JP2002170156A - 飲料抽出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】透明感を有するレギュラーコーヒーと、クレマ
を有するエスプレッソコーヒーとを選択的に生成可能
で、コストを低減することができる飲料抽出装置を提供
する。 【解決手段】レギュラーコーヒーが選択された場合は、
湯ポンプ２０のポンプ駆動モータ２１の回転速度を低く
し、これによって飲料抽出装置１０のシリンダ１１内へ
の単位時間当たりの給湯量を少なくして、シリンダ１１
内の飲料抽出圧力を低くする。一方、エスプレッソコー
ヒーが選択された場合は、ポンプ駆動モータ２１の回転
速度を高くし、シリンダ１１内への単位時間当たりの給
湯量を多くして、飲料抽出圧力を高める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カップ式飲料自動
販売機に搭載される飲料抽出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、飲料抽出装置によってコーヒ
ーの挽き豆原料と湯あるいは蒸気からコーヒー原液を抽
出し、このコーヒー原液をそのまま、あるいは砂糖、ミ
ルク等を加え、カップに入れてユーザーに提供するカッ
プ式飲料自動販売機が知られており、上記飲料抽出装置
としては、湯を用いてレギュラーコーヒー原液を抽出す
るレギュラーコーヒー抽出機と、蒸気を用いて、クレマ
と称される細かな気泡を有するエスプレッソコーヒー原
液を抽出するエスプレッソコーヒー抽出機とが知られて
いる。

【０００３】上記レギュラーコーヒー抽出機は、シリン
ダと、シリンダの上部開口を密閉可能なピストンと、シ
リンダの下部開口を覆う紙製等のフィルタと、販売動作
時に上昇してシリンダの下端に密着し、フィルタを支持
するフィルタブロックと、フィルタブロックから延びる
抽出原液吐出管と、湯ポンプとを備え、シリンダ内に原
料を投入し、シリンダの上部開口をピストンで密閉した
後、湯ポンプによってシリンダ内に湯を一定圧にて加圧
供給することにより、原料と湯からフィルタを介してフ
ィルタブロック側にレギュラーコーヒー原液を濾過・抽
出するようになっている。この抽出原液は次いで抽出原
液吐出管を介して次工程のミキシングボール、カップ等
に給送される。

【０００４】また、上記エスプレッソコーヒー抽出機
は、レギュラーコーヒー抽出機と同様にシリンダ、ピス
トン、フィルタ、フィルタブロック及び抽出原液吐出管
を備えると共に、蒸気ポンプを備え、原料が投入された
シリンダの上部開口を密閉した後、蒸気ポンプによって
シリンダ内に蒸気を一定圧にて加圧供給することによ
り、原料と蒸気からエスプレッソーコーヒー原液を濾過
・抽出するようになっている。

【０００５】尚、原液抽出時にシリンダ内の原料に加わ
る圧力（原液抽出圧力）は、レギュラーコーヒー抽出機
では比較的低く、これにより抽出されるレギュラーコー
ヒー原液は、泡の無い透明感のあるものとされる。一
方、エスプレッソコーヒー抽出機では原液抽出圧力が蒸
気によって高められ、これによってクレマのあるエスプ
レッソコーヒー原液が生成される。

【０００６】更に、上記エスプレッソコーヒー抽出機に
おいて、抽出したエスプレッソコーヒー原液に湯を足す
ことにより、レギュラーコーヒーを生成するようにした
ものも知られている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のレ
ギュラーコーヒー抽出機では、クレマのあるエスプレッ
ソコーヒーを生成することができず、また、エスプレッ
ソコーヒー抽出機によってレギュラーコーヒーを生成す
る場合、クレマのあるエスプレッソコーヒーに湯を足し
ても、クレマが残るため、クリアな透明感のあるレギュ
ラーコーヒーを得ることができなかった。そのため、透
明感のあるレギュラーコーヒーと、クレマのあるエスプ
レッソコーヒーとを選択的に生成・提供するには、飲料
自動販売機においてレギュラーコーヒー抽出機とエスプ
レッソコーヒー抽出機とを併設する必要があり、コスト
高となっていた。

【０００８】従って、本発明の目的は、透明感を有する
レギュラーコーヒーと、クレマを有するエスプレッソコ
ーヒーとを選択的に生成可能で、コストを低減すること
ができる飲料抽出装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項１の本発明では、シリンダ内に原料を投入
し、シリンダの上部開口を密閉した後、湯ポンプによっ
てシリンダ内に湯を加圧供給することにより、シリンダ
の下部開口を覆うフィルタを介して原液を濾過・抽出す
る飲料抽出装置において、前記湯ポンプによるシリンダ
内への湯の単位時間当たりの供給量を可変とする湯ポン
プ制御手段を設けたことを特徴としている。

