JP2002174576A - 被覆付伝送体の寿命予測方法 - Google Patents

被覆付伝送体の寿命予測方法

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JP2002174576A
JP2002174576A JP2000371296A JP2000371296A JP2002174576A JP 2002174576 A JP2002174576 A JP 2002174576A JP 2000371296 A JP2000371296 A JP 2000371296A JP 2000371296 A JP2000371296 A JP 2000371296A JP 2002174576 A JP2002174576 A JP 2002174576A
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Tetsuya Nakamura
哲也 中村
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車に搭載された被覆付伝送体の摩耗によ
る寿命を、自動車内の実際の環境を考慮して予測する。 【解決手段】 実車環境調査工程1で、自動車内におい
て被覆付伝送体が適用される各種環境を調査し、材料摩
耗特性測定工程2において、被覆付伝送体の被覆材自身
の摩耗特性を測定し、寿命予測計算工程3において、実
車環境調査工程1で得られた調査結果及び材料摩耗特性
測定工程2で得られた摩耗特性に基づいて、被覆材が摩
耗して芯線が外部に導通するまでの寿命を、所定の演算
式に基づいて算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被覆付伝送体の
寿命予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な被覆電線の摩耗試験としては、
ISO6722やJASO D618、JIS C34
06に規定されているブレード往復法とテープ摩耗試験
法とがある。
【0003】ブレード往復法は、被覆電線の被覆材と同
材質で形成されたシートに金属製のブレードを一定荷重
で押し当てて、ブレードを往復摺動させてシートを摩耗
させ、この摩耗によってブレードが導通した時点で、そ
れまで摺動させたブレードの往復回数を記録する方法で
ある。
【0004】一方、テープ摩耗試験法は、上記シートに
テープ状のサンドペーパー(研磨紙)を一定荷重で押し
当てて、シートをサンドペーパーの長手方向に沿って摺
動させ、摩耗によって導通した時点で、摺動したサンド
ペーパーの長さを測定する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の被覆電線の摩耗
試験では、金属製のブレードや研磨紙を用いて試験を行
っていたが、自動車に搭載された被覆電線等の被覆付伝
送体は、現実には金属ブレードや研磨紙と接触すること
はない。したがって、これらの試験から得られたデータ
が、実車での摩耗による寿命を予測できるものではな
く、実車でどのように摩耗が進行するかを表すことはで
きない。摩耗現象を鋭意研究したところ、電線の被覆材
をはじめとする高分子材料は、温度や接触圧力、摩擦係
数、摩擦速度、相手材の種類等によって摩耗性や摩耗形
態が様々に変化し、実車でも電線が置かれる環境によっ
て様々に摩耗形態が変化していることがわかった。故
に、従来のブレード往復法やテープ摩耗試験法で得られ
た試験結果だけでは、自動車搭載時の摩耗を予測できる
ものではなく、より実車搭載時に近い環境下で試験する
ことと、実車での条件を入力して寿命予測することが必
要であった。
【0006】そこで、この発明の課題は、自動車に搭載
された被覆電線または光ファイバ等の被覆付伝送体の摩
耗による寿命を比較的正確に予測することができる被覆
付伝送体の寿命予測方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
請求項1に記載の発明は、芯線の周囲が被覆材で被覆さ
れた被覆付伝送体の寿命を予測する被覆付伝送体の寿命
予測方法であって、自動車内において被覆付伝送体が適
用される環境を調査する実車環境調査工程と、前記被覆
付伝送体の被覆材自身の摩耗特性を測定する材料摩耗特
性測定工程と、前記実車環境調査工程で得られた調査結
果及び前記材料摩耗特性測定工程で得られた前記摩耗特
性に基づいて、前記被覆材が摩耗して芯線が外部に導通
するまでの寿命を、所定の演算式に基づいて算出する寿
命予測計算工程とを備えるものである。
【0008】請求項2及び請求項3に記載の発明は、請
求項1に記載の被覆付伝送体の寿命予測方法であって、
前記実車環境調査工程は、自動車内で前記被覆材に当接
する相手材を特定する接触相手材調査工程と、前記相手
