセチルセルロースドープ
を単層流延方法または複数層共流延方法により作成され
たトリアセチルセルロースフィルムである偏光板および
その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光板およびその
製造方法に関し、詳しくは高温・高湿条件下での光学耐
久性(コントラスト保持性)、物理性能耐久性(密着
性)に優れた偏光板に関し、さらには機能層を設けた偏
光板およびその製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子卓上計算機、電子時計、ワー
プロ、自動車や機械類の計器類等に液晶表示装置が用い
られている。該液晶表示装置には、偏光板が用いられて
いるが、該偏光板としては、延伸・染色処理等により偏
光性が付与されたポリビニルアルコールフィルム等の偏
光フィルムの両面にセルロース系フィルム等の保護層が
積層された偏光板が用いられている。
【0003】しかしながら、最近の技術の高度化に伴
い、高温・高湿条件下でもコントラスト(平行透過率/
直交透過率)の低下が見られない光学耐久性に優れた偏
光板が求められている。さらに、従来から、セルロース
系フィルムと偏光フィルムとが貼着した偏光板を所望の
サイズに打抜く工程において、いったん貼着したセルロ
ース系フィルムと偏光フィルムとが剥がれてしまう問題
があり、その改善が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
・高湿条件下でもコントラストが維持される等の光学耐
久性および物理性能耐久性に優れる偏光板およびその製
造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、偏
光フィルムとセルロース系フィルムからなる偏光板を所
望のサイズに打抜く工程において、積層したフィルムが
剥がれることなく取得され得る偏光板およびその製造方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記構
成の偏光板が提供されて、本発明の上記目的が達成され
る。 1.偏光フィルムの少なくとも片面に引張強度が13k
gf/mm2以上のトリアセチルセルロースフィルムを
積層してなる偏光板において、該トリアセチルセルロー
スフィルムが、トリアセチルセルロースをジクロロメタ
ンを実質的に含まない溶剤に溶解することで調製された
トリアセチルセルロースドープを単層流延方法により作
成されたトリアセチルセルロースフィルムであることを
特徴とする偏光板。 2.偏光フィルムの少なくとも片面に引張強度が13k
gf/mm2以上のトリアセチルセルロースフィルムを
積層してなる偏光板において、該トリアセチルセルロー
スフィルムが、トリアセチルセルロースを溶剤に溶解す
ることで調製されたトリアセチルセルロースドープを複
数層共流延方法により作成されたトリアセチルセルロー
スフィルムであることを特徴とする偏光板。 3.上記トリアセチルセルロースドープが、トリアセチ
ルセルロースを冷却溶解法あるいは高温溶解法によって
ジクロロメタンを実質的に含まない溶剤に溶解すること
で調整されたトリアセチルセルロースドープであること
を特徴とする上記1または2に記載の偏光板。 4.トリアセチルセルロースフィルムを100℃、10
0時間放置したときの縦方向の寸法変化率が、0.20
%以下であることを特徴とする上記1〜3のいずれかに
記載の偏光板。 5.トリアセチルセルロースフィルムを70℃、90%
RHの雰囲気下に500時間放置したときの縦方向の寸
法変化率が、0.50%以下であることを特徴とする上
記1〜4のいずれかに記載の偏光板。 6.偏光フィルムとして、平均重合度1000〜600
0のポリビニルアルコール系樹脂フィルムが用いられる
ことを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の偏光
板。 7.偏光フィルムとして、平均重合度1500〜500
0のポリビニルアルコール系樹脂フィルムが用いられる
ことを特徴とする上記6に記載の偏光板。 8.偏光フィルムとして、平均重合度2500〜400
0のポリビニルアルコール系樹脂フィルムが用いられる
ことを特徴とする上記7に記載の偏光板。 9.トリアセチルセルロースフィルムの外側に機能層を
設けたことを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の
偏光板。 10.機能層が、ハードコート層であることを特徴とす
る上記9に記載の偏光板。 11.機能層が、アンチグレア層であることを特徴とす
る上記9に記載の偏光板。 12.機能層が、アンチリフレクション層であることを
特徴とする上記9に記載の偏光板。 13.機能層が、アンチグレア層およびアンチリフレク
ション層からなることを特徴とする上記9に記載の偏光
板。 14.機能層が、ハードコート層、アンチグレア層およ
びアンチリフレクション層とからなることを特徴とする
上記9に記載の偏光板。 15.偏光フィルムの少なくとも片面に引張強度が13
kgf/mm2以上のトリアセチルセルロースフィルム
を貼着してなる上記偏光板の製造方法において、トリア
セチルセルロースをジクロロメタンを実質的に含まない
溶剤に溶解することで調製されたトリアセチルセルロー
スドープを単層流延してトリアセチルセルロースフィル
