JP2002138147A - 水膨潤性架橋重合体の製造方法 - Google Patents

水膨潤性架橋重合体の製造方法

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JP2002138147A
JP2002138147A JP2000333171A JP2000333171A JP2002138147A JP 2002138147 A JP2002138147 A JP 2002138147A JP 2000333171 A JP2000333171 A JP 2000333171A JP 2000333171 A JP2000333171 A JP 2000333171A JP 2002138147 A JP2002138147 A JP 2002138147A
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Shigeru Sakamoto
繁 阪本
Toshimasa Kitayama
敏匡 北山
Yoshiji Adachi
芳史 足立
Kenji Tada
賢治 夛田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解質を含む液であっても優れた吸水能力を
発揮する水膨潤性架橋重合体を、簡便な方法で生産性よ
く得ることができる、水膨潤性架橋重合体の製造方法を
提供する。 【解決手段】 樹脂固形分が50重量%以上の流動性を
有する塩基性樹脂と、樹脂固形分が80重量%以上の酸
性吸水性樹脂粒子とを混合した後、前記塩基性樹脂を架
橋させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水膨潤性架橋重合
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁
パット等の衛生材料の構成素材として、体液を吸収させ
ることを目的とし、いわゆる吸水性樹脂が幅広く使用さ
れている。このような吸水性樹脂としては、これまで、
例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アク
リル酸グラフト重合体の加水分解物、酢酸ビニル−アク
リル酸エステル共重合体ケン化物、アクリロニトリル共
重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物又
はこれらの架橋体等が知られている。しかし、これらの
吸水性樹脂は、加圧下での吸収倍率が低く、紙オムツ等
の各種衛生材料に実際に用いるには不充分なものであっ
た。また、これら吸水性樹脂のほとんどその全ては酸性
吸水性樹脂の酸性基をアルカリ金属化合物等で中和した
ものであるが、例えば紙オムツに吸収される尿は実際に
は電解質を含む液であるため、塩効果によって吸収能力
が低下するという問題もあった。
【0003】この問題を解決することのできる技術とし
て、WO92/20735には、2つの異なるイオンを
有し、イオン交換能を有する重合体粒子の組み合わせに
よる電解質溶液の吸収についての技術的基本概念が開示
されており、その技術の適用例が、WO98/2483
2、WO98/37149およびWO99/25393
に開示されている。これらの技術は、例えば、酸性吸水
性樹脂と塩基性吸水性樹脂とを組み合わせることで、前
者の有する酸性基と後者の有する塩基性基とが中和構造
となり、吸液中の塩を脱塩することで、前述の中和され
た吸水性樹脂よりも優れた膨潤性が発揮できるというも
のである。さらに、前述の中和処理された吸水性樹脂で
問題となっていた電解質をも取り込み、塩効果を抑制す
ることができ、結果として電解質溶液の吸収能力を従来
に比べて飛躍的に高めることができるというものであ
る。
【0004】しかし、上記WO92/20735、WO
98/24832、WO98/37149では、重合体
粒子の組み合わせについての基本技術が開示されている
のみであり、実使用に際しての吸収特性を考慮したもの
ではない。また、WO99/25393には、重合体粒
子中にミクロドメインを形成させることが提案されてい
るが、この場合は酸性吸水性樹脂に塩基性吸水性樹脂が
取り込まれた状態もしくは酸性吸水性樹脂に塩基性吸水
性樹脂が浸透した状態、さらには酸性吸水性樹脂が塩基
性吸水性樹脂中の水分を吸うことにより酸性吸水性樹脂
の網目構造が広がり、塩基性吸水性樹脂が入り込んだ状
態で、架橋されてしまっているため、逆に脱塩効果の低
下が起こり、電解質溶液の吸収能力について満足しうる
ものではなかった。
【0005】一方、従来、このような酸性吸水性樹脂と
塩基性吸水性樹脂とを組み合わせた吸水剤を得る場合、
通常、一度塊状ゲル状態として得た塩基性吸水性樹脂を
さらに細粒化し、必要により最適粒度に粒度調整した
後、酸性吸水性樹脂と混合する工程を経て、さらに含有
する水分を低減するための乾燥工程を要する。このよう
な従来の方法によれば、非常に煩雑な複数のプロセスを
必要とし、生産性が悪いばかりでなく、乾燥工程におけ
る加熱の影響により脱塩効果が低下し、ひいては吸収能
力を損なうといった問題を起こすこともあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、電解質
を含む液であっても優れた吸水能力を発揮する水膨潤性
架橋重合体を、簡便な製造方法で生産性よく提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記課
題に鑑み鋭意検討した結果、樹脂固形分が高く、しかも
流動性を有する塩基性樹脂を用いることにより、酸性吸
