JP2002195136A - 吸気制御装置およびこれを搭載した内燃機関 - Google Patents

吸気制御装置およびこれを搭載した内燃機関

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JP2002195136A
JP2002195136A JP2001077079A JP2001077079A JP2002195136A JP 2002195136 A JP2002195136 A JP 2002195136A JP 2001077079 A JP2001077079 A JP 2001077079A JP 2001077079 A JP2001077079 A JP 2001077079A JP 2002195136 A JP2002195136 A JP 2002195136A
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fuel injection
heater
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injection valve
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JP2001077079A
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Kiyoshi Amo
天羽  清
Yoshio Okamoto
良雄 岡本
Yuzo Kadomukai
裕三 門向
Takehiko Kowatari
武彦 小渡
Ayumi Miyajima
歩 宮島
Masami Nagano
正美 永野
Takanobu Ichihara
隆信 市原
Hiroaki Saeki
浩昭 佐伯
Tei Someno
禎 染野
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】始動および暖機時に集合管燃料噴射弁から噴射
する燃料噴霧を効率良く内燃機関に供給して暖機時に排
出されるHC量を低減する。 【解決手段】集合管6の上流に設けられる吸気制御装置
100のボディ11に、スロットルバルブ4を設置する
主通路12と集合管燃料噴射弁15から噴射した燃料噴
霧17の微粒化を促進してHC排出を低減する空気のバ
イパス流路13を一体的に形成してユニット化し、製造
および吸気系への着脱を容易にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気制御装置およ
びこれを搭載した内燃機関に係り、特に、内燃機関の燃
焼性能を向上させ、暖機時に排出されるハイドロカーボ
ン(以下、HCと記す)を低減する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平4−232353号公報には、ス
ロットルバルブが部分開位置にあるときのスロットルバ
ルブ外周部に近接する位置において主吸気通路内に突出
するようにコールドスタートインジェクタを設置したエ
ンジンの吸気装置が開示されている。
【0003】しかしながら、主吸気通路内に突出したコ
ールドスタートインジェクタから該主吸気通路内に噴射
した燃料噴霧を該主吸気通路内を流れる吸気によって十
分に気化(微粒化)して各燃焼室まで搬送することは困
難であり、燃料噴霧の多くは主吸気通路の内壁に付着し
て滞ることになる。従って、各燃焼室に十分に気化した
燃料を安定に供給することが困難である。
【0004】また、USP5,482,023号明細書および図面に
は、コールドスタートフューエルインジェクタと、ヒー
タと、アイドルスピードコントロールバルブ(以下IS
Cバルブという)とを備えたコールドスタートフューエ
ルコントロールシステムが記載されている。
【0005】このシステムでは、ISCバルブからの空
気の一部(第1の空気流)をコールドスタートフューエ
ルインジェクタから噴射された燃料に合流させる。この
ために、ISCバルブからの空気通路の開口がコールド
スタートフューエルインジェクタの出口部を取り囲むよ
うに環状に設けられている。コールドスタートフューエ
ルインジェクタからの燃料と第1の空気流とは、合流後
すぐに、コールドスタートフューエルインジェクタの下
流側に一列に並べられた円筒状のヒータ内部に入れられ
る。
【0006】一方、ヒータの外周部には、ISCバルブ
からの空気の一部を流す空気通路が形成されており、こ
の空気通路を流れてきた空気(第2の空気流)はヒータ
の出口部でヒータ内部を通ってきた燃料噴霧と合流す
る。コールドスタートフューエルインジェクタから出た
燃料は、ヒータ内部を通過する際に気化を促進され、ヒ
ータの出口部で第2の空気流と混合されることによっ
て、更に気化が促進される。ヒータの出口部は、吸気集
合管内に連通され、気化促進された燃料噴霧は吸気集合
管内に放出された後に各気筒へと分配される。
【0007】このシステムでは、円筒状のヒータ内部に
燃料と空気を混合する混合室を構成することにより、上
流側より、コールドスタートフューエルインジェクタ、
コールドスタートフューエルインジェクタから噴射され
た燃料と第1の空気流との合流点、ヒータ内部に構成し
た混合室を一列に配置し、ヒータ出口を出口とする一つ
の微粒化器(アトマイザー)を構成している。この微粒
化器は空気流のエネルギを利用したエアアシスト型の微
粒化器であると共に、微粒化器内部で燃料と空気とを合
流させて混合する内部混合型の微粒化器であると考えら
れる。
【0008】このシステムでは、第2の空気流は、ヒー
タの外周部を流れ、ヒータ内部を通ってきた燃料噴霧と
同方向に流れながら合流し、燃料噴霧の気化を促進す
る。しかし、燃料噴霧の吸気管への合流とその後の吸気
管内の搬送については、配慮が必ずしも十分ではなかっ
た。
【0009】このシステムでは、コールドスタートフュ
ーエルインジェクタから噴射された燃料は、ヒータ内部
に形成された狭く長い通路内を、ヒータと接触しながら
通過することによって気化を促進されるが、ヒータによ
る気化効率に対する配慮が必ずしも十分ではなかった。
【0010】このシステムでは、ヒータの出口部は、吸
気集合管内に連通され、気化促進された燃料噴霧は吸気
集合管内に放出されたのち、各気筒へと分配されている
が、各気筒への分配向上に対する配慮が必ずしも十分で
はなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の1つの目的
は、内燃機関の暖機運転時に排出されるHCを低減する
ために好ましい形態の吸気制御装置を提供することにあ
る。
【0012】本発明の他の目的は、前記吸気制御装置を
製造および着脱が容易な形態に構成することにある。
【0013】本発明の更に他の目的は、内燃機関の気筒
の近くに配置される第1の燃料噴射弁とは別に設けられ
て、始動時等に用いられる第2の燃料噴射弁から噴射さ
れた燃料の吸気管内への合流と吸気管内での下流側への
搬送を工夫することによって、吸気管内壁面への燃料付
着量を抑制し、暖機時に排出されるHCを低減すること
にある。
【0014】本発明の更に他の目的は、燃料噴霧のヒー
タへの接触の仕方を工夫することによって、燃料噴霧の
微粒化のためにヒータで消費される電気エネルギを低減
することにある。
【0015】本発明の更に他の目的は、吸気管内への燃
料噴霧の供給方法を工夫することによって、各気筒への
燃料噴霧の分配の均一性を向上することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】内燃機関の気筒内に空気
を供給する主流路が形成され、該主流路内に空気流量を
調整するスロットルバルブを設けたボディと、このボデ
ィに嵌着されて前記主流路内に燃料を供給する燃料噴射
弁とを備えた吸気制御装置において、前記ボディは、前
記スロットルバルブの下流側においてボディの外部と前
記主流路内とを連通する開口部と、該開口部の開口面に
対向させて燃料噴射弁を嵌着する取付部と、前記スロッ
トルバルブの上流側の主流路から分岐し、前記開口部を
通じて前記主流路内に連通する第1のバイパス流路と、
前記スロットルバルブの上流側の主流路から分岐し、前
記スロットルバルブよりも下流側であって、前記開口部
の上流側又は下流側の主流路内に連通する第2のバイパ
ス流路とをボディ部材を加工して一体に成形したことを
特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態につい
て、図1〜図7を用いて説明する。
【0018】図1において、内燃機関1は、ガソリンを
燃料とする周知の火花点火式の多気筒内燃機関であり、
1つの気筒のみについて図示している。
【0019】吸気系は、エアクリーナ(図示省略)を通
過して吸入される吸入空気100の流量を計測するエア
フローセンサ3と、運転者のアクセルペダル操作に連動
して開閉動作するスロットルバルブ4を内蔵した吸気制
御装置110と、スロットルバルブ4の開度を計測する
スロットルポジショニングセンサ5と、吸気集合管6
と、この吸気集合管6より各気筒に分岐する吸気マニホ
ールド7と、吸気弁31を備える吸気ポート8等より構
成されている。なお、吸気集合管とは、各気筒に分岐す
る前の吸気管のことである。エアフローセンサ3および
スロットルポジショニングセンサ5のそれぞれで計測し
た吸入空気量およびスロットルバルブ4の開度は、コン
トローラ32に入力して内燃機関1の運転状態の検出や
種々の制御に用いる。
【0020】排気系は、各気筒の排気弁34を備える排
気ポート21と、排気マニホールド22と、排気中の酸
素濃度を計測する酸素濃度センサ23と、排気を浄化す
るための三元触媒コンバータ24と、消音マフラー(図
示省略)等から構成されている。また、酸素濃度センサ
23で計測した酸素濃度は、コントローラ32に入力し
て、内燃機関1の運転状態の検出や種々の制御に用い
る。
【0021】燃料系は、燃料2を貯える燃料タンク26
と、燃料タンク26から燃料2を圧送する燃料ポンプ2
7と、燃料フィルタ28と、圧送された燃料2の圧力を
所定の大きさに調整するプレッシャレギュレータ29
と、各気筒(#1,#2,…)の各吸気ポート8に燃料
を噴射する第1の燃料噴射装置であるポート燃料噴射弁
10と、吸気集合管6に供給する燃料を噴射する第2の
燃料噴射装置の構成要素である集合管燃料噴射弁15等
によって構成し、燃料配管30で接続している。なお、
集合管燃料噴射弁15は、主通路12のスロットルバル
ブ4の下流であり、吸気集合管6の上流側に配置される
燃料噴射弁であり、ポート燃料噴射弁10と区別するた
めに、集合管燃料噴射弁と呼ぶこととする。
【0022】集合管燃料噴射弁15およびポート燃料噴
射弁10からの燃料2の噴射は、内燃機関1の運転状態
に応じて制御し、具体的にはコントローラ32から出力
される指令信号に基づいて実行する。なお、内燃機関1
の始動、始動後から所定期間(暖機運転)、およびその
後の機関の運転状況に応じて、集合管燃料噴射弁15と
ポート燃料噴射弁10の燃料噴射を切り換えるが、その
詳細については後述する。
【0023】この吸気制御装置110は、1つのボディ
11の内部に、集合管燃料噴射弁15を有する第2の燃
料噴射装置を一体的に構成し、内燃機関の吸気系に着脱
が容易なユニットの形態である。その構成及び動作につ
いては後述する。
【0024】内燃機関1の各気筒は、点火プラグ33を
臨ませて配置した燃焼室25と、開閉動作によって吸気
−圧縮−膨張−排気のサイクルを制御する吸気弁31と
排気弁34を備える。点火プラグ33には、バッテリお
よびオルタネータ(何れも図示省略)から供給される電
力をイグニッションコイル40にて高電圧化した電力を
コントローラ32からの信号に応じて配電し、所望の時
