JP2002146196A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

Info

Publication number
JP2002146196A
JP2002146196A JP2000345774A JP2000345774A JP2002146196A JP 2002146196 A JP2002146196 A JP 2002146196A JP 2000345774 A JP2000345774 A JP 2000345774A JP 2000345774 A JP2000345774 A JP 2000345774A JP 2002146196 A JP2002146196 A JP 2002146196A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin composition
wood flour
vinyl
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000345774A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitomo Nakada
善知 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2000345774A priority Critical patent/JP2002146196A/ja
Publication of JP2002146196A publication Critical patent/JP2002146196A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木粉の配合量を多くしても木粉の分散が均一
となるため機械強度等の基本性能が充分に発揮され、し
かも、混練する際の作業性が改善された樹脂組成物を提
供する。 【解決手段】 木粉を含む樹脂組成物であって、該樹脂
組成物は、N−ビニルカルボン酸アミド系重合体をも含
む樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木粉を含む樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅やオフィス等に使用される建
材の分野においては、住む人の自然回帰への嗜好が強く
なりつつあることから、木材がもつ自然な質感が好まれ
るようになり、天然木材やそれと同等又は類似の材料を
使用することへの要望が高まっている。このような要望
に対して、木材に似た外観や触感を現出する木質感ある
各種木質建材を製造するための開発が行われている。
【0003】このような各種木質建材の中でも、木粉を
含む樹脂組成物から形成される木質建材は、木粉が製材
工場や木工工場等から副生成物又は廃棄物として豊富に
供給され、また、樹脂として機械的強度が大きく成形加
工の容易な汎用樹脂であるポリ塩化ビニル系樹脂等の熱
可塑性樹脂が用いられることにより、木質感があるうえ
に機械強度等の基本性能に優れた建材として注目され需
要を伸ばしている。
【0004】木粉を含む樹脂組成物から木質建材を製造
する方法としては、例えば、木粉及び樹脂を配合し、熱
ロールによりコンパウンディング、すなわち混練してい
わゆる木粉コンパウンドを調製し、これを成形すること
により行われている。しかしながら、樹脂としてポリ塩
化ビニル系樹脂等を用いる場合、木質感を向上するため
に木粉の配合量を多くして熱ロールにより混練すると、
木粉の分散が不均一となり、これに起因して機械強度が
低下するという問題があった。また、熱ロールにより混
練する際、木粉と樹脂とが混ざり合いにくいために作業
性を改善することが望まれていた。
【0005】特開平10−101877号公報では、塩
化ビニル系樹脂、木粉及び可塑剤を含有する組成物に、
更に塩素化ポリエチレンを含有させることにより、バン
ク廻りが良く安定して混練することができる樹脂組成物
が開示されている。しかしながら、塩化ビニル系樹脂だ
けでなく、各種の樹脂に対して木粉を混練することがで
きれば、様々な機能を有する木質建材を製造することが
できることから、木粉を含む樹脂組成物であって、樹脂
として各種の樹脂を用いることができ、作業性が改善さ
れているうえ、優れた基本性能を有することができるも
のを研究する余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、木粉の配合量を多くしても
木粉の分散が均一となるため機械強度等の基本性能が充
分に発揮され、しかも、混練する際の作業性が改善され
た樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、木粉を含む樹
脂組成物であって、上記樹脂組成物は、N−ビニルカル
ボン酸アミド系重合体をも含む樹脂組成物である。
【0008】本発明者らは、樹脂に木粉を混練した木質
感のある建材等の材料として用いられる樹脂組成物を種
々検討するうち、N−ビニルカルボン酸アミド系重合体
がセルロースや水酸基を有する化合物との親和性に優れ
ていることに起因して木粉とよくなじむことにまず着目
し、また、異種の重合体は一般的に混じりにくいことに
反してこのN−ビニルカルボン酸アミド系重合体がポリ
塩化ビニル系樹脂等の各種の樹脂に対して優れた相溶性
を示すことにも着目し、これを木粉を含む樹脂組成物に
用いることにより、木粉の配合量を多くしても木粉の分
