JP2002177719A - セラミック構造体 - Google Patents
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Abstract
有するセラミック構造体を提供する。 【課題】 【解決手段】上記セラミック構造体において、各セラミ
ック部材の相互間はシール剤を介して結束されており、
前記シール剤は、少なくとも無機繊維、有機バインダ
ー、無機バインダーからなり、前記無機繊維の配向度は
繊維長が20〜300μm、繊維径が3〜15μmの条件におい
て、70%以上であることを特徴とするセラミック構造
体。
Description
関し、特に、セラミック製のハニカム構造体、モノリス
構造体、その他部材の長手方向に沿って複数の貫通孔を
並列して設けてなるセラミック構造体の新規な構造につ
いて提案する。
を並列して設けてなるセラミック製ハニカム構造体など
は、車両用排気ガスや工場からの排気ガスなどを浄化処
理するためのフィルタとして使われている。このセラミ
ック構造体は、その端面における貫通孔の開一封状態が
市松模様状(隣接する貫通孔同士が互いに他と異なるよ
うに開一封状態となっている状態)を呈するようになっ
ている。即ち、これらの貫通孔はいずれか一方の端面の
みが目封じされており、しかも隣接する貫通孔同士は、
互いに異なる開封状態か閉塞状態となっていて、市松模
様状の目封じとなっている。従って、1つの貫通孔は一
方の端面が開なら他端面は閉となり、これに隣接する貫
通孔は逆に一方の端面は閉で他端面は開となる。そし
て、このセラミック構造体は、上記各貫通孔のいずれか
一方の端面から被処理ガスを流入させると、他端に向か
う途中において多孔質な隔壁を抜けて、隣接する貫通孔
に入って他端面から処理済ガスを流出させるようになっ
ている。なお、このセラミック構造体は、多孔質体であ
り、それゆえに各貫通孔を隔てる隔壁を通じて互いに通
気が可能で、該構造体の中で容易に他の貫通孔へ入る。
このことのために、ガスの入側と出側とでは、異なる貫
通孔を流通していくことになる。このようなセラミック
構造体に排気ガスを通気すると、上記のようにして一方
の端面から流入した排気ガスは、隔壁を通過して流出口
に向かう間に、排気ガス中の粒子状物質(パティキュレ
ート)がこの隔壁部分に捕捉され浄化される。なお、こ
の排気ガスの上記浄化作用に伴い、特に流入口側の隔壁
には前記パティキュレートが捕集され堆積するため、次
第に目詰まりを起こして通気を妨げるようになる。その
ため、このセラミック構造体は、定期的に、バーナーや
ヒータといった加熱手段によって目詰まりの原因となる
隔壁に堆積したパティキュレートを燃焼除去する処理
(以下、単に「再生」という)が必要となる。
かる再生において、不均一な加熱過程やパティキュレー
トの異常燃焼に伴う局部的な発熱、排気ガスの急激な温
度変化が与える熱衝撃などによって、構造体内部に不均
一な温度分布が生じ、熱応力が作用する。その結果、上
記セラミック構造体は、クラックの発生や溶損を招き、
ひいては破壊に到らしめてパティキュレートの捕集に支
障を与えるという問題があった。
として、例えば、セラミック構造体を、その軸線に垂直
な面やその軸線に平行な面で、複数個のセラミック部材
に分割することにより、前記セラミック構造体に作用す
る熱応力を低減させる方法が提案されている(特開昭60
-65219号公報参照)。更に、この分割型のセラミック構
造体(以下、「分割セラミック構造体」という)のセラ
ミック部材相互間に生じる隙間に、非接着性のシール剤
を介挿させることにより、排気ガスのシール性を改善し
た分割セラミック構造体が提案されている(実開平1-63
715 号公報参照)。
体は、前記シール剤を採用したことによって、一体型の
セラミック構造体で見られるような熱応力を開放するこ
とができる。しかしながら、上記シール剤は非接着性で
あるため、各セラミック部材を強固に接合できない。そ
のため、上記従来技術にかかる分割セラミック構造体
は、セラミック部材を結束させて一構造体としての形態
