JP2002130456A - 変速比無限大変速機の変速制御装置 - Google Patents

変速比無限大変速機の変速制御装置

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JP2002130456A
JP2002130456A JP2000316990A JP2000316990A JP2002130456A JP 2002130456 A JP2002130456 A JP 2002130456A JP 2000316990 A JP2000316990 A JP 2000316990A JP 2000316990 A JP2000316990 A JP 2000316990A JP 2002130456 A JP2002130456 A JP 2002130456A
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torque
transmission
shift
target
ratio
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Shinichiro Jo
新一郎 城
Motoharu Nishio
元治 西尾
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 動力循環モードと直結モードの切り換え時に
無段変速機の通過トルク方向が逆転してもショックが出
ないようにする。 【解決手段】 トルク配分決定手段81は、目標CVT変
速比iCVTCおよびエンジントルクTe に応じ開放側クラ
ッチのトルク配分kSLCと締結側クラッチのトルク配
分kSHCを変化させる。トルクシフト予測手段82は目
標CVT通過トルクとiCVTCからトルクシフト量を予測
する。トルクシフト補償済目標CVT変速比算出手段8
3は、iCVTCからトルクシフト予測量を差し引いて、ト
ルクシフト補償済目標CVT変速比iCVTSを求め、アク
チュエーター駆動速度算出手段84は、iCVTSから変速ア
クチュエータの目標ステップ数を求め、ステップ速度V
step0を求める。切り換え時間設定手段85は、V
step0の平均をアクチュエータ限界駆動速度から引
いた差値が、所定値より小さくなるようにトルク伝達経
路切り換え時間Tcを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変速比無限大変速
機の変速制御装置、特に動力循環モードと直結モードと
の間のモード切り換え時における変速制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機やVベルト式無
段変速機等の無段変速機と、遊星歯車組との並列的な組
み合わせになる変速比無限大変速機は、遊星歯車組の3
要素の1つ(第1要素)にロークラッチを経て無段変速
機への入力を伝達することにより、遊星歯車組の他の1
要素(第2要素)を経て無段変速機の出力回転メンバよ
り入力回転メンバに動力を循環させつつ、この動力を遊
星歯車組の残りの1要素(第3要素)から取り出し(動
力循環モード)、上記のロークラッチを解放してその代
わりにハイクラッチを締結することにより、このハイク
ラッチを経て無段変速機の出力回転メンバから動力を直
接取り出す(直結モード)よう構成する。
【0003】動力循環モードでは、無段変速機の変速比
を遊星歯車組の第1要素の回転が0になるような変速比
にすることで、変速比無限大変速機の出力回転が0にな
り(中立点という)、伝動経路が機械的に結合されたま
まの状態で変速比(変速機入力回転数/変速機出力回転
数)が無限大の状態を作り出すことができる。そして、
この動力循環モードで無段変速機が遊星歯車組の第1要
素の回転を0にするような変速比よりも高速(ハイ)側
変速比である時は、変速比無限大変速機の出力回転が逆
向きとなり、無段変速機の変速比が当該変速比よりも低
速(ロー)側変速比であるほど、変速比無限大変速機の
出力回転が正転方向の回転数を増大される。
【0004】従って、無段変速機の変速比が上記低速側
の或る変速比になると、動力循環モードにおいて遊星歯
車組の第2および第3要素の回転数(ハイクラッチの駆
動側および非駆動側回転メンバの回転数)が相互に一致
し(回転同期点という)、この時にハイクラッチを油圧
の供給により締結すると共にロークラッチを油圧の排除
により解放することで、理論上ショックなしに動力循環
モードから直結モードに切り換えることができる。この
直結モードでは、無段変速機のみによる変速が変速比無
限大変速機の変速に反映されることとなる。なお、逆に
直結モードから動力循環モードへの切り換えに際して
も、上記の回転同期点においてロークラッチの駆動側お
よび非駆動側回転メンバの回転数が相互に一致し、この
時にロークラッチを締結すると共にハイクラッチを解放
することで、理論上ショックなしに当該モード切り換え
を行うことができる。
【0005】しかし、モード切り換えのためのロークラ
ッチおよびハイクラッチの上記した掛け換えが確実に回
転同期点において実行される保証はなく、モード切り換
えショックを理論通りになくすことは至難の業である。
そこで従来、例えば特開平10−267116号公報に
記載のごとく、ロークラッチおよびハイクラッチの上記
した掛け換えによるモード切り換え中に無段変速機を回
転同期点に対応した変速比に保持しておき、確実に回転
同期点でモード切り換えのためのロークラッチおよびハ
イクラッチの掛け換えが行われるのを保証することが提
案された。
【0006】ところでこの対策では、ロークラッチおよ
びハイクラッチの掛け換えによるモード切り換え制御が
行われている間、変速比無限大変速機の変速比も回転同
期点に対応した変速比に保持されていることとなり、本
来は無段変速が行われる筈なのに変速が一瞬止まったよ
うな違和感を運転者に与えるという問題を生ずる。この
問題解決のためには、ロークラッチおよびハイクラッチ
のトルク配分を図23の瞬時t1,t3間の所定時間中
に図示のごとくに経時変化させてこれらクラッチの掛け
換えによりモード切り換え制御が行われている間も同図
に示すように無段変速機(CVT)の変速比(CVT変
速比)を目標CVT変速比に追従するよう変化させ続け
て、変速比無限大変速機(IVT)の変速比(IVT変
速比)をこれに対応した目標IVT変速比に追従するよ
う変化させることが考えられる。
【0007】ここで無段変速機がトロイダル型無段変速
機である場合、入出力ディスク間で動力伝達を行うパワ
ーローラをトラニオンに回転自在に支持するピボットシ
ャフトの倒れやトラニオンの変形などに起因して実変速
比が目標値からずれるトルクシフトが例えば図16に示
す傾向をもって発生する。このトルクシフトは、無段変
速機への通過トルク(CVT通過トルク)およびCVT
変速比に応じて、CVT通過トルクが大きいほど大きく
なり、またCVT通過トルクの方向が変われば逆向きに
発生し、更にCVT変速比が低速側変速比であるほど大
きくなる。
【0008】従ってトロイダル型無段変速機を用いた変
速比無限大変速機の変速制御は、上記のトルクシフトを
予め考慮して行う必要があり、動力循環モードおよび直
結モード間でのモード切り換え制御においても例外では
なく、当該モード切り換え時のトルクシフト補償につい
て特開平11−63135号公報に記載されたような技
術が従来より提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来のトルクシ
フト補償は、無段変速機の変速を司る変速アクチュエー
タの限界駆動速度を考慮することなしに図23の瞬時t
1,t3間におけるクラッチ掛け換え時間(モード切り
換え時間)を定めていたため、以下の問題を生ずること
を確かめた。
【0010】つまり駆動状態の場合について説明する
と、動力循環モードでは出力ディスクからパワーローラ
を経て入力ディスクに動力が伝わり、直結モードでは逆
に入力ディスクからパワーローラを経て出力ディスクに
動力が伝わることから、モード切り換え時においてはC
VT通過トルクが図23の瞬時t2におけるごとく逆向
きになり、従ってトルクシフトもモード切り換え時にお
いては瞬時t2におけるごとく逆向きになる。しかもト
ルクシフトは図16に示すように、向きが切り換わる前
後においてCVT通過トルクに対する変化割合が比較的
高く、モード切り換え時においては図23の瞬時t2の
前後におけるごとくトルクシフトが急変する。
【0011】しかるに上記した従来のトルクシフト補償
のように、変速アクチュエータの限界駆動速度を考慮し
ないで図23の瞬時t1,t3間におけるクラッチ掛け
換え時間(モード切り換え時間)を定めたのでは、図2
3の瞬時t2の前後におけるごとく急変するトルクシフ
トが補償されるよう変速アクチュエータの駆動指令を決
定しても、これが変速アクチュエータの限界駆動速度を
超えて実際上はトルクシフトを補償できない状態が発生
する。つまり、計算上は図23の瞬時t2の前後におけ
るごとくに急変するトルクシフトが補償されるよう図2
3に実線で示すごとく目標IVT変速比および目標CV
T変速比を決定しても、実際のIVT変速比およびCV
T変速比は補償し切れないトルクシフト分だけα,βで
示すように目標変速比からずれてしまい、同図の出力軸
トルク波形から明らかなように瞬時t2にショックを発
生する。
【0012】請求項1に記載の第1発明は、変速が一瞬
止まったような前記違和感をなくすためにモード切り換
え制御中もCVT変速比(IVT変速比)を目標変速比
に追従するよう変化させる制御を踏襲するが、上記の問
題に鑑みモード切り換え制御中にCVT通過トルクの向
きが逆転する結果、その前後でトルクシフトが急変して
も、これを確実に補償し得るようモード切り換え制御時
間を定めた変速比無限大変速機の変速制御を提案するこ
とを目的とする。
【0013】請求項2に記載の第2発明は、上記モード
切り換え制御時間の決定に際し、トルク伝達経路の切り
換え中に予測したトルクシフト量の変化速度の平均値か
ら簡単、且つ、確実に当該決定を行い得るようにした変
速比無限大変速機の変速制御を提案することを目的とす
る。
【0014】請求項3に記載の第3発明は、上記モード
切り換え制御時間の決定に際し、上記予測したトルクシ
フト量の変化速度の最大値から簡単、且つ、確実に当該
決定を行い得るようにした変速比無限大変速機の変速制
御を提案することを目的とする。
【0015】請求項4に記載の第4発明は、第1発明と
は異なる手法で同様の作用効果、つまり、モード切り換
え制御中にCVT通過トルクの向きが逆転してトルクシ
フトが急変する場合でも、これを確実に補償し得るよう
モード切り換え制御時間を設定可能にした変速比無限大
