JP2002187945A - 光学用ポリカーボネート樹脂成形材料および該材料よりなる情報記録媒体 - Google Patents

光学用ポリカーボネート樹脂成形材料および該材料よりなる情報記録媒体

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JP2002187945A
JP2002187945A JP2000389261A JP2000389261A JP2002187945A JP 2002187945 A JP2002187945 A JP 2002187945A JP 2000389261 A JP2000389261 A JP 2000389261A JP 2000389261 A JP2000389261 A JP 2000389261A JP 2002187945 A JP2002187945 A JP 2002187945A
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optical
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resin molding
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Shinji Kono
伸二 河野
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Teijin Chemicals Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、光学用部材、例えば音声信号や画
像信号等、各種の情報信号を記録するための光記録媒体
を製造するのに適した樹脂成形材料及びそれよりなる情
報記録媒体を提供する。 【解決手段】 式(1)で表わされる物質の含有量が
1.5%以下であり且つ式(2)で表わされる物質の含
有量が50ppm以下であることを特徴とする光学用ポ
リカーボネート樹脂成形材料及び光ディスク基板。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用材料、例え
ば音声信号や画像信号等、各種の情報信号を記録するた
めの光記録媒体を製造するのに適した樹脂成形材料およ
びそれよりなる情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の照射により情報の記録・再生
をおこなう光ディスクとしては、デジタルオーディオデ
ィスク(いわゆるコンパクトディスク)、光学式ビデオ
ディスク(いわゆるレーザディスク)、各種追記型ディ
スク、光磁気ディスク、相変化ディスク等が実用化され
ている。このうち、コンパクトディスクやレーザディス
クは、再生専用(Read Only Memory:
ROM)型の光ディスクである。これらの光ディスク
は、一般に透明基板上に、情報信号に対応したピットが
凹凸形状で形成され、この上にAl反射層が40nm以
上の厚さで製膜されている。このような光ディスクで
は、ピットで生じる光干渉による反射率変化を検出する
ことにより情報信号が再生される。
【0003】一方、追記型光ディスクは、ユーザによっ
て任意情報の書き込みが可能なR(Recordabl
e)型の光ディスクであり、光磁気ディスクおよび相変
化型ディスクは、繰り返し任意情報の書き込みが可能な
RAM(Random Acceess Memor
y)型の光ディスクである。すなわち、R型光ディスク
は、透明基板上に、レーザ光の照射によって不可逆的に
光学特性が変化したり凹凸形状が形成される追記型の記
録層にて構成される。この記録層としては、例えばレー
ザ光の照射による加熱で分解し、その光学定数が変化す
るとともに、体積変化によって基板の変形を生じさせる
シアニン系、フタロシアニン系、アゾ系の有機色素等が
用いられる。光磁気ディスクは、ユーザによって情報の
書き込みおよび消去を繰り返しおこなうことができる、
書き換え可能型の光ディスクであり、透明基板上に、T
b−Fe−Co非晶質合金薄膜などの磁気光学効果(例
えばカー効果)を有する垂直磁化膜が形成されて構成さ
れる。この光磁気ディスクでは、情報信号に対応して垂
直磁化膜の微小領域を上向きあるいは下向きに磁化する
ことにより記録ピットが形成される。そして、反射光で
の直線偏光の回転角θk(カー回転角)が垂直磁化膜の
磁化の向きによって異なることを利用して情報信号が再
生される。相変化ディスクは、光磁気ディスク同様に書
き換え可能型のディスクであり、例えば初期状態で結晶
状態を呈し、レーザ光が照射されることでアモルファス
状態に相変化する、Ge−Sb−Te相変化材料等が用
いられる。この記録層では、情報信号に対応して微小領
域を相変化させることにより記録ピットが形成され、ピ
ットに相当するアモルファス部分とそれ以外の結晶領域
との反射率変化を検出することで情報信号が再生され
