JP2002116630A - 中間転写部材及び画像形成装置 - Google Patents

中間転写部材及び画像形成装置

Info

Publication number
JP2002116630A
JP2002116630A JP2000296672A JP2000296672A JP2002116630A JP 2002116630 A JP2002116630 A JP 2002116630A JP 2000296672 A JP2000296672 A JP 2000296672A JP 2000296672 A JP2000296672 A JP 2000296672A JP 2002116630 A JP2002116630 A JP 2002116630A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate transfer
transfer member
porous body
release agent
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000296672A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3951579B2 (ja
Inventor
Hiroaki Sato
博昭 佐藤
Megumi Hasebe
恵 長谷部
Yuji Suemitsu
裕治 末光
Yasushi Oki
靖 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2000296672A priority Critical patent/JP3951579B2/ja
Publication of JP2002116630A publication Critical patent/JP2002116630A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3951579B2 publication Critical patent/JP3951579B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写前の画像を安定化する工程を省き、中間
転写部材に正確に画像を形成し、しかも形成された画像
を効率よく記録媒体に転写する。 【解決手段】 基材4の上にシリコーンオイルのような
離型剤2が含浸された、PTFE等で形成された多孔質
体3を表面に備えた中間転写部材1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中間転写部材及びそ
れを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、プリンタ、及び複写機等
に適用可能な画像形成装置には、シリアル方式、ドラム
方式及び中間転写方式がある。
【0003】例えば、シリアル方式のインクジェット記
録装置は、紙等の記録媒体の搬送方向と直交する方向に
記録ヘッドを往復させて、画像を形成する。しかし、こ
の画像形成装置では、印字時間が長くかかる。
【0004】ドラム方式では、記録媒体をドラムに保持
し、ドラムを高速で回転させながら画像を形成してお
り、印字時間を短縮できる。記録媒体をドラムに保持す
る方法としては、グリッパー方式、負圧吸着方式等が知
られているが、いずれも機構が複雑で、装置が大型化、
重量化する。また、比較的簡易な構成で記録媒体をドラ
ムに保持する方法として、静電気力を利用する方法も知
られているが、高画質の画像を印字するためには、静電
界がインク吐出性能に与える悪影響を軽減するための対
策が必要となる。
【0005】また、シリアル方式及びドラム方式の共通
の欠点として、記録ヘッドが劣化しやすいという問題が
ある。これは記録ヘッドと記録媒体が近接して配置され
るために生ずるものであり、記録媒体の搬送ミスや規格
外の記録媒体の使用により記録媒体が記録ヘッドに接触
したり、記録媒体から発生する異物(紙粉)によりノズ
ルの目詰まりが発生する。
【0006】中間転写方式は上記欠点を解消するもので
あるが、画像が中間転写部材に正確に形成され、かつそ
の画像が記録媒体に効率よく転写されなければならな
い。そのような画像形成装置としては、特開平1−14
6750号公報に、平滑な表面上にグリセリン水溶液の
薄膜が形成された中間転写部材に紫外線硬化性の油性イ
ンクで画像を形成した後に、この画像を記録媒体に転写
する画像形成装置が開示されている。また、特開平7−
89067号公報には、平滑な表面上にHLB値が2〜
15の界面活性剤の薄膜が形成された中間転写部材に、
水性インクで画像を形成した後に、この画像を記録媒体
に転写する画像形成装置が開示されている。これらに開
示されている中間転写部材はその表面に前記の薄膜が形
成されており、それが離型層として機能するため、良好
な転写効率を有する。
【0007】しかし、液体薄膜上の画像は不安定であ
り、これを記録媒体に転写する前に増粘させて安定化す
るための工程が必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するためになされたものであり、転写前の画像を安定
化する必要がなく、中間転写部材に正確に画像を形成で
き、しかも形成された画像を効率よく記録媒体に転写で
きる中間転写方式の画像形成装置、及びこれに使用する
中間転写部材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は、
その表面上に形成された画像を記録媒体に転写するため
に使用される中間転写部材であって、離型剤が含浸され
た多孔質体を表面に備えた中間転写部材である。この多
孔質体は撥インク性であることが好ましい。
【0010】また、本発明の第2の態様は、その表面上
に形成された画像を記録媒体に転写するために使用され
る中間転写部材であって、撥インク性多孔質体を表面に
備えた中間転写部材である。
【0011】これらの多孔質体は3次元網目構造を有す
ることが好ましい。具体的には、前記多項質体がフッ素
樹脂又はポリオレフィン樹脂で形成されていることが好
ましい。また、前記多項質体の平均孔径は0.01〜1
00μmであることが好ましい。
【0012】また、前記離型剤は撥インク性であるこ
と、不揮発性でかつ画像を形成するインクに対して非相
溶性の液体であることが好ましい。具体的には、前記離
型剤はシリコーンオイルを含むことが好ましい。
【0013】さらに、本発明の第3の態様は、上記中間
転写部材を備えた画像形成装置である。このような画像
形成装置としては、インクジェット記録装置が挙げられ
る。第1の態様の中間転写部材を使用する場合、この画
像形成装置は前記中間転写部材に離型剤を補給する補給
手段をさらに備えることが好ましい。この補給手段が離
型剤を中間転写部材の画像が形成される面とは反対側の
面から補給する場合には、補給手段は多孔質体に接触す
る第2の多孔質体を含むことができる。また、補給手段
は中間転写部材の多孔質体と摺動若しくは従動、又は多
孔質体と一体化された多孔性基材と摺動若しくは従動す
ることができる。中間転写部材の多孔質体の孔径を
1、中間転写部材の多孔質体と離型剤の接触角をθ1
第2の多孔質体の孔径をr2、及び第2の多孔質体と離
型剤の接触角をθ2としたとき、中間転写部材と第2の
多孔質体との接触部において、(cosθ1/r1)>
(cosθ 2/r2)を満たすことが好ましい。
【0014】本発明の第1の態様では、多孔質体に含浸
された離型剤は多孔質体の表面の微細孔にメニスカスを
形成する。微細孔同士の間隔がインク粒子(液滴又はト
