JP2002154281A - スクリーン印刷版及び印刷方法 - Google Patents

スクリーン印刷版及び印刷方法

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JP2002154281A
JP2002154281A JP2000354036A JP2000354036A JP2002154281A JP 2002154281 A JP2002154281 A JP 2002154281A JP 2000354036 A JP2000354036 A JP 2000354036A JP 2000354036 A JP2000354036 A JP 2000354036A JP 2002154281 A JP2002154281 A JP 2002154281A
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screen printing
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Hiroyuki Nakajima
広幸 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷対象物の印刷面に凹凸がある場合のスク
リーン印刷特性を改善すること。 【解決手段】 スクリーン印刷版の枠に張られたスクリ
ーンのダイヤルゲージ式STG75テンションゲージで
測定したテンションが2.0mm乃至5.0mmである
ことを特徴とするスクリーン印刷版であって、特にスク
リーンの素材の弾性率が200〜1000N/mm2
あるスクリーン印刷板。また、このスクリーン印刷版を
使用し、スキージに加える圧力を0.3MPa以上、且
つスキージ先端部の硬度を50〜90として印刷特性を
改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクリーン(シル
クスクリーン)印刷に用いるスクリーン印刷版及びスク
リーン印刷版を用いる印刷方法に関し、特に磁気テー
プ、磁気ディスク等の磁気記録媒体を収納したカセット
やカートリッジ、光ディスク、光磁気ディスク等の光記
録媒体を収納したカートリッジ、その他の記録媒体用カ
ートリッジ、及びこれらのカセットやカートリッジを収
納して保護するための収納ケースの表面にデザイン等の
印刷をスクリーン印刷法によって施す技術に関する。
【0002】
【従来の技術】カートリッジや収納ケース等の表面に
は、ラベルを貼着するラベル凹部等のようにカートリッ
ジや収納ケースの表面から一段低い部分が設けられてい
る。ラベル凹部の段差にまたがって印刷を施す際には、
段差部で印刷が途切れたり、インクがにじんでしまう等
の不具合があった。このような不具合に対して、以下の
ような提案がある。 特開平11−273311号公報 表面に段差部を有する記録媒体に印刷層を設ける印刷方
法に関するものであり、段差部を傾斜面で構成し、段差
部の前後が極力滑らかにつながるようにし、インキ層を
有する熱転写用箔を接触させて圧力と熱を加えて熱転写
したり、パッド印刷法を用いて印刷を施すことによって
段差部で印刷層が途切れることを防いでいる。 特開2000−11600号公報 上記文献と同様に表面に段差部を有する記録媒体に印
刷層を設ける印刷方法に関するものであり、段差部の少
なくとも一部を傾斜面で構成し、傾斜面とする部分をス
クリーン印刷におけるスキージの進行方向と合わせるこ
とで、垂直面で構成される段差部を残しつつ、にじみ等
の少ない印刷層を設けることを可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の提案は、所望
の効果を発揮する反面その他の不具合点を内包してい
る。熱転写印刷法は熱と圧力を加えて対象物に印刷層を
転写させるもので、対象物は加熱及び圧縮を受けること
になる。主として熱可塑性樹脂で構成されるこのような
記録媒体においては、加熱による熱変形を防ぐ必要があ
る。また、パッド印刷法は加熱を必要とはしないので熱
によるトラブルを避けることができるが圧縮力が直接対
象物の全体に作用する。この際、一見、対象物全体が一