期に火花点火を行う。
【0025】また、燃焼室25の側部にはウォータジャ
ケット36を設け、その内部には内燃機関1を冷却する
ための冷却水35を循環させる。冷却水35の温度は、
ウォータジャケット36に配設した水温センサ37で計
測してコントローラ32に入力し、内燃機関1の運転状
態の検出や制御に用いる。
【0026】また、ピストン38にコンロッド39を介
して連結したクランク軸(図示省略)の回転角度は、ク
ランク角度センサ(図示省略)によって計測し、クラン
ク角度センサからの計測値をコントローラ32に入力す
ることにより該コントローラ32がピストン38の位置
を検出することを可能に構成する。
【0027】内燃機関1の運転に伴い、燃焼室25には
集合管燃料噴射弁15もしくはポート燃料噴射弁10よ
り噴射された燃料と吸入空気100との混合気105が
吸入され、燃焼室25に吸入された混合気は、圧縮行程
から膨張行程にかけての上死点付近で点火プラグ33に
よって点火して燃焼させる。燃焼後の燃焼ガス107
は、燃焼室25から排出された後に、排気ポート21,
排気マニホールド22から三元触媒コンバータ24に至
り、ここで浄化した後に、最終的な排気106として内
燃機関1の外に排出する。
【0028】次に、図2を用いて、吸気制御装置110
の構成について説明する。
【0029】吸気制御装置110は、その両端に吸気系
への結合フランジを備えたボディ11の内部に、主通路
12を形成し、この主通路12内にスロットルバルブ4
を配置し、このスロットルバルブ4を開くことにより、
主通路12の上流側と下流側を連通する。また、吸気制
御装置110の主通路12を形成するボディ11内に
は、この主通路12とは別に、スロットルバルブ4の上
流と下流を結ぶ(連通する)バイパス流路13を形成す
る。このバイパス流路13には、ISCバルブ14を配
設し、内燃機関1の始動および暖機運転におけるアイド
リング時に前記ISCバルブ14を開閉することにより
バイパス流路13を流れる空気流量101を調整する。
【0030】バイパス流路13は、ISCバルブ14の
下流で流路13a,13bに分岐させる。一方のバイパ
ス流路13aは、ボディ11の外部から主通路12に連
通するように円形の凹部として形成した噴射弁挿入部1
6に連通させる。この噴射弁挿入部16は、集合管燃料
噴射弁15を取り付ける取付部であり、ボディ11内の
主通路12の軸流方向に対して所定の角度αだけ傾けて
形成し、奥端(底部)がボディ11内の主通路12側に
形成された円形の凹部161に開口し、外端がボディ1
1の外部に開口している。この噴射弁挿入部16に集合
管燃料噴射弁15を挿入して該集合管燃料噴射弁15を
吸気制御装置110のボディ11に取り付けると共にシ
ールリング151でシールすることにより該集合管燃料
噴射弁15の周囲に整圧室41を形成する。前記バイパ
ス流路13aは、前記調圧室41に連通させる。
【0031】集合管燃料噴射弁15の噴射方向に仮想し
た燃料噴霧の中心線と主通路12の中心を通り軸流方向
に仮想した中心軸線とのなす角度は、所定の角度αに設
定する。
【0032】また、装置の大型化,組立工数の増加を招
く恐れはあるが、吸気制御装置110のボディ11の成
形を容易にするために、集合管燃料噴射弁15をアダプ
タを介してボディ11に取り付けるようにしても良い。
【0033】燃料噴霧の中心線は、燃料噴射弁の燃料噴
射孔中心と噴射された燃料噴霧の断面の中心点とを結ぶ
中心線として仮想される。通常は、燃料噴射弁の弁体の
駆動方向と一致し、弁体を駆動する駆動軸方向にとった
弁軸の軸心と一致し、或いは燃料噴射孔の中心を通り噴
孔を形成する壁面と平行な燃料噴射孔の中心線と一致す
る。ただし、燃料噴射孔を弁軸心に対して傾斜させた
り、燃料噴射孔の出口を細工するなどした場合には、燃
料噴霧の中心線と弁軸心或いは燃料噴射孔の中心線とは
一致しなくなる場合がある。
【0034】主通路12の凹部161側に位置する整圧
室41の底部には、集合管燃料噴射弁15のノズル47
が位置し、このノズル47の噴孔部の直下に開口する円
孔46を形成し、前記凹部161を介してスロットルバ
ルブ4の下流の主通路12に連通させる。集合管燃料噴
射弁15のノズル47の側部は、整圧室41の底部に設
けた複数の通路形成突起部49の内周部に形成したガイ
ド面48でガイドして位置決めする。また、ノズル47
の出口端部は、ガイド面48より内側の円孔46の内面
との間に僅かな隙間をもって配置しており、通路形成突
起部49がこの隙間の高さを設定している。通路形成突
起部49の端面50は、集合管燃料噴射弁15の肩部5
1に当接させ、その接触面を図2(b)中に点線で示す。
複数の通路形成突起部49の間の部分で整圧室41と円
孔46とを連通させる。なお、円孔46は、軸方向の厚
さを極力小さくした、いわゆる、薄刃オリフィス形状と
している。
【0035】一方、ISCバルブ14の下流部に設けた
分岐入口部43から分岐した他方のバイパス流路13b
は、分岐出口部44を経て整圧室42に連通させる。こ
の整圧室42は、主通路12と同軸的に配設した環状の
空間としてボディ11内に形成する。この整圧室42
は、主通路12の軸流方向の中心軸線に向かうように互
いに対向して形成した複数の搬送空気通路45によって
主通路12と連通させる。なお、この実施の形態では、
搬送空気通路45は、後述するヒータ18の下流側に形
成している。
【0036】燃料を気化させるために発熱する発熱体で
あるヒータ18は、板状のものを主通路12内壁面に沿
って円弧状に複数個配列することにより構成しており、
温度が所定値以上に上昇するとその電気抵抗を急増させ
て電流を低下させることにより温度を一定に保持する機
能を持つPTCヒータ(セラミックヒータ)を用いてい
る。このヒータ18と主通路12との間には、ヒータ1
8から主通路12の壁面への熱の移動を低減するための
断熱材19を配設している。
【0037】また、ヒータ18の上流部の主通路12の
壁面には突起部20を設け、ヒータ18の上流側から流
れてくる空気が、ヒータ18に直接当たらないようにし
ているが、ヒータ18の上流から流入して該ヒータ18
へ当たる空気量が少ない場合は、突起部20を省略して
も良い。
【0038】次に、図3(a),(b)を用いて、バイパス
流路13bから分岐部出口44,整圧室42および該整
圧室42から搬送空気通路45を介して連通する主通路
12までの流路構造について説明する。図3(a),(b)
は、それぞれ、図2(a)におけるB−B断面矢視図およ
びC−C断面矢視図である。
【0039】整圧室42は、主通路12の外周側に配設
した環状の空間であって、搬送空気通路45によって主
通路12と連通させている。整圧室42と主通路12を
連通する搬送空気通路45は、主通路12内に設けるヒ
ータ18の下流の該主通路12の内周壁に4個開口させ
るように形成し、それぞれが互いに対向するように構成
する。
【0040】この実施の形態によれば、吸気制御装置1
10は、主通路12を形成するボディ11に、集合管燃
料噴射弁15の噴射弁挿入部16と、バイパス流路1
3,13a,13bと、凹部161と、整圧室41,4
2と、微粒化空気通路(整圧室41から円孔46までの
空気103が流れる通路)と、搬送空気通路45を一体
的に形成し、スロットルバルブ4,スロットルバルブ4
の駆動機構(図示省略),集合管燃料噴射弁15,IS
Cバルブ14,ヒータ18等が取り付けて構成してお
り、ユニットとして一体で吸気管に着脱可能に構成して
いる。内燃機関の始動および暖機運転に係わる重要な装
置を1つの単位として内燃機関1に着脱することができ
るので、組立,調整,保守を容易に行うことができる。
【0041】このようなボディ11は、樹脂成型によっ
て形成するようにすれば、効率良く製作することがで
き、また、吸気制御装置110を軽量に構成することが
できる。この樹脂成型ボディは、後述する実施の形態に
おいても採用することができる。
【0042】次に、バイパス流路13a,13bを流れ
る空気の作用について説明する。バイパス流路13aを
流れる空気は、集合管燃料噴射弁15のノズル47の周
りからノズル47の出口端部と円孔46との間に形成し
た環状の隙間に流れ込み、集合管燃料噴射弁15から噴
射される燃料に、この燃料の噴射方向を横切る方向から
衝突(合流)する。しかる後、集合管燃料噴射弁15の
軸心下方に形成された円孔46を介して主通路12に開
口する凹部161に噴出して燃料噴霧17を誘引しなが
らヒータ18の方向に向う。
【0043】一方、バイパス流路13bを流れる空気1
04は、整圧室42にて整流された後に、対向する複数
個の搬送空気通路45から主通路12内に流れ込み、主
通路12内で衝突した後に下流へと流れを偏向する。バ
イパス流路13bを流れる空気流104の量は、ISC
バルブ14によって制御される全空気流量の大半を占め
ている。すなわち、搬送空気通路45から流出した空気
104は、ヒータ18の下流側において強い誘引流を生
成し、集合管燃料噴射弁15により噴射されて微粒化が
促進した燃料噴霧17とヒータ18にて部分的に気化さ
れた燃料蒸気とを誘引して下流側へ搬送する。更に、集
合管燃料噴射弁15から噴射する燃料噴霧17の噴射方
向を、主通路12の軸流方向の中心軸線に対して、所定
の角度αだけの傾きをもって下流側に傾けて設定するこ
とにより、燃料噴霧17が搬送空気通路45から流出し
た空気104が作る誘引流に沿って流れ易くすることが
できる。また、搬送空気通路45は、ヒータ18の下流
側に設けているので、搬送用空気104が主通路12を
流れるときにヒータ18から熱を直接奪うようなことが
ない。
【0044】なお、バイパス流路13a,13bを流れ
る空気103,104の流量比は、ノズル47の出口端
部(先端面)と円孔46が形成された噴射弁挿入部16
の底面との間の隙間に形成された空気通路の面積、また
は円孔46の面積と、複数個の搬送空気通路45の総面
積との比で決定されるが、この実施の形態では、燃料微
粒化用の空気103の流量が搬送用の空気104の流量
に比して十分少なくなるように設計している。
【0045】次に、集合管燃料噴射弁15の燃料噴霧1
7の生成および燃料気化への作用について説明する。
【0046】この実施の形態では、集合管燃料噴射弁1
5は、ノズル47の内部において燃料に旋回を付与する
上流旋回式の燃料噴射弁を用いている。すなわち、燃料
の圧力エネルギを旋回エネルギに置き換えることによっ
て、薄膜401状の燃料を噴射して微粒化を促進する形
態の燃料噴射弁である。この薄膜401状の燃料噴霧1
7に、更に空気103をアシストする(衝突させる)こ
とによって、急速に微粒化が促進し、微細な燃料噴霧1
7を生成することができる。加えて、円孔46は、前述
したように、薄刃オリフィス形状としているので、オリ
フィス(円孔46)を通過する際に燃料や空気が損失す
るエネルギが極力小さく抑えられて、微粒化が促進す
る。
【0047】図4(a)は、空気103の供給によって
急激に微粒化が促進されることを示している。図中に付
したP部が、この実施の形態における内燃機関1の始動
後から所定期間(数十秒)に利用する動作点であり、燃
料噴霧17の平均粒径は10μm以下である。このと
き、バイパス流路13aを流れる空気流103の量は、
ISCバルブ14によって制御される全空気流量の1/
10程度である。よって、残りの吸入空気104の量
は、燃料噴霧17の誘引および搬送用に効果的に用いる
ことができる。
【0048】また、同図(b)に示すように、燃料噴霧1
7の20μm以上の粒子は、全粒子数に対して数パーセ
ントしか存在していない。例えば、燃料温度が20℃,
周囲温度が20℃の静止空気中の条件で、20μmの粒
子が浮遊可能な粒子径10μmになるまでの時間は0.
