JP2002175802A - 負極及び非水電解質二次電池 - Google Patents

負極及び非水電解質二次電池

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JP2002175802A
JP2002175802A JP2000370305A JP2000370305A JP2002175802A JP 2002175802 A JP2002175802 A JP 2002175802A JP 2000370305 A JP2000370305 A JP 2000370305A JP 2000370305 A JP2000370305 A JP 2000370305A JP 2002175802 A JP2002175802 A JP 2002175802A
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negative electrode
particles
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secondary battery
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JP2000370305A
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English (en)
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Jun Monma
旬 門馬
Hiroyuki Hasebe
裕之 長谷部
Katsuyuki Sakurai
勝之 櫻井
Asako Sato
麻子 佐藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高電圧且つ大電流充電条件下での電池容量と
充放電効率が向上された負極を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 複数の負極活物質粒子14と前記複数の
負極活物質粒子14を一体化するための樹脂を含有する
複合粒子15及び負極活物質粒子16を含む負極層13
と、前記負極層13が担持される集電体12とを具備す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負極と、この負極
を備えた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩により電子機器の
高性能化、小型化、ポータブル化が進み、これら携帯用
電子機器に使用される電池の高エネルギー密度化の要求
が強まっている。従来、これらの電子機器に使用される
二次電池は、ニッケル・カドミウム電池や鉛電池等が主
流であったが、これらの電池では放電電位が低く、高エ
ネルギー密度化の要求に十分に応えられなかった。
【0003】最近、例えば炭素材料のようなリチウムイ
オンをドープかつ脱ドープが可能な負極活物質を含む負
極と、正極と、非水電解質とを備えたリチウムイオン二
次電池の研究が活発化している。この二次電池は、自己
放電の進行が遅く、かつメモリー効果がないという利点
を有する。また、前記正極の活物質として酸化還元電位
の高いリチウム含有複合酸化物を用いると、電池電圧が
高くなるため、高エネルギー密度の電池を実現できると
いう利点も有する。
【0004】リチウムイオン二次電池の炭素材料とし
て、鱗片状の黒鉛(グラファイト)類が知られている。
鱗片状のグラファイト類は、比較的容易に入手でき、低
結晶性炭素材料に比べて結晶性が高く、かつ真密度が高
いという利点を有する。
【0005】しかしながら、鱗片状のグラファイト類
は、リチウムイオンの吸蔵放出が活発になされる面が面
積の大きい平板面ではなく側面の方であるにも拘わら
ず、負極表面に露出しやすいのは平板面の方であるた
め、鱗片状のグラファイト類を含む負極では、負極活物
質としての利用効率と高電圧で大電流での充放電におけ
る容量並びに充放電効率が低下する。さらに、鱗片状グ
ラファイト類を含めた鱗片状、板状あるいは繊維状の黒
鉛質物は、球状形態を有するものに比べて比表面積が大
きいためにより多くのバインダ樹脂を必要とし、負極中
の活物質の割合を低下せざるを得ないことから、十分な
電池容量を得られないという問題点がある。
【0006】ところで、特開平9−219190号公開
公報には、リチウム含有複合酸化物または炭素材料と、
フッ素系バインダー樹脂とをバインダー樹脂溶解用溶媒
中で混合して正極合剤スラリーまたは負極合剤スラリー
を調製し、そのスラリーをスプレードライ乾燥して球状
の正極合剤粉体または負極合剤粉体とし、その粉体を成
形することにより正極または負極を得ることが開示され
ている。
【0007】しかしながら、前記負極合剤粉体を集電体
に担持させたものを負極として使用することを試みる
と、負極合剤粉体のような球形粉体のみでは集電体との
接触面積が不十分になり、集電体と負極合剤粉体との密
着性が低下するため、充放電に伴って負極に生じる応力
により集電体から負極合剤粉体が剥離しやすくなる。ま
た、負極合剤粉体に含有されるフッ素系バインダー樹脂
により炭素材料のリチウムイオンのドープ・脱ドープの
反応が阻害されやすくなる。よって、かかる負極を備え
た非水電解質二次電池は、高電圧かつ大電流での充放電
において高い容量維持率を得られなくなる。
【0008】一方、特開平9−219188号公開公報
には、保護膜で被覆されたリチウム含有複合酸化物の粉
体または炭素材料の粉体と、フッ素系樹脂バインダーと
をバインダー樹脂溶解用溶媒中で混合して得られるスラ
リーから正極または負極を作製すること、及び、前記保
護膜が非水電解液の非水溶媒及びバインダー樹脂溶解用
溶媒の双方に溶解しない樹脂から形成されていることが
記載されている。
【0009】しかしながら、負極活物質である炭素材料
粉体の表面を保護膜で被覆すると、電解液の非水溶媒と
炭素材料粉体との直接的な接触が妨げられるため、保護
膜がリチウムイオン導電性を有していても、活物質の反
応速度が低下し、高電圧かつ大電流で充放電を行うこと
