JP2002124867A - 半導体集積回路装置及び電子機器 - Google Patents

半導体集積回路装置及び電子機器

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JP2002124867A
JP2002124867A JP2001237309A JP2001237309A JP2002124867A JP 2002124867 A JP2002124867 A JP 2002124867A JP 2001237309 A JP2001237309 A JP 2001237309A JP 2001237309 A JP2001237309 A JP 2001237309A JP 2002124867 A JP2002124867 A JP 2002124867A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路の構成を変更することなくEMI輻射を
低減しうる半導体集積回路装置を提供する。 【解決手段】 各インバータ2〜4は、Pch変調MOS
トランジスタ9と、通常のNchMOSトランジスタ10
と、通常のPchMOSトランジスタ11と、Nch変調M
OSトランジスタ12とのいずれかを含んでいる。Pch
変調MOSトランジスタの変調基板バイアスVb は、V
b ≧Vdd−Vf の範囲で,ある振幅で変化する。Nch変
調MOSトランジスタの変調基板バイアスVb'は、Vb'
≦Vss+Vf'の範囲で,ある振幅で変化する。変調MO
Sトランジスタのスレッショルド値が変化することによ
り、信号の遷移のタイミングや波形が変化するので、E
MI輻射のピークがなだらかになり、ラッチアップなど
の誤動作を回避しつつ、EMI輻射が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MISトランジス
タを搭載した半導体集積回路装置に係り、特に、電磁波
の輻射強度の低減対策に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子機器からEMI輻射(Ele
ctro Magnetic Interference) と呼ばれる不要な電磁輻
射が発生することが知られている。このEMI輻射は、
他の電子機器の動作を妨害する可能性があるためにでき
るだけ少ないことが要望されており、その輻射強度は法
的規制の対象とさえなっている。EMI輻射が発生する
原因は種々あるが、電子機器を構成するLSI内に設け
られているきわめて多数のトランジスタ特にCMOS集
積回路中におけるMOSトランジスタの動作特性がその
原因として重要である。MOSトランジスタは、スイッ
チング波形が急峻な電圧,電流の変化を伴い高周波数成
分を含んでいるので、この急峻な変化に応じて電子機器
内のアンテナとなる部分から不要輻射が発生するからで
ある。
【0003】数十GHzまでの周波数領域においては、
半導体集積回路装置単体ではアンテナとなる部分がほと
んどないためにEMI輻射強度は小さいが、半導体集積
回路装置である半導体チップがプリント基板やパッケー
ジに実装されると、数cmから数10cmに引き回され
た電源線や信号線がアンテナとなりEMI輻射の強度は
大きくなる。また、EMI輻射の強度は実装形態にも大
きく依存し、アンテナとなる部分が多くなるような実装
形態はできるだけ避けることが好ましい。そのための一
般的な対策としては、プリント基板における電源と信号
線のパターン形状の変更やフェライトビーズなどの高周
波電流を抑制する機能を有する部品の組込が挙げられる
が、これらの対策は経験則に基づくことが多いために、
効果の予測が困難でありコストもかかる。したがって、
半導体集積回路装置中のMOSトランジスタのレベルで
EMI輻射対策を施し、これによって、EMI輻射を意
識せずに実装形態の自由度を確保することが好ましいと
いえよう。
【0004】特に、近年のCMOS半導体集積回路装置
中のMOSトランジスタは微細化技術の進歩もあって高
速動作化されており、MOSトランジスタのスイッチン
グ動作,つまり立ち上がり,立ち下がり動作の高速化に
伴ってEMI輻射の強度がますます増大しつつあり、か
かる点からも、MOSトランジスタの動作特性との関連
からEMI輻射を効果的に低減する手段が要望されてい
る。
【0005】そこで、半導体集積回路装置中のMOSト
ランジスタの動作特性との関連においてEMI輻射を低
減する方法として、以下のような提案がなされている。
【0006】(1) トランジスタサイズを最適化する
ように調整する。つまり、電圧波形の立ち上がり立ち下
がり速度(スルーレートと呼ぶ)をできるかぎり遅くし
て電圧振幅に含まれる周波数の高調波成分を小さくした
り、トランジスタのスイッチング動作における電流波形
のスルーレートならびに最大値を低減することにより、
電源線等より発生する電磁波の強度を抑制する。
【0007】(2) トランジスタの同時スイッチング
を回避する。つまり、スイッチング時刻を細かく分散さ
せるように遅延時間の調節を行なうことにより、同時ス
イッチングによって一時期に集中して電源線に電磁波
(EMI輻射)が発生するのを緩和して、電源線等から
発生するEMI輻射の強度を低減する。
【0008】(3) クロック信号を周波数変調してE
MI輻射を低減する技術である拡散スペクトラムクロッ
クシステムを用い、クロック系より発生する電磁波の強
度を抑制する。
【0009】ここで、拡散スペクトラムクロックシステ
ムとは、クロックの周波数(fc )を変調周波数(fm
)の周期でわずかの幅(δ)をもって変動させること
により、高周波数領域におけるクロックの高調波のEM
I輻射のエネルギーの分布を拡散させてそのピーク値を
下げる手法であり近年のCMOS半導体集積回路装置で
は広く用いられ、米国特許USP5488627 "Spread Spectru
m Clock Generator andAssociated Method"などに記載
されている。例えば、拡散スペクトラムクロックシステ
ムの採用により、例えば変調周波数(fm )を50KH
z、周波数変位(δ)をクロック周波数(fc )の0.
5%程度に設定することにより10dB程度のEMI輻
射の電界強度の低減ができる。高周波数領域におけるク
ロックの高調波強度分布の広がり幅はδ程度でありその
形状は1/fm 周期のδの時間変動(変調プロファイル
と呼ぶ)で決定されることが知られている。一般に、ク
ロック系の回路はクロック信号を生成するクロック発生
回路と生成されたクロックを集積回路内の各回路に分配
供給するクロックバッファとにより構成される。そし
て、拡散スペクトラムクロックシステムは、クロック発
生回路によって周波数変調されたクロックを生成し、こ
の周波数変調されたクロックをクロックバッファから各
回路に供給するように構成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
各方法(1)〜(3)には、それぞれ以下のような不具
合がある。
【0011】方法(1)のごとく半導体集積回路装置内
のMOSトランジスタのサイズを最適化して信号波形の
立ち上がり及び立ち下がり時間を最も遅くなるように調
整したり、方法(2)のごとく同時スイッチングを避け
るようにタイミング設計することは、EMI対策を考え
ない設計においては不要であった精度の高いトランジス
タレベルのタイミングシミュレーションとレイアウト修
正のくり返しが必要となり設計工数を著しく増加させ
る。また、回路に要求される動作が高速になる程このよ
うな調整に割けるタイミングの設計スペックに対する余
裕が減少するために、MOSトランジスタ個々のタイミ
ング調整は困難となる。
【0012】方法(3)のような拡散スペクトラムクロ
ックシステムを用いる場合、本来のクロック性能を悪化
させるという不具合や、クロック系統が複数必要となっ
て煩雑,複雑な構成になるという不具合がある。
【0013】本発明の目的は、半導体集積回路装置中の
MOSトランジスタの動作特性を考慮しつつ、比較的簡
素な設計・構成によって各MOSトランジスタの立ち上
がり立ち下がり動作を微細に分散させる手段を講ずるこ
とにより、高速動作しながらもEMI輻射の少ない半導
体集積回路装置を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体集積回路
装置は、半導体基板の基板領域に囲まれる領域に設けら
れたソース及びドレインと、上記半導体基板上の上記ソ
ース・ドレイン間に位置する領域に設けられたゲートと
を有するMISトランジスタの複数個を集積してなる半
導体集積回路装置において、上記複数のMISトランジ
スタは、ラッチアップが生じない範囲で、ある振幅で変
化する変調基板バイアスVb が与えられるPチャンネル
型変調MISトランジスタと、ある振幅で変化する変調
基板バイアスVb'が与えられるNチャンネル型変調MI
Sトランジスタとのうち少なくともいずれか一方の変調
MISトランジスタを含んでいる。
【0015】これにより、変調MISトランジスタの基
板領域に変調基板バイアスが与えられると、ラッチアッ
プが生じない範囲で、変調MISトランジスタのスレッ
ショルド電圧及び電流駆動能力が時間的に変動する。し
たがって、例えば変調MISトランジスタを含む相補型
論理ゲートは論理スレッショルド電圧,遅延時間,出力
波形の立ち上がりおよび立ち下がり時間が変調され、信
号の遷移時に輻射される電磁波のエネルギー分布のピー
クは変調が無い場合に比べて広がる。したがって、半導
体集積回路装置の動作を適正に維持しつつ、ピーク値が
低下しEMI輻射強度が低減されることになる。
【0016】上記半導体集積回路装置において、上記P
チャンネル型変調MISトランジスタには、複数のMI
Sトランジスタは、上記ドレインの電位をVddとし、上
記ソースの電位をVssとし、そのときのドレイン−基板
領域間のPN接合の順方向電圧をVf としたときに、上
記基板領域にVb ≧Vdd−Vf の範囲で,ある振幅で変
化する変調基板バイアスVb が与えられ、上記Nチャン
ネル型変調MISトランジスタには、ドレインの電位を
Vddとし、上記ソースの電位をVssとし、そのときの基
板領域−ソース間のPN接合の順方向電圧をVf'とした
ときに、上記基板領域にVb'≦Vss+Vf'の範囲で,あ
る振幅で変化する変調基板バイアスVb'が与えられるこ
とにより、相補型MISトランジスタの構造において
も、寄生バイポーラトランジスタが作動する順方向の電
圧が印加されないので、寄生バイポーラトランジスタの
作動によるラッチアップなどの誤動作がより確実に防止
されることになる。
【0017】スイッチング動作時に流れるドレインソー
ス電極間の電流の変化速度と変化量が規定値以上の上記
MISトランジスタのゲート電極の駆動回路を含んでい
る場合には、上記駆動回路に上記変調MISトランジス
タを配置することにより、電流変化が特に大きいMIS
トランジスタのゲート電極に変調された駆動回路の出力
が印加されるので、当該MISトランジスタのスイッチ
ング(オン・オフ切り換わり)のタイミングが変調さ
れ、信号の遷移によって輻射される電磁波のエネルギー
分布のピークが広くなだらかになり、EMI輻射の低減
効果を有効に発揮することができる。そして、複数のM
ISトランジスタのうち変調MISトランジスタにする
ものを限定することにより、基板バイアスの引き出し電
