JP2002111772A - 受信回路 - Google Patents

受信回路

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JP2002111772A
JP2002111772A JP2001238504A JP2001238504A JP2002111772A JP 2002111772 A JP2002111772 A JP 2002111772A JP 2001238504 A JP2001238504 A JP 2001238504A JP 2001238504 A JP2001238504 A JP 2001238504A JP 2002111772 A JP2002111772 A JP 2002111772A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力消費量の大きな機能部についての削減ま
たは代替を図る。 【解決手段】 空中線1で受信された受信信号は受信帯
域フィルタ96を通って対象とする帯域内信号群になっ
た後、直交復調器11によりI軸成分とQ軸成分とが抽
出される。この信号は第1および第2のローパスフィル
タ86、87で高域の不要周波数成分を除去された後、
第1および第2のA/D変換器90、91に入力され
る。A/D変換器90、91におけるA/D変換動作に
当たっては、サンプリング信号発生源92からのサンプ
リング信号がA/D変換器90、91へ供給されてサン
プリング動作を行い、演算器93からベースバンド出力
を得る。直交復調器を1基にしたので、電力消費量の削
減および回路の簡素化を図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信機の受
信回路、特に受信系の電力を低減し、回路構成を簡素化
することができ、消費電力を低減することができる受信
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信機の受信回路のポイントのひと
つは、高周波回路部分をいかに少なくし、高周波回路に
内在する高電力消費要素および動作不安定要素と製造コ
ストならびに占有する空間を少なくすることにある。こ
のうち、高周波回路部分の低減には、従来、多重周波数
変換や搬送周波数における直接復調方式が提案され、低
い周波数帯へ直接の変換やベースバンド帯域への直接復
調が図られてきた。そして、高周波回路部分を占有する
機能が空中線を2系統必要とするスペース・ダイバーシ
ティ機能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、直接復調方式
について考えると、搬送周波数に等しい信号を局部発振
器で発生し、受信入力波と混合してベースバンド信号を
取り出す方法が多数開発されているが、この方式では、
受信信号周波数と等しい高周波信号を発生することか
ら、受信機の空中線を通じて容易に空中へ放射される。
このため、隣接する他の受信機に干渉を与え、通信を妨
げる。したがって、この方式は、もっぱら単一周波数干
渉に比較的強い周波数変調方式の通信に採用されてい
る。
【0004】一方、近年普及の急速な無線携帯電話は、
振幅移送変調の一つであるPSKを用いており、単一周
波数干渉は復調出力にオフセットを生じさせ、受信信号
の誤り率の悪化を招くものである。すなわち、局部発振
周波数には搬送周波数を選べないので、この種の通信方
式での直接周波数変換あるいは直接復調を困難にしてい
る。かかる技術的な課題を解決する方法としては、無線
携帯電話の搬送波周波数をfc とし、オフセット周波数
をfo とした場合、fc +fo とfc −fo を取得し、
周波数オフセットを行なった相補型局部発振周波数を設
けて周波数変換を行なう方法がある。この方法を実行す
るに当たって、fc +fo とfc −foとを得るために
はfc とfo をミキサー( 周波数混合器) で乗算すれば
よいが、このとき出力にはfc +fo とfc −fo の信
号が共存してしまう。すなわち、上記の処理を行なうに
はそれぞれの周波数信号を独立に必要とするが、この要
求には合わない。従来の装置では必然的にそれぞれの周
波数に対応するフィルタを用いることになるが、希望信
号の搬送波周波数は可変でありフィルタに可変特製を要
求することになり実用にならない。という不具合があっ
た。
【0005】本発明は、このような従来の問題を解決す
るものであり、主に複数のチャネルを有するディジタル
変調方式の通信システムにおいて、受信系の電力を低減
し、回路を簡素化し、消費電力を低減することのできる
受信回路を提供することを目的とする。本発明の別の目
的は、上記のような通常の方法での問題を解決すべくf
c +fo とfc −fo とが得られるような受信回路を提
供することである。
【0006】本発明は、より具体的には、受信システム
の有するチャネルの間の谷間となる周波数を受信機の局
部周波数として直接周波数変換を行なうとともに、その
出力信号に生じる周波数オフセットおよび隣接チャネル
の信号が混入するのを防止した受信回路を提供すること
を目的とする。
【0007】本発明は、さらに受信回路を構成する各機
能部について構成上の見直しを行ないより電力消費量の
大きな機能部についての削減或いは代替を図ることを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発明は、空中線から受信信号を受ける受信入力手段
と、前記受信入力手段からの受信信号に対して周波数変
換処理を行ない、位相の異なる2つの出力を得る直交復
調器と、前記直交復調器からの一方の出力信号を入力し
てアナログ信号をディジタル信号に変換する第1および
第2のA/D変換器と、前記第1および第2のA/D変
換器に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数の2倍以
上のクロックを発生する第1のサンプリングクロック発
生器と、前記第1のサンプリングクロック発生器からの
パルス列に第1の遅延パルス列を付加する第1の遅延回
路と、前記第1のサンプリングクロック発生器からのパ
ルス列と前記第1の遅延パルス列とを前記第1および第
2のA/D変換器のサンプリングパルスとして提供する
手段と、前記直交復調器からの他方の出力信号を入力し
てアナログ信号をディジタル信号に変換する第3および
第4のA/D変換器と、前記第3および第4のA/D変
換器に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数の2倍以
上のクロックを発生する第2のサンプリングクロック発
生器と、前記第2のサンプリングクロック発生器からの
パルス列を遅延させて第2の遅延パルス列を生成する第
2の遅延回路と、前記第2のサンプリングクロック発生
器からのパルス列と前記第2の遅延パルス列とを前記第
3および第4のA/D変換器のサンプリングパルスとし
て提供する手段と、前記第1乃至第4のA/D変換器の
ディジタル出力データから希望する受信チャネル信号の
直交成分を抽出する手段とを有することを特徴とする受
信回路としたものである。
【0009】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1記載の受信回路において、前記各遅延回路の遅延時間
を、前記希望チャネル信号の周波数との関係でπ/2に
相当する位相差の遅延時間とすることを特徴とするもの
である。
【0010】本発明の請求項3に記載の発明は、空中線
から受信信号を受ける受信入力手段と、前記受信入力手
段からの受信信号に対して周波数変換処理を行ない、位
相の異なる2つの出力を得る直交復調器と、前記直交復
調器からの一方の出力信号を入力してアナログ信号をデ
ィジタル信号に変換する第1および第2のA/D変換器
と、前記第1および第2のA/D変換器に受信信号の持
つ帯域幅に相当する周波数以上のクロックを発生する第
1のサンプリングクロック発生器と、前記第1のサンプ
リングクロック発生器からのパルス列に第1の遅延パル
ス列を付加する第1の遅延回路と、前記第1のサンプリ
ングクロック発生器からのパルス列と前記第1の遅延パ
ルス列とを前記第1および第2のA/D変換器のサンプ
リングパルスとして提供する手段と、前記直交復調器か
らの他方の出力信号を入力してアナログ信号をディジタ
ル信号に変換する第3および第4のA/D変換器と、前
記第3および第4のA/D変換器に受信信号の持つ帯域
幅に相当する周波数の2倍以上のクロックを発生する第
2のサンプリングクロック発生器と、前記第2のサンプ
リングクロック発生器からのパルス列を遅延させて第2
の遅延パルス列を生成する第2の遅延回路と、前記第2
のサンプリングクロック発生器からのパルス列と前記第
2の遅延パルス列とを前記第3および第4のA/D変換
器のサンプリングパルスとして提供する手段と、前記第
1乃至第4のA/D変換器のディジタル出力データから
希望する受信チャネル信号の直交成分を抽出する手段と
を備え、前記各遅延回路の遅延時間を、前記希望チャネ
ル信号の周波数との関係でπに相当する位相差以外の遅
延時間としたことを特徴とする受信回路としたものであ
る。
【0011】本発明の請求項4に記載の発明は、空中線
から受信信号を受ける受信入力手段と、この受信信号を
入力してA/D変換を行なう第1のA/D変換器と、第
2のA/D変換器と、これらのA/D変換器に受信信号
の持つ帯域幅に相当する周波数以上のクロックを発生す
るサンプリングクロック発生器と、前記サンプリングク
ロック発生器からのパルス列にその遅延パルス列を付加
する回路と、このサンプリングクロック発生器からのパ
ルス列と遅延パルス列とを前記A/D変換器のサンプリ
ングパルスとして提供する手段と、前記A/D変換器の
ディジタル出力データから希望する受信チャネル信号を
抽出する手段とを有することを特徴とする受信回路とし
たものである。
【0012】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
4記載の受信回路において、前記遅延パルス列を付加す
る回路における遅延時間を、希望チャネル信号の周波数
との関係でπ/2に相当する位相差時間としたことを特
徴とするものである。
【0013】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
4記載の受信回路において、前記遅延パルスを複数発生
させる手段を設け、かつ前記遅延パルスの遅延時間を、
特に希望チャネル信号の周波数との関係でπに相当する
位相差以外の遅延時間としたことを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明の請求項7に記載の発明は、空中線
から受信信号を受ける受信入力手段と、この受信信号を
入力してA/D変換を行なう単一のA/D変換器と、前
記A/D変換器に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波
数以上のクロックを発生するサンプリングクロック発生
器と、このサンプリングクロック発生器からのパルス列
に遅延パルス列を付加する回路と、前記サンプリングク
ロック発生器からのパルス列に遅延パルス列を付加する
回路と、前記サンプリングクロック発生器からのパルス
列と遅延パルス列とを前記A/D変換器のサンプリング
パルスとして提供する手段と、前記A/D変換器のディ
ジタル出力データから希望する受信チャネル信号を抽出
する手段とを有することを特徴とする受信回路としたも
のである。
【0015】本発明の請求項8に記載の発明は、空中線
から受信信号を受ける受信入力手段と、前記受信入力手
段からの受信信号に対して周波数変換処理を行ない、位
相の異なる2つの出力を得る直交復調器と、前記直交復
調器からの一方の出力信号を入力してアナログ信号をデ
ィジタル信号に変換する第1のA/D変換器と、前記直
交復調器からの他の出力信号を入力してアナログ信号を
ディジタル信号に変換する第2のA/D変換器と、前記
第1および第2のA/D変換器に受信信号の持つ帯域幅
に相当する周波数以上のクロックを供給するサンプリン
グクロック発生器と、前記サンプリングクロック発生器
からのパルス列を遅延させて遅延パルス列を生成する遅
延回路と、前記サンプリングクロック発生器からのパル
ス列と前記遅延パルス列とを前記第1および第2のA/
D変換器のサンプリングパルスとして共に提供する手段
と、前記第1および第2のA/D変換器のディジタル出
力データから希望する受信チャネル信号の直交成分を抽
出する手段とを有することを特徴とする受信回路とした
ものである。
【0016】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
8記載の受信回路において、前記遅延回路の遅延時間
を、前記希望チャネル信号の周波数との関係でπ/2に
相当する位相差の遅延時間とすることを特徴とするもの
である。
【0017】本発明の請求項10に記載の発明は、空中
線から受信信号を受ける受信入力手段と、前記受信入力
手段からの受信信号に対して周波数変換処理を行ない、
位相の異なる2つの出力を得る直交復調器と、前記直交
復調器からの一方の出力信号を入力してアナログ信号を
ディジタル信号に変換する第1のA/D変換器と、前記
直交復調器からの他の出力信号を入力してアナログ信号
をディジタル信号に変換する第2のA/D変換器と、前
記第1および第2のA/D変換器に受信信号の持つ帯域
幅に相当する周波数以上のクロックを供給するサンプリ
ングクロック発生器と、前記サンプリングクロック発生
器からのパルス列を遅延させて遅延パルス列を生成する
遅延回路と、前記サンプリングクロック発生器からのパ
ルス列と前記遅延パルス列とを前記第1および第2のA
/D変換器のサンプリングパルスとして共に提供する手
段と、前記第1および第2のA/D変換器のディジタル
出力データから希望する受信チャネル信号の直交成分を
抽出する手段とを備え、前記遅延回路の遅延時間を、前
記希望チャネル信号の周波数との関係でπに相当する位
相差以外の遅延時間としたことを特徴とする受信回路と
したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、その前に、本発明の理論的根拠について
説明する。まず、現在ディジタル変調方式の中で多用さ
れている2値PSKすなわちBPSKを対象に説明す
る。
【0019】基底周波数すなわちベースバンドにおける
BPSK信号SB は次のように表現できる。 SB =Acos (θk) ただし、Aは振幅、θkはBPSK情報を表す位相で、 θk=0、π このベースバンド信号を搬送角周波数ωC で変調した
変調出力SC は次のように表現できる。
【数1】 この変調信号を受信し、周波数変換用局部周波数ωC
で周波数変換すると、周波数変換出力SR は次のよう
に表される。
【0020】
【数2】 この周波数変換出力SR をローパスフィルタに通して
高周波数成分2ωC を除去すると、その出力SRF
は、次のようになり、2値PSKすなわちBPSK信号
が復調できる。
【0021】
【数3】 しかし、受信の周波数変換において局部発振周波数を搬
送周波数と同一のωCで行なったため、受信機からはこ
の局部発振周波数信号が空中に放射され、近接の他の受
信機に妨害を与える。
【0022】本発明は、このような問題を解決するめに
局部発振周波数を次のように設定する。図20は本発明
の局部発振周波数の設定の方法を示すものである。図2
0において、Aは希望するチャネルの帯域を示し、搬送
周波数はωC である。Bは上側の隣接チャネルの帯域
を示し、搬送周波数はωCUである。Cは下側の隣接チ
ャネルの帯域を示し、搬送周波数はωCLである。各チ
ャネルの搬送波の間の間隔はBPSKの基底周波数ωb
の約4倍である。
【0023】各チャネルの帯域は搬送周波数を中心に±
2ωb となる。したがって、各搬送周波数から基底周
波数2ωb の量を離れた位置はどのチャネルから見て
も谷間になり、この位置に線スペクトルの妨害波が存在
してもいずれのチャネルにとっても妨害は少ない。すな
わち、本発明はこの点に注目し、受信機の局部発振周波
数を隣接チャネル搬送周波数との中間に設定することを
課題解決のための主たる方法とした。
【0024】次に、このように受信機の局部発振周波数
を設定した場合に、復調が従来同様に得られるよう、以
降の回路をどのように構築すべきかという、本発明のも
う一つのポイントについて再び数式を用いて説明する。
【0025】変調信号を受信し、受信機の周波数変換を
行なうための局部発振周波数を前述の通りωC +ωO
に設定すると、周波数変換出力SR は次のようにな
る。
【0026】
【数4】 この周波数変換出力SR をローパスフィルタに通して
高周波成分2ωC を除去すると、その出力SRFは、
【0027】
【数5】 となり、周波数ωO だけオフセットの掛かった2値P
SKすなわちBPSK信号が発生する。
【0028】次に局部発振周波数を希望チャネルの発送
周波数からωO だけ低いωC −ωO に設定する。こ
の場合の周波数変換出力SL は次のようになる。
【0029】
【数6】 この周波数変換出力SL をローパスフィルタに通して
高周波成分2ωC を除去すると、その出力SLFは、
【0030】
【数7】 となり、SRFとは位相も等しいBPSK信号が発生す
る。
【0031】ところで、受信の局部発振周波数が隣接チ
ャネルからも等距離にあるため、復調される信号には隣
接チャネルの成分も発生混入する。上側の隣接チャネル
の信号は、搬送周波数をωChで表すと、ωCh=ωC
+2ωO であるから、前述の受信側の周波数変換は次
のようになる。
【0032】まず、変調信号を受信し、受信機の周波数
変換を行なうための局部発振周波数を前述のとうりωC
+ωO に設定すると、周波数変換出力SRhは次のよ
うになる。
【0033】
【数8】 この周波数変換出力SRhをローパスフィルタに通して
高周波成分2ωC を除去すると、その出力SRFh
は、
【0034】
【数9】 となり、希望チャネルと同一の帯域に存在するBPSK
信号が発生する。
【0035】他方、下側の隣接チャネルの信号は、搬送
周波数をωClで表すと、ωCl=ωC −2ωO であ
るから、前述の受信側の周波数変換は次のようになる。
【0036】まず、受信機の局部発振周波数は、前述の
とおりωC +ωO に設定すると、周波数変換出力SR
lは次のようになる。
【0037】
【数10】 この周波数変換出力SRlをローパスフィルタに通して
高周波数成分2ωC を除去すると、その出力SRFl
は、
【0038】
【数11】 となり、希望チャネルよりも3ωO 離れた周波数にB
PSK信号が発生する。
【0039】次に、局部発振数がωC −ωO である場
合の隣接チャネルの周波数変換される状態について検証
する。上側の隣接チャネルの信号は、搬送周波数をωC
hで表すと、ωCh=ωC +2ωO であるから、局部
発振周波数がωC −ωO である場合の周波数変換は次
のようになる。
【0040】まず、変調信号を受信し、受信機の周波数
変換を行なうための局部発振周波数を前述のとおりωC
−ωO に設定すると、周波数変換出力SLhは次のよ
うになる。
【0041】
【数12】 この周波数変換出力SLhをローパスフィルタに通して
高周波数成分2ωC を除去すると、その出力SLFl
は、次のようになる。
【0042】
【数13】
【0043】他方、下側の隣接チャネルの信号は、搬送
周波数をωClで表すと、ωCl=ωC −2ωO であ
るから、前述の受信側の周波数変換は次のようになる。
【0044】まず、受信機の局部発振周波数は前述のと
おりωC −ωO に設定すると、周波数変換出力SLl
は次のようになる。
【0045】
【数14】 この周波数変換出力SLlをローパスフィルタに通して
高周波数成分2ωC を除去すると、その出力SLFl
は、
【0046】
【数15】 となり、希望チャネルと同一の周波数にBPSK信号が
発生する。
【0047】以上からまとめると、局部周波数を上側に
ωO だけシフトした場合の出力は以下の3種である。
【0048】
