JP2002186667A - 中空糸型血液透析器 - Google Patents

中空糸型血液透析器

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JP2002186667A
JP2002186667A JP2000387651A JP2000387651A JP2002186667A JP 2002186667 A JP2002186667 A JP 2002186667A JP 2000387651 A JP2000387651 A JP 2000387651A JP 2000387651 A JP2000387651 A JP 2000387651A JP 2002186667 A JP2002186667 A JP 2002186667A
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dialyzer
mmhg
water permeability
β2mg
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JP2000387651A
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Hidehiko Sakurai
秀彦 櫻井
Toshiyuki Yagi
敏幸 八木
Yoshihito Sagara
誉仁 相良
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 β2 ミクログロブリンクリアランスが50以上
で低分子量タンパク質の除去を高めた時に、アルブミン
の漏出量が急激に増加するのを抑え、栄養状態が悪い患
者や高齢患者にも安全に使用できる透析器を提供する。 【解決手段】 透水性が150 〜280mL/m2/hr/mmHgの中空
糸膜を用いた、膜面積が1.1 m2以上であり、牛血液を濾
過流量20mL/minで3L 濾過した時の総タンパク質リーク
量が0.6 〜3gであり、かつ透析器の透水性が300 〜500m
L/hr/mmHg であることを特徴とする中空糸型血液透析
器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安全性と効率に優
れた、慢性腎不全の治療に用いる中空糸型血液透析器に
関する。
【0002】
【従来の技術】血液透析は、末期腎不全の治療として普
及し、1999年末現在の統計では、国内でおよそ19万人
が、この治療を受けている。透析治療を長く受けている
と、透析で除去されにくい分子量1 万から2 万の低分子
蛋白質が蓄積し、多くの合併症を引き起こすことが知ら
れている。特に分子量が11700のベータ2ミクログ
ロブリン(以下β2MG と略す)は、長期透析患者に見ら
れる透析アミロイドーシスの原因物質であることが1985
年に同定され、以来、透析治療の除去ターゲットとして
注目を浴びている。現在、一般にハイパフォーマンスメ
ンブレンとよばれ、透水性と細孔径を高め、β2MG 除去
性能を高めた透析器が多数上市されているが、細孔径を
大きくすると、β2MG の除去性能は高まるが、逆に体に
とって必要な有用タンパク質であるアルブミン(分子量
67000)の漏出量も多くなる。
【0003】本発明者らが現在上市されている透析器を
用いて検討した結果、β2MG 除去性能の指標であるβ2M
G クリアランスが50未満までは、アルブミンの漏出量が
実質的にほとんどなく(約0.2g以下)安全に使用できる
透析器が既に存在しているが、β2MG クリアランスが50
以上の場合、アルブミン漏出量は急激に増加し、臨床上
問題があると言われている3gを超えることが分かった。
これは、β2MG の分子量が大きく、拡散係数が低いた
め、β2MG の除去性能を高めるために、膜の細孔径が大
きくなり、その結果アルブミンの漏出量も同時に増えて
しまうためである。
【0004】β2MG を拡散だけでなく、濾過を組合わせ
ることで除去効率を高める血液透析濾過と呼ばれる治療
方法が普及しているものの、血液透析濾過は、血液透析
に比べ手技が複雑になるばかりでなく、補充液や特別な
装置が必要で、治療コストが高くなる問題がある。
【0005】体が大きく、食事による栄養摂取が充分に
できる患者の場合、アルブミンの漏出を多くても、β2M
G を大量に除去することで、臨床症状の改善が認められ
ているが、高齢患者や体の小さい患者では、アルブミン
漏出量が多いと、血漿中のタンパク質濃度が下がり、栄
養不足や感染症に対する抵抗力の低下などの低タンパク
血症を引き起こすことがある。このため全てに患者に、
低タンパク質血症を起すことなく、安全に使用できるβ
2MG 除去性能の高い透析器は未だ存在しないのが現状で
ある。特に、β2MG クリアランスが50以上の高いβ2MG
