JP2002125394A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

回転電機の制御装置

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JP2002125394A
JP2002125394A JP2001222537A JP2001222537A JP2002125394A JP 2002125394 A JP2002125394 A JP 2002125394A JP 2001222537 A JP2001222537 A JP 2001222537A JP 2001222537 A JP2001222537 A JP 2001222537A JP 2002125394 A JP2002125394 A JP 2002125394A
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electric machine
rotor
control device
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JP2001222537A
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Yusuke Minagawa
裕介 皆川
Hisayuki Furuse
久行 古瀬
Minoru Arimitsu
有満  稔
Shoichi Maeda
昭一 前田
Masaki Nakano
正樹 中野
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流制御装置で発生するスイッチング損を、
複数の回転電機のそれぞれに専用の電流制御装置を用意
する場合のスイッチング損の和よりも小さくして制御装
置全体の効率を向上する。 【解決手段】 ロータの回転位相に応じた制御電流を供
給することで回転を制御することが可能な複数の回転電
機に対し、単一の電流制御装置(23)から電流を供給
するようにした回転電機の制御装置において、前記電流
制御装置23が前記複数の回転電機(1の回転電機はロ
ータ4とステータ2から、他の回転電機はロータ3とス
テータ2からなる)に対する個別の制御電流を複合した
波形を有するとともに、電流平均値が前記個別の制御電
流の電流平均値の和よりも小さくなる複合電流を前記複
数の回転電機に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は回転電機の制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の同期モータの回転を単一のインバ
ータ(電流制御装置)で独立に制御するため、それぞれ
のロータの回転位相に応じた制御電流を複合して得られ
る複合電流をインバータから同期モータヘ供給する技術
を既に提案している(特開平11−275826号公
報、特願平11−273303号、同274874号、
同351613号等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来装置で
は、回転電機毎の制御電流をどのように複合化して装置
の効率を向上させるかについて十分な検討がなされてい
なかった。
【0004】そこで本発明は、複数の回転電機に対する
個別の制御電流を複合した波形を電流制御装置が有する
とともに電流平均値が個別の制御電流の電流平均値の和
よりも小さくなる複合電流を複数の回転電機に供給する
ことにより、電流制御装置で発生するスイッチング損
を、複数の回転電機のそれぞれに専用の電流制御装置を
用意する場合のスイッチング損の和よりも小さくして制
御装置全体の効率を向上することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ロータの
回転位相に応じた制御電流を供給することで回転を制御
することが可能な複数の回転電機に対し、単一の電流制
御装置から電流を供給するようにした回転電機の制御装
置において、前記電流制御装置が前記複数の回転電機に
対する個別の制御電流を複合した波形を有するととも