散が均一となって機械強度等の基本性能が充分に発揮さ
れ、しかも、混練する際の作業性が改善されて、上記課
題をみごとに解決することができることに想到し、本発
明に到達したものである。以下に、本発明を詳述する。
【0009】本発明の樹脂組成物は、木粉を含む。上記
木粉としては、所望する質感や用途等に応じて適宜選択
すればよく、単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。例えば、上記木粉の樹種としては、杉、ツガ、
ラワン等の針葉樹や、広葉樹の材木片、鉋屑、鋸屑等が
挙げられる。また、本発明の樹脂組成物を建材の材料と
する場合には、比較的丸みを帯びた形状のものを使用す
ることが好ましい。
【0010】上記木粉の平均粒径としては、例えば、3
0〜500μmとすることが好ましい。30μm未満で
あると、嵩比重が小さくなって樹脂組成物を調製すると
きの混合性がよくないおそれがあり、500μmを超え
ると、樹脂組成物から形成される成形体の外観性が低下
するおそれがある。より好ましくは、50〜100μm
であり、更に好ましくは、60〜100μmである。な
お、木粉の平均粒径とは、粉末を篩により分級して目開
きに対する累積重量%曲線を作成し、その50重量%に
該当する目開きの値を意味する。
【0011】上記木粉の使用量としては、例えば、樹脂
組成物中の主成分となる樹脂100重量部に対して、1
5〜200重量部とすることが好ましい。15重量部未
満であると、樹脂組成物から形成される成形体に充分な
木質感がなくなるおそれがあり、200重量部を超える
と、樹脂組成物を混練する際の作業性が低下したり、成
形体の機械強度が低下したりするおそれがある。より好
ましくは、20〜150重量部であり、更に好ましく
は、25〜100重量部である。
【0012】上記樹脂組成物中の主成分となる樹脂とし
ては特に限定されるものではなく、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂等の熱硬化性樹脂であってもよいし、ポリ塩化ビニル
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メ
タ)アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂であってもよい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。上記樹脂組成物の好ましい形態としては、樹脂組成
物中の主成分となる樹脂が、例えば、ポリ塩化ビニル系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂及び(メ
タ)アクリル系樹脂からなる群より選択される少なくと
も1種を含むことである。より好ましくは、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂を含むことである。このとき樹脂組成物中の
主成分となる樹脂にはその他の樹脂が含まれてもよく、
含まれなくてもよい。
【0013】上記ポリ塩化ビニル系樹脂としては、例え
ば、塩化ビニルを重合して得られる単独重合体や、更に
塩化ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体等が
挙げられ、共重合体の場合には、重合体中の塩化ビニル
の繰り返し単位の存在量が50重量%以上であることが
好ましい。
【0014】上記塩化ビニルと共重合可能な他の単量体
としては特に限定されず、例えば、エチレン、プロピレ
ン等のオレフィン類;塩化アリル、塩化ビリニデン、フ
ッ化ビニル、三フッ化塩化エチレン等のハロゲン化オレ
フィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボ
ン酸ビニルエステル類;イソブチルビニルエーテル、セ
チルビニルエーテル等のビニルエーテル類;アリル−3
−クロロ−2−オキシプロピルエーテル、アリルグリシ
ジルエーテル等のアリルエーテル類;アクリル酸、マレ
イン酸、イタコン酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸メチル、マレイン酸モノメチル、マレ
イン酸ジエチル、無水マレイン酸等の不飽和カルボン
酸、そのエステル又はその酸無水物類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;アクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリ
ルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等
のアクリルアミド類;アリルアミン安息香酸塩、ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド等のアリルアミン又
はその誘導体類等が挙げられる。これらは単独で用いて
もよく、2種以上を併用してもよい。
【0015】上記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン等のα−オレフィンのみを重合してなる単
独重合体や、更にα−オレフィンと共重合可能な他の単
量体との共重合体等が挙げられる。具体的には、高密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体等のポリエチレン類;プロピレン単
