JP2002165793A - 超音波探触子 - Google Patents
超音波探触子Info
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Abstract
発生を抑えた最適な形状の圧電素子を有して、画像分解
能が向上可能な超音波探触子を実現する。 【解決手段】 超音波探触子1は、超音波を発生し、こ
の超音波を送受信する複数の圧電素子2と、前記複数の
圧電素子2の音響放射面側に位置し、前記複数の圧電素
子2から発生した超音波を放射するための音響整合層3
と、前記複数の圧電素子2の背面側に位置し、不要な超
音波を吸収する背面負荷材としてのバッキング材5と、
を備え、少なくとも前記複数の圧電素子2を1次元に配
列して構成される。前記圧電素子2の音響放射軸方向と
なる厚みtと、前記圧電素子2の配列方向となる幅Wと
の比(w/t)を0.3〜0.5として構成する。
Description
破壊検査用の超音波診断に用いられる超音波探触子に関
する。
用超音波器ハンドブック』((社)日本電子機械工業会
編、コロナ社、1997.1.20,P68〜P74)に示されるような
構造となっている。このような超音波探触子は、一般的
に例えば図7に示すような構成となっている。図7は、
従来の配列型超音波探触子を示す構成図であり、図7
(a)は従来の配列型超音波探触子の構成を示す概略斜
視図、図7(b)は同図(a)の側面断面図、図7
(c)は同図(a)の圧電素子のみを示した斜視図であ
る。
触子50は、両面に電極を形成した圧電セラミックス板
から形成される複数の圧電素子51と、前記複数の圧電
素子51の超音波を送受する側の面に形成された音響整
合層52a,52b及び音響レンズ53、ならびに前記
複数の圧電素子51の背面側に形成された背面負荷材5
4とが一体化され、前記複数の圧電素子51を1次元に
配列した構造となっている。
ミド等の絶縁樹脂55bから形成されるフレキシブルプ
リント基板55により信号線側が結線され、前記音響整
合層52a,52b側のグランドは共通電極として導電
性のワイヤ56や箔を用いて半田付けや導電性樹脂によ
り結線し、保護樹脂57で覆われている。
から印加される電圧パルスにより振動し、音響整合層5
2a,52b及び音響レンズ53を介して超音波を放射
するようになっている。この放射される超音波を効率よ
く被検体に伝搬させるために圧電素子51には、音響整
合層52a,52bが必要である。一方、これら音響整
合層52a,52bとは反対の面には形成された背面負
荷材54は、不要な振動を抑制する働きを持っている。
ば特公昭62−2813号公報に記載されているよう
に、1個の圧電素子51の音響放射軸方向となる厚みt
と、前記圧電素子の配列方向となる幅Wとの比(w/
t)を0.8以下とし、特にw/t=0.66(w=
0.4mm、t=0.6mm)とした実施例を示したも
のが提案されている。
公昭62−2813号公報に記載の配列型超音波探触子
は、1個の圧電素子51の音響放射軸方向となる厚みt
と、前記圧電素子51の配列方向となる幅Wとの比(w
/t)を0.8よりも極端に小さくした場合、以下に記
載するような不具合が生じる。
t)をw/t<0.3とした場合、横方向の振動モード
は小さくなるが、厚み方向の高次の振動が大きくなる。
この圧電素子51を少なくとも1列に並べて構成した配
列型超音波探触子50は、高調波の振動が発生する(図
2参照)。この高調波の発生により、配列型超音波探触
子50は高調波成分にもエネルギが配分されるため、基
本周波数成分のエネルギロスを招き、感度が低下する。
また、配列型超音波探触子50は、この高調波成分が乗