01秒である。空気流速5m/sでは、10μmになる
までに粒子が飛翔する距離は約5cmであり、この実施
の形態における構成では、ヒータ18の表面に到達する
粒子数は大幅に低減することができる。すなわち、図
(b)のような粒径分布をもった燃料噴霧17を供給する
と、大部分は搬送用空気104に乗って下流へと運ば
れ、仮りにヒータ18に付着したとしても、粒子径が小
さいために瞬時に気化が促進される。
【0049】以上の説明から明らかなように、この実施
の形態における吸気制御装置110によれば、次のよう
が特徴が得られる。 (1)集合管燃料噴射弁15として、ノズル47の内部に
おいて燃料を旋回させて微粒化を促進する上流旋回式の
燃料噴射弁を用いている。 (2)集合管燃料噴射弁15から噴射された燃料に空気を
アシストし(衝突させ)、更に微粒化を促進させてい
る。 (3)集合管燃料噴射弁15に供給する微粒化のための空
気103の量は、内燃機関1の暖機時の運転に要する全
空気量の1/10程度としている。 (4)残りの空気104は、燃料噴霧17の搬送用として
使用しており、ヒータ18を冷却しないような流れとし
ている。 (5)集合管燃料噴射弁15より噴射した燃料噴霧17の
大部分は、吸気管内を流れる空気流にて運ばれる構成と
している。 (6)バイパス流路13a,13bを含む第2の燃料噴射
装置をスロットルバルブ4を内蔵する吸気制御装置11
0のボディ11内に一体的に構成してユニット化するこ
とにより、装置を小型化している。 (7)ヒータ18よりなる燃料気化装置は、補助的に使用
するように構成しているので、ヒータ18部分に到達す
る燃料が少ない場合には、ヒータ18を廃止することも
可能である。 (8)ヒータ18の負荷が激減し、小型化することができ
る。 (9)内燃機関1への装着性が向上し、生産面,コスト面
で従来に比べて大幅に改善することができる。
【0050】なお、この実施の形態では、ヒータ18に
PTCヒータを用いたが、電流制御回路を付与して温度
制御を行なえば、電熱コイル等の一般的なヒータを用い
ても実現可能である。また、搬送空気通路45を4個と
したが、主通路12内に空気をできるだけ均一に供給す
るのが目的であり、搬送空気通路45の個数を制限する
ものではない。
【0051】次に、この燃料噴射装置110を内燃機関
1へ搭載する場合のその動作について図1および図5〜
図7を用いて説明する。
【0052】図1に示す内燃機関1において、内燃機関
1を運転するとスロットルバルブ4の下流部の吸気管
(吸気集合管6,吸気マニホールド7,吸気ポート8)
に負圧が発生し、この吸気管内の負圧により、外部から
空気を吸入する。内燃機関1の始動時およびアイドリン
グ運転時は、スロットルバルブ4はほぼ全閉状態であ
り、その時の吸入空気の流量は、バイパス流路13に配
置されたISCバルブ14によって制御される。このと
きの吸入空気の流れを図中に白抜き矢印で模式的に示
す。
【0053】外気から吸入された空気100は、エアク
リーナ(図示省略)でろ過した後、その流量がエアフロ
ーセンサ3で計測されて、スロットルバルブ4の上流に
達する。吸入空気100のごく一部は、スロットルバル
ブ4と主通路12の内周壁面との間の僅かな隙間を通過
してスロットルバルブ4の下流の主通路12内へ流入す
る(矢印102)。一方、吸入空気100の大部分は、
スロットルバルブ14の上流からISCバルブ14を通
ってバイパス流路13に流入後(矢印101)、バイパ
ス流路13a,13bのそれぞれから主通路12に流出
する流れに分かれる。
【0054】ここで、内燃機関1の始動および始動後の
所定期間は、集合管燃料噴射弁15とポート燃料噴射弁
10の燃料噴射動作の切り換え制御を行う。図7を用い
てその制御方法を説明する。
【0055】内燃機関1の始動時において、燃焼室25
で初爆が起きるまで、あるいは内燃機関1の回転速度が
所定の回転速度に達するまでの間は、ポート燃料噴射弁
10を動作させて燃料を噴射する。その後、ポート燃料
噴射弁10の燃料噴射動作を停止させて集合管燃料噴射
弁15による燃料噴射動作に切り換えるが、その際、ポ
ート燃料噴射弁10の動作期間と時間ΔT1だけオーバ
ーラップさせて集合管燃料噴射弁15の動作を開始さ
せ、集合管燃料噴射弁15からの燃料噴射を行う。この
時間ΔT1の間は、ポート燃料噴射弁10と集合管燃料
噴射弁15の両方から燃料を噴射する。このオーバーラ
ップの時間ΔT1は、集合管燃料噴射弁15から噴射さ
れた燃料が燃焼室25に到達するまでの輸送遅れの時間
である。オーバーラップの時間ΔT1を設けることによ
り、切り換えの際に生じる内燃機関1の発生トルクの段
差をなくすことができる。ΔT1の大きさは、集合管燃
料噴射弁15の下流の吸気管の容積や内燃機関1の回転
速度によって変わり、容積が大きい程あるいは回転速度
が低い程、ΔT1を大きくするのが良い。特に、回転速
度に応じて、切り換え時の回転速度が低いときにはΔT
1を大きく、回転速度が高いときにはΔT1を小さくな
るように補正を加えることで、発生トルクの段差をより
一層小さくする制御が可能となる。
【0056】また、ヒータ18への通電開始を、集合管
燃料噴射弁15の燃料噴射に先行させて行うと、集合管
燃料噴射弁15から燃料噴射を始める時点のヒータ18
の温度を燃料を気化させるのに必要な温度までに予め高
めておけるので、燃料の気化を促進することが可能とな
る。
【0057】集合管燃料噴射弁15の燃料噴射動作は、
所定の期間継続させる。例えば、内燃機関1の暖機期間
中、すなわち、内燃機関1の冷却水の水温が所定の温度
に達するまで継続させると良い。この集合管燃料噴射弁
15による燃料噴射の目的は、三元触媒コンバータ24
を暖機して早期に活性化することにある。三元触媒コン
バータ24の温度を検出するセンサや三元触媒コンバー
タ24を通過した排気の温度を検出するセンサを備える
場合には、センサが検出する温度が所定の値に上昇する
までの期間を、集合管燃料噴射弁15の燃料噴射動作に
すると良い。
【0058】三元触媒コンバータ24の暖機が終了した
後は、集合管燃料噴射弁15の燃料噴射動作を停止し
て、再び、ポート燃料噴射弁10の燃料噴射動作に切り
換える。その際、集合管燃料噴射弁15の噴射停止後か
らポート燃料噴射弁10の噴射開始までの間に、両方の
燃料噴射弁の燃料噴射を停止する時間ΔT2を設ける。
これにより、切り換えの際に生じる内燃機関1の発生ト
ルクの段差をなくすことができる。この時間ΔT2は、
オーバーラップの時間ΔT1と同様の、集合管燃料噴射
弁15から噴射された燃料が燃焼室25に到達するまで
の輸送遅れの時間である。ΔT2の大きさは、ΔT1の
大きさと同様に、集合管燃料噴射弁15の下流の吸気管
の容積や内燃機関1の回転速度に応じて制御すると良
い。
【0059】このようなポート燃料噴射弁10と集合管
燃料噴射弁15の燃料噴射動作の切り換え制御を行うこ
とにより、次のような効果を得ることができる。すなわ
ち、内燃機関1の始動時にポート燃料噴射弁10から燃
料を噴射することによって、集合管燃料噴射弁15の燃
料噴射動作のみで始動を行う場合に比べて、始動に要す
る時間を短縮することができる。これは、ポート燃料噴
射弁10から噴射された燃料はすぐに内燃機関1の燃焼
室25に吸入されて燃焼が可能になるからであり、集合
管燃料噴射弁15から燃焼室25に燃料が到達するまで
の輸送遅れに相当する時間分だけ始動時間を短縮するこ
とができる。
【0060】次に、図7(b)および(c)を用いて、集合
管燃料噴射弁15が燃料噴射動作中の開閉弁の制御信号
の与え方により、燃料の微粒化をより一層促進する方法
を説明する。
【0061】図7(b)では、集合管燃料噴射弁15の開
弁の制御信号を所定の周期Tで繰り返し与えている。こ
こでいう所定の周期とは、例えば、内燃機関1の各気筒
の吸気行程上死点に同期した周期等である。集合管燃料
噴射弁15から噴射する燃料の量は、開弁の制御信号が
与えられている時間に概ね比例するので、燃料噴射量を
多くする場合には開弁時間の長い制御信号を与え、少な
くする場合には開弁時間の短い制御信号を与える。すな
わち、制御信号のデューティ制御によって燃料噴射量を
制御しており、所定の周期Tの間に、連続した1回の燃
料噴射が行われ、燃料噴射中の気液比は一定となる。
【0062】一方、図(c)では、前記所定の周期Tの間
に集合管燃料噴射弁15から噴射する燃料の量は図(b)
の場合と等しいが、周期Tの間に、間欠的に複数回の燃
料噴射を行わせている。このときも燃料噴射中の気液比
は図(b)の場合と等しくなるが、短い噴射の後の閉弁中
にも円孔46から空気は流出し続けているので、期間
T'で考えると、燃料に対して供給される空気の比率は
図(b)の場合に比べて大きくなる。すなわち、間欠的な
噴射を行うことによって、燃料に混合させる空気の量を
高めることができ、その結果、燃料の微粒化をより一層
促進させることが可能になると共に、空気による燃料の
搬送能力を高めることができる。なお、このときに集合
管燃料噴射弁15に与える制御信号を見ると、内燃機関
1の回転速度が等しい場合にポート燃料噴射弁10に与
える制御信号のON−OFFの周期と比べて、短い周期
のON−OFF信号が観察される。
【0063】図5(a)に示すように、ヒータ18にはバ
ッテリおよびオルタネータ等の発電機から一定の電圧が
印加される。このとき、ヒータ18に流れる電流は、同
図(b)に示すように時間とともに変化する。すなわち、
この実施の形態では、ヒータ18としてPTCヒータを
用いているので、通電開始直後でヒータ18の温度が低
いときにはその抵抗値が小さく、大きな電流がヒータ1
8に流れ込む。ヒータ18の温度が上昇するのに伴っ
て、ヒータ18の抵抗は加速度的に大きくなるので、電
流はピークを迎えた後に減少し、最終的には、ヒータ1
8から奪われる熱量と均衡する熱量を発生する電流値に
落ち着く。図(b)中の実線は、この実施の形態において
得られる作用によって実現されるータ18に流れる電流
の時間変化を示しており、その特徴を、従来の装置の場
合を示す破線と比較して以下に説明する。 (1)ヒータ18を小型化してヒータ自身の熱容量を低減
