JP2002130335A - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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JP2002130335A
JP2002130335A JP2000326751A JP2000326751A JP2002130335A JP 2002130335 A JP2002130335 A JP 2002130335A JP 2000326751 A JP2000326751 A JP 2000326751A JP 2000326751 A JP2000326751 A JP 2000326751A JP 2002130335 A JP2002130335 A JP 2002130335A
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Shoji Machigashira
祥司 町頭
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力部材2bと入力部材3bとを同心に保持
して、組み付け作業を面倒にする事なく、運転時に振動
が発生するのを防止できる構造を実現する。 【解決手段】 ハウジング30の中央部に、クラッチ本
体34の外輪1aを内嵌固定する。上記出力部材2bに
付属の出力軸12と上記入力部材3bに付属の入力軸1
6とを上記ハウジング30の両端部に、それぞれ玉軸受
31、31により支持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るクラッチ装置
は、駆動源から被駆動体側への回転力の伝達は可能にす
るが、この被駆動体から駆動源への回転力の伝達を阻止
するもので、例えば自動車用のウインドレギュレータ
(電動式及び手動式の何れも含む)、電動格納ミラー
等、各種駆動装置に組み込んだ状態で使用する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用のウインドレギュレータ
の場合、駆動源である電動モータ或はハンドルの回転は
窓ガラスの昇降機構側に伝達するが、この窓ガラスを昇
降させる方向の力が加わった場合でも、上記電動モータ
或はハンドルが回転しない様にする必要がある(例えば
防犯の為)。この様な機能を有するクラッチ装置として
従来から、特開平7−103260号公報に記載された
ものが知られている。
【0003】この公報に記載されたクラッチ装置は、図
5に示す様に、外輪1と、出力部材2と、入力部材3
と、複数個の転動体4、4と、複数のカム面5、5とを
備える。このうちの外輪1は、内周面を円筒面状の摩擦
面6とし、使用状態ではウインドレギュレータのフレー
ム等に固定された状態で回転しない。又、上記出力部材
2は、上記外輪1の内側に、この外輪1と同心に且つ回
転自在に支持されている。又、上記入力部材3は、複数
の腕部7、7を有する。これら各腕部7、7は、円周方
向に関して間欠的に設けられ、上記外輪1の内周面と出
力部材2の外周面との間の環状空間8内に挿入されてい
る。又、上記複数個の転動体4、4は、この環状空間8
内で円周方向に隣り合う腕部7、7同士の間に配置され
ている。更に、上記各カム面5、5は、上記出力部材2
の外周面で上記各転動体4、4に対向する複数個所に形
成したもので、それぞれの円周方向中央部が最も直径方
向内方に位置し、それぞれの円周方向両端部程直径方向
外方に位置する方向に傾斜している。
【0004】上述の様なクラッチ装置では、上記入力部
材3の回転は、回転方向に関係なく、上記各腕部7、7
から上記各転動体4、4に伝わる。即ち、上記入力部材
3が回転すると、この入力部材3に設けた複数の腕部
7、7の円周方向端縁部に形成した傾斜面9、9が、上
記各転動体4、4を上記各カム面5、5に押し付ける。
そして、これら各傾斜面9、9とカム面5、5との噛み
合いにより、上記入力部材3の回転が出力部材2に伝わ
る。これに対して、この出力部材2が回転した場合に
は、上記カム面5、5が上記各転動体4、4を、この出
力部材2の直径方向外方に押し出し、これら各転動体
4、4を上記外輪1の内周面に設けた摩擦面6に押し付
ける。この結果、これら各転動体4、4の転動面と摩擦
面6との摩擦係合により、上記出力部材2の回転が阻止
されて、この出力部材2の回転が、回転方向に関係な
く、上記入力部材3に伝達しなくなる。
【0005】上述の様な従来のクラッチ装置の場合、入
力部材3の回転時に複数の転動体4、4の全部又は一部
が、出力部材2側に設けたカム面5、5と外輪1の内周
面に設けた摩擦面6との間で噛み合う位置にまで移動す
る可能性がある。例えば、図5の上下方向と実際の設置
状態での上下方向とが一致していると仮定した場合、こ
の図5で下側の転動体4は、実際には図示の様な位置に
存在せず、重力によって上記摩擦面6に当接する位置に
まで下降した状態となる。この状態から上記入力部材3
に設けた各腕部7、7が回転すると、何れかの腕部7が
上記下側の転動体4を、下側のカム面5と上記摩擦面6
との間で噛み合う位置にまで押し動かす可能性がある。
図5の表裏方向と鉛直方向とを一致させた場合には、よ
り多くの転動体4、4が、カム面5、5と摩擦面6との
間で噛み合う位置にまで押し動かされる可能性がある。
【0006】この様にして、上記入力部材3の回転に伴
って、全部又は一部の転動体4、4が、出力部材2側に
設けたカム面5、5と外輪1の内周面に設けた摩擦面6
