JP2002178440A - レトルト用パウチ - Google Patents

レトルト用パウチ

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JP2002178440A
JP2002178440A JP2000384284A JP2000384284A JP2002178440A JP 2002178440 A JP2002178440 A JP 2002178440A JP 2000384284 A JP2000384284 A JP 2000384284A JP 2000384284 A JP2000384284 A JP 2000384284A JP 2002178440 A JP2002178440 A JP 2002178440A
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film
retort
gas
pouch
resin
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JP2000384284A
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English (en)
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Koichi Mikami
浩一 三上
Norio Akita
紀雄 秋田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、
耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、その他等の諸物性に優
れ、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア
性、透明性等に優れ、かつ、レトルト処理等の加工に伴
う熱処理に耐え、更に、容器・包装ごみの軽量化、減量
化等を図ると共にその製造工程の短縮化によりその製造
コストの低減化を図り、例えば、調理食品、水産練り製
品、冷凍食品、煮物、餅、液体ス−プ、調味料、飲料
水、その他等の各種の飲食品を充填包装するに有用であ
り、かつ、その内容物の充填包装適性、品質保全性等に
優れているレトルト用パウチを提供することである。 【解決手段】 少なくとも、基材フィルムの一方の面に
無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバ
リア性基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との2層、また
は、少なくとも、基材フィルムの一方の面に無機酸化物
の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材
と、中間基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層と3層を順次に
積層した積層材を製袋してなることを特徴とするレトル
ト用パウチに関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レトルト用パウチ
に関し、更に詳しくは、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−
トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、その他等
の諸物性に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻
止するバリア性、透明性等に優れ、かつ、レトルト処理
等の加工に伴う熱処理に耐え、更に、容器・包装ごみの
軽量化、減量化等を図ると共にその製造工程の短縮化に
よりその製造コストの低減化を図り、例えば、調理食
品、水産練り製品、冷凍食品、煮物、餅、液体ス−プ、
調味料、飲料水、その他等の各種の飲食品を充填包装す
るに有用であり、かつ、その内容物の充填包装適性、品
質保全性等に優れているレトルト用パウチに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックフィルム、金属箔、
セロハン、その他等の1種ないし2種以上を積層して積
層材を製造し、次いで、該積層材を使用し、これを製袋
して袋状容器本体を製造し、しかる後、該袋状容器本体
に所望の飲食品等を充填包装し、次いで、該包装半製品
を、110℃〜130℃で30〜50分間程度加圧加熱
殺菌処理を施して、種々の形態からなるレトルト食品が
製造されている。而して、上記の袋状容器本体を構成す
る積層材としては、具体的には、例えば、透明仕様のレ
トルト用パウチを製造する積層材としては、例えば、厚
さ15μmの2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムと厚さ
50〜80μmの無延伸ポリプロピレンフィルムとの2
層からなる積層材、あるいは、厚さ12μmの2軸延伸
ポリエステル系樹脂フィルムと厚さ15μmの2軸延伸
ポリアミド系樹脂フィルムと厚さ50〜80μmの無延
伸ポリプロピレンフィルムとの3層からなる積層材等が
知られている。また、バリア性仕様のレトルト用パウチ
を製造する積層材としては、例えば、厚さ12μmの2
軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムと厚さ7〜9μmの
アルミニウム箔と厚さ50〜80μmの無延伸ポリプロ
ピレンフィルムとの3層からなる積層材、あるいは、厚
さ12μmの2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムと厚
さ7〜9μmのアルミニウム箔と厚さ15μmの2軸延
伸ポリアミド系樹脂フィルムと厚さ50〜80μmの無
延伸ポリプロピレンフィルムとの4層からなる積層材等
が知られている。更に、バリア性を有し、かつ、透明仕
様のレトルト用パウチを製造する積層材としては、例え
ば、厚さ12μmの2軸延伸ポリエステル系樹脂フィル
ムと厚さ10〜20μmのポリ塩化ビニリデン系樹脂フ
ィルムと厚さ50〜80μmの無延伸ポリプロピレンフ
ィルムとの3層からなる積層材、あるいは、厚さ15μ
mの2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムと厚さ10〜2
0μmのポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムと厚さ50
〜80μmの無延伸ポリプロピレンフィルムとの3層か
らなる積層材等が知られている。上記の構成からなる積
層材は、物理的にも化学的にも優れた強度を有し、更
に、内容物の充填包装適性、品質保全性等に優れ、現
在、大半のレトルト食品が、上記の仕様からなる積層材
を製袋して製造される袋状容器本体を使用して製造され
ているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような仕様からなる積層材において、バリア性素材とし
て、アルミニウム箔等の金属箔を使用する場合には、優
れたバリア性を有すると共に遮光性等を有するので極め
て有用なものであるが、アルミニウム箔等の金属箔は、
耐屈曲性等に欠けることから、ピンホ−ルが発生し易
く、そのバリア性を著しく損なうという問題点があり、
更に、包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄
処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理する
と、アルミニウム等の金属が残り、焼却炉を損傷し兼ね
ず、その廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題
を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点があ
る。また、バリア性素材として、ポリ塩化ビニリデン系
樹脂フィルムを使用する場合には、酸素ガス、水蒸気等
の透過を阻止するガスバリア性において、所期の効果を
有するものであるが、包装用容器として使用後、これを
ゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等によ
り廃棄処理すると、塩素原子を含有していることから、
焼却廃棄時に、例えば、ダイオキシン等の有毒ガス等を
発生する原因となり、人体等への影響が懸念されるため
に、廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引
き起し、環境適性等にも欠けるという問題点がある。更
に、上記のような積層材において、バリア性素材として
のポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムは、膜厚が厚く、
また、アルミニウム箔等の金属箔は、膜厚が厚く、か
つ、重量があり、容器・包装ごみの軽量化、減量化等に
欠けるという問題点もある。更にまた、上記のような仕
様からなる積層材においては、2層仕様のもは別とし
て、例えば、3層ないし4層仕様のものにおいては、ラ
ミネ−ト用接着剤層等を介してドライラミネ−ト方法等
を用いてそれらを順次に積層して積層材を製造すること
から、その製造工程が多く、煩雑であり、その製造コス
トをアップするという問題点があるものである。そこで
本発明は、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、
耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、その他等の諸物性に優
れ、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア
性、透明性等に優れ、かつ、レトルト処理等の加工に伴
う熱処理に耐え、更に、容器・包装ごみの軽量化、減量
化等を図ると共にその製造工程の短縮化によりその製造
コストの低減化を図り、例えば、調理食品、水産練り製
品、冷凍食品、煮物、餅、液体ス−プ、調味料、飲料
水、その他等の各種の飲食品を充填包装するに有用であ
り、かつ、その内容物の充填包装適性、品質保全性等に
優れているレトルト用パウチを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々研究した結果、まず、少なく
とも、基材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜と
ガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、ヒ−ト
シ−ル性樹脂層との2層、または、少なくとも、基材フ
ィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性
塗布膜とを設けたバリア性基材と、中間基材と、ヒ−ト
シ−ル性樹脂層との3層を順次に積層して積層材を製造
し、次いで、該積層材を使用し、これを製袋して袋状容
器本体を製造し、しかる後、該袋状容器本体に所望の飲
食品等を充填包装して包装半製品を製造し、次いで、該
包装半製品を、温度、110℃〜130℃位、圧力、1
〜3Kgf/cm2 ・G位で20〜60分間程度加圧加
熱殺菌処理等のレトルト処理を施してレトルト食品を製
造したところ、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル
性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、その他等の諸物性
に優れ、特に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバ
リア性、透明性等に優れ、かつ、レトルト処理等の加工
に伴う熱処理に耐え、更に、容器・包装ごみの軽量化、
減量化等を図ると共にその製造工程の短縮化によりその
製造コストの低減化を図り、例えば、調理食品、水産練
り製品、冷凍食品、煮物、餅、液体ス−プ、調味料、飲
料水、その他等の各種の飲食品を充填包装するに有用で
あり、かつ、その内容物の充填包装適性、品質保全性等
に優れているレトルト用パウチを製造し得ることを見出
して本発明を完成したものである。
【0005】すなわち、本発明は、少なくとも、基材フ
ィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性
塗布膜とを設けたバリア性基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂
層との2層、または、少なくとも、基材フィルムの一方
の面に無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設
けたバリア性基材と、中間基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂
層と3層を順次に積層した積層材を製袋してなることを
特徴とするレトルト用パウチに関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、上記の本発明にかかるレト
ルト用パウチについて図面等を用いて更に詳しく説明す
る。まず、本発明にかかるレトルト用パウチを構成する
積層材の層構成についてその一二を例示して図面を用い
て説明すると、図1および図2は、本発明にかかるレト
ルト用パウチを構成する積層材についてその一二例の層
構成を示す概略的断面図であり、図3および図4は、図
1に示す積層材を使用し、これを製袋して製造した本発
明にかかるレトルト用パウチについてその一例の構成を
示す概略的斜視図である。
【0007】まず、本発明にかかるレトルト用パウチを
構成する積層材Aとしては、図1に示すように、少なく
とも、基材フィルム1の一方の面に無機酸化物の蒸着膜
2とガスバリア性塗布膜3とを設けたバリア性基材4
と、ヒ−トシ−ル性樹脂層5との2層を順次に積層した
構成からなることを基本構造とするものである。次に、
本発明にかかるレトルト用パウチを構成する積層材につ
いて、別の例を例示すると、図2に示すように、少なく