しているために、ピーク電流を下げることができる。ま
た、ピーク電流に早く到達させることができる(換言す
ると、早くヒータ温度を上昇させることができる)。更
に、ヒータ18の表面積が小さくなるためにそこから放
熱される熱量が減り、その分の電流を下げることができ
る。 (2)燃料噴霧の微粒化を促進させてその大部分を空気に
よって搬送することができるようにしているので、ヒー
タ18に到達する燃料が少なくなり、燃料の気化熱に相
応するヒータ電流を下げることができる。 (3)搬送空気通路45から主通路12に流出する多量の
空気を直接ヒータ18に衝突させないようにしているの
で空気に奪われる熱量が低減し、その分の電流を下げる
ことができる。 (4)ヒータ18の上流から流れてくる空気が該ヒータ1
8に直接当たらないように該ヒータ18の上流に突起部
20をもうけているので、空気に奪われる熱量が低減
し、その分の電流を下げることができる。 (5)断熱材19を配置してヒータ18から主通路12の
壁面に伝達される熱量を低減したことにより、その分の
電流を下げることができる。
【0064】更に、主通路12を形成するボディ11を
金属ではなく樹脂で構成すれば、主通路12への熱伝達
はしにくくなるため、ヒータ電流をより一層下げること
が可能となる。
【0065】図6(a)は、燃料噴霧の粒径と燃焼の安定
性を維持したまま遅くできる(リタードできる)点火時
期の限界との関係を示す図である。この実施の形態で得
られる燃料噴霧の粒径は非常に小さいために、膨張行程
に入るまで点火時期を大きくリタードさせることが可能
となる。膨張行程で点火を行うと燃焼室内の燃焼ガスが
膨張する割合が減るために、燃焼ガスが膨張仕事によっ
て消費する熱量が少なくなり、高温を保ったままの燃焼
ガスを排気管に排出することができる。つまり、図6
(b)に示すように、点火時期をリタードして高温の燃焼
ガスを排出することによって三元触媒コンバータ24を
急速に暖機することが可能になり、内燃機関1の始動
後、三元触媒コンバータ24が活性化温度に達するまで
の時間を縮することができる。すなわち、図6(c)に示
すように、三元触媒コンバータ24の浄化作用が早期に
開始されるので、内燃機関1の始動後に排出されるHC
の量を大幅に低減することができる。なお、三元触媒コ
ンバータ(触媒)24の早期暖機により、HCのみなら
ず、NOx,COの低減も可能である。
【0066】また、集合管燃料噴射弁15は、吸気集合
管6の上流に装着される吸気制御装置110におけるボ
ディ11の主通路12のスロットルバルブ4の下流に開
口する凹部161の奥に燃料噴射孔を臨ませた燃料噴射
弁である。であり、吸気集合管6の上流に配置される燃
料噴射弁15である。したがって、この集合管燃料噴射
弁15から噴射する燃料絵噴霧17は、凹部161内を
通過する間に微粒化が十分に促進されてから主通路12
内に供給され、しかも、各気筒に到達するまでの吸入空
気との混合および微粒化の促進距離が長くなるために燃
料噴霧17の各気筒への分配がより均一になる。
【0067】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図8を用いて説明する。
【0068】図2に示した第1の実施の形態との主たる
違いは、燃料噴霧を搬送するための空気を流すバイパス
流路13cの構成であり、その他の構成は第1の実施の
形態と同じであるので重複する説明を省略する。
【0069】この実施の形態では、分岐入口部43aで
分岐したバイパス流路13cは、スロットルバルブ4と
凹部161の間の主通路12内に突出するようにボディ
11aに形成した分岐出口部60aに連通させる。この
分岐出口部60aは、主通路12の軸流方向の下流側に
向けて開口している。つまり、分岐出口部60aから流
出した空気104は、円孔46から噴射して凹部161
内で微粒化が促進した燃料噴霧17が主通路12に出て
くる部分で衝突(合流)する。このとき、分岐出口部6
0aから流出する空気104は、ISCバルブ14を通
過する空気の大部分を占めた多量であり、且つ、主通路
12の軸流方向下流側を向いた流れであるので、燃料噴
霧17は主通路12の下流方向に向けて偏向させられて
搬送される。そして、燃料噴霧17中の粒径の小さい液
滴は、空気104の流れに沿ってヒータ18の下流方向
へ搬送することができる。また、燃料噴霧17中の粗大
粒は、空気104の流れの影響をさほど受けずにヒータ
18へ付着する。しかし、ヒータ18に到達する燃料の
量は非常に少なくなり、ヒータ18の小型化あるいはヒ
ータ18を廃止することが可能となる。
【0070】次に、本発明の第3の実施の形態につい
て、図9を用いて説明する。
【0071】図2に示した第1の実施の形態との主たる
違いは、運転者のアクセルペダル操作に連動して動作す
るスロットルバルブ4の代わりに、電気的に開度を制御
する電子制御スロットルバルブ(以下、ETCバルブ)
52を設置し、それに伴ってISCバルブ14を廃止し
た点にある。ETCバルブ52を用いると、内燃機関1
の始動時およびアイドリング運転時の吸入空気量を、I
SCバルブ14を用いなくとも制御することができるの
で、ISCバルブ14は不要となる。また、搬送空気通
路45aの構成は、後述するごとく変更されている。そ
の他の構成は第1の実施の形態と同じであるので重複す
る説明を省略する。
【0072】この実施の形態では、ETCバルブ52の
回転軸53と主通路12の軸流方向とで形成される平面
内に、集合管燃料噴射弁15の中心軸がほぼ含まれるよ
うに集合管燃料噴射弁15,円孔46および凹部161
をボディ11bに配設している。また、ヒータ18は、
集合管燃料噴射弁15から噴射された燃料が到達する部
分、すなわち、集合管燃料噴射弁15の中心軸(弁軸
心)を延長した線と主通路12の壁面が交差する点の近
傍の該主通路12の内壁面に配置しているので、これら
の交差する点は、ETCバルブ52の回転軸53と主通
路12の軸流方向とで形成される平面内に含まれる。
【0073】ここで、ETCバルブ52の開放は、始動
時に始まり、内燃機関1が運転されている間はその開度
の大小の差こそあれ常に開いている。
【0074】図9(b)に示すように、ETCバルブ52
を通過する空気102は、ETC開口部55の中央部を
通過する量が最も多く、ETCバルブ52の回転軸53
がある部分はほとんど流れない。したがって、ヒータ1
8が回転軸53を含む面の主通路12の下流側の近傍に
配置すると、ヒータ18に当たる空気102の量は少な
くなり、この空気102によってヒータ18が奪われる
熱量を小さく抑えることができ、ヒータ18の消費電流
の低減が可能となる。また、かかる構成では、バイパス
流路13に流れる空気101量と、ETCバルブ52の
ETC開口部55の部分を流れる空気102の量との分
配がETCバルブ52の開度によって調整することが可
能になるので、集合管燃料噴射弁15から噴射される燃
料量と、この集合管燃料噴射弁15が配設された円孔4
6から流出する空気量との分配比を制御することができ
ることになる。例えば、ETCバルブ52の開度を多少
開くと、バイパス流路13に流れる空気101の量が減
少する等、燃料に混合する空気103の量の比率が変わ
るので、燃料噴霧17の微粒化の状態や気化の状態を変
化させることができる。すなわち、内燃機関1の運転状
態に応じて、微粒化状態や気化状態を制御することがで
きる。
【0075】また、この実施の形態の搬送空気通路45
aの開口部は、図9(c)に示すように、主通路12の
軸流方向の中心軸線から距離Lだけオフセットして設け
ている。これにより、搬送空気通路45aから出口部6
0bを介して主通路12に流出する空気104は、主通
路12の湾曲した内壁面に沿って曲げられて旋回流54
を形成する。このとき、旋回流54の中心は圧力が下が
るために、微粒化空気出口46を通過した集合管燃料噴
射弁15から噴射された燃料噴霧17と空気103は、
圧力の低い旋回流54の中心に向かって誘引されて搬送
される。
【0076】この構成は、第1の実施の形態で説明した
搬送空気通路45を主通路12内で対向して配置した場
合に比べて、燃料噴霧17を主通路12の中心軸線に沿
って誘引する作用が強いので、主通路12の壁面への燃
料噴霧17の付着を防止し易い。
【0077】なお、搬送空気104で旋回流を生じさせ
る構成は、ETCバルブ52との組み合わせである必要
はなく、第1の実施の形態のようにISCバルブを用い
る場合にも適用することができる。
【0078】次に、本発明の第4の実施の形態につい
て、図10を用いて説明する。
【0079】この実施の形態も前述した第3の実施の形
態と同様に、ETCバルブ52を主通路12に配置して
いるが、ETCバルブ52の空気通路の構成のための曲
面部201を主通路12に形成した点と、冷却水300
を循環するウォータジャケット301をヒータ18周辺
に配置した点と、ヒータ18の背面に設ける断熱材19
を省略した点が異なる。その他の構成は第1の実施の形
態と同じであるので重複する説明を省略する。
【0080】この実施の形態では、ETCバルブ52の
回転軸53と主通路12の軸流方向とで形成される平面
に対して、主通路12の中心軸の垂直平面内に、集合管
燃料噴射弁15の中心軸がほぼ含まれるように集合管燃
料噴射弁15,円孔46および凹部161をボディ11
cに配設している。
【0081】次に、曲面部201の機能について説明す
る。ETCバルブ52の所定開度までは、主通路12の
曲面部201(主通路12の内壁面)とETCバルブ5
2との間を閉じた状態でETC通路部55aを形成す
る。このETC通路部55aは、主通路12内の凹部1
61側(集合間燃料噴射弁15が設けられる側)に形成
する。そして、反対側の主通路12の内壁面は、回転軸
53を軸として開閉するETCバルブ52の外形の回動
軌跡とほぼ同じ曲率を持った曲面部201を開閉動作す
るETCバルブ52の外周面の軌跡と所定の隙間をもつ
ように形成しておくことにより、所定のバルブ開度まで
は実質的な空気通路を形成しないように構成する。
【0082】ここで、内燃機関1の始動および暖機運転
時は、ETC通路部55aを主に用いて吸入空気量を制