を維持するための拘束力が必要であった。この拘束力を
付与する手段として、従来、熱膨張性断熱材を最外周部
に設ける、あるいは熱膨張性断熱材を内部シール剤とし
て適用している。
熱膨張性断熱材は、再生時の熱や、内燃機関から発生す
る振動の繰り返しに対する耐久性が低く、そのために、
シール剤は、体積収縮や強度の劣化が進みシール性が低
下してしまう一方、熱膨張性断熱材も、体積膨張後の復
元力が急激に低下するという問題があった。従って、上
記分割セラミック構造体は、それを構成する複数個のセ
ラミック部材を支持する力を失い、排気ガスの圧力によ
り分解、飛散してしまうことがあった。しかも、たとえ
ガスの流出口側端面に補強部材を設けてもシール剤の劣
化を防止することは難しく、耐久性の改善が望まれてい
た。
に、従来技術が抱える上記問題を克服するための手段と
して、各セラミック部材の相互間を、少なくとも無機繊
維、無機バインダー、有機バインダー及び無機粒子から
なり、かつ三次元的に交錯する前記無機繊維と無機粒子
とを、前記の無機バインダー及び有機バインダーを介し
て互いに結合して成る弾性質素材のシール剤を開発した
(特開平8−28246)。上記の非接着性シール剤は、三次元
的に絡み合った無機繊維を主成分とし、接着性を持たせ
るための有機バインダー、高温での接着力を持たせるた
めの無機バインダーから成っており、さらに熱伝導性を
持たせるためにSiC等の無機粒子を加えて構成されて
いる。この発明により、温度に関係なく接着強度に優
れ、かつ熱伝導率にも優れるシール剤を得ることがで
き、このシール剤を用いたセラミック構造体を排気ガス
浄化装置用フィルタに適用すると、再生時間の短縮、再
生効率や耐久性の向上を実現することができた。
気ガス浄化装置は通常の使用条件においては優れた耐久
力を有しているが、さらに過酷な条件での使用も想定さ
れるため、そうした場合にも耐え得るセラミック構造体
を発明することが必要である。
した問題を解消するためになされたものであり、その主
たる目的は、セラミック構造体の耐久性を向上させるこ
とにある。
発明者らは鋭意研究を続けた結果、以下に示す内容を要
旨構成とする発明を見出した。即ち、請求項1による発
明は、長手方向に沿って並列する複数の貫通孔を有し、
かつ、これらの貫通孔の各端面は、それぞれ市松模様状
に目封じされていると共に、ガスの入側と出側とでは開
閉が逆の関係にあり、そして、これらの貫通孔の隣接す
るもの同士は、多孔質な隔壁を通じて互いに通気可能に
したセラミック部材を、複数個結束させて集合体とした
セラミック構造体において、前記各セラミック部材の相
互間はシール剤を介して結束されており、前記シール剤
は、無機繊維、無機バインダー、有機バインダーからな
り、前記無機繊維の配向度は70%以上であることを特徴
とするセラミック構造体である。なお、ここでいう配向
度とは一方向の応力方向に対する繊維の方向性の程度を
意味するもので、本発明においては、図7のように定量
吐出ポンプから吐出されたシール剤の吐出方向を基準
(0°)として、これに対し繊維の傾きが絶対角20°
以内のものが任意の繊維数に含まれる本数を百分率で表
したものをいう。
上げることに加え、例えば図10のような細孔ノズルを備
えた吐出ポンプを用いることにより、前記ノズル付近に
強い剪断力を生じさせて、無機繊維の内部まで一軸配向
させる。また、吐出口の大きなノズルを用いる場合に
は、図11のような網目状の仕切り板をシール剤の吐出方
向に沿う形で上下左右がずれるように設置し、厚みのあ
るシール剤の内部まで剪断力を作用させることにより、
無機繊維を一軸配向させる。
み合った無機繊維では長手方向に対するフィルタの伸縮
を抑えることができず、フィルタを極めて過酷な条件の
下で使用した場合には、熱応力を開放できなくなる可能
性があったものを、本発明によれば、無機繊維が長手方
向に沿って一軸配向され、同方向に対する伸縮を抑える
効果が得られ、フィルタに加わる熱応力を開放すること
ができる。その結果、上記無機繊維を用いることによっ