変速機の変速制御を提案することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、第
1発明による変速比無限大変速機の変速制御は、変速比
を無段階に変化させ得る無段変速機および遊星歯車組の
組み合わせになり、無段変速機の入力回転をロークラッ
チの締結により遊星歯車組の3個の要素のうちの1要素
に伝達する時、該遊星歯車組の他の1要素を経て無段変
速機の出力回転メンバより入力回転メンバに動力を循環
させつつ、この循環動力を前記遊星歯車組の残りの1要
素から取り出す動力循環モードが選択され、前記ローク
ラッチを解放してハイクラッチを締結する時、このハイ
クラッチを経て無段変速機の出力回転メンバから動力を
直接取り出すことができる直結モードが選択されるよう
にした変速比無限大変速機において、前記ロークラッチ
およびハイクラッチの締結・解放切り換えにより動力循
環モードでのトルク伝達経路と直結モードでのトルク伝
達経路との間でトルク伝達経路を切り換えている間も、
運転状態に応じて定めた変速比無限大変速機の目標IV
T変速比を達成するための無段変速機の目標CVT変速
比を求め続け、前記トルク伝達経路の切り換え中におけ
るロークラッチおよびハイクラッチの伝達トルク配分を
任意に決定し、前記トルク伝達経路切り換えの開始ある
いは終了のタイミングから、或る所定時間でトルク伝達
経路の切り換えを終了すると仮定したとき、無段変速機
の通過トルクに起因して発生するCVT変速比の設計値
からのずれである無段変速機のトルクシフト量を、目標
CVT変速比とエンジントルクと前記両クラッチの伝達
トルク配分から予測し、目標CVT変速比をトルクシフ
ト予測量だけ補正することによりトルクシフト補償済目
標CVT変速比を求めて前記目標CVT変速比が実現さ
れるよう無段変速機の変速アクチュエータを駆動させ、
トルクシフト補償済目標CVT変速比から変速アクチュ
エータの駆動速度を求め、変速アクチュエータの駆動速
度は変速アクチュエータの限界駆動速度に基づいて前記
トルク伝達経路切り換えの開始から終了までのトルク伝
達経路切り換え時間を決定するよう構成したことを特徴
とするものである。
【0017】また第2発明による変速比無限大変速機の
変速制御は、第1発明において、前記トルク伝達経路切
り換え時間を、トルク伝達経路の切り換え中における前
記予測したトルクシフト量の変化速度の平均値が、無段
変速機の変速制御系によって補償可能なトルクシフト変
化量以下に抑まるよう設定したことを特徴とするもので
ある。
【0018】更に第3発明による変速比無限大変速機の
変速制御は、第1発明において、前記トルク伝達経路切
り換え時間を、前記予測したトルクシフト量の変化速度
の最大値が、無段変速機の変速制御系によって補償可能
なトルクシフト変化量以下に抑まるよう設定したことを
特徴とするものである。
【0019】また第4発明による変速比無限大変速機の
変速制御は、変速比を無段階に変化させ得る無段変速機
および遊星歯車組の組み合わせになり、無段変速機の入
力回転をロークラッチの締結により遊星歯車組の3個の
要素のうちの1要素に伝達する時、該遊星歯車組の他の
1要素を経て無段変速機の出力回転メンバより入力回転
メンバに動力を循環させつつ、この循環動力を前記遊星
歯車組の残りの1要素から取り出す動力循環モードが選
択され、前記ロークラッチを解放してハイクラッチを締
結する時、このハイクラッチを経て無段変速機の出力回
転メンバから動力を直接取り出すことができる直結モー
ドが選択されるようにした変速比無限大変速機におい
て、前記ロークラッチおよびハイクラッチの締結・解放
切り換えにより動力循環モードでのトルク伝達経路と直
結モードでのトルク伝達経路との間でトルク伝達経路を
切り換えている間も、運転状態に応じて定めた変速比無
限大変速機の目標IVT変速比を達成するための無段変
速機の目標CVT変速比を求め続け、無段変速機の通過
トルクに起因して発生するCVT変速比の設計値からの
ずれである無段変速機のトルクシフトを補償しつつ前記
目標CVT変速比が実現されるよう無段変速機の変速ア
クチュエータを駆動させ、前記目標CVT変速比から変
速アクチュエータの目標駆動速度を求め、前記トルク伝
達経路切り換えの開始あるいは終了のタイミングから、
或る所定時間でトルク伝達経路の切り換えを終了すると
仮定したとき、変速アクチュエータの限界駆動速度と変
速アクチュエータの目標駆動速度と目標CVT変速比か
ら前記トルクシフト量の目標値を算出し、該トルクシフ
ト目標値とエンジントルクと目標CVT変速比とから、
前記ロークラッチおよびハイクラッチの伝達トルク配分
目標値を求め、伝達トルク配分目標値から、前記トルク
伝達経路切り換えを行うためのトルク伝達経路切り換え
時間を決定するよう構成したことを特徴とするものであ
る。
【0020】
【発明の効果】変速比無限大変速機は、ロークラッチの
締結時これを経て無段変速機の入力回転が遊星歯車組の
1要素に伝達され、同遊星歯車組の他の1要素を経て無
段変速機の出力回転メンバより入力回転メンバに動力を
循環させつつ、この循環動力を遊星歯車組の残りの1要
素から取り出すことができ、動力循環モードで動力伝達
を行うことができる。なお、ロークラッチを解放してハ
イクラッチを締結する時は、ハイクラッチを経て無段変
速機の出力回転メンバから動力が直接取り出され、直結
モードで動力伝達を行うことができる。
【0021】ところで第1発明においては、ロークラッ
チおよびハイクラッチの締結・解放切り換えによりトル
ク伝達経路を切り換えている間も、運転状態に応じた変
速比無限大変速機の目標IVT変速比を達成するための
無段変速機の目標CVT変速比を求め続け、トルク伝達
経路切り換えの開始あるいは終了のタイミングから、或
る所定時間でトルク伝達経路の切り換えを終了すると仮
定したときの、無段変速機のトルクシフト量を、目標C
VT変速比と、エンジントルクと、トルク伝達経路の切
り換え中におけるロークラッチおよびハイクラッチの伝
達トルク配分とから予測し、このトルクシフト予測量だ
け目標CVT変速比を補正することによりトルクシフト
補償済目標CVT変速比を求めて前記目標CVT変速比
が実現されるよう無段変速機の変速アクチュエータを駆
動させるから、モード切り換え制御のためのトルク伝達
経路切り換え中もCVT変速比(IVT変速比)を、ト
ルクシフトの補償下に目標変速比に追従するよう連続的
に変化させることとなり、従来装置において生じていた
変速が一瞬止まったような前記の違和感をなくすことが
できる。
【0022】また第1発明においては、トルクシフト補
償済目標CVT変速比から変速アクチュエータの駆動速
度を求め、変速アクチュエータの駆動速度は変速アクチ
ュエータも基づいてトルク伝達経路切り換えの開始から
終了までのトルク伝達経路切り換え時間を決定するた
め、モード切り換え制御のためのトルク伝達経路切り換
え中にCVT通過トルクの向きが逆転する結果、その前
後でトルクシフトが急変しても、変速アクチュエータの
限界駆動速度に制約されることなくこれを確実に補償し
得ることとなり、従来はこの補償が変速アクチュエータ
の追従不能により確実でなかったために生じていたショ
ックの発生を回避することができる。
【0023】第2発明においては、上記のトルク伝達経
路切り換え時間を、トルク伝達経路の切り換え中におけ
る前記予測したトルクシフト量の変化速度の平均値が、
無段変速機の変速制御系によって補償可能なトルクシフ
ト変化量以下に抑まるよう設定したため、上記トルク伝
達経路切り換え時間の決定を、トルク伝達経路の切り換
え中に予測したトルクシフト量の変化速度の平均値から
簡単、且つ確実に行うことができる。
【0024】第3発明においては、上記トルク伝達経路
切り換え時間を、前記予測したトルクシフト量の変化速
度の最大値が、無段変速機の変速制御系によって補償可
能なトルクシフト変化量以下に抑まるよう設定したた
め、上記トルク伝達経路切り換え時間を、予測したトル
クシフト量の変化速度の最大値から簡単、且つ確実に行
うことができる。
【0025】第4発明においては、ロークラッチおよび
ハイクラッチの締結・解放切り換えによりトルク伝達経
路を切り換えている間も、運転状態に応じて定めた変速
比無限大変速機の目標IVT変速比を達成するための無
段変速機の目標CVT変速比を求め続け、無段変速機の
通過トルクに起因して発生するCVT変速比の設計値か
らのずれである無段変速機のトルクシフトを補償しつつ
上記目標CVT変速比が実現されるよう無段変速機の変
速アクチュエータを駆動させるため、モード切り換え制
御のためのトルク伝達経路切り換え中もCVT変速比
(IVT変速比)を、トルクシフトの補償下に目標変速
比に追従するよう連続的に変化させることとなり、従来
装置において生じていた変速が一瞬止まったような前記
の違和感をなくすことができる。
【0026】また第4発明においては、目標CVT変速
比から変速アクチュエータの目標駆動速度を求め、トル
ク伝達経路切り換えの開始あるいは終了のタイミングか
ら、或る所定時間でトルク伝達経路の切り換えを終了す
ると仮定したとき、変速アクチュエータの限界駆動速度
と変速アクチュエータの目標駆動速度と目標CVT変速
比からトルクシフト量の目標値を算出し、該トルクシフ
ト目標値とエンジントルクと目標CVT変速比とから、
ロークラッチおよびハイクラッチの伝達トルク配分目標
値を求め、伝達トルク配分目標値から、トルク伝達経路
切り換えを行うためのトルク伝達経路切り換え時間を決
定するため、第1発明と同様、モード切り換え制御中に
CVT通過トルクの向きが逆転してトルクシフトが急変
する場合でも、これを確実に補償し得るようなモード切
り換え制御時間が設定され得て、変速アクチュエータの
限界駆動速度に制約されることなくトルクシフトを確実
に補償することができ、従来はこの補償が変速アクチュ
エータの追従不能により確実でなかったために生じてい
たショックの発生を回避することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1、本発明の一実施の形態
になる変速制御装置を具えた変速比無限大変速機を示
し、図2は変速比無限大変速機の主要部たるトロイダル
型無段変速機の変速制御システムを示し、図3は、変速
比無限大変速機の変速制御系を示すものである。図1の
変速比無限大変速機は、入力軸1上に配したトロイダル
型無段変速機2と、これに平行に配置した出力軸3上の
遊星歯車組4とを具える。
【0028】トロイダル型無段変速機2は、2個のトロ
イダル伝動ユニット5,6、つまり、フロント側トロイ
ダル伝動ユニット5およびリヤ側トロイダル伝動ユニッ
ト6を主たる構成要素とし、これらトロイダル伝動ユニ