水性樹脂に塩基性吸水性樹脂が取り込まれた状態で架橋
されてしまうことを回避することができることを見いだ
した。そして、その結果、乾燥負荷の大幅な低減が可能
となり、乾燥工程や酸性吸水性樹脂と塩基性吸水性樹脂
との混合工程など従来必要であった煩雑な工程を省略し
つつ、電解質溶液を吸収する際にも優れた脱塩効果を発
揮することができる水膨潤性架橋重合体を効率よく得る
ことができることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の水膨潤性架橋重合体の
製造方法においては、樹脂固形分が50重量%以上の流
動性を有する塩基性樹脂と、樹脂固形分が80重量%以
上の酸性吸水性樹脂粒子とを混合した後、前記塩基性樹
脂を架橋させる。また、前記目的を達することができ
る、本発明にかかる水膨潤性架橋重合体は、樹脂固形分
が50重量%以上の流動性を有する塩基性樹脂と、樹脂
固形分が80重量%以上の酸性吸水性樹脂粒子とを混合
した後、前記塩基性樹脂を架橋させることにより得られ
るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明の水膨潤性架橋重合体は、塩基性樹脂と酸
性吸水性樹脂粒子とを混合した後、前記塩基性樹脂を架
橋させることにより、得られるものである。本発明にお
ける酸性吸水性樹脂粒子は、樹脂固形分が80重量%以
上、好ましくは90重量%以上である粒子状のものであ
る。樹脂固形分が80重量%以上の粒子であること、言
い換えれば含水率が20重量%未満であることにより、
塩基性基と酸性基とが共存することによる電解質溶液に
対する脱塩効果を効率よく発揮させることができるので
ある。酸性吸水性樹脂粒子の樹脂固形分が80重量%未
満、言い換えれば含水率が20重量%を超える場合であ
ると、塩基性樹脂が酸性吸水性樹脂粒子内に浸透してし
まい、塩基性樹脂が酸性吸水性樹脂粒子に取り込まれな
い状態で架橋することが困難となり、脱塩効果の低下を
招くこととなる。
【0010】前記酸性吸水性樹脂粒子は、水を吸収し膨
潤することのできる範囲まで架橋されている酸性吸水性
樹脂からなり、好ましくは、水の吸水倍率が1g/g以
上であるのがよく、さらに好ましくは、水の吸水倍率が
10g/g以上であるのがよい。具体的には、例えば、
酸性基を含み、その酸性基の50〜100モル%が未中
和の酸の形で存在し水不溶性となるまでゆるく架橋され
た酸性樹脂を挙げることができる。より好ましくはその
酸性基の70〜100モル%が未中和の酸の形で存在
し、最も好ましくはその酸性基の90〜100モル%が
未中和の酸の形で存在し且つ水不溶性になるまでゆるく
架橋された酸性樹脂である。このような酸性吸水性樹脂
としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基および
リン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸基
を含有する酸性吸水性樹脂を挙げることができる。ま
た、前記酸性吸水性樹脂は、ポリアスパラギン酸架橋
体、ポリグルタミン酸架橋体のような架橋ポリペプチド
やカルボキシメチルセルロース架橋体のような天然物由
来の酸性吸水性樹脂であってもよい。
【0011】前記酸性吸水性樹脂粒子は、例えば、イ)
酸基を含有する重合性単量体を共重合性架橋剤の存在下
に重合する方法、ロ)酸基を含有する重合性単量体を重
合して得られた酸基含有重合体に後架橋処理を施す方
法、などの従来公知の方法により得ることができる。特
に好適に採用される酸性吸水性樹脂粒子の製法は、その
重合度および架橋度のコントロールの容易さから、イ)
の酸基を含有する重合性単量体を共重合性架橋剤の存在
下に重合する方法である。なお、酸基含有重合体の後架
橋処理は、例えば、I)加熱処理により架橋構造を導入
する方法、II)電子線、ガンマー線などの放射線照射
により架橋構造を導入する方法、III)ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリ
シジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミ
ン、エチレンカーボネートなどの酸基含有重合体の官能
基と反応し得る官能基を1分子中に2個以上有する化合
物により重合体に架橋構造を導入する方法、などにより
達成することができる。
【0012】前記酸基を含有する重合性単量体として
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン
酸、けい皮酸、それらの無水物などのカルボン酸基を含
有する重合性単量体;ビニルスルホン酸、アリルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン
酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン
酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸など
のスルホン酸基を含有する重合性単量体;2−ヒドロキ
シエチルアクリロイルホスフェート、2−ヒドロキシエ
チルメタクリロイルホスフェート、フェニル−2−アク
リロイロキシエチルホスフェート、ビニルリン酸などの
リン酸基を含有する重合性単量体等を挙げることができ
る。これらのうち、好ましくはカルボン酸基またはスル
ホン酸基を含有する重合性単量体であり、特に好ましく
はカルボン酸基を含有する重合性単量体であり、最も好
ましくはアクリル酸である。これらの酸基を含有する単