て、過酷な使用条件の下でも優れた耐久性を有するセラ
ミック構造体とすることができる。
の吐出口の形状は様々な形が考えられるが、セラミック
部材の接着面に均等に塗布できるために接着面積が安定
し、強い接着力が得られ、さらには前述したように高い
配向度が得られやすいという点で、図6( b )のような平
型ノズルが望ましい。
プのノズルの開口面積としては、33mm2〜112 mm2、好ま
しくは39mm2〜84 mm2、より好ましくは42mm2〜52mm2、
であることが望ましい。開口面積が33mm2未満である
と、シール剤を棒状に吐出することができなくなり、安
定した接着面積を確保できなくなってしまう。一方、11
2mm2を超えるとシール剤の厚みがありすぎて、吐出ポン
プからのシール剤の供給量が追いつかなくなり、ペース
トの途中でシール剤が切れてしまうからである。
ほど、さらにノズルのアスペクト比(横/縦比)が大き
いほど配向度は増す。
比としては、ノズルの開口面積が52mm2の場合、4.3〜1
6.1、好ましくは8.3〜13であることが望ましい。この理
由は、4.3未満であると配向度が低くなりすぎてしまう
と共に、セラミック部材の接着面に対して十分な接着面
積を確保することができなくなってしまい、一方、16.1
を超えるとセラミック部材の接着面に対して過度に塗布
してしまうため、組立ての際にシール剤がはみ出してし
まい、除去を行う工程が増え生産性が落ちてしまうから
である。
m、好ましくは1.5mm〜5.0mm、より好ましくは2.5mm〜3.
5mmであることが望ましい。この理由は、1.0mm未満であ
ると、再生時に生じる熱膨張を吸収することができなく
なり、フィルタが割れてパティキュレートが漏れてしま
い、一方、6.0mmを超えると熱伝導率が落ちてしまい、
フィルタ内部の温度が上がりきらずにパティキュレート
を完全に再生しきれなくなってしまうからである。
度は、70%以上であることが望ましい。その理由は、配
向度が70%未満になってしまうと、無機繊維が三次元的
に絡み合うことによって長手方向に対するフィルタの伸
縮を抑えることができず、フィルタを過酷な条件の下で
使用した場合には熱応力を解放できなくなり、前記の一
体型セラミック構造体のように熱応力を開放できなくな
る可能性があるからである。
て、炭化珪素ファイバーから選ばれる少なくとも1種以
上の繊維を用い、無機バインダーとして、シリカゾル及
びアルミナゾルから選ばれる少なくとも1種以上のコロ
イダルゾルを用い、有機バインダーは、ポリビニルアル
コール、メチルセルロース、エチルセルロース及びカル
ボメトキシセルロースから選ばれる少なくとも1種以上
の多糖類であることが望ましい。
る構成を備えることがより好ましい。コロイダルゾルの
うち、シリカゾルの含有量は、固形分で、1〜30wt%、
好ましくは1〜15wt%、より好ましくは5〜9wt%であるこ
とが望ましい。この理由は、含有量が1wt%未満では接着
強度の低下を招き、一方、30wt%を超えると熱伝導率の
低下を招くからである。
スの含有量は、固形分で、0.1〜5.0wt%、好ましくは0.2
〜1.0wt%、より好ましくは0.4〜0.6wt%であることが望
ましい。この理由は、含有量が0.1wt%未満ではマイグレ
ーションを抑制できず、一方、5.0wt%を超えると高温の
熱履歴により有機バインダーが焼失し、強度が低下する
からである。
機繊維、有機バインダー、無機バインダー、無機粒子か
らなることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック
構造体である。
またはウィスカーのうち、炭化珪素粉末の含有量は、固
形分で、3〜80wt%、好ましくは10〜60wt%、より好まし
くは20〜40wt%であることが望ましい。この理由は、含
有量が3wt%未満では、熱伝導率の低下を招き、一方、80
wt%を超えると高温時での接着強度の低下を招くからで
ある。
素粉末は、その粒径が0.01〜100μm、好ましくは0.1〜1
5μm、より好ましくは0.1〜10μmであることが望まし