と高い容量維持率を得ることが困難になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高電
圧且つ大電流充電条件下での電池容量と充放電効率が向
上された負極及び非水電解質二次電池を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る負極は、複
数の負極活物質粒子と前記複数の負極活物質粒子を一体
化するための樹脂を含有する複合粒子及び負極活物質粒
子を含む負極層と、前記負極層が担持される集電体とを
具備することを特徴とするものである。
【0012】本発明に係る非水電解質二次電池は、正極
と、負極と、非水電解質とを具備した非水電解質二次電
池において、前記負極は、複数の負極活物質粒子と前記
複数の負極活物質粒子を一体化するための樹脂を含有す
る複合粒子及び負極活物質粒子を含む負極層と、前記負
極層が担持される集電体とを備えることを特徴とするも
のである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る非水電解質二次電池
は、外装材と、前記外装材内に収納される正極と、前記
外装材内に収納される負極と、前記外装材内に収納され
る非水電解質とを具備する。前記負極は、複数の負極活
物質粒子及び前記複数の負極活物質粒子を一体化するた
めの樹脂を含有する複合粒子を含む負極層と、前記負極
層が担持される集電体を有するものであるが、前記負極
層にはさらに前記複合粒子とは別個に存在する負極活物
質粒子が含有されている。
【0014】以下、正極、負極、非水電解質及びセパレ
ータについて説明する。
【0015】1)負極 複合粒子は、例えば、樹脂の溶液中に負極活物質粒子と
しての炭素材料粒子を分散させ、得られた分散液(スラ
リー)からスプレードライにより造粒を行うことによっ
て得られる。
【0016】前記スプレードライは、例えば、ディスク
式噴霧乾燥装置、並行流型加圧ノズル式噴霧乾燥装置、
並流型加圧ノズル式噴霧乾燥装置、あるいは向流型加圧
ノズル式噴霧乾燥装置のような噴霧乾燥装置等を使用し
て実施することができる。
【0017】前記複合粒子を構成する炭素材料粒子に
は、リチウムをドープかつ脱ドープ可能な炭素質物粒子
またはリチウムをドープかつ脱ドープ可能な黒鉛質物粒
子が使用される。リチウムをドープかつ脱ドープ可能な
炭素質物粒子または黒鉛質物粒子としては、例えば、熱
分解炭素、コークス類、人造黒鉛類、ガラス状炭素類、
有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等を挙げる
ことができる。
【0018】前記複合粒子を構成する炭素材料粒子の形
状は、例えば、鱗片状、板状等にすることができる。前
記複合粒子を構成する炭素材料粒子の形状は、1種類に
揃えても、あるいは鱗片状と板状というように2種類以
上にすることも可能である。
【0019】板状炭素材料粒子は、以下の(1)式で定
める偏平度を2以上、5以下にすることが好ましい。ま
た、鱗片状炭素材料粒子は、以下の(1)式で定める偏
平度を10より大きく、1万以下にすることが望まし
い。
【0020】偏平度=L/T (1) 但し、(1)式において、Lは短径で、すなわち炭素材
料粒子が内接する円の直径を意味し、Tは炭素材料粒子
の厚さを意味する。
【0021】前記複合粒子を構成する炭素材料粒子とし
ては、一次粒子の形状が板状の黒鉛質物粒子及び一次粒
子の形状が鱗片状の黒鉛質物粒子のうち少なくともいず
れか一方を含むものが好ましい。ここで、黒鉛質物粒子
は、粉末X線回折により求められる(002)面の面間
隔d002が0.336nm以下であることが望ましく、
さらに好ましい範囲は0.3358nm以下である。中
でも、鱗片状黒鉛(グラファイト)類が好ましい。鱗片
状黒鉛類は、入手が比較的容易で、低結晶性炭素材料に
比べて結晶性が高いために真密度が高い。このため、鱗
片状黒鉛粒子が樹脂により一体化された複合粒子を含む
負極は、活物質充填密度を高くすることができ、二次電
池のエネルギー密度を向上することができる。
【0022】前記樹脂には、前記炭素材料粒子を結着さ
せる機能を有し、かつ後述する非水電解質に含まれる非
水溶媒に溶解しない樹脂を使用することができる。かか
る樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PV
A)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリエチ
レン(PE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチル
メチルセルロース(HEMC)等を挙げることができ
る。また、前記樹脂は、複合粒子と集電体とを結着させ
る機能を有していることがより望ましい。
【0023】前記分散液中の前記樹脂の含有量は、0.
05〜10重量%の範囲内にすることが好ましい。これ
は次のような理由によるものである。前記樹脂の含有量
を0.05重量%未満にすると、複合粒子の保形性が低
下して複合粒子の形が崩れ易くなる。一方、前記樹脂の
含有量が10重量%を超えると、複合粒子の表面全体が
樹脂で被覆されてリチウムイオンの脱挿入が阻害される
恐れがある。樹脂含有量のより好ましい範囲は0.1〜
5重量%で、さらに好ましい範囲は0.2〜3重量%で
ある。
【0024】前記複合粒子を構成する炭素材料粒子の一
次粒子の最長径は、0.1μm以上、50μm以下の範
囲内にすることが好ましい。これは次のような理由によ
るものである。最長径を0.1μm未満にすると、炭素
材料粒子の微粉化が進行しやすく比表面積の増加幅が大
きくなる傾向があることから、比表面積の増加分を見込
んで樹脂の添加量を多くする必要があり、十分な電池容
量を得られなくなる可能性がある。一方、最長径が50
μmを超えると、炭素材料粒子の一次粒子の最長径が、
形成しようとする複合粒子の大きさに近くなるため、造
粒形態が維持されずに粉末状態になる可能性がある。最
長径の望ましい範囲は3μm以上、30μm以下で、さ
らに好ましい範囲は6μm以上、15μm以下である。
【0025】前記複合粒子の平均粒子径は、10μm以