ナー粒子の一次粒径)のサイズに比べて充分小さけれ
ば、実質的に中間転写部材の表面を離型剤の液膜で覆っ
た状態と近い状態を実現できる。
【0015】この離型剤は、多孔質体の微細孔の毛管力
を受けるので、従来技術のように平滑な表面の中間転写
部材上に形成された離型剤の液膜と異なり、多少の外力
を受けても簡単に移動したり、流れ出たりすることはな
い。
【0016】そして、インク粒子は離型剤の撥インク効
果により90°を超える接触角で中間転写部材と接触す
る。一見不安定な付着状態に思えるが、インク粒子と接
触した離型剤はインク粒子と多孔質体の間にもメニスカ
スを形成するので、インク粒子に作用する界面張力がイ
ンク粒子を安定に保持する力として作用する。
【0017】また、多孔質体表面の微細な凹凸構造もイ
ンク粒子を安定化させる効果がある。
【0018】このように、インク粒子は、離型剤が形成
するメニスカスと多孔質体表面の凹凸構造の効果によ
り、画像形成装置内で発生する振動や衝撃によって移動
しない程度に中間転写部材に保持されると同時に、離型
剤の撥インク効果により90°を超える接触角で中間転
写部材に付着しているので、中間転写部材から記録媒体
へ100%転写される。
【0019】本発明の第2の態様でも、インク粒子は撥
インク性である多孔質体表面と90°を超える接触角で
接触する。一見不安定な付着状態に思えるが、インク粒
子と接触した多孔質体表面ではインク粒子の移動や合体
が抑制され、換言すれば、インク粒子は濡れ広がらな
い。このため、中間転写部材上に高画質の画像形成が可
能となる。また、インク粒子は、多孔質体表面の凹凸構
造の効果により、画像形成装置内で発生する振動や衝撃
によって画像が乱れない程度に保持される。このため、
中間転写部材上に形成された画像は安定に維持される。
そして、撥インク性の多孔質体表面は中間転写部材上の
画像を記録媒体へ転写するときの離型性が高いため、イ
ンク粒子は中間転写部材に残ることなく、記録媒体へ1
00%転写される。以上より、高速で高画質の転写が可
能となる。
【0020】なお、本発明では、インクは少なくともイ
ンクジェット用水性インクと電子写真用粉体トナーを含
む。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明の第1の実施の形態の中間転写部材
1は図1に示すように、その表面に離型剤2が含浸され
た多孔質体3を有する。また、本発明の第2の実施の形
態の中間転写部材100は図7に示すように、撥インク
性の多孔質体102を有する。中間転写部材1、100
の形状は、円筒状でも、ベルト状でもよい。
【0023】本発明の中間転写部材には必要に応じて基
材(図1及び図7の4)が用いられる。基材の材料とし
ては、表面層を安定に保持でき、かつ記録媒体を介した
転写手段との接触状態を安定に維持できるものであれば
よく、アルミニウム、ステンレス等の金属、セラミッ
ク、樹脂等のいずれの材質も使用できる。
【0024】中間転写部材を後述する補給手段と接触さ
せる場合には、多孔性基材を用いることができる。多孔
性基材は十分な機械的強度を有し、長期間の高速での連
続使用が可能な材料で形成する。この多孔性基材は多孔
質体と一体化されるが、この一体化を所定の熱と圧力を
加えることにより[溶融圧着(熱ラミネート)法]行う
場合には、多孔性基材として、中間転写部材の多孔質体
の融点以下の温度で溶融する材料を選択する。例えば、
多孔質体としてPTFE樹脂を用いる場合、多孔性基材
としてはPTFE樹脂の融点以下、すなわち、230〜
250℃以下で溶融する、ポリオレフィン樹脂(例え
ば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ナイ
ロン樹脂、ポリエステル樹脂、アラミド樹脂等及びこれ
らを複合した材料から形成された不織布、織布、メッシ
ュ、ネット等が使用できる。
【0025】また、多孔性基材と多孔質体とを接着剤で
一体化する場合には、多孔性基材としては、中間転写部
材の多孔質体と同様の材料を使用することができる。そ
の場合、接着剤としては、熱可塑性接着剤、熱硬化性接
着剤、常温粘着性接着剤を使用できる。具体的には、イ
ミド系、エポキシ系、サイアネートエステル系、ポリア
ミド系、フェノール系の常温粘着性接着剤とシリコーン
エラストマーの組み合わせが、低表面エネルギー材料に
対して十分な接着力を有し、かつ化学的にも安定で、耐
薬品性、耐環境性に優れるので、好適である。接着の
際、多孔質体と多孔性基材とを接着剤層で隔離してしま
うと、離型剤を多孔質体に補給できなくなるので、接着
剤をこれらの全面に塗らず、ドット状、ストライプ状、
格子状等、離間して塗り、補給手段から多孔質体までの
連通路を確保することが必要である。
【0026】多孔質体の微細孔同士の間隔はインク粒子
(図1及び図7の6)のサイズに比べて十分に小さいこ
とが好ましい。この条件を満たすものであれば、孤立孔
が離散的に存在する構造、極細繊維を編んだ細溝構造、
中空糸等のように毛管構造を有する素材を束ねた構造、
3次元網目状の多孔質構造のいずれでもよい。これらの
中では、3次元網目状の多孔質構造が好ましい。微細孔
同士の間隔がインク粒子のサイズより小さければ、多孔
質体は、離型剤を含浸することによりその表面の微細孔
にメニスカス(図1の5)を形成し、実質的にその表面
を離型剤の液膜で覆うことができる。また、3次元網目
状の多孔質構造を使用すれば、多孔質体の任意の箇所に
離型剤を供給するだけで、離型剤を多孔質体中に速やか
且つ均質に浸透させることができる。
【0027】多孔質体の平均孔径は0.01〜100μ
mであることが好ましい。平均孔径が0.01μm未満
であると、離型剤が多孔質体に浸透しにくくなり、所定
量の離型剤を含浸させるために加圧法等のような特殊な
方法が必要になる。また、平均孔径が100μmを超え
るとメニスカスの保持力が小さくなり、その結果離型剤
が振動や衝撃等の外力により多孔質体の表面に流れ出る
おそれがある。本発明では、平均孔径は水銀圧入法によ
り測定する。インクジェット記録装置に本発明の中間転
写部材を使用する場合には平均孔径は0.1〜30μm
がより好ましく、電子写真記録装置に使用する場合に
は、0.05〜5μmがより好ましい。
【0028】また、多孔質体の空孔率は、10〜90%
であることが好ましい。空孔率が90%を超えると機械
的強度が不足し、空孔率が10%未満であると多孔質体
の露出割合が高くなり、離型剤の効果が発揮されなくな
る。空孔率は水銀圧入法により測定する。
【0029】上記平均孔径範囲及び空孔率範囲は撥イン
ク性の多孔質体の場合においても好ましい。
【0030】本発明の第1の態様の中間転写部材では、
多孔質体に含浸された離型剤が画像転写時に離型機能を
発揮するものであるから、多孔質体自身の離型性は高く
なくてもよく、引張り強度等の機械的特性が優れていた
り、安価に入手できる材料を選択することができるが、
転写効率をさらに向上するためには、多孔質体が撥イン
ク性であることが好ましい。また、本発明の第2の態様
の中間転写部材では、多孔質体は撥インク性であること
が必要である。多孔質体が撥インク性を発現するには、
多孔質体の表面張力がインクの表面張力よりも小さいこ
とが必要である。具体的には、多孔質体の表面張力は4
0mN/m以下であることが好ましく、30mN/m以
下であることがより好ましく、20mN/m以下である
ことがさらに好ましい。
【0031】撥インク性の多孔質体の材料としては、P
TFE(四フッ化エチレン重合体)、PFA(四フッ化
エチレン/パーフルオロビニルエーテル共重合体)、P