独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体やラ
ンダム共重合体、プロピレン−エチレン−ジエン化合物
共重合体等のポリプロピレン類;ポリ(1−ブテン);
ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等が挙げられる。こ
れらの中でも、結晶性のポリエチレンや結晶性のポリプ
ロピレンが好ましい。より好ましくは、結晶性のポリプ
ロピレンである。
【0016】上記結晶性のポリプロピレンとしては、例
えば、結晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独
重合体;該アイソタクチックプロピレン単独重合体の部
分と、エチレン単位の導入量が少ないエチレン−プロピ
レンランダム共重合体の部分とから構成される、一般に
プロピレンブロック共重合体として市販されている実質
上の結晶性のプロピレンとエチレンとのブロック共重合
体;該ブロック共重合体における各単独重合体又は共重
合体の部分が、更に1−ブテン等のα−オレフィンを共
重合することにより構成される、実質上の結晶性のプロ
ピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体等を好適に
用いることができる。
【0017】上記スチレン系樹脂としては、例えば、芳
香族ビニル系単量体のみを重合してなる単独重合体や、
更に芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系
単量体との共重合体等が挙げられる。具体的には、ポリ
スチレン、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、
MS(メチルメタクリレート−スチレン)樹脂等が挙げ
られる。また、ゴム強化スチレン系樹脂として、ゴム状
重合体の存在下で、芳香族ビニル系単量体や、必要に応
じて芳香族ビニル系単量体と共重合可能な他のビニル系
単量体とを共重合してなるグラフト共重合体も好適に用
いられ、例えば、ABS樹脂、AES(Acrylon
itrile−EPDM−Styrene)樹脂、AA
S(Acrylonitrile−Acrylic−S
tyrene)樹脂、HI(High Impact)
ポリスチレン、MBS(Methylmethacry
late−Butadiene−Styrene)樹脂
等が挙げられる。
【0018】上記(メタ)アクリル系樹脂としては、例
えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル
類を重合してなる単独重合体や、更に(メタ)アクリル
酸エステル類と共重合可能な他の単量体との共重合体等
が挙げられる。
【0019】上記樹脂組成物は、N−ビニルカルボン酸
アミド系重合体をも含む。本発明におけるN−ビニルカ
ルボン酸アミド系重合体とは、N−ビニルカルボン酸ア
ミド系単量体を含む単量体成分を重合してなる重合体で
ある。このような重合体は単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。上記N−ビニルカルボン酸アミド
系重合体は高い親水性を有し、これに起因して木粉の主
成分であるセルロース等に対して優れた親和性を示すと
考えられる。また、ポリ塩化ビニル系樹脂等の樹脂組成
物中の主成分となる樹脂に対しても優れた相溶性を有す
る、すなわち完全に混じり合うことが可能であることに
より、本発明の作用効果を充分に発揮することになる。
【0020】上記N−ビニルカルボン酸アミド系重合体
を形成するN−ビニルカルボン酸アミド系単量体として
は、例えば、下記一般式(1);
【0021】
【化1】
【0022】(式中、R1 は、水素又はメチル基を示
す。R2 及びR3 は、同一又は異なって、水素、メチル
基又はエチル基を示し、R2 とR3 とは、結合して炭素
数3〜5のアルキレン基を形成していてもよい。)で表
される化合物等が挙げられる。
【0023】上記N−ビニルカルボン酸アミド系単量体
としては、具体的には、N−ビニルアセトアミド、N−
メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムア
ミド、N−メチル−N−ビニルホルムアミド、N−ビニ
ルプロピオンアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げら
れ、一種又は必要により二種以上を用いることができ
る。その中で、N−ビニルピロリドンが木粉との親和性
の点で好ましい。
【0024】上記N−ビニルカルボン酸アミド系重合体
を形成する単量体成分において、N−ビニルカルボン酸
アミド系単量体は主成分として含まれることが好まし
く、このときその他の単量体を含んでいても、含んでい
なくてもよい。例えば、単量体成分全量を100重量%
とすると、50重量%以上とすることが好ましい。50
重量%未満であると、本発明の作用効果を充分に発揮す
ることができないおそれがある。より好ましくは、70
重量%以上であり、更に好ましくは、90重量%以上で
ある。また、N−ビニルカルボン酸アミド系単量体は1
種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種以上
の単量体を含む単量体成分を重合してなる場合には、そ
の重合形態としては特に限定されず、例えば、ブロック
状、交互状、ランダム状等のいずれであってもよい。
【0025】上記単量体成分に含まれるN−ビニルカル
