JP2002174833A - 波長変換デバイス - Google Patents

波長変換デバイス

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JP2002174833A
JP2002174833A JP2000373014A JP2000373014A JP2002174833A JP 2002174833 A JP2002174833 A JP 2002174833A JP 2000373014 A JP2000373014 A JP 2000373014A JP 2000373014 A JP2000373014 A JP 2000373014A JP 2002174833 A JP2002174833 A JP 2002174833A
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Hiroshi Sakai
博 酒井
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Hamamatsu Photonics KK
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高効率の波長変換を図ると共に、変換光の波
長が不均一となるのを抑制することが可能な波長変換デ
バイスを提供すること。 【解決手段】 擬似位相整合型波長変換デバイス1は、
分極反転層5が形成された非線型光学結晶3を含んでい
る。分極反転層5は、擬似位相整合条件を満たすよう
に、非線型光学結晶3内における入射光の進行方向に沿
った断面で見て、所定の周期Λで等間隔の同心円状パタ
ーンを呈するように形成されている。基本波7は、同心
円状パターンを呈して形成された分極反転層5の法線方
向から非線型光学結晶3に入射し、反対側から変換光9
が出射する。非線型光学結晶3は、LiNbO3基板に
て構成されている。非線型光学結晶3は、その中心が分
極反転層5の同心円状パターンの中心と一致する円板形
状を呈しており、非線型光学結晶3の入射端面3a及び
出射端面3bは、分極反転層5の同心円状パターンに沿
った形状を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長変換デバイス
に関する。
【0002】
【従来の技術】波長変換デバイスの一つとして、擬似位
相整合(Quasi-Phase-Matching:QPM)型波長変換デ
バイスが知られている(たとえば、特開平5−2891
37号公報参照)。この擬似位相整合型波長変換デバイ
スは、単結晶の非線型光学定数の符号をコヒーレンス長
(基本波と変換光との位相差がπずれる距離)ごとに反
転させて、位相不整合を補償して変換を行うもので、和
周波発生や差周波発生により、透過領域全ての波長への
変換が可能である。
【0003】次に、図11を参照して、従来の擬似位相
整合型波長変換デバイスの構造について説明する。擬似
位相整合型波長変換デバイス101は非線型光学結晶1
03を含んでいる。この非線型光学結晶103には、分
極反転層105が擬似位相整合条件を満たすように所定
の周期で等間隔の直線縞状に形成されている。なお、図
11においては、分極反転層105をわかり易く示すた
めに、分極反転層105が形成されている部分にハッチ
ングを付している。基本波107は、直線縞状に形成さ
れた分極反転層105に垂直な方向から非線型光学結晶
103に入射し、反対側から変換光109が出射する。
上述した構成の擬似位相整合型波長変換デバイス101
では、非線型光学定数の高い方位を伝搬方向に選ぶこと
ができるため、高い変換効率を得ることでき、小型の可
変波長デバイスとして有望である。
【0004】次に、図12及び図13を参照して、図1
2に示されたような構成の非線型光学結晶の作製方法に
ついて説明する。LiNbO3のような強誘電体材料
は、自発分極を反転させることで、非線型光学定数の符
号を反転させることができる。ZカットLiNbO3
板111の+Z面にレジスト113を塗布し(図12
(a))、分極反転層と同じパターンのマスクを用いて
パターニングする(図12(b))。続いて、電極とす
るための金属膜115を蒸着し(図12(c))、レジ
スト113を除去することで金属膜(電極)115のパ
ターンを形成する(図12(d))。その後、金属膜
(電極)115のパターンの上に絶縁膜117を成膜し
(図12(e))、コンタクトウィンドウに対応する部
分の絶縁膜117を除去する(図12(f))。
【0005】そして、図13に示されるように、金属膜