っていることにより、超音波を電子的にフォーカスする
ための電子フォーカスで形成される送信音場に乱れが生
じてアーチファクト(虚像)を発生したり、受信時にお
ける超音波のビーム合成結果の精度が低下したりする。
このため、超音波診断画像は、分解能が低下してしまう
ことになる。
(w/t)を0.6〜0.8とした場合、電気機械変換
効率は向上するが、横方向の振動モードが発生する。こ
のため、上述した高調波成分と同様な不具合が発生する
と共に、径方向の振動に起因するクロストークやパルス
幅の増大が生じ、画像化した際に超音波診断画像の分解
能が低下する(図3参照)。従って、圧電素子51は、
電気機械変換効率が高く、不要な振動モードの発生を抑
える形状であることが必要である。
であり、電気機械変換効率が高く、不要な振動モードの
発生を抑えた最適な形状の圧電素子を有し、画像分解能
が向上可能な超音波探触子を提供することを目的とす
る。
め、本発明は、超音波を発生し、この超音波を送受信す
る複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の音響放射面
側に位置し、前記複数の圧電素子から発生した超音波を
放射するための音響整合層と、前記複数の圧電素子の背
面側に位置し、不要な超音波を吸収する背面負荷材と、
を備え、少なくとも前記複数の圧電素子を1列に配列し
た超音波探触子において、前記圧電素子の音響放射軸方
向となる厚みtと、前記圧電素子の配列方向となる幅W
との比を0.3〜0.5としたことを特徴としている。
この構成により、電気機械変換効率が高く、不要な振動
モードの発生を抑えた最適な形状の圧電素子を有して、
画像分解能が向上可能な超音波探触子を実現する。
の実施の形態について述べる。 (第1の実施の形態)図1ないし図4は本発明の第1の
実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態の
超音波探触子を示す構成図であり、図1(a)は超音波
探触子の構成を示す概略斜視図、図1(b)は同図
(a)の側面断面図、図1(c)は同図(a)の圧電素
子のみを示した斜視図、図2は本発明の第1の実施の形
態の作用を示し、圧電素子の厚みtと、幅Wとの比(w
/t)を変えてインピーダンス特性を表した第1のグラ
フであり、図2(a)はw/t=0.2におけるインピ
ーダンス特性を示すグラフ、図2(b)はw/t=0.
3におけるインピーダンス特性を示すグラフ、図2
(c)はw/t=0.5におけるインピーダンス特性を
示すグラフ、図2(d)はw/t=0.6におけるイン
ピーダンス特性を示すグラフ、図3は本発明の第1の実
施の形態の作用を示し、圧電素子の厚みtと、幅Wとの
比(w/t)を変えてインピーダンス特性を表した第2
のグラフであり、図3(a)はw/t=0.5における
基本共振点付近を示すグラフ、図3(b)はw/t=
0.6における基本共振点付近を示すグラフ、図3
(c)はw/t=0.8における基本共振点付近を示す
グラフ、図4は本発明の第1の実施の形態の作用を示
し、圧電素子の厚みtと、幅Wとの比(w/t)を変え
て超音波探触子のエコー波形を示すグラフであり、図4
(a)はw/t=0.2における超音波探触子のエコー
波形を示すグラフ、図4(b)はw/t=0.25にお
ける超音波探触子のエコー波形を示すグラフ、図4
(c)はw/t=0.3における超音波探触子のエコー
波形を示すグラフ、図4(d)はw/t=0.5におけ
る超音波探触子のエコー波形を示すグラフである。
態の超音波探触子1は、超音波を発生し、この超音波を
送受信する複数の圧電素子2と、前記複数の圧電素子2
の音響放射面側に位置し、前記複数の圧電素子2から発