材の前記被覆材への面圧を調査する面圧調査工程と、自
動車内の前記被覆付伝送体が設置される位置の温度を調
査する温度調査工程と、自動車内で前記相手材が前記被
覆材に擦れる際の振動の周波数、振幅及び加速度をそれ
ぞれ調査する周波数調査工程、振幅調査工程及び加速度
調査工程とを備え、前記材料摩耗特性測定工程では、摩
耗試験を行う測定環境温度を前記温度調査工程で得られ
た温度に設定し、前記周波数調査工程、前記振幅調査工
程及び前記加速度調査工程でそれぞれ得られた前記振動
周波数、前記振幅及び前記加速度で、前記面圧調査工程
で得られた面圧をもって前記相手材を前記被覆材に対し
て相対的に摺動し、または所定の摩擦回転体を一方向に
回転させて摩擦を加え、前記被覆材が摩耗した深さの値
または摩耗した体積の値を、摺動距離及び前記面圧で除
算して比摩耗量を演算し、前記寿命予測計算工程は、前
記被覆付伝送体の伝送軸線に直交する横断面での半径、
前記被覆付伝送体の伝送軸線を含む平面内での曲率半
径、前記比摩耗量及び前記面圧を加える前記相手材の荷
重に基づいて、前記被覆材が摩耗して芯線が外部に導通
するまでの寿命を算出するものである。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の被覆付伝送体の寿命予測方法であって、前記寿命予測
計算工程では、コンピュータを用いて前記摺動距離を求
めるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の一の実施の形態
に係る被覆付伝送体の寿命予測方法を示すフローチャー
トである。
【0011】この被覆付伝送体の寿命予測方法は、図1
の如く、被覆電線の被覆材に使用されている高分子材料
自身の耐摩耗性を測定して得られた被覆材自身の摩耗特
性と、予め設定しておいた実車での環境パラメータとを
用いて、これらの値を所定の演算式に代入して、実車で
の摩耗による寿命を予測するものである。
【0012】具体的には、この被覆付伝送体の寿命予測
方法は、被覆付伝送体が適用される自動車の環境を調査
する実車環境調査工程1と、被覆付伝送体の被覆材自身
の摩耗特性を測定する材料摩耗特性測定工程2と、被覆
材が摩耗して芯線が外部に導通するまでの時間あるいは
摩擦距離を所定の演算式に基づいて算出する寿命予測計
算工程3とを備える。
【0013】実車環境調査工程1は、さらに、面圧(接
触応力)調査工程11と、温度調査工程12と、振動の
周波数調査工程13と、振動の振幅調査工程14と、振
動の加速度調査工程15と、接触相手材調査工程16と
を備える。
【0014】面圧調査工程11では、被覆付伝送体が自
動車を構成する部品(相手材)と接触しているときの面
圧(接触応力)を測定する。自動車に搭載されている状
態において、被覆付伝送体と自動車とが接触している箇
所の荷重をロードセル等を用いて測定し、接触荷重と接
触面積を直接求めるか、有限要素法などによる接触応力
の計算から接触応力を求める。
【0015】温度調査工程12では、自動車走行時の被
覆付伝送体の環境温度を、熱電対または放射温度計等を
用いて測定する。
【0016】周波数調査工程13、振幅調査工程14及
び加速度調査工程15は、被覆付伝送体または被覆付伝
送体を支持する母体に加速度センサまたはレーザー式の
変位計等のセンサ類を取り付け、自動車走行時に発生す
る振動の周波数や、振幅及び加速度をそれぞれ同時にま
たは順次に測定する。
【0017】接触相手材調査工程16では、自動車に搭
載される設置場所を考慮し、他の自動車取付部材の中で
接触の可能性の高いものを特定し、その自動車取付部材
の材料を調べておく。
【0018】材料摩耗特性測定工程2は、温度依存性、
周波数(速度)依存性及び面圧依存性を考慮しつつ、
「JIS K7218」等の各種の摩耗試験方法に従っ
て、被覆付伝送体の寿命を予測したい部位について、実
車環境調査工程1で得られた上記の自動車の環境に対応
した条件を当てはめて試験する。具体的には、摩耗試験
を行う測定環境温度を温度調査工程12で得られた温度
に設定し、周波数調査工程13、振幅調査工程14及び
加速度調査工程15でそれぞれ得られた振動の周波数、
振幅及び加速度で、面圧調査工程11で得られた面圧を
もって摩耗試験を実施する。尚、測定結果は、比摩耗量
(mm3/Nm)で表すようにする。具体的に、摩耗試
験の結果として、例えば公知のピンオンディスク型試験
器(JISK7218)を使用して「摩擦距離」を得る
とともに「摩耗した高さ(深さ)」を得た後、実車環境
調査工程1の面圧調査工程11で得られた「面圧」を用
いて、「(摩耗した高さ(深さ))/(面圧×摩擦距
離)」という演算式で比摩耗量を演算する。あるいは、
摩耗試験の結果として「摩耗した高さ(深さ)」の値に
代えて「摩耗した体積」を得るとともに、面圧として治