との間で噛み合う位置にまで移動すると、上記入力部材
3の回転が上記出力部材2に伝わらなくなる。
【0007】
【先発明の説明】上述の様な従来技術の場合に発生する
可能性のある誤作動を抑え、確実に入力部材の回転を出
力部材に伝達できる構造として、特願平11−2512
54号、同11−327886号に係るものがある。先
ず、この先発明に係るクラッチ装置に就いて、図6〜1
8により説明する。この先発明に係るクラッチ装置10
は、外輪1aと、出力部材2aと、入力部材3aと、複
数個の転動体4、4と、複数のカム面5a、5aとを備
える。
【0008】このうちの外輪1aは、浸炭窒化鋼の如き
硬質金属板により全体を円筒状に形成しており、軸方向
両端部に内向フランジ状の鍔部11a、11bを設け
て、上記外輪1aの内側から上記出力部材2a及び入力
部材3aが抜け出ない様にしてユニット化し、取り扱い
の容易化を図っている。又、上記外輪1aの内周面で上
記両鍔部11a、11bに挟まれた部分は、円筒状の摩
擦面6aとしている。尚、この摩擦面6aは、一般的な
円筒ころ軸受の外輪軌道の如き性状を有するもので、表
面は平滑面としている。この様な外輪1aは、上記クラ
ッチ装置10の使用状態では、ウインドレギュレータの
フレーム等に固定された状態で回転しない。
【0009】又、前記出力部材2aは、例えばSMF4
050(JPMA 1)等の焼き入れ硬化した燒結金
属、軸受鋼等の硬質金属により一体に造られたもので、
図7に示す様に、本体部分と同心の出力軸12を有す
る。この様な出力部材2aは、上記外輪1aの内側に、
この外輪1aと同心に、且つ回転自在に支持されてい
る。上記出力軸12は円柱状に形成し、使用時にはその
先端部(図6〜7の右端部)を、被駆動部材側に設けた
円孔に、締り嵌めで内嵌固定する。但し、上記出力軸1
2と被駆動部材との結合は、スプライン係合、キー係合
等、従来から周知の他の係合状態としても良い。一方、
上記出力部材2aは、上記出力軸12の一端部(図7の
左端部)に外向フランジ状に形成している。この様な出
力部材2aの外周面には、それぞれ複数個(図示の例で
は5個)ずつのカム面5a、5aと係合凹部13、13
とを、円周方向に関して交互に且つ等ピッチで形成して
いる。
【0010】上記カム面5a、5aは、それぞれの円周
方向中央部が最も直径方向内方に位置し、それぞれの円
周方向両端部程直径方向外方に位置する方向に傾斜して
いる。図示の例の場合、この様な各カム面5a、5a
は、図9に詳示する様に、円周方向両端部を、それぞれ
上記各転動体4、4の転動面と逆方向に湾曲した両端凸
曲面部14、14とし、円周方向中央部を、これら1対
の両端凸曲面部14、14の端縁同士を滑らかに連続さ
せる、上記各転動体4、4の転動面と同方向に湾曲した
中央凹曲面部15としている。先発明では、後述する様
に、上記各両端凸曲面部14、14が何れも、上記各転
動体4、4を上記外輪1aの摩擦面6aとの間で食い込
ませる為のカム面となっており、1個の転動体4毎にそ
れぞれ2個ずつのカム面を設けている。
【0011】又、前記入力部材3aは、ポリアセタール
の如き高機能樹脂、ポリアミド66にガラス繊維を混入
した合成樹脂等の、十分な硬度、剛性、強度並びに寸法
安定性を有する合成樹脂を射出成形する事により一体に
形成したもので、入力軸16を有する。上記入力部材3
aは、この入力軸16の一端部(図6、10の右端部)
に形成した外向フランジ状の基板部17の片側面(図
6、10の右側面)外径側部分に、複数本(図示の例で
は5本)の腕部18、18の基端部を結合して成る。こ
れら各腕部18、18は、図11から明らかな様に、そ
れぞれが断面円弧状で、上記入力軸16の中心軸をその
中心とする同一円上に、円周方向に関して間欠的に設け
られている。そして、円周方向に隣り合う腕部18、1
8同士の間を、上記各転動体4、4を保持する為のポケ
ット20、20としている。このポケット20、20の
幅W20は、上記各転動体4、4の外径D4 (図17)よ
りも十分に大きい(W20≫D4 )。又、上記入力軸16
の中心部には、断面形状が非円形の係合孔24を設けて
いる。使用時にはこの係合孔24に、図示しない回転方
向の変換自在な駆動モータの出力軸の先端部を挿入し
て、上記入力部材3aを任意の方向に回転駆動自在とす
る。上記入力部材3aは、上述の様な係合孔24を含
め、合成樹脂の射出成形により造れる。
【0012】尚、上記各腕部18、18の円周方向に関
する幅は、外径側で大きく、内径側で小さくして、前記
各ポケット20、20の幅W20を内径側から外径側まで
等しくすると共に、上記各腕部18、18に係止する、
後述するばね21、21(図14〜18)が、遠心力に
より外方に変位するのを防止する。又、上記各腕部1
8、18の先端部外周面の円周方向中央部には、上記各
ばね21、21の基部23の端縁と係合する係止突起2
2、22を形成して、これら各ばね21、21が上記各
腕部18、18から抜け出るのを防止している。
【0013】又、上記各腕部18、18の内周面の円周
方向中間部には、それぞれ係合凸部19、19を形成
し、図6、17、18に示す様にクラッチ装置10を組
み立てた状態で、上記各係合凸部19、19を、前記出
力部材2aの外周面に形成した前記各係合凹部13、1
3に係合させている。上記各係合凸部19、19の幅W
19は、これら各係合凹部13、13の幅W13よりも十分
に小さい(W19≪W13)。従って、上記クラッチ装置1
0を組み立てた状態で上記各係合凸部19、19と上記