い。この理由は、粒径が100μmを超えると、接着力(強
度)及び熱伝導性の低下を招き、一方、0.01μm未満で
はコスト高になるからである。
化珪素ファイバーから選ばれる少なくとも1種以上の繊
維からなることを特徴とする、請求項1に記載のセラミ
ック構造体である。
維長は、20〜300μmであることが好ましく、50〜200μm
であることがより好ましい。繊維長が20μm未満である
と、その性質が粒子に近くなり接着強度の低下を招く場
合がある。一方、300μmを超えると、接着層に均一に分
散させることが困難になり、やはり接着強度の低下を招
く場合がある。また、その繊維径は3〜15μmであること
が好ましい。繊維径が3μm未満であると、炭化珪素ファ
イバーの強度が低下し容易に切断されてしまうため接着
強度の低下を招く場合があり、一方、15μmを超える
と、シリカゾルとの絡み合いが阻害され、接着強度の低
下を招く場合があり、また、このような太い炭化珪素フ
ァイバーを得ること事態が困難であり原料コストの高騰
を招く。
は、固形分で、3〜80wt%が好ましく、10〜70 wt%がより
好ましく、40〜60 wt%がさらに好ましい。炭化珪素ファ
イバーの含有量が3 wt%未満であると、熱伝導率の低下
を招き、一方、80 wt%を超えると、接着層が高温にさら
された場合に、接着強度の低下を招く。
は、図8のようにシール剤の吐出方向に対して無機繊維
の配向度を70%以上とすることより、セラミック構造体
の耐久性を向上させた点にある。つまり、前記のように
シール剤の吐出速度を速め、細孔ノズルや網目状の仕切
り等を用いて無機繊維の配向度を高めることにより、フ
ィルタの長手方向に対する伸縮を抑える効果が得られ、
過酷な使用条件の下でもフィルタに加わる熱応力を解放
することができる。
優れた熱伝導特性を持つ炭化物または窒化物からなる無
機粒子を加えることによって、セラミック構造体の熱伝
導率を著しく向上させることができる点にある。
熱伝導率に優れ、例えば、排気ガス浄化装置用フィルタ
に用いると、複数のセラミック部材を組み合わせたとき
にできる空隙を埋めると同時に、再生時に温度ピーク現
象を招くことなく、セラミック構造体の破損を有効に防
止することができる。しかも、熱サイクルによるクラッ
クの発生が低減され、フィルタ外周のエッジ部の加熱も
比較的短時間ででき、再生効率を向上させることができ
る。
特徴は、無機繊維に熱伝導性、弾性ともに優れ、セラミ
ック部材と同じ材質からなる炭化珪素ファイバーを用い
ることによって、シール剤の接着性と熱伝導性を向上さ
せるとともに、熱膨張率をセラミック部材と同一にする
ことができる点にある。
接着性を低減させてしまう無機粒子を用いることなく、
シール剤を接着性及び強度に優れる弾性質素材とするこ
とができ、なおかつフィルタに加わる熱応力を解放する
ことができる。その結果、このようなシール剤によって
複数個のセラミック部材を一体に拘束したセラミック構
造体は、十分な耐久性と接着性、熱伝導性を有する。
構造体は、フィルタの伸縮を抑えることにより、過酷な
使用条件下での熱応力によるクラックの発生の防止は勿
論のこと、接着性、熱伝導性をも兼ね備えたシール剤を
有することに特徴がある。
ファイバーが望ましく、接着剤として作用する。この炭
化珪素は、接着性や耐熱性及び弾性に優れると共に、熱
伝導率を高める作用がある。
が望ましく、例えば、アルミナゾル、シリカゾルがある
が、特にシリカゾルが望ましく、接着剤(無機バインダ
ー)として作用する。このシリカゾルは、入手しやす
く、焼成により容易にSiO2となるため高温領域での接着
剤として好適である。
子が望ましく、特に多糖類がより好ましい。具体的に
は、ポリビニルアルコールやメチルセルロース、エチル
セルロース、カルボキシメチルセルロースなどがある
が、特にカルボキシメチルセルロースが望ましく、組立
て時の流動性を確保するために作業性向上に寄与し、常
温領域での優れた接着性を示す。
無機粒子が望ましく、例えば炭化珪素、窒化珪素及び窒
