JP2002167327A - 固形製剤 - Google Patents

固形製剤

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JP2002167327A
JP2002167327A JP2001290149A JP2001290149A JP2002167327A JP 2002167327 A JP2002167327 A JP 2002167327A JP 2001290149 A JP2001290149 A JP 2001290149A JP 2001290149 A JP2001290149 A JP 2001290149A JP 2002167327 A JP2002167327 A JP 2002167327A
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compound
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alkyl group
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JP2001290149A
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Yoshinori Nakano
慶則 仲野
Shuji Yoneyama
修司 米山
Tadashi Ochi
匡 越智
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】難水溶性で撥水性の高い生理活性物質を高含量
有する造粒末、および該造粒末を含有する、崩壊性およ
び生理活性物質の溶出性に優れる固形製剤の提供。 【解決手段】生理活性物質およびセルロース系崩壊剤
を含有してなる造粒末、生理活性物質、セルロース系
崩壊剤および結合剤を含有してなる造粒末、または
記載の造粒末、セルロース系崩壊剤およびステアリン
酸系滑沢剤を配合してなる固形製剤および楕円型錠剤
である記載の固形製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、造粒末、固形製剤
およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】難水溶性で撥水性の高い生理活性物質の
高含有製剤の造粒工程において、通常の水に結合剤を溶
解あるいは一部分散した結合剤溶液では造粒が進まず、
かつ打錠工程までの工程で操作性が悪く、打錠して得ら
れる素錠における生理活性物質の含量均一性も危惧され
る。また、通常、固形製剤の剤形としては錠剤が選択さ
れ、錠剤形状は、服用性および製造性の観点より円形が
選択される。しかしながら、錠剤中の生理活性物質の含
有量および含有率の観点より、錠剤重量を大きくする必
要がある場合、服用性が悪く、また、薬物溶出が遅れ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】難水溶性で撥水性の高
い生理活性物質を、均一に、かつ高含量有する造粒末は
得られていない。また、従来、既知の造粒末から崩壊性
のよい固形製剤および生理活性物質を高含量有する固形
製剤は未だ得られていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決するため鋭意研究を進め、セルロース系崩壊
剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム
(以下、CMC−Caと略称することもある)など)を
含有させることにより、難水溶性および(または)撥水
性である生理活性物質(例えば、性腺刺激ホルモンGnRH
(Gonadotropinreleasing hormone)拮抗作用を有する
生理活性物質)であっても打錠工程までの操作性が良好
で、且つ、生理活性物質を均一に、高含量で含有する造
粒末、ひいては生理活性物質を均一、高含量で含有する
固形製剤を得ること、特に該生理活性物質、セルロース
系崩壊剤および結合剤(例えば、ヒドロキシメチルセル
ロース(以下、HPCと略称することもある)など)を
含む溶液(または懸濁液)を混合させることにより打錠
工程までの操作性が良好な造粒末が得られること、且
つ、生理活性物質を均一に、高含量含有する造粒末、ひ
いては生理活性物質を均一、高含量で含有する固形製剤
が得られることを見出した。さらに、該造粒末を配合し
てなる固形製剤が崩壊性に優れた固形製剤となりうるこ
とを見出した。また、該固形製剤を錠剤、特に楕円形錠
剤にすることにより、予想外にも溶出性が向上すること
を見出した。また、該生理活性物質が光に対して着色変
化を起こし不安定である場合、フィルムコーティング錠
にすることにより、非遮光下でも長期間に安定に保存で
きることも見出した。上記の件についてさらに研究した
結果、本発明を完成するに至った。
【0005】(1)生理活性物質とセルロース系崩壊剤
を含有してなる造粒末; (2)セルロース系崩壊剤がカルボキシメチルセルロー
スカルシウム、カルボキシメチルセルロース、クロスカ
ルメロースナトリウムまたは低置換度ヒドロキシプロピ
ルセルロースから選ばれる化合物または2以上の化合物
を組み合わせてなる崩壊剤である上記(1)記載の造粒
末; (3)セルロース系崩壊剤がカルボキシメチルセルロー
スカルシウムである上記(1)記載の造粒末; (4)生理活性物質が難水溶性である上記(1)記載の
造粒末; (5)生理活性物質が撥水性である上記(1)記載の造
粒末; (6)生理活性物質が難水溶性かつ撥水性である上記
(1)記載の造粒末; (7)生理活性物質の接触角が80度以上である上記
(1)記載の造粒末; (8)生理活性物質が、式
【化15】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - - は単結
合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
化合物またはその塩〔以下、化合物(X)と略記するこ
ともある〕である上記(1)記載の造粒末; (9)化合物(X)が、式
【化16】 〔式中、R1およびR2は、それぞれ水素原子、ヒドロキ
シ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ−カルボニ
ル基または置換基を有していてもよいC1-4アルキル基
を、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基また
は置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ基を示す
か、または隣接する2つのR3が連結してC1-4アルキレ
ンジオキシ基を形成してもよく、R4は水素原子または
1-4アルキル基を、R6は置換基を有していてもよいC
1-4アルキル基または式
【化17】 (式中、R5は水素原子を示すか、またはR4とR5とが
連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、お
よびnは0〜5の整数を示す〕で表される化合物または
その塩〔以下、化合物(I)と略記することもある〕で
ある上記(8)記載の造粒末; (10)化合物(X)が、5−(N−ベンジル−N−メ
チルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェニル]
−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,
4(1H,3H)−ジオンまたはその塩である上記
(8)記載の造粒末; (11)化合物(X)が、式
【化18】 〔式中、R9は置換されていてもよいC1-7アルキル基、
置換されていてもよいC 3-7シクロアルキル基、置換さ
れていてもよいC1-6アルコキシアミノ基または置換さ
れていてもよいヒドロキシアミノ基を、R10は置換され
ていてもよいC1-7アルキル基または置換されていても
よいフェニル基をそれぞれ示し、R9が無置換のC1-7
ルキル基である場合、R10は置換されたC1-7アルキル
基または置換されたフェニルを示す〕で表される化合物
またはその塩〔以下、化合物(VIII)と略記することも
ある〕である上記(8)記載の造粒末; (12)化合物(X)が、3−(N−ベンジル−N−メ
チルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチ
リル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4
−[(1−ヒドロキシシクロプロピル)カルボニルアミ
ノ]フェニル]−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
ジンまたはその塩である上記(8)記載の造粒末; (13)生理活性物質、セルロース系崩壊剤および結合
剤を含む溶液を混合し、乾燥してなる上記(1)記載の
造粒末; (14)結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、α化
デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、デキストリンおよびプルランか
ら選ばれる化合物または2以上の化合物を組み合わせて
なる結合剤である上記(13)記載の造粒末; (15)結合剤がヒドロキシプロピルセルロースである
上記(13)記載の造粒末; (16)結合剤を含む溶液が、アルコール溶液である上
記(13)記載の造粒末; (17)アルコールが炭素数1ないし3のアルコールで
ある上記(16)記載の造粒末; (18)アルコールがエタノールである上記(16)記
載の造粒末; (19)打錠用である上記(1)記載の造粒末; (20)生理活性物質、セルロース系崩壊剤および結合
剤を含む溶液を混合し、乾燥することを特徴とする造粒
末の製造法; (21)上記(1)ないし(18)記載の造粒末を配合
してなる固形製剤; (22)上記(1)ないし(18)記載の造粒末、セル
ロース系崩壊剤およびステアリン酸系滑沢剤を配合して
なる上記(21)記載の固形製剤; (23)セルロース系崩壊剤がカルボキシメチルセルロ
ースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、クロス
カルメロースナトリウムまたは低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロースから選ばれる化合物または2以上の化合
物を組み合わせてなる崩壊剤である上記(22)記載の
固形製剤; (24)セルロース系崩壊剤がカルボキシメチルセルロ
ースカルシウムである上記(22)記載の固形製剤; (25)ステアリン酸系滑沢剤がステアリン酸マグネシ
ウムである上記(22)記載の固形製剤; (26)フィルムコーティング錠である上記(21)記
載の固形製剤; (27)楕円形錠剤である上記(21)記載の固形製
剤; (28)カプセル剤である上記(21)記載の固形製
剤; (29)顆粒・細粒剤である上記(21)記載の固形製
剤; (30)化合物(I)を含有してなる造粒末; (31)5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチ
ル)−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−[4
−(3−メトキシウレイド)フェニル]−3−フェニル
チエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3
H)−ジオンまたはその塩を含有してなる上記(30)
記載の造粒末; (32)化合物(I)と結合剤を含む溶液とを混合し、
乾燥してなる上記(30)記載の造粒末; (33)結合剤がヒドロキシプロピルセルロース、α化
デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、デキストリンおよびプルランか
ら選ばれる化合物または2以上の化合物を組み合わせて
なる結合剤である上記(32)記載の造粒末; (34)結合剤を含む溶液がアルコール溶液である上記
(32)記載の造粒末; (35)アルコールが炭素数1ないし3のアルコールで
ある上記(34)記載の造粒末; (36)アルコールがエタノールである上記(34)記
載の造粒末; (37)打錠用である上記(30)記載の造粒末; (38)化合物(I)と、結合剤を含む溶液とを混合
し、乾燥することを特徴とする造粒末の製造法; (39)上記(30)ないし(36)記載の造粒末を配
合してなる固形製剤。 (40)上記(30)ないし(36)記載の造粒末、セ
ルロース系崩壊剤およびステアリン酸系滑沢剤を配合し
てなる上記(39)記載の固形製剤; (41)セルロース系崩壊剤がカルボキシメチルセルロ
ースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、クロス
カルメロースナトリウムまたは低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロースから選ばれる化合物または2以上の化合
物を組み合わせてなる崩壊剤である上記(40)記載の
固形製剤; (42)セルロース系崩壊剤がカルボキシメチルセルロ
ースカルシウムである上記(40)記載の固形製剤; (43)ステアリン酸系滑沢剤がステアリン酸マグネシ
ウムである上記(40)記載の固形製剤; (44)フィルムコーティング錠である上記(39)記
載の固形製剤; (45)楕円形錠剤である上記(39)記載の固形製
剤; (46)カプセル剤である上記(39)記載の固形製
剤; (47)顆粒・細粒剤である上記(39)記載の固形製
剤; (48)性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤である上
記(39)記載の固形製剤; (49)性ホルモン依存性疾患予防・治療剤である上記
(39)記載の固形製剤などに関する。
【0006】本発明に用いられる「生理活性物質」とし
ては、分子量が約1000以下、好ましくは約900以
下、さらに好ましくは約800以下、特に好ましくは約
700以下の物質が好ましい。本発明において「生理活
性」物質は、難水溶性または/および撥水性である場合
に、その効果が顕著に現れる。本発明で用いられる「難
水溶性である生理活性物質」の溶解度は、例えば0.1
%(W/V)以下、好ましくは0.01%(W/V)以
下である。ここで溶解度とは、第14改正日本薬局方記
載の第2液〔0.2Mリン酸緩衝液(pH約6.8)〕
に、薬物を過剰に添加後、例えばRecipro Sh
aker(モデルSR−I、大洋科学工業(株))を用
いて1分間に100回以上の振とうを、室温(約15〜
約25℃)にて、30分以上施した後、溶け残りの薬物
を遠心分離して得られる上清中の薬物濃度を示す。
【0007】本発明で用いられる「撥水性である生理活
性物質」とは、ぬれにくい、即ち接触角の大きい物質な
どが挙げられる。具体例としては、生理活性物質を、島
津オートグラフ(AG−5000B型)(島津製作所
製)を用いて、荷重1ton/cm2にて、直径13m
mの圧縮成型物(300mg)とし、その表面に、注射
筒を用いて精製水を1滴滴下し、滴下15秒後の水滴の
接触角を、自動接触角計(CA−Z型)(協和界面科学
製)で測定した値が、40度以上、好ましくは60度以
上、さらに好ましくは80度以上を示す物質などが挙げ
られる。撥水性の高い物質の代表例であるステアリン酸
マグネシウム、後述の化合物A(5−(N−ベンジル−
N−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロ
ベンジル)−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェ
ニル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン
−2,4(1H,3H)−ジオン)、および後述の化合
物B(3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)
−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6
−ジフルオロベンジル)−2−[4−[(1−ヒドロキ
シシクロプロピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4
−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン)の接触角を上
記の方法で測定した結果、それぞれ約96度、約90度
および約88度を示した。
【0008】また、本発明に用いられる「生理活性物
質」としては、GnRHアンタゴニスト、GnRHアゴ
ニスト、抗生物質などが挙げられる。このうち、GnR
Hアンタゴニストが好ましい。該「GnRHアンタゴニ
スト」としては、GnRH拮抗作用を有する化合物であ
ればいずれでもよく、例えば、式
【化19】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - - は単結
合または二重結合を示す〕で表される部分構造(基本骨
格)を有する化合物またはその塩、より具体的には、上
記化合物(I)、化合物(VIII)またはそれらの塩など
が挙げられる。
【0009】上記式(I)中の各置換基の定義を以下に
記す。R1またはR2で示される「C1-4アルコキシ基」
としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げ