ムを作製することを特徴とする偏光板の製造方法。 16。偏光フィルムの少なくとも片面に引張強度が13
kgf/mm2以上のトリアセチルセルロースフィルム
を貼着してなる上記偏光板の製造方法において、トリア
セチルセルロースを溶剤に溶解することで調製されたト
リアセチルセルロースドープを複数層共流延してトリア
セチルセルロースフィルムを作製することを特徴とする
偏光板の製造方法。
【0006】偏光フィルムの少なくとも片面に引張強度
が13kgf/mm2以上、好ましくは13〜50kg
f/mm2以上のトリアセチルセルロースフィルムを貼
着した偏光板は、高温・高湿条件下でもコントラスト
(平行透過率/直交透過率)の低下が見られないという
良好な光学耐久性が得られ、更に各種機能層を積層して
も十分にその機能を発揮する。また、上記トリアセチル
セルロースフィルムが、トリアセチルセルロースを溶剤
に溶解することで調製されたトリアセチルセルロースド
ープを単層流延および複数層共流延の何れかの流延方法
により作成されたトリアセチルセルロースフィルムであ
れば、偏光板加工時の打抜き工程において、いったん貼
着、積層したトリアセチルセルロースフィルムと偏光フ
ィルムとが剥がれる故障に対して非常に改良効果があ
る。さらには、該トリアセチルセルロースフィルムの1
00℃(ドライの状態ともいう)、に100時間放置す
る処理を行ったときの縦(MD)方向の寸法変化率が
0.20%以下、好ましくは0.001〜0.20%で
あるとき、上記の剥がれの問題が顕著に解決される。さ
らには、該トリアセチルセルロースセルロースフィルム
を70℃、90%RHの雰囲気下に500時間放置する
処理を行ったときの縦(MD)方向の寸法変化率が0.
50%以下、好ましくは0.0001〜0.50%であ
るときに、上記の剥がれの問題がさらに顕著に解決され
る。なお、縦方向とはアセチルセルロースフィルムの製
造時におけるフィルムの長手方向、即ちMD(machine
direction)方向を意味し、寸法変化率(%)は下記数
式により算出される値である。 寸法変化率:[(処理後の長さ−処理前の長さ)/(処理
前の長さ)]×100
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明に用いられる偏光フィルムとして
は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム、エチレン・
ビニルアルコール系樹脂フィルム、セルロース系フィル
ム、ポリカーボネート系樹脂フィルム等が挙げられる
が、加工性等の点で、ポリビニルアルコール系樹脂フィ
ルムが好適に用いられる。以下ポリビニルアルコール系
樹脂フィルムについて説明するが、使用できるフィルム
はこのフィルムに限定されるものではない。
【0008】ポリビニルアルコール系樹脂は、通常酢酸
ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造され
るが、不飽和カルボン酸、その誘導体(例えば塩、エス
テル、アミド、ニトリル等)、オレフィン類、ビニルエ
ーテル類、不飽和スルホン酸塩等の酢酸ビニルと共重合
可能なモノマーが少量共重合されていてもよい。また、
ポリビニルアルコール系樹脂として、該樹脂を酸の存在
下でアルデヒド類と反応させたポリビニルブチラール樹
脂、ポリビニルホルマール樹脂等のいわゆるポリビニル
アセタール樹脂、さらにはその他方法で変性したポリビ
ニルアルコール系樹脂の誘導体も挙げられる。これらの
うちでは、耐熱性が良好であるという点から、高ケン化
度で高重合度のポリビニルアルコール系樹脂が好まし
い。即ち、ケン化度が95モル%以上、更には99モル
%以上、特には99.5モル%以上であって、平均重合
度が1000以上、更には1000〜6000、特には
1500〜5000、特別には2500〜4000のポ
リビニルアルコール系樹脂が好ましい。
【0009】高ケン化度で高重合度のポリビニルアルコ
ール系樹脂フィルムを用いた偏光フィルムの製造法とし
ては、ポリビニルアルコール系樹脂を水または有機溶媒
に溶解した原液を流延製膜して、延伸してヨウ素染色す
るか、延伸と染色を同時に行うか、ヨウ素染色して延伸
した後、ホウ素化合物処理する方法等が採用される。本
発明で、偏光フィルムに貼付される保護フィルムとして
は、引張強度が13kgf/mm2以上、好ましくは1
3〜50kgf/mm2、更に好ましくは14〜40k
gf/mm2のトリアセチルセルロースフィルムを用い
る。引張強度が13kgf/mm2未満のフィルムでは
本発明の目的を達成することはできない。なお、上記引
張強度はASTM−D 638に準じて測定される値で
ある。
【0010】また、本発明では、トリアセチルセルロー
スフィルムを100℃、100時間放置したときの縦方
向の寸法変化率が好ましくは0.20%以下、好ましく
は0.001〜0.20%、更に好ましくは0.001
〜0.15%である。更にはトリアセチルセルロースフ
ィルムを70℃、90%RHの雰囲気下に500時間放
置したときの縦方向の寸法変化率が好ましくは0.50
%以下、より好ましくは0.0001〜0.50%、さ
らに好ましくは0.0001〜0.40%である。トリ
アセチルセルロースフィルムの100℃、100時間に
おける縦方向の寸法変化率が0.20%を越える場合や