極をソース・ドレインの引き出し電極とは別途設けるこ
とによるレイアウト面積の増大を抑制することができ
る。
【0018】上記変調MISトランジスタを含む複数の
MISトランジスタを有し、全体の遅延時間が互いに異
なる少なくとも2つの回路を備え、上記2つの回路のう
ち遅延時間が短いほうの回路には、遅延時間が長い方の
回路よりも振幅の大きい変調基板バイアスを与えるよう
に構成することにより、集積回路装置全体の信号伝達に
不具合を生じない範囲でEMI輻射を効果的に低減する
ことができる。
【0019】上記変調基板バイアスの波形形状をプログ
ラミングする機能を有する変調基板バイアス発生回路を
さらに備えることにより、ひとつのデバイスで様々な実
装けいじょうに対応した種々の種類のデバイスを共通の
構成によって実現しつつ、EMI輻射と動作速度のバラ
ンスが最適化された半導体集積回路装置が得られる。
【0020】複数のメモリセルを配置してなるメモリセ
ルアレイ,メモリセルアレイの接続されるビット線対,
ビット線対のプリチャージを行なうためのプリチャージ
用トランジスタ,及びプリチャージトランジスタのゲー
ト電極を駆動するための駆動回路を備え、上記プリチャ
ージトランジスタ及び上記駆動回路のうち少なくともい
ずれか一方に上記変調MISトランジスタを用いること
により、ビット線のプリチャージ動作時にプリチャージ
トランジスタに流れる電流に周波数変調を与えることが
できる。多数のビット線のプリチャージが行われると通
常は急速に大きくなるが、変調された電流を与えること
で、EMI輻射のピークを低減することができる。
【0021】上記複数のMISトランジスタの一部であ
る複数のMISトランジスタを含む回路と、上記回路か
ら導出されるバス信号線と、上記回路内に設けられ、上
記バス信号線にデータを出力する駆動回路とを備えてい
る場合には、上記駆動回路に上記変調MISトランジス
タを配置することにより、バスの駆動回路の電源電流な
らびに出力波形に周波数変調が与えられるので、バス幅
が多ビットになると通常は急速に大きくなるEMI輻射
のピーク値を低減することができる。
【0022】半導体集積回路装置の外部機器と信号を受
け渡しするパッドの駆動回路を備え、上記パッドの駆動
回路に上記変調MISトランジスタを配置することによ
り、パッドの出力波形のスルーレートに周波数変調が与
えられるので、EMI輻射のピークが低減される。さら
に、電源電流に変調がかかっていることから、パッドの
駆動回路が同時に遷移することにより特に大きくなる電
源線からのEMI輻射のピークを低減することもでき
る。パッドの駆動回路のトランジスタは大電流が流れる
とともに装置外部のアンテナとして働く配線に直結され
るためEMI輻射のレベルも高いが、この場合にもEM
I輻射を有効に低減することができる。
【0023】本発明の電子機器は、第1の半導体集積回
路装置の複数個と、第2の半導体集積回路装置とを搭載
した電子機器において、上記第1の半導体集積回路装置
は、半導体基板の基板領域に囲まれる領域に設けられた
ソース及びドレインと、上記半導体基板上の上記ソース
・ドレイン間に位置する領域に設けられたゲートとを有
するMISトランジスタの複数個を集積してなる半導体
集積回路装置であって、上記複数のMISトランジスタ
は、ラッチアップが生じない範囲で、ある振幅で変化す
る変調基板バイアスVb が与えられるPチャンネル型変
調MISトランジスタと、ある振幅で変化する変調基板
バイアスVb'が与えられるNチャンネル型変調MISト
ランジスタとのうち少なくともいずれか一方の変調MI
Sトランジスタを含んでおり、上記第2の集積回路装置
は、上記各第1の半導体集積回路装置に供給する変調基
板バイアスを発生するための変調基板バイアス発生回路
を含んでいる。
【0024】これにより、各半導体集積回路装置には基
板電位発生集積回路が不要となるので、コストの低減を
図ることができる。
【0025】上記第1の半導体集積回路装置中の上記P
チャンネル型変調MISトランジスタには、複数のMI
Sトランジスタは、上記ドレインの電位をVddとし、上
記ソースの電位をVssとし、そのときのドレイン−基板
領域間のPN接合の順方向電圧をVf としたときに、上
記基板領域にVb ≧Vdd−Vf の範囲で,ある振幅で変
化する変調基板バイアスVb が与えられ、上記Nチャン
ネル型変調MISトランジスタには、ドレインの電位を
Vddとし、上記ソースの電位をVssとし、そのときの基
板領域−ソース間のPN接合の順方向電圧をVf'とした
ときに、上記基板領域にVb'≦Vss+Vf'の範囲で,あ
る振幅で変化する変調基板バイアスVb'が与えられるこ
とにより、CMOS半導体集積回路装置においてもラッ
チアップが確実に防止されることになる。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1(a),(b),(c)は、それぞれ順に、本発明
の第1の実施形態における半導体集積回路装置の構成を
概略的に示す電気回路図、Pch変調MOSトランジスタ
の変調基板バイアスVb の時間変化を示す図、Nch変調
MOSトランジスタの変調基板バイアスVb'の時間変化
を示す図である。
【0027】図1(a)に示すように、半導体集積回路
装置1Aは、Pチャンネル型MOSトランジスタ(以
下、「PchMOSトランジスタ」と記述する)とNチャ
ンネル型MOSトランジスタ(以下、「NchMOSトラ
ンジスタ」と記述する)とによって構成されたインバー
タ2〜4(相補型論理ゲート)と、各インバータ2〜4
に電源電位Vddを供給するための電源配線5と、各イン
バータ2〜4に接地電位Vssを供給するためのグラウン
ド配線6と、各インバータ2〜4に変調基板バイアスV
b を供給するための変調基板バイアス供給配線7と各イ
ンバータ2〜4に変調基板バイアスVb'を供給するため
の変調基板バイアス供給配線8と、各MOSトランジス
タにゲート電圧Vg を供給するためのゲート電圧供給配
線Slgとを備えている。
【0028】ただし、本発明の実施の形態においては、
「MOSトランジスタ」とは、ゲート絶縁膜が酸化膜に
よって構成されているものだけではなく、シリコン窒化
膜,シリコン酸窒化膜などの酸化膜以外の絶縁膜によっ
て構成されているものつまりMISトランジスタをも含
んでいるが、便宜上、「MOSトランジスタ」と呼ぶこ
とにする。
【0029】ここで、インバータ2は、基板領域(ウエ
ル)が変調基板バイアス供給配線7に接続されて電位が
変動するPch変調MOSトランジスタ9と、基板領域が
自己のソースとともにグラウンド配線6に接続されて電
位が固定される通常のNchMOSトランジスタ10とに
よって構成されている。インバータ3は、基板領域がド
レインとともに電源配線5に接続されて電位が固定され
る通常のPchMOSトランジスタ11と、基板領域が変
調基板バイアス供給配線8に接続されて電位が変動する
Nch変調MOSトランジスタ12とによって構成されて
いる。また、インバータ4は、Pch変調MOSトランジ
スタ9とNch変調MOSトランジスタ12とによって構
成されている。なお、いずれのPchMOSトランジスタ
9,11のドレインも電源配線5に接続され、いずれの
NchMOSトランジスタ10,12のソースもグラウン
ド配線6に接続されている。また、回路内のすべてのM
OSトランジスタのゲートはゲート配線Slgに接続され
ている。
【0030】図1(b)に示すように、Pch変調MOS
トランジスタ9の基板領域に供給される変調基板バイア
スVb は、時間tに対して、最小値が(Vdd−Vf ),
変動振幅がVa ,周期が(1/fm )(fm は周波数)
で変動する波形を有している。つまり、変調基板バイア
スVb は、下記式(1) Vb =Vdd−Vf +Va *F(2π*fm *t) (1) (0≦F(θ)≦1,F(θ)=F(θ+2π))によ
り表される。
【0031】一方、Nch変調MOSトランジスタ12の
基板領域に供給される変調基板バイアスVb'は、最大値
が(Vss+Vf'),変動振幅がVa',周期が(1/f
m')(fm'は周波数)で変動する波形を有している。つ
まり、変調基板バイアスVb'は、下記式(2) Vb'=Vss+Vf'−Va'*G(2π*fm'*t) (2) (0≦G(θ)≦1,G(θ)=G(θ+2π))によ
り表される。
【0032】ここで、関数F(θ),G(θ)は周期が
2πで振幅が1に規格化された任意の波形である。単純
なF(θ),G(θ)としては、ノコギリ波や三角関数
などが考えられるが、図1(b),(c)には、その例
として三角関数である場合を示している。また、電圧V
f は、PchMOSトランジスタのドレイン−基板領域間
及びソース−基板領域間のPN接合のビルトイン電圧、
電圧Vf'は、NchMOSトランジスタのドレイン−基板
領域間及びソース−基板領域間のPN接合のビルトイン
電圧であり、それぞれ0.4〜0.6V程度である。
【0033】このように、変調基板バイアスVb の最小
値をVdd−Vf とし、あるいは、変調基板バイアスVb'
の最大値をVss+Vf'とすることにより、MOSトラン
ジスタのドレインおよびソースのPN接合部が順方向に
バイアスされて流れる電流を最小限に抑制することがで
きる。その結果、基板へのリーク電流による出力電圧の
変動を抑制することができる。また、後述するように、
寄生バイポーラトランジスタの作動によるラッチアップ
による回路の誤動作を防止することができる。
【0034】ただし、図1(b)に示す変調基板バイア
スVb の最小値が(Vdd−Vf )よりも大きければよい
のであって、変調基板バイアスVb の最小値が(Vdd−
Vf)に一致する必要はない。同様に、図1(c)に示
す変調基板バイアスVb'の最大値が(Vss+Vf')より
も小さければよいのであって、変調基板バイアスVb’
の最大値が(Vss+Vf')に一致する必要はない。さら
に、回路が誤動作しない短時間であれば、この条件から
はずれてもよい。変調基板バイアスのインピーダンスが
十分高ければ、自動的に(Vdd−Vf )と(Vss+V
f')との間に戻るからである。
【0035】Pch,Nch変調MOSトランジスタ9,1
2の基板電位を、上記式(1),(2)における変調基
板バイアスVb ,Vb'のように周波数変調することによ
り、MOSトランジスタのスレッショルド電圧Vthが変
調される。そして、スレッショルド電圧Vthが変調され
ることにより、変調MOSトランジスタを含む回路は以
下のような影響を受ける。
【0036】第1の影響として、変調MOSトランジス
タのドレイン電流は周波数変調され、変調MOSトラン
ジスタを含む回路の信号の立ち上がり時間Trise,立ち
下がり時間Tfall及び遅延時間Tpdが時間と共に変動す
る。
【0037】第2の影響として、変調MOSトランジス
タを含むCMOS回路の入力スレッショルド電圧が周波
数変調され、CMOS回路の遅延時間が周波数変調され
る。入力信号波形の立ち上がり時間Trise,立ち下がり
時間Tfallが長くなるほど遅延時間の変調幅は大きくな
る。
【0038】上記第1の影響について、以下、式に沿っ
て説明する。スレッショルド電圧Vthは、近似的に次式
(3) Vth=Vth0 +γ*(√(Vb +φ)−√(φ)) (3) のように表現される(Vth0 ,γ,φは定数)。これに
より、変調基板バイアスVb の変動(ΔVb )に対する