られる。このうち、C1-3アルコキシ基が好ましい。さ
らに好ましくはメトキシである。R1またはR2で示され
る「C1-4アルコキシ−カルボニル基」としては、例え
ば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシ
カルボニル、tert-ブトキシカルボニルなどが挙げられ
る。このうち、C1-3アルコキシ−カルボニル基が好ま
しい。さらに好ましくはメトキシカルボニルである。R
1またはR2で示される「置換基を有していてもよいC
1-4アルキル基」の「C1-4アルキル基」としては、例え
ば直鎖状C1-4アルキル基(例、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチルなど)、分枝状C3-4アルキル基(例、イ
ソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルな
ど)などが挙げられる。このうち、C1-3アルキル基が
好ましい。とりわけ、エチルが好ましい。
【0010】R1またはR2で示される「置換基を有して
いてもよいC1-4アルキル基」の「置換基」としては、
例えば(i)ヒドロキシ、(ii)C1-7アシルオキシ
(例、アセトキシ、プロピオニルオキシなどのC1-6
ルキル−カルボニルオキシ)、(iii)ベンゾイルオキ
シ、(iv)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカ
ルボニルなど)、ベンジルオキシカルボニル、C1-4
シル(例、アセチル、プロピオニルなどのC1-3アルキ
ル−カルボニルなど)、C1-4アルキル(例、メチル、
エチル、プロピル、ブチルなど)およびC1-3アルキル
スルホニル(例、メタンスルホニルなど)などから選ば
れる置換基を1または2個有していてもよいアミノ基
(例、アミノ、ジメチルアミノ、メトキシカルボニルア
ミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカル
ボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、アセ
チルアミノ、メタンスルホニルアミノなど)、(v)C
1-10アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、tert−ブトキシなど)、(vi)C3-7シクロアルキ
ルオキシカルボニルオキシ−C1-3アルコキシ(例、シ
クロヘキシルオキシカルボニルオキシ−1−エトキシな
ど)、(vii)C1-3アルコキシ−C1-3アルコキシ
(例、メトキシメトキシ、メトキシエトキシなど)など
が挙げられる。このうち、ヒドロキシが好ましい。R1
またはR2で示される「置換基を有していてもよいC1-4
アルキル基」の「C1-4アルキル基」は、例えば上記置
換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1
ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場
合、各置換基は同一または異なっていてもよい。R1
よびR2は、どちらか一方が水素原子、他方がC1-3アル
コキシ基が好ましい。
【0011】R3で示される「ハロゲン原子」として
は、例えば、フッ素、塩素、臭素、よう素が挙げられ
る。このうち塩素が好ましい。R3で示される「置換基
を有していてもよいC1-4アルコキシ基」の「C1-4アル
コキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ
などが挙げられる。このうち、メトキシが好ましい。R
3で示される「置換基を有していてもよいC1-4アルコキ
シ基」の「置換基」としては、上記R1またはR2で示さ
れる「置換基を有していてもよいC1-4アルキル基」の
「置換基」と同様のものが挙げられる。このうちC1-4
アルコキシ基が好ましい。該C1-4アルコキシ基は、例
えば上記置換基を、置換可能な位置に1ないし5個、好
ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2
個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよ
い。隣接する2つのR3が連結して形成する「C1-4アル
キレンジオキシ基」としては、例えばメチレンジオキ
シ、エチレンジオキシなどが挙げられる。R3は、水素
原子が好ましい。
【0012】R4で示される「C1-4アルキル基」として
は、例えば直鎖状C1-4アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチルなど)、分枝状C3-4アルキル基
(例、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-
ブチルなど)などが挙げられる。このうちC1-3アルキ
ル基が好ましい。とりわけ、メチルが好ましい。R6
示される「置換基を有していてもよいC1-4アルキル
基」としては、R1またはR2で示される「置換基を有し
ていてもよいC1-4アルキル基」が挙げられる。
【0013】R4とR5とが連結して形成される「複素
環」としては、5または6員含窒素複素環基があげられ
る。R4とR5とが連結するとき、式
【化20】 で表される基としては、例えば、式
【化21】 で表される基などが挙げられる。このうち、式
【化22】 で表される基が好ましい。
【0014】R6は、式
【化23】 〔式中、R5は上記と同意義を示す〕で表される基が好
ましい。R4はC1-3アルキル基およびR5は水素原子が
好ましい。nは0〜2の整数が好ましい。
【0015】化合物(I)中、好ましい化合物として
は、R1がヒドロキシ基、メトキシ基またはC1-3アルキ
ル基;R2が水素原子またはC1-3アルキル基;R4がC
1-3アルキル基;R6がベンジル基;およびnが0である
化合物またはその塩などが挙げられる。中でも好ましく
は、R1がメトキシ基;R2およびR5がそれぞれ水素原
子;R4がC1-3アルキル基;R6がベンジル基;および
nが0である化合物またはその塩などが挙げられる。化
合物(I)の具体例としては、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−ヒドロキシウレイド)フェ
ニル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン
−2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−
N−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロ
ベンジル)−6−[4−(3−メチルウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオン、5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−6−[4−(3−エチルウレイド)フェニ
ル]−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−
2,4(1H,3H)−ジオンまたはこれらの塩が挙げら
れる。なかでも、5−(N−ベンジル−N−メチルアミ
ノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6
−[4−(3−メトキシウレイド)フェニル]−3−フ
ェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,
3H)−ジオンまたはその塩が好ましい。
【0016】上記式(VIII)中の各置換基の定義を以下
に記す。R9で示される「置換されていてもよいC1-7
ルキル基」の「C1-7アルキル基」としては、例えば直
鎖C1-7アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなど)、分枝C
3-7アルキル基(例、イソプロピル、イソブチル、sec-
ブチル、tert-ブチル、イソペンチル、ネオペンチルな
ど)などが挙げられる。このうち、分枝C3-7アルキル
基が好ましい。とりわけ、イソプロピルが好ましい。R
9で示される「置換されていてもよいC1-7アルキル基」
の「置換基」としては、例えば(i)ヒドロキシ基、(i
i)C1-7アシルオキシ(例、アセトキシ、プロピオニル
オキシなどのC1-6アルキル−カルボニルオキシ;ベン
ゾイルオキシなど)、(iii)C1-6アルコキシ−カルボ
ニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
tert−ブトキシカルボニルなど)、ベンジルオキシカル
ボニル、C1-3アシル(例、アセチル、プロピオニルな
どのC1-2アルキル−カルボニルなど)、C1-3アルキル
スルホニル(例、メタンスルホニルなど)およびC1-3
アルキル(例、メチル、エチルなど)などから選ばれる
置換基を1または2個有していてもよいアミノ(具体
例:アミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカル
ボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルベンジルオキ
シカルボニルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニ
ルアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノなど)、(i
v)C3-7シクロアルキルオキシカルボニルオキシ(例、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)およびC
1-3アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなど)から選
ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC
1-10(好ましくはC1-4)アルコキシ(例、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、tert−ブトキシ、シクロヘキシ
ルオキシカルボニルオキシ−1−エトキシ、メトキシメ
トキシ、エトキシメトキシなど)、(v)C1-6アルコキ
シ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、プロポキシカルボニルなど)などが挙げられ
る。このうちヒドロキシ基が好ましい。該「C1-7アル
キル基」は、例えば上記置換基を、置換可能な位置に1
ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよ
く、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または
異なっていてもよい。
【0017】R9で示される「置換されていてもよいC
3-7シクロアルキル基」の「C3-7シクロアルキル基」と
しては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙
げられる。このうち、好ましくは、シクロプロピルが挙
げられる。R9で示される「置換されていてもよいC3-7
シクロアルキル基」の「置換基」としては、上記R9
示される「置換されていてもよいC1-7アルキル基」の
「置換基」と同様のものが1ないし3個挙げられる。置
換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっ
ていてもよい。R9で示される「置換されていてもよい
1-6アルコキシアミノ基」の「C1-6アルコキシアミノ
基」としては、例えば、モノ−またはジ−C1-6アルコ
キシアミノ基(例、メトキシアミノ、エトキシアミノ、
ジメトキシアミノ、ジエトキシアミノ、エトキシメトキ
シアミノなど)が挙げられる。このうち、モノ−C1-3
アルコキシアミノ基(例、メトキシアミノなど)が好ま
しい。R9で示される「置換されていてもよいC1-6アル
コキシアミノ基」の「置換基」としては、上記R9で示
される「置換されていてもよいC1-7アルキル基」の
「置換基」と同様のものが同個数挙げられる。置換基数
が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていて
もよい。該「置換基」は、C1-6アルコキシアミノ基の
「C1-6アルコキシ基」または「アミノ基の窒素原子」
を置換していてもよい。該「置換されていてもよいC
1-6アルコキシアミノ基」の具体例としては、メトキシ
アミノ、N−メチル−N−メトキシアミノ、N−エチル
−N−メトキシアミノ、エトキシアミノ、ジメトキシア
ミノ、ジエトキシアミノ、エトキシメトキシアミノなど
が挙げられる。好ましい例としては、C1-3アルコキシ
アミノ基、N−C1-3アルキル−N−C1-3アルコキシア
ミノ基などが挙げられる。
【0018】R9で示される「置換されていてもよいヒ
ドロキシアミノ基」の「置換基」としては、ヒドロキシ
アミノ基の「ヒドロキシ基」または「アミノ基」を置換
していてもよく、該「ヒドロキシ基」上の置換基として
は、(i)C1-7アシル基(例、アセチル、プロピオニル
などのC1-6アルキル−カルボニル;ベンゾイルな
ど)、(ii)C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシ
カルボニルなど)、ベンジルオキシカルボニル、C 1-3
アシル(例、アセチル、プロピオニルなどのC1-2アル
キル−カルボニルなど)、C1-3アルキルスルホニル
(例、メタンスルホニルなど)およびC1-3アルキル
(例、メチル、エチルなど)などから選ばれる置換基を
1または2個有していてもよいアミノ基(具体例:アミ
ノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルア
ミノ、tert−ブトキシカルボニルベンジルオキシカルボ
ニルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホニルアミ
ノ、メチルアミノ、ジメチルアミノなど)、(iii)C
3-7シクロアルキルオキシカルボニルオキシ(例、シク
ロヘキシルオキシカルボニルオキシなど)およびC1-3
アルコキシ(例、メトキシ、エトキシなど)から選ばれ
る置換基を1ないし3個有していてもよいC1-10(好ま
しくはC1-4)アルキル基(例、メチル、エチル、プロ
ピル、tert−ブチル、シクロヘキシルオキシカルボニル
オキシ−1−エチル、メトキシメチル、エトキシメチル
など)などが挙げられ、該「アミノ基」上の置換基とし
ては、上記(i)〜(iii)記載の基などが挙げられる。
ヒドロキシアミノ基の「ヒドロキシ基」または「アミノ
基」の各置換基は同一または異なっていてもよい。「置
換されていてもよいヒドロキシアミノ基」の好ましい例
としては、N−C 1-6アルキル−N−ヒドロキシアミノ
基(例、N−メチル−N−ヒドロキシアミノ、N−エチ
ル−N−ヒドロキシアミノなど)などが挙げられる。さ
らに好ましくはN−C1-3アルキル−N−ヒドロキシア
ミノ基などである。
【0019】R10で示される「置換されていてもよいC
1-7アルキル基」の「C1-7アルキル基」としては、例え
ば直鎖または分枝C1-7アルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、se
c-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネ
オペンチル、ヘキシル、ヘプチルなど)などが挙げられ
る。このうちC1-3アルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピルなど)が好ましい。特に好まし
くはイソプロピルである。R10で示される「置換されて
いてもよいC1-7アルキル基」の「置換基」としては、
上記R9で示される「置換されていてもよいC1-7アルキ
ル基」の「置換基」と同様のものが同個数挙げられる。
置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異な
っていてもよい。R10で示される「置換されていてもよ
いフェニル基」の「置換基」としては、例えばハロゲン
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アル
キル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル
など)、C1-3アルコキシ基(例えば、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ、イソプロポキシなど)が挙げられ
る。中でもハロゲン(好ましくはフッ素)が好ましい。
該「フェニル基」は、例えば上記置換基を、置換可能な
位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有してい
てもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一
または異なっていてもよい。
【0020】R9は、好ましくは、置換された分枝C3-7
アルキル基または置換されたC3-7シクロアルキル基、
さらに好ましくは、ヒドロキシ基で置換された分枝C
3-7アルキル基またはヒドロキシ基で置換されたC3-7
クロアルキル基である。このうち、ヒドロキシ基で置換
されたC3-7シクロアルキル基が好ましい。また、ヒド
ロキシ基で置換されていてもよいC1-3アルキル基、ヒ