化硼素がある。これらの炭化物や窒化物は、熱伝導率が
非常に大きく、セラミックファイバー表面やコロイダル
ゾルの表面及び内部に介在して熱伝導性の向上に寄与す
る。例えば、炭化珪素の熱伝導率は79.2W/mk、窒化硼素
の熱伝導率は56.7W/mkで、これに対してアルミナの熱伝
導率は33.4W/mk程度であり、特に炭化物や窒化物は、熱
伝導率の改善に効果的であることがわかる。これらの炭
化物または窒化物からなる無機粒子のうち、特に炭化珪
素は熱伝導の点で最適である。即ち、接着性、耐熱性、
耐水性及び熱伝導率をすべて兼ね備えているのが炭化珪
素であることがその理由である。
ィーゼルエンジンに取り付けられる排気ガス浄化装置用
フィルタに具体化した実施例を図1〜図5に基づき詳し
く説明する。図1は、この発明のセラミック構造体を用
いた排気ガス浄化装置用フィルタ1を示す図であり、図2
は、このフィルタの部分断面拡大図である。これらの図
において、排気ガス浄化装置用フィルタ1は、8本の角柱
状のセラミック部材2と4本の断面直角二等辺三角形状の
セラミック部材3を、部材相互間に弾性質素材からなる
シール剤(厚さ2.5〜3.5mm)4を介在させて一体に接
着し、外周加工により円柱状に加工して構成されてい
る。図3〜5は、排気ガス浄化装置用フィルタ1の部分を
構成しているセラミック部材2を示す図である。これら
の図において、角柱状(33mm×33mm×254mm)の
セラミック部材2には、断面略正方形状の貫通孔6がその
軸線方向に沿って規則的に穿設されている。これらの貫
通孔6は、厚さ0.3mmの多孔質な隔壁7によって互いに隔
てられている。各貫通孔6の排気ガス流入側または流出
側のいずれかの一端は、多孔質焼結体製の封止片5によ
って市松模様状に封止されている。その結果、セラミッ
ク部材2の流入側または流出側のいずれか一方のみに開
口するセル8が形成された状態となっている。なお、セ
ル8の隔壁7には、白金族元素やその他の金属元素及びそ
の酸化物等からなる酸化触媒を担持してもよい。担持す
るとパティキュレートの着火温度が低下するためであ
る。また、セラミック部材3は、断面形状が直角二等辺
三角形状であることを除いてセラミック部材2と同様の
構成を有している。そして、本実施例の排気ガス浄化装
置用フィルタ1を構成するセラミック部材2、3の場合、
平均気孔径が10μm、気孔率が43%、セル壁の厚さが0.3m
m、セルピッチが1.8mmに設定されている。本実施例は、
以上説明したような構成にある排気ガス浄化装置用フィ
ルタ1を作成して、そのフィルタの性能評価を行ったも
のである。
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。
m)51.5重量%とβ型炭化珪素粉末22重量%とを湿式混
合し、得られた混合物に有機バインダー(メチルセルロ
ース)と水とをそれぞれ6.5重量%、20重量%ずつ加え
て混練した。次に、可塑剤と潤滑剤を少量加えて更に混
練し、この混練物を押出し整形することにより、ハニカ
ム状の生成形体を得た。次に、この生成形体をマイクロ
波による乾燥機を用いて乾燥し、その後、成形体の貫通
孔6を多孔質焼結体製の封止片5形成用のペーストによっ
て封止した後、再び乾燥機を用いて封止片5用ペースト
を乾燥させた。そして、この乾燥体を400℃で脱脂した
後、更にそれをアルゴン雰囲気下にて2200℃で焼成し,
多孔質でハニカム状のセラミック部材2、3を得た。
末(30 wt%〜50 wt%)、樹脂バインダーPV−5(商品
名:株式会社マルバン社製)(40 wt%〜60 wt%)、及び
助剤としてのグリセリン5 wt%〜10 wt%からなる、セラ
ミックス製の下地層を塗布する。この理由は、下地層を
形成することにより、微細な孔のあるセラミック部材の
外周面へのシール剤の染込みを阻止することができるた
め、接着剤を比較的短時間で十分にムラなく行き渡らせ
ることができるからである。
(アルミナシリケートセラミックファイバー、ショット
含有率3%、繊維長さ0.1〜100mm、繊維径3〜15μm)23.