係合凹部13、13とは、円周方向に関する若干の相対
変位自在に係合する。そして、上記入力部材3aと出力
部材2aとは、回転方向に関して若干の相対変位自在に
組み合わされる。
【0014】又、上記基板部17の片側面中央部(回転
中心部)に形成した、表面が球状凸面である凸部29の
先端中央部を、上記出力部材2aの片側面中央部(回転
中心部)に接触若しくは近接対向させている。上記基板
部17の片側面と上記出力部材2aの片側面とが互いに
近づき合う方向に変位した場合に、これら両片側面同士
は、上記凸部29の先端中央部と上記出力部材2aの片
側面中央部との接触部でのみ接触する。図示の例の場合
には、この様に両部材2a、3aの片側面同士を互いの
回転中心部分でのみ接触させる事により、これら両部材
2a、3aの片側面同士の接触部に作用する摩擦トルク
を小さくできる。
【0015】又、上述の様な入力部材3aを構成する前
記各腕部18、18には、請求項3に記載した弾性部材
である、図14〜16に示す様なばね21を装着してい
る。ステンレスのばね鋼等の弾性金属板を曲げ形成して
成る、このばね21は、1個の基部23と、複数(図示
の例では4個)の弾性押圧片25、25とを備える。こ
のうちの基部23は、上記各腕部18、18にがたつき
なく外嵌自在とすべく、これら各腕部18、18の外周
面に合致する形状を有する円弧状の基板部26と、この
基端部26の円周方向両端縁中央部から直径方向内方に
折れ曲がった、1対の折れ曲がり板部27、27とから
成る。又、これら各折れ曲がり板部27、27の先端部
には、互いに近づく方向に折れ曲がった係止部28、2
8を形成し、これら各係止部28、28と上記各腕部1
8、18の内周面円周方向両端縁部とを係合自在として
いる。上記各弾性押圧片25、25は、それぞれの基端
を上記各折れ曲がり板部27、27の両側縁に連続させ
たもので、自由状態でそれぞれの先端部を上記基部23
から離れる様に変位させる方向の弾力を有する。この様
なばね21は、図17〜18に示す様に、上記各腕部1
8、18に装着している。
【0016】上述の様に上記各腕部18、18に装着し
た、ばね21、21の弾性押圧片25、25同士の間に
は、それぞれ前記転動体4、4を、これら各弾性押圧片
25、25を弾性的に変位させた状態で挟持している。
これら各転動体4、4は、一般的な円筒ころ軸受を構成
する円筒ころの如きもので、高炭素クロム軸受鋼等の硬
質金属により造られている。この様な各転動体4、4
は、上記各ばね21、21の弾性押圧片25、25によ
り軸方向両端部で円周方向反対側位置を、同じ力で弾性
的に押圧される。従って上記各転動体4、4は、外力が
加わらない状態では、円周方向に隣り合う腕部18、1
8同士の間の中央部分に位置する。
【0017】上述の様に組み合わせた、上記入力部材3
aと転動体4、4とばね21、21とは、前記出力部材
2aと組み合わせた状態で、前述の図6に示す様に前記
外輪1a内に組み込み、前記クラッチ装置10とする。
上記入力部材3aと出力部材2aとは、互いに同心に配
置して、入力部材3a側に設けた係合凸部19、19と
出力部材2a側に設けた係合凹部13、13とを緩く係
合させた状態に組み合わせる。
【0018】この様に組み合わせた上記入力部材3a及
び出力部材2aは、上記外輪1a内に、前記薄肉の鍔部
11bを形成すべき側から挿入する。そして、前記出力
軸12を前記幅広の鍔部11aの内側に挿通すると共
に、上記入力部材3a及び出力部材2aを、上記外輪1
aの摩擦面6aの内径側に位置させる。そして、上記薄
肉の鍔部11bを形成し、上記クラッチ装置10として
完成する。この様にしてクラッチ装置10を構成し、更
にウインドレギュレータ等に組み込んだ状態で、上記入
力部材3aと出力部材2aとは、互いに近づく方向に相
対変位する事はあっても、互いに遠ざかる方向への相対
変位を制限する様にする。従って、上記入力部材3aの
外側面が上記鍔部11bの内側面と擦れ合ったり、或は
上記出力部材2aの外側面が上記鍔部11aの内側面と
擦れ合ったりする事はない。
【0019】上述の様に構成する先発明のクラッチ装置
10の作用は、次の通りである。先ず、例えば電動モー
タによりウインドガラスを昇降させる場合等、入力部材
3aの回転を出力部材2aに伝達する場合には、上記入
力部材3aが、例えば図17の反時計方向に回転する。
そして、この入力部材3a側に設けた前記各係合凸部1
9、19が、上記出力部材2a側に設けた、前記各係合
凹部13、13の円周方向端部にまで変位する。そし
て、これら各係合凹部13、13の内側面と上記各係合
凸部19、19の外側面とが当接(係合部が係合)し
て、上記入力部材3aの回転が上記出力部材2aにその
まま伝わる状態となり、この出力部材2aがこの入力部
材3aと同方向に同速で回転する。
【0020】上述の様に上記各係合凸部19、19の外
側面と上記各係合凹部13、13の内側面とが当接する
まで、上記出力部材2aに対し上記入力部材3aが少し
だけ回転するのに伴って、前記各転動体4、4は、図1
7に示す様に、上記出力部材2aの外周面に設けた前記
各カム面5a、5aの円周方向中央位置よりも、上記入
力部材3aの回転方向前方(図17の左方)に少しだけ
移動する。この結果、上記各転動体4、4は、上記各カ
ム面5a、5aの両端凸曲面部14、14に案内され
て、上記出力部材2aの直径方向外方に変位する。そし
て、上記各転動体4、4の転動面と前記外輪1aの摩擦
面6aとが当接する。
【0021】この様に、上記各転動体4、4の転動面と