御する。また、ETC通路部55aを凹部161側に形
成しているために、このETC通路部55aを通過する
空気102は、円孔46から噴射されて凹部161内で
微粒化促進された燃料噴霧17が主通路12に出てくる
部分で該燃料噴霧17と衝突し、燃料噴霧17を主通路
12の下流に向けて偏向して搬送する。従って、ヒータ
18へ到達(付着)する燃料噴霧17の量は非常に少な
くなる。
【0083】次に、ヒータ18の周辺のボディ11c内
に配設したウォータジャケット301の作用について説
明する。内燃機関1の始動および暖機時以外の運転状態
における急加速時や高速走行時等の運転領域では、燃料
を多量に必要とする。その際、ポート燃料噴射弁10と
合わせて集合管燃料噴射弁15より微粒化の促進された
燃料噴霧17を噴射する。ヒータ18の周辺に配設され
ているウォータジャケット301内を循環する冷却水3
00は、内燃機関1の暖機後には水温が数十℃まで達し
ており、その熱を利用して気化の促進を図ることができ
る。したがって、ヒータ18への通電はあまり行う必要
がなく、ヒータ18の容量を低減することが可能とな
る。
【0084】また、急加速時や高速走行時に主通路12
を含む吸気管内を流れる吸入空気の量および流速は、内
燃機関1の始動および暖機運転時に比べて非常に多く、
非常に速くなるために、集合管燃料噴射弁15から噴射
されて微粒化促進された燃料噴霧17および気化された
燃料蒸気は、効率よく燃焼室25へ搬送することができ
る。
【0085】なお、ヒータ18の周辺にウォータジャケ
ット301を配設し、冷却水300を循環させる実施の
形態は、本発明の全ての実施の形態に適応することがで
きる。また、この実施の形態では、バイパス流路13の
吸入空気101を吸入空気103および104に分流し
たが、バイパス流路13b,整圧室42および搬送空気
通路45を形成せずに、吸入空気101の全てを整圧室
41へ供給し、燃料噴霧17の微粒化にのみ用いるよう
に構成しても良い。これにより、燃料噴霧17の微粒化
および搬送能力を保持しつつ、構造が単純で小型および
生産性に優れた吸気制御装置11を提供することができ
る。
【0086】次に、本発明の第5の実施の形態につい
て、図11を用いて説明する。
【0087】図2に示した第1の実施形態との主たる違
いは、ボディ11内に形成した搬送空気通路45を変形
し、突起部20を省略したことにある。その他の構成
は、第1の実施形態と同様であるので重複する説明を省
略する。
【0088】この実施の形態は、ボディ11d内で整圧
室42と主通路12を連通する搬送空気通路45bを、
主通路12内の軸流方向に沿って所定の角度にて下流方
向に傾けて形成し、その出口部60cを主通路12内に
配設したヒータ18に向けて開口するように形成してい
る。また、搬送空気通路45bの出口部60cの形状
は、図11(b)に示すように、所望の形状の通路面積を
持った構成としている。ここでは、長楕円形状に構成し
ており、長楕円の長径は、主通路12に配設されたヒー
タ18の幅とほぼ同じ長さにしている。
【0089】なお、ヒータ18は、スロットルバルブ4
の下流側の主通路12内に設置し、集合管燃料噴射弁1
5の下流側に配設している。また、第1の実施の形態に
おいてヒータ18の主通路12内の上流側に配設してい
た突起部20は、この実施の形態では省略している。
【0090】集合管燃料噴射弁15より噴射される燃料
噴霧17は、円孔46を一緒に通過する吸入空気103
によって凹部161内で微粒化を促進し、この燃料噴霧
17をヒータ18へ向けて主通路12内へ供給する。
【0091】一方、整圧室42から搬送空気通路45b
を介して主通路12内に供給される吸入空気104は、
ヒータ18に向けて所定の角度と流速をもって流入す
る。
【0092】ここで、微粒化された大部分の燃料噴霧1
7はヒータ18に付着せずに、主通路12および吸気管
内壁面に付着することなく燃焼室25へ搬送される。一
方、ヒータ18の表面に付着した粗大な粒子は、吸入空
気104を積極的に所定流速でヒータ18に供給するこ
とにより、ヒータ18の表面上で引き伸ばされるととも
に熱伝達が促進されて効率的に気化される。熱伝達が促
進されて効率的に気化が行われるのは、ヒータ18にて
気化された燃料蒸気を吸入空気104によって効率的に
掃気・搬送するためである。また、主通路12内のヒー
タ18の上流側に突起部を形成していないために、上流
から流入する吸入空気もヒータ18の表面上に供給さ
れ、ヒータ18によって気化された燃料蒸気の掃気・搬
送を積極的に行うことになる。すなわち、吸入空気10
4を積極的にヒータ18へ供給することになるが、この
吸入空気104は、主として、ヒータ18に付着した粗
大な粒子を該ヒータ18の表面に沿って引き伸ばして気
化させ、気化した燃料蒸気を掃気・搬送するように働く
ので、この吸入空気104がヒータ18の熱を奪って消
費電力を増加させるのを比較的抑制することができる。
【0093】したがって、この実施の形態においては、
第1〜第4の実施の形態に比べて、ヒータ18の消費電
力は多少多くなるが、他の作用効果は同様に得られる。
また、この実施の形態では、ISCバルブ14を用いて
いるが、電気的にバルブ開度を制御するETCバルブ5
2を用いて内燃機関1の始動時およびアイドリング運転
時の吸入空気量を制御するように構成しても良い。
【0094】次に、本発明の第6の実施の形態につい
て、図12を用いて説明する。
【0095】この実施の形態も図10に示した第4の実
施の形態と同様に、ETCバルブ52をボディ11eの
主通路12内に配置しているが、曲面部201aを主通
路12内の凹部161側に設けてETC通路部55bを
ヒータ18側へ形成する点と、ヒータ18の下流の整圧
室42,搬送空気通路45b及びウオータジャケット3
01を省略した点と、ヒータ18の上流の突起部20を
省略した点で相違する。その他の構成は、第4の形態と
同様であるので重複する説明を省略する。
【0096】集合管燃料噴射弁15より噴射した燃料噴
霧17は、円孔46を一緒に通過した吸入空気103に
よって凹部161内で微粒化の促進を図った後に主通路
12内のヒータ18に向けて供給する。主通路12のヒ
ータ18の上流側に形成するETC通路部55bを通過
する吸入空気102は、ヒータ18の上を所望の流速で
通過する。そのとき、微粒化が促進された燃料噴霧17
は、この吸入空気102によりヒータ18の下流へ搬送
され、効率的に燃焼室25へ供給される。また、吸入空
気102で搬送されない粗大粒は、吸入空気102を通
過してヒータ18へ付着する。よって、ヒータ18へ付
着する燃料噴霧17の量は低減する。
【0097】吸入空気102で搬送されない粗大粒は、
ヒータ18に付着して気化される。ここで、吸入空気1
02を積極的に所定の流速にてヒータ18に供給するこ
とにより、ヒータ18に付着した粗大粒は、吸入空気1
02の流れに伴ってヒータ18の表面上で引き伸ばされ
るとともに熱伝達が促進されることにより、効率的に気
化される。熱伝達が促進され効率的に気化が行われる理
由は、ヒータ18にて気化された燃料蒸気を吸入空気1
04が効率的に掃気・搬送することによる。
【0098】この実施の形態では、燃料噴霧17の一部
である粗大粒のみがヒータ18へ付着するために、ヒー
タ18の消費電力を比較的抑制することができる。よっ
て、ヒータ18へ直接吸入空気を供給しない他の実施の
形態と比べて、ヒータ18の消費電力は多少多くなる
が、その他の効果は同様に得られる。
【0099】次に、本発明の第7の実施の形態につい
て、図13を用いて説明する。
【0100】図8に示した第2の実施の形態との主たる
違いは、燃料噴霧17を搬送するための空気104を流
すバイパス流路13dの構成と、燃料噴霧17を気化す
るためのヒータ18および断熱材19の構成と、突起部
20を省略した構成にある。その他の構成は、第2の実
施の形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0101】この実施の形態では、ボディ11f内で分
岐入口部43bにおいて分岐したバイパス流路13d
は、スロットルバルブ4と凹部161の間の主通路12
内に形成した分岐出口部60dに連通する。この分岐出
口部60dは、後述するヒータ18へ向けて開口してい
る。つまり、分岐出口部60dから流出した空気104
は、ヒータ18へ向けて噴出する。ヒータ18は、断熱
材19と一体に形成して該断熱材19により背面を覆っ
ているために、ヒータ18からの発熱は、断熱材19側
からは放熱されにくく、断熱材19で覆われていないヒ
ータ18の面から発熱の大半を放熱する。ヒータ18
は、スロットルバルブ4の下流の主通路12内の軸流に
沿って、主通路12内を、凹部161側の通路12a
と、相対する反対側の通路12bに分割するように設置
する。
【0102】吸入空気104,燃料噴霧17および吸入
空気103は、通路12a内に面するように設けたヒー
タ18へ向けて供給する。従って、通路12a内を通過
する吸入空気104,燃料噴霧17および吸入空気10
3の流速は、この通路12aがその下流の主通路12内
の通路面積に比べて絞られているために、速くなる。そ
して、通路12aのヒータ18に向けられた燃料噴霧1
7は、ISCバルブ14を通過する大部分を占める吸入
空気104にて効率的に主通路12の下流に向けて搬送
される。
【0103】ここで、吸入空気104にて搬送されない
粗大粒のみがヒータ18へ付着する。付着した粗大粒
は、吸入空気104を積極的に所定の流速で供給するこ
とにより、熱伝達が促進されて効率的に気化が行われ
る。これは、ヒータ18にて気化された燃料蒸気を吸入
空気104が効率的に掃気・搬送するためである。すな
わち、吸入空気104を積極的にヒータ18へ供給する
ことになるが、粗大粒がヒータ18の表面に付着してい
ることにより、ヒータ18の熱は、ヒータ18の表面に
付着した粗大粒(燃料)の気化に消費されて吸入空気1
04に奪われて消費される割合は減少し、消費電力も比
較的抑制することができる。
【0104】したがって、この実施の形態においては、
第1〜第4の実施の形態に比べて、ヒータ18の消費電