70℃,90%RH,500時間における縦方向の寸法
変化率が0.50%を越える場合には、本発明の偏光板
を液晶パネル等に用いたときの表示品位が劣って好まし
くない。
【0011】上記物性を有するトリアセチルセルロース
フィルムを得るためには、該フィルムの製造時に可塑剤
の含有量を調節したり、製膜後に加熱処理を行ったりす
る方法等が挙げられる。トリアセチルセルロースフィル
ムは、トリアセチルセルロースを溶剤に溶解することで
調製されたトリアセチルセルロースドープを単層流延お
よび複数層共流延の何れかの流延方法により流延するこ
とにより作成されたトリアセチルセルロースフィルムを
用いることが好ましい。特に、環境保全の観点から、ト
リアセチルセルロースを冷却溶解法あるいは高温溶解法
によってジクロロメタンを実質的に含まない溶剤に溶解
することで調製されたトリアセチルセルロースドープを
用いて作成されたトリアセチルセルロースフィルムが好
ましい。単層のトリアセチルセルロースは、特開平7−
11055号公報等で開示されているドラム流延、ある
いはバンド流延等により作成され、後者の複数の層から
なるトリアセチルセルロースは、特開昭61−9472
5号公報、特公昭62−43846号公報等で開示され
ている、いわゆる共流延法により作成される。
【0012】すなわち、原料フレークをハロゲン化炭化
水素類(ジクロロメタン等)、アルコール類(メタノー
ル、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メ
チル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオ
キソラン、ジエチルエーテル等)等の溶剤にて溶解し、
これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止
剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液
(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベル
トまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ
供給手段(ダイと称する)により流延する際、単層なら
ば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度の
セルロースエステルドープの両側に低濃度ドープを共流
延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフ
ィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段によ
り乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法
である。
【0013】上記のような、トリアセチルセルロースを
溶解するための溶剤としては、ジクロロメタンが代表的
である。しかし、技術的には、ジクロロメタンのような
ハロゲン化炭化水素は問題なく使用できるが、地球環境
や作業環境の観点では、溶剤はジクロロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素を実質的に含まないことが好ましい。
「実質的に含まない」とは、有機溶剤中のハロゲン化炭
化水素の割合が5質量%未満(好ましくは2質量%未
満)であることを意味する。ジクロロメタン等を実質的
に含まない溶剤を用いてトリアセチルセルロースのドー
プを調整する場合には、後述するような特殊な溶解法が
必須となる。
【0014】第一の溶解法は、冷却溶解法と称され、以
下に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)
で溶剤中にトリアセチルセルロースを撹拌しながら徐々
に添加する。次に、混合物は−100〜−10℃、好ま
しくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−
20℃、最も好ましくは−50〜−30℃に冷却する。
冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75
℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−
20℃)中で行なうことができる。このように冷却する
と、トリアセチルセルロースと溶剤の混合物は固化す
る。さらに、これを0〜200℃、好ましくは0〜15
0℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは
0〜50℃に加温すると、溶剤中にトリアセチルセルロ
ースが流動する溶液となる。昇温は、室温中に放置する
だけでもよく、温浴中で加温してもよい。
【0015】第二の方法は、高温溶解法と称され、以下
に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜40℃)で
溶剤中にトリアセチルセルロースを撹拌しながら徐々に
添加する。トリアセチルセルロースは、各種溶剤を含有
する混合溶剤中に添加し予め膨潤させておくことことが
好ましい。本法において、トリアセチルセルロースの溶
解濃度は30質量%以下が好ましいが、フィルム製膜時