(電極)115のパターンが形成されたLiNbO3
板111をLiClからなる液体電極121で挟み込
み、液体電極121に接している金属膜(電極)115
部分から電界を印加する。これにより、LiNbO3
板111の金属膜(電極)115が形成された部分が自
発分極を反転させて、分極反転層が形成される。液体電
極121は、Oリング123でシールされており、Al
製の薄板型電極125,127を介して電源に接続され
る。Oリング123の外側空間は、Oリング129でシ
ールされており、シリコーンオイル131が充填されて
いる。分極反転層が形成されたLiNbO 3基板111
は、入射端面及び出射端面が研磨され、擬似位相整合型
波長変換デバイスに用いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、擬似位相整
合型波長変換デバイス(非線型光学結晶)では、波長変
換は分極反転層の周期に支配される。分極反転層が直線
縞状に形成されている従来の擬似位相整合型波長変換デ
バイスでは、入射角度がずれてしまうと、その光路での
分極反転層の周期が変わってしまう。デバイス全体を小
型にしたり、変換効率を向上させるためには、図14に
示されるように、集光レンズ141等を用いて基本波1
07を集光する必要がある。基本波107を集光した場
合、図15に示されるように、非線型光学結晶103内
に入射したビームの中心(光軸)付近の光と周辺部の光
とでは入射角度にずれθが生じて、分極反転層105に
対する入射角度にもずれが生じる。これにより、非線型
光学結晶103内に入射したビームの中心での光路での
周期Λに対してビームの端の光路では周期がΛcosθ
に変化し、光の進行方向(光路)での分極反転層105
の周期が変わってしまう。この結果、非線型光学結晶1
03内に入射したビームの周辺部の光が有効に波長変換
されなかったり、変換光109の波長が不均一となると
いう問題が生じることになる。変換光109の波長が不
均一となると、出射光(変換光109)の波長幅が広が
ってしまい、所望の波長の光量が低下することにもな
る。なお、図14及び図15においても、図11と同様
に、分極反転層105が形成されている部分にハッチン
グを付している。
【0007】変換効率を向上するために導波路構造を採
用することも考えられるが、導波路構造を作製する分コ
スト上昇が生じることになる。また、光パラメトリック
共振器(OPO)等の共振器構造を構成する場合には、
導波路構造では共振器を構成することが難しいという問
題も存在する。
【0008】光パラメトリック増幅(OPA)において
は、シグナル光とアイドラ光との2波長の光が発生し、
これらの波長を決定するのは、基本波の光路における分
極反転層の周期である。たとえば、長さLが5mmの非
線型光学結晶に対して周期25μmの直線縞状の分極反
転層を形成し、この非線型光学結晶に波長1.064μ
m、ビーム直径2mmの基本波を、焦点距離5mmのレ
ンズで集光した場合、ビームの端はビームの中心に対し
て10°の入射角度を生じることとなる。このときに発
生するアイドラ光は、ビームの中心と端とで周期が異な
るために、図16に示されるように不均一になってしま
う。
【0009】また、第2光調波発生(SHG)において
は、基本波を入射させるとその半分の波長の変換光を得
ることができるものの、周期が最適値からずれると変換
されなくなる。波長1.064μmの基本波を波長0.
532μmの変換光に変換するには、周期6.8μmで
直線縞状の分極反転層を形成する必要がある。角度許容
幅以上に入射角度が生じる場合、図17に示されるよう
に、ビームの端の部分まで有効に変換されなくなる。な
お、図17において、破線は、基本波の特性を示し、実
線は、第2光調波発生による変換光の特性を示してい
る。ここでは、波長1.064μm、ビーム直径2mm
の基本波を焦点距離5mmのレンズで集光し、角度許容
幅を10°として計算した。変換光は、図17において
斜線で示された部分のみになり、変換効率は20%も低
下することになる。
【0010】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、高効率の波長変換を図ると共に、変換光の波長が不
均一となるのを抑制することが可能な波長変換デバイス
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る波長変換デ
バイスは、所定の周期で分極反転層が形成された非線型
光学結晶を備えた波長変換デバイスであって、分極反転
層は、非線型光学結晶内における入射光の進行方向に沿
