JP2002194808A - 汚水槽用スカム除去装置 - Google Patents

汚水槽用スカム除去装置

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JP2002194808A
JP2002194808A JP2000397313A JP2000397313A JP2002194808A JP 2002194808 A JP2002194808 A JP 2002194808A JP 2000397313 A JP2000397313 A JP 2000397313A JP 2000397313 A JP2000397313 A JP 2000397313A JP 2002194808 A JP2002194808 A JP 2002194808A
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opening
valve
water receiving
sewage tank
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JP2000397313A
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Hirotada Furumoto
浩祥 古本
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Shinmaywa Industries Ltd
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Shin Meiva Industry Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚水槽用のスカム除去装置としては、汚水槽
の汚水を循環させるものがあるが、強固に付着したスカ
ムを除去できない場合がある。また、シャワーや先細の
ノズルからの汚水の吐出によってスカムを除去するもの
があるが、シャワー開口やノズル開口が汚物等によって
目詰まりしやすい。 【解決手段】 汚水槽用スカム除去装置は、ポンプ11が
汲み上げた汚水の一部を開口部41から汚水槽内に吐出す
る吐出管路30と、水受け部50とを備えている。ポンプ11
は、汚水槽内の汚水の水位が所定のポンプ起動水位W1に
達したときに起動を開始する。吐出管路30は開口部41か
ら水受け部50に衝突するように汚水を吐出する。水受け
部50は開口部41から吐出された汚水を反射して拡散させ
る。水受け部50への汚水の衝突に応動して、弁40の弁体
43が、吐出管路30を開通させる開通位置から吐出管路30
を閉鎖させる閉鎖位置に移行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、汚水槽内に発生
するスカムを除去するためのスカム除去装置に関し、特
に、汚水を汲み上げて汚水槽外に排出するためのポンプ
からの圧送水を利用してスカムを除去するスカム除去装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】マンホール等の汚水槽に汚水が流入する
と、流入した汚水の有機物質や油脂成分のために、汚水
槽の内壁面、水中ポンプ、水位計、配管、ケーブル等に
スカムが付着する。スカムが例えばフロート式の水位計
に付着すると、水位計が誤動作する原因となる。スカム
はそのまま放置すると有害で異臭を放つ硫化水素を発生
させる。硫化水素は腐食性があるため汚水槽を腐食させ
る原因となる。スカムは、汚水槽の内壁面等に付着しは
じめると、さらにそれに積み重なるようにして付着して
ゆく。このように汚水槽の内壁面等にスカムが堆積して
付着すると、それを洗浄して除去することが困難とな
る。
【0003】従来、多くのマンホールでは、このような
スカムを洗い流すために、高圧洗浄機による定期的な洗
浄を行っていた。また、汚水槽内の汚水を循環させてス
カムを除去することもある。なお、汚水の循環には、エ
ゼクタ効果を利用したフラッシュバルブによるスカム付
着防止装置(例えば、特開平7-76873号公報参照)や、