に、電流平均値が前記個別の制御電流の電流平均値の和
よりも小さくなる複合電流を前記複数の回転電機に供給
する。
【0006】第2の発明では、第1の発明において前記
電流制御装置が、前記複数の回転電機と直流電源との間
に介装されるインバータである。
【0007】第3の発明では、第1または第2の発明に
おいて前記複数の回転電機が、ステータコアにコイルが
巻き回されてなる単一のステータと、このステータに対
峙する複数のロータによって構成され、前記電流制御装
置が前記コイルに接続されている。
【0008】第4の発明では、第1から第3までのいず
れか一つの発明において前記電流制御装置が、電流ピー
クの大きさの比が0.562から1.778の範囲内で
ある個別の制御電流を複合して得られる複合電流を前記
複数の回転電機に供給する。
【0009】第5の発明では、第4の発明において前記
電流制御装置が、電流ピークの大きさが等しい個別の制
御電流を複合して得られる複合電流を前記複数の回転電
機に供給する。
【0010】第6の発明では、第5の発明において個別
の制御電流の電流ピークの大きさが最大となる運転点近
傍において個別の制御電流の電流ピークの大きさが等し
くなる。
【0011】第7の発明では、第1から第6までのいず
れか一つの発明において前記複数の回転電機が、車両の
駆動輪にロータが接続される第1回転電機と車両に搭載
されたエンジンにロータが接続される第2回転電機とを
含み、前記電流制御装置が、前記第1回転電機のロータ
の回転位相に応じた制御電流であって車両に駆動力を発
生させる第1制御電流と前記第2回転電機のロータの回
転位相に応じた制御電流であって前記第1回転電機で消
費される電力とほぼ等しい電力の発電を行なう第2制御
電流とを複合して得られる複合電流を前記第1回転電機
と前記第2回転電機に供給する。
【0012】第8の発明では、第7の発明において前記
第1回転電機のロータの半径と前記第2回転電機のロー
タの半径とを異ならせ、かつ、小径のロータを備える回
転電機の使用回転速度範囲を大径のロータを備える回転
電機の使用回転速度範囲よりも高回転速度側に設定す
る。
【0013】第9の発明では、第7の発明において前記
第1回転電機のロータに与える磁石起磁力と前記第2回
転電機のロータに与える磁石起磁力とを異ならせ、か
つ、低い磁石起磁力が与えられたロータを備える回転電
機の使用回転速度範囲を、高い磁石起磁力が与えられた
ロータを備える回転電機の使用回転速度範囲よりも高回
転速度側に設定する。
【0014】
【発明の効果】複数の回転電機に対しそれぞれに専用の
電流制御装置を用意して各回転電機毎に制御電流を供給
する場合、各電流制御装置で発生するスイッチング損の
和は、個別の制御電流の電流平均値の和に応じた大きさ
となるのであるが、単一の電流制御装置で複数の回転電
機に複合電流を供給するようにし、かつ、その複合電流
の電流平均値が個別の制御電流の電流平均値の和よりも
小さくなるようにした第1、第7の発明によれば、この
電流制御装置で発生するスイッチング損が、複数の回転
電機のそれぞれに専用の電流制御装置を用意する場合の
スイッチング損の和よりも小さくなり、制御装置全体の
効率が向上する。
【0015】電流制御装置をインバータによって構成す
る場合、スイッチング素子として半導体を使用するイン
バータではスイッチング損と共に半導体オン抵抗損が発
生する。このオン抵抗損もインバータ内のスイッチング
素子を流れる電流の平均値に応じて発生するので、電流
平均値が個別の制御電流の電流平均値の和よりも小さい
複合電流を単一のインバータで各回転電機に供給する第
2、第7の発明によれば、この単一のインバータで発生
するオン抵抗損が、各回転電機に専用のインバータを用
意する場合のオン抵抗損の和よりも小さくなり、制御装
置全体の効率が向上する。
【0016】回転電機毎にステータを有し、かつ、この
個別のステータに専用の電流制御装置から個別の制御電
流を供給する場合、ステータで発生するスイッチング損
の和は個別の制御電流の電流平均値の和に応じた大きさ
となる。これに対して、電流平均値が個別の制御電流の
電流平均値の和よりも小さい複合電流を単一のステータ
に流す第3、第7の発明によれば、このステータで発生