除去性能を示し、かつ高齢者や体の小さい透析患者に、
特別な装置を用いず、通常の血液透析で、アルブミンの
漏出量が少なく、安全な透析器は存在しない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】β2MG などの低分子量
タンパク質の除去性能を高めるためには、通常、透析器
に使われる中空糸膜の膜面積を大きくする、細孔径を大
きくする、細孔数を増やす、空孔率を上げる、膜厚を薄
くするなどの手段が取られる。これらの手段はすべて透
析器の透水性を向上させる手段と同一である。また、中
空糸膜の細孔径を上げずに透水性を上げることは極めて
困難であり、β2MG 除去性能を上げるために中空糸膜の
透水性を上げるとそれに連動して、アルブミンリーク量
が急激に増加することが問題であった。本発明は、特に
β2MG クリアランスが50以上で低分子量タンパク質の除
去を高めた時に、アルブミンの漏出量が急激に増加する
という課題に対し、これを抑え、栄養状態が悪い患者や
高齢患者にも安全に使用できる透析器を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために下記の構成を有する。 透水性が150 〜280mL/m2/hr/mmHgの中空糸膜を用い
た、膜面積が1.1m2以上であり、牛血液を濾過流量20mL/
minで3L 濾過した時の総タンパク質リーク量が0.6 〜3
gであり、かつ透析器の透水性が300 〜500mL/hr/mmHg
であることを特徴とする中空糸型血液透析器。 中空糸膜がセルローストリアセテートからなる上記
に記載の中空糸型血液透析器。
【0008】
【発明の実施の形態】本研究者らは、血液透析器に用い
られる中空糸膜の透水性と透析器の膜面積、総タンパク
質リーク量、透析器の透水性とβ2MG の除去性能である
クリアランスについて詳細に検討した結果、前記課題を
解決するための手段を見出し本発明に至った。
【0009】本発明において、中空糸膜の透水性は150
〜280mL/m2/hr/mmHgの範囲であることが必要である。15
0mL/m2/hr/mmHg未満では、透析器の膜面積によらずアル
ブミン漏出量を2g以下に低く抑えることは可能である
が、膜面積をいくら大きくとっても、本発明者らの検討
では膜面積3m2でもβ2MG クリアランスは、臨床症状の
改善効果が見られる50以上に達しないので好ましくな
い。また透水性が280mL/m2/hr/mmHgを超えると、高いβ
2MG クリアランスは発現するものの、膜面積によらずア
ルブミン漏出量を低タンパク質血症をおこさない3g以下
に抑えることができず、全ての患者に安全に使用できる
透析器が得られず好ましくない。
【0010】本発明において上記中空糸膜を用いて血液
透析器を組み立てた際に、透析器の膜面積は1.1m2以上
であることが必要である。これ以下の膜面積では、膜性
能をいくら高めても、β2MG 自体の拡散が律速になり、
高いβ2MG クリアランスを得ることができない。膜面積
を大きくすればβ2MG クリアランスは上昇するが、同時
に透析器の容積が大きくなり、体外に導き出す血液量が
多くなり問題である。一般的に中空糸内径200 μm のと
き、体外循環血液量から計算される安全に治療ができる
透析器膜面積は3m2以下、2.1m2以下であればより安全性
が高まり好ましく、全ての患者に安全に使用できる透析
器が得られる。ただし、中空糸の内径が異なると、膜面
積が同じでも透析器の血液容量が変化する。例えば、中
空糸内径が大きくなれば、同じ膜面積でも血液容量は増
加するし、内径を小さくすれば血液容量は減少するの
で、膜面積の上限を一概に決めることはできない。
【0011】本発明において、充分なβ2MG 除去と安全
な透析治療を行なうために牛血液を濾過流量20mL/minで
3L 濾過した時の総タンパク質リーク量を0.6 〜3gとす
ることが必要である。本発明者らの検討では、膜の分画
特性をどのように向上しても、β2MG の除去を充分に行
なうためにはある程度のアルブミン漏出量は必要であ
り、総蛋白質リーク量が0.6g未満ではβ2MG クリアラン
スが50以上を得ることができず、また、β2MG 除去性能
は向上するものの、総タンパク質リーク量が3gを超える
とアルブミン漏出量が3gを超え、臨床上問題である低タ
ンパク質血症を引き起こしやすく問題である。
【0012】本発明は上記中空糸膜を用い、膜面積と総
タンパク質リーク量を上記範囲とすると共に、透析器の
透水性を300 〜500 mL/hr/mmHgの範囲とすることが必要
である。本発明者らの検討では、この原因はよく分かっ
ていない。しかし、前記した透水性が150 〜280 mL/m2/
hr/mmHgの中空糸膜を用いた場合でも、透析器としての
透水性が300mL/hr/mmHg未満では、総タンパク質リーク