とも、基材フィルム1の一方の面に無機酸化物の蒸着膜
2とガスバリア性塗布膜3とを設けたバリア性基材4
と、中間基材6と、ヒ−トシ−ル性樹脂層5との3層を
順次に積層した構成からなる積層材A1 を例示すること
ができる。上記の例示は、本発明にかかるレトルト用パ
ウチを構成する積層材についてその一二例を例示したも
のであり、本発明は、これに限定されるものではないも
のである。例えば、本発明においては、図示しないが、
更に、その使用目的、用途等によって、他の基材を任意
に積層して、種々の形態からなる積層材を設計して製造
することができるものである。また、例えば、図示しな
いが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜として
は、無機酸化物の蒸着膜の一層からなる単層膜のみなら
ず無機酸化物の蒸着膜の2層以上からなる多層膜等から
構成することもできるものである。更に、本発明におい
て、図示しないが、基材フィルムの一方の面に無機酸化
物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基
材を積層する際には、そのバリア性基材を構成するガス
バリア性塗布膜の面に、ヒ−トシ−ル性樹脂層、あるい
は、中間基材の面を対向させて積層することが望ましい
ものである。
【0008】次に、本発明において、上記のような積層
材を使用し、これを製袋して製造する本発明にかかるレ
トルト用パウチについてその一例を例示して説明する
と、かかる本発明にかかるレトルト用パウチとしては、
例えば、上記の図1に示す積層材Aを使用して製袋した
レトルト用パウチを例示して説明すると、図3に示すよ
うに、上記の積層材A、Aを2枚用意し、その最内層に
位置するヒ−トシ−ル性樹脂層5、5の面を対向させて
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部の三方をヒ
−トシ−ルしてシ−ル部7、7、7を形成すると共にそ
の上方に開口部8を設けて、三方シ−ル型の袋状容器本
体Bを製造する。而して、本発明においては、図4に示
すように、上記で製造した三方シ−ル型の袋状容器本体
Bの開口部8から、例えば、カレ−、シチュ−、ス−
プ、ミ−トソ−ス、ハンバ−グ、ミ−トボ−ル、しゅう
まい、おでん、その他等の所望の飲食品等の内容物9を
充填し、次いで、上方の開口部8をヒ−トシ−ルして上
方のシ−ル部10等を形成して包装半製品Cを製造し、
しかる後、該包装半製品Cを、例えば、温度、110℃
〜130℃位、圧力、1〜3Kgf/cm2 ・G位で2
0〜60分間程度加圧加熱殺菌処理等のレトルト処理等
を施して、種々の形態からなるレトルト食品Dを製造す
ることができるものである。なお、本発明においては、
本発明にかかるレトルト用パウチとしては、上記に図示
した例示のパウチ形状に限定されるものでないことは言
うまでもないことであり、その目的、用途等により、三
方シ−ル型、自立性型、ガゼット型、角底型、その他等
の種々の形態からなる袋状容器本体を製造することがで
きることは言うまでもないことである。また、本発明に
おいては、上記の図2に示す積層材を使用し、上記と同
様に本発明にかかるレトルト用パウチを製造し得ること
ができるものである。
【0009】次に、本発明において、本発明にかかるレ
トルト用パウチを構成する素材、材料、製造法等につい
て説明すると、まず、本発明にかかるレトルト用パウチ
を構成する基材フィルムとしては、これらがレトルト用
パウチを構成する基本素材となること、更に、無機酸化
物の蒸着膜、あるいは、ガスバリア性塗布膜等を保持す
る基材であること等から、まず、製袋時における加熱、
作業性、その他等に対する耐熱性、滑り性、耐ピンホ−
ル性、その他等の諸物性に優れ、更に、無機酸化物の蒸
着膜、ガスバリア性塗布膜等の形成条件に耐え、かつ、
その特性を損なうことなくそれらを良好に保持し得るこ
とができること、その他等の条件を充足し得る樹脂のフ
ィルムないしシ−トを使用することができる。本発明に
おいて、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、
具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリ
プロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリ
オレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニト
リル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリ
ルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、
ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹
脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタ
レ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポ
リアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹
脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィル
ムないしシ−トを使用することができる。本発明におい
ては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特
に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、また
は、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用す
ることが好ましいものである。
【0010】本発明において、上記の各種の樹脂のフィ
ルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂
の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト
成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その
他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製
膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用
して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上
の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方
法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造
し、更に、要すれば、例えば、テンタ−方式、あるい
は、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向
に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使
用することができる。本発明において、各種の樹脂のフ
ィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜200μm
位、より好ましくは、9〜100μm位が望ましい。
【0011】なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ
以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルム
の加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、
抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的
特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々の
プラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、
その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目
的に応じて、任意に添加することができる。上記におい
て、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強
剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することがで
き、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0012】また、本発明において、各種の樹脂のフィ
ルムないしシ−トの表面は、無機酸化物の蒸着膜との密
接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所
望の表面処理層を設けることができるものである。本発
明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロ
ナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等
を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処理、化学薬品
等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意
に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズ
マ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けること
ができる。上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルム
ないしシ−トと無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改
善するための方法として実施するものであるが、上記の
密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種
の樹脂のフィルムないしシ−トの表面に、予め、プライ
マ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト剤層、アンカ−コ−ト
剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカ−コ−ト剤層等
を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。上
記の前処理のコ−ト剤層としては、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、(メタ)アクリル系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンアルイハポ
リプロピレン等のポリオレフィン系樹脂あるいはその共
重合体ないし変性樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等を
ビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することがで
きる。
【0013】次に、本発明において、本発明にかかるレ
トルト用パウチを構成する無機酸化物の蒸着膜について
説明すると、まず、無機酸化物の蒸着膜としては、例え
ば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティ
ング法、イオンクラスタ−ビ−ム法等の物理気相成長法
(Physical Vapor Depositio
n法、PVD法)を用いて形成することができる。本発
明において、具体的には、金属の酸化物を原料とし、こ
れを加熱して基材フィルムの上に蒸着する真空蒸着法、
または、原料として金属または金属の酸化物を使用し、
酸素を導入して酸化させて基材フィルムの上に蒸着する
酸化反応蒸着法、更に酸化反応をプラズマで助成するプ
ラズマ助成式の酸化反応蒸着法等を用いて無機酸化物の
非結晶の薄膜を形成することができる。上記において、
蒸着材料の加熱方式としては、例えば、抵抗加熱方式、
高周波誘導加熱方式、エレクトロンビ−ム加熱方式(E
B)等にて行うことができる。
【0014】而して、本発明において、無機酸化物の蒸
着膜としては、基本的には、金属の酸化物を蒸着した薄
膜であれば使用可能であり、例えば、ケイ素(Si)、
アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシ
ウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリ
ウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(P
b)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の
金属の酸化物の蒸着膜を使用することができる。而し
て、好ましいものとしては、ケイ素(Si)、アルミニ
ウム(Al)等の金属の酸化物の蒸着膜を挙げることが
できる。而して、上記の金属の酸化物の蒸着膜は、ケイ
素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物等
のように金属酸化物として呼ぶことができ、その表記
は、例えば、SiOX 、AlOX 、MgOX 等のように
MOX (ただし、式中、Mは、金属元素を表し、Xの値
は、金属元素によってそれぞれ範囲が異なる。)で表さ
れる。また、上記のXの値の範囲としては、ケイ素(S
i)は、0〜2、アルミニウム(Al)は、0〜1.
5、マグネシウム(Mg)は、0〜1、カルシウム(C
a)は、0〜1、カリウム(K)は、0〜0.5、スズ
(Sn)は、0〜2、ナトリウム(Na)は、0〜0.
