JP2002181976A - 原子炉及びこれを備える原子力プラント - Google Patents

原子炉及びこれを備える原子力プラント

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JP2002181976A JP2000380909A JP2000380909A JP2002181976A JP 2002181976 A JP2002181976 A JP 2002181976A JP 2000380909 A JP2000380909 A JP 2000380909A JP 2000380909 A JP2000380909 A JP 2000380909A JP 2002181976 A JP2002181976 A JP 2002181976A
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fuel
reactor
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nuclear
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JP2000380909A
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Tetsuo Matsumura
哲夫 松村
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Central Research Institute of Electric Power Industry
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用済燃料の再処理を行うことなく核燃料資
源を有効に利用する。 【解決手段】 使用済燃料と、当該使用済燃料の使用に
よる反応度の不足を補い核***連鎖反応を維持する補助
金属燃料を炉心4に装荷し、冷却材5としてガスを用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉及びこれを
備える原子力プラントに関する。さらに詳しくは、本発
明は、処理処分が困難であった使用済燃料、劣化ウラ
ン、回収ウランを燃料として使用し、リサイクル燃料資
源の活用に適した原子炉と、これを備える原子力プラン
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、原子炉で使用した使用済燃料は、
そのまま放射性廃棄物として廃棄処分されるか、または
再処理を行ってプルトニウムやウラン(回収ウラン)を
分離回収して核燃料に再加工していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、使用済
燃料をそのまま廃棄する場合には、使用済燃料の中に大
量に残っているウランやプルトニウムも廃棄されること
になり、核燃料として有効に利用可能な資源が大量に無
駄になる。また、本来ならば再利用可能な大量のウラン
やプルトニウムを廃棄するので、その分だけ放射性廃棄
物が多く発生することになる。
【0004】また、使用済燃料を再処理する場合には、
使用済燃料中に残存するウランやプルトニウムの有効利
用が可能になるものの、再処理を行うことで別の問題、
例えば再処理のための特別の設備や放射線管理が必要に
なると共に、再処理工程で新たな高レベル放射性廃棄物
が発生する等の再処理に特有の問題が発生する。また、
核燃料サイクルが実現されていない現状においては分離
したウランやプルトニウムを長期にわたり保管しなけれ
ばならず、核燃料サイクルとは別に早期に実現可能な方
法でウランやプルトニウムの再利用を図る必要がある。
【0005】一方、天然ウランからウラン235を濃縮
する際の副産物である劣化ウランを有効に利用したいと
の要請もある。
【0006】本発明は、使用済燃料を再処理することな
く核燃料資源を有効に利用することができる原子炉と、
この原子炉を利用した原子力プラントを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載の原子炉は、使用済燃料と、当該使用
済燃料の使用による反応度の不足を補い核***連鎖反応
を維持する補助金属燃料を炉心に装荷し、冷却材として
ガスを用いるものである。
【0008】例えば軽水炉の使用済燃料はウラン235
の含有率が低下しており、また、毒物となる核***生成
物質を含んでいるので、使用済燃料のみを炉心に装荷し
ても実効増倍率を1以上にすることができず反応度を0
以上にするのは困難である。しかしながら、反応度の不
