JP2002146968A - 梁貫通孔の補強材、梁の構造及び梁の施工方法 - Google Patents

梁貫通孔の補強材、梁の構造及び梁の施工方法

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JP2002146968A
JP2002146968A JP2000345369A JP2000345369A JP2002146968A JP 2002146968 A JP2002146968 A JP 2002146968A JP 2000345369 A JP2000345369 A JP 2000345369A JP 2000345369 A JP2000345369 A JP 2000345369A JP 2002146968 A JP2002146968 A JP 2002146968A
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Tetsuya Sasaki
哲也 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 鉄筋コンクリート梁の柱梁接合部に貫通孔の
設置を可能とする補強材と梁の構造およびその施工法を
提供する。 【解決手段】 内部の対向面間に渡って補強部をもった
筒体状1の高強度コンクリート製梁貫通孔補強材を提案
し、該補強材とその周囲に斜補強筋12を梁貫通孔の破
断発生方向に向け傾斜配置し施工することで、貫通孔部
へかかるせん断力の圧縮成分を補強材内側の補強部で、
張力成分を斜補強筋12でそれぞれ受け支えて梁貫通孔
を補強する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
等の建造物における、梁貫通孔の補強材、梁の構造およ
び梁の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄筋コンクリート造の一般的集合
住宅等では、排気・換気は通常各戸ごとに直接戸外と行
う。これら排気・換気の空気ダクト類は、建造物内のス
ペースを有効利用するために上階の床スラブと下階天井
の間に配置されるが、通常この位置には外壁部の梁など
の構造体があるため、当該梁の材軸の中央部に前記ダク
トを保持する貫通孔を設けて戸外へ導いている。その
際、前記貫通孔をあらかじめ梁などに設ける必要がある
が、貫通孔の形成に際しては、梁などの強度低下を防ぐ
ために補強が必要になる。
【0003】貫通孔の形成における梁等の補強手段とし
ては、たとえば、特開平10−227101号、特開平
5−86686号などに見られるように、貫通孔周囲に
補強配筋を施す、あるいはスリーブを挿入する補強方法
および補強材が提案されている。その他これに類する補
強材の部品セット等が販売・使用されている。
【0004】一方、下階の天井は、戸内スペースをより
広く確保するために天井高を稼ぐ方向で上階の床スラブ
に近づけられる傾向にある。下階天井の取り付け位置が
梁の材軸中央に近づくに従い、上階床と下階天井の間の
空間が減少し、前述の空気ダクト類が収まりきらなくな
って下階天井面に干渉するという問題が生じる。一般的
には、室内壁面からダクトの干渉位置までの天井の高さ
を下げ、一部高さ違い天井にすることで干渉を避ける方
法が取られるが、室内美観の観点からはこの部分はでき
るだけ小面積であることが望ましい。
【0005】そこで、貫通孔の形成における梁等の強度
低下を防ぎつつ、且つ貫通孔をできるだけ柱梁接合部に
近づける設計・施工が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述の高さ
違いの天井部分を小さくするために、貫通孔の設置場所
を柱梁接合部に近づけてゆくと、柱梁接合部からの距離
が梁の梁成の大きさを辺長とする正方形の「梁の降伏ヒ
ンジゾーン」と呼ばれる領域にかかる。ここは梁におけ
る最大曲げ応力およびせん断力がかかる箇所であり、耐
震上十分な強度と靭性が必要とされる。
【0007】降伏ヒンジゾーンに貫通孔を設ける場合、
梁の材軸中央部に設けるとするならば梁の曲げ強度は維
持することはできるが、せん断強度は低下するので補強
が必要である。
【0008】しかしながら、従来の梁等における貫通孔
の補強方法や補強材等では、降伏ヒンジゾーンにかかる
せん断力を貫通孔の周囲のみで支えるために、貫通孔の
形状を保持するには必ずしも有効ではない。そのため、
従来の方法でそのせん断力に耐えうる十分な強度を得よ
うとした場合は、要求寸法の問題あるいはコスト面に問
題を有し、事実上貫通孔を降伏ヒンジゾーンに設けるこ
とは困難とされている。
【0009】本発明の課題は、梁の貫通孔部分の補強材
自体の製作と施工が簡単で、しかも施工によってさらに
優れた補強効果を発現することができるように、従来困
