JP2002128566A - 炭化ケイ素焼結体及び電極 - Google Patents

炭化ケイ素焼結体及び電極

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JP2002128566A
JP2002128566A JP2000315544A JP2000315544A JP2002128566A JP 2002128566 A JP2002128566 A JP 2002128566A JP 2000315544 A JP2000315544 A JP 2000315544A JP 2000315544 A JP2000315544 A JP 2000315544A JP 2002128566 A JP2002128566 A JP 2002128566A
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carbide sintered
electrode
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Fumio Odaka
文雄 小高
Keichi Takahashi
佳智 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度、高純度で、適度の体積抵抗率を有す
る炭化ケイ素焼結体及び電極の提供。 【解決手段】 周期律表における1族から16族元素に
属し、原子番号3以上の元素(但し、原子番号5〜8及
び同14の元素を除く)の総含有量が、10ppm以下
であり、かつ、体積抵抗率が100〜103Ω・cmであ
ることを特徴とする炭化ケイ素焼結体である。ボロン化
合物を、ボロン換算で100〜1000ppm配合して
得た態様、密度が2.9g/cm3以上である態様、電
極として用いられる態様等が好ましい。また周期律表に
おける1族から16族元素に属し、原子番号3以上の元
素(但し、原子番号5〜8及び同14の元素を除く)の
総含有量が、10ppm以下であり、かつ、体積抵抗率
が100〜103Ω・cmの炭化ケイ素焼結体からなるこ
とを特徴とする電極である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高密度、高純度で
あり、かつ、適度の体積抵抗率を有する炭化ケイ素焼結
体、及び、電源が高周波の場合に好適に使用可能な電極
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体ウエハの表面処理には、量
産性・信頼性等の点で、ドライエッチング法が採用され
ている。該ドライエッチング法の中でも、プラズマエッ
チング法においては、プラズマを発生させる放電用電極
として、黒鉛やアルミナ等が使用されているが、該黒鉛
やアルミナ等は、エッチングガスである塩素ガスやフッ
素ガス等に侵され易い。このため、該黒鉛やアルミナ等
に代替するものとして、炭化ケイ素を材料とした炭化ケ
イ素焼結体が使用され始めている。
【0003】しかし、従来の炭化ケイ素を用いて密度の
高い炭化ケイ素焼結体を得るには、ボロン、アルミニウ
ム等の焼結助剤を1%程度含有させることが必要であっ
た。このため、炭化ケイ素焼結体の体積抵抗率が106
Ω・cm程度と高く、導電性を備えた電極を得るには、
更に、導電性物質であるTi、Ta、Zr等の化合物を
数%程度含有させる必要があり、純度が要求される半導
体関連製造装置への使用において問題があった。また、
粒成長を抑制するため、更に炭素の配合も必要となり問
題があった。
【0004】一方、近年の技術動向により、電源が高周
波の場合に適切な、100〜103Ω・cm程度の体積抵
抗率を有する電極が強く要請されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる要請
に応え、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的
を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高密
度、高純度であり、かつ、適度の体積抵抗率を有する炭
化ケイ素焼結体、及び、電源が高周波の場合に好適に使
用可能な電極を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 周期律表における1族から16族元素に属し、
原子番号3以上の元素(但し、原子番号5〜8及び同1
4の元素を除く)の総含有量が、10ppm以下であ
り、かつ、体積抵抗率が100〜103Ω・cmであるこ
とを特徴とする炭化ケイ素焼結体である。 <2> ボロン化合物を、ボロン換算で100〜100
0ppm配合し得られた前記<1>に記載の炭化ケイ素
焼結体である。 <3> 密度が2.9g/cm3以上である前記<1>
又は<2>に記載の炭化ケイ素焼結体である。
【0007】<4> 電極として用いられる前記<1>
から<3>のいずれかに記載の炭化ケイ素焼結体であ
る。 <5> 炭化ケイ素粉末とボロン化合物と非金属系焼結