量体は単独で使用してもよく、また2種以上を併用して
もよい。
【0013】酸性吸水性樹脂粒子を得る際には、前記酸
基を含有する重合性単量体と共に、必要により他の重合
性単量体を使用することができる。他の重合性単量体と
しては、例えば、メチル( メタ) アクリレート、エチル
( メタ) アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレートなどの、不飽和カルボン酸(アク
リル酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、クロトン
酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、けい皮酸な
ど)のアルキルまたはアルキレンオキシドエステル類;
スチレンなどの芳香族ビニル炭化水素;エチレン、プロ
ピレン、ブテンなどの脂肪族ビニル炭化水素;アクリロ
ニトリルなどの不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メ
タアクリルアミドなどの不飽和アミド類;などが挙げら
れる。
【0014】必要により使用される前記他の重合性単量
体の使用量は、全重合性単量体および下記共重合性架橋
剤の合計重量に対して通常40重量%以下、好ましくは
20重量%以下とするのがよい。前記イ)の酸基を含有
する重合性単量体を共重合性架橋剤の存在下に重合する
方法により酸性吸水性樹脂粒子を得る際には、共重合性
架橋剤として、少なくとも2個の重合性二重結合を有す
る化合物(1)、または、少なくとも1個の重合性二重
結合を有しかつ反応性官能基を少なくとも1個有する化
合物(2)を用いるとよい。
【0015】前記化合物(1)の具体例としては、例え
ば、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアク
リレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリア
リルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)ア
リロキシアルカン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエ
ン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、ジビニル
エーテル、ジビニルケトン、トリビニルベンゼン、トリ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
トなどが挙げられる。
【0016】前記化合物(2)の具体例としては、例え
ば、グリシジル(メタ)アクリレートのような一分子中
にエポキシ基と重合性二重結合を有する化合物;N −メ
チロール(メタ)アクリルアミドのような一分子中にヒ
ドロキシ基と重合性二重結合を有する化合物;N,N,
N−トリメチル−N−(メタ)アクリロイオキシエチル
トリメチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリ
エチル−N−(メタ)アクリロイオキシエチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエ
チル、アリルアミン、ビニルピリジンのような1〜4級
アミノ基含有不飽和化合物;などが挙げられる。
【0017】前記共重合性架橋剤のうちで好ましいもの
は、ビス(メタ)アクリルアミド、ポリオールと不飽和
モノカルボン酸とのジ−またはポリ−エステル、ポリア
リル化合物であり、特に好ましいものは、N,N′−メ
チレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール
ジアクリレート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリ
ロキシアルカンより選ばれる少なくとも1種である。前
記共重合性架橋剤の使用量は、全重合性単量体および該
共重合性架橋剤の合計重量に対して通常0.001〜1
0重量%、好ましくは0.01〜5重量%とするのがよ
い。共重合性架橋剤の使用量が0.001重量%未満で
あると、得られた酸性吸水性樹脂は吸水時のゲル強度が
小さくなることがあり、10重量%を越えると、吸水倍
率が低くなることがあるため、いずれも好ましくない。
【0018】前記イ)の方法で酸基含有重合性単量体を
共重合性架橋剤の存在下に重合する際、または、前記
ロ)の方法で酸基含有重合性単量体を重合する際には、
さらに、澱粉やセルロ−ス、澱粉やセルロ−スの誘導
体、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸架橋体等の親水性高分子、次亜リン酸(塩)等の
連鎖移動剤、水溶性ないし水分散性界面活性剤などを添
加してもよい。なお、これら重合性単量体に加える化合
物は、米国特許4076663号,同4320040
号,同4833222号,同5118719号,同51
49750号,同5154713号および同52644
95号や、欧州特許03729831号および同049
6594号などに例示されている。
【0019】前記イ)の方法で酸基含有重合性単量体を
共重合性架橋剤の存在下に重合する重合方法、または、
前記ロ)の方法で酸基含有重合性単量体を重合する重合
方法は、例えば、バルク重合や沈澱重合を採用すること
も可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、単
量体を水溶液として、水溶液重合、逆相懸濁重合を行う