難とされていた降伏ヒンジゾーンへの貫通孔の施工を可
能にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、鉄筋コンクリート梁に貫通
孔を形成するための型枠となるとともに、貫通孔の形成
された梁を補強する梁貫通孔の補強材であって、貫通孔
の外周部分となる筒体(円筒体1)と、該筒体の内部の
対向する内面間に渡って設けられる補強部(板体2)と
を備えることを特徴とする。
【0011】請求項1の発明によれば、筒体の断面係数
効果による補強に加え、補強部が該筒体の内部の対向内
面間にかかる荷重を受ける支持柱として作用すること
で、梁の降伏ヒンジゾーンにおける高いせん断力の圧縮
成分に対しても、筒体と補強部の両方で荷重を受け支
え、貫通孔の形状を保持することができる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の梁
貫通孔の補強材において、前記筒体が円筒状とされ、前
記補強部が筒体の軸方向と略平行に配置された少なくと
も一対の板体からなるとともに、これら一対の板体がX
字状に交差した状態で、これら板体の両側縁部が筒体の
内面に接合された形状となっていることを特徴とする。
【0013】請求項2の発明によれば、前記筒体を断面
係数の高い円筒形状とすることで、筒体に懸かるせん断
力の圧縮成分に対しより高い効果をもたらす。また、前
記補強部は、筒体の内部の対向内面間にかかる荷重を受
ける支持柱として作用するので、荷重方向にそって補強
部が向くように施工されるのが、最も効果的である。そ
こで、X字状に交差した板体とすることで補強部がせん
断力に対して高い効果をもたらす。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の梁貫通孔の補強材において、ファイバー入り高強
度コンクリートから形成されることを特徴とする。
【0015】請求項3の発明によれば、火災発生時にお
ける耐火要件を満たし、且つ高い圧縮・せん断強度を有
することで、降伏ヒンジゾーンに貫通孔を設置できる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか一つに記載の梁貫通孔の補強材において、押出し
成形した長尺な筒体及び筒内内部の補強部を梁の幅に対
応して切断することで形成されることを特徴とする。
【0017】請求項4の発明によれば、前記補強材の製
造に際して、コンクリート等の流動性材料を採用し、押
し出し成型で長尺な筒体および内部の補強部を一体成型
し、梁の幅に対応して切断する製法をとることで製造コ
ストを低く抑えることができる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか一つに記載の梁貫通孔の補強材において、排気・
換気用の梁の貫通孔の形成に用いられ、前記筒体の端部
にダクト等の排気・換気用部材の接続部(排気・換気用
部材接合部3)が設けられていることを特徴とする。
【0019】請求項5の発明によれば、前記補強材は、
筒体内部に補強部を有するために戸内からのダクトを従
来のように貫通孔内に通すことはできない。そこでダク
トを一端断絶し、補強材の端部に排気・換気用部材との
接合部を設け、ここに断絶されたダクトを空気漏れの無
いように改めて接合し、補強材自体がダクトの一部とし
て機能することで空気通路を確保することができる。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか一つに記載の梁貫通孔の補強材を用いて貫通孔が
形成された梁の構造において、前記梁貫通孔の補強材
が、柱と梁との接合部から延出する前記梁の前記柱から
の距離が前記梁の梁成の大きさ以内の範囲に配置され、
前記補強材により貫通孔が形成されていることを特徴と
する。
【0021】請求項6の発明によれば、これにより、柱
梁接合部の降伏ヒンジゾーンに、貫通孔を持つ梁を作る
ことができる。
【0022】請求項7記載の発明は、請求項6記載の梁
の構造において、前記梁貫通孔の周囲に、梁の他の部分
に比較して密にスターラップ(欠損部スターラップ6、
孔際スターラップ7)等の補強筋が配置されるととも
に、前記貫通孔の周囲に複数の斜補強筋が該貫通孔を囲
むように配置されていることを特徴とする。
【0023】請求項7の発明によれば、前記補強材を降
伏ヒンジゾーンの梁の型枠内に梁を貫通するように配置
固定の後、補強材の周囲に梁のほかの部分より密にスタ
ーラップ筋を配し、特に梁貫通孔で通常破断が発生しや
すい方向には斜補強筋を配した梁の構造をとることで、
貫通孔に架かるせん断力の張力成分を受け持たせること
ができる。よって、前記補強材がせん断力の圧縮成分を
支えることと合わせ、貫通孔の形状をより強固に保持し
梁の破断を防ぐことができる。