ット5,6はそれぞれ、入力軸1に一体回転するよう嵌
合させた入力ディスク7と、これら入力ディスク間で入
力軸1上に回転自在に支持した出力ディスク8と、対応
する入出力ディスク7,8間で動力伝達を行うパワーロ
ーラ9とにより構成する。パワーローラ9はトロイダル
伝動ユニット5,6ごとに2個ずつ設け、これらを入力
軸1を挟んでその両側に対向配置すると共に、図2に示
すごとく個々のトラニオン10にピボットシャフト11
を介して回転自在に支持し、トラニオン10を矢で示す
ごとくトラニオン軸線方向にストローク可能とする。
【0029】図1において、入力軸1に伝達されたエン
ジン回転は両入力ディスク7に達し、入力ディスク7へ
のエンジン回転(変速機入力回転)はパワーローラ9を
介して出力ディスク8に伝達されて、出力ディスク8に
固設された出力歯車12から取り出される。かかる伝動
中、図2のトラニオン10を同期してパワーローラ回転
軸線と直交するトラニオン軸線(首振り軸線)の方向に
同位相でストロークさせ、パワーローラ回転軸線が入出
力ディスク7,8の回転軸線と交差した図2に示す平衡
位置(非変速位置)から、パワーローラ回転軸線を入出
力ディスク7,8の回転軸線からオフセットさせると、
パワーローラ9が首振り軸線の周りに同期して同位相で
傾転される。これにより、入出力ディスク7,8に対す
るパワーローラ9の接触軌跡円半径が連続的に変化し、
入出力ディスク7,8間の伝動比(CVT変速比)を無
段階に変化させることができる。なお、CVT変速比が
目標の値になったところでパワーローラ9をオフセット
0の非変速位置に戻すことにより、CVT変速比を当該
目標変速比に維持することができる。
【0030】トラニオン10の上記ストロークを行わせ
るために図2に示すごとく各トラニオン10の下端にサ
ーボピストン21を設けて、その両側に上下シリンダ室
21a,21bを画成し、これらシリンダ室のうち無段
変速機を高速側変速比に向けてアップシフトさせるため
の室を変速制御弁22のハイ側ポート22aに、また無
段変速機を低速側変速比に向けてダウンシフトシフトさ
せるためのシリンダ室を変速制御弁22のロー側ポート
22bに接続する。変速制御弁22はスプール22cが
変位することにより、入力ポート22dへのライン圧P
L をハイ側ポート22aまたはロー側ポート22bの
一方に出力すると共に他方のポートをドレンポート22
e,22fに通じさせることで、サーボピストン21の
上下シリンダ室21a,21b間の差圧を変化させ、上
記トラニオン10のストロークを行うことができる。
【0031】トラニオン10の1つにはプリセスカム2
3を設け、その傾斜カム面にL字状リンク24の一端を
接しさせ、L字状リンク24の他端を変速レバー25の
一端に連節する。そして変速レバー25の他端は変速ア
クチュエータとしてのステップモータ26に連接し、変
速レバー25の両端間を変速制御弁22のスプール22
cに連結する。
【0032】かくて、ステップモータ26を目標CVT
変速比に対応したステップ位置にすることにより、変速
レバー25がL字状リンク24との連節点を支点として
変速制御弁22のスプール22cを対応位置にストロー
クさせ、これによりトラニオン10のストロークを介し
た前記の変速制御が遂行される。一方で、CVT変速比
が目標値に向かう変速の進行はプリセスカム23および
L字状リンク24を経て変速レバー25にフィードバッ
クされ、変速レバー25がステップモータ26との連結
点周りに回動されて変速制御弁22のスプール22cを
初期位置に向けて戻すことにより、CVT変速比が目標
値に達したところでトラニオン10が前記の平衡位置
(非変速位置)に戻って変速制御が終了する。
【0033】次いで、図1の出力軸3上に設ける遊星歯
車組4と、上記したトロイダル型無段変速機2との関連
構成を説明する。遊星歯車組4のエンジンに近い前側に
動力循環クラッチとしてのロークラッチ31を隣接配置
し、遊星歯車組4のエンジンから遠い後側に減速歯車3
2および無段変速機直結クラッチとしてのハイクラッチ
33を順次隣接配置する。
【0034】遊星歯車組4はサンギヤ4sと、キャリア
4cと、リングギヤ4rとよりなる単純遊星歯車組と
し、サンギヤ4sを減速歯車32に結合し、減速歯車3
2にトロイダル型無段変速機2の出力歯車12を駆動結
合する。キャリア4cは、入力軸1への変速機入力回転
が減速歯車組34およびロークラッチ31を経て入力さ
れるようにし、リングギヤ4rは出力軸3に結合し、減
速歯車32をハイクラッチ33により出力軸3に結合可
能とする。そして、出力軸3にファイナルドライブギヤ
組35を介してディファレンシャルギヤ装置36を駆動
結合する。
【0035】上記の構成とした図1に示す変速比無限大
変速機の作用を次に説明する。ロークラッチソレノイド
41により制御されるロークラッチ圧サーボ42からの
油圧に応動するロークラッチ31を締結し、ハイクラッ
チソレノイド43により制御されるハイクラッチ圧サー
ボ44からの油圧に応動するハイクラッチ33を解放す
ると、入力軸1への変速機入力回転が減速歯車組34お
よびロークラッチ31を経て遊星歯車組4のキャリア4
cに伝達される。キャリア4cに伝達された変速機入力
回転はサンギヤ4sおよびリングギヤ4rに分配され、
サンギヤ4sに至った回転は減速歯車32および出力歯
車12を順次経て両トロイダル伝動ユニット5,6の出
力ディスク8から入力ディスク7および入力軸1に動力
を循環させつつ、この動力をリングギヤ4rから出力軸
3に伝達することができる(動力循環モード)。
【0036】ロークラッチ31を解放してその代わりに
ハイクラッチ33を締結すると、入力軸1から両トロイ
ダル伝動ユニット5,6の入力ディスク7、パワーロー
ラ9、および出力ディスク8を経由して出力歯車12に
達したトロイダル型無段変速機2の出力回転がハイクラ
ッチ33を経て出力軸3に達することとなり、トロイダ
ル型無段変速機2の出力回転を直接出力軸3より取り出
す直結モードでの動力伝達が可能となる。従ってこの直
結モードでは、トロイダル型無段変速機2のみによる変
速が変速比無限大変速機の変速に反映される。
【0037】動力循環モードでは図11に示すように、
トロイダル型無段変速機2のCVT変速比iCVTをキャ
リア4cの回転が0になるような変速比iCVT1にするこ
とで、変速比無限大変速機の出力回転が0になり(中立
点という)、伝動経路が機械的に結合されたままの状態
で変速比無限大変速機のIVT変速比iIVT(変速機入
力回転数/変速機出力回転数)が無限大(図11におけ
る1/iIVTが0)の状態(停車状態)を作り出すこと
ができる。そして、この動力循環モードでトロイダル型
無段変速機2がキャリア4cの回転を0にするような変
速比iCVT1よりも高速(ハイ)側変速比である時は、変
速比無限大変速機の出力回転が逆向きとなって後退走行
を可能にし、トロイダル型無段変速機2の変速比iCVT
が当該変速比iCVT1よりも低速(ロー)側変速比である
ほど、変速比無限大変速機の出力回転が正転方向の回転
数を増大されて前進走行を可能にする。
【0038】従って、トロイダル型無段変速機2の変速
比iCVTが上記低速側の或る変速比iCVT2になると、動
力循環モードにおいてサンギヤ4sおよびリングギヤ4
rの回転数(ハイクラッチ33の駆動側および非駆動側
回転メンバの回転数)が相互に一致し(回転同期点:R
SPという)、この時にハイクラッチ33を油圧の供給
により締結すると共にロークラッチ31を油圧の排除に
より解放することで、理論上ショックなしに動力循環モ
ードから直結モードに切り換えることができる。なお、
逆に直結モードから動力循環モードへの切り換えに際し
ても、上記の回転同期点RSPにおいてロークラッチ3
1の駆動側および非駆動側回転メンバの回転数が相互に
一致し、この時にロークラッチ31を締結すると共にハ
イクラッチ33を解放することで、理論上ショックなし
に当該モード切り換えを行うことができる。
【0039】図3は、図1および図2に示す変速比無限
大変速機を動力循環モードおよび直結モードとの間で切
り換え制御するためのシステムを示し、このモード切り
換えを動循・直結モード切り換え制御ユニット51によ
り前記のステップモータ26、ロークラッチソレノイド
41、およびハイクラッチソレノイド43を介して実行
する。このため動循・直結モード切り換え制御ユニット
51には、入力軸1の回転数Nを検出する入力回転セ
ンサ52からの信号と、同じく入力軸1のトルクT
検出する入力トルクセンサ53からの信号と、サンギヤ
4sの回転数Nを検出するサンギヤ回転センサ54か
らの信号と、リングギヤ4rの回転数Nを検出するリ
ングギヤ回転センサ55からの信号と、キャリア4cの
回転数Nを検出するキャリア回転センサ56から信号
と、エンジンスロットル開度TVOを検出するスロット
ル開度センサ57からの信号と、車速VSPを検出する
車速センサ58からの信号と、エンジン回転数Nを検
出するエンジン回転センサ59からの信号とを入力す
る。
【0040】動循・直結モード切り換え制御ユニット5
1は、上記の入力情報をもとに図4の機能別ブロック線
図に示すような処理によりモード切り換えを行う。先ず
運転状態検出手段61で車両の運転状態を検出し、到達
IVT変速比算出手段62では、手段61で検出した車
両運転状態のうち例えばスロットル開度TVOおよび車
速VSPから図10に例示する予定の変速マップをもと
に目標入力回転数N を求め、これを変速機出力回転
数であるリングギヤ回転数Nrにより除算して変速比無
限大変速機の到達IVT変速比iIVT0を求める。
【0041】目標IVT変速比算出手段63では、現在
のIVT変速比を如何なる変速応答で到達IVT変速比
IVT0に至らしめるかを決定する所定時定数のローパス
フィルタに到達IVT変速比iIVT0を通して、到達IV
T変速比iIVT0を実現するに当たり変速の味付けを望み
のものにするための目標IVT変速比iIVTCを求める。
目標CVT変速比算出手段64では、目標IVT変速比
IVTCを図11に示すマップにおけるIVT変速比i
IVTに当てはめて、目標IVT変速比iIVTCを実現する
ために必要な目標CVT変速比iIVTCを求める。
【0042】モード切り換え判断手段65では、到達I
VT変速比iIVT0から図11のマップをもとに到達IV
T変速比iIVT0が直結モードまたは動力循環モードのい
ずれに属しているかを判断し、この判断結果と現在の運
転モード(直結モードまたは動力循環モード)との比較
により、両者が異なればモード切り換えを指令してモー
ド切り換え制御手段66を実行させる。
【0043】モード切り換え制御手段66は変速方向判