助剤とを含む混合物を、2000〜2400℃、圧力3
00〜700kgf/cm2、非酸化雰囲気下でホット
プレスすることにより得られる前記<1>から<4>の
いずれかに記載の炭化ケイ素焼結体である。
【0008】<6> 炭化ケイ素粉末とボロン化合物と
非金属系焼結助剤とを含む混合物を、成形金型内で80
〜300℃、5〜60分間加熱して成形体を得た後、該
成形体を、2000〜2400℃、圧力300〜700
kgf/cm2、非酸化雰囲気下でホットプレスするこ
とにより得られる前記<1>から<5>のいずれかに記
載の炭化ケイ素焼結体である。 <7> 周期律表における1族から16族元素に属し、
原子番号3以上の元素(但し、原子番号5〜8及び同1
4の元素を除く)の総含有量が、10ppm以下であ
り、かつ、体積抵抗率が100〜103Ω・cmの炭化ケ
イ素焼結体からなることを特徴とする電極である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の炭化ケイ素焼結体及び電極は、周期律表におけ
る1族から16族元素に属し、原子番号3以上の元素
(但し、原子番号5〜8及び同14の元素を除く)の総
含有量が、10ppm以下であり、かつ、体積抵抗率が
100〜103Ω・cmである。
【0010】前記炭化ケイ素焼結体の体積抵抗率として
は、100〜101Ω・cmが好ましい。前記体積抵抗率
が、100Ω・cm未満であると、抵抗が小さく、導電
性が高過ぎ、電源が高周波である場合等に抵抗特性が好
ましくなく、一方、103Ω・cmを超えると、抵抗が
大きく導電性が低過ぎ、放電加工等が困難である。尚、
前記体積抵抗率は、4端子4探針式(ロレスターGp、
三菱化学(株))で測定した。
【0011】前記炭化ケイ素焼結体における不純物の総
含有量、即ち、周期律表における1族から16族元素に
属し、原子番号3以上の元素(但し、原子番号5〜8及
び同14の元素を除く)の総含有量としては、5ppm
以下が好ましい。前記不純物元素の総含有量が、10p
pmを超えると、使用時に不純物が溶出し、特に、高純
度が要求される半導体関連製造装置用の部材として好ま
しくない。尚、前記不純物元素の総含有量は、ICP−
MS等により、公知の方法で測定することができる。
【0012】前記炭化ケイ素焼結体は、ボロン化合物
を、ボロン換算で100〜1000ppm配合して得ら
れたのが好ましく、200〜900ppm配合して得ら
れたのがより好ましい。前記配合量(ボロン換算)が、
100ppm未満であると、得られる炭化ケイ素焼結体
の体積抵抗率(Ω・cm)が低く、導電性が高過ぎる一
方、1000ppmを超えると、炭化ケイ素焼結体の体
積抵抗率(Ω・cm)が高いため導電性が低く、また純
度が低くなるため好ましくない。尚、前記ボロン化合物
の、前記炭化ケイ素焼結体における含有量は、グロー放
電質量分析計等により、測定することができる。
【0013】前記ボロン化合物としては、例えば、分散
性、取り扱い性の点で、BN、B23等が好適に挙げら
れる。
【0014】前記炭化ケイ素焼結体の密度としては、
2.9g/cm3以上が好ましく、3.0g/cm3以上
がより好ましい。前記密度が2.9g/cm3未満であ
ると、炭化ケイ素焼結体の曲げ強度、破壊強度等の力学
的特性が低下し、該炭化ケイ素焼結体が破損し易くなる
ことがある。また、該炭化ケイ素焼結体を電極として用
いる場合、焼結・融着が不充分で充分に通電できないこ
とがある。
【0015】但し、前記炭化ケイ素焼結体を電極として
用いる場合、前記密度としては、電極材の用途・目的に
応じ、以下のように好ましい数値範囲が異なる。即ち、
充分な曲げ強度、破壊強度等の力学的物性を有すること
が必要とされ、パーティクル汚染等の低減が必要とされ
る場合には、前記密度としては、2.9g/cm3以上
が好ましい。一方、大きな電流密度が必要とされる場合
には、該密度としては、1.4〜2.9g/cm3が好
ましい。尚、大きな電流密度が必要とされる場合には、
多孔質体の炭化ケイ素焼結体として用いることも可能で
ある。
【0016】−炭化ケイ素焼結体の製造− 本発明の炭化ケイ素焼結体は、例えば、炭化ケイ素粉末
と、ボロン化合物と、非金属系焼結助剤と、の混合物を
直接、又は該混合物を成形金型内で100〜150℃、
5〜60分間加熱して成形体を得た後、該成形体を、2
000〜2400℃で焼結する工程(以下「炭化ケイ素
焼結体製造工程」ということがある)により製造するこ
とができる。
【0017】−−炭化ケイ素粉末−− 前記炭化ケイ素粉末は、少なくとも1種の液状のケイ素
化合物を含むケイ素源と、少なくとも1種の液状の有機
化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、を均質に
混合して得られた固形物を、非酸化性雰囲気下で焼成す
る工程(以下「炭化ケイ素粉末製造工程」ということが
ある)により好適に得られる。
【0018】本発明においては、前記炭化ケイ素焼結体
が窒素を含有していてもよく、該炭化ケイ素焼結体に窒
素を導入するには、例えば、前記炭化ケイ素粉末製造工