足、即ち反応度を0又は0を越える値にするのに必要な
反応度を補助金属燃料の装荷によって補うことができ
る。つまり、本発明の原子炉では、使用済燃料の他に補
助金属燃料を装荷して核***連鎖反応を維持する。ま
た、冷却材として液体金属や水に比べて中性子を減速さ
せないガスを使用すると共に、酸化物燃料や窒化物燃料
等に比べて中性子を減速させない金属燃料である補助金
属燃料を使用しているので、使用済燃料に残存するウラ
ン238のプルトニウムへの転換が効率よく行われる。
そして、転換されたプルトニウムが核***連鎖反応の維
持に寄与する。
【0009】また、請求項2記載の原子炉は、補助金属
燃料として、劣化ウラン、回収ウラン、濃縮ウラン、天
然ウラン又はプルトニウムを混合したウランのいずれか
を用いるものである。補助金属燃料として、劣化ウラ
ン、回収ウランを用いた場合は、ウラン235の濃縮の
副産物である劣化ウランや、燃料再処理して回収された
回収ウラン(減損ウラン)を有効利用することができ
る。また、補助金属燃料として、濃縮ウラン、天然ウラ
ン、プルトニウムを混合したウランを用いた場合には、
劣化ウランや回収ウランに比べて、使用済燃料の燃焼初
期における核***連鎖反応の維持が容易である。
【0010】また、請求項3記載の原子炉は、補助金属
燃料として、使用済燃料の燃焼初期には濃縮ウラン又は
プルトニウムを混合したウランを使用し、使用済燃料の
燃焼によるプルトニウムの蓄積に応じて劣化ウラン又は
回収ウランを用いるものである。したがって、使用済燃
料の燃焼初期における核***連鎖反応の維持が容易とな
り、しかも、劣化ウランや回収ウランを有効利用するこ
とができる。
【0011】さらに、請求項4記載の原子力プラント
は、請求項1から3のいずれかに記載の原子炉を備える
ものである。したがって、ウラン資源を有効利用する原
子力プラントが提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1に本発明を適用した原子炉を備える原
子力プラントの実施形態の一例を、図2に使用済燃料の
一例を、図3に補助金属燃料の一例をそれぞれ示す。原
子炉1は、使用済燃料2と、当該使用済燃料2の使用に
よる反応度の不足を補い核***連鎖反応を維持する補助
金属燃料3を炉心4に装荷し、冷却材5としてガスを用
いるものである。
【0014】この原子炉1で燃焼させることができる使
用済燃料2は、例えば軽水炉、重水炉、高速炉、ガス炉
等のいずれで発生したものでも良い。使用済燃料2は、
燃料加工後に最初に新しい燃料として燃焼させた原子炉
から取り出したものをそのまま利用することが可能であ
る。即ち、燃料として最初に燃焼させた原子炉(以下、
最初の原子炉という)から取り出した使用済みの燃料集
合体を分解し、ばらばらになった燃料棒12をまとめて
本発明の原子炉1用の燃料集合体6を構成する。ただ
し、最初の原子炉1から取り出した燃料集合体を本発明
の原子炉1の燃料集合体6としてそのまま装荷するよう
にしても良い。
【0015】使用済燃料2の被覆管13は、最初の原子
炉での使用時に中性子などの放射線照射を受けて多少脆
くなっている。このため、本発明の原子炉1では、その
出力密度を例えば軽水炉の約1/10以下、即ち例えば
線出力密度で30W/cm以下にして被覆管の破損防止
を図っている。また、例えば軽水炉で発生した使用済燃
料2を用いる場合には、被覆管13の材料であるジルカ
ロイの高温クリープ特性を考慮して原子炉容器7内の温
度を例えば300℃程度以下とする。
【0016】補助金属燃料3は、例えば劣化ウラン、回
収ウラン、ウラン235の濃縮ウラン、天然ウラン、プ
ルトニウムを混合させたウラン等のウラン金属の使用が
可能であり、これらは使用済燃料2に応じて選択され
る。例えば、使用済燃料2中に含まれるウラン235や
プルトニウム239の割合が少なく使用済燃料2だけで
は実効増倍率が1を大きく下回る場合には、補助金属燃
料3としてウラン235の濃縮ウランやプルトニウムを
混合させたウランを使用して実効増倍率を1又は1以上
に増加させる。一方、使用済燃料2中に含まれるウラン
235やプルトニウム239の割合が上述の場合よりも
多くなり、補助金属燃料3として劣化ウランや回収ウラ
ンを使用しても実効増倍率を1又は1以上に増加させる
ことができる場合には、補助金属燃料3として劣化ウラ
ンや回収ウランを使用する。また、補助金属燃料3とし
て天然ウランを使用して実効増倍率を1以上に増加させ
ることができる場合には、天然ウランを使用しても良
い。
【0017】また、使用済燃料2や補助金属燃料3の中
には燃焼によってプルトニウムが蓄積され反応度を変化
させるので、使用済燃料2の燃焼に応じて使用する補助