の乾燥効率の点から、なるべく高濃度であることが好ま
しい。次にトリアセチルセルロースを溶解している有機
溶剤混合液を、0.2〜30MPaの加圧下で70〜2
40℃、好ましくは80〜220℃、更に好ましくは1
00〜200℃、最も好ましくは100〜190℃に加
熱し、次にこれらの加熱溶液はそのままでは塗布できな
いため、使用された溶剤の最も低い沸点以下に冷却す
る。その場合、−10〜50℃に冷却して常圧に戻すこ
とが一般的である。冷却は、トリアセチルセルロース溶
液が内蔵されている高圧高温容器やラインを、室温に放
置するだけでもよく、更に好ましくは冷却水等の冷媒を
用いて該装置を冷却してもよい。
【0016】トリアセチルセルロースフィルムの厚み
は、特に限定されないが、50〜150μmが好まし
く、70〜120μmがより好ましい。
【0017】上記した偏光フィルムとトリアセチルセル
ロースフィルムは、天然或いは合成ゴム、アクリル系樹
脂、ブチラール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂等を主成分とする接着剤ないし粘着剤等を用いて、風
乾法、化学硬化法、熱硬化法、熱溶融法等により接着す
ることにより、積層することができる。
【0018】かくして、トリアセチルセルロースフィル
ム/偏光フィルムまたはトリアセチルセルロースフィル
ム/偏光フィルム/セルロース系フィルム等の積層構造
を有する本発明の偏光板が得られる。ここで、偏光板を
構成するセルロース系フィルムは、本発明で特定される
トリアセチルセルロースフィルムでも、一般に用いられ
るセルロース系フィルムでもどちらでもよい。本発明の
偏光板は、その偏光フィルム面あるいはセルロース系フ
ィルム面に、後述するようなアクリル系粘着剤を用いて
ガラス板等の基材に貼着されて、後述する用途に利用さ
れる。本発明の偏光板は、トリアセチルセルロースフィ
ルムの更に外側に各種の機能層を積層して機能層付き偏
光板とすることも好ましく、有用である。
【0019】上記機能層としては、具体的にはハードコ
ート層、アンチグレア層およびアンチリフレクション層
等が挙げられる。更に2種以上の機能層を組み合わせる
ことも可能である。
【0020】ハードコート層は、表面硬度をH(鉛筆硬
度)以上にして耐擦傷性を付与するための層である。具
体的には、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル
系樹脂、アルキッド系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬
化性樹脂や多官能アクリル系樹脂を主成分とし、さらに
紫外線或いは電子線等によるエネルギー線硬化性樹脂や
SiO2等の金属酸化物等が用いられ、トリアセチルセ
ルロースフィルム表面に形成される。ハードコート層の
形成方法としては、樹脂の場合にはバーコート、ロール
コート、グラビアコート、エアナイフコート等の公知の
塗工方法が、また金属酸化物の場合には真空蒸着方法が
好適に採用される。ハードコート層の厚みは1〜20μ
m程度である。
【0021】アンチグレア層は、偏光板表面への蛍光灯
等の写り込み像を拡散し表示を見やすくしたり、指紋等
の付着を防止するための層である。具体的には、粒子径
が0.1〜20μmのシリカ微粒子等の無機充填剤やア
クリル、スチレン、ジビニルベンゼン、メラミン、ベン
ゾグアナミン等の有機充填剤を配合した、メラミン系樹
脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹
脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化性樹脂や多官能アクリ
ル系の紫外線或いは電子線等のエネルギー線硬化性樹脂
等を用いて形成される。これらの樹脂は、トリアセチル
セルロースフィルム表面に、バーコート、ロールコー
ト、グラビアコート、エアナイフコート等の公知の塗工
方法により塗工される。アンチグレア層の厚みは1〜2
0μm程度である。
【0022】アンチリフレクション層は、偏光板表面で
の外光反射を抑制し表示を見やすくするための層であ
る。具体的には、フッ素系樹脂やSiO2、MgF2、Z
rO2、Al23、TiO2等の金属酸化物等が用いら
れ、トリアセチルセルロースフィルム表面に形成され
る。アンチリフレクション層の形成方法としては、樹脂
の場合にはバーコート、ロールコート、グラビアコー
ト、エアナイフコート等の公知の塗工方法が、又金属酸
化物の場合には真空蒸着方法が好適に採用される。金属
酸化物からなるアンチリフレクション層は、2層以上積
層されていてもよい。アンチリフレクション層の厚みは
0.05〜1μm程度である。また、アンチリフレクシ
ョン層とアンチグレア層を組み合わせて使用することも
有効である。
【0023】本発明では、上記の各種機能層を偏光板に
設けること、また、各種機能層を種々組み合わせて偏光
板に設けることにより、光学性能に優れ、かつ高温、高
湿の条件下での耐久性に優れた効果を発揮することがで
きる。
【0024】更に本発明の機能層付き偏光板において
は、機能層が設けられていないセルロース系フィルム側
に、あるいはセルロース系フィルムが省略されて偏光フ
ィルムに直接、アクリル系粘着剤層が設けられて、液晶