った断面で見て、同心円状パターンを呈するように形成
されていることを特徴としている。
【0012】本発明に係る波長変換デバイスでは、分極
反転層が、非線型光学結晶内における入射光の進行方向
に沿った断面で見て、同心円状パターンを呈するように
形成されているので、入射角度に多少のずれがあって
も、それぞれの光の進行方向に対して分極反転層の周期
は同じとなる。これにより、入射光の殆どを波長変換す
ることができ、高効率の波長変換が可能となり、また、
変換光の波長が不均一となるのを抑制することができ
る。
【0013】また、非線型光学結晶に入射する光を同心
円状パターンの中心部分に集光するための光学系を更に
備えており、光学系の焦点領域には、分極反転層が形成
されていないことが好ましい。このように構成した場合
には、同心円状パターンの中心部分に分極反転層が存在
しなくなり、同心円状パターンの中心部分から光学系の
焦点領域がずれた場合においても、変換光の波長が不均
一となるのを抑制することができる。また、光学系の焦
点領域の位置合わせを容易に行うことが可能となり、波
長変換デバイスの組み立てが簡易なものとなる。
【0014】また、非線型光学結晶に入射する光を同心
円状パターンの中心部分に集光するための光学系を更に
備えており、分極反転層は、光学系の焦点領域よりも入
射側となる部分と出射側となる部分とで半周期ずれるよ
うに形成されていることが好ましい。このように構成し
た場合には、同心円状パターンの中心部分から光学系の
焦点領域がずれた場合においても、変換光の波長が不均
一となるのを抑制することができる。
【0015】また、非線型光学結晶の入射端面及び出射
端面は、同心円状パターンに沿った形状を有しているこ
とが好ましい。このように構成した場合には、如何なる
入射角度であっても光の進行方向に対して分極反転層の
周期を確実に同じにすることができる。
【0016】また、非線型光学結晶の入射端面は、非線
型光学結晶に入射する光を同心円状パターンの中心部分
に集光するようにレンズ形状を有し、非線型光学結晶の
出射端面は、変換光を所望の方向に屈折するようにレン
ズ形状を有していることが好ましい。このように構成し
た場合には、集光レンズ等を新たに配設する必要がな
く、波長変換デバイスの小型化が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による波長変換デバイスの好適な実施形態について詳細
に説明する。なお、各図において同一要素には同一符号
を付して説明を省略する。本実施形態においては、本発
明を擬似位相整合型(QPM)波長変換デバイスに適用
した例を示す。
【0018】まず、図1及び図2を参照して、擬似位相
整合型波長変換デバイス1の概略構成について説明す
る。擬似位相整合型波長変換デバイス1は、分極反転層
5が形成された非線型光学結晶3を含んでいる。分極反
転層5は、擬似位相整合条件を満たすように、非線型光
学結晶3内における入射光の進行方向に沿った断面で見
て、所定の周期Λで等間隔の同心円状パターンを呈する
ように形成されている。基本波7は、同心円状パターン
を呈して形成された分極反転層5の法線方向から非線型
光学結晶3に入射し、反対側から変換光9が出射する。
なお、図1及び図2においては、分極反転層5をわかり
易く示すために、分極反転層5が形成されている部分に
ハッチングを付している。
【0019】非線型光学結晶3は、LiNbO3基板に
て構成されている。非線型光学結晶3は、その中心が分
極反転層5の同心円状パターンの中心と一致する円板形
状を呈しており、非線型光学結晶3の入射端面3a及び
出射端面3bは、分極反転層5の同心円状パターンに沿
った形状を有している。
【0020】同心円状パターンを呈する分極反転層5が
形成された非線型光学結晶3の作製方法は、図12及び
図13に示された従来の作製方法を用いることができ
る。レジストのパターニングを行う際に同心円状のマス
クパターンを用いることで、同心円状パターンの金属膜
(電極)を形成することが可能となり、同心円状パター
ンを呈する分極反転層5が形成されることになる。
【0021】本実施形態において、非線型光学結晶3
(LiNbO3基板)は、直径が5mm、厚さが1mm
に設定されている。分極反転層5の周期Λは、25μm
に設定されており、分極反転層5は、200層形成され
ている。
【0022】擬似位相整合型波長変換デバイス1は、非
線型光学結晶3に入射する光(基本波7)を集光するた
めの光学系としての集光レンズ11を備えている。この
集光レンズ11は、その焦点領域が分極反転層5の同心