VDF(ポリフッ化ビニリデン)、FEP(四フッ化エ
チレン/六フッ化プロピレン共重合体)、ETFE(エ
チレン/四フッ化エチレン共重合体)、PCTFE(三
フッ化塩化エチレン重合体)等のフッ素樹脂;PE(ポ
リエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PB(ポリブ
チレン)等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。ま
た、多孔質体のその他の材料としては、ポリスルホン重
合体等のポリスルホン系樹脂;PET(ポリエチレンテ
レフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレー
ト)等のポリエステル系樹脂;ナイロン(6、6―6、
6―2、12)等のポリアミド系樹脂;ポリイミド、ポ
リアミドイミド等のポリイミド系樹脂;ポリウレタン樹
脂;ポリアクリロニトリル重合体、メタクリル酸アルキ
ルエステル、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、カ
ルボキシ(メタ)アクリレート等のポリアクリル系樹
脂;ヒドロキシスチレン樹脂等のポリスチレン系樹脂;
ポリエーテルケトン樹脂等のポリケトン系樹脂;シリコ
ーンゲル等のシリコーン系樹脂;エチレン/酢酸ビニル
共重合体(EVA);ポリ塩化ビニル樹脂;ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂;ポリカーボネート(PC);ポリオキシ
メチレン(POM);ポリフェニレンサルファイド(P
PS);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);エ
チルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、プ
ロピオン酸セルロース等の繊維素系樹脂等を例示するこ
とができる。これらは単独で又は2種以上を混合して用
いることができる。
【0032】これらの中では、PTFEをはじめとする
フッ素系樹脂が、耐薬品性、耐熱性が高く、撥インク性
に優れているので、好ましい。また、ポリエチレンをは
じめとするポリオレフィン系樹脂は、フッ素系樹脂と同
様の耐薬品性、撥インク性、を有し、かつ機械強度に優
れるので、特にベルト形態の中間転写部材を構成する材
料として好ましい。
【0033】多孔質体を形成するための方法としては、
公知の製法、例えば、発泡法、燒結法、延伸法、抽出
法、トラックエッチング法、溶融相分離法、相転換法等
を用いることができ、材料にあわせて最適な方法が選択
される。例えば、上記材料に各種添加剤を溶融または分
散させ、得られた溶融物又は分散物を成型した後に、添
加剤を除去することにより多孔質体を得ることができ
る。さらに、上記材料の微粒子および各種添加剤で形成
された仮成型品に上記材料の融点付近の加熱処理と延伸
処理を施すことにより多孔質体を得ることができる。フ
ッ素樹脂を用いる場合には、樹脂の融点以上の熱処理を
施さない延伸法あるいは抽出法を利用するのが好まし
い。
【0034】多孔質体を基材上に設ける場合、フィルム
状の多孔質体を基材に巻き付けたり、基材上に多孔質体
を膜状に塗布することが好ましい。また、フィルム自身
を無端ベルト化して、基材を省略してもよい。
【0035】なお、フッ素樹脂以外の樹脂で多孔質体を
形成した場合には、この多孔質体にフッ素樹脂を、スプ
レー、ディップ等により塗布してもよい。
【0036】本発明に使用する離型剤は撥インク性であ
ること、即ち、離型剤の表面張力がインクの表面張力よ
り小さいことが好ましい。また、多孔質体の微細孔に含
浸するためにも表面張力は小さいことが望ましい。具体
的には、離型剤の表面張力は30mN/m以下であるこ
とが好ましい。
【0037】また、本発明に使用する離型剤は、多孔質
体の含浸状態が変化しないよう、不揮発性であることが
好ましい。具体的には離型剤の蒸気圧が、常温(25°
C)で約13.3Pa(0.1mmHg)以下であるこ
とが好ましい。
【0038】さらに、本発明に使用する離型剤は、画像
を形成するためのインクとの非相溶性であることが好ま
しい。具体的には、離型剤のインクに対する溶解度が、
常温(25°C)で0.1重量%以下であることが好ま
しい。
【0039】本発明に使用する離型剤の動粘度は、常温
で1〜1000mm2/sの範囲が望ましい。動粘度が
1mm2/s未満の場合、常温における離型剤の蒸発量
が増え、長期間中間転写部材の性能を維持するのが困難
になる。また、動粘度が1000mm2/sを超える
と、離型剤が流動しにくくなり、多孔質体への含浸に要
する時間が長くなる。
【0040】離型剤としては、常温で液体の有機溶媒や
オイル類が好適に使用できる。具体的には、オクタン、
ノナン、テトラデカン、ドデカン、オレイン酸、リノー
ル酸、n−デカノール、ジメチルブタノール、フタル酸
ジブチル、マレイン酸ジブチル等の有機溶媒、及び植物
油、鉱物油、シリコーンオイル、フッ素オイル等のオイ
ル類を好適に用いることができる。これらは、単独で用
いてもよいし、均一に混合し得るものであれば、複数種
を混合して用いてもよい。また、複数の材料を混合して
粘度や表面張力を好ましい範囲に調整してもよい。
【0041】これらの中では、上記各特性に優れるシリ
コーンオイルが好ましい。
【0042】上記多孔質体層と基材を接合する場合は接
着剤を使用することができる。接着剤は、離型剤に対し
て耐性を有しかつ離型性の高い材質を接着可能なものが
好ましい。具体的には、シリコーン系接着剤、PFA、
FEP等のフッ素系接着剤、ウレタン系接着剤等を用い
ることができる。また、多孔質体層と基材を熱融着させ
て接合してもよい。
【0043】本発明の中間転写部材は、基材と多孔質体
層の間に中間層を設けてもよい。中間層としては、接着
性を向上させるためのプライマ層や、転写時の記録媒体
と中間転写部材の接触状態を改善するための弾性層等が
ある。
【0044】本発明の中間転写部材は中間転写方式の画
像形成装置の中間転写部材に適用できる。このような画
像形成装置としては、インクジェット記録装置や電子写
真記録装置等が挙げられる。いずれの画像形成装置も、
本発明の中間転写部材上に画像を付与する記録手段を備
える。
【0045】インクジェット記録装置の場合には、この
記録手段は印字信号に従いインク滴を吐出するものであ
り、具体的には、電気熱変換素子や圧電素子を用いたイ
ンクジェット記録ヘッドが挙げられる。
【0046】また、電子写真記録装置の場合には、記録
手段は、一般的には、感光体と、感光体を均一に帯電す
るコロトロン等の帯電手段と、感光体に静電潜像を形成
するレーザー記録装置のような露光手段と、静電潜像を
粉体トナーで顕像化する現像手段とから構成される。記
録手段はさらに、除電手段や感光体と接触するブレード
のようなクリ−ニング手段を備えることができる。感光
体を用いない記録手段としては、印字信号に従って粉体
トナーの移動を制御する直接記録方式のものがあり、さ
らに詳細には、トナージェット方式のものやコントログ
ラフィ方式のものがある。
【0047】さらに画像形成装置は、中間転写部材上の
画像を記録媒体に転写する転写手段を備える。画像形成
装置がインクジェット記録装置の場合には、転写手段は
記録媒体を中間転写部材に接触させる接触式のものであ
るが、画像形成装置が紛体トナーを用いる電子写真画像
形成装置の場合には、転写手段としては、接触式のもの
と、記録媒体を中間転写部材に接触させない非接触のも
のがある。
【0048】接触式のものとしては、本発明の中間転写
