JP2002115564A - 分留設備を用いる発電方法 - Google Patents

分留設備を用いる発電方法

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JP2002115564A JP2000304903A JP2000304903A JP2002115564A JP 2002115564 A JP2002115564 A JP 2002115564A JP 2000304903 A JP2000304903 A JP 2000304903A JP 2000304903 A JP2000304903 A JP 2000304903A JP 2002115564 A JP2002115564 A JP 2002115564A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 LNGを原料として分留によって都市ガスを
製造しながら、低コストで発電を行う。 【解決手段】 LNGタンク2から発生するボイルオフ
ガスと、分留設備3からの低カロリーガスを燃料とし
て、ガスタービン1で発電を行う。ガスタービン1での
燃料の必要量に合わせて、分留設備3に供給するLNG
の流量を流量調整弁11で制御する。低カロリーガス
は、燃料供給管17の入口で温度計32が計測する温度
がガスタービン1の仕様から求められる燃料温度となる
ように、流量調整弁12で熱交換器14に流れる海水の
流量を調整する。分留設備3からえられる高カロリー液
化ガスの冷熱で、ガスタービン1への吸気を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化天然ガス(以
下、「LNG」と略称することもある)を主原料として
都市ガスを製造する分留設備を用いる発電方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来からLNGを主原料として都市ガス
が製造されている。都市ガスは、たとえば標準状態で単
位体積当り46MJ(11000kcal)の規定熱量
を保有しなければならない。LNGの保有する熱量は、
規定熱量よりも低いので、液化石油ガス(以下、「LP
G」と略称する)など、より高熱量を保有する原料を加
えて、規定熱量を保有するように調整している。
【0003】LNGは、メタン(CH4)を主成分とし
ている。メタンは、LNGの成分中でも沸点が低い軽質
分であり、また低熱量分でもある。したがって、比較的
低温の状態のLNGが気化すると、気化したガス中では
LNG中よりもメタンの割合がさらに大きくなる。また
このガスが保有する熱量は、元のLNGが保有する熱量
よりも低くなるので、重質分として残留する液化ガスが
保有する熱量は、元のLNGが保有する熱量よりも高く
なる。このような分留を利用しても、LNG中から低熱
量成分の軽質分ガスを分離して、残留する重質分の液化
ガスに都市ガスとして必要な規定熱量を保有させること
ができる。分留を利用すれば、LNGに比較して高価格
なLPGの使用量を少なくして、都市ガスの製造コスト
を低減することができる。
【0004】一方、LNGは産地からLNGタンカーな
どで運送され、LNGタンクに貯蔵しながら、需要に応
じてLNG気化器で気化されて使用される。LNGは−
150℃〜−160℃程度の極低温であり、LNGタン
クでは完全な断熱は不可能であるので、周囲の常温環境
からの入熱を避けることはできず、メタンなどの低熱量
成分が気化してボイルオフガスが発生する。ボイルオフ
ガスの発生を放置しておくと、LNGタンクの圧力が上
昇してしまう。このため、ボイルオフガスにLPG等の
高熱量成分を加えて熱量を調整し、LNGタンクから取
出されるLNGを気化した後のガス状態に混ぜて都市ガ
スとして市中に送出したり、圧縮して冷却し、液化させ
てLNG中に戻すなどの対策が採られている。
【0005】ボイルオフガスを直接燃料として使用すれ
ば、対策は容易となる。LNGの主用途には、都市ガス
の原料とともに火力発電用の燃料がある。そこで、ボイ
ルオフガスを主な燃料とし、ガスタービンやガスエンジ
ンなどのガス燃焼機関を用いる発電技術も開発されてき
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】LNGを都市ガスの原
料として使用する以上、LNGタンクでの貯蔵中にボイ
ルオフガスが発生し、その処理が必要となる。都市ガス
など、汎用の用途に使用可能なように、熱量調整のため
単価の高いLPGを使用してボイルオフガスを市中に送
出することは、燃料コストの上昇を招いてしまう。分留
を利用して都市ガスを製造すれば、LPGを使用しない
で熱量を高めることができる。ただし、分留で高熱量成