電動バルブ、ミキサーを利用して汚水槽内で汚水を循環
させてスカムの付着を防止する装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来よ
りなされてきたスカム除去の方法には次のような問題が
ある。
【0005】高圧洗浄機による定期的な洗浄をするとす
れば、当然、高圧洗浄機が必要となる。また、定期的な
洗浄のためには人手を必要とする。このように、洗浄の
ためのコスト、労力が大きい。
【0006】また、汚水槽の汚水を循環させるのみで
は、強固に付着したスカムを除去できない場合がある。
スカムは、特に、ポンプ起動水位付近に付着しやすく、
ここに付着・堆積したスカムまでを十分に除去しようと
すると、強力な循環を発生させる必要がある。そのため
には循環のための動力源も大規模なものとせざるを得な
い。
【0007】また、汚水槽の汚水を必要以上に循環させ
ることは、本来、汚水をマンホールの外部へ排出するた
めに使われるべきポンプの駆動力を、無駄にしているこ
とにもなる。
【0008】さらに、シャワーや先細のノズルから汚水
の吐出によってスカムを除去する装置においては、シャ
ワー開口やノズル開口が汚物等によって目詰まりしやす
く、結局、シャワーやノズルを人手によって定期的に洗
浄しなければならなくなる。
【0009】本願発明は、汚水槽の特にポンプ起動水位
付近に溜まりやすいスカムを十分に除去することがで
き、また、メンテナンスを低減することによりランニン
グコストを低減でき、さらに、製造コストも安価で済む
ような、スカム除去装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明に係る汚水槽用スカム除去装置は、汚水槽
の汚水を汲み上げて該汚水槽の外部に排出するためのポ
ンプと、弁と開口部とを有し該ポンプが汲み上げた汚水
の一部を該開口部から該汚水槽内に吐出する吐出管路
と、水受け部とを備え、該ポンプは、該汚水槽内の汚水
の水位が所定のポンプ起動水位に達したときに起動を開
始し、該開口部は該汚水槽内において該起動水位よりも
高い位置に設けられ、該水受け部は該汚水槽内において
該起動水位よりも高い位置に設けられ、該吐出管路は該
開口部から該水受け部に衝突するように該汚水を吐出
し、該水受け部は該開口部から吐出された該汚水を反射
して拡散させ、該水受け部への該汚水の衝突に応動し
て、該弁の弁体が、該吐出管路を開通させる開通位置か
ら該吐出管路を閉鎖させる閉鎖位置に移行する(請求項
1)。かかる構成によると、ポンプ起動時に、吐出管路
の開口部から吐出された汚水が水受け部に衝突して拡散
されて落下し、ポンプ起動水位近傍のスカムを除去す
る。一方、吐出管路の弁の弁体は、水受け部への汚水が
衝突したことに応動して、吐出管路を開通させる開通位
置から吐出管路を閉鎖させる閉鎖位置に移行する。従っ
て、開口部からの汚水の吐出が開始されてしばらくする
と、吐出管路が閉鎖されて開口部からの汚水の吐出が停
止する。
【0011】上記の汚水槽用スカム除去装置において、
該水受け部が該開口部から吐出された該汚水を略水平方
向に拡散させるようにすれば(請求項2)、汚水の拡散
範囲を大きくすることができる。
【0012】また、上記の汚水槽用スカム除去装置にお
いて、該水受け部が該開口部から吐出された該汚水を鉛
直軸に対して略全周方向への拡散させるようにすれば
(請求項3)、汚水の拡散範囲をさらに大きくすること
ができる。
【0013】また、上記の汚水槽用スカム除去装置にお
いて、該開口部が上向きに設けられ、該水受け部が下向
き面を有し、該開口部から吐出された該汚水が該下向き
面で反射するようにしてもよい(請求項4)。
【0014】また、上記の汚水槽用スカム除去装置にお
いて、該水受け部の該下向き面が凹曲面であってもよい
(請求項5)。
【0015】また、上記の汚水槽用スカム除去装置にお
いて、水受け部への汚水の衝突に応動して、弁の弁体が
開通位置から閉鎖位置に移行するようにするには、水受
け部から弁体へ力が伝達されるように両者の間をいかな
る手段で連結してもよいが、例えば、該水受け部と該弁
とが液路によって連結されており、該水受け部が該汚水