円状パターンの中心と一致するように配設されており、
基本波7は分極反転層5の同心円状パターンの中心に集
光される。これにより、非線型光学結晶3内に入射した
ビームの中心(光軸)は、分極反転層5の同心円状パタ
ーンの中心を通ることとなる。
【0023】基本波7を集光レンズ11により集光して
非線型光学結晶3に入射させた場合、非線型光学結晶3
内に入射したビームの中心付近の光と周辺部の光とでは
入射角度にずれθが生じる。しかしながら、分極反転層
5が、非線型光学結晶3内における入射光の進行方向に
沿った断面で見て、同心円状パターンを呈するように形
成され、集光レンズ11が基本波7を分極反転層5の同
心円状パターンの中心に集光するので、それぞれの分極
反転層5に対する入射角度にずれが生じることはない。
【0024】以上のことから、本実施形態によれば、図
2に示されるように、非線型光学結晶3内に入射したビ
ームの中心での光路とビームの端の光路では周期Λが変
化することはなく、光の進行方向(光路)での分極反転
層5の周期は同じとなる。これにより、基本波7の殆ど
を波長変換することができ、高効率の波長変換が可能と
なり、また、変換光9の波長が不均一となるのを抑制す
ることができる。
【0025】また、非線型光学結晶3の入射端面3a及
び出射端面3bは、分極反転層5の同心円状パターンに
沿った形状を有していることにより、如何なる入射角度
であっても光の進行方向に対して分極反転層5の周期を
確実に同じにすることができる。
【0026】なお、非線型光学結晶3においては、円形
の分極反転層5は一方向にしか形成することができない
ため、基本波7を分極反転層5が円形でない方向に集光
することはできない。このため、図3に示されるよう
に、シリンドリカルレンズ21を用いて、Y軸方向にお
いてのみ基本波を集光することが好ましい。また、Z軸
方向においても基本波が非線型光学結晶3に入射するよ
うに、長焦点レンズ23等を用いてビーム径を小さくし
ておくことが好ましい。図3に示された非線型光学結晶
3においては、その入射端面3a及び出射端面3bが平
面形状を有している。図3においても、図1及び図2と
同様に、分極反転層5が形成されている部分にハッチン
グを付している。
【0027】擬似位相整合型波長変換デバイス1を光パ
ラメトリック増幅(OPA)に用いた場合、集光レンズ
11の焦点と分極反転層5の同心円状パターンの中心と
を完全に一致させれば、入射角度により変換光9の波長
が不均一となる要因がなくなる。
【0028】たとえば、非線型光学結晶3に波長1.0
64μm、ビーム直径2mmの基本波を、焦点距離5m
mのレンズで集光した場合、非線型光学結晶3から発生
する変換光(アイドラ光)は、図4に示されるスペクト
ル特性を有し、図16に示された従来の波長変換デバイ
スにおける変換光のスペクトル特性と比べても、変換光
の波長が略均一となっている。図4に示されたスペクト
ル特性における波長の幅は、基本波7自体が有している
波長の幅(1cm-1)によるものだけである。なお、強
度(縦軸)の単位は任意定数(a.u.)としている
が、図16に示されたスペクトル特性とは規格化してお
り、強度はそのまま比較できるようになっている。
【0029】次に、集光レンズ11の焦点と分極反転層
5の同心円状パターンの中心とがずれた場合における変
換光9の波長変化について説明する。まず、最も中心に
ある分極反転層5の1周期分における変換光9の波長変
化を計算により求めた。この計算の結果を、図5及び図
6に示す。
【0030】図5は、図1に示された擬似位相整合型波
長変換デバイス1において、集光レンズ11の焦点が分
極反転層5の同心円状パターンの中心から図1における
Y軸方向にずれたときの変換光9の波長変化を示してい
る。実線で示された特性A1は、ビームの中心付近の光
での変換光9の波長変化を表しており、破線で示された
特性A2は、ビームの周辺部の光での変換光9の波長変
化を表している。なお、実線で示された特性B1は、図
14に示された従来の波長変換デバイス(擬似位相整合
型波長変換デバイス)における、ビームの中心付近の光
での変換光の波長変化を表しており、破線で示された特
性B2は、同じく図14に示された従来の波長変換デバ
イスにおける、ビームの周辺部の光での変換光の波長変
化を表している。なお、ビームの中心付近の光と周辺部
の光とでの入射角度のずれθは、10°に設定してい
る。
【0031】図6は、図1に示された擬似位相整合型波
長変換デバイス1において、集光レンズ11の焦点が分
極反転層5の同心円状パターンの中心から図1における
X軸方向にずれたときの変換光9の波長変化を示してい