部材と対向する位置に配置され、記録媒体の移動に応じ
て回転可能なロールが使用できる。この場合、ロールと
中間転写部材との間隔は記録媒体の厚みより短く設定さ
れ、これにより記録媒体は所定圧力で中間転写部材に押
圧され接触する。
【0049】なお、画像形成装置がインクジェット記録
装置の場合には、インク粒子が液体なので、記録媒体を
中間転写部材に接触させるだけで転写できるが、画像形
成装置が粉体トナーを用いる電子写真記録装置の場合に
は、転写前に加熱等によりインク粒子を液化したのち記
録媒体と接触させる。
【0050】非接触式のものとしては、転写時にインク
粒子−中間転写部材間の付着力を上回る静電気力を作用
させる手段がある。このようなものとしては、コロトロ
ン等の帯電器やバイアスロール等の電界形成手段等があ
る。
【0051】本発明によれば中間転写部材上に形成され
た画像は100%記録媒体に転写されるので、クリーニ
ング手段を設ける必要は必ずしもないが、紙詰まり等の
トラブルにより記録媒体への転写を完了する前に装置が
停止することがある。その場合、中間転写部材上に残留
した画像を清浄化する必要があるので、画像形成装置
は、中間転写部材の表面を清浄化するクリーニング手段
を備えることが好ましい。クリーニング手段としては、
ゴム材で形成されたブレードを使用することができる。
また、インク吸収性のスポンジをクリーニング手段とし
て使用して、画像を吸い取ってもよい。いずれの場合も
中間転写部材の表面は離型剤の効果で離型性が高いの
で、容易にクリーニングできる。クリーニング手段は常
時中間転写部材と接触して、画像形成毎に中間転写部材
を清浄化してもよいし、紙詰まり等のトラブルが発生し
たときのみ中間転写部材と接触してもよい。
【0052】本発明で使用する離型剤は、多孔質体の微
細孔に保持されるので、転写時に画像とともに記録媒体
に転写される量はごく微量であるが、印字を重ねるにつ
れて消費量が増える。離型剤が多少減少しても、多孔質
体の毛細管力により離型剤のメニスカスは回復される
が、より長く装置寿命を保証するために、第1の態様の
中間転写部材を使用する場合には、画像形成装置は中間
転写部材に離型剤を補給する補給手段を備えることが好
ましい。
【0053】補給手段としては、スプレーのような非接
触式のもの、塗布ロール、パッド、ウィック(図2の
7)、多孔質体(例えば、スポンジ)等の接触式のもの
のいずれも使用することができる。接触式の場合は、補
給手段は、一部が貯蔵容器(図2、3の8)に収められ
た離型剤(図2の9)中に浸漬されかつ他の一部が中間
転写部材の表面に接触するように配置される。これらの
中では、補給量の調整がしやすい多孔質体が好ましい。
【0054】塗布ロールの場合は、この塗布ロールを中
間転写部材の回転と従動させてもよいし、中間転写部材
の回転とは独立に回転させてもよい。
【0055】多孔質体は、延伸、圧延、発泡などで作製
した樹脂製の多孔質体であることが好ましい。具体例と
しては、延伸、圧延で作製したフッ素樹脂多孔質体、ポ
リオレフィン樹脂多孔質体、発泡により連続気泡を有す
るように作製したポリウレタンフォーム、ポリエチレン
フォーム、ポリスチレンフォーム等のいわゆるフォーム
類や発泡ゴム類が挙げられる。また、繊維材や紙材のよ
うな、表面や内部の連続する細かい溝が表面で中間転写
部材の多孔質体と接触可能な連続空隙多孔質構造を有す
る材料も好適に使用できる。このようなものとしては、
前記スポンジ、不織布、フェルト、布等が挙げられる。
これらの材料は使用する離型剤によって変質したり劣化
せず、中間転写部材の多孔質体の孔径をr1、中間転写
部材の多孔質体と離型剤の接触角をθ1、補給手段の多
孔質体の孔径をr2、及びこの多孔質体と離型剤の接触
角をθ2としたとき、中間転写部材と補給手段の多孔質
体との接触部において、(cosθ1/r1)>(cos
θ2/r2)を満たすことが好ましい。この式を満たす場
合には、補給手段の多孔質体と中間転写部材の多孔質体
を接触させることによって、補給手段に保持された離型
剤を中間転写部材に供給することができる。
【0056】補給は、画像形成の度にしてもよいし、一
定期間経過時又は一定回数の画像形成が完了した時にし
てもよい。また、多色画像を形成する場合には、各色の
画像形成の度に補給してもよいし、多色画像の形成が完
了した時に補給してもよい。画像形成の度に補給しない
場合には、補給手段は移動部材に連結されて、中間転写
部材と近接する位置から中間転写部材と離間した位置ま
で移動可能とされ、補給時にのみ中間転写部材と近接す
る位置に配置される。
【0057】この補給手段はクリーニング手段より中間
転写部材の回転方向下流側に配置されることが好まし
い。
【0058】画像形成装置が補給手段を備える場合に
は、中間転写部材に離型剤が過剰に補給されるのを防止
する為に、画像形成装置はさらに補給量規制手段を備え
ることができる。補給量規制手段としては、補給手段が
塗布ロールである場合には、図3に示すように、塗布ロ
ール10の外周面と接触して塗布ロール上の離型剤9の
量を調整するブレード11、補給手段より中間転写部材
の回転方向下流側に配置され、中間転写部材に接触して
過剰な離型剤を掻き落とすブレード等が挙げられる。な
お、補給手段が多孔質体の場合には、この多孔質体は補
給手段と補給量規制手段を兼ねることができる。
【0059】中間転写部材がベルトである場合には、画
像形成装置はベルト状の中間転写部材を巻きかけ、かつ
回転させるための複数のロールを備える。この場合、画
像形成、転写、離型剤の補給は各ロールに対向する位置
で行われることが好ましい。
【0060】なお、記録手段の幅が記録媒体の幅よりも
狭い場合(例えば、短尺の記録ヘッドを記録媒体の幅方
向に走査して印字する場合)や、多色画像を形成する場
合は、中間転写部材上に画像を形成するために中間転写
部材を複数回回転させる必要がある。このような場合に
は、中間転写部材に当接してその機能を発揮する手段、
例えば、補給手段、転写手段、クリーニング手段、補給
量規制手段は、中間転写部材上に完成された画像が形成
されるまでは中間転写部材から離間した位置に配置でき
るように移動部材に連結してもよい。
【0061】図11に示すように、補給手段は中間転写
部材の画像が形成される面とは反対側の面に離型剤を補
給してもよい。この場合には、また画像形成装置を小型
化できる。補給手段は図11のように重力や図示しない
加圧機構を利用して、中間転写部材の多孔質体と非接触
で離型剤を滴下してもよいが、図12から図15に示す
ように接触式でもよい。
【0062】図12では、補給手段が中間転写部材の多
孔質体の画像が形成される面とは反対側の面と摺動す
る。補給手段と中間転写部材とを圧接することにより、
安定した接触状態を維持できる。このような補給手段で
は、十分な面積の接触面を確保することが容易なので、
補給手段全体を小型化することができる。本発明に用い
る離型剤(特に、シリコーンオイル)は表面張力が小さ
く、潤滑剤としての性能を併せ持つものが多いので、摺
動による、損傷や、画質の低下を招く中間転写部材の回
転精度の低下等を回避できる。
【0063】補給手段と中間転写部材を摺動させる場合
には、図15に示すように、中間転写部材の多孔質体と
一体化された多孔性基材と補給手段とを摺動させてもよ
い。その場合には、中間転写部材の寿命をより長くする
ことができ、信頼性を向上することができる。
【0064】図13では、補給手段が中間転写部材の多
孔質体の画像が形成される面とは反対側の面と従動す
る。この場合には摩耗による問題が発生する恐れはな
く、また、図14のように中間転写部材が無端ベルトの