3 wt%、無機バインダーとしてのシリカゾル(ゾルのSi
O2の換算量は30%)7wt%、有機バインダーとしてのカ
ルボキシメチルセルロース0.5 wt%及び水39 wt%を混
合し、混練して、粘度32Pa・sのシール剤を作成した。
剤を、図6(b)のような開口面積が52 mm2で、アスペクト
比が13の平型ノズルを有する、図6 (a) に示す定量吐出
ポンプにより無機繊維の配向度が90%となるように37g
吐出して、図9に示すとおり、厚さ3.0 mm、幅26mm、
長さ244mmになるように充填した。
出ポンプから吐出されたシール剤を吐出方向に沿って切
断し、その切断面上を100本の繊維についてSEMによ
る撮影を行った。また、シール剤の中心部を繊維配向度
の評価対象とする。この理由は、シール剤を吐出する
際、吐出ポンプの壁面に接する部分ではマトリックスの
塑性流れによって繊維の配高度は高くなり、逆に中心部
ではその影響は小さいため、中心部を評価することによ
り全体の配向度がそれ以上であることが保証されるため
である。
4とを接合して一体化させ、50〜100℃×1時間にて乾
燥、硬化して、図示しない外周加工機を用いて円筒状に
切断、加工し、図1に示すようなフィルタ1を作成した。
イバーを含んで形成された保持シール体17(厚さ4ミ
リ)の層を形成し、図12のような排気ガス浄化装置に設
置した。なお、フィルタ1の排気ガス導入側となる部分
には、フィルタ1を加熱するための電気ヒータ21が設け
られると供に、温度センサ22がフィルタ1の端面に接す
るように設けられている。
ンの排気ガス排出口に接続し、上記エンジンを3000rp
m、60Nmにして12時間運転するパティキュレート捕集試
験を行い、捕集終了後に上記電気ヒータ21を用いて、フ
ィルタ1を600℃に加熱することで、蓄積されたパティキ
ュレートを燃焼除去する再生処理を40分間行う試験を20
サイクル行った。
出方向に切断して、切断面をSEMで観察してクラックの
測定を行ったところ、クラックは発見されなかった。
1と同様であるが、シール剤に含まれる無機繊維の配向
度を、実施例1にあるものに代えて40%として、実施例
1と同条件でパティキュレートの捕集、再生処理を行い
クラックの測定を行ったところ、クラックが多数発見さ
れた。
と同様であるが、シール剤に無機粒子(炭化珪素粉末3
0.2wt%、平均粒径0.3μm)を加え、無機繊維の配向度
を60%として、実施例1と同条件でパティキュレートの
捕集、再生処理を行いクラックの測定を行ったところ、
クラックは発見されなかった。
と同様であるが、シール剤に含まれる無機繊維を、実施
例1にあるものに代えて炭化珪素ファイバー(繊維長さ50
〜200μm、繊維径3〜15μm) 60wt%とし、無機繊維の配
向度を60%として、実施例1と同条件でパティキュレー
トの捕集、再生処理を行いクラックの測定を行ったとこ
ろ、クラックは発見されなかった。
のセラミック構造体を用いたフィルタは、過酷な使用条
件下での運転の際に発生するヒートサイクルや、パティ
キュレートが偏って堆積することにより、再生を行う際
に生じるパティキュレートの燃焼による温度差が生じて
も熱応力を開放することができ、過酷な使用条件下で用
いても、フィルタとしての耐久性に優れることを確認し
た。しかも、このセラミック構造体は、熱伝導性にも優
れるので、フィルタ内部に位置するセラミック部材での
ピーク温度の発生を低減でき、エッジ部分に位置するセ
ラミック構造体の昇温時間を短縮させることができるこ
とから、再生効率の向上を同時に実現させることができ