程において、ケイ素源と炭素源と共に少なくとも1種の
窒素源を添加するか、あるいは、前記炭化ケイ素焼結体
製造工程において、前記非金属系焼結助剤と共に前記窒
素源を添加すればよい。
【0019】前記窒素源として用いられる物質として
は、加熱により窒素を発生する物質が好ましく、例え
ば、ポリイミド樹脂及びその前駆体、ヘキサメチレンテ
トラミン、アンモニア、トリエチルアミン等の各種アミ
ン類が挙げられる。前記窒素源の添加量としては、前記
炭化ケイ素粉末製造工程において、ケイ素源と同時に添
加する場合には、該ケイ素源1gに対し、80〜100
0μgである。また、後述する炭化ケイ素粉末から炭化
ケイ素焼結体を製造する工程おいて、前記非金属系焼結
助剤と共に添加する場合には、該非金属系焼結助剤1g
に対し、200〜2000μgであり、1500〜20
00μgが好ましい。
【0020】前記炭化ケイ素粉末製造工程について説明
する。前記炭化ケイ素粉末は、α型、β型、非晶質或い
はこれらの混合物等が挙げられ、特にβ型炭化ケイ素粉
末が好適に使用される。本発明の炭化ケイ素焼結体にお
いては、炭化ケイ素成分全体のうち、β型炭化ケイ素の
占める割合が70%以上であることが好ましく、80%
以上がより好ましく、100%β型炭化ケイ素であって
もよい。したがって、原料となる炭化ケイ素粉末のう
ち、β型炭化ケイ素粉末の配合量は60%以上が好まし
く、65%以上がより好ましい。
【0021】前記β型炭化ケイ素粉末のグレードとして
は、特に制限はなく、例えば、一般に市販されているβ
型炭化ケイ素粉末を用いることができる。この炭化ケイ
素粉末の粒径としては、高密度化の観点からは小さいこ
とが好ましく、0.01〜10μm程度が好ましく、
0.05〜1μm程度がより好ましい。前記粒径が、
0.01μm未満であると、計量、混合などの処理工程
における取扱が困難となることがあり、10μmを超え
ると、比表面積が小さく、即ち隣接する粉体との接触面
積が小さくなり、高密度化が困難となることがある。
【0022】前記炭化ケイ素粉末の好適な態様として
は、粒径が0.05〜1μmであり、比表面積が5m2
/g以上であり、遊離炭素1%以下であり、酸素含有量
が1%以下であるのが好ましい。また、用いられる炭化
ケイ素粉末の粒度分布としては、特に制限はなく、炭化
ケイ素焼結体の製造時において、粉体の充填密度を向上
させること及び炭化ケイ素の反応性の観点から、2つ以
上の極大値を有するものも使用することができる。な
お、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るためには、原料の
炭化ケイ素粉末として、高純度の炭化ケイ素粉末を用い
ればよい。
【0023】前記高純度の炭化ケイ素粉末は、例えば、
少なくとも1種の液状のケイ素化合物を含むケイ素源
と、加熱により炭素を生成する少なくとも1種の液状の
有機化合物を含む炭素源と、重合又は架橋触媒と、所望
により窒素源と、を均質に混合して得られた固形物を非
酸化性雰囲気下で焼成する焼成工程を含む製造方法によ
り得ることが好適である。
【0024】前記ケイ素化合物を含むケイ素源(以下
「ケイ素源」ということがある。)としては、液状のも
のと固体のものとを併用することができるが、少なくと
も一種は液状のものから選ぶことが必要である。前記液
状のものとしては、アルコキシシラン(モノ−、ジ−、
トリ−、テトラ−)及びテトラアルコキシシランの重合
体が用いられる。前記アルコキシシランの中でも、テト
ラアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、メ
トキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン、ブ
トキシシラン等が好適に用いられ、ハンドリングの点で
エトキシシランが特に好適に用いられる。前記テトラア
ルコキシシランの重合体としては、重合度が2〜15程
度の低分子量重合体(オリゴマー)及び更に重合度が高
いケイ酸ポリマーで液状のものが挙げられる。これらと
併用可能な固体状のものとしては、酸化ケイ素が挙げら
れる。前記酸化ケイ素には、SiOの外、シリカゾル
(コロイド状超微細シリカ含有液、内部にOH基やアル
コキシル基を含む)、二酸化ケイ素(シリカゲル、微細
シリカ、石英粉体)等が含まれる。
【0025】前記ケイ素源の中でも、均質性やハンドリ
ング性が良好な点で、テトラエトキシシランのオリゴマ
ー及びテトラエトキシシランのオリゴマーと微粉体シリ
カとの混合物等が好ましい。また、これらのケイ素源
は、高純度の物質が用いられ、初期の不純物含有量が2
0ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であ
ることがより好ましい。
【0026】前記加熱により炭素を生成する有機化合物
を含む炭素源(以下「炭素源」ということがある。)と
しては、液状のものを単独で使用してもよいし、液状の
ものと固体のものとを併用してもよく、残炭率が高く、