場合に、補給手段を張架ロールとしても使用することが
でき、装置の小型化、部品点数の削減によるコストダウ
ンが図れる。
【0065】なお、図12〜図15では、補給手段が記
録ヘッドに対向するように配置されているが、補給手段
は記録ヘッドと対向している必要はない。
【0066】以上の画像形成装置の具体的な構成を図4
から6に示す。
【0067】図4に示す画像形成装置20はインクジェ
ット記録装置であり、時計周りに回転可能なドラム状の
中間転写部材22を備える。この中間転写部材22は離
型剤が含浸された多孔質体を表面に有し、その周りに
は、時計周りに記録ヘッド24、転写手段としての加圧
ロール26、一端が中間転写部材22と接触するクリー
ニングブレード28、貯蔵容器30に貯蔵された離型剤
32と一部が接触し、かつ他の一部が中間転写部材22
と接触する補給手段としての塗布ロール34、中間転写
部材22と接触する補給量規制手段としてのブレード3
6が配置されている。加圧ロール26と中間転写部材2
2との間隔は記録媒体38の厚みより小さく設定されて
いる。
【0068】図5の画像形成装置40もインクジェット
記録装置である。なお、図4の画像形成装置20と同一
の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
この画像形成装置40では、中間転写部材42はベルト
であり、記録ヘッド24、加圧ロール26、塗布ロール
34と対向する位置に配置された複数のローラ44に巻
きかけられる。この中間転写部材42も離型剤が含浸さ
れた多孔質体を表面に有する。
【0069】図6の画像形成装置50は電子写真記録装
置であり、ハウジング52を備える。ハウジング52内
には、複数のローラに巻きかけられた反時計周りに回転
可能なベルト状の中間転写部材54、及び中間転写部材
54と接触しかつ時計周りに回転可能な感光体56が設
けられている。この中間転写部材54も離型剤が含浸さ
れた多孔質体を表面に有する。感光体56の周りには、
時計周りに、感光体56を帯電する帯電器58、紛体ト
ナーを感光体56上に供給する現像器60、感光体56
に残留したトナーを除去するクリーナ62、感光体56
を除電する除電器64が設けられている。また、感光体
56と中間転写部材54が接触する位置には、感光体5
6と対向するように、感光体56上の画像を中間転写部
材54上に引きつけるための転写器66が配置されてい
る。
【0070】また、画像形成装置50は露光手段68と
して、レーザ光を照射するレーザ記録装置70と、照射
されたレーザ光を平行光にするコリメーター72と、平
行光を偏光するポリゴンミラー74と、偏光された光を
補正するための補正レンズ76を備え、補正レンズ76
を通過した光は感光体56の帯電器58と現像器60の
間の領域に照射される。
【0071】さらに、画像形成装置50は記録媒体38
を収納する供給トレイ78、供給トレイ78から記録媒
体38を取り出す取りだしローラ80、記録媒体38を
中間転写部材54まで搬送する複数対の搬送ローラ8
2、84、記録媒体38を中間転写部材54からハウジ
ング52の外に設けられた排出トレイ86まで搬送する
ベルトコンベア88を備える。中間転写部材54が巻き
かけられた複数のローラのうち、記録媒体38の搬送路
近傍に配置されたローラ90と対向する位置に転写手段
として、中間転写部材54と記録媒体38との間に電圧
を印加するバイアスローラ92が配置され、記録媒体3
8は中間転写部材54と共にローラ90とバイアスロー
ラ92のニップ部を通ることにより画像が記録媒体38
に転写される。
【0072】中間転写部材54よりも記録媒体38の搬
送方向下流側には記録媒体38上の画像を溶融させて定
着させる定着器94が設けられている。
【0073】また、ローラ90より中間転写部材54の
移動方向下流側には、中間転写部材54上の残留トナー
を除去するためのクリーニングブレード96、及び中間
転写部材54に離型剤を補給するための塗布ロール98
が設けられている。
【0074】これらの画像形成装置20、40、50で
は、塗布ロール34、98により、中間転写部材22、
42、54の多孔質体層に所定量の離型剤が供給され、
含浸され、保持される。離型剤は多孔質体の表面に存在
する微細孔にメニスカスを形成する。
【0075】次いで、記録手段により中間転写部材2
2、42、54上に画像が形成される。画像形成装置2
0、40では記録ヘッド24が中間転写部材22、42
上に直接画像を形成し、画像形成装置50では感光体5
6上に形成された画像(トナー像)が静電転写により中
間転写部材54上に転写される。中間転写部材22、4
2、54上の画像は、離型剤の撥インク効果や多孔質体
の撥インク効果等により接触角90°以上で中間転写部
材表面に付着すると共に、離型剤と画像の間に形成され
る離型剤のメニスカスの表面張力と多孔質体表面の凹凸
構造の効果により多少の外力を受けても移動しない程度
の拘束力を受けて付着する。
【0076】この画像は、所定のタイミングで搬送され
る記録媒体38と転写位置で接触し、記録媒体38に転
写される。画像が液体インクで形成されている場合はこ
の画像が記録媒体38と接触するだけで記録媒体38上
に転写され、転写を確実にするために記録媒体38は中
間転写部材22、42と加圧ロール26により押圧され
る。画像が粉体インク(トナー)で形成されている場合は
静電気力を利用して記録媒体38上に転写される。
【0077】転写後、中間転写部材22、42、54は
クリーニングブレード28、96により表面を清浄化さ
れる。次いで、塗布ロール34、98により中間転写部
材22、42、54の多孔質体に離型剤が供給され、離
型剤の補給量はブレード36により調整される。
【0078】以上の操作が繰り返し行われる。
【0079】これらの画像形成装置20、40、50に
おいて、クリーニングブレード28、96は省略するこ
とができる。また、撥インク性の多孔質体を表面に備え
る中間転写部材を使用する場合には、これらの画像形成
装置20、40、50から貯蔵容器30、離型剤32、
塗布ロール34、98、及びブレード36を省略でき
る。
【0080】そのような画像形成装置110が図8に示
される。この画像形成装置110は、中間転写部材22
の代わりに撥インク性の多孔質体を表面に備える中間転
写部材112を備え、クリーニングブレード28、貯蔵
容器30、離型剤32及び塗布ロール34を省略した他
は図4の画像形成装置20と同一であり、説明を省略す
る。
【0081】なお、これらの装置において、補給手段と
して塗布ロール34、98の代わりに、中間転写部材の
画像形成面とは反対側の面から離型剤を補給する図11
から図15の構成のものが使用されてもよいことはいう
までもない。
【0082】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。 (実施例1)図4に示すインクジェット記録装置に、ア
ルミニウム製のパイプに、一軸延伸法により製造した厚
み85μmの多孔質PTFEフィルム(平均孔径1.0
μm、空孔率80%)を載せ、PTFEの融点以上の温
度で熱処理して、パイプにフィルムを接着し、多孔質P
TFEフィルムにシリコーンオイル(表面張力20mN
/m、動粘度20mm2/s、25℃での蒸気圧0.1
Pa以下(測定限界以下)、25℃でのインクに対する
溶解度0重量%)を含浸した中間転写部材、サーマルイ
ンクジェットヘッド(短尺ヘッド)、補給手段としての
発泡ポリウレタン製ロール、転写手段としてのアルミニ
ウム製ロール(紙幅と同じ幅を有する)、クリーニング手
段としてのエチレンプロピレンゴム製短冊状ブレードを