スレッショルド電圧Vthの変動(ΔVth)は、下記式
(4)ΔVth=(∂Vth/∂Vb )*ΔVb =(γ/(2*√(Vb +φ))*ΔVb (4) のように表される。また、トランジスタの飽和電流Ids
atは、下記式(5) Idsat=K1*(Vdd−Vth) (5) と近似され(K1は定数)、スレッショルド電圧の変動
(ΔVth)の変動による飽和電流Idsatの変動(ΔIds
at)は、下記式(6) ΔIdsat=(∂Idsat/∂Vth)*ΔVth =−K1*ΔVth =−K1*(γ/(2*√(Vb +φ))*ΔVb =−(K2/√(Vb +φ))*ΔVb (6) により表される(K2=K1*γ/2)。式(6)か
ら、飽和電流Idsatは、変調基板バイアスVb の変動Δ
Vb が大きくなると減少することがわかる。
【0039】次に、遅延時間Tpdは、下記式(7) Tpd=C1*Vdd/Idsat (7) によって近似され(C1は負荷容量)、飽和電流の変動
ΔIdsatに対する遅延時間Tpdの変動(ΔTpd)は、下
記式(8) ΔTpd=(∂Tpd/∂Idsat)*ΔIdsat =−(C1/Idsat)*(ΔIdsat/Idsat) =(C1/Idsat)*K2/√(Vb +φ)*ΔVb /Idsat (8) によって表される。式(8)から、電位ΔVb が大きく
なると遅延時間Tpdが増大することがわかる。
【0040】次に、上記第2の影響について、以下、式
に沿って説明する。CMOS回路の論理スレッショルド
電圧Vthc は、CMOS回路を構成するPch,Nchトラ
ンジスタのツリーにおいて、Vb=0(V)のとき、各
Nch,PchのツリーはそれぞれVthn、Vthpと等価
なスレッショルド電圧と各Nch、Pchのツリーと等
価な電流駆動能力とを備えた単体トランジスタに近似す
ると、下記式(9) Vthc =(Vdd−Vthp+Vthn)/2 =Vdd/2+(ΔVthn −ΔVthp ) (9) によって表される。ただし、Vthn はNchMOSトラン
ジスタのスレッショルド電圧をΔVthn はその変動を示
し、Vthp はPchMOSトランジスタのスレッショルド
電圧をΔVthp はその変動をそれぞれ示す。つまり、 Vthp=Vthp(Vb =0)+ΔVthp Vthn=Vthn(Vb =0)+ΔVthn Vthp(Vb =0)=Vthn(Vb =0) と表すことができる。その結果、CMOS回路の論理ス
レッショルド電圧Vthcの変動ΔVthc は、下記式(1
0) ΔVthc =Vthc−Vthc(Vb =0) ={Vdd/2+(ΔVthn −ΔVthp )/2}−Vdd/2 =(ΔVthn −ΔVthp )/2 (10) によって表される。CMOS回路の論理スレッショルド
電圧Vthc の変動ΔVthc に対する遅延時間Tpdの変動
(ΔTpd)は、入力信号のスルーレートS[V/s]に
依存して変動し、下記式(11) ΔTpd=ΔVthc /S =0.5*(ΔVthn −ΔVthp )/S (11) によって表すことができる。つまり、論理スレッショル
ド電圧の変動に対する遅延時間の変動ΔTpdは、Nch,
Pch変調MOSトランジスタのスレッショルド電圧の変
動ΔVthn ,ΔVthp のいずれかが最小になるときに最
大になる。これは、変調基板バイアスVb ,Vb'の波形
の位相を逆相とすることにより実現される。
【0041】以上説明したように、回路の遅延時間と出
力信号の立ち上がりおよび立ち下がりに要する時間は、
回路に変調MOSトランジスタを組み込んで、その基板
電位を変動させることにより変調される。
【0042】そして、変調MOSトランジスタを用いた
回路の信号遷移は時間的に非同期に拡散することにな
り、同時に多数の信号が同時に遷移する確率が低くな
り、アンテナとなる電源線に流れる電源電流のピーク
は、上述のような変調がない場合に比べると、時間的に
広がる。つまり、輻射される電磁波のエネルギー分布に
おけるある周波数におけるピークが変調が無い場合に比
べて拡散するために、ピーク値は小さくなり、EMI輻
射が低減される。特に、変調基板バイアスVb ,Vb'の
変動振幅が大きい程、時間的にばらつきが大きくなるた
めに、EMI輻射のピークは拡散し、そのピーク値は低
下する。また、出力信号の立ち上がりおよび立ち下がり
に要する時間は長くなる方向に変位するため、信号に含
まれる高周数成分を減衰させることができるので、EM
I輻射をよりいっそう低減することができる。
【0043】図2は、変調MOSトランジスタを含む回
路の,ある高調波の周波数領域におけるEMI輻射強度
の例を示している。図2において、横軸は周波数を表
し、縱軸は輻射強度を表している。同図からわかるよう
に、EMI輻射強度は、変調がない場合には急峻なピー
クを有するが、周波数変調することによりピーク値があ
る量Δだけ小さくなり、輻射の周波数分布はある幅δだ
け両側に広がる。
【0044】基本周波数からの周波数変位δの値はVb
,Vb'の振幅Va ,Va'によって決定され、周波数変
位δの分布の形状は、関数F(2π*fm *t),G
(2π*fm *t)の関数形によって決定される。
【0045】関数F(θ),G(θ)の形は、例えば三
角波形を選ぶと効果的なδ分布の形状になることがあ
る。しかし、関数F(θ),G(θ)の形によっては、
より高い周波数でのEMI輻射が観測される場合もあり
うるので、その関数形は実験的に決定することが効果的
である。
【0046】−変調MOSトランジスタの構造−図3
は、図1(a)に示すPch変調MOSトランジスタ9と
通常のNchMOSトランジスタ10とからなるインバー
タ2のシングルNウエルプロセスによる構造を示す断面
図である。同図に示すように、P型のSi基板100に
は、Nウエル101と、Pch変調MOSトランジスタ9
のソース領域102と、Pch変調MOSトランジスタ9
のドレイン領域103と、Pch変調MOSトランジスタ
9の基板コンタクト領域104と、通常のNchMOSト
ランジスタ10のドレイン領域105と、通常のNchM
OSトランジスタ10のソース領域106と、通常のN
chMOSトランジスタ10の基板コンタクト領域107
とが設けられている。そして、Pch変調MOSトランジ
スタ9においては、ソース領域102に電源電位Vddを
供給するための電源配線5が接続され、ドレイン領域1
03には出力配線108が接続され、基板コンタクト領
域104には変調基板バイアスVb を供給するための変
調基板バイアス供給配線7が接続されている。また、通
常のNchMOSトランジスタ10においては、ドレイン
領域105に出力配線108が接続され、ソース領域1
06及び基板コンタクト領域107には接地電位Vssを
供給するためのグランド配線6が接続されている。ま
た、各MOSトランジスタ9,10のソース・ドレイン
領域間には、ゲート絶縁膜を挟んでゲート電極となるゲ
ート配線Slgが設けられ、このゲート配線Slgは図3に
示す断面にほぼ直交する方向に延びて、各インバータの
各MOSトランジスタのゲート電極としても機能してい
る。
【0047】ここで、インバータ中に変調MOSトラン
ジスタをどのように配置するかは、半導体集積回路装置
の製造プロセスに依存する。図3に示すように、Nウエ
ルプロセスを採用する場合には 各Nウエル101間が
絶縁分離されていることから、各Nウエル101(基板
領域)に相異なる変調基板バイアスVb を与えても不具
合は生じないので、各Nウエル101に通常のPchMO
SトランジスタとPch変調MOSトランジスタとを任意
に選択して設けることができる。しかし、各NchMOS
トランジスタの基板領域は共通のSi基板100である
ことから、各NchMOSトランジスタの変調基板バイア
スは個別に設定することができない。したがって、Si
基板100には、通常のNchMOSトランジスタとNch
変調MOSトランジスタとを任意に選択して設けること
ができず、全てのNchMOSトランジスタをNch変調M
OSトランジスタにするか、通常のNchMOSトランジ
スタにするかを選択しうるにすぎない。
【0048】図4は、図1(a)に示すPch変調MOS
トランジスタ9とNch変調MOSトランジスタ12とか
らなるインバータ4のツインウエルプロセスによる構造
を示す断面図である。同図に示すように、N型のSi基
板110には、エピタキシャル層111と、Nウエル1
12と、Pウエル113と、Pch変調MOSトランジス
タ9のソース領域102と、Pch変調MOSトランジス
タ9のドレイン領域103と、Pch変調MOSトランジ
スタ9の基板コンタクト領域104と、Nch変調MOS
トランジスタ12のドレイン領域105と、Nch変調M
OSトランジスタ12のソース領域106と、Nch変調
MOSトランジスタ12の基板コンタクト領域107と
が設けられている。そして、Pch変調MOSトランジス
タ9においては、ソース領域102に電源電位Vddを供
給するための電源配線5が接続され、ドレイン領域10
3には出力配線125が接続され、基板コンタクト領域
104には変調基板バイアスVb を供給するための変調
基板バイアス供給配線7が接続されている。また、Nch
変調MOSトランジスタ12においては、ドレイン領域
105に出力配線125が接続され、ソース領域106
には接地電位Vssを供給するためのグラウンド配線6が
接続され、基板コンタクト領域107には変調基板バイ
アスVb'を供給するための変調基板バイアス供給配線8
が接続されている。また、各MOSトランジスタ9,1
2のソース・ドレイン領域間には、ゲート絶縁膜を挟ん
でゲート電極となるゲート配線Slgが設けられ、このゲ
ート配線Slgは図4に示す断面にほぼ直交する方向に延
びて、各インバータの各MOSトランジスタのゲート電
極としても機能している。
【0049】図4に示すようなツインウエルプロセスを
採用する場合には、Pウエルに各々囲まれた各Nウエル
112間が電気的に分離されていることから、各Nウエ
ル112(基板領域)に相異なる変調基板バイアスVb
を与えても不具合は生じないので、図3に示す構造と同
様に、各Nウエル112に通常のPchMOSトランジス
タとPch変調MOSトランジスタとを任意に選択して設
けることができる。また、Nウエルに各々囲まれた各P
ウエル113間が絶縁分離されていることから、各Pウ
エル113(基板領域)に相異なる変調基板バイアスV
b'を与えても不具合は生じないので、各Pウエル113
に通常のNchMOSトランジスタとNch変調MOSトラ
ンジスタとを任意に選択して設けることができる。
【0050】また、通常のMOSトランジスタから変調
MOSトランジスタへの変更は、基板コンタクトに接続
される配線を変更するだけでよく、回路の構成を変更す
る必要はないので、容易に実現できる。
【0051】ここで、上述のように、変調基板バイアス
Vb の最小値をVdd−Vf とし、あるいは、変調基板バ
イアスVb'の最大値をVss+Vf'とすることによるラッ
チアップの抑制作用について説明する。
【0052】図5は、図4に示すPch変調MOSトラン
ジスタ9とNch変調MOSトランジスタ12とからなる
インバータ4の構造において、Nウエル112とPウエ
ル113とを抜き出して示す断面図である。同図に示す
ように、CMOSインバータには、寄生PNPバイポー
ラトランジスタBP1と、寄生PNPバイポーラトラン