かつ触媒若しくは加熱により重合又は架橋する有機化合
物、具体的には、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイ
ミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール等の樹脂の
モノマーやプレポリマーなどが好ましく、その他、セル
ロース、蔗糖、ピッチ、タール等の液状物も用いられ、
特にレゾール型フェノール樹脂が好ましい。また、その
純度は目的により適宜制御可能であるが、特に高純度の
炭化ケイ素粉末が必要な場合には、各金属を5ppm以
上含有していない有機化合物を用いることが好ましい。
【0027】前記高純度の炭化ケイ素粉末の製造におい
て、炭素とケイ素との比(以下「C/Si」比と略記す
る。)は、混合物を1000℃にて炭化して得られる炭
化物中間体を、元素分析することにより定義される。化
学量論的には、C/Si比が3.0の時に生成炭化ケイ
素中の遊離炭素が0%となるはずであるが、実際には同
時に生成するSiOガスの揮散により低C/Si比にお
いて遊離炭素が発生する。この生成炭化ケイ素粉体中の
遊離炭素量が焼結体等の製造用途に適当でない量になら
ないように予め配合を決定することが重要である。通
常、1気圧近傍で1600℃以上での焼成では、C/S
i比を2.0〜2.5にすると遊離炭素を抑制すること
ができ、この範囲が好ましいと言える。前記C/Si比
が、2.5を超えると、遊離炭素が顕著に増加するが、
この遊離炭素は粒成長を抑制する効果を持つため、粒子
形成の目的に応じて適宜選択してもよい。但し、雰囲気
の圧力を低圧又は高圧で焼成する場合は、純粋な炭化ケ
イ素を得るための前記C/Si比は変動するので、この
場合は必ずしも前記C/Si比の範囲に限定するもので
はない。
【0028】なお、遊離炭素の焼結の際の作用は、後述
する炭化ケイ素粉末の表面に被覆された非金属系焼結助
剤に由来する炭素によるものに比較して非常に弱いた
め、基本的には無視することができる。
【0029】前記ケイ素源と前記炭素源とを均質に混合
した固形物を得るために、ケイ素源と炭素源との混合物
を硬化させて混合固形物とすることも必要に応じて行わ
れる。前記硬化の方法としては、加熱により架橋する方
法、硬化触媒により硬化する方法、電子線や放射線によ
る方法、が挙げられる。前記硬化の際に用いられる触媒
としては、炭素源に応じて適宜選択できるが、フェノー
ル樹脂やフラン樹脂の場合には、トルエンスルホン酸、
トルエンカルボン酸、酢酸、しゅう酸、塩酸、硫酸、マ
レイン酸等の酸類、ヘキサミン等のアミン類等が挙げら
れる。
【0030】前記混合固形物は、必要に応じて加熱炭化
される。これは窒素又はアルゴン等の非酸化性雰囲気
中、800〜1000℃にて、30〜120分間、該固
形物を加熱することにより行われる。
【0031】前記加熱炭化された混合固形物を、更にア
ルゴン等の非酸化性雰囲気中、1350〜2000℃で
加熱することにより、炭化ケイ素が生成する。前記焼成
の温度と時間とは、希望する粒径等の特性に応じて適宜
選択できるが、より効率的な生成のためには1600〜
1900℃での焼成が好ましい。
【0032】前記高純度の炭化ケイ素粉末を、より高純
度化するには、前述の焼成時に2000〜2100℃に
て、5〜20分間、加熱処理を施すことにより不純物を
更に除去することができる。
【0033】特に高純度の炭化ケイ素粉末を製造する方
法としては、特願平7−241856号に記載された原
料粉体の製造方法、即ち、高純度のテトラアルコキシシ
ラン、テトラアルコキシシラン重合体から選択される1
種以上をケイ素源とし、加熱により炭素を生成する高純
度有機化合物を炭素源とし、これらを均質に混合して得
られた混合物を非酸化性雰囲気下において加熱焼成して
炭化ケイ素粉体を得る炭化ケイ素生成工程と、得られた
炭化ケイ素粉末を、1700以上2000℃未満の温度
に保持し、該温度の保持中に、2000〜2100℃に
おいて5〜20分間にわたり加熱する処理を少なくとも
1回行う後処理工程とを含み、前記2工程を行う製造方
法が挙げられる。この製造方法により、各不純物元素の
含有量が、0.5ppm以下である炭化ケイ素粉末が得
られる。
【0034】前記炭化ケイ素焼結体製造工程について説
明する。前記ボロン化合物としては、既に述べたのと同
様のボロン化合物がいずれも好適に挙げられる。該ボロ
ン化合物の配合量としては、前記炭化ケイ素粉末に対
し、ボロン換算で100〜1000ppmが好ましく、
200〜900ppmがより好ましい。
【0035】前記非金属系焼結助剤としては、加熱によ
り炭素を生成する物質が用いられ、加熱により炭素を生
成する有機化合物又はこれらで表面を被覆された炭化ケ
イ素粉末(粒径:0.01〜1μm程度)が挙げられ、
効果の観点からは前者が好ましい。
【0036】前記加熱により炭素を生成する有機化合物
としては、具体的には、残炭率の高いコールタールピッ
チ、ピッチタール、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノキシ樹脂やグルコース等の単糖類、蔗