様に圧縮されるように考えられるが、実際には、内部に
記録媒体を収納している対象物は上下の主面をその周縁
部の側壁で支える構造、すなわち中空構造であるので、
一様に加圧されたとしても中央部は周縁部に比べて圧縮
による変形が大きく、段差部への印刷と変形とのバラン
スを調整するのが困難である。このように、主として熱
可塑性樹脂で構成され、特に高度な寸法精度が求められ
る高密度記録媒体用のカートリッジ等に対して、熱転写
印刷法やパッド印刷法は適していない面がある。
【0004】上記の提案では、スクリーン印刷法を用
いているので熱によるトラブルや加圧による不具合を避
けることができる。しかし、この提案ではスキージの進
行方向と合っている傾斜面への印刷は可能であるが、傾
斜面以外の垂直面で構成された段差部においては、スク
リーン印刷版のスクリーン(紗)と垂直面との間に隙間
が残ることによってインキにじみが生じ、対象物全体と
しては所望の印刷品位を得られない。更に、この提案の
スクリーン印刷法を用いても、傾斜面において高い印刷
品位を達成するには未だ不十分である。なぜなら、スク
リーン印刷法に使用するスクリーンは保持枠に強く張ら
れているため、傾斜面が含まれている凹凸面の印刷には
十分対応できない。これは従来のスクリーン印刷版が平
板面を印刷するのに適した張りに設定されているためで
あると考えられることが判明した。
【0005】この点をより具体的に説明するに、先ず図
7はスクリーン印刷の原理を示し、図の(a)、
(b)、(c)はこの順に印刷の順次工程を示す。枠4
に張られたスクリーン1の上方にはスクリーン上を摺動
する摺動ブロックがあり、摺動ブロック(図示せず)に
は、スクリーン上にインキを広げるためのもの、ドクタ
ー2と、広げられたインキをスクリーンのメッシュを透
過させて対象物へ到達させるためのスキージ3が、個々
に上下動可能に設けられている。また、スキージ3とド
クター2は平行に配置されている。スクリーン1の下側
には印刷対象物(ワーク)6が配置されており、印刷の
進行につれて一個ずつ水平に印刷位置に送られる。先
ず、図7(a)のように摺動ブロックはスクリーン1の
一端側(図の左側)から他端側(図の右側)へ、ドクタ
ー2を下げてスキージ3を上げた状態で移動する。この
時ドクターによってインキ5がスクリーン全面に広げら
れる。次に、図7(b)のように、摺動ブロックはスク
リーン1の他端側から一端側ヘドクター2を上げてスキ
ージ3を下げた状態で移動する。この時スキージ3によ
ってスクリーン1が対象物へ密着されると共に、スクリ
ーン1全面に広げられたインキ5がスクリーン1のメッ
シュを透過しながら対象物へ移行させられる(図7
(c))。即ち、スクリーン1がスキージ3によってし
ごかれることで、スクリーン1上のインキが押し出され
る。この際、スキージ3の硬度が低い(柔らかい)ほ
ど、スキージ先端がスクリーンのメッシュの奥まで入り
込み、多くのインキを押し出す(吐き出し量が多い)の
で対象物のインキ層が厚くなる。逆にスキージ3の硬度
が高い(硬い)ほど吐き出し量が少ないのでインキ層は
薄くなる。摺動ブロックが一端側へ移動し終わると、ス
キージ3を上げてドクター2を下げた状態となり、次の
ワークが印刷位置に送られ、図7(a)に示す工程が繰
り返される。
【0006】一方、印刷対象物であるカートリッジ、例
えば図1に示したような本発明が適用される光磁気ディ
スク(図示せず)をケース内に収納してなる光磁気ディ
スクカートリッジ6では、従来例に関して上で言及した
ように、図1〜2のようにラベル貼着面を構成する凹部
7と平坦面8との境界の段差部に傾斜面9を設けてい
る。
【0007】上記構造の対象物に対してスクリーン印刷
を、図7において従来の標準のテンションで張ったスク
リーン1を枠4に張ったスクリーン印刷枠を使用して実
施すると(図7(b)〜(c)の工程に相当)、図5の
矢印のような順次工程となる。スキージが傾斜面にある
ところを拡大したのが図6(a)である。このとき従来
から使用されている標準的なテンションで張ったスクリ
ーンを使用した場合、スキージ3の先端部がスクリーン
1を対象物の傾斜面に充分に接触させることが出来な