前記外輪1aの摩擦面6aとが当接した状態で、上記入
力部材3a及び出力部材2aが同方向に回転すると、上
記各転動体4、4は、上記各カム面5a、5aの中央部
である、前記各中央凹曲面部15、15側に変位する傾
向になる。即ち、上記各転動体4、4の転動面と上記外
輪1aの摩擦面6aとが当接した状態で、上記入力部材
3a及び出力部材2aが同方向に回転すると、上記各転
動体4、4は、それぞれの転動面と上記摩擦面6aとの
摩擦係合に基づき、そのままの位置に留まろうとする。
これに対して上記各カム面5a、5aを形成した上記出
力部材2aは、図17の反時計方向に回転するので、上
記各転動体4、4は、前記各腕部18、18の両側面に
配置した前記各弾性押圧片25、25のうち、回転方向
前側面側の各弾性押圧片25、25の圧縮量を増大させ
つつ、上記出力部材2aに対して、回転方向後方に変位
する。従って、これら各転動体4、4が上記各カム面5
a、5aと上記摩擦面6aとの間に噛み込まれる事はな
い。この結果、上記各転動体4、4が、上記各カム面5
a、5aと上記摩擦面6aとの距離が大きい部分に移動
して、この部分で転動する。この状態では、上記外輪1
aの内側で上記入力部材3a及び出力部材2aが回転自
在な状態となり、この入力部材3aから出力部材2aへ
の回転伝達を行なえる。
【0022】尚、上記各転動体4、4の転動面と上記摩
擦面6aとの当接部に作用する摩擦力が大きいと、これ
ら各転動体4、4が、図17に鎖線で示す様に、上記各
腕部18、18の回転方向前側面側の各弾性押圧片2
5、25を完全に押し潰す可能性がある。先発明のクラ
ッチ装置10を実施する場合には、この様な状態でも、
上記各転動体4、4が上記各カム面5a、5aと上記摩
擦面6aとの間に食い込まない様に、前記各係合凸部1
9、19の幅W19と前記各係合凹部13、13の幅W13
との差(W13−W19)に対応する、これら各係合凹部1
3、13内での上記各係合凸部19、19の変位可能な
隙間の大きさδを規制している。
【0023】次に、電動モータは静止しており、上記入
力部材3aが静止状態であるにも拘らず、ウインドガラ
スを昇降させる方向の力が加わり、上記出力部材2aに
回転方向の力が加わった場合に就いて、図18により説
明する。この場合には、上記出力部材2aが図18の反
時計方向に回転するのに伴い、前記各係合凹部13、1
3の内側面と前記各係合凸部19、19の外側面とが当
接する以前、即ち、上記出力部材2aの回転が上記入力
部材3aに対しそのまま伝わる様になる以前に、上記各
転動体4、4が上記各カム面5a、5aと上記摩擦面6
aとの間に食い込む。しかも、この場合には、これら各
カム面5a、5aから上記各転動体4、4に、これら各
転動体4、4を上記各カム面5a、5aと上記摩擦面6
aとの間に食い込ませる方向の力が加わるのみである。
言い換えれば、上記各転動体4、4を上記各カム面5
a、5aの円周方向中央部に変位させる方向の力が作用
しない。尚、ばね21による力は、入力部材3aを回転
させる為に要する力に比べれば、極く僅かであり、この
場合には無視できる。この為、上記各転動体4、4が、
上記各カム面5a、5aと上記摩擦面6aとの間に食い
込んで、上記出力部材2aの回転を阻止する。この結
果、この出力部材2aがそれ以上回転する事がなくなっ
て、この出力部材2aの回転が上記入力部材3aに伝わ
る事がなくなる。上述の説明は、上記出力部材2aが反
時計方向に回転する場合に就いて述べたが、時計方向に
回転する場合も、回転方向が逆になる以外、同様に作用
する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】前述の様に構成し、上
述の様に作用する先発明のクラッチ装置の場合には、入
力部材3aと出力部材2aとの心合わせを行なわない
と、運転時に不快な振動が発生し、安定した動作を担保
できなくなる。この様な事情を考慮して、上記先発明の
クラッチ装置の場合には、各係合凸部19、19の内接
円の直径と、各係合凹部13、13の底部同士を結ぶ円
の直径とを規制して、上記各係合凸部19、19の内周
側面を上記各係合凹部13、13の底部に近接させる事
により、上記入力部材3aと上記出力部材2aとの心合
わせ行なっている。但し、外輪1aと、上記入力部材3
a及び出力部材2aとの心合わせは行なっていない。
【0025】この為、クラッチ装置単体では、上記外輪
1aと上記入力部材3a及び出力部材2aとの心合わせ
ができないだけでなく、これら入力部材3aと上記出力
部材2aとの心合わせを厳密に行なう事は難しく、ウイ
ンドレギュレータ等にクラッチ装置を組み込む作業を、
上記両部材3a、2a同士の心合わせ、並びにこれら両
部材3a、2aと上記外輪1aとの心合わせを考慮しつ
つ行なう必要がある。この為、クラッチ装置の組み付け
作業が面倒になる事が避けられない。この様な事情は、
前述の図5に示した従来構造の場合も同様である。本発
明は、この様な事情に鑑みて、単体で入力部材と出力部
材との心合わせを確実に行えるクラッチ装置を実現すべ
く発明したものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のクラッチ装置
は、前述した従来の、或は先発明のクラッチ装置と同様
に、内周面を円筒面状の摩擦面とした固定の外輪と、こ
の外輪の内側にこの外輪と同心に且つ回転自在に支持さ
れた出力部材と、円周方向に関して間欠的に設けられ、
上記外輪の内周面とこの出力部材の外周面との間の環状
空間内に挿入された、複数の腕部を有する入力部材と、