5、ホウ素(B)は、0〜1、5、チタン(Ti)は、
0〜2、鉛(Pb)は、0〜1、ジルコニウム(Zr)
は0〜2、イットリウム(Y)は、0〜1.5の範囲の
値をとることができる。上記において、X=0の場合、
完全な金属であり、透明ではなく全く使用することがで
きない、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値で
ある。本発明において、一般的に、ケイ素(Si)、ア
ルミニウム(Al)以外は、使用される例に乏しく、ケ
イ素(Si)は、1.0〜2.0、アルミニウム(A
l)は、0.5〜1.5の範囲の値のものを使用するこ
とができる。本発明において、上記のような無機酸化物
の蒸着膜の膜厚としては、使用する金属、または、金属
の酸化物の種類等によって異なるが、例えば、50〜4
000Å位、好ましくは、100〜1000Å位の範囲
内で任意に選択して形成することが望ましい。また、本
発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、使用す
る金属、または、金属の酸化物としては、1種または2
種以上の混合物で使用し、異種の材質で混合した無機酸
化物の蒸着膜を構成することもできる。
【0015】次に、本発明において、上記の無機酸化物
の蒸着膜を形成する方法についてその具体例を挙げる
と、図5は、巻き取り式真空蒸着装置の一例を示す概略
的構成図である。図5に示すように、巻き取り式真空蒸
着装置21の真空チャンバ−22の中で、巻き出しロ−
ル23から繰り出す基材フィルム24は、ガイドロ−ル
25、26を介して、冷却したコ−ティングドラム27
に案内される。而して、上記の冷却したコ−ティングド
ラム27上に案内された基材フィルム24の上に、るつ
ぼ28で熱せられた蒸着源29、例えば、金属アルミニ
ウム、あるいは、酸化アルミニウム等を蒸発させ、更
に、必要ならば、酸素ガス吹出口30より酸素ガス等を
噴出し、これを供給しながら、マスク31、31を介し
て、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜
を成膜化するものである。次いで、本発明においては、
上記において、例えば、酸化アルミニウム等の無機酸化
物の蒸着膜を形成した基材フィルム24をガイドロ−ル
32、33等を介して巻き取りロ−ル34等に巻き取っ
て、本発明にかかる無機酸化物の蒸着膜を有する基材フ
ィルム24を製造することができる。上記の例示は、そ
の一例を例示するものであり、これによって本発明は限
定されるものではないことは言うまでもないことであ
る。なお、本発明においては、上記のような巻き取り式
真空蒸着装置を用いて、まず、第1層の無機酸化物の蒸
着膜を形成し、次いで、同様にして、該無機酸化物の蒸
着膜の上に、更に、無機酸化物の蒸着膜を形成するか、
あるいは、上記のような巻き取り式真空蒸着装置を用い
て、これを2連に連接し、連続的に、無機酸化物の蒸着
膜を形成することにより、2層以上の多層膜からなる無
機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
【0016】次にまた、本発明において、上記の無機酸
化物の蒸着膜としては、例えば、化学気相成長法等によ
り形成することができ、具体的には、プラズマ化学気相
成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学
気相成長法(Chemical Vapor Depo
sition法、CVD法)等を用いて形成することが
できる。更に具体的には、基材フィルムの一方の面に、
有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キ
ャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の
不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素
ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低
温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸
化物の蒸着膜を形成することができる。上記において、
低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズ
マ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装
置を使用することがてき、而して、本発明においては、
高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラ
ズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
【0017】具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成
長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一
例を例示して説明すると、図6は、上記のプラズマ化学
気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法について
その概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的
構成図である。上記の図6に示すように、本発明におい
ては、プラズマ化学気相成長装置41の真空チャンバ−
42内に配置された巻き出しロ−ル43から基材フィル
ム44を繰り出し、更に、該基材フィルム44を、補助
ロ−ル45を介して所定の速度で冷却・電極ドラム46
周面上に搬送する。而して、本発明においては、ガス供
給装置47、48および、原料揮発供給装置49等から
酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノ
マ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混
合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル50を通し
て真空チャンバ−42内に該蒸着用混合ガス組成物を導
入し、そして、上記の冷却・電極ドラム46周面上に搬
送された基材フィルム44の上に、グロ−放電プラズマ
51によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸
化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成し、製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム46
は、チャンバ−外に配置されている電源52から所定の
電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム46の
近傍には、マグネット53を配置してプラズマの発生が
促進されており、次いで、上記で酸化珪素等の無機酸化
物の蒸着膜を形成した基材フィルム44ををガイドロ−
ル54等を介して巻き取りロ−ル55等に巻き取って、
本発明にかかる無機酸化物の蒸着膜を有する基材フィル
ムを製造することができる。なお、図中、56は、真空
ポンプを表す。上記の例示は、その一例を例示するもの
であり、これによって本発明は限定されるものではない
ことは言うまでもないことである。図示しないが、本発
明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化
物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上
を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料
も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の
材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもで
きる。
【0018】上記において、真空チャンバ−内を真空ポ
ンプにより減圧し、真空度1×10 -1〜1×10-8To
rr位、好ましくは、真空度1×10-3〜1×10-7
orr位に調製することが望ましいものである。また、
原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合
物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、
不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズ
ルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1
〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不
活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすること
ができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガ
スとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とする
ことができる。一方、冷却・電極ドラムには、電源から
所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の
原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍で
グロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズ
マは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出され
るものであり、この状態において、基材フィルムを一定
速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・
電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の
無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものであ
る。なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1
×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度
1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望
ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜30
0m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製
することが望ましいものである。
【0019】また、上記のプラズマ化学気相成長装置に
おいて、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の形成は、基
材フィルムの上に、プラズマ化した原料ガスを酸素ガス
で酸化しながらSiOX の形で薄膜状に形成されるの
で、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
は、緻密で、隙間の少ない、可撓性に富む連続層となる
ものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される
酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と比較してはるかに高
いものとなり、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることが
できるものである。また、本発明においては、SiOX
プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基
材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生
するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜
と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利
点を有するものである。更に、上記のように酸化珪素等
の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1
〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1
×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸
着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する
時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較
して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換
時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を
安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
【0020】本発明において、有機珪素化合物等の蒸着
モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜
は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等
とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一
方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成
するものであり、通常、一般式SiOX (ただし、X
は、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とす
る連続状の薄膜である。而して、上記の酸化珪素の蒸着
膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式Si
X (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で
表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であること
が好ましいものである。上記において、Xの値は、蒸着
モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ
−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなれ
ばガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、
透明性が悪くなる。
【0021】また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪
素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または
酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる
化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する
蒸着膜からなることを特徴とするものである。例えば、
C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合
物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド
状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有
機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含
有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH
3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、Si
2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ
−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以
外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸
化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変
化させることができる。而して、上記の化合物が、酸化
珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜5
0%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものであ
る。上記において、含有率が、0.1%未満であると、
酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十
分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生
し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難に
なり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好
ましくないものである。更に、本発明においては、酸化
珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化
珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させる
ことが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面
においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高めら
れ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化
合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素
の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を
有するものである。
【0022】而して、本発明において、上記の酸化珪素
の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xr
ay Photoelectron Spectros
copy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Sec
ondary Ion Mass Spectrosc
opy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向
にイオンエッチングする等して分析する方法を利用し
て、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記
のような物性を確認することができる。また、本発明に
おいて、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚
50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的に
は、その膜厚としては、100〜1000Å位が望まし
く、而して、上記において、1000Å、更には、40
00Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易
くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、5
0Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難
になることから好ましくないものである。上記のおい
て、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分
析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファン
ダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。ま
た、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変
更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくするこ
と、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方
法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことが
できる。
【0023】次に、上記において、酸化珪素等の無機酸
化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノ
マ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメ
チルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニル
トリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメ
チルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメ
チルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニ
ルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その
他等を使用することができる。本発明において、上記の
ような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テト
ラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキ
サンを原料として使用することが、その取り扱い性、形
成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料であ
る。また、上記において、不活性ガスとしては、例え
ば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することがで
きる。
【0024】次に、本発明において、本発明にかかるレ
トルト用パウチを構成するガスバリア性塗布膜について
説明すると、かかるガスバリア性塗布膜としては、少な
くとも、ポリビニルアルコ−ル系樹脂〔以下(A)成分
という。〕と、一般式R1 mM(OR2 n ・・・・
(1)(式中、Mは、金属原子を表し、R1 は、同一ま
たは異なり、炭素数1〜8の有機基を表し、R2 は、同
一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素
数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を表し、mおよ
びnは、それぞれ0以上の整数を表し、m+nは、Mの
原子価を表す。)で表される金属アルコレ−ト、該金属
アルコレ−トの加水分解物、該金属アルコレ−トの縮合
物、該金属アルコレ−トのキレ−ト化合物、該キレ−ト
化合物の加水分解物および金属アシレ−トの群から選ば
れた少なくとも1種〔以下(B)成分という。〕とを含
有するガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を
使用することができる。上記において、ガスバリア性組
成物中には、含窒素有機溶剤を含有することが好まし
く、また、無機微粒子〔以下(C)成分という。〕を含
有することも好ましいものである。また、上記におい
て、(B)成分としては、(B)成分を水または水と親
水性有機溶媒を含む混合溶媒中で加水分解した後、
(A)成分と混合してガスバリア性組成物を調製するこ
とができるものである。
【0025】上記のガスバリア性組成物において、
(A)成分を構成するポリビニルアルコ−ル系樹脂とし
ては、ポリビニルアルコールおよびエチレン・ビニルア
ルコール系共重合体の群から選ばれた少なくとも1種を
使用することができる。上記(A)成分のうち、ポリビ
ニルアルコールは、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化し
て得られるものである。このポリビニルアルコールとし
ては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニ
ルアルコールでも、もしくは、酢酸基が残存しない完全
ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が
変性された変性ポリビニルアルコールでもよく、特に限
定されるものではない。上記ポリビニルアルコールの具
体例としては、株式会社クラレ製のRSポリマーである
RS−110(ケン化度=99%、重合度=1,00
0)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化
度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業
株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99
%、重合度=1,400)等を使用することができる。
また、(A)成分のうち、エチレン・ビニルアルコール
共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン
化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合
体をケン化して得られるものであり、酢酸基が数十モル
%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%し
か残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン
化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバ
リア性の観点から好ましいケン化度は80モル%以上、
より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは9
5モル%以上である。エチレン・ビニルアルコール共重
合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下
「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル
%、好ましくは20〜45モル%である。上記エチレン
・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会
社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;
32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノー
ルD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用す
ることができる。
【0026】以上の(A)成分を構成するポリビニルア
ルコール系樹脂のメルトフローインデックスは、210
℃、荷重21.168N条件下で、1〜20g/10
分、好ましくは1〜18g/10分である。これらの
(A)を構成するポリビニルアルコール系樹脂は、1種
単独で使用することも、あるいは、2種以上を混合して
用いることもできる。また、(A)成分を構成するポリ
ビニルアルコール系樹脂は、それ自体、ガスバリア性、
耐候性、耐有機溶剤性、透明性、熱処理後のガスバリア
性などに優れる。加えて、(A)成分を構成するポリビ
ニルアルコール系樹脂は、本発明のガスバリア性組成物
から得られる塗膜を硬化させる際に、ポリビニルアルコ
ールに由来する繰り返し単位中に存在する水酸基が、後
記(B)成分および/また(C)成分と共縮合すること
により、優れた塗膜性能をもたらすことができる。本発
明のガスバリア性組成物における(A)成分の割合は、
後記(B)成分100重量部に対し、10〜10,00
0重量部、好ましくは、20〜5,000重量部、さら
に好ましくは、100〜1,000重量部である。10
重量部未満では、得られる塗膜にクラックが入りやす
く、ガスバリア性が低下し、一方、10,000重量部
を超えると、得られる塗膜が高湿度下ではガスバリア性
が低下して好ましくないものである。
【0027】次に、本発明に用いられる(B)成分とし
ては、上記の一般式(1)で表される、金属アルコレー
ト、該金属アルコレートの加水分解物、該金属アルコレ
ートの縮合物、該金属アルコレートのキレート化合物、
該キレート化合物の加水分解物および金属アシレートの
群から選ばれた少なくとも1種を使用することができ、
而して、(B)成分としては、その1種だけでもよい
し、任意の2種以上の混合物であってもよい。なお、上
記の金属アルコレートの加水分解物としては、金属アル
コレートに含まれるOR2 がすべて加水分解されている
必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解されてい
るもの、2個以上が加水分解されているもの、あるい
は、これらの混合物であってもよい。また、上記の金属
アルコレートの縮合物は、金属アルコレートの加水分解
物のM−OH基が縮合してM−O−M結合を形成したも
のであるが、本発明では、M−OH基がすべて縮合して
いる必要はなく、僅かな一部のM−OH基が縮合したも
の、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包
含した概念である。さらに、上記の金属アルコレートの
キレート化合物は、金属アルコレートと、β−ジケトン
類、β−ケトエステル類、ヒドロキシカルボン酸、ヒド
ロキシカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸エステル、
ケトアルコールおよびアミノアルコールから選ばれる少
なくとも1種の化合物との反応で得られる。これらの化
合物の中でも、β−ジケトン類またはβ−ケトエステル
類を用いることが好ましく、これらの具体例としては、
アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチ
ル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロ
ピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−
ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、2,4−ヘキサン−
ジオン、2,4−ヘプタン−ジオン、3,5−ヘプタン
−ジオン、2,4−オクタン−ジオン、2,4−ノナン
−ジオン、5−メチル−ヘキサン−ジオンなどを挙げる
ことができる。また、上記のキレート化合物の加水分解
物は、上記の金属アルコレートの加水分解物と同様に、
キレート化合物に含まれるOR2 基がすべて加水分解さ
れている必要はなく、例えば、その1個だけが加水分解
されているもの、2個以上が加水分解されているもの、
あるいは、これらの混合物であってもよい。本発明にお
いて、(B)成分は、(A)成分との共縮合体を形成す
る作用をなすものと考えられる。
【0028】上記の一般式(1)における、Mで表され
る金属原子としては、ジルコニウム、チタンおよびアル
ミニウムを好ましいものとして挙げることができ、特に
好ましくはチタンである。R1 の炭素数1〜8の1価の
有機基は、一般式(1)で表される化合物が金属アルコ
レートである場合と金属アシレートである場合とで異な
る。金属アルコレートである場合には、例えば、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基;アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾ
イル基、トリオイル基などのアシル基;ビニル基、アリ
ル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、
(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フ
ルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、
これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。R
1 の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロ
ゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メ
ルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,
4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキ
シ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げること
ができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR1
炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて8以下である。
また、金属アシレートである場合には、R1 の炭素数1
〜8の1価の有機基としては、アセトキシル基、プロピ
オニロキシル基、ブチリロキシル基、バレリロキシル
基、ベンゾイルオキシル基、トリオイルオキシル基など
のアシルオキシル基を挙げることができる。一般式
(1)中に、R1 が2個存在するときは、相互に同一で
も異なってもよい。
【0029】また、R2 の炭素数1〜5のアルキル基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることが
でき、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カ
プロイル基などを挙げることができる。一般式(1)中
に複数個存在するR2 は、相互に同一でも異なってもよ
い。
【0030】これらの(B)成分のうち、金属アルコレ
ートおよび金属アルコレートのキレート化合物の具体例
としては、 (イ).テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n
−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ
−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジル
コニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテ
ート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセ
トアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセ
トアセテート)ジルコニウムなどのジルコニウム化合
物;
【0031】(ロ).テトラ−i−プロポキシチタニウ
ム、テトラ−n−ブトキシチタニウム、テトラ−t−ブ
トキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチル
アセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・
ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ
−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナート)チ
タニウム、ジヒドロキシ・ビスラクテタートチタニウ
ム、ジヒドロキシチタンラクテート、テトラキス(2−
エチルヘキシルオキシ)チタニウムなどのチタン化合
物;
【0032】(ハ).トリ−i−プロポキシアルミニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアル
ミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナート
アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトア
セテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセ
チルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセト
ナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビ
ス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどのアル
ミニウム化合物;などを挙げることができる。これらの
金属アルコレートおよび金属アルコレートのキレート化
合物のうち好ましいものとしては、トリ−n−ブトキシ
・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ
−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナート)チ
タニウム、ジヒドロキシ・ビスラクテタートチタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアル
ミニウムおよびトリス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウムを挙げることができ、特に好ましい化合物はジ
−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタ
ニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミ
ナート)チタニウム、ジヒドロキシ・ビスラクテタート
チタニウムなどのチタン化合物である。
【0033】また、金属アシレートの具体例としては、
ジヒドロキシ・チタンジブチレート、ジ−i−プロポキ
シ・チタンジアセテート、ジ−i−プロポキシ・チタン
ジプロピオネート、ジ−i−プロポキシ・チタンジマロ
ニエート、ジ−i−プロポキシ・チタンジベンゾイレー
ト、ジ−n−ブトキシ・ジルコニウムジアセテート、ジ
−i−プロピルアルミニウムモノマロニエートなどを挙
げることができ、特に好ましい化合物はジヒドロキシ・
チタンジブチレート、ジ−i−プロポキシ・チタンジア
セテートなどのチタン化合物である。これらの(B)成
分は、1種単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0034】(B)成分としては、コーティング液の粘
度経時変化がなく、扱いやすくなるため、後述の親水性
溶媒中に記載されている水または水と親水性有機溶媒を
含む混合溶媒中で加水分解したものを用いることが好ま
しい。この場合、水の使用量は、一般式R1 m M(OR
2 n (1)で表される化合物1モルに対し、0.1〜
1000モル、好ましくは、0.5〜500モルであ
る。また、混合溶媒の場合、水と親水性有機溶媒の配合
割合は、水/親水性有機溶媒=10〜90/90〜10
(重量比)、好ましくは、30〜70/70〜30、更
に、好ましくは、40〜60/60〜40である。
【0035】次に、本発明のガスバリア組成物として
は、(C)成分である無機微粒子を含有することが好ま
しい。上記の無機微粒子は、平均粒子径が0.2μm以
下の実質的に炭素原子を含まない粒子状無機物質であ
り、金属またはケイ素酸化物、金属またはケイ素窒化
物、金属ホウ化物が挙げられる。無機微粒子の製造方法
は、例えば、酸化ケイ素を得るには四塩化ケイ素を酸素
と水素の炎中での加水分解により得る気相法、ケイ酸ソ
ーダのイオン交換により得る液相法、シリカゲルのミル
などによる粉砕より得る固相法などの製造方法が挙げら
れるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0036】具体的な化合物例としては、SiO2 、A
23、TiO2、WO3、Fe23、ZnO、NiO、
RuO2、CdO、SnO2、Bi23、3Al23・2
SiO2、Sn−In23、Sb−In23、CoFe
Oxなどの酸化物、Si34、Fe4N、AlN、Ti
N、ZrN、TaNなどの窒化物、Ti2B、ZrB2
TaB2、W2Bなどのホウ化物が挙げられる。また、無
機微粒子の形態は、粉体、水または有機溶剤に分散した
コロイドもしくはゾルが挙げられるが、これらは限定さ
れるものではない。これらの中で、(A)成分および/
または(B)成分と共縮合することで優れた塗膜性能を
得るために、好ましくは、コロイダルシリカ、コロイダ
ルアルミナ、アルミナゾル、スズゾル、ジルコニウムゾ
ル、五酸化アンチモンゾル、酸化セリウムゾル、酸化亜
鉛ゾル、酸化チタンゾルなどの粒子表面に水酸基が存在
するコロイド状酸化物が用いられる。無機微粒子の平均
粒子径は、0.2μm以下、好ましくは、0.1μm以
下であり、平均粒径が0.2μmを超えると、膜の緻密
性の観点からガスバリア性が劣る場合がある。
【0037】(C)成分の本発明の組成物中の割合は、
(A)成分および(B)成分の合計量100重量部に対
し、好ましくは、10〜900重量部、特に好ましく
は、20〜400重量部である。上記において、900
重量部を超えると、得られる塗膜のガスバリア性が低下
する場合がある。
【0038】次に、本発明においては、本発明のガスバ
リア性組成物によるガスバリア性塗布膜をより速く硬化
させる目的と、(A)成分と(B)成分との共縮合体を
形成させ易くする目的で(D)硬化促進剤を使用しても
よく、比較的低い温度での硬化と、より緻密な塗膜を得
るために、この(D)硬化促進剤を併用する方が効果的
である。
【0039】上記の(D)硬化促進剤としては、塩酸な
どの無機酸;ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫
酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩;水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物;ア
ルキルチタン酸、リン酸、メタンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エチレン
ジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミン、エ
タノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹脂の硬
化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのアミン系
化合物、(C492Sn(OCOC11232 (C492Sn(OCOCH=CHCOOCH32
(C49 2Sn(OCOCH=CHCOOC
492、(C8172Sn(OCOC11232、(C
8172Sn(OCOCH=CHCOOCH32、(C
8172Sn(OCOCH=CHCOOC492
(C8172Sn(OCOCH=CHCOOC
8172、Sn(OCOCC8172などのカルボン酸
型有機スズ化合物;(C492Sn(SCH2COOC
8172、(C492Sn(SCH2COOC
8172、(C8172Sn(SCH2COOC
8 172、(C8172Sn(SCH2CH2COOC8
172、(C8172Sn(SCH2COOC
8172、(C8172Sn(SCH2COOC
12252などのメルカプチド型有機スズ化合物; などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0040】(C492SnO、(C8172Sn
O、または(C492SnO、(C8172SnOな
どの有機スズオキサイドとエチルシリケート、マレイン
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチル
などのエステル化合物との反応生成物などの有機スズ化
合物などが使用される。これらの(D)硬化促進剤のガ
スバリア性組成物中における割合は、本発明のガスバリ
ア性組成物の固形分100重量部に対して、通常、0.
5〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部用いら
れる。
【0041】さらに、本発明のガスバリア性組成物に
は、安定性向上剤として、先に挙げたβ−ジケトン類お
よび/またはβ−ケトエステル類を添加することができ
る。すなわち、上記の(B)成分としてガスバリア性組
成物中に存在する上記の金属アルコレート中の金属原子
に配位することにより、(A)成分と(B)成分との縮
合反応をコントロールする作用をし、得られるガスバリ
ア性組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと
考えられる。β−ジケトン類および/またはβ−ケトエ
ステル類の使用量は、上記(B)成分における金属原子
1モルに対し、好ましくは2モル以上、さらに好ましく
は、3〜20モルである。
【0042】本発明のガスバリア性組成物は、通常、上
記(A)〜(D)成分および場合により上記任意成分
を、水および/または親水性有機溶媒中で溶解、分散す
ることによって得られる。ここで、親水性有機溶媒の具
体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、i−プロパノール、n−ブチルアルコール、se
c−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、
ジアセトンアルコール、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコールなどの炭素数1
〜8の飽和脂肪族の1価アルコールまたは2価アルコー
ル;エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチ
レングリコールモノエチルエーテルなどの炭素数1〜8
の飽和脂肪族のエーテル化合物;エチレングリコールモ
ノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブ
チルエーテルアセテートなどの炭素数1〜8の飽和脂肪
族の2価アルコールのエステル化合物;N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−
ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ピリジンなど
の含窒素化合物(含窒素有機溶媒);ジメチルスルホキ
シドなどの含硫黄化合物;乳酸、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、サリチル酸、サリチル酸メチルなどのヒドロキシカ
ルボン酸またはヒドロキシカルボン酸エステルなどを挙
げることができる。これらのうち、好ましいものとして
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−
プロパノール、n−ブチルアルコール、sec−ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数
1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール;N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−
ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ピリジンなど
の含窒素化合物(含窒素有機溶媒)を挙げることができ
る。
【0043】これらの水および/または親水性有機溶媒
は、水と親水性有機溶媒とを混合して用いられることが
より好ましい。好ましい溶媒の組成としては、水/炭素
数1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール、水/含窒素化
合物(含窒素有機溶媒)である。さらに好ましくは、水
/炭素数1〜8の飽和脂肪族の1価アルコール/含窒素
化合物(含窒素有機溶媒)である。含窒素有機溶媒を混
合することで、薄膜でのコーティングにおいて外観が透
明で良好な塗膜が得られる。
【0044】水および/または親水性有機溶媒の使用量
は、ガスバリア性組成物の全固形分濃度が好ましくは6
0重量%以下となるように用いられる。例えば、薄膜形
成を目的に用いられる場合には、通常、5〜40重量
%、好ましくは、10〜30重量%であり、また厚膜形
成を目的に使用する場合には、通常、20〜50重量
%、好ましくは、30〜45重量%である。ガスバリア
性組成物の全固形分濃度が60重量%を超えると、組成
物の保存安定性が低下する傾向にある。また、上記含窒
素有機溶媒の割合は、溶媒全量中に、通常、1〜70重
量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0045】なお、有機溶媒としては、上記の水および
/または親水性有機溶媒が好ましいが、親水性有機溶媒
以外に、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類など
も使用できる。
【0046】このように、本発明のガスバリア性組成物
は、上記(A)〜(B)成分および場合により上記任意
成分を、水および/または親水性有機溶媒中で混合する
ことによって得られ、好ましくは上記(A)成分と
(B)成分、必要に応じて(C)成分を、水および/ま
たは親水性有機溶媒中で、加水分解および/または縮合
することによって得られる。この際、反応条件は、温度
は20〜100℃、好ましくは30〜80℃、時間は
0.1〜20時間、好ましくは1〜10時間である。得
られるガスバリア性組成物の重量平均分子量は、一般的
なGPC法によるポリメチルメタクリレート換算値で、
通常、500〜100万、好ましくは1,000〜30
万である。
【0047】なお、本発明のガスバリア性組成物には、
得られる塗膜の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防
止、防蝕性の付与、耐熱性などの諸特性を発現させるた
めに、別途、充填材を添加・分散させることも可能であ
る。ただし、充填材は、上記(C)成分を除く。充填材
としては、例えば、有機顔料、無機顔料などの非水溶性
の顔料または顔料以外の、粒子状、繊維状もしくは鱗片
状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水酸化
物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充
填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしくは鱗片状
の、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェ
ライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化
マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、
合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケ
イ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、
消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、
雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギ
ネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガ
ン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグ
リーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ
酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、
マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸
カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、
カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサー
ジ、ピグメントイエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セ
レン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アン
チモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸
鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチ
ソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボー
ン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物
性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデン
などが挙げられる。
【0048】これらの充填材の平均粒径または平均長さ
は、通常、50〜50,000nm、好ましくは100
〜5,000nmである。充填材の組成物中の割合は、
充填材以外の成分の全固形分100重量部に対し、好ま
しくは、0.1〜300重量部、さらに好ましくは、1
〜200重量部である。
【0049】なお、本発明のガスバリア性組成物には、
そのほか、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テト
ラエトキシシランなどの公知の脱水剤、各種の界面活性
剤、上記以外の、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの
添加剤を配合することもできる。
【0050】本発明のガスバリア性組成物を調製するに
際しては、上記(A)〜(B)成分、好ましくは(A)
〜(C)成分を含有する組成物を調製すればよいが、好
ましくは、上記(B)成分を水または水と親水性有機溶
媒を含む混合溶媒中で加水分解したのち、(A)成分を
混合する。このようにすると、ガスバリア性組成物の経
時的な粘度変化がなく、取り扱い性に優れたガスバリア
性組成物が得られる。(C)成分を用いる場合の本発明
のガスバリア性組成物の調製方法の具体例としては、例
えば、下記の方法が挙げられる。これらの調製方法にお
いて用いられる(B)成分は、水または水と親水性有機
溶媒を含む混合溶媒中であらかじめ加水分解したものを
用いてもよい。水および/または親水性有機溶剤に溶解
させた(A)成分に(C)成分を添加したのち、(B)
成分を添加する方法。水および/または親水性有機溶剤
に溶解させた(A)成分に(C)成分を添加したのち、
(B)成分を添加し、加水分解および/または縮合する
方法。水および/または親水性有機溶剤に溶解させた
(B)成分に、(C)成分を添加し、加水分解および/
または縮合を行ない、そののちに(A)成分を添加する
方法。水および/または親水性有機溶剤に(A)〜
(C)成分を一括添加し、溶解・分散する方法。また
は、そののちに加水分解および/または縮合を行う方
法。
【0051】而して、本発明においては、上記で調製し
たガスバリア性組成物を使用し、これを、前述の無機酸
化物の蒸着膜の上に塗布することにより、ガスバリア性
塗布膜を形成することができる。本発明においては、無
機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とが、例えば、
加水分解・共縮合反応による化学結合、水素結合、ある
いは、配位結合などを形成し、無機酸化物の蒸着膜とガ
スバリア性塗布膜との密着性が向上し、その2層の相乗
効果により、より良好なガスバリア性の効果を発揮し得
るものである。上記の本発明のガスバリア性組成物を塗
布する方法としては、例えば、グラビアコーターなどの
ロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッ
ピング、刷毛、バーコード、アプリケータなどの塗装手
段により、1回あるいは複数回の塗装で、乾燥膜厚が
0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μmの
本発明のガスバリア性塗布膜を形成することができ、通
常の環境下、50〜300℃、好ましくは70〜200
℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.