具の「荷重」の値を測定しておき、例えばピンオンディ
スク型試験器(JIS K7218)を使用して「摩擦
距離」を得て、「(摩耗した体積)/(荷重×摩擦距
離)」という演算式で比摩耗量を演算してもよい。
【0019】寿命予測計算工程3では、図2のような被
覆付伝送体として、その軸線に直交する横断面での半径
rの被覆電線17を、図3のようにその軸線を含む平面
内で所定の曲率半径Rになるように湾曲させ、この状態
の被覆電線17の被覆材17aが相手材との摩擦によっ
て摩耗した際に、一定の単位摩擦距離ΔLによって層状
に摩耗することを仮定して、内部の芯線17bが被覆材
17aから露出して外部に導通するまでの時間または摩
擦距離を計算する。これにより、被覆電線の摩耗面は楕
円になるものと仮定する。
【0020】図3のように被覆電線17を湾曲させて摩
耗させる場合、図4のように摩耗面18が楕円状に形成
される。例として材料摩耗特性測定工程2でピンオンデ
ィスク型試験器(JIS K7218)を使用した場合
を説明すると、一般に、比摩耗量は、摩耗体積を荷重の
値及び摩耗時の摺動距離で除算した値として定義される
ため、比摩耗量をK、面圧を加える治具の荷重をw、楕
円形の摩耗面の短径をa、同じく摩耗面の長径をbと
し、所定のピンオンディスク(摩擦回転体)を回転させ
て摩擦距離Lだけ摩耗面に摩擦を与えたときの摩耗深さ
h(図2及び図3参照)は、次の(1)式で表すことが
できる。
【0021】
【数2】
【0022】ピンオンディスクに対して微少な単位摩擦
距離ΔLだけ被覆電線17の摩耗面を摩擦させたとき
に、層状に摩耗するものと仮定し、これをn回だけ測定
するものとする。この場合、図2のように被覆電線17
の楕円形の摩耗面の短径aがa 1,a2,a3…ajと増大
し、且つ図3のように摩耗面の長径bがb1,b2,b3
…bjと増大することから、摩耗面の面積は、被覆電線
17の被覆材17aの摩耗が進むに従って増大すること
になる。
【0023】具体的に、摩耗面の短径aは、時間の経過
とともに、次の(2)式中のa1,a2,a3…ajのよう
に変化する。
【0024】
【数3】
【0025】尚、(2)式中のhiはi回目に摩耗を行
ったときの摩耗深さから(i−1)回目の摩耗深さを減
算した摩耗深さの差分値である。
【0026】また、摩耗面の長径bは、時間の経過とと
もに、次の(3)式中のb1,b2,b3…bjのように変
化する。
【0027】
【数4】
【0028】さらに(1)式より、摩耗深さh(図2及
び図3参照)は、測定回数を重ねる毎に、次の(4)式
中のh1,h2,h3…hjずつ進行(変化)することにな
る。
【0029】
【数5】
【0030】尚、(4)式中のh0は初期の摩耗深さを
意味している。この(4)式中のaj及びbjに(2)式
中のaj及び(3)式中のbjの値を代入すると、hj
次の(5)式のようになる。
【0031】
【数6】
【0032】被覆電線17の最終的な摩耗深さHは、最
終的には次の(6)式のようになる。
【0033】
【数7】
【0034】この(6)式の右辺の展開結果に(5)式
を代入し、摩耗深さHを得ることができる。そして、こ
の摩耗深さH(図5)が被覆電線17の被覆材17aの
厚さ寸法に等しい時点でのnの値を求め、摩擦距離Lを
次の(7)式のように求める。
【0035】
【数8】
【0036】尚、(6)式の展開結果に(5)式を代入
する場合には、コンピュータを用いて計算を行うのが望
ましい。即ち、上記の(5)式、(6)式及び(7)式
を予めソフトウェアプログラムとしてコンピュータ内に
格納しておき、nの値によって変化するHの値を(5)
〜(7)式で求めた後、Hの値が被覆材17aの厚さに
最も近似したときのnの値と、それに対応する摩擦距離
Lの値を出力し、この摩擦距離Lをもって、被覆電線
(被覆付伝送体)17の寿命予測値とする。このように
コンピュータを用いると、効率的な寿命予測を行うこと
ができるとともに、ΔLの値を小さくできることから、
より正確な計算を行うことができる。
【0037】また、被覆電線17を摩耗するための相手
材としては、自動車に使用されている部品若しくは部品
を構成している材料を試験できる形に加工したものを用
いて比摩耗量を測定することが望ましい。具体例とし
て、ボディの塗料を塗装した金属を相手に摩耗試験を実
施したり、ポリプロピレンなどのプラスチック材料を試
験できる形に加工したものなどが望ましい。
【0038】上記の被覆付伝送体の寿命予測方法に従っ
て、実際にピンオンディスク型試験機(JIS K72
18)を用いて、車載金属部品に実際に使用されている
金属と同材料のディスクを相手材として、自動車の金属
部品と接触する箇所の寿命予測を行ってみると、荷重印
加用治具の荷重wが0.5Nの場合の被覆電線17の被
覆材17aに使用されているPVCの比摩耗量Kは0.