ジスタBP1のコレクタをベースとする寄生NPNバイ
ポーラトランジスタBP2とが形成され、この2つの寄
生バイポーラトランジスタBP1,BP2がサイリスタ
として動作する。ラッチアップが生じてサイリスタがオ
ンすると、ソース領域102とソース領域106との間
に大電流が流れる。
【0053】ここで、まず、寄生PNPバイポーラトラ
ンジスタBP1の動作と変調基板バイアスVb との関係
について説明する。上述のように、電圧Vf は、PchM
OSトランジスタのドレイン及びソースと基板領域との
間に形成されるPN接合の0.5〜0.6V程度のビル
トイン電圧である。電圧Vf'は、NchMOSトランジス
タのドレイン及びソースと基板領域との間に形成される
PN接合の0.5〜0.6V程度のビルトイン電圧であ
る。Vf ,Vf'=(kT/q)ln{(NA −NB )/
i 2}で与えられる(ここで、k:ボルツマン定数,
q:電子の電荷,ni :真性半導体層の不純物濃度、N
A :P型不純物濃度,NB :N型不純物濃度)。したが
って、PNP寄生バイポーラトランジスタBP1のエミ
ッタ電位V E はVddであり、ベース電位VB は基板コン
タクト領域104の電位であるバイアス電位Vb (≧V
dd−Vf )以下である。つまり、ベースとエミッタにバ
イアスされる電圧はVf 以下、つまりビルトイン電圧以
下であり、寄生PNPバイポーラトランジスタBP1が
動作するためのベース電流がほとんど流れないので、P
NPバイポーラトランジスタBP1の作動を有効に阻止
し、サイリスタはonnしない。また、通常のPchMO
Sトランジスタの場合には、基板コンタクト領域の電位
は電源電位Vddに固定されるが、図1(b)に示すよう
に、Pch変調MOSトランジスタ9の変調基板バイアス
Vb が電源電位Vddよりも高くなっている期間が、変調
基板バイアスVb が電源電位Vddよりも低くなっている
期間よりも長いので、通常のPchMOSトランジスタに
比べても、同等もしくはそれ以上のラッチアップ防止機
能を発揮することが可能である。
【0054】次に、寄生NPNバイポーラトランジスタ
BP2の動作と変調基板バイアスVb との関係について
説明する。NPN寄生バイポーラトランジスタBP2の
エミッタ電位VE はVssであり、ベース電位VB は基板
コンタクト領域107の電位であるバイアス電位Vb'
(≦Vss+Vf')である。ベース−エミッタ間にバイア
スされる電圧はVf'以下であり、寄生NPNバイポーラ
トランジスタBP2が作動するためのベース電流がほと
んど流れないので、寄生NPNバイポーラトランジスタ
BP2の作動を有効に阻止し、サイリスタはonになら
ない。また、通常のNchMOSトランジスタの場合に
は、基板コンタクト領域の電位は接地電位Vssに固定さ
れるが、図1(c)に示すように、Nch変調MOSトラ
ンジスタ12の変調基板バイアスVb'が接地電位Vssよ
りも低くなっている期間が、変調基板バイアスVb'が接
地電位Vssよりも高くなっている期間よりも長いので、
通常のNchMOSトランジスタに比べても、同等もしく
はそれ以上のラッチアップ防止機能を発揮することが可
能である。
【0055】以上のように、変調基板バイアスVb の最
小値をVdd−Vf とし、あるいは、変調基板バイアスV
b'の最大値をVss+Vf'とすることにより、寄生バイポ
ーラトランジスタの作動によるラッチアップによる回路
の誤動作を有効に防止することができる。
【0056】なお、図3に示すNウエルプロセスを採用
した構造において通常のNchMOSトランジスタを配置
した場合でも、図5に示すような2つの寄生バイポーラ
トランジスタが形成され、寄生NPNバイポーラトラン
ジスタのエミッタ電位が固定されている点を除くと、図
5に示す場合と同様の作用を生じる。また、図5に示す
構造において、Pch変調MOSトランジスタ9に代えて
通常のPchMOSトランジスタを配置した場合も同様で
ある。したがって、変調基板バイアスVb の最小値をV
dd−Vf とし、あるいは、変調基板バイアスVb'の最大
値をVss+Vf'とすることは、図1(a)に示すインバ
ータ3,4のラッチアップを防止するためにも有効であ
る。
【0057】なお、Pch変調MOSトランジスタ9の変
調基板バイアスVb の最小値をVdd−Vf とすることに
より、ソース領域102と基板領域であるNウエル11
2との間に形成されるPN接合部に印加される順方向電
圧をVf 以下に維持できるので、リーク電流の低減をも
図ることができることはいうまでもない。同様に、Nch
変調MOSトランジスタ12の変調基板バイアスVb'の
最大値をVss+Vf'とすることにより、基板領域である
Pウエル113とソース領域106との間に形成される
PN接合部に印加される順方向電圧をVf'以下に維持で
きるので、リーク電流の低減をも図ることができること
はいうまでもない。
【0058】また、上記図1(a)に示す構成におい
て、集積回路装置1A内に、通常のPchMOSトランジ
スタ10と通常のNchMOSトランジスタとからなるイ
ンバータが配置されていてもよいことはいうまでもな
い。
【0059】なお、基板電位のインピーダンスを十分に
大きくとれば、変調バイアス値は自動的にVdd−Vf ,
Vss+Vf'近辺に落ち着かせることができる。また、本
実施形態においては、Vb ≧Vdd−Vf 及びVb'≦Vss
+Vf'としたが、ラッチアップの生じない,回路が誤動
作しない範囲で短時間であれば、この条件をはずれても
よい。
【0060】−第1の実施形態の第1の変形例− 図6は、図1(a)に示すPch変調MOSトランジスタ
9とNch変調MOSトランジスタ12とからなるインバ
ータ4をSOI構造で実現した構造を示す断面図であ
る。同図に示すように、Si基板120には、例えば酸
素イオンの注入と熱処理とによってSi基板120の所
定深さ位置に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁層
121と、絶縁層121の上に残存するSi層をトラン
ジスタ形成領域ごとに区画する素子分離用絶縁膜122
と、素子分離領域122によって囲まれるNウエル12
3及びPウエル124と、Pch変調MOSトランジスタ
9のソース領域102と、Pch変調MOSトランジスタ
9のドレイン領域103と、Pch変調MOSトランジス
タ9の基板コンタクト領域104と、Nch変調MOSト
ランジスタ12のドレイン領域105と、Nch変調MO
Sトランジスタ12のソース領域106と、Nch変調M
OSトランジスタ12の基板コンタクト領域107とが
設けられている。そして、Pch変調MOSトランジスタ
9においては、ソース領域102に電源電位Vddを供給
するための電源配線5が接続され、ドレイン領域103
には出力配線125が接続され、基板コンタクト領域1
04には変調基板バイアスVb を供給するための変調基
板バイアス供給配線7が接続されている。また、Nch変
調MOSトランジスタ12においては、ドレイン領域1
05に出力配線125が接続され、ソース領域106に
は接地電位Vssを供給するためのグラウンド配線6が接
続され、基板コンタクト領域107には変調基板バイア
スVb'を供給するための変調基板バイアス供給配線8が
接続されている。また、各MOSトランジスタ9,12
のソース・ドレイン領域間には、ゲート絶縁膜を挟んで
ゲート電極となるゲート配線Slgが設けられ、このゲー
ト配線Slgは図4に示す断面にほぼ直交する方向に延び
て、各インバータの各MOSトランジスタのゲート電極
としても機能している。
【0061】本変形例においては、上記図4に示すツイ
ンウエルプロセスを採用した場合と同様の効果を発揮す
ることができる。しかも、この変形例では、Nウエル1
23とPウエル124とが素子分離用絶縁膜122によ
って隔てられているので、Nウエル123に形成される
寄生PNPバイポーラトランジスタと、Pウエル124
に形成される寄生NPNバイポーラトランジスタとが接
続されることがないので、図5に示すようなサイリスタ
が形成されることはない。よって、Pch変調MOSトラ
ンジスタ9の変調基板バイアスVb や、Nch変調MOS
トランジスタ12の変調基板バイアスVb'に対するラッ
チアップやリーク電流を考慮した電位の制限(図1
(b),(c)に示す最小値や最大値)を厳しく設ける
必要はない。つまり、設計の自由度が拡大し、かつ、ラ
ッチアップをより確実に防止することができる。
【0062】−第1の実施形態の第2の変形例− 図1(a)は、インバータ回路に変調MOSトランジス
タを適用した例を示したが、本発明の変調MOSトラン
ジスタを含む回路はインバータ回路に限定されるもので
はない。以下、第1の実施形態の第2の変形例について
説明する。
【0063】図7は、上述の変調MOSトランジスタを
CMOSツリー回路内に配置して構成される第2の変形
例における半導体集積回路装置1Bを示すブロック回路
図である。同図において、半導体集積回路装置1Bに
は、3つのCMOSツリー回路による論理ゲートが示さ
れている。各CMOSツリー回路は、信号入力配線19
と、信号出力配線20と、Nchパストランジスタ論理で
構成されたNchツリー回路と、Nchツリー回路の反転論
理であるPchパストランジスタ論理で構成されたPchツ
リー回路とのペアで構成されている。Pchツリー回路1
3,15,17内の一部あるいは全部のトランジスタ
は、図1(a)に示すPch変調MOSトランジスタの構
成を有しており、このPch変調MOSトランジスタの基
板領域には、変調基板バイアスVb を供給するための変
調基板バイアス供給配線7が接続されている。また、P
chツリー回路13,15,17内の通常のPchMOSト
ランジスタの基板領域には、電源電位Vddを供給するた
めの電源配線5が接続されている。さらに、Pchツリー
回路13,15,17内のすべてのPchトランジスタの
ドレインには電源配線5が接続されている。Nchツリー
回路14,16,18内の一部あるいは全部のトランジ
スタは、図1(a)に示すNch変調MOSトランジスタ
の構成を有しており、このNch変調MOSトランジスタ
の基板領域には、変調基板バイアスVb'を供給するため
の変調基板バイアス供給配線8が接続されている。ま
た、Nchツリー回路14,16,18内の通常のNchM
OSトランジスタの基板領域には、接地電位Vssを供給
するためのグラウンド配線6が接続されている。さら
に、Nchツリー回路14,16,18内のすべてのNch
トランジスタのソースにはグラウンド配線6が接続され
ている。
【0064】この変形例においては、図1(a)に示す
インバータに代えてCMOSツリー回路が配置されてい
るが、この場合においても、回路全体としてのスイッチ
ング動作時は、Nchツリー回路,Pchツリー回路にそれ
ぞれ等価なインピーダンスをもったNch変調MOSトラ
ンジスタ,Pch変調MOSトランジスタからなるインバ
ータに置き換えて考えることができる。
【0065】すなわち、Nchツリー回路内にNch変調M
OSトランジスタを配置することにより、グラウンド配
線6に流れる電流と、スイッチング過渡期の信号出力配
線20に流れこむ貫通電流および立ち下がり波形に対し
て変調を行なうことができる。また、Pchツリー回路内
にPch変調MOSトランジスタを配置することにより、
電源配線5に流れる電流と、スイッチング過渡期の信号