生した超音波を放射するための音響整合層3と、前記音
響整合層3よりも音響放射面側に位置する音響レンズ4
と、前記複数の圧電素子2の背面側に位置し、不要な超
音波を吸収する背面負荷材としてのバッキング材5と、
を備え、少なくとも前記複数の圧電素子2を1次元に配
列して構成される配列型超音波探触子である。
例えばソフト系のジルコン酸チタン酸鉛Pb(Zr,T
i)O3等のPZT系圧電セラミックスで形成してい
る。前記音響レンズ4は、シリコーン樹脂から形成され
ている。前記音響整合層3は、例えば、圧電素子2の音
響放射面側にアルミナをフィラとしたエポキシ樹脂から
形成される第1音響整合層3a及びこの第1音響整合層
3aよりも音響放射面側にエポキシ樹脂単体から形成さ
れる第2音響整合層3bで構成される。前記バッキング
材5は、アルミナをフィラとしたウレタンで形成され
る。尚、前記圧電素子2は、パターン6aを形成したフ
レキシブルプリント基板6により信号線側が結線され、
前記第1、第2音響整合層3a,3b側のグランドは共
通電極として導電性のワイヤ7や箔を用いて半田付けや
導電性樹脂により結線し、保護樹脂8で覆われている。
アアレイ)探触子は以下のような方法にて作製される。
前記第1音響整合層3a(音響インピーダンスは7.5
MRayl程度)の250μmの薄板を研削加工する。
次に、前記第1音響整合層3aの片面をテープ等でマス
キングし、マスキングしていない方の面に第2音響整合
層3bを190μm形成する。次に、約500μmの圧
電素子2を接着剤により前記第1音響整合層3aに固着
し、フレキシブルプリント基板6を半田により前記圧電
素子2に接合する。その後、前記複数の圧電素子2の背
面側にバッキング材5を注型接合した後、ワックスによ
り基台に固定もしくはテープにより固定する。そして、
この状態で前記圧電素子2側から裁断し、配列型振動子
を形成する。
μm厚さのブレードを使用し、0.3mmピッチで裁断
する。尚、このとき、1個の圧電素子2の音響放射軸方
向となる厚みtと、前記圧電素子2の配列方向となる幅
Wとの比(w/t)は、w/t=0.48である。
子2の音響整合層3側の表面電極に接合して共通GND
電極とする。最後に、音響レンズ4をシリコーン樹脂に
て形成してトランスデューサ部分を作製する。
示しない駆動回路から例えば数十〜数百ボルト程度の電
圧の駆動パルスが前記圧電素子2に印加される。そし
て、駆動パルスが印加された圧電素子2は、逆圧電効果
により急速に変形される。前記超音波探触子1は、前記
圧電素子2の変形により励起された超音波パルスを前記
音響整合層3及び前記音響レンズ4を経て放射すること
で、超音波パルスを送波するようになっている。
パルスは、対象物から反射された後に、前記音響レンズ
4及び前記第1、第2音響整合層3a,3bを経て前記
圧電素子2に再入射し、この圧電素子2を機械的に振動
させる。尚、超音波パルスを反射する対象物としては、
医療用に関しては体内の各組織の界面であり、また、被
破壊検査用に関しては被測定物内部の傷等の非連続部で
ある。
動した圧電素子2は、圧電効果により機械的振動を電気
信号に変換した後、この電気信号を図示しない観測装置
に送信する。観測装置は、前記電気信号を信号処理し、
超音波診断画像としてモニタに表示させるようになって
いる。
る厚みtと、前記圧電素子2の配列方向となる幅Wとの
比(w/t)を変化させると、図2及び図3に示すよう
なインピーダンス特性が得られる。
Wとの比(w/t)を変えてインピーダンス特性(周波
数に対する音響インピーダンス及び位相)を表したグラ
フである。図2(a)はw/t=0.2におけるインピ
ーダンス特性を示すグラフ、図2(b)はw/t=0.