ことが好ましい。この際の溶媒としては、例えば、水、
メタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケ
トン、またはこれらの2種以上の混合物を使用すること
ができる。溶媒を使用した場合の酸基含有重合性単量体
の濃度には特に限定はないが、重量基準で通常10%以
上、好ましくは15〜80%とするのがよい。
【0020】また、前記重合温度については、通常0℃
〜150℃、好ましくは10〜100℃の範囲とするの
がよい。また、前記重合を開始させる方法としては、従
来公知の方法で行えばよく、例えば、ラジカル重合触媒
を用いて重合させる方法、および放射線、電子線、紫外
線などを照射する方法を挙げることができる。なお、ラ
ジカル重合触媒を用いる方法における触媒としては、過
硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム
などの無機過酸化物;t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロパー
オキサイドなどの有機過酸化物;2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、アゾイソブチロニ
トリル、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物を挙げる
ことができる。また、過酸化物のような酸化性ラジカル
重合触媒を用いる場合、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素
ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元
剤を併用してレドックス重合としても良い。これらラジ
カル重合触媒は複数種を併用して用いてもよい。また、
ラジカル重合触媒の使用量も通常で良く、例えば、全重
合性単量体および共重合性架橋剤の合計重量に対して通
常0.0005〜5重量%、好ましくは0.0001〜
1重量%である。
【0021】前記酸性吸水性樹脂粒子は、上述のように
して得られた酸性吸水性樹脂を、さらに、従来公知の方
法で乾燥・粉砕・分級して、得ることができる。このと
き、酸性吸水性樹脂粒子の粒子サイズは10〜1000
μmとすることが好ましく、さらに好ましくは100〜
850μmである。粒子サイズが10μm未満である
と、吸水能力が低くなりやすく、一方、1000μmを
超えると、脱塩効果が顕れるのが遅くなる傾向がある。
本発明における塩基性樹脂としては、樹脂固形分が50
重量%以上、好ましくは80重量%以上、最も好ましく
は98重量%であり、かつ流動性を有するもので、架橋
により塩基性吸水性樹脂に転換しうるものであれば、特
に制限はない。このような塩基性樹脂を用いることによ
り、塩基性樹脂が酸性吸水性樹脂粒子に取り込まれるこ
となく架橋ができ、電解質溶液に対する脱塩効果を効率
よく発揮させることができる。また、樹脂固形分が50
重量%以上であると、乾燥負荷の大幅な低減が可能であ
るので、乾燥による脱塩効果の低下を抑制することがで
き、さらに、樹脂固形分が80重量%以上であると、乾
燥工程を省くことができるので、脱塩効果の低下を完全
に防ぐことができると同時に、プロセスを簡略化でき、
生産性の点でも好適である。
【0022】前記塩基性樹脂としては、実質的に架橋前
の状態では水溶性あるいは水分散性の、架橋されていな
い親水性の塩基性樹脂を例示することができる。具体的
には、例えば、直鎖状ポリアルキレンアミン、分岐状ポ
リアルキレンアミン、ポリビニルアミン、ポリアリルア
ミン、ポリN−ビニルイミダゾール、ポリビニルピリジ
ン、ポリビニルピリジンアミンオキシド、ポリジアリル
アミン、ポリアミドポリアミン、ポリジメチルアミノア
ルキルアクリレート、ポリジメチルアミノアルキルメタ
クリレート、ポリジメチルアミノアルキルアクリルアミ
ド、ポリジメチルアミノアルキルメタクリルアミド、ポ
リアミジン、ポリビニルグアニジン、ポリジアリルアミ
ン、ポリアクリル酸ヒドラジン、アスパラギン酸−ヘキ
サメチレンジアミン重縮合物;ポリリシンのような塩基
性ポリアミノ酸;キトサンなどの天然物由来の塩基性樹
脂;およびこれらの重合体の共重合体などを挙げること
ができる。これらは架橋により塩基性吸水性樹脂に転換
しうることが必須である。該塩基性樹脂は、好ましくは
アミノ基含有の塩基性樹脂であり、より好ましくはその
塩基性基の90〜100モル%が未中和の塩基の形で存
在する、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリ
ビニルアミン、ポリジアリルアミン、ポリジアリルジメ
チルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種であ
り、最も好ましくはポリエチレンイミン、ポリアリルア
ミン、ポリビニルアミンより選ばれる少なくとも1種で
ある。なお、前記塩基性樹脂の重量平均分子量は約1,
000〜10,000,000の範囲であることが好ま
しい。重量平均分子量が1,000未満であると、架橋
反応が困難となりやすく、一方、10,000,000
を超えると、樹脂固形分50重量%以上での取扱いが困
難となる。
【0023】本発明において、水膨潤性架橋重合体は、
前記塩基性樹脂と前記酸性吸水性樹脂粒子とを混合した
後、前記塩基性樹脂を酸性吸水性樹脂粒子の表面もしく
は表面近傍で架橋させて塩基性吸水性樹脂とすることに
より、得られるものである。さらに詳しくは、前記塩基
性樹脂をその官能基(例えばアミノ基)と反応し共有結