出力配線20に流れ込む貫通電流および立ち上がり波形
に対して変調を行なうことができる。
【0066】なお、本変形例においても、変調MOSト
ランジスタの構造として、上述の図3に示すNウエルプ
ロセスを用いた構造,図4に示すツインウエルプロセス
を用いた構造及び図5に示すSOI基板を利用した構造
のいずれの構造を採用してもよい。
【0067】以上のように、本発明の変調MOSトラン
ジスタを用いてEMI輻射を低減する手法は、回路構成
を大幅に変更する必要がなく、基板電位を各変調MOS
トランジスタごとに分離するだけでよいので、インバー
タだけでなくCMOSツリー回路の任意の回路に適用で
きることが大きな利点である。
【0068】(第2の実施形態)次に、回路の特性に応
じて、変調MOSトランジスタを配置するか変調MOS
トランジスタを配置しないかを選択して構成される半導
体集積回路装置について述べる。本実施形態において
は、EMI輻射は電源電流Iの変化速度(dI/dt)
が速いと輻射される周波数の帯域が高周波まで広がるこ
とや、遷移時間(Δt)が十分に短い場合には、電源電
流Iの変化量{(dI/dt)*Δt}が多いほどEM
I輻射電力(電界強度)が増大することなどの実験事実
に基づいて、変調MOSトランジスタを用いるか否かを
選択する際の基準として、電源電流Iの変化速度(dI
/dt)と、電源電流Iの変化量{(dI/dt)*Δ
t}とを用いる例について説明する。
【0069】図8は、本実施形態における半導体集積回
路装置1Cの構成を示すブロック回路図である。同図に
示すように、本実施形態の半導体集積回路装置1Cは、
変調MOSトランジスタを配置した第1の回路21と、
変調MOSトランジスタを配置していない第2の回路2
2と、電源電位Vddを供給するための電源配線5と、接
地電位Vssを供給するためのグラウンド配線6と、変調
基板バイアスVb を供給するための変調基板バイアス供
給配線7と、変調基板バイアスVb'を供給するための変
調基板バイアス供給配線8と、データなどの信号を入力
するための信号入力配線19と、出力信号を出力するた
めの信号出力配線20とを備えている。
【0070】第1の回路21と第2の回路22とには、
電源電位Vddを供給するための電源配線5と、接地電位
Vssを供給するためのグラウンド配線6と、信号入力配
線19と、信号出力配線20とが接続されている。ま
た、第1の回路21及び第2の回路22には、それぞれ
電源配線5から電源電流Iddが流入し、電源電流Issが
グラウンド配線6に流れている。
【0071】ここで、第1の回路21の電源電流Iddの
変化速度(dI/dt)と電源電流Iddの変化量{(d
I/dt)*Δt}がそれぞれスレッショルド値Fc ,
Icを超え、また、第1の回路21の電源電流Issの変
化速度(dI/dt)と変化量{(dI/dt)*Δ
t}もそれぞれスレッショルドFc、Ic を超えてお
り、第1の回路21にはPchおよびNchの両極性の変調
MOSトランジスタが用いられている。一方、第2の回
路22の電源電流Iss及びIddの変化速度(dI/d
t)はスレッショルド値Fc 以上であるが電源電流Iss
及びIddの変化量{(dI/dt)*Δt}は、スレッ
ショルド値Ic 以下であることから、EMI輻射強度が
小さいと判断して、第2の回路22内には、通常のMO
Sトランジスタだけが配置されている。
【0072】ここで、電源電流Idd,Issの変化速度|
dI/dt|や変化量{|dI/dt|*Δt}の値
は、シミュレーションによって求めることができる。
【0073】図17(a)〜(c)は、それぞれ順に、
各種電流波形I,それに対する電流の変化速度|dI/
dt|及び変化量{|dI/dt|*Δt}のシミュレ
ーション結果をの例を示す図である。図17(a)は、
時間により変化するVddをもつ電流波形を示し、図17
(b)は、その微分波形の絶対値を示す。図17(b)
に示すように、電流のピーク値Ip の大きさと微分波形
の絶対値|dI/dt|の大きさとは無関係であり、ピ
ーク値Ip1,Ip2を有する電流波形に対応する微分波形
の絶対値|dI/dt|がスレッショルド値Fc を越え
ているが、比較的大きなピーク値Ip3を有する電流波形
に対応する微分波形の絶対値|dI/dt|はスレッシ
ョルド値Fc を越えていない。また、図17(c)は、
電流波形のパルス幅Δtを電流の微分波形の絶対値|d
I/dt|に掛け合わせて算出された値を示す。図17
(c)に示すように、ピーク値Ip2を有する電流波形に
対応する電流の変化量{|dI/dt|*Δt}のみが
スレッショルド値Ic を越えているが、他のピーク値I
p1,Ip3を有する電流波形に対応する電流の変化量{|
dI/dt|*Δt}はスレッショルド値Ic を越えて
いない。なお、ここでは電流の微分波形の絶対値|dI
/dt|を用いたが、電流の微分値dI/dtそのもの
を用いてもよい。その場合、負側のFc ,Ic の値を例
えば単純に符号を入れ替えるなどにより、定めておく必
要がある。
【0074】なお、第1の回路21において、例えば電
源電流Iddの変化速度(dI/dt)と変化量{(dI
/dt)*Δt}のみがスレッショルド値を超過してい
る場合は、第1の回路21にPch変調MOSトランジス
タと通常のNchMOSトランジスタとを配置してもよ
い。また、第1の回路21において、電源電流Issの変
化速度(dI/dt)と変化量{(dI/dt)*Δ
t}のみがスレッショルド値を超過している場合は、第
1の回路21に通常のPchMOSトランジスタとNch変
調MOSトランジスタとを配置してもよい。
【0075】本実施形態によると、第1の実施形態とは
異なり、回路特性を調べることなく変調MOSトランジ
スタの配置を決定するのではないので、以下の効果を発
揮することができる。すなわち、不要な箇所にまで変調
MOSトランジスタを設けると、変調MOSトランジス
タの変調基板バイアスVb ,Vb'の引き出し電極による
レイアウト面積の増大を招くことになるが、本実施形態
においては、レイアウト面積の増大を必要最小限に抑制
しつつ、EMI輻射を有効に低減することができる。
【0076】(第3の実施形態)次に、回路の特性に応
じて変調MOSトランジスタを配置するか変調MOSト
ランジスタを配置しないかを選択して構成される半導体
集積回路装置の別の例について述べる。
【0077】図9は、本実施形態における半導体集積回
路装置1Dの構成を示すブロック回路図である。同図に
示すように、本実施形態の半導体集積回路装置1Dに
は、図1(a)に示すPch変調MOSトランジスタ9と
通常のNchMOSトランジスタ10とからなるインバー
タ2と、インバータ2の出力をゲート信号配線25を介
して受けるインバータ26と、インバータ26からの出
力信号を送るための信号出力配線20とが配置されてい
る。つまり、インバータ2はインバータ26の駆動回路
として機能していることになる。そして、インバータ2
6は、通常のPchMOSトランジスタ11と通常のNch
MOSトランジスタ10とにより構成されている。
【0078】ここで、本実施形態においては、インバー
タ26の電源電流Iddおよび電源電流Issのいずれにつ
いても、変化速度(dI/dt)と変化量{(dI/d
t)*Δt}がそれぞれスレッショルド値Fc 、Ic を
超えているにも拘わらず、通常のMOSトランジスタで
構成されている。その理由は以下の通りである。駆動回
路であるインバータ2内に変調MOSトランジスタ(P
ch変調MOSトランジスタ9)が配置されていることか
ら、EMI輻射の要因となる電流が流れるインバータ2
6のゲート信号配線25には変調された信号が流れ、イ
ンバータ26のスイッチング時刻は変調される。その結
果、インバータ26のスイッチングによって輻射される
電磁波のエネルギー分布の周波数ピークは、入力信号が
変調されていない場合に比べて広くなだらかになるの
で、EMI輻射強度が低減されることになる。
【0079】なお、駆動回路であるインバータ2を、通
常のPchMOSトランジスタとNch変調MOSトランジ
スタにより構成しても、本実施形態と同じ効果を発揮す
ることができる。
【0080】特に、本実施形態の構成を採用した場合、
図3に示すPch変調MOSトランジスタ9と通常のNch
MOSトランジスタ10との比較からわかるように、通
常のMOSトランジスタでは、基板コンタクト領域とド
レイン領域又はソース領域とに共通の引き出し電極を設
けることができるが、変調MOSトランジスタでは、基
板コンタクト領域と、ドレイン領域と、ソース領域と
に、それぞれ個別の引き出し電極を設ける必要がある。
一方、EMI輻射の直接の要因となる大電流が流れるト
ランジスタはレイアウト面積が大きくなるが、かかるレ
イアウト面積の大きいトランジスタに変調MOSトラン
ジスタを用いると、引き出し電極を個別に設けること
で、さらにレイアウト面積が大きくなる。ところが、本
実施形態を用いることにより、レイアウト面積の大きな
MOSトランジスタを通常のMOSトランジスタにして
も、EMI輻射をある程度抑制することができる。つま
り、変調MOSトランジスタの採用によるレイアウト面
積の増大をできるだけ抑制することができる。
【0081】(第4の実施形態)信号の遅延時間を変調
基板バイアスVb ,Vb'の振幅により制御できることは
上述した通りであるが、本実施形態においては、この点
に着目して、変調MOSトランジスタの変調基板バイア
スVb の振幅を回路の遅延時間余裕に適合するように選
択する半導体集積回路装置について述べる。
【0082】図10(a)は、本実施形態における半導
体集積回路装置1Eの構成を示す電気回路図である。半
導体集積回路装置1Eは、周波数fc ,周期Tc =1/
fcのクロック信号Clkを供給するクロック信号線30
と、クロック信号線30から供給されるクロック信号C
lkによって駆動されるフリップフロップ31,32,3
3と、各フリップフロップ間に設けられた組み合わせ回
路等からなる第1の論理回路34及び第2の論理回路3
5とによって構成されている。各フリップフロップ3
1,32,33においでは、入力部Dに入力されたデー
タをクロック入力部CKに入力されるクロック信号Clk
の立ち上がりに同期させて出力部Qに出力し、出力部Q
からの出力データはクロック信号Clkの次の立ち上がり
エッジまで保持される。第1の論理回路34と第2の論
理回路35とは、この例ではPch変調MOSトランジス
タを含んでいて、各論理回路34,35には変調基板バ
イアス供給配線7a,7bを介して変調基板バイアスV
b1,Vb2が供給される。
【0083】図10(b),(c)は、第1の論理回路
34と第2の論理回路35とにおけるクロック信号Cl
k,入力データ信号Vi1,Vi2及び出力データ信号Vo
1,Vo2の状態を示すタイミング図である。第1の論理
回路34の入力データ信号Vi1はクロック信号Clkの立
ち上がりエッジに同期して取り込まれ、遅延時間Td1だ
け遅れたタイミングで出力データ信号Vo1として出力さ
れる。同様に、第2の論理回路35の入力データ信号V
i2は、クロック信号Clkの立ち上がりエッジに同期して
取り込まれ、遅延時間Td2だけ遅れたタイミングで出力
データ信号Vo2として出力される。クロック信号Clkの
立ち上がり毎に、データが論理回路ーフリップフロップ
−論理回路−フリップフロップ−…と順次転送されるた