の衝突を受けることによって該液路中の作動液が該水受
け部側から該弁側に圧送され、該弁側に圧送された該作
動液の液圧によって、該弁内の流路から外れた位置に退
避する該弁体が該流路の方へ押しやられるようにしても
よい(請求項6)。
【0016】また、上記の汚水槽用スカム除去装置にお
いて、該弁体がボールであってもよい(請求項7)。
【0017】また、上記の汚水槽用スカム除去装置にお
いて、該開口部が該弁の出口側開口であれば(請求項
8)、装置構成が簡易化される。
【0018】また、上記の汚水槽用スカム除去装置にお
いて、該開口部から該水受け部までの距離が、該開口部
の直径よりも長くなるようにすると(請求項9)、開口
部を通過した汚物が、開口部と水受け部との間に挟み込
まれることがない。つまり、汚物による目詰まりが防止
される。
【0019】また、上記の汚水槽用スカム除去装置にお
いて、該吐出管路が、該ポンプと該汚水槽の排出管との
間に介在する圧送管路から分岐するようにしてもよい
(請求項10)。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面
(図1〜4)に基づいて説明する。図1は、汚水層たる
マンホール10の縦断面図である。このマンホール10内に
本願発明の一実施形態たるスカム除去装置が適用されて
いる。マンホール10は主に、砕石基礎3の上に載置され
た底板2と、この底板2上に取り付けられた筒状のマンホ
ール本体部1と、マンホール本体部1の上端開口を塞ぐマ
ンホール蓋4とで構成されている。マンホール10は地中
に埋め込まれている。
【0021】マンホール10には下水流入管(図示せず)が
接続されており、この下水流入管からマンホール10内に
汚水たる下水が供給される。
【0022】マンホール10には汚水を汲み上げて排出す
るための主配管系が施されている。主配管系は、主に、
水中ポンプ11、圧送管路25、排出管15から構成されてい
る。水中ポンプ11、圧送管路25は対称に2つづつ配され
ているが、同一符号の部材は同一の構造のものである。
水中ポンプ11が吐出した汚水を排出管15に導く圧送管路
25は、主に、圧送管12、逆止弁13 および ボール弁14に
よって構成されている。排出管15は二又管15aと直管15b
とが接続されて構成されている。2つのボール弁14が二
又管15aに接続されている。
【0023】水中ポンプ11はマンホール10の底部近傍に
設置されている。水中ポンプ11はその底部に吸込口11a
を備えており、吸込口11aから吸い込んだ汚水を圧送管
路25に圧送する。圧送された汚水は排出管15内を流れて
マンホール10の外部に排出される。
【0024】マンホール10内部には、マンホール蓋4の
付近から鎖21が垂下している。鎖21の先端には気泡式水
位計22が取り付けらている。
【0025】W1は、水中ポンプ11が起動を開始するポン
プ起動水位を示す。スカムは、このポンプ起動水位近傍
において特に溜まりやすい。図1のようなマンホール10
では、スカムは、マンホール本体部1の内壁面1aのポン
プ起動水位近傍や圧送管路25の側面のポンプ起動水位近
傍に、特に付着しやすい。
【0026】W2は、水中ポンプ11を停止させるまでの時
間を計測するタイマーが作動を開始する、ポンプ停止タ
イマー作動水位である。
【0027】W3は、水中ポンプ11停止時の汚水の水位を
示すポンプ自動停止水位である。
【0028】圧送管12と逆止弁13との継ぎ目の部分に
は、吐出管路や水受け部等によって構成される散水ユニ
ットUが接続されている。
【0029】図2は、散水ユニットUとその近傍の部材
を示す図であり、図2(a)は散水ユニットU、逆止弁13
および ボール弁14の一部断面側面図であり、図2(b)
は図2(a)のB矢視一部断面図である。図2の状態は、
水中ポンプ11が起動しておらず、従って、散水ユニット
Uに汚水が導かれていないときの状態である。
【0030】散水ユニットUは、主に、吐出管路30、水
受け部たる散水板50、シリンダ51、ピストン52、油室5
5、チューブ56、ニードル弁58、油室48 及び支柱57から
構成されている。
【0031】吐出管路30は、逆止弁13の入口部分におい