い。これはスクリーンの撓みが十分に得られずスキージ
3がスクリーン1に当たっている箇所Aと傾斜面9の頂
点Bとの間の距離が短いために傾斜面9とスクリーン1
との間に隙間が出来てインキの移行が不十分になるため
であることが分かった。更にスキージ3を傾斜面の最下
点Cを過ぎて進めると再びスクリーン1は対象物に充分
接触するようになる。
【0008】スキージで押されたときのスクリーンの撓
みは単一の弦の撓みのような関係にはならず、弦の撓み
のように全体的に撓む他に、スキージで押されたスクリ
ーン部分とその直近のみが局部的に大きく撓むことがわ
かった。凹部7と傾斜面9との間の箇所がインキの移行
不足となるのは、頂点Bのためにスクリーンの凹入が邪
魔されて局部的な凹入が充分に出来ないためであること
が分かった。また凹部側で再び良好な印刷になるのは同
じ押圧力でも頂点Bからの距離が大きくなるのでスキー
ジの局部的な凹入が妨げられないためであることが分か
った。すなわち、本発明はスクリーンの張りのテンショ
ンを減少することにより、全体的なスキージ従応性を増
すことが可能となり、同時にスクリーンの素材の弾性率
を選択することで局部的な凹入を大きくすることが可能
なことを見いだしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ラベル凹部
のような傾斜面を含んでいる凹部を有する全体として凹
凸がある対象物に対してスクリーン印刷を施す際には、
対象物の凹凸形状に柔軟に追随可能なスクリーンを用い
て、適切な硬度のスキージで、適切な圧力を加えること
が肝要であるのではないかと考えた。この考えは従来ス
クリーン印刷の際に考慮されている平面部分を標準とし
てスクリーンの張りを設定する考え方とはずれるが、あ
る程度スクリーンの張りをゆるめて傾斜面の印刷に適合
させても平面部の印刷も問題なく実施できることを本発
明者は見いだした。このようにすることにより、弾性率
の比較的小さい柔軟なスクリーン素材の選択と相まっ
て、スクリーンの局部的な凹入度を増すことができ、す
ぐれた印刷結果が得られる。
【0010】すなわち、本発明は、スクリーン印刷に用
いるスクリーン印刷版であって、枠に張られたスクリー
ンの後記ダイヤルゲージ式STG75テンションゲージ
で測定したテンションが2.0mm乃至5.0mmであ
ることを特徴とするスクリーン印刷版を提供する。上記
印刷版においてスクリーンの材料の弾性率が200〜1
000N/mm2を使用することが好ましく、より好ま
しくは300〜750N/mm2であり、特に合成繊維
用の樹脂が好適に使用できる。本発明は又、上記のスク
リーン印刷版を用い、スキージ先端部の硬度がJIS−
A硬度で50〜90のスキージを使用して、少なくとも
該スキージに0.3MPa以上(実用化の上限は1.2
MPa程度)の圧力を加えながら、被印刷面に対してス
クリーン印刷する方法を提供する。上記スクリーン印刷
方法において、被印刷面は傾斜面で構成された段差部を
有し、該段差部を含む表面にも印刷層を設ける。段差部
の傾斜面の角度(水平面に対して)45度、好適には3
0度まで、十分に対応できることが分かった。この場合
スクリーン印刷版の寸法はあまり関係がなくテンション
と弾性率が支配的であることが分かった。
【0011】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明は (1)対象物の凹凸形状に柔軟に追随可能とするために
版枠に張り付ける際のスクリーン(紗)のテンションを
従来よりも低く、具体的には、ダイヤル式テンションゲ
ージの測定値2.0〜5.0mmに設定する。この値は
従来の平面印刷の設定値1.0〜1.5mmよりもかな
り緩い張りである。
【0012】この際のテンションの測定は、当業界で一
般的な(株)トープロテック(東京都世田谷区に所在)
製のダイヤルゲージ式STG−75型テンションゲージ
による(なおデジタル式テンションゲージSTG−75
型テンションゲージでも読み取り部分のみが電子化され
たものであり、誤差範囲内で同一の値を得る)。測定値
が大きいほどスクリーンに加わる張力は小さく、張りが
ゆるい。