ボン酸系アミド単量体以外の単量体としては特に限定さ
れず、N−ビニルカルボン酸系アミド単量体と共重合可
能な重合性単量体が挙げられ、具体的には、例えば、
(1)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(2)(メタ)
アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル
アミド誘導体類;(3)(メタ)アクリル酸ジメチルア
ミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基性
不飽和単量体及びその塩又は第4級化物;(4)ビニル
ホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリ
ン等のビニルアミド類;(5)(メタ)アクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含
有不飽和単量体及びその塩;(6)無水マレイン酸、無
水イタコン酸等の不飽和無水物類;(7)酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(8)ビニ
ルエチレンカーボネート及びその誘導体;(9)スチレ
ン及びその誘導体;(10)(メタ)アクリル酸−2−
スルホン酸エチル及びその誘導体;(11)ビニルスル
ホン酸及びその誘導体;(12)メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類;(13)エチレン、プロピレン、オ
クテン、ブタジエン等のオレフィン類等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0026】本発明では、N−ビニルカルボン酸アミド
系重合体は、N−ビニルピロリドン系重合体であること
が好ましい。これにより、より確実に本発明の作用効果
を発揮することが可能となる。N−ビニルピロリドン系
重合体とは、N−ビニルカルボン酸アミド系重合体を形
成する単量体成分において、N−ビニルカルボン酸アミ
ド系単量体としてN−ビニルピロリドンを用いてなる重
合体である。
【0027】上記N−ビニルカルボン酸アミド系重合体
を製造する方法としては特に限定されず、例えば、水溶
液重合法、有機溶媒中での溶液重合法、逆相懸濁重合
法、乳化重合法、沈殿重合法等が挙げられ、重合時の反
応条件等は特に限定されるものではない。使用する重合
開始剤としては特に限定されず、従来公知のものを1種
又は2種以上使用することができ、使用量も特に限定さ
れるものではない。また、重合開始剤を用いずに、熱、
光、放射線による重合法を用いてもよい。
【0028】上記N−ビニルカルボン酸アミド系重合体
の分子量としては、樹脂組成物の使用用途等に応じて適
宜設定すればよく、例えば、重量平均分子量が1000
〜5000000であることが好ましい。1000未満
であると、成形体の機械強度が充分でなくなるおそれが
あり、5000000を超えると、混練する際の作業性
が充分でなくなるおそれがある。より好ましくは、50
00〜1000000であり、更に好ましくは、100
00〜500000である。
【0029】上記N−ビニルカルボン酸アミド系重合体
の使用量としては、例えば、樹脂組成物中の主成分とな
る樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部とす
ることが好ましい。0.1重量部未満であると、本発明
の作用効果を充分に発揮することができなくなるおそれ
がある。30重量部を超えると、成形体の機械強度が低
下するおそれがある。より好ましくは、1〜20重量部
であり、更に好ましくは、3〜10重量部である。
【0030】本発明の樹脂組成物には、上述した以外の
配合物を含んでいてもよい。例えば、公知の添加剤等が
挙げられ、ポリ塩化ビニル系樹脂等を用いる場合には、
可塑剤を配合することが好ましい。
【0031】上記可塑剤としては、ポリ塩化ビニル系樹
脂等に用いることができるものであれば特に限定され
ず、例えば、以下に記載するもの等を用いることができ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オク
チルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソデシルフ
タレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エス
テル系可塑剤;ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ
イソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート等のア
ジピン酸エステル系可塑剤;ジ−n−ヘキシルアゼレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジイソオクチ
ルアゼレート等のアゼライン酸エステル系可塑剤;ジ−
n−ブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケ
ート等のセバシン酸エステル系可塑剤;ジ−n−ブチル
マレエート、ジ−2−エチルヘキシルマレエート等のマ
レイン酸エステル系可塑剤;ジ−n−ブチルフマレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフマレート等のフマル酸エ