糖等の少糖類、セルロース、デンプン等の多糖類などの
各種糖類が挙げられる。これらは炭化ケイ素粉末と均質
に混合するという目的から、常温で液状のもの、溶媒に
溶解するもの、熱可塑性或いは熱融解性のように加熱す
ることにより軟化するもの或いは液状となるものが好適
に用いられるが、なかでも、得られる成形体の強度が高
いフェノール樹脂、特に、レゾール型フェノール樹脂が
好適である。
【0037】前記加熱により炭素を生成する有機化合物
は、加熱されると粒子表面(近傍)においてカーボンブ
ラックやグラファイトの如き無機炭素系化合物を生成
し、焼結中に炭化ケイ素の表面酸化膜を効率的に除去す
る焼結助剤として有効に作用すると考えられる。なお、
カーボンブラックやグラファイト粉末を焼結助剤として
添加しても効果を得ることはできない。
【0038】前記非金属系焼結助剤は、前記炭化ケイ素
粉末との混合物を得る際に、溶媒に溶解又は分散させて
混合することが好ましい。前記溶媒は、前記非金属系焼
結助剤として使用する化合物に対して好適なもの、具体
的には、好適な加熱により炭素を生成する有機化合物で
あるフェノール樹脂に対しては、エチルアルコール等の
低級アルコール類やエチルエーテル、アセトン等を選択
することができる。また、この非金属系焼結助剤及び溶
媒についても不純物の含有量が低いものを使用すること
が好ましい。
【0039】前記非金属系焼結助剤の添加量としては、
少なすぎると焼結体の密度が上がらず、多過ぎると焼結
体に含まれる遊離炭素が増加するため高密度化を阻害す
る虞があるため、使用する非金属系焼結助剤の種類にも
よるが、生成するカーボンに換算して、10重量%以下
となるようにするのが好ましく、2〜8重量%となるよ
うにするのがより好ましい。この添加量は、予め炭化ケ
イ素粉末の表面のシリカ(酸化ケイ素)量をフッ酸を用
いて定量し、化学量論的にその還元に充分な量を計算す
ることにより決定することができる。
【0040】前記炭化ケイ素焼結体においては、炭化ケ
イ素焼結体中に含まれる炭化ケイ素に由来する炭素原子
及び非金属系焼結助剤に由来する炭素原子の合計が30
重量%を超え40重量%以下であることが好ましい。前
記含有量が、30重量%以下であると、焼結体に含まれ
る不純物の割合が多くなり、40重量%を超えると、炭
素含有量が多くなり得られる焼結体の密度が低下し、焼
結体の強度、耐酸化性等の諸特性が悪化するため好まし
くない。
【0041】前記炭化ケイ素焼結体製造工程において、
まず、前記炭化ケイ素粉末と、前記ボロン化合物と、前
記非金属系焼結助剤と、を均質に混合するが、上述のよ
うに、前記ボロン化合物、非金属系焼結助剤等をエチル
アルコール等の溶媒に溶解し、前記炭化ケイ素粉末と充
分に混合する。このとき、窒素源を添加する場合には、
前記非金属系焼結助剤等と共に添加することができる。
【0042】前記混合は、公知の混合手段、例えば、ミ
キサー、遊星ボールミルなどによって行うことができ
る。前記混合の時間としては、10〜30時間が好まし
く、16〜24時間がより好ましい。十分に混合した後
は、溶媒の物性に適合する温度、例えば、先に挙げたエ
チルアルコールの場合には50〜60℃で溶媒を除去
し、混合物を蒸発乾固させた後、篩にかけて混合物の原
料粉体を得る。なお、高純度化の観点からは、ボールミ
ル容器及びボールの材質を金属をなるべく含まない合成
樹脂にする必要がある。また、乾燥にあたっては、スプ
レードライヤーなどの造粒装置を用いてもよい。
【0043】前記焼結工程は、上述の通り、前記炭化ケ
イ素粉末を含む混合物を直接、又は後述する成形工程に
より得られた成形体を、2000〜2400℃、圧力3
00〜700kgf/cm2 、非酸化性雰囲気下で成形
金型中に配置し、ホットプレスする工程である。
【0044】前記成形金型は、得られる焼結体の純度の
観点から、成形体と金型の金属部とが直接接触しないよ
うに、型の一部又は全部に黒鉛製の材料を使用するか、
金型内にテフロン(登録商標)シート等を介在させるこ
とが好ましい。
【0045】前記ホットプレスの圧力としては、300
〜700kgf/cm2 程度であるが、400kgf/
cm2 以上の場合には、ホットプレスに使用する部品、
例えば、ダイス、パンチ等は、耐圧性の良好なものを選
択することが必要である。
【0046】前記焼結工程は、炭化ケイ素焼結体を製造
するためのホットプレスの前に、以下の条件で加熱、昇
温を行って不純物を十分に除去し、前記非金属系焼結助
剤を完全に炭化等させた後、前記ホットプレスを行うこ
とが好ましい。
【0047】前記焼結工程は、以下の2段階の昇温工程
を行うことが好ましい。まず、炉内を真空下、室温〜7
00℃に至るまで、緩やかに加熱する。ここで、高温炉
の温度制御が困難な場合には、700℃まで昇温を連続
的に行ってもよいが、好ましくは、炉内を10-4tor
rにして、室温〜200℃まで緩やかに昇温し、該温度
において一定時間保持する。その後、緩やかに昇温を続
け、700℃まで加熱する。更に、700℃前後の温度