めには、少なくとも各論理回路34,35内における遅
延時間Td1,Td2がクロック信号Clkの周期より短い必
要がある。本実施例の場合には、Tc >Td2>Td1であ
る。つまり、第1の論理回路34は第2の論理回路35
に比べて遅延時間余裕(Tc −Tdn(n=1,2))が
大きい。ここで、変調基板バイアスVb1,Vb2は、下記
式(12),(13) Vb1=Vdd−Vf +0.5Va1*[sin (2π*fm *t)+1] (12) Vb2=Vdd−Vf +0.5Va2*[sin (2π*fm *t)+1] (13) のように設定されている。
【0084】ここで、図1(b)に示すように、Va1,
Va2は変調基板バイアスVb1,Vb2の変化振幅である。
このとき、各論理回路34,35の遅延時間Td1,Td2
は、それぞれ振幅Va1,Va2の増大につれて増大する振
幅Va1,Va2の関数である。すなわち、下記式(1
4),(15) Tc >Td2=f(Va2)>Td1=g(Va1) (14) Va1≧Va2 (15) のように設定することができる。
【0085】ここで、各回路に供給する変調基板バイア
スVb の変化振幅Va を均一にする場合(Vb が共通で
ある場合)には、各回路のうち遅延時間Td がもっとも
小さいものに適合するように変化振幅Va を設定する必
要があるので、変化振幅Vaの値を小さくせざるを得な
いことになる。
【0086】それに対して、本実施形態のように、遅延
時間余裕の大きな回路には遅延時間余裕の小さい回路よ
りも大きな変調基板バイアスVb の変化振幅Va を与え
ることにより、各回路に与える変調基板バイアスVb の
変化振幅Va を均一にする場合に比べて、集積回路装置
全体のEMI輻射をより効果的に低減することができ
る。
【0087】なお、本実施形態においては、各論理回路
34,35にPch変調MOSトランジスタを含む場合を
例にとって説明したが、Nch変調MOSトランジスタを
含む論理回路を備えた半導体集積回路装置においても、
遅延時間余裕が大きい回路には遅延時間余裕の小さい回
路よりも大きな変調基板バイアスVb'の変化振幅Va'を
与えることにより、同様の効果を発揮することができ
る。
【0088】(第5の実施形態)次に、変調基板バイア
スVb ,Vb'の発生回路を組み込んだ半導体集積回路装
置に関する第5の実施形態について説明する。
【0089】図11(a),(b)は、それぞれ本実施
形態における半導体集積回路装置1Fの構成を概略的に
示すブロック回路図及びその部分拡大図である。
【0090】図11(a)に示すように、半導体集積回
路装置1Fは、変調基板バイアス発生回路36と、変調
基板バイアスの生成データを格納した不揮発性メモリ3
7と、第1の回路39及び第2の回路40を備えてい
る。そして、第1の回路39は、Pch,Nch変調MOS
トランジスタを含んでおり、変調基板バイアス発生回路
36から変調基板バイアス供給配線7,8を介して供給
される変調基板バイアスVb ,Vb'がPch,Nch変調M
OSトランジスタに供給され、第1の回路39から発生
するEMI輻射が低減される構成となっている。一方、
第2の回路40には変調MOSトランジスタが配置され
ておらず、通常のMOSトランジスタのみが配置されて
いる。
【0091】また、図11(b)に示すように、不揮発
性メモリ37には、波形を記憶しているパターンメモリ
や、振幅やオフセットなどを記憶しているDCパラメー
タメモリ,周波数情報などを記憶しているACパラメー
タメモリが備えられている。また、基板バイアス発生回
路36は、不揮発性メモリ37のパターンメモリやDC
パラメータメモリ,ACパラメータメモリにサイクリッ
クにアクセスして、データを読み出すとともに、これら
のデータをD/A変換器に入力するためのデジタルデー
タに合成する。例えば、周期が1で周波数が1の基本的
なサインカーブからなる波形パターンを用いる場合、A
Cパラメータメモリから周波数10kHzのデータが取
り込まれ、DCパラメータメモリから振幅200mVの
データが取り込まれた場合、振幅200mVで周波数が
10kHzのサインカーブを生成するためのデジタルデ
ータが合成され、最終的にD/A変換器から基板バイア
スVb ,Vb'として出力される。
【0092】ここで、変調基板バイアス発生回路36に
おいて、不揮発性メモリ37のデータに基づいて変調基
板バイアスVb ,Vb'が生成される。また、不揮発性メ
モリ37は、制御信号配線38を介して入力されるデー
タ書き込み信号Sreに応じて、変調基板バイアスVb ,
Vb'の変化振幅Va ,Va'と波形形状の情報とを書き込
むことができ、かつ、変調基板バイアスVb ,Vb'の波
形をプログラムすることができる。また、この変調基板
バイアスVb ,Vb'の波形は、半導体集積回路装置1F
全体で均一の波形を有するものである必要はなく、第4
の実施形態のごとく半導体集積回路装置1F内の各回路
の遅延時間などの特性に応じて変化振幅,波形などを変
化させることも可能である。半導体集積回路装置1Fの
実装構造(システム上の選定)により、EMIは大きく
変わる。このため、半導体集積回路装置1Fのアプリケ
ーションに応じてチューニングする。このEMI輻射強
度が最小になるように変調基板バイアスVb ,Vb'の波
形をプログラムすることにより、半導体集積回路装置1
Fの各部に適正な変調基板バイアスVb ,Vb'を与える
ことが可能になる。
【0093】このように、半導体集積回路装置1F内
に、変調基板バイアス発生回路36を組み込んで、変調
基板バイアスVb ,Vb'の波形をプログラム可能な構成
とすることにより、EMI輻射が大きな半導体集積回路
装置に対しては、変調基板バイアスVb ,Vb'の変化振
幅を大きくとって回路の動作速度余裕を削減するように
変調基板バイアスVb ,Vb'の振幅をプログラムするこ
とができる。逆に、EMI輻射が小さな半導体集積回路
装置に対しては、回路の動作速度を優先させるように変
調基板バイアスVb ,Vb'の振幅を小さくプログラムす
ることにより、複数種類の半導体集積回路装置を共通の
構成にしながら、EMI輻射と動作速度のバランスが最
適化された半導体集積装置を実現することができる。
【0094】(第6の実施形態)次に、変調MOSトラ
ンジスタを用いてEMI輻射を低減するための対策を講
じたメモリセルアレイを用いた半導体集積回路装置に関
する第6の実施形態について説明する。ROMやRAM
などのメモリセルアレイにおいては、そのビット線を多
数同時にプリチャージする必要があり、このプリチャー
ジ動作によって電源線に急峻なピーク電流が流れ、この
ピーク電流がEMI輻射の要因となる。以下、RAMの
場合について説明するが、ROMについても本実施形態
を適用することができる。
【0095】図12は、本実施形態における半導体集積
回路装置1Gの構成を示す電気回路図である。同図に示
すように、RAM(Random Access Memory)として機能
する半導体集積回路装置1Gは、多数のRAMのメモリ
セル56をマトリックス状に配置したメモリセルアレイ
50と、メモリセルアレイ50に駆動信号Sdrを入力す
るための信号入力配線51と、インバータによって構成
され駆動信号Sdrを受ける駆動回路52と、ビット線対
55と、ビット線対55に介設される2つのPchMOS
トランジスタからなるプリチャージトランジスタ対53
と、ビット線対55間に介設されるイコライズトランジ
スタ54と、ビット線対55の端部に設けられセンスア
ンプ及び書き込みドライバ−を含むR/W回路57と、
R/W回路57からのデータを出力するための信号出力
配線58と、ワード線59とを備えている。データの読
み出し又は書き込みの際、メモリセル56は、ワード線
59を介して入力されるワード選択信号Swsによって選
択され、R/W回路57によってデータの読み出しと書
き込みとが行なわれる。ここで、ワード選択信号Swsに
よりメモリセル56を選択する際、ビット線対55に存
在する電荷によって期待しないデータがメモリセル56
に書き込まれるのを防ぐため及びセンスアンプの動作の
確保のために、ビット線対55のプリチャージトランジ
スタ対53がオンになり、ビット線対55の電位が電源
電位Vddに近づくようにプリチャージ(すなわち充電)
される。また、プリチャージトランジスタ対53がオン
になってプリチャージ動作が行なわれている時に、イコ
ライズトランジスタ54がオンになってビット線対55
の電位が均一化されることにより、センスアンプの動作
を高速化している。プリチャージトランジスタ対53と
その駆動回路52には、Pch変調MOSトランジスタが
配置されており、これらのPch変調MOSトランジスタ
に変調基板バイアスVb を供給するための変調基板バイ
アス供給配線7がメモリセルアレイ50の外部に引き出
されている。
【0096】本実施形態によると、駆動回路52のPch
変調MOSトランジスタの基板電位を変調基板バイアス
Vb により変調することで、第1の実施形態と同じ効果
を得ることができる。また、プリチャージトランジスタ
対53のPch変調MOSトランジスタの基板電位を変調
することにより、プリチャージ時にプリチャージトラン
ジスタ対53の駆動能力とオンになるタイミングとが変
調されるので、電源配線5からプリチャージトランジス
タ対53に流れる電源電流のピーク値が抑制され、EM
I輻射が低減されることになる。
【0097】なお、同時にプリチャージすべきビット線
対55の数が増加するほど、本実施形態を適用すること
によるEMI輻射の低減効果が大きい。
【0098】なお、プリチャージトランジスタ対53
は、メモリセルアレイ50中のメモリセル56と共通の
基板上に形成することができるので、変調基板バイアス
Vb の供給点としてプリチャージトランジスタ対53の
基板構造の端や中間点などの局所的な点を選ぶことによ
り、高抵抗である基板抵抗による変調基板バイアスVb
の遅延効果をも利用して、プリチャージトランジスタ対
53のスイッチング時期をより広くばらつかせることが
でき、より効果的にEMI輻射を低減することができ
る。
【0099】なお、本実施形態においては、プリチャー
ジトランジスタ対中のトランジスタに着目したが、メモ
リセルアレイでは他に同時並列動作がおこる回路部分と
して、R/W回路57があり、このR/W回路57に変
調MOSトランジスタを配置してEMI輻射を低減する
ことができる。ただし、R/W回路57は、作動型回路
など一般にタイミング動作が微妙な回路を採用している
ので、変調MOSトランジスタを配置する際にはタイミ
ング設計に注意を要する。
【0100】(第7の実施形態)次に、変調MOSトラ
ンジスタをバス信号線の駆動回路に配置した半導体集積
回路装置に関する第7の実施形態について説明する。複
数のバス信号線を同時かつ並列に駆動する駆動回路を備
えた半導体集積回路装置においては、駆動データが同時
に遷移したときに電源配線に急峻なピーク電流が流れる
ので、大きなEMI輻射を発生させることがある。さら
に、バス信号線は通常の配線よりも配線長が長くなる傾
向がある。そして、バス信号線が数cm以上に長くなる
とバス信号線自体からのEMI輻射も無視できない程強
くなる。
【0101】図13は、本実施形態における半導体集積
回路装置1Hの構成を示す図である。同図に示すよう
に、半導体集積回路装置1Hは、あるビット数のデータ
を入力するための信号入力配線60と、データの各ビッ