【0013】版枠にスクリーンを張り付ける際の手順は
次の通りである。先ず、版枠より十分に大きな(広い)
スクリーンを前後左右に引っ張っておき、スクリーンの
下から版枠をあてがう。この状態でテンションゲージを
載せて値を確認しながら引っ張り状態を調整する(仮設
定)。次に、テンションゲージと版枠を取り除き、接着
剤を塗った版枠を再びスクリーンにあてがう。接着剤が
硬化した後、再度テンションゲージを載せて所望のテン
ションであることを確認する。
【0014】本発明のスクリーン版では、 (2)追随性の良いスクリーンを得るために、スクリー
ンの材質として通常使用されている材質の中から伸縮性
の高い樹脂製を選択する。具体的には、ポリエステル、
ナイロン等が使用できるが、ステンレス鋼等の金属や金
属糸と合成樹脂糸を組み合わせたものは柔軟性に欠ける
ので不適当である。このような素材の選択基準は使用テ
ンションにおいて弾性率を200〜1000N/mm2
とする。より好ましい値は300〜750N/mm2
ある。ナイロンは約200〜600N/mm2、ポリエ
ステルは約400〜1000N/mm2である。一方ス
テンレスの弾性率は約2000〜3000N/mm2
ある。なお弾性率は引っ張り応力とひずみの比であり、
具体的には図8に一例として示すような引っ張り試験の
データから求めることができる。
【0015】更に、本発明のスクリーン印刷法では、 (3)上記スクリーン印刷版を使用し且つスキージに加
える圧力を0.3MPa(3.0kg/m2)以上とす
る。0.3MPa以上であれば対象物の凹凸形状に追随
させることが可能であるが、圧力が高すぎるとスクリー
ンが強くしごかれる状態となり版の耐久性が低下する。
上限は1.2MPaと、より実用的には0.7MPa
(7.0kg/m2)以下が好ましい。
【0016】また、本発明のスクリーン印刷に使用する
スキージに関し、 (4)スキージ先端部の硬度を50〜90(JIS−K
6301記載のA型による測定値)とする。50未満だ
と、対象物に施されるインキ層が厚くなり、乾燥(硬
化)時間が長くなり、実用的ではない。90を越える
と、対象物に施されるインキ層が薄くなり、段差部等で
はかすれる場合がある。その理由はスクリーン印刷の仕
組みに起因することはすでに説明した。
【0017】対象物6の傾斜面9と対象物に対向するス
クリーンとのなす傾斜角に関しては、15度以下ならば
従来法でも傾斜面に印刷可能であるが、凹部の面積に対
する傾斜面の割合が大きくなり実用的ではない。傾斜面
が45度以下なら本発明のスクリーン印刷版と本発明の
方法で傾斜面でも良好な印刷が可能であると共に十分な
広さの凹部を得ることができる。45度を超えると前述
の垂直面で構成された段差部の場合に近い状態となり、
本発明の方法でも良好な印刷は困難である。好ましい範
囲は15〜30度である。一方凹部7の深さ(段差)は
あまり深いとスクリーンの凹入が追いつかないので、傾
斜面9の傾斜角度が大きい場合には浅くすべきであり、
より少ない場合にはより深くて良い。
【0018】本発明の方法は図4に示されている。印刷
の進行状態は図5の従来例と同様である。スキージが傾
斜部9に到達したときの状態は図6(b)に示されてい
る。本発明では印刷版のスクリーン1の枠4に対する張
りが緩く且つスクリーン材の弾性率が低いため、傾斜面
9の最下点Cでもスクリーンと対象物6との間に隙間が
なく、傾斜面にもきれいな印刷が行われることが分か
る。
【0019】
【実施例】印刷の対象物は、MD(ミニディスク)カー
トリッジを用いた。上シェル表面8には、図1に示すよ
うな四角形のラベル凹部7が設けられている。ラベル凹
部の深さ(図2のH)は、段差部で最大0.2mmであ
った。段差部の傾斜面の角度(図4のα)は、四角形の
4辺のうち3辺が30度であり、残りの1辺が10度で
ある。45度以下であればほぼ満足のいく印刷が可能で
あり、好ましくは15〜30度前後で、図1のA−A断
面を図2に示す。図3にはスクリーン印刷版を示す。四
角形の枠にスクリーンが張られている。スクリーンの材
質はナイロン糸(6,6−ナイロン、弾性率324N/
mm2、ただしテンション3mmでの値として)であ
る。他の実施例としてポリエステル糸(ポリエチレンテ
