JP2002185084A - 半導体発光装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光装置およびその製造方法

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JP2002185084A
JP2002185084A JP2000383027A JP2000383027A JP2002185084A JP 2002185084 A JP2002185084 A JP 2002185084A JP 2000383027 A JP2000383027 A JP 2000383027A JP 2000383027 A JP2000383027 A JP 2000383027A JP 2002185084 A JP2002185084 A JP 2002185084A
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emitting device
semiconductor light
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JP2000383027A
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Koji Tamamura
好司 玉村
Katsunori Yanashima
克典 簗嶋
Hiroshi Nakajima
中島  博
Shigetaka Tomitani
茂隆 冨谷
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メサ構造を有する半導体発光装置に形成され
る活性層に効率良く電流を流すように電流狭窄領域をエ
ピタキシャル層形成工程の増加なく形成して、しきい値
電流の低減を図り半導体発光装置の発光特性の向上を図
る。 【解決手段】 基板11上に少なくとも、第1伝導型の
第1のクラッド層12と、活性層13と、第2伝導型の
第2のクラッド層14と、一方の電極がオーミックコン
タクトされるキャップ層15とが形成され、第1のクラ
ッド層12および第2のクラッド層14の少なくとも一
方に、活性層13の動作領域に通電を行う電流狭窄領域
21、22が形成され、電流狭窄領域21、22は一旦
ドーパントの活性化がなされてキャリアを有した伝導型
層を不活性化させてなる逆伝導型層もしくはキャリア不
活性層からなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光装置お
よびその製造方法に関し、詳しくは半導体レーザ、半導
体ダイオード等の半導体発光装置およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】通常のIII -V族化合物半導体、もしく
はII-VI族化合物半導体によりなる半導体レーザ等の半
導体発光装置は、例えば図5の概略構成断面図に示すよ
うに、第1伝導型として例えばn型の化合物半導体基板
111上に少なくとも、順次、第1伝導型の第1のクラ
ッド層112と、ノンドープトもしくは低い不純物濃度
の第1伝導型もしくは第2伝導型の活性層113と、第
2伝導型として例えばp型の第2のクラッド層114
と、一方の電極(第1の電極)をオーミックコンタクト
するためのもので第2伝導型の高い不純物濃度を有する
キャップ層115とが形成されている。このキャップ層
115上にはオーミックに第1の電極116が被着され
ている。また上記化合物半導体基板111の裏面には他
方の電極(第2の電極)117がオーミックに被着され
ている。
【0003】このような半導体発光装置101におい
て、そのしきい値電流Ithの低減化を図るために、活性
層113の大きさを小さくすることを目的として予めメ
サ構造が形成された化合物半導体基板上に上記各層を積
層するような構造も開示されている。
【0004】図6の(1)に示すように、例えばエピタ
キシャル成長法により、上記サファイア基板141上に
窒化ガリウム(GaN)層142を成長させた後、エッ
チング防止層143として酸化シリコン(SiO2 )を
蒸着する。その後、そのエッチング防止層143をマス
クにして反応性イオンエッチング(RIE:ReactiveIo
n Etching)等により、窒化ガリウム(GaN)層14
2をエッチングしてGaNのメサ構造を形成する。
【0005】次に、図6の(2)に示すように、エッチ
ング防止層143〔前記図6の(1)を参照〕を例えば
反応性イオンエッチングにより除去する。その後、有機
金属化学的気相成長(MOCVD:Metal Organic Chem
ical Vapor Deposition )装置を用いて、上記窒化ガリ
ウム(GaN)層142上に、第1伝導型として例えば
n型の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)からな
る第1のクラッド層112と、活性層113と、第2伝
導型として例えばp型のAlGaNからなる第2のクラ
ッド層114とを順次形成する。
【0006】Al−Kα特性X線による元素マッピング
像を観察することにより、上記エピタキシャル成長層の
各位置におけるAlGaN層中のアルミニウム組成比を
測定することができる。その結果、図7に示すように、
n型AlGaN層からなる第1のクラッド112におい
ては、メサ構造の頂上部に成長した箇所Aで8.68%
であったのに対し、メサ構造の斜面方向に成長した箇所
Bでは14.13%であった。一方p型AlGaN層か
らなる第2のクラッド層114においては、同図7に示
すように、メサ構造の頂上部に成長した箇所Dで13.