用いた。また、インクとしては、クロ、シアン、マゼン
タ、イエローの4色の水性インク(表面張力40mN/
m(4色とも))を用いた。なお、中間転写部材とインク
との接触角は100°であった。
【0083】このインクジェット記録装置を用いたとこ
ろ、中間転写部材上の画像を増粘することなく、画像を
記録媒体に転写できた。また、転写率は100%であっ
た。 (実施例2)図5のインクジェット記録装置に、厚みが
100μmのPETフィルムに一軸延伸法により製造し
た厚み40μmの多孔質ポリプロピレンフィルム(平均
孔径0.2μm、空孔率46%)を載せ、ポリプロピレ
ンの融点以上の温度で熱処理して、パイプにフィルムを
接着し、多孔質ポリプロピレンフィルムにシリコーンオ
イル(表面張力20mN/m、動粘度20mm2/s)
を含浸した中間転写部材を用いた。この中間転写部材
は、記録ヘッドと対向する位置に配置された第1ロー
ル、転写位置に配置された第2ロール、及び補給位置に
配置された第3ロールに巻きかけられた。その他の条件
は実施例1と同じであった。なお、中間転写部材とイン
クとの接触角は100°であった。
【0084】このインクジェット記録装置を用いたとこ
ろ、中間転写部材上の画像を増粘することなく、画像を
記録媒体に転写できた。また、転写率は100%であっ
た。 (実施例3)図8に示すインクジェット記録装置に、ア
ルミニウム製のパイプに、一軸延伸法により製造した厚
み85μmの多孔質PTFEフィルム(平均孔径0.5
μm、空孔率80%)を載せ、PTFEの融点以上の温
度で熱処理して、パイプにフィルムを接着した中間転写
部材、サーマルインクジェットヘッド(短尺ヘッド)、
転写手段としてのアルミニウム製ロール(紙幅と同じ幅
を有する)を用いた。また、インクとしては、クロ、シ
アン、マゼンタ、イエローの4色の水性インク(表面張
力40mN/m(4色とも))を用いた。なお、中間転写
部材とインクとの接触角は110°であった。
【0085】このインクジェット記録装置を用いたとこ
ろ、中間転写部材上の画像を増粘することなく、画像を
記録媒体に転写できた。また、転写率は100%であっ
た。この実施例により得られた記録媒体上の画像は図9
に示され、記録媒体へ直接印字したものと同等の高画質
であった。 (比較例1)多孔質でないPTFEフィルムを使用した
中間転写部材を用いた以外は実施例3と同じインクジェ
ット記録装置及びインクを使用した。転写率は実施例3
のそれと同等であったが、中間転写部材上でインク粒子
が移動して結合するため、中間転写部材上に高画質の画
像を形成できなかった。比較例1により得られた記録媒
体上の画像は図10に示され、実施例3で得られた画像
(図9)と比べると、ドットサイズ及び形状が変化し、
画像情報を忠実に再現することができなかった。 (実施例4)図16に示すインクジェット記録装置にお
いて、多孔性基材としての平均孔径100μmのポリエ
チレン樹脂の不織布上に、エポキシ樹脂を主剤とする接
着剤を孤立点状に配置し、その上に平均孔径1.0μ
m、空孔率80%、厚み85μmの多孔質PTFEを圧
接した後、常温で接着剤を硬化させることにより、多孔
性基材と多孔質体を一体化した、幅215mm、周長3
15mmの無端ベルトを中間転写部材として用いた。
【0086】アルミニウムロールの外周上に厚さ5mm
のポリウレタンフォーム層(平均孔径300μm)を形
成し、補給手段を製造した。ポリウレタンフォーム層に
離型剤としてのシリコーンオイル(表面張力20mN/
m、動粘度20mm2/s、25℃での蒸気圧0.1P
a以下(測定限界以下)、25℃でのインクに対する溶
解度0重量%(測定限界))を含浸させた。
【0087】補給手段及び張架ロールに無端ベルトを巻
きかけた。また、サーマルインクジェットヘッド(短尺
ヘッド)、転写手段としてのゴム製ロール(紙幅と同じ
幅を有する)を用いた。また、インクとしては、クロ、
シアン、マゼンタ、イエローの4色の水性インク(表面
張力35〜40mN/m(4色とも)、動粘度3mm2
s(4色とも))を用いた。なお、多孔質PTFEに対す
る離型剤の接触角は30°であり、多孔性基材に対する
離型剤の接触角はほぼ0°であり、ポリウレタンフォー
ムに対する離型剤の接触角はほぼ0°であった。また、
中間転写部材の周速は1000mm/s、書きこみ方式
は複数回回転する中間転写部材と紙面に対し垂直方向に
直線移動する記録ヘッドの相互作用により印字するヘリ
カルスキャン方式であった。
【0088】このインクジェット記録装置を用いて、連
続5000枚のA4用紙の印字を行ったところ、インク
がはじかれたり、合体すること等による画質欠陥がない
ことを確認した。また、転写不良による中間転写部材の
汚れも発生せず、インク像が毎回100%転写された。
このことから、補給手段から中間転写部材に離型剤が適
正に補給されていることが確認された。
【0089】
【発明の効果】本発明は離型剤を含浸した多孔質体又は
撥インク性の多孔質体を表面に備えた中間転写部材を用
いているため、転写前の画像を安定化する必要がなく、
中間転写部材に正確に画像を形成でき、しかも形成され
た画像を効率よく記録媒体に転写できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基材上に3次元網目状の多孔質体層が設けら
れ、この多孔質体層に離型剤が含浸された本発明の第1
の実施の形態の中間転写部材の断面図である。
【図2】 本発明の画像形成装置に使用可能な補給手段
の一例を示す断面図である。
【図3】 本発明の画像形成装置に使用可能な補給手段
の別例と補給量規制手段の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明の画像形成装置の概略構成図である。
【図5】 本発明の別の画像形成装置の概略構成図であ
る。
【図6】 本発明のさらに別の画像形成装置の概略構成
図である。
【図7】 基材上に3次元網目状の多孔質体層が設けら
れ、この多孔質体層に離型剤が含浸された本発明の第2
の実施の形態の中間転写部材の断面図である。
【図8】 本発明のさらに別の画像形成装置の概略構成
図である。
【図9】 実施例3により得られた画像である。
【図10】 比較例1により得られた画像である。
【図11】 本発明の画像形成装置に使用可能な補給手
段のさらに別な例を示す断面図である。
【図12】 本発明の画像形成装置に使用可能な補給手
段のさらに別な例を示す断面図である。
【図13】 本発明の画像形成装置に使用可能な補給手
段のさらに別な例を示す断面図である。
【図14】 本発明の画像形成装置に使用可能な補給手
段のさらに別な例を示す断面図である。
【図15】 本発明の画像形成装置に使用可能な補給手
段のさらに別な例を示す断面図である。
【図16】 実施例4で使用された画像形成装置の概略
構成を示す図である。
【符号の説明】
1、22、42、54、100、112 中間転写部材 2、9 離型剤 3、102 多孔質体 7 ウィック 10、34、98 塗布ロール 20、40、50、110 画像形成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末光 裕治 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 大木 靖 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 FA03 FA04 FD13 JB18 2H032 BA09 BA23

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その表面上に形成された画像を記録媒体