ドロキシ基で置換されていてもよいC3-7シクロアルキ
ル基、モノ−C1-3アルコキシアミノ基、N−C 1-3アル
キル−N−ヒドロキシアミノ基、ヒドロキシアミノ基な
ども好ましい。R9は、特に好ましくは、ヒドロキシ基
で置換されていてもよいシクロプロピル基またはメトキ
シアミノ基などである。最も好ましくは、ヒドロキシ基
で置換されたシクロプロピル基である。R10は、好まし
くは、置換されていてもよいC1-7アルキル基である。
さらに好ましくは、ヒドロキシ基で置換されていてもよ
いC1-3アルキル基などである。特に好ましくはイソプ
ロピルである。また、フェニルも好ましい。化合物(VI
II)の好ましい例としては、R9が、ヒドロキシ基で置
換されていてもよいC1-3アルキル基、ヒドロキシ基で
置換されていてもよいC3-7シクロアルキル基またはモ
ノ−C1-3アルコキシアミノ基;R10が、C1-3アルキル
基またはフェニル基である化合物またはその塩などが挙
げられる。さらに好ましくは、R9が(1)1または2個
のヒドロキシ基で置換されたC1-3アルキル基、(2)ヒ
ドロキシ基で置換されたC3-7シクロアルキル基、また
は(3)C1-3アルコキシアミノ基;R10がイソプロピル
基またはフェニル基である化合物またはその塩などが挙
げられる。
【0021】化合物(VIII)の具体例としては、3−
(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−
ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフルオ
ロベンジル)−2−(4−シクロプロパンカルボニルア
ミノフェニル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
ジン、5−ベンゾイル−3−(N−ベンジル−N−メチ
ルアミノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−[4−(3
−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)フェニ
ル]チエノ[2,3−b]ピリジン、5−(4−フルオ
ロベンゾイル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミ
ノメチル)−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−
4,7−ジヒドロ−4−オキソ−2−(4−シクロプロ
パンカルボニルアミノフェニル)チエノ[2,3−b]
ピリジン、3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチ
ル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−7−
(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4−(3−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)フェニル]
−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−(N
−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−ジヒ
ドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−2−(4−N'−メトキシウレイドフェニ
ル)−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−
(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,7−
ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフルオ
ロベンジル)−2−[4−[(1−ヒドロキシシクロプ
ロピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4−オキソチ
エノ[2,3−b]ピリジン、(R)−4,7−ジヒド
ロ−2−[4−(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオ
ニルアミノ)フェニル]−7−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチ
ル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3−
b]ピリジン、4,7−ジヒドロ−2−[4−(2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオニルアミノ)フェニル]
−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−(N−ベ
ンジル−N−メチルアミノメチル)−5−イソブチリル
−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、4,7−
ジヒドロ−2−[4−(3−ヒドロキシ−3−メチルブ
チリルアミノ)フェニル]−7−(2,6−ジフルオロ
ベンジル)−3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメ
チル)−5−イソブチリル−4−オキソチエノ[2,3
−b]ピリジン、(R)−4,7−ジヒドロ−2−[4
−(2,3−ジヒドロキシプロピオニルアミノ)フェニ
ル]−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−3−(N
−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−イソブチ
リル−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリジン、3−
(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−5−ベン
ゾイル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−4,7
−ジヒドロ−2−[4−[(1−ヒドロキシシクロプロ
ピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4−オキソチエ
ノ[2,3−b]ピリジンまたはそれらの塩などが挙げ
られる。なかでも、3−(N−ベンジル−N−メチルア
ミノメチル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−
7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4−
[(1−ヒドロキシシクロプロピル)カルボニルアミ
ノ]フェニル]−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
ジンまたはその塩が好ましい。
【0022】化合物(I)および化合物(VIII)の塩と
しては、生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。こ
のような塩としては、例えば無機酸(例、塩酸、臭化水
素酸、硝酸、硫酸、リン酸など)との塩、または有機酸
(例、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シ
ュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リ
ンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸など)との塩などが用いられる。化
合物(I)が酸性基を有している場合は、無機塩基
(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ムなどのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属、アン
モニアなど)または有機塩基(例、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジ
シクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジ
アミンなど)と生理学的に許容される塩を形成してもよ
い。
【0023】化合物(I)は、自体公知の方法、例え
ば、特開平9−169768号公報、WO 96/24
597号公報に記載の方法またはこれらに準ずる方法に
より製造することができる。具体例として、以下の製造
法1および製造法2が挙げられる。反応式中の化合物は
塩を形成している場合も含み、該塩としては、例えば化
合物(I)の塩と同様のものなどが挙げられる。
【化24】 上記式中、Lは脱離基を、その他の各記号は上記と同意
義を示す。Lで示される「脱離基」としては、例えば1
−イミダゾリル、ハロゲン原子、置換基を有していても
よいアルコキシ基などが挙げられる。該「置換基を有し
ていてもよいアルコキシ基」としては、1ないし3個の
ハロゲン原子(例、塩素、臭素等)を有していてもよい
1-4アルコキシ基(例、2,2,2−トリクロロエト
キシ基)などが挙げられる。
【0024】化合物(II)は、特開平9−169768
号公報に記載の方法またはこれに準ずる方法により得ら
れる。化合物(II)とカルボニルジイミダゾール(N,
N'−カルボニルジイミダゾール;CDI)またはホス
ゲン(二量体および三量体も含む)等とを反応させ、化
合物(IV)を得、次いで化合物(III)を反応させ、化
合物(I)を得る。化合物(IV)は単離せずに反応を続
けてもよく、また、単離して次工程に使用してもよい。
また、化合物(IV)は、化合物(II)とクロロぎ酸エス
テル化合物(例、クロロぎ酸2,2,2−トリクロロエ
チル、クロロぎ酸1−クロロエチル等)などとを反応さ
せても得られる。
【0025】化合物(II)とカルボニルジイミダゾール
またはホスゲン等との反応において、カルボニルジイミ
ダゾールまたはホスゲン等の使用量は、化合物(II)1
モルに対し、それぞれ約1〜3モルである。本反応は、
通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中で行われ
る。該溶媒としては、例えば、エーテル類(例、エチル
エーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフランなど)、芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、ト
ルエンなど)、アミド類(例、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミドなど)、ハロゲン化炭化水素類
(例、クロロホルム、ジクロロメタンなど)等が用いら
れる。反応温度は、通常、約0〜約150℃、好ましく
は、室温下(約15〜約25℃)である。反応時間は通
常約1〜約36時間である。本反応は、必要に応じ、塩
基の存在下に行われる。該「塩基」としては、例えば、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化タリウムなどの無機塩基、あるいはトリエチ
ルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられる。該
「塩基」の使用量は、化合物(II)1モルに対し、約2
モル〜20モル、好ましくは、約5モル〜12モルであ
る。次いで行われる化合物(III)との反応条件は、化
合物(II)とカルボニルジイミダゾールまたはホスゲン
とを反応させる条件と同様に行えばよい。化合物(II
I)の使用量は、化合物(II)または化合物(IV)1モ
ルに対し、約2〜20モル、好ましくは、約5〜10モ
ルである。反応温度は、通常、約0〜150℃であり、
好ましくは室温下(約15〜25℃)である。反応時間
は、通常約1〜6時間である。また、カルボニルジイミ
ダゾールまたはホスゲンと化合物(III)とは、同時に
化合物(II)と反応させてもよい。
【0026】
【化25】 上記式中、R7は水素原子またはアルキル基を、R8はア
ルキル基を、その他の各記号は上記と同意義を示す。R
7またはR8で示される「アルキル基」としては、R1
たはR2で示される「置換基を有していてもよいC1-4
ルキル基」の「C1-4アルキル基」と同様のものが挙げ
られる。
【0027】化合物(V)は、自体公知の方法、例えば
p−ニトロフェニルアセトン、シアノ酢酸エステル誘導
体および硫黄を反応させ(例、Chem. Ber., 99巻,94-1
00頁,1966年等)、得られる2−アミノ−4−メチル−
5−(4−ニトロフェニル)チオフェンを、特開平9−
169768号、WO 96/24597号公報等に記
載の方法またはこれに準ずる方法に付すことにより得ら
れる。
【0028】R7が水素原子の場合、化合物(V)を、
縮合試薬の存在下、式
【化26】 〔式中、各記号は上記と同意義を示す〕で表される化合
物またはその塩(以下、化合物(VI)と略記する)と反
応させ、化合物(VII)を得、次いで閉環反応に付し、
化合物(I)を得る。該「縮合試薬」としては、例え
ば、ベンゾトリアゾ−ル−1−イルオキシトリピロリジ
ノホスフォニウム ヘキサフルオロホスフェート(benz
otriazol-1-yloxytripyrrolidinophosphonium hexafluo
rophosphate:PyBOP)などが挙げられる。該「縮合試
薬」の使用量は、化合物(V)1モルに対し、約1〜3
モルである。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない
適当な溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ア
ルコール類(例、エタノール、メタノールなど)、芳香
族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエンなど)、アミド
類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
など)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジ
クロロメタンなど)等が用いられる。反応温度は、通
常、約0〜約150℃、好ましくは、室温下(約15〜
約25℃)である。反応時間は通常約1〜約36時間で
ある。生成物は反応液のまま、あるいは粗製物として次
の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合
物から単離することもできる。
【0029】化合物(VII)を塩基の存在下、閉環反応
に付す。該「塩基」としては、例えば、ナトリウムメト
キシド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化タリウムなどの無機塩基、あるいはト
リエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられ
る。該「塩基」の使用量は、化合物(VII)1モルに対
し、約2モル〜20モル、好ましくは、約5モル〜12
モルである。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない
適当な溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えば、ア
ルコール類(例、エタノール、メタノールなど)、芳香
族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエンなど)、アミド
類(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
など)、ハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジ
クロロメタンなど)等が用いられる。反応温度は、通
常、約0〜約150℃、好ましくは、室温下(約15〜
約25℃)である。反応時間は通常約1〜約36時間で
ある。
【0030】R7がアルキル基の場合、化合物(V)
を、活性化された化合物(VI)と反応させ、化合物
(I)を得る。活性化された化合物(VI)は、自体公知
の方法に従い製造でき、例えば、反応に悪影響を与えな
い適当な溶媒中、有機アルミニウム試薬と化合物(VI)
とを反応させることにより得られる。該「有機アルミニ
ウム試薬」としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、ジメチルアルミニウムクロライドなど、またはこれ
らを含有する溶液などが挙げられる。該「有機アルミニ
ウム試薬」の使用量は、化合物(VI)1モルに対し、1
〜5モル、好ましくは1モルである。該溶媒としては、
例えばハロゲン化炭化水素類(例、クロロホルム、ジク
ロロメタンなど)が好ましい。反応温度は、通常、約0
〜150℃、好ましくは室温下(約15〜25℃)であ
る。反応時間は、通常約1〜6時間である。化合物
(V)を活性化された化合物(VI)と反応させることに
より、閉環反応が行われ、化合物(I)が得られる。該
「化合物(V)」の使用量は、化合物(VI)および有機
アルミニウム試薬の混合物に対し、約1/5量が好まし
い。本反応は、通常反応に悪影響を及ぼさない適当な溶
媒中で行われる。該溶媒としては、活性化された化合物
(VI)を得る反応に用いられた溶媒が好ましい。反応温