01〜10分間、加熱・乾燥することにより、縮合が行
われ、本発明のガスバリア性塗布膜を形成することがで
きる。また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物
を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プ
ライマ−剤等を塗布することもできるものである。
【0052】次に、本発明において、本発明にかかるレ
トルト用パウチを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層として
は、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよ
く、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共
重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メ
タクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、
メチルペンテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタク
リル酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、その他等の不飽
和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、
その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂のフ
ィルムないしシ−トあるいはその塗布膜等を使用するこ
とができる。上記の樹脂のフィルムないしシ−トは、単
層ないし多層で使用することができ、また、上記の樹脂
のフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μm〜30
0μm位、好ましくは、10μm〜110μm位が望ま
しい。更に、本発明において、上記の樹脂のフィルムな
いしシ−トの厚さとしては、レトルト用パウチの製袋時
において、バリア性基材を構成する無機酸化物の蒸着膜
に、擦り傷、あるいは、クラック等を発生するすること
を防止するために、比較的に、その膜厚を厚くすること
が好ましく、具体的には、40μm〜110μm位、望
ましくは、50μm〜100μm位であることが好まし
いものである。而して、本発明においては、上記のよう
な樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、厚さ5
0μm〜100μm位の無延伸ポリプロピレンフィルム
を使用することが好ましいものである。
【0053】次にまた、本発明において、本発明にかか
るレトルト用パウチを構成する中間基材としては、これ
が前述の基材フィルムと同様に、レトルト用パウチを構
成する基本ないし補助素材となることから、機械的、物
理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、そ
の強度に優れ、更に、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル
性、耐突き刺し性、透明性、その他等に優れた樹脂のフ
ィルムないしシ−トを使用することができる。具体的に
は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−
ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹
脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−トを使
用することができる。而して、上記の樹脂のフィルムな
いしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方
向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれの
ものでも使用することができる。また、本発明におい
て、その樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、
強度、耐突き刺し性、剛性、その他等について必要最低
限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コス
トを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強
度、耐突き刺し性、剛性、その他等が低下して好ましく
ないものである。本発明においては、上記のような理由
から、約10μmないし100μm位、好ましくは、約
12μmないし50μm位が最も望ましい。而して、本
発明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ
−トの中でも、特に、厚さ15μm〜30μm位の2軸
延伸ポリアミド系樹脂フィルムを使用することが好まし
いものである。
【0054】ところで、通常、包装用袋は、物理的にも
化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用袋を
構成する積層材には、厳しい包装適性が要求され、変形
防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホ−ル性、耐熱性、密
封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の
条件が要求され、このために、本発明においては、上記
のような材料の他に、上記のような諸条件を充足するそ
の他の材料を任意に使用することができ、具体的には、
例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメ
タクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブ
テン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ
アクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリ
ロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系
樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
カ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹
脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂の
フィルムないしシ−トを任意に選択して使用することが
できる。その他、例えば、合成紙等も使用することがで
きる。本発明において、上記のフィルムないしシ−ト
は、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等の
いずれのものでも使用することができる。また、その厚
さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲か
ら選択して使用することができる。更に、本発明におい
ては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、
インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性
状の膜でもよい。
【0055】特に、本発明において、その他の基材とし
ては、例えば、水蒸気、水等の透過を阻止するバリア性
を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフ
ィルムないしシ−ト、樹脂に顔料等の着色剤を、その
他、所望の添加剤を加えて混練してフィルム化してなる
遮光性を有する各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト
等を使用することができる。これらの材料は、一種ない
しそれ以上を組み合わせて使用することができる。ま
た、上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意
であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、
10μmないし100μm位が望ましい。
【0056】なお、本発明においては、本発明にかかる
レトルト用パウチを構成する上記のような基材のいずれ
かの片面には、例えば、文字、図形、記号、模様、その
他等からなる所望の印刷模様を印刷して、印刷模様層を
形成することができるものである。上記の印刷模様層と
しては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を
主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸
化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、
滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種な
いし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着
色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ
組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例
えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スク
リ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷
方式を使用し、上記の基材フィルムの片面に、文字、図
形、記号、模様、その他等からなる所望の印刷模様を印
刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することがで
きるものである。
【0057】上記において、インキビヒクルとしては、
公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化
水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シ
ェラック、アルキッド樹脂、フェノ−ル系樹脂、マレイ
ン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポ
リビニルブチラ−ル樹脂、アクリルまたはメタクリル系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウ
レタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロ−ス、エチ
ルセルロ−ス、塩化ゴム、環化ゴム、その他等の1種な
いし2種以上を使用することができる。
【0058】次に、上記の本発明において、上記のよう
な材料を使用して本発明にかかるレトルト用パウチを構
成する積層材を製造する方法について説明すると、かか
る方法としては、通常の包装材料を製造するときに使用
する積層法、例えば、ウエットラミネ−ション法、ドラ
イラミネ−ション法、無溶剤ラミネ−ション法、押し出
しラミネ−ション法、共押し出しラミネ−ション法、イ
ンフレ−ション法、その他の方法等で行うことができ
る。而して、本発明においては、上記の積層を行う際
に、必要ならば、例えば、その積層する基材の表面に、
コロナ処理、オゾン処理、フレ−ム処理等の前処理を任
意に施すことができる。また、上記において、押出ラミ
ネ−トするときには、例えば、低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線
状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−プロ
ピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリエチレ
ンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマ−ル
酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリ
オレフィン系樹脂等を溶融押出ラミネ−ト用樹脂として
使用することができる。その際に、接着助剤として、例
えば、イソシアネ−ト系、ポリエチレンイミン系、その
他等のアンカ−コ−ト剤等を任意に使用することができ
る。また、本発明においては、ドライラミネ−トすると
きには、例えば、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン
系、ポリアミド系、ポリエステル系、エポキシ系、その
他等をビヒクルの主成分とする溶剤型、水性型、エマル
ジョン型、その他等のラミネ−ト用接着剤等を使用する
ことができる。
【0059】次に、本発明において、上記の積層材を使
用して製造する袋状容器本体について説明すると、かか
る袋状容器本体は、上記のような積層材を使用し、その
ヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しか
る後、その周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成
して、上端部に開口部を有する袋状容器本体を製袋する
ことができる。而して、その製袋方法としては、上記の
ような積層材を、折り曲げるかあるいは重ね合わせて、
その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例え
ば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方
シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ
−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ
−ル型、ガゼット型、その他等のヒ−トシ−ル形態によ
りヒ−トシ−ルして、上端部に開口部を有する種々の形
態からなる袋状容器本体を製造することができる。その
他、袋状容器本体としては、例えば、自立性包装用袋
(スタンディングパウチ)等も可能である。上記におい
て、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−
ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−
ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行う
ことができる。
【0060】次に、本発明において、上記で製造した上
端部に開口部を有する袋状容器本体の開口部から内容物
を充填し、次いで、その上端部に開口部をヒ−トシ−ル
等により密閉することによって、本発明にかかるレトル
ト用パウチを使用した包装半製品を製造し、しかる後、
該包装半製品を、レトルト処理あるいはボイル処理等の
加熱処理を施すことによって、本発明にかかるレトルト
用パウチを使用したレトルト食品を製造することができ
るものである。上記において、レトルト処理あるいはボ
イル処理する方法としては、例えば、通常のレトルト釜
を使用し、温度、110〜130℃位、好ましくは、1
20℃前後位、圧力、1〜3Kgf/cm2 ・G、好ま
しくは、2.1Kgf/cm2・G前後位、時間、20
〜60分間位、好ましくは、30分間前後で加熱加圧処
理する方法、あるいは、温度、90〜100℃、好まし
くは、90℃前後位、時間、5〜20分間位、好ましく
は、10分間前後位でボイル処理する方法等により行う
ことができる。而して、本発明においては、上記のよう
なレトルト処理あるいはボイル処理により、内容物を加
熱殺菌、あるいは、加熱殺菌調理等を行うことができる
ものである。
【0061】次に、本発明において、本発明にかかるレ
トルト用パウチに充填包装する内容物としては、例え
ば、調理食品、水産練り製品、冷凍食品、煮物、餅、液
体ス−プ、調味料、飲料水、その他等の各種の飲食品、
具体的には、例えば、カレ−、シチュ−、ス−プ、ミ−
トソ−ス、ハンバ−グ、ミ−トボ−ル、しゅうまい、お
でん、お粥等の流動食品、ゼリ−状食品、調味料、水、
その他等の各種の飲食品等を挙げることができる。而し
て、本発明において、本発明にかかるレトルト用パウチ
は、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピン
ホ−ル性、耐突き刺し性、その他等の諸物性に優れ、特
に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性、透
明性等に優れ、かつ、レトルト処理等の加工に伴う熱処
理に耐え、更に、容器・包装ごみの軽量化、減量化等を
図ると共にその製造工程の短縮化によりその製造コスト
の低減化を図ることができ、内容物の充填包装適性、品
質保全性等に優れているものである。
【0062】具体的には、本発明においては、基材フィ
ルムとして、例えば、ポリエステル系樹脂フィルムを使
用する場合には、特に、耐熱性、耐屈曲性等の物性に優
れた袋状容器本体を製造することができ、また、中間基
材として、例えば、ポリアミド系樹脂(ナイロン)フィ
ルムを使用する場合には、特に、耐ピンホ−ル性等に優
れた袋状容器本体を製造することができるものである。
また、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜、およ
び、ガスバリア性塗布膜は、各々、透明性を有し、か
つ、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性を有
するものであり、その2層により、酸素ガス、水蒸気等
の透過を阻止するバリア性等の作用効果を発揮し、終極
的には、その2者の相乗的な効果により、バリア性等の
作用効果を発揮し、アルミニウム箔等の金属箔とほぼ同
等のバリア性等の作用効果を発揮すると共にアルミニウ
ム箔等の金属箔と異なり、透明性に優れ、内容物等の視
認性等に優れているものであり、更に、金属探知機等に
よる金属探知テストを可能とするものである。更に、本
発明においては、無機酸化物の蒸着膜等は、その膜厚
は、数十Å〜数千Åからなるものであり、また、ガスバ
リア性塗布膜の膜厚も0.1g/m2〜2.0g/m2
(乾燥状態)程度のものであり、例えば、膜厚が5〜2
0μm前後からなるアルミニウム箔等の金属箔等と比較
して、その膜厚を著しく薄膜化し、軽量化することがで
き、また、その重量を著しく低減化し、容器・包装ごみ
の軽量化、減量化等を図ることができるものである。更
にまた、本発明においては、有機珪素化合物を蒸着用モ
ノマ−ガスとして使用し、プラズマ化学気相成長法を用
いて製膜化してなる酸化珪素の蒸着膜を、バリア性層を
構成する無機酸化物の蒸着膜として使用すると、該酸化
珪素の蒸着膜が、柔軟性に富み、耐屈曲性等を有するこ
とから、酸化珪素の蒸着膜にクラック等を生じてバリア
性等を低下するということがないという利点を有するも
のである。
【0063】
【実施例】次に、上記の本発明について実施例を挙げた
更に具体的に本発明を説明する。 実施例1 (1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、
上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを
巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着
し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニ
ウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレ
クトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法によ
り、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミ
ニウムの蒸着膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着チャンバ−内の真空度:2×10-4mbar 巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10-2mbar 電子ビ−ム電力:25kW フィルムの搬送速度:420m/分 蒸着面:コロナ処理面 次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜
を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面
に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9k
w、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.