ト信号を受ける第1の回路61と、Pch変調MOSトラ
ンジスタ及びNch変調MOSトランジスタを用いたイン
バータのアレイによって構成され、バス信号線にデータ
を送るための駆動回路62と、駆動回路62からの出力
を受ける第2の回路63と、駆動回路62からの駆動信
号を第2の回路63にそれぞれ入力させるためのあるビ
ット数のバス信号線64と、第2の回路63からの出力
信号を出力するための信号出力配線65とを備えてい
る。そして、駆動回路62において、Pch変調MOSト
ランジスタの基板領域は変調基板バイアスVb を供給す
るための変調基板バイアス供給配線7に接続され、Nch
変調MOSトランジスタの基板領域は変調基板バイアス
Vb'を供給するための変調基板バイアス供給配線8に接
続されている。また、Pch変調MOSトランジスタのド
レインは電源電位Vddを供給するための電源配線5に接
続され、Nch変調MOSトランジスタのソースは接地電
位Vssを供給するためのグラウンド配線6に接続されて
いる。
【0102】ここで、第1の回路61の出力は駆動回路
62に入力され、駆動回路62からの出力は、配線長の
大きい複数のバス信号線64を経て第2の回路63に伝
達される。このとき、データの全ビットが各バス信号線
64においてLレベルからHレベルに遷移あるいはその
逆に遷移する場合に、電源配線5やバス信号線64から
発生するEMI輻射が最も大きくなる。そのとき、駆動
回路62中の各変調MOSトランジスタの基板電位を変
調基板バイアスVb ,Vb'によって変調することによ
り、駆動回路62からの出力の波形、つまり、立ち上が
り立ち下がりのタイミングやスルーレートが変調され
て、半導体集積回路装置1H全体のEMI輻射が低減さ
れる。この波形やスルーレートの変調によるEMI輻射
の低減効果は、バス信号線64の配線長が長く、かつ高
速に駆動する必要がある場合に特に大きい。
【0103】(第8の実施形態)次に、変調MOSトラ
ンジスタを、外部機器との間で信号をやりとりするため
に設けられるパッドの駆動回路に配置した半導体集積回
路装置に関する第8の実施形態について説明する。一般
に、パッドは半導体集積回路装置から引き出される長さ
数cmから数10cmの外部配線に接続され、これがア
ンテナとして働くために、パッドから出力されて外部配
線に流れる信号の波形はEMI輻射に大きく影響する。
【0104】図14は、本実施形態における半導体集積
回路装置1Iの構成を示す電器回路図である。同図に示
すように、半導体集積回路装置1Iは、内部回路70
と、内部回路70と外部機器との間に流れる信号を授受
するためのパッド回路71と、パッド回路71に配置さ
れるパッド72と、パッド72に信号を送るための駆動
回路73と、外部機器からパッド72への入力信号を内
部回路70に伝達するための信号入力配線74と、内部
回路70から外部機器への出力信号を駆動回路73に伝
達するための信号出力配線75と、駆動回路73の動作
を制御するための制御信号を伝達する制御信号線76
と、内部回路70から各種データを出力するための信号
線77とを備えている。本実施形態においては、パッド
回路71を双方向機能を有するものとしたが、これは一
例であって、出力用パッド回路と入力用パッド回路とを
個別に備えたものにも、本実施形態を適用することがで
きる。
【0105】パッド回路71において、外部機器からパ
ッド72に入力された信号は信号入力配線74から内部
回路70に入力される。このとき、パッド72に接続さ
れる駆動回路73が高インピーダンス状態になるよう
に、制御信号線76から伝達される制御信号はHレベル
にされる。また、信号出力配線75に伝達される内部回
路70からの出力は、Pch,Nch変調MOSトランジス
タによって構成された駆動回路73によってバッファさ
れてパッド72から外部機器に出力される。このとき、
駆動回路73からの出力が変調基板バイアスVb ,Vb'
によって変調されるので、パッド72からの出力信号の
立ち上がり立ち下がりタイミングが変調されて、電源配
線5およびグラウンド配線7からのEMI輻射が低減さ
れる。また、パッド72からの出力信号のスルーレート
が変調されるので、パッド72に接続される半導体集積
回路装置1Iのパッケージ用部品(リードなど)や、回
路基板(プリント配線基板など)上の配線からのEMI
輻射が低減される。
【0106】(第9の実施形態)次に、変調MOSトラ
ンジスタによるEMI輻射制御の概念を、既設計の資産
である回路IPに取り入れた半導体集積回路装置に関す
る第9の実施形態について説明する。
【0107】図15は、本実施形態における半導体集積
回路装置1Jの構成を示すブロック回路図である。同図
に示すように、半導体集積回路装置1Jは、あらかじめ
汎用的に設計された回路IP81と、回路IP82と、
回路IP83と、電源電位Vddを供給するための電源配
線5と、接地電位Vssを供給するためのグラウンド配線
6と、変調基板バイアスVb を供給するための変調基板
バイアス供給配線7と、変調基板バイアスVb'を供給す
るための変調基板バイアス供給配線8とを備えている。
また、各回路IP81,82,83にはPch変調MOS
トランジスタとNch変調MOSトランジスタとが配置さ
れており、各回路IP81,82,83は、電源電位V
ddを受けるように構成された電源ピン84と、接地電位
Vssを受けるように構成されたグラウンドピン85と、
変調基板バイアスVb を受けるように構成された変調基
板バイアスピン86と、変調基板バイアスVb'を受ける
ように構成された変調基板バイアスピン87と、信号を
入出力するための信号ピン88とを備えている。ここ
で、変調基板バイアスピン86,87の構造は、他のピ
ンの構造と実質的には同じである。変調基板バイアスピ
ン86,87には、設計の際の論理情報と位置情報とが
流れるようになっている。
【0108】そして、回路IP81においては、変調基
板バイアスピン86が変調基板バイアス供給配線7に接
続されてPch変調MOSトランジスタが変調基板バイア
スVb を受け、変調基板バイアスピン87が変調基板バ
イアス供給配線8に接続されてNch変調MOSトランジ
スタが変調基板バイアスVb'を受けている。すなわち、
回路IP81は、低EMI輻射指向で用いられている。
【0109】一方、回路IP82においては、変調基板
バイアスピン86が変調基板バイアス供給配線7の代わ
りに電源配線5に接続され、変調基板バイアスピン87
が変調基板バイアス供給配線8の代わりにグラウンド配
線6に接続されている。すなわち、回路IP82内のP
ch,Nch変調MOSトランジスタは通常MOSトランジ
スタとして動作し、回路IP82は変動する変調基板バ
イアスVb ,Vb'による変調を受けることがなく、速度
重視指向で用いられている。
【0110】また、回路IP83においては、変調基板
バイアスピン86が変調基板バイアス供給配線7に接続
されているが、変調基板バイアスピン87は変調基板バ
イアス供給配線8の代わりにグラウンド配線6に接続さ
れている。すなわち、回路IP83内のNch変調MOS
トランジスタは通常のMOSトランジスタとして動作
し、Pch変調MOSトランジスタのみ変調を受ける。回
路IP83は、速度とEMI輻射の両立指向で用いられ
ている。
【0111】このように、回路IPに変調MOSトラン
ジスタを配置すると共に変調基板バイアスを入力するた
めのピンをあらかじめ回路IPに引き出しておくことに
より、共通の構成を有する回路IPを、速度重視指向か
ら低EMI輻射指向まで様々な要求に対応することがで
きる。回路IPは、一般にトランジスタの集積条件を限
定することができないので、EMI輻射レベルの推定が
困難であるが、本実施形態を用いると、汎用に設計され
た回路IPの適用範囲を低EMI輻射対応に絞ることな
く再利用を図ることができる。
【0112】(第10の実施形態)次に、変調MOSト
ランジスタによるEMI輻射制御を行なったICチップ
を回路基板上に実装した電子機器に関する第10の実施
形態について説明する。
【0113】図16は、本実施形態における半導体集積
回路装置を用いた電子機器に設けられる1つの回路基板
上の構成を示すブロック回路図である。同図に示すよう
に、プリント配線基板などの回路基板90上には、半導
体集積回路装置である第1のICチップ91と、第2の
ICチップ92と、第3のICチップ93と、変調基板
バイアス発生用ICチップ99と、電源電位Vddを供給
するための電源配線5と、接地電位Vssを供給するため
のグラウンド配線6と、変調基板バイアスVbを供給す
るための変調基板バイアス供給配線7と、変調基板バイ
アスVb'を供給するための変調基板バイアス供給配線8
とが搭載されている。また、各ICチップ91,92,
93にはPch変調MOSトランジスタとNch変調MOS
トランジスタとが配置されており、各ICチップ91,
92,93は、電源電位Vddを受けるように構成された
電源パッド94と、接地電位Vssを受けるように構成さ
れたグラウンドパッド95と、変調基板バイアスVb を
受けるように構成された変調基板バイアスパッド96
と、変調基板バイアスVb'を受けるように構成された変
調基板バイアスパッド97と、信号を入出力するための
信号パッド98とを備えている。ここで、変調基板バイ
アスパッド96,97の構造は、他のパッドの構造と実
質的には同じである。変調基板バイアスパッド96,9
7には、設計の際の論理情報と位置情報とが流れるよう
になっている。
【0114】ここで、変調基板バイアス発生用ICチッ
プ99は、変調基板バイアス供給配線7を介して変調基
板バイアスVb を供給し、変調基板バイアス供給配線8
を介して変調基板バイアスVb'を供給するためのもので
ある。そして、変調基板バイアス発生用ICチップ99
内には、DCの定常電圧(例えば図1(b)又は(c)
に示す波形の中心線の電位)を発生するためのDCレベ
ル生成回路99aと、時間変動電圧(例えば図1(b)
又は(c)に示す波形)を発生するためのACレベル生
成回路99dと、DCレベル生成回路99aとACレベ
ル生成回路99dとの出力を合成して変調変調基板バイ
アスを生成するレベル加算回路99cとを備えている。
【0115】ここで、ICチップ91においては、変調
基板バイアスパッド96が変調基板バイアス供給配線7
に接続されてチップ内のPch変調MOSトランジスタが
変調基板バイアスVb を受け、変調基板バイアスパッド
97が変調基板バイアス供給配線8に接続されてチップ
内のNch変調MOSトランジスタが変調基板バイアスV
b'を受けている。すなわち、ICチップ91は、低EM
I輻射指向で用いられている。
【0116】一方、ICチップ92においては、変調基
板バイアスパッド96が変調基板バイアス供給配線7の
代わりに電源配線5に接続され、変調基板バイアスパッ
ド97が変調基板バイアス供給配線8の代わりにグラウ
ンド配線6に接続されている。すなわち、ICチップ9
2内のPch,Nch変調MOSトランジスタは通常MOS
トランジスタとして動作し、ICチップ92は変動する
変調基板バイアスVb,Vb'による変調を受けることが
なく、速度重視指向で用いられている。
【0117】また、ICチップ93においては、変調基
板バイアスパッド96が変調基板バイアス供給配線7に
接続されているが、変調基板バイアスパッド97は変調
基板バイアス供給配線8の代わりにグラウンド配線6に