3におけるインピーダンス特性を示すグラフ、図2
(c)はw/t=0.5におけるインピーダンス特性を
示すグラフ、図2(d)はw/t=0.6におけるイン
ピーダンス特性を示すグラフである。また、図3(a)
はw/t=0.5における基本共振点付近を示すグラ
フ、図3(b)はw/t=0.6における基本共振点付
近を示すグラフ、図3(c)はw/t=0.8における
基本共振点付近を示すグラフである。尚、位相とは、圧
電素子2を駆動する駆動信号の電流信号及び電圧信号の
位相差である。この位相差がゼロとなるポイントで音響
インピーダンスの大きさが最低となり、圧電素子2に供
給される電気エネルギは全て振動エネルギに変換される
ようになっている。
モードは小さくなるが、厚み方向の高次の振動が大きく
なる。より具体的には、w/t=0.2では3次をはじ
めとする高調波が大きくなり、w/t比が大きくなるに
従い、高次モードの振動は小さくなる。
子2の分極軸に垂直な横方向の振動成分が生じる。この
ため、w/t>0.6とした圧電素子2を用いて超音波
探触子を構成した際に、不要振動モードが発生する。従
って、前述した高調波成分と同様な不具合が発生すると
共に、クロストークやパルス幅の増大が起こり、画像化
した際に画像精度が低下してしまう。
素子2を用い、この圧電素子2の厚みtと、幅Wとの比
(w/t)を変えて、ステンレスの平面反射体を利用し
て測定した超音波探触子のエコー波形を示すグラフであ
る。図4(a)はw/t=0.2におけるエコー波形を
示し、図4(b)はw/t=0.25におけるエコー波
形を示し、図4(c)はw/t=0.3におけるエコー
波形を示し、図4(d)はw/t=0.5におけるエコ
ー波形を示している。
ようにw/t<0.25とした場合、エコー波に大きな
高調波成分が現れて、波形が乱れる。この高調波成分
は、バンドパスフィルタを用いても完全に除去すること
が困難である。一方、図4(c)及び図4(d)に示す
ように、w/t=0.3及びw/t=0.5とした場
合、エコー波に現れる高調波成分は非常に小さくなり、
波形が乱れることはない。
動し、かつ高次モード及び横方向振動の抑制のために
は、圧電素子2の音響放射軸方向となる厚みtと、前記
圧電素子2の配列方向となる幅Wとの比(w/t)を
0.3≦w/t≦0.5とする必要があることが分か
る。
軸方向となる厚みtと、前記圧電素子2の配列方向とな
る幅Wとの比(w/t)を0.3〜0.5、更に、ソフ
ト系のPZT系材料の場合、高次モードの振動をより抑
えるため、望ましくは(w/t)を0.4〜0.5とし
て構成している。
3〜0.5、更に、望ましくは0.4〜0.5の最適値
とすることで、高次の振動モードや横方向の振動モード
等不要な振動モードの発生を抑え、画像化する際にフィ
ルタが簡易なもので良く、エネルギロスも少ないため
に、高感度の圧電素子2を安価に実現することが可能で
ある。
列型超音波探触子(リニアアレイ)について説明した
が、複数の圧電素子2を分断した状態で湾曲させた、コ
ンベックス型の超音波探触子に本発明を適用しても構わ
ない。
明の第2の実施の形態に係り、図5は本発明の第2の実
施の形態の超音波探触子を示す概略断面図、図6は図5
の変形例を示す超音波探触子を示す概略断面図である。
上記第1の実施の形態では、アルミナをフィラとしたエ
ポキシ樹脂で第1音響整合層3aを形成して超音波探触
子を構成しているが、本第2の実施の形態では第1音響
整合層3aをカーボンで形成して超音波探触子を構成す
る。それ以外の構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同
様な構成なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を
付して説明する。
音波探触子10は、圧電素子2の音響放射面側に炭化珪
素SiC及び炭化ホウ素B4Cの超微粒子を含有複合化
したカーボンから形成される第1音響整合層11を有し
て構成される。
レイ)探触子は以下のような方法にて作製される。先
ず、第1音響整合層11となる炭化珪素SiC及び炭化
ホウ素B4Cの超微粒子を含有複合化する炭素複合材料
を200μmに研削加工する。ここで、炭素複合材料と
は、黒鉛(カーボン)にSiC及びB4Cの微粒子を含
有したものである。この炭素複合材料は、前記黒鉛(カ
ーボン)の粒子間にクサビ状に混在するセラミック微細
粉がマイクロクラックの成長を抑制し、黒鉛と比較し大