    に転写するために使用される中間転写部材であって、離
    型剤が含浸された多孔質体を表面に備えた中間転写部
    材。
  2. 【請求項2】 前記多項質体が撥インク性である請求項
    1に記載の中間転写部材。
  3. 【請求項3】 前記離型剤が撥インク性である請求項1
    又は2に記載の中間転写部材。
  4. 【請求項4】 前記離型剤が不揮発性でかつ画像を形成
    するインクに対して非相溶性の液体である請求項1から
    3のいずれか1項に記載の中間転写部材。
  5. 【請求項5】 前記離型剤がシリコーンオイルを含む請
    求項1から4のいずれか1項に記載の中間転写部材。
  6. 【請求項6】 その表面上に形成された画像を記録媒体
    に転写するために使用される中間転写部材であって、撥
    インク性多孔質体を表面に備えた中間転写部材。
  7. 【請求項7】 前記多孔質体が3次元網目構造を有する
    請求項1から6のいずれか1項に記載の中間転写部材。
  8. 【請求項8】 前記多項質体がフッ素樹脂又はポリオレ
    フィン樹脂で形成されている請求項1又は6に記載の中
    間転写部材。
  9. 【請求項9】 前記多項質体の平均孔径が0.01〜1
    00μmである請求項1から8のいずれか1項に記載の
    中間転写部材。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項に記載
    の中間転写部材を備えた画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記中間転写部材に離型剤を補給する
    補給手段をさらに備えた請求項10に記載の画像形成装
    置。
  12. 【請求項12】 前記補給手段が前記離型剤を前記中間
    転写部材の画像が形成される面とは反対側の面から補給
    する請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記補給手段は前記多孔質体に接触す
    る第2の多孔質体を含む請求項11に記載の画像形成装
    置。
  14. 【請求項14】 前記補給手段は前記中間転写部材の前
    記多孔質体と摺動する請求項12又は13に記載の画像
    形成装置。
  15. 【請求項15】 前記補給手段は前記中間転写部材の前
    記多孔質体と従動する請求項12又は13に記載の画像
    形成装置。
  16. 【請求項16】 前記中間転写部材は前記多孔質体と一
    体化された多孔性基材をさらに含み、前記補給手段は前
    記多孔性基材と摺動又は従動する請求項12又は13に
    記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記中間転写部材の前記多孔質体の孔
    径をr1、前記中間転写部材の前記多孔質体と離型剤の
    接触角をθ1、前記第2の多孔質体の孔径をr2、及び前
    記第2の多孔質体と離型剤の接触角をθ2としたとき、
    前記中間転写部材と前記第2の多孔質体との接触部にお
    いて、(cosθ1/r1)>(cosθ2/r2)を満た
    す請求項13に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 インクジェット記録装置である請求項
    10又は11に記載の画像形成装置。
JP2000296672A 2000-05-08 2000-09-28 中間転写部材及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP3951579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000296672A JP3951579B2 (ja) 2000-05-08 2000-09-28 中間転写部材及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000134721 2000-05-08
JP2000-134721 2000-07-31
JP2000-231302 2000-07-31
JP2000231302 2000-07-31
JP2000296672A JP3951579B2 (ja) 2000-05-08 2000-09-28 中間転写部材及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002116630A true JP2002116630A (ja) 2002-04-19
JP3951579B2 JP3951579B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=27343321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000296672A Expired - Fee Related JP3951579B2 (ja) 2000-05-08 2000-09-28 中間転写部材及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3951579B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006051733A1 (ja) * 2004-11-15 2006-05-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. インクジェットプリンタ
WO2006051734A1 (ja) * 2004-11-15 2006-05-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. インクジェットプリンタ
US7048369B2 (en) * 2003-12-22 2006-05-23 Xerox Corporation Electrostatic grounding for drum maintenance unit
JP2007190913A (ja) * 2005-12-23 2007-08-02 Xerox Corp メンテナンスシステム
JP2007230226A (ja) * 2006-02-03 2007-09-13 Fujifilm Corp 画像形成装置
JP2007283634A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置
JP2007301930A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置
JP2008018716A (ja) * 2006-06-15 2008-01-31 Canon Inc 記録物(印刷物)の製造方法および画像形成装置
JP2010241073A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Canon Inc 転写型インクジェット記録用中間転写体
US8011781B2 (en) 2006-06-15 2011-09-06 Canon Kabushiki Kaisha Method of producing recorded product (printed product) and image forming apparatus
JP2013539874A (ja) * 2010-09-22 2013-10-28 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション 物理的複製困難関数を具体化する製品を製造するための方法