表示装置等のガラス基材に貼着されて実装に供される。
アクリル系粘着剤としては、公知のものが用いられ、ア
クリル系粘着剤の主成分であるアクリル系樹脂の構成成
分としては、ガラス転移温度の低く柔らかい主モノマー
成分やガラス転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に
必要に応じ少量の官能基含有モノマー成分が挙げられ
る。
【0025】上記主モノマーの具体例として、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル等
のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸アルキ
ルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シ
クロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12程度のメ
タクリル酸アルキルエステル等主モノマー成分が挙げら
れる。上記のコモノマー成分の具体例として、アクリル
酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル等のアルキル基の炭素数が1〜3
のメタクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン等が挙げら
れる。
【0026】上記以外の官能基含有モノマー成分の具体
例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等
のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコ
ン酸、グルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、
およびこれらの無水物等のカルボキシル基含有モノマー
や2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−
2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート等やN−メ
チロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマ
ー等の他に(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテル等が挙げられる。上記官能基含有
モノマー成分のうちで、特にカルボキシル基含有モノマ
ーの使用が好ましい。
【0027】主モノマー成分の含有量は、他に含有させ
るコモノマー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含
有量により一概に規定できないが、一般的には上記主モ
ノマーを50質量%以上含有させることが好ましい。ア
クリル系粘着剤の主成分であるアクリル系樹脂は、当業
者周知の方法によって、例えば主モノマー、コモノマ
ー、更に必要に応じて官能基含有モノマーを有機溶剤中
でラジカル共重合させる方法等により容易に製造され
る。
【0028】上記重合に用いられる有機溶剤としては、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン類等が挙げられる。ラジカル重合
に使用する重合触媒としては、通常のラジカル重合触媒
であるアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド等が具体例として挙げられる。
【0029】上記のアクリル系樹脂は、必要に応じて架
橋剤、カップリング剤(例えばシリコーン系、アルミニ
ウム系、チタン系のカップリング剤)等の添加剤が0.
001〜5質量%配合されてガラス基材用のアクリル系
粘着剤となる。上記架橋剤としては、イソシアネート系
化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、アミ
ン化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート化
合物、アンモニウム塩およびヒドラジン化合物等が例示
される。上記の架橋剤の配合量は、アクリル系樹脂10
0質量部に対して0.001〜8質量部程度である。
【0030】本発明の偏光板は、偏光特性に優れ、かつ
各種の機能層を積層することができ、高温・高湿状態で
の耐久性にも優れ、各種機能層の機能を充分に発揮し、
電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類
の計器類等の液晶表示装置、サングラス、防目メガネ、
立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射低減
層、医療機器、建築材料、玩具等に用いられ、特に自動
車や機械類の計器類等の液晶表示装置に有用である。
【0031】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明の偏光板を更に詳
しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例中「%」とあるのは特に断りのない
限り質量基準である。また、偏光度は下記数式で算出さ