る。実線で示された特性A3は、ビームの中心付近の光
での変換光9の波長変化を表しており、破線で示された
特性A4は、周辺部の光での変換光9の波長変化を表し
ている。なお、破線で示された特性B4は、図14に示
された従来の波長変換デバイスにおける、ビームの周辺
部の光での変換光の波長変化を表している。なお、図1
4に示された従来の波長変換デバイスにおける、ビーム
の中心付近の光での変換光の波長変化の特性B3は、特
性A3と同じとなる。なお、ビームの中心付近の光と周
辺部の光とでの入射角度のずれθは、10°に設定して
いる。
【0032】集光レンズ11の焦点が分極反転層5の同
心円状パターンの中心から図1におけるY軸方向にずれ
た場合には、図5に示されるように、特性A1と特性A
2とは、その差は小さいものの、Y軸方向のずれが大き
くなるにしたがって変換光9の波長が長波長側にシフト
している。集光レンズ11の焦点が分極反転層5の同心
円状パターンの中心と一致したとき、すなわちY軸方向
のずれが0のときにおける波長からの変化量が、特性B
1と特性B2との差よりも大きくなるのは、Y軸方向の
ずれが2μm程度となったときである。
【0033】集光レンズ11の焦点が分極反転層5の同
心円状パターンの中心から図1におけるX軸方向にずれ
た場合には、図6に示されるように、特性A3は変化し
ないものの、特性A4はX軸方向のずれが大きくなるに
したがって波長が短波長側にシフトしている。特性A4
が特性B4を下回る、すなわち、特性A3と特性A4と
の差が特性B3と特性B4との差よりも大きくなるの
は、X軸方向のずれが11μm程度となったときであ
る。
【0034】このように、集光レンズ11の焦点と分極
反転層5の同心円状パターンの中心とがY軸方向におい
て2μm以上ずれた場合、あるいは、X軸方向で11μ
m以上ずれた場合、本実施形態における擬似位相整合型
波長変換デバイス1は、図14に示された従来の擬似位
相整合型波長変換デバイスよりも性能が低くなってしま
う。
【0035】しかしながら、上述した点は、最も中心に
ある分極反転層5の1周期分における変換光9の波長変
化に関するものである。実際には、分極反転層5は他に
200周期も存在しており、これらの分極反転層5に関
しては、最も中心にある分極反転層5に比して、その半
径が大きいため、周期のずれはずっと小さくなる。
【0036】図7は、各周期毎の変換光9の波長変化を
示したものであり、実線で示された特性C1は、X軸方
向のずれが2μmである場合の変換光9の波長変化を表
し、破線で示された特性C2は、X軸方向のずれが4μ
mである場合の変換光9の波長変化を表し、実線で示さ
れた特性C3は、X軸方向のずれが6μmである場合の
変換光9の波長変化を表し、破線で示された特性C4
は、X軸方向のずれが8μmである場合の変換光9の波
長変化を表し、実線で示された特性C5は、X軸方向の
ずれが10μmである場合の変換光9の波長変化を表し
ている。また、破線で示された特性D1は、図7に示さ
れた従来の波長変換デバイスにおける、ビームの周辺部
の光での変換光の波長変化を表している。なお、いずれ
の特性C1〜C6も、ビームの周辺部の光での変換光9
の波長変化を示しており、ビームの中心付近の光と周辺
部の光とでの入射角度のずれθは、10°に設定してい
る。
【0037】図7からも分かるように、X軸方向のずれ
が2μmである場合には、2周期目から従来の波長変換
デバイスにおける変換光の波長変化に比して波長の短波
長側へのシフト量が少なくなっている。また、X軸方向
のずれが10μmである場合には、6周期目から従来の
波長変換デバイスにおける変換光の波長変化に比して波
長の短波長側へのシフト量が少なくなっている。このよ
うに、集光レンズ11の焦点が分極反転層5の同心円状
パターンの中心からずれたとしても、中心付近の分極反
転層5が有効に機能しないだけであり、そこから発生し
た変換光9は全体の変換光9の強度に比べれば微々たる
ものであり、波長の不均一として顕著に現れるものでは
ない。
【0038】次に、同心円状パターンの中心付近の分極
反転層5による変換光9を除去する変形例を、図8に基
づいて説明する。なお、図8においても、図1及び図2
と同様に、分極反転層5が形成されている部分にハッチ
ングを付している。
【0039】図8に示された変形例では、集光レンズ1
1の焦点領域となる同心円状パターンの中心付近に、分
極反転層5を形成していない。これにより、集光レンズ
11の焦点領域となる同心円状パターンの中心部分に分
極反転層5が存在しなくなり、同心円状パターンの中心