【0024】請求項8記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか一つの梁貫通孔の補強材もしくは請求項6または
請求項7記載の梁の構造を用いた梁の施工方法におい
て、梁の型枠を建て込み、型枠内に鉄筋を配筋するとと
もに、所定位置に前記梁貫通孔の補強材を梁を貫通する
ように配置した後に、前記型枠内にコンクリートを打設
することにより前記補強材により貫通孔が形成された梁
を構築することを特徴とする。
【0025】請求項8の発明によれば、課題であった降
伏ヒンジゾーンに貫通孔が形成された梁を構築すること
ができ、空気ダクトが従来にくらべ壁際に設置可能とな
るので、下階の高さ違い天井部分の面積を減らすことが
できる。
【0026】
【発明の実施の形態】〔第1の実施の形態〕以下、図1
〜図3を参照して、本発明の第1の実施形態を、詳細に
説明する。
【0027】まず、構成を説明する。図1は梁貫通孔の
補強材を示し、該補強材は、円筒体1と円筒体1内側に
接合された補強部となる複数の板体2からなり、円筒体
1両端には排気・換気用部材の接合部3を有するプレキ
ャストコンクリート材である。前記円筒体1は、梁をつ
らぬいて貫通孔を形成するのに十分な長さと、排気・換
気用部と接合され空気ダクトとして機能するのに十分な
内径、そして前記板体2と共に予想される荷重条件に耐
え得る厚さからなる。
【0028】前記板体2は、円筒体1内側に空気ダクト
としての十分な有効通路面積を確保しつつ、少なくとも
一対の板体がX字状に交差結合されて円筒体1内側に接
合されている。これらの板体は、施工時にその何れか一
方を梁貫通孔周囲で破断の発生しやすい方向に向けて傾
斜設置することで、貫通孔部分にかかるせん断力の圧縮
成分を円筒体1の直径方向に受け支える。また、円筒中
心軸上で大体90°にX字状に交差させることで、施工
時に板体の何れか一方を通常貫通孔周囲で破断が発生し
やすい長手方向からおおむね45°の方向に向けると、
他方の板体が軸対称のもう一方の破断の発生しやすい方
向を向く利点を付加できる。
【0029】前記接合部3は、図2で示すように戸内か
らのダクトおよび戸外側の排気口キャップ等の排気・換
気部材がはめ込み接合できるように補強材の両端に設け
られ、空気漏れの無いようにシールされる。これによ
り、前記補強材は空気通路を形成し、施工後に空気ダク
トの一部として機能する。
【0030】以上のような構成の前記補強材は、火災発
生時における梁貫通孔の耐火要件を満たし、かつ高い圧
縮・せん断強度を有する必要がある。そこで、各種高性
能AE減水剤により圧縮強度を高め、かつ炭素繊維・ア
ラミド繊維等の繊維補強材を添加し曲げ・せん断強度を
高めた高強度コンクリートなどで作られるのが有効であ
る。製造にあたっては型枠での成型または押し出し成型
で円筒体1と板体2が一体の長尺素材をつくり、必要な
寸法で切断の後、両端部に前記接合部3を切削加工等に
より設けるなどの方法がとられる。
【0031】図3は柱梁接合部を示し、該柱梁接合部の
完成時外形を一点破線で示し、また一部配筋は省略して
いる。前記補強材は、梁と柱の接合部付け根から梁成の
大きさの辺長からなる正方形の「梁の降伏ヒンジゾー
ン」と呼ばれる領域で梁の材軸中央に梁を貫通するよう
に設置され、コンクリート打設時には貫通孔の型枠とし
ての役割を担う。また、前記板体2の何れか一方を貫通
孔周囲で破断の発生が予想される方向に向けて設置する
ことで、貫通孔にかかるせん断力の圧縮成分を板体2で
支えて破断の発生を防ぐ。なお、通常の有孔梁の破壊に
おいて梁の長手方向からおよそ45°の傾斜方向に破断
がおこるので、これに合わせて配置するのが有効であ
る。
【0032】前記補強材の周囲には、貫通孔を設けるこ
とで減少するスターラップ筋を補うように、孔際スター
ラップ6および欠損部スターラップ7を通常のスターラ
ップの設置間隔より密に配する。また、斜補強筋12
を、前記補強材の配置条件と同様に貫通孔周囲で破断の
発生が予想される方向に前記補強材を中心にX字状に配
筋し、その端部を十分に定着できるようにする。これに
より、貫通孔にかかるせん断力の張力成分を受け、破断
の発生を防ぐ。
【0033】以上の方法により、本発明は梁の降伏ヒン
ジゾーンに貫通孔を設けても無孔梁と同様の構造性能を
有する梁貫通孔の補強材として機能する。
【0034】ただし、柱梁接合部の形状により予想され
る破断面が、前述の傾斜角度と異なる場合は、前記補強
材および斜補強筋12は本発明の主旨にてらし、予想さ
れる破断面と同じ角度および直角方向に向くように設置
されなければならない。
【0035】次に、図3により第1の実施形態の施工に
ついて説明する。柱梁接合部「梁の降伏ヒンジゾーン」
の型枠を立てこみ、前記補強材を籠組み等の梁鉄筋部
に、梁を貫通し且つ前記板体2の何れか一方を貫通孔周
囲で破断の発生が予想される方向に向けて針金の結束そ