0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用
し、混合ガス圧6×10-5Torrで酸素/アルゴン混
合ガスプラズマ処理を行って、プラズマ処理面を形成し
た。 (2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕、および、ポリビニルピロリドン〔和光純
薬株式会社製、Mw=25,000〕を、それぞれ、5
%含む水/n−プロピルアルコール溶液(水/n−プロ
ピルアルコール重量比=40/60)100部と、なら
びに、上記で調製したチタンキレート化合物2部とn−
プロピルアルコール16.8部、および水11.2部を
混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分と、
更に、N,N−ジメチルホルムアミド12.1部とを、
40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリア性
組成物を得た。次に、上記の(1)で形成したプラズマ
処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用
し、これをグラビアロールコート法によりコーティング
して、次いで、120℃で1分間、加熱処理して、厚さ
1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形
成して、バリア性基材を形成した。 (3).次に、上記の(2)で形成したバリア性基材の
ガスバリア性塗布膜の面に、所望の印刷模様を形成した
後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレ
タン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を
用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティング
してラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ
−ト用接着剤層の面に、厚さ15μmの2軸延伸ナイロ
ン6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合
わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層
した。次に、上記で積層した2軸延伸ナイロン6フィル
ムの面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理
面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成
し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミ
ネ−トして積層して、積層材を製造した。 (4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意
し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を
有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。上記で製
造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から
水を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ル
して上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次い
で、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、12
0℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分
間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行い、本
発明にかかるレトルト食品を製造した。上記で製造した
レトルト食品は、その包装用袋が、耐熱性、耐圧性、耐
水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピンホ−ル性、突
き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素ガス、水蒸気等
に対するバリア性に優れ、破袋ないし内容物の漏れ等も
認められず、食品容器としての機能、例えば、内容物の
充填包装適性、流通適正、保存適性等に優れていた。
【0064】実施例2 (1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長
装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条
件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着
膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着面;コロナ処理面 導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘ
リウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度;2〜6×10-6mBar 蒸着チャンバ−内の真空度;2〜5×10-3mBar 冷却・電極ドラム供給電力;10kW ライン速度;100m/min 次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成し
た直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラ
ズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス
(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単
位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6
×10-5Torrで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処
理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dy
ne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成し
た。 (2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール溶液
(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)1
00部と、上記で調製したチタンキレート化合物2部と
n−プロピルアルコール16.8部および水11.2部
を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分と
を、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバリ
ア性組成物を得た。次に、上記の(1)で形成したプラ
ズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使
用し、これをグラビアロールコート法によりコーティン
グして、次いで、120℃で2分間加熱処理して、厚さ
1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜を形
成して、バリア性基材を形成した。 (3).次に、上記の(2)で形成したバリア性基材の
ガスバリア性塗布膜の面に、所望の印刷模様を形成した
後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレ
タン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を
用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティング
してラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ
−ト用接着剤層面に、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン
6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わ
せ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層し
た。次に、上記で積層した2軸延伸ナイロン6フィルム
の面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面
に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成
し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミ
ネ−トして積層して、積層材を製造した。 (4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意
し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を
有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。上記で製
造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から
水を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ル
して上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次い
で、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、12
0℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分
間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行った。
上記で製造したレトルト食品は、その包装用袋が、耐熱
性、耐圧性、耐水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピ
ンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素
ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内
容物の漏れ等も認められず、食品容器としての機能、例
えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保存適性等に
優れていた。
【0065】実施例3 (1).基材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸
ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを使用し、まず、
上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを
巻き取り式の真空蒸着装置の送り出しロ−ルにに装着
し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、アルミニ
ウムを蒸着源に用いて、酸素ガスを供給しながら、エレ
クトロンビ−ム(EB)加熱方式による真空蒸着法によ
り、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化アルミ
ニウムの蒸着膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着チャンバ−内の真空度:2×10-4mbar 巻き取りチャンバ−内の真空度:2×10-2mbar 電子ビ−ム電力:25kW フィルムの搬送速度:420m/分 蒸着面:コロナ処理面 次に、上記で厚さ200Åの酸化アルミニウムの蒸着膜
を形成した直後に、その酸化アルミニウムの蒸着膜面
に、グロ−放電プラズマ発生装置を使用し、パワ−9k
w、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.
0:2.5(単位:slm)からなる混合ガスを使用
し、混合ガス圧6×10-5Torrで酸素/アルゴン混
合ガスプラズマ処理を行って、プラズマ処理面を形成し
た。 (2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−i−プロポキシチタン100部、アセチルアセ
トン70部を加え、60℃で30分間攪拌し、チタンキ
レート化合物を得た。この反応生成物の純度は75%で
あった。次に、(A)成分として、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体〔日本合成化学株式会社製、商品名、
ソアノールD2935、ケン化度;98%以上、エチレ
ン含量;29モル%、メルトフローインデックス;35
g/10分〕の5%水/n−プロピルアルコール溶液
(水/n−プロピルアルコール重量比=40/60)1
00部と、上記で調製したチタンキレート化合物2部と
n−プロピルアルコール16.8部、および水11.2
部を混合して、55℃で4時間加水分解した(B)成分
とを、40℃で混合して2時間攪拌し、本発明のガスバ
リア性組成物を得た。次に、上記の(1)で形成したプ
ラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を
使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティ
ングして、次いで、120℃で2分間、加熱処理して、
厚さ1.0g/m2 (乾燥状態)のガスバリア性塗布膜
を形成して、バリア性基材を形成した。 (3).次に、上記の(2)で形成したバリア性基材の
ガスバリア性塗布膜の面に、所望の印刷模様を形成した
後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレ
タン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を
用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティング
してラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ
−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピ
レンフィルムをドライラミネ−トして積層して、積層材
を製造した。 (4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意
し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を
有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。上記で製
造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から
水を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ル
して上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次い
で、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、12
0℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分
間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行った。
上記で製造したレトルト食品は、その包装用袋が、耐熱
性、耐圧性、耐水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピ
ンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素
ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内
容物の漏れ等も認められず、食品容器としての機能、例
えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保存適性等に
優れていた。
【0066】実施例4 (1).厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長
装置の送り出しロ−ルに装着し、次いで、下記に示す条
件で、上記の二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィ
ルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着
膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着面;コロナ処理面 導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘ
リウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm) 真空チャンバ−内の真空度;2〜6×10-6mBar 蒸着チャンバ−内の真空度;2〜5×10-3mBar 冷却・電極ドラム供給電力;10kW ライン速度;100m/min 次に、上記で膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成し
た直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロ−放電プラ
ズマ発生装置を使用し、パワ−9kw、酸素ガス
(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単
位:slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6
×10-5Torrで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処
理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dy
ne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成し
た。 (2).他方、還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、
テトラ−n−ブトキシジルコニウム(純度100%)1
00部、アセト酢酸エチル68部を加え、60℃で30
分間攪拌し、ジルコニウムキレート化合物を得た。この
反応生成物の純度は77%であった。次に、(A)成分
として、エチレン・ビニルアルコール共重合体〔日本合
成化学株式会社製、商品名、ソアノールD2935、ケ
ン化度;98%以上、エチレン含量;29モル%、メル
トフローインデックス;35g/10分〕の5%水/n
−プロピルアルコール溶液(水/n−プロピルアルコー
ル重量比=40/60)100部と、上記で調製したジ
ルコニウムキレート化合物2部とn−プロピルアルコー
ル16.8部および水11.2部を混合して、55℃で
4時間加水分解した(B)成分とを、40℃で混合して
2時間攪拌し、本発明のガスバリア性組成物を得た。次
に、上記の(1)で形成したプラズマ処理面に、上記で
製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビア
ロールコート法によりコーティングして、次いで、12
0℃で2分間加熱処理して、厚さ1.0g/m2 (乾燥
状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、バリア性基材
を形成した。 (3).次に、上記の(2)で形成したバリア性基材の
ガスバリア性塗布膜の面に、所望の印刷模様を形成した
後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレ
タン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を
用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティング
してラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ
−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピ
レンフィルムをドライラミネ−トして積層して、積層材
を製造した。 (4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意
し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を
有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。上記で製
造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から
水を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ル
して上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次い