するスイッチング損が個別のステータを有する場合のス
イッチング損の和よりも小さくなり、システム(回転電
機+制御装置)全体の効率が向上する。
【0017】制御電流の複合化による電流平均値の低減
率は、個別の制御電流の電流ピークの大きさに差が無く
なるほど大きくなるため、電流ピークの大きさの比が
0.562から1.778の範囲内である第4、第7の
発明によれば、有効に電流平均値を低減することができ
る。
【0018】なお、個別の制御電流の電流ピークの大き
さは、各回転電機の運転条件(トルクと回転速度)に応じ
て決まるものであるから、各回転電機の運転条件が様々
に変化するシステムにおいては、電流ピークの大きさの
比も様々に変化する。このような場合にも、想定される
運転条件の範囲のうち少なくとも一部の範囲では電流ピ
ークの大きさの比が0.562から1.778の範囲内
となるようシステム全体の諸元を決定しておけば、少な
くともこの範囲内で運転が行われるとき、制御電流の複
合化によって電流平均値が有効に低減される。
【0019】第5、第7の発明によれば、制御電流の複
合化による電流平均値の低減率が最大となる。なお、各
回転電機の運転条件が様々に変化するシステムにおいて
は、想定される運転条件の範囲のうち少なくとも特定運
転点では電流ピークの大きさが等しくなるようシステム
全体の諸元を決定しておくことで、少なくともこの特定
運転点では最大の電流平均値低減率が得られ、その周囲
の運転点においても最大に近い電流平均値低減率が得ら
れる。
【0020】第6、第7の発明によれば、電流ピークの
大きさが最大となるときに電流平均値低減率が最大とな
るようにすることで、最大の損失低減効果を得ることが
できる。
【0021】回転電機のトルクは、大まかにはi×dΦ/
dθで決まる。ただし、iは回転電機に供給される電
流、Φは磁束、θはロータの回転位相である。これよ
り、回転電機のトルクは、回転電機に供給される電流
(電流ピーク)が大きいほど、また、回転位相変化に対
する磁束変化が大きいほど大きくなる。ロータの半径が
大きいと、一般的にdΦ/dθが大きくなる傾向を示すの
で、同じトルクを発生させるとすると、ロータの半径が
大きい回転電機のほうの電流ピークが小さくなる。この
ため、第1回転電機の出力(車両駆動出力)と第2回転
電機の出力(発電電力)とをほぼ等しくして2つの回転
電機を運転する場合に第1回転電機の制御電流の電流ピ
ークの大きさと第2回転電機の制御電流の電流ピークの
大きさとを近づけるには、第8の発明のように小径ロー
タ側の回転電機が低トルクかつ高回転速度で運転され、
大径ロータ側の回転電機が大トルクかつ低回転速度で運
転されるようにすればよい。例えば、第1回転電機のロ
ータを小径ロータ、第2回転電機のロータを大径ロータ
とする場合、第1回転電機のロータは減速機構を介して
車両の駆動輪に接続し、第2回転電機のロータはエンジ
ンの出力軸に直接接続する。
【0022】磁石起磁力が大きいと上記のdΦ/dθが大
きくなる傾向を示す。このため、第1回転電機の出力
(車両駆動出力)と第2回転電機の出力(発電電力)と
をほぼ等しくして2つの回転電機を運転する場合に第1
回転電機の制御電流の電流ピークの大きさと第2回転電
機の制御電流の電流ピークの大きさとを近づけるには、
第9の発明のように低い磁石起磁力が与えられたロータ
側の回転電機が低トルクかつ高回転速度で運転され、高
い磁石起磁力が与えられたロータ側の回転電機が大トル
クかつ低回転速度で運転されるようにすればよい。
【0023】
【発明の実施の形態】図1には2つの回転電機からなり
ステータを共用する複合モータ1の概略断面図を示す。
図示のものは、円筒状のステータ2の外側と内側に所定
のギャップをおいてロータ3、4を配置し(3層構
造)、外側と内側の各ロータ3、4を全体を被覆する外
枠5(図2参照)に対して回転可能にかつ同軸に設けた
ものである。
【0024】具体的に説明すると、内側ロータ4は90
度毎にS極とN極が入れ替わるように配置した4個の永
久磁石を備えており、外側ロータ3は45度毎にS極と
N極が入れ替わるように配置した8個の永久磁石を備え
ている。
【0025】この実施形態では、内側ロータ4に配設す
る永久磁石と外側ロータ3に配設する永久磁石とを同種
のものとしているが、外側ロータ3の磁石数が多いため
単位角度当たりの起磁力は外側ロータ3のほうが大きく
なっている。
【0026】ステータ2は、内側ロータ4の1磁極当た
り3個のコイル6で構成され、合計12個(=3×4)
のコイル6が同一の円周上に等分に配置されている。
【0027】なお、12個のコイルは番号1〜6と〜
で区別しており、この場合に6番目のコイルという意
味でコイル6、が出てくる。上記のコイル全体を称し
ていう場合の表現である6と紛らわしいが、意味すると
ころは異なっている。
【0028】これら12個のコイルには内側ロータ4に
対する回転磁場を発生させる電流(6相交流)を流すた
め、60度ずつ位相のずれた制御電流(Ii(0)、I
i(60)、Ii(120)、Ii(180)、Ii
(240)、Ii(300)、)が設定される。同様に
して外側ロータ3に対する回転磁場を発生させる制御電
流(三相交流)を流すため、120度ずつ位相のずれた
制御電流(Io(0)、Io(120)、Io(24
0))が設定される。これらの結果、12個のコイルに
対して次のような12個の複合電流が流される。
【0029】 I1=Ii(0) +Io(0) I2=Ii(60) +Io(120) I3=Ii(120)+Io(240) I4=Ii(180)+Io(0) I5=Ii(240)+Io(120) I6=Ii(300)+Io(240) I=Ii(0) +Io(0) I=Ii(60) +Io(120) I=Ii(120)+Io(240) I=Ii(180)+Io(0) I=Ii(240)+Io(120) I=Ii(300)+Io(240) 上式から明らかなように、コイル1に流される複合電流
I1とコイルに流される複合電流Iは同一の電流で
あり、同様にI3=I、I4=I、I5=I、I
6=Iである。
【0030】このように複合電流の電流設定を行うと、
単一のコイルでありながら、内側ロータ4に対する回転
磁場と外側ロータ3に対する回転磁場との2つの磁場が
同時に発生し、これにより内側ロータ4とステータから
なる回転電機(第1回転電機)と外側ロ一タ3とステー
タからなる回転電機(第2回転電機)とが互いに独立に
制御される。すなわち、内側ロータ4の磁石は外側ロー
タ3に対する回転磁場により回転力を与えられることが
なく、また外側ロータ3の磁石が内側ロータ4に対する
回転磁場により回転力を与えられることもない。この原
理については特開平11−275826で説明した通り
である。
【0031】上記Ii(0)〜Ii(300)の電流設
定は内側ロータ4の回転位相に同期して、また上記Io
(0)〜Io(240)の電流設定は外側ロータ3の回
転位相に同期してそれぞれ行う。トルクの方向に対して
位相の進み遅れを設定するが、これは同期モータに対す
る場合と同じである。
【0032】図2は図1に示した複合モータ1を対象と
する制御システム図である。
【0033】上記複合電流を12個のステータコイルに
供給するため、バッテリ24からの直流電流を交流電流
に変換するインバータ23を備える。このインバータ2
3は図3に詳細を示したように、通常の三相ブリッジ型
インバータを6相にしたものと同じで、12個のトラン
ジスタとこのトランジスタと同数のダイオードから構成
されている。
【0034】なお、同一の電流が流される2個のコイル
(例えばコイル1とコイル)を直列に接続することが
可能であるため、コイル数の半分の6相インバータを使
用している。
【0035】インバータ23の各ゲート(トランジスタ
のベース)に与えるON、OFF信号はPWM信号であ
る。各ロータ3、4を同期回転させるため、各ロータ
3、4の位相を検出する回転角センサ6、7が設けら
れ、これらセンサ6、7からの信号が入力されるモータ
コントロールモジュール22では外側ロータ3、内側ロ
ータ4に対する目標トルク(正負あり)のデータ(目標
トルク指令)に基づいてPWM信号を発生させる。
【0036】なお、2つの回転電機のステータを共通と
せず、2つの回転電機を独立させても良い。この場合の
2つの回転電機とインバータの接続方法をたとえば図4
に示す。ただし、この図は一方の回転電機(第1回転電