度は、通常、約0〜150℃、好ましくは室温下(約1
5〜25℃)である。反応時間は、通常約1〜48時間
である。
【0031】化合物(I)は、自体公知の分離手段、例
えば再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどにより単
離、精製することができる。化合物(I)が遊離体で得
られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる
方法によって目的とする塩に変換することができ、逆に
塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに
準ずる方法により、遊離体または、目的とする他の塩に
変換することができる。化合物(I)は、水和物であっ
てもよく、非水和物であってもよい。該水和物として
は、例えば、1水和物、1.5水和物および2水和物な
どが挙げられる。化合物(I)が光学活性体の混合物と
して得られる場合には、自体公知の光学分割手段により
目的とする(R)体または(S)体に分離することがで
きる。化合物(I)は同位元素(例、3H、14C、35S)
などで標識されていてもよい。
【0032】化合物(VIII)またはその塩は、自体公知
の方法、例えば、WO 95/28405号公報、WO
00/00493号公報に記載の方法またはこれに準ず
る方法により製造することができる。
【0033】前記した通り、本発明の造粒末は、第一の
態様としては生理活性物質とセルロース系崩壊剤が必須
であり、第二の態様としては生理活性物質とセルロース
系崩壊剤と結合剤が必須であり、第三の態様として、化
合物(I)についてはセルロース系崩壊剤および結合剤
は必須ではない。まず、これら第一〜第三の態様の造粒
末の製造に共通の事項から説明する。生理活性物質とセ
ルロース系崩壊剤(例えば、CMC−Ca、カルボキシ
ルメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウムま
たは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれ
る化合物または2以上の化合物を組み合わせてなる崩壊
剤など、好ましくは、CMC−Caなど)などの混合物
および結合剤(例えば、HPC、α化デンプン、ショ
糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、デキスト
リン、プルランなど、好ましくはHPCなど)などを混
合し、造粒し、造粒末を得、必要に応じ乾燥する。混合
および造粒は、通常用いられる造粒機を用いて行われ
る。例えば、生理活性物質、賦形剤(好ましくは、乳
糖、デンプンなど)およびセルロース系崩壊剤(好まし
くは、CMC−Ca)を予め混合して得られた混合物
(プレミックス)と結合剤を含む溶液(好ましくはHP
Cの溶液など)とを混合し造粒する。ここで用いる結合
剤を含む溶液としては、水溶液およびアルコール溶液が
挙げられる。なかでも水溶液および炭素数が1ないし3
のアルコール溶液が、とりわけ水溶液およびエタノール
溶液が好ましい。当該アルコール溶液とは、(水−アル
コール)溶液を示し、該溶液中のアルコールの比率は、
通常5〜99.5%、好ましくは10〜50%である。
【0034】結合剤としては、例えば、HPC、α化デ
ンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム、ポリビニルピロリドン、結晶セルロー
ス、デキストリン、プルランなどから選ばれる化合物ま
たは2以上の化合物を組み合わせてなる結合剤の何れも
用いることができる。また、結合剤を含む溶液の代わり
に結合剤を含む懸濁液を用いても本発明の造粒末を得る
ことができる。さらに、結合剤の溶液または懸濁液に賦
形剤(好ましくは、乳糖、デンプンなど)、崩壊剤(好
ましくは、CMC−Caなど)、滑沢剤(好ましくは、
ステアリン酸、ステアリン酸カルシウムなど)、着色剤
(好ましくは、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄など)、香
料(好ましくは、レモンフレーバー、ライムフレーバー
など)、遮光剤(好ましくは、酸化チタン、タルクな
ど)、安定化剤(好ましくは、アスコルビン酸、ピロ亜
硫酸ナトリウム、無機塩(炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウムなど)など)、機能性高分子(好ましくは、ヒド
ロキシメチルセルロース、エチルセルロース、アクリル
系樹脂など)等を溶解・懸濁させプレミックスと混合す
ることにより、造粒末の製造を行うこともできる。
【0035】本発明の第一の態様の造粒末は、生理活性
物質とセルロース系崩壊剤を含有することが必須である
が、生理活性物質が化合物(I)である時には、即ち第
三の態様の時にはセルロース系崩壊剤を含有しなくとも
良好な造粒末を得ることができる。
【0036】生理活性物質およびHPC等の結合剤の混
合、造粒は、好ましくは約20〜45℃で行われる。本
発明における造粒末における生理活性物質の含有量は、
本発明の目的が達成される限り特に限定されないが、例
えば、0.1〜30重量%、好ましくは0.2〜20重
量%である。該「結合剤」の使用量は、本発明の目的が
達成される限り特に限定されないが、例えば、生理活性
物質1重量部に対し、約0.01〜100重量部、好ま
しくは約0.02〜50重量部などである。該「賦形
剤」の使用量は、本発明の目的が達成される限り特に限
定されないが、例えば、生理活性物質1重量部に対し、
約0.25〜1000重量部、好ましくは約0.3〜6
00重量部、より好ましくは約0.5〜150重量部な
どである。該セルロース系崩壊剤などの「崩壊剤」の使
用量は、本発明の目的が達成される限り特に限定されな
いが、例えば、生理活性物質1重量部に対し、約0.0
01〜300重量部、好ましくは約0.05〜250重
量部などである。但し、生理活性物質が化合物(I)で
ある時には、セルロース系崩壊剤はもちろんのこと崩壊
剤を用いなくても造粒末の製造は可能である。第二の態
様におけるセルロース系崩壊剤と結合剤とは配合割合
も、上記崩壊剤と結合剤の配合量が適用される。
【0037】結合剤を含む溶液または懸濁液中にさらに
溶解・懸濁させてもよい「賦形剤」の含有比率は、本発
明の目的が達成される限り特に限定されないが、例え
ば、約1〜50%などである。結合剤を含む溶液または
懸濁液中にさらに溶解・懸濁させてもよい「崩壊剤」の
含有比率は、本発明の目的が達成される限り特に限定さ
れないが、例えば、約1〜50%などである。結合剤を
含む溶液または懸濁液中にさらに溶解・懸濁させてもよ
い「滑沢剤」の含有比率は、本発明の目的が達成される
限り特に限定されないが、例えば、約0.05〜20%
などである。結合剤を含む溶液または懸濁液中にさらに
溶解・懸濁させてもよい「着色剤」の含有比率は、本発
明の目的が達成される限り特に限定されないが、例え
ば、約0.01〜10%などである。
【0038】結合剤を含む溶液または懸濁液中にさらに
溶解・懸濁させてもよい「香料」の含有比率は、本発明
の目的が達成される限り特に限定されないが、例えば、
約0.01〜10%などである。結合剤を含む溶液また
は懸濁液中にさらに溶解・懸濁させてもよい「遮光剤」
の含有比率は、本発明の目的が達成される限り特に限定
されないが、例えば、約0.05〜20%などである。
結合剤を含む溶液または懸濁液中にさらに溶解・懸濁さ
せてもよい「安定化剤」の含有比率は、本発明の目的が
達成される限り特に限定されないが、例えば、約0.0
1〜30%などである。結合剤を含む溶液または懸濁液
中にさらに溶解・懸濁させてもよい「機能性高分子」の
含有比率は、本発明の目的が達成される限り特に限定さ
れないが、例えば、約1〜90%などである。
【0039】得られる造粒末の粒子径(直径)として
は、好ましくは約50〜1000μmなどである。結合
剤を含む溶液を使用した場合、溶媒の除去および造粒末
中の水分を除去するため、得られた造粒末を通常約30
〜60℃、約0.5〜30分乾燥する。本発明の造粒末
は、打錠に優れており、打錠用として好ましく用いられ
る。
【0040】造粒末は慣用の湿式造粒法で結合剤を含む
溶液または懸濁液と他の成分とを混合・乾燥して調整で
きるが、好ましくは流動層造粒によって得られる。生理
活性物質、賦形剤および必要に応じてCMC−Ca等の
セルロース系崩壊剤を予め混合して得られた混合物(プ
レミックス)に必要に応じて結合剤を含む溶液または懸
濁液を噴霧しながら混合・乾燥させて造粒する。条件は
以下の通りである。 流動(給気)風量:1〜10m3/min 噴霧温度:25〜100℃ 噴霧速度:10〜800g/min 乾燥速度:30〜90℃ 乾燥時間:0.5〜30分
【0041】本発明の固形製剤は、上記の造粒末を含有
する。好ましくは、上記の造粒末、セルロース系崩壊剤
(例えば、CMC−Ca、クロスカルメロースナトリウ
ムまたは低置換度ヒドロキシプロピルなど、好ましく
は、CMC−Caなど)CMC−Caおよびステアリン
酸系滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸ナト
リウムまたはステアリン酸マグネシウムなど、好ましく
はステアリン酸マグネシウムなど)を含有する。本発明
の固形製剤中の生理活性物質の含量は、本発明の目的が
達成される限り特に限定されないが、例えば約0.1〜
40重量%、好ましくは約0.3〜35重量%、より好
ましくは約1〜30重量%などである。本発明の固形製
剤中のセルロース系崩壊剤の含量(造粒末中のものも含
めての総量)は、本発明の目的が達成される限り特に限
定されないが、例えば約0.1〜15重量%、好ましく
は約1〜12重量%、より好ましくは約3〜10重量%
などである。本発明の固形製剤中のステアリン酸系滑沢
剤の含量は、本発明の目的が達成される限り特に限定さ
れないが、例えば約0.3〜1.5重量%、好ましくは
約0.5〜1.2重量%などである。
【0042】本発明の固形製剤は、さらに、製剤素材と
して慣用の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、
香料、遮光剤などを含有していてもよい。該「賦形剤」
としては、例えば、乳糖、デンプン、白糖、マンニッ
ト、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムなど
が挙げられる。該「崩壊剤」としては、例えばCMC−
Ca、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチ
ルスターチナトリウム、デンプン、低置換度ヒドロキシ
プロピルセルロース、クロスリンクドインソルブルポリ
ビニルピロリドンなどが挙げられる。該「結合剤」とし
ては、例えば、HPC、α化デンプン、ショ糖、ゼラチ
ン、アラビアゴム粉末、メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニ
ルピロリドン、結晶セルロース、デキストリン、プルラ
ンなどが挙げられる。このうち、好ましくはHPCであ
る。結合剤としてHPCを用いる場合には、HPCの溶
液(例、水溶液、アルコール溶液など)を用いてもよ
い。このうち、HPCのアルコール溶液が好ましい。具
体例としては、HPCまたはHPC水溶液をアルコール
類(例、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、メタノールなど)で約1〜100倍
に希釈したものなどが挙げられる。また、HPCを用い
る時には、HPCの懸濁液を用いてもよい。該「滑沢
剤」としては、例えばステアリン酸、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイド
シリカなどが挙げられる。該「着色剤」としては、例え
ば黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄などが挙げられる。この
うち、黄色三二酸化鉄が好ましい。該「香料」として
は、合成物および天然物のいずれでもよく、例えばレモ
ンフレーバー、ライムフレーバー、オレンジフレーバ
ー、ストロベリーフレーバー、メントールなどが挙げら
れる。該「遮光剤」としては、例えば酸化チタン、タル
ク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられ
る。このうち、酸化チタンが好ましい。
【0043】本発明の固形製剤中の賦形剤の含量は、本
発明の目的が達成される限り特に限定されないが、例え
ば約20〜99.9重量%、好ましくは約40〜95重
量%などである。本発明の固形製剤中の崩壊剤の含量
は、本発明の目的が達成される限り特に限定されない
が、例えば約0.1〜30重量%、好ましくは約3〜2
5重量%などである。本発明の固形製剤中の結合剤の含
量は、本発明の目的が達成される限り特に限定されない
が、例えば1〜10重量%、好ましくは約2〜5重量%
などである。本発明の固形製剤中の滑沢剤の含量は、本
発明の目的が達成される限り特に限定されないが、例え
ば約0.1〜3重量%、好ましくは約0.2〜2重量%
などである。本発明の固形製剤中の着色剤の含量は、本
発明の目的が達成される限り特に限定されないが、例え
ば約0.0001〜0.4重量%、好ましくは約0.0
01〜0.2重量%などである。本発明の固形製剤中の
香料の含量は、本発明の目的が達成される限り特に限定
されないが、例えば約0.0001〜0.4重量%、好
ましくは約0.001〜0.2重量%などである。本発
明の固形製剤中の遮光剤の含量は、本発明の目的が達成
される限り特に限定されないが、例えば約0.001〜
4重量%、好ましくは約0.003〜3重量%などであ
る。
【0044】本発明の固形製剤として、好ましい具体例
としては、(1)化合物(I)を含有してなる造粒末を
配合してなる固形製剤、(2)化合物(I)およびHP
Cを含有してなる造粒末を配合してなる固形製剤、
(3)化合物(I)およびHPCを含有してなる造粒
末、CMC−Caおよびステアリン酸マグネシウムを配
合してなる固形製剤、(4)化合物(I)およびHPC
を含有してなる造粒末、CMC−Ca、ステアリン酸マ
グネシウム、乳糖およびデンプンを配合してなる固形製
剤、(5)化合物(I)およびHPCを含有してなる造
粒末、CMC−Ca、ステアリン酸マグネシウム、乳
糖、デンプンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロー
スを配合してなる固形製剤、(6)化合物(I)および
HPCを含有してなる造粒末、CMC−Ca、ステアリ
ン酸マグネシウム、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースおよび酸化チタンを配合してなる固
形製剤、(7)化合物(I)およびHPCを含有してな
る造粒末、CMC−Ca、ステアリン酸マグネシウム、
HPC、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、酸化チタンおよび黄色三二酸化鉄を含有する
固形製剤、(8)化合物(I)または化合物(VIII)お
よびCMC−Caを含有してなる造粒末を配合してなる
固形製剤、(9)化合物(I)または化合物(VIII)、
CMC−CaおよびHPCを含有してなる造粒末、CM
C−Caおよびステアリン酸マグネシウムを配合してな
る固形製剤、(10)化合物(I)または化合物(VII
I)、CMC−CaおよびHPCを含有してなる造粒
末、CMC−Ca、ステアリン酸マグネシウム、乳糖お
よびデンプンを配合してなる固形製剤、(11)化合物
(I)または化合物(VIII)、CMC−CaおよびHP
Cを含有してなる造粒末、CMC−Ca、ステアリン酸
マグネシウム、乳糖、デンプンおよびヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースを配合してなる固形製剤、(12)
化合物(I)または化合物(VIII)、CMC−Caおよ
びHPCを含有してなる造粒末、CMC−Ca、ステア
リン酸マグネシウム、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースおよび酸化チタンを配合してなる
固形製剤、(13)化合物(I)または化合物(VII
I)、CMC−CaおよびHPCを含有してなる造粒
末、CMC−Ca、ステアリン酸マグネシウム、乳糖、
デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化
チタンおよび黄色三二酸化鉄を含有する固形製剤などが
挙げられる。
【0045】本発明の固形製剤は、例えば以下に示す方
法により製造される。 1)上記の造粒末を整粒し、整粒末を得る。整粒には通
常、パワーミルなどの市販の整粒機を用いればよい。 2)上記1)で得られた整粒末、CMC−Caおよびス
テアリン酸マグネシウムを、必要に応じ崩壊剤、結合
剤、滑沢剤、着色剤、香料、遮光剤とともに混合し、混
合末を得る。 3)上記2)で得られた混合末を成形し、固形製剤を得
る。 上記で得られた混合末は、(i)そのまま顆粒・細粒剤
として、(ii)カプセル(例、ゼラチンカプセル、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースカプセルなど)に充填
してカプセル剤として、(iii)用時懸濁型のドライシ
ロップ剤として、あるいは(iv)カプレットとして用いて
もよい。通常、該混合末は、丸剤、錠剤などに成形され
る。このうち、錠剤が好ましく、円形錠剤、楕円形錠剤