合を形成しうる基を2個以上有する架橋剤で架橋し、該
塩基性樹脂に架橋構造を導入することで得ることができ
る。本発明において、酸性吸水性樹脂粒子の表面で架橋
された塩基性樹脂は、その塩基性基の50〜100モル
%が未中和の塩基の形で存在し水不溶性となるまでゆる
く架橋されていることが好ましい。より好ましくはその
塩基性基の70〜100モル%が未中和の塩基の形で存
在し、最も好ましくはその塩基性基の90〜100モル
%が未中和の塩基の形で存在し且つ水不溶性になるまで
ゆるく架橋されているのがよい。
【0024】前記架橋剤としては、塩基性樹脂の官能基
がアミノ基である場合には例えば、エポキシ基、アルデ
ヒド基、ハロゲン化アルキル基、イソシアネート基、カ
ルボキシル基、酸無水物基、酸ハライド基、エステル結
合部分などを1分子あたり2個以上有する、従来一般に
用いられている化合物を使用できる。このような架橋剤
としては、例えば、ビスエポキシ化合物;エピクロルヒ
ドリン、ジブロムエチレンなどのジハロゲン化物;ホル
マリン、グリオキザールのようなジアルデヒド化合物;
(ポリ)エチレングリコール類のジグリジシルエーテ
ル、(ポリ)プロピレングリコール類のジグリシジルエ
ーテル、ネオペンチルアルコールなどのジアルコールの
ジグリシジルエーテル類、グリセロールのポリグリシジ
ルエーテル類;メチルアクリレート、エチルアクリレー
トなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル類;メチレ
ンビスアクリルアミドなどのジ−α,β−不飽和カルボ
ニル化合物;α,ω−アルキレンジイソシアネート類な
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
架橋剤の種類および量は、得られる水膨潤性架橋重合体
の吸水倍率、強度などを考慮しつつ選択されるが、塩基
性樹脂がアミノ基含有重合体である場合には、高分子の
アミンユニットに対し0.001〜20モル%の範囲が
好ましい。架橋剤量が0.001モル%未満であると、
得られる水膨潤性架橋重合体の吸水倍率が低くまた強度
が不十分となり、一方、20モル%を超えると、吸水倍
率が大きく低下することがある。
【0025】前記塩基性樹脂と前記酸性吸水性樹脂粒子
とを混合する際の両者の混合比率は、その使用目的や被
吸収液の種類によっても異なるが、重量比(固形分とし
て)で塩基性樹脂:酸性吸水性樹脂粒子=95:5〜
5:95の範囲が好ましく、より好ましくは90:10
〜10:90、最も好ましくは70:30〜30:70
の範囲である。前記酸性吸水性樹脂粒子、前記塩基性樹
脂および該塩基性樹脂を架橋する架橋剤を混合する際の
混合順序については、特に制限はなく、例えば、1)塩
基性樹脂と酸性吸水性樹脂粒子とを混ぜておいて、そこ
へ塩基性樹脂を架橋する架橋剤を混合するか、2)塩基
性樹脂にそれを架橋する架橋剤を混合し、続いて酸性吸
水性樹脂粒子を添加混合するか、3)酸性吸水性樹脂粒
子、塩基性樹脂および該塩基性樹脂を同時に混合する
か、のいずれでもよい。
【0026】前記酸性吸水性樹脂粒子、前記塩基性樹脂
および該塩基性樹脂を架橋する架橋剤の混合および塩基
性樹脂の架橋反応は、例えばエクストルーダー等により
連続して行ってもよいし、双腕型ニーダー等によりバッ
チ式で非連続的に行ってもよく、両者が混合できるので
あれば特に制限されるものではない。架橋反応の際の温
度・反応時間は、得られる架橋重合体が水不溶性となる
までゆるく架橋されるように適宜設定すればよく、使用
される塩基性樹脂と酸性吸水性樹脂粒子の組合せにもよ
るが、通常は、室温〜150℃の温度で数秒〜数時間の
範囲である。好ましくは50℃〜120℃の温度下で数
秒〜1時間の範囲である。特に、操作を連続的に行なう
場合には、容器内での滞留時間内に架橋反応を終えるこ
とが好ましく、容器をコンパクトにするためには、反応
を50℃〜120℃の温度下で数秒〜50分の範囲で終
えるような条件を選択することが好ましい。また、反応
は減圧下、常圧下、加圧下のいずれの状態で行なっても
良い。
【0027】このようにして架橋された架橋重合体は、
乾燥負荷の小さい軽度の乾燥を経て、もしくは乾燥工程
を経ることなしに、水膨潤性架橋重合体として使用する
ことができる。本発明では、さらに、消毒剤、消臭剤、
抗菌剤、香料、各種の無機粉末、有機粉末、発泡剤、顔
料、染料、親水性繊維、フィラー、疎水性繊維、肥料等
を前記塩基性樹脂と前記酸性吸水性樹脂粒子の混合時に
添加し、種々の機能を付与させることもできる。本発明
の製造方法により得られる水膨潤性架橋重合体は、塩基
性樹脂が酸性吸水性樹脂粒子内に取り込まれることな
く、該粒子の表面上で架橋されており、微細な酸性吸水
性樹脂粒子の表面が部分的に塩基性吸水性樹脂に覆わ
れ、酸性吸水性樹脂と塩基性吸水性樹脂とが各々混ざり
合わずに、脱塩効果を発揮しうる距離に存在することに
よって、電解質を含む液であっても優れた吸水能力を発
揮することができる。
【0028】本発明の製造方法により得られる水膨潤性
架橋重合体は、好ましくは、塩水に対する加圧下吸水倍
率の4時間値が37g/g以上となる。塩水に対する加
圧下吸水倍率の4時間値が37g/g未満であると、例
えば、紙オムツ等のように使用時に体重による荷重がか
かる衛生材料用途において、尿のように電解質を含む液
を吸収させる場合、充分な吸収能力を発揮できないこと
がある。なお、塩水に対する加圧下吸水倍率の4時間値
は、実施例で後述する方法によって測定されるものであ
る。本発明の製造方法は、衛生材料用吸水剤である水膨
潤性架橋重合体を得るのに好適である。すなわち、本発