レフタレート、710N/mm2、ただしテンション3
mmでの値として)、比較としてステンレス糸(347
5N/mm2、ただしテンション3mmでの値として)
を使用した。また、スクリーンのメッシュ数はナイロン
#330、ポリエステル#300、ステンレス#300
を使用した。使用したスクリーン版の大きさは、対象物
の大きさ、設備、部材コスト等を考慮して、枠の外寸が
300×260mm、内寸が250×210mmであ
る。スキージは上記枠に対応する大きさで、長さ150
×幅30×厚み6mmである。使用したインキはUV硬
化型のものである。印刷機は前記スクリーン版を使用可
能で、UV硬化装置を備えたものである。なお、印刷手
順は以下の通りであった。(図4、図7を参照) (1)対象物に対してわずかに離れた距離までスクリー
ン印刷版を近づける。その後、ドクターによってインキ
が広げられる。 (2)インキがメッシュを透過するようにスキージでス
クリーンをしごく。 (3)スクリーンに設けられている透過/不透過にした
がってインキがスクリーンを透過して対象物に写し取ら
れる。
【0020】(1)テンション及び材質に関する実験 スクリーン版のテンションは、スクリーンの材質がナイ
ロンの場合で、実施例としてテンションゲージの測定値
で2.3〜5.0mm、比較例として1.3mm及び
5.5mm。ポリエステルの場合で、他の実施例として
3.0mm、及び5.0mm、他の比較例として1.3
mmを使用した。ステンレスの場合で、更に他の比較例
として3.0mmを使用した。表1はテンションを変化
させた場合の測定結果を示す。表中印刷結果は、×は傾
斜面の印刷不良、△は良品、○は高品質である。表1か
らナイロンを使用した場合、テンション2.3〜5.0
mmの範囲で、またポリエステルを使用した場合にもテ
ンション3.0mm、及び5.0mmが良好であった。
ステンレスは不良であった。なお、表中のテンションは
テンションゲージの測定値、圧力はスキージに加える圧
力、硬度はスキージ先端部の硬度、角度はスキージの傾
斜角度(図4のθ)、距離は版に圧力が加わっていない
状態の対象物と版の距離(図4のW)であり、以下表2
乃至表5も同様である。
【0021】
【表1】
【0022】(2)スキージの圧力に関する実験 スキージの圧力は、実施例として0.3〜1.2MP
a、比較例として0.2MPaを使用した。表2はスキ
ージの圧力を変動させた場合の結果を示す。ナイロンで
はスキージ圧力が0.3MPa以上ならば好適であっ
た。なお版の耐久性を考慮すると最大0.7MPa以下
にすべきである。ポリエステルでも同様である。
【0023】
【表2】
【0024】(3)スキージ先端の硬度に関する実験 スキージ先端の硬度は、実施例として50〜90、比較
例として40及び100を使用した。結果を表3に示
す。ナイロンの場合50〜90の範囲で良好であった。
【0025】
【表3】
【0026】(4)スキージ角度に関する実験 スキージの角度(スキージ移動方向の法線からの角度)
は、実施例として10〜30度、比較例として5度を使
用した。結果を表4に示す。10度以上であれば問題が
ないので適宜選択して使用することができる。
【0027】
【表4】
【0028】(5)スクリーンと対象物の距離に関する
実験 スクリーンと対象物の距離は、実施例として0.5〜
2.5mm、比較例として3.0mmとした。結果を表
5に示す。3mm未満であれば問題がないことが分か
る。
【0029】
【表5】
【0030】
【発明の効果】本発明の実施例では、スクリーンのテン
ションが低く、材料の伸縮性が高いので、スクリーンが
柔軟に伸縮(微小範囲で)して対象物の凹凸に追随する
ことができる。また、スキージの圧力と硬度を従来の高
いテンションの場合と同様の範囲で、すなわち印刷機に
特別な改造等を実施したり特別な硬度のゴムを準備した
りする必要のない範囲で、適切に調節することで追随を
より確実なものとするとともに生産性の向上を図ること
ができる。従来のものは、スクリーンのテンションが高
くまた材料の伸縮性が低いので、スクリーンが対象物の
凹凸に追随できない部分が発生し、印刷品位の向上が困