【００１０】本発明によれば、原液抽出時における湯ポ
ンプからシリンダ内への単位時間当たり給湯量を湯ポン
プ制御手段によって調整することにより、シリンダ内の
抽出原液圧力を変えて、透明感のあるレギュラーコーヒ
ーとクレマのあるエスプレッソコーヒーとを作り分ける
ことができる。

【００１１】請求項２の本発明では、請求項１の本発明
において、前記湯ポンプ制御手段は、湯ポンプのポンプ
駆動モータの回転速度を制御するものであることを特徴
としている。本発明によれば、ポンプ駆動モータの回転
数を制御することにより、シリンダ内への単位時間当た
りの給湯量を変え、これにより抽出原液圧力を変えるこ
とができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１〜図３は本発明の一実施形態
に係るもので、図１は飲料抽出装置を一部断面にて概略
的に示す説明図、図２は湯ポンプの制御系統を示すブロ
ック図、図３は湯ポンプの制御動作を示すフローチャー
トである。

【００１３】図１を参照して、まず、飲料自動販売機１
内の主要構成について説明する。符号１０は飲料抽出装
置であり、この飲料抽出装置１０は、円筒状（上部を除
く）のシリンダ１１と、シリンダ１１の上部開口を密閉
可能なピストン１２と、シリンダ１１の下部開口を覆う
紙製で帯状のフィルタ１３と、販売動作時に上昇してシ
リンダ１１の下端に密着し、フィルタ１３を支持するフ
ィルタブロック１４と、フィルタブロック１４から延び
る抽出原液吐出管１５とを備えている。符号１６は、販
売動作毎にフィルタ１３の新たな使用面をシリンダ１１
下に供給するフィルタ供給ローラ、１７はフィルタ１３
の使用済み面及び原料滓を廃棄する廃棄容器である。

【００１４】また、符号３０はコーヒー豆が収納される
原料キャニスタ３０、３１はコーヒー豆を挽くコーヒー
ミル、３２はコーヒーミル３１で挽かれた原料をシリン
ダ１１内に投入する原料シュートである。尚、シリンダ
１１の上部は水平方向に一部拡大して原料シュート３２
と連通している。

【００１５】更に、符号４０は湯を約９５度で貯留する
湯タンク、４１は湯タンクの湯をシリンダ１１内に供給
するための給湯管、４１ａは給湯電磁弁、４２は給湯管
４１に介設され、シリンダ１１に供給する所定量の湯を
一旦貯める湯貯めボウル、２０は湯貯めボウル４２に貯
められた所定量の湯をシリンダ１１内に加圧供給する湯
ポンプ、４３は給湯管４１の下流側端部に接続された湯
ノズルであり、この湯ノズル４３はピストン１２にこれ
を気密に貫通するように取り付けられている。

【００１６】図２を参照して、上記湯ポンプ２０は、ポ
ンプ駆動モータ（以下単に「モータ」という。）２１を
有しており、このモータ２１は、湯ポンプ制御部２４か
らの制御信号に基づき、モータ駆動回路２３を介してＯ
Ｎ／ＯＦＦ制御及び後述する回転数制御がなされる。従
って、湯ポンプ制御部２４及びモータ駆動回路２３は湯
ポンプ制御手段を構成する。尚、モータ駆動回路２３に
はモータ２１の電源２２が接続されている。また、湯ポ
ンプ制御部２４は、飲料自動販売機１の主制御部５０か
らの制御信号に基づいて上記モータ２１の制御を行う。
この主制御部５０は、自動販売機１における接客制御、
販売制御、コインメック制御等を各端末制御部を介して
統括制御するものである。

【００１７】次に、飲料抽出装置１０の基本動作を説明
する。まず、ユーザーによって飲料自動販売機１の商品
選択ボタン（図示せず）が押されると、原料キャニスタ
３０から所定量のコーヒー豆がコーヒーミル３１に搬出
され、ここでコーヒー豆が挽かれ、この挽き豆原料が原
料シュート３２を介して、開放状態の上部開口からシリ
ンダ１１内に投入される。次いで、ピストン１２が降下
され、シリンダ１１の上部開口が密閉される。次いで、
給湯電磁弁４１ａが所定時間開放され、湯タンク４０か
ら所定量の湯が湯貯めボウル４２に送られ、この湯が湯
ポンプ２０に送られる。湯ポンプ２０はこの湯を湯ノズ
ル４３を介してシリンダ１１内に加圧供給する。これに
よってシリンダ１１の内圧が上昇し、挽き豆原料と湯か
らフィルタ１３を介してシリンダブロック１４側にコー
ヒー原液が濾過・抽出される。この抽出原液は、次いで
抽出原液吐出管１５を通ってカップ２、あるいはミキシ
ングボール（図示せず）に給送される。