明の製造方法により得られる水膨潤性架橋重合体は、電
解質を含む液であってもすばやく吸収できるので、衛生
材料用吸水剤として好適に用いられるのである。具体的
には、例えば、薄型化の進む紙オムツや生理用ナプキ
ン、失禁パット等の吸収体に特に好適に用いることがで
き、長時間使用した場合であっても漏れを著しく低減で
き、表面をサラサラの乾いた状態に保つことができる吸
収性物品を提供できる。
【0029】さらに、本発明にかかる水膨潤性架橋重合
体は、鮮度保持剤、肉類・魚介類のドリップ吸収剤など
の食品分野;植物や土壌の保水剤、法面緑化用保水剤な
どの農園芸分野;塗料添加剤、結露防止剤などの建材分
野;光ケーブル用止水剤、海底ケーブル用止水剤などの
通信分野;印刷フィルムの表面コート剤などの情報分
野;含水物凝固剤などの産業用分野;使い捨てカイロ、
塩化カルシウムを主剤とした乾燥剤などの家庭用品分
野;土木用シーリング剤、コンクリート混和剤などの土
木分野など広範囲の分野に好適に用いることができる。
また、本発明にかかる水膨潤性架橋重合体は、それ単独
でアンモニアやメルカプタン等の不快な臭い物質を除去
できる効果も有しているので、消臭製品の構成素材とし
ても有効である。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお、水膨潤性架橋重合体の塩
水に対する加圧下吸水倍率、酸性吸水性樹脂の含水率お
よび純水に対する吸水倍率は以下の方法で測定した。ま
た、以下において、単に「部」 、「%」とあるのは、特
にことわりがない限り、それぞれ「重量部」、「重量
%」を表すものとする。 <水膨潤性架橋重合体の塩水に対する加圧下吸水倍率>
ステンレス400メッシュの金網(目の大きさ38μ
m)を底に融着させた内径60mmのプラスチックの支
持円筒の底の網上に、水膨潤性架橋重合体0.9gを均
一に散布し、その上に水膨潤性架橋重合体に対して、
4.9kPaの荷重を均一に加えることができるように
調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円
筒との壁面に隙間が生じず、かつ上下の動きは妨げられ
ないピストンと荷重をこの順に載置し、この測定装置一
式の重量Wa(g)を測定した。
【0031】150mmのペトリ皿の内側に直径90m
mのガラスフィルターを置き、塩水(塩化カリウム2.
0g、硫酸ナトリウム2.0g、リン酸二水素アンモニ
ウム0.85g、リン酸水素二アンモニウム0.15
g、塩化カルシウム二水和物0.25g、塩化マグネシ
ウム六水和物0.5gに溶解のための脱イオン水を加え
総重量1000gとしたもの)をガラスフィルターの表
面と同レベルになるように加える。その上に直径90m
mの濾紙を載せ表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の
液を除く。上記測定装置一式を前記湿った濾紙上にの
せ、液を荷重下で吸収させる。水膨潤性架橋重合体が所
定時間液を吸収した後、測定装置一式を持ち上げ、その
重量Wb(g)を再測定する。WbよりWaを差し引い
た値を水膨潤性架橋重合体の重量(0.9g)で除して
塩水に対する加圧下の吸水倍率(g/g)を求めた。
【0032】また、上記測定はピストンと荷重が載った
まま行い、重量測定後、測定装置一式を前記湿った濾紙
上に再度のせ、次の所定時間まで塩水を荷重下で吸水さ
せ、この操作を繰り返すことにより、塩水に対する加圧
下での吸収速度を評価した。すなわち、単位時間あたり
の加圧下吸水倍率が大きいほど、荷重下における吸収速
度が速いことになる。 <酸性吸水性樹脂の含水率>酸性吸水性樹脂の初期の重
量Wc(g)を予め測定しておき、180℃の熱風乾燥
機中で3時間乾燥後の重量Wd(g)を測定する。そし
て、WcよりWdを差し引いた値をWcで除し、この値
を百分率で表わして、酸性吸水性樹脂の含水率(%)を
算出した。
【0033】<酸性吸水性樹脂の純水に対する吸水倍率
>酸性吸水性樹脂0.2gを不織布製の袋(60mm×
60mm)に均一に入れ、100gの純水中に浸漬し
た。60分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて25
0Gで3分間水切りを行なった後、袋の重量We(g)
を測定する。また、同様の操作を酸性吸水性樹脂を用い
ないで行い、そのときの袋の重量Wf(g)を測定す
る。そして、WeよりWfを差し引いた値を酸性吸水性
樹脂の初期重量(0.2g)で除して、酸性吸水性樹脂
の純水に対する吸水倍率(g/g)を算出した。
【0034】(参考例1)アクリル酸1008.8部、
共重合性架橋剤としてN,N’−メチレンビスアクリル
アミド8.63部、および純水3960.9部を混合
し、窒素ガスで60分間脱気後、開閉可能な密閉容器中
に仕込み、窒素雰囲気下で液温を20℃に保ちながら反
応系の窒素置換を続けた。次いで、攪拌下に、2,2’
−アゾビス(2−アミジノプロパン)ニ塩酸塩の10重
量%水溶液30.5部、過酸化水素の10重量%水溶液
10.8部、L−アスコルビン酸の1重量%水溶液2
5.2部をそれぞれ添加したところ、5分後に重合が開
始し、30分後に反応系はピーク温度に達した。重合温
度がピークに達した30分後に、生成した含水ゲル状架
橋重合体を取り出し、ミートチョッパーを通過させ、細
分化された含水ゲル状架橋重合体とした。これを130
℃の熱風乾燥機中で1時間乾燥した。乾燥物をロールグ
ラニュレーター(日本グラニュレーター(株)製)で粉
砕し、さらに得られた粉砕物を目開き850ミクロンの
金網に通過させ、この通過物を分取して、酸性吸水性樹