機)のロータが8つの磁石極を有し、他方の回転電機
(第2回転電機)のロータが6つの磁石極を有し、かつ
両方のステータをそれぞれ12個のコイルで構成する場
合を示している。このような接続方法については特願平
11−351613号で既に提案している。
【0037】図2に示したように、複合モータ1はエン
ジン11と組み合わせて用いられる。すなわち、外側ロ
ータ3がエンジン11の出力軸12に直結され、これに
対して内側ロータ4は駆動軸13に直結される。駆動軸
13はさらに減速機構14を介して車両の駆動輪15に
接続される。内側ロータ4とステータからなる回転電機
を第1回転電機、外側ロータ3とステータからなる回転
電機を第2回転電機とすると、第1回転電機(内側ロー
タ4)の側にだけ減速機構14を追加したのは2つの回
転電機間で使用回転速度範囲を相違させるためで、これ
により内側ロータ4を備える第1回転電機の使用回転速
度範囲が外側ロータ3を備える第2回転電機の使用回転
速度範囲よりも高回転速度側となる。
【0038】なお、内側ロータ4を備える第1回転電機
をモータとして、外側ロータ3を備える第2回転電機を
ジェネレータとして運転するとき、バッテリ24から持
ち出される電力は、第1回転電機で消費される電力(車
両駆動出力)と第2回転電機で発電される電力との差分
だけになる。
【0039】総合コントロールモジュール21では、ア
クセル開度センサ27の出力信号から得たアクセル開度
APSと車速センサ28の出力信号から得た車速VSP
とに基づき、図5に示すような制御マップから車両の目
標駆動トルクT0を算出し、この算出した目標駆動トル
クT0と車速VSPとの積が示す車両駆動出力とほぼ等
しい出力を最高の燃費効率でエンジンが発生する運転点
(目標エンジン回転速度Ne、目標エンジントルクT
e)を図6に示すような制御マップから算出する。
【0040】ここで、外側ロータ3はエンジン11の出
力軸12に直結されているので、第2回転電機の目標回
転速度をNg、目標トルクをTgとすれば、これら目標
回転速度Ngと目標トルクTgはそれぞれ目標エンジン
回転速度Ne、目標エンジントルクTeに等しい。ま
た、第2回転電機による発電電力はエンジン11の出力
とほぼ等しくなる。同様にして第1回転電機の目標トル
クをTmとすれば、目標トルクTmは目標駆動トルクT
0に等しい。
【0041】このようにして統合コントロールモジュー
ル21により第1回転電機の目標トルクTmと第2回転
電機の目標回転速度Ng、目標トルクTgが決定された
後は、モータコントロールモジュール22が次の制御を
行う。すなわち、モータコントロールモジュール22で
は周知の電流ベクトル制御によって回転電機毎にd軸電
流とq軸電流の指令値を決定する。一方、電流センサ2
9の検出信号、内側ロータ回転角センサ6の出力信号、
外側ロ一タ回転角センサ7の出力信号から実際のd軸電
流とq軸電流とを算出し、この実d軸電流と実q軸電流
を指令値に一致させるための補正値を演算し、この補正
値に対して2−6相座標変換を行うことで回転電機毎の
6相交流の電圧指令値を生成する。これら回転電機毎の
電圧指令値を複合して複合電圧指令値を生成し、この複
合電圧指令値とキャリア信号とからPWM信号を生成
し、このPWM信号をインバータ23へ送る。
【0042】なお、上記の電流ベクトル制御によって回
転電機毎に求められた電流ベクトルの大きさが後述する
回転電機毎の制御電流の電流ピークの大きさを表す。
【0043】一方、エンジンコントロールモジュール2
5では、エンジンの回転速度とトルクが目標回転速度N
eと目標エンジントルクTeに一致するよう吸入空気量
や燃料噴射量、点火時期等を制御する。
【0044】ここで、複合電流による電流平均値の低減
効果を説明する。
【0045】第1回転電機の制御電流をI1(t)とす
れば、電流ピークをIm、内側ロータ4の角速度をω1
として次式で表される。
【0046】
【数1】I1(t)=Im・sin(ω1t) 同様にして第2回転電機の制御電流をI2(t)とすれ
ば、電流ピークをIg、外側ロータ3の角速度をω2
初期状態での2つのロータ3、4間の位相差(電気角)
をθaとして次式で表される。
【0047】