幅に強度を向上させたものである。このため、この炭素
の複合材料は、更に高周波化した10MHz以上(10
0μm以下)の薄物加工の際も、両面ラップ盤の使用や
ワックス、水溶性接着剤等を用いて基材に貼り付けて研
削、研磨することにより比較的容易に加工可能である。
均粒径0.5μmのSiCを重量比で6wt%及び平均
粒径5μのB4Cを重量比で9wt%づつ配合、その他
にホウ化ジルコニウムを4wt%配合した物である。こ
の炭素複合材料の音響インピーダンスは、8.5MRa
yl程度のものである。
音響整合層11の片側をテープ等でマスキングし、マス
キングしていない方の面にエポキシ樹脂で形成される1
00μmの樹脂層を形成して第2音響整合層3bを形成
する。次に、約300μmの圧電素子2を接着剤を用い
て前記第1音響整合層11に固着し、パターンを設けた
フレキシブルプリント基板6を半田により圧電素子2に
接合する。
はテープにより固定する。そして、この状態で前記圧電
素子2側から第2音響整合層3bの途中まで裁断し、配
列型振動子を形成する。裁断の方法は、精密裁断機を使
用して30μm厚さのブレードを使用し、130μmピ
ッチで裁断する。尚、このとき、1個の圧電素子2の音
響放射軸方向となる厚みtと、前記圧電素子2の配列方
向となる幅Wとの比(w/t)は、w/t=0.33で
ある。尚、本実施の形態の配列振動子は、2つの素子が
一つのパターンにつながったもので、いわゆるサブダイ
スをした構成である。
してアルミナをフィラとしたエポキシ樹脂から形成され
るバッキング材5を注型接合した後、前記第1音響整合
層11の側面を清浄化する。そして、ベタ電極を有する
フレキシブルプリント基板12を導電性接着剤により圧
電素子2の音響整合層3側の表面電極に接合して共通G
ND電極とする。最後に、音響レンズ4をシリコーン樹
脂にて形成してトランスデューサ部分を作製する。
第1、第2音響整合層11,3bを含め、トランスデュ
ーサの構成を変えても、上記第1の実施の形態と同様
に、w/t=0.25以下では3次をはじめとする高調
波が大きく、w/t比が大きくなるに従い、高次モード
の振動が小さくなる。
/t=0.25以下ではエコー波に大きな高調波成分が
現れ、バンドパスフィルタを用いても完全に除去するこ
とは困難である。また、図2及び図3で説明したよう
に、w/t比が0.6以上では、分極軸と垂直な横方向
の振動成分が入ってくるため、超音波探触子とした際
に、不要な振動モードが出てくる。このため、、前述し
た高調波成分と同様場不具合が発生するとともに、クロ
ストークやパルス幅の増大が起こり、画像化した際に画
像精度が低下してしまう。
同様に圧電素子2を効率よく振動し、かつ高次モード及
び横方向振動の抑制のためには、圧電素子2の音響放射
軸方向となる厚みtと、前記圧電素子2の配列方向とな
る幅Wとの比(w/t)を0.3≦w/t≦0.5とす
る必要があることが分かる。
と同様に圧電素子2の音響放射軸方向となる厚みtと、
前記圧電素子2の配列方向となる幅Wとの比(w/t)
を0.3〜0.5、更に、ソフト系のPZT系材料の場
合、高次モードの振動をより抑えるため、望ましくは
(w/t)を0.4〜0.5として構成している。これ
により、本第2の実施の形態の超音波探触子10は、上
記第1の実施の形態の超音波探触子1と同様な効果を得
ることができる。
1音響整合層11は、導電性を有しているため、音響整
合層としての機能の他に圧電素子2からの電極としても
使用することができる。本実施の形態においては、圧電
素子2と第1音響整合層11とは薄い接着層を介して導
通しており、この第1音響整合層11を結線すること
で、裁断後の圧電素子2の共通電極を形成している。ま
た、前記第1音響整合層11の側面は、圧電素子2の露
出した側面電極と比較し、結線可能な面積が大きく、結
線の信頼性が向上する。更に、第1音響整合層11の側
面から結線している構成では、トランスデューサ部分の
大きさに対して音響放射面積を大きくとることが可能と
なり、小型化が容易となる。
2の信号電極側と共通GND電極となるフレキシブルプ
リント基板12とは絶縁する必要がある。その方法とし
ては、フレキシブルプリント基板12自体の圧電素子2
と隣接する部分に絶縁体であるポリイミドを配置する方
法を用いる。その他の方法としては、圧電素子2の電極
を全面電極ではなくフレキシブルプリント基板12と隣
接する領域に予め電極のない部分を設けておく方法や、
圧電素子2の露出している信号電極を樹脂で封止する等