などがさらに好ましく、楕円形錠剤が特に好ましい。円
形錠剤とは、巾方向における水平方向断面が円形の錠剤
をいい、錠剤ふちは隅角、隅丸のいずれでもよい。楕円
形錠剤とは、巾方向における水平方向断面が楕円形のも
のをいい、錠剤ふちは隅角、隅丸のいずれでもよい。円
形錠剤は、通常、その巾方向における断面積が最大とな
る部位において、その直径は約5〜13mm、厚さは約
3〜8mmである。楕円形錠剤は、通常、その巾方向に
おける断面積が最大となる部位において、その長径は約
8〜17mm、短径は約5〜9mm、厚さは約3〜8m
mであり、錠剤ふちを隅角または隅丸にしてもよい。成
形は、錠剤機などの市販の成形機を用いればよい。錠剤
に成形する際の打錠圧は通常、0.5〜2.5ton/
cm2である。
【0046】4)上記3)で得られた固形製剤を、必要
に応じ、フィルムコーティング錠とする。 具体的には、上記3)で得られた固形製剤(好ましくは
錠剤、さらに好ましくは楕円形錠剤)に、フィルムコー
ティング液を噴霧し、必要に応じ乾燥する。該「フィル
ムコーティング液」は、例えばフィルムコーティング用
高分子を溶媒に溶解または懸濁させることにより調製さ
れる。該フィルムコーティング液には、さらに、例えば
着色剤(好ましくは、黄色三二酸化鉄)、遮光剤(好ま
しくは、酸化チタン)などを配合してもよい。該「フィ
ルムコーティング用高分子」としては、例えばヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサ
クシネート、アクリル樹脂(メタアクリル酸、アクリル
酸コポリマー、アミノアルキルメタアクリレートコポリ
マー等)、シェラック、ポリビニルアセテートフタレー
ト、アラビアゴム、セルロースアセテートフタレート、
ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カル
ボキシメチルエチルセルロースなどが挙げられる。該
「溶媒」としては、例えば水、アルコール類(例、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、メタノールなど)、アセトン、酢酸エチル、ジク
ロロメタン、クロロホルム、ヘキサン、トルエン、ヘプ
タンなどが挙げられる。該「フィルムコーティング用高
分子」の使用量は、固形製剤の種類に応じ選択すればよ
く、例えば固形製剤が錠剤の場合、錠剤の約0.5〜1
0重量%である。 噴霧温度は、通常25〜80℃である。 噴霧時間は、通常5分〜24時間である。 乾燥温度は、通常30〜80℃である。 乾燥時間は、通常1分〜24時間である。本発明は、後
述の化合物Aまたは化合物Bを含有するフィルムコーテ
ィング錠も提供する。該「化合物Aまたは化合物Bを含
有するフィルムコーティング錠」は、上記と同様の方法
で製造される。
【0047】本発明の固形製剤は、生理活性物質の含量
を高くでき、崩壊性に優れ、生理活性物質の溶出性に優
れる。特にフィルムコーティング錠は、非遮光下でも長
期間安定的に保存できる。また、生理活性物質と、結合
剤のアルコール溶液との混合液を用いて造粒することに
より、造粒性が向上し、あらかじめ定められた粒径を有
する造粒末を容易に調製することができる。
【0048】本発明の固形製剤は、低毒性であるので、
哺乳動物(例、ヒト、牛、豚、犬、ネコ、マウス、ラッ
ト、ウサギ等)に対して安全な医薬などとして用いるこ
とができる。本発明の固形製剤は、含有する生理活性物
質の種類に応じて、種々の疾患などの予防・治療剤とし
て用いることができる。例えば、生理活性物質がGnR
Hアンタゴニストである場合、性腺刺激ホルモンの分泌
を抑制し、血中の性ホルモン濃度を制御することによっ
て、雄性ホルモンまたは雌性ホルモン依存性の疾患の予
防・治療、およびこれらホルモンの過剰に起因する疾病
の予防・治療に用いることができる。具体的には、性ホ
ルモン依存性ガン(例、前立腺ガン、子宮ガン、乳ガ
ン、下垂体腫瘍等)、性ホルモン依存性ガンの骨転移、
前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、思春期早発症、
無月経症、月経前症候群、多房性卵巣症候群、ニキビ、
禿頭症、アルツハイマー病(アルツハイマー病、アルツ
ハイマー型老年期痴呆症およびそれらの混合型)などの
予防および(または)治療に有用である。また、 本発
明の固形製剤は、雄性および雌性における生殖の調節
(例、妊娠調節剤、月経周期調節剤等)にも有用であ
る。本発明の固形製剤は、さらに男性および女性の避妊
薬として、さらに女性の***誘発剤として使用すること
ができる。本発明の固形製剤は、その休薬後のリバウン
ド効果を利用して、不妊症の治療に使用することができ
る。また、性ホルモン非依存性でLH−RH感受性であ
る良性または悪性腫瘍などの予防・治療剤としても用い
ることができる。さらに、 本発明の固形製剤は畜産分
野において動物の発情の調節、食肉用の肉質の改善、動
物の成長促進などにも有用である。本発明の固形製剤
は、魚類の産卵促進剤としても有用である。
【0049】本発明の固形製剤は、酢酸リュープロレリ
ンなどのGnRH超作動薬の投与時に認められる、一過
性の血中テストステロン(雄性の場合)濃度の上昇(フ
レアー現象)を抑制するために用いることができる。本
発明の固形製剤は、酢酸リュープロレリン(Leuproreli
n)、ゴナドレリン(Gonadrelin)、ブセレリン(Buser
elin)、トリプトレリン(Triptorelin)、ゴセレリン
(Goserelin)、ナファレリン(Nafarelin)、ヒストレ
リン(Histrelin)、デスロレリン(Deslorelin)、メ
テレリン(Meterelin)、レシレリン(Lecirelin)など
のGnRH超作動薬(好ましくは酢酸リュープロレリ
ン)と併用して用いることができる。また、 本発明の
固形製剤は、ステロイド性または非ステロイド性の抗ア
ンドロゲン剤または抗エストロゲン剤、化学療法剤、ペ
プチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、
α−受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、17β−ヒド
ロキシステロイド脱水素酵素阻害薬、副腎系アンドロゲ
ン産生阻害薬、りん酸化酵素阻害薬、ホルモン療法剤、
細胞増殖因子またはその受容体の作用を阻害する薬剤な
どの少なくとも一種と併用することも有効である。
【0050】該「化学療法剤」としては、イホスファミ
ド(Ifosfamide)、UFT、アドリアマイシン(Adriam
ycin)、ペプロマイシン(Peplomycin)、シスプラチン
(Cisplatin)、シクロフォスファミド(Cyclophospham
ide)、5−FU、UFT、メトレキセート(Methotrex
ate)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、マイトキサ
ントロン(Mitoxantrone)、タキソテール(Taxotere)な
どがあげられる。該「ペプチド性GnRH拮抗薬」とし
ては、セトロレリクス(Cetrorelix)、ガニレリクス
(Ganirelix)、アバレリクス(Abarelix)などの非経
口投与ペプチド性GnRH拮抗薬があげられる。該「副
腎系アンドロゲン産生阻害薬」としては、例えばリアー
ゼ(C17,20−lyase)阻害薬などがあげられる。該「り
ん酸化酵素阻害薬」としては、例えばチロシンりん酸化
酵素などがあげられる。該「ホルモン療法剤」として
は、抗エストロゲン剤、黄体ホルモン剤(例、MPAな
ど)、アンドロゲン剤、エストロゲン剤、抗アンドロゲ
ン剤などがあげられる。
【0051】該「細胞増殖因子(growth factors)」と
は、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなもの
でもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチド
で、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因
子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermal g
rowth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有す
る物質(例、EGF、ヘレグリン(HER2リガンド)
など)、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一
の活性を有する物質(例、インシュリン、IGF(insul
in-like growth factor)−1、IGF−2など)、
(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれ
と実質的に同一の活性を有する物質(例、αFGF、β
FGF、KGF(Keratinocyte Growth Factor)、HG
F(Hepatocyte Growth Factor)、FGF-10な
ど)、(4)その他の細胞増殖因子(例、CSF(colon
y stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、
IL−2(interleukin-2)、NGF(nerve growth fac
tor)、PDGF(platelet-derived growth factor)、
TGFβ(transforming growth factorβ)など)など
があげられる。該「細胞増殖因子の受容体」としては、
上記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればい
かなるものであってもよく、具体的には、EGF受容
体、ヘレグリン受容体(HER2)、インシュリン受容
体−1、インシュリン受容体−2、 IGF受容体、FG
F受容体−1またはFGF受容体−2などがあげられ
る。上記細胞増殖因子の作用を阻害する薬剤としては、
ハーセプチン(HER2レセプター抗体)などがあげら
れる。上記細胞増殖因子またはその受容体の作用を阻害
する薬剤としては、例えば、ハービマイシン、PD15
3035(Science 265 (5175) p1093, (1994))などが
あげられる。
【0052】また、細胞増殖因子またはその受容体の作
用を阻害する薬剤としてHER2阻害剤もあげられる。
HER2阻害剤としては、HER2の活性(例、リン酸
化活性)を阻害する物質であれば、抗体、低分子化合物
(合成化合物、天然物)、アンチセンス、HER2リガ
ンド、ヘレグリンまたはこれらの構造を一部修飾、改変
したものの何れであってもよい。また、HER2レセプ
ターを阻害することによりHER2活性を阻害する物質
(例、HER2レセプター抗体)であってもよい。HE
R2阻害作用を有する低分子化合物としては、例えば、
WO98/03505号に記載の化合物、具体的には1
−[3−[4−[2−((E)−2−フェニルエテニ
ル)−4−オキサゾリルメトキシ]フェニル]プロピ
ル]−1,2,4−トリアゾールなどがあげられる。前
立腺肥大症に対しては、GnRH超作動薬、抗アンドロ
ゲン剤、抗エストロゲン剤、ペプチド性GnRH拮抗
薬、5α−レダクターゼ阻害薬、α−受容体阻害薬、ア
ロマターゼ阻害薬、17β−ヒドロキシステロイド脱水
素酵素阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬、りん酸
化酵素阻害薬などの薬剤と本発明の固形製剤との併用が
挙げられる。
【0053】前立腺癌に対しては、GnRH超作動薬、
抗アンドロゲン剤、抗エストロゲン剤、化学療法剤
〔例、イホスファミド(Ifosfamide)、UFT、アドリ
アマイシン(Adriamycin)、ペプロマイシン(Peplomyc
in)、シスプラチン(Cisplatin)など〕、ペプチド性
GnRH拮抗薬、アロマターゼ阻害薬、17β−ヒドロ
キシステロイド脱水素酵素阻害薬、副腎系アンドロゲン
産生阻害薬、りん酸化酵素阻害薬、ホルモン療法剤
〔例、エストロゲン剤(例、DSB、EMPなど)、抗
アンドロゲン剤(例、CMAなど)など〕、細胞増殖因
子またはその受容体の作用を阻害する薬剤などの薬剤と
本発明の固形製剤との併用が挙げられる。乳癌に対し
ては、GnRH超作動薬、抗エストロゲン剤、化学療法
剤〔例、シクロフォスファミド(Cyclophosphamide)、
5−FU、UFT、メトレキセート(Methotrexate)、
アドリアマイシン(Adriamycin)、マイトマイシンC
(Mitomycin C)、マイトキサントロン(Mitoxantron
e)など〕、ペプチド性GnRH拮抗薬、アロマターゼ
阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬、りん酸化酵素
阻害薬、ホルモン療法剤〔例、抗エストロゲン剤〔例、
タモキシフェン(Tamoxifen)など〕)、黄体ホルモン
剤(例、MPAなど)、アンドロゲン剤、エストロゲン
剤など〕、細胞増殖因子またはその受容体の作用を阻害
する薬剤などの薬剤と本発明の固形製剤との併用が挙げ
られる。上記の薬剤は、本発明の固形製剤と同時にまた
は時間差をおいて同一対象に投与してもよい。あるい
は、上記の薬剤(1ないし3種類の薬剤)は本発明の固
形製剤に配合されてもよい。さらに、本発明の固形製剤
は、酢酸リュープロレリンなどのGnRH超作動薬の投
与前に投与して、フレアーを起こさずに治療を行うこと
も可能である。
【0054】本発明の固形製剤は、通常経口的に投与さ
れる。本発明の固形製剤の投与量は、生理活性物質の種
類と含量、剤形、生理活性物質放出の持続時間、対象疾
病、対象動物などによって種々異なるが、生理活性物質
の有効量であればよい。例えば生理活性物質として化合
物(I)または化合物(VIII)を用いる場合、化合物の
一回当たりの投与量は、成人(体重60kg)一人当た
り、約0.01〜10mg/kg体重である。投与回数
は、二日に1回または一日に1〜4回などである。
【0055】
【発明の実施の形態】以下に、参考例、実施例および実
験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら
は本発明を限定するものではない。
【0056】
【実施例】参考例1 2−アミノ−4−メチル−5−(4−ニトロフェニル)
チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル 4−ニトロフェニルアセトン(35.0g,195mm
ol)、シアノ酢酸エチル(23.8g,195mmo
l)、酢酸アンモニウム(3.1g,40mmol)お
よび酢酸(9.1ml,159mmol)の混合物を、
ディーンスターク装置で生成する水を除きながら、24
時間加熱還流した。冷後、反応液を減圧下濃縮し、残さ
をジクロルメタンと重曹水で分配した。有機層を食塩水
で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留去し
た。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製
した。得られた油状物をエタノールに溶解させ、硫黄
(5.0g,160mmol)およびジエチルアミン
(16.0ml,160mmol)を加え60−70℃
で2時間かくはんした。冷後、反応液を減圧下濃縮し、
残さをジクロルメタンと重曹水で分配した。有機層を食
塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減圧下に留
去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製し、エーテル−へキサンから結晶化させて赤色板状
晶の標題化合物(22.2g,52%)を得た。 mp:168−170℃ (エーテル−へキサンより再
結晶). 元素分析値 C141424Sとして 1H−NMR(200MHz,CDCl3)δ:1.39
(3H,t,J=7.1Hz),2.40(3H,
s),4.34(2H,q,J=7.1Hz),6.2
7(2H,br),7.48(2H,d,J=8.7H
z),8.23(2H,d,J=8.7Hz). IR(KBr):3446,3324,1667,15
80,1545,1506,1491,1475,14
10,1332cm-1
【0057】参考例2 5−メチル−6−(4−ニトロフェニル)−3−フェニ
ルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3
H)−ジオン 参考例1で得られた化合物(5.00g,16.32m
mol)のピリジン(30ml)溶液に、フェニルイソ
シアネート(2.66ml,24.48mmol)を加
え、45℃で6時間かくはん後、反応液を減圧下濃縮し
て得られた残さをエタノール(6ml)溶液とした。こ
の溶液に28%ナトリウムメトキシド(7.86g,4
0.80mmol)を加え、反応液を室温で2時間かく
はんした後、2N塩酸(25ml,50mmol)を加
えエタノール溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを
ろ過して水−エタノールで洗浄し、減圧下に乾燥後エタ
ノールから再結晶して、黄色粉末の標題化合物(6.0
9g,98%)を得た。 mp:>300℃. 元素分析値 C191334S・0.3H2Oとして 1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.