分である重質分から分離される低熱量成分の軽質分の利
用にボイルオフガスと同様な問題がある。
【0007】ボイルオフガスを使用することを前提に発
電設備などを設置しても、ボイルオフガスはLNGタン
クから自然発生するため、設置する発電設備の要求する
燃料の必要量に発生量が必ずしも一致することはない。
そこで、ボイルオフガスに加え、ガスタービンやガスエ
ンジンの仕様から求められる燃料必要量と、ボイルオフ
ガス量との流量差分を、LNG気化器出口に設置した流
量調整弁により流量制御されたLNG気化ガスを燃料と
する発電技術が開発されている。しかし重質分を含むL
NG気化ガスを燃料とすると、発電設備の運転で燃料コ
ストの上昇を招いてしまう。
【0008】また、ガスタービンやガスエンジンでは、
吸気冷却によって効率を改善可能なことが知られてい
る。吸気冷却の方法としては、LNGタンクからのLN
Gの冷熱を用いる方法や、冷凍機を用いる方法等が開発
され用いられている。ただし、ガスタービンやガスエン
ジン用吸気冷却の方法として冷凍機を用いると、LNG
を燃料として発電される電力を用いて冷凍機を運転しな
ければならず、ガス燃焼機関自体では燃料消費を少なく
することができるとしても、全体的には燃料ガス等が多
く必要となってしまう。
【0009】本発明の目的は、LNGを原料として分留
によって都市ガスを製造しながら、分留の過程で分離さ
れる低熱量成分や、LNGの貯蔵で発生するボイルオフ
ガスを有効に利用して、低コストで発電を行うことがで
きる分留設備を用いる発電方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、液化天然ガス
から低熱量ガスを分離し、残留する高熱量液化ガスの熱
量を、元の天然ガスの熱量より高い規定熱量に調整する
分留設備を用いて発電を行う方法であって、液化天然ガ
スをタンクに貯蔵する際に発生するボイルオフガスに加
え、液化天然ガスを分留することで得られる低熱量ガス
を燃料として発電設備に供給することを特徴とする分留
設備を用いる発電方法である。
【0011】本発明に従えば、液化天然ガスをLNGタ
ンクに貯蔵する際に発生するボイルオフガスに加え、液
化天然ガスを分留することで得られる低熱量ガスを燃料
として発電設備に供給する。ボイルオフガスおよび低熱
量ガスは、LNG中のメタンなどの軽質分であり、発電
設備として同様に取扱うことができる。自然発生するボ
イルオフガスばかりではなく、熱量を調整して市中に送
出する都市ガスの製造に分留設備を用いる際に発生する
低熱量ガスを燃料として発電を行うので、低コストの燃
料を多く利用することができる。LNG貯蔵中に発生す
るボイルオフガスや、分留で発生する低熱量ガスの処理
にコストをかけないで済むので、都市ガスの製造コスト
も低減することができる。
【0012】また本発明は、前記発電設備の仕様に基づ
いて燃料必要量を求め、液化天然ガスをタンクに貯蔵す
る際に出るボイルオフガス量と燃料必要量との流量差を
分留装置からの前記低熱量ガスとして発電設備に供給す
るため、分留設備入口に流量調整弁を設け、分留設備に
流入する液化天然ガスの流量を制御することを特徴とす
る。
【0013】本発明に従えば、ガスタービンやガスエン
ジンなどの発電設備の仕様より求められる燃料必要量
と、液化天然ガスをLNGタンクに貯蔵する際に発生す
るボイルオフガス量との流量差を、分留設備から供給す
る。発電設備で必要とする燃料の量を、分留設備入口に
設ける流量調整弁による流量制御の範囲内としておくこ
とによって、ボイルオフガスと低熱量ガスとで発電を行
い、発電コストを低減することができる。なお、都市ガ
スの需要量が入口側で流量制御される分留設備からの高
熱量液化ガスの供給量よりも大きいときは、LNGにL
PG等を添加して熱量調整をして補うようにすればよ
い。都市ガスの需要量の全部を、LPG等の添加で熱量
調整して製造する場合に比較すれば、低コストで都市ガ
スを製造することができる。
【0014】また本発明は、前記発電設備の仕様に基づ
いて、発電設備に供給すべき燃料の温度を求め、求めら
れる温度に供給する燃料の温度を適合させるため、発電
設備入口で燃料温度を測定しながら、分留設備出口で前
記低熱量ガスに必要熱量を熱交換器によって加えること
を特徴とする。
【0015】本発明に従えば、ガスタービンやガスエン
ジンなどの発電設備仕様から求められる燃料温度に対
し、実際に供給する燃料温度を適合させる。求められる
燃料温度を目標として、ガスタービンやガスエンジンな
どへ燃料を供給する入口で燃料温度を測定しながら、分
留設備出口において必要熱量を熱交換器により加えるの
で、自然発生するボイルオフガスだけでは不安定な燃料