力は多少多くなるが、他の作用効果は同様に得られる。
また、この実施の形態では、ISCバルブ14を用いて
いるが、電気的にバルブ開度を制御するETCバルブ5
2を用いて内燃機関1の始動時およびアイドリング運転
時の吸入空気量を制御するように構成しても良い。
【0105】また、この実施の形態では、ヒータ18を
スロットルバルブ4側に近づけることが好ましく、主通
路12とスロットルバルブ4の隙間から漏れる吸入空気
102の一部をヒータ18へ供給することにより、より
効率的に燃料噴霧17を搬送することが可能となる。
【0106】次に、本発明の第8の実施の形態につい
て、図14を用いて説明する。
【0107】図8に示した第2の実施の形態との主たる
違いは、燃料噴霧17を気化するためのヒータ18aの
構成と、突起部20を省略したことにある。その他の構
成は、第2の実施の形態と同様であるので重複する説明
を省略する。
【0108】この実施の形態では、ヒータ18aは、板
状ヒータであり、板状ヒータが凹部161の下流側の主
通路12内に所定の間隔で複数枚積層状に配設した構成
である。したがって、所定の間隔で複数枚積層状に配設
した板状ヒータ18aと、主通路12内を通過する吸入
空気104の流れは、平行な流れになる。また、板状ヒ
ータ18aの表面と凹部161にて微粒化されて供給さ
れる燃料噴霧17の噴射方向は所定角度αをなしてい
る。
【0109】ここで、ヒータ18a形状は、積層状ヒー
タのほかに格子形状,ハニカム形状等でもこの実施の形
態は成立する。
【0110】ボディ11gの分岐出口部60aから主通
路12内に流出した吸入空気104は、凹部161の部
分で微粒化された燃料噴霧17が主通路12内に出てく
る部分で該燃料噴霧17に衝突(合流)する。このと
き、吸入空気104は、ISCバルブ14を通過する空
気の大部分を占めた多量であり、かつ、主通路12の軸
流方向の下流側を向いた流れであるので、燃料噴霧17
は主通路12の下流に向けて偏向させられて搬送され
る。
【0111】燃料噴霧17中の粒径の小さい液滴は、空
気104の流れに沿って所定間隔の隙間をもって積層さ
れた各板状ヒータ18aの間の隙間を通過して該ヒータ
18aの下流方向へ搬送される。燃料噴霧17中の粗大
粒は、吸入空気104の流れの影響をさほど受けずにヒ
ータ18aと燃料噴霧17の噴射方向とでなす角度αに
てヒータ18aに衝突して付着する。
【0112】ここで、燃料噴霧17は、吸入空気103
によって凹部161内で微粒化が促進されていることか
ら、燃料噴霧17のほとんどがヒータ18aに衝突する
ことなく吸入空気104の流れに沿ってヒータ18aを
通過するために、ヒータ18aに付着する燃料の量は非
常に少なくなる。よって、ヒータ18aによる燃料の気
化に必要な消費電力を低減することができる。
【0113】更に、ヒータ18aを通過する吸入空気1
04は、比較的流速が速いことから、ヒータ18aに付
着した燃料噴霧17の気化促進を効果的に図ることがで
きる。これは、ヒータ18aの表面上に付着した燃料噴
霧17が該ヒータ18aの表面上で液膜化したのち、液
膜が吸入空気流によってヒータ18aの表面上で引き伸
ばされるとともに熱伝達が促進されて効果的に気化さ
れ、燃料蒸気を吸入空気104が効果的に掃気・搬送す
ることによる。
【0114】次に、本発明の第9の実施の形態につい
て、図15を用いて説明する。
【0115】図10に示した第4の実施の形態との主た
る違いは、燃料噴霧17を気化するためのヒータ18b
の構成と、主通路12内でETC通路部55aの近傍に
凹部161を配設した点と、突起部20,ウォータジャ
ケット301,冷却水300,バイパス流路13b,整
圧室42,搬送空気通路45を省略したことにある。そ
の他の構成は、第4の実施の形態と同様であるので重複
する説明を省略する。
【0116】この実施の形態では、ボディ11hに形成
した凹部161内にヒータ18bを配設し、円孔46お
よび凹部161内で微粒化した燃料噴霧17の噴射方向
がヒータ18bの表面に対して所定角度αとなる構成と
している。
【0117】ヒータ18bは、第8の実施の形態と同様
に、板状ヒータを所定の間隔で複数枚積層状に配設した
積層状ヒータである。また、ヒータ形状は、積層状ヒー
タのほかに格子形状,ハニカム形状等でもこの実施の形
態は成立する。
【0118】ETC通路部55aの下流近傍に凹部16
1を形成しているために、ETC通路部55aを通過し
た流入空気102は、凹部161に配設したヒータ18
bへ集中して供給される。よって、円孔46から噴射し
て凹部161内で微粒化促進した燃料噴霧17は、凹部
161を通過する際にETC通路部55aを通過してき
た吸入空気102と衝突(合流)する。このとき、吸入
空気102は、吸入空気103に比べ多量であり、吸入
空気102はヒータ18bに向けて集中して供給される
ために、燃料噴霧17中の粒径の小さい液滴は、空気1
02の流れに沿って所定間隔の隙間をもって積層された
各板状ヒータ18bの間を通過して該ヒータ18bの下
流方向へ搬送される。
【0119】燃料噴霧17中の粗大粒は、空気102の
流れの影響をさほど受けずにヒータ18aの表面と燃料
噴霧17の噴射方向とでなす角度αにてヒータ18bに
衝突して該ヒータ18bに付着する。したがって、ヒー
タ18bに付着する燃料の量は、燃料噴霧17中の粗大
粒のみであり、非常に少ない。よって、ヒータ18bに
よる燃料の気化に必要な消費電力を低減することができ
る。
【0120】更に、ヒータ18bを通過する吸入空気1
02は、比較的に流速が速く、ヒータ18bに付着した
燃料噴霧17の気化促進を効果的に図ることができる。
これは、ヒータ18bの表面上に付着した燃料噴霧17
がヒータ18bの表面上で液膜化したのち、気流によっ
て液膜が引き伸ばされるとともに熱伝達が促進されて効
果的に気化が行われることによる。これは、ヒータ18
bにて気化された燃料蒸気を吸入空気102が効果的に
掃気・搬送することによって起こる。
【0121】次に、本発明の第10の実施の形態につい
て、図16を用いて説明する。
【0122】図8に示した第2の実施の形態との主たる
違いは、バイパス流路13から分岐するバイパス流路1
3aと通路形成突起部49を省略したボディ11iとし
たことにある。よって、集合管燃料噴射弁15を噴射弁
挿入部16に挿入することにより両者間に形成される整
圧室41がなくなる。通路形成突起部49を省略したた
めに集合管燃料噴射弁15の肩部51は、噴射弁挿入部
16の底部と当接し、ノズル47は、円孔46内に挿入
されてノズル47の先端面が凹部161内に面する。ま
た、主通路12内に形成する突起部20を省略してい
る。その他の構成は、第2の実施の形態と同様であるの
で重複する説明を省略する。
【0123】この実施の形態では、燃料噴霧17を微粒
化するためのバイパス流路13a内を通過していた吸入
空気103がないために、吸入空気103による燃料噴
霧17の微粒化促進は行われない。燃料噴霧17の粒径
は、集合管燃料噴射弁15からの噴射により決定され
る。
【0124】分岐出口部60aから流出した吸入空気1
01は、集合管燃料噴射弁15より噴射された燃料噴霧
17が凹部161内を通過して主通路12に出てくる部
分で該燃料噴霧17と衝突(合流)する。このとき、吸
入空気101は、ISCバルブ14を通過する全空気量
であり、主通路12の軸流方向の下流を向いた流れであ
るので、燃料噴霧17は主通路12の下流に向けて容易
に偏向して搬送される。これにより、燃料噴霧17中の
粒径の小さい液滴は、空気101の流れに沿ってヒータ
18の下流方向へ搬送され、燃料噴霧17中の粗大粒
は、空気101の流れの影響を受けずにヒータ18へ付
着して気化される。したがって、ヒータ18に付着する
燃料の量は、少なくなる。よって、ヒータ18による燃
料の気化に必要な消費電力を低減することができる。
【0125】しかし、集合管燃料噴射弁15より噴射さ
れる燃料噴霧17は、微粒化空気を用いて微粒化促進し
た場合に比べて、燃料噴霧17の微粒化が促進されてお
らず、ヒータ18への付着量は多くなる。よって、ヒー
タ18で消費する電気的エネルギーは大きくなる。しか
し、燃料噴霧17に多量の吸入空気101を合流(衝
突)させるために、燃料噴霧17中の小さい液滴は、ヒ
ータ18へ付着することがなくなり、その分、ヒータ1
8で消費する電気的エネルギーを低減することができ
る。
【0126】また、分岐出口部60aを主通路12内の
ヒータ18を取付ける側の上流に配設すれば、ヒータ1
8の表面上を通過する吸入空気を集中することができ、
ヒータ18の表面上を通過する吸入空気の流速が速くな
る。このように構成することにより、ヒータ18の表面
上に付着した燃料噴霧17が該ヒータ18の表面上で液
膜化した後に、該液膜を空気流によって引き伸ばして熱
伝達を促進させて効果的に気化させることができる。こ
れは、ヒータ18にて気化した燃料蒸気を吸入空気10
2が効果的に掃気・搬送することにより起こる。
【0127】しかし、集合管燃料噴射弁15より噴射さ
れる燃料噴霧17は、微粒化促進のための空気を用いた
場合に比べて微粒化が促進されておらず、ヒータ18へ
の付着量は多くなり、ヒータ18が消費する電気的エネ
ルギーは大きくなる。
【0128】次に、本発明の第11の実施の形態につい
て、図17を用いて説明する。図12に示した第6の実
施の形態との主たる違いは、バイパス流路13と通路形
成突起部49を省略したボディ11jとしたことにあ
る。よって、集合管燃料噴射弁15を噴射弁挿入部16
に挿入することにより形成される整圧室41がなくな
る。通路形成突起部49をなくしたために、集合管燃料
噴射弁15の肩部51は、挿入部16の底部に当接し、
ノズル47は、円孔46内に挿入されてノズル47先端
面が凹部161内に面する。その他の構成は、第6の実
施の形態と同様であるので重複する説明を省略する。
【0129】この実施の形態では、燃料噴霧17を微粒
化するためのバイパス流路13内を通過していた吸入空
気101がないために、吸入空気101による燃料噴霧
17の微粒化促進が行われない。燃料噴霧17の粒径