【数16】 局部周波数を下側にωO だけシフトした場合の出力は
以下の3種である。
【0049】
【数17】
【0050】この両グループに共通な成分は希望チャネ
ルだけである。したがって、双方を2入力として加算器
に供給すれば、その出力には希望チャネルのみが取り出
せることになる。また、その出力は、ωO だけ周波数
オフセットが掛かっているが、これは簡単な周波数オフ
セット回路で除去することができる。
【0051】本発明は、このような原理を以下に示す実
施の形態により実現したものである。
【0052】(実施の8態1)図1は本発明の第1の実
施の形態の構成を示すものである。図1において、1は
受信信号を受ける空中線、2および3は受信信号を入力
とする第1および第2の周波数変換回路、4は受信信号
が有する無線搬送波周波数と隣接する上下のチャネルの
持つ無線搬送波周波数との中間の周波数を発生するとと
もに、上下の2波の周波数のうち上側周波数を第1の周
波数変換回路2の変換用周波数入力として供給し、下側
周波数を第2の周波数変換回路3の変換用周波数入力と
して供給する局部周波数信号発生回路、5は第1の周波
数変換回路2の出力と第2の周波数変換回路3の出力の
双方に共通に存在する成分を抽出する共通波抽出回路、
6は共通波抽出回路5の出力に残存する周波数オフセッ
ト分を除去する周波数オフセット回路、7は微小な周波
数変換を行なってオフセット量を周波数オフセット回路
6に供給するオフセット周波数発生回路、8は周波数オ
フセット回路6の出力に残存する不要周波数成分を除去
するフィルタである。
【0053】次に上記第1の実施の形態の動作について
説明する。前記した数式に従えば、空中線1から得られ
る受信信号は、第1の周波数変換回路2および第2の周
波数変換回路3に供給され、局部周波数信号発生回路4
から2つの異なるすなわちチャネル間の中央値に匹敵す
る上下の周波数を第1の周波数変換回路2および第2の
周波数変換回路3に別個に供給することにより、希望チ
ャネルおよび上側チャネルと下側チャネルの3つの信号
についてそれぞれ2つの出力信号が生み出される。数式
展開に従えば、第1の周波数変換回路2および第2の周
波数変換回路3に共通に存在する信号成分は、希望チャ
ネルの信号だけであり、平衡成分を抽出する共通波抽出
回路5に供給することにより、希望波を主とする平衡成
分が得られる。共通波抽出回路5の出力には、ωO な
る周波数オフセットが残留しているので、オフセット周
波数発生回路7において微小な周波数変換を行ない、オ
フセット量を周波数オフセット回路6において除去す
る。さらにこの過程で発生した不要周波数成分をフィル
タ8で除去した後、ベースバンド信号としてベースバン
ド信号処理部に供給する。
【0054】(実施の形態2)図2は本発明の第2の実
施の形態の構成を示すものである。図2において、1は
受信信号を受ける空中線、2および3は受信信号を入力
とする第1および第2の周波数変換回路、4は受信信号
が有する無線搬送波周波数と隣接する上下のチャネルの
持つ無線搬送波周波数との中間の周波数を発生するとと
もに、上下の2波の周波数のうち上側周波数を第1の周
波数変換回路2の変換用周波数入力として供給し、下側
周波数を第2の周波数変換回路3の変換用周波数入力と
して供給する局部周波数信号発生回路、6Aは第1の周
波数変換回路2の出力に含まれている周波数オフセット
分を除去する第1の周波数オフセット回路、6Bは第2
の周波数変換回路3の出力に含まれている周波数オフセ
ットを除去する第2の周波数オフセット回路、7Aは微
小な周波数変換を行なってオフセット量を各周波数オフ
セット回路6A、6Bに供給するオフセット周波数発生
回路、5Aは第1の周波数オフセット回路6Aと第2の
周波数オフセット回路6Bの出力の双方に共通に存在す
る成分を抽出する共通波抽出回路、8Aは共通波抽出回
路5Aの出力に残存する不要周波数成分を除去するフィ
ルタである。
【0055】次に、上記第2の実施の形態の動作につい
て説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態に
おける共通波抽出を行なう過程と周波数オフセットを行
なう過程とを置換したものである。すなわち、周波数オ
フセットを行なう過程を先行することにより、希望チャ
ネルの信号はそのままベースバンド信号となり、より安
定な抽出作業が期待できる。
【0056】以下、周波数オフセットを先行した場合の
妥当性について説明する。局部周波数を上側にωO だ
けシフトした信号群に対する周波数オフセットは、ωO
だけ除去するシフトを行なうことになり、出力は以下
の3種となる。
【0057】
【数18】
【0058】また、局部周波数を下側にωO だけシフ
トした信号群に対する周波数オフセットは、ωO だけ
除去するシフトを行なうことになり、出力は以下の3種
となる。
【0059】
【数19】 この両グループに共通な成分は、やはり希望チャネルだ
けである。したがって、双方を2入力として加算器に供
給すれば、その出力には希望チャネルのみのBPSK信
号が取り出せる。
【0060】(実施の形態3)図3は本発明の第3の実
施の形態の構成を示すものである。図3において、1は
受信信号を受ける空中線、2および3は受信信号を入力
とする第1および第2の周波数変換回路、4は受信信号
が有する無線搬送波周波数と隣接する上下のチャネルの
持つ無線搬送波周波数との中間の周波数を発生するとと
もに、上下の2波の周波数のうち上側周波数を第1の周
波数変換回路2の変換用周波数入力として供給し、下側
周波数を第2の周波数変換回路3の変換用周波数入力と
して供給する局部周波数信号発生回路、9Aは第1の周
波数変換回路2の出力を波形整形する第1のバンドパス
フィルタ、10Aは第1のバンドパスフィルタ9Aの出
力をディジタル信号に変換する第1のA/D変換器、9
Bは第2の周波数変換回路3の出力を波形整形する第2
のバンドパスフィルタ、10Bは第2のバンドパスフィ
ルタ9Bの出力をディジタル信号に変換する第2のA/
D変換器、5Bは第1のA/D変換器10Aおよび第2
のA/D変換器10Bの出力の双方に共通に存在する成
分を抽出する共通波抽出回路、6Cは共通波抽出回路5
Bの出力に残存する周波数オフセット分を除去する周波
数オフセット回路、7Bは微小な周波数変換を行なって
オフセット量を周波数オフセット回路6Cに供給するオ
フセット周波数発生回路、8Bは周波数オフセット回路
6Cの出力に残存する不要周波数成分を除去するフィル
タである。
【0061】次に上記第3の実施の形態の動作について
説明する。本実施の形態は、上記第1の実施の形態にお
ける2つの周波数変換回路2、3の出力をそれぞれA/
D変換器10A、10Bにより量子化し、ディジタル演
算を用いて第1の実施の形態と等価の作用、すなわち共
通波抽出と周波数オフセットおよびフィルタリングを行
なうものである。共通波抽出とフィルタリングは、ディ
ジタルフィルタ技術を用い、周波数オフセットは、ディ
ジタル直交変調を用いることで可能となる。
【0062】以下、本実施の形態の原理について、ディ
ジタル変調方式の中で多用されている直交PSKすなわ
ちQPSKあるいは4値QAMを対象に説明する。
【0063】基底周波数すなわちベースバンドにおける
QPSK信号SB は次のように表現できる。
【0064】
【数20】 このベースバンド信号を搬送角周波数ωC で変調した
変調出力SC は次のように表現できる。
【0065】
【数21】 ここで、一般に実軸成分をI軸信号、虚軸成分をQ軸信
号と呼ぶ。この変調信号を受信し、周波数変換用局部周
波数ωC で直交復調をすると、直交復調I軸出力SI
Rは次のように表現される。
【0066】
【数22】 この直交復調I軸出力SIRをローパスフィルタに通し
て高周波成分2ωC を除去すると、その出力SIRF
は、
【0067】
【数23】 となり、直交PSKすなわちQPSK信号のI軸信号が
復調できる。
【0068】しかし、前記説明と同様に、この場合も直
交復調における局部発振周波数が搬送周波数と同一のω
C であるため、受信機からはこの局部発振周波数信号
が空中に放射され、近接の他の受信機に妨害を与える。
したがって、受信機の局部発振周波数を前記説明と同様
にωC +ωO に設定すると、直交復調のI軸出力SI
Rは次のようになる。
【0069】
【数24】 この直交復調I軸出力SIRをローパスフィルタに通し
て高周波成分2ωC を除去すると、その出力SIRF
は、
【0070】
【数25】 となり、直交PSKすなわちQPSK信号のI軸出力が
得られる。
【0071】次に局部発振周波数を希望チャネルの搬送
周波数からωO だけ低いωC −ωO に設定する。こ
の場合の周波数変換出力SILは次のようになる。
【0072】
【数26】 この直交復調I軸出力SILをローパスフィルタに通し
て高周波成分2ωC を除去すると、その出力SILF
は、
【0073】
【数27】 となる。この直交復調I軸出力SIRh をローパスフ
ィルタに通して高周波成分2ωC を除去すると出力S
IRFhを得る。
【0074】ところで、受信の局部発振周波数から等距
離にある隣接チャネルの復調される信号は、次のように
なる。上側隣接チャネルの信号は、搬送周波数をωCh
で表すと、ωCh=ωC +2ωO であるから、局部発
振周波数がωC +ωO の場合は、直交復調I軸出力S
IRh は次のようになる。
【0075】
【数28】 この直交復調I軸出力SIRh をローパスフィルタに
通して高周波成分2ωCを除去すると、その出力SIR
Fhは、
【0076】
【数29】 となり、希望チャネルと同一の帯域に存在する直交PS
KすなわちQPSK信号が発生する。
【0077】他方、下側の隣接チャネルの信号は、搬送
周波数をωClで表すと、ωCl=ωC −2ωO であ
るから、局部発振周波数を前述のとおりωC +ωO に
設定した場合、受信側直交復調I軸出力SIRl は次
のようになる。
【0078】
【数30】 この直交復調I軸出力SIRl をローパスフィルタに
通して高周波成分2ωCを除去すると、その出力SIR
Flは、
【0079】
【数31】 となり、希望チャネルと同じ周波数に直交PSKすなわ
ちQPSK信号が発生する。
【0080】次に受信機の局部発振周波数を前述のとお
りωC +ωO とし、その位相をπ/2だけ遅らせる
と、直交復調Q軸出力SQRは次のように得られる。
【0081】
【数32】 この直交復調Q軸出力SQRをローパスフィルタに通し
て高周波成分2ωC を除去すると、その出力SQRF
は、
【0082】
【数33】 となり、直交PSKすなわちQPSK信号のQ軸出力が
得られる。
【0083】次に局部発振周波数を希望チャネルの搬送
周波数からωO だけ低いωC −ωO に設定した場合
の位相をπ/2を遅らせた場合を考える。この場合の直
交復調Q軸出力SQLは次のようになる。
【0084】
【数34】 この直交復調Q軸出力SQLをローパスフィルタに通し
て高周波成分2ωC を除去すると、その出力SQLF
は、
【0085】
【数35】 となり、SQRF とは極性の異なる直交PSK信号Q
軸出力が得られる。
【0086】次に直交復調Q軸出力について隣接チャネ
ルに対して解析する。上側の隣接チャネルの信号は、搬
送周波数をωChで表すと、ωCh=ωC +2ωO で
あるから、局部発振周波数をωC +ωO に設定した場
合には、上側チャネルの直交復調Q軸出力SQRh は
次のようになる。
【0087】
【数36】 この周波数変換出力SQRh をローパスフィルタに通
して高周波成分2ωC を除去すると、その出力SQL
Fhは、
【0088】
【数37】 となり、希望チャネルと同一の帯域に存在する直交PS
KすなわちQPSK信号Q軸出力が発生する。
【0089】同様に、下側の隣接チャネルの信号につい
て行なう。搬送周波数ωClは、ωCl=ωC −2ω
O であるから、極部発振周波数ωC +ωO における
直交復調Q軸出力SQRl は次のようになる。
【0090】
【数38】 この直交復調Q軸出力SQRl をローパスフィルタに
通して高周波成分2ωCを除去すると、その出力SQR
Flは、
【0091】
【数39】 となり、希望チャネルよりも3ωO 離れた周波数に直
交PSKすなわちQPSK信号Q軸出力が発生する。
【0092】次に局部発振周波数をωC −ωO とした
場合の隣接チャネルの直交復調Q軸出力SQRは次のよ
うになる。上側の隣接チャネルの信号の搬送周波数ωC
hは、ωCh=ωC +2ωO であるから、局部発振周
波数をωC −ωO における直交復調Q軸出力SQRh
は次のようになる。
【0093】
【数40】 この直交復調Q軸出力SQRh をローパスフィルタに
通して高周波成分2ωCを除去すると、その出力SQR
Fhは、
【0094】
【数41】 となり、希望チャネルよりも3ωO 離れた帯域に存在
する直交PSKすなわちQPSK信号Q軸出力が発生す
る。
【0095】同様に、下側の隣接チャネルの信号につい
て行なう。搬送周波数ωClは、ωCl=ωC −2ω
O である。受信機の局部発振周波数はωC −ωO で
あり、直交復調Q軸出力SQRl は次のようになる。
【0096】
【数42】 この直交復調Q軸出力SQRl をローパスフィルタに
通して高周波成分2ωCを除去すると、その出力SQR
Flは、
【0097】
【数43】 となり、希望チャネルと同一の周波数に直交PSKすな
わちQPSK信号Q軸出力が発生する。
【0098】以上をまとめると、以下のようになる。
【数44】
【0099】
【数45】
【0100】上記式からは、前述したように、I軸側は
2つの直交復調回路出力に希望チャネルが共通に含まれ
ていることが分かる。また、Q軸側は2つの直交復調回
路出力に逆位相で希望チャネルが共通に含まれているこ
とが分かる。本発明の第3の実施の形態は、この原理に
基づいて実現されている。
【0101】(実施の形態4)図4は本発明の第4の実
施の形態の構成を示すものである。図4において、1は
受信信号を受ける空中線、2および3は受信信号を入力
とする第1および第2の周波数変換回路、4は受信信号
が有する無線搬送波周波数と隣接する上下のチャネルの
持つ無線搬送波周波数との中間の周波数を発生するとと
もに、上下の2波の周波数のうち上側周波数を第1の周
波数変換回路2の変換用周波数入力として供給し、下側
周波数を第2の周波数変換回路3の変換用周波数入力と
して供給する局部周波数信号発生回路、9Aは第1の周
波数変換回路2の出力を波形整形する第1のバンドパス
フィルタ、10Aは第1のバンドパスフィルタ9Aの出
力をディジタル信号に変換する第1のA/D変換器、9
Bは第2の周波数変換回路3の出力を波形整形する第2
のバンドパスフィルタ、10Bは第2のバンドパスフィ
ルタ9Bの出力をディジタル信号に変換する第2のA/
D変換器、6Dは第1のA/D変換器10Aの出力に含
まれている周波数オフセット分を除去する第1の周波数
オフセット回路、6Eは第2のA/D変換器10Bの出
力に含まれている周波数オフセットを除去する第2の周
波数オフセット回路、7Cは微小な周波数変換を行なっ
てオフセット量を各周波数オフセット回路6D、6Eに
供給するオフセット周波数発生回路、5Cは第1の周波
数オフセット回路6Dと第2の周波数オフセット回路6
Eの出力の双方に共通に存在する成分を抽出する共通波
抽出回路、8Cは共通波抽出回路5Cの出力に残存する
不要周波数成分を除去するフィルタである。
【0102】次に上記第4の実施の形態の動作について
説明する。本実施の形態は、上記第3の実施の形態にお
ける共通波抽出を行なう過程と周波数オフセットを行な
う過程とを置換したものである。すなわち、周波数オフ
セットを行なう過程を先行することにより、希望チャネ
ルの信号はそのままベース信号となり、より安定な抽出
作業が期待できる。また、ディジタル化することによ
り、直交復調機能は高精度になり、集積化に適し、消費
電力の低減につながる。
【0103】(実施の形態5)図5は本発明の第5の実
施の形態の構成を示すものである。図5において、1は
受信信号を受ける空中線、11および12は受信信号を
入力とする第1および第2の直交復調回路、4Aは受信
信号が有する無線搬送波周波数と隣接する上下のチャネ
ルの持つ無線搬送波周波数との中間の周波数を発生する
とともに、上下の2波の周波数のうち上側周波数を第1
の直交復調回路2の変換用周波数入力として供給し、下
側周波数を第2の直交復調回路3の変換用周波数入力と
して供給する局部周波数信号発生回路、5Dは第1の直
交復調回路11のI出力と第2の直交復調回路12のI
出力の双方に共通に存在する成分を抽出する第1の共通
波抽出回路、5Eは第1の直交復調回路11のQ出力と
第2の直交復調回路12のQ出力の極性反転出力の双方
に共通に存在する成分を抽出する第2の共通波抽出回
路、6Fは第1の共通波抽出回路5Dで抽出したI側出
力に残存する周波数オフセット分を除去する第1の周波
数オフセット回路、6Gは第2の共通波抽出回路5Eで
抽出したQ側出力に残存する周波数オフセット分を除去
する第2の周波数オフセット回路、7Dは微小な周波数
変換を行なってオフセット量を各周波数オフセット回路
6F、6Gに供給するオフセット周波数発生回路、8D
は第1の周波数オフセット回路6Fの出力に残存する不
要周波数成分を除去する第1のフィルタ、8Eは第2の
周波数オフセット回路6Gの出力に残存する不要周波数
成分を除去する第2のフィルタである。
【0104】次に上記第5の実施の形態の動作について
説明する。本実施の形態は、ディジタル変調の中の4値
PSKすなわちQPSKに対して本発明を具現化したも
のである。前述した数式による説明に従えば、空中線1
から得られる受信信号は、第1の直交復調回路11およ
び第2の直交復調回路12に供給され、局部周波数信号
発生回路4Aから2つの異なる、すなわちチャネル間の
中央値に匹敵する上下の周波数を第1の直交復調回路1
1および第2の直交復調回路12に別個に供給すること
により、希望チャネルおよび上側チャネルと下側チャネ
ルの3つの信号についてそれぞれ4つの出力信号が生み
出される。数式展開に従えば、第1の直交復調回路11
および第2の直交復調回路12に共通に存在する信号成
分は、希望チャネルの信号だけであり、I軸側は平衡成
分として、Q軸側は差動成分として抽出することが可能
である。したがって、I軸側の平衡成分を共通波抽出回
路5Dに、またQ軸側の差動成分を共通波抽出回路5E
に供給することにより、希望チャネルのI軸、Q軸信号
が得られる。共通波抽出回路5D、5Eに出力には、ω
O なる周波数オフセットが残留しているの、オフセッ
ト周波数発生回路7Dにおいて微小な周波数変換を行な
い、オフセット量を周波数オフセット回路6F、6Gに
おいて除去する。さらにこの過程で発生した不要周波数
成分をフィルタ8D、8Eで除去した後、ベースバンド
信号としてベースバンド信号処理部に供給する。
【0105】(実施の形態6)図6は本発明の第6の実
施の形態の構成を示すものである。図6において、1は
受信信号を受ける空中線、11および12は受信信号を
入力とする第1および第2の直交復調回路、4Aは受信
信号が有する無線搬送波周波数と隣接する上下のチャネ
ルの持つ無線搬送波周波数との中間の周波数を発生する
とともに、上下の2波の周波数のうち上側周波数を第1
の直交復調回路11の変換用周波数入力として供給し、
下側周波数を第2の直交復調回路12の変換用周波数入
力として供給する局部周波数信号発生回路、6Hおよび
6Iは各直交復調回路11および12のI出力とQ出力
に共通に含まれている周波数オフセット分を除去する第
1および第2の周波数オフセット回路、7Eは微小な周
波数変換を行なってオフセット量を各周波数オフセット
回路6H、6Iに供給するオフセット周波数発生回路、
5Fは第1の周波数オフセット回路6HのI出力と第2
の周波数オフセット回路6IのI出力の双方に共通に存
在する成分を抽出する第1の共通波抽出回路、5Gは第
1の周波数オフセット回路6HのQ出力と第2の周波数
オフセット回路6IのQ出力の極性反転出力の双方に共
通に存在する成分を抽出する第2の共通波抽出回路、8
Fおよび8Gは各共通波抽出回路5Fおよび5Gの出力