断手段67と、エンジントルク推定手段68と、モード
切り換え時間算出手段69と、クラッチ操作量算出手段
70と、CVT操作量算出手段71とで構成する。変速
方向判断手段67は、例えば現在のIVT変速比iIVT
と到達IVT変速比iIVT0との比較によりモード切り換
え時における変速比無限大変速機(IVT)の変速方向
を判断し、エンジントルク推定手段68は、スロットル
開度TVOおよびエンジン回転数Neから図12のエン
ジン性能線図をもとにエンジントルクTeを推定する。
【0044】モード切り換え時間算出手段69は、手段
68で推定したエンジントルクTeと、手段64で求め
た目標CVT変速比iCVTCと、手段67で判断したIV
Tの変速方向とを用いて、ロークラッチ31およびハイ
クラッチ33のうちモード切り換えに際し締結状態から
解放状態にすべき開放側クラッチの伝達トルク配分を10
0 %から0%にし、逆にモード切り換えに際し解放状態
から締結状態にすべき締結側クラッチの伝達トルク配分
を0%から100 %にするトルク伝達経路の切り換えを行
う時間と、トルク伝達経路の切り換え中におけるローク
ラッチ31およびハイクラッチ33の伝達トルク配分を
決定する。
【0045】なお上記トルク伝達経路の切り換え中は、
ロークラッチ31の伝達トルク配分とハイクラッチ33
の伝達トルク配分とが合わせて100 %となるようにする
ことで、合わせて100 %を超える掴みすぎのインターロ
ック気味の現象や、合わせて100 %に達しない空吹け気
味の現象を防止することができる。このインターロック
気味の現象や、空吹け気味の現象が起きると、出力軸3
のトルクが減少することで、トルク伝達経路の切り換え
中に減速感を伴い違和感を生じる。なおIVTの変速方
向がアップシフトである場合、開放側クラッチはローク
ラッチ31であり、締結側クラッチはハイクラッチ33
であり、またダウンシフトである場合、開放側クラッチ
はハイクラッチ33であり、締結側クラッチはロークラ
ッチ31である。
【0046】上記のモード切り換え時間算出手段69を
詳述するに、これは図5に示すごときものとする。トル
ク配分決定手段81では、例えば単純に、 開放側クラッ
チの伝達トルク配分を100 %から0 %へ、また締結側ク
ラッチの伝達トルク配分を0 %から100 %へ所定のラン
プ勾配で時系列変化するように、但し、 同時刻での開放
側クラッチのトルク配分と締結側クラッチのトルク配分
との合計が100 %になるように決定することができる
が、本実施の形態においてはトルク伝達経路の切り換え
中における出力軸トルクやCVT通過トルクの目標値か
ら、 目標CVT変速比iCVTCおよびエンジントルクTe
に応じてトルク伝達経路切り換え中の両クラッチ31,
33のトルク配分を決定する。
【0047】出力軸トルクやCVT通過トルクの目標値
からトルク配分を決定する場合、 トルク伝達経路の切り
換えを行う時間を仮決めしておく必要がある。しかし
て、基本的にモード切り換えはIVT変速比が回転同期
点RSP(図11参照)に到達するまでに完了するよう
に制御するため、例えば、目標IVT変速比iIVTCを参
照して現在の時刻から目標IVT変速比iIVTCが回転同
期点RSP(図11参照)におけるIVT変速比に到達
するまでの時間をトルク伝達経路切り換え時間として仮
決めしておく。
【0048】両クラッチ31,33の伝達トルク配分を
決める際、CVT通過トルクを目標値とする場合、この
CVT通過トルクと、CVT変速比iCVTと、エンジント
ルクTeとの間には、動力循環モードの時は図13に示
す関係があり、直結モードの時は図14に示す関係があ
ることから、動力循環モードでのCVT変速比iCVT
対応したCVT通過トルクTcvtaと、直結モードで
のCVT変速比iCVTに対応したCVT通過トルクTc
vtbと、ロークラッチ31の伝達トルク配分kSLC
(0〜1)と、実際のCVT通過トルクTcvtとの間に
は次式で表される関係が成立し、この式からCVT通過
トルクTcvtを求めることができる。 Tcvt= kSLC (Tcvta −Tcvtb )+ Tcvtb ・・・(1)
【0049】上記(1)式を証明するに、CVT通過ト
ルクTcvt と、ロークラッチ31の伝達トルクTL、ハ
イクラッチ33の伝達トルクTH、エンジントルクTe
CVT変速比iCVTとの間には静的に次式の関係があり
ます。 dTicvt=dHH+dLL+dee+dRLRL+d・・・(2) 但し、dTi,dH,dL,dRL,dはCVT変速比iCVTの関
数である。ここでIVT変速比をiIVT とすると、定
常運転状態での走行負荷TRLは、次式で表される。 TRL=iIVT・Te ・・・(3)
【0050】IVT変速比iIVTはCVT変速比iCVT
関数であるので、定常運転状態での走行負荷TRLはエン
ジントルクTeとCVT変速比iCVTから算出することが
できる。また、ロークラッチ31の伝達トルクTLおよ
びハイクラッチ33の伝達トルクTHは、エンジントル
クTeとCVT変速比iCVTとから求められるので、上式
(2)の右辺とdTiはエンジントルクTeとCVT変速
比iCVTから算出することができ、静的にはCVT通過
トルクTcvtもエンジントルクTeとCVT変速比i CVT
から算出することができる。
【0051】上記をもとに(1)式を説明するに、
(2)式において、CVT変速比iCVTと、エンジント
ルクteと、走行負荷TRLを一定とすると、式(2)
は、 kTicvt=kHH+kLL+k ・・・(4) と表わすことができ、ここで、ロークラッチ31の伝達
トルク配分が0%で、ハイクラッチ33の伝達トルク配
分が100%のときは、 TH=kTHC,TL=0 ・・・(5) となり、Tcvtbは式(4)から Tcvtb=(kHkTHC+k)/kTi ・・・(6) となり、式(6)をkTHCについて解くと、 kTHC=(kTicvtb−k)/kH ・・・(7) となる。
【0052】同様に、ロークラッチ31の伝達トルク配
分が100%で、ハイクラッチ33の伝達トルク配分が
0%のときは、 TH=0,TL=kTLC ・・・(8) となり、Tcvtaは式(4)から Tcvta=(kLkTLC+k)/kTi ・・・(9) となり、式(9)をkTLCについて解くと、 kTHC=(kTicvta−k)/kL ・・・(10) となる。
【0053】実際は、 TL=kSLC・kTLC T=kSHC・kTHC ・・・(11) であり、式(11)を式(4)に代入すると、 kTicvt=kHkSHC・kTHC+kLkSLC・kTCL+k…(12) となる。さらに式(12)に式 (7), (10) を代入す
ると、 kTicvt =kHkSHC(kTicvtb−k)/kH +〔kLkSLC(kTicvta−k)/kL 〕+k =kTi(kSHC・Tcvtb+kSLC・Tcvta) −k(kSHC+kSLC)+k ・・・(13) となる。
【0054】ここで、kSHCおよびkSLC間にはk
SHC=1−kSLCの関係があり、これを上式(1
3)に代入すると、 となり、前記(1)式が証明された。
【0055】図5のトルク配分決定手段81が、 両クラ
ッチ31,33の伝達トルク配分を決定する過程を、 ア
ップシフト中のモード切り換えのため図15に示すごと
くロークラッチ31が開放側クラッチであり、ハイクラ
ッチ33が締結側クラッチである場合について以下に説
明する。なおここでは簡単のためエンジントルクTe
図15に示すごとくトルク伝達経路の切り換え中は一定
であるものとする。目標IVT変速比iIVTCを参照し
て、 現時刻t1からこの目標IVT変速比i IVTCが回転
同期点RSP(図11参照)対応のIVT変速比に到達
する時刻t3までの時間をトルク伝達経路切り換えを行
う時間と仮決めしておく。
【0056】このトルク伝達経路切り換えを行う時間に
おいて、 図15のように目標CVT通過トルクT
cvt0と、 目標CVT変速比iCVTCと、 エンジントルク
(予測値)T eとが与えられたとき、 動力循環モードお
よび直結モードでのトルク伝達経路非切り換え時におけ
るCVT通過トルクTcvta,Tcvtbが図13および図1
4から図15のように求まる。 そして、このトルク伝達経路非切り換え時におけるCV
T通過トルクTcvta,Tcvtbと、目標CVT通過トルク
cvt0とから前記の式(1)を逆算することにより、ロ
ークラッチ31の伝達トルク配分目標値kSLCを求め
ることができる。 ロークラッチ31とハイクラッチ33の伝達トルク配分
は、前記したごとく合わせて100 %となるように定める
ため、 ハイクラッチ33の伝達トルク配分目標値kSH
CはkSHC=1−kSLCの演算により求めることが
できる。
【0057】図5におけるトルクシフト予測手段82
は、ロークラッチ31およびハイクラッチ33の伝達ト
ルク配分目標値kSLC,kSHCと、目標CVT変速
比iCV TCと、エンジントルクTeとから、図13および
図14のマップと、前記(1)式とを用いて目標CVT
通過トルクTCVTCを求め、 この目標CVT通過トルクT
CVTCおよび目標CVT変速比iCVTCから図16に対応し
たトルクシフト量マップをもとにトルクシフト量を予測
する。 なお、ここではクラッチ31,33の伝達トルク配分を
求めるときに目標CVT通過トルクTCVTCを用いたた
め、 これをそのまま使用してもよい。 また、 クラッチ31,33の伝達トルク配分と目標CV
T変速比iCVTCとエンジントルクTeから、図示せざる
マップを用いてトルクシフト量を予測してもよい。
【0058】トルクシフト補償済目標CVT変速比算出
手段83は、 目標CVT変速比iCV TCから上記のトルク
シフト予測量を差し引いてトルクシフト補償済目標CV
T変速比iCVTSを求め、アクチュエータ駆動速度算出手
段84は、図17に対応したマップをもとに、同図にお
けるCVT変速比にトルクシフト補償済目標CVT変速
比iCVTSを当てはめて、ステップモータ26の駆動位置
を指令するトルクシフト補償済目標ステップ数step
0を求め、このトルクシフト補償済目標ステップ数st
ep0を微分してトルクシフト補償済目標ステップ速度
(ステップモータ26の駆動速度)Vstep0を求め
る。
【0059】切り換え時間設定手段85は後でフローチ
ャートをもとに詳述するが、 前記のごとくに仮決めした
トルク伝達経路切り換え時間中におけるトルクシフト補
償済目標ステップ速度(ステップモータ26の駆動速
度)Vstep0の絶対値の平均値または最大値を代表
値Vmとして求め、ステップモータ26の限界駆動速度
の絶対値Vmaxからこの代表値Vmを差し引いて求め
た差値Veが、余裕代のための或る所定値εより小さく