脂を得た。なお、得られた酸性吸水性樹脂の含水率は6
%であり、純水に対する吸水倍率は14g/gであっ
た。
【0035】(実施例1)内容量1.2Lでジャケット
付きのKRCニーダー((株)栗本鉄工所製)を用い、
1分間に、樹脂固形分100%のポリエチレンイミン
((株)日本触媒製、商品名「エポミンSP−20
0」)32.7gに架橋剤としてエチレングリコールジ
グリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名
「デナコールEX−810」)3.27gを添加したも
のと、参考例1で得られた酸性吸水性樹脂44gとを、
回転数53rpmで攪拌しながら、KRCニーダーを通
過させた。次いで、得られた通過物に、シリカ微粒子
((株)トクヤマ製、商品名「レオロシールQS−2
0」)0.23gをブレンドして、本発明の水膨潤性架
橋重合体(1)を得た。得られた水膨潤性架橋重合体
(1)の塩水に対する加圧下吸水倍率は、測定開始から
1時間後は33.0g/gであり、4時間後は39.5
g/gであった。
【0036】(実施例2)60℃に熱した樹脂固形分1
00%のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、商品
名「エポミンSP−200」)1000gに対し、架橋
剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナ
ガセ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−81
0」)100gと、参考例1で得られた酸性吸水性樹脂
1345gとを加えて混合し、密閉容器中で60℃で1
時間加熱した。このようにして得られた生成物をドーム
グラン(不二パウダル(株)製)で粉砕し、この粉砕物
に、シリカ微粒子((株)トクヤマ製、商品名「レオロ
シールQS−20」)7.1gをブレンドして、本発明
の水膨潤性架橋重合体(2)を得た。得られた水膨潤性
架橋重合体(2)の塩水に対する加圧下吸水倍率は、測
定開始から1時間後は32.0g/gであり、4時間後
は40.1g/gであった。
【0037】(実施例3)樹脂固形分100%のポリエ
チレンイミン((株)日本触媒製、商品名「エポミンS
P−200」)1000gに純水52.6gを加えて、
樹脂固形分95%のポリエチレンイミン1052.6g
を得た。次いで、このポリエチレンイミンを60℃に熱
しながら、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコ
ールEX−810」)100gと、参考例1で得られた
酸性吸水性樹脂1337gとを加えて混合し、密閉容器
中で60℃で1時間加熱した。このようにして得られた
生成物をドームグラン(不二パウダル(株)製)で粉砕
し、この粉砕物に、シリカ微粒子((株)トクヤマ製、
商品名「レオロシールQS−20」)7.1gをブレン
ドして、本発明の水膨潤性架橋重合体(3)を得た。得
られた水膨潤性架橋重合体(3)の塩水に対する加圧下
吸水倍率は、測定開始から1時間後は32.7g/gで
あり、4時間後は40.3g/gであった。
【0038】(実施例4)樹脂固形分100%のポリエ
チレンイミン((株)日本触媒製、商品名「エポミンS
P−200」)1000gに純水250gを加えて、樹
脂固形分80%のポリエチレンイミン1250gを得
た。次いで、このポリエチレンイミンを60℃に熱しな
がら、架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名「デナコール
EX−810」)100gと、参考例1で得られた酸性
吸水性樹脂1320gとを加えて混合し、密閉容器中で
60℃で1時間加熱した。このようにして得られた生成
物をドームグラン(不二パウダル(株)製)で粉砕し、
この粉砕物を60℃の熱風乾燥機中で2時間乾燥した
後、シリカ微粒子((株)トクヤマ製、商品名「レオロ
シールQS−20」)7.0gをブレンドして、本発明
の水膨潤性架橋重合体(4)を得た。得られた水膨潤性
架橋重合体(4)の塩水に対する加圧下吸水倍率は、測
定開始から1時間後は28.6g/gであり、4時間後
は38.6g/gであった。
【0039】(実施例5)60℃に熱した樹脂固形分5
0%のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、商品名
「エポミンP−1050」)1000gに対し、架橋剤
としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガ
セ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−81
0」)50gと、参考例1で得られた酸性吸水性樹脂6
42gとを加えて混合し、密閉容器中で60℃で1時間
加熱した。このようにして得られた生成物を卓上粉砕機
で粉砕し、この粉砕物を60℃の熱風乾燥機中で2時間
乾燥した後、シリカ微粒子((株)トクヤマ製、商品名
「レオロシールQS−20」)3.4gをブレンドし
て、本発明の水膨潤性架橋重合体(5)を得た。得られ
た水膨潤性架橋重合体(5)の塩水に対する加圧下吸水
倍率は、測定開始から1時間後は28.8g/gであ
り、4時間後は38.7g/gであった。
【0040】(実施例6)ポリアリルアミンの10%水
溶液(日東紡績(株)製、商品名「PAA−10C」)
1000gをロータリーエバポレーターで濃縮し、ポリ
アリルアミンの50%水溶液200gを得た。このポリ