部分から集光レンズ11の焦点領域がずれた場合におい
ても、変換光9の波長が不均一となるのを抑制すること
ができる。また、集光レンズ11の焦点領域となる同心
円状パターンの中心部分に分極反転層5が存在しないの
で、集光レンズ11の焦点領域の位置合わせを容易に行
うことが可能となり、擬似位相整合型波長変換デバイス
1の組み立てが簡易なものとなる。
【0040】図8に示された、最も中心の分極反転層5
のみを形成していない非線型光学結晶3を用いた場合に
は、集光レンズ11の焦点と分極反転層5の同心円状パ
ターンの中心とのずれの許容範囲を5μmにまで拡大す
ることができる。なお、図8においては、最も中心の分
極反転層5のみが形成されていないが、波長変化の度合
いによっては、より多くの分極反転層5を形成しないよ
うにしてもよい。
【0041】また、基本波7を集光している以上、集光
レンズ11の焦点付近の分極反転層5による波長変換の
寄与は大きい。万が一、同心円状パターンの中心付近の
分極反転層5による波長変換が全体に対して支配的とな
る場合には、集光レンズ11の焦点と分極反転層5の同
心円状パターンの中心とが2μm以上ずれてはいけない
ことになる。そこで、集光レンズ11の焦点と分極反転
層5の同心円状パターンの中心とずれの許容範囲を拡大
できる変形例を、図9に基づいて説明する。なお、図9
においても、図1及び図2と同様に、分極反転層5が形
成されている部分にハッチングを付している。
【0042】図9に示された変形例では、同心円状パタ
ーンの中心付近の分極反転層5を基本波7の入射側と変
換光9の出射側とで半分に分けて、この部分の分極反転
層5が、集光レンズ11の焦点領域(同心円状パターン
の中心)よりも基本波7の入射側となる部分と変換光9
の出射側となる部分とで半周期ずれるように形成されて
いる。これにより、同心円状パターンの中心部分から集
光レンズ11の焦点領域がずれた場合においても、変換
光9の波長が不均一となるのを抑制することができる。
図9に示された変形例においては、集光レンズ11の焦
点と分極反転層5の同心円状パターンの中心とのずれの
許容範囲を2.2μmにまで拡大することができる。
【0043】擬似位相整合型波長変換デバイス1を第2
光調波発生(SHG)に用いた場合、図17に示された
基本波の波形全体の部分が有効に変換されることにな
り、変換効率が20%程度向上することになる。集光レ
ンズ11の焦点と分極反転層5の同心円状パターンの中
心とのずれに対する波長変化の挙動は、上述したOPA
の場合と同様となるが、周期が小さくなるために、集光
レンズ11の焦点と分極反転層5の同心円状パターンの
中心とのずれの許容範囲は狭くなる。
【0044】次に、図10に基づいて、本実施形態に係
る擬似位相整合型波長変換デバイスの変形例を示す。な
お、図10においても、図1及び図2と同様に、分極反
転層5が形成されている部分にハッチングを付してい
る。
【0045】この変形例の擬似位相整合型波長変換デバ
イスに含まれる非線型光学結晶33において、その入射
端面33aは、非線型光学結晶33に入射する基本波7
を分極反転層5の同心円状パターンの中心部分に集光す
るようにレンズ形状を有している。また、非線型光学結
晶33の出射端面33bは、変換光9を所望の方向に屈
折するようにレンズ形状を有している。非線型光学結晶
33の入射端面33a及び出射端面33bがレンズ形状
を有することにより、集光レンズ11等を新たに配設す
る必要がなく、擬似位相整合型波長変換デバイス31の
小型化が可能となる。
【0046】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではない。本実施形態においては、非線型光学結晶
3をLiNbO3基板にて構成しているが、これに限ら
れることなく、MgO:LiNbO3基板、LiTaO3
基板、KTP基板、GaAs基板等の擬似位相整合型波
長変換デバイスに適用できる材質にて構成してもよい。
【0047】また、本発明に係る波長変換デバイスは、
上述したOPA、SHG以外に、和周波混合、差周波混
合、共振器構造を有する構成(外部共振器構造、内部共
振器構造、光パラメトリック共振器構造(OPO))に
も用いることができる。
【0048】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、高効率の波長変換を図ると共に、変換光の波長
が不均一となるのを抑制することが可能な波長変換デバ
イスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスを示