の方法でも同様に絶縁することが可能である。
構成しても良い。図6は図5の変形例を示す超音波探触
子を示す概略断面図である。超音波探触子20は、図5
で説明したように第1、第2音響整合層11,3bを積
層され、これら第1、第2音響整合層11,3bより若
干小さい圧電素子21を接合されて構成される。
はテープにより固定する。そして、この状態で前記圧電
素子21側から第2音響整合層3bの途中まで裁断し、
圧電素子21のw/t比を0.3〜0.5、更に、望ま
しくは0.4〜0.5の最適値とした配列型振動子を形
成する。
銅製のワイヤ7と導電性樹脂22により結線し、信号線
側は両面にパターン形成したガラスエポキシ基板23の
ほぼ先端から細いワイヤ24により各圧電素子2へ半田
付けにより結線する。
層11の両端に設けて形成した溝部にバッキング材5を
充填して背面負荷材を形成すると共に、音響レンズ4を
シリコーン樹脂にて形成してトランスデューサ部分を作
製する。
は、上記第1、第2の実施の形態と同様な効果を得るこ
とに加え、高周波化して薄くなった第1音響整合層11
の側面から結線が困難な場合に、作業性がよく、歩留ま
り向上が可能である。
11,3bを積層し、これら第1、第2音響整合層1
1,3bより若干小さい圧電素子21を接合した積層体
を作成後、裁断する際に一部が第1音響整合層11に到
達する程度の深さまで切り込みを入れることで、グラン
ド配線するための領域を形成する。その後、ダイシング
して配列型素子を形成し、ワイヤ9を導電性樹脂22に
て結線することで共通電極を形成し、超音波探触子を作
製することが可能である。接着後、カーボン材料に切り
込みを入れた部分で配線を行うため、接着剤等による導
通不良がなく、歩留まり、信頼性が向上する。
11を完全に裁断したが、深さ方向でわずかに切り残す
か、端部で切り残し部分を設けることにより、各裁断し
た圧電素子の共通GNDを接続する必要がなく安価で信
頼性の高いものが作製できる。更に、第1音響整合層1
1の付与に関係なく、圧電素子21を厚さ方向で80%
以上裁断することにより、高い電気機械変換効率の圧電
素子21を作製可能である。
とつながっているため、クロストークの問題点は出てく
る。しかしながら、共通GND電極側を切り残すことで
配線する必要がなくなり、トランスデューサを安価に作
製できる。また、サブダイスの部分のみを、圧電素子2
1の途中、もしくは導電性の音響整合層である第1音響
整合層11の途中まで切り込むことにより、クロストー
クを抑え配線の信頼性を向上させることができる。
電素子21に分断した状態で湾曲させることで、コンベ
ックス型の超音波探触子を作製可能である。
び変形例における各構成には変形例が幾つも考えられる
が、代表的なものについて以下に示す。圧電素子2は、
一般的な焼結により得られるPZT系の圧電セラミック
スをはじめPMN系の圧電セラミックスの他、圧電単結
晶のような圧電素子でも同様な効果が得られる。
み限定されるものではなく、例えばエポキシ樹脂にて第
2音響整合層3bを所定の厚さに研削・形成し、第1音
響整合層3aをアルミナフィラ入りのエポキシ樹脂で注
型、研削、形成し、圧電素子2を接着剤により固着後、
圧電素子2側から第2音響整合層3bの途中までダイシ
ングして、w/t比を0.3〜0.5にしても良い。
5と比較し、硬い音響整合層3を形成後、圧電素子2側
から裁断することで、深さ方向の精度を上げると共に、
裁断中に圧電素子2のぶれが小さく、かけ等が発生しに
くく溝幅が安定する。このため、高周波化して圧電素子
2幅の小さいものや小型化したトランスデューサも歩留
まり良く作製可能である。
後に図示しない枠を設け、硬化後も柔軟性を有するエポ
キシ樹脂にアルミナやジルコニア等の絶縁性の粉末を混
ぜたものを枠内に注型し、背面負荷材としてバッキング
材5を形成すると、接着層を必要とせず、界面の反射の
バラツキが小さな安定した探触子を形成可能である。
各構成は、当然、各種の変形、変更が可能である。ま
た、本発明は、上記した実施の形態にのみ限定されるも
のではなく、前記圧電素子2の配列方向となる幅Wを前
記圧電素子2の音響放射軸と直交する幅Wとして、前記
圧電素子2の音響放射軸方向となる厚みtと、前記圧電
素子2の音響放射軸と直交する幅Wとの比を0.3〜
0.5、更に望ましくは0.4〜0.5として超音波探
触子を構成しても良い。
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