60%であったのに対し、メサ構造の斜面方向に成長し
た箇所Eでは5.71%であった。
【0007】以上のように全く同一のアルミニウムの原
材料、流量からなる成長条件において、積層しているに
もかかわらず、n型とp型とでは成長方向によりアルミ
ニウムの取り込み効率が全く逆になることがわかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図8に示すように、し
きい値電流Ithの低減化を図る構造として、メサ型構造
の化合物半導体基板111上に、第1伝導型(例えばn
型)の第1のクラッド層112と、活性層113と、第
2伝導型(例えばp型)の第2のクラッド層114とを
順次積層し、さらにキャップ層115、電極116、1
17等を形成した。しかしながら、メサ構造上に形成さ
れた活性層113に電流を流すと、矢印アに示すよう
に、n型の第1のクラッド層112では有効な電流が流
れるのに対して、矢印イに示すように、p型の第2のク
ラッド層114ではアルミニウムの組成比が少ない領域
に電流が流れて、電流を閉じ込めることが困難となって
いる。そのため、しきい値電流が低減されず、むしろ増
加した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされた半導体発光装置およびその製造方
法である。
【0010】本発明の第1の半導体発光装置は、基板上
に少なくとも、第1伝導型の第1のクラッド層と、活性
層と、第2伝導型の第2のクラッド層と、一方の電極が
オーミックコンタクトされるキャップ層とが形成され、
前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層の少
なくとも一方に、前記活性層の動作領域に通電を行う電
流狭窄領域が形成され、前記電流狭窄領域は一旦ドーパ
ントの活性化がなされてキャリアを有した伝導型層を不
活性化させてなる逆伝導型層からなるものである。
【0011】上記第1の半導体発光装置では、電流狭窄
領域が一旦ドーパントの活性化がなされてキャリアを有
した伝導型層を不活性化させてなる逆伝導型層からなる
ことから、活性層の動作領域に通電を行うと逆伝導型層
からなる電流狭窄領域には電流は流れず、電流は電流狭
窄領域に挟まれた領域を流れるため、活性層の動作領域
に集中して電流が流れることになる。その結果、しきい
値電流Ithが低減され、発光効率が向上される。
【0012】本発明の第2の半導体発光装置は、基板上
に少なくとも、第1伝導型の第1のクラッド層と、活性
層と、第2伝導型の第2のクラッド層と、一方の電極が
オーミックコンタクトされるキャップ層とが形成され、
前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層の少
なくとも一方に前記活性層の動作領域に通電を行う電流
狭窄領域が形成され、前記電流狭窄領域は一旦ドーパン
トの活性化がなされてキャリアを有した伝導型層を不活
性化させてなるキャリア不活性領域からなるものであ
る。
【0013】上記第2の半導体発光装置では、電流狭窄
領域は一旦ドーパントの活性化がなされてキャリアを有
した伝導型層を不活性化させてなるキャリア不活性領域
からなることから、活性層の動作領域に通電を行うとキ
ャリア不活性領域からなる電流狭窄領域には電流は流れ
ず、電流は電流狭窄領域に挟まれた領域を流れるため、
活性層の動作領域に集中して電流が流れることになる。
その結果、しきい値電流Ithが低減され、発光効率が向
上される。
【0014】本発明の第1の半導体発光装置の製造方法
は、基板上に少なくとも、第1伝導型の第1のクラッド
層と、活性層と、第2伝導型の第2のクラッド層と、一
方の電極がオーミックコンタクトされるキャップ層とを
順に積層して形成する工程と、前記第1のクラッド層お
よび前記第2のクラッド層の少なくとも一方に前記活性
層の動作領域に通電を行う電流狭窄領域を形成する工程
とを備え、前記電流狭窄領域は一旦ドーパントの活性化
を行ってからキャリアを有した伝導型層を不活性化させ
て逆伝導型層を形成することにより構成される。
【0015】上記第1の半導体発光装置の製造方法で
は、電流狭窄領域が一旦ドーパントの活性化を行ってか
らキャリアを有した伝導型層を不活性化させて逆伝導型
層を形成することにより構成されることから、本製造方
法により製造された半導体発光装置の活性層の動作領域
に通電を行うと逆伝導型層からなる電流狭窄領域には電