50(3H,s),7.31−7.46(5H,m),
7.78(2H,d,J=8.8Hz),8.32(2
H,d,J=8.8Hz),12.50(1H,s). IR(KBr):1715,1657,1593,15
10cm-1
【0058】参考例3 1−(2,6−ジフルオロベンジル)−5−メチル−6
−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルチエノ〔2,
3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例2で得られた化合物(52.54g,0.131
mol)のジメチルホルムアミド(1.0l)溶液に、
炭酸カリウム(19.00g,0.138mol)、ヨ
ウ化カリウム(22.90g,0.138mol)、
2,6−ジフルオロベンジルクロリド(22.40g,
0.138mol)を加え室温で2時間かくはんした。
反応液を濃縮して得られた残渣をクロロホルムと食塩水
で分配した。水層をクロロホルムで抽出し、抽出液をあ
わせて食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を減
圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製して淡黄色結晶の標題化合物(6
1.50g,93%)を得た。 mp:280−282℃. 元素分析値 C261734SF2として 1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.57
(3H,s),5.38(2H,s),6.94(2
H,d,J=8.1Hz),7.42−7.58(8
H,m),8.29(2H,d,J=8.8Hz). IR(KBr):1719,1669,1524,14
73cm-1
【0059】参考例4 5−ブロモメチル−1−(2,6−ジフルオロベンジ
ル)−6−(4−ニトロフェニル)−3−フェニルチエ
ノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−
ジオン 参考例3で得られた化合物(30.34g,0.060
mol)、N−ブロモこはく酸イミド(12.81g,
0.072mol)、α,α’−アゾビスイソブチロニ
トリル(1.15g,0.007mol)およびクロロ
ベンゼン(450ml)の混合物を85℃で3時間かく
はんした。冷後反応液を食塩水で洗浄し乾燥(MgSO
4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残さを酢酸
エチルから再結晶して黄色針状晶の標題化合物(80.
21g,100%)を得た。 mp:228−229℃.1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:4.77
(2H,s),5.38(2H,s),6.96(2
H,t,J=8.1Hz),7.29−7.58(6
H,m),7.79(2H,d,J=8.5Hz),
8.35(2H,d,J=8.5Hz). IR(KBr):1721,1680,1524,14
73,1348cm-1.FAB−Mass m/z 5
84(MH)+
【0060】参考例5 5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−
(2,6−ジフルオロベンジル)−6−(4−ニトロフ
ェニル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例4で得られた化合物(80.00g,0.119
mol)のジメチルホルムアミド(600ml)溶液
に、氷冷下、エチルジイソプロピルアミン(27.00
ml,0.155mol)およびベンジルメチルアミン
(18.45ml,0.143mol)を加えた。室温
で2時間かくはんした後、反応液を濃縮して得られる残
渣を酢酸エチルと飽和重曹水で分配した。水層を酢酸エ
チルで抽出し、有機層をあわせて乾燥(MgSO4
後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色油状物
(74.90g,100%)を得、酢酸エチルから再結
晶して黄色針状晶の標題化合物を得た。 mp:173−174℃. 元素分析値 C342644SF2・0.5H2Oとして 1H−NMR(300MHz,CDCl3)[フリーアミ
ン]δ:1.31(3H,s),3.60(2H,
s),3.96(2H,s),5.39(2H,s),
6.95(2H,t,J=8.2Hz),7.18−
7.55(11H,m),8.02(2H,d,J=
9.0Hz),8.26(2H,d,J=9.0H
z). IR(KBr)[塩酸塩]:1719,1678,15
97,1520cm-1
【0061】参考例6 6−(4−アミノフェニル)−5−(N−ベンジル−N
−メチルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベ
ンジル)−3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジ
ン−2,4(1H,3H)−ジオン 参考例5で得られた化合物(3.00g,4.80mm
ol)のギ酸(30ml)溶液に、氷冷下、1M塩化水
素−エーテル(14.4ml,14.4mmol)およ
び10%パラジウム炭素粉末(300mg)を加え、常
温常圧で2時間にわたりかくはんし水素添加した。反応
液をセライトろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣
をジクロルメタンおよび飽和重曹水で分配した。水層を
ジクロルメタンで抽出し、有機層をあわせて乾燥(Mg
SO4)後、溶媒を減圧下に留去した。得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して白色結
晶の標題化合物(2.41g,84%)を得た。 mp:205−207℃. 元素分析値 C342842SF2・0.1AcOEt・1.2H2Oとして C(%) H(%) N(%) 計算値: 66.09; 5.03; 8.96 実測値: 66.93; 4.94; 8.671 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.05
(3H,s),3.56(2H,s),3.83(2
H,br),3.88(2H,s),5.36(2H,
s),6.70(2H,d,J=8.8Hz),6.8
8−6.94(2H,m),7.21−7.31(8
H,m),7.41−7.53(5H,m). IR(KBr):1715,1657,1628,15
37cm-1
【0062】参考例7 5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−
(2,6−ジフルオロベンジル)−6−[4−(3−メ
トキシウレイド)フェニル]−3−フェニルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジ
オン 参考例6で得られた化合物(5.0g,8.41mmo
l)のジクロロメタン(120ml)溶液に、氷冷下、
トリエチルアミン(2.34ml,16.82mmo
l)を加えかくはんした。この反応液に、氷冷下、N,
N’−カルボニルジイミダゾール(2.73g,16.
82mmol)を加え、氷冷下から室温に戻して42時
間かくはんした。再度氷冷下に戻し、O−メチルヒドロ
キシルアミン塩酸塩(7.02g,84.08mmo
l)およびトリエチルアミン(11.7ml,84.0
8mmol)を加えた。反応液は氷冷下から室温に戻し
て3時間かくはんした。反応液をクロロホルムと飽和重
曹水で分配した。水層をクロロホルムで抽出し、抽出液
をあわせて食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、溶
媒を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製して淡黄色固体を得、クロ
ロホルム−エーテルから再結晶して白色結晶(4.52
g,80%)の標題化合物を得た。 mp:204−205℃. 元素分析値 C363154SF2として 1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:2.05
(3H,s),3.57(2H,s),3.82(3
H,s),3.90(2H,s),5.37(2H,
s),6.92(2H,d,J=8.2Hz),7.1
6−7.31(9H,m),7.42−7.57(5
H,m),7.63(1H,s),7.73(2H,
d,J=8.8Hz). IR(KBr):3338,3064,1717,16
69,1628,1591,1531,1470c
-1
【0063】参考例8 3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,
7−ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフ
ルオロベンジル)−2−[4−[(1−ヒドロキシシク
ロプロピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4−オキ
ソチエノ[2,3−b]ピリジン 2−(4−アミノフェニル)−7−(2,6−ジフルオ
ロベンジル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリル−
3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4−
オキソチエノ[2,3−b]ピリジン(0.57g,
1.0mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液
に、ジイソプロピルエチルアミン(0.52g,4mm
ol)および2−ヒドロキシシクロプロパンカルボン酸
(0.204g,2mmol)を加え氷冷下攪拌した。
この溶液にベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス
ジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロホスフェー
ト(BOP試薬)(1.76g,4mmol)を加え
た。氷冷下1時間攪拌し、更に室温で4日間攪拌した。
反応液を減圧乾固し、得られた残さを水(50ml)と
クロロホルム(50ml)とに分配した。水層は再度ク
ロロホルム(10ml)で抽出した。抽出液をあわせて
食塩水で洗浄し、乾燥(MgSO4)後、 溶媒を減圧下
に留去した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製し、エーテルから再結晶して黄色粉末
結晶を得た(0.27g,41%)。1 H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:1.16
−1.20(2H,m),1.18(6H,d),1.
48−1.51(2H,m),2.09(3H,s),
3.64(2H,s),3.95(1H,br s),
4.14(2H,s),4.12−4.19(1H,
m),5.20(2H,s),6.99(2H,t),
7.10−7.25(5H,m),7.34−7.46
(1H,m),7.57(2H,d),7.70(2
H,d),8.21(1H,s),8.82(1H,
s).