れる値である。 偏光度:〔(H11−H1)/(H11+H1)〕1/2×10
0(%) ここでH11は2枚の偏光フィルムサンプルの重ね合わせ
時において、偏光フィルムの配向方向が同一方向になる
様に重ね合わせた状態で分光光度計を用いて測定した透
過率(%)、H1は2枚のサンプルの重ね合わせ時にお
いて、偏光フィルムの配向方向が互いに直交する方向に
なる様に重ね合わせた状態で測定した透過率(%)であ
る。
【0032】<3層共流延トリアセチルセルロースフィ
ルムの作製> (トリアセチルセルロースドープAの調整)トリアセチ
ルセルロース17.4質量部、トリフェニルフォスフェ
ート2.6質量部、ジクロロメタン66質量部、メタノ
ール5.8質量部、n−ブタノール8.2質量部からな
る原料を攪拌しながら混合して溶解し、トリアセチルセ
ルロースドープAを調整した。 (トリアセチルセルロースドープBの調整)トリアセチ
ルセルロース24質量部、トリフェニルフォスフェート
4質量部、ジクロロメタン66質量部、メタノール6質
量部からなる原料を攪拌しながら混合して溶解し、トリ
アセチルセルロースドープBを調整した。 (トリアセチルセルロースフィルム1の作製)特開平1
1−254594号公報に従って、3層共流延ダイを用
い、ドープBの両側にドープAを共流延するように配置
して金属ドラム上に同時に吐出させて重層流延した後、
流延膜をドラムから剥ぎ取り、乾燥して、ドラム面側か
ら厚み10μm、60μm、10μmのトリアセチルセ
ルロースフィルム1(TAC−1)を作成した。このフ
ィルムには、各層間に明確な界面は形成されていなかっ
た。
【0033】<冷却溶解法トリアセチルセルロースフィ
ルムの作製> (トリアセチルセルロースドープCの調整)トリアセチ
ルセルロース20質量部、酢酸メチル48質量部、シク
ロヘキサノン20質量部、メタノール5質量部、エタノ
ール5質量部、トリフェニルフォスフェート/ビフェニ
ルジフェニルフォスフェート混合物(混合比1/2)2
質量部、シリカ(粒径20nm)0.1質量部、2,4
−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ
−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,
5−トリアジン0.2質量部を添加、攪拌して得られた
不均一なゲル状溶液を−70℃にて6時間冷却した後、
50℃に加温し攪拌してドープCを調整した。 (トリアセチルセルロースフィルム2の作製)特開平7
−11055号公報に従い、上記トリアセチルセルロー
スドープCを単層ドラム流延し、厚み80μmのトリア
セチルセルロースフィルム2(TAC−2)を作成し
た。
【0034】<高温溶解法トリアセチルセルロースフィ
ルムの作製> (トリアセチルセルロースドープDの調整)上記トリア
セチルセルロースドープCと同様にして得られた不均一
なゲル状溶液を、ステンレス製密閉容器で1MPaの圧
力下、180℃で5分間加熱した後、50℃の水浴中に
容器ごと投入し冷却し、トリアセチルセルロースドープ
Dを調製した。 (トリアセチルセルロースフィルム3の作製)特開平7
−11055号公報に従い、上記トリアセチルセルロー
スドープDを単層ドラム流延し、厚み80μmのトリア
セチルセルロースィルム3(TAC−3)を作成した。
【0035】実施例1 膜厚25μmのポリビニルアルコール系偏光フィルム
(平均重合度3500、平均ケン化度99.5モル%、
5倍延伸)の両側にポリビニルアルコール系接着剤(3
%水溶液、乾燥塗布厚み0.01μm)を用いて上記ト
リアセチルセルロースフィルム1(TAC−1)(引張
強度16.8kgf/mm2、80μm厚み)を貼着
後、100℃で1分間乾燥させて偏光板を得た。上記ト
リアセチルセルロースフィルム1単体の100℃、10
0時間における縦方向の寸法変化率は0.05%で、7
0℃,90%RH,500時間における縦方向の寸法変
化率は0.18%であった。得られた偏光板のコントラ
スト(平行透過率/直交透過率)を高速多波長複屈折測
定装置(大塚電子(株)製、RETS−2000)により
測定したところ2400であった。次いで偏光板の耐久
性を調べるために、偏光板を65℃,95%RHの条件
下に30分放置後、55℃の乾燥状態で30分放置する
処理を10回繰り返した後、上記と同様にコントラスト
を測定したところ1500でコントラストの保持率は約
63%であった。
【0036】次に、偏光板のトリアセチルセルロースフ
ィルムと偏光フィルムとの密着性を調べるために、下記
の打抜き試験を行った。 (打抜き試験)偏光板を65℃、95%RHの条件下
に、500時間放置した後、直径35mmの円形刃を用
いて、裁断機((株)トーコー製、TCM−500A)
にて打抜きを行ない、下記の基準で密着性を評価した。 ○…トリアセチルセルロースフィルムとポリビニルアル
コール系偏光フィルムとの間に剥離は観察されない ×…トリアセチルセルロースフィルムとポリビニルアル
コール系偏光フィルムとの間に剥離が観察される 実施例1で得られた偏光板の打抜き試験では、密着性に
は問題は無かった。
【0037】実施例2、3および比較例1、2 表1に示されるポリビニルアルコール系偏光フィルムお
よびトリアセチルセルロースフィルムを用いて実施例1
と同様に偏光板を作製して、同様に試験を行った。実施