上、500μm以下にすることが好ましい。これは次の
ような理由によるものである。平均粒径を10μm以下
にすると、複合粒子中の炭素材料粒子の一次粒子の大き
さが小さくなるため、必要な樹脂添加量が増加する可能
性があると共に、負極の電解液含浸性が低下する恐れが
ある。一方、平均粒径が500μmを超えると、複合粒
子と集電体との密着性が低下して負極の内部抵抗が大き
くなる恐れがある。平均粒子径の好ましい範囲は20μ
m以上、100μm以下で、さらに好ましい範囲は30
μm以上、80μm以下である。
【0026】前記複合粒子の形状は、例えば、球状、塊
状等にすることができる。
【0027】この負極は、例えば、複合粒子、炭素材料
粒子、結着剤及び結着剤溶解用溶媒を混合することによ
り負極合剤スラリーを調製し、前記スラリーを集電体に
塗布し、乾燥することにより作製されるか、あるいは前
記負極合剤スラリーを平型バットなどに注ぎ込み、熱風
乾燥により粉末化し、得られた粉末をペレット状にプレ
ス成型することによって作製される。ペレット状の負極
は、コイン型非水電解質二次電池の負極として使用する
ことができる。
【0028】前記負極合剤スラリー中の固形分全体に占
める複合粒子の割合は、2〜80重量%の範囲内にする
ことが好ましい。これは次のような理由によるものであ
る。前記複合粒子の割合を2重量%未満にすると、複合
粒子を形成していない炭素材料粉末が電解液の侵入経路
となる気孔構造を埋めてしまうため、高い放電容量と優
れた充放電効率を得られなくなる恐れがある。一方、前
記複合粒子の割合が80重量%を超えると、集電体と複
合粒子との結着性の低下や、負極内の気孔空間の増大を
生じるため、リチウムイオンと炭素材料との反応性が低
下する恐れがある。前記複合粒子の割合のより好ましい
範囲は20〜75重量%で、さらに好ましい範囲は50
〜70重量%である。
【0029】前記複合粒子とは別個に存在する炭素材料
粒子としては、例えば、熱分解炭素、コークス類、人造
黒鉛類、天然黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合
物焼成体、炭素繊維、活性炭などを挙げることができ
る。中でも、メソフェーズピッチ系炭素繊維が好まし
い。メソフェーズピッチ系炭素繊維は、粉末X線回折に
より求められる(002)面の面間隔d002が0.33
7nm以下であることが望ましく、さらに好ましい範囲
は0.3365nm以下である。また、メソフェーズピ
ッチ系炭素繊維の平均繊維長は、10〜30μmの範囲
内にすることが好ましく、さらに好ましい範囲は16〜
20μmである。
【0030】前記複合粒子とは別個に存在する炭素材料
粒子の形状は、例えば、球状、繊維状、鱗片状、板状等
にすることができる。かかる炭素材料粒子の形状は、1
種類に揃えても、あるいは鱗片状と繊維状というように
2種類以上にすることも可能である。
【0031】前記複合粒子に含有される炭素材料粒子と
前記複合粒子とは別個に存在する炭素材料粒子とは、同
一種類にしても良いし、あるいは異なる種類にしても良
い。
【0032】前記結着剤には、負極合剤スラリーに含有
される溶媒に溶解するものを使用することができる。こ
のような結着剤としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリ
ビニルアルコール(PVA)、スチレンブタジエンラバ
ー(SBR)、ポリエチレン(PE)、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロ
ース(HEMC)等を挙げることができる。かかるフッ
素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(P
VdF)、ポリ六フッ化プロピレン、ポリ三フッ化塩化
エチレン、ポリ五フッ化プロピレン、あるいはこれらの
共重合体等を挙げることができる。中でも、ポリフッ化
ビニリデン(PVdF)が好ましい。
【0033】前記負極合剤スラリーの固形分に占める前
記結着剤の量は、0.3重量%〜10重量%の範囲内に
することが好ましい。これは次のような理由によるもの
である。前記結着剤量を0.3重量%未満にすると、負
極の成形性、あるいは負極層と集電体との密着性が低下
する恐れがある。一方、前記結着剤量が10重量%を超
えると、活物質量が相対的に低下する恐れがあると共
に、活物質表面が結着剤で被覆されることでリチウムイ
オンの脱挿入が阻害される恐れがある。前記結着剤量の
より好ましい範囲は、1〜8重量%で、さらに好ましい
範囲は2〜6重量%である。
【0034】結着剤としてフッ化物系樹脂を使用する場
合、結着剤溶解用溶媒としては、例えば、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミ
ド、テトラハイドロフラン、N−メチル−2−ピロリド
ン等を使用することができる。特に、結着剤としてPV
dFを使用する場合には、N−メチル−2−ピロリドン
が好ましい。また、上記フッ化物系樹脂以外の結着剤
で、水に溶解する樹脂やエマルションとして水に混濁可
能なものは、結着剤溶解用溶媒として水を使用すること
ができる。水に溶解する結着剤としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、
カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチ
ルメチルセルロース(HEMC)等を挙げることができ
る。一方、エマルションとして水に混濁可能な結着剤と
しては、例えば、スチレンブタジエンラバー(SBR)
等を挙げることができる。
【0035】前記集電体としては、多孔質な導電性基
板、または無孔の導電性基板を使用することができる。
前記集電体は、例えば、銅、ニッケル等から形成するこ
とができる。特に、集電体として無孔の導電性基板を使
用することが好ましい。
【0036】2)正極 前記正極は、例えば、正極活物質、導電材及び結着剤を
結着剤溶解用溶媒中で混合することにより正極合剤スラ
リーを調製し、前記スラリーを集電体に塗布し、乾燥す
ることにより作製されるか、あるいは前記正極合剤スラ