に残存する不要周波数成分を除去する第1および第2の
フィルタである。
【0106】次に上記第6の実施の形態の動作について
説明する。本実施の形態は、上記第5の実施の形態にお
ける共通波抽出を行なう過程と周波数オフセットを行な
う過程とを置換したものである。すなわち、周波数オフ
セットを行なう過程を先行することにより、希望チャネ
ルの信号はそのままベース信号となり、より安定な抽出
作業が期待できる。
【0107】(実施の形態7)図7は本発明の第7の実
施の形態の構成を示すものである。図7において、1は
受信信号を受ける空中線、11および12は受信信号を
入力とする第1および第2の直交復調回路、4Aは受信
信号が有する無線搬送波周波数と隣接する上下のチャネ
ルの持つ無線搬送波周波数との中間の周波数を発生する
とともに、上下の2波の周波数のうち上側周波数を第1
の直交復調回路11の変換用周波数入力として供給し、
下側周波数を第2の直交復調回路12の変換用周波数入
力として供給する局部周波数信号発生回路、9Cおよび
9Dは第1の直交復調回路11のI出力とQ出力をそれ
ぞれ波形整形する第1および第2のバンドパスフィル
タ、10Cおよび10Dは第1および第2のバンドパス
フィルタ9C、9Dの出力をディジタル信号に変換する
第1および第2のA/D変換器、9Eおよび9Fは第2
の直交復調回路12のI出力とQ出力をそれぞれ波形整
形する第3および第4のバンドパスフィルタ、10Eお
よび10Fは第3および第4のバンドパスフィルタ9
E、9Fの出力をディジタル信号に変換する第3および
第4のA/D変換器、5Hは第1および第3のA/D変
換器10Cおよび10EのI出力に共通に存在する成分
を抽出する第1の共通波抽出回路、5Iは第2のA/D
変換器10DのQ出力と第4のA/D変換器10EのQ
出力の極性反転出力の双方に共通に存在する成分を抽出
する第2の共通波抽出回路、6Jは第1の共通波抽出回
路5Hで抽出したI側出力に残存する周波数オフセット
分を除去する第1の周波数オフセット回路、6Kは第2
の共通波抽出回路5Iで抽出したQ側出力に残存する周
波数オフセット分を除去する第2の周波数オフセット回
路、7Fは微小な周波数変換を行なってオフセット量を
各周波数オフセット回路6J、6Kに供給するオフセッ
ト周波数発生回路、8Hは第1の周波数オフセット回路
6Jの出力に残存する不要周波数成分を除去する第1の
フィルタ、8Iは第2の周波数オフセット回路6Kの出
力に残存する不要周波数成分を除去する第2のフィルタ
である。
【0108】次に上記第7の実施の形態の動作について
説明する。本実施の形態は、上記第5の実施の形態にお
ける2つの直交復調回路11、12の出力をA/D変換
器10C〜10Fにより量子化し、ディジタル演算を用
いて第5の実施の形態と等価の作用、すなわち共通波抽
出と周波数オフセットおよびフィルタリングを行なうも
のである。共通波抽出とフィルタリングは、ディジタル
フィルタ技術を用い、周波数オフセットはディジタル直
交変調を用いることで可能となる。
【0109】(実施の形態8)図8は本発明の第8の実
施の形態の構成を示すものである。図8において、1は
受信信号を受ける空中線、11および12は受信信号を
入力とする第1および第2の直交復調回路、4Aは受信
信号が有する無線搬送波周波数と隣接する上下のチャネ
ルの持つ無線搬送波周波数との中間の周波数を発生する
とともに、上下の2波の周波数のうち上側周波数を第1
の直交復調回路11の変換用周波数入力として供給し、
下側周波数を第2の直交復調回路12の変換用周波数入
力として供給する局部周波数信号発生回路、9Cおよび
9Dは第1の直交復調回路11のI出力とQ出力をそれ
ぞれ波形整形する第1および第2のバンドパスフィル
タ、10Cおよび10Dは第1および第2のバンドパス
フィルタ9C、9Dの出力をディジタル信号に変換する
第1および第2のA/D変換器、9Eおよび9Fは第2
の直交復調回路12のI出力とQ出力をそれぞれ波形整
形する第3および第4のバンドパスフィルタ、10Eお
よび10Fは第3および第4のバンドパスフィルタ9
E、9Fの出力をディジタル信号に変換する第3および
第4のA/D変換器、6Lは各A/D変換器10C〜1
0FのI出力とQ出力に残存する周波数オフセット分を
それぞれ除去する周波数オフセット回路、7Gは微小な
周波数変換を行なってオフセット量を各周波数オフセッ
ト回路6Lに供給するオフセット周波数発生回路、5J
は周波数オフセット回路6LのI出力に共通に存在する
成分を抽出する第1の共通波抽出回路、5Kは周波数オ
フセット回路6LのQ出力とQ出力の極性反転出力との
双方に共通に存在する成分を抽出する第2の共通波抽出
回路、8Jは第1の共通波抽出回路5Jで抽出したI出
力に残存する不要周波数成分を除去する第1のフィル
タ、8Kは第2の共通波抽出回路5KのQ出力に残存す
る不要周波数成分を除去する第2のフィルタである。
【0110】次に上記第8の実施の形態の動作について
説明する。本実施の形態は、上記第7の実施の形態にお
ける共通波抽出を行なう過程と周波数オフセットを行な
う過程とを置換したものである。すなわち、周波数オフ
セットを行なう過程を先行することにより、希望チャネ
ルの信号はそのままベース信号となり、より安定な抽出
作業が期待できる。また、ディジタル化することによ
り、直交復調機能は高精度になり、集積化に適し、消費
電力の低減につながる。
【0111】(実施の形態9)図9は本発明の第9の実
施の形態の構成を示すものである。本実施の形態は、図
3に示した第3の実施の形態における共通波抽出回路5
Bの代わりに、相互相関を演算する相関器13を用いた
ものである。
【0112】したがって本実施の形態によれば、共通波
抽出をディジタルフィルタ技術で行なうことから相関器
13を用いることにより、共通に含まれる成分の極性が
異なっていても、相関係数の極性が反転するだけで振幅
は確保される利点を有する。
【0113】なお本実施の形態は、第4、第7および第
8の実施の形態にも同様に適用することができる。
【0114】(実施の形態10)図10は本発明の第1
0の実施の形態の構成を示すものである。本実施の形態
は、図1に示した第1の実施の形態における受信信号を
入力する周波数変換回路を第1の周波数変換回路2のみ
とし、この第1の周波数変換回路2による周波数変換後
に、局部周波数信号発生回路4Bからチャネル間周波数
2ωO に相当する周波数を供給された第2の周波数変
換回路15により、第1の周波数変換回路2により周波
数変換を行なわなかった側の周波数変換出力を得て、共
通波抽出回路5Lによる希望チャネル抽出に必要な2つ
の周波数変換出力を確保するようにしたものである。
【0115】しがって本実施の形態によれば、第1の周
波数変換回路2と第2の周波数変換回路15の出力を共
に用いることにより、第1の実施の形態における第1お
よび第2の周波数変換回路2および3を用いた場合の2
つの出力と一致するため、搬送周波数を対象とする高周
波回路を一組だけで済ますことができ、回路に必要な空
間だけでなく電力消費をも低減することができる。
【0116】なお本実施の形態は、第2の実施の形態に
も同様に適用することができる。
【0117】(実施の形態11)図11は本発明の第1
1の実施の形態の構成を示すものである。本実施の形態
は、図3に示した第3の実施の形態における受信信号を
入力する周波数変換回路を第1の周波数変換回路2のみ
とするとともに量子化手段も第1の周波数変換回路2の
出力を受けるバンドパスフィルタ9CおよびA/D変換
器10Cのみとし、A/D変換器10CによるA/D変
換後に、ディジタル周波数発生回路17からチャネル間
周波数2ωO に相当する周波数を供給されたディジタ
ル周波数変換回路16によりディジタル周波数変換を行
なうことにより、第1の周波数変換回路2により周波数
変換を行なわなかった側の周波数変換出力を得て、共通
波抽出回路5Mによる希望チャネル抽出に必要な2つの
周波数変換ディジタル出力を確保するようにしたもので
ある。
【0118】したがって本実施の形態によれば、第1の
周波数変換回路2をA/D変換器10CによりA/D変
換した出力とディジタル周波数変換回路16の出力を共
に用いることにより、第3の実施の形態における第1お
よび第2の周波数変換回路2および3を用いた場合の2
つの出力と一致するため、搬送周波数を対象とする高周
波回路を一組だけで済ますことができ、回路に必要な空
間だけでなく電力消費をも低減することができる。
【0119】なお本実施の形態は、第4の実施の形態に
も同様に適用することができる。
【0120】(実施の形態12)図12は本発明の第1
2の実施の形態の構成を示すものである。本実施の形態
は、図5に示した第5の実施の形態における受信信号を
入力する直交復調回路を一方の直交復調回路11のみと
し、この直交復調回路11の2つの出力を、局部周波数
信号発生回路4Bからチャネル間周波数2ωO に相当
する周波数を供給された周波数変換回路15Aにより周
波数変換を施すことにより、直交復調を行なわなかった
側の周波数変換出力を得て、各共通波抽出回路5Nおよ
び5Pによる希望チャネル抽出に必要な2つの直交復調
出力を確保するようにしたものである。
【0121】しがって本実施の形態によれば、直交復調
回路11と周波数変換回路15Aの出力を共に用いるこ
とにより、第5の実施の形態における第1および第2の
直交復調回路11および12を用いた場合の2つの直交
復調出力と一致するため、搬送周波数を対象とする高周
波回路を一組だけで済ますことができ、回路に必要な空
間だけでなく電力消費をも低減することができる。
【0122】なお本実施の形態は、第6の実施の形態に
も同様に適用することができる。
【0123】(実施の形態13)図13は本発明の第1
3の実施の形態の構成を示すものである。本実施の形態
は、図7に示した第7の実施の形態における受信信号を
入力する直交復調回路を一方の直交復調回路11のみと
するとともに量子化手段も一方のバンドパスフィルタ9
D、9EおよびA/D変換器10D、10Eのみとし、
A/D変換器10D、10EによるA/D変換後に、デ
ィジタル周波数発生回路17Aからチャネル間周波数2
ωO に相当する周波数を供給されたディジタル周波数
変換回路16Aによりディジタル周波数変換を行なうこ
とにより、直交復調回路11により直交復調を行なわな
かった側の周波数変換出力を得て、各共通波抽出回路5
Q、5Rによる希望チャネル抽出に必要な2つの直交復
調出力を確保するようにしたものである。
【0124】したがって本実施の形態によれば、直交復
調回路11の出力をA/D変換器10D、10Eにより
A/D変換した出力とディジタル周波数変換回路16A
の出力を共に用いることにより、第7の実施の形態にお
ける第1および第2の直交復調回路11および12を用
いた場合の2つの出力と一致するため、搬送周波数を対
象とする高周波回路を一組だけで済ますことができ、回
路に必要な空間だけでなく電力消費をも低減することが
できる。
【0125】なお本実施の形態は、第8の実施の形態に
も同様に適用することができる。
【0126】(実施の形態14)図14は、本発明の第
14の実施の形態の構成を示すものである。本実施の形
態は、図1に示した第1の実施の形態における共通波抽
出回路の改良に関するものである。図14において、1
は空中線、2は第1の周波数変換回路、3は第2の周波
数変換回路、4は局部周波数信号発生回路、5は共通波
抽出回路、8はフィルタであり、第1の実施の形態と同
様な構成である。
【0127】20は受信入力部の具体的な構成を示し、
21は第1の周波数変換回路2の出力を受ける入力線路
であり、22は第2の周波数変換回路3の出力を受ける
入力線路であり、23および24はそれぞれ入力線路2
1、22を通して第1および第2の周波数変換回路3、
4の出力を受けるローパス・フィルタを兼ねた積分回路
である。25および26はそれぞれ積分回路23および
積分回路24の出力を受ける第1および第2の緩衝増幅
器である。27および28は第1および第2の緩衝増幅
器25および26のそれぞれの出力を一次コイルの一端
に受ける第1および第2のトランスである。第1および
第2のトランス27、28の一次コイルの他端は双方と
もに交流的に接地され、二次コイルは、同一の極性同士
を並列に接続するとともに、一次コイルと極性の等しい
一端同士の接続点29を出力とし、他端は接地されてい
る。30は接続点29を入力に接続された第3の緩衝増
幅器であり、その出力31は、共通波抽出回路5の出力
として次段の周波数オフセット回路6へ供給される。
【0128】次に、上記第14の実施の形態における共
通波抽出回路5の動作について説明する。第1の周波数
変換回路2および第2の周波数変換回路3からは、希望
波信号成分の共通波eD と隣接チャネル波信号成分e
U とが得られる。隣接チャネル波信号成分に関して
は、第1の周波数変換回路2から得られる成分と第2の
周波数変換回路3から得られる成分は、中心周波数が異
なるので、第1の周波数変換回路2から得られる成分を
eU1とし、第2の周波数変換回路3から得られる成分
をeU2と表現する。すなわち、第1の周波数変換回路
2から得られる信号はeD +eU1であり、第2の周
波数変換回路3から得られる信号はeD +eU2であ
る。第1 の周波数変換回路2および第2の周波数変換回
路3からは、これらの信号以外にも周波数の高い不要な
成分が含まれる可能性があり、これら高域周波数成分は
ローパス・フィルタを兼ねた積分回路23および積分回
路24により低減される。
【0129】このローパス・フィルタを兼ねた積分回路
23および積分回路24を通過した第1の周波数変換回
路2から得られた信号eD +eU1と、第2の周波数
変換回路3から得られた信号eD +eU2は、それぞ
れ緩衝増幅器25および26に対応して供給される。緩
衝増幅器25および26は、出力インピーダンスを低く
してある。緩衝増幅器25および26を経た第1の周波
数変換回路2から得られた信号eD +eU1と、第2
の周波数変換回路3から得られた信号eD +eU2
は、それぞれトランス27および28の一次コイルに供
給される。トランス27および28の一次コイルに対す
る二次コイルの捲線比は1とする。これにより、トラン
ス27および28の二次コイルには、それぞれ第1の周
波数変換回路2から得られた信号eD +eU1と、第
2の周波数変換回路3から得られた信号eD +eU2
が対応して発生する。
【0130】ここで、トランス27および28の二次コ
イルは、端子を一次コイルと極性を合わせて並列に接続
してあるので、二次コイルに発生した第1の周波数変換
回路2から得られた信号eD +eU1と、第2の周波
数変換回路3から得られた信号eD +eU2の各成分
のうちの共通成分すなわち希望波信号成分eD に関し
ては、二次コイル同士の出力が衝突するなどの問題がな
く、端子にその信号が得られる。他方、トランス27の
二次コイルに発生する第1の周波数変換回路2から得ら
れた成分eU1と、トランス28の二次コイルに発生す
る第2 の周波数変換回路3から得られた成分eU2とは
周波数的に成分が異なるので、相互に相手側の二次コイ
ルに流入する。このとき、二次コイルから見るトランス
の入力インピーダンスは、それぞれ一次コイルに接続し
た信号源の出力インピーダンスに等しいものとなるが、
前述のように各信号源である緩衝増幅器25、26は、
出力インピーダンスを非常に低く設定してあるので、共
通波成分以外の成分すなわちトランス27の二次コイル
に発生する第1の周波数変換回路2から得られた成分e
U1と、トランス28の二次コイルに発生する第2の周
波数変換回路3から得られた成分eU2とは、この低イ
ンピーダンスにより低減される。
【0131】一般に、緩衝増幅器はトランジスタによる
エミッタ・フォロワを用いて実現でき、これを用いた場
合、図14に示す結線による緩衝増幅器の出力インピー
ダンスは数オーム以下である。この原理を図15を用い
て説明する。図15において、トランスは2捲線L1、
L2から構成してあり、コイルL1 を一次コイルとし
コイルL2 を二次コイルとする。
【0132】それぞれのコイル端子における電圧と電流
は次のように設定する。すなわち、一次電流をI1 、
二次電流をI2 、一次コイルL1 の端子間に発生する
電圧をV1 、二次コイルL2 の端子間に発生する電圧
をV2 とする。また、一次コイルL1 と二次コイルL
2 との間の相互インダクタンスをMとする。このとき
二次コイルL2 に負荷Zを接続すると、一次コイルL
1 の端子から見た入力インピーダンスZinは次式
(1)で表される。ωは角周波数であり、L1 L2・
2 が成り立つものとする。
【0133】
【数46】 ここで、負荷Zを短絡状態にした場合、すなわちZ=0
における入力インピーダンスZinは、以下のようにゼロ
となる。
【0134】
【数47】
【0135】次に負荷Zを開放状態にした場合、すなわ
ちZ=∞における入力インピーダンスZinは、
【0136】
【数48】 となり、単に一次コイルのみのインダクタンスによるイ
ンピーダンスとなる。
【0137】このように、トランス27、28の一次側
コイルの入力インピーダンスは、二次側コイルの負荷に
より支配される。
【0138】図14に戻り、図15による原理を当ては
めると、トランス27、28の各一次コイルは緩衝増幅
器25、26負荷が短絡しており、トランス27、28
の二次コイルの各入力インピーダンスはゼロ( 短絡状
態) として作用することになる。したがって図14にお
ける信号電流iU1とiU2は、各二次コイルの端子間
に電圧を誘起することはない。
【0139】なお、通常、トランスを駆動する場合は、
トランスに対する信号は電流で扱うものであり、その電
流と一次コイルのインダクタンスの積に比例した磁束が
トランスの磁心内に発生し、この磁束の時間変化率( 微
分係数)に応じ、二次コイルに電圧が誘起するものであ
る。いま、二次コイルL2 の端子に誘起する電位をe
2 と置くと、次のように定義できる。
【0140】
【数49】
【0141】すなわち、この場合においては、トランス
を駆動する信号源は電流源であるので、その出力インピ
ーダンスは∞であり、二次コイル側から見た場合には前
述のように、二次コイルのみのインダクタンスによるイ
ンピーダンスで定まるものである。本実施の形態の特徴
の一つは、この通常の方法とは異なり、トランスを電圧
源で駆動し合うことにある。
【0142】次に、図14におけるローパス・フィルタ
を兼ねた積分器23、24について簡単に説明する。積
分器23、24は、積分容量をCとした場合に1 /Cが
積分比例係数となる。ただし入力信号が正弦波で表現で
きる場合は、その角周波数をωとすると積分比例係数は
1 /ωCとなり周波数特性を呈する。この周波数特性
は、トランス27、28の持つ微分作用すなわちインダ
クタンスをLとした場合に微分比例係数ωLが微分出力
に現れ、周波数特性を持つことを相殺する目的を併せ持
たせたものである。すなわち、第1の周波数変換回路2
および第2の周波数変換回路3から共通波抽出出力まで
の総合の周波数特性を平坦にする。他の回路要素に対象
とする信号の周波数範囲で周波数特性が平坦であるとす
ると、第1の周波数変換回路2および第2の周波数変換
回路3から共通波抽出出力までの総合周波数特性Hは次
式で表現され、周波数変数ωはなくなり、平坦となる。
【0143】
【数50】
【0144】以上のように、本実施の形態によれば、受
信回路の構成要素のひとつである共通波抽出回路におい
て、従来はトランスを駆動する信号源を電流源としてい
たところを電圧源とし、さらにトランスの二次コイル同
士を並列接続にすることにより、トランスの二次コイル
の接続の極性により、共通波である同相信号に対して、
または逆相の信号に対してのみトランスのインピーダン
スを高くでき、非共通波に対しては、ゼロに近いインピ
ーダンスの負荷効果となって、従来では高々2:1にし
かできなかった共通波と非共通波との回路内の格差を、
少なくとも従来の倍以上とすることができ、従来にない
除去作用を得ることができる。
【0145】(実施の形態15)図16は本発明の第1