0より大きくなるようにトルク伝達経路切り換え時間T
cを決定する。これがためトルク伝達経路切り換え時間
Tcの決定に際し、トルクシフトおよびステップモータ
26の限界駆動速度を考慮してこの決定を行うこととな
り、トルク伝達経路切り換え前後でトルクシフトが急変
する傾向にあっても、当該トルクシフトの変化がステッ
プモータ26の限界駆動速度を超えて補償できなくなる
ほどのものとならないようなトルク伝達経路の切り換え
態様にすることができる。
【0060】このトルク伝達経路切り換え時間Tcは、
手段81で決定した両クラッチ31,33の伝達トルク
配分kSLC,kSHC、および手段83で求めたトル
クシフト補償済目標CVT変速比iCVTSと共に、図4の
クラッチ操作量算出手段70に入力し、このクラッチ操
作量算出手段70には更に、手段61で検出した車両運
転状態および手段68で推定したエンジントルクTe
入力する。クラッチ操作量算出手段70はこれら入力情
報をもとに、トルク伝達経路切り換え時間Tc中におい
てクラッチ31,33の伝達トルク配分kSLC,kS
HCを実現するための油圧指令値を以下のごとくに算出
する。
【0061】先ず、トルクシフト補償済目標CVT変速
比iCVTSおよびエンジントルク推定値Tから、図示せ
ざるマップを用いてロークラッチ31のみで動力を伝達
するときに必要なロークラッチ31の伝達トルクkTH
Cと、ハイクラッチ33のみで動力を伝達するときに必
要なハイクラッチ33の伝達トルクkTHCを求める。
これらクラッチ31,33の伝達トルクkTLCおよび
kTHCと、モード切り換え時間算出手段69で求めた
同クラッチ31,33の伝達トルク配分kSLC,kS
HCとから、トルク伝達経路切り換え中におけるローク
ラッチ31の伝達トルク目標値TRQLCを次式の演算
により求め、 TRQLC= KSLC・KTLC・・・・(14) トルク伝達経路切り換え中におけるハイクラッチ33の
伝達トルク目標値TRQHC を次式の演算により求め
る。 TRQHC= KSHC・KTHC・・・・(15)
【0062】そして、上記のようにして求めたロークラ
ッチ31の伝達トルク目標値TRQLCから、次式の演
算によりロークラッチ31の油圧指令値DsrPLCを
求める。 DsrPLC= TRQLC/(2nLC ・rLC ・μLC・SLC )・・・(16) 但し、nLC :ロークラッチ31のクラッチ板枚数 rLC :ロークラッチ31の有効径 μLC:ロークラッチ31の摩擦係数 SLC :ロークラッチ31のピストン面積 また、前記のようにして求めたハイクラッチ33の伝達
トルク目標値TRQHCから、次式の演算によりハイク
ラッチ33の油圧指令値DsrPHCを求める。 DsrPHC= TRQHC/(2nHC ・rHC ・μHC・SHC )・・・(17) 但し、nHC :ハイクラッチ33のクラッチ板枚数 rHC :ハイクラッチ33の有効径 μHC:ハイクラッチ33の摩擦係数 SHC :ハイクラッチ31のピストン面積
【0063】ロークラッチ31の油圧指令値DsrPL
Cおよびハイクラッチ33の油圧指令値DsrPHCは
それぞれ、ロークラッチソレノイド41およびハイクラ
ッチソレノイド43(図1および図3も参照)に入力
し、これによりロークラッチ31およびハイクラッチ3
3はトルク伝達経路切り換え時間Tc中において目標と
すべき前記した伝達トルク配分kSLC,kSHCを実
現することができる。
【0064】図4のCVT操作量算出手段71は、モー
ド切り換え時間算出手段69(詳しくは図5におけるト
ルクシフト補償済目標CVT変速比算出手段83)で目
標変速比iCVTCからトルクシフト予測量を差し引いて求
めたトルクシフト補償済目標CVT変速比iCVTSを、図
17に対応したマップにおけるCVT変速比に当てはめ
て、ステップモータ26の駆動位置を指令するトルクシ
フト補償済目標ステップ数step0を求め、これをス
テップモータ26(図2および図3も参照)に指令する
ことにより、手段64で求めた目標CVT変速比iCVTC
をトルクシフトによる影響を受けることなく正確に実現
することができる。
【0065】図3における動循・直結モード切り換え制
御ユニット51をマイクロコンピュータで構成する場
合、これは図6および図7に示す制御プログラムを実行
して上記のモード切り換え制御を行う。先ず図6を説明
するに、ステップ101 ではモード切り換え中の目標IV
T変速比iIVTCを前記したと同様の要領で算出する。 つ
まり、例えばスロットル開度TVOおよび車速VSPか
ら図10に例示する予定の変速マップをもとに目標入力
回転数Ni *を求め、これを変速機出力回転数であるリン
グギヤ回転数Nrにより除算して定常的な到達IVT変
速比iIVT0を求め、これを所定時定数のローパスフィル
タに掛けて、到達IVT変速比iIVT0を実現するに当た
り変速の味付けを望みのものにするための目標IVT変
速比iIVTCを求める。
【0066】ステップ102では、目標IVT変速比iIVTC
を図11に示すマップにおけるIVT変速比iIVTに当
てはめて、目標IVT変速比iIVTCを実現するために必
要な目標CVT変速比iCVTCを求める。ステップ103 で
は、 スロットル開度TVOおよびエンジン回転数Ne
ら図12のエンジン性能線図をもとにエンジントルクT
eを推定する。なおエンジントルクTeは、直接トルクセ
ンサで検出してもよい。但しエンジントルクTeは、モー
ド切り換え中は一定であると仮定する。
【0067】ステップ104 では、 例えば現在のIVT変
速比iIVTと到達IVT変速比iIVT 0との比較によりモ
ード切り換え時における変速比無限大変速機(IVT)
の変速方向を判断する。現在のIVT変速比iIVTより
も到達IVT変速比iIVT0が小さければアップシフトで
あり、現在のIVT変速比iIVTよりも到達IVT変速
比iIVT0が大きければダウンシフトである。
【0068】次のステップ200では、図7のフローチャー
トを実行してトルク伝達経路切り換え時間Tcを設定す
る。 図7のステップ211では、モード切り換え中の目標IVT
変速比iIVTCを参照して、 現時刻から目標IVT変速比
IVTCが回転同期点RSP(図11参照)に対応したI
VT変速比に到達する時刻までの時間をトルク伝達経路
切り換え時間Tcとして仮設定する。 ステップ212では、 トルク伝達経路切り換え中における
クラッチ31,33の伝達トルク配分KSLC、KSHC
を設定する。 ここで、 到達IVT変速比iIVT0をもとにモード切り換
えを判断してから、実際のIVT変速比iIVTが到達IV
T変速比iIVT0に達するまでの間をモード切り換えと呼
び、ロークラッチ31およびハイクラッチ33のうち開
放側クラッチの伝達トルク配分が100 %から0 %になる
まで(締結側クラッチの伝達トルク配分が0%から100%
になるまで)をトルク伝達経路切り換えと呼ぶ。 本実施の形態では例えば、図15に示すごとく単純にロ
ークラッチ31およびハイクラッチ33のうち開放側ク
ラッチ(図15ではロークラッチ31)の伝達トルク配
分KSLCを100 %から0 %へ、 また締結側クラッチ
(図15ではハイクラッチ33)の伝達トルク配分 K
SHCを0 %から100 %へ、所定のランプ勾配で変化す
るよう時系列的に与える。
【0069】ステップ213 では、目標CVT変速比i
CVTCおよびエンジントルクTeから図13および図14
のマップを用いてトルク伝達経路非切り換え時のCVT
通過トルクTcvta(動力循環モード時)およびTc
vtb(直結モード時)をそれぞれ求め、ロークラッチ
31およびハイクラッチ33の伝達トルク配分目標値k
SLC,kSHCと前記(1)式とを用いて図15のよ
うにトルク伝達経路切り換え中の目標CVT通過トルク
cvtcを求め、この目標CVT通過トルクTCVTCおよび
目標CVT変速比iCVTCから図16に対応したトルクシ
フト量マップをもとにトルクシフト量を図18のように
予測する。
【0070】ステップ214 では、 目標CVT変速比i
CVTCから上記のトルクシフト予測量を差し引いてトルク
シフト補償済目標CVT変速比iCVTSを図18のように
求める。ステップ215 では、アクチュエータ駆動速度を
算出するために、 図17のマップをもとにトルクシフト
補償済目標CVT変速比iCVTSに対応したステップモー
タ駆動位置指令であるトルクシフト補償済目標ステップ
数step0を求め、この目標ステップ数step0を
微分して、 図18のようにトルクシフト補償済目標ステ
ップ速度(アクチュエータ駆動速度)Vstep0を求
める。
【0071】ステップ216 では、 トルク伝達経路切り換
え中におけるトルクシフト補償済目標ステップ速度(ア
クチュエータ駆動速度)Vstep0の平均値またはト
ルク伝達経路切り換え中におけるトルクシフト補償済目
標ステップ速度(アクチュエータ駆動速度)Vstep
0の最大値をアクチュエータ駆動速度の代表値Vmとす
る。
【0072】ステップ217 では、ステップモータ26の
限界駆動速度の絶対値Vmaxと、アクチュエータ駆動
速度の代表値Vmとを比較して、代表値Vmが 0<(Vmax−Vm)<ε・・・(18) 但し、ε:正の定数 の条件を満たしているかどうかを判断し、この式を満た
していればステップ218に進み、アクチュエータ駆動速
度の代表値VmがεからVmaxの間の値になるように
トルク伝達経路切り換え時間Tcを設定し、代表値Vm
が(18)式の条件を満たしていなければ制御をステッ
プ219 以後へ進める。
【0073】ステップ219 では、アクチュエータ駆動速
度の代表値Vmがステップモータ26の限界駆動速度の
絶対値Vmaxを超えているか否か、つまり Vm>Vmax ・・・(19) であるか否かをチェックし、超えているときはトルク伝
達経路切り換え中に変速比のフィードバック制御がトル
クシフト補償のための変速比のずれに追いつけず、トル
クシフト補償を確実なものにし得ないことから、トルク
伝達経路切り換え時間Tc を長くするために制御をス
テップ220 に進める。しかし、アクチュエータ駆動速度
の代表値Vmがステップモータ26の限界駆動速度の絶
対値Vmaxを超えていなければ、 Vm≦Vmax−ε ・・・(20) であって、アクチュエータ駆動速度の代表値Vmが(V
max−ε)以下のため、つまりステップモータの限界
駆動速度の絶対値Vmaxまで未だ余裕があるので、ト
ルクシフトの変化がもっと速くても変速比フィードバッ
ク制御がトルクシフト補償のための変速比のずれに追い
ついてトルクシフト補償を確実に行い得ることから、ト
ルク伝達経路切り換え時間Tcを短くするために制御を
ステップ223以後に進めることとする。
【0074】ステップ220 では、ステップ219 へ移行し