リーを平型バットなどに注ぎ込み、熱風乾燥により粉末
化し、得られた粉末をペレット状にプレス成型すること
によって作製される。ペレット状の正極は、コイン型非
水電解質二次電池の正極として使用することができる。
【0037】前記正極活物質としては、例えば、リチウ
ム含有複合酸化物粒子を使用することができる。特に、
リチウム含有複合酸化物としては、組成がLixMO
2(但し、前記Mは遷移金属であり、モル比xは0.0
5≦x≦1.1を示す)で表わされるものが好ましい。
前記組成式で表わされるリチウム含有複合酸化物の中で
も、前記MとしてCo、Ni及びMnよりなる群から選
択される1種以上を使用するものが好ましい。また、前
記MがMnであるリチウム含有複合酸化物には、Lix
Mn24及びLixMnO2が包含される。
【0038】前記導電材としては、例えば、カーボンブ
ラック、グラファイト等を挙げることができる。前記導
電材の形状は、例えば、球状、繊維状、粒状、鱗片状、
板状にすることができる。
【0039】前記結着剤には、フッ素系樹脂を用いるこ
とが望ましい。かかるフッ素系樹脂としては、例えば、
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ六フッ化プロ
ピレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリ五フッ化プロ
ピレン、あるいはこれらの共重合体等を挙げることがで
きる。中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)が好
ましい。
【0040】前記結着剤溶解用溶媒としては、例えば、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチル
ホルムアミド、テトラハイドロフラン、N−メチル−2
−ピロリドン等を使用することができる。特に、結着剤
としてPVdFを使用した場合には、N−メチル−2−
ピロリドンを使用することが好ましい。
【0041】前記集電体としては、多孔質な導電性基
板、または無孔の導電性基板を使用することができる。
前記集電体は、例えば、アルミニウム、ニッケル等から
形成することができる。特に、集電体として無孔の導電
性基板を使用することが好ましい。
【0042】3)非水電解質 この非水電解質には、電解質が溶解された非水溶媒を主
体とする液状非水電解質(非水電解液)、ゲル状非水電
解質等を用いることができる。
【0043】ゲル状非水電解質は、例えば、以下に説明
する方法で調製される。まず、ゲル化剤となるポリマー
と非水溶媒とリチウム塩を混合することにより調製され
たペーストを成膜した後、乾燥させる。得られた薄膜を
正極及び負極の間に介在させて電極群を作製する。この
電極群に前記液状非水電解質を含浸させた後、減圧下で
前記薄膜を可塑化させることにより、電極群にゲル状非
水電解質を保持させる。
【0044】前記ポリマーは、熱可塑性を有することが
好ましい。かかるポリマーとしては、例えば、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(P
AN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)及びポリビニリデンフルオライドヘキサフルオロプ
ロピレン(PVdF−HFP)から選ばれる少なくとも
1種類を用いることができる。
【0045】前記非水溶媒としては、例えば、炭酸エチ
レン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、γ−ブチロラク
トン等の高誘電率溶媒である環状炭酸エステルや、1,
2−ジメトキシエタン、2−メチルテトラハイドロフラ
ン、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチルの
ような低粘度溶媒等を挙げることができる。なかでも、
炭酸エチレンと炭酸メチルエチルとの混合溶媒を好まし
く使用することができる。また、外装材として樹脂層を
含むシートを使用する場合には、高温貯蔵時の外装材の
膨れを抑制することができるため、γ−ブチロラクトン
を含有する非水溶媒が好ましい。
【0046】前記電解質としては、例えば、LiClO
4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiBr、C
3SO3Li、CF3SO3Liなどを挙げることができ
る。
【0047】4)セパレータ 前記正極と前記負極の間にはセパレータを配置すること
ができる。
【0048】前記セパレータは、多孔質シートから形成
することができる。前記多孔質シートとしては、例え
ば、多孔質フィルム、もしくは不織布を用いることがで
きる。前記多孔質シートは、例えば、ポリオレフィン及
びセルロースから選ばれる少なくとも1種類の材料から
なることが好ましい。前記ポリオレフィンとしては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることがで
きる。中でも、ポリエチレンか、あるいはポリプロピレ
ン、または両者からなる多孔質フィルムは、二次電池の
安全性を向上できるため、好ましい。
【0049】5)外装材 前記外装材は、例えば、樹脂層を含むシート(例えば、
ラミネートフィルム)、樹脂フィルム、金属板等から形
成することができる。
【0050】前記シートに含まれる樹脂層は、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン等から形成することがで
きる。前記シートとしては、金属層と、前記金属層の両
面に配置された保護層とが一体化されたシートを用いる
ことが望ましい。前記金属層は、水分を遮断する役割を
なす。前記金属層は、例えば、アルミニウム、ステンレ
ス、鉄、銅、ニッケル等を挙げることができる。中で
も、軽量で、水分を遮断する機能が高いアルミニウムが
好ましい。前記金属層は、1種類の金属から形成しても
良いが、2種類以上の金属層を一体化させたものから形
成しても良い。前記2つの保護層のうち、外部と接する
保護層は前記金属層の損傷を防止する役割をなす。この