て、圧送管路25から分岐するようにして接続されてい
る。吐出管路30は、主に、分岐管32、ボール弁34、接続
管36および 弁40によって構成されている。
【0032】分岐管32は、圧送管路25から汚水の流路を
分岐させている。分岐管32の先端にはボール弁34が接続
されている。さらに、ボール弁34は接続管36を介して弁
40に接続されている。弁40の出口側の開口部41には何ら
の管も接続されていない。開口部41は上方を向いてい
る。また、開口部41はポンプ起動水位W1よりも高い位置
にある。なお、弁40は請求項に言う「弁」に相当し、開
口部41は請求項に言う「開口部」に相当する。
【0033】シリンダ51は支柱57によって弁40に取り付
けられている。シリンダ51はその軸方向が鉛直方向に一
致するようにして弁40の上方に配置されている。ピスト
ン52はシリンダ51に対して摺動可能なように、シリンダ
51に挿通されている。散水板50はピストン51の下端に取
り付けられている。散水板50は弁40の開口部41の真上に
位置している。散水板50は、弁40の開口部41から吐出さ
れる汚水を受ける水受け部として機能する。散水板50は
球面の一部を切り取ったような形状をなしている。散水
板50の上面50aは凸曲面状をなし、その裏面、すなわち
下面50bは、凹曲面状をなす。下向き面である下面50b
は、開口部41を向いている。開口部41と下面50bとの距
離は、開口部41の直径よりも長くなるように設定されて
いる。
【0034】油室55は、シリンダ51にボルトで連結され
た蓋部53と、蓋部53の内側に設けられた可撓性のダイヤ
フラム54とによって形成されている。このダイヤフラム
54はゴム等の可撓性の材料によって構成されている。油
室55の容積は、ダイヤフラム54の状態によって変動す
る。図2の状態は、油室55内にオイルが充満し、油室55
の容積が最大になったときの状態である。
【0035】油室48は、弁40の側部を塞ぐ側壁46と、側
壁46の内側に設けられた可撓性のダイヤフラム47とによ
って形成されている。このダイヤフラム47はゴム等の可
撓性の材料によって構成されている。油室48の容積は、
ダイヤフラム47の状態によって変動する。図2の状態
は、ダイヤフラム47が側壁46の内面に張りついて、油室
48の容積が最小になったときの状態である。
【0036】蓋部53に設けられた開口53aと、側壁46に
設けられた開口46aとが、チューブ56とニードル弁58と
を介して接続されている。これにより、油室55と油室48
とが連通される。
【0037】このように、油室55、チューブ56、ニード
ル弁58 および 油室48によって、液路たる油路が形成さ
れている。この油路には作動液たるオイルが充満してい
る。この油路は、散水板50が汚水から受ける力を、弁40
内のボール43に伝達する作用をなす。
【0038】弁40は、主に、弁体たるボール43と、ボー
ル43を収容する弁室42とによって構成されている。弁室
42はハウジング44とダイヤフラム47によって形成されて
いる。ハウジング44の内面にはガイド45が形成されてお
り、ガイド45によってボール43の移動方向が規制され
る。ハウジング44の下端の開口部には接続管36が接続さ
れており、上端の開口部41には何らの部材も接続されて
いない。ボール43は、ガイド45に沿って、図2に示す側
壁46近傍の位置から、開口部41を塞ぐような位置までの
間を移動できるようになっている。
【0039】ボール43が側壁46近傍に位置するときは、
吐出管路30は開通している。すなわち、この状態は、ボ
ール43が開通位置に位置する状態である。
【0040】ボール43が開口部41を塞ぐような位置に来
れば、吐出管路30は閉鎖される。すなわち、この状態
は、ボール43が閉鎖位置に位置する状態である。
【0041】図3は、弁40、散水板50 および その周辺
部材の断面図であり、図3(a)〜(d)によって、弁40の
弁体たるボール43が、開通位置から閉鎖位置に移行する
までの状態が段階的に示されている。以下、図1、図3
を参照して、本実施形態に係る汚水槽用スカム除去装置
の動作状態を説明する。