流は流れず、電流は電流狭窄領域に挟まれた領域を流れ
る。そのため、活性層の動作領域に集中して電流が流れ
ることになる。その結果、従来技術による半導体発光装
置よりもしきい値電流Ithが低減され、発光効率が高め
られた半導体発光装置が製造されることになる。
【0016】本発明の第2の半導体発光装置の製造方法
は、基板上に少なくとも、第1伝導型の第1のクラッド
層と、活性層と、第2伝導型の第2のクラッド層と、一
方の電極がオーミックコンタクトされるキャップ層とを
順に積層して形成する工程と、前記第1のクラッド層お
よび前記第2のクラッド層の少なくとも一方に前記活性
層の動作領域に通電を行う電流狭窄領域を形成する工程
とを備え、前記電流狭窄領域は一旦ドーパントの活性化
を行ってからキャリアを有した伝導型層を不活性化させ
てキャリア不活性領域を形成することにより構成され
る。
【0017】上記第2の半導体発光装置の製造方法で
は、電流狭窄領域は一旦ドーパントの活性化を行ってか
らキャリアを有した伝導型層を不活性化させてキャリア
不活性領域を形成することにより構成されることから、
本製造方法により製造された半導体発光装置の活性層の
動作領域に通電を行うとキャリア不活性領域からなる電
流狭窄領域には電流は流れず、電流は電流狭窄領域に挟
まれた領域を流れる。そのため、活性層の動作領域に集
中して電流が流れることになる。その結果、従来技術に
よる半導体発光装置よりもしきい値電流Ithが低減さ
れ、発光効率が高められた半導体発光装置が製造される
ことになる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の半導体発光装置に
係わる実施の形態の一例を、図1の概略構成断面図によ
って説明する。図1では、一例として、ダブルへテロ接
合型半導体発光装置としてAlGaInN系の半導体レ
ーザ装置を示す。
【0019】図1に示すように、基板11として、第1
伝導型(以下、一例としてn型として説明する)の単結
晶窒化ガリウム化合物半導体基板を用いる。この基板1
1にはメサ構造が形成されている。この基板11上に
は、第1伝導型のAlx Ga1- x Nからなる第1のクラ
ッド層12と、ノンドープもしくは低い不純物濃度の第
1伝導型もしくは第2伝導型の活性層13と、第2伝導
型として例えばp型のAlx Ga1-x Nからなる第2の
クラッド層14と、これと同伝導型の高い不純物濃度の
GaNからなるキャップ層15とが順次積層された構造
となっている。
【0020】上記活性層13は、単層もしくは多重量子
井戸(MQW)構造で構成される。ここでは一例とし
て、井戸層は例えばGa0.91In0.09N層によって、障
壁層はGa0.98In0.02N層によって構成されている。
【0021】上記メサ構造の傾斜部に形成された上記第
2のクラッド層14には、上記活性層13の通電領域を
限定することになる電流狭窄領域21、22が形成さ
れ、この電流狭窄領域21、22は一旦ドーパントの活
性化がなされてキャリアを有した伝導型層を不活性化さ
せてなる逆伝導型層(n型層)からなるものである。
【0022】さらに、上記メサ構造の頂上部におけるキ
ャップ層15上には、オーミックに第1の電極16が形
成されている。一方、基板11の裏面には、オーミック
に第2の電極17が形成されている。
【0023】上記構成の半導体発光装置1において、上
記電流狭窄領域21、22は、上記メサ構造の傾斜部に
形成された上記第1のクラッド層12に形成されてもよ
く、また、上記メサ構造の傾斜部に形成された上記第1
のクラッド層12および上記第2のクラッド層14の両
方に形成されてもよい。
【0024】上記第1の半導体発光装置1では、電流狭
窄領域21、22が一旦ドーパントの活性化がなされて
キャリアを有した伝導型層(p型層)を不活性化させて
なる逆伝導型層(n型層)からなることから、活性層1
3の動作領域に通電を行うと逆伝導型層からなる電流狭
窄領域21、22には電流は流れず、電流は電流狭窄領
域21、22に挟まれた領域を流れるため、活性層13
の動作領域に集中して電流が流れることになる。その結
果、しきい値電流Ithが低減され、発光効率が向上され
る。
【0025】次に、本発明の第2の半導体発光装置に係
わる実施の形態の一例を、図2の概略構成断面図によっ
て説明する。図2では、一例として、ダブルへテロ接合
型半導体発光装置としてAlGaInN系の半導体レー
ザ装置を示す。なお、図2では、前記図1によって説明