【0064】実施例1 5−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−1−
(2,6−ジフルオロベンジル)−6−[4−(3−メ
トキシウレイド)フェニル]−3−フェニルチエノ
〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジ
オン(以下、化合物Aと略記)含有固形製剤 〔表1〕に示す処方の製剤を以下のように製造した。 (1)精製水4050gにヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース2910(TC−5)400.5gを溶解し
た。得られた溶液に酸化チタン45g、黄色三二酸化鉄
4.5gを分散させ、被覆剤を得た。 (2)参考例7で得られた化合物A730g、乳糖20
81g、トウモロコシデンプン365gおよびカルボキ
シメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウ
ム)182.5gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)
に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース1
46gを溶解した20%エタノール溶液2920gをス
プレーして、造粒末を得た。造粒工程における製造条件
を〔表2〕に示す。
【0065】(3)上記(2)で得られた造粒末314
4gをパワーミル(昭和化学機械工作所製)を用いて整
粒末とした。得られた整粒末2976g、カルメロース
カルシウム93gおよびステアリン酸マグネシウム31
gをタンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)を用い
て混合末とし、この混合末2900gを打錠機(菊水製
作所製)により打錠し、裸錠を得た。整粒、混合および
打錠工程における製造条件を〔表2〕に示す。 (4)上記(3)で得られた裸錠に、フィルムコーティ
ング機(パウレック社製)中で、上記(1)で得られた
被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物Aを100mg含有
する、〔表1〕に示す処方のフィルムコーティング錠
5,000錠を得た。フィルムコーティング工程におけ
る製造条件を〔表2〕に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】実施例2 3−(N−ベンジル−N−メチルアミノメチル)−4,
7−ジヒドロ−5−イソブチリル−7−(2,6−ジフ
ルオロベンジル)−2−[4−[(1−ヒドロキシシク
ロプロピル)カルボニルアミノ]フェニル]−4−オキ
ソチエノ[2,3−b]ピリジン(以下、化合物Bと略
記)含有固形製剤 〔表3〕に示す処方の製剤を以下のように製造した。 (1)精製水4104gにヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース2910(TC−5)405.8gを溶解し
た。得られる溶液に酸化チタン45.6g、黄色三二酸
化鉄4.56gを分散させ、被覆剤を得た。 (2)参考例8で得られた化合物B1100g、乳糖2
119g、トウモロコシデンプン418gおよびカルボ
キシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシ
ウム)209gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に
入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース16
7.2gを溶解した水溶液3344gをスプレーして、
造粒末を得た。
【0069】(3)上記(2)で得られた造粒末368
4gをパワーミル(昭和化学機械工作所製)を用いて整
粒末とした。得られた整粒末3539gとカルメロース
カルシウム110.6gおよびステアリン酸マグネシウ
ム36.86gをタンブラー混合機(昭和化学機械工作
所製)を用いて混合末とし、この混合末3496gを打
錠機(菊水製作所製)により打錠し、裸錠を得た。 (4)上記(3)で得られた裸錠に、フィルムコーティ
ング機(パウレック社製)中で、上記(1)で得られた
被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物Bを100mg含有
する、〔表3〕に示す処方のフィルムコーティング錠
7,000錠を得た。また、各工程における製造条件を
〔表4〕に示す。
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】実施例3 化合物A100g、乳糖116gおよびトウモロコシデ
ンプン60gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入
れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース9gを
溶解した水溶液150gをスプレーして、〔表5〕に示
す処方の造粒末を得た。
【0073】実施例4 化合物A1000g、乳糖1070gおよびトウモロコ
シデンプン600gを流動造粒乾燥機(パウレック社
製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロー
ス150gを溶解した水溶液2500gをスプレーし
て、〔表5〕に示す処方の造粒末を得た。
【0074】実施例5 化合物A200g、乳糖560g、トウモロコシデンプ
ン100gおよびカルボキシメチルセルロースカルシウ
ム(カルメロースカルシウム)50gを流動造粒乾燥機
(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプ
ロピルセルロース50gを溶解した水溶液834gをス
プレーして、〔表5〕に示す処方の造粒末を得た。
【0075】
【表5】
【0076】実験例1 実施例1−(2)、実施例3〜5における造粒末の製造
性(造粒性)の評価を〔表6〕に示す。実施例3〜5は
造粒が不十分であったため、得られた造粒末はハンドリ
ングが悪く、打錠は困難であるが、製剤化は可能であっ
た。これに対し、実施例1−(2)で得られた造粒末は
造粒が十分行われていたため、打錠工程に問題はなかっ
た。
【0077】
【表6】
【0078】実験例2 実施例1における製造スケールを5,000錠から60
0錠に変更し、実施例1に記載の方法に準じて製造した
化合物Aを1錠当たり25mg含有する裸錠およびフィ
ルムコーティング錠の耐光試験結果を〔表7〕に示す。
また、実施例2における製造スケールを7,000錠か
ら580錠に変更し、実施例2に記載の方法に準じて製
造した化合物Bを1錠当たり25mg含有する裸錠およ
びフィルムコーティング錠の耐光試験結果を〔表8〕に
示す。いずれも裸錠は光照射により錠剤の照射面が黄色
に変色し、また、対照(遮光した錠剤)と比較して顕著
な類縁物質の増加が認められた。これに対し、フィルム
コーティング錠は光照射により外観の変化は認められ
ず、また、類縁物質も対照(遮光した錠剤)と比較して
ほとんど増加しなかった。
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】
【0081】実施例6 化合物A600g、乳糖1710g、トウモロコシデン
プン300gおよびカルボキシメチルセルロースカルシ
ウム(カルメロースカルシウム)150gを流動造粒乾
燥機(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキ
シプロピルセルロース120gを溶解した20%エタノ
ール溶液2400gをスプレーして、造粒末を得た。得
られた造粒末2500gをパワーミル(昭和化学機械工
作所製)を用いて整粒末とした。得られた整粒末192
0gとカルメロースカルシウム60gおよびステアリン
酸マグネシウム20gをタンブラー混合機(昭和化学機
械工作所製)を用いて混合末とし、この混合末を打錠機
(島津製作所製)により打錠し、〔表9〕に示す処方の
裸錠を得た。打錠条件を〔表10〕に示す。
【0082】
【表9】
【0083】
【表10】
【0084】実験例3 実施例1−(3)および実施例6で得られた裸錠の各溶
出性を比較した。試験液として、Tween80を0.
1%含有したpH3.0のクエン酸緩衝液を用い、日局
第2法(パドル法,50rpm)に従って溶出率を測定
した。結果を〔図1〕に示す。これより、実施例1−
(3)の楕円錠は、実験例6の丸錠に対し、溶出速度が
速いことがわかる。
【0085】実施例7 1)5mg錠 (1)精製水4500gにヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース2910(TC−5)445gを溶解した。得
られた溶液に酸化チタン50g、黄色三二酸化鉄5gを
分散させ、被覆剤を得た。 (2)参考例7で得られた化合物A42g、乳糖319
2g、トウモロコシデンプン420gおよびカルボキシ
メチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウ
ム)210gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入
れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース168
gを溶解した20%エタノール溶液3360gをスプレ
ーして、造粒末を得た。造粒工程における製造条件は
〔表2〕と同様である。 (3)上記(2)で得られた造粒末3528gをパワー
ミル(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とした。
得られた整粒末3168g、カルメロースカルシウム9
9gおよびステアリン酸マグネシウム33gをタンブラ
ー混合機(昭和化学機械工作所製)を用いて混合末と
し、この混合末3000gを打錠機(菊水製作所製)に
より打錠し、裸錠を得た。整粒、混合および打錠工程に
おける製造条件は〔表2〕と同様である。 (4)上記(3)で得られた裸錠に、フィルムコーティ
ング機(パウレック社製)中で、上記(1)で得られた
被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物Aを5mg含有す
る、〔表11〕に示す処方のフィルムコーティング錠
5,000錠を得た。フィルムコーティング工程におけ
る製造条件は〔表2〕と同様である。 2)50mg錠 (1)精製水18000gにヒドロキシプロピルメチル
セルロース2910(TC−5)1780gを溶解し
た。得られた溶液に酸化チタン200g、黄色三二酸化
鉄20gを分散させ、被覆剤を得た。 (2)参考例7で得られた化合物A1500g、乳糖1
0050g、トウモロコシデンプン1500gおよびカ
ルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメロースカ
ルシウム)750gを流動造粒乾燥機(パウレック社
製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロー
ス600gを溶解した20%エタノール溶液12000
gをスプレーして、造粒末を得た。造粒工程における製
造条件は〔表2〕と同様である。 (3)上記(2)で得られた造粒末12960gをパワ
ーミル(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とし
た。得られた整粒末36000g、カルメロースカルシ
ウム1125gおよびステアリン酸マグネシウム375
gをタンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)を用い
て混合末とし、この混合末36500gを打錠機(菊水
製作所製)により打錠し、裸錠を得た。整粒、混合およ
び打錠工程における製造条件は〔表2〕と同様である。 (4)上記(3)で得られた裸錠に、フィルムコーティ
ング機(パウレック社製)中で、上記(1)で得られた
被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物Aを50mg含有す
る、〔表11〕に示す処方のフィルムコーティング錠6
6,000錠を得た。フィルムコーティング工程におけ
る製造条件は〔表2〕と同様である。
【表11】
【0086】実施例8 (1)化合物A 8.4g、乳糖3226g、トウモロコシデンプ
ン420gおよびカルボキシメチルセルロースカルシウム
(カルメロースカルシウム)210gを流動造粒乾燥機(パ
ウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピ
ルセルロース168gを溶解した水溶液3360gをスプレーし
て、造粒末を得た。造粒工程における製造条件を〔表1
3〕に示す。 (2)上記(1)で得られた造粒末3528gをパワーミル
(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とした。得ら
れた整粒末3168gとカルメロースカルシウム99gおよびス
テアリン酸マグネシウム33gをタンブラー混合機(昭和
化学機械工作所製)を用いて混合し、〔表12〕に示す
混合末を得た。整粒および混合工程における製造条件を
〔表13〕に示す。 (3)上記(2)で得られた混合末を打錠機(菊水製作
所製)により打錠し、さらに、得られた裸錠にフィルム
コーティング機(パウレック社製)中で被覆剤(精製水
にヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−
5)を溶解した溶液に、別に酸化チタンおよび黄色三二
酸化鉄を懸濁した液を混合させた被覆剤)を噴霧するこ
とによって、1錠当たり化合物Aを1mg含有する、〔表
12〕に示す処方のフィルムコーティング錠を得ること
ができる。
【0087】
【表12】
【0088】
【表13】
【0089】実施例9 化合物A 25g、乳糖167.5g、トウモロコシデンプン25g
およびカルボキシメチルセルロースカルシウム(カルメ
ロースカルシウム)12.5gを流動造粒乾燥機(パウレッ
ク社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセル
ロース10gを溶解した水溶液200gをスプレーして、〔表
14〕に示す造粒末を得た。得られた造粒末は造粒が十
分行われており、打錠工程に問題はなかった。
【0090】
【表14】
【0091】実施例10 (1)化合物A 700g、乳糖2576g、トウモロコシデンプ
ン420gおよびカルボキシメチルセルロースカルシウム
(カルメロースカルシウム)210gを流動造粒乾燥機(パ
ウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピ
ルセルロース126gを溶解した水溶液1974gをスプレーし
て、造粒末を得た。造粒工程における製造条件を〔表1
6〕に示す。得られた造粒末は造粒が十分行われてお
り、打錠工程に問題はなかった。 (2)上記(1)で得られた造粒末3950gをパワーミル
(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とした。得ら
れた整粒末3168gとカルメロースカルシウム99gおよびス
テアリン酸マグネシウム33gをタンブラー混合機(昭和
化学機械工作所製)を用いて混合末とし、この混合末10
00gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、〔表1
5〕に示す裸錠を得た。整粒、混合および打錠工程にお
ける製造条件を〔表16〕に示す。 (3)上記(2)で得られた裸錠に、フィルムコーティ
ング機(パウレック社製)中で被覆剤(精製水にヒドロ
キシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)を溶解
した溶液に、別に酸化チタンおよび黄色三二酸化鉄を懸
濁した液を混合させた被覆剤)を噴霧し、1錠当たり化
合物Aを50mg含有する、〔表15〕に示す処方のフィル
ムコーティング錠を得ることができる。
【0092】
【表15】
【0093】
【表16】
【0094】実施例11 1)5mg錠 (1)化合物A 210g 、乳糖3066g 、トウモロコシデン
プン420g およびカルボキシメチルセルロースカルシウ
ム(カルメロースカルシウム)210g を流動造粒乾燥機
(パウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプ
ロピルセルロース126g を溶解した水溶液1974g をスプ
レーして、造粒末を得る。 (2)上記(1)で得られる造粒末3528g をパワーミル
(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とする。得ら
れた整粒末3168g とカルメロースカルシウム99gおよび
ステアリン酸マグネシウム33g をタンブラー混合機(昭
和化学機械工作所製)を用いて混合末とし、この混合末
3000g を打錠機(菊水製作所製)により打錠し、〔表1
7〕に示す裸錠を得る。 (3)上記(2)で得られる裸錠に、フィルムコーティ
ング機(パウレック社製)中で被覆剤(精製水にヒドロ
キシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)を溶解
した溶液に、別に酸化チタンおよび黄色三二酸化鉄を懸
濁した液を混合させた被覆剤)を噴霧し、1錠当たり化
合物Aを5mg 含有する、〔表17〕に示す処方のフィル
ムコーティング錠を得ることができる。 2)25mg錠 (1)化合物A 420g、乳糖2856g、トウモロコシデンプ
ン420gおよびカルボキシメチルセルロースカルシウム
(カルメロースカルシウム)210gを流動造粒乾燥機(パ
ウレック社製)に入れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピ
ルセルロース126gを溶解した水溶液1974gをスプレーし
て、造粒末を得る。 (2)上記(1)で得られる造粒末3528gをパワーミル
(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とする。得ら
れた整粒末3168gとカルメロースカルシウム99gおよびス
テアリン酸マグネシウム33gをタンブラー混合機(昭和
化学機械工作所製)を用いて混合末とし、この混合末30
00gを打錠機(菊水製作所製)により打錠し、〔表1
7〕に示す裸錠を得る。 (3)上記(2)で得られる裸錠に、フィルムコーティ