【数2】 I2(t)=Ig・sin(2(ω2t+θa)) なお、制御電流は回転電機毎に位相の異なる式で表され
るのであるが、ここでは数1式、数2式で示したように
一相のみの制御電流で代表させている。
【0048】これら回転電機毎の制御電流I1(t)、
2(t)を
【0049】
【数3】 の式で表される電流平均値の一般式に代入して解くと、
回転電機の各制御電流I 1(t)、I2(t)の電流平均
値Iam、Iagはそれぞれ
【0050】
【数4】Iam=2・Im/π、 Iag=2・Ig/π となる。
【0051】また、複合電流をIc(t)とすればこれ
は、
【0052】
【数5】Ic(t)=I1(t)+I2(t) =Im・sin(ω1t)+Ig・sin(2(ω2t+θ
a)) の式で表されるため、これを上記の数3式に代入すると
次式のように複合電流Ic(t)の電流平均値Iacが
得られる。
【0053】
【数6】 これら数4式、数6式から複合電流化による電流平均値
の低減率(=Iac/(Iam+Iag))を算出し、
各制御電流の電流ピークIm、Igと電流平均値低減率
との関係を示したものが図7であり、またIm+Ig=
1としたときのImと電流平均値低減率との関係を示し
たものが図8である。なお、図7、図8は電流ピークを
1.0に正規化して示している。
【0054】これら図7、図8から分かるように、2つ
の制御電流の電流ピークが等しいときに複合電流の電流
平均値が最も低下し、また、2つの電流ピークの比=1
(つまりIm=Ig)の両側に効率の良いレンジが存在
する。図8から、このレンジは電流ピーク比が0.56
2(≒0.36/(1−0.36))から1.778
(≒0.64/(1−0.64))の範囲であることが
分かる。
【0055】よって、第1回転電機の制御電流I1の電
流ピークImと第2回転電機の制御電流I2の電流ピー
クIgがこのレンジ内となるように、すなわち第1回転
電機、第2回転電機の運転点が可能な限り図9の2つの
効率良ライン内となるようにシステムの諸元を決定す
る。望ましくは、車両駆動出力が最大となる運転点、す
なわち、電流ピークIm、Igがともに最大となる運転
点において電流ピーク比が最高効率ライン上にくるよう
にする。
【0056】本実施形態では、小径で磁石起磁力も小さ
い内側ロータ4を備えた第1回転電機の使用回転速度範
囲が、大径で磁石起磁力も大きい第2回転電機の使用回
転速度範囲より高回転速度側となるようにし、2つの回
転電機が等出力で運転されるときに電流ピーク比が1に
近づくようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合モータの概略断面図。
【図2】制御システム図。
【図3】インバータとステータコイルの結線図。
【図4】2つの回転電機を独立させる場合の各ステータ
コイルとインバータとの接続方法を示す結線図。
【図5】目標駆動トルクの特性図。
【図6】車両駆動出力とほぼ等しい出力を最高の燃費効
率でエンジンが発生するときの目標エンジン回転速度お
よび目標エンジントルクの特性図。
【図7】各制御電流の電流ピークと電流平均値低減率と
の関係を示した図。
【図8】2つの制御電流の電流ピークの和を1としたと
きの一方の制御電流の電流ピークと電流平均値低減率と
の関係を示す図。
【図9】制御電流の電流ピークと電流平均値低減率との
関係を示す図。 1 複合モータ 2 ステータ 3 外側ロータ 4 内側ロータ 6 コイル 21 総合コントロールモジュール 22 モータコントロールモジュール 23 インバータ(電流制御装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有満 稔 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 前田 昭一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 中野 正樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H115 PA11 PC06 PG04 PI24 PI29 PO02 PO09 PU11 PU24 PU26 PV09 PV23 QN03 QN09 RB11 RB22 RB26 RE02 RE03 RE05 RE06 RE13 RE20 SE02 SE03 SE05 TB01 TO12 TO21 TO30 5H572 AA02 BB02 CC02 CC06 CC08 DD09 EE04 GG04 HA08 HB08 HB09 HC08 JJ03 LL22 LL32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータの回転位相に応じた制御電流を供給