この環状空間内で円周方向に隣り合う腕部同士の間に設
けられた複数個の転動体と、上記出力部材の外周面でこ
れら各転動体に対向する複数個所に形成された複数のカ
ム面とを備える。そして、上記入力部材の回転は、回転
方向に関係なく上記出力部材に伝達するが、この出力部
材の回転は、回転方向に関係なく上記入力部材に伝達し
ない。特に、本発明のクラッチ装置に於いては、上記外
輪を軸方向中間部に内嵌固定したハウジングと、このハ
ウジングの軸方向一端部内周面と上記出力部材の一部外
周面との間に設けられて、この出力部材を上記ハウジン
グと同心に且つ回転自在に支持する第一の軸受と、上記
ハウジングの軸方向他端部内周面と上記入力部材の一部
外周面との間に設けられてこの入力部材を上記ハウジン
グと同心に且つ回転自在に支持する第二の軸受とを備え
る。
【0027】
【作用】上述の様に構成する本発明のクラッチ装置が、
入力部材から出力部材にのみ回転を伝達する際の作用
は、前述した従来の、或は先発明のクラッチ装置と同様
である。特に、本発明のクラッチ装置の場合には、上記
入力部材と上記出力部材とが、第一、第二の軸受とハウ
ジングとを介して互いに同心に支持された状態となる。
この為、クラッチ装置の組み付け作業時に上記入力部材
と出力部材との心合わせに就いて考慮する必要がなくな
り、上記クラッチ装置の組み付け作業を容易に行なえる
様になる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明のクラッチ装置の特
徴は、ハウジング30と、玉軸受31、31の如き転が
り軸受等の1対の軸受とを付加する事により、出力部材
2bと入力部材3bとを、クラッチ装置単体のまま、確
実に同心に支持する為の構造にある。その他の部分の構
造及び作用は、基本的には前述の図6〜18に示した先
発明に係る構造の場合と同様であるから、同等部分に関
する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、
本発明の特徴部分並びに新たに改良を施した部分を中心
に説明する。尚、図2〜3に示した例では、入力部材3
b側の係合凸部19a、19aと出力部材2b側の係合
凹部13a、13aとを3個所ずつ、それぞれ円周方向
等間隔位置に設けており、前述した先発明の場合よりも
少なくしている。但し、上記各部19a、13aの数は
設計的に定めるものであって、本発明の本質には関係し
ない。
【0029】上記ハウジング30は、S10C程度の軟
鋼製の素材に削り加工を施す事により、全体を円筒状に
形成しており、中間部内周面に小径部32を、両端部内
周面に大径部33、33を、それぞれ全周に亙って、互
いに同心に形成している。そして、このうちの小径部3
2に、クラッチ本体34を構成する外輪1aを、20〜
60μm程度の締め代を持たせて、内嵌固定している。
尚、上記クラッチ本体34の基本構成は、前述の図6〜
18に示した先発明に係るクラッチ装置の構成と同様で
ある。
【0030】これに対して、上記各大径部33、33に
は、上記各玉軸受31、31を構成する軸受用外輪35
を、適切な締め代を持たせて内嵌固定している。又、請
求項に記載した第一の軸受に相当する一方(図1の右
方)の玉軸受31を構成する軸受用内輪36を、上記出
力部材2bを構成する出力軸12に、適切な締め代を持
たせて外嵌固定している。更に、請求項に記載した第二
の軸受に相当する他方(図1の左方)の玉軸受31を構
成する軸受用内輪36を、上記入力部材3bを構成する
入力軸16に、適切な締め代を持たせて外嵌固定してい
る。
【0031】上述の様な構成により、上記出力部材2b
と上記入力部材3bとが、上記各玉軸受31、31と前
記ハウジング30とを介して互いに同心に支持された状
態となる。この為、クラッチ装置の組み付け作業時に上
記出力部材2bと入力部材3bとの心合わせに就いて考
慮する必要がなくなり、上記クラッチ装置の組み付け作
業を容易に行なえる様になる。
【0032】尚、上記各玉軸受31、31は、両端開口
部にそれぞれシールリング37、37を設けたものとし
て、上記軸受用外輪35の内周面と上記軸受用内輪36
の外周面との間で玉38、38を設置した空間内に封入
したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、外
部に浮遊する異物がこの空間内に侵入するのを防止して
いる。この様な上記各玉軸受31、31の軸受用外輪3
5及び軸受用内輪36を、上述の様にハウジング30と
出力軸12又は入力軸16とに、それぞれ締め代を持た
せて嵌合しているので、前記クラッチ本体34も、外部
から遮断される。従って、このクラッチ本体34内に封
入したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、
外部に浮遊する異物が上記クラッチ本体34内に侵入す
るのを防止できる。
【0033】更に、図示の例では、上記クラッチ本体3
4の構成各部の寸法を適正に規制して、このクラッチ本
体34の動作の確実性と耐久性とを確保している。この
点に就いて、図2〜3により説明する。先ず、図2には
出力部材2bを、実線イと鎖線ロとで表しているが、こ
のうちの鎖線ロは、この出力部材2bと入力部材3bと
の回転方向に関する位相を中立位置、即ち、入力部材3
b側の係合凸部19a、19aを出力部材2b側の係合
凹部13a、13aの中央部に位置させた状態を示して
いる。これに対して実線イは、上記入力部材3bが停止