ステル系可塑剤;トリ−n−ヘキシルトリメリテート、
トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−n−
オクチルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系
可塑剤;テトラ−2−エチルヘキシルピロメリテート、
テトラ−n−オクチルピロメリテート等のピロメリット
酸エステル系可塑剤;トリエチルシトレート、トリ−n
−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、
アセチルトリ−2−エチルヘキシルシトレート等のクエ
ン酸エステル系可塑剤;ジエチルイタコネート、ジブチ
ルイタコネート、ジ−2−エチルヘキシルイタコネート
等のイタコン酸エステル系可塑剤。
【0032】ジエチレングリコールジペラルゴネート、
ペンタエリスリトールの各種脂肪酸エステル等のその他
の脂肪酸エステル系可塑剤;トリエチルホスフェート、
トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホ
スフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフ
ェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリ
ン酸エステル系可塑剤;ジエチレングリコールジベンゾ
エート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリ
エチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリ
コールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコ
ールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルメチレン
ビスチオグリコレート等のグリコール系可塑剤;グリセ
ロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、
グリセロールトリブチレート等のグリセリン系可塑剤;
エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポ
キシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、エ
ポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシト
リグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポ
キシ化オレイン酸デシル等のエポキシ系可塑剤;アジピ
ン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタ
ル酸系ポリエステル等のポリエステル系可塑剤又は部分
水添ターフェニル;接着性可塑剤;ジアリルフタレー
ト、アクリル系モノマーやオリゴマー等の重合性可塑剤
等。
【0033】上記可塑剤の使用量としては、例えば、樹
脂組成物中の主成分となる樹脂100重量部に対して、
20〜200重量部とすることが好ましい。20重量部
未満であると、混練する際の作業性が充分ではなくなっ
たり、成形体の柔軟性等が低下したりするおそれがあ
る。200重量部を超えると、可塑剤が成形体の表面か
らブリードアウトしやすくなるおそれがある。より好ま
しくは、30〜150重量部であり、更に好ましくは、
50〜100重量部である。
【0034】上記可塑剤以外の添加剤としては、例え
ば、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、耐衝撃性強化剤、
加工助剤、帯電防止剤、発泡剤、顔料等が挙げられ、こ
れらの使用量としては特に限定されず、樹脂組成物を用
いる用途等に応じて適宜設定すればよい。
【0035】本発明の樹脂組成物の製造方法としては特
に限定されず、例えば、以下の(1)〜(3)に記載す
るような手順等により行うことができる。 (1)先ず、上述した木粉、樹脂組成物中の主成分とな
る樹脂、N−ビニルカルボン酸アミド系重合体、必要に
応じて添加される添加剤等の配合物を、混合機に投入し
て撹拌混合しつつ昇温する。このとき、ヘンシェルミキ
サー等の混合機を用い、配合物を一括投入して混合する
と、嵩比重が大きく、顔料等の添加剤が均一分散した混
合物を得やすい。また、激しく撹拌混合して120〜1
60℃に昇温すると、木粉に吸収されている水分が揮散
されることになり好ましい。
【0036】(2)次いで、混合機の設定温度が所定の
温度となった後に、混合物をクーリングミキサーに移し
て更に混合しつつ冷却する。クーリングミキサー中の混
合物の温度が充分に低下した後、クーリングミキサーか
ら混合物を粉末の状態で取り出す。
【0037】(3)取り出された粉末状の混合物は、そ
のまま成形用のコンパウンド(成形材料)とすることが
できるが、更にペレット化してもよい。ペレット化する
場合には、例えば、ベント付きの一軸押出機又は二軸押
出機を用いて行うことができる。このとき、シリンダー
温度及びダイス温度を150〜170℃とし、かつベン
ト孔から木粉中の残留水分を排出しつつ行うことが好ま
しい。
【0038】本発明の樹脂組成物の用途としては特に限
定されず、例えば、木質感のある建材等の成形体を形成
することができる材料として好適なものであるが、この