る。このような光磁気ディスクや相変化ディスクでは、
記録層の酸化防止や多重干渉による信号変調度の増大を
目的として、記録層の両側を透明な誘電体層で挟み込
み、さらにその上にAl反射層を積層した4層構造がと
られる場合が多い。なお、誘電体層としては、窒化シリ
コン膜、Zn−SiO2混成膜などが用いられる。
【0004】ところで、最近、このような光ディスクを
デジタル映像記録用として用いるための検討が盛んにお
こなわれており、そのような光ディスクとしてデジタル
・バーサタイル・ディスク(DVD)が開発されるに至
っている。このDVDは、CDと同じ120mm径とし
ながら、映画一本分に相当する映像情報を記録し、現行
テレビ並みの画質で再生できるようになされたものであ
る。ここで、このような映像情報を光ディスクに記録す
るには、例えばCDの6〜8倍の記録容量が必要にな
る。このため、DVDでは、レーザ波長をCDでの78
0nmに対して635〜650nmと短波長化するとと
もに対物レンズの開口数NAをCDでの0.45に対し
て、0.52または0.6に増大させることによりトラッ
クピッチやピットの最短記録マーク長を縮め、記録密度
を上げるようにしている。
【0005】このうち対物レンズの開口数NAの増大
は、ディスク基板のそりに対する許容量を小さくするこ
とになる。このため、DVDでは、基板の厚さをCDの
1.2mmに対して、0.6mmと薄くすることにより、
レーザ光がディスク基板を通過する距離を短くし、反り
に対する許容量を補償する様にしている。そして、さら
に基板を薄くすることによるディスク強度の低下を補う
ため、特開平6−274940号公報で記載されるよう
に、基板上に形成された記録層の上に、さらに基板を貼
り合わせる、いわゆる貼り合わせ構造が採られている。
なお、貼り合わせ光ディスクの記録層としては、上述の
単板構成で用いられるROM型の記録層、R型の記録
層、RAM型の記録層のいずれもが採用できる。さら
に、貼り合わせ光ディスクには、その片側の面のみを利
用する片面貼り合わせ光ディスクと、両側の面を利用す
る両面型貼り合わせ光ディスクとがある。以上のような
光学用ディスク基板には、成形性、強度、光線透過率お
よび耐湿性等に優れているポリカーボネート樹脂が多く
使用されている。
【0006】近年光学式ディスク基板の普及に伴い、基
板生産性向上に対する要求も高まっている。樹脂は種々
の揮発成分を含有しており、成形を長期間おこなうと金
型やスタンパーなどに種々の成分が堆積し、光学および
機械特性などの基板特性の悪化へとつながる。また長時
間の成形により、前記種々の基板特性の悪化するという
問題も発生する。このため、金型やスタンパーの洗浄を
行うために連続成形を一旦停止しなければならず、生産
性向上に悪影響を及ぼしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、該問題点について鋭意研究
を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂中における特定の
物質の含有量を低減する事によりポリカーボネート樹脂
よりなる基板の劣化を極めて有効に制御し、長期に渡っ
て高い信頼性を維持できる光学用ディスクが得られる事
を見出し、またこれらの物質の低減は揮発成分の低減に
つながり、基板生産性を向上できる光学用ポリカーボネ
ート樹脂成形材料および光ディスク基板が得られること
も見出した。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば下記式
(1)で表わされる物質の含有量が1.5%以下であり
且つ下記式(2)で表わされる物質の含有量が50pp
m以下であるポリカーボネート樹脂よりなる光学用ポリ
カーボネート樹脂成形材料およびその材料より形成され
た光ディスク基板が提供される。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】[式中、Aは水素原子、アルキル基、フェ
ニルアルキル基もしくは脂肪族エステル基であり、rは
1〜5の整数である。]
【0012】
【発明の実施の形態】本発明においては、CD−R、C
D−RW、MO、DVD−ROM、DVD−Audi
o、DVD−R、DVD−RAM等で代表されるデジタ
ル・バーサタイル・ディスク(DVD)の光ディスクの
基板、特にDVDの基板等の高密度光ディスクに用いる
ディスク基板として十分な信頼性を得、かつ、基板生産
性を向上できるには、該基板を成形するために供する成
形材料(芳香族ポリカーボネート樹脂)の中の上記式
(1)で表わされる物質の含有量が1.5%以下であ
り、且つ上記式(2)で表わされる物質の含有量が50
ppm以下である事が必要である。これらは、ポリカー
ボネート樹脂の重合反応時に末端停止剤として添加され
樹脂内に残存している物およびポリカーボネート樹脂の
重合反応時に重合材料が反応して出来たものを示す。
【0013】式(1)で表わされる物質の含有量が1.