【0042】まず、マンホール10に接続された下水流入
管(図示せず)からマンホール10内に汚水が流入し、汚
水の水位がポンプ起動水位W1に達すると、気泡式水位計
22からの出力信号を入力している図示しない制御装置が
そのことを検知し、水中ポンプ11に対して起動指令を発
する。水中ポンプ11は起動を開始し、吸込口11aから吸
い込んだ汚水を圧送管路25に圧送する。そして、圧送さ
れた汚水は排出管15を介して外部に排出される。
【0043】一方、圧送管路25を流れる汚水は散水ユニ
ットUにも分岐して流れ出す。分岐した汚水は、散水ユ
ニットUの分岐管32、ボール弁34、接続管36を介して弁
40に達する。弁40に達した汚水は、その勢いを保持した
まま弁室42内を貫通する。このとき、ボール43は、図3
(a)のように、弁室42内の流路から外れた位置に退避し
ているので、そこから移動することはない。ここでいう
流路とは、ハウジング44の下端の開口部から上端の開口
部41を結ぶ範囲を言う。
【0044】次に、弁40を通過した汚水は、開口部41か
ら吐出されて、図3(b)のように、散水板50の下面50b
に衝突する。すると、散水板50は汚水を反射して拡散さ
せる。図3(b)において、矢印は汚水の流れ方向を示
す。汚水の拡散方向は、図3(b)に示すように、略水平
方向である。また、散水板50は、ピストン52の中心軸に
対して回転対称の形態を有しているので、汚水は、ピス
トン52中心軸、すなわち、鉛直軸に対して略全周方向に
拡散される。開口部41には何らの部材も取り付けられず
開放された状態になっているので、開口部41から汚水が
勢いよく吐出する。このときボール43は弁室42内の流路
から外れた位置に退避しているので、流れの影響を受け
にくい。よって、ボール43は軽いものでよい。また、開
口部41から吐出された汚水が直接的に散水板50に衝突す
るので、散水板50で反射される汚水の勢いを大きくする
ことができる。このようにして、散水板50で拡散される
汚水の勢いを強くすることができるので、特に、開口部
41の開口面積をノズルのように小さく絞る必要がない。
よって、開口部41の汚物による目詰まりは起こりにく
い。
【0045】図4は、図1のA−A線矢視断面図であ
る。図4中の矢印は、散水板50によって反射した汚水の
拡散方向を示している。この図のように、汚水は鉛直軸
に対して略全周方向に拡散される。
【0046】散水板50を反射した汚水は、落下して、マ
ンホール本体部1の内壁面1aにおいてポンプ起動水位W1
近傍に付着したスカムに衝突して、そのスカムを除去す
る。また、散水板50を反射した汚水は、圧送管路25側面
においてポンプ起動水位W1近傍に付着したスカムにも衝
突し、そのスカムを除去する。
【0047】再度、図3(b)を参照すると、開口部41
から吐出された汚水を受けて、散水板50は上方に押し上
げられる方向に力を受ける。そうすると、散水板50に取
り付けられたピストン52が、シリンダ51内を上方に移動
する。そして、ピストン52の上端面がダイヤフラム54を
押し上げる。ダイヤフラム54が押し上げられると、油室
55の容積が小さくなり、油室55から押し出された作動液
たるオイルは、チューブ56およびニードル弁58を介して
油室48に流れ込む。そうすると、油室48の容積を増加さ
せるようにダイヤフラム47が変形し始める。次第にダイ
ヤフラム47がボール43を弁40の流路の方に押しやる。ボ
ール43がある程度弁40の流路の方に押しやられると、ボ
ール43は弁室42内の汚水の水流に当たり、ガイド45に沿
って弁40内の流路にさらに近づく方向に移動する。
【0048】そしてボール43は、図3(c)に示すよう
に、開口部41を塞ぐ閉鎖位置に達する。そうすると、吐
出管路30は閉鎖され、開口部41からの汚水の吐出も停止
する。
【0049】すると、散水板50に汚水が衝突することが
なくなり、ピストン52を押し上げようとする力は働かな
くなる。一方、弁室42内には、ハウジング44の下端の開
口部を介して水中ポンプ11の駆動圧力が作用するので、
ダイヤフラム47は、弁室42内の正圧によって側壁46の方
へ押し戻される。すると、油室48から油室55に向かう方