にて一定時間保持する。この第1の昇温工程において、
吸着水分や有機溶媒の脱離が行われ、非金属系焼結助剤
の熱分解による炭化が行われる。200℃前後あるいは
700℃前後の温度に保持する時間は焼結体のサイズに
よって好適な範囲が選択される。保持時間が十分である
か否かは真空度の低下がある程度少なくなる時点を目安
にすることができる。この段階で急激な加熱を行うと、
不純物の除去や非金属系焼結助剤の炭化が十分に行われ
ず、成形体に亀裂や空孔を生じさせるおそれがある。
【0048】前記焼結工程として、1例を挙げれば、5
〜10g程度の試料に関しては、10-4torrにし
て、室温〜200℃まで緩やかに昇温し、該温度におい
て約30分間保持し、その後、緩やかに昇温を続け、7
00℃まで加熱するが、室温から700℃に至るまでの
時間は6〜10時間程度、好ましくは8時間前後であ
る。更に、700℃前後の温度にて2〜5時間程度保持
することが好ましい。
【0049】真空中で、更に700〜1500℃に至る
まで、前記の条件であれば6〜9時間ほどかけて昇温
し、1500℃で1〜5時間ほど保持する。この工程で
は二酸化ケイ素、酸化ケイ素の還元反応が行われると考
えられる。ケイ素と結合した酸素を除去するため、この
還元反応を十分に完結させることが重要であり、150
0℃の温度における保持時間は、この還元反応による副
生物である一酸化炭素の発生が完了するまで、即ち、真
空度の低下が少なくなり、還元反応開始前の温度である
1300℃付近における真空度に回復するまで、行うこ
とが必要である。この第2の昇温工程における還元反応
により、炭化ケイ素粉体表面に付着して緻密化を阻害
し、大粒成長の原因となる二酸化ケイ素が除去される。
この還元反応中に発生するSiO、COを含む気体は不
純物元素を伴っているが、真空ポンプによりこれらの発
生気体が反応炉へ絶えず排出され、除去されるため、高
純度化の観点からもこの温度保持を十分に行うことが好
ましい。
【0050】前記昇温工程が終了した後に、高圧ホット
プレスを行うことが好ましい。温度が1500℃より高
温に上昇すると焼結が開始するが、その際、異常粒成長
を押さえるために300〜700kgf/cm2程度ま
でを目安として加圧を開始する。その後、炉内を非酸化
性雰囲気とするために不活性ガスを導入する。この不活
性ガスとしては、窒素あるいは、アルゴンなどを用いる
が、高温においても非反応性であることから、アルゴン
ガスを用いることが望ましい。
【0051】前記ホットプレスは、炉内を非酸化性雰囲
気とした後、2000〜2400℃、圧力300〜70
0kgf/cm2となるように加熱、加圧をおこなう。
プレス時の圧力は、原料粉体の粒径によって選択するこ
とができ、原料粉体の粒径が小さいものは加圧時の圧力
が比較的小さくても好適な焼結体が得られる。また、こ
こで1500℃から最高温度である2000〜2400
℃までへの昇温は2〜4時間かけて行うが、焼結は18
50〜1900℃で急速に進行する。更に、この最高温
度で1〜3時間保持し、焼結を完了する。
【0052】前記最高温度が2000℃未満であると高
密度化が不十分となり、2400℃を超えると粉体若し
くは成形体原料が昇華(分解)する虞があるため好まし
くない。また、加圧条件が、500kgf/cm2未満
であると、高密度化が不十分となり、700kgf/c
2を超えると、黒鉛型などの成形型の破損の原因とな
り、製造の効率から好ましくない。
【0053】前記焼結工程においても、得られる焼結体
の純度保持の観点から、ここで用いられる黒鉛型や加熱
炉の断熱材等は、高純度の黒鉛原料を用いることが好ま
しく、黒鉛原料は高純度処理されたものが用いられる
が、具体的には、2500℃以上で予め十分ベーキング
され、焼結温度で不純物の発生がないものが望ましい。
更に、使用する不活性ガスについても、不純物が少ない
高純度品を使用することが好ましい。
【0054】前記焼結工程を行うことにより、優れた特
性を有する炭化ケイ素焼結体が得られるが、最終的に得
られる焼結体の高密度化の観点から、この焼結工程に先
立って以下に述べる成形工程を実施してもよい。以下に
この焼結工程に先立って行うことができる成形工程につ
いて説明する。ここで、成形工程とは、炭化ケイ素粉末
の混合物を成形金型内に配置し、80〜300℃の温度
範囲で、5〜60分間にわたり加熱、加圧して予め炭化
ケイ素粉末の混合物の成形体(以下、成形体ということ
がある。)を調製する工程である。ここで、炭化ケイ素
粉末の混合物の金型への充填は極力密に行うことが、最
終的な炭化ケイ素焼結体の高密度化の観点から好まし
い。この成形工程を行うと、ホットプレスのために試料
を充填する際に嵩のある炭化ケイ素粉末の混合物を予め
コンパクトすることができるので、この成形工程を繰り
返すことにより厚みの大きな成形体を製造し易くなる。
【0055】前記加熱温度は、非金属系焼結助剤の特性
に応じて、80〜300℃、好ましくは120〜140
℃、圧力60〜100kgf/cm2で、充填された原
料粉体の密度を1.5g/cm3以上、好ましくは1.