金属燃料3を変えても良い。例えば原子炉1の運転初
期、即ち使用済燃料2の燃焼初期にはウラン235を約
10%に濃縮したウランを使用し、使用済燃料2や補助
金属燃料3中のプルトニウムの蓄積に伴い劣化ウランや
回収ウランを使用するようにしても良い。
【0018】補助金属燃料3は、被覆管14内に充填さ
れ燃料棒15に加工されて使用される。例えば、補助金
属燃料3を粒状に成形し、この粒状の燃料を被覆管14
に多数充填した燃料棒15を炉心4に装荷する。燃料は
スエリング等によって膨張するが、粒状の燃料の間には
隙間があるので燃料の膨張を吸収することができる。被
覆管14内には燃料と一緒に熱伝達媒体を充填しても良
く、あるいは熱伝達媒体を充填せずに燃料で発生した熱
を接触により被覆管14に直接伝えるようにしても良
い。被覆管14内に充填する熱伝達媒体としては、冷却
材5と同じ物質を使用することが好ましい。また、被覆
管14の材料としては、ステンレス鋼の他、ジルカロイ
等のジルコニウム合金、アルミニウム合金、マグノック
ス等のマグネシウム合金等の使用が可能である。
【0019】なお、ウラン燃料に、例えばZrを10%
程度混合して燃料物性の安定化を図るようにしても良
い。また、被覆管14内に充填する燃料の形状としては
粒状に限るものではなく、例えば中心に孔を有する円筒
形状等でも良い。円筒形状にすることで、中心の孔部分
で燃料の膨張を吸収することができる。
【0020】炉心4には、使用済燃料2の燃料棒12で
構成した燃料集合体6と、補助金属燃料3の燃料棒15
で構成した燃料集合体8を装荷する。ただし、使用済燃
料2の燃料棒と補助金属燃料3の燃料棒15とで1つの
燃料集合体を構成し、この燃料集合体を炉心4に装荷す
るようにしても良い。
【0021】ガス冷却材5としては、例えばヘリウムガ
ス、炭酸ガス等の使用が可能である。ガス冷却材5は、
液体金属や軽水・重水の冷却材5に比べて中性子を減速
させない。
【0022】このように構成された原子炉1を備えて原
子力プラントを構成できる。原子力プラントは、例えば
発電プラントであり、原子炉容器7内には、炉心4及び
冷却材5の他に蒸気発生器9、制御機構10等が設置さ
れている。蒸気発生器9で発生した蒸気は原子炉容器7
の外に設置された発電用タービン11に供給される。
【0023】制御機構10は、例えば炉心4の外に中性
子反射体を設置し、この中性子反射体を移動させること
で核***連鎖反応に寄与する高速中性子の漏洩量を増減
して反応度を制御するものである。ただし、制御機構1
0としてはこれに限るものではなく、例えばボロン、タ
ンタル等の高速中性子吸収材を炉心4に近づけたり離し
たりすることで核***連鎖反応に寄与する高速中性子を
増減して反応度を制御するようにしても良い。なお、本
発明の原子炉1では反応度の剰余は少ないため、制御機
構10は小型のもので足りる。
【0024】なお、図1には記載されていないが、原子
炉容器7内には反射体、遮蔽材、緊急炉心停止装置、非
常用炉心冷却装置等が設置されているのは勿論である。
【0025】炉心4に使用済燃料2の燃料棒12で構成
した燃料集合体6と補助金属燃料3の燃料棒15で構成
した燃料集合体8を装荷し、運転を開始すると、炉心4
で発生した熱はガス冷却材5の自然対流によって蒸気発
生器9に伝達される。つまり、ガス冷却材5は炉心4を
下から上に向けて流れながら高温になり、原子炉容器7
の天井を伝わって蒸気発生器9へと流れる。そして、蒸
気発生器9で熱交換を行うことで冷却されながら下降
し、炉心4に下から流入する。このように冷却材5を自
然対流により循環させることも可能であり、この場合に
はポンプ等を使用して冷却材5を強制循環させる場合の
ように動力を必要としない。尚、ポンプ等を使用して冷
却材5を強制循環させて強制冷却することも可能であ
る。
【0026】蒸気発生器9において冷却材5の熱によっ
て生じた蒸気は発電用タービン11を回転させた後、水
に戻り蒸気発生器9へと循環する。発電用タービン11
を回転させることで、発電が行われる。なお、発電用タ
ービン11を設ける代わりに熱の使用場所に蒸気を供給
するようにし、原子炉1で発生した熱を暖房等の熱供給
に利用することも可能である。
【0027】炉心4には核燃料としてそれ自体では実効
増倍率が1未満となり反応度を0以上にすることができ
ない使用済燃料2が装荷されるが、臨界又は臨界超過の
状態に対して不足する反応度は補助金属燃料3によって
補われる。このため、核***連鎖反応を維持することが
できる。
【0028】また、冷却材5として液体金属や水に比べ
て中性子を減速させないガスを使用すると共に、酸化物
燃料や窒化物燃料等に比べて中性子を減速させない金属