【００１８】以上の飲料抽出装置１０では、上記原液抽
出時におけるシリンダ１１の内圧（原液抽出圧力）を、
以下のようにして、低圧モードと高圧モードとに選択的
に切り換えることにより、前者によってレギュラーコー
ヒー（以下「ＲＣ」）原液を、後者によってエスプレッ
ソコーヒー（以下「ＥＣ」）原液を生成することができ
る。

【００１９】即ち、図２及び図３を参照して、湯ポンプ
２０の待機状態（Ｓ１）、即ち販売待機状態から、ユー
ザーによってＲＣが選択された場合は（Ｓ２）、主制御
部５０は湯ポンプ制御部２４にＲＣ選択信号を送る。こ
れにより、湯ポンプ制御部２４はモータ駆動回路２３を
介して、電源２２からモータ２１への印加電圧を１２Ｖ
とし（Ｓ３）、これによりモータ２１の回転速度は（後
述の高モードに対し）低モードとなる（Ｓ４）。一方、
ＥＣが選択された場合は（Ｓ２）、主制御部５０は湯ポ
ンプ制御部２４にＥＣ選択信号を送り、これにより、湯
ポンプ制御部２４は電源２２からモータ２１への印加電
圧を２４Ｖとし（Ｓ５）、モータ２１の回転速度は高モ
ードとなる（Ｓ６）。

【００２０】モータ２１の回転速度が低モードの場合、
湯ポンプ２０からシリンダ１１内への湯の単位時間当た
りの供給量は、高モードに比べ少なく、従って、給湯時
（Ｓ７）においてシリンダ１１の原液抽出圧力は上記低
圧モードとなり、これにより透明感のあるＲＣ原液が得
られる。一方、モータ２１の回転速度が高モードの場
合、湯ポンプ２０からシリンダ１１内への湯の単位時間
当たりの供給量は、低モードに比べ多く、従って、給湯
時（Ｓ７）においてシリンダ１１の原液抽出圧力は上記
高圧モードとなり、これによりクレマのあるＥＣ原液が
得られる。このように、本実施形態では、一機の飲料抽
出装置１０によって透明感のあるＲＣと、クレマを有す
るＥＣとを作り分けることができる。

【００２１】尚、以上の例では、モータ２１の回転速度
の高低の切り換えを、印加電圧を変えて行ったが、これ
に限らず、例えばＰＷＭ制御等のパルス制御その他の公
知の方法で行うことができる。また、モータ２１の回転
速度を高・低モードのみならず、更にその中間等のモー
ドを設定することにより、飲料抽出圧力をよりきめ細か
く調整して、多様な抽出原液を生成することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１の本発明に
よれば、湯ポンプ制御手段によって、原液抽出時におけ
るシリンダ内への単位時間当たり給湯量を少なくするこ
とにより、シリンダ内の抽出原液圧力を下げて、泡の無
い透明感のあるレギュラーコーヒーを生成することがで
きると共に、単位時間当たりの給湯量を多くすることに
より、シリンダ内の抽出原液圧力を上げて、クレマのあ
るエスプレッソコーヒーを生成することができる。その
ため、一機の飲料抽出装置によってレギュラーコーヒー
とエスプレッソコーヒーとを生成可能で、レギュラーコ
ーヒー抽出機とエスプレッソコーヒー抽出機とを併設す
る場合に比べ、コストを大幅に低減することができる。

【００２３】請求項２の本発明によれば、湯ポンプのポ
ンプ駆動モータの回転数を制御することにより、シリン
ダ内への単位時間当たりの給湯量を変え、これにより抽
出原液圧力を変えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】飲料抽出装置を一部断面にて概略的に示す説明
図

【図２】湯ポンプの制御系統を示すブロック図

【図３】湯ポンプの制御動作を示すフローチャート

【符号の説明】

１…カップ式飲料自動販売機、１０…飲料抽出装置、１
１…シリンダ、１２…ピストン、１３…フィルタ、１４
…フィルタブロック、１５…抽出原液吐出管、２０…湯
ポンプ、２１…ポンプ駆動モータ、２２…電源、２３…
モータ駆動回路、２４…湯ポンプ制御部、４０…湯タン
ク、４１…給湯管、４３…湯ノズル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダ内に原料を投入し、シリンダの
   上部開口を密閉した後、湯ポンプによってシリンダ内に
   湯を加圧供給することにより、シリンダの下部開口を覆
   うフィルタを介して原液を濾過・抽出する飲料抽出装置
   において、 前記湯ポンプによるシリンダ内への湯の単位時間当たり
   の供給量を可変とする湯ポンプ制御手段を設けたことを
   特徴とする飲料抽出装置。
2. 【請求項２】 前記湯ポンプ制御手段は、湯ポンプのポ
   ンプ駆動モータの回転速度を制御するものであることを
   特徴とする請求項１記載の飲料抽出装置。