例および比較例の試験結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1〜3および比較例1、2で用いた
セルロース系フィルムは下記の通りである。 トリアセチルセルロースフィルム1(TAC−1); 厚み:80μm 引張強度:16.8kgf/mm2 100℃、100時間の縦方向の寸法変化率:0.05
% 70℃、90%RH、500時間の縦方向の寸法変化
率:0.18% トリアセチルセルロースフィルム2(TAC−2); 厚み:80μm 引張強度:16.0kgf/mm2 100℃、100時間の縦方向の寸法変化率:0.10
% 70℃、90%RH、500時間の縦方向の寸法変化
率:0.30% トリアセチルセルロースフィルム3(TAC−3); 厚み:80μm 引張強度16.3kgf/mm2 100℃、100時間の縦方向の寸法変化率:0.08
% 70℃×90%RH×500時間の縦方向の寸法変化
率:0.24% UV80; フジタックFT−UV80、富士写真フィルム(株)製、
トリアセチルセルロースフィルム 引張強度:12.6kgf/mm2 100℃、100時間の縦方向の寸法変化率:0.40
% 70℃、90%RH、500時間の縦方向の寸法変化
率:0.67% UVDE80; フジタックFT−UVDE80、富士写真フィルム(株)
製、トリアセチルセルロースフィルム 厚み:80μm 引張強度16.5kgf/mm2 100℃、100時間の縦方向の寸法変化率:0.06
% 70℃、90%RH、500時間の縦方向の寸法変化
率:0.20%
【0040】
【表2】
【0041】表2に示される結果から、本発明の偏光板
は偏光特性と密着性のいずれにも優れることが明らかで
ある。一方、比較例1の偏光板は、トリアセチルセルロ
ースフィルムの引張強度が13kgf/mm2未満であ
るため、耐久性および密着性に劣る。また、比較例2の
偏光板は、トリアセチルセルロース製造の際にジクロロ
メタンを使用しているため密着性に劣る。
【0042】実施例4 実施例1で得られた偏光板の片面に、下記の(1)〜
(5)に示される機能層を設けて、5種類の機能層付き
偏光板を作成した。 (1)ハードコート層(膜厚2.5μm) 多官能アクリレートモノマー(日本化薬(株)製、DP
HA)と平均粒径15nmのシリカ微粒子とを60対4
0の割合で配合したものをコート (2)アンチグレア層(膜厚1.5μm) DPHAと平均粒径20nmのジルコニア微粒子とを6
5対35の割合で配合したものに、平均粒径2μmのポ
リスチレン粒子を4%添加したものをコート (3)アンチリフレクション層 熱架橋性含フッ素ポリマーに平均粒径15nmのシリカ
微粒子を2%添加したものをコート (4)アンチグレア層/アンチリフレクション層 上記アンチグレア層(2)、アンチリフレクション層
(3)を、この順にトリアセチルセルロースフィルムに
コート (5)ハードコート層/アンチグレア層/アンチリフレク
ション層(膜厚2.5μm/1.5μm/0.1μm) 上記ハードコート層(1)、アンチグレア層(2)、ア
ンチリフレクション層(3)を、この順にトリアセチル
セルロースフィルムにコート
【0043】各々の層の機能性評価を下記方法および
により評価した。結果を表3に示す。 (ハードコート層) 耐擦傷性 スチールウールで該偏光板の表面を1kg/cm2で1
0回擦った際のキズの有無を測定し、下記の基準で評価
した。 ○・・・キズなし ×・・・キズあり 表面鉛筆硬度 JIS K 5400 に準じて偏光板の表面硬度を測
定し、下記の基準で評価した。 ○・・・H以上の表面硬度を有する ×・・・H未満の表面硬度を有する
【0044】(アンチグレア層) 蛍光灯の拡散性 蛍光灯を偏光板に写し込んだときの蛍光灯像による表示
品位を下記の基準で評価した。 A・・・蛍光灯の形状が認識できない B・・・蛍光灯の形状が認識できる ヘイズ値変化 偏光板のアンチグレア層の耐久性を評価するため上記し
た条件と同じ条件下で処理し、処理前後のヘイズ値を測
定し、下記の基準により評価した。 ○・・・放置前後のヘイズ値の変化率が30%未満 ×・・・放置前後のヘイズ値の変化率が30%以上
【0045】(アンチリフレクション層) 蛍光灯の写り込み 蛍光灯を該偏光板に写し込んだときの該像による表示品
位を下記の基準で評価した。 A・・・蛍光灯の写り込みにより他の表示が阻害されな
い B・・・蛍光灯の写り込みにより他の表示が阻害される 表面反射率 偏光板のアンチリフレクション層の耐久性を評価するた
め上記した条件と同じ条件下で処理し、処理前後の反射
率を測定し、下記の基準で評価した。 ○・・・放置前後の反射率の変化率が30%未満 ×・・・放置前後の反射率の変化率が30%以上
【0046】実施例5 実施例2で得られた偏光板を用いて実施例4と同様に機
能層を設けて、実施例4と同様に評価した。 実施例6 実施例3で得られた偏光板を用いて実施例4と同様に機
能層を設けて、実施例4と同様に評価した。実施例4〜
6の評価結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】表3中、HC層はハードコート層を、AG
層はアンチグレア層を、AR層はアンチリフレクション
層を表す。表3に示される結果から、本発明の機能層を
有する偏光板は、機能層がその機能を充分に発揮すると
共に耐久性にも優れることが明らかである。