たのが2回目以降であるかを判断する。最初は図19
(a)に示すように、現時刻を仮設定のトルク伝達経路
切り換え開始時刻tb とし、現時刻から目標IVT変速
比iIVTCが回転同期点RSP(図11参照)に対応した
IVT変速比に到達する時刻ta までの時間をトルク伝
達経路切り換え時間Tcとして仮設定するため、これ以
上にトルク伝達経路切り換え時間Tcを長くすることは
できない。したがって、ステップ220 で2回目以降でな
いと判断する場合(1回目であれば)、制御をステップ
218 に進めてトルク伝達経路切り換え時間Tcを前記し
たように設定し、2回目以降においてステップ221 ,22
2 でトルク伝達経路切り換え時間Tcを長くする。
【0075】ステップ221 では、増減時間TmをTm=
Tm/2と設定し、次のステップ222 では、仮設定する
トルク伝達経路切り換え開始時刻tb をtb =tb −T
mにより定めて図19(c)に示すように増減時間Tm
だけ早めることによりトルク伝達経路切り換え時間Tc
を長くし、制御をステップ212 に戻す。
【0076】ステップ219 でアクチュエータ駆動速度の
代表値Vmがステップモータ26の限界駆動速度の絶対
値Vmaxを超えていないと判定する時は、前記(2
0)式により示したVm≦Vmax−εの条件を満たし
てステップモータの限界駆動速度の絶対値Vmaxまで
未だ余裕があるため、トルクシフトの変化がもっと速く
ても変速比フィードバック制御がトルクシフト補償のた
めの変速比のずれに追いついてトルクシフト補償を確実
に行い得ることから、トルク伝達経路切り換え時間Tc
を短くするために制御をステップ223 以後に進める。
【0077】ステップ223 では、ステップ219 へ移行し
たのが2回目以降であるかを判断する。最初は図19
(a)に示すように、現時刻を仮設定のトルク伝達経路
切り換え開始時刻tbとし、現時刻から目標IVT変速
比iIVTCが回転同期点RSP(図11参照)に対応した
IVT変速比に到達する時刻ta までの時間をトルク伝
達経路切り換え時間Tcとして仮設定するため、これ以
上にトルク伝達経路切り換え時間Tcを長くすることは
できない。したがって、ステップ223 で2回目以降でな
い(1回目)と判断する場合、制御をステップ225 に進
めて図19(b) に示すごとく増減時間TmをTm=Tc
/2と設定し、次のステップ226 で同じく図19(b) に
示すごとく、仮設定するトルク伝達経路切り換え開始時
刻tbをtb=tb+Tmにより定めて増減時間Tmだけ
遅くすることによりトルク伝達経路切り換え時間Tcを
短くして、制御をステップ212 に戻す。
【0078】ステップ223 で2回目以降であると判断す
るときは、ステップ224 で図19(d) に示すごとく増減
時間TmをTm=Tm/2と設定し、次のステップ226
で同じく図19(d) に示すごとく、仮設定するトルク伝
達経路切り換え開始時刻tbをtb =tb +Tmにより
定めて増減時間Tmだけ遅くすることによりトルク伝達
経路切り換え時間Tcを短くして、制御をステップ212
に戻す。
【0079】以上によりトルク伝達経路切り換え時間T
cが短くなって、ステップ219 がVm>Vmaxである
( トルクシフト補償ができなくなった) と判断する場合
は、ステップ221 で図19(c)に示すように増減時間
TmをTm=Tm/2と設定し、次のステップ222 で同
じく図19(c)に示すように、仮設定するトルク伝達
経路切り換え開始時刻tbをtb=tb−Tmにより定め
て増減時間Tmだけ早めることによりトルク伝達経路切
り換え時間Tcを長くし、制御をステップ212に戻す。
【0080】ステップ219 〜 226で行うトルク伝達経路
切り換え時間Tcの再設定を、図19により更に付言す
るに、最初は図19(a)に示すように、目標IVT変
速比iIVTCが回転同期点RSP(図11参照)に対応し
たIVT変速比に到達する時刻をtaとし、現時刻を仮
設定のトルク伝達経路切り換え開始時刻tbとし、仮設
定のトルク伝達経路切り換え開始時刻tbから時刻をta
までの時間Tc(=Ta−Tb)をトルク伝達経路切り
換え時間と仮設定する。 そして、トルク伝達経路切り換え時間Tcが(18)式
を満たすものでないときは、トルク伝達経路切り換え時
間を仮設定し直して再計算を行う。
【0081】ただし、最初は現時刻をトルク伝達経路切
り換え時刻Tbと仮設定したので、1回目は図19(b)
のように短くすることしかできない。 短くする時間TmはTm=Tc/2とし、 仮設定するトル
ク伝達経路切り換え開始時刻tb をTb=Tb+Tmとし
てTmだけ遅くする。 2回目以降の再計算の結果によってもトルク伝達経路切
り換え時間Tcが未だ(18)式を満たすものでないと
きは、再度トルク伝達経路切り換え時間Tcを仮設定し
直す。トルク伝達経路切り換え時間Tcが(19)式の
条件を満たしているときは、トルクシフトを補償するこ
とができず図23につき前述した問題を生ずるから、仮
設定するトルク伝達経路切り換え時間Tcをこの問題解
決のため長くすべく図19(c) のように、増減時間Tm
をTm=Tm/2とし、 仮設定するトルク伝達経路切り
換え開始時刻tb をTb=Tb−Tmとして早めること
によりトルク伝達経路切り換え時間Tcを長くする。
【0082】トルク伝達経路切り換え時間Tcが(1
9)式の条件を満たしているときは、Vm≦Vmax−
εでトルク伝達経路切り換え時間Tcが必要以上に長過
ぎて短くする必要があることから、図19(d) のように
増減時間TmをTm=Tm/2により求め、仮設定する
トルク伝達経路切り換え時刻tb をTb=Tb+Tmとし
て遅くすることによりトルク伝達経路切り換え時間Tc
を短くする。 以上のようなトルク伝達経路切り換え時間Tcの増減を
繰り返すことにより、トルク伝達経路切り換え時間Tc
は最終的に、(18)式の条件を満足するような長さに
収束し、アクチュエータ駆動速度の代表値Vmがεから
Vmaxの間の値になるようなトルク伝達経路切り換え
時間Tcとなる。これがため、モード切り換え中におけ
るステップモータ26の実駆動速度(Vm)がεよりも
遅くならず、ステップモータ26の限界駆動速度(Vm
ax)を超えないのを保証することができ、従ってモー
ド切り換えに必要以上の長時間が必要になるのを防止し
つつ、モード切り換え中におけるトルクシフトの補償が
ステップモータ26の限界駆動速度(Vmax)に制約
されて不可能になるのを回避することができ、図23に
つき前述した問題を解消し得る。
【0083】図8および図9は本発明の他の実施の形態
を示し、本実施の形態においては、図4におけるモード
切り換え時間算出手段69を図5のものに代えて図8の
ごとくに構成し、図6のステップ200 で行うべきトルク
伝達経路切り換え時間算出処理を図7のフローチャート
に代えて図9に示すフローチャートにより行うようにし
たものである。
【0084】先ず図8に示すモード切り換え時間算出手
段69の構成を説明する。目標ステップモータ駆動速度
算出手段91は、図20に例示するように目標CVT変
速比iCVTCを入力され、これから図17のマップをもと
に目標CVT変速比iCVTCを実現するためのステップモ
ータ26の目標ステップ数step0を求め、この目標
ステップ数step0を微分して目標ステップモータ駆
動速度Vstep を図20に示すように求める。
【0085】ステップモータ実駆動速度設定手段92
は、 (1)CVT通過トルクが出力ディスク8から入力ディ
スク7へと向かう、動力循環モードでエンジントルクが
正の場合と、直結モードでエンジントルクが負の場合
は、ステップモータ26の実駆動速度をその限界駆動速
度Vmaxおよび余裕代εとの関連において(−Vma
x+ε) に設定し、 (2)CVT通過トルクが入力ディスク7から出力ディ
スク8へと向かう、動力循環モードでエンジントルクが
負の場合と、直結モードでエンジントルクが正の場合
は、ステップモータ26の実駆動速度を(+Vmax−
ε) に設定する。
【0086】以下にその理由を説明するに、動力循環モ
ードなら図13を使い、また直結モードなら図14を使
って、目標CVT変速比iCVTCとエンジントルクTe
からCVT通過トルクTcvta,Tcvtbを求める。 モード切り換え中エンジントルクTeが一定であると仮
定すると、トルク伝達経路の切り換えによりCVT通過
トルクの正負(向き)が反転する。図21に、CVT通
過トルクTcvtが変化したときのCVT変速比iCVTへの
影響を示す。 CVT通過トルクTcvtが0のときは、 図
16からトルクシフト量も0であり、 CVT通過トルク
cvtとCVT変速比iCVTとの関係は図21の実線で示
すごときものとなる。
【0087】ここで、 CVT通過トルクTCVTが作用す
ると、 ステップモータ26を駆動しない場合は、CVT
通過トルクTCVTが大、すなわち正のときはCVT変速
比iC VT は低速変速比(Low )側へ、 CVT通過トル
クTcvtが小、すなわち負のときはCVT変速比iCVT
高速変速比(Hi)側へずれる。 例えば、 最初A点(CVT変速比iCVT1、ステップ数s
tep1)の状態のとき、 CVT通過トルクTcvtが負
になると、 無段変速機2はトルクシフトによりHi側のB
点(CVT変速比iCVT2、ステップ数step1)にず
れる。 ここでトルクシフトを補償して、 もとのCVT変速比i
CVT1に戻すためには、ステップモータ26をstep1
からstep2に駆動させてC点(CVT変速比
CVT1、 ステップ数step2)の状態にする必要があ
る。
【0088】よって図13,14,21をもとに、トル
ク伝達経路の切り換えによるトルクシフト変化を補償す
るためのステップモータ駆動方向を次のように求める。 (1)動力循環モードでエンジントルクが正の場合と、
直結モードでエジントルクが負の場合、 ・図13または図14から、CVT通過トルクTcvt
負となる。 ・トルク伝達経路の切り換えにより、切り換え後のCV
T通過トルクTcvtは正となる。 ・図21により、CVT通過トルクTcvtが負から正に
なると、CVT変速比iCVT はLow 側ずれるので、 ス
テップモータ26のステップ数を減数して、トルクシフ
トの補償を行う。 (2)動力循環モードでエンジントルクが負の場合と、
直結モードでエジントルクが正の場合 ・図13または図14から、CVT通過トルクTcvt
正となる。 ・トルク伝達経路切り換えにより、切り換え後のCVT
通過トルクTcvtは負となる。 ・図21により、CVT通過トルクTcvtが正から負に
なると、CVT変速比iCVTはHi側にずれるので、 ステ
ップモータ26のステップ数を増数して、トルクシフト