で、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、12
0℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分
間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行った。
上記で製造したレトルト食品は、その包装用袋が、耐熱
性、耐圧性、耐水性、バリア性、ヒ−トシ−ル性、耐ピ
ンホ−ル性、突き刺し性、透明性等に優れ、更に、酸素
ガス、水蒸気等に対するバリア性に優れ、破袋ないし内
容物の漏れ等も認められず、食品容器としての機能、例
えば、内容物の充填包装適性、流通適正、保存適性等に
優れていた。
【0067】比較例1 (1).厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムの片面に、2液硬化型のポリウレタン系
ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて
厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラ
ミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用
接着剤層面に、膜厚7μmのアルミニウム箔を対向させ
て重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−ト
して積層した。次に、上記で積層したアルミニウム箔の
面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成
し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ15μ
mの2軸延伸ナイロン6フィルムを対向させて重ね合わ
せ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層し
た。次に、上記で積層した2軸延伸ナイロン6フィルム
の面に、コロナ放電処理を施した後、そのコロナ処理面
に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成
し、しかる後、上記のラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ
60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミ
ネ−トして積層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意
し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を
有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。上記で製
造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から
水を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ル
して上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次い
で、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、12
0℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分
間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行った。
【0068】比較例2 (1).厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムの片面に、2液硬化型のポリウレタン系
ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて
厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラ
ミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用
接着剤層面に、膜厚7μmのアルミニウム箔を対向させ
て重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−ト
して積層した。次に、上記で積層したアルミニウム箔の
面に、上記と同様にして、ラミネ−ト用接着剤層を形成
し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μ
mの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネ−ト
して積層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意
し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を
有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。上記で製
造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から
水を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ル
して上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次い
で、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、12
0℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分
間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行った。
【0069】比較例3 (1).厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタ
レ−トフィルムの片面に、2液硬化型のポリウレタン系
ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて
厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラ
ミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用
接着剤層面に、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィ
ルムを対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をド
ライラミネ−トして積層した。次に、上記で積層した2
軸延伸ナイロン6フィルムの面に、コロナ放電処理を施
した後、そのコロナ処理面に、上記と同様にして、ラミ
ネ−ト用接着剤層を形成し、しかる後、上記のラミネ−
ト用接着剤層面に、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレ
ンフィルムをドライラミネ−トして積層して、積層材を
製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意
し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を
有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。上記で製
造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から
水を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ル
して上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次い
で、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、12
0℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分
間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行った。
【0070】比較例4 (1).厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムの
片面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着
剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m
2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤
層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層面に、厚
さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルムをドライラ
ミネ−トして積層して、積層材を製造した。 (2).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意
し、その無延伸ポリプロピレンフィルムの面を対向して
重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を
有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。上記で製
造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から
水を充填包装し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ル
して上方シ−ル部を形成して包装半製品を製造し、次い
で、その包装半製品をレトルト釜に入れて、温度、12
0℃、圧力、2.1Kgf/cm2 ・G、時間、30分
間からなるレトルト処理条件でレトルト処理を行った。
【0071】実験例 上記の実施例1〜4、および、比較例1〜4において製
造したレトルト食品を構成する軟包装用袋を形成する積
層材について、レトルト処理前後の酸素透過度と水蒸気
透過度とを測定した。また、上記の実施例1〜4、およ
び、比較例1〜4において製造したレトルト食品につい
て、その内容物の視認性、および、金属探知テストを行
った。 (1).酸素透過度の測定 これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、
モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクスト
ラン(OXTRAN)〕にて測定した。 (2).水蒸気透過度の測定 これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、
モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マト
ラン(PERMATRAN)〕にて測定した。 (3).内容物の視認性の測定 これは、レトルト食品について、それを外観から目視に
て観察し、内容物を視認し得た場合を○、視認し得ない
場合を×にした。 (4).金属探知テストの測定 これは、レトルト食品を金属探知機(株式会社イシダ
製、機種名、ID3タイプ)にとおし金属物の有無の確
認を行い、その際に、金属探知が可能の場合を○、不可
能の場合を×にした。上記の測定結果について、下記の
表1に示す。
【0072】 上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/m
2 /day 23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過
度の単位は、〔g/m2 /day・40℃・90%R
H〕である。
【0073】上記の表1に示す測定結果から明らかなよ
うに、実施例1〜4にかかるものは、酸素透過度および
水蒸気透過度において十分に実用性を有するものである
ことが確認され、また、透明性を有し、内容物の視認性
に優れ、更に、金属探知機による金属探知が可能であっ
た。これに対し、比較例1〜2にかかるものは、酸素透
過度および水蒸気透過度において優れているが、透明性
がなく、内容物の視認性に欠け、かつ、金属探知機よる
金属探知が不可能であり、また、比較例3〜4にかかる
ものは、酸素透過度および水蒸気透過度において著しく
劣るものであった。
【0074】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、まず、少なくとも、基材フィルムの一方の面に無機
酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア
性基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との2層、または、少
なくとも、基材フィルムの一方の面に無機酸化物の蒸着
膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、中
間基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との3層を順次に積層
して積層材を製造し、次いで、該積層材を使用し、これ
を製袋して袋状容器本体を製造し、しかる後、該袋状容
器本体に所望の飲食品等を充填包装し、次いで、該包装
半製品を、温度、110℃〜130℃位、圧力、1〜3
Kgf/cm2 ・G位で30〜50分間程度加圧加熱殺
菌処理等のレトルト処理を施してレトルト食品を製造し
て、耐熱性、耐圧性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、耐ピン
ホ−ル性、耐突き刺し性、その他等の諸物性に優れ、特
に、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性、透
明性等に優れ、かつ、レトルト処理等の加工に伴う熱処
理に耐え、更に、容器・包装ごみの軽量化、減量化等を
図ると共にその製造工程の短縮化によりその製造コスト
の低減化を図り、例えば、調理食品、水産練り製品、冷
凍食品、煮物、餅、液体ス−プ、調味料、飲料水、その
他等の各種の飲食品を充填包装するに有用であり、か
つ、その内容物の充填包装適性、品質保全性等に優れて
いるレトルト用パウチを製造し得ることができるという
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるレトルト用パウチを構成する積
層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図であ
る。
【図2】本発明にかかるレトルト用パウチを構成する積
層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図であ
る。
【図3】図1に示す積層材を使用し、これを製袋して製
造した本発明にかかるレトルト用パウチの構成を示す概
略的斜視図である。
【図4】図1に示す積層材を使用し、これを製袋して製
造した本発明にかかるレトルト用パウチの構成を示す概
略的斜視図である。
【図5】巻き取り式真空蒸着装置についてその一例の概
要を示す概略的構成図である。
【図6】プラズマ化学気相成長装置についてその一例の
概要を示す概略的構成図である。
【符号の説明】
A、A1 積層材 1 基材フィルム 2 無機酸化物の蒸着膜 3 ガスバリア性塗布膜 4 バリア性基材 5 ヒ−トシ−ル性樹脂層 6 中間基材 7 シ−ル部 8 開口部 B 三方シ−ル型の袋状容器本体 9 内容物 10 上方のシ−ル部 C 包装半製品 D レトルト食品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 B65D 65/40 D 4J002 C08J 7/04 CFG C08J 7/04 CFGP 4K029 7/06 CFG 7/06 CFGZ 4K030 C08K 5/057 C08K 5/057 C08L 29/04 C08L 29/04 A C23C 14/08 C23C 14/08 A 14/20 14/20 A 16/40 16/40 // C08L 77:00 C08L 77:00 Fターム(参考) 3E064 AA03 AA04 AA05 AA06 AA08 AA09 AA11 AB03 AB23 BA17 BA25 BA27 BA28 BA29 BA30 BA36 BA38 BA39 BA40 BA46 BA54 BA60 BB03 BC01 BC02 BC04 BC08 BC13 BC18 BC20 EA01 EA30 FA01 FA04 FA05 GA04 HN05 3E086 AD01 BA04 BA13 BA15 BA24 BA33 BB01 BB21 BB51 BB71 CA01 CA03 CA11 DA08 4D075 AE03 BB85Y CA03 CA12 CA18 CA38 CA42 CB06 DA04 DB33 DB35 DB36 DB37 DB43 DB45 DB48 DB50 DB53 DC36 EB01 EB07 EB13 EB19 EB20 EB22 EB32 EB33 EB35 EB38 EB39 EB43 EC08 4F006 AA38 AB20 AB55 AB74 AB76 BA05 CA07 DA01 4F100 AA17B AA19B AA20B AH02C AK01A AK01D AK03D AK21C AK42 AK46E AT00A AT00E BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA13 CC00C DA01 EH66B EJ38A GB17 GB23 JB07 JD02C JD03 JD04 JJ03 JK05 JK14 JK20 JL02 JL03 JL12D JM02C JN01 4J002 BE021 EC076 FD206 GF00 GG01 4K029 AA11 AA25 BA43 BA44 BC00 BD00 CA02 DB03 FA05 GA03 JA10 KA01 4K030 AA06 AA09 AA14 AA16 BA44 CA07 CA12 DA02 DA08 HA02 LA01 LA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、基材フィルムの一方の面に
    無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバ
    リア性基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との2層、また
    は、少なくとも、基材フィルムの一方の面に無機酸化物
    の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材
    と、中間基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との3層を順次
    に積層した積層材を製袋してなることを特徴とするレト
    ルト用パウチ。
  2. 【請求項2】 基材フィルムが、2軸延伸加工した樹脂
    のフィルムないしシ−トからなることを特徴とする上記
    の請求項1に記載するレトルト用パウチ。
  3. 【請求項3】 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法
    または化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜からなる
    ことを特徴とする上記の請求項1〜2に記載するレトル
    ト用パウチ。
  4. 【請求項4】 無機酸化物の蒸着膜が、物理気相成長法
    による酸化アルミニウムの蒸着膜からなることを特徴と
    する上記の請求項1〜3に記載するレトルト用パウチ。
  5. 【請求項5】 無機酸化物の蒸着膜が、化学気相成長に
    よる酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上記の
    請求項1〜3に記載するレトルト用パウチ。
  6. 【請求項6】 ガスバリア性塗布膜が、少なくとも、ポ
    リビニルアルコ−ル系樹脂と、一般式R1 m M(O
    2 n (式中、Mは、金属原子を表し、R1 は、同一
    または異なり、炭素数1〜8の有機基を表し、R2 は、
    同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭
    素数1〜6のアシル基もしくはフェニル基を表し、mお
    よびnは、それぞれ0以上の整数を表し、m+nは、M
    の原子価を表す。)で表される金属アルコレ−ト、該金
    属アルコレ−トの加水分解物、該金属アルコレ−トの縮
    合物、該金属アルコレ−トのキレ−ト化合物、該キレ−
    ト化合物の加水分解物および金属アシレ−トの群から選
    ばれた少なくとも1種とを含有するガスバリア性組成物
    によるガスバリア性塗布膜からなることを特徴とする上
    記の請求項1〜5に記載するレトルト用パウチ。
  7. 【請求項7】 ヒ−トシ−ル性樹脂層が、ポリオレフィ
    ン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜
    6に記載するレトルト用パウチ。
  8. 【請求項8】 中間基材が、2軸延伸ポリアミド系樹脂
    フィルムからなることを特徴とする上記の請求項1〜7
    に記載するレトルト用パウチ。
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