00001mm3/Nmであった。そして、被覆電線1
7の半径rを1.1mmとし、曲率半径Rとして50m
mに曲がった箇所での摩擦距離と摩耗深さ(被覆材が摩
耗する深さ)を計算すると、次の表1及び図6のように
なった。
【0039】
【表1】
【0040】ただし、単位摩擦距離ΔLは5000mと
している。この場合に、被覆材17aの厚さ0.35m
mが摩耗するまでの摩擦距離は520,000mとなっ
た。即ち、被覆電線17が上記の環境下にあるときに、
被覆電線17と相手材とが520,000m以上摩擦さ
れると、芯線17bが露出して外部と導通することが予
測できた。
【0041】尚、上記の説明では、寿命予測の被研対象
として、芯線17bの周囲に被覆材17aを被覆した被
覆電線17を適用したが、その他に例えば光ファイバを
適用してもよく、あるいは、電気絶縁または芯線17b
の保護、シールドなどを目的に、PVC、ポリオレフィ
ン系などの熱可塑性樹脂や、エポキシなどの熱硬化性樹
脂、紫外線によって硬化する紫外線硬化型樹脂、複数の
熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーブレンドまたはポ
リマーアロイ、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂、熱硬化性
樹脂同士をブレンドしたもの、EPDMゴム、シリコー
ンゴムなどのゴム、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属
塩、金属酸化物、セラミックなどの無機化合物と複合化
した樹脂、導電性樹脂とブレンドしたものや金属イオン
のドープしたものなど、高分子材料の被覆材17aで芯
線17bの周囲を被覆したものであれば、どのようなも
のであっても差し支えない。また、被研対象として寿命
予測できる被覆電線17の種類としては、一般的な丸導
体を中心にもつ被覆電線17以外に、複数本の電線を束
ねたものや、エナメル線やフラット電線など、自動車に
搭載される被覆付伝送体であればどのようなものであっ
てもよい。
【0042】また、材料摩耗特性測定工程2において、
被覆材17aの耐摩耗性の具体的な測定方法としては、
JIS K6264やJIS K7218に規定されて
いるプラスチックやゴム材料の摩耗試験方法や、ISO
6722にある電線の摩耗試験方法、あるいは例えば特
願2000−249409号に記載されている試験方法
等、いずれの方法を採用してもよく、試験結果から得ら
れたデータを比摩耗量に換算して材料の入力パラメータ
とすることが可能であれば、どのような方法であっても
よい。
【0043】さらに、上記実施の形態では、被覆付伝送
体の寿命予測の値として、摩擦距離を得るようにしてい
たが、摩耗深さHが被覆材17aの厚み分に達するまで
に要した時間を寿命予測の値として得るようにしてもよ
い。
【0044】以上のように、この被覆付伝送体の寿命予
測方法によると、自動車に搭載された電線または光ファ
イバの摩耗による寿命を予測することができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1〜請求項3に記載の発明によれ
ば、実車環境調査工程で、自動車内において被覆付伝送
体が適用される環境を調査し、材料摩耗特性測定工程に
おいて、被覆付伝送体の被覆材自身の摩耗特性を測定
し、寿命予測計算工程において、実車環境調査工程で得
られた調査結果及び材料摩耗特性測定工程で得られた摩
耗特性に基づいて、被覆材が摩耗して芯線が外部に導通
するまでの寿命を、所定の演算式に基づいて算出するの
で、自動車に搭載された被覆電線または光ファイバの等
の被覆付伝送体の摩耗による寿命を、自動車内の実際の
環境を考慮して比較的正確に予測することができる。
【0046】請求項4に記載の発明によれば、特にコン
ピュータを用いて被覆付伝送体の摩耗による寿命を予測
できるので、効率的な寿命予測を行うことができるとと
もに、摺動距離の変化回数を多くとることで、きめ細や
かな試算を行って正確な寿命予測を行うことができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態に係る被覆付伝送体
の寿命予測方法を示すフローチャートである。
【図2】被覆付伝送体としての被覆電線を示す断面図で
ある。
【図3】被覆付伝送体としての被覆電線を示す側面図で
ある。
【図4】被覆電線の摩耗面を示す図である。
【図5】被覆付伝送体としての被覆電線を示す断面図で
ある。
【図6】実験結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 実車環境調査工程 2 材料摩耗特性測定工程 3 寿命予測計算工程 11 面圧調査工程 12 温度調査工程 13 周波数調査工程 14 振幅調査工程 15 加速度調査工程 16 接触相手材調査工程 17 被覆電線 17a 被覆材 17b 芯線 18 摩耗面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯線の周囲が被覆材で被覆された被覆付