は低く抑えられても、β2MG クリアランスが50以上を
得ることができず、また透析器としての透水性が500mL/
hr/mmHgを超えると、50以上のβ2MG クリアランスを
得ることができても総タンパク質リークを低く抑えるこ
とができないことがわかった。本発明者らの検討による
と、中空糸膜透水性が本発明の上限に近い280mL/m2/hr/
mmHgの場合、膜面積が1.7m2 (透析器としての透水性が
500mL/hr/mmHg)まででは、低い総タンパクリークに抑
えることが可能であるが、1.9m2を超えると急激に総タ
ンパク質リークが増えることが分かった。また、中空糸
の透水性が下限に近い150mL/m2/hr/mmHgの場合、膜面積
が1.9m2(透析器の透水性が289mL/hr/mmHg)では、β2M
G クリアランスは45であったが、2.1m2(透析器の透水
性が319mL/hr/mmHg)ではβ2MG クリアランスは51とな
り、充分な値が得られた。
【0013】本発明に用いる中空糸膜の素材はとして
は、再生セルロース、セルロースアセテート、セルロー
ストリアセテートなどのセルロース系、ポリスルホンや
ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリメ
チルメタクリレート、エチレンビニルアルコール共重合
体などが上げられるが、透水性が150 〜280mL/m2/hr/mm
Hgの範囲の中空糸膜を得ることが容易なセルロースアセ
テート、セルローストリアセテート、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホンが好ましく、総タンパク質リークが
0.6 〜2gの範囲の中空糸膜を得ることが容易であるため
セルローストリアセテートが特に好ましい。
【0014】このような、血液透析器に用いる中空糸膜
の製造方法としては、セルローストリアセテートを素材
として用いる場合、ポリマーを溶解した製膜溶液を、中
空形成剤と共に吐出し、凝固浴で凝固させた後、水洗工
程で残った溶媒を除去し、グリセリンを付与後乾燥して
巻き取る方法をとることができるが、特に以下に示す紡
糸条件とすることが好ましい。
【0015】高い空孔率を持つ膜を得るために、製膜溶
液のポリマー濃度は通常より低く、具体的には20% 以
下、好ましくは18% 以下、さらに好ましくは16% 以下と
する。ただし、ポリマー濃度が12% 以下となると、中空
糸膜の透水性が300mL/m2/hr/mmHg以上となりやすいので
好ましくない。また、中空形成剤として、非凝固性の液
体である流動パラフィンやミリスチン酸イソプロピル、
窒素や空気を用いると、できあがった中空糸が均一に近
い構造となり、透水性の範囲を150 〜280mL/m2/hr/mmHg
に調整しやすく好ましい。中空形成剤に凝固性の液体を
用いると中空糸が内側にスキン層を持つ非対称構造を取
りやすく、中空糸膜の透水性が300mL/m2/hr/mmHg以上と
なりやすいので好ましくない。また、中空糸膜の内側の
細孔径を均一にかつ、総タンパクを透過させにくいサイ
ズまで小さくするために、ノズルの吐出温度を通常より
低くする、具体的には160 ℃以下、好ましくは140℃
以下、さらに好ましくは120℃以下とする。また、中
空糸膜の外側の細孔径を均一にかつ、膜抵抗を下げるた
めにできるだけ大きくするために、凝固浴の温度は通常
より高くする、具体的には、25℃以上、好ましくは3
5℃以上、さらに好ましくは45℃以上とする。さら
に、乾燥時の膜の収縮を抑えるために、乾燥前に付与す
る時のグリセリン濃度は通常より高くする、具体的には
55% 以上、好ましくは65% 以上、より好ましくは75% 以
上とする。
【0016】このようにして得られた透水性150 〜280m
L/m2/hr/mmHgの中空糸膜を用い、透析器としての透水性
が300〜500mL/hr/mmHgの範囲の膜面積が1.1m2以上、総
タンパク質リークが0.6 〜3.0gの血液透析器は高いβ2M
G 除去性能と安全性を両立する有用な透析器を得ること
ができる。
【0017】以下、実施例により、本発明を具体的に説
明する。
【0018】
【実施例】〔中空糸膜および透析器の透水性の測定〕透
析器の血液出口部回路(圧力測定点よりも出口側)を鉗
子により流れを止め全濾過とする。37℃に保温した純水
を加圧タンクに入れ、レギュレータにより圧力を制御し
ながら、37℃恒温水槽で保温した透析器へ純水を送り、
透析液側から流出した濾液をメスシリンダーで測定す
る。膜間圧力差(TMP )は TMP =(Pi+Po)/2 とする。ここで、Piは透析器入口圧力、Poは透析器出口
圧力である。TMP を4 点変化させ、濾過流量を測定し、
その傾きから透水性を計算する。このとき、TMPと濾過
流量の相関係数は0.999 以上が必要である。また回路に