5%以下且つ式(2)で表わされた物質を50ppm以
下に抑えた場合、基板の微小な白点の発生および金型や
スタンパーの洗浄の回数を最小限に抑えられる。式
(1)で表わされる物質の含有量が1.5%を超え且つ
式(2)で表わされる物質の含有量が50ppmを超え
た材料を用いた場合、これらの十分な信頼性と基板生産
性は得られない。なお、式(1)で表わされる物質の含
有量は1.5%以下好ましくは1.0%以下さらに好ま
しくは0.5%以下である事がより確実な効果を得る事
が出来る。最も好ましいのは0.3%以下である。また
式(2)で表わされる物質の含有量は50ppm以下、
好ましくは40ppm以下、さらに好ましくは30pp
m以下である事が確実な効果を得る事が出来る。最も好
ましいのは15ppm以下である。
【0014】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
は、代表的には2価フェノールとカーボネート前駆体と
を界面重合法または溶融重合法で反応させて得られるも
のが使用できる。中でも界面重合法で得られる樹脂が好
ましい。ここで使用される2価フェノールは2,2−ビ
ス{(4−ヒドロキシフェニル)プロパン}(通称ビス
フェノールA)である。カーボネート前駆体としてはホ
スゲンまたはジフェニルカーボネートが挙げられる。上
記2価フェノールとカーボネート前駆体を界面重合法ま
たは溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹
脂を製造するに当たっては、必要に応じて触媒、2価フ
ェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。
【0015】界面重合法による反応は、通常二価フェノ
ールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶
媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有
機溶媒としては、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進
のために例えばトリエチルアミン、テトラ−n−ブチル
アンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニ
ウムブロマイド等の第三級アミン、第四級アンモニウム
化合物、第四級ホスホニウム化合物等の触媒を用いるこ
ともできる。その際、反応温度は通常0〜40℃、反応
時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保
つのが好ましい。
【0016】溶融重合法による反応は、通常二価フェノ
ールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であ
り、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネー
トエステルとを加熱しながら混合して、生成する単官能
フェノール類を留出させる方法により行われる。反応温
度は生成する単官能フェノール類の沸点等により異なる
が、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には
系を10〜0.1Torr程度に減圧して生成する単官
能フェノール類の留出を容易にさせる。反応中に発生す
る単官能フェノール類は、ポリカーボネート樹脂中に残
留するので、十分な反応時間が必要になり、反応時間は
1〜4時間程度である。カーボネートエステルとしては
ジフェニルカーボネートが使用される。
【0017】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコ
ニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交
換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は
単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用して
もよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェ
ノール1モルに対し、好ましくは1×10-8〜1×10
-4当量、より好ましくは1×10-7〜5×10-4当量の
範囲で選ばれる。
【0018】また、かかる重合反応において、フェノー
ル性の末端基を減少させるために、重縮合反応の後期あ
るいは終了後に、単官能フェノール類以外の末端停止
剤、例えばビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス
(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニ
ル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネ
ート、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフ
ェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニル
カーボネート、フェニルフェニルカーボネート、メトキ
シカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよびエト
キシカルボニルフェニルフェニルカーボネートなどの化
合物を加えることが好ましい。なかでも2−クロロフェ
ニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフ
ェニルフェニルが好ましく、特に2−メトキシカルボニ
ルフェニルフェニルが好ましく使用される。
【0019】界面重合法によるポリカーボネート樹脂の
重合反応においては、通常、末端停止剤を使用する。末
端停止剤は分子量調節のために使用され、また得られた
ポリカーボネート樹脂は、末端が封鎖されているので、
そうでないものと比べて熱安定性に優れている。かかる
末端停止剤としては、下記一般式(3)〜(5)で表わ
される単官能フェノール類を示す事が出来る。
【0020】
【化5】
【0021】[式中、Bは水素原子または炭素数1〜9
のアルキル基もしくはフェニルアルキル基(アルキル部
分の炭素数1〜9)であり、rは1〜5、好ましくは1
〜3の整数である。]
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】[これら式中、Xは−R−CO−O−また
は−R−O−CO−である、ここでRは単結合または炭
素数1〜10、好ましくは1〜5の2価の脂肪酸炭化水
素基を示し、nは10〜50の整数を示す。] 上記一般式(3)で表される単官能フェノール類の具体
例としては、例えばフェノール、イソプロピルフェノー
ル、p−tert−ブチルフェノール、p−クレゾー
ル、p−クミルフェノールおよびイソオクチルフェノー
ルなどが挙げられる。
【0025】また、上記一般式(4)および(5)で表
される単官能フェノール類は、長鎖のアルキル基あるい
は脂肪族エステル基を置換基として有するフェノール類
であり、これらを用いてポリカーボネート樹脂の末端を
封鎖すると、これらは末端停止剤または分子量調節剤と
して機能するのみならず、樹脂の溶融流動性が改良さ
れ、成形加工が容易になるばかりでなく、基板としての
物性、特に樹脂の吸水率を低くする効果があり、また、
基板の複屈折が低減される効果もあり好ましく使用され
る。
【0026】上記一般式(4)の置換フェノール類とし
てはnが10〜30、特に10〜26のものが好まし
く、その具体例としては例えばデシルフェノール、ドデ
シルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシ
ルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフ
ェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフ
ェノール等を挙げることができる。
【0027】また、上記一般式(5)の置換フェノール
類としてはXが−R−CO−O−であり、Rが単結合で
ある化合物が適当であり、nが10〜30、特に10〜
26のものが好適であって、その具体例としては例えば
ヒドロキシ安息香酸デシル、ヒドロキシ安息香酸ドデシ
ル、ヒドロキシ安息香酸テトラデシル、ヒドロキシ安息
香酸ヘキサデシル、ヒドロキシ安息香酸エイコシル、ヒ
ドロキシ安息香酸ドコシルおよびヒドロキシ安息香酸ト
リアコンチルが挙げられる。
【0028】これら単官能フェノール類の内、上記一般
式(3)で表される単官能フェノール類が好ましく、よ
り好ましくはアルキル置換もしくはフェニルアルキル置
換のフェノール類であり、特に好ましくはp−tert
−ブチルフェノールまたはp−クミルフェノールであ
る。これらの単官能フェノール類の末端停止剤は、得ら
れたポリカーボネート樹脂の全末端に対して少くとも5
モル%、好ましくは少くとも10モル%末端に導入され
ることが望ましく、また、末端停止剤は単独でまたは2
種以上混合して使用してもよい。
【0029】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量(M)で10,000〜22,000が好まし
く、12,000〜20,000がより好ましく、13,
000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均
分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料と
して十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も
良好であり成形歪みが発生せず好ましい。本発明でいう
粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカーボ
ネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた
比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
【0030】ηsp/c=[η]+0.45×[η]2
(但し[η]は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7 ポリカーボネート樹脂は、従来公知の方法(界面重合
法、溶融重合法など)により製造した後、溶液状態にお