【0049】
【発明の効果】本発明の偏光板は、偏光フィルムに特定
のトリアセチルセルロースフィルムが貼着した偏光板を
所望のサイズに打抜く工程において、貼着したフィルム
が剥がれることがなく得率良く取得され得、しかも高温
・高湿環境下での耐久性に優れ、偏光特性等の光学的性
能の低下が少ない。また、本発明の偏光板に各種機能層
を複数積層しても、その機能を充分に発揮する。従っ
て、本発明の偏光板は、電子卓上計算機、電子時計、ワ
ープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サ
ングラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CR
T、LCD等)用反射低減層等に用いられ、特に自動車
や機械類の計器類等の液晶表示装置に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 11:00 11:00 Fターム(参考) 2H049 BA02 BB33 BB43 BB51 BB63 BB65 BC09 BC10 2H091 FA08X FA08Z FA37X FB02 FC01 FD06 GA16 LA02 LA04 LA06 4F205 AA01 AG01 AG03 AH73 GA07 GB02 GB22 GF01 GF24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光フィルムの少なくとも片面に引張強
    度が13kgf/mm2以上のトリアセチルセルロース
    フィルムを積層してなる偏光板において、 該トリアセチルセルロースフィルムが、トリアセチルセ
    ルロースをジクロロメタンを実質的に含まない溶剤に溶
    解することで調製されたトリアセチルセルロースドープ
    を単層流延方法により作製されたトリアセチルセルロー
    スフィルムであることを特徴とする偏光板。
  2. 【請求項2】 偏光フィルムの少なくとも片面に引張強
    度が13kgf/mm2以上のトリアセチルセルロース
    フィルムを積層してなる偏光板において、 該トリアセチルセルロースフィルムが、トリアセチルセ
    ルロースを溶剤に溶解することで調製されたトリアセチ
    ルセルロースドープを複数層共流延方法により作製され
    たトリアセチルセルロースフィルムであることを特徴と
    する偏光板。
  3. 【請求項3】 上記トリアセチルセルロースドープが、
    トリアセチルセルロースを冷却溶解法あるいは高温溶解
    法によってジクロロメタンを実質的に含まない溶剤に溶
    解することで調整されたトリアセチルセルロースドープ
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光
    板。
  4. 【請求項4】 トリアセチルセルロースフィルムを10
    0℃、100時間放置したときの縦方向の寸法変化率
    が、0.20%以下であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の偏光板。
  5. 【請求項5】 トリアセチルセルロースフィルムを70
    ℃、90%RHの雰囲気下に500時間放置したときの
    縦方向の寸法変化率が、0.50%以下であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板。
  6. 【請求項6】 偏光フィルムとして、平均重合度100
    0〜6000のポリビニルアルコール系樹脂フィルムが
    用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の偏光板。
  7. 【請求項7】 トリアセチルセルロースフィルムの外側
    に機能層を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の偏光板。
  8. 【請求項8】 機能層が、ハードコート層、アンチグレ
    ア層およびアンチリフレクション層からなる群より選ば
    れる少なくとも1種であることを特徴とする請求項7に
    記載の偏光板。
  9. 【請求項9】 偏光フィルムの少なくとも片面に引張強
    度が13kgf/mm2以上のトリアセチルセルロース
    フィルムを貼着してなる偏光板の製造方法において、 トリアセチルセルロースをジクロロメタンを実質的に含
    まない溶剤に溶解することで調製されたトリアセチルセ
    ルロースドープを単層流延してトリアセチルセルロース
    フィルムを作製することを特徴とする偏光板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 偏光フィルムの少なくとも片面に引張
    強度が13kgf/mm2以上のトリアセチルセルロー
    スフィルムを貼着してなる偏光板の製造方法において、 トリアセチルセルロースを溶剤に溶解することで調製さ
    れたトリアセチルセルロースドープを複数層共流延して
    トリアセチルセルロースフィルムを作製することを特徴
    とする偏光板の製造方法。
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