よる圧力損失誤差を少なくするため、TMP は500mmHg 以
下の範囲で設定する。中空糸膜の透水性は、別に示す測
定により得られた膜面積と透析器の透水性から以下のよ
うに求める。 UFR(H)=UFR(D)/A ここで、UFR(H):中空糸膜の透水性(mL/m2/hr/mmH
g)、UFR(D):透析器の透水性(mL/hr/mmHg)、A :透析
器の膜面積(m2
【0019】〔透析器膜面積の測定〕透析器の膜面積は
中空糸の内径基準として以下の式で求める。 A=n×π×d ×L ここでn :透析器内の中空糸本数、π:円周率、d:中
空糸の内径、L :透析器内の中空糸の有効長
【0020】〔総タンパク質リークの測定〕ヘマトクリ
ット30% 、総タンパク質濃度7.0 ±0.5g/dL に調整、37
℃に保温したACD 添加牛血液を、透析器に200mL/min で
送る。濾過流量を20±2mL/min 一定として、濾液と透析
器出口血液を元の血液の入ったビーカーに戻すリサイク
ル回路とする。濾過開始から15min 間隔で濾液を採取
し、マイクロTPテストワコー(和光純薬製)で、濾液中
の総タンパク質濃度を測定する。総濾過量3Lまで継続
し、この間の平均濾液タンパク質濃度と総濾過量(3L)
から、濾液側に流出した総タンパク質量を計算する。
【0021】〔β2MG クリアランスの測定〕総タンパク
質濃度7.0 ±0.5g/dL に調整、37℃に保温したACD 添加
牛血漿を血液側流量200mL/min で流し、市販透析液を50
0mL/min 、濾過流量15mL/min で流す。透析器出口血
漿は濾過流量分のACD 添加生理食塩水と共に、元の血漿
の入ったビーカーに戻すリサイクル回路とする。牛血漿
にはヒトβ2MG を0.05〜0.1mg/L の濃度になるように添
加する。透析開始から5min間隔で20min 間、血液入口、
出口、透析液出口中のβ2MG 濃度を測定する。クリアラ
ンスは以下の式で計算する。 CL(β2MG )=200 ×[ (200 ×CBi )-(185 ×CBo)]/
(200×CBi) ここで、CBi :血液入口部濃度、CBo :血液出口部濃
度。また、以下の式で計算される%MBEが±50% を超える
場合はデータとして採用しない %MBE=100×(MB-MD)/MD ここでMB:(200 ×CBi)−(185×CBo)、MD:515 ×CDo で
ある。
【0022】実施例1及び比較例1 セルローストリアセテート16重量% 、N-メチルピロリド
ン60.5重量% 、トリエチレングリコール23.5重量% を15
0 ℃で溶解し、減圧脱泡して製膜溶液を得た。120 ℃に
加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤
として流動パラフィンを用いて製膜溶液を吐出、エアギ
ャップを通過後、45℃の水中で凝固させた。水洗し、溶
媒を除去した後75% のグリセリン水溶液中を通過させ、
ドライヤーで乾燥し巻き上げた。選られた中空糸膜の内
径は202.4 μm 、膜厚は14.8μmであった。このように
して得られた中空糸膜を用いて、膜面積の異なる血液透
析器を組み立てた。このとき、血液透析器内の中空糸充
填率は52〜55% となるようにケースのサイズを調整し
た。得られた血液透析器の仕様、性能を表1 に示す。す
なわち、No.1-1〜1-6 までは透析器の透水性が低いため
総タンパク質リークは少ないものの、β2MG クリアラン
スは50未満である。一方、1-7 〜1-9 は総タンパク質リ
ーク量は2g未満で安全性が高く、β2MG クリアランスが
50以上の高いβ2MG 除去性能を発現していることが分か
る。
【0023】実施例2及び比較例2 セルローストリアセテート14重量% 、N-メチルピロリド
ン62重量% 、トリエチレングリコール24重量% を150 ℃
で溶解し、減圧脱泡して製膜溶液を得た。110℃に加温
したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤とし
て流動パラフィンを用いて製膜溶液を吐出、エアギャッ
プを通過後、50℃の水中で凝固させた。水洗し、溶媒を
除去した後78% のグリセリン水溶液中を通過させ、ドラ
イヤーで乾燥し巻き上げた。選られた中空糸膜の内径は
197.8 μm 、膜厚は15.2μm であった。このようにして
得られた中空糸膜を用いて、膜面積の異なる血液透析器
を組み立てた。このとき、血液透析器内の中空糸充填率
は52〜55% となるようにケースのサイズを調整した。得
られた血液透析器の仕様、性能を表2 に示す。すなわ
ち、No.2-3から2-6 は安全性、β2MG 除去性能ともに高
い透析器が得られている。No.2-1〜2-2 は膜面積が小さ
く、また透析器の透水性が低いのでβ2MG クリアランス