の補償を行う。
【0089】従って、トルク伝達経路の切り換え中にト
ルクシフト補償を行うステップモータ速度は、前記
(1)の場合負であり、前記(2)の場合正である。よ
って、トルクシフト補償によるトルク伝達経路切り換え
中のステップモータ速度Vtsは、 図22(a),(b) に示す
ように、 変速を行うための目標ステップモータ駆動速度
Vstepとトルクシフト補償によるトルク伝達経路切
り換え中のステップモータ速度Vtsがステップモータ
26の限界駆動速度内(−Vmax〜Vmax) となる
ように、 前記(1)の場合は以下の(21)式で、また
前記(2)の場合は以下の(22)式で求める。 Vts=−Vmax−Vstep+ε ・・・(21) Vts= Vmax−Vstep−ε ・・・(22) 但しεは、変速を行うための目標ステップ速度Vste
pとトルクシフト補償によるトルク伝達経路切り換え中
のステップモータ速度Vtsとの和が、 (−Vmax+
ε)〜(Vmax−ε)の範囲内の値になるようにする
ための、ステップモータ26の限界駆動速度Vmaxに
対する速度余裕代である。
【0090】ここではεを例えば0とする。従って、前
記(1)の場合のVts は図22(a)のようになり、 (2
1)式から、Vstep とVtsとを合算すると−V
stepになり、前記(2)の場合のVtsは図22
(b)のようになり、 (22)式から、VstepとV
tsとを合算するとVstepになる。
【0091】トルクシフト目標値決定手段93は、アッ
プシフトならば図14のマップを使い、ダウンシフトな
らば図13のマップを使って、エンジントルクTeと回
転同期点RSPでのCVT変速比から、 目標IVT変速
比iIVTC が回転同期点RSP相当の変速比に到達する
時刻でのCVT通過トルクTrspを求める。 回転同期点RSPでのCVT変速比とCVT通過トルク
Trspから、 図16のマップを使ってトルクシフト量
を求め、 回転同期点RSPでのCVT変速比からこのト
ルクシフト量を差し引いたものを回転同期点RSPでの
トルクシフト補償済目標CVT変速比icr とする。
【0092】そして図17のマップを用いて、 回転同期
点RSPでのトルクシフト補償済目標CVT変速比ic
rから、回転同期点RSPでのトルクシフト補償済目標
ステップ数steprを求める。 次に、 前記(1)の場合はトルク伝達経路の切り換え中
に−Vmaxでステップモータ26を駆動しながら、時
刻ta(目標IVT変速比が回転同期点RSPに対応し
たIVT変速比になる時刻)で回転同期点RSPでのト
ルクシフト補償済目標ステップ数stepr に到達す
るように、 また前記(2)の場合は、 トルク伝達経路切
り換え中にVmaxでステップモータ26を駆動しなが
ら、時刻taで回転同期点RSPでのトルクシフト補償
済目標ステップ数step0から、 図17を使ってトル
クシフト補償済目標CVT変速比を求める。 目標CVT変速比からトルクシフト補償済目標CVT変
速比を引いたものを、図20のようにトルクシフト目標
値とする。
【0093】目標トルク配分決定手段94は、 上記トル
クシフト目標値から図16のマップをもとに目標CVT
通過トルクTcvtを求める。 この時の目標CVT通過トルクTcvtは図23に破線
で示すようになり、 0近傍で変化率が低いパターンにな
る。前記実施の形態におけると同様に(1)式を逆算し
てロークラッチ31の目標トルク配分kSLCを求め
る。 ここで、TcvtaとTcvtbは前記実施の形態にお
けると同様であるので説明を省略する。 そして、ハイクラッチ3のトルク配分kSHCはkSH
C=1−kSLCの演算により求める。これら両クラッ
チ31,33のトルク配分kSLC,kSHCは図20
に示すごときものとなる。
【0094】切り換え時間設定手段は95は、目標トル
ク配分kSLC,kSHCを入力して、開放側クラッチ
(図20ではロークラッチ31)の伝達トルク配分kS
LCが100 %から0 %になり、締結側クラッチ(図20
ではハイクラッチ33)の伝達トルク配分kSHCが0
%から100 %になるまでをトルク伝達経路切り換え時間
Tcとして設定する。この切り換え時間Tcと、目標I
VT変速比が回転同期点RSPに対応したIVT変速比
に到達する時刻とから、トルク伝達経路切り換えを開始
する時刻が求まる。 例えば図20においては、Taの時刻は目標IVT 変速比
が回転同期点RSPのIVT変速比に到達する時刻で決
まっていて、 この点では開放側の配分が0 %で縮結側が
100 %となる。 そこで、 トルク伝達経路切り換え時間T
cから開放側の配分が100 %で締結側が0 %となる時刻
tb=(ta−Tc)を求める。
【0095】次に図9のフローチャートを説明するに、
これは図6のステップ200 における処理を、図7に代わ
って行うことにより、本実施の形態における上記の作用
を生起させるものである。ステップ231 では、 目標CV
T変速比iCVTCから図17のマップをもとにステップモ
ータ26の目標ステップ数step0 を求め、この目
標ステップ数step0を微分してステップモータ26
の目標駆動速度(目標ステップ速度)Vstepを求め
る。
【0096】ステップ232では、 余裕代εを或る所定の
正の値として、 (1)動力循環モードでエンジントルクTeが正の場合
と、直結モードでエンントルクTeが負の場合は、ステッ
プモータ26の実駆動速度を(−Vmax+ε)に設定
し、 (2)動力循環モードでエンジントルクTeが負の場合
と、 直結モードでエンジントルクTeが正の場合は、 ス
テップモータ26の実駆動速度を(−Vmax−ε)に
設定する。
【0097】ステップ233 では、アップシフトなら図1
4のマップを使い、またダウンシフトなら図13のマッ
プを使って、エンジントルクTe と回転同期点RSP
でのCVT変速比から、目標IVT変速比iIVTCが回転
同期点RSPに対応した変速比に到達する時刻でのCV
T通過トルクTrspを求める。 回転同期点RSPでのCVT変速比とCVT通過トルク
Trspから、図16のマップを使ってトルクシフト量
を求め、 回転同期点RSPでのCVT変速比からこのト
ルクシフト量を差し引いて回転同期点RSPでのトルク
シフト補償済目標CVT変速比icrを求める。 そして図17のマップをもとに、回転同期点RSPでの
トルクシフト補償済目標CVT変速比icrから、回転
同期点RSPでのトルクシフト補償済目標ステップ数s
teprを求める。
【0098】次に、 (1)の場合は、 トルク伝達経路切
り換え中に−Vmaxでステップモータ26を駆動しな
がら、 時刻ta (目標IVT変速比が回転同期点RSP
に対応したIVT変速比になる時刻)で回転同期点RS
Pでのトルクシフト補償済目標ステップ数stepr
に到達するように、(2)の場合は、 トルク伝達経路切
り換え中にVmaxでステップモータ26を駆動しなが
ら、 時刻ta で回転同期点RSPでのトルクシフト補償
済目標ステップ数stepr に到達するように、 トル
クシフト補償済目標ステップ数step0を求める。 こ
のトルクシフト補償済目標ステップ数step0から、
図17を使ってトルクシフト補償済目標CVT変速比を
求める。 目標CVT変速比からトルクシフト補償済目標CVT変
速比を差し引いてトルクシフト目標値を求める。
【0099】ステップ234 では、 上記のトルクシフト目
標値から、 図16のマップをもとに目標CVT通過トル
クを求め、更に前記(1)式を逆算してロークラッチ3
1の目標伝達トルク配分KSLCを求める。ここで、T
cvtaとTcvtbはトルク伝達経路非切り換え中の
CVT通過トルクであり、 前記した実施の形態における
と同様のものであるため説明を省略する。そしてハイク
ラッチの目標伝達トルク配分kSHCは、kSHC=1
−KSLCの演算により求める。
【0100】ステップ235 では、上記の目標伝達トルク
配分KSLC,KSHCをもとに開放側クラッチのトル
ク配分が100 %から0%になり、締結側クラッチのトル
ク配分が0%から100 %になるまでの時間をトルク伝達
経路切り換え時間Tcに設定する。 この切り換え時間Tcと、目標IVT変速比が回転同期
点RSPに対応したIVT変速比に到達する時刻taと
から、 トルク伝達経路の切り換えを開始する時刻tbを
tb=ta−Tcにより求める。
【0101】本実施の形態においても、モード切り換え
中におけるステップモータ26の実駆動速度(Vm)が
εよりも遅くならず、ステップモータ26の限界駆動速
度(Vmax)を超えないのを保証することができ、モ
ード切り換えに必要以上の長時間が必要になるのを防止
しつつ、モード切り換え中におけるトルクシフトの補償
がステップモータ26の限界駆動速度(Vmax)に制
約されて不可能になるのを回避することができ、図23
につき前述した問題を解消し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる変速制御装置を
具えた変速比無限大変速機の動力トルク伝達経路を示す
略線図である。
【図2】 同変速比無限大変速機を構成するトロイダル
型無段変速機の変速制御系を示すシステム図である。
【図3】 同変速比無限大変速機の変速制御系を示すシ
ステム図である。
【図4】 同実施の形態における動循・直結モード切り
換え制御ユニットの機能別ブロック線図である。
【図5】 同動循・直結モード切り換え制御ユニットに
おけるモード切り換え時間算出手段の機能別ブロック線
図である。
【図6】 同実施の形態における動循・直結モード切り
換え制御ユニットをマイクロコンピュータで構成した場
合における制御プログラムのメインルーンを示すフロー
チャートである。
【図7】 同制御プログラムのサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図8】 本発明の他の形態になる変速制御装置におけ
るモード切り換え時間算出手段の機能別ブロック線図で
ある。
【図9】 同実施の形態における、図7に対応したモー
ド切り換え時間算出プログラムを示すフローチャートで
ある。
【図10】 変速比無限大変速機の変速パターンを例示
する変速線図である。
【図11】 変速比無限大変速機の変速比とトロイダル
型無段変速機の変速機比との関係を例示する線図であ
る。
【図12】 エンジントルクを推定するのに用いたエン
ジン性能線図である。
【図13】 変速比無限大変速機が動力循環モードで動
力伝達を行っている時におけるトロイダル型無段変速機
の通過トルクを示す線図である。
【図14】 変速比無限大変速機が直結モードで動力伝
達を行っている時におけるトロイダル型無段変速機の通
過トルクを示す線図である。