外部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2種類以上の
樹脂層から形成される。一方、内部保護層は、前記金属
層が非水電解質により腐食されるのを防止する役割を担
う。この内部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2種
類以上の樹脂層から形成される。また、外装材をヒート
シールにより密封する目的で、かかる内部保護層の表面
(シートの内面)に熱可塑性樹脂を配することができ
る。
【0051】前記樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレ
ンやポリプロピレンのようなポリオレフィンから形成す
ることができる。
【0052】前記金属板は、例えば、鉄、ステンレス、
アルミニウムから形成することができる。
【0053】本発明に係る非水電解質二次電池の一例で
ある円筒形非水電解質二次電池を図1及び図2に示す。
【0054】例えばステンレスからなる有底円筒状の容
器1は、底部に絶縁体2が配置されている。電極群3
は、前記容器1内に収納されている。前記電極群3は、
正極4、セパレ―タ5及び負極6をこの順序で積層した
帯状物を渦巻き状に巻回した構造になっている。
【0055】前記容器1内には、液状非水電解質(非水
電解液)が収容されている。中央部に孔が開口されたP
TC素子7、前記PTC素子7上に配置された安全弁8
及び前記安全弁8に配置された帽子形状の正極端子9
は、前記容器1の上部開口部に絶縁ガスケット10を介
してかしめ固定されている。なお、前記正極端子9に
は、ガス抜き孔(図示しない)となる安全機構が組み込
まれている。正極リ―ド11の一端は、前記正極4に、
他端は前記PTC素子7にそれぞれ接続されている。前
記負極6は、図示しない負極リ―ドを介して負極端子で
ある前記容器1に接続されている。
【0056】前記負極6は、図2に示すように、無孔の
導電性基板からなる集電体12と、前記集電体12に担
持される負極層13とから構成される。前記負極層13
は、多数の鱗片状炭素材料粒子14が樹脂(図示しな
い)により球形に一体化された複合粒子15と、前記複
合粒子15の表面や前記複合粒子15間に存在する繊維
状炭素材料粒子16と、前記複合粒子15と前記繊維状
炭素材料粒子16を前記集電体12に結合させるための
結着剤(図示しない)とを含有する。
【0057】以上説明した本発明に係る非水電解質二次
電池は、複数の負極活物質粒子(例えば、炭素材料粒
子)と前記複数の負極活物質粒子(例えば、炭素材料粒
子)を一体化するための樹脂を含有する複合粒子及び負
極活物質粒子(例えば、炭素材料粒子)を含む負極層
と、前記負極層が担持される集電体とを有する負極を具
備する。
【0058】(1)このような負極は、高い負極密度を
維持しつつ、負極層中の空隙を大きくして液状非水電解
質(非水電解液)を負極に速やかに浸透させることがで
きる。また、複合粒子とは別個に存在する炭素材料粒子
は、複合粒子のように樹脂で一体化されていない分、反
応速度が高い。これらの結果、負極のリチウムイオンの
ドープ且つ脱ドープの反応速度を向上することができ
る。
【0059】(2)本発明に係る負極は、複合粒子を構
成していない炭素材料粒子の存在により、複合粒子同士
の接触に加えて、複合粒子と他の炭素材料粒子との接触
面積を確保することができる。その結果、負極の電子伝
導性と、負極層と集電体との密着性を高くすることがで
きる。
【0060】上記(1)〜(2)の結果、負極としての
利用率が向上されるため、高容量で、かつ充放電効率に
優れた非水電解質二次電池を実現することができる。
【0061】本発明に係る非水電解質二次電池におい
て、前記複合粒子に含有される炭素材料粒子が、一次粒
子の形状が板状の黒鉛質物粒子及び一次粒子の形状が鱗
片状の黒鉛質物粒子のうち少なくともいずれか一方を含
むことによって、このような複合粒子の表面には板状、
鱗片状黒鉛質物粒子の側面が露出しやすいため、複合粒
子形態を取ることで負極表面に板状、鱗片状黒鉛質物粒
子の側面を選択的に露出させることができる。その結
果、負極のリチウムイオン吸蔵・放出速度をさらに向上
させることができるため、高電圧かつ大電流での充放電
効率を高くすることができる。また、板状、鱗片状黒鉛
質物粒子を樹脂により一体化することによって、板状、
鱗片状黒鉛質物粒子の見かけ上の比表面積を低減するこ
とができるため、負極層中の樹脂の添加量を削減するこ
とができる。したがって、負極層中の負極活物質の占有
割合を高くすることができるため、電池容量を向上させ
ることができる。
【0062】また、繊維状炭素材料粒子のような一次粒
子径が大きすぎる等の理由により造粒化が困難な炭素材
料粒子に対して、この炭素材料粒子とは異なる種類の炭
素材料粒子を造粒化して形成された複合粒子を添加する
ことによって、複合粒子とは別個に存在する炭素材料粒
子の特性を生かしつつ、複合粒子の効果(負極の非水電
解液浸透速度や反応速度の向上など)を取り入れた負極
を得ることができる。特に、複合粒子とは別個に存在す
る炭素材料粒子として、メソフェーズピッチ系炭素繊維
を用いることによって、複合粒子間にメソフェーズピッ
チ系炭素繊維が存在し、この炭素繊維の両端部が複合粒
子に突き刺さるような形態を取ることができるため、複
合粒子と炭素材料粒子とを十分な強度をもって一体化さ
せることができ、負極の電子伝導性等を向上させて、高
電圧かつ大電流での充放電効率をより高くすることがで
きる。
【0063】特に、本発明によれば、円筒形非水電解質
二次電池における高電圧かつ大電流充電条件下での電池
容量及び充放電効率を飛躍的に向上することができる。
これは以下に説明するメカニズムによるものと推測され
る。
【0064】円筒形非水電解質二次電池は、正極と負極
をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回する
ことにより作製された電極群と、前記電極群に含浸され
る液状非水電解質(非水電解液)とを備える。このよう
な二次電池の負極集電体として多孔質構造のものを使用