    することで回転を制御することが可能な複数の回転電機
    に対し、単一の電流制御装置から電流を供給するように
    した回転電機の制御装置において、 前記電流制御装置は、前記複数の回転電機に対する個別
    の制御電流を複合した波形を有するとともに、電流平均
    値が前記個別の制御電流の電流平均値の和よりも小さく
    なる複合電流を前記複数の回転電機に供給することを特
    徴とする回転電機の制御装置。
  2. 【請求項2】前記電流制御装置は、前記複数の回転電機
    と直流電源との間に介装されるインバータであることを
    特徴とする請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 【請求項3】前記複数の回転電機は、ステータコアにコ
    イルが巻き回されてなる単一のステータと、このステー
    タに対峙する複数のロータによって構成され、前記電流
    制御装置が前記コイルに接続されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 【請求項4】前記電流制御装置は、電流ピークの大きさ
    の比が0.562から1.778の範囲内である個別の
    制御電流を複合して得られる複合電流を前記複数の回転
    電機に供給することを特徴とする請求項1から3までの
    いずれか一つに記載の回転電機の制御装置。
  5. 【請求項5】前記電流制御装置は、電流ピークの大きさ
    が等しい個別の制御電流を複合して得られる複合電流を
    前記複数の回転電機に供給することを特徴とする請求項
    4に記載の回転電機の制御装置。
  6. 【請求項6】個別の制御電流の電流ピークの大きさが最
    大となる運転点近傍において個別の制御電流の電流ピー
    クの大きさが等しくなることを特徴とする請求項5に記
    載の回転電機の制御装置。
  7. 【請求項7】前記複数の回転電機が、車両の駆動輪にロ
    ータが接続される第1回転電機と車両に搭載されたエン
    ジンにロータが接続される第2回転電機とを含み、前記
    電流制御装置が、前記第1回転電機のロータの回転位相
    に応じた制御電流であって車両に駆動力を発生させる第
    1制御電流と前記第2回転電機のロータの回転位相に応
    じた制御電流であって前記第1回転電機で消費される電
    力とほぼ等しい電力の発電を行なう第2制御電流とを複
    合して得られる複合電流を前記第1回転電機と前記第2
    回転電機に供給することを特徴とする請求項1から6ま
    でのいずれか一つに記載の回転電機の制御装置。
  8. 【請求項8】前記第1回転電機のロータの半径と前記第
    2回転電機のロータの半径とを異ならせ、かつ、小径の
    ロータを備える回転電機の使用回転速度範囲を大径のロ
    ータを備える回転電機の使用回転速度範囲よりも高回転
    速度側に設定することを特徴とする請求項7に記載の回
    転電機の制御装置。
  9. 【請求項9】前記第1回転電機のロータに与える磁石起
    磁力と前記第2回転電機のロータに与える磁石起磁力と
    を異ならせ、かつ、低い磁石起磁力が与えられたロータ
    を備える回転電機の使用回転速度範囲を、高い磁石起磁
    力が与えられたロータを備える回転電機の使用回転速度
    範囲よりも高回転速度側に設定することを特徴とする請
    求項7に記載の回転電機の制御装置。
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