る。
されるフィルタ1の構成は、上記実施例に記載のものに
限定されることはなく、以下のような構成に変更するこ
とが可能である。例えば、セラミック部材の組み合わせ
数は前記実施例のように12個でなくてもよく、任意の数
にすることが可能である。この場合、サイズ・形状など
の異なるセラミック部材を適宜組み合わせて使用するこ
とも勿論可能である。なお、セラミック部材を複数個組
み合わせた構成を採ることは、大型の排気ガス浄化装置
用フィルタを作成するときに特に有利である。前記実施
例のフィルタ1は、いわば1つの大きなフィルタが軸線方
向に沿って複数個に分割された状態になっているとも捉
えることができる。そこで、例えばフィルタをドーナツ
状に分割した状態、軸線方向に垂直に分割した状態など
にするというような変形例も考えられる。前記実施例に
て示したようなハニカム状のセラミック部材2、3のみに
限られず、例えば三次元網目構造、フォーム状、ヌード
ル状、ファイバー状等を採用することが勿論可能であ
る。また、セラミック部材2、3用の材料として、炭化珪
素以外のものを選択しても勿論よい。フィルタ1を構成
する場合、セラミック部材2、3相互間にヒータを設けて
なる構成としてもよい。この場合、ヒータは金属線であ
ることのみに限定されない。つまり、ヒータは、金属メ
タライズ、導体ペーストの印刷、スパッタリング等とい
った方法によって作成したものであってもよい。
ク構造体を、ディーゼルエンジンに取り付けられる排気
ガス浄化装置用フィルタに具体化した例について説明し
たが、このセラミック構造体の用途は、ディーゼルエン
ジンの排気ガス浄化装置用フィルタに限定されるもので
はない。例えば、熱交換器用部材、あるいは高温流体、
高温蒸気の濾過フィルタとして使用することができる。
を用いたセラミック構造体は、使用条件に関係なく接着
強度に優れ、しかも熱伝導率にも優れるので、例えば、
排気ガス浄化装置用フィルタに適用すると、過酷な使用
条件下においても、耐久性の向上だけでなく、再生時間
の短縮、再生効率を実現することができる。
浄化装置用フィルタを示す斜視図である。
浄化装置用フィルタの部分拡大断面図である。
のセラミック部材を示す斜視図である。
る。
ズルの形状図である。
た図である。
ている図である。
る。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 長手方向に沿って並列する複数の貫通孔
を有し、かつ、これらの貫通孔の各端面は、それぞれ市
松模様状に目封じされていると共に、ガスの入側と出側
とでは開閉が逆の関係にあり、そして、これらの貫通孔
の隣接するもの同士は、多孔質な隔壁を通じて互いに通
気可能にしたセラミック部材を、複数個結束させて集合
体としたセラミック構造体において、前記各セラミック
部材の相互間はシール剤を介して結束されており、前記
シール剤は、少なくとも無機繊維、有機バインダー、無
機バインダーからなり、前記無機繊維の配向度は繊維長
が20〜300μm、繊維径が3〜15μmの条件において、70%
以上であることを特徴とするセラミック構造体。 - 【請求項2】前記シール材は、少なくとも無機繊維、有
機バインダー、無機バインダー、無機粒子からなること
を特徴とする、請求項1に記載のセラミック構造体。 - 【請求項3】前記無機繊維は、炭化珪素ファイバーから
選ばれる少なくとも1種以上の繊維であることを特徴と
する、請求項1または2に記載のセラミック構造体。
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