すると、渦巻型電極群を作製する際に電極に加わる引張
り応力や、正極に比べて顕著に生じる充放電時の膨張・
収縮によって負極が破断することが懸念されるため、電
池容量の低下を招く恐れがある。
【0065】このようなことから、円筒形非水電解質二
次電池の負極集電体には、銅箔のような無孔の導電性基
板が多用されている。しかしながら、この無孔の集電体
の両面に負極層を担持させた負極においては、多孔質な
集電体を用いる場合と異なり、電解液が一方の負極層か
ら集電体を通過し、さらに他方の負極層に至るような負
極の集電体を貫通して浸透する経路が存在しない。よっ
て、電解液を負極表面から負極の厚さ方向に沿って深く
浸透させる以外に、負極集電体表面近くに存在する負極
活物質に非水電解液を供給することは難しい。負極集電
体表面近くに存在する負極活物質に非水電解液を供給す
るのは、非水電解質二次電池の高容量化のために、負極
層の蒿密度を上げるほど困難になる。
【0066】本発明のように、前記無孔の集電体に担持
される負極層として、前記複合粒子と炭素材料粒子の双
方を含むものを用いることによって、高密度を維持しつ
つ、負極層の空隙を大きくして負極の電解液浸透速度を
速くすることができる。さらに、リチウムイオンのドー
プ且つ脱ドープの反応速度、電子伝導性及び負極層と集
電体との密着性を改善することができる。その結果、無
孔の負極集電体を用いる円筒形非水電解質二次電池の高
電圧且つ大電流充電条件下における電池容量並びに充放
電効率を飛躍的に向上することができる。
【0067】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0068】(実施例1) <負極の作製>造粒粒子を構成する炭素材料粒子とし
て、積層分布曲線の90%に相当する粒径が6μmの鱗
片状グラファイト(前述した(1)式により算出される
一次粒子の偏平度が30で、粉末X線回折により求めら
れる(002)面の面間隔d002が0.3355nm)
30重量%と、積層分布曲線の90%に相当する粒径が
15μmの鱗片状グラファイト(前述した(1)式によ
り算出される一次粒子の偏平度が48で、粉末X線回折
により求められる(002)面の面間隔d002が0.3
356nm)70重量%を用意した。一方、造粒粒子成
形用の樹脂として、カルボキシメチルセルロース(CM
C)を純水に溶解させて2重量%のCMC水溶液を調製
した。
【0069】なお、鱗片状グラファイトの一次粒子の偏
平度は、以下に説明する方法で算出される。
【0070】すなわち、走査型電子顕微鏡により、炭素
材料粒子を写真撮影し(3000倍)、その粒子につい
て断面像から厚さを測定する。この厚さは測定を同種試
料の炭素材料粒子群について異なる粒子で30粒子測定
し、その平均値を粒子厚さ(T)とする。一方、同種試
料の炭素材料粒子に対し、Feret径を測定する。こ
の時測定した粒径は、粒子像を2つの平行線で挟んだ間
隔となるが、このうち最短距離の平行線間隔を短径とし
て測定する。この短径をやはり異なる粒子で30粒子測
定し、その平均値を短径値(L)とする。以上の粒子厚
さ(T)と短径値(L)から偏平度(L/T)を求め
る。
【0071】前述した炭素材料粒子にCMC水溶液を添
加し、さらに純水を添加して混練することにより固形分
比が25重量%の分散スラリを調製した。この分散スラ
リにSBR(スチレンブタジエンラバー)エマルション
をSBRが炭素材料粒子に対して0.6重量%になるよ
うに添加して混合した。得られた分散スラリを入口温度
が250℃で、出口温度が130℃で、アトマイザ回転
数が1分間に25000であるスプレードライヤー(大
川原加工機製)に投入して噴霧乾燥することにより造粒
粒子を得た。この造粒粒子の走査型電子顕微鏡写真を図
3に示す。図3の顕微鏡写真において、1cmは15μ
mに相当する。
【0072】図3から明らかなように、前述した方法で
得られた造粒粒子は、球状の形態を有していることがわ
かる。また、造粒粒子の表面には、鱗片状グラファイト
の平板面だけでなく側面も露出していることがわかる。
【0073】この造粒粒子20重量%に対して、炭素材
料粒子として株式会社ペトカ製のメソフェーズピッチ系
炭素繊維(平均繊維長が18μmで、粉末X線回折によ
り求められる(002)面の面間隔d002が0.336
2nm)を80重量%添加し、結着剤として2重量%の
CMC水溶液をCMCが粉末粒子全体に対して0.7重
量部になるように添加し、ひきつづきSBRのエマルシ
ョン(固形分48重量%)をSBR固形分で粉末全体に
対し0.8重量部となるように添加した。さらに純水を
全体の固形分比率が58重量%になるように添加し、混
合することにより負極合剤スラリを調製した。この負極
合剤スラリを、コータを用いて厚さ12μmの銅箔の両
面に、乾燥後で1m2当り112g程度の重量になるよ
うに塗布した。乾燥後、ロールプレス機で密度が1.4
5g/cm3になるように圧縮し、帯状の負極を得た。
この負極表面の走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。図
4の顕微鏡写真において、4cmは500μmに相当す
る。
【0074】図4から明らかなように、負極中には造粒
粒子の存在が認められ、また負極表面に多数の気孔が形
成されていることがわかる。
【0075】<正極の作製>正極活物質として一次粒径
が3μmのLiCoO2粒子100重量部に対し、導電
材として鱗片状グラファイト3重量部とアセチレンブラ
ック2.5重量部を添加し、さらにPVdFが12重量
%溶解されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶
液をPVdF固形分で4重量部になるように添加した。
次いで、固形分比が68重量%になるようにNMPを添
加し、混合することにより正極合剤スラリーを調製し
た。得られたスラリーをコーターを用いて厚さ15μm
のアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、ロールプレ
ス機で圧縮成型することにより、帯状の正極を作製し
た。
【0076】<非水電解液の調製>炭酸エチレン39.