5の実施の形態の構成を示すものである。本実施の形態
は図14に示した第14の実施の形態を変形したもので
あり、共通の要素には同様な符号を付してある。第14
の実施の形態と異なるのは、第1の周波数変換回路2の
出力を受ける入力線路21と第2の周波数変換回路3の
出力を受ける入力線路22は、それぞれを第1の入力と
する第1および第2の非共通波信号除去回路46、47
に接続され、第1および第2の非共通波信号除去回路4
6、47は、その出力を共通波抽出回路5nに供給す
る。第1の周波数変換回路2の出力を受ける入力線路2
1と第2の周波数変換回路3の出力を受ける入力線路2
2はまた、それぞれの入力を比較信号入力とする平衡性
監視回路43に接続される。共通波信号抽出回路5nの
出力31aは、周波数オフセット回路6に接続されると
ともに平衡性監視回路43の第3の入力として供給され
る。共通波信号抽出回路5nの他の出力は、それぞれ第
1および第2の非共通波信号検出回路41、42に供給
される。第1および第2の非共通波信号検出回路41、
42は、第1の周波数変換回路2の出力を受ける入力線
路21と、第2の周波数変換回路3の出力を受ける入力
線路22とを第2の入力として受け、その出力を平衡性
監視回路43の出力とともにそれぞれ第1および第2の
合成回路44、45へ供給する。第1および第2の合成
回路44、45の出力のそれぞれは、第1および第2の
非共通波信号除去回路46、47の第2の入力として供
給される。その他の構成は、共通波抽出回路を図14で
5としているところを5nとして一般化している以外、
図14と同じであるので説明を省略する。
【0146】次に、本実施の形態の動作について説明す
る。図14と同様に、第1の周波数変換回路2からは信
号eD +eU1が供給され、第2の周波数変換回路3
からは信号eD +eU2が得られる。第1の周波数変
換回路2および第2の周波数変換回路3の各出力は、そ
れぞれ第1および第2の非共通波信号除去回路46、4
7に対応して供給される。ここでは後述する第2の入力
で減算し、その出力を共通波信号抽出回路5nへ供給す
る。共通波信号抽出回路5nへのこれらの入力は、基本
的には第1の周波数変換回路2側の信号eD +eU1
と、第2の周波数変換回路3側の信号eD +eU2に
他ならない。したがって共通波抽出回路5nでは、図1
4に示した第14の実施の形態で共通波信号抽出回路5
として具体的に説明した通り、共通波信号eD を抽出
する。しかし、共通波抽出回路5nにおいては、図14
に示す例からも明らかなように、非共通波信号を完全に
除去できるわけではない。すなわち、共通波抽出回路5
nの中のトランス27と28の一次コイルと二次コイル
の結合度が不完全である場合、またはトランスを駆動す
る増幅器25または26の出力インピーダンスが充分に
低くなければ、非共通波成分の除去能力が不十分とな
る。そこで本実施の形態では、一旦抽出した共通波信号
出力31aを帰還して、第1の周波数変換回路2側の信
号eD +eU1または第2の周波数変換回路3側の信
号eD +eU2と比較する。この比較器が前述の第1
および第2の非共通波信号検出回路41と42である。
【0147】この結果は第1および第2の合成回路4
4、45を通じて第1の周波数変換回路2の出力を受け
る入力線路21と、第2の周波数変換回路3の出力を受
ける入力線路22とからの入力信号に修正を加える。こ
の修正を加える回路が前記第1および第2の非共通波信
号除去回路46と47である。他方、共通波信号eDに
関して、第1の周波数変換回路2側の信号強度と、第2
の周波数変換回路3側の信号強度とが、第1の周波数変
換回路2の出力を受ける入力線路21と、第2の周波数
変換回路3の出力を受ける入力線路22とから得る段階
で、または共通波抽出回路5nまでの全体を通じてみた
場合に、いつでも等しいことを保証されてはいない。し
たがって、この信号強度に著しい差がある場合は、差が
非共通波成分として扱われ、一方に充分な信号強度があ
っても有効に活かされない。そこで共通波抽出回路5n
の出力と第1および第2の非共通波信号除去回路46、
47の出力間の中点とを比較し、その結果を回路全体を
等しくオフセットを施して修正することが有効である。
この機能を実現する部分が平衡性監視回路43とその出
力を第1および第2の合成回路44、45を経由し、そ
れぞれ第1および第2の非共通波信号除去回路46と4
7に帰還する経路である。
【0148】図17は図16に示した第15の実施の形
態を、より具体化したものであり、同様な要素には同様
な符号を付してある。
【0149】図16と同様に、第1の周波数変換回路2
の出力を受ける入力線路21と第2の周波数変換回路3
の出力を受ける入力線路22とは、それぞれを第1の入
力とする第1および第2の差動増幅器46a、47aに
供給され、その出力は、それぞれローパス・フィルタを
兼ねた第1および第2の積分回路23、積分回路24に
対応して供給される。この第1および第2の積分回路2
3、積分回路24の出力を、第1および第2の緩衝増幅
器25、26にそれぞれ供給する。第1および第2の緩
衝増幅器25、26は、負入力側に出力から帰還を掛け
ている。第1および第2の緩衝増幅器25、26は、そ
れぞれその出力をトランス27および28の一次コイル
の一端に供給する。トランス27および28の一次コイ
ルの他端は交流的に接地し、二次コイルは、同一の極性
同士を並列に接続するとともに、一次コイルと極性の等
しい一端同士の接続点29を出力とし、他端は少なくと
も交流的に接地されている。二次コイルの接続点29
は、第3の緩衝増幅器30に接続され、第3の緩衝増幅
器30は、負入力側に出力から帰還を掛けている。第3
の緩衝増幅器30の出力31aは、周波数オフセット回
路6へ供給されるとともに、第3および第4の差動増幅
器41a、42aの正の入力側に接続され、また差動増
幅器50の正の入力側に接続される。第3および第4の
差動増幅器41a、42aの負の入力端は、第1の周波
数変換回路2の出力を受ける入力線路21と、第2の周
波数変換回路3の出力を受ける入力線路22とにそれぞ
れ接続される。第4および第5の緩衝増幅器48、49
の出力は、それぞれ等しい抵抗器Rで結合し、結合点は
第8の差動増幅器50の負の入力端に接続される。ま
た、第3および第4の差動増幅器41a、42aの出力
は、それぞれ第6および第7の差動増幅器44a、45
aの正の入力端に接続され、差動増幅器44a、45a
の負の入力端は、第8の差動増幅器50の出力に接続さ
れる。第6および第7の差動増幅器44a、45aの各
出力は、それぞれ第1および第2の差動増幅器46a、
47aの負の入力端にそれぞれ接続される。
【0150】図16と図17の対応は、非共通波信号除
去回路46および47がそれぞれ第1および第2の差動
増幅器46a、47a、共通波抽出回路5nが共通波抽
出回路5p、平衡性監視回路43が第4および第5の緩
衝増幅器48、49と抵抗器Rおよび差動増幅器50か
らなる平衡性監視回路43a、非共通波信号検出回路4
1、42が第3および第4の差動増幅器41a、42
a、合成回路44および45がそれぞれ第6および第7
の差動増幅器44aと45aとなっている。
【0151】次に、本実施の形態の具体例の動作につい
て説明する。図16と同様に、第1の周波数変換回路2
からは信号eD +eU1が供給され、第2の周波数変
換回路3からは信号eD +eU2が供給される。第1
の周波数変換回路2および第2の周波数変換回路3の各
出力は、それぞれ非共通波信号除去のための差動増幅器
46aおよび47aの正の入力端に供給される。ここで
は後述する第2の入力を減算し、その出力を共通波抽出
回路5pへ供給する。共通波抽出回路5pでは、ローパ
ス・フィルタを兼ねた積分回路23または積分回路24
により周波数の高い不要な成分が低減され、第1および
第2の緩衝増幅器25、26へ供給される。緩衝増幅器
25、26から第1の周波数変換回路2側の信号eD
+eU1と、第2の周波数変換回路3側の信号eD +
eU2を供給されたトランス27および28では、図1
5に示した実施の形態14で説明した通り、共通波信号
eD を抽出すると同時に非共通波成分の除去残差が発
生する。この非共通波成分の残差を含むトランス27お
よび28の二次コイル出力は、差動増幅器41aと42
aの正の入力端に供給される。差動増幅器41aと42
aは、比較信号として第1の周波数変換回路2の出力2
1と第2の周波数変換回路3の出力22の信号を得て、
ほぼ共通波成分として抽出された共通波信号出力31a
との差を差動増幅器44a、45aに伝える。他方、差
動増幅器44a、45aに共通波抽出出力31aを帰還
して第1の周波数変換回路2側の信号eD +eU1ま
たは第2の周波数変換回路3側の信号eD +eU2と
比較する。この差動増幅器41aと42aが前述の非共
通波信号検出回路41と42である。この結果は合成回
路44および45である差動増幅器44a、45aの正
の入力端に伝える。他方、共通波信号eD に関して、
第1の周波数変換回路2側に入る信号強度または出力2
1から出力31aまでの回路利得と、第2の周波数変換
回路3側に入る信号強度または出力22から出力31a
までの回路利得とが、差がある場合に出力を効率高く得
るために、第1の周波数変換回路2の出力21と第2の
周波数変換回路3の出力22の信号を緩衝増幅器48、
49で得た後、抵抗器Rによる中間値と共通波抽出出力
31aとを差動増幅器50により比較し、その結果を第
1の周波数変換回路2の出力21と第2の周波数変換回
路3の出力22とに加えるために、合成回路44または
45である差動増幅器44a、45aの負の入力端に伝
える。
【0152】差動増幅器44a、45aより合成された
これらの信号は、それぞれ差動増幅器46aと47aの
負側の入力端に対応して供給され、第1の周波数変換回
路2の出力21と第2の周波数変換回路3の出力22に
修正が加えられる。
【0153】このように、本実施の形態によれば、共通
波抽出出力に残存する非共通波成分を除去する機能と、
共通波信号eD に関して、第1の周波数変換回路2側
に入る信号強度または出力21から出力31aまでの回
路利得と、第2の周波数変換回路3側に入る信号強度ま
たは出力22から出力31aまでの回路利得との間に、
差がある場合にその差を除去する機能とを実現すること
ができる。
【0154】(実施の形態16)図18は本発明の第1
6の実施の形態の構成を示すものである。本願の対象と
する通信方式にはQPSKもあり、図14、図16、図
17に示したものだけでは、位相が同一のものすなわち
QPSKにおけるI軸成分しか抽出できない。本実施の
形態は、位相の180度異なった信号同士を抽出するよ
うにしたものであり、図18に示すように、図14と基
本的に同じ構成をとり、2基のトランスの二次側の取り
出し方を2基の間で逆に接続するものである。構成につ
いてはこの点を除いて図14と同一であるので説明を省
略する。作用については、図14では同相信号同士が二
次側で干渉することなく生成できた作用が、一方の二次
コイルの極性が反転しているので、干渉のない信号は受
信時に逆相の信号すなわちQPSKにおけるQ信号が対
象となる。同相信号は二次コイル側では互いに逆相の関
係になり、干渉し合う関係となって、減衰させられる。
【0155】(実施の形態17)図19は本発明の第1
7の実施の形態の構成を示すものであり、上記実施の形
態16に示した逆相信号を対象にした場合を、図16お
よび図17に示した受信回路に適用したものである。図
17において同相信号について非共通波信号成分の除去
と平衡性の向上が図られたことが、本実施の形態では、
共通波信号は逆相信号として同等の効果を得るように扱
われる。
【0156】(実施の形態18)図21は本発明の第1
8の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。この実施の形態においては、受信の方式とし
ては図5に示された本発明の第5の実施の形態による受
信回路と同様の方式を採用している。したがって、図5
と同じ構成部分については同一の符号を付することによ
り詳細な説明は省略し、図21独自の構成について以下
説明する。上記第5の実施の形態における局部周波数信
号発生回路4Aは、希望波搬送波周波数信号を生成する
希望波搬送波周波数信号発生源32と、この希望波搬送
波周波数信号発生源32と並列の関係に設けられオフセ
ット周波数信号を生成するオフセット周波数信号発生源
33と、希望波搬送波周波数信号発生源32からの搬送
波周波数信号を移相(すなわち遅延)させる手段である
搬送波周波数信号移相回路34と、オフセット周波数信
号発生源33からのオフセット周波数信号を移相させる
手段であるオフセット周波数信号移相回路35と、第1
の直交変調器36aと、第2の直交変調器36bとを有
してなる。
【0157】第1の直交変調器36aは、希望波搬送波
周波数信号発生源32により生成された希望波搬送波周
波数信号とオフセット周波数信号発生源33により生成
されたオフセット周波数信号とを乗算する第1の乗算器
37aと、搬送波周波数信号移相回路34により移相処
理された後の希望波搬送波周波数信号とオフセット周波
数信号移相回路35により移相処理された後のオフセッ
ト周波数信号とを乗算する第2の乗算器38aと、第1
の乗算器37aの乗算結果と第2の乗算器38aの乗算
結果とを加算し負オフセット側局部周波数(ωc −ωo
)を出力する負オフセット側局部周波数出力用加算器
51とから構成されている。
【0158】第2の直交変調器36bは、希望波搬送波
周波数信号発生源32により生成された希望波搬送波周
波数信号とオフセット周波数信号移相回路35により移
相処理された後のオフセット周波数信号とを乗算する第
3の乗算器37bと、搬送波周波数信号移相回路34に
より移相処理された後の希望波搬送波周波数信号とオフ
セット周波数信号発生源33により生成されたオフセッ
ト周波数信号とを乗算する第4の乗算器38bと、第3
の乗算器37bの乗算結果と第4の乗算器38bの乗算
結果とを加算し正オフセット側局部周波数(ωc +ωo
)を出力する正オフセット側局部周波数出力用加算器
52とから構成されている。そして、負オフセット側局
部周波数出力用加算器51の出力は第2の直交復調12
へ送付される一方、正オフセット側局部周波数出力用加
算器52の出力は第1の直交復調11へ送付される構成
となっている。
【0159】次に上記第18の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。希望波搬送波周波数信号発
生源32からの希望波搬送波周波数信号ωcは搬送波周
波数信号移相回路34に供給されて希望波搬送波周波数
信号におけるπ/2だけ位相が遅延される。オフセット
周波数信号発生源33からのオフセット周波数信号ωo
はオフセット周波数信号移相回路35に供給されてオフ
セット周波数信号におけるπ/2だけ位相が遅延され
る。第1の直交変調器36aを構成する2基の乗算器3
7a、38aのうち第1の乗算器37aには、上記希望
波搬送波周波数信号発生源32からの希望波搬送波周波
数信号cosωctとオフセット周波数信号発生源33
からのオフセット周波数信号cosωotとが入力され
る。第2の乗算器38aには搬送波周波数信号移相回路
34からのπ/2だけ位相が遅延された希望波搬送波周
波数信号sinωctとオフセット周波数信号移相回路
35からのπ/2だけ位相が遅延されたオフセット周波
数信号sinωotとが入力される。この結果、第1の
直交変調器36aの負オフセット側局部周波数出力用加
算器51の出力には下式に示す通り、ωc−ωoなる周
波数が得られる。 cosωct×cosωot+sinωct×sinω
ot=cos(ωc−ωo)t
【0160】第2の直交変調器36bを構成する2基の
乗算器37b、38bのうち第3の乗算器37bには、
上記希望波搬送波周波数信号発生源32からの希望波搬
送波周波数信号cosωctとオフセット周波数信号移
相回路35からのπ/2だけ位相が遅延されたオフセッ
ト周波数信号sinωotとが入力される。第4の乗算
器38bには搬送波周波数信号移相回路34からのπ/
2だけ位相が遅延された希望波搬送波周波数信号sin
ωctとオフセット周波数信号移相回路35からのオフ
セット周波数信号cosωotとが入力される。この結
果、第2の直交変調器36bの負オフセット側局部周波
数出力用加算器52の出力には下式に示す通り、ωc+
ωoなる周波数が得られる。 cosωct×sinωot+sinωct×cosω
ot=sin(ωc+ωo)t
【0161】以上述べたように、上記実施の形態によれ
ば本発明の基本構成が必要とする相補型局部発振周波数
を発生させ独立の出力として得られることが明らかであ
る。さらに、それぞれの周波数に対応するフィルタを用
いる必要もなく、希望信号の搬送波周波数が可変であっ
ても問題なく対応することができることも明らかであ
る。
【0162】(実施の形態19)図22は本発明の第1
9の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。この実施の形態は、fc +fo とfc −fo
とを得るために2基の移相器基と、1基の直交変調器と
2基の加算器と1基の極性反転回路を用いるようにした
ものである。この実施の形態信の方式としては図5に示
された本発明の第5の実施の形態による受信回路と同様
の方式を採用している。したがって、図5と同じ構成部
分については同一の符号を付することにより詳細な説明
は省略し、図21独自の構成について以下説明する。上
記第5の実施の形態における局部周波数信号発生回路4
Aは、希望波搬送波周波数信号を生成する希望波搬送波
周波数信号発生源32と、この希望波搬送波周波数信号
発生源32と並列の関係に設けられオフセット周波数信
号を生成するオフセット周波数信号発生源33と、希望
波搬送波周波数信号発生源32からの搬送波周波数信号
を移相させる手段である搬送波周波数信号移相回路34
と、オフセット周波数信号発生源33からのオフセット
周波数信号を移相させる手段であるオフセット周波数信
号移相回路35と、直交変調器36aと、極性反転回路
53と、正オフセット側局部周波数出力用加算器54と
を有してなる。
【0163】直交変調器36aは、上記第18の実施の
形態における第1の直交変調器と同じ構成を有してお
り、希望波搬送波周波数信号発生源32により生成され
た希望波搬送波周波数信号とオフセット周波数信号発生
源33により生成されたオフセット周波数信号とを乗算
する第1の乗算器37aと、搬送波周波数信号移相回路
34により移相処理された後の希望波搬送波周波数信号
とオフセット周波数信号移相回路35により移相処理さ
れた後のオフセット周波数信号とを乗算する第2の乗算
器38aと、第1の乗算器37aの乗算結果と第2の乗
算器38aの乗算結果とを加算し負オフセット側局部周
波数(ωc −ωo )を出力する負オフセット側局部周波
数出力用加算器51とから構成されている。
【0164】極性反転回路53は第2の乗算器38aの
出力を極性反転処理する。正オフセット側局部周波数出
力用加算器54は第1の乗算器37aによる乗算結果出
力と極性反転回路53による極性反転出力とを加算し、
正オフセット側局部周波数・・(ωc +ωo )を出力す
る。そして、負オフセット側局部周波数出力用加算器5
1の出力は第2の直交復調12へ送付される一方、正オ
フセット側局部周波数出力用加算器54の出力は第1の
直交復調11へ送付される構成となっている。
【0165】次に上記第19の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。希望波搬送波周波数信号発
生源32からの希望波搬送波周波数信号ωcは搬送波周
波数信号移相回路34に供給されて希望波搬送波周波数
信号におけるπ/2だけ位相が遅延される。オフセット
周波数信号発生源33からのオフセット周波数信号ωo
はオフセット周波数信号移相回路35に供給されてオフ
セット周波数信号におけるπ/2だけ位相が遅延され
る。
【0166】直交変調器36aを構成する2基の乗算器
37a、38aのうち第1の乗算器37aには、上記希
望波搬送波周波数信号発生源32からの希望波搬送波周
波数信号cosωctとオフセット周波数信号発生源3
3からのオフセット周波数信号cosωotとが入力さ
れる。第2の乗算器38aには搬送波周波数信号移相回
路34からのπ/2だけ位相が遅延された希望波搬送波
周波数信号sinωctとオフセット周波数信号移相回
路35からのπ/2だけ位相が遅延されたオフセット周
波数信号sinωotとが入力される。この結果、直交
変調器36aの負オフセット側局部周波数出力用加算器
51の出力には下式に示す通り、ωc−ωoなる周波数
が得られる。 cosωct×cosωot+sinωct×sinω
ot=cos(ωc−ωo)t
【0167】直交変調器36aを構成する2基の乗算器
37a、38aの出力のうち第2の乗算器38aの出力
の一部は極性反転回路53に供給され、その反転出力は
上記第1の乗算器37aの出力とともに正オフセット側
局部周波数出力用加算器54に入力し下式に示す通り、
ωc+ωoなる周波数を発生する。 cosωct×sinωot+(−1)sinωct×
cosωot=cos(ωc+ωo)t
【0168】以上述べたように、上記実施の形態によれ
ば本発明の基本構成が必要とする相補型局部発振周波数
を発生させ独立の出力として得られることが明らかであ
る。さらに、それぞれの周波数に対応するフィルタを用
いる必要もなく、希望信号の搬送波周波数が可変であっ
ても問題なく対応することができることも明らかであ
る。
【0169】(実施の形態20)図23は本発明の第2
0の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。この実施の形態は、fc +fo とfc −fo
とを得るために2基の移相器基と、1基の直交変調器と
2基の加算器と1基の極性反転回路を用いるようにした
ものである。この実施の形態信の方式としては図5に示
された本発明の第5の実施の形態による受信回路と同様
の方式を採用している。したがって、図5と同じ構成部
分については同一の符号を付することにより詳細な説明
は省略し、図21独自の構成について以下説明する。上
記第5の実施の形態における局部周波数信号発生回路4
Aは、希望波搬送波周波数信号を生成する希望波搬送波
周波数信号発生源32と、この希望波搬送波周波数信号
発生源32と並列の関係に設けられオフセット周波数信
号を生成するオフセット周波数信号発生源33と、希望
波搬送波周波数信号発生源32からの搬送波周波数信号
を移相させる手段である搬送波周波数信号移相回路34
と、オフセット周波数信号発生源33からのオフセット
周波数信号を移相させる手段であるオフセット周波数信
号移相回路35と、直交変調器36aと、極性反転回路
53と、正オフセット側局部周波数出力用加算器54と
を有してなる。
【0170】直交変調器36aは、上記第18の実施の
形態における第1の直交変調器と同じ構成を有してお
り、希望波搬送波周波数信号発生源32により生成され
た希望波搬送波周波数信号とオフセット周波数信号発生
源33により生成されたオフセット周波数信号とを乗算
する第1の乗算器37aと、搬送波周波数信号移相回路
34により移相処理された後の希望波搬送波周波数信号
とオフセット周波数信号移相回路35により移相処理さ
れた後のオフセット周波数信号とを乗算する第2の乗算
器38aと、第1の乗算器37aの乗算結果と第2の乗
算器38aの乗算結果とを加算し負オフセット側局部周
波数(ωc −ωo )を出力する負オフセット側局部周波
数出力用加算器51とから構成されている。
【0171】極性反転回路53は第2の乗算器38aの
出力を極性反転処理する。正オフセット側局部周波数出
力用加算器54は第1の乗算器37aによる乗算結果出
力と極性反転回路53による極性反転出力とを加算し、
正オフセット側局部周波数・・(ωc +ωo )を出力す
る。そして、上記第19の実施の形態とは異なり、負オ
フセット側局部周波数出力用加算器51の出力は第1の
直交復調11へ送付される一方、正オフセット側局部周
波数出力用加算器54の出力は第2の直交復調12へ送
付される構成となっている。
【0172】次に上記第20の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。希望波搬送波周波数信号発
生源32からの希望波搬送波周波数信号ωcは搬送波周
波数信号移相回路34に供給されて希望波搬送波周波数
信号におけるπ/2だけ位相が遅延される。オフセット
周波数信号発生源33からのオフセット周波数信号ωo
はオフセット周波数信号移相回路35に供給されてオフ
セット周波数信号におけるπ/2だけ位相が遅延され
る。
【0173】直交変調器36aを構成する2基の乗算器
37a、38aのうち第1の乗算器37aには、上記希
望波搬送波周波数信号発生源32からの希望波搬送波周
波数信号cosωctとオフセット周波数信号発生源3
3からのオフセット周波数信号cosωotとが入力さ
れる。第2の乗算器38aには搬送波周波数信号移相回
路34からのπ/2だけ位相が遅延された希望波搬送波
周波数信号sinωctとオフセット周波数信号移相回
路35からのπ/2だけ位相が遅延されたオフセット周
波数信号sinωotとが入力される。この結果、直交
変調器36aの負オフセット側局部周波数出力用加算器
51の出力には下式に示す通り、ωc−ωoなる周波数
が得られる。 cosωct×cosωot+sinωct×sinω
ot=cos(ωc−ωo)t
【0174】直交変調器36aを構成する2基の乗算器
37a、38aの出力のうち第2の乗算器38aの出力
の一部は極性反転回路53に供給され、その反転出力は
上記第1の乗算器37aの出力とともに正オフセット側
局部周波数出力用加算器54に入力し下式に示す通り、
ωc+ωoなる周波数を発生する。 cosωct×sinωot+(−1)sinωct×
cosωot=cos(ωc+ωo)t
【0175】以上述べたように、上記実施の形態によれ
ば本発明の基本構成が必要とする相補型局部発振周波数
を発生させ独立の出力として得られることが明らかであ
る。さらに、それぞれの周波数に対応するフィルタを用
いる必要もなく、希望信号の搬送波周波数が可変であっ
ても問題なく対応することができることも明らかであ
る。
【0176】(実施の形態21)図24は本発明の第2
1の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。この実施の形態は、主として複数のチャネル
を有するディジタル変調方式の通信システムにおいて、
受信系の電力を低減し、回路を簡素化し、消費電力を低
減することを図るものである。図24において、符号6
1は周波数変換回路または直交復調回路により得られた
第1の受信信号のデータが入力される第1のデータ入力
線、62は第1のデータ入力線61から入力された信号
に対してフーリエ変換を行なう第1のフーリエ変換器、
63は第1のフーリエ変換器62によって得られた第1
のフーリエ変換出力を表す。また64は周波数変換回路
または直交復調回路により得られた第2の受信信号のデ
ータが入力される第2のデータ入力線、65は第2のデ
ータ入力線64から入力された信号に対してフーリエ変
換を行なう第2のフーリエ変換器、66は第2のフーリ
エ変換器65によって得られた第2のフーリエ変換出力
を表す。
【0177】67は上記第1および第2のフーリエ変換
器62、65のそれぞれ周波数成分の出力を周波数ごと
に受けて相関係数を算出する相関器、68は第1および
第2のフーリエ変換器62、65の出力を加算する加算
器、69は相関器67の出力、70は得られた相関器出
力69を受けて重み付けを行なう重み付け関数器、71
は加算器68の加算出力と重み付け関数器70の出力と
を乗算する重み付け値乗算器、72は重み付け値乗算器
による乗算操作の後処理を行なう後処理回路、73は重
み付け値乗算器の出力が後処理されて生成された逆フー
リエ変換器入力、74は逆フーリエ変換器入力を受けて
逆フーリエ変換処理を行なう逆フーリエ変換器、75は
逆フーリエ変換出力である。
【0178】次に上記第21の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。先に述べた第1乃至第13
の実施の形態においては、第1の周波数変換回路2およ
び第2の周波数変換回路3を備えるか、第1の直交復調
回路11および第2の直交復調回路を備えるか、或いは
また1基の周波数変換回路と1基の直交復調回路を備え
るかの基本構成を有している。この構成により受信動作
に当たっては受信回路では第1の受信信号と第2の受信
信号とが得られる。この実施の形態においては、第1の
受信信号はx(t)で表され、第1のデータ入力線61
に入力する。第2の受信信号はy(t)で表され、第2
のデータ入力線64に入力する。第1のデータ入力線6
1に入力した第1の受信信号x(t)は第1のフーリエ
変換器62に入力しここでフーリエ変換処理され第1の
フーリエ変換出力63が得られる。また第2の受信信号
はy(t)は第2のフーリエ変換器65に入力しここで
フーリエ変換処理され第2のフーリエ変換出力66が得
られる。これら第1および第2のフーリエ変換器62、
65におけるフーリエ変換処理により、上記入力された
第1および第2の受信信号のデータは時間軸情報から周
波数軸情報へと変換される。
【0179】第1および第2のフーリエ変換出力63、
65は相関器67に取り込まれ、この相関器67は上記
第1および第2のフーリエ変換出力63、66のそれぞ
れ周波数成分の出力を周波数ごとに受けて相関係数を算
出する。一方、第1および第2のフーリエ変換出力6
3、65は、上記相関器67によって相関係数を算出さ
れるのとは別に加算器68に入力せしめられ、この加算
器によって両フーリエ変換された出力信号が加算され
る。また、相関器67によって出力された相関係数は、
重み付け関数器70に入力されここで重み付け処理が行
なわれる。そして、重み付け値乗算器71は加算器68
の加算出力と重み付け関数器70の出力とを受けて量出
力信号を乗算する。その後は後処理回路72が重み付け
値乗算器による乗算操作の後処理を行ない、この後処理
が実行されて生成された逆フーリエ変換器入力73を逆
フーリエ変換器74が受けて逆フーリエ変換処理を行な
って、処理データを周波数軸情報から時間軸情報に戻
し、逆フーリエ変換出力75として希望波抽出結果とな
る。
【0180】次に上記希望波が抽出される原理を理論で
説明する。まず、希望波が到来しない場合の非希望波に
対する抑圧作用の理論を示す。非希望波(2信号系間で
時間的に独立に存在する)は同期加算された後、振幅成
分がR倍(Rは相関係数)される。相関器における演算
式を以下に示す。
【0181】
【数51】 相関係数算出のための各平均化窓内において非希望波の
パワーPNOが一定値であるとすると、処理出力のパワ
ーPN は下式で表される。 PN =(R2 PNO)/2 ここで、 PNO :非希望波の電力 R :相関係数 である。
【0182】この相関係数Rは、有限な平均化窓を用い
て算出されるので、統計的誤差を生じ、真の相関係数の
値とは一致しない。サンプル数N個の独立のサンプルで
Rの算出を行ない、真の相関係数が0になるべきことか
らすると、Rの分布は次式の確率密度関数で表される。
【0183】
【数52】 以上から処理出力の平均パワーは次式で表される。
【0184】
【数53】
【0185】ここで、相関係数算出の平均化窓を長さT
cの方形窓であるとし、フーリエ変換を行なう際のハミ
ング窓の長さをTFとすると、平均窓の中に存在する独
立サンプルの個数Nは次式となる。 N=(Tc)/(TF) したがって、個数Nが多い場合の非希望波の処理出力は
次式で表現できる。
【0186】
【数54】 すなわち、1/Nに比例することになる。
【0187】次に、希望波が到来している場合の非希望
波に対する抑制作用について説明する。信号成分に帯域
分割を施すと、さらに希望波信号が存在する区間と存在
しない区間に区別できる。希望波成分を含むk番目の帯
域成分の振幅は、その帯域での相関係数R(k)を乗じ
て出力される。R(k)は次式で表すことができる。
【0188】
【数55】 kに関し、PSO(k)、PNO(k)を一定値PS
O、PNOとすると、非希望波の抑制効果を次式により
求めることができる。
【0189】
【数56】 この式により、希望波成分が含まれている帯域数が少な
いほど、希望波/非希望波比の改善効果が大きいことが
わかる。
【0190】したがって、本実施の形態によれば、有限
な平均化窓すなわち平均時間により求められた相関係数
の統計的誤差を用いて、非希望波が第1の受信信号と第
2の受信信号との2信号系間で時間的に独立に存在し、
不平衡信号として扱える性質を利用し、この非希望波に
対する抑圧機能を実現することができる。
【0191】(実施の形態22)図25乃至図33は本
発明の第22の実施の形態における受信回路の構成およ
び動作原理を説明する図である。これまでに述べてきた
各実施の形態は直交変調信号など多重化ディジタル変調
方式に対応した方法である。この方法では、直交復調器
が2基必要となり、電力削減や装置の簡素化には最善と
は言えない。本実施の形態ではこの点についての改良を
進めたものである。そのために、本実施の形態では直交
復調器を1基にする。そのために、A/D変換器におい
て2次サンプリングを行なうことで周波数軸上の折り返
しを防ぎ、A/D変換出力からディジタル信号処理によ
り本来必要な欠損した側の相補局発周波数による直交復
調出力を生成するような構成にしている。
【0192】図25は上記第22の実施の形態に係る受
信回路の構成を示すブロック図である。図25におい
て、1は受信信号を受ける空中線、96は受信信号を所
定の周波数帯域で波形整形する帯域フィルタである受信
帯域フィルタ(バンドパスフィルタ)、11は受信信号
を入力とする直交復調器、4は局部周波数信号発生回
路、86は直交復調器からの一方の出力信号の高周波帯
域をカットする第1のローパスフィルタ、87は直交復
調器からの他方の出力信号の高周波帯域をカットする第
2のローパスフィルタ、90は第1のローパスフィルタ
出力をA/D変換する第1のA/D変換器、91は第2
のローパスフィルタ出力をA/D変換する第2のA/D
変換器、92はこれら第1および第2のA/D変換器9
0、91に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以上
のクロックを発生する機能と、サンプリングクロックパ
ルス列に遅延パルス列を付加する機能と、サンプリング
クロックパルス列と遅延パルス列とを前記第1および第
2のA/D変換器90、91のサンプリングパルスとし
て提供する機能とを有するサンプリング信号発生源、9
3は前記第1および第2のA/D変換器90、91のデ
ィジタル出力データから希望する受信チャネル信号を抽
出する演算器である。
【0193】この実施の形態において、直交復調器11
は、受信帯域フィルタ96からの受信信号を入力して周
波数変換を行なう第1の乗算器78と、第2の乗算器7
9と、局部周波数信号発生回路4からの局部発振周波数
信号をオフセットして第2の乗算器79に入力する周波
数オフセット回路98とを備え、受信信号に対して周波
数変換処理を行なう。
【0194】次に上記第22の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。図25において、空中線1
で受信された受信信号は受信帯域フィルタ96を通って
対象とする帯域内信号群になった後、直交復調器11に
よりI軸成分とQ軸成分とが抽出される。この信号は第
1および第2のローパスフィルタ86、87で高域の不
要周波数成分を除去された後、第1および第2のA/D
変換器90、91に入力される。A/D変換器90、9
1におけるA/D変換動作に当たっては、サンプリング
信号発生源92からのサンプリング信号がA/D変換器
90、91へ供給されてサンプリング動作を行なう。そ
して、このサンプリング動作を経て得られたディジタル
データは演算器93へ送られてディジタル信号処理が行
なわれ、ベースバンド出力が得られる。ここで、A/D
変換器90、91において通常のサンプリングを行なう
と、サンプリングによるエイリアスを発生し、その後予
定しているディジタル周波数変換が不可能となる。
【0195】図26はA/D変換器90、91でサンプ
リングを行なった結果エイリアスが発生する様子を説明
する図である。まず図26(A)に示すような信号が供
給され、この信号をローパスフィルタに通すと図26
(B)に示すように高域成分が除去された信号となる。
そしてこの信号をサンプリングすると図26(C)のA
/D変換出力図に示すようにエイリアスが発生する。そ
こで、本実施の形態においては、エイリアスを発生させ
るもととなっている周波数軸上での折り返しを防ぐ手段
を設けた。以下数式で説明する。
【0196】いま、搬送波周波数をfc、QPSK副搬
送波周波数をfoとおくと、QPSK無線信号fRF
は、
【0197】
【数57】 と表現できる。ここで、位相信号θ(t)は、 θ(t)=0,±π/2,π である。PDCなどの多チャネル通信システムにおける
状況を考える。図27は多チャネル通信システムにおけ
る受信チャネルの状況(並び状況)をモデル化して示す
図である。いま、図27に示されているように、各チャ
ネルが周波数上、等間隔で配置されているものとする。
また、チャネル間隔周波数をfbとする。そして、受信
機の入力フィルタを通してN個のチャネルがはいるとす
ると、入力信号fINは、
【0198】
【数58】 この場合において、各チャネルが接しているとすれば、 2fo=fb となるので、
【0199】
【数59】 と記述できる。
【0200】この信号群にダイレクトコンバージョンと
しての周波数変換を施す。一般的に周波数をfLOだけ
引き下げる周波数変換を行なって得られる信号の周波数
をfDCとすると、このfDCは、次式で表現すること
ができる。
【0201】
【数60】 上式で、後半の2項は周波数がRF周波数の2倍に高ま
り、通常は回路の周波数特性で簡単に通過阻止される。
したがって、周波数変換された後の周波数fDCは次式
のように表現して差し支えない。
【0202】
【数61】
【0203】ここで、チャネルの中にはfc−fLOが
負となるものができる。周波数が負ということである
が、これはQPSK信号の位相回転面の極性のうちQ軸
が反転するということであり、これはすなわちQPSK
信号の回転が逆になることを意味しているにすぎない。
したがって、周波数の極性が負であるからといって信号
が消滅することにはならない。
【0204】次に、この信号をディジタル化するために
A/D変換器90、91に供給する。A/D変換器9
0、91は、この場合、サンプリングと等価でありその
出力は離散化されたものになる。離散化処理は、処理前
と処理後の信号が必ずしも一対一対応にならない。多く
の場合にエイリアスが発生する。したがって、エイリア
スを発生しないように被A/D変換信号をA/D変換周
波数の1/2より低いものに抑えるか、またはA/D変
換の変換信号列を複数化(高次標本化)する。
【0205】ここで、負の周波数がもつ物理的意味を考
察する。これにより周波数軸の負領域を用いる途を開
く。下式はQPSKの搬送波を負の周波数にしたもので
ある。負信号を数学的に位置を移動し、時間、関数値に
書き換えた式を並べてある。
【0206】
【数62】
【0207】図28は負の周波数領域を持ったA/D変
換出力を表す図である。周波数の負領域の物理的意味
は、上式から見るかぎり正の周波数領域の振舞いと異な
らない。ただし、−fcと表現していることはfcを正
として扱っており、周波数軸上の進行方向或いは視線の
方向が正反対であることを意味する。すなわち、周波数
円周上での回転が逆向きになったことを意味し、周波数
がゼロということは円周上のどこかで動かなくなった状
態とみればよい。その位置でθa(t)の振舞うQPS
K動作が行なわれるので、スペクトルはQPSK情報の
帯域幅を示すことになる。
【0208】例えで示すと、RF信号と第1および第2
の乗算器94、95に加えられるローカル信号とは周波
数変換の際にそれぞれの周波数円で回転方向についての
闘いが行なわれていると考えられる。周波数引き下げに
おいては、それぞれが互いに逆方向の回転を与えようと
競合している。周波数がゼロに近づくにしたがい、回転
スピードは落ち、ついに回転が停止する。さらに進むと
ローカル信号側の逆回転数が勝り、回転方向は逆とな
る。
【0209】以上から、ここでの理論展開においては、
周波数変換などにより結果が負の周波数領域になる信号
スペクトルを、一般に表しているような正領域への折り
返し表現はせず、周波数軸を正負連続に用いて表現する
こととする。その目的は、QPSK信号などのように信
号自体が複数の軸からなる情報を持つことの表現を可能
にすることである。従来一般の表現は周波数領域を正領
域に限定し、スペクトルを折り返すことで周波数空間を
狭めてしまうことになり、その表現する自由度を1つ失
うことになっている。
【0210】他方、信号自体も時間すなわち位相の関数
として位相空間を形成していることを直交空間で識別で
きる形に分解する必要がある。図29はπ/2の位相差
を利用して信号成分をコサイン関数(cos関数)とサ
イン関数(sin関数)とにより直交成分に分解する方
法を示したものである。この図において、fI (t)
はcos関数により表現されるので周波数軸上の正負の
支配は受けない(偶関数である)。fQ (t)はsi
n関数により表現されるので周波数が負の領域で関数値
の符号が反転する(奇関数である)。
【0211】以上の2つの手法を用いることにより、一
般にA/D変換において変換周波数(或いはサンプリン
グ周波数)fsを折り目にして高域側を変換周波数fs
以下に折り返すという従来のスペクトル配置から脱し、
変換周波数fs以上にイメージスペクトルをそのまま表
せることになる。
【0212】次に、この直交する2信号をA/D変換す
る。直交2信号の周波数領域はベースバンド付近にあ
り、変換速度はシャノンの標本化定理によって対象信号
の2倍以上であればよい。図30は直交する2信号をA
/D変換する場合の直交サンプリングの一例を示す図で
あり、図30に示す構成は図25に示す構成のうち、受
信帯域フィルタ96以下第1および第2のA/D変換器
90、91までの構成を、各部位において流れる信号を
明らかにしつつ表したものである。図30中、Tsはサ
ンプリング周期を表す。このA/D変換動作において、
サンプリング周波数ωsは、 ωs≧Wo においてfI (t)、fQ (t)の一対の標本列を形
成する。この方法で信号f(t)はIQ平面上の点とし
てサンプリングされるので信号の回転方向などの情報が
確保でき、ディジタル化することができる。
【0213】ここで、本実施の形態の骨子である周波数
オフセットを考慮すると、図30の構成は図31のよう
になる。すなわち、ローカル周波数をωcからωc−ω
oとし、出力信号にωoなるオフセット周波数が残留す
るようにする。A/D変換器90、91に供給される信
号fI (ωot)とfQ (ωot)とにはベースバン
ド信号の伝送速度である周波数ωoと周波数オフセット
ωoとが含まれるので、ロールオフ率0.5以下のベー
スバンド伝送に対しては搬送波周波数を中心に3ωoの
周波数帯域幅を持つと見られる。したがって、サンプリ
ングクロックの周波数は6ωo以上であれば必要且つ十
分であり、信号f(t)はIQ直交平面上の点としてサ
ンプリングされるので信号の回転方向などの情報が確保
でき、且つ周波数軸の正負連続性が保存されてディジタ
ル化できる。
【0214】したがって、この受信回路のディジタル信
号出力をディジタル信号処理により正負どちらの周波数
変換もすることが可能となる。すなわち、マイナス2ω
oのディジタル周波数変換を施すことで信号fI (ω
ot)とfQ (ωot)から信号fI (−ωot)と
fQ (−ωot)とを得ることが可能となる。この結
果、上記方法によれば、コンプリメンタリな局部発振周
波数による双対の直交復調器は、一方のみで済むことに
なり、高周波回路が約1/2に簡素化でき消費電力も軽
減される。
【0215】図32は上述したA/D変換動作を行なう
場合の直交サンプリング(図30、31)とは異なる別
のサンプリング動作を説明する図である。これはシャノ
ンの2次サンプリングと呼ぶサンプリングを応用したも
のである。このサンプリング方法においては、図32に
示すように、高周波入力信号f(t)を周波数変換でベ
ースバンドに下ろした信号fb(t)を2系統のA/D
変換器に接続する。このような構成を採用すると、変換
用パルス(サンプリングパルス)として図33に示すよ
うな等時間間隔のサンプリングパルスを、遅延時間がτ
で2系統のパルス列として得る。この結果、図33に示
すように被標本化信号はダブルパルスでサンプリングさ
れることになる。サンプリング周波数は信号の周波数帯
域幅以上の値にする。すなわち、上記の場合はベースバ
ンド信号fb(t)は伝送速度がωoであるから、ロー
ルオフ率が0.5以下の場合は周波数帯域幅は3ωo程
度となる。したがって、サンプリング周波数も3ωoで
あればよい。このようなサンプリングにより、被標本化
信号の周波数での位相空間は実軸以外の成分も抽出でき
るので、得られた情報は周波数軸上の正負に連続したも
のとなる。ただし、遅延量をπに相当する値にすると、
実軸成分のみとなるので、π以外の移相量を選ばなけれ
ばならない。この方式を本願の周波数オフセット型にす
ると図33のようになる。
【0216】(実施の形態23)図34および図35は
本発明の第23の実施の形態における受信回路の構成お
よび動作原理を説明する図である。この第23の実施の
形態においても、上記第22の実施の形態におけると同
様の考えに基づくもので直交復調器の数を1基に減らし
て電力削減や装置の簡素化を達成しようとするものであ
る。そのために、A/D変換器において2次サンプリン
グを行なうことで周波数軸上の折り返しを防ぎ、A/D
変換出力からディジタル信号処理により本来必要な欠損
した側の相補局発周波数による周波数変換出力を生成す
るような構成にしている。
【0217】図34は第23の実施の形態に係る受信回
路の構成を示すブロック図である。図34において、1
は受信信号を受ける空中線、96は受信信号を所定の周
波数帯域で波形整形する帯域フィルタである受信帯域フ
ィルタ、11は受信信号を入力とする直交復調器、4は
局部周波数信号発生回路、86は直交復調器11からの
一方の出力信号(I)の高周波帯域をカットする第1の
ローパスフィルタ、87は直交復調器11からの上記一
方の出力信号(I)の高周波帯域をカットする第2のロ
ーパスフィルタ、90は第1のローパスフィルタ出力を
A/D変換する第1のA/D変換器、91は第2のロー
パスフィルタ出力をA/D変換する第2のA/D変換
器、92はこれら第1および第2のA/D変換器90、
91に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以上のク
ロックを発生してサンプリングパルスとして提供する機
能を有するサンプリング信号発生源、97はサンプリン
グ信号発生源92からのサンプリングクロック信号をオ
フセットして第2のA/D変換器91に供給する遅延回
路である。また、直交復調器11の他方の出力信号Q
は、上記フィルタ86、87、第1および第2のA/D
変換器90、91、サンプリング信号発生源92、遅延
回路97により構成されるI軸側回路部分と同一構成の
Q軸側回路部分に与えられる。Q軸側回路部分を構成す
る要素はI軸側の参照番号にダッシュを付して対応を示
している。93はI軸側とQ軸側双方の第1および第2
のA/D変換器90、90’、91、、91’のディジ
タル出力データから希望する受信チャネル信号を抽出す
る演算器である。なお、2つのローパスフィルタ86、
87を設ける代わりに、単一のローパスフィルタ(例え
ばローパスフィルタ86)を2つのA/D変換器90、
91に共用すべく、ローパスフィルタの出力をA/D変
換器90、91の入力に接続することができる。
【0218】次に上記第23の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。図34において、空中線1
で受信された受信信号は受信帯域フィルタ96を通って
対象とする帯域内信号群になった後、直交復調器11に
よりI軸成分とQ軸成分とが抽出される。このI軸成分
の信号は第1および第2のローパスフィルタ86、87
で高域の不要周波数成分を除去された後、第1および第
2のA/D変換器90、91に入力される。A/D変換
器90、91におけるA/D変換動作に当たっては、サ
ンプリング信号発生源92からのサンプリング信号が、
第1のA/D変換器90へはそのまま供給され、また第
2のA/D変換器91へは周波数オフセット処理を受け
てから供給されてサンプリング動作を行なう。Q軸成分
についても同様のサンプリングが行なわれる。そして、
このサンプリング動作を経て得られたディジタルデータ
は演算器93へ送られてディジタル信号処理が行なわ
れ、ベースバンド出力が得られる。
【0219】図35は、この第23の実施の形態におい
て、直交する2信号をA/D変換する場合の直交サンプ
リングの一例を説明する図であり、図35に示す構成は
図34に示す受信帯域フィルタ96以下I軸側回路部分
の第1および第2のA/D変換器90、91までの構成
を、各部位において流れる信号を明らかにしつつ表した
ものであり、Q軸側回路部分は図示省略している。図3
5中、Ts1はサンプリング周期を表す。
【0220】この実施の形態において、周波数変換はオ
フセット周波数ωoを含むので出力信号にはオフセット
残量ωoが存在する。この状態では前記第22の実施の
形態においても説明した通り、オフセット周波数ωoを
搬送波とし伝送速度ωoを持つスペクトルの信号帯域が
できる。このとき、シャノンの2次サンプリング定理は
信号帯域幅以上のサンプリング周波数を持ち、遅延τを
施したパルス列をも加えることにより本来の信号の持つ
情報量をもれなくサンプリングすることができるという
ものである。したがって、ロールオフ率0.5以下の場
合は上記の信号fb(t)の周波数帯域幅は3ωo程度
であるのでサンプリング周波数は3ωoとすることがで
きる。遅延時間τは、前述の通り、信号fb(t)の位
相π以外の値であればよい。特に、 τ=π/2 とすれば出力はIQ直交平面を形成することができる。
【0221】以上から、信号f(t)はIQ直交平面上
の点としてサンプリングされるので信号の回転方向など
の情報が確保でき、且つ周波数軸の正負連続性が保存さ
れてディジタル化できる。したがって、この受信回路の
ディジタル信号出力をディジタル信号処理により正負ど
ちらの周波数変換もすることが可能となる。すなわち、
マイナス2ωoのディジタル周波数変換を施すことで信
号fI (ωot)とfQ (ωot)から信号fI
(−ωot)とfQ (−ωot)とを得ることが可能
となる。この結果、上記方法によれば、コンプリメンタ
リな局部発振周波数による双対の周波数変換器は、一方
のみで済むことになり、高周波回路が約1/2に簡素化
でき消費電力も軽減される。なお、A/D変換器を1基
としサンプリングパルスは統合して供給することも等価
であることは言うまでもない。すなわち、図25の例で
は、第1のA/D変換器90と第2のA/D変換器91
とを1基のA/D変換器とし、第1のA/D変換器90
のサンプリングパルスと第2のA/D変換器91の遅延
パルス列によるサンプリングパルスを1基のA/D変換
器の有する共通のサンプリング入力部から受けるように
し、ディジタル出力データ出力部を2系統設け、遅延さ
れないサンプリングパルスによるディジタル出力データ
の出力と遅延されたサンプリングパルスによるディジタ
ル出力データの出力とを分離して提供するようにした受
信回路も構成することができる。
【0222】(実施の形態24)図36および図37は
本発明の第24の実施の形態における受信回路の構成お
よび動作原理を説明する図である。この第24の実施の
形態においても、上記第18および第23の実施の形態
におけると同様の考えに基づくもので直交復調器の数を
1基に減らして電力削減や装置の簡素化を達成しようと
するものである。ただし、A/D変換器を複数(2基以
上)備え、これらのA/D変換器において2次サンプリ
ングを行なうことで周波数軸上の折り返しを防ぎ、A/
D変換出力からディジタル信号処理により本来必要な欠
損した側の相補局発周波数による周波数変換出力を生成
するような構成にしている。
【0223】図36は本発明の第24の実施の形態に係
る受信回路の構成を示すブロック図である。図36にお
いて、1は受信信号を受ける空中線、9は受信信号を所
定の周波数帯域で波形整形する帯域フィルタである受信
帯域フィルタ、11は受信信号を入力とする直交復調
器、4は局部周波数信号発生回路、86は直交復調器1
1からの一方の出力信号(I)の高周波帯域をカットす
る第1のローパスフィルタ、87a〜87mは直交復調
器11からの上記一方の出力信号(I)の高周波帯域を
カットすべく、後述の第2以降のA/D変換器の個数に
合わせて複数個設けられた第2以降のローパスフィル
タ、90は第1のローパスフィルタ86の出力をA/D
変換する第1のA/D変換器、91a〜91mは第2以
降のローパスフィルタ87a〜87mの出力をA/D変
換すべく複数個設けられた第2以降のA/D変換器、9
2はこれら第1および第2以降のA/D変換器90、9
1a〜91mに受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数
以上のクロックを発生してサンプリングパルスとして提
供する機能を有するサンプリング信号発生源、97a〜
97mはサンプリング信号発生源92からのサンプリン
グクロック信号をオフセットして第2以降のA/D変換
器91a〜91mのそれぞれに入力すべく複数個設けら
れた遅延回路である。図36においても、図34と同様
に直交復調器11の一方の出力(I)はI軸側回路部分
に、他方の出力信号(Q)は、上述の構成のI軸側回路
部分と同様のQ軸側回路部分105に供給される。93
は前記第1および第2以降のA/D変換器90、91a
〜91mのディジタル出力データから希望する受信チャ
ネル信号を抽出する演算器である。なお、この実施の形
態においては、第2以降のA/D変換器91a〜91m
の個数はm個とする。他のローパスフィルタ87、遅延
回路97についても同様である。
【0224】次に上記第24の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。図36において、空中線1
で受信された受信信号は受信帯域フィルタ96を通って
対象とする帯域内信号群になった後、直交復調器11に
よりI軸成分とQ軸成分とが抽出される。このI軸成分
の信号は第1および第2以降のローパスフィルタ86、
87a〜87mで高域の不要周波数成分を除去された
後、第1および第2以降のA/D変換器90、91a〜
91mに入力される。A/D変換器90、91a〜91
mにおけるA/D変換動作に当たっては、サンプリング
信号発生源92からのサンプリング信号が、第1のA/
D変換器90へはそのまま供給され、また複数個設けら
れた第2以降のA/D変換器91a〜91mへは各対応
する遅延回路97a〜97mによる周波数オフセット処
理を受けてから供給されてサンプリング動作を行なう。
Q軸成分についても同様のサンプリングが行なわれる。
そして、このサンプリング動作を経て得られたI軸側と
Q軸側のディジタルデータは演算器93へ送られて、デ
ィジタル信号処理が行なわれ、ベースバンド出力が得ら
れる。
【0225】図37は、この第24の実施の形態におい
て、直交する2信号をA/D変換する場合の直交サンプ
リングの一例を説明する図であり、図37に示す構成は
図36に示す構成の受信帯域フィルタ96以下I軸側回
路部分の第1および第2以降のA/D変換器90、91
a〜91mまでの構成を、各部位において流れる信号を
明らかにしつつ表したものである。図37中、Ts1は
サンプリング周期を表す。
【0226】この実施の形態において、遅延時間を異に
する(m+1)個のA/D変換器により(m+1)次の
サンプリングが行なわれる。したがって、ディジタル変
調を多重化して伝送する場合の信号に対して高周波回路
を簡略化することができる。この結果、上記方法によれ
ば、複雑に多重化されたディジタル変調信号に対しても
コンプリメンタリな局部発振周波数による双対の周波数
変換器は、一方のみで対処できることになり、高周波回
路が約1/2に簡素化でき消費電力も軽減される。な
お、A/D変換器を1基としサンプリングパルスは統合
して供給することも等価であることは言うまでもない。
【0227】(実施の形態25)図38は本発明の第2
5の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。図38において、符号1は空中線、81は空
中線1から受信された受信信号を受ける受信入力回路、
88は受信信号についてゲイン調整を行なう利得制御
(AGC:オートゲインコントロール)回路、90は利
得制御回路88からの出力信号をA/D変換する第1の
A/D変換器、91は周波数変換器84からの出力信号
を上記第1のA/D変換器90とは別系統の信号として
受けこの信号をA/D変換する第2のA/D変換器、9
2はこれら第1および第2のA/D変換器90、91に
受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以上のクロック
を発生する機能と、サンプリングクロックパルス列に遅
延パルス列を付加する機能と、サンプリングクロックパ
ルス列と遅延パルス列とを前記第1および第2のA/D
変換器90、91のサンプリングパルスとして提供する
機能とを有するサンプリング信号発生源、93は前記第
1および第2のA/D変換器90、91のディジタル出
力データから希望する受信チャネル信号を抽出する演算
器である。受信入力部81は、増幅回路94と、帯域フ
ィルタ(受信帯域)96とから構成されている。また、
利得制御回路88と第2のA/D変換器91との間には
移相器99が設けられている。
【0228】次に上記第25の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。空中線1から受信される信
号群は受信帯域フィルタ96を含む受信入力回路81に
より通信チャネル帯域のみの信号となる。この信号は利
得制御回路88によりゲイン調整されて所定のレベルの
信号になり、第1のA/D変換器90に供給される。こ
こで、サンプリング信号発生源92から周波数ωoのn
倍の周波数(nは整・・数)のパルス群と、遅延を施した
同一周波数のパルス群の合わされたパルス群によるサン
プリングパルスを得る。これにより、受信信号は、第1
のA/D変換器90により2次サンプリング作用を得て
希望チャネル信号を中心とするデータに変換され、演算
器93に供給される。
【0229】利得制御回路88により所定のレベルの信
号にゲイン調整された受信信号は別系統の信号線を通し
て移相器99による移相処理作用を受けながら第2のA
/D変換器91に供給される。ここで、サンプリング信
号発生源92から周波数ωoのn倍の周波数(nは整
数)のパルス群と、遅延を施した同一周波数のパルス群
の合わされたパルス群によるサンプリングパルスを得
る。これにより、第2のA/D変換器91は2次サンプ
リング作用を得て希望チャネル信号を中心とするデータ
に変換され、演算器93に供給される。演算器93にお
いては、双方のデータより周波数ωc−ωoで周波数変
換を行なった場合の情報を生成するとともに相関演算を
行ない、希望信号を共通波として抽出する。
【0230】図39はこの第25の実施の形態における
サンプリング信号発生源92の動作の一例を説明するた
めに図38に表された構成を一方のA/D変換器(たと
えば90)、サンプリング信号発生源92および演算器
93以外の部分を簡略化して表した概略ブロック図であ
る。図39の例ではサンプリング信号発生源92からは
周波数ωoのn倍の周波数(nは整数)のパルス群が生
成せしめられ、また遅延回路はωoに対してτ時間の遅
延操作を行なってサンプリングクロック発生器からのパ
ルス列に付加する。
【0231】図40はこの第25の実施の形態における
サンプリング信号発生源92の動作の別の例を説明する
ために図38に表された構成を第1のA/D変換器9
0、サンプリング信号発生源92および演算器93以外
の部分を簡略化して表した概略ブロック図である。図4
0の例ではサンプリング信号発生源92からは周波数ω
oのn倍の周波数(nは整数)のパルス群が生成せしめ
られ、また遅延回路はωoに対してπ/2時間の遅延操
作を行ない、サンプリングクロック発生器からのパルス
列と、遅延パルス列を付加する回路からの遅延パルス列
とを、特に希望チャネル信号の周波数のπ/2に相当す
る位相差時間としている。
【0232】図41はこの第25の実施の形態における
サンプリング信号発生源92の動作の別の例を説明する
ために図38に表された構成を第1のA/D変換器9
0、サンプリング信号発生源92および演算器93以外
の部分を簡略化して表した概略ブロック図である。図4
1の例ではサンプリング信号発生源92からは周波数ω
oのn倍の周波数(nは整数)のパルス群が生成せしめ
られ、また遅延回路はωoに対してπ/2時間の遅延操
作を複数回行ない、サンプリングクロック発生器からの
パルス列と、遅延パルス列を付加する回路からの遅延パ
ルス列とを、特に希望チャネル信号の周波数のπ/2に
相当する位相差時間とする遅延パルスを複数列発生させ
ている。
【0233】以上から本実施の形態によれば受信信号の
搬送周波数ではなく、その帯域幅に基づく周波数をA/
D変換器のサンプリングクロック周波数とすることで、
仮にそのサンプリング周波数成分が空中に漏洩しても当
該通信に妨害を与えることはなく、受信信号入力回路8
1に組み込まれている受信帯域フィルタ96で容易に漏
洩を防止することができる。さらに、サンプリング周波
数は搬送波周波数よりもはるかに低いことから、回路の
消費電力を支配する周波数が低くてすむことが明らかで
ある。また、受信回路にはアナログ方式の周波数変換回
路が全く存在しないので、これに関わる能動素子やフィ
ルタ素子が全く不要になる。A/D変換器90、91お
よびその後のディジタル信号処理回路はすべてを集積回
路化でき、小型化できる上に集積回路内部での配線要領
が微小で済むことにともなう消費電力の低減効果が大で
ある。以上より、本実施の形態は局部発振周波数の漏洩
に起因する通信妨害を発生することなく、受信系の電力
を低減し、受信回路を簡素化 し、消費電力を低減する
ことができる。
【0234】(実施の形態26)次に本発明の第26の
実施の形態について説明する。これまでの移動体通信装
置の受信回路では高周波回路部分を削減し消費電力を低
減するための改良が種々なされてきているが、いずれも
決定的な改善には至っていない。ここで、図42として
日本標準ディジタル方式自動車電話システムの周波数配
置概観図を示す。図42において、たとえば、日本標準
の一例であるPDCの810MHz〜826MHzでは
640波が包含される。すなわち、25KHzで120
0チャネルが並ぶことになる。この周波数帯に対して直
接にサンプリングをすることは甚だ無駄が多い。なぜな
ら、伝送情報が収容されるチャネルの帯域幅は23KH
zと狭く、情報量は少ない。したがって、受信した無線
帯域信号を直にその搬送波周波数帯域である800MH
zを相手にサンプリングすれば、数GHz(ギガヘル
ツ)のサンプリングが必要になる計算であるが、情報量
は25KHzしかないことになり、殆どのサンプリング
データは冗長となる。
【0235】本実施の形態の受信装置は、受信信号を直
接A/D変換器に加える方法を実現し、周波数変換器の
削除を可能にしたものである。
【0236】シャノンの標本化定理により、任意の時間
関数f(t)を規定するために必要な標本の時間間隔の
最大値を均等標本の場合について考えるとき、次の式で
表され、これはよく知られたオーバーサンプリングの定
理となる。
【0237】
【数63】
【0238】ここで、周波数Wは時間関数f(t)が含
む周波数成分の上限、すなわちこの場合では826MH
zを示す。したがって、サンプリング速度は826MH
zの2倍以上の、数ギガS/sのものとなる。ここで、
スペクトルがf1からf2に限定される場合について考
える。この場合にシャノンの2次標本化定理を用いた式
は次式となる。
【0239】
【数64】 この式は、標本間隔 T=1/(f2−f1) ごとにf(t)とfq (t)の値をサンプリングすれ
ば原信号f(t)が完全に表現できることを示す。した
がって、 f2−f1=W(Hz) とするとき、サンプリング時間間隔は1/Wで、f
(t)とfq (t)を交互にサンプリングすればよ
い。すなわち、受信入力回路に設けたフィルタの帯域幅
が25kHzであれば25kHzのサンプリング速度で
対処できる。実際に受信入力回路に設けたフィルタは隣
接するチャネルをすべて含んだ状態で設計するので、そ
の帯域幅は、 826(MHz)−810(MHz)=16(MHz) の16MHz幅となり、サンプリング速度は15MS/
sとなる。この受信信号の配置状況を図43に示す。こ
の図43は日本標準ディジタル方式自動車電話システム
のチャネル配置概観図である。
【0240】図44は本発明の第26の実施の形態にお
ける受信回路の構成を示すブロック図である。図44に
おいて、符号1は空中線、81は空中線1から受信され
た受信信号を受ける受信入力回路、88は受信信号につ
いてゲイン調整を行なう利得制御回路、90は利得制御
回路88からの出力信号をA/D変換するA/D変換
器、92はこのA/D変換器90に受信信号の持つ帯域
幅に相当する周波数以上のクロックを発生するサンプリ
ングクロック発生部92aと、サンプリングクロックパ
ルス列に遅延パルス列を付加する遅延パルス付加部92
bと、サンプリングクロックパルス列と遅延パルス列と
を前記A/D変換器90のサンプリングパルスとして提
供するパルス加算部92cとを有するサンプリング信号
発生源、93は前記A/D変換器90のディジタル出力
データから希望する受信チャネル信号を抽出する演算器
である。受信入力部81は、増幅回路94と、受信帯域
フィルタ96とから構成されている。
【0241】次に上記第26の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。空中線1から受信される信
号群は受信帯域フィルタ96を含む受信入力回路81に
より通信チャネル帯域のみの信号となる。この信号は利
得制御回路88によりゲイン調整されて所定のレベルの
信号になり、A/D変換器90に供給される。ここで、
サンプリング信号発生源92から周波数foのn倍の周
波数(nは整数)のパルス群と、遅延を施した同一周波
数のパルス群の合わされたパルス群によるサンプリング
パルスを得る。これにより、受信信号は、A/D変換器
90は2次サンプリング作用を得て希望チャネル信号を
中心とするデータに変換され、演算器93に供給され
る。このデータにより演算器93においては、周波数f
c−foで周波数変換を行なった場合の情報を生成する
とともに相関演算を行ない希望信号を共通波としてBP
SK信号を抽出する。
【0242】以上から、本実施の形態によれば、主とし
て複数のチャネルを有するBPSK方式のディジタル変
調方式を持つ通信システムなどにおいて、周波数変換器
を用いずに希望波チャネルを受信することができ、電力
の低減、回路の簡素化を可能にした受信回路を実現する
ことができる。なお、この第26の実施の形態において
は、A/D変換器90を1基用いてA/D変換処理を行
なう構成としているが、2基のA/D変換器を並列配置
して2種類のサンプリングパルス列を別けて供給し、デ
ィジタル信号信号出力を得た後合成する方式によっても
よい。
【0243】(実施の形態27)図45は本発明の第2
7の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。図45において、符号1は空中線、81は空
中線1から受信された受信信号を受ける受信入力回路、
88は受信信号についてゲイン調整を行なう利得制御回
路、90は利得制御回路88からの出力信号をA/D変
換する第1のA/D変換器、91は第2の利得制御回路
88からの出力信号を上記第1のA/D変換器90とは
別系統の信号として受けこの信号をA/D変換する第2
のA/D変換器、92はこれら第1および第2のA/D
変換器90に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以
上のクロックを発生するサンプリングクロック発生部9
2aと、サンプリングクロックパルス列に遅延パルス列
を付加する遅延パルス付加部92bと、サンプリングク
ロックパルス列と遅延パルス列とを前記A/D変換器9
0のサンプリングパルスとして提供するパルス加算部9
2cとを有するサンプリング信号発生源、93は前記A
/D変換器90のディジタル出力データから希望する受
信チャネル信号を抽出する演算器、99は上記利得制御
回路88の出力を受けて移相処理を行ない、これによっ
て得られた信号を第2のA/D変換器92に送付する移
相器である。受信入力部81は、増幅回路94と、受信
帯域フィルタ96とから構成されている。
【0244】次に上記第27の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。空中線1から受信される信
号群は受信帯域フィルタ96を含む受信入力回路81に
より通信チャネル帯域のみの信号となる。この信号は利
得制御回路88によりゲイン調整されて所定のレベルの
信号になる。利得制御回路88の出力は2系統に分配さ
れる。1つの系統は第1のA/D変換器90に入力さ
れ、受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以上のクロ
ックパルス列、すなわち周波数foのn倍の周波数(n
は整数)のパルス群と、遅延を施した同一周波数のパル
ス群の合わされたパルス群によるサンプリングパルスを
サンプリング信号発生器92から受け、サンプリング制
御される。第1のA/D変換器90は上記第26の実施
の形態におけるA/D変換器と全く同様なディジタル信
号出力を生成し、これを演算器93に供給する。
【0245】他方、利得制御回路88の出力はもう1つ
の系統(第2の系統)に分配される。第2の系統は移相
器99に接続し、この移相器99で受信信号は90度の
位相変化を与えられる。この移相処理をされた信号は、
第2のA/D変換器91に入力され、受信信号の持つ帯
域幅に相当する周波数以上のクロックパルス列、すなわ
ち周波数foのn倍の周波数(nは整数)のパルス群
と、遅延を施した同一周波数のパルス群の合わされたパ
ルス群によるサンプリングパルスをサンプリング信号発
生器92から受け、サンプリング制御される。演算器9
3においては、周波数fc−foで周波数変換を行なっ
た場合の情報を生成するとともに相関演算を行ない希望
信号を共通波としてBPSK信号を抽出する。この結
果、第2のA/D変換器91のディジタル出力から、演
算器93により抽出されるBPSK信号は、第1のA/
D変換器90側の出力と90度の位相差をもつ情報であ
る。この2種類の情報はQPSK信号系を形成してい
る。よって、以上からQPSK系の通信方式の信号に関
して復調ができることを示している。
【0246】以上から、本実施の形態によれば、主とし
て複数のチャネルを有するQPSK方式のディジタル変
調方式を持つ通信システムなどにおいて、周波数変換器
を用いずに希望波チャネルを受信することができ、電力
の低減、回路の簡素化を可能にした受信回路を実現する
ことができる。
【0247】(実施の形態28)図46は本発明の第2
8の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。この実施の形態は、本発明の根幹をなす局部
周波数相補オフセット型直接周波数変換方式に加えたも
ので、単一の直接直交検波回路を基本とする受信回路に
よりスペース・ダイバーシティ機能を実現する。図46
において、符号1は空中線であり第1の空中線1aと第
2の空中線1bの複数の空中線からなる。81は第1の
空中線1aから受信された第1の受信信号を受ける第1
の受信入力回路、82は第2の空中線1bから受信され
た第2の受信信号を受ける第2の受信入力回路、83は
第1の受信入力回路81からの受信信号を入力して周波
数変換を行なう第1の周波数変換器、84は第2の受信
入力回路82からの受信信号を入力して周波数変換を行
なう第2の周波数変換器、85は第1および第2の周波
数変換器83、84のそれぞれにに希望波搬送波周波数
にチャネル間隔周波数の1/2の周波数オフセットを施
した周波数で出力を提供する局部発振器、86は第1の
周波数変換器83の出力信号の高周波帯域をカットする
第1のローパスフィルタ、87は第2の周波数変換器8
4の出力信号の高周波帯域をカットする第2のローパス
フィルタ、88は第1の受信信号についてゲイン調整を
行なう第1の利得制御(AGC:オートゲインコントロ
ール)回路、89は第2の受信信号についてゲイン調整
を行なう第2の利得制御回路、90は第1の周波数変換
器83からの出力信号をA/D変換する第1のA/D変
換器、91は第2の周波数変換器84からの出力信号を
A/D変換する第2のA/D変換器、92はこれら第1
および第2のA/D変換器90、91に受信信号の持つ
帯域幅に相当する周波数以上のクロックを発生する機能
と、サンプリングクロックパルス列に遅延パルス列を付
加する機能と、サンプリングクロックパルス列と遅延パ
ルス列とを前記第1および第2のA/D変換器90、9
1のサンプリングパルスとして提供する機能とを有する
サンプリング発生源、93は前記第1および第2のA/
D変換器90、91のディジタル出力データから希望す
る受信チャネル信号を抽出する演算器である。第1およ
び第2の受信入力部81は、それぞれ増幅回路94、9
5と、受信帯域フィルタ(バンドパス・フィルタ)9
6、97とから構成されている。
【0248】次に上記第28の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。第1の空中線1aから受信
される信号群は受信帯域フィルタ96により通信チャネ
ル帯域のみの信号となり、第1の周波数変換器83によ
りオフセットの加えられた局部発振周波数fc+foで
周波数変換される。この局部発振周波数は局部発振器8
5より供給される。この結果、第1のローパスフィルタ
86には周波数2fc+foと周波数−foの出力が供
給されるが、低域通過特性により周波数−foの信号が
取り出される。この信号は第1の利得制御回路88によ
り所定のレベルの信号になり、第1のA/D変換器90
に供給される。ここで、サンプリング発生源92から周
波数foのn倍の周波数(nは整数)のパルス群と、遅
延を施した同一周波数のパルス群の合わされたパルス群
によるサンプリングパルスを得る。これにより、第1の
A/D変換器90は2次サンプリング作用を得て希望チ
ャネル信号を中心とするデータに変換され、演算器93
に供給される。
【0249】第2の空中線1bから受信される信号群は
受信帯域フィルタ97により通信チャネル帯域のみの信
号となり、第2の周波数変換器84によりオフセットの
加えられた局部発振周波数fc+foで周波数変換され
る。この局部発振周波数は局部発振器85より供給され
る。この結果、第2のローパスフィルタ87には周波数
2fc+foと周波数−foの出力が供給されるが、低
域通過特性により周波数−foの信号が取り出される。
この信号は第2の利得制御回路89により所定のレベル
の信号になり、第2のA/D変換器91に供給される。
ここで、サンプリング発生源92から周波数foのn倍
の周波数(nは整数)のパルス群と、遅延を施した同一
周波数のパルス群の合わされたパルス群によるサンプリ
ングパルスを得る。これにより、第2のA/D変換器9
1は2次サンプリング作用を得て希望チャネル信号を中
心とするデータに変換され、演算器93に供給される。
演算器93においては、双方のデータより周波数fc−
foで周波数変換を行なった場合の情報を生成するとと
もに相関演算を行ない、希望信号を共通波として抽出す
る。
【0250】(実施の形態29)図47は本発明の第2
9の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。この実施の形態に係る受信回路は、上記第2
8の実施の形態に係る受信装置と殆ど同様の構成を有す
るから同一の部分については同じ符号を付することによ
り詳細な説明を省略する。この第29の実施の形態にお
いては、局部発振器が2基設けられている。一方の局部
発振器85aは第28の実施の形態の局部発振器85と
同一であり、この局部発振器85aは第1の周波数変換
器83に接続されて当該周波数変換器83に局部発振周
波数fc+foを供給する。もう一方の局部発振器85
bは第2の周波数変換器84に接続されて当該周波数変
換器84に局部発振周波数fc−foを供給する構成と
なっている。
【0251】次に上記第29の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。第1の空中線1aから受信
される信号群は受信帯域フィルタ96により通信チャネ
ル帯域のみの信号となり、第1の周波数変換器83によ
りオフセットの加えられた局部発振周波数fc+foで
周波数変換される。この局部発振周波数は局部発振器8
5aより供給される。この結果、第1のローパスフィル
タ86には周波数2fc+foと周波数−foの出力が
供給されるが、低域通過特性により周波数−foの信号
が取り出される。この信号は第1の利得制御回路88に
より所定のレベルの信号になり、第1のA/D変換器9
0に供給される。ここで、サンプリング発生源92から
周波数foのn倍の周波数(nは整数)のパルス群と、
遅延を施した同一周波数のパルス群の合わされたパルス
群によるサンプリングパルスを得る。これにより、第1
のA/D変換器90は2次サンプリング作用を得て希望
チャネル信号を中心とするデータに変換され、演算器9
3に供給される。
【0252】第1の空中線1bから受信される信号群は
受信帯域フィルタ97により通信チャネル帯域のみの信
号となり、第2の周波数変換器84によりオフセットの
加えられた局部発振周波数fc−foで周波数変換され
る。この局部発振周波数は局部発振器85より供給され
る。この結果、第2のローパスフィルタ87には周波数
2fc−foと周波数foの出力が供給されるが、低域
通過特性により周波数foの信号が取り出される。この
信号は第2の利得制御回路89により所定のレベルの信
号になり、第2のA/D変換器91に供給される。ここ
で、サンプリング発生源92から周波数foのn倍の周
波数(nは整数)のパルス群と、遅延を施した同一周波
数のパルス群の合わされたパルス群によるサンプリング
パルスを得る。これにより、第2のA/D変換器91は
2次サンプリング作用を得て希望チャネル信号を中心と
するデータに変換され、演算器93に供給される。演算
器93においては、双方のデータより周波数fc−fo
で周波数変換を行なった場合の情報を生成するとともに
相関演算を行ない、希望信号を共通波として抽出する。
【0253】(実施の形態30)図48は本発明の第3
0の実施の形態における受信回路の構成を示すブロック
図である。この実施の形態に係る受信回路は、上記第2
8および第29の実施の形態に係る受信装置と基本的に
同じ構成を有し、さらに構成を簡略化したものである。
よって上記2つの実施の形態と同一の部分については同
じ符号を付し、簡単に構成の説明をする。
【0254】図48において、符号1は空中線であり第
1の空中線1aと第2の空中線1bの複数の空中線から
なる。81は第1の空中線1aから受信された第1の受
信信号を受ける第1の受信入力回路、82は第2の空中
線1bから受信された第2の受信信号を受ける第2の受
信入力回路、88は第1の受信信号についてゲイン調整
を行なう第1の利得制御回路、89は第2の受信信号に
ついてゲイン調整を行なう第2の利得制御回路、90は
第1の利得制御回路88からの出力信号をA/D変換す
る第1のA/D変換器、91は第2の利得制御回路89
からの出力信号をA/D変換する第2のA/D変換器、
92はこれら第1および第2のA/D変換器90、91
に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以上のクロッ
クを供給する機能と、サンプリングクロックパルス列に
遅延パルス列を付加する機能と、サンプリングクロック
パルス列とその遅延パルス列とを前記第1および第2の
A/D変換器90、91のサンプリングパルスとして提
供する機能とを有するサンプリング発生源、93は前記
第1および第2のA/D変換器90、91のディジタル
出力データから希望する受信チャネル信号を抽出する演
算器である。第1および第2の受信入力部81は、それ
ぞれ増幅回路94、95と、受信帯域フィルタ 96、
97とから構成されている。
【0255】次に上記第30の実施の形態の動作原理お
よび作用について説明する。第1の空中線1aから受信
される信号群は受信帯域フィルタ96により通信チャネ
ル帯域のみの信号となり、この信号は第1の利得制御回
路88により所定のレベルの信号になり、第1のA/D
変換器90に供給される。ここで、サンプリング発生源
92から周波数foのn倍の周波数(nは整数)のパル
ス群と、遅延を施した同一周波数のパルス群の合わされ
たパルス群によるサンプリングパルスを得る。これによ
り、第1のA/D変換器90は2次サンプリング作用を
得て希望チャネル信号を中心とするデータに変換され、
演算器93に供給される。
【0256】第2の空中線1bから受信される信号群は
受信帯域フィルタ97により通信チャネル帯域のみの信
号となり、この信号は第2の利得制御回路89により所
定のレベルの信号になり、第2のA/D変換器91に供
給される。ここで、サンプリング発生源92から周波数
foのn倍の周波数(nは整数)のパルス群と、遅延を
施した同一周波数のパルス群の合わされたパルス群によ
るサンプリングパルスを得る。これにより、第2のA/
D変換器91は2次サンプリング作用を得て希望チャネ
ル信号を中心とするデータに変換され、演算器93に供
給される。演算器93においては、双方のデータより周
波数fc−foで周波数変換を行なった場合の情報を生
成するとともに相関演算を行ない、希望信号を共通波と
して抽出する。
【0257】以上から、本実施の形態によれば、本発明
の根幹をなす局発周波数相補オフセット型周波数変換方
式に加えたスペース・ダイバーシティ機能を実現するこ
とができる。
【0258】
【発明の効果】本発明は、上記各実施の形態から明らか
なように、通信システムの有するチャネルの間の谷間と
なる周波数を受信機の局部周波数として直接周波数変換
を行なうとともに、その出力信号に生じる周波数オフセ
ットおよび隣接チャネルの信号が混入するのを防ぐこと
ができるので、結果として受信系の電力を低減し、回路
を簡素化し、消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図3】本発明の第3の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図4】本発明の第4の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図5】本発明の第5の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図6】本発明の第6の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図7】本発明の第7の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図8】本発明の第8の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図9】本発明の第9の実施の形態における受信回路の
構成を示すブロック図
【図10】本発明の第10の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図11】本発明の第11の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図12】本発明の第12の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図13】本発明の第13の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図14】本発明の第14の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図15】本発明の第14の実施の形態におけるトラン
スの概念図
【図16】本発明の第15の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図17】本発明の第15の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図18】本発明の第16の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図19】本発明の第17の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図20】本発明の各実施の形態における局部周波数設
定方法を説明するための模式図
【図21】本発明の第18の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図22】本発明の第19の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図23】本発明の第20の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図24】本発明の第21の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図25】本発明の第22の実施の形態におけるトラン
スの概念図
【図26】本発明の第22の実施の形態においてA/D
変換器でサンプリングを行なった結果エイリアスが発生
する様子を説明する図
【図27】本発明において用いられる多チャネル通信シ
ステムにおける受信チャネルの状況を示す図
【図28】本発明の第22の実施の形態において現れる
負の周波数領域を持ったA/D変換出力を表す図
【図29】本発明の第22の実施の形態におけるπ/2
の位相差を利用して信号成分をコサインおよびサイン関
数により直交成分に分解する方法を示す図
【図30】本発明の第22の実施の形態における直交す
る2信号をA/D変換する場合の直交サンプリング動作
の一例を示す図
【図31】図30の直交サンプリング説明図においてオ
フセットを考慮した場合の図
【図32】本発明の第22の実施の形態における直交す
る2信号をA/D変換する場合における図30、図31
とは異なる別の直交サンプリング動作の一例を示す図
【図33】本発明の第22の実施の形態において図32
に示す直交サンプリング動作を行なった場合に得られる
サンプリングパルスを示す図
【図34】本発明の第23の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図35】本発明の第23の実施の形態における直交す
る2信号をA/D変換する場合の直交サンプリング動作
の一例を示す図
【図36】本発明の第24の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図37】本発明の第24の実施の形態における直交す
る2信号をA/D変換する場合の直交サンプリング動作
の一例を示す図
【図38】本発明の第25の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図39】本発明の第25の実施の形態においてサンプ
リング信号発生源部分の一動作を説明するための簡略化
したブロック図
【図40】本発明の第25の実施の形態においてサンプ
リング信号発生源部分の他の動作を説明するための簡略
化したブロック図
【図41】本発明の第25の実施の形態においてサンプ
リング信号発生源部分のさらに他の動作を説明するため
の簡略化したブロック図
【図42】本発明の第26の実施の形態の説明に用いる
日本標準ディジタル方式自動車電話システムの周波数配
置概観図
【図43】図42で示した日本標準ディジタル方式自動
車電話システムのチャネル配置概観図
【図44】本発明の第26の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図45】本発明の第27の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図46】本発明の第28の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図47】本発明の第29の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【図48】本発明の第30の実施の形態における受信回
路の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 空中線 2、3 周波数変換回路 4 局部周波数信号発生回路 5 共通波抽出回路 6 周波数オフセット回路 7 オフセット周波数発生回路 8 フィルタ 9A、9B バンドパスフィルタ 10A、10B A/D変換器 11、12 直交復調回路 13 相関器 14 フィルタ 15 第2の周波数変換回路 16 ディジタル周波数変換回路 17 ディジタル周波数発生回路 20 受信入力部 21、22 入力線路 23、24 積分回路 25、26、30 緩衝増幅器 27、28 トランス 29 接続点 41、42 非共通信号検出回路 43 平衡性監視回路 44、45 合成回路 46、47 非共通信号除去回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 富士雄 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5K004 AA01 AA05 AA08 BA02 FG02 FK09 JG01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空中線から受信信号を受ける受信入力手
    段と、前記受信入力手段からの受信信号に対して周波数
    変換処理を行ない、位相の異なる2つの出力を得る直交
    復調器と、前記直交復調器からの一方の出力信号を入力
    してアナログ信号をディジタル信号に変換する第1およ
    び第2のA/D変換器と、前記第1および第2のA/D
    変換器に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数の2倍
    以上のクロックを発生する第1のサンプリングクロック
    発生器と、前記第1のサンプリングクロック発生器から
    のパルス列に第1の遅延パルス列を付加する第1の遅延
    回路と、前記第1のサンプリングクロック発生器からの
    パルス列と前記第1の遅延パルス列とを前記第1および
    第2のA/D変換器のサンプリングパルスとして提供す
    る手段と、前記直交復調器からの他方の出力信号を入力
    してアナログ信号をディジタル信号に変換する第3およ
    び第4のA/D変換器と、前記第3および第4のA/D
    変換器に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数の2倍
    以上のクロックを発生する第2のサンプリングクロック
    発生器と、前記第2のサンプリングクロック発生器から
    のパルス列を遅延させて第2の遅延パルス列を生成する
    第2の遅延回路と、前記第2のサンプリングクロック発
    生器からのパルス列と前記第2の遅延パルス列とを前記
    第3および第4のA/D変換器のサンプリングパルスと
    して提供する手段と、前記第1乃至第4のA/D変換器
    のディジタル出力データから希望する受信チャネル信号
    の直交成分を抽出する手段とを有することを特徴とする
    受信回路。
  2. 【請求項2】 前記各遅延回路の遅延時間を、前記希望
    チャネル信号の周波数との関係でπ/2に相当する位相
    差の遅延時間とすることを特徴とする請求項1記載の受
    信回路。
  3. 【請求項3】 空中線から受信信号を受ける受信入力手
    段と、前記受信入力手段からの受信信号に対して周波数
    変換処理を行ない、位相の異なる2つの出力を得る直交
    復調器と、前記直交復調器からの一方の出力信号を入力
    してアナログ信号をディジタル信号に変換する第1およ
    び第2のA/D変換器と、前記第1および第2のA/D
    変換器に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以上の
    クロックを発生する第1のサンプリングクロック発生器
    と、前記第1のサンプリングクロック発生器からのパル
    ス列に第1の遅延パルス列を付加する第1の遅延回路
    と、前記第1のサンプリングクロック発生器からのパル
    ス列と前記第1の遅延パルス列とを前記第1および第2
    のA/D変換器のサンプリングパルスとして提供する手
    段と、前記直交復調器からの他方の出力信号を入力して
    アナログ信号をディジタル信号に変換する第3および第
    4のA/D変換器と、前記第3および第4のA/D変換
    器に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数の2倍以上
    のクロックを発生する第2のサンプリングクロック発生
    器と、前記第2のサンプリングクロック発生器からのパ
    ルス列を遅延させて第2の遅延パルス列を生成する第2
    の遅延回路と、前記第2のサンプリングクロック発生器
    からのパルス列と前記第2の遅延パルス列とを前記第3
    および第4のA/D変換器のサンプリングパルスとして
    提供する手段と、前記第1乃至第4のA/D変換器のデ
    ィジタル出力データから希望する受信チャネル信号の直
    交成分を抽出する手段とを備え、前記各遅延回路の遅延
    時間を、前記希望チャネル信号の周波数との関係でπに
    相当する位相差以外の遅延時間としたことを特徴とする
    受信回路。
  4. 【請求項4】 空中線から受信信号を受ける受信入力手
    段と、この受信信号を入力してA/D変換を行なう第1
    のA/D変換器と、第2のA/D変換器と、これらのA
    /D変換器に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以
    上のクロックを発生するサンプリングクロック発生器
    と、前記サンプリングクロック発生器からのパルス列に
    その遅延パルス列を付加する回路と、このサンプリング
    クロック発生器からのパルス列と遅延パルス列とを前記
    A/D変換器のサンプリングパルスとして提供する手段
    と、前記A/D変換器のディジタル出力データから希望
    する受信チャネル信号を抽出する手段とを有することを
    特徴とする受信回路。
  5. 【請求項5】 前記遅延パルス列を付加する回路におけ
    る遅延時間を、希望チャネル信号の周波数との関係でπ
    /2に相当する位相差時間としたことを特徴とする請求
    項4記載の受信回路。
  6. 【請求項6】 前記遅延パルスを複数発生させる手段を
    設け、かつ前記遅延パルスの遅延時間を、特に希望チャ
    ネル信号の周波数との関係でπに相当する位相差以外の
    遅延時間としたことを特徴とする請求項4記載の受信回
    路。
  7. 【請求項7】 空中線から受信信号を受ける受信入力手
    段と、この受信信号を入力してA/D変換を行なう単一
    のA/D変換器と、前記A/D変換器に受信信号の持つ
    帯域幅に相当する周波数以上のクロックを発生するサン
    プリングクロック発生器と、このサンプリングクロック
    発生器からのパルス列に遅延パルス列を付加する回路
    と、前記サンプリングクロック発生器からのパルス列に
    遅延パルス列を付加する回路と、前記サンプリングクロ
    ック発生器からのパルス列と遅延パルス列とを前記A/
    D変換器のサンプリングパルスとして提供する手段と、
    前記A/D変換器のディジタル出力データから希望する
    受信チャネル信号を抽出する手段とを有することを特徴
    とする受信回路。
  8. 【請求項8】 空中線から受信信号を受ける受信入力手
    段と、前記受信入力手段からの受信信号に対して周波数
    変換処理を行ない、位相の異なる2つの出力を得る直交
    復調器と、前記直交復調器からの一方の出力信号を入力
    してアナログ信号をディジタル信号に変換する第1のA
    /D変換器と、前記直交復調器からの他の出力信号を入
    力してアナログ信号をディジタル信号に変換する第2の
    A/D変換器と、前記第1および第2のA/D変換器に
    受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以上のクロック
    を供給するサンプリングクロック発生器と、前記サンプ
    リングクロック発生器からのパルス列を遅延させて遅延
    パルス列を生成する遅延回路と、前記サンプリングクロ
    ック発生器からのパルス列と前記遅延パルス列とを前記
    第1および第2のA/D変換器のサンプリングパルスと
    して共に提供する手段と、前記第1および第2のA/D
    変換器のディジタル出力データから希望する受信チャネ
    ル信号の直交成分を抽出する手段とを有することを特徴
    とする受信回路。
  9. 【請求項9】 前記遅延回路の遅延時間を、前記希望チ
    ャネル信号の周波数との関係でπ/2に相当する位相差
    の遅延時間とすることを特徴とする請求項8記載の受信
    回路。
  10. 【請求項10】 空中線から受信信号を受ける受信入力
    手段と、前記受信入力手段からの受信信号に対して周波
    数変換処理を行ない、位相の異なる2つの出力を得る直
    交復調器と、前記直交復調器からの一方の出力信号を入
    力してアナログ信号をディジタル信号に変換する第1の
    A/D変換器と、前記直交復調器からの他の出力信号を
    入力してアナログ信号をディジタル信号に変換する第2
    のA/D変換器と、前記第1および第2のA/D変換器
    に受信信号の持つ帯域幅に相当する周波数以上のクロッ
    クを供給するサンプリングクロック発生器と、前記サン
    プリングクロック発生器からのパルス列を遅延させて遅
    延パルス列を生成する遅延回路と、前記サンプリングク
    ロック発生器からのパルス列と前記遅延パルス列とを前
    記第1および第2のA/D変換器のサンプリングパルス
    として共に提供する手段と、前記第1および第2のA/
    D変換器のディジタル出力データから希望する受信チャ
    ネル信号の直交成分を抽出する手段とを備え、前記遅延
    回路の遅延時間を、前記希望チャネル信号の周波数との
    関係でπに相当する位相差以外の遅延時間としたことを
    特徴とする受信回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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