す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスを示
す要部拡大概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスの変
形例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスにお
ける変換光のスペクトル特性を示す線図である。
【図5】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスにお
ける、集光レンズの焦点と分極反転層の同心円状パター
ンの中心とのずれに対する変換光の波長の変化を示す線
図である。
【図6】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスにお
ける、集光レンズの焦点と分極反転層の同心円状パター
ンの中心とのずれに対する変換光の波長の変化を示す線
図である。
【図7】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスにお
ける、集光レンズの焦点と分極反転層の同心円状パター
ンの中心とのずれに対する変換光の波長の変化を示す線
図である。
【図8】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスの変
形例を示す要部拡大概略構成図である。
【図9】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスの変
形例を示す要部拡大概略構成図である。
【図10】本発明の実施形態に係る波長変換デバイスの
変形例を示す要部拡大概略構成図である。
【図11】従来の波長変換デバイスを示す概略構成図で
ある。
【図12】従来の波長変換デバイスの作製方法を説明す
るための図である。
【図13】従来の波長変換デバイスの作製方法を説明す
るための図である。
【図14】従来の波長変換デバイスを示す概略構成図で
ある。
【図15】従来の波長変換デバイスを示す要部拡大概略
構成図である。
【図16】従来の波長変換デバイスにおける変換光のス
ペクトル特性を示す線図である。
【図17】従来の波長変換デバイスにおける基本波及び
変換光の入射角度に対する強度の変化を示す線図であ
る。
【符号の説明】
1,101…擬似位相整合型波長変換デバイス、3,3
3,103…非線型光学結晶、3a,33a…入射端
面、3b,33b…出射端面、5,105…分極反転
層、7,107…基本波、9,109…変換光、11,
141…集光レンズ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の周期で分極反転層が形成された非
    線型光学結晶を備えた波長変換デバイスであって、 前記分極反転層は、前記非線型光学結晶内における入射
    光の進行方向に沿った断面で見て、同心円状パターンを
    呈するように形成されていることを特徴とする波長変換
    デバイス。
  2. 【請求項2】 前記非線型光学結晶に入射する光を前記
    同心円状パターンの中心部分に集光するための光学系を
    更に備えており、 前記光学系の焦点領域には、前記分極反転層が形成され
    ていないことを特徴とする請求項1に記載の波長変換デ
    バイス。
  3. 【請求項3】 前記非線型光学結晶に入射する光を前記
    同心円状パターンの中心部分に集光するための光学系を
    更に備えており、 前記分極反転層は、前記光学系の焦点領域よりも入射側
    となる部分と出射側となる部分とで半周期ずれるように
    形成されていることを特徴とする請求項1に記載の波長
    変換デバイス。
  4. 【請求項4】 前記非線型光学結晶の入射端面及び出射
    端面は、前記同心円状パターンに沿った形状を有してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の波長変換デバイ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記非線型光学結晶の入射端面は、前記
    非線型光学結晶に入射する光を前記同心円状パターンの
    中心部分に集光するようにレンズ形状を有し、 前記非線型光学結晶の出射端面は、変換光を所望の方向
    に屈折するようにレンズ形状を有していることを特徴と
    する請求項1に記載の波長変換デバイス。
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