向にオイルが油路を流れ、油室55が大きくなるようにダ
イヤフラム54が変形する。結局、ダイヤフラム54はもと
の状態、つまり油室55の容積が最大となる状態に戻り、
油室48はその容積が最小となる状態に戻る(図3(d)
参照)。また、ピストン52は、シリンダ51に対する最下
の位置にまで戻る。なお、水中ポンプ11が稼動している
間は、弁室42内に汚水の水圧が作用するので、ボール43
の位置は、図3(d)に示されるような、開口部41を閉
鎖する閉鎖位置に維持される。
【0050】水中ポンプ11がマンホール10内の汚水を外
部に圧送し続けると、マンホール内の汚水の水位がポン
プ停止タイマー作動水位W2に達する。すると、気泡式水
位計22からの出力信号によって制御装置がそのことを知
り、水中ポンプ11を停止させるまでの時間を計測するた
めのタイマーを作動させる。そして、タイマー作動から
所定時間が経過すると、制御装置は水中ポンプ11に対し
て停止指令を発する。このとき、汚水の水位は、ポンプ
自動停止水位W3に略一致する。水中ポンプ11が停止する
と、弁室42に水中ポンプ11の駆動圧力が作用しなくな
り、ボール43は図3(a)に示す開通位置に戻る。
【0051】以上、主に、図1、図3(a)〜(d)を参照
しつつ、汚水槽用スカム除去装置の動作開始から停止ま
での状態を説明した。上記説明から理解されるように、
水中ポンプ11が起動する毎に、汚水槽内でスカムの洗浄
・除去が行われるので、マンホール本体部1の内壁面1a
や圧送管路25の側面にスカムが付着したり、付着したス
カムが固形化したりすることが防止される。
【0052】なお、吐出管路30は圧送管路25から分岐し
ているので、水中ポンプ11の起動時に圧送管路25内の空
気をここから排出して、水中ポンプ11のエアロックを回
避する。すなわち、空気抜きとしても機能する。
【0053】また、ニードル弁58は、油室55と油室48と
の間でのオイルの移動速度を調整するために設けられた
ものである。オイルの移動速度の調整は、レバー58aを
操作してニードル弁58の絞りを調整することによってな
される。この調整によって、弁40の開口部41から汚水の
吐出が開始されてから汚水の吐出が停止するまでの時間
を概略的に設定することができる。
【0054】さらに、ボール弁34は、散水ユニットUを
点検するときのために設けられたものである。すなわ
ち、レバー34aによってボール弁34を閉鎖状態にして、
汚水がボール弁34を通過できないようにしてから、散水
ユニットUを点検するのである。
【0055】また、上記実施形態では、チューブ56等か
ら成る油路によって水受け部(散水板50)が汚水から受
ける力を開通位置にある弁体(ボール43)に伝えるよう
にしたが、水受け部から弁体への力の伝達手段は油路、
液路に限らない。例えば、リンク機構や空気路などを用
いることもできる。
【0056】
【発明の効果】本願発明の汚水槽用スカム除去装置は次
のような効果を奏する。 (1)吐出管路がポンプの駆動力によって汚水を吐出する
ので、特別な電源や特別な動力源等の設備を付加する必
要もなく簡易な構成とすることができる。また、最もス
カムの付着しやすいポンプ起動水位近傍でスカムを除去
することができるので、スカムがポンプ起動水位近傍に
付着することを防止するのに有効である。よって、汚水
槽の腐食も防止される。 (2)また、水受け部に向かって汚水を吐出する開口部
は、開口面積を小さくする必要がないので、汚物による
目詰まりを防止できる。よって、人手による洗浄作業な
ども不要となる。すなわち、汚水槽の維持管理費を低減
できる。 (3)水受け部への汚水の衝突に応動して開閉する弁を設
けているので、ポンプの起動時から一定時間だけ吐出管
路から汚水を噴出することができる。そして、スカム除
去に必要だけ吐出管路から汚水を吐出した後は、ポンプ
の駆動力を汚水の汚水槽からの排出のみに利用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マンホールの縦断面図である。
【図2】散水ユニット等の図である。(a)は散水ユニ
ットとその周辺部材の一部断面側面図であり、(b)は