    伝送体の寿命を予測する被覆付伝送体の寿命予測方法で
    あって、 自動車内において被覆付伝送体が適用される環境を調査
    する実車環境調査工程と、 前記被覆付伝送体の被覆材自身の摩耗特性を測定する材
    料摩耗特性測定工程と、 前記実車環境調査工程で得られた調査結果及び前記材料
    摩耗特性測定工程で得られた前記摩耗特性に基づいて、
    前記被覆材が摩耗して芯線が外部に導通するまでの寿命
    を、所定の演算式に基づいて算出する寿命予測計算工程
    とを備える被覆付伝送体の寿命予測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の被覆付伝送体の寿命予
    測方法であって、 前記実車環境調査工程は、 自動車内で前記被覆材に当接する相手材を特定する接触
    相手材調査工程と、 前記相手材の前記被覆材への面圧を調査する面圧調査工
    程と、 自動車内の前記被覆付伝送体が設置される位置の温度を
    調査する温度調査工程と、 自動車内で前記相手材が前記被覆材に擦れる際の振動の
    周波数、振幅及び加速度をそれぞれ調査する周波数調査
    工程、振幅調査工程及び加速度調査工程とを備え、 前記材料摩耗特性測定工程では、 摩耗試験を行う測定環境温度を前記温度調査工程で得ら
    れた温度に設定し、前記周波数調査工程、前記振幅調査
    工程及び前記加速度調査工程でそれぞれ得られた前記振
    動周波数、前記振幅及び前記加速度で、前記面圧調査工
    程で得られた面圧をもって前記相手材を前記被覆材に対
    して相対的に摺動し、または所定の摩擦回転体を一方向
    に回転させて摩擦を加え、前記被覆材が摩耗した深さの
    値または摩耗した体積の値を、摺動距離及び前記面圧で
    除算して比摩耗量を演算し、 前記寿命予測計算工程は、前記被覆付伝送体の伝送軸線
    に直交する横断面での半径、前記被覆付伝送体の伝送軸
    線を含む平面内での曲率半径、前記比摩耗量及び前記面
    圧を加える前記相手材の荷重に基づいて、前記被覆材が
    摩耗して芯線が外部に導通するまでの寿命を算出するこ
    とを特徴とする被覆付伝送体の寿命予測方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の被覆付伝送体の寿命予
    測方法であって、 前記被覆付伝送体は被覆付線条体であり、 前記寿命予測計算工程では、前記被覆付線条体の伝送軸
    線に直交する横断面での半径をr、前記被覆付線条体の
    伝送軸線を含む平面内での曲率半径をR、前記比摩耗量
    をK、前記面圧を加える前記相手材の荷重をw、単位摩
    耗距離をΔL、単位摩耗線距離ΔLをj回繰り返した場
    合のj回目の摩耗深さをhjとした場合に、前記被覆材
    の摩耗深さHに対応する前記単位摩耗線距離ΔLの繰り
    返し回数nを次式で表される演算式に基づいて算出し、
    nで前記単位摩耗線距離ΔLを積算した摺動距離Lを被
    覆付線条体の寿命の値として求めることを特徴とする被
    覆付伝送体の寿命予測方法。 【数1】
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の被覆付伝送体の寿命予
    測方法であって、 前記寿命予測計算工程では、コンピュータを用いて前記
    摺動距離Lを求めることを特徴とする被覆付伝送体の寿
    命予測方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004191360A (ja) * 2002-11-28 2004-07-08 Yazaki Corp 振動をともなう電線及び/又は電線保護部材の屈曲寿命予測方法、その装置、並びにそのプログラム
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JP2013142611A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Sumitomo Wiring Syst Ltd 電線被覆材の耐磨耗性試験方法
RU2536119C1 (ru) * 2013-06-18 2014-12-20 Евгений Викторович Васильев Способ анализа износа

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