いてアルカリ抽出や濾過処理をしたり、造粒(脱溶媒)
後の粒状原料を例えばアセトンなどのケトン類、ヘキサ
ンなどの脂肪族炭化水素、キシレンなどの芳香族炭化水
素などのポリカーボネート貧溶媒および非溶媒で洗浄し
て低分子量成分や未反応成分等の不純物や異物を除去す
ることが好ましい。更に射出成形に供するためのペレッ
ト状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化
工程)では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属
フィルターを通すなどして異物を除去したりすることが
好ましい。必要により、例えば多価アルコール脂肪酸エ
ステル等の離型剤、リン系等の酸化防止剤などの添加剤
を加えることも好ましい。いずれにしても射出成形前の
原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低く
しておくことが必要である。
【0031】式(1)および式(2)で表わされる物質
の含有量を低減する方法として、例えば、従来公知の方
法(溶液重合法、溶融重合法など)により製造した後、
造粒(脱溶媒)後の粒状樹脂を例えばアセトンなどのケ
トン類、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、キシレンなど
の芳香族炭化水素などのポリカーボネート貧溶媒および
非溶媒で洗浄したりして除去することが好ましい。従
来、ポリカーボネートの合成条件、例えば触媒種および
触媒量の調整、温度、時間、圧力などの条件、末端停止
剤の種類および量の調整などによって式(1)および式
(2)で表わされる物質の含有量が種々異なるポリカー
ボネートが得られていたが、その中から本発明において
特定の式(1)および式(2)で表わされる物質の含有
量のものを選択して使用する事により本発明の効果を達
成することも出来る。
【0032】上記ポリカーボネート樹脂より光ディスク
基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を
含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用
されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディス
ク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリュ
ーとして樹脂との付着性が低く、かつ耐食性、耐摩耗性
を示す材料を使用してなるものを用いるのが好ましい。
射出成形の条件としてはシリンダー温度300〜400
℃、金型温度50〜140℃が好ましく、これらにより
光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。成
形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限
りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する
材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の
分解を招くような滞留を起こさないように配慮すること
も重要となる。さらに、複屈折、機械特性などに異常が
発生した基板は、製品あるいは試験用基板として採用し
ないように配慮することも重要である。
【0033】本発明による光学用ポリカーボネート樹脂
成形材料よりなる光ディスク基板は、高温・高湿条件下
長時間保持しても微小な白点の発生は極めて少なく、C
D−R、CD−RW、MO、デジタルビデオディスク、
DVD−ROM、DVD−audio、DVD−R、D
VD−RAM等で代表されるデジタル・バーサタイル・
ディスク(DVD)の光ディスクの基板、特にDVDの
基板として優れている。この高温・高湿条件下の特性
は、ディスク基板を温度80℃、相対湿度85%に制御
した恒温恒湿槽に1000時間放置した後の大きさ20
μm以上の白点発生数を調べることによって確認され
る。本発明によるポリカーボネート樹脂成形材料から得
られたディスク基板の白点発生数は直径120mmの基
板あたり2個以下であり、好適なものは1個以下であ
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本
発明は何らこれに限定されるものではない。なお、評価
は下記の方法に従った。
【0035】(1)式1で表わされる物質の量分析 Gel Permination Chromatog
raphy(GPC)を用いそのピークの面積比で算出
した。なお測定は以下の条件で実施した。 装置:日本分光製LC−20 カラム:日本分光製JAIGEL2HF×2本+JA
IGEL3HF×3本 移動層:クロロホルム 検出器:UV(254nm) 設定温度:40℃ (2)式(2)で表わされる物質の定量分析 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて定量
を行った。
【0036】(3)CD生産性試験 射出成形機[住友重機械工業製DISK 3M III]
にCD専用の金型を取り付け、この金型にピットの入っ