は、集合管燃料噴射弁15よりの噴射により決定され
る。ETC通路部55bから流入した吸入空気102
は、主通路12内のヒータ18上で集合管燃料噴射弁1
5より噴射された燃料噴霧17と衝突(合流)する。こ
のとき、吸入空気102は、ETCバルブ52を通過す
る全空気量であり、主通路12の軸流下流方向に向いた
流れである。よって、燃料噴霧17は、主通路12の下
流側に向けて容易に偏向する。これにより、燃料噴霧1
7中の粒径の小さい液滴は、空気102の流れに沿って
ヒータ18の下流方向へ搬送され、燃料噴霧17中の粗
大粒は、空気102の流れの影響を受けずにヒータ18
に付着する。したがって、ヒータ18に付着する燃料の
量は、少なくなる。よって、ヒータ18による燃料の気
化に必要な消費電力を低減することができる。
【0130】また、ヒータ18の表面上を通過する吸入
空気102は、ETC通路部55bにて集中して通過す
るために、比較的流速が速い。よって、ヒータ18の表
面上に付着した燃料噴霧17がヒータ18表面上で液膜
化した後に、空気流によって液膜が引き伸ばされるとと
もに熱伝達が促進されて効果的に気化される。これは、
ヒータ18にて気化された燃料蒸気を吸入空気102が
効果的に掃気・搬送することによる。
【0131】しかし、集合管燃料噴射弁15より噴射さ
れる燃料噴霧17は、微粒化促進のための空気を用いた
場合に比べて微粒化が促進されておらず、ヒータ18へ
の付着量は多くなり、ヒータ18で消費する電気的エネ
ルギーは大きくなる。
【0132】次に、本発明の第12の実施の形態につい
て図18を用いて説明する。図9に示した第3の実施の
形態との主たる違いは、ETCバルブ52の駆動用モー
タ210およびスロットルポジショニングセンサ(以
下、TPSという)211を吸気制御装置110のボデ
ィ11kに一体的に装着した点と、集合管燃料噴射弁1
5aのコネクタ15bの形状の違いと、駆動用モータ2
10,TPS211,集合管燃料噴射弁15aおよびヒ
ータ18と集合コネクタ212とを接続する配線(図中
太線)をボディ11k内に埋設したことにある。その他
の構成は、第3の実施の形態と同様であるので重複する
説明を省略する。
【0133】この実施の形態では、集合管燃料噴射弁1
5aのコネクタ15bの形状を変更し、ボディ11kに
設けた噴射弁挿入部16に集合管燃料噴射弁15aを挿
入することにより、コネクタ部15bと集合コネクタ2
12を接続する配線の接続が完成する構造とした。ま
た、ヒータ18,駆動用モータ210およびTPS21
1と集合コネクタ212は、各配線を介して接続してい
る。よって、コントローラ32(図示省略)にて制御さ
れるボディ11kに配設され各機器は、このボディ11
kに設けた1つの集合コネクタ212を介して制御する
ことができるようになる。ここで、集合コネクタ212
は、ボディ11kと一体的に構成している。また、ボデ
ィ11kの少なくとも配線部分周辺もしくは全ては、非
導電性部材で形成している。例えば、非導電性であり、
剛性,耐熱性,耐摩耗性等に優れたPBT樹脂を用いる
と良い。なお、ETCバルブ52と主通路12との摺動
部分は、熱変形の少ないアルミ等の部材を用いるとより
信頼性を高くすることができる。
【0134】また、集合コネクタ212は、コントロー
ラ32(図示省略)からの制御信号により、内燃機関1
の運転状況に応じて、ボディ11kに配設した各機器を
制御するように接続する。
【0135】以上の構成により、ボディ11kに配設す
る各機器のコネクタを集合コネクタ212に集約するこ
とができ、各配線をボディ11kに埋め込んで形成する
ことができるために、配線の信頼性を向上することがで
きると共に、吸気制御装置110の組み立て性,内燃機
関への搭載性の向上を図ることができる。更に、各配線
は、非導電性材料内に埋め込まれることになるために、
配線の漏電等も発生せずに安全性も向上する。
【0136】なお、この実施の形態の特徴は、前述した
各実施の形態に適用可能であり、たとえば、ISCバル
ブ14をボディ11に一体化した場合にも適用すること
が可能である。
【0137】以上、前述した各実施の形態で用いる集合
管燃料噴射弁15は、1つの燃料噴射孔を備えた1穴ノ
ズル燃料噴射弁を採用したが、燃料噴霧17の形状制御
および微粒化を促進するためには、多数の燃料噴射孔を
設けた多穴ノズル燃料噴射弁が好ましい。また、燃料噴
霧の形状制御には、ノズル先端の燃料噴射孔の出口側を
切り欠いた切り欠きノズルやスリット溝を形成したスリ
ットノズル燃料噴射弁が好ましい。
【0138】図19を用いて、各ノズル形状による燃料
噴霧の形状,ヒータへの噴霧付着形状の違いにつき説明
する。
【0139】1穴ノズル47の場合には、燃料噴射孔7
0から噴射する燃料噴霧17は、コーン状の噴霧形状に
なる。よって、噴孔先端形状とAおよびB方向矢視図の
噴霧形状は、対称的であり、燃料噴霧17の最外角θ1
およびθ2は、同様の角度である。そして、ヒータ18
の表面への燃料噴霧17の付着形状もほぼ円形である。
ただし、塗りつぶし領域のように、集合管燃料噴射弁1
5と主通路12の中心軸の取付け角度αによって、ヒー
タ18へ付着する燃料噴霧17の付着形状は長楕円形状
となる。
【0140】多穴ノズル47aの場合には、燃料噴射孔
70の下流に複数の小さな噴孔81が穿かれた多穴板8
0が配設される。各噴孔81は、燃料噴射孔70に比べ
非常に小さい。よって、噴孔81より噴射される燃料噴
霧17の粒径は、1穴の燃料噴射孔70より噴射される
噴霧の粒径に比べ小さくなる。よって、燃料噴霧17の
貫通力は小さくなり、噴霧到達距離(以下、ペネトレー
ションと記す)が短くなる。また、多穴板80に穿かれ
た噴孔81に方向性を持たせることにより、各噴孔81
より噴射する噴霧の方向性を制御することができるため
に、比較的容易に、燃料噴霧17の角度を所望の値に設
定することができる。よって、噴霧角θ1およびθ2を
容易に設定することができるために、ヒータ18の表面
上への燃料噴霧17の付着形状も任意に設定することが
できる。たとえば、多穴ノズルの欄の下段記載のヒータ
18部の塗りつぶし領域を点線内で囲まれた領域に設定
することも可能となる。これらにより、1穴ノズルと比
べ、燃料噴霧17の粒径を小さくすることができ、ペネ
トレーションも短くすることができ、更にヒータ18へ
の燃料噴霧17の付着領域も広くすることができるため
に、ヒータ18に付着した燃料に該ヒータ18からの熱
を効率よく伝えることができ、燃料の気化を促進かるこ
とができる。
【0141】切り欠きノズル47bの場合には、ノズル
47bの先端を斜線で示す切り欠き部71のごとく燃料
噴射孔70の一部を含めて所定深さで切り欠くことによ
り、偏向噴霧の生成を実現することができる。この場
合、燃料噴霧17の粒径は、1穴ノズルから噴射された
燃料噴霧と比べて数μm程度大きくなる。しかし、切り
欠き部71の形成により、燃料噴霧17の偏向が可能と
なり、燃料噴霧17のペネトレーションを短くすること
ができる。更に、ヒータ18の表面への燃料噴霧17の
付着形状を1穴ノズルに比べ広くすることができるため
に、ヒータ18からの熱を効率よく付着燃料に伝えるこ
とができるために燃料の気化を促進することができる。
【0142】スリットノズル47cの場合には、ノズル
47cの先端を斜線で示すスリット溝72のように、燃
料噴射孔70上を通るように所定の幅と深さでスリット
溝72を設けることにより、燃料噴霧17を偏平にする
ことができる。切り欠きノズル47bと同様、燃料噴霧
17の粒径は、1穴ノズルから噴射される燃料噴霧に比
べ数μm程度大きくなる。しかし、スリット溝70によ
り燃料噴霧17を偏平にすることにより、燃料噴霧17
のペネトレーションが短くすることができる。更に、ヒ
ータ18の表面への燃料噴霧17の付着形状を1穴ノズ
ルに比べ広くすることができるために、ヒータ18から
の熱を効率よく付着燃料へ伝えることができ、燃料噴霧
17の気化を促進することができる。
【0143】以上に述べた、各種のノズル形状により、
燃料噴霧17のペネトレーションを抑制することがで
き、噴霧形状を容易に所望の形状に設定することができ
るために、ヒータの表面への噴霧付着形状を所望の形状
に設定することができ、ヒータ18から該ヒータ18に
付着した燃料への熱の伝達を向上そせて噴霧の気化促進
を効率的に行うことができる。そして、このような各種
ノズルの各種の集合管燃料噴射弁15を選択的に採用す
ることにより、各種のエンジンに好ましい特性の吸気制
御装置を構成することができる。
【0144】以上に述べてきた本発明の総ての実施の形
態では、集合管燃料噴射弁15から噴射される燃料噴霧
17の平均粒径と吸気ポート8に配設されるポート燃料
噴射弁10から噴射される燃料噴霧の平均粒径との関係
には、常に集合管燃料噴射弁15より噴射される燃料噴
霧17の平均粒径の方が小さい関係にある。
【0145】更に、各気筒への燃料を噴射するポート燃
料噴射弁10を吸気マニホールド7に備えた、いわゆる
ポート噴射の内燃機関1を例にとって説明したが、燃料
を内燃機関1の燃焼室25内に直接噴射する、いわゆる
筒内噴射の内燃機関1に本発明を適用しても同様の効果
をあげることができる。
【0146】上述の各実施の形態は、スロットルバルブ
とその駆動機構を備えた燃料噴射装置であると考えるこ
ともできるし、燃料噴射装置を備えたスロットル装置
(吸気制御装置)と考えることもできる。いずれにして
も、燃料噴射装置とスロットル装置とが1つのボディ1
1に一体的な形態で吸気管に対して着脱可能に構成され
ているので、組立,調整,保守を容易に行うことができ
る。特に、電子制御スロットルでは、始動時におけるス
ロットルバルブの動作と燃料噴射装置の動作とを容易に
確認することができる。
【0147】上述の各実施の形態では、燃料噴霧17
は、集合管燃料噴射弁15から主流路に流入するまでの
間、燃料噴射孔の出口で合流する空気流によって通路壁
への付着を低減するように運ばれ、主流路に流入した後
は、主流路に流入した後の搬送空気によって、主流路壁
面への付着を低減するように運ばれる。すなわち、燃料
噴霧と搬送空気とは、互いに主流路に流入した後に合流