した構成部品と同様のものには同一符号を付与してい
る。
【0026】図2に示すように、基板11として、第1
伝導型(以下、一例としてn型として説明する)の単結
晶窒化ガリウム化合物半導体基板を用いる。この基板1
1にはメサ構造が形成されている。この基板11上に
は、第1伝導型のAlx Ga1- x Nからなる第1のクラ
ッド層12と、ノンドープもしくは低い不純物濃度の第
1伝導型もしくは第2伝導型の活性層13と、第2伝導
型として例えばp型のAlx Ga1-x Nからなる第2の
クラッド層14と、これと同伝導型の高い不純物濃度の
GaNからなるキャップ層15とが順次積層された構造
となっている。
【0027】上記活性層13は、単層もしくは多重量子
井戸(MQW)構造で構成される。ここでは一例とし
て、井戸層は例えばGa0.91In0.09N層によって、障
壁層はGa0.98In0.02N層によって構成されている。
【0028】上記メサ構造の傾斜部に形成された上記第
2のクラッド層14には、上記活性層13の動作領域に
通電を行う電流狭窄領域23、24が形成され、この電
流狭窄領域23、24は一旦ドーパントの活性化がなさ
れてキャリアを有した伝導型層を不活性化させてなるキ
ャリア不活性領域からなるものである。
【0029】さらに、上記メサ構造の頂上部におけるキ
ャップ層15上には、オーミックに第1の電極16が形
成されている。一方、基板11の裏面には、オーミック
に第2の電極17が形成されている。
【0030】上記構成の半導体発光装置2において、上
記電流狭窄領域23、24は、上記メサ構造の傾斜部に
形成された上記第1のクラッド層12に形成されてもよ
く、また、上記メサ構造の傾斜部に形成された上記第1
のクラッド層12および上記第2のクラッド層14の両
方に形成されてもよい。
【0031】上記第2の半導体発光装置2では、電流狭
窄領域23、24は一旦ドーパントの活性化がなされて
キャリアを有した伝導型層(p型層)を不活性化させて
なるキャリア不活性領域からなることから、活性層13
の動作領域に通電を行うとキャリア不活性領域からなる
電流狭窄領域23、24には電流は流れず、電流は電流
狭窄領域23、24に挟まれた領域を流れるため、活性
層13の動作領域に集中して電流が流れることになる。
その結果、しきい値電流Ithが低減され、発光効率が向
上される。
【0032】次に、本発明の第1の半導体発光装置の製
造方法に係わる実施の形態の一例を、図3の製造工程断
面図によって説明する。
【0033】図3の(1)に示すように、基板11とし
て、メサ構造が形成されているもので、第1伝導型(以
下、一例としてn型として説明する)の単結晶窒化ガリ
ウム化合物半導体基板を用意する。そしてMOCVD法
によって、基板11上に、上記基板11と同伝導型のn
型のAlx Ga1-x Nからなる例えば厚さが1μmの第
1のクラッド層12と、ノンドープもしくは低い不純物
濃度の第1伝導型もしくは第2伝導型の活性層13と、
第2伝導型として例えばp型のAly Ga1-yNからな
る例えば厚さが0.5μmの第2のクラッド層14と、
これと同伝導型の高い不純物濃度の厚さが例えば0.2
μmのキャップ層15とを順次エピタキシャル成長させ
る。
【0034】上記AlGaNからなる第1のクラッド層
12および第2のクラッド層14は、例えばx=0.0
8、y=0.06を選択して形成した。また、上記活性
層13は、単層もしくは多重量子井戸(MQW)構造で
形成する。ここでは一例として、井戸層は例えばGa
0.91In0.09N層によって、障壁層はGa0.98In0.02
N層によって形成した。
【0035】次に、これらの各エピタキシャル成長層を
活性化処理する。それによって、p型キャリアが活性化
される。このp型キャリアの活性化処理は、例えば、4
00℃以上1200℃以下の実質的に水素を含まない雰
囲気中でのアニーリング、もしくは真空中での電子線照
射、もしくは0℃以上400℃未満の空気中もしくは実
質的に水素を含まない雰囲気中でのアニーリング等によ
り行うことができる。以下、実質的に水素を含まない雰
囲気とは、アンモニア等のp型不純物を水素化する水素
を実質的に含まない雰囲気とする。
【0036】次に、図3の(2)に示すように、蒸着
法、化学的気相成長法等の薄膜形成技術により、メサ構
造の斜面を除くその頂上部とメサ構造部を除く領域とに
SiO 2 、SiNx 等からなるマスク31を上記キャッ