ような材料に限定されるものではない。本発明の樹脂組
成物を建材の材料として用いる場合には、例えば、カレ
ンダ加工等を施して成形することにより建材を製造する
ことができる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
【0040】実施例1 主成分となる樹脂として、ポリ塩化ビニル樹脂を選び、
表1に示す配合で、ポリ塩化ビニル樹脂(商品名「SS
−80」、電気化学工業社製)、ポリビニルピロリドン
(商品名「K−30」、和光純薬工業社製)、木粉(商
品名「セルユント」、シマダ商会社製、平均粒径80μ
m、含水率5重量%)、可塑剤としてジ−2−エチルヘ
キシルフタレート(DOP)、熱安定剤(ステアリン酸
鉛複合熱安定剤)、滑剤(ステアリン酸n−ブチル)及
び充填剤(炭酸カルシウム、CCR、白石カルシウム社
製、平均粒径0.08μm)をヘンシェルミキサーに一
括して仕込み、混合しつつ水蒸気を揮散させた。温度が
上昇して140℃に達した後、混合物をクーリングミキ
サーに移して更に混合しつつ冷却し、粉末状の混合物を
得た。得られた粉末状の混合物を、ロール間隔1mm、
温度150℃に設定した8インチロールを用いて、巻き
つけ1分、ナイフによる切り返し混練5分を行った。バ
ンクの喰い込みは良好で、安定して混練を行うことがで
きた。混練後、厚さ1mmの軟質シートとした。得られ
た軟質シートは、豊かな木質感を有していた。得られた
軟質シートについて、下記の方法により引張試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0041】実施例及び比較例において、バンク廻りは
下記の基準により評価し、引張特性は下記の方法により
試験した。 (1)バンク廻りの評価基準 A:ロールへの喰い込みが良好で、安定して混練するこ
とができる。 B:ロールへ喰い込まない状態がときどき生じ、混練が
不安定になる。 C:ロールへの喰い込みが困難で、安定して混練するこ
とができない。 (2)引張試験 JIS K 7157にしたがって、引張強さ、引張破
壊伸び及び100%モジュラスを求めた。
【0042】実施例2 表1に示す配合の組成物について、実施例1と同様にし
て8インチロールを用いてバンクの喰い込みを評価し、
更に厚さ1mmの軟質シートを作製して、引張強さ、引
張破壊伸び及び100%モジュラスを測定した。結果を
表1に示す。
【0043】比較例1 表1に示す配合の組成物について、実施例1と同様にし
て8インチロールを用いてバンクの喰い込みを評価し、
更に厚さ1mmの軟質シートを作製して、引張強さ、引
張破壊伸び及び100%モジュラスを測定した。結果を
表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1について、以下に説明する。PVC
は、ポリ塩化ビニル系樹脂(商品名「SS−80」、電
気化学工業社製)であり、PVPは、ポリビニルピロリ
ドン(商品名「K−30」、和光純薬工業社製)であ
り、木粉は、商品名「セルユント」(シマダ商会社製、
平均粒径80μm、含水率5重量%)であり、可塑剤
(DOP)は、ジ−2−エチルヘキシルフタレートであ
る。
【0046】表1より、ポリビニルピロリドンを含む実
施例1〜2の樹脂組成物は、木粉の分散性が良好である
ため、バンクのロールへの喰い込みが良好で、安定して
混練することができ、作業性が良好であった。また、得
られたシートが軟質シートとして適当な引張破壊伸び及
び100%モジュラスを有していた。N−ビニルカルボ
ン酸系重合体を含まない比較例1の樹脂組成物は、バン
クのロールへの喰い込みが不良であり、成形体の引っ張
り強度も実施例1〜2と比べて低かった。
【0047】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、上述のような構
成からなるため、木粉の配合量を多くしても木粉の分散
が均一となるため機械強度等の基本性能が充分に発揮さ
れ、しかも、混練する際の作業性が改善され、木質感の
ある優れた性能を有する建材等を安定して製造すること
ができるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木粉を含む樹脂組成物であって、該樹脂
    組成物は、N−ビニルカルボン酸アミド系重合体をも含
    むことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記N−ビニルカルボン酸アミド系重合
    体は、N−ビニルピロリドン系重合体であることを特徴
    とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル系樹
    脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂及び(メ
    タ)アクリル系樹脂からなる群より選択される少なくと
    も1種を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の樹
    脂組成物。
JP2000345774A 2000-11-13 2000-11-13 樹脂組成物 Pending JP2002146196A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000345774A JP2002146196A (ja) 2000-11-13 2000-11-13 樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000345774A JP2002146196A (ja) 2000-11-13 2000-11-13 樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002146196A true JP2002146196A (ja) 2002-05-22

Family

ID=18819743

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000345774A Pending JP2002146196A (ja) 2000-11-13 2000-11-13 樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002146196A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008525565A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 キングスパン・ホールディングス・(アイアールエル)・リミテッド 高靱性フェノールフォーム
JP2013531108A (ja) * 2010-07-05 2013-08-01 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング セルロース含有材料と、プラスチックマトリックスとしてのpmma及び種々のカップリング成分とから構成される複合材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008525565A (ja) * 2004-12-23 2008-07-17 キングスパン・ホールディングス・(アイアールエル)・リミテッド 高靱性フェノールフォーム
JP2013531108A (ja) * 2010-07-05 2013-08-01 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング セルロース含有材料と、プラスチックマトリックスとしてのpmma及び種々のカップリング成分とから構成される複合材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4881165B2 (ja) セルロースおよび高分子成分を含む複合組成物
US20080261019A1 (en) Pvc/Wood Composite
WO2010120673A1 (en) Polyolefin / polylactic acid blends
US20070260006A1 (en) Rigid polyvinyl chloride polymer compositions having improved impact properties
JPH07145286A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP2002146196A (ja) 樹脂組成物
JP3724603B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
EP0792916B1 (en) Melt-processed blends containing poly(vinyl alcohol)
JPH10231380A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH1192608A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
US10266687B2 (en) Polymer composition, capstock comprising the same and a process to make such capstock
JP3542877B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
US5753752A (en) Melt-processed blends containing poly(vinyl alcohol)
JP2958232B2 (ja) 艶消し性熱可塑性樹脂組成物
JP2001240715A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP4159182B2 (ja) 異型押出成形用樹脂組成物
JPH10195275A (ja) Abs系樹脂組成物
JPH03134045A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体
JPS58201833A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
JPH11217476A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP3280904B2 (ja) 熱成形用ポリオレフィン系シート
JPS59184248A (ja) 塩化ビニル系グラフト共重合体の引裂き強さの改良方法
JPH0570648A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPS6264838A (ja) セルロ−ス系高分子含有重合体の組成物
JPH10287815A (ja) 熱可塑性樹脂組成物