は50未満である。2-7 、2-8 は、高いβ2MG クリアラン
スが得られたが、透析器の透水性が高いために、No.2-6
と比べ、膜面積の増加とともに急激に総タンパク質リー
クが増加していることがわかる。
【0024】比較例3 セルローストリアセテート21重量% 、N-メチルピロリド
ン57重量% 、トリエチレングリコール22重量% を150 ℃
で溶解し、減圧脱泡して製膜溶液を得た。165℃に加温
したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤とし
て流動パラフィンを用いて製膜溶液を吐出、エアギャッ
プを通過後、20℃の水中で凝固させた。水洗し、溶媒を
除去した後45% のグリセリン水溶液中を通過させ、ドラ
イヤーで乾燥し巻き上げた。選られた中空糸膜の内径は
199.4 μm 、膜厚は15.0μm であった。このようにして
得られた中空糸膜を用いて、膜面積の異なる血液透析器
を組み立てた。このとき、血液透析器内の中空糸充填率
は52〜55% となるようにケースのサイズを調整した。得
られた血液透析器の仕様、性能を表3 に示す。中空糸膜
の透水性が低いために、膜面積を大きくしても、β2MG
クリアランスは低値である。
【0025】比較例4 セルローストリアセテート12重量% 、N-メチルピロリド
ン63.5重量% 、トリエチレングリコール24.5重量% を15
0 ℃で溶解し、減圧脱泡して製膜溶液を得た。105 ℃に
加温したチューブインオリフィスノズルから中空形成剤
として流動パラフィンを用いて製膜溶液を吐出、エアギ
ャップを通過後、58℃の水中で凝固させた。水洗し、溶
媒を除去した後78% のグリセリン水溶液中を通過させ、
ドライヤーで乾燥し巻き上げた。選られた中空糸膜の内
径は201.7 μm 、膜厚は15.6μmであった。このように
して得られた中空糸膜を用いて、膜面積の異なる血液透
析器を組み立てた。このとき、血液透析器内の中空糸充
填率は52〜55% となるようにケースのサイズを調整し
た。得られた血液透析器の仕様、性能を表4 に示す。中
空糸膜の透水性が高いために、β2MG クリアランスは高
値であるが、総タンパク質リークが高く、安全性の高い
透析器は得られない。
【0026】
【表1】 単位 膜面積(m2)、UFR(D):透析器の透水性(mL/hr/
mmHg)、UFR(H):中空糸膜の透水性(mL/m2/ hr/mmHg)、
TPL :総タンパク質リーク(g) 、CLβ2MG:β2MG クリ
アランス(mL/min)
【0027】
【表2】 単位、膜面積(m2)、UFR(D):透析器の透水性(mL/hr/
mmHg)、UFR(H):中空糸膜の透水性(mL/m2/ hr/mmHg)、
TPL :総タンパク質リーク(g) 、CLβ2MG :β2MG クリ
アランス(mL/min)
【0028】
【表3】 単位、膜面積(m2)、UFR(D):透析器の透水性(mL/hr/
mmHg)、UFR(H):中空糸膜の透水性(mL/m2/ hr/mmHg)、
TPL :総タンパク質リーク(g) 、CLβ2MG :β2MG クリ
アランス(mL/min)
【0029】
【表4】 単位、膜面積(m2)、UFR(D):透析器の透水性(mL/hr/
mmHg)、UFR(H):中空糸膜の透水性(mL/m2/ hr/mmHg)、
TPL :総タンパク質リーク(g) 、CLβ2MG :β2MG クリ
アランス(mL/min)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C077 AA05 BB01 KK11 LL05 LL12 LL17 LL21 NN14 PP03 PP08 PP10 PP15 4D006 GA13 MA01 MB02 MB06 MC18X MC38 MC39 MC62 NA10 NA13 PA01 PC47 4L035 BB04 BB20 DD03 EE20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透水性が150 〜280mL/m2/hr/mmHgの中空
    糸膜を用いた、膜面積が1.1m2以上であり、牛血液を濾
    過流量20mL/minで3L 濾過した時の総タンパク質リーク
    量が0.6 〜3gであり、かつ透析器の透水性が300 〜500m
    L/hr/mmHg であることを特徴とする中空糸型血液透析
    器。
  2. 【請求項2】 中空糸膜がセルローストリアセテートか
    らなる請求項1に記載の中空糸型血液透析器。
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Cited By (3)

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