する。搬送空気は、主流路内で所望の方向性、例えば、
主流路に沿う方向性、或いは燃料気化装置に導く方向性
を有した状態で燃料噴霧と合流(衝突)する。
【0148】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、1つないし2つの空気流により、暖機用の燃料噴霧
を微粒化して通路壁への付着量を低減するように気筒内
へ効率的に運ぶことができるので、暖機時に排出される
HCの低減することができる吸気制御装置を実現するこ
とができる。また、搬送空気によって、燃料噴霧のヒー
タへの接触を適切にすることにより、燃料の気化に必要
な消費電力を低減することができる。
【0149】そして、このような吸気制御装置は、スロ
ットル弁を設置する主通路を形成するボディ内に一体的
に形成した空気通路と該ボディに嵌着した燃料噴射弁を
主体にしてユニット化しているので、製造および内燃機
関への着脱が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の吸気制御装置および
これを搭載した内燃機関のシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけ吸気制御装置
を拡大して示すものであって、(a)は縦断側面図、
(b)は(a)のA−A断面矢視図、(c)は燃料噴射
弁の先端近傍部分拡大図である。
【図3】図2(a)のB−B断面矢視図(a)、C−C
断面矢視図(b)である。
【図4】燃料噴霧の微粒化特性を示す図であり、(a)
は燃料噴霧に衝突する空気と燃料噴射弁より噴射される
燃料噴霧との体積流量比である気液容積流量比に対する
平均粒径の関係を示したグラフ、(b)は粒径分布を示
すグラフである。
【図5】ヒータへの電力供給特性を示す図であり、
(a)はヒータに加える電圧と時間の関係を示すグラ
フ、(b)はヒータに流れる電流と時間の関係を表すグ
ラフである。
【図6】内燃機関の運転条件と排気特性とを示す図であ
り、(a)は燃料噴霧の平均粒径と点火時期の関係を示
す図、(b)は点火時期と触媒の温度の関係を示す図、
(c)は(b)の触媒温度の上昇時間とHCの排出量の
関係を示す図である。
【図7】各燃料噴射弁の噴射タイミングと時間の関係を
示す図であり、(a)は集合管燃料噴射弁とポート燃料
噴射弁の切り換え動作のタイミングを示す図、(b),
(c)は集合管燃料噴射弁が動作中の開閉弁の制御信号
を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の吸気制御装置を示
すものであり、(a)は縦断側面図、(b)は(a)の
A−A断面矢視図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態の吸気制御装置を示
すものであり、(a)は縦断側面図、(b)は(a)の
A−A断面矢視図、(c)は(a)のC−C断面矢視図
である。
【図10】本発明の第4の実施の形態の吸気制御装置を
示すものであり、(a)は縦断側面図、(b)は(a)
のA矢印方向矢視図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態の吸気制御装置を
示すものであり、(a)は縦断側面図、(b)は(a)
のC−C断面矢視図である。
【図12】本発明の第6の実施の形態の吸気制御装置を
示す縦断側面図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態の吸気制御装置を
示すものであり、(a)は縦断側面図、(b)は(a)の
A−A断面矢視図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態の吸気制御装置を
示す縦断側面図である。
【図15】本発明の第9の実施の形態の吸気制御装置を
示す縦断側面図である。
【図16】本発明の第10の実施の形態の吸気制御装置
を示す縦断側面図である。
【図17】本発明の第11の実施の形態の吸気制御装置
を示す縦断側面図である。
【図18】本発明の第12の実施の形態の吸気制御装置
を示すものであり、(a)は縦断側面図、(b)は
(a)のA−A矢視図である。
【図19】本発明の吸気制御装置に適用する各種の燃料
噴射弁の噴孔先端形状の違いによる噴霧形状の説明図で
ある。
【符号の説明】
1…内燃機関、4…スロットルバルブ、11…ボディ、
12…主通路、13…バイパス流路、13a,13b…
バイパス流路、14…ISCバルブ、15…集合管燃料
噴射弁、17…燃料噴霧、18…ヒータ、20…突起
部、41,42…整圧室、46…微粒化空気出口、44
…分岐出口、45…搬送空気通路、52…ETCバル
ブ、53…回転軸、55…ETC通路部、100…吸入
空気、103…吸入空気、104…吸入空気、110…
吸気制御装置、161…凹部。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 69/00 310 F02M 69/04 B G 69/04 P F02D 33/00 318J F02M 69/00 350B 350H (72)発明者 岡本 良雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 門向 裕三 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 小渡 武彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 宮島 歩 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 永野 正美 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 市原 隆信 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 佐伯 浩昭 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 染野 禎 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 Fターム(参考) 3G065 AA04 AA11 CA12 DA05 DA06 DA15 EA01 EA02 EA03 FA14 GA00 GA05 GA08 GA09 GA10 GA41 GA46 HA06 HA21 HA22 JA04 JA09 JA11 KA02 KA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の気筒内に空気を供給する主流路
    が形成され、該主流路内に空気流量を調整するスロット
    ルバルブを設けたボディと、このボディに嵌着されて前
    記主流路内に燃料を供給する燃料噴射弁とを備えた吸気
    制御装置において、 前記ボディは、前記スロットルバルブの下流側において
    ボディの外部と前記主流路内とを連通する開口部と、該
    開口部の開口面に対向させて燃料噴射弁を嵌着する取付
    部と、前記スロットルバルブの上流側の主流路から分岐
    し、前記開口部を通じて前記主流路内に連通する第1の
    バイパス流路と、前記スロットルバルブの上流側の主流
    路から分岐し、前記スロットルバルブよりも下流側であ
    って、前記開口部の上流側又は下流側の主流路内に連通
    する第2のバイパス流路とをボディ部材を加工して一体
    に成形したことを特徴とする吸気制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ボディは、内燃機
    関に空気を供給する吸気管に対してスロットルバルブと
    一体で着脱可能に構成したことを特徴とする給気制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記ボディは、前記燃
    料噴射弁から噴射される燃料噴霧の下流側の前記主流路
    内に位置し、発熱することによって燃料を気化する燃料
    気化装置を内蔵したことを特徴とする吸気制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記第2のバイパス流
    路の出口を前記主流路の内周面に周方向に沿って複数形
    成すると共に、該複数の出口を前記主流路の中心に対し
    てオフセットさせて配設したことを特徴とする吸気制御
    装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記燃料噴射弁の燃料
    噴射方向に位置する前記主流路の壁面にヒータを配設
    し、前記スロットルバルブの回転軸と前記燃料噴射弁の
    燃料噴射方向の中心軸とをほぼ同一平面内に配置したこ
    とを特徴とする吸気制御装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記スロットルバルブ
    は、バルブ開度を電気的に制御されるスロットルバルブ
    であることを特徴とする吸気制御装置。
  7. 【請求項7】請求項3において、前記燃料気化装置周辺
    に内燃機関を循環する冷却水通路を配設したことを特徴
    とする吸気制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記燃料噴射弁は、デ
    ューティ比で決定される燃料噴射の1周期の間に短い周
    期で複数回の開弁を行わせることにより複数回に分けて
    燃料を噴射することを特徴とする吸気制御装置。
  9. 【請求項9】各気筒に対してそれぞれ燃料を噴射する第
    1の燃料噴射弁と、この第1の燃料噴射弁よりも上流側
    において吸気経路に接続された吸気制御装置を備えた内
    燃機関において、 前記吸気制御装置は、請求項1〜8の1項に記載したよ
    うに構成したことを特徴とする内燃機関。
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