の他の手段により取り付ける。通常の有孔梁の破壊にお
いては、梁の長手方向からおよそ45°の傾斜方向に破
断がおこるので、これに合わせて配置するのが有効であ
るが、柱梁接合部の形状により破断面の方向が前述と異
なると予想される場合は、予想と同じ角度およびその直
角方向に向ける。
【0036】前述のように取り付けられた前記補強材の
周囲に、貫通孔を設けることで減少するスターラップ筋
を補うように、孔際スターラップ6および欠損部スター
ラップ7を通常のスターラップの設置間隔より密に配す
る。また、斜補強筋12を、前記補強材の配置条件と同
様に貫通孔周囲で破断の発生が予想される方向に前記補
強材を中心にX字状に配筋し、その端部を十分に定着で
きるようにする。ただし、柱梁接合部の形状により予想
される破断面が、前述と異なる場合は予想と同じ角度お
よびその垂直方向に向ける。
【0037】前記補強材は完成時には空気ダクトの一部
として機能する必要があるので、コンクリートが補強材
内部に流れ込まないよう両端部に蓋などにより流入防止
措置をとる。
【0038】以上のように配置しコンクリートを打設す
る。そして、コンクリートの硬化後、型枠と前記補強材
へのコンクリートの流入防止措置をはずすことにより、
梁の降伏ヒンジゾーンに貫通孔のあるコンクリート有孔
梁が得られる。
【0039】前記補強材は、空気ダクトの一部として使
用されるので、戸内からのダクトは戸内側接合部に空気
漏れの無いようにシールする。同様にして、排気口キャ
ップは戸外側の接合部に取り付ける。
【0040】〔第2の実施の形態〕本発明の第2の実施
の形態は、前記第1の実施形態における斜補強筋12を
環状体で構成する点を特徴とし、その他の構成は基本的
に第1の実施の形態と同様である。従って、以下斜補強
筋12における第1の実施の形態と異なるところを説明
する。
【0041】第2の実施の形態における図4の(A)に
示す例では、斜補強筋12を4つの環状体で少なくとも
一つのX字状の配筋を形成することで、斜補強筋の配筋
施工を容易にし、同時に前記補強材の周囲円周方向によ
り多くの補強筋を配することができる。図4の(B)の
例では、同一傾斜方向の環状体を一体とし、2つの環状
体で少なくとも一つのX字状の配筋を形成することで、
施工をより容易にできる。
【0042】尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて適宜変更可能であることは勿論である。
【0043】たとえば、前記補強材の対向内面部にわた
る補強部は、荷重を受ける支持柱として作用しこれに十
分耐える限りおいて形状、配置ともに変更可能である。
従って、板体に限らず適宜屈曲あるいは湾曲し、補強材
端部側から見たその配置が、井桁、ハニカム、円管の集
合、あいは連通する多孔質形状などであっても良い。
【0044】また、前記補強材は、高強度と耐火性能を
有する限り他の材料と製造法を採用することも可能であ
り、たとえばセラミックによる製造、あるいはFR鋼等
の耐熱金属材料で作ることも考えられる。
【0045】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、梁の降伏
ヒンジゾーンにおける高いせん断力の圧縮成分に対して
も、筒体と補強部の両方で荷重を受け支え、貫通孔の形
状を強固に保持することができる。
【0046】請求項2記載の発明によれば、請求項1と
同様の効果を奏することができるとともに、補強材に懸
かるせん断力の圧縮成分に対するより高い断面係数効果
を付加できる。また、通常梁貫通孔の周囲では長手方向
からおおむね45°の方向に破断が発生しやすいので、
前記補強部を板体とし、円筒中心軸上で大体90°にX
字状に交差させることで、円筒内の対向面を直径方向で
直接的に荷重を支えることができ、かつ施工時に板体の
何れか一方を破断が発生しやすい方向に向けると、他方
が軸対称のもう一方の破断の発生しやすい方向を支える
施工面のメリットを得ることができる。
【0047】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2と同様の効果を奏することができるとともに、フ
ァイバー入り高強度コンクリートから形成することで、
火災発生時における貫通孔の耐火要件を満たし、かつ高
い圧縮・せん断強度を有することで、降伏ヒンジゾーン
に貫通孔を設置できる。
【0048】請求項4記載の発明によれば、請求項1〜
3のいずれか一つと同様の効果を奏することができると
ともに、前記梁貫通孔の補強材の製造に際してコンクリ
ートなどの流動性材料を用い、押出し成形した長尺な筒
体及び筒内内部の補強部を梁の幅に対応して切断し形成
することで、製造コストを低く抑えることができる。
【0049】請求項5記載の発明によれば、請求項1〜
4のいずれか一つと同様の効果を奏することができると