難であった。また、スキージの圧力や硬度によって追随
性の不足を補おうとすると、圧力を高くすることでスク
リーン自体を痛めたり、硬度を低下させることで段差部
以外の部分でインキ層が厚くなり乾燥(硬化)に時間が
掛かる等の不具合が生じ、生産性が低下する。本発明の
実施例では、対象物への追随が確実に行われるので印刷
範囲の全体にわたって品位の高い印刷が可能である。従
来のものは部分的に、特に段差の部分においては対象物
にインキが写し取られなかったりインキがにじんでしま
う等の不具合がある。なお、印刷の対象物は、上記実施
例のMDカートリッジに限らず、段差部を傾斜面で構成
した凹部が設けられた対象物に対して段差部をまたぐ状
態で印刷を施す際に有効である。また、凹部の深さは、
上記実施例の最大0.2mmに限らず、浅い場合は勿
論、深い場合でも本発明を実施することで品位の高い印
刷を効率よく実施することが可能である。更に、スクリ
ーン版やスキージの大きさは、対象物や設備の条件等を
考慮して適宜設定することができる。更にまた、使用す
るインキはUV硬化型に限らず、スクリーン印刷に使用
可能なものであれば特に制約はない。
【0031】以上のように、版枠に張るテンションを従
来よりも低い2.0〜5.0mmに調整し、その他の条
件(スクリーンの材質、スキージの圧力、硬度)を特殊
なものとすることなしに良好な印刷が可能である。カー
トリッジや収納ケースの表面にラベル凹部程度の深さの
傾斜面で構成された段差があり、全体として凹凸のある
均一な平面でない対象物である場合であっても、スクリ
ーン印刷機の大幅な変更を必要としないような調整の範
囲でもって適切な印刷条件を実現し、段差部の傾斜面を
含めた対象物の全面にわたって印刷を施すことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MD(ミニディスク)カートリッジ上シェル表
面の四角形のラベル凹部を示す平面図である。
【図2】ラベル凹部を含む図1におけるA−A断面図で
ある。
【図3】スクリーン印刷版である。
【図4】本発明による印刷工程の概略図である。
【図5】従来による印刷工程の概略図である。
【図6】(a)は、図5の要部の拡大図(従来例)、
(b)は、図4の要部拡大図(本発明)である。
【図7】スクリーン印刷法の原理を示す図であり(a)
乃至(c)は順序工程を示す。
【図8】本発明の実施例及び比較例で使用したスクリー
ンの材料の引っ張り強度と伸度の関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 スクリーン 2 ドクター 3 スキージ 4 スクリーン印刷版の枠 5 インキ 7 対象物の凹部 8 対象物の平坦面 9 段差部の傾斜面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリーン印刷に用いるスクリーン印刷
    版であって、該スクリーン印刷版の枠に張られたスクリ
    ーンのダイヤルゲージ式STG75テンションゲージで
    測定したテンションが2.0mm乃至5.0mmである
    ことを特徴とするスクリーン印刷版。
  2. 【請求項2】 前記スクリーンの素材の弾性率が200
    〜1000N/mm 2である請求項1に記載のスクリー
    ン印刷版。
  3. 【請求項3】 前記スクリーンが樹脂からなることを特
    徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷版。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のスク
    リーン印刷版を用いて、少なくともスキージに加える圧
    力を0.3MPa以上、且つスキージ先端部のJIS−
    A硬度を50〜90としたことを特徴とするスクリーン
    印刷方法。
  5. 【請求項5】 印刷対象物の表面が傾斜面で構成された
    段差部を有し、該表面に印刷層を設けることを特徴とす
    る請求項4に記載のスクリーン印刷方法。
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