接続されている。すなわち、ICチップ93内のNch変
調MOSトランジスタは通常のMOSトランジスタとし
て動作し、Pch変調MOSトランジスタのみ変調を受け
る。ICチップ93は、速度とEMI輻射の両立指向で
用いられている。
【0118】このように、ICチップに変調MOSトラ
ンジスタを配置すると共に変調基板バイアスを入力する
ためのパッドをあらかじめICチップに引き出しておく
ことにより、共通の構成を有するICチップを、回路基
板90上への各ICチップその他の部材の実装状況に応
じて、速度重視指向から低EMI輻射指向まで選択して
使用することができる。
【0119】また、変調基板バイアス発生用ICチップ
99から変調基板バイアスVb ,Vb'をまとめて各IC
チップ91,92,93に供給することにより、各IC
チップ91,92,93には変調基板バイアス発生回路
を設ける必要がなくなり、半導体装置全体としての低コ
スト化を図ることができる。
【0120】さらに、上記変調基板バイアス発生用IC
チップは、変調MOSトランジスタを含むICチップと
共通の回路基板の上に搭載されている必要はなく、1つ
の電子機器(例えば移動通信機器など)内に変調MOS
トランジスタと共に搭載されていれば、本実施形態の効
果を発揮することができる。
【0121】
【発明の効果】本発明によると、高速動作する半導体集
積回路装置に、制限された範囲内で変化する変調基板バ
イアスを与えるようにした変調MISトランジスタを設
けたので、誤動作を回避しつつ、電磁波のピーク値の低
減によるEMI輻射の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)は、それぞれ順に、第
1の実施形態における半導体集積回路装置の構成を概略
的に示す電気回路図、Pch変調MOSトランジスタの変
調基板バイアスVb の時間変化を示す図、Nch変調MO
Sトランジスタの変調基板バイアスの時間変化を示す図
である。
【図2】変調MOSトランジスタを含む回路のEMI輻
射強度のピークを変調基板バイアスによって低減する作
用を説明するための図である。
【図3】Pch変調MOSトランジスタと通常のNchMO
SトランジスタとからなるインバータのNウエルプロセ
スによる構造を示す断面図である。
【図4】Pch変調MOSトランジスタとNch変調MOS
トランジスタとからなるインバータのツインウエルプロ
セスによる構造を示す断面図である。
【図5】図4に示すインバータの構造におけるラッチア
ップの発生を抑制する作用を説明するための断面図であ
る。
【図6】第1の実施形態の第1の変形例に係るPch変調
MOSトランジスタとNch変調MOSトランジスタとか
らなるインバータをSOI構造で実現した構造を示す断
面図である。
【図7】第1の実施形態の第2の変形例に係る変調MO
SトランジスタをCMOSツリー回路内に配置して構成
される半導体集積回路装置のブロック回路図である。
【図8】第2の実施形態における半導体集積回路装置の
ブロック回路図である。
【図9】第3の実施形態における半導体集積回路装置の
ブロック回路図である。
【図10】第4の実施形態における半導体集積回路装置
の電気回路図である。
【図11】(a),(b)は、第5の実施形態における
半導体集積回路装置のブロック回路図及びその部分拡大
図である。
【図12】第6の実施形態における半導体集積回路装置
の電気回路図である。
【図13】第7の実施形態における半導体集積回路装置
の電気回路図である。
【図14】第8の実施形態における半導体集積回路装置
の電気回路図である。
【図15】第9の実施形態における半導体集積回路装置
のブロック回路図である。
【図16】第10の実施形態における半導体集積回路装
置を用いた電子機器に設けられる1つの回路基板上の構
成を示すブロック回路図である。
【図17】(a)〜(c)は、それぞれ順に、各種電流
波形,それに対する電流の変化速度及び変化量のシミュ
レーションの結果を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体集積回路装置 2〜4 インバータ 5 電源配線 6 グラウンド配線 7 変調基板バイアス供給配線 8 変調基板バイアス供給配線 9 Pch変調MOSトランジスタ 10 NchMOSトランジスタ 11 MOSトランジスタ 12 Nch変調MOSトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 27/092

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の基板領域に囲まれる領域に
    設けられたソース及びドレインと、上記半導体基板上の
    上記ソース・ドレイン間に位置する領域に設けられたゲ
    ートとを有するMISトランジスタの複数個を集積して
    なる半導体集積回路装置において、 上記複数のMISトランジスタは、ラッチアップが生じ
    ない範囲で、ある振幅で変化する変調基板バイアスVb
    が与えられるPチャンネル型変調MISトランジスタ
    と、ある振幅で変化する変調基板バイアスVb'が与えら
    れるNチャンネル型変調MISトランジスタとのうち少
    なくともいずれか一方の変調MISトランジスタを含む
    ことを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体集積回路装置にお
    いて、 上記Pチャンネル型変調MISトランジスタには、複数
    のMISトランジスタは、上記ドレインの電位をVddと
    し、上記ソースの電位をVssとし、そのときのドレイン
    −基板領域間のPN接合の順方向電圧をVf としたとき
    に、上記基板領域にVb ≧Vdd−Vf の範囲で,ある振
    幅で変化する変調基板バイアスVb が与えられ、 上記Nチャンネル型変調MISトランジスタには、ドレ
    インの電位をVddとし、上記ソースの電位をVssとし、
    そのときの基板領域−ソース間のPN接合の順方向電圧
    をVf'としたときに、上記基板領域にVb'≦Vss+Vf'
    の範囲で,ある振幅で変化する変調基板バイアスVb'が
    与えられることを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の半導体集積回路装
    置において、 スイッチング動作時に流れるドレインソース電極間の電
    流の変化速度と変化量が規定値以上の上記MISトラン
    ジスタのゲート電極の駆動回路を含んでおり、 上記駆動回路には、上記変調MISトランジスタが配置
    されていることを特徴とする半導体集積回路装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の半導体集積回路装
    置において、 上記変調MISトランジスタを含む複数のMISトラン
    ジスタを有し、全体の遅延時間が互いに異なる少なくと
    も2つの回路を備え、 上記2つの回路のうち遅延時間が短いほうの回路には、
    遅延時間が長い方の回路よりも振幅の大きい変調基板バ
    イアスを与えるように構成されていることを特徴とする
    半導体集積回路装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の半導体集積回路に
    おいて、 上記変調基板バイアスの波形形状をプログラミングする
    機能を有する変調基板バイアス発生回路をさらに備えて
    いることを特徴とする半導体集積回路装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の半導体集積回路装
    置において、 複数のメモリセルを配置してなるメモリセルアレイ,メ
    モリセルアレイの接続されるビット線対,ビット線対の
    プリチャージを行なうためのプリチャージ用トランジス
    タ,及びプリチャージトランジスタのゲート電極を駆動
    するための駆動回路を備え、 上記プリチャージトランジスタ及び上記駆動回路のうち
    少なくともいずれか一方には、上記変調MISトランジ
    スタが用いられていることを特徴とする半導体集積回路
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の半導体集積回路装
    置において、 上記複数のMISトランジスタの一部である複数のMI
    Sトランジスタを含む回路と、 上記回路から導出されるバス信号線と、 上記回路内に設けられ、上記バス信号線にデータを出力
    する駆動回路とを備え、 上記駆動回路には、上記変調MISトランジスタが配置
    されていることを特徴とする半導体集積回路装置。
  8. 【請求項8】 請求項1又は2記載の半導体集積回路装
    置において、 半導体集積回路装置の外部機器と信号を受け渡しするパ
    ッドの駆動回路を備え、 上記パッドの駆動回路には、上記変調MISトランジス
    タが配置されていることを特徴とする半導体集積回路装
    置。
  9. 【請求項9】 第1の半導体集積回路装置の複数個と、
    第2の半導体集積回路装置とを搭載した電子機器におい
    て、 上記第1の半導体集積回路装置は、半導体基板の基板領
    域に囲まれる領域に設けられたソース及びドレインと、
    上記半導体基板上の上記ソース・ドレイン間に位置する
    領域に設けられたゲートとを有するMISトランジスタ
    の複数個を集積してなる半導体集積回路装置であって、
    上記複数のMISトランジスタは、ラッチアップが生じ
    ない範囲で、ある振幅で変化する変調基板バイアスVb
    が与えられるPチャンネル型変調MISトランジスタ
    と、ある振幅で変化する変調基板バイアスVb'が与えら
    れるNチャンネル型変調MISトランジスタとのうち少
    なくともいずれか一方の変調MISトランジスタを含ん
    でおり、 上記第2の集積回路装置は、上記各第1の半導体集積回
    路装置に供給する変調基板バイアスを発生するための変
    調基板バイアス発生回路を含んでいることを特徴とする
    電子機器。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の電子機器において、 上記第1の半導体集積回路装置中の上記Pチャンネル型
    変調MISトランジスタには、複数のMISトランジス
    タは、上記ドレインの電位をVddとし、上記ソースの電
    位をVssとし、そのときのドレイン−基板領域間のPN
    接合の順方向電圧をVf としたときに、上記基板領域に
    Vb ≧Vdd−Vf の範囲で,ある振幅で変化する変調基
    板バイアスVb が与えられ、 上記Nチャンネル型変調MISトランジスタには、ドレ
    インの電位をVddとし、上記ソースの電位をVssとし、
    そのときの基板領域−ソース間のPN接合の順方向電圧
    をVf'としたときに、上記基板領域にVb'≦Vss+Vf'
    の範囲で,ある振幅で変化する変調基板バイアスVb'が
    与えられることを特徴とする電子機器。
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