【図15】 図1〜図7に示す実施の形態になる変速制
御装置がモード切り換え時に行うロークラッチおよびハ
イクラッチの切り換え制御を示すタイムチャートであ
る。
【図16】 トロイダル型無段変速機のトルクシフト特
性を例示する線図である。
【図17】 トロイダル型無段変速機の変速アクチュエ
ータであるステップモータのステップ数と、トロイダル
型無段変速機の変速比との関係を例示する線図である。
【図18】 図1〜図7に示す実施の形態になる変速制
御装置が行うモード切り換え動作を示すタイムチャート
である。
【図19】 図1〜図7に示す実施の形態になる変速制
御装置がモード切り換え時に行うロークラッチおよびハ
イクラッチの切り換え用の時間の制御形態を示し、
(a)は、切り換え制御開始時に仮設定した切り換え時
間を示し、(b)は、切り換え制御開始後の1回目に仮
設定した切り換え時間を示し、(c)は、切り換え時間
を長くすべき時に設定した切り換え時間を示し、(d)
は、切り換え時間を短くすべき時に設定した切り換え時
間を示す。
【図20】 図8および図9に示す実施の形態になる変
速制御装置が行うモード切り換え動作を示すタイムチャ
ートである。
【図21】 トロイダル型無段変速機のトルクシフトを
補償するためのモータステップ数の変更方向および変更
量を説明するのに用いた線図である。
【図22】 図8および図9に示す実施の形態になる変
速制御装置が行うモード切り換え動作中におけるステッ
プモータの駆動速度を示し、(a)は、トロイダル型無
段変速機の通過トルクが出力側から入力側に向かう時の
タイムチャート、(b)は、トロイダル型無段変速機の
通過トルクが入力側から出力側に向かう時のタイムチャ
ートである。
【図23】 従来の変速比無限大変速機がモード切り換
え時に行うロークラッチおよびハイクラッチの切り換え
制御を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 入力軸 2 トロイダル型無段変速機 3 出力軸 4 遊星歯車組 5 トロイダル伝動ユニット 6 トロイダル伝動ユニット 7 入力ディスク 8 出力ディスク 9 パワーローラ 10 トラニオン 11 ピボットシャフト 12 出力歯車 21 サーボピストン 22 変速制御弁 23 プリセスカム 24 L字状リンク 25 変速レバー 26 ステップモータ( 変速アクチュエータ) 31 ロークラッチ 32 減速歯車 33 ハイクラッチ 34 減速歯車組 35 ファイナルドライブギヤ組 36 ディファレンシャルギヤ装置 41 ロークラッチソレノイド 42 ロークラッチ圧サーボ 43 ハイクラッチソレノイド 44 ハイクラッチ圧サーボ 51 動循・直結モード切り換え制御ユニット 52 入力回転センサ 53 入力トルクセンサ 54 サンギヤ回転センサ 55 リングギヤ回転センサ 56 キャリア回転センサ 57 スロットル開度センサ 58 車速センサ 59 エンジン回転センサ 61 運転状態検出手段 62 到達IVT変速比算出手段 63 目標IVT変速比算出手段 64 目標CVT変速比算出手段 65 モード切り換え判断手段 66 モード切り換え制御手段 67 変速方向判断手段 68 エンジントルク推定手段 69 モード切り換え時間算出手段 70 クラッチ操作量算出手段 71 CVT操作量算出手段 81 トルク配分決定手段 82 トルクシフト予測手段 83 トルクシフト補償済目標CVT変速比算出手段 84 アクチュエータ駆動速度算出手段 85 切り換え時間設定手段 91 目標ステップモータ駆動速度算出手段 92 ステップモータ実駆動速度設定手段 93 トルクシフト目標値決定手段 94 目標トルク配分決定手段 95 切り換え時間設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:06 F16H 63:06 Fターム(参考) 3J552 MA09 NA01 NB01 PA14 SA47 SB01 VA24Z VA32Z VA34Z VA37Z VA70W VA74Y VB01Z VC01Z VC02W VC03Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速比を無段階に変化させ得る無段変速
    機および遊星歯車組の組み合わせになり、 無段変速機の入力回転をロークラッチの締結により遊星
    歯車組の3個の要素のうちの1要素に伝達する時、該遊
    星歯車組の他の1要素を経て無段変速機の出力回転メン
    バより入力回転メンバに動力を循環させつつ、この循環
    動力を前記遊星歯車組の残りの1要素から取り出す動力
    循環モードが選択され、 前記ロークラッチを解放してハイクラッチを締結する
    時、このハイクラッチを経て無段変速機の出力回転メン
    バから動力を直接取り出すことができる直結モードが選
    択されるようにした変速比無限大変速機において、 前記ロークラッチおよびハイクラッチの締結・解放切り
    換えにより動力循環モードでのトルク伝達経路と直結モ
    ードでのトルク伝達経路との間でトルク伝達経路を切り
    換えている間も、運転状態に応じて定めた変速比無限大
    変速機の目標IVT変速比を達成するための無段変速機
    の目標CVT変速比を求め続け、 前記トルク伝達経路の切り換え中におけるロークラッチ
    およびハイクラッチの伝達トルク配分を任意に決定し、 前記トルク伝達経路切り換えの開始あるいは終了のタイ
    ミングから、或る所定時間でトルク伝達経路の切り換え
    を終了すると仮定したとき、無段変速機の通過トルクに
    起因して発生するCVT変速比の設計値からのずれであ
    る無段変速機のトルクシフト量を、目標CVT変速比と
    エンジントルクと前記両クラッチの伝達トルク配分から
    予測し、 目標CVT変速比をトルクシフト予測量だけ補正するこ
    とによりトルクシフト補償済目標CVT変速比を求めて
    前記目標CVT変速比が実現されるよう無段変速機の変
    速アクチュエータを駆動させ、 トルクシフト補償済目標CVT変速比から変速アクチュ
    エータの駆動速度を求め、 変速アクチュエータの駆動速度は変速アクチュエータの
    限界駆動速度に基づいて前記トルク伝達経路切り換えの
    開始から終了までのトルク伝達経路切り換え時間を決定
    するよう構成したことを特徴とする変速比無限大変速機
    の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記トルク伝達経路
    切り換え時間を、トルク伝達経路の切り換え中における
    前記予測したトルクシフト量の変化速度の平均値が、無
    段変速機の変速制御系によって補償可能なトルクシフト
    変化量以下に抑まるよう設定したことを特徴とする変速
    比無限大変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記トルク伝達経路
    切り換え時間を、前記予測したトルクシフト量の変化速
    度の最大値が、無段変速機の変速制御系によって補償可
    能なトルクシフト変化量以下に抑まるよう設定したこと
    を特徴とする変速比無限大変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 変速比を無段階に変化させ得る無段変速
    機および遊星歯車組の組み合わせになり、 無段変速機の入力回転をロークラッチの締結により遊星
    歯車組の3個の要素のうちの1要素に伝達する時、該遊
    星歯車組の他の1要素を経て無段変速機の出力回転メン
    バより入力回転メンバに動力を循環させつつ、この循環
    動力を前記遊星歯車組の残りの1要素から取り出す動力
    循環モードが選択され、 前記ロークラッチを解放してハイクラッチを締結する
    時、このハイクラッチを経て無段変速機の出力回転メン
    バから動力を直接取り出すことができる直結モードが選
    択されるようにした変速比無限大変速機において、 前記ロークラッチおよびハイクラッチの締結・解放切り
    換えにより動力循環モードでのトルク伝達経路と直結モ
    ードでのトルク伝達経路との間でトルク伝達経路を切り
    換えている間も、運転状態に応じて定めた変速比無限大
    変速機の目標IVT変速比を達成するための無段変速機
    の目標CVT変速比を求め続け、 無段変速機の通過トルクに起因して発生するCVT変速
    比の設計値からのずれである無段変速機のトルクシフト
    を補償しつつ前記目標CVT変速比が実現されるよう無
    段変速機の変速アクチュエータを駆動させ、 前記目標CVT変速比から変速アクチュエータの目標駆
    動速度を求め、 前記トルク伝達経路切り換えの開始あるいは終了のタイ
    ミングから、或る所定時間でトルク伝達経路の切り換え
    を終了すると仮定したとき、変速アクチュエータの限界
    駆動速度と変速アクチュエータの目標駆動速度と目標C
    VT変速比から前記トルクシフト量の目標値を算出し、 該トルクシフト目標値とエンジントルクと目標CVT変
    速比とから、前記ロークラッチおよびハイクラッチの伝
    達トルク配分目標値を求め、 伝達トルク配分目標値から、前記トルク伝達経路切り換
    えを行うためのトルク伝達経路切り換え時間を決定する
    よう構成したことを特徴とする変速比無限大変速機の変
    速制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8036801B2 (en) * 2005-03-29 2011-10-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for vehicle drive device
CN108528438A (zh) * 2017-03-03 2018-09-14 福特全球技术公司 变速器换挡期间的混合动力车辆动力传动***扭矩孔填充

Cited By (3)

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CN108528438A (zh) * 2017-03-03 2018-09-14 福特全球技术公司 变速器换挡期间的混合动力车辆动力传动***扭矩孔填充
CN108528438B (zh) * 2017-03-03 2023-04-18 福特全球技术公司 变速器换挡期间的混合动力车辆动力传动***扭矩孔填充

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