7重量%と炭酸エチルメチル60.3重量%からなる非
水溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解させ、
非水電解液を調製した。
【0077】以上のように作製した帯状の負極及び正極
と、厚さが25μmの微多孔性ポリエチレンフィルムか
らなるセパレータとを順に積層して多層捲回することに
より、渦巻型電極体を作製した。この渦巻型電極体をそ
の上下両面に絶縁板を配置した状態でニッケルメッキが
施された鉄製の電池缶に収納した。次いで、アルミニウ
ムから成る正極リードを正極集電体から導出し、電流遮
断装置としてのPTC素子を備えた安全装置を介して電
池蓋に接続した。また、ニッケルから成る負極リードを
負極集電体から導出し、電池缶に溶接した。
【0078】ひきつづき、電池缶内に前記電解液を注入
した後、電池缶内に電池蓋をガスケットを介して配置
し、電池缶に電池蓋をかしめ固定することによって、前
述した図1に示す構造を有し、直径が18mmで、高さ
が65mmで、理論容量が1850mAhである円筒型
非水電解質二次電池を製造した。
【0079】(実施例2)造粒粒子と炭素材料粒子との
配合割合を、造粒粒子60重量%、炭素材料粒子40重
量%にすること以外は、前述した実施例1と同様にして
円筒型非水電解質二次電池を製造した。
【0080】(実施例3)負極の造粒粒子を形成する際
の、スプレードライヤーのアトマイザ回転数を1分間に
30000回転に上げること以外は、前述した実施例1
と同様にして円筒型非水電解質二次電池を製造した。
【0081】(実施例4)負極の造粒粒子を形成する際
の、スプレードライヤーのアトマイザ回転数を1分間に
20000回転に下げること以外は、前述した実施例1
と同様にして円筒型非水電解質二次電池を製造した。
【0082】(実施例5)造粒粒子を構成する鱗片状グ
ラファイトの配合割合を、積層分布曲線の90%に相当
する粒径が6μmの鱗片状グラファイト70重量%、積
層分布曲線の90%に相当する粒径が15μmの鱗片状
グラファイト30重量%に変更すること以外は、前述し
た実施例1と同様にして円筒型非水電解質二次電池を製
造した。
【0083】(比較例1)積層分布曲線の90%に相当
する粒径が6μmの鱗片状グラファイト粉末と積層分布
曲線の90%に相当する粒径が15μmの鱗片状グラフ
ァイト粉末を、重量比が3:7になるように秤取った。
この混合粉末全体を20重量部とし、株式会社ペトカ製
のメソフェーズピッチ系炭素繊維を80重量部用意し
た。また、結着剤として2重量%のCMC水溶液を用意
すると共に、負極合剤スラリ中の固形分比率が58%に
なるような量の純水を用意した。
【0084】まず、CMC水溶液と純水を攪拌器で混合
し、これに鱗片状グラファイトの混合粉末、つづいてメ
ソフェーズピッチ系炭素繊維を投入し、混合分散させ
た。これにSBRエマルション(固形分48重量%)を
SBR固形分で負極活物質粉末全体に対し1.8重量部
になるように添加して混合することにより負極合剤スラ
リを調製した。得られたスラリを用いること以外は前述
した実施例1と同様にして負極を作製した。この負極表
面の走査型電子顕微鏡写真を図5に示す。図5の顕微鏡
写真において、4cmは500μmに相当する。
【0085】図5から明らかなように、負極には造粒粒
子が含まれておらず、また負極の表面には気孔の存在が
認められるものの、その大きさが前述した図4の実施例
1の負極に比べて小さいことがわかる。
【0086】得られた負極から前述した実施例1と同様
にして円筒型非水電解質二次電池を製造した。
【0087】(比較例2)実施例1で説明したのと同様
な造粒粒子のみを負極活物質とすること以外は、前述し
た実施例1と同様にして円筒型非水電解質二次電池を製
造した。
【0088】(電池性能の評価)実施例1〜5および比
較例1〜2の円筒形非水電解液二次電池について、20
℃にて、充電電圧が4.2V、充電電流が360mA
で、8時間充電を行った後、20℃にて7日間放置し
た。その後、放電電流1800mAで3.00Vまで放
電し、放電容量を測定した。測定した充電容量に対する
放電容量の比率を算出し、その結果を100分率で表示
したものを充放電効率として下記表1に示す。
【0089】(負極の微細構造の確認)また、前述した
電池性能評価試験(20℃にて、充電電圧が4.2V、
充電電流が360mAで、8時間充電を行った後、20
℃にて7日間放置し、その後、放電電流1800mAで
3.0Vまで放電する)後の実施例1〜5および比較例
1〜2の円筒形非水電解液二次電池について、各電池を
アルゴン封入したグローブボックス内で分解し、負極を
取り出し、負極層表面の任意の箇所に粘着テープを張り
付けた後、それを剥がし、テープに付着した負極層を走
査型電子顕微鏡で観察した。図6に、実施例1の正極に
ついての走査型電子顕微鏡写真を示す。図6の顕微鏡写
真において、12mmは100μmに相当する。
【0090】図6から明らかなように、実施例1の負極
中の造粒粒子は、充放電を行った後においても造粒粒子
形態を維持していることがわかる。
【0091】また、解体により取り出された負極のうち
実施例1〜5の負極について、負極表面の任意の箇所に
ついての微細構造を走査型電子顕微鏡により倍率500
倍で10視野観察し、得られた顕微鏡写真から、確認さ
れた造粒粒子形態の粒径と、造粒粒子中に認められる一
次粒子(鱗片状グラファイトの一次粒子)の最長径を測
定した。測定径は、Feret径とした。一次粒子について
は、各視野につき20〜30粒子測定し、粒径の測定
は、各視野の粒子像を二本の平行線で挟み、その間隔を
計ることで行った。各視野ごとに一次粒子径の最長径を
決定し、これら最長径の10視野分の平均を算出し、そ
の結果を一次粒子の最長径として下記表1に示す。
【0092】一方、造粒粒子については、各視野につき
1粒子とし、写真に写った粒子像を二本の平行線で挟
み、その間隔を測定すると共に、前記粒子像を前記平行
線と直交する二本の平行線で挟み、その間隔を測定し、
二方向の粒径を測定した。各視野ごとに二方向の粒径の