9g/cm3以上となるようにプレスして、加圧状態で
5〜60分間、好ましくは20〜40分間保持して炭化
ケイ素粉末の混合物からなる成形体を得る。ここで成形
体の密度は、粉体の平均粒径が小さくなる程高密度にし
にくくなり、高密度化するためには成形金型内に配置す
る際に振動充填等の方法をとることが好ましい。具体的
には、平均粒径が1μm程度の粉体では密度が1.8g
/cm3以上、平均粒径が0.5μm程度の粉体では密
度が1.5g/cm3以上であることがより好ましい。
それぞれの粒径において密度が1.5g/cm3又は
1.8g/cm3未満であると、最終的に得られる焼結
体の高密度化が困難となる。
【0056】前記成形体は、次の焼結工程を行う前に、
予め用いるホットプレス型に適合するように切削加工を
行うことができる。好ましくは非金属系焼結助剤を表面
被覆した成形体を、2000〜2400℃、圧力300
〜700kgf/cm2、非酸化性雰囲気下で成形金型
中に配置し、ホットプレスする工程、即ち焼結工程を行
い、高密度、高純度の炭化ケイ素焼結体を得るものであ
る。
【0057】前記焼結温度が2000℃未満であると高
緻密化(焼結)が不十分となり、また2400℃を超え
ると粉体もしくは成形体原料が昇華(分解)する虞があ
るとともに、含有窒素が蒸発してしまうため高密度化と
導電性が不十分となり、また、圧力が700kgf/c
2を超えると黒鉛型などの成形体破損の原因となり、
製造効率上好ましくない。
【0058】前記炭化ケイ素焼結体における不純物元素
の化学的な分析による総含有量は、参考値としての意味
を有するに過ぎない。実用的には、不純物が均一に分布
しているか、局所的に偏在しているかによっても、評価
が異なってくる。従って、当業者は一般的に実用装置を
用いて所定の加熱条件のもとで不純物がどの程度炭化ケ
イ素焼結体を汚染するかを種々の手段により評価してい
る。なお、液状のケイ素化合物と、非金属系焼結助剤
と、重合又は架橋触媒と、を均質に混合して得られた固
形物を非酸化性雰囲気下で加熱炭化した後、更に非酸化
性雰囲気下で焼成する焼成工程とを含む製造方法によれ
ば、炭化ケイ素焼結体に含まれる不純物元素の総含有量
を10ppm以下にすることができる。また、前記炭化
ケイ素粉末を製造する工程及び炭化ケイ素粉末から炭化
ケイ素焼結体を製造する工程に用いるケイ素源と非金属
系焼結助剤、更に、非酸化性雰囲気とするために用いら
れる不活性ガス、それぞれの純度は、各不純物元素含有
量10ppm以下、更には5ppm以下であることが好
ましいが、加熱、焼結工程における純化の許容範囲内で
あれば必ずしもこれに限定するものではない。
【0059】前記炭化ケイ素焼結体のその他の好適な物
性について検討すると、例えば、室温における曲げ強度
は50.0〜65.0kgf/mm2、1500℃にお
ける曲げ強度は55.0〜80.0kgf/mm2 、ヤ
ング率は3.5×104 〜4.5×104 、ビッカース
硬度は2000kgf/mm2以上、ポアソン比は0.