プ層15上に形成する。
【0037】次いで、図3の(3)に示すように、上記
マスク31〔前記図3の(1)を参照〕を用いて、一旦
活性化処理したp型層を選択的に不活性処理することに
より、メサ構造の斜面上のエピタキシャル成長層として
ここでは第2のクラッド層14のみをn型層にして電流
狭窄領域21、22を形成する。このp型キャリアの選
択的不活性処理は、例えば塩素(Cl2 )、三塩化ホウ
素(BCl3 )のような塩素を含んだガスを用いた反応
性イオンエッチング処理により行うことができる。もし
くは、実質的に水素を含んだガスとして、例えば水素、
水素と窒素、アンモニア等の雰囲気中におけるアニーリ
ングにより行うことができる。もしくは、窒素の脱離を
生じる処理として1000℃程度のアンモニア(N
3 )雰囲気中でのアニーリングにより行うことができ
る。
【0038】その後、上記マスク31を除去した後、上
記メサ構造の頂上部におけるキャップ層15上に、オー
ミックに接続される第1の電極16を形成する。さら
に、基板11の裏面にも、オーミックに接続される第2
の電極17を形成する。
【0039】本実施の形態では、例えば、第1伝導型の
第1のクラッド層12および第2伝導型の第2のクラッ
ド層14における、n型ドーパントには例えばシリコン
(Si)を用いることができ、p型ドーパントには例え
ばマグネシウム(Mg)を用いることができる。
【0040】このようにして構成された半導体発光装置
1は、一旦活性化処理したp型層を選択的に不活性処理
することによりメサ構造の斜面上のエピタキシャル成長
層のみをn型層に形成することにより、電流通路の制限
がなされ、電流狭窄が行われる。その結果、しきい値電
流Ithの低減が図れる。
【0041】次に、本発明の第2の半導体発光装置の製
造方法に係わる実施の形態の一例を、図4の製造工程断
面図によって説明する。
【0042】図4の(1)に示すように、基板11とし
て、メサ構造が形成されているもので、第1伝導型(以
下、一例としてn型として説明する)の単結晶窒化ガリ
ウム化合物半導体基板を用意する。そしてMOCVD法
によって、基板11上に、上記基板11と同伝導型のn
型のAlx Ga1-x Nからなる例えば厚さが1μmの第
1のクラッド層12と、ノンドープもしくは低い不純物
濃度の第1伝導型もしくは第2伝導型の活性層13と、
第2伝導型として例えばp型のAly Ga1-yNからな
る例えば厚さが0.5μmの第2のクラッド層14と、
これと同伝導型の高い不純物濃度の厚さが例えば0.2
μmのキャップ層15とを順次エピタキシャル成長させ
る。
【0043】上記AlGaNからなる第1のクラッド層
12および第2のクラッド層14は、例えばx=0.0
8、y=0.06を選択して形成した。また、上記活性
層13は、単層もしくは多重量子井戸(MQW)構造で
形成する。ここでは一例として、井戸層は例えばGa
0.91In0.09N層によって、障壁層はGa0.98In0.02
N層によって形成した。
【0044】次に、これらの各エピタキシャル成長層を
活性化処理する。それによって、p型キャリアが活性化
される。このp型キャリアの活性化処理は、例えば、4
00℃以上1200℃以下の実質的に水素を含まない雰
囲気中でのアニーリング、もしくは真空中での電子線照
射、もしくは0℃以上400℃未満の空気中もしくは実
質的に水素を含まない雰囲気中でのアニーリング等によ
り行うことができる。
【0045】次に、図4の(2)に示すように、蒸着
法、化学的気相成長法等の薄膜形成技術により、メサ構
造の斜面を除くその頂上部とメサ構造部を除く領域とに
SiO 2 、SiNx 等からなるマスク31を形成する。
【0046】次いで、図4の(3)に示すように、上記
マスク31〔前記図4の(1)を参照〕を用いて、一旦
活性化処理したp型層を選択的に不活性処理することに
より、メサ構造の斜面上のエピタキシャル成長層として
ここでは第2のクラッド層14のみをp型キャリア不活
性層に戻して電流狭窄層23、24を形成する。このp
型キャリアの選択的不活性処理は、例えば塩素(C
2 )、三塩化ホウ素(BCl3 )のような塩素を含ん
だガスを用いた反応性イオンエッチング処理により行う
ことができる。もしくは、実質的に水素を含んだガスと
して、例えば水素、水素と窒素、アンモニア等の雰囲気
中におけるアニーリングにより行うことができる。もし
くは、窒素の脱離を生じる処理として1000℃程度の