(a)のB矢視一部断面図である。
【図3】ボール弁等の断面図であり、(a)〜(d)に
よってスカム除去装置の動作を段階的に示すための図で
ある。
【図4】図1のA−A線矢視断面図である。
【符号の説明】
U 散水ユニット W1 ポンプ起動水位 W2 ポンプ停止タイマー作動水位 W3 ポンプ自動停止水位 1 マンホール本体部 1a 内壁面 2 底板 3 砕石基礎 4 マンホール蓋 10 マンホール 11 水中ポンプ 11a 吸込口 12 圧送管 13 逆止弁 14 ボール弁 15 排出管 15a 二又管 15b 直管 21 鎖 22 気泡式水位計 25 圧送管路 30 吐出管路 32 分岐管 34 ボール弁 34a レバー 36 接続管 40 弁 41 開口部 42 弁室 43 ボール 44 ハウジング 45 ガイド 46 側壁 46a 開口 47 ダイヤフラム 48 油室 50 散水板 50a 上面 50b 下面 51 シリンダ 52 ピストン 53 蓋部 53a 開口 54 ダイヤフラム 55 油室 56 チューブ 57 支柱 58 ニードル弁 58a レバー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水槽の汚水を汲み上げて該汚水槽の外
    部に排出するためのポンプと、 弁と開口部とを有し該ポンプが汲み上げた汚水の一部を
    該開口部から該汚水槽内に吐出する吐出管路と、 水受け部とを備え、 該ポンプは、該汚水槽内の汚水の水位が所定のポンプ起
    動水位に達したときに起動を開始し、 該開口部は該汚水槽内において該起動水位よりも高い位
    置に設けられ、 該水受け部は該汚水槽内において該起動水位よりも高い
    位置に設けられ、 該吐出管路は該開口部から該水受け部に衝突するように
    該汚水を吐出し、 該水受け部は該開口部から吐出された該汚水を反射して
    拡散させ、 該水受け部への該汚水の衝突に応動して、該弁の弁体
    が、該吐出管路を開通させる開通位置から該吐出管路を
    閉鎖させる閉鎖位置に移行する、汚水槽用スカム除去装
    置。
  2. 【請求項2】 該水受け部が該開口部から吐出された該
    汚水を略水平方向に拡散させる、請求項1記載の汚水槽
    用スカム除去装置。
  3. 【請求項3】 該水受け部が該開口部から吐出された該
    汚水を鉛直軸に対して略全周方向への拡散させる、請求
    項2記載の汚水槽用スカム除去装置。
  4. 【請求項4】 該開口部が上向きに設けられ、該水受け
    部が下向き面を有し、該開口部から吐出された該汚水が
    該下向き面で反射する、請求項1乃至3のいずれか一の
    項に記載の汚水槽用スカム除去装置。
  5. 【請求項5】 該水受け部の該下向き面が凹曲面であ
    る、請求項4記載の汚水槽用スカム除去装置。
  6. 【請求項6】 該水受け部と該弁とが液路によって連結
    されており、該水受け部が該汚水の衝突を受けることに
    よって該液路中の作動液が該水受け部側から該弁側に圧
    送され、該弁側に圧送された該作動液の液圧によって、
    該弁内の流路から外れた位置に退避する該弁体が該流路
    の方へ押しやられる、請求項1乃至5のいずれか一の項
    に記載の汚水槽用スカム除去装置。
  7. 【請求項7】 該弁体がボールである、請求項1乃至6
    のいずれか一の項に記載の汚水槽用スカム除去装置。
  8. 【請求項8】 該開口部が該弁の出口側開口である、請
    求項1乃至7のいずれか一の項に記載の汚水槽用スカム
    除去装置。
  9. 【請求項9】 該開口部から該水受け部までの距離が、
    該開口部の直径よりも長い、請求項1乃至8のいずれか
    一の項に記載の汚水槽用スカム除去装置。
  10. 【請求項10】 該吐出管路が、該ポンプと該汚水槽の
    排出管との間に介在する圧送管路から分岐する、請求項
    1乃至9のいずれか一の項に記載の汚水槽用スカム除去
    装置。
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