平均を算出して造粒形態粒子径とし、これら造粒形態粒
子径の10視野分の平均値を算出し、その結果を下記表
1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】表1から明らかなように、多数の炭素材料
粒子が樹脂により一体化されたものからなる造粒粒子
(複合粒子)と炭素材料粉末を含む負極を備えた実施例
1〜5の二次電池は、比較例1〜2の二次電池に比べ
て、放電容量が大きく、充放電効率においても2%程度
の改善が認められた。
【0095】なお、前述した実施例においては、円筒形
非水電解質二次電池に適用した例を説明したが、本発明
は、正極と負極の間にセパレータを介在して渦巻き状に
捲回した後、プレスにより偏平形状に成形した電極群及
び非水電解質が有底矩形筒状の金属製容器内に収納され
た構造の角形非水電解質二次電池、コイン型非水電解質
二次電池、ボタン型非水電解質二次電池、正極、負極及
びセパレータが一体化されている電極群及び非水電解質
が樹脂層を含むシート(例えば、ラミネートフィルム)
製外装材に収納された薄型非水電解質二次電池等に適用
することができる。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、高電圧且つ大電流充電
条件下での電池容量と充放電効率が向上された負極及び
非水電解質二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質二次電池の一例である
円筒形非水電解質二次電池を示す部分切欠斜視図。
【図2】図1の非水電解質二次電池の負極の微細構造の
一例を示す模式図。
【図3】実施例1の非水電解質二次電池の負極に使用さ
れる造粒粒子についての走査型電子顕微鏡写真。
【図4】実施例1の非水電解質二次電池の負極について
の走査型電子顕微鏡写真。
【図5】比較例1の非水電解質二次電池の負極について
の走査型電子顕微鏡写真。
【図6】実施例1の非水電解質二次電池の負極について
の電池性能評価試験後の走査型電子顕微鏡写真。
【符号の説明】
1…容器、 2…絶縁体、 3…電極群、 4…正極、 5…セパレータ、 6…負極、 10…絶縁ガスケット、 12…集電体、 13…負極層、 14…鱗片状炭素材料粒子、 15…複合粒子、 16…繊維状炭素材料粒子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻井 勝之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 佐藤 麻子 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ03 AK03 AL06 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 DJ08 DJ16 DJ17 HJ05 5H050 AA02 AA08 BA17 CA08 CB07 DA03 DA11 EA10 EA23 EA24 EA28 FA17 HA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の負極活物質粒子と前記複数の負極
    活物質粒子を一体化するための樹脂を含有する複合粒子
    及び負極活物質粒子を含む負極層と、前記負極層が担持
    される集電体とを具備することを特徴とする負極。
  2. 【請求項2】 前記負極活物質粒子は炭素材料粒子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の負極。
  3. 【請求項3】 前記複合粒子に含有される炭素材料粒子
    は、一次粒子の最長径が0.1μm以上、50μm以下
    の黒鉛質物粒子から構成されることを特徴とする請求項
    2記載の負極。
  4. 【請求項4】 前記複合粒子の平均粒子径は、10μm
    以上、500μm以下であることを特徴とする請求項3
    記載の負極。
  5. 【請求項5】 前記複合粒子に含有される炭素材料粒子
    は、一次粒子の形状が板状の黒鉛質物粒子及び一次粒子
    の形状が鱗片状の黒鉛質物粒子のうち少なくともいずれ
    か一方を含むことを特徴とする請求項2〜4いずれか1
    記載の負極。
  6. 【請求項6】 前記負極活物質粒子は、メソフェーズピ
    ッチ系炭素繊維から構成されることを特徴とする請求項
    1〜5いずれか1項記載の負極。
  7. 【請求項7】 正極と、負極と、非水電解質とを具備し
    た非水電解質二次電池において、 前記負極は、複数の負極活物質粒子と前記複数の負極活
    物質粒子を一体化するための樹脂を含有する複合粒子及
    び負極活物質粒子を含む負極層と、前記負極層が担持さ
    れる集電体とを備えることを特徴とする非水電解質二次
    電池。
  8. 【請求項8】 前記負極活物質粒子は炭素材料粒子であ
    ることを特徴とする請求項7記載の非水電解質二次電
    池。
  9. 【請求項9】 前記複合粒子に含有される炭素材料粒子
    は、一次粒子の最長径が0.1μm以上、50μm以下
    の黒鉛質物粒子から構成されることを特徴とする請求項
    8記載の非水電解質二次電池。
  10. 【請求項10】 前記複合粒子の平均粒子径は、10μ
    m以上、500μm以下であることを特徴とする請求項
    9記載の非水電解質二次電池。
  11. 【請求項11】 前記複合粒子に含有される炭素材料粒
    子は、一次粒子の形状が板状の黒鉛質物粒子及び一次粒
    子の形状が鱗片状の黒鉛質物粒子のうち少なくともいず
    れか一方を含むことを特徴とする請求項8〜10いずれ
    か1記載の非水電解質二次電池。
  12. 【請求項12】 前記負極活物質粒子は、メソフェーズ
    ピッチ系炭素繊維から構成されることを特徴とする請求
    項7〜11いずれか1記載の非水電解質二次電池。
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