温度を安定化して、発電設備の仕様に適合させ、効率的
に発電を行うことができる。
【0016】また本発明は、前記発電設備としてガス燃
焼機関を用い、前記分留設備で分留によって得られる高
熱量液化ガスと1次冷媒とを熱交換させ、その1次冷媒
と2次冷媒とを熱交換させ、更に2次冷媒と空気とを熱
交換させて、高熱量液化ガスの冷熱をガス燃焼機関用吸
気冷却の熱源とすることを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、分留により得られる高熱
量液化ガスと1次冷媒とを熱交換させ、極低温の高熱量
液化ガスから冷熱を1次冷媒に与える。1次冷媒と2次
冷媒とを熱交換させ更に2次冷媒と空気とを熱交換させ
ることで、高熱量液化ガスをガスタービンやガスエンジ
ンなどのガス燃焼機関用吸気冷却の冷熱源とする。冷熱
源となる極低温の高熱量液化ガスから2段階の冷媒を用
いる熱交換で、常温付近のガス燃焼機関用吸気を冷却す
るので、ガス燃焼機関を効率よく運転することができ
る。分留設備からの低熱量液化ガスは熱交換によって加
温され、気化させることができるので、気化用の熱交換
器をを別途設ける必要がなくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある分留設備を用いる発電方法を適用している一例とし
て、発電出力15万kWクラスの発電設備の概略的な構成
を示す。本実施形態の発電設備は、ガス燃焼機関として
ガスタービン(図1では、「G/T」と略称する)1を
用いる。LNGタンク2には、LNGが貯蔵される。L
NGタンク2に貯蔵されるLNGからは、分留設備3で
高熱量液化ガスである高カロリー液化ガスが得られる。
分留設備3に供給するLNGは、LNGタンク2から昇
圧ポンプ4で昇圧して取出され、LNG送出ライン5か
らLNG気化器6に送られるLNGの一部を、LNGラ
イン5の途中から分岐させる。LNG気化器6では、L
NGを海水ポンプ7で送込まれる海水と熱交換し、LN
Gが気化昇温されて送出ライン8から都市ガス原料の天
然ガスとして送出される。送出ライン8から送出する天
然ガスの気化昇温用の熱源となった海水は、排水ライン
9から排出される。
【0019】LNGライン5の途中から分岐するLNG
配管10は、LNGを流量調整弁11を介して分留設備
3に導く。分留設備3では、LNGの成分のうち、メタ
ンを主とする軽質分の低熱量ガスが気化して分離され
る。残存する高熱量液化ガスの保有する熱量は、高熱量
液化ガス中に残存している低熱量成分の量によって変化
する。高熱量液化ガス中では低熱量成分は飽和濃度に達
しており、飽和濃度は温度と圧力との影響も受けるの
で、分留設備3では温度と圧力とを調整して、必要な熱
量を保有する高熱量液化ガスが得られるようにしてい
る。
【0020】分留設備3で分留された低熱量ガスは、流
量調整弁12で流量が調整され、海水ポンプ13で熱交
換器14に送込まれる海水と熱交換し、温度が調整され
てガスタービン1の燃料として供給される。ガスタービ
ン1の燃料としては、LNGタンク2で発生するボイル
オフガス(以下、図面では「BOG」と略称する)も使
用される。LNGタンク2中では、大気圧に近い圧力で
ボイルオフガスが発生するので、BOGコンプレッサ1
5で昇圧し、BOG配管16を介してガスタービン1の
燃料として送込む。BOG配管16には、熱交換器14
で加温された低熱量ガスが合流し、燃料供給管17を介
してガスタービン1に供給される。
【0021】ガスタービン1で、燃料供給管17を介し
て供給される燃料を燃焼するための空気は、吸気配管1
8を介して供給される。吸気配管18の途中には、熱交
換器19が設けられ、分留設備3で得られる高カロリー
液化ガスの有する冷熱を利用して、ガスタービン1への
吸気を冷却する。常温の吸気と極低温の高カロリー液化
ガスとの温度差は大きく、吸気と高カロリー液化ガスと
を直接熱交換しようとすれば、吸気中の水分が凍結や着
霜を生じさせ、効率的な熱交換が困難となる。本実施形
態では1次冷媒と2次冷媒との2種類の冷媒を中間段階
の熱媒体として用いる。1次冷媒は、熱交換器20で分
留設備3で得られる高カロリー液化ガスと熱交換する。
1次冷媒は冷却され、高カロリー液化ガスは加温され
る。冷却された1次冷媒は、1次冷媒管路21内を循環
するように使用される。2次冷媒は、2次冷媒管路22
内を循環し、1次冷媒と熱交換器23で熱交換する。1
次冷媒および2次冷媒の循環は、1次冷媒ポンプ23お
よび2次冷媒ポンプ24によって、それぞれ行われる。
【0022】分留設備3で熱量調整を行って都市ガスの
原料として送出すためのLNGは、LNGタンク2から
昇圧ポンプ26に吸引されて昇圧され、LNG送出管2
7に送出される。分留設備3で得られる高カロリー液化
ガスは、熱交換器20で1次冷媒との間で熱交換して加
温された後、LNG送出管27を流れるLNGと混合さ
れる。分留設備3で、LNGと混合した状態で保有する
熱量が規定熱量となるように高カロリー液化ガスの熱量
を調整しておけば、混合後、混合液送出管28を介して
送出する液化ガスは、LPG添加での熱量調整量を削減
することが可能となる。この液化ガスは、LNG気化器
29で気化昇温され、送出ライン30を介して送出され
る。海水ポンプ31は、LNG気化器29に海水を供給
する。
【0023】次に、本実施形態の運転状態の一例を説明
する。LNGタンク2からは、ボイルオフガスが15t
/hの割合で発生する場合を想定する。分留設備3への
LNG配管10の入口部に設置した流量調整弁11によ
って、流入LNG量を24t/hに調整する。−155
℃のLNG24t/hに6280MJ/h(1500M
cal/h)の熱量を加えて−96℃に温度を保つと、
6t/hのメタンと、18t/hの標準状態で単位体積
当り46MJ(11000kcal)の熱量を保有する
液化ガスとが生成される。この液化ガスは、10050
MJ/h(2400Mcal/h)の熱量を与えること
で常温(20℃)まで暖められ、更に付臭されて13A
都市ガスとして市中に送出される。
【0024】−96℃で生成された6t/hのメタン
は、燃料供給管17でガスエンジン1への入口部に設置
される温度計32によって測定される温度に基いて供給
燃料設定温度(20℃)とするために、熱交換器14の
上流側に設置する海水用の流量調整弁12の開度をコン
トローラ33によって調整する。この調整では、必要な
熱量として840MJ/h(200Mcal/h)を加
え、LNGタンク2から発生し、BOGコンプレッサ1
5により2940kPa(30kgf/cm2)まで昇
圧されたボイルオフガス15t/h(20℃)と共にガ
スタービン1に供給し、発電の燃料として使用される。
【0025】また分留設備3により生成される高カロリ
ー液化ガスを気化するのに必要な熱量は10050MJ
/h(2400Mcal/h)となる。この液化ガスに
1次冷媒および2次冷媒を介して空気と熱交換を行なわ
せ、空気を15℃まで冷す。この15℃まで冷やされた
空気を使用し、ガスタービン1の入口での吸気冷却を行
なう。大気温度を33℃とした場合、この吸気冷却に必
要な熱量は46000MJ/h(11000Mcal/
h)であり、これにより高カロリー液化ガスの気化熱量
を賄う。
【0026】以上説明した実施形態では、発電設備とし
てガスタービン1を用いているけれども、ガスエンジン
など、ガス燃焼機関を同様に用いても、吸気冷却と、燃
料温度調整とによって、効率良く発電を行わせることが
できる。
【0027】また、ガスエンジンや、ガスタービン1に
必要な熱量を全てメタンを主成分とするボイルオフガス
と分留設備3からの低カロリーガスとによって賄うこと
が可能となり、発電設備側から見て燃料コストが削減さ
れる。
【0028】分留設備3の稼動によって、24t/hの
処理能力の分留によって生成される市中送出用高カロリ
ーガス分の熱量調整用にLPG3t/hを用いる必要が
なくなるので、都市ガスの製造所側から見て燃料コスト
が削減される。
【0029】LNGタンク2から発生するボイルオフガ
スの流量変化に、分留設備3から得られる低カロリーガ
スを対応させて補うことが可能となり、また必要なガス
エンジンやガスタービン1の入口温度が得られること
で、15万kW級の発電機側から見て安定した21t/
hで20℃の燃料供給が可能になる。さらに、1次冷媒
と2次冷媒とを用いて吸気と熱交換を行うので、高カロ
リー液化ガスを気化するための熱交換器を別途設ける必
要がない。なお、発電設備として、ガスタービン1やガ
スエンジンなどのガス燃焼機関を用いる場合について説
明しているけれども、燃料がメタンの単一成分に近いの
で、燃料電池を用いる発電にも本発明を適用することが
できる。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、発電設備
の燃料を、液化天然ガスをLNGタンクに貯蔵する際に
発生するボイルオフガスと、液化天然ガスを分留するこ
とで得られる低熱量ガスとで賄うことが可能となり、発
電設備側から見て燃料コストを削減することができる。
LNG貯蔵中に発生するボイルオフガスや、分留で発生
する低熱量ガスの処理にもコストをかけないで済み、熱
量調整のために必要な高コストの原料を削減することが
できるので、都市ガスの製造コストの低減も図ることが
できる。
【0031】また本発明によれば、ガスタービンやガス
エンジンなどの発電設備に供給する燃料の必要量とボイ
ルオフガス量との流量差を、分留設備入口に設ける流量
調整弁による流量制御で分留設備に供給するLNG流量
に対応して分離される低熱量ガスの流量で補う。ボイル
オフガスと低熱量ガスとで発電を行うので、発電コスト
を低減することができる。なお、都市ガスについても、
分留設備で分離される高熱量液化ガスに対応する流量分
については、LNGにLPG等を添加して熱量調整をし
て製造する必要がなくなるので、低コストで製造するこ
とができる。
【0032】また本発明によれば、ガスタービンやガス
エンジンなどの発電設備仕様から求められる燃料温度に
調整して、ボイルオフガスと低熱量ガスとを供給するこ
とができる。発電設備に必要な燃料の入口温度が得られ
るので、発電設備を効率良く安定して運転させ、発電を
行わせることができる。
【0033】また本発明によれば、分留により得られる
極低温の高熱量液化ガスの冷熱を有効に利用して、発電
設備に用いるガスタービンやガスエンジンなどのガス燃
焼機関用吸気冷却の冷熱源とすることができる。冷熱源
となる極低温の高熱量液化ガスから2段階の冷媒を用い
る熱交換で、常温付近のガス燃焼機関用吸気を冷却する
ので、ガス燃焼機関を効率よく運転することができる。
分留設備からの低熱量液化ガスも、ガス燃焼機関用吸気
を熱源として加温され、気化させることができるので、
気化用の熱交換器をを別途設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての分留設備を用い
る発電方法の概要を示す配管系統図である。
【符号の説明】
1 ガスタービン 2 LNGタンク 3 分留設備 4,26 昇圧ポンプ 5 LNG送出ライン 6,29 LNG気化器 8,30 送出ライン 10 LNG配管 11,12 流量調整弁 14,19,20,23 熱交換器 15 BOGコンプレッサ 17 燃料供給管 18 吸気供給管 21 1次冷媒管路 22 2次冷媒管路 28 混合液送出管 32 温度計 33 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 悦郎 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 田窪 稔 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 杉山 修 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 江見 浩 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 5H590 AA02 CA08 CA09 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化天然ガスから低熱量ガスを分離し、
    残留する高熱量液化ガスの熱量を、元の天然ガスの熱量
    より高い規定熱量に調整する分留設備を用いて発電を行
    う方法であって、 液化天然ガスをタンクに貯蔵する際に発生するボイルオ
    フガスに加え、液化天然ガスを分留することで得られる
    低熱量ガスを燃料として発電設備に供給することを特徴
    とする分留設備を用いる発電方法。
  2. 【請求項2】 前記発電設備の仕様に基づいて燃料必要
    量を求め、 液化天然ガスをタンクに貯蔵する際に出るボイルオフガ
    ス量と燃料必要量との流量差を分留装置からの前記低熱
    量ガスとして発電設備に供給するため、分留設備入口に
    流量調整弁を設け、分留設備に流入する液化天然ガスの
    流量を制御することを特徴とする請求項1記載の分留設
    備を用いる発電方法。
  3. 【請求項3】 前記発電設備の仕様に基づいて、発電設
    備に供給すべき燃料の温度を求め、 求められる温度に供給する燃料の温度を適合させるた
    め、発電設備入口で燃料温度を測定しながら、分留設備
    出口で前記低熱量ガスに必要熱量を熱交換器によって加
    えることを特徴とする請求項1または2記載の分留設備
    を用いる発電方法。
  4. 【請求項4】 前記発電設備としてガス燃焼機関を用
    い、 前記分留設備で分留によって得られる高熱量液化ガスと
    1次冷媒とを熱交換させ、その1次冷媒と2次冷媒とを
    熱交換させ、更に2次冷媒と空気とを熱交換させて、高
    熱量液化ガスの冷熱をガス燃焼機関用吸気冷却の熱源と
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    分留設備を用いる発電方法。
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