ング機(パウレック社製)中で被覆剤(精製水にヒドロ
キシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)を溶解
した溶液に、別に酸化チタンおよび黄色三二酸化鉄を懸
濁した液を混合させた被覆剤)を噴霧し、1錠当たり化
合物Aを25mg含有する、〔表17〕に示す処方のフィル
ムコーティング錠を得ることができる。
【0095】
【表17】
【0096】実施例12 (1)精製水4104gにヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース2910(TC−5)405.8gを溶解し
た。得られる溶液に酸化チタン45.6g、黄色三二酸
化鉄4.56gを分散させ、被覆剤を得た。 (2)参考例8で得られた化合物B55g、乳糖316
3g、トウモロコシデンプン418gおよびカルボキシ
メチルセルロースカルシウム(カルメロースカルシウ
ム)209gを流動造粒乾燥機(パウレック社製)に入
れ、予熱混合し、ヒドロキシプロピルセルロース16
7.2gを溶解した水溶液3344gをスプレーして、
造粒末を得た。 (3)上記(2)で得られた造粒末3539gをパワー
ミル(昭和化学機械工作所製)を用いて整粒末とした。
得られた整粒末3101gとカルメロースカルシウム9
6.9gおよびステアリン酸マグネシウム32.3gを
タンブラー混合機(昭和化学機械工作所製)を用いて混
合末とし、この混合末3116gを打錠機(菊水製作所
製)により打錠し、裸錠を得た。 (4)上記(3)で得られた裸錠に、フィルムコーティ
ング機(パウレック社製)中で、上記(1)で得られた
被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物Bを5mg含有す
る、〔表18〕に示す処方のフィルムコーティング錠
6,580錠を得た。また、各工程における製造条件は
〔表4〕と同様である。
【0097】
【表18】
【0098】
【発明の効果】本発明に従い生理活性物質、セルロース
系崩壊剤および結合剤を含む溶液を混合させることによ
り、予め定められた粒径を有する造粒性の向上した造粒
末を容易に調整することができる。また、本発明の造粒
末を配合してなる固形製剤、特に本発明の造粒末、セル
ロース系崩壊剤およびステアリン酸系滑沢剤を配合して
なる固形製剤は、生理活性物質の含量を高くすることが
でき、崩壊性に優れ、生理活性物質の溶出製にも優れ
る。特にフィルムコーティング錠にした場合には、非遮
光下でも長期間安定に保存することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−(3)および実施例6で得られた裸
錠の各溶出率を示す。図中、−●−は楕円錠からの化合
物Aの溶出曲線を、−□−は丸錠からの化合物Aの溶出
曲線をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/12 A61K 47/12 47/26 47/26 47/32 47/32 47/36 47/36 47/38 47/38 47/42 47/42 A61P 5/24 A61P 5/24 13/08 13/08 15/00 15/00 171 171 15/08 15/08 15/16 15/16 15/18 15/18 17/10 17/10 17/14 17/14 25/28 25/28 35/00 35/00 35/04 35/04 43/00 111 43/00 111 B01J 2/28 B01J 2/28 Fターム(参考) 4C076 AA29 AA30 AA31 AA44 AA53 CC30 DD41 DD67 EE31 EE32 EE33 EE38 FF05 FF06 FF07 FF09 FF21 FF36 4C086 AA01 AA02 CB22 MA02 MA03 MA05 MA35 MA37 MA41 NA03 ZA16 ZA81 ZA86 ZA89 ZA92 ZB26 ZC03 ZC10 ZC11 ZC41 ZC75 4G004 NA01 NA02

Claims (49)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生理活性物質とセルロース系崩壊剤を含有
    してなる造粒末。
  2. 【請求項2】セルロース系崩壊剤がカルボキシメチルセ
    ルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、ク
    ロスカルメロースナトリウムまたは低置換度ヒドロキシ
    プロピルセルロースから選ばれる化合物または2以上の
    化合物を組み合わせてなる崩壊剤である請求項1記載の
    造粒末。
  3. 【請求項3】セルロース系崩壊剤がカルボキシメチルセ
    ルロースカルシウムである請求項1記載の造粒末。
  4. 【請求項4】生理活性物質が難水溶性である請求項1記
    載の造粒末。
  5. 【請求項5】生理活性物質が撥水性である請求項1記載
    の造粒末。
  6. 【請求項6】生理活性物質が難水溶性かつ撥水性である
    請求項1記載の造粒末。
  7. 【請求項7】生理活性物質の接触角が80度以上である
    請求項1記載の造粒末。
  8. 【請求項8】生理活性物質が、式 【化1】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - - は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩である請求項1記載の造粒末。
  9. 【請求項9】式 【化2】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - - は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩が、式 【化3】 〔式中、R1およびR2は、それぞれ水素原子、ヒドロキ
    シ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ−カルボニ
    ル基または置換基を有していてもよいC1-4アルキル基
    を、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基また
    は置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ基を示す
    か、または隣接する2つのR3が連結してC1-4アルキレ
    ンジオキシ基を形成してもよく、R4は水素原子または
    1-4アルキル基を、R6は置換基を有していてもよいC
    1-4アルキル基または式 【化4】 (式中、R5は水素原子を示すか、またはR4とR5とが
    連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、お
    よびnは0〜5の整数を示す〕で表される化合物または
    その塩である請求項8記載の造粒末。
  10. 【請求項10】式 【化5】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - - は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩が、5−(N−ベンジル−N−メチ
    ルアミノメチル)−1−(2,6−ジフルオロベンジ
    ル)−6−[4−(3−メトキシウレイド)フェニル]
    −3−フェニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,
    4(1H,3H)−ジオンまたはその塩である請求項8
    記載の造粒末。
  11. 【請求項11】式 【化6】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - - は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩が、式 【化7】 〔式中、R9は置換されていてもよいC1-7アルキル基、
    置換されていてもよいC 3-7シクロアルキル基、置換さ
    れていてもよいC1-6アルコキシアミノ基または置換さ
    れていてもよいヒドロキシアミノ基を、R10は置換され
    ていてもよいC1-7アルキル基または置換されていても
    よいフェニル基をそれぞれ示し、R9が無置換のC1-7
    ルキル基である場合、R10は置換されたC1-7アルキル
    基または置換されたフェニルを示す〕で表される化合物
    またはその塩である請求項8記載の造粒末。
  12. 【請求項12】式 【化8】 〔式中、Xは炭素原子または窒素原子を、- - - は単結
    合または二重結合を示す〕で表される部分構造を有する
    化合物またはその塩が、3−(N−ベンジル−N−メチ
    ルアミノメチル)−4,7−ジヒドロ−5−イソブチリ
    ル−7−(2,6−ジフルオロベンジル)−2−[4−
    [(1−ヒドロキシシクロプロピル)カルボニルアミ
    ノ]フェニル]−4−オキソチエノ[2,3−b]ピリ
    ジンまたはその塩である請求項8記載の造粒末。
  13. 【請求項13】生理活性物質、セルロース系崩壊剤およ
    び結合剤を含む溶液を混合し、乾燥してなる請求項1記
    載の造粒末。
  14. 【請求項14】結合剤がヒドロキシプロピルセルロー
    ス、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉
    末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
    ロース、ポリビニルピロリドン、デキストリンおよびプ
    ルランから選ばれる化合物または2以上の化合物を組み
    合わせてなる結合剤である請求項13記載の造粒末。
  15. 【請求項15】結合剤がヒドロキシプロピルセルロース
    である請求項13記載の造粒末。
  16. 【請求項16】結合剤を含む溶液が、アルコール溶液で
    ある請求項13記載の造粒末。
  17. 【請求項17】アルコールが炭素数1ないし3のアルコ
    ールである請求項16記載の造粒末。
  18. 【請求項18】アルコールがエタノールである請求項1
    6記載の造粒末。
  19. 【請求項19】打錠用である請求項1記載の造粒末。
  20. 【請求項20】生理活性物質、セルロース系崩壊剤およ
    び結合剤を含む溶液を混合し、乾燥することを特徴とす
    る造粒末の製造法。
  21. 【請求項21】請求項1ないし18記載の造粒末を配合
    してなる固形製剤。
  22. 【請求項22】請求項1ないし18記載の造粒末、セル
    ロース系崩壊剤およびステアリン酸系滑沢剤を配合して
    なる請求項21記載の固形製剤。
  23. 【請求項23】セルロース系崩壊剤がカルボキシメチル
    セルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、
    クロスカルメロースナトリウムまたは低置換度ヒドロキ
    シプロピルセルロースから選ばれる化合物または2以上
    の化合物を組み合わせてなる崩壊剤である請求項22記
    載の固形製剤。
  24. 【請求項24】セルロース系崩壊剤がカルボキシメチル
    セルロースカルシウムである請求項22記載の固形製
    剤。
  25. 【請求項25】ステアリン酸系滑沢剤がステアリン酸マ
    グネシウムである請求項22記載の固形製剤。
  26. 【請求項26】フィルムコーティング錠である請求項2
    1記載の固形製剤。
  27. 【請求項27】楕円形錠剤である請求項21記載の固形
    製剤。
  28. 【請求項28】カプセル剤である請求項21記載の固形
    製剤。
  29. 【請求項29】顆粒・細粒剤である請求項21記載の固
    形製剤。
  30. 【請求項30】式 【化9】 〔式中、R1およびR2は、それぞれ水素原子、ヒドロキ
    シ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ−カルボニ
    ル基または置換基を有していてもよいC1-4アルキル基
    を、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基また
    は置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ基を示す
    か、または隣接する2つのR3が連結してC1-4アルキレ
    ンジオキシ基を形成してもよく、R4は水素原子または
    1-4アルキル基を、R6は置換基を有していてもよいC
    1-4アルキル基または式 【化10】 (式中、R5は水素原子を示すか、またはR4とR5とが
    連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、お
    よびnは0〜5の整数を示す〕で表される化合物または
    その塩を含有してなる造粒末。
  31. 【請求項31】5−(N−ベンジル−N−メチルアミノ
    メチル)−1−(2,6−ジフルオロベンジル)−6−
    [4−(3−メトキシウレイド)フェニル]−3−フェ
    ニルチエノ〔2,3−d〕ピリミジン−2,4(1H,
    3H)−ジオンまたはその塩を含有してなる請求項30
    記載の造粒末。
  32. 【請求項32】式 【化11】 〔式中、R1およびR2は、それぞれ水素原子、ヒドロキ
    シ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ−カルボニ
    ル基または置換基を有していてもよいC1-4アルキル基
    を、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基また
    は置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ基を示す
    か、または隣接する2つのR3が連結してC1-4アルキレ
    ンジオキシ基を形成してもよく、R4は水素原子または
    1-4アルキル基を、R6は置換基を有していてもよいC
    1-4アルキル基または式 【化12】 (式中、R5は水素原子を示すか、またはR4とR5とが
    連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、お
    よびnは0〜5の整数を示す〕で表される化合物または
    その塩と、結合剤を含む溶液とを混合し、乾燥してなる
    請求項30記載の造粒末。
  33. 【請求項33】結合剤がヒドロキシプロピルセルロー
    ス、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉
    末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
    ロース、ポリビニルピロリドン、デキストリンおよびプ
    ルランから選ばれる化合物または2以上の化合物を組み
    合わせてなる結合剤である請求項32記載の造粒末。
  34. 【請求項34】結合剤を含む溶液がアルコール溶液であ
    る請求項32記載の造粒末。
  35. 【請求項35】アルコールが炭素数1ないし3のアルコ
    ールである請求項34記載の造粒末。
  36. 【請求項36】アルコールがエタノールである請求項3
    4記載の造粒末。
  37. 【請求項37】打錠用である請求項30記載の造粒末。
  38. 【請求項38】式 【化13】 〔式中、R1およびR2は、それぞれ水素原子、ヒドロキ
    シ基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシ−カルボニ
    ル基または置換基を有していてもよいC1-4アルキル基
    を、R3は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基また
    は置換基を有していてもよいC1-4アルコキシ基を示す
    か、または隣接する2つのR3が連結してC1-4アルキレ
    ンジオキシ基を形成してもよく、R4は水素原子または
    1-4アルキル基を、R6は置換基を有していてもよいC
    1-4アルキル基または式 【化14】 (式中、R5は水素原子を示すか、またはR4とR5とが
    連結して複素環を形成してもよい)で表される基を、お
    よびnは0〜5の整数を示す〕で表される化合物または
    その塩と、結合剤を含む溶液とを混合し、乾燥すること
    を特徴とする造粒末の製造法。
  39. 【請求項39】請求項30ないし36記載の造粒末を配
    合してなる固形製剤。
  40. 【請求項40】請求項30ないし36記載の造粒末、セ
    ルロース系崩壊剤およびステアリン酸系滑沢剤を配合し
    てなる請求項39記載の固形製剤。
  41. 【請求項41】セルロース系崩壊剤がカルボキシメチル
    セルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、
    クロスカルメロースナトリウムまたは低置換度ヒドロキ
    シプロピルセルロースから選ばれる化合物または2以上
    の化合物を組み合わせてなる崩壊剤である請求項40記
    載の固形製剤。
  42. 【請求項42】セルロース系崩壊剤がカルボキシメチル
    セルロースカルシウムである請求項40記載の固形製
    剤。
  43. 【請求項43】ステアリン酸系滑沢剤がステアリン酸マ
    グネシウムである請求項40記載の固形製剤。
  44. 【請求項44】フィルムコーティング錠である請求項3
    9記載の固形製剤。
  45. 【請求項45】楕円形錠剤である請求項39記載の固形
    製剤。
  46. 【請求項46】カプセル剤である請求項39記載の固形
    製剤。
  47. 【請求項47】顆粒・細粒剤である請求項39記載の固
    形製剤。
  48. 【請求項48】性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤で
    ある請求項39記載の固形製剤。
  49. 【請求項49】性ホルモン依存性疾患予防・治療剤であ
    る請求項39記載の固形製剤。
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