燃料である補助金属燃料3を使用しているので、高速中
性子を利用して使用済燃料2や補助金属燃料3中のウラ
ン238のプルトニウムへの転換が効率よく行われる。
このようにして炉心4内で生産されたプルトニウムは核
***連鎖反応に寄与する。
【0029】例えば、軽水炉で発生した使用済燃料2に
はウラン238がウラン部分の例えば95%程度残って
いる。使用済燃料2の燃焼によりウラン238はプルト
ニウムに転換され、核***連鎖反応に寄与する。また、
高速炉で発生した使用済燃料2にはウラン235が例え
ば75%程度、プルトニウムが例えば10%程度残って
いる。使用済燃料2中に残っているウラン235やプル
トニウムと、新たに転換されたプルトニウムが核***連
鎖反応に寄与する。
【0030】図4に、燃料の燃焼度と無限増倍率の関係
を示す。使用済燃料2や補助金属燃料3が燃焼すると当
該燃料2,3中にはプルトニウムが蓄積されるので無限
増倍率が増加する。ここで、図中曲線aは劣化ウランを
用いた補助金属燃料3と使用済燃料2を炉心に装荷した
場合を、図中曲線bはウラン235を10%程度に濃縮
した金属ウランを用いた補助金属燃料3と使用済燃料2
を炉心に装荷した場合を示している。いずれの場合であ
っても無限増倍率を1以上にして核***連鎖反応を維持
することができる。
【0031】ただし、曲線aの場合には、燃焼初期、例
えば燃焼度が40GWd/t未満の部分には、炉心内で
プルトニウムが十分に生産されていないために、核***
連鎖反応を維持できず無限増倍率が1未満である。これ
に対し、曲線bの場合には、燃焼初期から無限増倍率を
1以上にすることができる。一方、ウラン資源の有効利
用、ウラン濃縮に必要なエネルギーやコストを削減する
等の観点からは、補助金属燃料3として濃縮ウランを用
いるよりも、劣化ウランや回収ウランを用いることが好
ましい。このため、燃焼初期には曲線bの補助金属燃料
3と使用済燃料2を燃焼させ、その後に曲線aの補助金
属燃料3と使用済燃料2を燃焼させることが考えられ
る。即ち、補助金属燃料3として、燃焼初期には濃縮ウ
ラン又はプルトニウムを混合したウランを使用し、使用
済燃料2や補助金属燃料3の燃焼によるプルトニウムの
蓄積に応じて劣化ウラン又は回収ウランを用いること
で、反応度を常に0以上に維持して核***連鎖反応を維
持すると共に、ウラン資源の有効利用を図ることができ
る。補助金属燃料3は、燃料交換時に一部ずつ順番に濃
縮ウラン又はプルトニウムを混合したウランを使用した
ものから、劣化ウランや回収ウランを使用したものに交
換する。
【0032】炉心4に装荷した使用済燃料2は、例えば
250GWd/t程度の燃焼度になるまで燃焼される。
そして、炉心4で燃焼された使用済燃料2は、例えば廃
棄処分される。但し、炉心4で燃焼された使用済燃料2
を再処理することも可能である。
【0033】このように、本発明の原子炉1では、使用
済燃料2を炉心4に装荷して燃焼させることができるの
で、ウラン資源を有効に活用することができると共に、
放射性廃棄物を減らすことができる。また、使用済燃料
2の再処理を行う必要がなくなるので、再処理のための
特別な設備や放射線管理を不要にできると共に、再処理
によって新たな放射性廃棄物が発生することもなくな
る。更に、軽水炉で発生した使用済燃料を再処理した場
合のようにウランやプルトニウムを分離した状態で保管
せずにすむ。また、従来、有効活用し難かった劣化ウラ
ンや回収ウランを燃焼させることができるので、ウラン
資源をより一層有効活用することができる。
【0034】なお、上述の形態は本発明の好適な形態の
一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の
要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、上述の説明では、使用済燃料2を最初の原
子炉から取り出してその燃料棒12をそのまま本発明の
原子炉1で燃焼させるようにしていたが、必ずしもこれ
に限るものではない。例えば、最初の原子炉から取り出
した燃料棒12を高温例えば500℃程度で焼き鈍し処
理をした後に本発明の原子炉1で燃焼させるようにして
も良い。このようにすることで、最初の原子炉における
放射線照射の影響を緩和することができ、本発明の原子
炉1で使用している最中の破損防止を図ることができ
る。
【0035】また、図5に示すように、最初の原子炉か
ら取り出した使用済燃料2の燃料棒12をオーバーパッ
ク16に封入して本発明の原子炉1に装荷するようにし
ても良い。このようにすることで、燃料棒12の被覆管
13が破損した場合であっても燃料の漏れを防止するこ
とができる。オーバーパック16は、例えばステンレス