る複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の音響放射面
側に位置し、前記複数の圧電素子から発生した超音波を
放射するための音響整合層と、前記複数の圧電素子の背
面側に位置し、不要な超音波を吸収する背面負荷材と、
を備え、少なくとも前記複数の圧電素子を1列に配列し
た超音波探触子において、前記圧電素子の音響放射軸方
向となる厚みtと、前記圧電素子の配列方向となる幅W
との比を0.3〜0.5としたことを特徴とする超音波
探触子。
チタン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3系の材料から形成し
たことを特徴とする付記項1に記載の超音波探触子。
素子に接合している少なくとも一層の音響整合層を、こ
れら圧電素子又は音響整合層の音響放射軸方向の一部分
を残して分割したことを特徴とする付記項1又は2に記
載の超音波探触子。
波を送受信する複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子
の音響放射面側に位置し、前記複数の圧電素子から発生
した超音波を放射するための音響整合層と、前記複数の
圧電素子の背面側に位置し、不要な超音波を吸収する背
面負荷材と、を備え、少なくとも前記複数の圧電素子を
1列に配列した超音波探触子において、前記圧電素子の
音響放射軸方向となる厚みtと、前記圧電素子の音響放
射軸方向と直交する幅Wとの比を0.3〜0.5とした
ことを特徴とする超音波探触子。
チタン酸鉛Pb(Zr,Ti)O3系の材料から形成し
たことを特徴とする付記項4に記載の超音波探触子。
素子に接合している少なくとも一層の音響整合層を、こ
れら圧電素子又は音響整合層の音響放射軸方向の一部分
を残して分割したことを特徴とする付記項4又は5に記
載の超音波探触子。
気機械変換効率が高く、不要な振動モードの発生を抑え
た最適な形状の圧電素子を有して、画像分解能が向上可
能な超音波探触子を実現することができる。
す構成図
素子の厚みtと、幅Wとの比(w/t)を変えてインピ
ーダンス特性を表した第1のグラフ
素子の厚みtと、幅Wとの比(w/t)を変えてインピ
ーダンス特性を表した第2のグラフ
素子の厚みtと、幅Wとの比(w/t)を変えて超音波
探触子のエコー波形を示すグラフ
す概略断面図
面図
Claims (1)
- 【請求項1】 超音波を発生し、この超音波を送受信す
る複数の圧電素子と、前記複数の圧電素子の音響放射面
側に位置し、前記複数の圧電素子から発生した超音波を
放射するための音響整合層と、前記複数の圧電素子の背
面側に位置し、不要な超音波を吸収する背面負荷材と、
を備え、少なくとも前記複数の圧電素子を1列に配列し
た超音波探触子において、 前記圧電素子の音響放射軸方向となる厚みtと、前記圧
電素子の配列方向となる幅Wとの比を0.3〜0.5と
したことを特徴とする超音波探触子。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
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US10/391,037 US6821253B2 (en) | 2000-11-29 | 2003-03-17 | Ultrasonic transducer array |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2000363641A JP2002165793A (ja) | 2000-11-29 | 2000-11-29 | 超音波探触子 |
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ID=18834721
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---|---|---|---|
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-
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- 2000-11-29 JP JP2000363641A patent/JP2002165793A/ja active Pending
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