ともに、前記筒体の端部にダクト等の排気・換気用部材
の接続部を設けることで、補強材自体がダクトの一部と
して機能し空気通路を確保することができる。
【0050】請求項6記載の発明によれば、請求項1〜
5記載のいずれか一つの梁貫通孔の補強材が、柱と梁と
の接合部から延出する前記梁の前記柱からの距離が前記
梁の梁成の大きさ以内の範囲に配置されることで、柱梁
接合部の梁の降伏ヒンジゾーンに貫通孔が形成された梁
を作ることができる。
【0051】請求項7記載の発明によれば、請求項6と
同様の効果を奏することができるとともに、貫通孔に架
かるせん断力の張力成分を補強筋に受け持たせ、前記補
強材がせん断力の圧縮成分を支えることと合わせて、貫
通孔の形状をより強固に保持し、柱梁接合部の梁の降伏
ヒンジゾーンに貫通孔が形成された梁を作ることができ
る。
【0052】請求項8記載の発明によれば、降伏ヒンジ
ゾーンに貫通孔が形成された梁を構築でき、空気ダクト
が従来にくらべて壁際に設置可能となるので、下階の高
さ違い天井部分の面積を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、第1の実施形態の梁貫通孔の
補強材を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態における、梁貫通孔の補強材と
排気・換気用部材を接合した外壁部断面図である。
【図3】第1の実施形態における、柱梁接合部のコンク
リート打設前断面図である。
【図4】本発明における、第2の実施形態をしめす、柱
梁接合部のコンクリート打設前断面図である。
【符号の説明】
1 円筒体 2 板体 3 排気・換気用部材接合部 4 空気ダクト 5 排気口キャップ 6 欠損部スターラップ 7 孔際スターラップ 8 梁主筋 9 柱主筋 10 梁 11 柱 12 斜補強筋

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート梁に貫通孔を形成する
    ための型枠となるとともに、貫通孔の形成された梁を補
    強する梁貫通孔の補強材であって、 貫通孔の外周部分となる筒体と、該筒体の内部の対向す
    る内面間に渡って設けられる補強部とを備えることを特
    徴とする梁貫通孔の補強材。
  2. 【請求項2】 前記筒体が円筒状とされ、前記補強部が
    筒体の軸方向と略平行に配置された少なくとも一対の板
    体からなるとともに、これら一対の板体がX字状に交差
    した状態で、これら板体の両側縁部が筒体の内面に接合
    された形状となっていることを特徴とする請求項1記載
    の梁貫通孔の補強材。
  3. 【請求項3】 ファイバー入り高強度コンクリートから
    形成されることを特徴とする請求項1または2記載の梁
    貫通孔の補強材。
  4. 【請求項4】 押出し成形した長尺な筒体及び筒内内部
    の補強部を梁の幅に対応して切断することで形成される
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の
    梁貫通孔の補強材。
  5. 【請求項5】 排気・換気用の梁の貫通孔の形成に用い
    られ、前記筒体の端部にダクト等の排気・換気用部材の
    接続部が設けられていることを特徴とす請求項1〜4の
    いずれか一つに記載の梁貫通孔の補強材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載の梁
    貫通孔の補強材を用いて貫通孔が形成された梁の構造で
    あって、 前記梁貫通孔の補強材が、柱と梁との接合部から延出す
    る前記梁の前記柱からの距離が前記梁の梁成の大きさ以
    内の範囲に配置され、前記補強材により貫通孔が形成さ
    れていることを特徴とする梁の構造。
  7. 【請求項7】 前記梁の貫通孔の周囲に、梁の他の部分
    に比較して密にスターラップ等の補強筋が配置されると
    ともに、前記貫通孔の周囲に複数の斜補強筋が該貫通孔
    を囲むように配置されていることを特徴とする請求項6
    記載の梁の構造。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか一つの梁貫通孔
    の補強材もしくは請求項6または請求項7記載の梁の構
    造を用いた梁の施工方法であって、 梁の型枠を立て込み、型枠内に鉄筋を配筋するととも
    に、所定位置に前記梁貫通孔の補強材を梁を貫通するよ
    うに配置した後に、前記型枠内にコンクリートを打設す
    ることにより前記補強材により貫通孔が形成された梁を
    構築することを特徴とする梁の施工方法。
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