アリルアミン50%水溶液に対し、架橋剤としてエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル(ナガセ化成工業
(株)製、商品名「デナコールEX−810」)20g
と、参考例1で得られた酸性吸水性樹脂165gとを加
えて混合し、密閉容器中で60℃で1時間加熱した。こ
のようにして得られた生成物を卓上粉砕機で粉砕し、こ
の粉砕物を60℃の熱風乾燥機中で2時間乾燥して、本
発明の水膨潤性架橋重合体(6)を得た。得られた水膨
潤性架橋重合体(6)の塩水に対する加圧下吸水倍率
は、測定開始から1時間後は31.6g/gであり、4
時間後は37.5g/gであった。
【0041】(比較例1)60℃に熱した樹脂固形分3
0%のポリエチレンイミン((株)日本触媒製、商品名
「エポミンP−1000」)1000gに対し、架橋剤
としてエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガ
セ化成工業(株)製、商品名「デナコールEX−81
0」)30gと、参考例1で得られた酸性吸水性樹脂4
03gとを加えて混合し、密閉容器中で60℃で1時間
加熱した。このようにして得られた生成物を卓上粉砕機
で粉砕し、この粉砕物を60℃の熱風乾燥機中で2時間
乾燥した後、シリカ微粒子((株)トクヤマ製、商品名
「レオロシールQS−20」)2.1gをブレンドし
て、比較水膨潤性架橋重合体(1)を得た。得られた比
較水膨潤性架橋重合体(1)の塩水に対する加圧下吸水
倍率は、測定開始から1時間後は29.8g/gであ
り、4時間後は35.7g/gであった。
【0042】(比較例2)樹脂固形分30%のポリエチ
レンイミン((株)日本触媒製、商品名「エポミンP−
1000」)1000gに対し、架橋剤としてN,N’
−メチレンビスアクリルアミドの9.4%水溶液320
g(温度80℃)と、参考例1で得られた酸性吸水性樹
脂403gとを加えて混合し、密閉容器中で60℃で1
時間加熱した。このようにして得られた生成物を卓上粉
砕機で粉砕し、この粉砕物を60℃の熱風乾燥機中で2
時間乾燥した後、シリカ微粒子((株)トクヤマ製、商
品名「レオロシールQS−20」)2.1gをブレンド
して、比較水膨潤性架橋重合体(2)を得た。得られた
比較水膨潤性架橋重合体(2)の塩水に対する加圧下吸
水倍率は、測定開始から1時間後は24.2g/gであ
り、4時間後は29.7g/gであった。
【0043】(比較例3)ポリアリルアミンの10%水
溶液(日東紡績(株)製、商品名「PAA−10C」)
1000gに対し、架橋剤としてエチレングリコールジ
グリシジルエーテル(ナガセ化成工業(株)製、商品名
「デナコールEX−810」)24gと、参考例1で得
られた酸性吸水性樹脂186gとを加えて混合し、密閉
容器中で60℃で1時間加熱した。このようにして得ら
れた生成物を卓上粉砕機で粉砕し、この粉砕物を60℃
の熱風乾燥機中で2時間乾燥して、比較水膨潤性架橋重
合体(3)を得た。得られた比較水膨潤性架橋重合体
(3)の塩水に対する加圧下吸水倍率は、測定開始から
1時間後は17.1g/gであり、4時間後は19.5
g/gであった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、電解質を含む液であっ
ても優れた吸水能力を発揮する水膨潤性架橋重合体を、
簡便な製造方法で生産性よく提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/26 (72)発明者 足立 芳史 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 夛田 賢治 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 3B029 BA18 4C003 AA23 4F070 AA32 AA36 AA38 AA57 AB13 AC48 AC83 AC85 AC87 AD04 AE08 AE30 BA07 GB05 GB09 4G066 AC17B AC22D AC27B AC33B AE06B BA09 BA38 CA43 DA13 EA05 FA02 FA07 FA34 FA37 FA38 4J002 BG012 BG042 BG072 BG102 BG122 BJ001 CD013 CM011 ER006 FD143 FD146 GB00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂固形分が50重量%以上の流動性を有
    する塩基性樹脂と、樹脂固形分が80重量%以上の酸性
    吸水性樹脂粒子とを混合した後、前記塩基性樹脂を架橋
    させる、水膨潤性架橋重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】樹脂固形分が80重量%以上である塩基性
    樹脂を用いる、請求項1に記載の水膨潤性架橋重合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】塩水に対する加圧下吸水倍率の4時間値が
    37g/g以上である水膨潤性架橋重合体を得る、請求
    項1または2に記載の水膨潤性架橋重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】衛生材料用吸水剤である水膨潤性架橋重合
    体を得る、請求項1から3までのいずれかに記載の水膨
    潤性架橋重合体の製造方法。
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