たニッケル製のCD用スタンパーを装着し、成形材料を
自動搬送にて成形機のホッパに投入し、シリンダー温度
335℃、金型温度65℃にて連続的に成形をおこなっ
た。連続成形開始後、複屈折、機械特性に異常が生じる
ことにより、不良基板生産枚数が増加し、100枚単位
あたりの不良基板枚数が3%を超えるまでの成形枚数を
求めた。生産基板の良品判定基準は、複屈折がダブルパ
スで±100nm以下、機械特性が半径方向反り角で±
1.6度以内とした。
【0037】(4)DVD生産性試験 射出成形機[住友重機械工業製DISK 3M III]
にDVD専用の金型を取り付け、この金型にピットの
入ったニッケル製のDVD用スタンパーを装着し、成形
材料を自動搬送にて成形機のホッパに投入し、シリンダ
ー温度378℃、金型温度119℃にて連続的に成形を
おこない、CD生産性試験と同様の方法にて、成形枚数
を求めた。生産基板の良品判定基準は、複屈折がダブル
パスで±100nm以下、機械特性が半径方向反り角で
±0.8度以内、周方向反り角で±0.3度以内とした。
【0038】(5)長期信頼性試験 ディスク用成形機[住友重機(株)製DISK 3M
III]により成形された光ディスク用基板(直径120
mm、厚さ1.2mm)を用いたCDを、温度80℃、
相対湿度85%に制御した恒温恒湿槽に1000時間放
置した後、基板中の大きさ20μm以上の白点発生数を
数えた。これを25枚の光学式ディスク基板についてお
こない、その平均値を求め、これを白点個数とした。
【0039】実施例1 式(1)で示される物質(複数ピーク)の全含有量が
1.3%であり、p−tert−ブチルフェノールの含
有量が35ppmである2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン骨格ポリカーボネートパウダーにリ
ン系酸化防止剤[トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ホスファイト]50ppmおよび脂肪酸エステル
[グリセリンモノステアレート(リケマールS−100
A)]100ppmを添加した後に押し出し機でペレッ
ト化した。得られたペレットを使用して、CD生産性試
験、DVD生産性試験、長期信頼性試験を行った。その
結果を表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1において式(1)で示される物質(複数ピー
ク)の全含有量が0.2%であり、p−tert−ブチ
ルフェノールの含有量が8ppmである以外は実施例1
と同様の操作を行った。その結果を表1に示す。
【0041】比較例1 実施例1において式(1)で示される示される物質(複
数ピーク)の全含有量が2.5%であり、p−tert
−ブチルフェノールの含有量が85ppmである以外は
実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】表1に示す通り本発明のポリマーを使用す
る事により成形性および信頼性の高い高密度ディスク基
板を得る事が出来る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の樹脂成形
材料を使用する事によりディスク基板を成形性良く得る
事が出来る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表わされる物質の含有量が
    1.5%以下であり且つ式(2)で表わされる物質の含
    有量が50ppm以下であるポリカーボネート樹脂より
    なる光学用ポリカーボネート樹脂成形材料。 【化1】 【化2】 [式中、Aは水素原子、アルキル基、フェニルアルキル
    基もしくは脂肪族エステル基であり、rは1〜5の整数
    である。]
  2. 【請求項2】 ポリカーボネート樹脂は粘度平均分子量
    が10000〜22000である請求項1記載の光学用
    ポリカーボネート樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】 式(2)中、Aが炭素数1〜9のアルキ
    ル基もしくは炭素数7〜15のフェニルアルキル基であ
    る、請求項1または2記載の光学用ポリカーボネート樹
    脂成形材料。
  4. 【請求項4】請求項1記載の光学用ポリカーボネート樹
    脂成形材料より形成された光ディスク基板。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の光学用ポリカーボネート
    樹脂成形材料より形成されたデジタル・バーサタイル・
    ディスク(DVD)用光ディスク基板。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の光ディスク基板
    を用いた情報記録媒体。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000186137A (ja) * 1998-03-26 2000-07-04 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリカーボネート及び光学材料

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