した状態のまま上記出力部材2bが時計方向に回動し、
転動体4が外輪1aの内周面である摩擦面6aとカム面
5aとの間に食い込んだ状態を示している。又、図2に
は、ばね21の弾性押圧片25、25を、実線ハと鎖線
ニとで表しているが、このうちの実線ハは、上記出力部
材2bと上記入力部材3bとの回転方向に関する位相が
中立位置にあり、且つ、互いに対向する1対の弾性押圧
片25、25同士の間に上記転動体4が挟持された状態
を示している。又、鎖線ニは、この転動体4を除いた、
上記各弾性押圧片25、25の自由状態を示している。
【0034】先ず、上記鎖線ロに示した状態で、上記各
係合凸部19a、19aの回転方向に関する両側面と上
記各係合凹部13a、13aの両内側面との間には、そ
れぞれ隙間39、39が存在するが、上記鎖線ロで示し
た中立状態では、これら両隙間39、39の幅は互いに
等しい。この状態から、上記入力部材3bを停止した状
態のまま、上記出力部材2bを何れかの方向に回転さ
せ、何れかの隙間39が消失する(係合凸部19の何れ
かの側面と上記係合凹部13の何れかの内側面とが当接
する)までにこの出力部材2bが回転可能な角度αを、
例えば7度としている。実際の場合には、上記入力部材
3bを停止した状態のまま上記出力部材2bを何れかの
方向に回転させると、上記何れかの隙間39が消失する
以前に、上記実線イの状態となり、上記転動体4が上記
摩擦面6aと上記カム面5aとの間に食い込む(ロック
する)。この様に、上記鎖線ロで示した中立状態から上
記実線イで示した上記転動体4のロック状態までに上記
出力部材2bが回転する角度βを、例えば4.5度とし
ている。更に、上記中立状態での、上記各弾性押圧片2
5、25のそれぞれの自由状態に対する弾性変形量を上
記各部材2b、3bの回転中心に関する変位として表し
た角度(初期撓み角度)γを、例えば2度としている。
【0035】上記各部の角度α、β、γは、前記各押圧
片25、25に「α−β+γ」なる撓み量を与えた状態
で、上記転動体4が上記摩擦面6aと上記カム面5aと
の間に軽い力で押圧される様にすべく、上記各押圧片2
5、25のばね常数との関係で規制している。具体的に
は、上記各押圧片25、25に「α−β+γ」なる撓み
量を与えた状態で、これら各押圧片25、25が上記転
動体4を円周方向に押圧する力が、これら各押圧片2
5、25毎に、1[N]程度の小さな値(例えば5
[N]以下、更に好ましくは3[N]以下)となる様に
規制している。上記各部の角度α、β、γを上述の様に
規制する事により、上記入力部材3bから上記出力部材
2bへの回転伝達時に、上記転動体4が上記摩擦面6a
と上記カム面5aとの間に食い込む事を防止して、上記
入力部材3bから上記出力部材2bへの回転伝達を確実
に、且つ大きな抵抗を受ける事なく(クラッチ本体34
の回転トルクを大きくする事なく)行なえる様にしてい
る。この点に就いて、図3により説明する。
【0036】上記入力部材3bの回転を上記出力部材2
bに伝達する場合には、この入力部材3bが、例えば図
3の反時計方向に回転する。そして、この入力部材3b
側に設けた前記各係合凸部19a、19aが、上記出力
部材2b側に設けた、前記各係合凹部13a、13aの
円周方向端部にまで変位する。そして、これら各係合凹
部13a、13aの内側面と上記各係合凸部19a、1
9aの外側面とが当接(係合部が係合)して、上記入力
部材3bの回転が上記出力部材2bにそのまま伝わる状
態となり、この出力部材2bがこの入力部材3bと同方
向に同速で回転する。
【0037】上述の様に上記各係合凸部19a、19a
の外側面と上記各係合凹部13a、13aの内側面とが
当接するまで、上記出力部材2bに対し上記入力部材3
bが少しだけ回転するのに伴って、上記転動体4は、図
3に示す様に、上記出力部材2bの外周面に設けた前記
カム面5aの円周方向中央位置よりも、上記入力部材3
bの回転方向前方(図3の左方)に少しだけ移動する。
この結果、上記転動体4は、上記カム面5aの両端凸曲
面部14に案内されて、上記出力部材2bの直径方向外
方に変位する。そして、上記入力部材3bが上記出力部
材2bに対し、前記角度β分だけ回転した状態で、上記
転動体4の転動面が、前記外輪1aの摩擦面6aと上記
カム面5aとの両方に当接する。
【0038】上記各係合凹部13a、13aの内側面と
上記各係合凸部19a、19aの外側面とが当接するま
でに上記入力部材3bが上記出力部材2bに対し、前記
角度α分回動するので、この入力部材3bから出力部材
2bへの回転伝達時に前記各押圧片25、25のうち、
回転方向後方(図3の右方)に位置する押圧片25は、
初期撓み量である角度γに、上記両角度α、βの差を合
わせた分(α−β+γ)だけ撓む事になる。そして、上
記入力部材3bから出力部材2bへの回転伝達時に上記
押圧片25が上記転動体4を、上記「α−β+γ」なる
撓み量に見合う弾力で、上記外輪1aの摩擦面6aと上
記カム面5aとに押し続ける。
【0039】この様に上記押圧片25の弾力に基づき、
上記転動体4の転動面と上記外輪1aの摩擦面6aとが
当接した状態で、上記入力部材3b及び出力部材2bが
同方向に回転すると、上記転動体4は、上記カム面5a
の中央部である中央凹曲面部15側に変位する傾向にな
る。即ち、上記転動体4の転動面と上記外輪1aの摩擦
面6aとが当接した状態で、上記入力部材3b及び出力
部材2bが同方向に回転すると、上記転動体4は、その
転動面と上記摩擦面6aとを摺動摩擦させつつ、そのま
まの位置に留まろうとする。これに対して上記カム面5
aを形成した上記出力部材2bは、図3の反時計方向に
回転するので、上記転動体4は、この転動体25の回転
方向後方に存在する弾性押圧片25の圧縮量を増大させ
つつ、上記出力部材2bに対して、回転方向後方に変位
する。従って、この転動体4が上記カム面5aと上記摩
擦面6aとの間に噛み込まれる事はない。この結果、上
記転動体4が、上記カム面5aと上記摩擦面6aとの距
離が大きい部分に移動して、この部分で転動する。この
状態では、上記外輪1aの内側で上記入力部材3b及び
出力部材2bが回転自在な状態となり、この入力部材3
bから出力部材2bへの回転伝達を行なえる。
【0040】この様にして上記入力部材3bから上記出
力部材2bへの回転伝達を行なう際に、上記転動体4の
転動面と上記外輪1aの摩擦面6aとは摺動摩擦する。
この摺動摩擦の程度(摩擦部の面圧)は、上記転動体4
を押圧する上記弾性押圧片25の弾力に比例したものと
なるが、この弾力は、前述した通り、例えば1[N]程
度の小さなものである。従って、上記摩擦部の面圧は低
く、上記転動体4の転動面と上記外輪1aの内周面との
摩擦摺動部で発生する摩擦熱は低く抑えられる。従っ
て、前記クラッチ本体34内に封入するグリースとし
て、特に優れた耐熱性を有する高価なものを使用しなく
ても、このグリースの耐久性を十分に確保できる。逆に
言えば、上記弾性押圧片25に「α−β+γ」なる撓み
量を与えた場合に於ける弾力を(例えば5[N]を越え
る程)大きくし過ぎると、上記グリースが早期に劣化し
て、上記クラッチ本体34の耐久性確保が難しくなる。
【0041】尚、上述の説明から明らかな様に、構成各
部の寸法を適正に規制して、上記クラッチ本体34の動
作の確実性を確保する技術は、必ずしも本発明の様に、
出力部材2bと入力部材3bとの同心性を玉軸受31、
31により担保する構造に限定されずに実施できる。言
い換えれば、図2〜3に示す様に各部の角度α、β、γ
を規制して動作の確実性を確保すると共に摩擦熱の発生
を抑えて耐久性の向上を図る技術は、前述の図6〜18
に示した様な、先発明と組み合わせて実施する事もでき
る。
【0042】次に、図4は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、1対の玉軸受31、
31とクラッチ本体34aとを内嵌する為のハウジング
30aを単なる円筒状に形成して、コスト低減を図って
いる。即ち、このハウジング30aの外周面だけでなく
内周面も単なる円筒面状に形成して、このハウジング3
0aを、SPCCの如き軟鋼板性の素材にプレス加工を
施す事により、容易に造れる様にしている。
【0043】又、上記クラッチ本体34aを構成する外
輪1bの両端部に形成した1対の鍔部11a´、11b
のうち、転動体4、4及び出力部材2bの端面に対向す
る鍔部11a´の内径R11を、上述した第1例の場合よ
りも大きくしている。そして、この内径R11を、上記鍔
部11a´が対向する玉軸受31を構成する軸受用内輪
36の端面の外径D36よりも大きく(R11>D36)して
いる。各寸法をこの様に規制している為、クラッチ装置
の組立時に、上記鍔部11a´の外側面と上記玉軸受3
1を構成する軸受用外輪35の端面とが突き当たる事が
あっても、この鍔部11a´の外側面と上記軸受用内輪
36の端面とが接触する事はない。この為、クラッチ装
置の運転時に相対回転する、上記鍔部11a´の外側面
と上記軸受用内輪36の端面とが擦れ合う事を防止し
て、上記クラッチ装置の回転トルク(摩擦損失)が大き
くなったり、或は運転時に発生する摩擦熱が大きくなっ
たりする事を防止できる。但し、上記鍔部11a´の内
径R11は、上記出力部材2bの最大外径よりも小さくし
て、クラッチ本体34aを組立後、クラッチ装置の組立
以前に、このクラッチ本体34aの構成部材同士が分離
しない様にして、このクラッチ装置34aの取り扱い性
の確保とクラッチ装置の組立作業の容易化とを図ってい
る。
【0044】更に、本例の場合には、上記出力部材2b
に対し一体に結合した出力軸12aの先端部にセレーシ
ョン部40を形成して、このセレーション部40によ
り、上記出力軸12aと被駆動部材とを、回転力の伝達
自在に結合できる様にしている。この為、出力軸と被駆
動部材とを締め代を持たせた嵌合により結合する、前述
した第1例の場合に比べて、上記出力軸12aと被駆動
部材との間で大きな回転力の伝達が可能になる。その他
の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である
から、重複する説明は省略する。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、クラッチ装置を各種機械装置の動力伝達部
に組み付ける際に、入力部材と出力部材とを同心に配置
する為の配慮が不要になる。この為、上記クラッチ装置
を組み込んだ各種機械装置の組立作業の能率化により、
この各種機械装置のコスト低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】入力部材と出力部材との間で動力を伝達しない
状態を示す、図1の拡大A−A断面図。
【図3】同じく動力を伝達する状態で示す、図2と同様
の図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図5】従来構造の1例を示す断面図。
【図6】先発明の実施の形態の1例を、組み立てた状態
で示す断面図。
【図7】出力部材を取り出して示す断面図。
【図8】図7の左方から見た図。
【図9】図8のB部拡大図。
【図10】入力部材を取り出して示す断面図。
【図11】図10の右方から見た図。
【図12】図10のC部拡大図。
【図13】図10の左方から見た図。
【図14】転動体を押圧する為のばねの斜視図。
【図15】図14のD矢視図。
【図16】同E矢視図。
【図17】入力部材から出力部材に動力を伝達する状態
で示す、図6の拡大F−F断面図。
【図18】出力部材が回転する傾向になりロックした状
態を示す、図17と同様の図。
【符号の説明】
1、1a、1b 外輪 2、2a、2b 出力部材 3、3a、3b 入力部材 4 転動体 5、5a カム面 6、6a 摩擦面 7 腕部 8 環状空間 9 傾斜面 10 クラッチ装置 11a、11a´、11b 鍔部 12、12a 出力軸 13、13a 係合凹部 14 両端凸曲面部 15 中央凹曲面部 16 入力軸 17 基板部 18 腕部 19、19a 係合凸部 20 ポケット 21 ばね 22 係止突起 23 基部 24 係合孔 25 弾性押圧片 26 基板部 27 折れ曲り板部 28 係止部 29 凸部 30、30a ハウジング 31 玉軸受 32 小径部 33 大径部 34、34a クラッチ本体 35 軸受用外輪 36 軸受用内輪 37 シールリング 38 玉 39 隙間 40 セレーション部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面を円筒面状の摩擦面とした固定の
    外輪と、この外輪の内側にこの外輪と同心に且つ回転自
    在に支持された出力部材と、円周方向に関して間欠的に
    設けられ、上記外輪の内周面とこの出力部材の外周面と
    の間の環状空間内に挿入された、複数の腕部を有する入
    力部材と、この環状空間内で円周方向に隣り合う腕部同
    士の間に設けられた複数個の転動体と、上記出力部材の
    外周面でこれら各転動体に対向する複数個所に形成され
    た複数のカム面とを備え、上記入力部材の回転は、回転
    方向に関係なく上記出力部材に伝達するが、この出力部
    材の回転は、回転方向に関係なく上記入力部材に伝達し
    ないクラッチ装置に於いて、上記外輪を軸方向中間部に
    内嵌固定したハウジングと、このハウジングの軸方向一
    端部内周面と上記出力部材の一部外周面との間に設けら
    れて、この出力部材を上記ハウジングと同心に且つ回転
    自在に支持する第一の軸受と、上記ハウジングの軸方向
    他端部内周面と上記入力部材の一部外周面との間に設け
    られてこの入力部材を上記ハウジングと同心に且つ回転
    自在に支持する第二の軸受とを備える事を特徴とするク
    ラッチ装置。
  2. 【請求項2】 出力部材と入力部材との間に、これら両
    部材同士が回転方向に関して所定角度相対変位した状態
    で互いに係合し、上記入力部材の回転を上記出力部材に
    伝達自在とする係合部を設けると共に、このうちの入力
    部材が回転する場合には、この係合部の係合に基づいて
    この入力部材の回転が上記出力部材に伝達されると共
    に、各転動体が各カム面と摩擦面との間で転動自在とな
    り、上記入力部材に対して上記出力部材が回転する傾向
    になった場合には、上記係合部が係合する以前に上記各
    転動体が上記各カム面と上記摩擦面との間に食い込ん
    で、外輪に対し上記出力部材が回転不能となる、請求項
    1に記載したクラッチ装置。
  3. 【請求項3】 各カム面は、それぞれの円周方向中央部
    が最も直径方向内方に位置し、それぞれの円周方向両端
    部程直径方向外方に位置する方向に傾斜した形状を有す
    るものであり、各腕部の円周方向両側面と各転動体との
    間にそれぞれ弾性部材が設けられて、これら各転動体が
    円周方向に隣り合う腕部同士の中央位置に向け弾性的に
    押圧されている、請求項2に記載したクラッチ装置。
  4. 【請求項4】 出力部材と入力部材との回転方向に関す
    る位相を中立位置とした状態から係合部が係合するまで
    これら両部材を相対回転させる角度をαとし、この中立
    位置とした状態から上記出力部材を回転させ、各転動体
    の転動面が各カム面及び摩擦面に当接するまでに上記出
    力部材が回転する角度をβとし、上記中立位置とした状
    態での各弾性部材の弾性変形量を上記出力部材及び入力
    部材の回転中心に関する変位として表した角度をγとし
    た場合に、上記各弾性部材にα−β+γなる撓み量を与
    えた状態で、上記各弾性部材が上記各転動体を上記各カ
    ム面と上記摩擦面との間に押圧する力を5N以下に抑え
    るべく、上記各弾性部材のばね常数を規制している、請
    求項3に記載したクラッチ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007100832A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Ntn Corp 逆入力防止クラッチ
JP2010221959A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Aisin Seiki Co Ltd 車両用サンシェード装置

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