アンモニア(NH3 )雰囲気中でのアニーリングにより
行うことができる。
【0047】その後、上記マスク31を除去した後、上
記メサ構造の頂上部におけるキャップ層15上に、オー
ミックに接続される第1の電極16を形成する。さら
に、基板11の裏面にも、オーミックに接続される第2
の電極17を形成する。
【0048】本実施の形態では、例えば、第1伝導型の
第1のクラッド層12および第2伝導型の第2のクラッ
ド層14における、n型ドーパントには例えばシリコン
(Si)を用いることができ、p型ドーパントには例え
ばマグネシウム(Mg)を用いることができる。
【0049】このようにして構成された半導体発光装置
2は、一旦活性化処理したp型層を選択的に不活性処理
することによりメサ構造の斜面上のエピタキシャル成長
層のみをp型キャリア不活性層に戻すことにより、電流
通路の制限がなされ、電流狭窄が行われる。その結果、
しきい値電流Ithの低減が図れる。
【0050】また、本発明の製造方法では、エピタキシ
ャル成長層を1回のエピタキシャル成長によって形成す
ることができることから、その製造工程は極めて簡略化
される。
【0051】上記半導体発光装置の製造方法において
は、上記電流狭窄領域21、22、23、24は、上記
各実施の形態で説明したように、上記メサ構造の傾斜部
に形成された上記第2のクラッド層14に形成される他
に、上記メサ構造の傾斜部に形成された上記第1のクラ
ッド層12に形成されてもよく、また、上記メサ構造の
傾斜部に形成された上記第1のクラッド層12および上
記第2のクラッド層14の両方に形成されてもよい。
【0052】なお、上記各実施の形態で説明した数値は
一例であって、上述した数値例に制限されることはな
く、本発明の技術思想に基づいて適宜変更することが可
能である。
【0053】また、化合物半導体層のエピタキシャル成
長はMOCVD法に限定されず、分子線エピタキシー
(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法によって形成す
ることもできる等、種々のエピタキシャル成長法を用い
ることができる。
【0054】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の第1の半
導体発光装置によれば電流狭窄領域は一旦活性化された
キャリアを選択的に不活性化させてなる逆伝導型層から
なり、本発明の第2の半導体発光装置によれば電流狭窄
領域は一旦活性化されたキャリアを選択的に不活性化さ
せてなるキャリア不活性層からなるので、第1、第2の
半導体発光装置ともに、活性層の動作領域に通電を行う
と電流狭窄領域には電流は流れず、電流は電流狭窄領域
に挟まれた領域を流れるため、活性層の動作領域に集中
して電流を流すことができる。その結果、しきい値電流
Ithを低減することができ、発光効率を高めることがで
きる。
【0055】本発明の半導体発光装置の製造方法によれ
ば、イオン注入によらずに電流狭窄領域を形成するの
で、従来のようなイオン注入によって電流狭窄領域を形
成する場合で生じていたダメージによる半導体発光装置
の基本的特性の低下、不安定性を回避することができ
る。そのため、優れた特性を有する半導体発光装置を安
定して高い信頼性をもって製造することができる。また
それによって歩留りの向上が図れる。さらに本発明の製
造方法では、1回のエピタキシャル成長によって電流狭
窄領域を形成することができることから、その製造工程
は極めて簡略化され、製造コストの低減が図れる等、工
業的に多大な利益をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の半導体発光装置に係わる実施の
形態の一例を示す概略構成断面図である。
【図2】本発明の第2の半導体発光装置に係わる実施の
形態の一例を示す概略構成断面図である。
【図3】本発明の第1の半導体発光装置の製造方法に係
わる実施の形態の一例を示す製造工程断面図である。
【図4】本発明の第2の半導体発光装置の製造方法に係
わる実施の形態の一例を示す製造工程断面図である。
【図5】従来の技術に係わる半導体発光装置を示す概略
構成断面図である。
【図6】従来の技術に係わるメサ構造を有する半導体発
光装置を示す製造工程断面図である。
【図7】図6に示した半導体発光装置のAlGaN層中
のアルミニウム組成比を示す概略構成断面図である。
【図8】図6に示した半導体発光装置の通電経路を説明
する概略構成断面図(ただし、断面を示すハッチングは
省略)である。
【符号の説明】
1…半導体発光装置、11…基板、12…第1のクラッ
ド層、13…活性層、14…第2のクラッド層、15…
キャップ層、21,22…電流狭窄領域、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 博 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 冨谷 茂隆 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5F073 AA07 AA74 CA17 CB02 DA05 DA14 DA25 EA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも、第1伝導型の第1
    のクラッド層と、活性層と、第2伝導型の第2のクラッ
    ド層と、一方の電極がオーミックコンタクトされるキャ
    ップ層とが形成され、 前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層の少
    なくとも一方に、前記活性層の動作領域に通電を行う電
    流狭窄領域が形成され、 前記電流狭窄領域は一旦ドーパントの活性化がなされて
    キャリアを有した伝導型層を不活性化させてなる逆伝導
    型層からなることを特徴とする半導体発光装置。
  2. 【請求項2】 基板上に少なくとも、第1伝導型の第1
    のクラッド層と、活性層と、第2伝導型の第2のクラッ
    ド層と、一方の電極がオーミックコンタクトされるキャ
    ップ層とが形成され、 前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層の少
    なくとも一方に前記活性層の動作領域に通電を行う電流
    狭窄領域が形成され、 前記電流狭窄領域は一旦ドーパントの活性化がなされて
    キャリアを有した伝導型層を不活性化させてなるキャリ
    ア不活性領域からなることを特徴とする半導体発光装
    置。
  3. 【請求項3】 基板上に少なくとも、第1伝導型の第1
    のクラッド層と、活性層と、第2伝導型の第2のクラッ
    ド層と、一方の電極がオーミックコンタクトされるキャ
    ップ層とを順に積層して形成する工程と、 前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層の少
    なくとも一方に前記活性層の動作領域に通電を行う電流
    狭窄領域を形成する工程とを備え、 前記電流狭窄領域は一旦ドーパントの活性化を行ってか
    らキャリアを有した伝導型層を不活性化させて逆伝導型
    層を形成することにより構成されることを特徴とする半
    導体発光装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 基板上に少なくとも、第1伝導型の第1
    のクラッド層と、活性層と、第2伝導型の第2のクラッ
    ド層と、一方の電極がオーミックコンタクトされるキャ
    ップ層とを順に積層して形成する工程と、 前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層の少
    なくとも一方に前記活性層の動作領域に通電を行う電流
    狭窄領域を形成する工程とを備え、 前記電流狭窄領域は一旦ドーパントの活性化を行ってか
    らキャリアを有した伝導型層を不活性化させてキャリア
    不活性領域を形成することにより構成されることを特徴
    とする半導体発光装置の製造方法。
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JP2022547671A (ja) * 2019-09-06 2022-11-15 プレッシー・セミコンダクターズ・リミテッド 発光ダイオードおよび発光ダイオードの形成方法
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KR102687081B1 (ko) * 2019-09-06 2024-07-22 플레세이 세미컨덕터스 리미티드 발광 다이오드 및 발광 다이오드 형성 방법

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