14〜0.21、熱膨張係数は3.8×10-6〜4.2
×10-6(℃-1)、熱伝播率は150W/m・k以上、
比熱は0.15〜0.18cal/g・℃、耐熱衝撃性
は500〜700ΔT℃である。
【0060】前記炭化ケイ素焼結体は、目的に応じて所
望の形状に適宜、加工し、研磨し、洗浄することができ
る。前記加工の方法としては、放電加工が特に好適に挙
げられる。
【0061】以上説明した本発明の炭化ケイ素焼結体
は、高密度、高純度であり、かつ、適度の体積抵抗値を
有する。該炭化ケイ素焼結体は、半導体関連製造装置用
の放電用電極等のほか、ボロンの影響を受けない半導体
関連製造用治具等として好適である。また本発明の電極
は、特に電源が高周波である場合等、適度の抵抗値を有
する電極として好適である。
【0062】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0063】(実施例1) −炭化ケイ素焼結体の作製− エタノール溶媒80重量部に、平均粒子径2.0μmで
1つの粒度分布極大値を有する高純度β−炭化ケイ素粉
末(遊離炭素:1重量%以下)44重量部に対し100
ppm、300ppm、500ppm、及び、800p
pm(ボロン換算)の各量のB23を配合した粉体、及
び、アミンを含むレゾール型フェノール樹脂6重量部を
添加し各スラリーを得た。得られた各スラリーを60℃
で乾燥し、乳鉢で200メッシュ以下に粉砕した後、ホ
ットプレス法により350kgf/cm2の圧力下、ア
ルゴンガス雰囲気下にて2250℃の温度で3時間焼結
し、本発明の炭化ケイ素焼結体(φ220mm×10m
m(高さ))を作製した。得られた各炭化ケイ素焼結体
の密度、体積抵抗率、及び、不純物元素の総含有量を表
1に示す。
【0064】−電極の作製・プラズマエッチング処理− 得られた各炭化ケイ素焼結体を用い、電極(φ203.
2mm(8インチ)×6.4mm(高さ)、孔数100
0(φ:0.5mm))を作製した。得られた電極を、
プラズマエッチング装置の上部電極として用い、CF4
ガスを使用して、シリコンウエハのプラズマエッチング
処理を行ったところ、良好なエッチング特性が得られ、
前記電極を長期間使用しても問題無かった。
【0065】(比較例1)実施例1の「炭化ケイ素焼結
体の作製」において、前記「高純度β−炭化ケイ素粉
末」を炭化ケイ素粉末(屋久島社製)に代えたほかは、
実施例1と同様にして炭化ケイ素焼結体(φ220mm
×10mm(高さ))を作製し、得られた各炭化ケイ素
焼結体の密度、体積抵抗率、及び、不純物元素の総含有
量を測定した。結果を表1に示す。また実施例1と同様
にして電極(φ203.2mm(8インチ)×6.4m
m(高さ)、孔数1000(φ:0.5mm))を作製
し、プラズマエッチング処理を行ったところ、摩耗が著
しく、10時間で径が1.0mmとなってしまった。ま
た処理したシリコンウエハには、Feが検出された。
【0066】(比較例2)実施例1の「炭化ケイ素焼結
体の作製」において、前記「高純度β−炭化ケイ素粉
末」を炭化ケイ素粉末(シュタルク社製)に代えたほか
は、実施例1と同様にして炭化ケイ素焼結体(φ220
mm×10mm(高さ))を作製し、得られた各炭化ケ
イ素焼結体の密度、体積抵抗率、及び、不純物元素の総
含有量を測定した。結果を表1に示す。また実施例1と
同様にして電極(φ203.2mm(8インチ)×6.
4mm(高さ)、孔数1000(φ:0.5mm))を
作製し、プラズマエッチング処理を行ったところ、摩耗
が著しく、10時間で径が0.8mmとなってしまっ
た。また処理したシリコンウエハには、Feのコンタミ
が検出された。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、高密度、高純度であ
り、かつ、適度の体積抵抗率を有する炭化ケイ素焼結
体、及び、電源が高周波の場合に好適に使用可能な電極
を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表における1族から16族元素に
    属し、原子番号3以上の元素(但し、原子番号5〜8及
    び同14の元素を除く)の総含有量が、10ppm以下
    であり、かつ、体積抵抗率が100〜103Ω・cmであ
    ることを特徴とする炭化ケイ素焼結体。
  2. 【請求項2】 ボロン化合物を、ボロン換算で100〜
    1000ppm配合し得られた請求項1に記載の炭化ケ
    イ素焼結体。
  3. 【請求項3】 密度が2.9g/cm3以上である請求
    項1又は2に記載の炭化ケイ素焼結体。
  4. 【請求項4】 電極として用いられる請求項1から3の
    いずれかに記載の炭化ケイ素焼結体。
  5. 【請求項5】 炭化ケイ素粉末とボロン化合物と非金属
    系焼結助剤とを含む混合物を、2000〜2400℃、
    圧力300〜700kgf/cm2、非酸化雰囲気下で
    ホットプレスすることにより得られる請求項1から4の
    いずれかに記載の炭化ケイ素焼結体。
  6. 【請求項6】 炭化ケイ素粉末とボロン化合物と非金属
    系焼結助剤とを含む混合物を、成形金型内で80〜30
    0℃、5〜60分間加熱して成形体を得た後、該成形体
    を、2000〜2400℃、圧力300〜700kgf
    /cm2、非酸化雰囲気下でホットプレスすることによ
    り得られる請求項1から5のいずれかに記載の炭化ケイ
    素焼結体。
  7. 【請求項7】 周期律表における1族から16族元素に
    属し、原子番号3以上の元素(但し、原子番号5〜8及
    び同14の元素を除く)の総含有量が、10ppm以下
    であり、かつ、体積抵抗率が100〜103Ω・cmの炭
    化ケイ素焼結体からなることを特徴とする電極。
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