管等である。使用によって燃料棒12は若干変形するの
で、オーバーパック16を燃料棒12のサイズよりも若
干大きく形成しておくことが好ましい。また、オーバー
パック16内には、Heガス等の熱伝達媒体17を封入
しておくことが好ましい。
【0036】さらに、原子炉1に装荷する燃料の量を変
化させても良い。例えば、原子炉1の運転初期には、使
用済燃料2と補助金属燃料3の装荷量を少なくして小さ
い炉心4を構成し、燃料取り替え時に装荷量を徐々に増
加させて炉心4を大きくするようにしても良い。このよ
うにすることで、原子炉1の運転初期に必要とされる濃
縮ウランの量を減らすことができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の原子
炉では、使用済燃料と、当該使用済燃料の使用による反
応度の不足を補い核***連鎖反応を維持する補助金属燃
料を炉心に装荷し、冷却材としてガスを用いているの
で、使用済燃料を燃焼させながら核***連鎖反応を維持
することができる。このため、燃料再処理を行わなくて
もウラン資源の有効利用が可能になると共に、放射性廃
棄物の発生を抑えることができる。また、使用済燃料の
再処理を行う必要がなくなるため、再処理に必要な特別
の設備や放射線管理が不要となると共に、新たな放射性
廃棄物の発生を防止することもでき、さらには、分離し
たウランやプルトニウムを保管する必要もなくなる。ま
た、使用済燃料を単に貯蔵・保管することなく有効に活
用できることから、原子燃料サイクルの推進を図ること
ができる。
【0038】また、請求項2記載の原子炉では、補助金
属燃料として、劣化ウラン、回収ウラン、濃縮ウラン、
天然ウラン又はプルトニウムを混合したウランのいずれ
かを用いており、これらのうち、劣化ウラン又は回収ウ
ランを用いる場合には、従来、利用し難かった劣化ウラ
ンや回収ウランを燃焼することができるので、ウラン資
源のより一層の有効利用と原子燃料サイクルのより一層
の推進を図ることができる。また、補助金属燃料とし
て、濃縮ウラン、天然ウラン、プルトニウムを混合した
ウランを用いる場合には、劣化ウランや回収ウランを使
用した場合に比べて、使用済燃料の燃焼初期においても
核***連鎖反応の維持が容易である。
【0039】また、請求項3記載の原子炉では、補助金
属燃料として、使用済燃料の燃焼初期には濃縮ウラン又
はプルトニウムを混合したウランを使用し、使用済燃料
の燃焼によるプルトニウムの蓄積に応じて劣化ウラン又
は回収ウランを用いるので、使用済燃料の燃焼初期にお
ける核***連鎖反応の維持が容易となり、しかも、劣化
ウランや回収ウランを有効利用することができる。
【0040】さらに、請求項4記載の原子炉では、請求
項1から3のいずれかに記載の原子炉を備えているの
で、ウラン資源を有効利用できる原子力プラントを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した原子炉を備える原子力プラン
トの実施形態の一例を示す概念図である。
【図2】使用済燃料を一部切り欠いて示す正面図であ
る。
【図3】補助金属燃料を一部切り欠いて示す正面図であ
る。
【図4】燃焼度と無限増倍率の関係を示す図である。
【図5】使用済燃料の燃料棒をオーバーパックに封入し
た状態を概念的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 原子炉 2 使用済燃料 3 補助金属燃料 4 炉心 5 冷却材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用済燃料と、当該使用済燃料の使用に
    よる反応度の不足を補い核***連鎖反応を維持する補助
    金属燃料を炉心に装荷し、冷却材としてガスを用いるこ
    とを特徴とする原子炉。
  2. 【請求項2】 前記補助金属燃料として、劣化ウラン、
    回収ウラン、濃縮ウラン、天然ウラン又はプルトニウム
    を混合したウランのいずれかを用いることを特徴とする
    請求項1記載の原子炉。
  3. 【請求項3】 前記補助金属燃料として、前記使用済燃
    料の燃焼初期には濃縮ウラン又はプルトニウムを混合し
    たウランを使用し、前記使用済燃料の燃焼によるプルト
    ニウムの蓄積に応じて劣化ウラン又は回収ウランを用い
    ることを特徴とする請求項1記載の原子炉。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の原子
    炉を備えることを特徴とする原子力プラント。
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