JP2018116125A (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 富士ゼロックス株式会社 転写装置および画像形成装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7048369B2 (en) * 2003-12-22 2006-05-23 Xerox Corporation Electrostatic grounding for drum maintenance unit
WO2006051733A1 (ja) * 2004-11-15 2006-05-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. インクジェットプリンタ
WO2006051734A1 (ja) * 2004-11-15 2006-05-18 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. インクジェットプリンタ
JP2007190913A (ja) * 2005-12-23 2007-08-02 Xerox Corp メンテナンスシステム
JP2007230226A (ja) * 2006-02-03 2007-09-13 Fujifilm Corp 画像形成装置
JP2007283634A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置
JP2007301930A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置
JP2008018716A (ja) * 2006-06-15 2008-01-31 Canon Inc 記録物(印刷物)の製造方法および画像形成装置
US8011781B2 (en) 2006-06-15 2011-09-06 Canon Kabushiki Kaisha Method of producing recorded product (printed product) and image forming apparatus
JP2010241073A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Canon Inc 転写型インクジェット記録用中間転写体
JP2013539874A (ja) * 2010-09-22 2013-10-28 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション 物理的複製困難関数を具体化する製品を製造するための方法
JP2018116125A (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 富士ゼロックス株式会社 転写装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3951579B2 (ja) 2007-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7697877B2 (en) Image forming apparatus employing heating and fixer fluid applying sections
US9014611B2 (en) Fixing device and image forming apparatus with same
JP2002116630A (ja) 中間転写部材及び画像形成装置
US5788770A (en) Oil delivery sheet material for use in various printer devices
US8428500B2 (en) Belt pressurizing device and image forming apparatus
US8038286B2 (en) Liquid removal apparatus, image forming apparatus and liquid removal method
US10543689B2 (en) Liquid discharge apparatus
JP6979164B2 (ja) 定着装置、画像形成装置
JP5447915B2 (ja) トナーによる像を印刷媒体に定着または転写定着させるための装置および方法
JP4241594B2 (ja) 画像形成装置
JP5403894B2 (ja) 画像形成装置
US7559642B2 (en) Sheet material conveying apparatus and image forming apparatus
JP4149459B2 (ja) 定着液塗布装置および画像形成装置
US8934826B2 (en) Surface tension interference coating process for precise feature control
JP4389782B2 (ja) 捺染用インクジェットプリンタ、及び捺染印刷物の製造方法
JP2009025371A (ja) 中空部材、定着部材、定着装置および画像形成装置
JP4387327B2 (ja) 画像形成装置
JP2006293169A (ja) 画像形成装置
JP2009116273A (ja) フッ素樹脂被覆ベルトおよびその製造方法、画像定着装置並びに画像形成装置
US11921453B2 (en) Image forming apparatus
JP5194618B2 (ja) 離型剤塗布装置及びそれを有する定着装置
JP2011112871A (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2001188421A (ja) 転写定着システムのための中間転写部材のクリーニングを行う装置及び方法
US20230054817A1 (en) Sliding member, fusing device, and image forming apparatus
JP2017052171A (ja) 液滴吐出ヘッド、画像形成装置及び液滴吐出ヘッドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040415

A977 Report on retrieval

Effective date: 20061213

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070116

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20070319

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20070403

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070416

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110511

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120511

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130511

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees